特許第6033910号(P6033910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シンセス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000002
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000003
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000004
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000005
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000006
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000007
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000008
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000009
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000010
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000011
  • 特許6033910-ドリルガイドシステム 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6033910
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】ドリルガイドシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20161121BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   A61B17/56
   A61B17/17
【請求項の数】14
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-81008(P2015-81008)
(22)【出願日】2015年4月10日
(62)【分割の表示】特願2012-543106(P2012-543106)の分割
【原出願日】2010年10月29日
(65)【公開番号】特開2015-128680(P2015-128680A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2015年4月10日
(31)【優先権主張番号】61/285,755
(32)【優先日】2009年12月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507215725
【氏名又は名称】シンセス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SYNTHES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】アッペンゼラー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ナギー,ラディスラヴ
(72)【発明者】
【氏名】シュヴィーツァー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】フルーリ,ダニエル
【審査官】 毛利 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5788406(JP,B2)
【文献】 特表2006−506197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
A61B 17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1骨プレート(2)であって、長手方向に沿って細長い第1骨プレート(2)と、前記第1の骨プレート(2)に対して角度をなすようにオフセットされた第2の骨プレート(4)であって、前記第1の骨プレート(2)および前記第2の骨プレート(4)のそれぞれが、該第1の骨プレート(2)および該第2の骨プレート(4)のそれぞれを貫通して延びる少なくとも一つの孔(11;12;13)を含み、該少なくとも一つの孔(11;12;13)が、骨固定孔を下層の骨の上に位置決めするように構成されている第1の骨プレート(2)および第2の骨プレート(4)と、
伸長部であって、前記第1の骨プレート(2)から、前記長手方向に対して角度をなすようにオフセットされている横方向に突き出ている、伸長部と、
第1の結合部(6)であって、前記横方向において前記第1の骨プレート(2)から隔置されるように前記伸長部によって支持され、第1の回転軸を中心に、前記第1の骨プレートに対して前記第2の骨プレートを角度的に変位させるように構成された第1の結合部(6)と、
第2の結合部(8)であって、前記第2の骨プレート(4)によって支持され、かつ、前記第1の結合部(6)に連結され、さらに、前記第1の回転軸(7)に対して角度をなすようにオフセットされている第2の回転軸(9)を中心に、前記第2の骨プレート(4)を前記第1の骨プレート(2)に対して角度的に変位させるように構成された第2の結合部(8)と、
を含むドリルガイド。
【請求項2】
前記第2の結合部(8)が前記第2の骨プレート(4)に連結されており、該連結により前記第2の骨プレート(4)が前記第1の骨プレート(2)に対して前記第1の回転軸(7)を中心に角度的に変位したときに、前記第2の回転軸(9)が前記第1の骨プレート(2)に対して角度的に変位するように構成されている、請求項に記載のドリルガイド。
【請求項3】
前記第1の結合部(6)が、前記第1の回転軸(7)が前記長手方向および前記横方向と垂直となるように構成されている、請求項に記載のドリルガイド。
【請求項4】
前記ドリルガイド(1)がさらに、前記第1の結合部(6)と前記第2の結合部(8)との間に連結されているアームを含み、該アームが、第1のアーム部分と、中央結合部において前記第1のアーム部分に旋回可能な形で連結されている第2のアーム部分とを含む、請求項に記載のドリルガイド。
【請求項5】
前記第1の結合部(6)および第2の結合部(8)が、ボールソケットジョイントとして構成されており、前記第1の結合部(6)が第1の回転中心を、前記第2の結合部(8)が第2の回転中心をそれぞれ規定する、請求項に記載のドリルガイド。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか記載のドリルガイドを受容するとともに、第1および第2の骨プレートの間で画定される角度を調節するように構成された補助器具であって、
回転中心軸(23)を画定するベースプレート(21)と、
前記中心軸(23)を中心に回転するように、前記ベースプレート(21)によって支持されている回転可能な部材(22)と、
前記ベースプレート(21)によって支持されているとともに、前記第1の骨プレート(2)を受容するように構成されたシート(34;35)を含む第1の位置決め部材(24)と、
前記回転可能な部材(22)によって支持されている第2の位置決め部材(25)であって、前記第2の骨プレート(4)の角度位置を調節するように構成されたスライド可能な部材(28)を含む第2の位置決め部材(25)と、
を含む補助器具。
【請求項7】
前記第1の位置決め部材(24)が前記ベースプレート(21)によって、固定された形で支持されており、前記第1の回転軸(7)が前記回転中心軸(23)と一致するように、前記シート(34;35)が前記第1の骨プレート(2)を受容するように構成されている、請求項6に記載の補助器具。
【請求項8】
前記第1の骨プレート(2)を前記シート(34;35)に取り付けたときに、前記第2の回転軸(9)上にある中心を有する半径を画定する円弧に沿って、前記スライド可能な部材(28)がスライド可能である、請求項6に記載の補助器具。
【請求項9】
前記第1の位置決め部材(24)が、前記中心軸(23)と実質的に直交している回転軸を有するヒンジジョイントを含む、請求項6に記載の補助器具。
【請求項10】
前記第1の位置決め部材(24)が、前記回転中心軸(23)と実質的に直交している変位軸に沿って変位可能である、請求項6に記載の補助器具。
【請求項11】
前記変位軸がさらに、前記回転軸と実質的に直交している、請求項10に記載の補助器具。
【請求項12】
前記第1の位置決め部材のシート(34;35)が、右側または左側用の構成の前記第1の骨プレート(2)を選択的に受容するように構成されている、請求項6に記載の補助器具。
【請求項13】
前記第1の位置決め部材(24)が、右側用の構成の前記第1の骨プレートを選択的に受容するように構成された第1のシート(34または35)と、左側用の構成の前記第1の骨プレートを選択的に受容するように構成された第2のシート(34または35)とを含む、請求項6に記載の補助器具。
【請求項14】
前記第2の位置決め部材(25)が、前記ドリルガイドの前記第2の骨プレート(4)を所定の位置で、前記第1の骨プレート(2)に対して位置決めするように構成されている、請求項6に記載の補助器具。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本開示は、2009年12月11日に提出された米国特許仮出願第61/285,755号に基づく優先権を享受するものであり、該仮出願の開示内容は参照により、その全体が本明細書に示されているかのように本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、広くは骨固定具に関し、具体的には、骨切り術後の骨プレート用のドリルガイトシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
