(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
消費者は、単にインターネット以外の多くの異なるメディアチャネルにアクセスすることができる。たとえば、消費者は、テレビを視聴したり、ラジオを聴いたり、携帯電話を持ったりすることができる。残念ながら、各メディアチャネルは、他のメディアチャネルとは無関係に消費者に広告を提供するので、異なるメディアチャネル間では広告の一貫性がない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載の実施形態は、ユーザにターゲットを絞ったクロスメディア広告を提供する。メディアチャネル内のシステムがユーザのための広告を選択しようとするとき、システムは、この同じユーザのために他のメディアチャネル内ではどの広告が選択されたかを決定するために、それらのメディアチャネルに照会する。次いで、システムは、同じユーザについて他のメディアチャネルで選択された広告に基づいて、ユーザのためのターゲットを絞った広告を選択することができる。以下の実施形態は、ユーザのために選択される広告に関して、異なるメディアチャネル間の協調を提供する。したがって、ユーザは、ユーザによってアクセスされるメディアチャネルに関わらず、興味深い広告を受信する可能性がより高くなる。たとえば、消費者がペットフードについての記事を検索するためにインターネット検索エンジンを使用すると、検索エンジンは、ペットに関連する広告を選択することができる。同じ消費者が衛星テレビを視聴すると、テレビネットワーク内のバックエンドシステムが、検索エンジンディスプレイを通じてユーザにどの広告が提供されたかを決定するために、インターネット検索エンジンに照会することができる。次いで、テレビネットワーク内のバックエンドシステムが、ペットに関連する広告をユーザに提供することができる。この異なるメディアチャネルにわたる広告情報の共有によって、各メディアチャネルは、その広告を個々のユーザに、より効率的に集中させることができるようになる。
【0005】
一実施形態は、コンテンツをユーザに提供する第1のメディアチャネルのための広告選択コントローラを備える。広告選択コントローラは、コンテンツをユーザに提供する第2のメディアチャネルのバックエンドシステムにクエリを送信するように構成されており、クエリは第2のメディアチャネルにおいてユーザのために選択された広告についてである。広告選択コントローラは、第2のメディアチャネルのバックエンドシステムから、第2のメディアチャネルにおいて選択された広告についての広告識別子を含む応答を受信するように構成されている。広告を識別する広告識別子は、複数のメディアチャネルにわたってグローバル(global)である。広告選択コントローラは、第2のメディアチャネルにおいて選択された広告に基づいて、第1のメディアチャネルにおいてユーザのための広告を選択して、第1のメディアチャネルにおいて選択された広告をユーザに提供するように構成されている。
【0006】
一実施形態では、広告選択コントローラは、第1のメディアチャネルにおけるユーザの活動を追跡して、第1のメディアチャネルにおけるユーザの活動にさらに基づいて、第1のメディアチャネルにおけるユーザのための広告を選択するように構成されている。
【0007】
一実施形態では、広告選択コントローラは、第2のメディアチャネルにおいてユーザのユーザ識別子を決定して、第2のメディアチャネルのバックエンドシステムへのクエリにユーザ識別子を挿入するように構成されている。
【0008】
一実施形態では、第1のメディアチャネルはテレビを備え、第2のメディアチャネルはインターネットを備える。別の実施形態では、第1のメディアチャネルはラジオを備え、第2のメディアチャネルはインターネットを備える。別の実施形態では、第1のメディアチャネルは活字メディアを備え、第2のメディアチャネルはインターネットを備える。別の実施形態では、第1のメディアチャネルは携帯電話を備え、第2のメディアチャネルはインターネットを備える。
【0009】
一実施形態では、広告選択コントローラは、第2のメディアチャネルのバックエンドシステムから、第1のメディアチャネルにおいて選択された別の広告についての別のクエリを受信して、第1のメディアチャネルにおいて選択された他の広告についての別の広告識別子を識別するためにユーザのユーザプロファイルにアクセスして、第1のメディアチャネルにおいて選択された他の広告についての他の広告識別子を含む別の応答を第2のメディアチャネルのバックエンドシステムに送信するように構成されている。
【0010】
