(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033875
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】中空部品固定装置
(51)【国際特許分類】
F02K 1/04 20060101AFI20161121BHJP
F02C 7/20 20060101ALI20161121BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20161121BHJP
F01D 25/30 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
F02K1/04
F02C7/20 Z
F02C7/00 E
F02C7/00 F
F01D25/30 A
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-537684(P2014-537684)
(86)(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公表番号】特表2014-530991(P2014-530991A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】FR2012052161
(87)【国際公開番号】WO2013060956
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2015年4月10日
(31)【優先権主張番号】1103242
(32)【優先日】2011年10月24日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512162432
【氏名又は名称】エラクレス
【氏名又は名称原語表記】HERAKLES
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100168273
【弁理士】
【氏名又は名称】古田 昌稔
(72)【発明者】
【氏名】アンロエ,マルク
(72)【発明者】
【氏名】デュクロ,パスカル
【審査官】
齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0138773(US,A1)
【文献】
米国特許第05272869(US,A)
【文献】
特開2009−299185(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0203255(US,A1)
【文献】
特開2008−163950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02K 1/04、78
F01D 25/30
F02C 7/00、20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの構造部品(210)に固定された少なくとも1つの中空部品(230)を含むアセンブリ(200)であって、該アセンブリは、各中空部品(230)の内部に配置された少なくとも1つの固定装置(240)をさらに含み、該固定装置(240)は、金属材料製の1ピース体(241)を含み、該1ピース体は、その第1端部(244)および第2端部(245)の間を長手方向に伸長する2つの主面(242、243)を有し、各主面(242;243)は、該1ピース体の第1端部(244)の近傍にベアリング部(2420;2430)を有し、各ベアリング部(2420;2430)は、固定部材(260)を収容するための固定開口部(2421;2431)を有し、2つの異なる主面に存在する、各前記ベアリング部(2420;2430)の固定開口部(2421;2431)同士が、同軸上に配置されておらず、該ベアリング部(2420;2430)は、該1ピース体(241)の第1端部(244)から所定の深さ伸長するスロット(246)により互いに隔てられており、前記第2端部(245)は、固定部材(270)を収容するための少なくとも1つの固定開口部(2450)を有し、また、各固定装置(240)の2つのベアリング部(2420;2430)が、前記ベアリング部の固定開口部(2421;2431)に配置された固定部材(260)によって、前記中空部品の2つの壁(232、234)のそれぞれ一方の内側表面(232a;234a)に対して押し付けられており、前記固定装置(240)の第2端部(245)は、前記第2端部(245)に存在する固定開口部(2450)に配置された固定部材(270)によって、構造部品(210)に固定されている、アセンブリ。
【請求項2】
各ベアリング部(2420;2430)が、前記ベアリング部に形成された主面(242;243)において、余分な厚みを有する請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
