特許第6033858号(P6033858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033858
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】ダイカストマシンのためのピストン
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/20 20060101AFI20161121BHJP
【FI】
   B22D17/20 H
   B22D17/20 K
【請求項の数】19
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-518024(P2014-518024)
(86)(22)【出願日】2012年6月27日
(65)【公表番号】特表2014-518161(P2014-518161A)
(43)【公表日】2014年7月28日
(86)【国際出願番号】IB2012053256
(87)【国際公開番号】WO2013001469
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年4月1日
(31)【優先権主張番号】BS2011A000095
(32)【優先日】2011年6月28日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513326509
【氏名又は名称】コプロメック・ディ・キャスティング・エス.アール.エル.・ア・ソシオ・ユニコ
【氏名又は名称原語表記】COPROMEC DIE CASTING S.r.l. A SOCIO UNICO
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(72)【発明者】
【氏名】スキバロッキ、カルロ
(72)【発明者】
【氏名】スキバロッキ、キアラ
(72)【発明者】
【氏名】スキバロッキ、ニコラ
【審査官】 川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−301592(JP,A)
【文献】 特表2009−511275(JP,A)
【文献】 特開2009−279645(JP,A)
【文献】 特開平03−035857(JP,A)
【文献】 特開2010−269319(JP,A)
【文献】 特表2009−533226(JP,A)
【文献】 特開2004−268067(JP,A)
【文献】 実開平06−061358(JP,U)
【文献】 特開2006−082131(JP,A)
【文献】 実開平04−012359(JP,U)
【文献】 米国特許第04899804(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイカストマシン、特にコールドチャンバーをもつもののためのピストンであり、前記ダイカストマシンは、ピストンがスライドするように収容されているスリーブをもつ射出部を備えており、前記ピストンは、
・ピストン軸に沿って近位端から遠位端まで延びているステムと、
・前記ステムの前記遠位端から延びているピストンヘッドを備えており、前記ピストンヘッドは、前記射出部の前記スリーブの壁に対するシールを形成するために前記ピストンヘッドの側方壁に作られそのリング座に収容された少なくとも一つのシールリング備えており、前記シールリングは、前記シールリングの径方向拡張を許可する縦方向割れ目によって縦方向に分断されており、また、
・前記スリーブの中でのピストンのスライドを促進するのに適している潤滑回路を備えており、その潤滑回路は、
・前記ステムの中に作られ、前記ステムの前記遠位端で終わっている少なくとも一つの第一の潤滑ダクトと、
・前記ピストンヘッドの中に作られ、前記第一の潤滑ダクトと流体的に連絡しており、前記シールリングの下において、前記リング座に出てくる少なくとも一つの第二の潤滑ダクトを備えており、前記第二の潤滑ダクトは前記シールリングによって覆われており、それにより、潤滑剤は、前記シールリングと前記ピストンヘッドの間の複数のすきまを通って、および/または、前記縦方向割れ目を通って、ピストンヘッドから出てくる、ピストン。
【請求項2】
前記複数のすきまは、前記シールリングと、リング座後方を定めている後方リムの間の一つのすきまを備えている、請求項1に記載のピストン。
【請求項3】
前記すきまは、0.1mm以下の幅を有している、請求項1または2に記載のピストン。
【請求項4】
前記リング座のボトムは、前記シールリングの下の金属の流れのための連絡チャンネルによって前記ピストンヘッドの前方表面に連結されており、前記リング座のボトムの前記連絡チャンネルの出口開口と前記リング座の前記後方リムの間において、前記シールリングと前記リング座は、前記シールリングの下に侵入する液体状態の金属の通過を止めるのに適している溝付き結合部分を有している、請求項2に記載のピストン。
【請求項5】
前記第二の潤滑ダクトは、前記溝付き結合部分と前記リング座の前記後方リムの間に含まれている前記リング座の後方部分に出てくる、請求項4に記載のピストン。