別の実施形態は、コンテンツをユーザに提供する第1のメディアチャネルにおいて広告を提供する方法を備える。本方法は、第1のメディアチャネルの広告選択コントローラから、コンテンツをユーザに提供する第2のメディアチャネルのバックエンドシステムにクエリを送信するステップであって、クエリが第2のメディアチャネルにおいてユーザのために選択された広告についてである、送信するステップを含む。本方法は、広告選択コントローラにおいて、第2のメディアチャネルのバックエンドシステムから、第2のメディアチャネルにおいて選択された広告についての広告識別子を含む応答を受信するステップを含む。広告識別子は、複数のメディアチャネルにわたってグローバルである。本方法は、第2のメディアチャネルにおいて選択された広告に基づいて、第1のメディアチャネルにおいてユーザのための広告を選択するステップと、第1のメディアチャネルにおいて選択された広告をユーザに提供するステップとを備える。
【0011】
上記の概要は、本明細書のいくつかの態様の基本的理解を提供する。この概要は、本明細書の広範な概観ではない。本明細書の主要なまたは重要な要素を特定することも、本明細書の特定の実施形態の任意の範囲または特許請求の範囲の任意の範囲を記述することも意図されない。この概要の唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、本明細書のいくつかの概念を簡単な形式で提示することである。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態を、例示の目的のみで、添付の図面を参照して説明する。すべての図面において、同じ参照番号は、同じ要素、または同じタイプの要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面および以下の説明は、特定の例示的実施形態を示している。したがって、当業者には、本明細書には明示的に記載または図示されていないが、本実施形態の原理を具体化し、また本実施形態の範囲に含まれる、様々な構成を考案できることが理解されよう。さらに、本明細書に記載の任意の例は、本実施形態の原理の理解を助けることを意図し、そのような具体的に記述された例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。その結果、本発明の概念は、以下に記載された特定の実施形態または例ではなく、特許請求の範囲、およびそれらの均等物によって限定される。
【0015】
図1は、ある例示的実施形態における、通信システム100を示している。通信システム100は、コンテンツをユーザ150(消費者とも呼ばれる)に提供または配信する、複数のメディアチャネル110、120、130、および140を含む。メディアチャネルは、意図する消費者に到達するために使用される特定のメディアとして定義される。異なるメディアチャネルは、コンテンツを配信するために異なる(通信)メディア(たとえば、有線、無線、活字、記憶メディア等)を使用することができ、コンテンツを配信するために異なる(通信)方法(たとえば、放送、エンドツーエンド、ポントツーポイント)を使用することができ、(電子)コンテンツを配信するために異なるトランスポートプロトコルまたはトランスポート層(たとえば、IP、SMS、MMS、SMPP、HTML等)を使用することができ、異なる経験を消費者に提供することができ、異なる機器またはアプリケーション(たとえば、携帯電話、ブラウザを備えたPC、テレビ受信機、ラジオ受信機等)を通じてアクセス可能でよい。
【0016】
メディアチャネルは、異なる方法で分類することができるが、一般的に、それらは以下のように分類することができる:活字メディア(たとえば、本、新聞、雑誌)、記録媒体(たとえば、カセット、CD、DVD)、映画、ラジオ、テレビ、インターネット、および携帯電話。これらの分類のそれぞれにおいて、コンテンツを広めるために使用される技術は異なっている場合がある。たとえば、ラジオでは、コンテンツを広めるために使用される技術は、FCCによって規制される周波数帯域を介する放送音声を含み得る。インターネットでは、コンテンツを広めるために使用される技術は、インターネットプロトコル(IP)に従ってコンテンツをパケット化して、パケットを意図する受信者にルーティングすることを含み得る。別の例では、テレビでは、コンテンツを広めるために使用される技術は、FCCによって規制される周波数帯域(放送)を介して、またはFCCによって規制されない他のメディア(たとえば、ケーブルおよび衛星)を介して、ビデオを放送することを含み得る。携帯電話では、コンテンツを広めるために使用される技術は、無線アクセスネットワーク(RAN)、または他の無線ネットワークを介して、コンテンツを意図する受信者に送信することを含み得る。異なるメディアチャネルには何らかの技術の重複があり得るが、各メディアチャネルは、コンテンツが消費者に提供される方法に関しては他のメディアチャネルと無関係であると考えられる。異なるメディアチャネルのうちのいくつかは、共通のエンティティによって所有されてもよく、個々のエンティティによって所有されてもよい。