さらに前記固定装置(240)の1ピース体(241)において横方向に伸長する、所定の直径の穴(247)を有し、前記スロット(246)が該穴(247)に通じている請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記固定装置が、少なくともインコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)およびワスパロイ(登録商標)から選ばれる耐火金属材料製である請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記中空部品(230)が、複合材料製である請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
航空エンジンの排気コーンと先細ノズルにそれぞれ対応する2つの構造部品(210、220)を含み、前記ノズルは、複数のアームにより同軸上に前記コーンに保持されており、各アームは、複合材料の中空部品(230)により形成されており、各アームは、第1の固定装置(240)によりコーンに接続されており、第2の固定装置(250)によりノズルに接続されている請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記排気コーンと先細ノズルにそれぞれ対応する構造部品(210、220)が、複合材料製である請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
アフターバーナーを有するターボジェットのリヒート円筒管に対応する金属材料の構造部品(300)を有し、該リヒート管は複数のフレームホルダアームを有し、各フレームホルダアームは、リヒート円筒管の内側表面(301)に半径方向に配列された複合材料製の中空部品(330)によって形成され、各フレームホルダアームは、それぞれ固定装置(340)によってリヒート円筒管に接続されている請求項1に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空部品を固定し一体化することに関し、限定されるものではないが特に、例えば、航空エンジンなどの、中空部品が固定されるべき1以上の部品を含むアセンブリにおいて、複合材料製の部品を固定し一体化することに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、排気コーン110を有するヘリコプターエンジンのノズル100を示し、排気コーン110には、先細ノズル120が3本のアーム130によって同軸上に搭載されており、各アーム130は中空体131で形成されており、該アームは、コーン110とノズル120との間で等間隔に分配されている。排気コーン110、ノズル120、およびアーム130は、すべて複合材料製、例えば、セラミックス基複合材料(CMC)製である。各アーム130は、第1にその端部の一方において、アームの本体131と一体に形成された2つのアングルタブ132を介して排気コーン110の外壁に固定されており、第2に他方の端部において同様に、アームの本体131と一体に形成されたアングルタブ133を介して、ノズル120の内壁に固定されている。1対のアングルタブ132およびアングルタブ133は、ボルト140および150によってそれぞれコーン110およびノズル120に保持されている。
【0003】
しかしながら、このようにコンポジット材料製のアームを組み込むことには、欠点がある。アングルタブを介して接合させることは、各アーム全体の大きさを顕著に増加させるものであるし、コーンとノズルの各曲率半径は各アームを考慮に入れる必要があるところ、コーンとノズルの曲率半径に対するアングルタブの寸法を決定することは困難である。さらに、アングルタブとボルトのヘッドは、流路に突出しており、これによって接合装置が空気力学的な流れに干渉する。結局、アングルタブは、構造的な強さを取得するには良いが、形状にはほとんど許容範囲がなく、これが組立を困難にしている。
【0004】
複合材料製部品を1以上の金属部品に固定するために使用され、これらの材料の膨張の差を対応するデバイスの中でも、例えば米国特許出願公開第2008/115484号明細書などに記載されたもののように、通常は耐火金属材料製の弾性的に柔軟性を有する締結タブを使用することが知られている。しかしながら、このような柔軟性を有する締結タブは、寸法の大きい部品同士を固定するのにはよく適しているが、寸法のより小さい中空部品を固定するために使用するのは、より困難であった。
【0005】
1以上の構造部品に中空部品を固定するための手段であって、構造的な強さを十分に取得でき、かつ形状の許容範囲を十分に与えるように作用する一方で、空気力学的な干渉をほとんど示さない手段が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/115484号明細書