【請求項6】
前記第一の潤滑ダクトは、潤滑剤入口穴から縦方向に延びており、前記ピストン軸に対して角度的に等距離にある少なくとも二つの分配ダクトに分岐している供給ダクトを備えており、前記第二の潤滑ダクトは、前記分配ダクトの延長である、請求項1〜5のいずれかひとつに記載のピストン。
【請求項7】
前記第二の潤滑ダクトは、前記ピストン軸に平行な第一の区間と、前記リング座の中に出てくる少なくとも一つの第二の径方向区間を有している、請求項1〜6のいずれかひとつに記載のピストン。
【請求項8】
前記ピストンヘッドは、前記ステムに取り外し可能に連結されており、前記ステムと前記ピストンヘッドの間には、シールされた流体連結手段が、前記第一および第二の潤滑ダクトの間に設けられている、請求項1〜7のいずれかひとつに記載のピストン。
【請求項9】
前記ステムの前記遠位端には、前記ステムと前記ピストンヘッドの間の軸方向シフトを可能にするようにフランジが付けられている、請求項8に記載のピストン。
【請求項10】
前記シールされた流体連結手段は、複数の連結ブッシュを備えており、そのおのおのは、分配ダクトの終わり区間の中に較正された締めしろハーフをもって、また、第二の潤滑ダクトの始まり区間の中に別のハーフをもって挿入されており、前記ハーフのおのおのには、環状シール要素が取り付けられている、請求項8または9に記載のピストン。
【請求項11】
前記ステムのランジ端と前記ピストンヘッドの隣接端は、ねじによって互いに連結されている、請求項に記載のピストン。
【請求項12】
前記ステムとピストンヘッドの中に、冷却液を前記ピストンヘッドの内側で循環させるのに適している冷却回路が作られている、請求項1〜11のいずれかひとつに記載のピストン。
【請求項13】
前記ピストンヘッドは、前記ステムの前記遠位端に作られた対応の凹部の中にはまる近位端を有している軸方向支持ピンにクリアランスなしで取り付けられた中空外側本体を備えている、請求項8〜12のいずれかひとつに記載のピストン。
【請求項14】
前記ステムと前記軸方向支持ピンは軸方向冷却穴を有しており、その中には、前記ピストンヘッドの前記軸方向支持ピンの前方表面まで通っている冷却液の配送チューブが挿入されており、前記前方表面は、前記軸方向支持ピンの外側側方表面に作られたらせん状冷却チャンネルと流体連絡状態にある、請求項13に記載のピストン。
【請求項15】
前記らせん状冷却チャンネルは、前記ステムの中に作られた冷却液の出口穴の中にまで通っている戻りダクトと流体連絡状態にある、請求項14に記載のピストン。
【請求項16】
前記戻りダクトは、前記軸方向冷却穴と、冷却液の前記配送チューブの間の環状キャビティで作られている、請求項15に記載のピストン。
【請求項17】
前記ステムの前記遠位端と前記ピストンヘッドは、前記ステムと前記ピストンヘッドの間に関節ジョイントを形成するようにそれぞれの球状結合表面を有している、請求項に記載のピストン。
【請求項18】
前記シールされた流体連結手段は、複数のボールジョイントを備えており、そのおのおのは、分配ダクトの終わり区間に挿入された第一の球状端と、第二の潤滑ダクトの始まり区間に挿入された第二の球状端を有しており、前記第一および第二の球状端のおのおのには、環状シール要素が取り付けられている、請求項17に記載のピストン。
【請求項19】
前記ピストンヘッドは、前記ステムに取り付けられた連結キャップによって前記ステムに接触状態に拘束されている、請求項17または18に記載のピストン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシンのためのピストンに、特にコールドチャンバータイプのものに関する。特に、本発明は、そのようなダイカストマシンのためのプレス機の溶融金属のコンテナーの中でのピストンのスライドを促進するのに適している潤滑回路を備えたピストンに関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前段部によれば、ダイカストマシンのためのピストンは、ステムと、プレス機のコンテナー壁上にシールを作るのに適している少なくとも一つのシールゾーンをもつ側方壁を有しているピストンヘッドを備えている。潤滑回路がさらに設けられたピストンが既に知られている。
【0003】
特に、ヘッドによってコンテナー壁に対しておこなわれるシール作用と干渉しないように、潤滑ブッシュをもつピストンをヘッドのピストン後方においてステムのまわりに配置させることが知られている。ステムの中には、ブッシュの中に出てくる一連の穴に分岐している潤滑ダクトが作られている。潤滑剤が、ブッシュの複数のノズルを通ってヘッドの方へ発射される。
【0004】
そのような実施形態解決策は、前におこなわれたように作動の開始時ではなく、作動中においてもピストンを円滑にすることを可能にするが、いくつかの欠点または制限が存在する。
【0005】