【0017】
ユーザ150は、メディアチャネル110、120、130、および140のそれぞれを通じてコンテンツにアクセスすることができる。1つの仮定は、ユーザ150が各メディアチャネル110、120、130、および140を通じてコンテンツにアクセスすることができる機器を有することである。たとえば、メディアチャネル110がラジオを備える場合、ユーザ150は、コンテンツにアクセスするためのラジオ機器を有する。メディアチャネル120がテレビを備える場合、ユーザ150は、コンテンツにアクセスするためのテレビ機器を有する。メディアチャネル130がインターネットを備える場合、ユーザ150は、コンテンツにアクセスするためのコンピュータおよび関連ブラウザを有する。メディアチャネル140が携帯電話を備える場合、ユーザ150は、コンテンツにアクセスするためのセルラー電話または他の携帯電話を有する。本明細書で「ユーザ(user)」または「消費者(consumer)」という用語が使用される場合、人および/またはその人に関連付けられる機器を指す場合がある。
【0018】
ユーザ150は、コンテンツにアクセスするために各メディアチャネル内で設定されたアカウントを有することができる。たとえば、メディアチャネル110がラジオを備える場合、ユーザ150は、このメディアを介してコンテンツのプロバイダで設定されたアカウント(たとえば、XMラジオアカウント)を有することができる。メディアチャネル120がテレビを備える場合、ユーザ150は、このメディアを介してコンテンツにアクセスするために、ケーブルまたは衛星プロバイダを通じて設定されたアカウントを有することができる。メディアチャネル130がインターネットを備える場合、ユーザ150は、コンテンツにアクセスするために、Google(R)、Yahoo!(R)、インターネットサービスプロバイダ(ISP)等で設定されたアカウントを有することができる。メディアチャネル140が携帯電話を備える場合、ユーザ150は、コンテンツにアクセスするために、Verizon Wireless(R)、Sprint(R)等で設定されたアカウントを有することができる。各アカウントは、異なるメディアチャネルにわたって、ユーザを異なるように識別することができる。
【0019】
メディアチャネル110、120、130、および140は、それぞれバックエンドシステム112、122、132、および142を含む。バックエンドシステムは、メディアチャネルを通じてコンテンツを提供するための動作(任意選択のユーザ許可および認証を任意で含み得る)をサポートする、任意のサーバ、デバイス、装置、または機器(ハードウェアを含む)を備える。たとえば、テレビまたはラジオのバックエンドシステムは、コンテンツを配信するためのヘッドエンド機器を含み得る。インターネットのバックエンドシステムは、データセンタ内に、カスタマイズされた検索エンジンまたはポータルを消費者に提供する機器を備え得る。携帯電話のバックエンドシステムは、コアネットワーク(たとえば、サービングゲートウェイ、アプリケーションサーバ等)内に、コンテンツを消費者に提供する機器を備え得る。
【0020】
図2は、ある例示的実施形態における、バックエンドシステムを示している。
図2にバックエンドシステム122が示されているが、他のバックエンドシステムも同様の構成を有し得る。バックエンドシステム122は、インターフェース224、広告選択コントローラ226、広告サーバ227、およびデータベース228を含む。インターフェース224は、コンテンツの配信に関して他の要素と通信するコンポーネントまたはデバイスを備える。広告(advertisement)選択コントローラ226は、それぞれのメディアチャネルを介してユーザに提供するために1つまたは複数の広告を選択するコンポーネントまたはデバイスを備える。広告を選択するために、広告選択コントローラ226は、ユーザの活動を追跡して、ユーザの活動についての情報を格納することができる。たとえば、メディアチャネルがインターネットを備える場合、広告選択コントローラ226は、ユーザの検索または購入を追跡して、この情報を格納することができる。また、広告選択コントローラ226は、ユーザのための広告を選択するためのアルゴリズムまたはポリシーを格納することができる。たとえば、広告選択コントローラ226は、特定の広告を特定のユーザに推奨するために、協調フィルタリングアルゴリズムを格納して処理することができる。別の例として、送信されるべき広告を選択するポリシー機能は、その優先順位を、広告選択のためにアルゴリズムをオーバーライドする特定の広告を送信するように設定することもでき、ユーザの興味や行動を考慮しない広告を送信するための事前設定された方式に従うことができるNULL選択に設定することもできる。NULL選択は、ユーザ単位での初期の情報収集および統合段階で有用である。
