特許第6034089号(P6034089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034089
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】ICタグホルダー付き溶着パレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/38 20060101AFI20161121BHJP
【FI】
   B65D19/38 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-175522(P2012-175522)
(22)【出願日】2012年8月8日
(65)【公開番号】特開2014-34401(P2014-34401A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】川本 康介
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−280784(JP,A)
【文献】 特開2009−107651(JP,A)
【文献】 特開2009−023670(JP,A)
【文献】 特開2012−006620(JP,A)
【文献】 特開2009−018856(JP,A)
【文献】 特開2011−057260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D19/00−19/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部スキッドと下部スキッドと、溶着面で溶着状態とされている溶着パレットにICタグホルダーが取り付けられているICタグホルダー付き溶着パレットにおいて、
前記ICタグホルダーに上下方向に弾性変形可能な弾性調整部材が形成されているとともに、ホルダー側係止部が設けられ、
一方のスキッドに、前記ICタグホルダーを挿入可能なICタグホルダー挿入部が設けられているとともに、前記ホルダー側係止部を係止するスキッド側係止部が設けられ、
他方のスキッドに、前記ICタグホルダーの前記弾性調整部材が当接する当接部が設けられ、
前記ICタグホルダーが取り付けられた状態においては、前記弾性調整部材が前記当接部に当接状態とされ、前記ホルダー側係止部が前記スキッド側係止部に係止状態とされることを特徴とするICタグホルダー付きパレット。
【請求項2】
上部スキッドと下部スキッドと、溶着面で溶着状態とされている溶着パレットにICタグホルダーが取り付けられているICタグホルダー付き溶着パレットにおいて、
前記ICタグホルダーには、ホルダー側係止部が設けられ、
一方のスキッドに、前記ICタグホルダーを挿入可能なICタグホルダー挿入部が設けられているとともに、前記ホルダー側係止部を係止するスキッド側係止部が設けられ、
他方のスキッドに、上下方向に弾性変形可能な弾性調整部材が設けられ、
前記ICタグホルダーが取り付けられた状態においては、前記弾性調整部材が前記ICタグホルダーに当接状態とされ、前記ホルダー側係止部が前記スキッド側係止部に係止状態とされることを特徴とするICタグホルダー付きパレット。
【請求項3】
溶着パレットに、ICタグホルダーの移動を抑制するICタグホルダー保持壁が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のICタグホルダー付きパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬、移送、保管等に使用されるICタグホルダー付き溶着パレットに関するものであり、ICタグホルダーには、ICタグが収容されており、ICタグは、溶着パレットのサイズや材質や所有者等のパレット自体に関する情報及び溶着パレットに載置される物品の種類や個数や行き先等の物品自体に関する情報等の種々の情報が蓄積されるICチップや電池やアンテナ等が収容されている。
【背景技術】
【0002】
従来、ICタグが収容されたICタグホルダーを、溶着パレットに形成されたICタグホルダー収容部に収容することが行われている。このようなICタグホルダー付き溶着パレットは、一例として、特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2009−78827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のICタグホルダー付き溶着パレットにおいては、ICタグホルダーの上下端が、溶着パレットのICタグホルダー収容部に形成された固定ブロック間に挟持されるように構成されている。しかしながら、一対のスキッドを溶着することにより形成される溶着パレットにおいては、一対のスキッドを溶着した際に、一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、一定せず、ICタグホルダーの高さより、大きかったり、小さくなる場合がある。