特に、潤滑は、ピストンのヘッドから遠くにおいて、特に、ヘッドとコンテナーの間の最大摩擦のエリアすなわちシールエリアから遠くにおいて、その最大効果を示す。実際、そのようなエリアは、ピストンの前方端に非常に近くにあり、潤滑ブッシュによって発射された潤滑剤は、そこに到達することができない。
【0006】
対象とした方式ではピストンとコンテナーの間の最大摩擦エリアに潤滑剤が到着しないので、シールエリアのピストンを円滑にすることが可能であるために必要とされるよりもはるかに多い大量の潤滑剤を注入することによってピストンのスライドを改善する試みがなされる。
【0007】
ヘッドから遠くにおける潤滑剤のそのようなはなはだしい使用はまた、コンテナーからの潤滑剤の漏れを引き起こす。
【0008】
ヘッドから遠くにあってヘッドと同様の冷却を受けないエリアにおいて、潤滑剤が潤滑ノズルによって注入されると仮定すると、潤滑剤は、気相状態への相変化をこうむり、有効に減少し、吸引されなければならないガスを生成する。
【0009】
真空にするための吸引ダクトを備えているコンテナーの場合、コンテナー中の気相状態の潤滑剤の存在は、潤滑剤がピストン上に堆積されるよりも、そのようなダクトから吸引されることを意味する。
【0010】
そのような欠点を克服することを試みるため、コンテナーとのシールエリアに、ヘッドの近くに出てくる潤滑剤穴をもつピストンが提案された。そのようなピストンの例は、DE3913494A1、JP2009279645A、DE29721722U1、JP2010269319Aに説明されている。しかしながら、ピストンのこれらの実施形態においても、潤滑ダクトの端区間は、ピストンのシール表面に開いており、液体状態においてピストンとコンテナーの間に侵入し、また固化して潤滑ダクトに栓をする薄片を形成する金属によってすぐに詰まるという事実のために、不十分であることが分かった。
【0011】
潤滑ブッシュをもつピストンは、最後に、作るのが複雑であると分かり、チューブと潤滑ノズルの破損および障害を特に改善するために頻繁なメンテナンスを必要とする。
【0012】
したがって、本発明の目的は、先行技術によるピストンの前述の限定を克服することを可能にするダイカストマシンのためのピストンを提案することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】DE3913494A1
【特許文献2】JP2009279645A
【特許文献3】DE29721722U1
【特許文献4】JP2010269319A
【発明の概要】
【0014】
そのような目的は、請求項1に記載のピストンによって達成される。
【0015】
本発明によるピストンの特性および利点は、添付の図面による、非限定的な例であるその好ましい実施形態を通して、以下に与えられる説明から明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、斜視図で、第一の実施形態の本発明によるピストンを示している。
図2図2は、ピストンの側面図である。
図3図3は、図2中の線A−Aに沿ったピストンの軸方向断面図である。
図4図4は、ダイカストマシンのプレス機のコンテナーに挿入されたピストンを示している。
図5図5は、斜視図で、ちょうどピストンのステムを示している。
図6図6は、ステムの側面図である。
図7図7は、図6中の線A−Aに沿ったステムの軸方向断面図である。
図8図8は、ステムの別の側面図である。
図9図9は、図8中の線A−Aに沿ったステムの軸方向断面図である。
図10図10は、図8中の線B−Bに沿ったステムの横断断面図である。
図11図11は、ステムの遠位端の拡大側面図である。
図12図12は、図11中の線D−Dに沿ったステムの端の横断断面図である。
図13図13は、ステムの遠位端の拡大側面図である。
図14図14は、図13中の線C−Cに沿ったステムの端の軸方向断面図である。
図15図15は、図13中の線E−Eに沿ったステムの端の横断断面図である。
図16図16は、シールリングを伴っていない、一つの実施形態変形のピストンの軸方向断面図である。
図17図17は、シールリングを伴った、図16のピストンの軸方向断面図である。
図17a図17aは、図16のピストンの別の軸方向断面図である。
図17b図17bは、図16のピストンの別の軸方向断面図である。
図18図18は、図17のピストンのヘッドだけの軸方向断面図であり、シールリングの下に侵入した金属が示されている。
図18a図18aは、図21に円で囲まれた詳細部Bの拡大図である。
図19図19は、ピストンヘッドの軸方向支持ピンの斜視図を示している。
図20図20は、ピストンヘッドの軸方向支持ピンの側面図を示している。
図21図21は、ピストンヘッドの軸方向支持ピンの軸方向断面視界を示している。
図22図22は、一つの実施形態変形でのピストンの軸方向断面図である。
図23図23は、別の実施形態のピストンの軸方向断面図である。
図23a図23aは、別の実施形態のピストンの軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
説明の継続において、可能な場合には、本発明のさまざまな実施形態に共通の要素は同じ参照数字を使用して示される。