【0021】
広告(advertisement)サーバ227は、ユーザに提供するための広告を格納するコンポーネントまたはデバイスを備える。広告サーバ227はバックエンドシステム122の一部として示されているが、バックエンドシステム122によってアクセスされる外部サーバでもよい。広告サーバ227は、識別子によって参照される広告を格納する。本明細書では、識別子は「Ad−ID」と呼ばれる。Ad−IDは、特定の広告に特有のものである。本明細書に記載の実施形態によれば、Ad−IDは、異なるメディアチャネルにわたってグローバルまたは同型でもある。したがって、消費者にコンテンツを提供するために使用されているメディアチャネルに関わらず、Ad−IDは特定の広告に特有のものとしてすべてのメディアチャネルにわたって理解される。
【0022】
データベース228は、他のデータ、アプリケーション、ファイル等とともに消費者のユーザプロファイルを格納するコンポーネントまたはデバイスを備える。たとえば、データベース228は、消費者ごとに、消費者の氏名、住所、電話番号、消費者についてのサービスレベルまたはプラン等を含む、ユーザプロファイルを格納することができる。消費者のユーザプロファイルは、ターゲットを絞った広告を提供するための、消費者に関する任意のデータを示すことができる。
図3は、ある例示的実施形態における、ユーザプロファイル300を示している。ユーザプロファイル300は、氏名または識別子(ID)フィールド302、セグメントフィールド304、Ad−IDフィールド306、次のAd−IDフィールド308、およびクロスメディア氏名/IDフィールド310を含む。氏名/IDフィールド302は、メディアチャネル内のユーザを識別する情報を含む。セグメントフィールド304は、メディアチャネル内のユーザの1つまたは複数の広告分類を示す。たとえば、広告分類は、「スポーツ」、「ペット」、「金融」等でよい。Ad−IDフィールド306は、メディアチャネルを介してユーザに提供される広告のAd−IDを含む。次のAd−IDフィールド308は、メディアチャネルを介してユーザに提供されるように選択された広告のAd−IDを含む。クロスメディア氏名/IDフィールド310は、異なるメディアチャネル内のユーザを識別する情報を含む。ユーザは、異なるメディアチャネル内で異なる氏名またはIDを有する場合があるので、このフィールド310は、1つまたは複数の異なるメディアチャネルにおけるユーザの氏名またはIDを示している。
【0023】
この実施形態では、広告選択コントローラ226が、メディアチャネル120(
図1参照)を介してコンテンツにアクセスしているユーザ150の
図3に示されるようなユーザプロファイル300をポピュレート(populate)すると仮定する。広告選択コントローラ226は、メディアチャネル120において、ターゲットを絞った広告をユーザ150に提供するように構成されている。この実施形態では、広告選択コントローラ226は、メディアチャネル110、130、および140などの他のメディアチャネルによって提供された情報に基づいて、ターゲット広告をユーザ150に提供するように拡張される。他のメディアチャネルにおけるバックエンドシステムもユーザ150のための広告を選択している可能性があるので、これらのバックエンドシステムは、ユーザ150のために選択した広告に関して、広告選択コントローラ226と共有するべき情報を有する場合がある。以前は、各メディアチャンネルが独立していたので、そのメディアチャネル内のユーザの活動に基づいてターゲット広告(該当する場合)を選択したであろう。広告選択コントローラ226は、ユーザ150により一層ターゲットを絞った広告を提供するために、ユーザ150に関する情報を他のメディアチャネルに照会することができる。
【0024】
図4は、ある例示的実施形態における、ターゲットを絞った広告をユーザに提供するための方法400を示す流れ図である。方法400のステップは、
図1−
図2のバックエンドシステム122を参照して説明されるが、当業者は、方法400は他のシステムにおいて実行され得ることが理解できるだろう。また、本明細書に記載の流れ図のステップは包括的なものではなく、図示されていない他のステップを含むことができ、ステップは代替の順序で実行されてよい。
