(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034159
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】電流経路に電気部品を接続するための接続装置
(51)【国際特許分類】
H01H 85/22 20060101AFI20161121BHJP
H01H 85/20 20060101ALI20161121BHJP
H01H 85/48 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
H01H85/22
H01H85/20 C
H01H85/20 D
H01H85/48
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-260511(P2012-260511)
(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公開番号】特開2013-138005(P2013-138005A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2015年6月1日
(31)【優先権主張番号】10 2011 087 492.5
(32)【優先日】2011年11月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512309141
【氏名又は名称】ウェーナー ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー エレクトロテクニシェ システーメ
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】特許業務法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】アレックス ビュトナー
【審査官】
高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2007/0188291(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0169175(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0031815(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/22
H01H 85/20
H01H 85/48
H01H 23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流経路に電気部品(10)を接続するための接続装置(1)であって、
ハウジング(2)と、
前記ハウジング(2)をバスバー(4)に固定する為に前記ハウジングに設けられた固定手段(3)であって、前記ハウジングを前記バスバー上で固定するように前記バスバーの下面と係合するロック状態及び前記バスバーからの前記ハウジングの解放を行う解放状態を取り得る固定手段(3)と、
前記ハウジング(2)に回転可能に設けられた保持手段(11)であって、軸(A)回りに、前記電気部品を挿入可能な姿勢及び前記電気部品(10)が前記電流経路に接続される姿勢を取り得る前記保持手段(11)と、
前記ハウジング(2)内に設けられ且つ前記ハウジング(2)が前記バスバー上に固定されたときに前記ハウジングの開口を介して前記バスバーに向かって延びて前記バスバー(4)に接触する少なくとも1つのスプリングコンタクト(16)に対し、前記電流経路に接続される前記電気部品(10)を介して直結される終端クランプ(13)とを備え、
前記スプリングコンタクトは、前記バスバーに対して電気接続するように前記バスバーの一側面に向けて付勢されるように構成されている接続装置(1)。
【請求項2】
前記接続装置(1)の前記ハウジング(2)が固定されたときに前記バスバー(4)に対して前記スプリングコンタクト(16)がスプリング(17)により押圧される請求項1に記載の接続装置(1)。
【請求項3】
前記スプリング(17)は板ばねである請求項2に記載の接続装置(1)。
【請求項4】
前記スプリングコンタクト(16)はL字状またはU字状である請求項1から3のいずれかに記載の接続装置(1)。
【請求項5】
前記終端クランプ(13)は端子箱またはスプリング式端子である請求項1から4のいずれかに記載の接続装置(1)。
【請求項6】
前記電気部品(10)はヒューズである請求項1から5のいずれかに記載の接続装置(1)。
【請求項7】
前記固定手段(3)は、略平行に延びる少なくとも2つのリブ(6,7)を介して前記接続装置(1)の前記ハウジング(2)に一体的に形成される少なくとも1つの舌片(5)を備える請求項1から6のいずれかに記載の接続装置(1)。