【0018】
さらに、特に別のやり方で示されない限り、一つのピストン実施形態について説明された要素は、必要なところに必要なように適用されて、説明された他のピストン実施形態にも存在してよい。
【0019】
添付の図面に関して、参照数字1;500;700は、ダイカストマシンの、特にコールドチャンバータイプのもののプレス機のピストンを示している。プレス機は、ピストン1;500;700または少なくともその終わりスラスト部分がスライドするように収容されているコンテナー400を備えている。コンテナー400は、上側部分かつ一端に作られた、アルミニウムなどの溶融金属の注ぎ口を有している。前記注ぎ口の反対端には、コンテナー400は、型の中に出てくる鋳造ブランチの開始点に対応している割れ目402を有している。したがって、ピストン1;500;700は、コンテナー400の内側において軸方向にスライドして、注ぎ口を通って供給された金属を鋳造ブランチおよびそこから型の中に押し入れる。
【0020】
ピストン1;500;700は、ピストン軸Xに沿って、コンテナー中のピストンの進行の方向に関して近位または後方端11から延びているステム10;510;710と、遠位または前方端12;512;712を備えている。
【0021】
ピストン1;500;700は、ステムの遠位端12;512;712から延びており、プレス機の前記コンテナー400の壁に対するシールを作るのに適している少なくとも一つのシールゾーン52;552;752をもつ側方壁を有しているピストンヘッド50;550;750で終わっている。
【0022】
ピストン1;500;700には、コンテナー400中でピストンのスライドを助けるのに適している潤滑回路が設けられている。
【0023】
前記潤滑回路は、ステム10;510;710の中に作られ、前記ステムの遠位端12;512;712で終わっている第一の潤滑ダクト14,16,18と、ピストンヘッド50;550;750の中に作られ、前記第一のダクトと流体的に連絡し、前記シールエリア52;552;752に少なくとも対応している側方壁の中に出てくる第二のダクト20を備えている。
【0024】
図1〜15に示される一つの実施形態では、第一の潤滑ダクトは、潤滑剤の入口穴15から縦に延び、ピストン軸Xから角度的に等距離にある少なくとも二つの分配ダクト18に分岐している供給ダクト14を備えている。
【0025】
第二の潤滑ダクト20は、前記分配ダクト18の延長である。言いかえれば、各分配ダクト18の終わり端は、対応の第二の潤滑ダクト20の始まり端と直接連絡状態にある。
【0026】
ある好適な実施形態では、潤滑剤の入口穴15は、ステム10の近位端11の隣に作られている。したがって、供給ダクト14は、ほとんどステムの全長にわたって、ピストン軸Xに平行に、遠位端12の隣で終端している以下で説明される軸方向冷却ダクトの横に延びている。特に図3に見られ得るように、分配ダクト18は、ステム10の遠位端部分12に作られており、これもピストン軸Xと平行に延びている。供給ダクト14と分配ダクト18は、複数のブランチダクト16によって互いに接続されており、それらは、供給ダクト14の端からピストン軸Xに対する横方向に延びている。
【0027】
ある好適な実施形態では、ピストンヘッド50;550;750は、それぞれのリング座62に収容された少なくとも一つのシールリング60を有している。本発明の教示が適用され得るシールリングをもつピストンヘッドの例は、出願人の名義によるWO2007116426A1とWO2009125437A1の中で説明されている。
【0028】
リング座62は、ピストンヘッドの側方表面に作られた環状凹部に形成されている。前記リング座62は、径方向にはボトム62’によって、軸方向には少なくとも後方リム62aによって、好ましくはさらにピストンヘッドの前方表面602の近くに配置された前方リム62bによって、境界が定められている。
【0029】
たとえば、シールリングの座62のボトムは、コンテナー中に存在する溶融金属がリングの下を流れ、固化して、時間の経過とともに摩耗を補償してシール効果を確実にするリングの径方向増大を引き起こす進行性厚さ増大を作り出し得るように、連絡チャンネル604によってピストンヘッドの前方表面602に有利に連結されていてよい。一つの実施形態では、シールリング60は、その径方向拡張を許可するたとえば段差形状の縦方向割れ目60’を有している、ことに注意すべきである。
【0030】
本発明の一つの側面によれば、第二の潤滑ダクト20は少なくとも、リングの下のリング座62の中に通じている。前記第二のダクト20の開口端において、シールリングは閉じられている。したがって、前記第二のダクト20は、ピストンとコンテナーの400の間に侵入する金属によって引き起こされる、生じ得る障害物に対してシールリング60によって覆われ、したがって保護されている。
【0031】
それによって、加圧された潤滑剤が、シールリングの下に侵入し、シールリング60とピストンヘッド60の間のすきまを通って、および/または、シールリング60の縦方向割れ目60’を通って、ピストンから出てくることを強いられる。