【0025】
ユーザ150にターゲットを絞った広告を提供するために、広告選択コントローラ226は、ユーザ150の興味を決定するためにデータマイニング作業を実行することができる。一例では、広告選択コントローラ226は、メディアチャネル120を介してユーザ150の活動を追跡することができる(ステップ402)。たとえば、メディアチャネル120がインターネットを備える場合、広告選択コントローラ226は、ユーザ150によって実行される検索、ユーザ150によるクエリ、ユーザ150によって行われる購入等を監視することができる。この実施形態では、広告選択コントローラ226はまた、他のメディアチャネルではユーザ150のためにどのタイプの広告が選択されたかを決定するために、それらのメディアチャネルのバックエンドシステムに照会する。したがって、広告選択コントローラ226は、そのメディアチャネルでユーザ150のために選択された広告を識別するために、クエリを(インターフェース224を通じて)メディアチャネル130のバックエンドシステム132に送信する(ステップ404)。広告選択コントローラ226は、ユーザ150の氏名またはID、ユーザ150の位置、またはユーザ150についての他のデータを、クエリに挿入することができる。
【0026】
次いで、広告選択コントローラ226は、バックエンドシステム132から、メディアチャネル130においてユーザ150のために選択された広告のAd−IDを含む応答を受信する(ステップ406)。上述のように、Ad−IDは、異なるメディアチャネルにわたってグローバルである。したがって、メディアチャネル130において選択されたAd−IDは、メディアチャネル120において理解され、以下同様である。
【0027】
広告選択コントローラ226は、それらのメディアチャネルにおいてユーザ150のために選択された広告を識別するために、他のメディアチャネル110および140の他のバックエンドシステム112および142に同様の方法で照会することができる。バックエンドシステム122は、他のバックエンドシステムと通信するために、任意の所望のリアルタイムプロトコルを使用することができる。たとえば、バックエンドシステムは、特にバックエンドシステム間の接続に信頼性がある場合、通信のためにUDP/IPを使用することができる。あるいは、バックエンドシステムは、通信のためにTCP/IPを使用することができる。
【0028】
次いで、広告選択コントローラ226は、メディアチャネル120において、ユーザ150のための広告を選択する(ステップ408)。広告選択コントローラ226による選択は、他のメディアチャネル(たとえば、メディアチャネル130)において選択された広告に基づいてもよく、それ自体のメディアチャネル120内のユーザ150の活動に基づいてもよく、他の任意の情報に基づいてもよい。たとえば、広告選択コントローラ226は、Ad−IDによって示されるように、メディアチャネル130において選択されたものと同じ広告を選択することができる。別の例では、広告選択コントローラ226は、メディアチャネル130において選択された広告と類似する、またはそれと同じ興味の領域内にある、広告を選択することができる。メディアチャネル120における広告の選択は、設計上の選択の問題である。
【0029】
次いで、広告選択コントローラ226は、選択された広告を(インターフェース224を通じて)ユーザ150に提供する(ステップ410)。広告を提供するために、広告選択コントローラ226は、Ad−IDに関連する広告を取り出すために選択されたAd−IDを使用して広告サーバ227に照会することができる。次いで、広告選択コントローラ226は、ユーザ150に提供されるコンテンツに広告を挿入することができる。広告選択コントローラ226が選択された広告を提供する方法は、メディアチャネルのタイプに依存し得る。たとえば、メディアチャネル120がインターネットを備える場合、広告選択コントローラ226は、広告をポップアップメッセージとして提供することや、広告をウェブページに挿入することなどができる。
【0030】
広告選択コントローラ226は、選択された広告に基づいて、ユーザ150のユーザプロファイル300を更新することもできる。
図3では、広告選択コントローラ226は、この広告はユーザ150に提供されたということを示すために、選択された広告のAd−IDを、ユーザプロファイル300の「Ad−ID」フィールドに挿入することができる。
【0031】
他のバックエンドシステムに照会することに加えて、広告選択コントローラ226は、他のバックエンドシステムからのクエリに応答することができる。