未整復骨折および変形治癒骨折は、解剖学的機能をかなり喪失させることがある。例えば、変形治癒骨折における橈骨頭の未整復は、前腕の解剖学的機能をかなり喪失させることがある。橈骨遠位端の未整復および変形治癒関節外骨折は後に、計画的矯正骨切り術によって治療することができる。矯正骨切り術の的確な術前計画は、2次元X線画像データまたは3次元コンピューター断層撮影データに基づき立てることができる。上顎骨の骨切り術に関するこのようなシステムの1つは、2010年4月29日に提出された米国特許出願第12/770,088号明細書に開示されており、その開示内容は参照により、その全体が本明細書に示されているかのように本明細書に組み込まれる。関節外骨用の固定プレートを用いて、骨切り術後に骨部分を固定できるが、術前に矯正計画を立てるための方法および器具の提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第12/770,088号明細書
【発明の概要】
【0005】
1つの実施形態によれば、術前に切開ラインを選択して、骨折した骨(例えば橈骨遠位端)で、不適当な非解剖学的な形で癒合している可能性のある骨を再配列するための方法および器具を提供する。配列不正の矯正には、所望の位置の骨を切って、その骨を一対の骨部分に分離させるようにし、これらの骨部分を正しい長手方向位置および回転位置で再位置決めし、これらの骨部分を正しい位置で固定して、これらの骨部分が正しく再接合できるようにすることを伴う。この固定作業は、T字形骨プレート、または、右側もしくは左側用の構成のL字形骨プレートなど、好適に構築されたいずれかの骨プレートによって行うことができる。
【0006】
上記の目的に対する本発明の解決策によれば、変形癒合した骨を切る前に、2つの骨部分の矯正、具体的には、回転方向の矯正と長手方向軸の矯正を定める術前計画を行う。
【0007】
1つの態様によれば、橈骨遠位端プレート用のドリルガイドであって、第1の中間平面を実質的に画定する第1の長手方向骨プレートと、第2の中間平面を実質的に画定する第2の横断方向骨プレートと、第1の結合部と、第1の結合部に連結している第2の結合部とを含むドリルガイドを提供する。第1および第2の結合部は、第1の骨プレートと第2の骨プレートとの間に配列されており、第1および第2の結合部はそれぞれ、解除可能な形で固着できる。
【0008】
本発明のドリルガイドによって、矯正骨切り術の前に、骨固定プレートを骨部分に固定する骨アンカー用の骨固定孔をドリリングできるようになる。骨切り術を行ったら、術前に計画した骨切り術を行う前にドリリングした骨固定孔とT字形骨プレートのプレート孔が一致するように、本発明のドリルガイドを調節して、横断方向骨プレートを長手方向骨プレートに対して位置決めすることができる。
【0009】
本発明のドリルガイドの矯正値は、ドリルガイド上の小さい目盛りを用いて直接調節することができる。この代わりに、またはこれに加えて、目盛りの見やすさを高めるために、補助器具は、ドリルガイドの目盛りよりも大きいその補助器具の目盛りを用いて、ドリルガイドの矯正値を調節するように構成されている。
【0010】
別の実施形態によれば、第1の結合部は第1の回転軸を含み、第2の結合部は、第1の回転軸と平行でない第2の回転軸を含む。第1および第2の回転軸は、それぞれに対して斜めを向いており、すなわち、角度をなすようにオフセットされている。第1および第2の結合部は、球状のジョイントを画定しないように構成させることができる。
【0011】
さらなる実施形態によれば、第1および第2の回転軸のうちの1つは、第1の中間平面と実質的に垂直である。
【0012】
さらに別の実施形態では、第1および第2の回転軸のもう一方は、実質的に第2の中間平面にある。
【0013】
本発明のドリルガイドのさらなる実施形態では、第1および第2の結合部は、解除可能な形で固着できるボールソケットジョイントとして構成されており、この場合、第1の結合部は第1の回転軸を含み、第2の結合部は第2の回転軸を含む。したがって、第1および第2の骨プレートは、それぞれのプレートに対して、3自由度に回転することができる。
【0014】
本発明のドリルガイドのさらなる実施形態では、第1および第2の回転軸のうちの1つは、実質的に第1の中間平面にある。
【0015】
本発明のドリルガイドのさらなる実施形態では、第1および第2の回転軸のもう一方は、実質的に第2の中間平面にある。
【0016】
本発明のドリルガイドの別の実施形態では、第1の結合部が第1の骨プレートに連結しており、第2の結合部が第2の骨プレートに連結しており、第1および第2のアーム部分を含むアームが、第1の結合部と第2の結合部との間に連結しており、この場合、第1および第2のアーム部分は、中央結合部(ヒンジジョイントとして設けることができる)によって、相互に対して旋回可能な形で回転するように連結している。したがって、第1および第2の骨プレートは、それぞれのプレートに対して6自由度に動くことができる。
【0017】
本発明のドリルガイドの別の実施形態では、第1の骨プレートは、それぞれがボールソケットジョイントのうちの1つのソケットを有するハウジングを含む第1および第2の側面伸長部を含み、この第1および第2の側面伸長部は、第1の中間平面で測定した場合、第1の骨プレートの長手方向軸から等距離で隔置することができる。したがって、このドリルガイドを用いて、患者の左橈骨と右橈骨の両方を配列することができる。
【0018】
本発明のドリルガイドのさらに別の実施形態では、第1および第2のアーム部分はそれぞれ、ボールソケットジョイントのうちの1つのボールを含み、各ボールは、中央結合部と対向する第1および第2のアーム部分のそれぞれの末端部に位置している。
【0019】
さらに別の実施形態によれば、第2の骨プレートは、第1の骨プレートに対して角度αで横断方向に配列されている。
【0020】
さらなる実施形態によれば、角度αは、第2の骨プレートを第1の回転軸を中心に、それぞれ第1および/または第2の回転軸を中心に旋回させることによって調節可能である。第1の骨プレートの長手方向軸と、第2の骨プレートの長手方向軸の間の角度αは、第1の中間平面と平行な平面で測定した場合、下限が約50°または約55°であり、上限が約130°または約125°である範囲であることができる。1つの実施形態によれば、角度αは約50°である。この第1の矯正角度αは、橈骨の手背方向に伸びている回転軸を中心に、骨切りした関節頭が回転するのに対応する。
【0021】
別の実施形態によれば、第1の骨プレートは、長手方向軸と、第1の回転軸を含む。第1の回転軸は、第1の骨プレートの長手方向中心軸から約15mm〜20mm(約18mmなど)の距離で配置されている。したがって、横断方向骨プレートは、骨切り術によって画定される橈骨の手背方向に伸びている旋回軸を模するように、長手方向部分に対して、回転成分と並進成分のうちの1つまたは両方を有し得る方向で変位させることができる。橈骨の手背方面と直交している平面で骨切りした後に、橈骨遠位端頭を回転できるように、距離Aを選択することができる。橈骨遠位端は、骨切り部の先端によって画定される回転軸を中心に回転させることができる。
【0022】
さらなる実施形態では、第2の骨プレートは、骨アンカーのねじ頭を通せる拡大部分を含む鍵穴の形状をそれぞれが有する少なくとも2つのプレート孔を含む。
【0023】
さらに別の実施形態では、第2の骨プレートは、第2のプレートを2つ以上の骨アンカーから、第2の中間平面と平行な方向で取り外せるように、それぞれのプレート孔から第2の骨プレートの外辺部の方に伸びているチャネルを有する少なくとも2つのプレート孔を含む。第2の骨プレートのプレート孔の2つまたは全部は、遠位方向にプレート孔から第2の骨プレートの外辺部まで伸びているチャネルを有するように構成させることができる。第2の骨プレートのプレート孔のチャネルが、横方向にプレート孔から第2の骨プレートの外辺部まで伸びている場合、このチャネルは、反対側の横方向に外側の2つのプレート孔から第2の骨プレートの外辺部の方に伸びている。プレート孔と第2の骨プレートの外辺部との間のチャネルによって、骨アンカーを下層の骨に固定したままにできるが、骨アンカーを緩めて、骨固定プレートを並進させて、骨アンカーをチャネルに通すようにすることができる。
【0024】
さらなる実施形態によれば、第1の骨プレートは、第1の骨プレートの長手方向中心軸と平行に伸びているとともに、マーク付きゼロポジションを画定する目盛りを含む。この目盛りによって、ゼロポジションから、術前に計画した骨切り矯正長に対応する所定の距離を置いて、ドリルビットを位置決めできるようになる。
【0025】
ドリルガイドの別の実施形態では、第2の骨プレートは、第2の骨プレートの外辺部の方が開いている2つの貫通チャネルを含む。したがって、第2の骨プレートは、補助器具上に所定の位置で位置決めすることができる。
【0026】
ドリルガイドの別の実施形態では、第2の骨プレートは、それぞれガイドワイヤを受容するように構成された2つ以上の貫通孔を含む。したがって、このドリルガイドは、ガイドワイヤによって固定することができる。
【0027】
第1の骨プレートは、一対の細長いプレート孔を含むことができ、この細長いプレート孔はそれぞれ、円錐形のねじ山を有する第1の区域と、第1の骨プレートの上面の方に向かって例えば球状に広がっている凹部を有する第2の区域を含む。第2の骨プレートは、第2の骨プレートの長手方向軸上に配列された4つのプレート孔を含むことができ、このプレート孔はそれぞれ、円錐形のねじ山を備えている。さらに、第1および第2の結合部は、第1および第2の結合部を所望の位置に固定するそれぞれの止めねじを用いて、解除可能な形で固着できる。ドリルガイドは、ステンレス鋼およびその合金、チタンおよびチタン合金、またはPEEKのようないずれかの好適な材料から作製することができる。
【0028】
右手側および左手側用のドリルガイドの実施形態は、第1の骨プレートの長手方向軸から右方向または左方向で測定した距離Aで、第1の結合部を配列する点のみが異なる。
【0029】
さらなる態様によれば、ドリルガイド用の補助器具を提供する。この補助器具は、回転中心軸を画定するベースプレートと、その回転可能な部材が回転中心軸を中心に回転可能な形で、ベースプレート上に回転可能な状態で配列された回転可能な部材と、ベースプレート上に配列された第1の位置決め部材であって、第1の骨プレートを受容するように構成されたシートを含む第1の位置決め部材と、回転可能な部材の上に固定された第2の位置決め部材とを含む。第2の位置決め部材は、スライド可能な部材を含み、このスライド可能な部材は、第2の骨プレートを角度調節するように構成されている。