【0032】
特に、加圧された潤滑剤は、シールリング60とリング座62のリム62a,62bの間のすきまを通ってピストンから出てくることを強いられる。
【0033】
そのような目的のため、シールリング60は、それぞれのリング座62の中に、あるクリアランスを伴って収容されている。クリアランスを伴う収容は、シールリング60がそれぞれのリング座62の中に強制的手法で挿入されないことを意味するためにおこなわれるが、シールリングとリング座62の各リム62,62bの間に、たとえば0.1mm以下の有限かつ較正されたギャップがある。
【0034】
そのようなクリアランスまたはギャップで、たとえば200barに加圧された潤滑剤は、シールリング60とリング座62のリム62a,62bの間を通過することができるが、一方、金属は、液体状態であっても、通過することができない。
【0035】
リング座62の全周に沿った、シールリング60下の潤滑剤の膨張は、潤滑剤がさらされる高い圧力によってだけでなく、縦方向割れ目60’が存在するならばシールリング60の弾性によっても、可能とされ助けられる、ことに注意すべきである。
【0036】
それによって、二重の効果が達成される。リングと座リムの間のすきまから出てくる潤滑剤が、ピストンとコンテナーの内側表面の間、すなわちシールリング60のエリアの、最大接触のエリアにおいて正確に動作する。さらに、リング座62のボトムに出てくることによって、潤滑剤が、リングが摩耗し始めたときに、リングの径方向拡張に寄与する。
【0037】
潤滑剤の出口通路は、少なくとも、シールリング60とリング座62のリム62a,62bの間の円形すきまによって作られており、液体状態のある程度の量の金属がピストンヘッドとコンテナーの間に侵入した場合であっても、そのような量の金属が、シールリング60とリング座62の後方リム62aの間のすきまの全周のまわりに、それ自体を正確に分配することは高くは起こりそうもない、ことに注意すべきである。したがって、従来技術のピストンにおいて起こるのとは反対に、金属が、シールリングとピストンヘッドの間のすきまをすべて完全にシールし、それによって、潤滑剤が出てくることを防止することはほとんど不可能である。
【0038】
ある好適な実施形態では、シールリングの座62のボトム62’は、シールリング62の下の流れのための連絡チャンネル604によって、ピストンヘッドの前方表面602に連結されており、リング座62のボトム62’中の前記連絡チャンネル604の出口開口604’と前記座62の後方リム62の間において、シールリング60とリング座62は、溝付き結合部分606,608を有しており、それらは、互いに相補的であり、液体状態の金属が、シールリング60の下に侵入し、また、冷却および固化ステップにおいて前記溝付き結合部分と座62の後方リム62の間のリング座62の部分に到達するのを防止する一種のラビリンスを形成する。言いかえれば、連絡チャンネル604を通ってリング座62に到達する液体状態の金属は、前記ラビリンスと前方リム62bの間(または、そのような前方リム62bが設けられていないならば、ラビリンスとピストンヘッドの前方表面602の間)のリング62の前方部分で固化することが強いられる。
【0039】
図1〜15に示される一つの実施形態では、前記溝付き結合部分は、一つまたは一対のリング座62のボトム62’から延びている環状リブ606とシールリング60の内側壁に作られた対応の環状溝608を備えている。
【0040】
図16〜18および23に示される実施形態では、反対に、リング座62のボトム62’は、シールリング60の内側壁から延びているリブ608に係合する環状レース606によって刻み目が付けられている。
【0041】
ピストンのある好適な実施形態では、連絡チャンネル604から来る金属を受けるのに適している環状チャンネル610は、溝付き結合部分に対して前の位置において、リング座62のボトム62’に作られている。
【0042】
図18aは、シールリング60の下、特に環状チャンネル610の中における、リング座62の前方部分への金属Mの堆積を概略的に示している。
【0043】
上に説明された実施形態では、シールリングの下に出てくる第二の潤滑ダクト20は、溝付き結合部分606,608とリング座62の後方リム62aの間のリング座62の後方部分に出てくる。このように、前記第二のダクト20は、結合部分によって形成されるラビリンスのおかげで、シールリング60の下への液体金属の侵入によって引き起こされるあらゆる障害物から保護される。シールリング60の下に侵入する液体金属は、その密度と、その圧力と、急速に凝固する傾向があるという事実のために、前記ラビリンスを通過することができないのに対して、潤滑剤は、代わりに、溝付き結合部分606,608の間にそれ自体が入り込み、シールリングと前方リム62bの間の前方すきまに到達することができるような密度と圧力を有しており、ほとんどの潤滑剤がリングと後方リム62aの間のすきまに出てくるにもかかわらず、この場合、詰まりは見あたらない、ことに注意すべきである。
【0044】