【発明の概要】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つの構造部品に固定された少なくとも1つの中空部品を含むアセンブリであって、該アセンブリは、各中空部品の内部に配置された少なくとも1つの固定装置をさらに含み、該固定装置は、金属材料製の1ピース体を含み、該1ピース体は、その第1端部および第2端部の間を長手方向に伸長する2つの主面を有し、各主面は、該1ピース体の第1端部の近傍にベアリング部を有し、各ベアリング部は、固定部材を収容するための固定開口部を有し、該ベアリング部は、該1ピース体の第1端部から所定の深さ伸長するスロットにより互いに隔てられており、第2端部は、固定部材を収容するための少なくとも1つの固定開口部を有することに特徴を有するアセンブリを提案する。本発明のアセンブリはまた、各固定装置の2つのベアリング部が、前記ベアリング部の固定開口部に配置された固定部材によって、前記中空部品の2つの壁のそれぞれ一方の内側表面に対して押し付けられており、前記固定装置の第2端部は、前記第2端部に存在する固定開口部に配置された固定部材によって、構造部品に固定されていることに特徴を有する。
【0008】
本発明の固定装置は、中空部品の内部に挿入されることおよび、固定部材の端部(例えばボルトのヘッド)を離すことを可能にするコンパクトな構造を有し、該固定装置は、全体としてアセンブリの空気力学的な性能に影響を与えない。
【0009】
加えて、部分的にスロットが設けられた構造により、固定装置が固定されている中空部品の2つの壁の間での固定装置の膨張を、他の方向に効果的に応力を引き取りながら相殺することができる。また、スロットにより与えられた柔軟性によって製造の許容範囲を緩和しつつ固定装置を製造することが可能となる。
【0010】
本発明のアセンブリの第1の側面では、固定装置のベアリング部の固定開口部が、互いに横方向に位置ずれしており、中空部品にかかり得る斜め方向のトルクを引き取り可能なようになっている。
【0011】
本発明のアセンブリの第2の側面では、各ベアリング部は、ベアリング部に形成された主面において、余分な厚みを有し、これによって、ベアリング部以外の装置の面が後退することによって、中空部品の形状の欠陥による影響を受けないでいることができる。さらに、各ベアリング部の余分な厚みは、中空体の壁の内側表面に対して正確にフィットする(接触面を修整する)ことを達成するために、必要に応じて機械加工され得る予備材料となる。
【0012】
本発明のアセンブリの第3の側面では、固定装置は、さらに固定装置の1ピース体において横方向に伸長する、所定の直径の穴を有し、前記スロットが該穴に通じている。該穴によって、膨張の差が生じた際および/または装置が搭載される際に2つのベアリング部間の運動の柔軟性を増加させ調整することができる。
【0013】
一つの特定の特徴によれば、固定装置は、少なくともインコネル(Inconel)(登録商標)、ハステロイ(Hastelloy)(登録商標)およびワスパロイ(Waspalloy)(登録商標)から選ばれる耐火金属材料製である。
【0014】
他の特定の特徴によれば、中空部品は、複合材料製である。
【0015】
本発明の一実施形態では、アセンブリは、航空エンジンの排気コーンとノズルにそれぞれ対応する2つの構造部品を含み、前記ノズルは、複数のアームにより同軸上に前記コーンに保持されており、各アームは、複合材料の中空部品により形成されており、各アームは、第1の固定装置によりコーンに接続されており、第2の固定装置によりノズルに接続されている。特に、前記排気コーンおよびノズルは、複合材料製であってもよい。
【0016】
本発明の別の実施形態では、固定アセンブリは、アフターバーナーを有するターボジェットのリヒート円筒管に対応する金属材料の構造部品を有し、該リヒート管は複数のフレームホルダアームを有し、各フレームホルダアームは、リヒート円筒管の内側表面に半径方向に配置された複合材料製の中空部品によって形成され、各フレームホルダアームは、それぞれ固定装置によってリヒート円筒管に接続されている。
【0017】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照ながら、限定されるものではない例として挙げた本発明の特定の実施形態の以下の記載により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】先行技術のヘリコプターエンジンの排気アセンブリの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態のヘリコプターエンジンの排気アセンブリの斜視図である。
【
図3】
図3Aおよび3Bは本発明の一実施形態の固定装置の斜視図である。
【
図4】
図2に示すアセンブリのアームの断面図である。