【請求項8】
前記スプリングコンタクト(16)は弾性導電性材料からなる請求項1から7のいずれかに記載の接続装置(1)。
【請求項9】
直列に接続され光照射により直流電流が生じる光発電モジュール(20、21、22)の光発電モジュール列(19)が、前記終端クランプ(13)に接続されている請求項1から8のいずれかに記載の接続装置(1)。
【請求項10】
前記バスバー(4)は、接続装置(1)を介して前記バスバー(4)にそれぞれ接続される複数の光発電モジュール列(19)の総電流ノードを形成し、前記光発電モジュール列(19)によって生じる前記直流電流が合計されて総電流を形成する請求項9に記載の接続装置(1)。
【請求項11】
前記バスバー(4)は、前記バスバー(4)を流れる総直流電流を交流電流に変換するインバータ(25)に接続されている請求項1から10のいずれかに記載の接続装置(1)。
【請求項12】
前記バスバー(4)は過電圧保護器(27)に接続されている請求項1から11のいずれかに記載の接続装置(1)。
【請求項13】
光発電装置(18)であって、直列に接続され光照射により直流電流が生じる複数の光発電モジュール(20、21、22)をそれぞれ備える複数の光発電モジュール列(19)を備え、各光発電モジュール列(19)は、関連付けられた請求項1から12のいずれかに記載の接続装置(1)の終端クランプに接続される光発電装置(18)。
【請求項14】
前記バスバー(4)は、前記バスバー(4)を流れる総直流電流を交流電流に変換するインバータ(25)に接続され、前記総直流電流は、前記複数の光発電モジュール列(19)によって生じる前記直流電流の全てのトータルを形成する請求項13に記載の光発電装置(18)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流経路に電気部品を接続するための接続装置に関し、特に光発電装置において光発電モジュール列のカットアウトを接続するための接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのアプリケーションで電流経路に部品を接続する必要がある。例えば、過電流が発生した場合に溶融して電流経路を遮断するヒューズを電流経路に接続することにより、電流経路を過度の高電流から保護する必要がある。高電流は電気装置を危険にさらし、火災を生じさせる可能性がある。したがって、例えばヒューズが過電流保護手段として回路に組み込まれる。ヒューズは、例えば耐火ハウジングに小断面を有する導電体を含んでもよく、導電体すなわちヒューズは、過電流が生じると溶融する。ヒューズのヒューズリンクは、例えばガラスや磁器からなる絶縁ハウジングを構成し、その中にヒューズの構成要素が組み込まれる。ヒューズは、作動した後に交換する必要がある。本アプリケーションだけではなく、他の多くのアプリケーションにおいて、電子・電気部品を電流経路に接続して、電気部品が簡単に交換される必要がある。保護される回路の入力ラインおよび出力ラインに設けられる円筒型ヒューズ用のヒューズホルダーが知られている。このタイプのヒューズホルダーは、従来から標準取り付けレールに固定され、ボックス端子として知られているものによって、通常は入力ラインおよび出力ラインに接続される。例えば、従来の光発電装置において、直列に接続された複数の光発電モジュールからなる光発電モジュール列は、従来このタイプのヒューズホルダーにより保護され、種々の光発電モジュール列の総電流がインバータに供給されて、バスバーを流れる直流電流DCが交流電流ACに変換される。従来のこのタイプの光発電装置は、複数の光発電モジュール列および対応する数のヒューズホルダーを備えることができる。
【0003】
電気部品、特にヒューズを接続するための従来の接続装置は、ボックス端子を用いて技術者が接続しなければならないという欠点を有している。この目的のため、技術者は、例えばドライバーを用いて接続ラインに接続装置を接続する必要がある。この組付工程は、特に接続する接続ラインの数が多い場合に、技術者の手間と時間を要する。また、このタイプの手作業での組み付けは、エラーが生じやすい。
【0004】
したがって、本発明の目的は、電流経路に電気部品を接続するための接続装置で、組み付けが特に簡単でエラーが抑制されるものを提供することにある。
【発明の概要】
【0005】
この目的は、請求項1で特定される特徴を有する接続装置により、本発明によって達成される。
【0006】
したがって、本発明は、電流経路に電気部品を接続するための接続装置であって
、ハウジングと、
前記ハウジングをバスバーに固定する為に前記ハウジングに設けられた固定手段であって、前記ハウジングを前記バスバー上で固定するように前記バスバーの下面と係合するロック状態及び前記バスバーからの前記ハウジングの解放を行う解放状態を取り得る固定手段(3)と、前記ハウジングに回転可能