対象とした方式ではピストンとコンテナーの間の最大摩擦エリアに潤滑剤が到着するので、ピストンの満足のいくスライドを確実にするために必要とされる潤滑剤の量は、潤滑剤がシールリングのエリアに到達することができない先行技術のピストンで使用される量よりも著しく少ない。
【0045】
シールリング60はピストンの前方端の近くに配置されているので、中間または後方位置に備えられた、コンテナーのチャンバーを真空にするためのどんな吸引手段の存在も、潤滑剤の動作に大きな影響がない、ことにも注意すべきである。
【0046】
ある好適な実施形態では、第二のダクト20は、ピストン軸Xに平行な第一の区間20’と、少なくともリング座62に出てくる少なくとも一つの第二の径方向区間20”を有している。
【0047】
一つの実施形態によれば、ピストンヘッド50;550;750は、ステム10;510;710に取り外し可能に連結されている。ステムとヘッドの間には、シールされた流体連結手段4;560が、第一の潤滑ダクト14,16,18と第二の潤滑ダクト20の間に設けられている。
【0048】
図1〜21に示される一つの実施形態では、ステム10の遠位端12には、ステム10とピストンヘッド50の間の軸方向シフトを可能にするようにフランジが付けられている。この場合、シールされた流体連結手段は、複数の連結ブッシュ4を備えており、そのおのおのは、第一の分配ダクト18の終わり区間の中に較正された締めしろハーフをもって、また、対応の第二の潤滑ダクト20の始まり区間の中に別のハーフをもって挿入されている。前記ハーフのおのおのには、環状シール要素61が取り付けられている。
【0049】
一つの実施形態では、ステム10の遠位フランジ付き端12とピストンヘッド50の隣接端は、ねじ12’(図17bに示される)によって互いに連結されている。そのような目的のため、たとえば角度的に等距離にある半円形状の複数の径方向凹部22が、ステム10の遠位端12の側方表面に作られており、対応の複数のネジ穴24へのアクセスを与え、それらのネジ穴は、ピストン軸Xと平行に前記フランジ付き遠位端12に作られており、ピストンヘッド50に作られた対応のネジ穴24’に面しており、その様子は図17bに見える。したがって、前記径方向凹部22のおかげで、ステムのねじ12’をピストンヘッドに締め付ける/ゆるめてはずすことが可能である。
【0050】
したがって、有利に、ピストンの組み立てステップのあいだ、流体連結ブッシュ4を潤滑ダクト18または20の端の中に挿入し、ステムとピストンヘッドの二つの隣接面を接触状態に配置し、それから連結ねじを回して締め付けるに十分である。
【0051】
図16〜18に示された実施形態によるピストンは、図1〜15のピストンについて説明されたものと同様の構造体を有しており、ステム10の中に延びているただ一つの第一の潤滑ダクト14と、ピストンヘッドの中に延びている単一の第二の潤滑ダクト20を有している事実によってのみ後者と異なっており、第二の潤滑ダクト20は、第一の潤滑ダクト14に整列されており、前に説明されたものと同様に、第一の縦方向区間20’と、リング座62に出てくる第二の径方向区間を備えている。
【0052】
ある好適な実施形態では、ピストン1;500は、コールドチャンバーダイカストマシンでの使用に適している。そのような目的のため、ピストンヘッドの内側で冷却液を循環させるのに適している冷却回路が、ステムとピストンヘッドの中に作られている。
【0053】
一つの有利な実施形態では、ピストンヘッド50は、軸方向支持ピン66;766の上に、たとえばキャップの手法で、中空外側本体64を備えている。図1〜21に示される一つの実施形態では、前記軸方向支持ピン66は、ステム10の遠位端12に作られた対応の軸方向凹部68の中にはまる近位または後方端67を有している。
【0054】
有利には、中空外側本体64とピン66の間には、少なくともそれぞれの側方壁の間にはクリアランスがない。言いかえれば、中空外側本体64は、ピン66に対して径方向移動をおこし得ない。同様に、ピン66の近位端67も、較正された締めしろをもって、言いかえればクリアランスなしで、対応の軸方向凹部68に挿入される。
【0055】
そのような実施形態解決策は、円形クラウンのまわりで分配されたねじによるステムへのヘッドのねじ留めと共に、ピストンヘッドとステムの完全な同軸位置を時の経過とともに達成し維持することを可能にする。言いかえれば、支持ピン66は、ステムに部分的に侵入しており、ピストンヘッド50のためのガイド手段および軸方向支持体として働く。
【0056】
一つの実施形態では、ステム10とピン66は、それぞれの整列された軸方向冷却穴70,72を有しており、その中に、冷却液の配送チューブが挿入されている。前記配送チューブ74は、たとえば遠位端12の近くにおいてステムの中に半径方向に作られた、冷却液の入口穴80を通って外側に連絡しており、軸方向ピン66の前方表面76に出てくる。前記前方表面76は、たとえば複数のらせん状ダクト77を通って、軸方向ピン66の外側側方表面に作られたらせん状冷却チャンネル78と流体連絡状態にある。したがって、前記らせん状冷却表面78は、中空外側本体76に接している軸方向ピン66の外側表面のまわりに、その全体にわたって冷却液を循環させて、それを冷却する。冷却チャンネル78は、ステムの中に作られた冷却液の出口穴84と連絡する戻りダクト82に出てくる。