【
図6】本発明の固定装置により固定されたフレームホルダアームを含み、アフターバーナーを有するターボジェットのリヒート管の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、1つ以上の固定装置、1つ以上の中空部品、および1つ以上の構造部品を含むアセンブリであって、該中空部品および該構造的部品が金属材料製または複合材料製であるアセンブリを提案する。
【0020】
図2は、排気コーン210と、3本のアーム230により排気コーン210に同軸上に保持された先細ノズル220とを含む、ヘリコプターエンジンの排気アセンブリ200を示す。排気コーン210およびノズル220は、複合材料製である。しかしながら、これらの2つの部品のうちの一方または完全に両方が、金属材料製であってもよい。アーム230は、熱構造複合材料製であり、特に、CMC材料製である。
【0021】
周知方法により、CMC材料部品は、耐火繊維(カーボン繊維またはセラミック繊維)製の繊維強化材により構成され、特にカーバイド、窒化物、耐火性酸化物などのセラミックマトリックスにより、緻密化されている。CMC材料の典型例は、C−SiC材料(シリコンカーバイドマトリックスを有する炭素繊維強化材)、SiC−SiC材料、およびC−C/SiC材料(カーボンおよびシリコンカーバイドを含むマトリックス)である。CMC複合材料の製造は周知である。繊維強化材は、液相法(セラミックマトリックス前駆体樹脂を含浸させ、硬化または熱分解により樹脂をセラミックに変換するが、該工程は繰り返してもよい)または気相法(化学気相含浸法(CVI))により、緻密化してもよい。
【0022】
各アーム230は、流線型の輪郭を有する中空体231の形態にあり、該中空体は、2つの対向する壁232および234を有し、該壁は、前縁231aと後縁231bの間を広がっている。各アームの内端235は、本発明の固定装置240により、排気コーン210の外壁210aに固定されており、該固定装置は、中空体231の内部に配置されている。各アームの外端236は、本発明の固定装置250により、ノズル220の内壁220aに固定されており、該固定装置は、中空体231の内部に配置されている。
【0023】
より詳細には、
図3Aおよび3Bに示す現在説明している実施形態において、固定装置240は、金属製の1ピース体241を含み、本例では、1ピース体241の第1端部244および第2端部245の間を長手方向に広がる2つの主面242および243を有する実質的に直方体の形態にある。各主面242および243は、それぞれ複合材料製の中空体231の壁232の内側表面232および壁234の内側表面234aに押し付けられる目的で、それぞれ1ピース体の第1端部244の近傍にベアリング部2420、2430を有する。各ベアリング部2420、2430はそれぞれ、固定部材を収容するための固定開口部2421、2431を有する。現在説明している実施形態では、各固定開口部2421、2431は、タッピングを有し、該タッピングは、ベアリング部2420および2430を、ボルト260の締め付けによってアーム230の中空体231の壁232、234にそれぞれ固定できるようにしており、ボルト260は、壁232および234にそれぞれ形成された開口部2321、2341を通って固定開口部2421、2431に挿入される(
図4および5A)。
【0024】
固定装置240はまた、ベアリング部2420および2430を隔てるように、1ピース体241の端部244から1ピース体を所定の深さ伸長するスロット246を有する。スロットは、ベアリング部2420、2430に柔軟性を与え、互いにD方向に運動させることが可能であり、固定装置が固定されているアーム230に対して固定装置の膨張を相殺するように作用する。スロットにより付与された柔軟性はまた、製造時の特定量のばらつきに適応するよう作用し、これにより、固定装置の形状の許容範囲を広げることができる。これにもかかわらず、スロットがあることにより、排気アセンブリ200の半径方向および軸方向の力にそれぞれ対応する方向RおよびAの力の良好な伝達が妨げられることがない。
【0025】
現在説明している実施形態では、固定装置の1ピース体241はまた、円筒状の穴247を有し、スロット246は該穴に通じている。1ピース体から多量の材料を除くことによって、穴247は、スロット246によって付与されるように、ベアリング部2420および2430の間の方向Dの柔軟性を増加させるよう作用する。穴247の直径D
247は、ベアリング部間が有することが望まれている柔軟性の程度に応じて決定される。よって、本発明の各固定装置の変形能を、特に固定装置の膨張の大きさに応じて調整することが可能である。
【0026】