に設けられた保持手段であって、
軸回りに、前記電気部品を挿入可能な姿勢及び前記電気部品が前記電流経路に接続される
姿勢を取り得る前記保持手段と、前記ハウジング内に設けられ
且つ前記ハウジングが
前記バスバー上に固定されたときに
前記ハウジングの開口を介して前記バスバーに向かって延びて前記バスバーに接触する少なくとも1つのスプリングコンタクトに対し、前記電流経路に接続される前記電気部品を介して直結される終端クランプとを備え
、前記スプリングコンタクトは、前記バスバーに対して電気接続するように前記バスバーの一側面に向けて付勢されるように構成されている接続装置を提供する。
【0007】
本発明に係る接続装置の一実施形態において、前記接続装置の前記ハウジングが固定されたときに前記バスバーに対して前記スプリングコンタクトがスプリングにより押圧される。
【0008】
本発明に係る接続装置の一実施形態において、前記スプリングは板ばねである。
【0009】
本発明に係る接続装置の一実施形態において、前記スプリングコンタクトはL字状である。
【0010】
本発明に係る接続装置の一実施形態の変形例において、前記スプリングコンタクトはU字状である。
【0011】
本発明に係る接続装置の一実施形態において、前記終端クランプは端子箱である。
【0012】
本発明に係る接続装置の変形例において、前記終端クランプはスプリング式端子である。
【0013】
本発明に係る接続装置の一実施形態において、前記電気部品はヒューズである。
【0014】
本発明に係る接続装置の更なる実施形態において、前記固定手段は、略平行に延びる少なくとも2つのリブを介して前記接続装置の前記ハウジングに一体的に形成される少なくとも1つの舌片を備える。
【0015】
本発明に係る接続装置の更なる実施形態において、前記スプリングコンタクトは弾性導電性材料からなる。
【0016】
本発明に係る接続装置の更なる実施形態において、直列に接続され光照射により直流電流が生じる光発電モジュールの光発電モジュール列が、前記終端クランプに接続されている。
【0017】
本発明に係る接続装置の一実施形態において、前記バスバーは、接続装置を介して前記バスバーにそれぞれ接続される複数の光発電モジュール列の総電流ノードを形成し、前記光発電モジュール列によって生じる前記直流電流が合計されて総電流を形成する。
【0018】
本発明に係る接続装置の更なる実施形態において、前記バスバーは、前記バスバーを流れる総直流電流を交流電流に変換するインバータに接続されている。
【0019】
本発明に係る接続装置の更なる実施形態において、前記バスバーは過電圧保護器に接続されている。
【0020】
本発明は、さらに、光発電装置であって、直列に接続され光照射により直流電流が生じる複数の光発電モジュールをそれぞれ備える複数の光発電モジュール列を備え、各光発電モジュール列は、関連付けられた接続装置の終端クランプに接続され、前記接続装置は、
固定手段を有し前記固定手段によりバスバーに固定されるハウジングと、
前記電気部品を挿入可能とされた回転可能な保持手段であって、前記保持手段を回転させることにより前記電気部品が前記電流経路に接続される前記保持手段と、
前記ハウジング内に設けられ前記ハウジングが固定されたときに前記バスバーに接触する少なくとも1つのスプリングコンタクトに対し、前記電流経路に接続される前記電気部品を介して直結される終端クランプとを備える光発電装置を提供する。
【0021】
本発明に係る光発電装置の一実施形態において、前記装置は、電気部品を1または複数の電流経路に接続するための複数の接続装置を備えており、前記電気部品は、カットアウト、特にヒューズである。
【0022】
本発明に係る光発電装置の更なる実施形態において、前記バスバーは、前記バスバーを流れる総直流電流を交流電流に変換するインバータに接続され、前記総直流電流は、前記複数の光発電モジュール列によって生じる前記直流電流の全てのトータルを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下において、光発電装置の電流経路に電気部品を接続するための本発明に係る装置の実施形態は、このタイプの接続装置を使用するものであり、添付図面を参照してより詳細に説明される。
【
図1】電流経路に電気部品を接続するための本発明に係る接続装置の一実施形態の断面図である。
【
図2A】
図1に示された接続装置に対して電気部品がどのように交換されるかを示す図である。
【
図2B】
図1に示された接続装置に対して電気部品がどのように交換されるかを示す図である。
【
図3】
図1に示された接続装置を通過する電流の流れを説明するための前記接続装置の断面図である。
【
図4】本発明に係る接続装置を使用した、本発明に係る光発電装置の一実施形態のブロック図である。
