(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
訓練時を含む射撃時における射撃装置の照準を合わせる状態から発射されるまでのレーザ光の照射軌跡(微動軌跡)と命中精度を記録する射撃用レーザ光照射軌跡記録装置であって、
前記射撃装置において銃身の長さ方向に対し所定角度傾いた状態で備えられるレーザ光照射装置と、
前記レーザ光照射装置からのレーザ光が照射される照射標的と、
前記射撃装置の縦横の動きを感知する縦横動作感知装置と、
前記射撃装置の回動する動きを感知する回動感知装置と、
前記射撃装置におけるトリガースイッチと連動して該トリガースイッチを引くタイミングを記録するトリガー感知装置と、
前記照射標的を動画若しくは連続静止画で撮影する撮影装置と、
前記縦横動作感知装置と回動感知装置とトリガー感知装置と撮影装置による各種データを記録及び演算処理する中央制御装置(CPU)と、
前記中央制御装置(CPU)による演算処理の結果を出力する出力装置と、
から成り、
前記照射標的に照射されたレーザ光の照射軌跡(微動軌跡)に基づき、射撃手の熟練度、決断力、手ぶれ、射撃傾向、命中度を数値化し、その結果を出力装置で確認可能としたことを特徴とする射撃用レーザ光照射軌跡記録装置。
前記レーザ光照射装置が、前記射撃装置の銃身の長さ方向に対し0.1〜45度の許容角度内に傾いた状態で備えられていることを特徴とする請求項1に記載の射撃用レーザ光照射軌跡記録装置。
【背景技術】
【0002】
従来の射撃用レーザ光照射装置に関する測定装置ならびに調整装置の多くは、実弾の代わりにレーザ光を用いてその射撃結果を表示する手段と、レーザ光の照射軌道を表示または修正する手段を備えたシュミレーション用の射撃装置が提供されている。
【0003】
上記した射撃用レーザ光照射装置に関する測定装置および調整装置としては、例えば、風が吹いている場合にも弾道通過点の座標位置を正確に演算処理する「射撃評価装置」(特許文献1参照)や、光照射位置の射撃精度を高めることができ、実際の砲弾を用いた場合と同様な照射角度を付与して射撃訓練ができる「射撃シュミレーション装置」(特許文献2参照)、また、非可視光である照射光を用いた射撃訓練装置等において、発射したレーザ光が実際のどの地点に到達したかを特定でき、照準方向の補正を明確にできる「レーザ送信器の照準調整装置」(特許文献3参照)や、照準距離や天候に影響受けることなく一人で照準調整を容易に行うことができる「レーザ送信器の照準調整装置」(特許文献4参照)、さらに、小火器の照準補正量決めるために連続して何度も射撃及び計測が可能で風や騒音などの外乱要因によらず高精度の計測を可能にする「弾道位置測定装置および小火器用照準具」(特許文献5参照)等が提案されている。
【0004】
しかしながら、上記にかかるレーザ光照射装置に関する測定装置および調整装置の提案は、射撃訓練時のレーザ光の照射弾道を測定して表示する手段ならびにレーザ光の照射確定座標を補正する手段を備えているに過ぎず、訓練時を含む射撃時の射撃手の熟練度、決断力、手ぶれ、射撃傾向、命中度を数値化して記録し、その結果を出力装置で出力して射撃手の熟練度ならびに決断力の高揚と、手ぶれの補正、腕力の強化、射撃傾向のクセ、命中度を高めるための照射射撃データを集積してその後の射撃手の技術向上に繋げることができる射撃用の装置の提案ではなかった。
【0005】
本出願人は、以上のような従来から使用されている射撃用レーザ光照射装置における射撃手の熟練度ならびに決断力の高揚と、手ぶれの補正、腕力の強化、射撃傾向のクセ、命中度を高めるための照射射撃データを集積してその後の射撃能力の向上に活用することができる訓練を含む射撃用の装置が提供されてこなかった問題点に着目し、その問題点を簡便な記録出力手段を使用して射撃手の技術向上に役立つ方法を実現することができないものかという着想の下、訓練時を含む射撃時における射撃装置の照準を合わせる状態から発射されるまでのレーザ光の照射軌跡(微動軌跡)と命中精度を記録する記録出力装置を開発し、本発明にかかる「射撃用レーザ光照射軌跡記録装置」の提案に至るものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記問題点に鑑み、本発明は、訓練時を含む射撃時における射撃装置の照準を合わせる状態から発射されるまでのレーザ光の照射軌跡(微動軌跡)と命中精度を記録する射撃用レーザ光照射軌跡記録装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