【0005】
一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、ICタグホルダーの高さより大きい場合には、ICタグホルダーが、一対の固定ブロック間で移動し、ICタグホルダーが、溶着パレットから外れたり、損傷するという問題があった。また、一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、ICタグホルダーの高さより小さい場合には、ICタグホルダーが変形し、ICタグホルダーが、損傷するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来のICタグホルダー付き溶着パレットが有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、上部スキッドと下部スキッドと、溶着面で溶着状態とされている溶着パレットにICタグホルダーが取り付けられているICタグホルダー付き溶着パレットにおいて、
前記ICタグホルダーに上下方向に弾性変形可能な弾性調整部材が形成されているとともに、ホルダー側係止部が設けられ、
一方のスキッドに、前記ICタグホルダーを挿入可能なICタグホルダー挿入部が設けられているとともに、前記ホルダー側係止部を係止するスキッド側係止部が設けられ、
他方のスキッドに、前記ICタグホルダーの前記弾性調整部材が当接する当接部が設けられ、
前記ICタグホルダーが取り付けられた状態においては、前記弾性調整部材が前記当接部に当接状態とされ、前記ホルダー側係止部が前記スキッド側係止部に係止状態とされるものであり、
第2には上部スキッドと下部スキッドと、溶着面で溶着状態とされている溶着パレットにICタグホルダーが取り付けられているICタグホルダー付き溶着パレットにおいて、
前記ICタグホルダーには、ホルダー側係止部が設けられ、
一方のスキッドに、前記ICタグホルダーを挿入可能なICタグホルダー挿入部が設けられているとともに、前記ホルダー側係止部を係止するスキッド側係止部が設けられ、
他方のスキッドに、上下方向に弾性変形可能な弾性調整部材が設けられ、
前記ICタグホルダーが取り付けられた状態においては、前記弾性調整部材が前記ICタグホルダーに当接状態とされ、前記ホルダー側係止部が前記スキッド側係止部に係止状態とされるものであり、
第3には、溶着パレットに、ICタグホルダーの移動を抑制するICタグホルダー保持壁を設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
上部スキッドと下部スキッドと、溶着面で溶着状態とされている溶着パレットにICタグホルダーが取り付けられているICタグホルダー付き溶着パレットにおいて、前記ICタグホルダーに上下方向に弾性変形可能な弾性調整部材が形成されているとともに、ホルダー側係止部が設けられ、一方のスキッドに、前記ICタグホルダーを挿入可能なICタグホルダー挿入部が設けられているとともに、前記ホルダー側係止部を係止するスキッド側係止部が設けられ、他方のスキッドに、前記ICタグホルダーの前記弾性調整部材が当接する当接部が設けられ、前記ICタグホルダーが取り付けられた状態においては、前記弾性調整部材が前記当接部に当接状態とされ、前記ホルダー側係止部が前記スキッド側係止部に係止状態とされるよう構成したので、特許文献1に記載の一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、一定せず、ICタグホルダーの高さより、大きかったり、小さくなる場合があっても、その誤差を、弾性調整部材により、吸収することができるので、ICタグホルダーの高さより小さい場合には、ICタグホルダーのガタツキや振動を防止することができるとともに、ICタグホルダーの高さより大きい場合には、ICタグホルダーの損傷を防止することができる。
【0009】