【0057】
一つの実施形態では、前記戻りダクト82は、軸方向冷却穴70,72の間の環状キャビティと冷却液の配送チューブ74から形成されている。たとえば、戻りダクト82は、軸方向ピン66の中に作られた一つ以上の径方向穴83を通ってらせん状冷却チャンネル78と連絡している。
【0058】
ある好適な実施形態では、ステム10の中に作られた縦方向潤滑14および冷却70穴は、ステム10の後方側からおこなわれて機械加工で得られる、ことに注意すべきである。したがって、前記側のそのような穴を閉じるため、ステム10の近位端11は栓90を備えている。
【0059】
図22に示されるピストン500の一つの実施形態変形では、ステム510の遠位端512とピストンヘッド550は、ステムとピストンヘッドの間の関節ジョイントを形成するように、それぞれの球状カップリング表面514,554を有している。この実施形態では、シールされた流体連結手段は、複数のボールジョイント560を備えており、そのおのおのは、それぞれの第一の潤滑ダクト14の終わり区間に挿入された第一の球状端561と、それぞれの第二の潤滑ダクト20の始まり区間に挿入された第二の球状端562を有しており、前記球状端のおのおのには、環状シール要素が取り付けられている。
【0060】
一つの実施形態では、ピストンヘッド550は、ステムに取り付けられた連結キャップ570によってステム510と接触状態に拘束されている。たとえば、前記連結キャップ570は、ピストンヘッド550の後方段差部分574が係合するアンダーカットを前方に形成しているカップリング端部分572を有している。
【0061】
図23および23aに示されるピストン700の別の実施形態変形では、ピストンヘッド750は、ジョイント800によってステム710に連結されている。前記ジョイント800は、ヘッド750が、たとえばコンテナー400内で完全な直線でなくスライドすることができるように、ピストン軸Xに対してしたがってステム710に対して数度ずれることを可能にする。
【0062】
ジョイント800は、ステムに結合する後方部分810と、ピストンヘッド750が取り付けられる球状ヘッド814を有している。後方部分810は、たとえば径方向ブロック812によって、ステム710に軸方向と半径方向に取り付けられている。
【0063】
球状ヘッド814に対するその組み立てに関して、ピストンヘッド750は後方フランジ820を備えており、それは、球状ヘッド814の後方部分を囲んでおり、たとえばねじによって、球状ヘッド814の前方部分を囲んでいるピン766の後方部分に取り外し可能に取り付けられている。
【0064】
さらに、好ましくは、後方フランジ820、そしてそのために全ピストンヘッド750は、ジョイント800に角をなして取り付けられており、すなわち、たとえばキー816によって、ピストン軸Xのまわりの回転が妨げられる。このように、第二の潤滑ダクト20と特に端区間20”は、常に希望の方向、通常上方に面している。したがって、実際、ピストンは、下に流れる潤滑剤によって円滑にされ、さらに、液体状態の金属は、ピストンの上側で高温部分では固化しそうでない。
【0065】
この実施形態では、ピストンヘッド750はステム710から引き離されており、ステム710に作られた第一の潤滑ダクト14は、接続チューブ714によって、ピストンヘッド750に作られた第二の潤滑ダクト20に流体的に連結されている。好ましくは、前記接続チューブ714は、らせん形状をしているか、どんな場合でも、ステム710に対するピストンヘッド750の動きを可能にするのに適している。
【0066】
後方フランジ820とピン766と中空本体64の中に作られた第二の潤滑ダクト20の区間は、連結ブッシュ4によって互いに連結されている。
【0067】
ある好適な実施形態では、少なくとも一つのチェックバルブ5が、潤滑回路の途中に、たとえば第一の潤滑ダクト14中に配置されており、それは、ステムからピストンヘッドに潤滑剤の流れの一方向性を保証するのに適している。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] ダイカストマシン、特にコールドチャンバーをもつもののためのピストンであり、前記マシンは、ピストンがスライドするように収容されているコンテナーをもつプレス機を備えており、前記ピストンは、
・ピストン軸に沿って近位端から遠位端まで延びているステムと、
・前記ステムの前記遠位端から延び、前記プレス機の前記コンテナーの壁に対するシールを形成するために前記ヘッドの側方壁に作られそのリング座に収容された少なくとも一つのシールリングが設けられたピストンヘッドを備えており、前記シールリングは、前記シールリングの径方向拡張を許可する縦方向割れ目によって縦方向に分断されており、また、