【0030】
第2の骨プレートの第2の中間平面が、第1の骨プレートの第1の中間平面に対して、最小値0°という角度βで位置するような形で、スライド可能な部材を円弧上でスライド可能な形で変位可能にできる。角度βは最大±60°である。角度βによって、橈骨の手背方向と直交しているとともに、橈骨の長手方向軸と直交しているか、または橈骨の長手方向軸に対して斜めである軸を中心に、第2の骨プレートが回転できるようになる。第2の骨プレートの第2の中間平面が、第1の骨プレートの第1の中間平面に対して+25°の角度になるように、スライド可能な部材の平らな表面のゼロポジションを画定する。典型的には、第2の骨プレートを第2の回転軸を中心に、それぞれ第2および/または第1の回転軸を中心に、ゼロポジションに対して−50°〜+40°(脛骨用の場合には最大90°)の範囲の角度で回転させる。第1の位置決め部材は、第1の骨プレートをシートに解除可能な形で固定する第1の留め具を含むことができる。スライド可能な部材は、第2の骨プレートを第2の位置決め部材に解除可能な形で固定する第2の留め具を含むことができる。さらに、回転可能な部材は、ベースプレートに対して解除可能な形で固定可能にできる。
【0031】
補助器具のさらなる実施形態では、第1の位置決め部材がベースプレート上に固定された形で配置されており、そのシートが、中心軸と直交している調節平面であって、調節平面と平行な第1の中間平面を有する位置で、第1の骨プレートを受容するように構成された調節平面を画定し、スライド可能な部材は、この調節平面と直交している円弧上でスライド可能である。シートは、第1の回転軸がベースプレートの中心軸と一致した状態で、第1の骨プレートを受容するように構成されている。さらに、円弧は、第1の骨プレートをシートに取り付けたときに、第2の回転軸の上に位置する中心を有する半径Rを有する。
【0032】
補助器具の別の実施形態では、第1の位置決め部材は、中心軸と直交している回転軸を有するヒンジジョイントを含む。
【0033】
補助器具の別の実施形態では、第1の位置決め部材は、中心軸と実質的に直交できるとともに、さらに、回転軸と実質的に直交できる軸に沿って変位可能である。
【0034】
さらなる実施形態によれば、第1の位置決め部材のシートは、右側用または左側用の実施形態の第1の骨プレートを受容するように構成されている。
【0035】
別の実施形態によれば、第1の位置決め部材は、右側用または左側用の実施形態の第1の骨プレートを受容するように構成された第1および第2のシートを含む。
【0036】
補助器具の別の実施形態では、第2の位置決め部材は、ドリルガイドの第2の骨プレートを所定の位置に位置決めできるようにする2つ以上の位置決め要素を含む。
【0037】
さらに、本発明のドリルガイドを用いて、長骨の骨端の骨折を整復することができる。
【0038】
さらなる態様によれば、関節外の骨の変形治癒骨折の矯正術を行う方法は、下記の工程を含む。
a)骨切りを行うラインの選択と、骨切りした遠位長骨を固定するのに適した骨プレートの選択を含め、角度および長さ矯正値を術前に計画する工程。
b)工程a)で定めた角度矯正値を用いて、ドリルガイドを調節する工程。
c)骨幹部分上で用いる骨プレートの長手方向部分の末端位置をマーキングする工程。
d)骨幹部分上のマーキングした位置にある調節済みドリルガイドの長手方向部分の自由端にあるガイドマークによって、ドリルガイドを位置決めし、手作業で、または器具を用いることによって、ドリルガイドの長手方向部分を位置決め位置に保持する工程。
e)ドリルガイドの横断方向部分の骨固定孔を通じて、遠位骨部分に骨固定孔をドリリングする工程。
f)ドリルガイドの細長い孔に隣接した位置にある目盛り上の所望の長手方向矯正位置に孔を位置決めすることによって、事前に計画した長手方向の矯正値を適用しながら、1つ以上の骨固定孔を骨幹部分にドリリングする工程。目盛り上で測定したマーク付きゼロポジションから、工程a)で定めた長手方向の骨切り矯正値と一致する距離を置いて、ドリルビットの先端を位置決めすることによって、長手方向の矯正値を適用する。
g)ドリルガイドを外す工程。
h)事前に計画した骨切り術を行う工程。
i)事前に選択した骨プレートを骨アンカーによって、遠位骨部分の横断方向部分で固定する工程。
j)骨プレートの長手方向部分を貫いて、骨幹部分の事前にドリリングした骨孔に入るように骨アンカーを設置できるように、骨部分を角度方向および軸方向に整復する工程。
k)工程a)で定めた長さ矯正値に従って、骨プレートの長手方向部分を貫くように1つ以上の追加の骨アンカーを設置する工程。
【0039】
1つの実施形態によれば、角度および長さ矯正値は、骨切りした骨端部分が残りの長骨部分に対して回転する角度と、骨切りした骨端部分が残りの長骨部分に対して変位する長さを含む。
【0040】
さらなる実施形態によれば、ドリルガイドの横断方向部分を通じて、骨固定孔をドリリングする工程と、ドリルガイドを外す工程は、下記の工程によって構成される。
e1)ドリルガイドの横断方向部分の骨固定孔を通じて、遠位骨部分に骨固定孔をドリリングする工程。
e2)ドリルガイドを骨アンカーによって、遠位骨部分の横断方向部分で固定する工程。
g1)ドリルガイドの横断方向部分の骨アンカーを緩める工程。
g2)鍵穴形のプレート孔の拡大部分に、骨アンカーのねじ頭を通すように、または、横断方向部分の外辺部の方が開いているプレート孔に骨アンカーを通すように、ドリルガイドの横断方向部分を変位させることによって、ドリルガイドを外す工程。
【0041】
正しく再配置された2つの骨部分の間にできる骨切りギャップに骨チップを入れて、癒合をさらに促すことができる。
【0042】
さらに別の態様によれば、骨固定孔を骨部分に、術前に計画した位置でドリリングするためのキットであって、本発明のドリルガイドと補助器具を含むキットを提供する。
【0043】
さらに別の態様によれば、矯正骨切り術の実施と固定を行うためのキットであって、本発明のドリルキットと、T字形骨プレート、または、右側もしくは左側用の構成のL字形骨プレートのような骨プレートとを含むキットを提供する。
【0044】
添付の図面と併せて本明細書を読めば、上記の概要、および下記の発明を実施するための形態について理解が深まるであろう。本出願の実施形態を例示するために、図面には特定の実施形態が示されている。しかしながら、本出願は、図面に示されている厳密な配列および手段に限定されないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、1つの実施形態に従って構築したドリルガイドの斜視図である。
図2図2は、図1に示されているドリルガイドと同様のドリルガイドの一部の上面図であるが、別の実施形態に従って、鍵形のプレート孔を示している。
図3図3は、図1に示されているドリルガイドと同様のドリルガイドの一部の上面図であるが、別の実施形態に従って、第2の骨プレートの外辺部の方が開いているプレート孔を示している。
図4図4は、図2に示されているような鍵形プレート孔を含む第2の骨プレートの一部の斜視図である。
図5図5は、1つの実施形態に従って構築した補助器具であって、図1に示されているドリルガイドとともに用いる補助器具を含むドリルガイドシステムの斜視図である。
図6図6は、図1に示されているドリルガイドであって、橈骨遠位端に矯正骨切り術を行う前に、橈骨遠位端の上に位置決めしたドリルガイドの上面図である。
図7図7は、図6に示されている橈骨遠位端であって、矯正骨切り術を行い、T字形の橈骨遠位端用骨プレートを橈骨遠位端の上に位置決めした後の橈骨遠位端の上面図である。
図8図8は、図6に示されているドリルガイドであって、橈骨遠位端に矯正骨切り術を行う前に、橈骨遠位端の上に位置決めしたドリルガイドの側面図である。
図9図9は、図7に示されているような橈骨遠位端であって、矯正骨切り術を行い、T字形の橈骨遠位端用骨プレートを橈骨遠位端の上に位置決めした後の橈骨遠位端の側面図である。
図10図10は、別の実施形態に従って構築したドリルガイドの斜視図である。
図11図11は、別の実施形態に従って構築した補助器具であって、図10に示されているドリルガイドと組み合わせて用いる補助器具を含むドリルガイドシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1を参照すると、ドリルガイド1によって、下層の骨に骨切り術を行う前に、骨プレート固定孔を下層の骨に、所定の位置でドリリングできるようになる。この骨固定孔には、骨切り術を行った後に、下層の骨部分を所定の位置に配列する所定の場所で、事前に選択した骨プレートを下層の骨部分に固定するそれぞれの骨アンカーを入れる。下層の骨は橈骨遠位端であることができ、橈骨体と橈骨頭が所望どおりに配列される形で、骨切りした橈骨遠位端骨折部を整復するように、ドリルガイドの1つのプレートを橈骨体の上に配置でき、ドリルガイドの第2のプレートを橈骨頭の上に配置することができる。このドリルガイドを用いて、所望どおりにいずれかの長骨の骨端に骨固定孔を配列できることは明らかであろう。このドリルガイドは、ステンレス鋼およびその合金、チタンおよびチタン合金、またはPEEKのようないずれかの好適な材料から作製することができる。
【0047】