また、上部スキッドと下部スキッドと、溶着面で溶着状態とされている溶着パレットにICタグホルダーが取り付けられているICタグホルダー付き溶着パレットにおいて、 前記ICタグホルダーには、ホルダー側係止部が設けられ、一方のスキッドに、前記ICタグホルダーを挿入可能なICタグホルダー挿入部が設けられているとともに、前記ホルダー側係止部を係止するスキッド側係止部が設けられ、他方のスキッドに、上下方向に弾性変形可能な弾性調整部材が設けられ、前記ICタグホルダーが取り付けられた状態においては、前記弾性調整部材が前記ICタグホルダーに当接状態とされ、前記ホルダー側係止部が前記スキッド側係止部に係止状態とされるよう構成したので、特許文献1に記載の一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、一定せず、ICタグホルダーの高さより、大きかったり、小さくなる場合があっても、その誤差を、弾性調整部材により、吸収することができるので、ICタグホルダーの高さより小さい場合には、ICタグホルダーのガタツキや振動を防止することができるとともに、ICタグホルダーの高さより大きい場合には、ICタグホルダーの損傷を防止することができる。
【0010】
更に、溶着パレットに、ICタグホルダーの移動を抑制するICタグホルダー保持壁を設けたので、ICタグホルダーの移動を防止し、安定して、ICタグホルダーを、溶着パレットに取着することができ、ICタグホルダーに取り付けられたICタグに蓄積された情報を、正確に、読み取りできるとともに、情報を、確実に、書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、溶着パレットの一部断面とICタグホルダーを含む本発明のICタグホルダー付き溶着パレットの部分拡大斜視図である。
図2図2は、本発明のICタグホルダー付き溶着パレットの一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図3図3は、本発明のICタグホルダー付き溶着パレットに収容されるICタグホルダーの斜視図である。
図4図4は、ICタグが取り付けられた状態の本発明のICタグホルダー付き溶着パレットに収容されるICタグホルダーの斜視図である。
図5図5は、本発明のICタグホルダー付き溶着パレットの一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図6図6は、同じく、本発明のICタグホルダー付き溶着パレットの一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図7図7は、同じく、本発明のICタグホルダー付き溶着パレットの一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図8図8は、同じく、本発明のICタグホルダー付き溶着パレットの一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図9図9は、本発明のICタグホルダー付き溶着パレットの別の実施例の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図10図10は、本発明のICタグホルダー付き溶着パレットの更に別の実施例の一部断面を含む部分拡大斜視図である。
【実施例】
【0012】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0013】
先ず最初に、図1及び図2を用いて、ICタグホルダー付き溶着パレット(以下、単に、溶着パレットと称する。)Pについて説明する。
【0014】
溶着パレットPは、公知のように、上部スキッドP1と下部スキッドP2とを、溶着面p1で溶着することにより形成されている。一例として、溶着パレットPの上部デッキp2には、後述するICタグホルダーHが、挿入可能なICタグホルダ挿入開口p3が形成されている。このようなICタグホルダ挿入開口p3は、溶着パレットPの桁内に位置する上部デッキp2に形成されている。本実施例においては、ICタグホルダ挿入開口p3が、溶着パレットPの中央桁に形成されている例が示されている。
【0015】
上部スキッドP1と下部スキッドP2とが、溶着面p1で溶着された際には、ICタグホルダ挿入開口p3を囲むように、相対する一方の側壁p4と相対するもう一方の側壁p5が形成されている。相対する一方の側壁p4と相対するもう一方の側壁p5とにより、ICタグホルダーHが収容されるICタグホルダー収容空間Aが形成されている。
【0016】