端部245は、排気コーン210の外壁210aに装置240を固定するための部位を形成する。端部245は、固定部材を収容するための固定開口部2450を有する。現在説明している実施形態では、固定開口部2450は、ボルト270の締め付けによってコーン210の外壁210aに各固定装置240の端部245を固定するよう作用するタッピングを有し、該ボルトは、コーン210に形成された開口部2101を通って固定開口部2450に挿入される(
図4)。
【0027】
各ベアリング部2420および2430はそれぞれ、好ましくは、主面242および主面243に余分な厚みを有し、これにより、ベアリングが中空体に面している部分を除き、主面242および243から後退することによって中空体に起こり得る形状の欠陥を無視することができる。さらに、各ベアリング部2420、2430の余分な厚みは、中空体の壁の内側表面に対して正確にフィットするよう作製する(接触面を修整する)ために、機械加工可能な追加の材料を形成する。
【0028】
図5Aに示されるように、固定開口部2421および2431は、お互い横方向に(コーン210およびノズル220の軸に沿って)位置ずれしており、アーム230にかかり得る任意の斜め方向のトルクを引き取る。
【0029】
同様に、各アーム230の外端236をノズル220の内壁220aに接続するよう作用する固定装置250は、2つの主面252および253を有する金属材料の1ピース体251によって形成されており、2つの主面は、1ピース体の第1端部254および第2端部255の間を長手方向に広がっている。
【0030】
各主面252および253はそれぞれ、1ピース体の第1端部254の近傍にベアリング部2520および2530を有し、該ベアリング部は、対応する主面上に余分な厚みを形成し、該余分な厚みは、複合材料製の中空体231の壁232の内側表面232aまたは壁234の内側表面234aに押し付けられるものである。
【0031】
各ベアリング部2520、2530はそれぞれ、固定部材を収容するための固定開口部2521、2531を有し、現在説明している実施形態では、ベアリング部2520および2530をボトル280の締め付けによりアーム230の中空体231の壁232および234にそれぞれ固定可能にするために、各ベアリング部2520、2530はタッピングを有し、該ボトルは、壁232および234にそれぞれ形成された開口部2322および2342を通って固定開口部2521および2531に挿入されている(
図4および5B)。固定開口部2521および2531は、斜め方向のトルクを引き取るために横方向に位置ずれしている。
【0032】
固定装置240と同様に、固定装置250もまた、1ピース体251の端部254から所定の深さ伸長するスロット256を有し、ベアリング部2520および2530を隔てている。スロット256は、ベアリング部2520および2530に柔軟性を付与するように作用し、該ベアリング部をお互い方向Dにおいて運動することを可能にし、これにより複合材料製のアーム230に対する固定装置のいかなる膨張にも対応できる。スロット256はまた、装置の形状の許容範囲を広げるように作用し、これにより、製造時の特定量のばらつきに適応することができる。固定装置の1ピース体251はまた、円筒状の穴257を有し、該穴にスロット256が通じており、これにより、方向Dの柔軟性を増加させることができる。穴257の直径D
257は、所望の柔軟性に応じて調整される。
【0033】
端部255は、装置250をノズル220の外壁220aに固定するための部位を形成し、固定部材、特にボルト290を収容するための固定開口部2550を有し、該ボルトは、ノズル220に形成された開口部2201を通って固定開口部2550に挿入される(
図4)。
【0034】
上記した例では、中空部品は、両端において、端部それぞれが本発明の固定装置によって固定されている。しかしながら、本発明はまた、複合材料製の中空部品を一方の端部のみによって固定することにも適用される。
図6は、アフターバーナーを有するターボジェットのリヒート円筒管300の一部を示す。周知方法では、リヒート管300は、金属製であり、内周301に複数のフレームホルダアーム330(
図6では1つのアームのみ示す)を含み、該アームは、管の内周301に等間隔に分配されている。各アーム330は、管内を、管の内部表面301につながる第1端部331と自由端である第2端部332との間で半径方向に伸張している。本発明によれば、各フレームホルダアーム330は、コンポジット材料製、例えばCMC材料製であり、上記固定装置240および250と同様の固定装置340によって、リヒート円筒管300の内部表面301に固定されている。
【0035】
本発明においては、固定装置は耐火金属材料製であり、特に、例えば、インコネル(Inconel)(登録商標)、ハステロイ(Hastelloy)(登録商標)、ワスパロイ(Waspalloy)(登録商標)などである。
【0036】
本発明の固定装置は、中空部品および/または他の構造部品に、ボルト以外の、例えばリベットなどの固定部材によって固定されてもよい。