ドリルガイド1は、第1の骨プレート2と、第1の骨プレート2に対して角度をなすようにオフセットされている第2の骨プレート4と、第1の骨プレート2に固定された形で連結された第1の結合部6と、第1の結合部6と第2の骨プレート4との間に位置する第2の結合部8とを含む。下記の説明から明らかなように、第2の骨プレート4は、第1の骨プレートに対して、第1の結合部6および第2の結合部8を中心に回転可能である。第1の骨プレート2は、長手方向中心軸10に沿って伸びており、近位端Pと、近位端Pから長手方向軸10に沿って隔置されている反対側の遠位端Dを画定する。第1の骨プレート2はさらに、第1の骨プレート2の骨側表面に沿って伸びている第1の中間平面3に沿って概ね伸びている骨接触表面62を画定する。第2の骨プレート4は、対応する長軸57に沿って伸びており、第2の中間表面5に沿って概ね伸びている骨側表面63を画定する。第1の結合部6と第2の結合部8はそれぞれヒンジとして構成でき、所望どおりにいずれかの好適な留め具、例えば止めねじ、グラブねじ、標準的なねじ、トルクス(登録商標)ねじ、ソケット、または、当業者であれば理解できるように、術者がツールを使って締めることのできるいずれかのその他の留め具を用いて、解除可能な形で固着する。第1の結合部6は、第1の中間平面3と直交しているように、すなわち橈骨遠位端の手背方向に実質的に伸びている第1の回転中心(第1の回転軸7として図示されている)を中心に回転するように構成されている。第2の結合部8は、第2の回転中心(第2の回転軸9として図示されている)を中心に回転するように構成されている。第1の軸7および第2の軸9は、それぞれに対して角度をなすようにオフセットされている(例えば斜めになっている)。例えば、第2の回転軸9は、第1の回転軸7に対して実質的に直交していることができる。当然のことながら、本明細書に記載されている「直交している」成分は代替的に、所望どおりに角度をなすようにオフセットすることができる。第1の結合部6および第2の結合部8は、所望に応じて非球形ジョイントを提供できる。
【0048】
第2の回転軸9は、第2の中間平面5にあることができ、例示の実施形態によれば、橈骨遠位端の長手方向軸の横断方向に沿って伸びていることができる。したがって、第1の回転軸7と第2の回転軸9のうちの1つは、第1の中間平面3と実質的に垂直であることができ、第1および第2の回転軸のうちのもう一方は、実質的に第2の中間平面5にあることができると言える。第1の骨プレート2と第2の骨プレート4はそれぞれ、細長い形を画定することができる。第2の骨プレート4は、第1の骨プレート2の長手方向軸10と角度をなすようにオフセットされているか、または第1の骨プレート2の長手方向軸10と実質的に直交しているように位置決めされた中心長軸57を画定するように配向することができる。細長い第2の骨プレート4は、長軸57に対して、ある角度を画定することができるが、その一方で、第2の骨プレート4は、長軸57に沿って伸びているものとして説明することもできる。第2の骨プレート4はさらに、第2の結合部で固定されているとともに、第2の回転軸9と平行に伸びている第1の部分を含む。第2の骨プレート4は、第1の部分と対向する第2の部分であって、第2の回転軸9に対して、ある角度で伸びている第2の部分を含む。
【0049】
事前に計画した矯正値に第1の角度αを調節するように、第2の骨プレート4は、第1の回転軸7を中心に回転させることができる。角度αは、第1の中間平面3と平行な平面で測定した場合、第1の骨プレート2の長手方向軸10と、第2の結合部8の第2の回転軸9によって画定される。第2の回転軸9は、第2の骨プレート4の長軸57と実質的に平行なので、角度αはさらに、第1の骨プレート2の長手方向軸と、第2の骨プレート4の長軸57によって画定できる。したがって、第2の骨プレート4の長手方向軸は、第1の骨プレート2の長手方向軸に対して、事前に計画した第1の矯正角度に調節した角度αで、角度をなしてオフセットさせて配向できる。角度αは、少なくとも50°(55°など)の最小値、少なくとも125°(130°など)の最大値を定めることができる。したがって、角度αは、約50°〜約130°の範囲内であることができる。第1の矯正角度αは、骨切りした関節頭が、橈骨遠位端の手背方向に伸びている回転軸を中心に回転するのに対応する。
【0050】
事前に計画した矯正角度に第2の角度βを調節するように、第2の骨プレート4を第2の回転軸9を中心に回転させることができる。角度βは、第2の中間平面5と第1の中間平面3によって画定される。当然のことながら、第1の角度αの第1の事前に計画した矯正角度と第2の角度βの第2の事前に計画した矯正角度に対応するように、骨プレート50(図7を参照)のサイズと形を選択することができる。第1の結合部6は、第1の骨プレート2から突出している傾斜伸長部49によって支持されており、第1の回転軸7が長手方向軸10から、第1の骨プレート2の幅の半分の長さよりも長いことができる距離Aで隔置されるようになっている。ドリルガイド1は、右手側の構成、または左手側の構成で選択的に位置決めすることができる。右手側の構成では、第1の回転軸7が長手方向軸10から右方向に配列されるように、第1の結合部6を位置決めする。左手側の構成では、第1の回転軸7が長手方向軸10から左方向に配列されるように、第1の結合部6を位置決めする。したがって、伸長部49は、第1の骨プレート2の右側または左側のいずれかに固定することができる。
【0051】
回転軸7と長手方向軸10との距離Aは、約15mm〜約20mm、例えば約18mmであることができる。回転軸7は長手方向軸10から隔置されているので、当然ながら、骨切り術によって画定される橈骨の手背方向に伸びている回旋軸を模するように、第2の骨プレート4を第1の骨プレート2に対して、回転成分と並進成分の両方を有する方向に変位させることができる。橈骨の手背方向と直交している平面内で骨切り術を行った後に、橈骨遠位端頭を回転させることができるように、距離Aを選択することができる。橈骨遠位端頭は、骨切り部の先端によって画定される回転軸を中心に回転させることができる。
【0052】
第2の骨プレート2は、第2の骨プレート2を貫いて伸びている第1の細長いプレート孔11を画定する。プレート孔11は、長手方向に細長いスロット11aと、長手方向に細長いスロット11aの遠位に配置された円形プレート孔18を含み、その円形プレート孔18が、180°超にわたって伸びている円弧を画定するようになっている。円形プレート孔18は、相補的な円錐形のねじ頭を有する角度の安定した骨アンカー(図示なし)を受容するための円錐形のめねじ山を含むことができる。あるいは、プレート孔18は、実質的に滑らかな内面を画定することも、滑らかである部分と、ねじ山の付いた部分を含むこともできる。長手方向に細長いスロット11aは、第1の骨プレート2の骨側表面62から第1の骨プレート2の反対側の上面の方向に沿って、例えば実質的に球状に広がっていることができる。したがって、第1の細長いプレート孔11は、円錐形のねじ山を有する第1の区域と、第1の骨プレートの上面の方に向かって例えば実質的に球状に広がっている凹部を有する第2の区域を含むことができる。
【0053】
第2の細長いプレート孔12は、第1の細長いプレート孔11から、近位で隔置されている。第2の細長いプレート孔12は、一対のプレート孔12aおよび12bの組み合わせを含む。プレート孔12bは、プレート孔12aに対して遠位にあり、遠位プレート孔12bは、近位プレート孔12aよりも小さい孔を画定する。遠位プレート孔12bは、円錐形のめねじ山を備え、近位プレート孔12aは、実質的に滑らかな内部を画定することができる。あるいは、プレート孔12aおよび12bのいずれかまたは両方は、ねじ山を有することも、滑らかであることも、ねじ山を有する第1の部分と、滑らかである第2の部分を有することもできる。第2のプレート孔の円形プレート孔12aおよび12bは、長手方向軸10に沿ってつながっており、2つのプレート孔12aおよび12bのそれぞれが、対応する結合弧を形成するような形になっており、この弧のそれぞれは、180°超にわたって伸びている。
【0054】
第2の骨プレート4は、第2の骨プレート4の長軸57沿いに実質的に配列された複数の(例えば少なくとも2つの)プレート孔13、例えば4つのプレート孔13を画定する。各プレート孔13は所望に応じて、角度の安定した骨アンカーのねじ頭を受容するための円錐形のめねじ山を含むことも、滑らかであるか、または、部分的にねじ山を含み、部分的に滑らかであることもできる。
【0055】
第1の骨プレート2はさらに、長手方向軸10と実質的に平行な方向に、細長いプレート孔11に隣接する位置で伸びている目盛り15を含む。目盛り15は、マーク付きゼロポジション16を画定する。下層の骨に骨固定孔をドリリングするとき、長手軸10に沿ってゼロポジションから、術前に計画した骨切り矯正長の寸法に対応する所定の距離を置いて、ドリルビットを位置決めすることができる。さらに、第1の骨プレート2の近位端P(例えば自由端)に、ガイディングマーク14が配列されている。図6〜9を参照しながら後述するように、橈骨体61の上の事前にマークを付けた位置とガイディングマーク14が揃うように、ドリルガイド1を下層の骨の上に位置決めして、ドリルガイド1が下層の骨の上で適切に位置決めされるようにできる。第1の結合部6と第2の結合部8のそれぞれは、所望に応じて角度目盛りも備えることができる。この代わりに、またはこれに加えて、結合部6および8の角度調節は、図5に示されているように、補助器具20の対応する目盛りを用いて測定することができる。
【0056】
図2および4に示されているような4つのプレート孔13;113の構成は、図1によるドリルガイド1、および図10によるドリルガイド101の各実施形態に適用することができる。本開示の全体を通じて、セミコロンで区切られている参照番号は、それぞれ図1および図10に例示されている実施形態を指し、説明内容を図1および10の実施形態に同様に適用できることを意味する。)第2の骨プレート4;104の4つのプレート孔13;113のうちの少なくとも1つ、最大ですべては、実質的に鍵穴の形であることができる。図2に示されているように、第2の骨プレート4;104のプレート孔13;113のうちの少なくとも1つ、最大ですべては、2つの円形孔の組み合わせであることができ、その2つの円形孔のうちの1つは、円錐形のめねじ山を含み、もう一方の円形孔は、前記孔よりも孔径が大きく、プレート孔4;104の拡大部分17;117を形成する円筒形孔として構成されている。この拡大部分17;117は、骨アンカー(例えば固定ねじ)の頭部を通せるようにするのに適した孔径を有する。図2に示されているように、鍵穴形プレート孔13;113の拡大部分17;117を横方向に配列して、骨アンカーを緩めたら、骨アンカーのねじ頭が拡大部分17;117と一致するまで、第2の骨プレート4;104を横方向に変位できるようにし、骨アンカーを外さなくても、ドリルガイド1;101を骨から外せるようにできる。そして、この骨アンカーはそのまま、続いて挿入される骨固定プレートを固定する骨アンカーとして用いることができる。鍵穴形プレート孔13;113の拡大部分17;117を横方向の位置に配列する代わりに、図4に概略が示されているように、拡大部分17;117を遠位に位置決めすることができる。