溶着パレットPの上部デッキp2に形成されたICタグホルダ挿入開口p3の周縁には、下方に略垂直に延在する係止垂直部p3aが垂下されている。本実施例においては、ICタグホルダ挿入開口p3の平面形状が、長方形に形成されており、係止垂直部p3aは、ICタグホルダ挿入開口p3の長辺側に位置する相対する係止垂直部p3a(以下、長辺側係止垂直部という。)p3a’と、ICタグホルダ挿入開口p3の短辺側に位置する相対する係止垂直部p3a(以下、短辺側係止垂直部という。)p3a”とから形成されている。
【0017】
ICタグホルダー収容空間Aを形成する相対する一方の側壁p4と上部デッキp2との隅部には、ICタグホルダ挿入開口p3に挿入されたICタグホルダーHの長辺側係止垂直部p3a’方向への移動を抑制するように、長辺側係止垂直部p3a’に略垂直に対抗するように、一対のICタグホルダー保持壁p6が形成されている。
【0018】
また、ICタグホルダー収容空間Aを形成する下部スキッドP2の下部デッキp7には、相対する一方の側壁p4の略中央部を架橋する架橋リブp8が形成されており、更に、ICタグホルダー収容空間Aを形成する下部スキッドP2の下部デッキp7には、相対するもう一方の側壁p5の略中央部を架橋する架橋リブp9が形成されており、架橋リブp8と架橋リブp9とは、下部スキッドP2のの略中央部で交差するように形成されている。架橋リブp8と架橋リブp9との中央部に位置する上端面は、面一に形成されている。
【0019】
次に、図3及び図4を用いて、ICタグホルダーHとICタグTについて説明する。ICタグホルダーHとICタグTは、本出願人の先の出願である特許文献1に記載のICタグホルダーHとICタグTと略同じであるので、以下においては、主として、特許文献1に記載のICタグホルダーHと本願発明のICタグホルダーHとの相違点を中心に説明する。
【0020】
ICタグホルダーHは、ICタグホルダーHの上部に形成された上部水平部h1と、ICタグホルダーHの下部に形成された下部水平部h2と、ICタグホルダーHの相対する垂直辺に形成された垂直側壁部h3とを有しており、全体として、縦長に形成されている。また、上部水平部h1と下部水平部h2と相対する垂直側壁部h3とにより形成される空間部には、内部板状部h4が形成されており、内部板状部h4の表面h4aは、面一で、且つ、上部水平部h1、下部水平部h2及び相対する垂直側壁部h3の端面より内側に位置するように構成されている。更に、上部水平部h1、下部水平部h2及び相対する垂直側壁部h3の端面も、面一に形成されているとともに、相対する垂直側壁部h3には、内部板状部h4の表面h4aと所定の間隔を置いて、互いに接近する方向に内側に延在するICタグ保持板h5が形成されている。
【0021】
h6は、内部板状部h4の下部に形成された弾性舌片であり、弾性舌片h6の自由端部付近には、水平状突条h6aが突設されている。また、h7は、相対する垂直側壁部h3の上端部に、それぞれ形成された係止突部であり、係止突部h7には、係止突部h7から垂直側壁部h3に向かう傾斜面h7aが形成されているとともに、その上面は、水平上面h7bとして形成されている。
【0022】
ICタグホルダーHを構成する下部水平部h2の裏面には、下方に延在する弾性変形可能な板材からなる弾性調整部材H1が形成されている。図3及び図4においては、弾性調整部材H1が、円弧状に形成された円弧状弾性片h1’の例が示されている。
【0023】
ICタグTを、ICタグホルダーHに取り付けるには、水平状突条h6aが突設されている側から弾性舌片h6を後方に押して、弾性舌片h6を湾曲変形させ、次いで、ICタグTの上端t1が、ICタグホルダーHの下方に位置するように配置し、その後、ICタグTを上動させることにより、ICタグTの上端t1から、順次、ICタグTの両側部t2を、内部板状部h4とICタグ保持板h5との間に形成されている間隙に挿入し、ICタグTの下端t3が、弾性舌片h6に形成されている水平状突条h6aを越えて上方に位置した時点で、湾曲変形している弾性舌片h6から手を離して、弾性舌片h6を、その弾性復元力により、ICタグTの下端t3を、弾性舌片h6の水平状突条h6aにより支持し、ICタグTが下方に移動しないように構成されている。
【0024】
上述したように、ICタグTを、ICタグホルダーHに取り付ける際には、水平状突条h6aが突設されている側から弾性舌片h6を押して、弾性舌片h6を湾曲変形させた後、ICタグホルダーHの下方から、ICタグTの両側部t2を、内部板状部h4とICタグ保持板h5との間に形成されている間隙に挿入するように構成したので、ICタグTを変形させることなく、平坦なままで、ICタグホルダーHに取り付けることができるので、ICタグTが損傷するようなことを防止することができる。
【0025】