は、訓練時を含む射撃時における射撃装置の照準を合わせる状態から発射されるまでのレーザ光の照射軌跡(微動軌跡)と命中精度を記録する射撃用レーザ光照射軌跡記録装置であって、射撃装置において銃身の長さ方向に対し所定角度傾いた状態で備えられる一のレーザ光照射装置と、該レーザ光照射装置からのレーザ光が照射される照射標的と、射撃装置の縦横の動きを感知する縦横動作感知装置と、射撃装置の回動する動きを感知する回動感知装置と、射撃装置におけるトリガースイッチと連動して該トリガースイッチを引くタイミングを記録するトリガー感知装置と、照射標的を動画若しくは連続静止画で撮影する撮影装置と、縦横動作感知装置と回動感知装置とトリガー感知装置と撮影装置による各種データを記録及び演算処理する中央制御装置(CPU)と、該中央制御装置(CPU)による演算処理の結果を出力する出力装置と、から成り、照射標的に照射されたレーザ光の照射軌跡(微動軌跡)に基づき、射撃手の熟練度、決断力、手ぶれ、射撃傾向、命中度を数値化し、その結果を出力装置で確認可能とした手段を採る。
【0009】
また、本発明は、前記レーザ光照射装置が、前記射撃装置の銃身の長さ方向に対し0.1〜45度の許容角度内に傾いた状態で備えられている手段を採る。
【0010】
さらに、本発明は、前記照射標的が、前記射撃装置から0.5〜20mの許容距離内で配置されている手段を採る。
【0011】
またさらに、本発明は、前記射撃装置に、衝撃発生装置を内蔵させた手段を採る。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置によれば、射撃装置において照準を合わせようとする状態からトリガースイッチを引いて弾が発射されるまでの銃口や銃身の動きについて、照射標的に照射されたレーザ光の照射軌跡(微動軌跡)に基づきその微動までも簡易に記録することが可能であり、かつ、その記録結果を数値化して出力装置により確認可能であるため、訓練等における射撃技術水準が客観的に把握できるようになると共に、射撃手の熟練度ならびに決断力の高揚と、手ぶれの補正、腕力の強化、射撃傾向(クセ)の自覚、命中度を高めるためのデータを集積して、その後の射撃能力の向上に活用することができる、といった優れた効果を奏する。
【0013】
また、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置によれば、銃身の長さ方向に対し所定角度傾いた状態でレーザ光照射装置が備えられているため、レーザ光の照射標的を実際の標的方向とは別方向に配置することが可能であると共に、実射の距離(実際の標的との距離)に関係なく近距離に照射標的を配置することが可能であり、これによりレーザ光の照射距離が短くなることでレーザ光の省出力を実現できると共に、訓練設備の省スペース化が図れ、もって訓練コストの低廉化が実現可能である、といった優れた効果を奏する。
【0014】
さらに、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置によれば、射撃装置に、例えば空気圧やガス圧、油圧、スプリング圧、電気作動装置などによる衝撃発生装置を内蔵して射撃訓練を行うことによって、実際の実弾による衝撃振動を体感可能であって、実戦に近い感覚で訓練を行うことが可能である、といった優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10は、訓練時を含む射撃時における射撃装置20の照準を合わせる状態から発射されるまでのレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25と命中精度を記録する射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10であって、射撃装置20において銃身20aの長さ方向に対し所定角度傾いた状態で備えられるレーザ光照射装置21と、該レーザ光照射装置21からのレーザ光23が照射される照射標的27と、射撃装置20の縦横の動きを感知する縦横動作感知装置31と、射撃装置20の回動する動きを感知する回動感知装置32と、射撃装置20におけるトリガースイッチ26と連動して該トリガースイッチ26を引くタイミングを記録するトリガー感知装置33と、照射標的27を動画若しくは連続静止画で撮影する撮影装置34と、縦横動作感知装置31と回動感知装置32とトリガー感知装置33と撮影装置34による各種射撃データを記録及び演算処理する中央制御装置(CPU)30と、該中央制御装置(CPU)30による演算処理の結果を出力する出力装置36と、から成り、照射標的27に照射されたレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25に基づき、射撃手の熟練度、決断力、手ぶれ、射撃傾向、命中度を数値化し、その結果を出力装置36で確認可能としたことを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0017】