図5は、ある例示的実施形態における、他のバックエンドシステムに応答するための方法500を示す流れ図である。方法500のステップは、
図1−
図2のバックエンドシステム122を参照して説明されるが、当業者は、方法500は他のシステムにおいて実行され得ることが理解できるだろう。
【0032】
1つの仮定は、バックエンドシステム130などの別のバックエンドシステムが、ターゲットを絞った広告をユーザ150に提供するために動作していることである。バックエンドシステム120が他のバックエンドシステムに照会することができるのと同様に、バックエンドシステム130は、メディアチャネル120においてユーザ150のために選択された広告を識別するために、バックエンドシステム120にクエリを送信することができる。したがって、バックエンドシステム120内の広告選択コントローラ226は、バックエンドシステム130から、メディアチャネル120においてユーザ150のために選択された広告のAd−IDを要求する(インターフェース224を通じて)クエリを受信する(ステップ502)。クエリに応答して、広告選択コントローラ226は、メディアチャネル120においてユーザ150のために選択された広告を識別するために、ユーザ150のユーザプロファイル300にアクセスする(ステップ504)。たとえば、広告選択コントローラ226は、メディアチャネル120においてユーザ150のために選択された広告のAd−IDを識別するために、「Ad−ID」フィールド、または「次のAd−ID」フィールドにアクセスすることができる。次いで、広告選択コントローラ226は、メディアチャネル120においてユーザ150のために選択された広告のAd−IDを含む応答をバックエンドシステム130に送信する(ステップ506)。
【0033】
異なるメディアチャネルにわたって広告のグローバルなAd−IDが定義されるので、バックエンドシステムは、それぞれのメディアチャネルにおいて提供された広告に関する情報を交換することができる。したがって、広告を選択する際に各メディアチャネルが個別に動作する代わりに、各メディアチャネルにおいてよりターゲットを絞った広告をユーザ150に提供できるようにバックエンドシステムが協調することができる。また、いくつかのメディアチャネルは、ユーザ150の嗜好についての情報の収集により貢献する。たとえば、インターネットおよび携帯電話は、ユーザ150が彼/彼女の興味を示す可能性がより高いプラットフォーム(たとえば、ウェブ検索、購入等)を提供するが、一方、テレビおよびラジオなどの放送メディアチャネルは、ユーザ150とのそのような相互作用を有する可能性が低い。上述の実施形態によって、ユーザ150についてのより多くの情報を取得することができるそれらのチャネルは、各メディアチャネルがそれらの広告を個々のユーザにターゲットを絞ることができるように、それらの広告選択を他のメディアチャネルと共有することができるようになる。
【0034】
(実施例)
図6は、別の実施形態における、通信システム600を示している。システム600は、コンテンツをユーザ650に提供する2つのメディアチャネル610および620を含む。メディアチャネル610はテレビを備え、メディアチャネル620はインターネットを備えている。メディアチャネル610および620にアクセスするために、ユーザ650は機器(顧客宅内機器と呼ばれることもある)および適切な契約を有している。たとえば、メディアチャネル610にアクセスするために、ユーザ650はセットトップボックス642およびテレビ(TV)644を有している。また、ユーザ650は、メディアチャネル610にアクセスするために、ケーブルプロバイダ、衛星プロバイダ等との契約を有している。また、ユーザ650は、メディアチャネル620にアクセスするために、関連するブラウザを備えたコンピュータ(PC)646を有している。また、ユーザ650は、メディアチャネル620にアクセスするために、インターネットサービスプロバイダ(ISP)との契約を有している。
【0035】
メディアチャネル610は、ユーザ650のユーザプロファイルを格納するバックエンドシステム612を含む。ユーザプロファイルは、とりわけ、メディアチャネル610においてユーザ650のために選択された広告を示す。