【0057】
当然ながら、プレート孔13;113は上記の代わりに、プレート孔13;13を貫いて下層の骨まで伸びている孔アンカーを最初に外さなくても、孔プレート4を下層の骨から外せるように構成できる。例えば、図3を参照すると、少なくとも1つ、最大ですべてのプレート孔13;113は、対応するプレート孔13;113から例えば遠位方向に、第2の骨プレート4;104の外辺部まで伸びているチャネル19;119を画定することができる。あるいは、プレート孔13;113のチャネル19;119は横方向に、プレート孔13;113から第2の骨プレート4;104の外辺部まで伸びていることもできる。チャネル19;119によって、第2のプレートをそれぞれの骨アンカーから、第2の中間平面5と平行な方向に沿って外せるようになる。したがって、当然のことながら、プレート孔13;113を貫いて伸びている骨アンカーは、第2の骨プレート4、104を下層の骨に固定することができるとともに、その後、骨アンカーを緩めて、骨アンカーを外さなくても第2の骨プレート4;104を外しやすくすることができる。その後、骨固定プレート50(図7参照)を骨プレート4;104の上の適所に配置して、骨アンカーを通すプレート孔のチャネルを有する位置に、骨固定プレートをスライドできるようにできる。図7は、骨固定プレート50の孔を円形状の孔として示している。しかし、これらの孔はいずれの形であることができることは理解すべきである。具体的には、これらの孔は、図2〜4に示されている孔の形のうちのいずれか1つ、またはこれらを組み合わせた形を有することができる。この関連で、骨プレート50は、適所に置かれた骨アンカーを用いて、骨の上に容易に位置決めすることができる。
【0058】
図5を参照すると、ドリルガイドシステム58は、ドリルガイド1と、角度αおよびβの少なくとも1つまたは両方を所望の所定の矯正角度に調節するように構成された補助器具20とを含む。補助器具20は、回転中心軸23を画定するベースプレート21と、第1のシート34および第2のシート35を含む第1の位置決め部材24であって、右手用の構成または左手用の構成のドリルガイド1を受容するように構成された第1の位置決め部材24と、ベースプレート21によって支持されており、第1の角度αを調節するために、ベースプレート21に対して中心軸23を中心に回転できる回転可能な部材22と、第2の骨プレート4が第1の骨プレート2に対して、第2の回転軸9を中心に回転する角度(例えば角度β)を調節するように構成された第2の位置決め部材25とを含む。
【0059】
中心軸23は、第1の中間平面3と直交しているとともに、上面30を画定する円筒形上部37と、第1のスライド面39および反対側の底面31を画定する下部38と共軸であるように配向されている。回転可能な部材22は、リングの穴がベースプレート21の円筒形上部37の上でスライドするような形で、ベースプレート21によって支持されているリングの形を画定することができる。回転可能な部材22は、ベースプレート21の中心軸23を中心に回転できるように、上面32と、ベースプレート21の環状の第1のスライド面39の上にスライド可能な形で配列された反対側の第2のスライド面33とを有する。回転可能な部材22は、解除可能な形でベースプレートに連結することができる。
【0060】
回転可能な部材22は、ベースプレート21の中心軸23を中心に回転させることができ、これによって、第2の位置決め部材25と、設置された第2のプレート4を同様に、第1のプレート2(第1の位置決め部材24によって、回転可能な部材22から独立した位置で支持されている)に対して、中心軸23を中心に回転させる。あるいは、第1の位置決め部材24を回転可能な部材22によって支持できるとともに、第2の位置決め部材25を回転可能な部材から独立させて(例えばベースプレート21によって)支持することもできる。したがって、回転可能な部材22が第1の位置決め部材24に対して、調節平面に沿って回転すると、第1の矯正角度αが調節される。第1の角度αが、事前に計画した矯正値と実質的に等しくなるまで、第2の位置決め部材2を回転できるように、第1の角度目盛り46は、回転可能な部材22の上面32の上に位置させる。
【0061】
第1の位置決め部材24は、ベースプレート21の上面30の上に、回転軸位置23と揃った位置で、固定された形で配列されたブロックとして構成されている。第1の位置決め部材24は、回転軸23と直交している調節平面であって、調節平面と実質的に平行に配向された第1の中間平面3を有する位置で、第1の骨プレート2を受容するように構成された調節平面を画定する2つのシート34および35を含むことができる。シート34および35はそれぞれ、それぞれのシートに置かれる第1の骨プレート2を横方向に位置決めする2つの平行なガイドウォール55を含む。互いに向かい合っている2つのガイドウォール55はそれぞれ、ベースプレート21の中心軸23の方を向いている傾斜伸長部56を含む。ドリルガイド1を所望のシート34または35に位置決めすると、対応する傾斜伸長部56は、第1の骨プレート2の傾斜伸長部49の近位面と接する。シート34および35のそれぞれはさらに、ガイドウォール55の間に配置された保持ピン48を含むことができる。第1の骨プレート2をシート34または35のうちの1つに挿入すると、ピン48は、第1の骨プレート2の第1の細長いプレート孔11に入り、第1の細長いプレート孔11の近位端と接して、ドリルガイド1が、固定された形でシート内に保持されるようにする。傾斜伸長部56と、第1の骨プレート2の中まで伸びているピン48によって、対応するシート34または35内に第1の骨プレート2を保持させて、第1の回転軸7が、ベースプレート21の中心軸23と一致するようにする。したがって、当然ながら、2つのシート34および35のうちの1つは、右手用の構成の第1の骨プレート2を受容して、第1の結合部6の回転軸7が回転中心軸23と揃うように構成されており、2つのシート34および35のうちのもう一方は、左手用の構成の第1の骨プレートを受容して、第1の結合部6の回転軸7が回転中心軸23と揃うように構成されている。
【0062】
第1の位置決め部材24は、ドリルガイド1の第1の骨プレート2を第1のシート34および第2のシート35のうちの1つに解除可能な形で固定するように構成された第1の留め具40を含む。第1の留め具40は、第1のシート34および第2のシート35のいずれかに、ねじ山によって連結できるねじとして構成することができる。具体的には、第1の留め具40の軸は、第1の骨プレート2の第2のプレート孔12を貫通し、ねじ頭は、第1の骨プレート12の上面の上に位置して、第1の骨プレート2を第1のシート34または第2のシート35に固定できるようにする。
【0063】
第2の位置決め部材25は、第2の骨プレート4を保持するとともに、第2の骨プレート4を所定の位置に位置決めするように構成された位置決め要素を少なくとも一対含む。例えば、第2の位置決め部材25は、回転可能な部材22の上に固定された円弧形部材26であって、第2のスライド面33とスライド可能な部材28と直交している円弧形部材26を含む。円弧形部材26は、2つのシート34および35によって画定される調節平面から実質的に放射状に伸びている円弧を画定し、スライド可能な部材28は、円弧形部材26の円弧に沿ってスライド可能なように、円弧形部材26の上に、スライド可能な形で配置されている。スライド可能な部材28は、円弧形部材26から放射状に伸びているプレート29を含み、第2の角度βを中心に第2の骨プレート4の位置を調節するように構成されている。第2の骨プレート4の骨側表面63を平らな表面36の上に配置できるように、プレート29は、円弧形部材26の縁部と実質的に直交しているように配向されている実質的に平らな表面36を画定することができる。ドリルガイド1の第1の骨プレート2を2つのシート34および35のうちの対応する1つのシートに取り付けたときに、円弧形部材26は、第2の回転軸9の上に位置する中心27を有する半径Rを有する円弧を形成する。
【0064】
円弧形部材26によって画定される円弧に沿って、スライド可能な部材28をスライドすることによって、第2の骨プレート4の第2の中間平面5と、第1の骨プレート2の第1の中間平面3との間の第2の矯正角度βを調節することができる。第2の角度βが第2の角度矯正値と実質的に等しくなるまで、スライド可能な部材28を調節できるように、第2の角度目盛り47を円弧形部材26に隣接させて配置することができる。骨切り術を行った後に、橈骨の手背方向と直交しているとともに、橈骨の長手方向軸と直交しているか、または橈骨の長手方向軸に対して斜めである軸を中心に、第2の骨プレート4を回転できるように、第2の角度βを選択することができる。第2の中間平面5と第1の中間平面3によって画定される角度βが約25°になるように、スライド可能な部材28の平らな表面36は、ゼロポジションを画定することができる。典型的には、第2の骨プレート4は、第2および/または第1の回転軸を中心に、ゼロポジションに対して−50°〜+40°(脛骨用の場合には最大90°)の範囲の角度で回転させる。当然ながら、第1の角度αおよび第2の角度βが所定の矯正値に達したら、第1の結合部6および第2の結合部8を適所でロックし、骨プレート2および4を所望の相対位置に保持することができる。
【0065】
スライド可能な部材28は、第2の骨プレート4を解除可能な形で第2の位置決め部材25に固定するように構成されている第2の留め具41を含む。骨プレート4の骨側表面がプレート29の平らな表面36と接する状態で、第2の骨プレート4をスライド可能な部材28のプレート29に固定するような形で、プレート29にねじ山によって連結できるねじとして、第2の留め具41を構成することができる。第3の留め具45を締めたときに、第3の留め具45の先端が円弧形部材26を横方向に圧迫するような形で、第3の留め具45がスライド可能な部材28にねじ山によって連結している。