次に、図5図8を用いて、溶着パレットPの上部デッキp2に形成されたICタグホルダ挿入開口p3へのICタグTが取り付けられたICタグホルダーHの挿着について説明する。
【0026】
先ず最初に、ICタグホルダーHを、弾性調整部材H1側から、ICタグホルダ挿入開口p3へ挿入し、その後、ICタグホルダーHを下降させると、ICタグホルダーHの弾性調整部材H1が、架橋リブp8と架橋リブp9との交差部の上端面に当接するとともに、ICタグホルダーHの相対する垂直側壁部h3の上端部に形成された係止突部h7の水平上面h7bが、係止垂直部p3aの下端に当接し、ICタグホルダーHが、溶着パレットPに取着されることになる。
【0027】
また、ICタグホルダーHが、溶着パレットPに取着された際には、ICタグホルダーHの垂直側壁部h3が、溶着パレットPに形成された一対のICタグホルダー保持壁p6に挟持されるように構成されており、従って、ICタグホルダーHの移動を防止し、安定して、ICタグホルダーHを、溶着パレットPに取着することができ、ICタグホルダーHに取り付けられたICタグTに蓄積された情報を、正確に、読み取りできるとともに、情報を、確実に、書き込むことができる。
【0028】
上述したように、ICタグホルダーHが、溶着パレットPに取着されることになるが、一対のスキッドを溶着することにより形成される溶着パレットにおいては、一対のスキッドを溶着した際に、一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、一定せず、ICタグホルダーの高さより、大きかったり、小さくなる場合がある。しかしながら、本発明においては、ICタグホルダーHを構成する下部水平部h2の裏面には、下方に延在する弾性変形可能な板材からなる弾性調整部材H1が形成されているので、ICタグホルダーHが、弾性調整部材H1を介して、相対する垂直側壁部h3の上端部に形成された係止突部h7と、溶着パレットPに形成された架橋リブp8と架橋リブp9との交差部の上端面に当接するように構成されているので、一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、一定せず、ICタグホルダーHの高さより、大きかったり、小さくなる場合があっても、その誤差を、弾性調整部材H1により、吸収することができるので、ICタグホルダーHの高さより小さい場合には、ICタグホルダーのガタツキや振動を防止することができるとともに、ICタグホルダーHの高さより大きい場合には、ICタグホルダーの損傷を防止することができる。
【0029】
上述した実施例における、ICタグホルダーHを構成する下部水平部h2の裏面に形成された弾性調整部材H1の円弧状弾性片h1’に代えて、図9に示されているように、下部水平部h2の裏面に、一対の板状弾性片h2’からなる弾性調整部材H2を適用することもできる。
【0030】
また、ICタグホルダーHを構成する下部水平部h2の裏面に形成された弾性調整部材H1の円弧状弾性片h1’に代えて、図10示されているように、下部水平部h2の裏面に、下部水平部h2の長手方向に垂直な一片の板状弾性片h3’からなる弾性調整部材H3を適用することもできる。
【0031】
上述した実施例においては、図5図8等に示されているように、ICタグホルダーHを構成する下部水平部h2の裏面に形成された弾性調整部材H1〜H3が、ICタグホルダー収容空間Aを形成する下部デッキp7の相対する一方の側壁p4の略中央部を架橋する架橋リブp8と相対するもう一方の側壁p5の略中央部を架橋する架橋リブp9との交差部の上端面に当接するように構成されている。
【0032】
上述した実施例においては、弾性調整部材H1〜H3が、ICタグホルダーHを構成する下部水平部h2の裏面に形成されている例が示されているが、ICタグホルダーHを構成する下部水平部h2の裏面に形成されている弾性調整部材H1〜H3に代えて、弾性調整部材H1〜H3を、一方の側壁p4の略中央部を架橋する架橋リブp8の上面、或いは、もう一方の側壁p5の略中央部を架橋する架橋リブp9の上面に形成することができる。
【符号の説明】
【0033】
H・・・・・・・・・・・・・・・・ICタグホルダー
H1〜H3・・・・・・・・・・・・弾性調整部材
P・・・・・・・・・・・・・・・・溶着パレット
p3・・・・・・・・・・・・・・・ICタグホルダー挿着開口
p6・・・・・・・・・・・・・・・ICタグホルダー保持壁
T・・・・・・・・・・・・・・・・ICタグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10