図7は、ある例示的実施形態における、メディアチャネル610におけるユーザ650のユーザプロファイル700を示している。ユーザプロファイル700は、メディアチャネル610におけるユーザ650の氏名を「Czar23」と示す、氏名または識別子(ID)フィールド702を含む。セグメントフィールド704は、ユーザ650にとって興味深い広告のセグメントを示しており、それは「ペット」である。Ad−IDフィールド706は、メディアチャネル610においてユーザ650に提供された広告のAd−IDを示している。次のAd−IDフィールド708は、メディアチャネル610においてユーザ650に提供されるように選択された広告のAd−IDを示している。クロスメディア氏名/IDフィールド710は、メディアチャネル620などの他のメディアチャネルにおけるユーザ650の氏名またはIDを示している。たとえば、活字メディアでは、ユーザ650は、「John Doe」というIDを有することができる。インターネットメディアでは、ユーザ650は、「Fballfan」というIDを有することができる。したがって、バックエンドシステム612がユーザ650に広告を提供したい場合、バックエンドシステム612は、活字メディアのバックエンドに「John Doe」について、およびインターネットのバックエンドに「Fballfan」について照会することができる。ユーザ650は、同様に照会され得る他のメディアチャネル用に他のIDを有することができる。
【0036】
また、バックエンドシステム612は、コンテンツをユーザ650に提供することができ、この例ではテレビコンテンツである。また、バックエンドシステム612は、メディアチャネル610において、ユーザ650のためのターゲットを絞った広告を選択するように構成されている。広告を選択するために、バックエンドシステム612は、位置、年齢、性別、好き/嫌い等の、ユーザ650についての情報を有することができる。この情報は、ユーザ650がサービスにサインアップしたときに収集されてもよく、別の方法で収集されてもよい。また、バックエンドシステム612は、スポーツチャネル、ニュースチャネル等の、ユーザ650によって視聴されるテレビチャネルを追跡することができる。ユーザ650のための広告を選択するために、バックエンドシステム612は、メディアチャネル620のバックエンドシステム622から情報を収集することもできる。
図8は、ある例示的実施形態における、バックエンドシステム間の通信を示すメッセージ図である。バックエンドシステム612は、メディアチャネル620においてユーザ650のために選択されたAd−IDを要求する、バックエンドシステム622へのクエリをフォーマットする。バックエンドシステム612は、メディアチャネル620において使用されるユーザ650の氏名/ID(すなわち、「Fballfan」)を挿入して、バックエンドシステム622にクエリを送信する。クエリは、位置などの、ユーザ650についての他の情報を含み得る。
【0037】
バックエンドシステム622が、バックエンドシステム612からクエリを受信する。また、バックエンドシステム622は、メディアチャネル620においてユーザ650のためのターゲットを絞った広告を選択するように構成されている。広告を選択するために、バックエンドシステム622は、位置、年齢、性別、好き/嫌い等の、ユーザ650についての情報を有することができる。バックエンドシステム622は、検索、購入等のメディアチャネル620におけるユーザ650の活動を追跡することもできる。
【0038】
バックエンドシステム622はまた、ユーザ650のユーザプロファイルを格納する。
図9は、ある例示的実施形態における、メディアチャネル620におけるユーザ650のユーザプロファイル900を示している。ユーザプロファイル900は、メディアチャネル620におけるユーザ650の氏名を「Fballfan」と示す、氏名またはIDフィールド902を含む。セグメントフィールド904は、ユーザ650にとって興味深い広告のセグメントを示しており、それは「スポーツ」である。Ad−IDフィールド906は、メディアチャネル620においてユーザ650に提供された広告のAd−IDを示している。次のAd−IDフィールド908は、メディアチャネル620においてユーザ650に提供されるように選択された広告のAd−IDを示している。クロスメディア氏名/IDフィールド910は、他のメディアチャネルにおけるユーザ650の氏名またはIDを示している。たとえば、活字メディアでは、ユーザ650は、「John Doe」というIDを有する。テレビメディアでは、ユーザ650は、「Czar23」というIDを有する。
【0039】