【0066】
回転可能な部材22はさらに、2つの円弧形スロット42を含む。留めねじ43は、ベースプレート21にねじ山によって固定されており、そのねじ軸は、スロット42のうちの1つを貫き、そのねじ頭は、回転可能な部材22の上面32から少し出るように配列されて、ベースプレート21に対して適所で、回転可能な部材22を軸方向に保持するようになっている。回転可能な部材22がベースプレート21の中心軸23を中心に回転しないように、ベースプレート21に対して回転可能な部材22を解除可能な形で固定する目的で、第4の留め具44がもう一方のスロット42を貫いて、ベースプレート21にねじ山によって連結されている。第4の留め具44を緩めると、回転可能な部材22は、回転可能な形で調節することができるが、軸方向では、留めねじ43によって適所に保持されている。
【0067】
図6〜9を参照すると、下層の骨、例えば橈骨遠位端の変形治癒骨折の矯正術を行う方法が例示されている。具体的には、下層の骨の2つの骨部分(骨切り手順中に下層の骨から作られることになる)を配列するための矯正値を術前に計画する。下層の骨は橈骨遠位端であることができ、骨部分は、橈骨遠位端の橈骨頭60と橈骨体61であることができる。矯正値は、2次元画像データおよび/または3次元コンピューター連動断層撮影(CT)データなどを用いて得ることができる。術前の計画は、事前に定めた骨切りラインに基づく角度および長さ(すなわち並進)矯正値を決定することと、骨固定プレート50が骨部分を所望の角度位置および並進位置で保持できるように、計画の骨切り術と整合するようなサイズおよび形を有する骨固定プレート50を選択することを含むことができる。角度および長さ矯正値は、骨切りした橈骨頭60が橈骨体61に対して回転する角度と、骨切りした橈骨頭60が橈骨体61に対して変位する長さを含むことができる。
【0068】
ドリルガイド1;01の第2の骨プレート4;104は、ドリルガイド1;01の第1の骨プレート2;102に対して、第1の角度矯正値に従って、補助器具20を上記の方式で用いて調節することができる。第1の角度矯正値は、橈骨の手背方向に伸びている回転軸を中心に、骨切りした橈骨頭60が回転する角度に対応することができる(図6参照)。ドリルガイド1;101の第2の骨プレート4;104はさらに、第1の骨プレート2;102に対して、第2の角度矯正値に、補助器具20を上記の方式で用いて調節することができる。第2の角度矯正値は、橈骨の手背方向に直交しているように、かつ橈骨の長手方向軸に対して横断方向に伸びている回転軸を中心に、骨切りした橈骨頭60が回転する角度に対応することができる(図8を参照)。
【0069】
特定の骨固定プレート50を下層の骨を覆うように配置することができ、橈骨体61に固定する骨固定プレート50の長手方向部分の近位端の位置を橈骨体61の表面にマーキングすることができる。
【0070】
続いて、ドリルガイド1;101を下層の骨の上に、骨固定プレート50の長手方向部分の近位端によって、橈骨体61上に前の工程でマーキングした位置で、調節済みドリルガイド1:110の第1の骨プレート2;102の自由端にあるガイディングマーク14;114によって位置決めすることができる。ドリルガイド1の第1の骨プレート2;102を下層の骨の上の適所に、手作業で、または、好適な器具を用いることによって保持することができる。
【0071】
次に、ドリルガイド1;101の横断方向の第2の骨プレート4;104のプレート孔13;113を通じて下層の骨に、具体的には遠位骨部分、すなわち橈骨頭60に、第1の骨固定孔群(例えば少なくとも1つ、例えば2つの孔)をドリリングすることができる。第1の骨固定孔群を橈骨頭60にドリリング後、横断方向の骨プレート4;104を橈骨頭60に骨アンカーによって固定することができる。
【0072】
長手方向の骨切り矯正値と一致するように、第1の骨固定孔群から隔置されている細長いプレート孔11;111を通じて、第2の骨固定孔群(例えば少なくとも1つ、例えば2つの孔)をドリリングすることができる。具体的には、細長いプレート孔11;111沿いの目盛り15;115の特定の位置に、第2の骨固定孔群をドリリングするように、ドリルビットを位置決めする。目盛り15;115の前記位置は、目盛り15;115のゼロポジション16;116から所定の距離で隔置されている。この所定の距離は、骨切り術の長手方向矯正値と一致する。さらに当然ながら、第1および第2の角度矯正値を画定するように、第1および第2の骨固定孔群を位置決めする。
【0073】
第1および第2の骨固定孔群を下層の骨に作製したら、ドリルガイド1;101を下層の骨から外すことができる。プレート孔13;113を貫いて伸びている骨アンカーを緩めることによって、横断方向の骨プレート4を橈骨頭60から外すことができ、鍵穴形のプレート孔(図2および4を参照)の拡大部分に、骨アンカーのねじ頭を通すように、または、横断方向部分の外辺部の方が開いているプレート孔(図3を参照)に骨アンカーを通すように、横断方向部分4を並進方向に変位させることができる。
【0074】
続いて、事前に計画した骨切り術を行って、下層の骨を2つの骨部分に分離でき、これらの骨部分は、橈骨頭60と橈骨体61として図示されている。当然ながら、上記の代わりに、ドリルガイド1;101によって画定される第1および第2の孔群によって、所望に応じて、骨切り術を行う骨であって、いずれの長さの骨の骨部分も配列することができる。したがって、1つの実施形態によれば、角度および長さ矯正値は、骨切りする骨端骨部分が、残りの長い骨部分に対して回転する角度と、骨切りする骨端骨部分が、残りの長い骨部分に対して変位する長さを含む。
【0075】
骨切り術で、下層の骨を2つの骨部分に分離したら、それらの骨部分をそれぞれに対して、第1および第2の角度矯正値で、さらには、並進方向矯正値で位置決めするように、事前に選択した骨固定プレート50を下層の骨部分に固定できる。骨固定プレート50は、長手方向部分59と、長手方向部分59の遠位端から伸びている横断方向部分52を含む。続いて、事前にドリリングした骨固定孔で、横断方向部分52を橈骨頭60に骨アンカーを用いて固定する(図7および9を参照)。次に、長手方向部分59を貫いて伸びている第1の孔53および第2の孔54と第2の孔群の孔を揃えるように、橈骨頭60と橈骨体61を角度方向および軸方向(並進方向)に整復する。続いて、少なくとも1つの骨アンカーを長手方向部分59の第1の孔53に通して、第2の孔群の第1の孔の中に入れ、さらなる骨アンカーを長手方向部分59の第2の孔54に通して、第2の孔群の第2の孔の中に入れる。
【0076】
ドリルガイド1;101の第2の骨プレート4;104を第1の骨プレート2;102に対して調節する上記の工程は、図1または10のドリルガイド1;101を図5または11の補助器具20;220に取り付け、補助器具20;220の第1および第2の位置決め部材224;225を用いて、第2の骨プレート4;104を第1の骨プレート2;102に対して調節し、第1の骨プレート4;104および第2の骨プレート2;102を適所に固定することによって行うことができる。正しく再位置決めした2つの近位骨部分60および遠位骨部分61との間にできる骨切りギャップに骨チップを入れて、癒合をさらに促すことができる。
【0077】
当然ながら、骨固定孔を骨部分に、術前に計画した位置でドリリングするのを容易にするための骨固定キットとして、ドリルガイドシステム58を提供できる。ドリルガイドシステム58の骨固定キットは、本明細書に記載されているように構築した1つ以上のドリルガイドと、本明細書に記載されているように構築した1つ以上の補助器具を含むことができる。ドリルガイドシステム58の骨固定キットは、上記に加えて、または上記の代わりに、所望どおりの1つ以上の骨固定プレート、例えばT字形骨プレート、または、右側用の構成もしくは左側用の構成のL字形骨プレート(その形は、骨プレートの横断方向部分と長手方向部分によって画定される)を含むことができる。
【0078】
図10を参照すると、代替的な実施形態に従って構築したドリルガイド101は、第1の骨プレート102と、第2の骨プレート104と、第1の骨プレート102に連結された第1の結合部106と、第2の骨プレート104に連結された第2の結合部108を含む。第1の結合部106と第2の結合部108は、結合アーム170を介して機能可能な状態で連結し合っている。第1の骨プレート102は、実質的に第1の中間平面103に沿って伸びている骨側表面162を画定し、第2の骨プレート104は、実質的に第2の中間平面105に沿って伸びている骨側表面163を画定する。第1の結合部106と第2の結合部108はそれぞれ、実質的に球形のボールソケットジョイントとして構成することができ、所望どおりにボール部に装着できるいずれかの好適な留め具、例えば止めねじ176を用いて、解除可能な形で固着できる。第1の結合部106は、実質的に第1の中間平面103にある第1の回転中心207を画定し、第2の結合部108は、実質的に第2の中間平面105にある第2の回転中心209を有する。したがって、第1の骨プレート102と第2の骨プレート104をそれぞれに対して、3自由度に動かすことができる。第1の骨プレート102と第2の骨プレート104はそれぞれ細長い形を有し、第2の骨プレート104は、その長軸が第1の骨プレート102の長手方向軸110に対して横向きになるように配列されている。細長い第2の骨プレート104は、多少傾いていることができ、第2の結合部108で固定されている第1の部分を含む。第2の骨104の第2の部分は、第1の部分に対して、ある角度で伸びている。
【0079】
第1の結合部106は、第1の骨プレート102に連結されており、第2の結合部108は、第2の骨プレート108に連結されており、結合アーム107は、第1の結合部106と第2の結合部108との間で連結されている第1のアーム部分171と第2のアーム部分172を含む。第1のアーム部分171と第2のアーム部分172は、ヒンジジョイント173として示されている中央結合部を介して、相互に対して旋回可能な形で連結されている。
【0080】