・前記コンテナーの中でのピストンのスライドを促進するのに適している潤滑回路を備えており、その潤滑回路は、
・前記ステムの中に作られ、前記ステムの前記遠位端で終わっている少なくとも一つの第一の潤滑ダクトと、
・前記ピストンヘッドの中に作られ、前記第一のダクトと流体的に連絡しており、前記シールリングの下において、前記リング座に出てくる少なくとも一つの第二のダクトを備えており、前記第二のダクトは前記シールリングによって覆われており、それにより、潤滑剤は、前記シールリングと前記ピストンヘッドの間の複数のすきまを通って、および/または、前記縦方向割れ目を通って、ピストンヘッドから出てくる、ピストン。
[2] 前記複数のすきまは、前記シールリングと、リング座後方を定めている後方リムの間の一つのすきまを備えている、[1]に記載のピストン。
[3] 前記すきまは、0.1mm以下の幅を有している、[1]または[2]に記載のピストン。
[4] 前記リング座のボトムは、前記シールリングの下の金属の流れのための連絡チャンネルによって前記ピストンヘッドの前方表面に連結されており、前記リング座のボトムの前記連絡チャンネルの出口開口と前記座の前記後方リムの間において、前記シールリングと前記リング座は、前記シールリングの下に侵入する液体状態の金属の通過を止めるのに適している溝付き結合部分を有している、[1]〜[3]のいずれかに記載のピストン。
[5] 前記第二の潤滑ダクトは、前記溝付き結合部分と前記リング座の前記後方リムの間に含まれている前記リング座の後方部分に出てくる、[4]に記載のピストン。
[6] 前記第一の潤滑ダクトは、潤滑剤入口穴から縦方向に延びており、前記ピストン軸に対して角度的に等距離にある少なくとも二つの分配ダクトに分岐している供給ダクトを備えており、前記第二の潤滑ダクトは、前記分配ダクトの延長である、[1]〜[5]のいずれかに記載のピストン。
[7] 前記第二のダクトは、前記ピストン軸に平行な第一の区間と、前記リング座の中に出てくる少なくとも一つの第二の径方向区間を有している、[1]〜[6]に記載のピストン。
[8] 前記ピストンヘッドは、前記ステムに取り外し可能に連結されており、前記ステムと前記ヘッドの間には、シールされた流体連結手段が、前記第一および第二の潤滑ダクトの間に設けられている、[1]〜[7]のいずれかに記載のピストン。
[9] 前記ステムの前記遠位端には、前記ステムと前記ピストンヘッドの間の軸方向シフトを可能にするようにフランジが付けられている、[8]に記載のピストン。
[10] 前記シールされた流体連結手段は、複数の連結ブッシュを備えており、そのおのおのは、分配ダクトの終わり区間の中に較正された締めしろハーフをもって、また、第二の潤滑ダクトの始まり区間の中に別のハーフをもって挿入されており、前記ハーフのおのおのには、環状シール要素が取り付けられている、[8]と[9]に記載のピストン。
[11] 前記ステムの前記フランジ端と前記ピストンヘッドの隣接端は、ねじによって互いに連結されている、[9]または[10]に記載のピストン。
[12] 前記ステムとピストンヘッドの中に、冷却液を前記ピストンヘッドの内側で循環させるのに適している冷却回路が作られている、[1]〜[11]のいずれかに記載のピストン。
[13] 前記ピストンヘッドは、前記ステムの前記遠位端に作られた対応の凹部の中にはまる近位端を有している軸方向支持ピンにクリアランスなしで取り付けられた中空外側本体を備えている、[8]〜[12]のいずれかに記載のピストン。
[14] 前記ステムと前記ピンは軸方向冷却穴を有しており、その中には、前記ヘッドの前記軸方向ピンの前方表面まで通っている冷却液の配送チューブが挿入されており、前記前方表面は、前記軸方向ピンの外側側方表面に作られたらせん状冷却チャンネルと流体連絡状態にある、[13]に記載のピストン。
[15] 前記冷却チャンネルは、前記ステムの中に作られた冷却液の出口穴の中にまで通っている戻りダクトと流体連絡状態にある、[14]に記載のピストン。
[16] 前記戻りダクトは、前記軸方向冷却穴と、冷却液の前記配送チューブの間の環状キャビティで作られている、[15]に記載のピストン。
[17] 前記ステムの前記遠位端と前記ピストンヘッドは、前記ステムと前記ピストンヘッドの間に関節ジョイントを形成するようにそれぞれの球状結合表面を有している、[1]〜[8]のいずれかに記載のピストン。
[18] 前記シールされた流体連結手段は、複数のボールジョイントを備えており、そのおのおのは、分配ダクトの終わり区間に挿入された第一の球状端と、第二の潤滑ダクトの始まり区間に挿入された第二の球状端を有しており、前記球状端のおのおのには、環状シール要素が取り付けられている、[17]に記載のピストン。
[19] 前記ピストンヘッドは、前記ステムに取り付けられた連結キャップによって前記ステムに接触状態に拘束されている、[17]または[18]に記載のピストン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図17a
図17b
図18
図18a
図19
図20
図21
図22
図23
図23a