バックエンドシステム612からのクエリに応答して、バックエンドシステム622は、メディアチャネル620においてユーザ650のために選択されたAd−IDを識別するために、ユーザプロファイル900にアクセスする。Ad−IDは、「P1」、「R1」、および「Q1」である。これらのAd−IDは例にすぎず、実際のAd−IDは、広告代理店の業界標準(たとえば、http://www.ad−id.org)によって定義され得る。Ad−IDのフォーマットは標準化され得るが、それらは、複数のメディアチャネルにわたってグローバルであり、任意の特定のメディアチャネルに特有のものではない。したがって、異なるメディアチャネルにわたるバックエンドシステムは、Ad−IDを理解して処理することができる。次いで、バックエンドシステム622は、メディアチャネル620においてユーザ650のために選択されたAd−IDを含む応答をフォーマットして、応答をバックエンドシステム612に送信する。
【0040】
応答を受信した後、バックエンドシステム612は、メディアチャネル610においてユーザ650のための広告を選択する。バックエンドシステム612は、バックエンドシステム622によって提供されたAd−ID(すなわち、P1、R1、およびQ1)に基づいて、ユーザ650に関する情報に基づいて、または他の任意の情報に基づいて、広告を選択することができる。次いで、バックエンドシステム612は、選択された広告をユーザ650に提供する。たとえば、バックエンドシステム612は、選択された広告のAd−IDを、セットトップボックス642に提供されるビデオコンテンツに挿入することができる。次いで、セットトップボックス642は、Ad−IDを識別するために、ビデオコンテンツを構文解析して、ローカルメモリや外部データベースなどから、Ad−IDに関連する広告を取り出すことができる。
【0041】
また、バックエンドシステム612は、ユーザ650のユーザプロファイル700を更新することができる。
図10は、ある例示的実施形態における、ユーザ650の更新されたユーザプロファイルを示している。
図10に示されるように、バックエンドシステム612は、バックエンドシステム622によって提供されたAd−IDを含むように、ユーザプロファイル700を更新することができる。バックエンドシステム612が、「P1」によって識別された広告を提供すると、バックエンドシステム612は、ユーザプロファイル700の「Ad−ID」フィールド706に「P1」を追加することによって、ユーザプロファイル700を更新する。また、バックエンドシステム612は、「R1」および「Q1」の広告が次に提供され得るので、ユーザプロファイル700の「次のAd−ID」フィールド708に「R1」および「Q1」を追加することができる。
【0042】
図面に示される、または本明細書に記載される様々な要素またはモジュールのいずれかは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの何らかの組合せとして実装され得る。たとえば、ある要素は専用ハードウェアとして実装され得る。専用ハードウェア要素は、「プロセッサ(processor)」、「コントローラ(controller)」、または何らかの類似の用語で呼ばれることがある。プロセッサによって提供されると、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、またはそのうちのいくつかが共有され得る複数の個々のプロセッサによって、機能が提供され得る。さらに、「プロセッサ」、または「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアだけを指すものと解釈されるべきではなく、これに限定されないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)または他の回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性記憶装置、ロジック、あるいは他の何らかの物理的ハードウェアコンポーネントまたはモジュールを暗示的に含み得る。
【0043】
また、要素は、要素の機能を実行するためにプロセッサまたはコンピュータによって実行可能な命令として実装され得る。命令のいくつかの例は、ソフトウェア、プログラムコード、およびファームウェアである。命令は、プロセッサに要素の機能を実行するよう指示するためにプロセッサによって実行された場合に動作可能である。命令は、プロセッサによって読取り可能な記憶装置に記憶され得る。記憶装置のいくつかの例は、デジタルまたはソリッドステートメモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学的に読取り可能なデジタルデータ記憶媒体である。
【0044】
本明細書では特定の実施形態が説明されたが、本開示の範囲はそれらの特定の実施形態に限定されるものではない。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲、およびそれらの任意の均等物によって定義される。