さらに、第1の骨プレート102は、第1の側面伸長部149aと第2の側面伸長部149bを含む。伸長部149aは、ボールソケットジョイントの対応するソケット175aを画定するハウジング174aを、伸長部149bは、ボールソケットジョイントの対応するソケット175bを画定するハウジング174bを含む。第1の側面伸長部149aと第2の側面伸長部149bは、第1の骨プレート102の長手方向軸110から等距離で隔置されていることができる。当然ながら、第1の結合部106のボールを所望のソケット175aまたは175bに選択的に位置決めすることによって、ドリルガイド101を患者の左または右橈骨遠位端用のガイドとして、選択的に構成させることができる。結合部106のボールは第1のアーム部分171の自由端に、結合部108のボールは第2のアーム部分172の自由端に搭載することができる。
【0081】
第1の角度αおよび第2の角度βを事前に計画した矯正値に調節するように、第2の骨プレート104を第1の回転中心207および/または第2の回転中心209を中心に回転させることができる。骨プレート2のプレート孔11(図1を参照)について上述したように、第1の骨プレート102は、実質的に第1の骨プレート102の長手方向軸110に沿って伸びている細長いプレート孔111を含む。第2の骨プレート104は、第2の骨プレート104の長軸175に配列された少なくとも1つ、例えば4つのプレート孔113を含む。4つのプレート孔113のそれぞれは、骨プレート2のプレート孔13(図1を参照)について上述したように構築することができ、すなわち、角度の安定した骨アンカーのねじ頭を受容するための円錐形のめねじ山を含むことができる。
【0082】
第1の骨プレート102は、長手方向軸110と実質的に平行な方向に沿って、細長いプレート孔111に隣接する位置で伸びている目盛り115を含むことができる。目盛り115は、ゼロポジション116を画定し、このゼロポジションを用いて、術前に計画した骨切り長さ矯正値に対応する、ゼロポジションに対する距離で、ドリルビットを配置する。さらに、第1の骨プレート102の近位端Pに、ガイディングマーク114が配置されており、このガイディングマーク114は、橈骨体上のマーキング位置に、ドリルガイド101を位置決めするのに適している。
【0083】
第2の骨プレート104はさらに、第2の骨プレート104の遠位外辺部であって、第1の骨プレート102の反対側に位置する遠位外辺部の方が開いている一対の貫通チャネル177aおよび177bを画定できる。第2の骨プレート104はさらに、一対の貫通孔178aおよび178bを画定でき、これらの孔はそれぞれガイドワイヤを受容する。
【0084】
図11を参照すると、ドリルガイドシステム258は、ドリルガイド101と、代替的な実施形態に従ってドリルガイド101の第1の骨プレート102と第2の骨プレート104との間の回転角度を調節するのに用いる補助器具220とを含む。補助器具220は、回転中心軸223を画定するベースプレート221と、ベースプレート221に対して中心軸223を中心に回転可能なように、ベースプレート221によって回転可能な形で支持されている回転可能な部材222と、ドリルガイド101の右手側または左手側用の実施形態を受容するように構成されたシート234を含む第1の位置決め部材224と、回転角度αおよびβを調節するように構成された第2の位置決め部材225とを含む。回転軸223は、実質的に第1のプレート平面3Aと直交しているとともに、上面230を画定する円筒形上部237、ならびに、環状の第1のスライド面239および反対側の底面231を画定する下部238と同軸に配向できる。回転可能な部材222は、実質的にリングの形であることができ、そのリングの穴がベースプレート221の円筒形上部237の上でスライドするように、ベースプレート221の上に配置することができる。回転可能な部材222は、上面232と、回転可能な部材222が中心軸223を中心に回転できるように、ベースプレート221の環状の第1のスライド面239の上にスライド可能な形で配列されている反対側の第2のスライド面233を画定する。
【0085】
第1の角度αを第1の矯正角度と等しい値に調節するように、回転可能な部材222をベースプレート221の中心軸223を中心に回転させることができる。補助器具220はさらに、回転可能な部材222の上面232の上にある第1の角度目盛り246であって、第1の角度αが第1の矯正角度に調節されるように、第1の角度αを測るように構成された目盛り246を含む。
【0086】
第1の位置決め部材224は、ベースプレート221の円筒形上部237の上面230の上に配置されたブロックを含む。第1の位置決め部材224は、中心軸223と実質的に直交している回転軸281を画定するヒンジジョイント280を含む。ヒンジジョイント280は、留め具283を締めたり緩めたりすることによって、解除可能な形で固定することができる。第1の骨プレート102は、その長手方向軸110を中心に、ヒンジジョイント280を介して傾けることができる。第1の位置決め部材224は、回転軸223と実質的に直交しているとともに、さらに回転軸281と実質的に直交している軸282に沿って変位可能であり、軸282沿いのこの変位性は、解除可能な形でロックすることができる。シート234は、第1の骨プレート102をシート234に横方向で位置決めするための2つの平行なガイドウォール255を含む。ヒンジジョイント280の角度変位と、軸282沿いの並進変位を測定するように、補助器具220はさらに、第1の位置決め部材224の前側に配置された第3の角度目盛り285と等分目盛り286を含む。
【0087】
第2の位置決め部材225は、半径Rを有する円弧形部材226で、回転可能な部材222の上に、第2のスライド面233およびスライド可能な部材228と直角に固定された円弧形部材226を含む。円弧形部材226は、スライド面233から外向きに放射状に伸びている。スライド可能な部材228は、円弧形部材226の上に配置されており、その円弧に沿ってスライド可能である。さらに、スライド可能な部材228は、円弧形部材226から放射状に伸びているとともに、第2の骨プレート104を調節するように構成されているプレート229を含む。プレート229は、円弧形部材226の縁部と実質的に直交している平らな表面を画定することができ、第2の骨プレート104の骨接触面163が、その平らな表面に沿って伸びることができるようになっている。2つの位置決めピン284a(図11では、その1つを見ることができる)のうちの1つを第2の骨プレート104のチャネル177aおよび177bのうちの1つに挿入することができる。補助器具220は、第2の骨プレート104の側部に隣接する位置にある第3の位置決めピン284cであって、チャネル177a;177bの反対側にある位置決めピン284cを含む。第2の骨プレート104は、第2の位置決め部材225のプレート229の上に、所定の位置で位置決めすることができる。
【0088】
あるいは、第2の位置決め部材225のプレート229は、ステップまたはねじ山を含むことができ、第2の骨プレート104が、そのステップまたはねじ山に隣接できるようにするとともに、図11に示されているような右側用の構成のドリルガイド101の場合、チャネル177bに挿入した位置決めピン284bによって、第2の骨プレート104を所定の位置に保持できるか、または、左側用の構成のドリルガイド101の場合、チャネル177bに挿入した位置決めピン284aによって、第2の骨プレート104を所定の位置に保持できるようにする。
【0089】
円弧形部材226によって画定される円弧に沿って、スライド可能な部材228をスライドすることによって、第2の骨プレート104の第2の中間平面105と第1の骨プレート102の第1の中間平面103との間の第2の矯正角度βを調節することができる。第2の矯正角度βに従って、スライド可能な部材228を調節できるように、第2の角度目盛り247は、円弧形部材226の1つの側面上に位置している。
【0090】
第1の位置決め部材224は、ドリルガイド101の第1の骨プレート102をシート234に解除可能な形で固定するように構成された第1の留め具を含むことができる。スライド可能な部材228は、第2の骨プレート104を第2の位置決め部材225に解除可能な形で固定するように構成された第2の留め具を含むことができる。第3の留め具245を締めたときに、第3の留め具245の先端が円弧形部材226を横方向に圧迫するような形で、第3の留め具245がスライド可能な部材228にねじ山によって連結されている。
【0091】
回転可能な部材222はさらに、一対の円弧形スロット242を画定する。留めねじ243は、ベースプレート221にねじ山によって固定されており、そのねじ軸は、スロット242のうちの1つを貫き、そのねじ頭は、回転可能な部材222の上面232から少し出るように配列されて、ベースプレート221に対して適所で、回転可能な部材222を軸方向に保持するようになっている。回転可能な部材222がベースプレート221の中心軸223を中心に回転しないように、ベースプレート221に対して回転可能な部材222を解除可能な状態で固定する目的で、第4の留め具244がもう一方のスロット242を貫いて、ベースプレート21にねじ山によって連結されている。第4の留め具244を緩めると、回転可能な部材222は、回転可能な形で調節することができるが、軸方向では、留めねじ243によって保持されている。
【0092】
したがって、第1の骨プレート102および第2の骨プレート104は、それぞれに対して6自由度に動かすことができる。6自由度のうちの2つは、第2の骨プレート104を第1の骨プレート102に対して第1の横断方向で、かつ、第1の骨プレート102によって画定される平面に対する第2の垂直方向で回転できることによってもたらされる。第3の自由度は、第1の骨プレート102によって画定される平面と垂直な方向に、第2の骨プレート104を動かせることによってもたらされる。第4および第5の自由度は、第4の自由度を付与するように横断方向で画定される平面、および第5の自由度を付与するように長手方向で画定される平面に対して、第1の骨プレート102を動かせることによってもたらされる。すなわち、第1の骨プレート102は、第2の骨プレート104の長手方向軸に対して平行にも、すなわち第2の自由度にも、かつ、垂直にも、すなわち第5の自由度にも動かすことができる。図11に示されている実施形態では、第5の自由度は、第1の骨プレート102を補助器具220の外側に動かすことによってもたらされる。しかしながら、当業者であれば分かるように、代替的な実施形態では当然ながら、例えば、第1の骨プレート102によって画定される長手方向軸と平行に、ヒンジジョイント280または第1の位置決め部材224を動かせるようにすることによって第5の自由度をもたらすように、第1の骨プレート102を補助器具220上で動作可能にできる。第6の自由度は、第1の骨プレート102を第1の骨プレート102の長手方向軸(長手方向中心軸など)に対して回転できることによってもたらされる。当業者であれば分かるように、その他または異なる自由度も当然ながら可能である。