尚、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法等の範囲内で、適宜変更することができるものである。
【0018】
図1は、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10の実施形態を示す全体説明図である。
本発明にかかるレーザ光照射軌跡記録装置10は、訓練時を含む射撃時における射撃装置20の照準を合わせる状態から発射されるまでのレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25と命中精度を記録するための装置であって、レーザ光照射装置21と、照射標的27と、縦横動作感知装置31と、回動感知装置32と、トリガー感知装置33と、撮影装置34と、中央制御装置(CPU)30と、出力装置36と、で構成される。
【0019】
本発明で使用する射撃装置20は、レーザ光照射装置21を備える光照射銃であって、縦横動作感知装置31と、回動感知装置32と、トリガー感知装置33と、撮影装置34と、これらによる各種射撃データを記録及び演算処理する中央制御装置(CPU)30に連動される。
【0020】
レーザ光照射装置21は、照射標的27に対しレーザ光23を照射するためのものであって、一の射撃装置20に対し一乃至二のレーザ光照射装置21が銃身20aの上方や側方など任意の箇所に備えられる。このとき、該レーザ光照射装置21は、銃身20aの長さ方向に対し所定の角度だけ傾いた状態で備えられる。
【0021】
レーザ光照射装置21の傾きの角度については、特に限定するものではないが、角度が小さすぎると照射標的27が実際の標的Mまでの実弾線上に重なって配置される場合が想定され、逆に角度が大きすぎると照射標的27に照射されるレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25を的確に捉えることが困難な場合も想定される。したがって、レーザ光照射装置21の傾きについては、銃身20aの長さ方向に対し概ね0.1〜45度の許容角度内に傾いた状態とすることが好ましい。
【0022】
レーザ光23は、前記レーザ光照射装置21から照射される例えば赤色や緑色の光線を為す照射光であって、照射標的27に対し照射され、射撃装置20における銃口や銃身20aの動きを捕捉可能にするものである。
【0023】
照射標的27は、レーザ光照射装置21が発するレーザ光23が照射されるもので、射撃装置20の動きによって変動するレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25が投影されることとなる。この写し出されたレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25を撮影装置34で撮影及び記録し、その記録結果を数値化して出力装置により確認可能とすることで、客観的な射撃技術水準や射撃手の今後の訓練、実戦に資する情報として利用する。
【0024】
照射標的27の材質については、レーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25が捕捉可能なものであれば特に限定はないが、例えば安価な白地の紙媒体から成る。かかる照射標的27におけるレーザ光23の照射面について、何の情報記載も無い無地とすることも考え得るが、XY座標軸28a、28bや、得点圏エリアを示す得点サークル29を印刷した態様も可能である。
【0025】
照射標的27を配置する位置すなわち射撃装置20との距離Lについては、特に限定するものではないが、実射の距離(実際の標的Mとの距離)に関係なく、射撃装置20から近い距離Lに配置する態様を採用する。具体的には、射撃装置20から0.1〜20mの許容距離内で配置されることとなる。射撃装置20と照射標的27との距離Lが近いということは、レーザ光照射装置21によるレーザ光23の照射距離も短くなるため、レーザ光23の省出力を実現できると共に、訓練設備の省スペース化を図ることができ、もって訓練コストの低廉化が実現可能となる。
【0026】
縦横動作感知装置31は、射撃装置20の縦横(上下,左右)の動き・位置のズレを感知するための装置であって、例えばリープモーションセンサー等が使用される。射撃装置20が縦横(上下,左右)に動いて位置のズレが生じることで、銃身20aに備えられた照射標的27も縦横(上下,左右)に動いて位置のズレが生じ、それに連動して照射標的27におけるレーザ光23が指し示す照準位置も変動することとなる。したがって、縦横動作感知装置31により射撃装置20の縦横(上下,左右)の動き・位置のズレを感知し、その数値データを中央制御装置(CPU)30へ送信することで、照射標的27におけるXY座標軸28a、28bを正位置に変換し、射撃装置20における実際の標的Mに対する照準位置とレーザ光23が指し示す照準位置との整合処理が為される。
【0027】
回動感知装置32は、射撃装置20の回動を感知するための装置であって、例えば加速度センサー等が使用される。射撃装置20が回転すれば、銃身20aに備えられた照射標的27も回転し、それに連動して照射標的27におけるレーザ光23が指し示す照準位置も変動することとなる。したがって、回動感知装置32により射撃装置20の回動を感知し、その数値データを中央制御装置(CPU)30へ送信することで、照射標的27におけるXY座標軸28a、28bを正位置に変換し、射撃装置20における実際の標的Mに対する照準位置とレーザ光23が指し示す照準位置との整合処理が為される。
【0028】
ところで、一の射撃装置20に二のレーザ光照射装置21を備えることで、前記回動感知装置32に代える態様も可能である。すなわち、一の射撃装置20に二のレーザ光照射装置21が備えられれば、照射標的27には二つの照射されたレーザ光23が点で投影されることとなるが、その照射されたレーザ光23による二つの点同士を結んだ線の傾きの変化を撮影装置34で撮影して捉えることで、射撃装置20の回動状態について容易に掌握することが可能となる。
【0029】
トリガー感知装置33は、射撃装置20におけるトリガースイッチ26と連動して該トリガースイッチ26を引くタイミングを記録するための計測装置であって、毎回のトリガースイッチ26を引いた時刻を計測したり、あるいは、前回から今回までのトリガースイッチ26を引く間隔秒数を順次計測したりするものである。なお、計測された計測データは、中央制御装置(CPU)30へ送信される。
【0030】
撮影装置34は、照射標的27を撮影するための装置であって、より詳しくは、照射標的27に照射されたレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25を撮影するための装置である。該撮影装置34としては、例えば動画を撮影可能なビデオカメラや、連続静止画を撮影可能なデジタルカメラ等が使用される。該撮影装置34は、射撃装置20から0〜20mの許容距離内で配置された照射標的27の全体を撮影可能な位置に配置される。なお、撮影された画像データは、中央制御装置(CPU)30へ送信される。
【0031】
なお、撮影装置34によって撮影された画像データにおいて、射撃装置20のトリガースイッチ26を引いた時点でのレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25は、照射確定座標24として画像データにその痕跡が記録される。
【0032】
中央制御装置(CPU)30は、上述した縦横動作感知装置31と、回動感知装置32と、トリガー感知装置33と、撮影装置34から送信されてくる数値データや計測データ、画像データを記録並びに演算処理して、その結果を出力装置36を介して確認可能とするためのコンピュータである。これら処理を可能にすべく、中央制御装置(CPU)30内には、データ記録用のメモリ記憶装置とデータ演算用の演算処理装置を内蔵して成る。
【0033】
出力装置36は、前記中央制御装置(CPU)30による各種データの演算処理の結果を出力して確認可能とするための装置であって、例えばモニタ画面上で確認可能なモニタ装置37や紙媒体に直接プリントアウトするプリンタ装置38、あるいはこれらの組合せなどが考え得る。かかる出力装置36に出力される具体的内容については、例えば前記縦横動作感知装置31や回動感知装置32、トリガー感知装置33や撮影装置34から送信されてきた各種データを全て確認可能な一覧表的態様(