【0093】
様々な実施形態について詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義されている本開示内容の主旨および範囲から逸脱せずに、本発明に様々な変更、置換、および改変を行えることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載されている物体、方法、および工程のプロセス、機械、製造、構成の特定的な実施形態に限定されるとは意図されていない。当業者であれば、本開示内容から容易に分かるように、現時点で存在しているか、または後に開発される物体、方法、または工程のプロセス、機械、製造、構成であって、本明細書に記載されている該当する実施形態と実質的に同じ機能を果たすか、または実質的に同じ成果をあげる物体、方法、または工程のプロセス、機械、製造、構成を用いてよい。
【0094】
添付の特許請求の範囲の広範な範囲から逸脱せずに、本明細書に記載されている実施形態に対して、様々な修正および改変を行えることは当業者であれば分かるであろう。このような修正および改変の一部について上で説明してきたが、他の修正および改変は当業者には明らかであろう。
〔実施の態様〕
〔1〕 第1の骨プレート(2)および該第1の骨プレート(2)に対して角度をなすようにオフセットされている第2の骨プレート(4)であって、該第1の骨プレート(2)および該第2の骨プレート(4)のそれぞれには、その骨プレートを貫通して伸びているとともに、骨固定孔を下層の骨の上に位置決めするように構成された少なくとも1つの孔(11;12;13)が形成されている第1の骨プレート(2)および第2の骨プレート(4)と、
第1の結合部(6)であって、第2の骨プレート(4)を第1の骨プレート(2)に対して、第1の回転軸(7)を中心に角度的に変位させるように構成された第1の結合部(6)と、
中央結合部であって、該中央結合部は前記第1の結合部(6)に連結されていて、前記第1の骨プレート(2)に対して前記第2の骨プレートを角度的に変位させるように構成された中央結合部と、
第2の結合部(8)であって、該第2の結合部(8)は前記第2の骨プレート(4)によって支持されており、かつ、前記中央結合部に連結され、さらに、前記第1の回転軸(7)に対して角度をなすようにオフセットされている第2の回転軸(9)を中心に、前記第2の骨プレート(4)を前記第1の骨プレート(2)に対して角度的に変位させるように構成された第2の結合部(8)と、
を含むドリルガイド(1)。
〔2〕 前記第1の結合部(6)が前記第1の回転軸(7)を含み、前記第2の結合部(8)が、前記第1の回転軸(7)に対して角度をなすようにオフセットされている前記第2の回転軸(9)を含む、実施態様1に記載のドリルガイド。
〔3〕 前記第1の骨プレート(2)が第1の中間平面(3)に沿って伸びており、前記第2の骨プレート(4)が、前記第1の中間平面(3)に対して角度をなすようにオフセットされている第2の中間平面(5)に沿って伸びている、実施態様1に記載のドリルガイド。
〔4〕 前記第1の回転軸(7)および前記第2の回転軸(9)のうちの1つが前記第1の中間平面(3)と実質的に直交している、実施態様3に記載のドリルガイド。
〔5〕 前記第1の回転軸(7)および前記第2の回転軸(9)のうちの他の一方が、実質的に前記第2の中間平面(5)にある、実施態様4に記載のドリルガイド。
〔6〕 前記第1の結合部(6)および前記第2の結合部(8)がボールソケットジョイントとして構成されており、前記第1の結合部が第1の回転中心を、前記第2の結合部が第2の回転中心をそれぞれ規定する、実施態様1に記載のドリルガイド。
〔7〕 前記第1の骨プレート(2)が前記第1の中間平面(3)に沿って延在し、かつ、前記第2の骨プレート(4)が、前記第1の中間平面(3)に対して角度をなすようにオフセットされている前記第2の中間平面(5)に沿って延在しているとともに、
前記第1および第2の回転中心のうちの1つが実質的に第1の中間平面(3)にある、実施態様6に記載のドリルガイド。
〔8〕 前記第1および第2の回転中心のうちの他の一方が実質的に第2の中間平面(5)にある、実施態様7に記載のドリルガイド。
〔9〕 前記第1の結合部(6)が前記第1の骨プレート(2)に連結しており、前記第2の結合部(8)が前記第2の骨プレート(4)に連結しており、前記ドリルガイド(1)がさらに、前記第1の結合部(6)と前記第2の結合部(8)との間に連結されているアームを含み、前記アームが、第1のアーム部分と、前記中央結合部において前記第1のアーム部分に旋回可能な形で連結されている第2のアーム部分とを含む、実施態様6に記載のドリルガイド。
〔10〕 前記第1の骨プレート(2)が、前記ボールソケットジョイントのうちの1つのソケットを有するハウジングをそれぞれが含む第1および第2の側面伸長部を含む、実施態様6に記載のドリルガイド。
〔11〕 前記第1の骨プレート(2)が中心軸(10)に沿って伸びており、前記第1および第2の側面伸長部が中心軸(10)から等距離で隔置されている、実施態様10に記載のドリルガイド。
〔12〕 前記第1および第2のアーム部分がそれぞれ、前記ボールソケットジョイントのうちの1つのボールを含み、前記ボールのそれぞれが、前記中央結合部と対向する前記第1および第2のアーム部分のそれぞれの末端部に位置している、実施態様10に記載のドリルガイド。
〔13〕 前記第1の回転軸(7)および前記第2の回転軸(9)が、それぞれの回転軸に対する第1の角度を規定する、実施態様1に記載のドリルガイド。
〔14〕 前記第2の骨プレート(2)を前記第1の骨プレート(2)に対して前記第1の回転軸(7)を中心に旋回させることによって、前記第1の角度を調節する、実施態様13に記載のドリルガイド。
〔15〕 前記第1の骨プレート(2)が前記中心軸(10)に沿って伸びており、前記第1の回転軸(7)が前記中心軸(10)から隔置されている、実施態様1に記載のドリルガイド。
〔16〕 プレート孔(13)を貫いて伸びている骨アンカーから、前記第2のプレート(40)を取り外せるように、前記第2の骨プレート(4)の外辺部まで伸びているチャネル(19)を有する少なくとも2つのプレート孔(13)を前記第2の骨プレート(4)が含む、実施態様1に記載のドリルガイド。
〔17〕 前記第2の骨プレート(4)が少なくとも2つのプレート孔(13)を含み、プレート孔(13)がそれぞれ、骨アンカーのねじ頭を通せる拡大部分(17)を含む、実施態様1に記載のドリルガイド。
〔18〕 前記第1の骨プレート(2)が、前記第1の骨プレート(2)の中心軸(10)と実質的に平行に配向された目盛り(15)を含み、該目盛り(15)がゼロポジションを含む、実施態様1に記載のドリルガイド。
〔19〕 前記第2の骨プレート(4)が、それぞれガイドワイヤを受容するように構成された2つ以上の貫通孔(178a;178b)を含む、実施態様1に記載のドリルガイド。
〔20〕 第1骨プレート(2)であって、長手方向に沿って伸長する第1骨プレート(2)と、前記第1の骨プレート(2)に対して角度をなすようにオフセットされた第2の骨プレート(4)であって、前記第1の骨プレート(2)および前記第2の骨プレート(4)のそれぞれが、該第1の骨プレート(2)および該第2の骨プレート(4)のそれぞれを貫通して延びる少なくとも一つの孔(11;12;13)を含み、該少なくとも一つの孔(11;12;13)が、骨固定孔を下層の骨の上に位置決めするように構成されている第1の骨プレート(2)および第2の骨プレート(4)と、
伸長部であって、前記第1の骨プレート(2)から、前記長手方向に対して角度をなすようにオフセットされている横方向に突き出ている、伸長部と、
第1の結合部(6)であって、前記横方向において前記第1の骨プレート(2)から隔置されるように前記伸長部によって支持された第1の結合部(6)と、
第2の結合部(8)であって、前記第2の骨プレート(4)によって支持され、かつ、前記第1の結合部(6)に連結され、さらに、前記第1の回転軸(7)に対して角度をなすようにオフセットされている第2の回転軸(9)を中心に、前記第2の骨プレート(4)を前記第1の骨プレート(2)に対して角度的に変位させるように構成された第2の結合部(8)と、
を含むドリルガイド。
〔21〕 前記第2の結合部(8)が前記第2の骨プレート(4)に連結されており、該連結により前記第2の骨プレート(4)が前記第1の骨プレート(2)に対して前記第1の回転軸(7)を中心に角度的に変位したときに、前記第2の回転軸(9)が前記第1の骨プレート(2)に対して角度的に変位するように構成されている、実施態様20に記載のドリルガイド。
〔22〕 前記第1の結合部(6)が、前記第1の回転軸(7)が前記長手方向および前記横方向と垂直となるように構成されている、実施態様20に記載のドリルガイド。
〔23〕 前記ドリルガイド(1)がさらに、前記第1の結合部(6)と前記第2の結合部(8)との間に連結されているアームを含み、該アームが、第1のアーム部分と、前記中央結合部において前記第1のアーム部分に旋回可能な形で連結されている第2のアーム部分とを含む、実施態様21に記載のドリルガイド。
〔24〕 前記第1の結合部(6)および第2の結合部(8)が、ボールソケットジョイントとして構成されており、前記第1の結合部(6)が第1の回転中心を、前記第2の結合部(8)が第2の回転中心をそれぞれ規定する、実施態様21に記載のドリルガイド。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11