図4参照)であったり、あるいは、データ項目ごとに特化して出力する態様であったり、必要なデータ項目のみを取捨選択して一覧化した態様であったり、などの種々の出力態様が可能である。
【0034】
以上の通り構成される本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10は、訓練時を含む射撃時における射撃装置20の照準を合わせる状態から発射されるまでのレーザ光の照射軌跡(微動軌跡)25と命中精度を記録することによって、射撃手の熟練度ならびに決断力の高揚と、手ぶれの補正、腕力の強化、射撃傾向のクセ、命中度を高めるためのデータを集積して、その後の射撃能力の向上に活用することを可能にするものである。
【0035】
図2は、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10の動作態様を説明するチャート図である。
〔Step1〕システム全体(各構成装置)の立ち上げ
システム全体(各構成装置)を立ち上げて動作可能な状態とし、かつ、
図3に示すようにコンピュータ上で必要な入力情報(例えば人名,年齢,性別など)を打ち込んだ後、射撃位置にスタンバイする。
【0036】
〔Step2〕射撃プログラムの起動
射撃プログラムを起動させる。これにより、トリガー感知装置33が作動して射撃時間(トリガースイッチ26を引くタイミング)の計測が可能となる。また、レーザ光照射装置21からレーザ光23が照射標的27に照射され、撮影装置34によって該照射標的27の撮影が開始される。
【0037】
〔Step3〕射撃体勢
射撃装置20を構え、標的Mに向かって銃口の照準を定め、射撃体勢に入る。このとき、射撃装置20を構えた状態におけるレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25が撮影装置34によって撮影されており、その画像データは中央制御装置(CPU)30に送られる。また、縦横動作感知装置31と回動感知装置32により射撃装置20の縦横動や回動が感知され、その数値データも中央制御装置(CPU)30に送られる。
【0038】
〔Step4〕射撃動作,照射確定座標24の確定
標的Mを狙い、射撃動作としてトリガースイッチ26を引く。これにより、射撃時間(トリガースイッチ26を引くタイミング)が計測され、その計測データが中央制御装置(CPU)30に送られると共に、照射確定座標24が確定し、その画像データも中央制御装置(CPU)30に送られる。
【0039】
〔Step5〕繰り返し
Step3〜Step4を規定回数繰り返す。
【0040】
〔Step6〕射撃プログラム終了
射撃規定回数を完了したら、射撃プログラムを終了させる。これにより、トリガー感知装置33の作動が終了すると共に、レーザ光23の照射がストップし、撮影装置34の撮影も終了する。
【0041】
〔Step7〕射撃結果出力
各構成装置により収集された各種データが中央制御装置(CPU)30によって演算処理され、出力装置36としてモニタ装置37やプリンタ装置38を介して紙媒体39に出力される。
【0042】
〔Step8〕システム全体(各構成装置)のシャットダウン。
システム全体(各構成装置)をシャットダウンする。なお、このシャットダウンについては、上記各Stepにおいて、何ら動作や指示が為されず所定時間を経過した場合に、強制的にシャットダウンする態様とすることも考え得る。
【0043】
図4乃至6は、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10の出力態様の実施例を示す説明図であり、
図4は各種データを全て一覧として出力した態様、
図5は一回の射撃の前後にわたる動作状況を時系列で出力した態様、
図6は同一人による過去の蓄積データと今回との比較・推移を出力した態様を示している。
すなわち、前記中央制御装置(CPU)30による各種データの演算処理の結果は、出力装置36に出力されることで確認可能となっている。かかる出力装置36への出力態様については特に限定はなく、例えば前記縦横動作感知装置31や回動感知装置32、トリガー感知装置33や撮影装置34から送信されてきた各種データを全て確認可能な一覧表的態様(
図4参照)や、データ項目ごとに特化して出力する態様あるいは必要なデータ項目のみを取捨選択して抽出し一覧化した態様(
図5参照)、過去の蓄積データによる射撃上達の推移(
図6参照)など、種々の出力態様が可能である。
【0044】
図4を基に、出力装置36への出力態様の具体的な実施例を示す。
(1)予め射撃手によって打ち込まれた入力情報(日付、天気、気温、湿度、個人名、個人ID、開始時間、終了時間、実施回数など)が出力される。
(2)射撃回ごとの照射確定座標24のXY座標が数値として表示される。
(3)照射確定座標24のXY座標軸28a、28bの静止画40が表示される。
(4)照射確定座標24の照射軌跡(微動軌跡)25の静止画40が表示される。
(5)射撃間隔が時間表示される。
(6)命中率が得点表示される
(7)射撃回数ごとの評価ランクが表示される。
(8)実施日の総合評価がコメント表示される。
このように、出力装置36に出力された可視化された情報を基に、自身の傾向を今後の射撃訓練や実戦の対策を練ることができる。
また、この出力に際し、過去のデータを読み込ませて今回との比較分析を行うことも可能である。
【0045】
図7は、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10の照射標的27の実施例を示す説明図であり、(a)は全体図、(b)は照射確定座標24が示された状態を示している。
照射標的27は、レーザ光照射装置21が発するレーザ光23が照射されるもので、その材質は例えば安価な白地その他の紙媒体から成り、レーザ光23の照射面には、例えば
図7(a)に示すように、必要に応じてXY座標軸28a、28bや、得点圏エリアを示す得点サークル29が印刷されて成る。
【0046】
図7(b)に示すように、出力装置36を介して射撃による照射確定座標24を照射標的27へ表示する態様も考え得る。このように、照射標的27上に照射確定座標24が発射された順に表示されることで、自身の実力を知ることができると共に、今後の射撃の対策に活用することが可能となる。
【0047】
図8は、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10の照射軌跡(微動軌跡)25を示す説明図である。
一回の射撃において、射撃装置20を構えてから、標的Mを狙い、トリガースイッチ26を引く(照射確定座標24の確定)までの一連のレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25について、図面に示すように、出力装置36に静止画40として出力することで、射撃装置20を構えた際の射撃手のクセなど、射撃装置20の動きを細かく観察することができる。
【0048】
図9は、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10の照射確定座標24の分布を示す説明図である。
射撃装置20のトリガースイッチ26を引いた時点でのレーザ光23の照射軌跡(微動軌跡)25は、照射確定座標24として画像データにその痕跡が記録されるが、複数回の射撃において蓄積された複数の照射確定座標24の分布を出力装置36に出力することで、射撃手のレベルや上達度、修正能力、クセなどを細かく分析することができる。
【0049】
なお、本発明にかかる射撃用レーザ光照射軌跡記録装置10の射撃装置20に、衝撃発生装置35を内蔵させる態様も可能である。
衝撃発生装置35として、例えば、空気銃の機構を応用した空気圧を使用したり、ガス銃の機構を応用したガス圧を使用したり、射撃銃の中にスプリングを内蔵したスプリング圧を使用したり、電磁弁などの作動圧を利用した電気作動装置などを利用することができる。
かかる態様を採用することにより、射撃訓練時において、訓練でありながら実際の実弾による衝撃振動を体感可能であって、実戦に近い感覚で訓練を行うことが可能である、
【課題】訓練時を含む射撃時における射撃装置の照準を合わせる状態から発射されるまでのレーザ光の照射軌跡(微動軌跡)と命中精度を記録する射撃用レーザ光照射軌跡記録装置の提供を図る。
【解決手段】射撃装置において銃身の長さ方向に対し所定角度傾いた状態で備えられるレーザ光照射装置21と、レーザ光照射装置21からのレーザ光が照射される照射標的27と、射撃装置の縦横の動きを感知する縦横動作感知装置31と、射撃装置の回動する動きを感知する回動感知装置32と、射撃装置におけるトリガースイッチ26と連動して該トリガースイッチを引くタイミングを記録するトリガー感知装置33と、照射標的を動画若しくは連続静止画で撮影する撮影装置34と、縦横動作感知装置と回動感知装置とトリガー感知装置と撮影装置による各種データを記録及び演算処理する中央制御装置(CPU)30他から成り、この結果に基づき、射撃手の熟練度等を数値化する。