【
図5】電流経路に電気部品を接続するための本発明に係る種々の実施形態の接続装置の断面図である。
【
図6】電流経路に電気部品を接続するための本発明に係る種々の実施形態の接続装置の断面図である。
【
図7】電流経路に電気部品を接続するための本発明に係る種々の実施形態の接続装置の断面図である。
【
図8】電流経路に電気部品を接続するための本発明に係る種々の実施形態の接続装置の断面図である。
【
図9】
図5から
図8に示された実施形態の動作モードを説明するための、固定手段が取り外された側面図である。
【
図10】電流経路に電気部品を接続するための本発明に係る接続装置に対する部品の挿入を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1の断面図に示されるように、接続装置1は、図示の実施形態において、ハウジング2を備えている。
図1は、ハウジング2のハウジング壁を示している。ハウジング2の下側には、
図1に示されるように、ハウジング2をバスバー4に固定するための少なくとも1つの固定手段3が存在する。
図1に示された2つの固定手段3A,3Bは、略平行に延びる少なくとも2つのリブ6A,6B;7A,7Bを介して接続装置1のハウジング2に一体的に形成される舌片5A,5Bをそれぞれ備えている。更に、固定手段3A,3Bは、それぞれ固定部8A,8Bおよび作動部9A,9Bを備えることができる。バスバー4は、電流を伝える導電性材料からなり、バスバー4は、これと同時に接続装置1を保持または固定するための取り付けレールとして機能する。リブ6A,6B,7A,7Bおよび舌片5A,5Bを備える固定手段3A,3Bは、弾性を有する可撓性材料から構成することができる。
図1に示されるように、舌片5A,5Bは、例えばS字状に曲げられる。一実施形態において、
図1に示されたハウジング2は、2つのハウジング半殻から構成することができる。この場合、一実施形態において、固定手段3A,3Bのリブ6A,6B,7A,7Bおよび舌片5A,5Bは、2つのハウジング半殻の一方に一体的に形成される。
図1に示されるように、2つの固定手段3A,3B間の距離は、バスバー4の幅に対応しており、舌片5A,5Bの先端は、本発明に係る接続装置1が固定時にバスバー4上に確実に配置されるように、
図4に示す固定状態において、バスバー4の縁部にそれぞれ係合する。固定部8A,8Bは、作動部9A,9Bにそれぞれ設けられている。作動部9A,9Bとは反対側の舌片5A,5Bの端部は、フック状となるように上向きに引き上げられており、取り付けレールすなわち
図1に示されたバスバー4に接続装置1を固定するための固定部を提供する。
【0025】
バスバー4からのハウジング2のロック解除すなわち解放を行うため、固定手段3A,3Bは外側に動かされる。固定手段3A,3Bがリブ6A,6B,7A,7Bを介してハウジング2に弾性的に接続されているので、これは可能である。
図1に示された実施形態は、2つの固定手段3A,3Bを備えているが、これに代えて、接続装置1は、例えば固定手段3Aのように1つの固定手段3のみを備えるものでもよい。
【0026】
図1に示される接続装置1は、例えば電流カットアウトのような電気部品10への接続用として用いられる。接続装置1は、さらに手動で操作することができる回転可能な保持手段すなわちヒューズホルダー11が設けられている。電気部品すなわちカットアウト10は、回転可能な保持手段11に挿入され、保持手段11の回転により電流経路に接続される。これは、
図2A,2Bに明瞭に示されている。
【0027】
図2Aにみられるように、回転可能な保持手段11は、電気部品10を受け取るのに用いられる。図示の実施形態において、電気部品10はカットアウトであり、特にヒューズである。あるいは、電気部品10は、例えば、挿入可能な抵抗、挿入可能なコンデンサ、挿入可能なインダクタなど、他の電気部品であってもよい。電気・電子部品10が回転可能な保持手段11に挿入された後、保持手段11は、
図2A,
図2Bに示された位置から、前記手段の作動により
図1の位置に移動可能である。この目的のため、
図2Bに示されるように、力Fが保持手段11の作動部12に作用する。保持手段11の回転により、電気部品10は、
図3に示されるように電流経路に接続される。
【0028】
図1に示された接続装置1は、終端クランプ13を備える。
図1に示された実施形態では、終端クランプ13は、クランプねじ14を用いて接続ケーブルや接続ワイヤを接続装置1に接続することができる端子箱である。クランプねじ14は、工具特にドライバーを用いて、接続装置1のハウジング2に設けられた開口15を介して機能させることができる。
図1に示されるように、クランプねじ14の頭部は、個人が触れることができないように、ハウジング2の内部に位置している。終端クランプ13は、これに代えて、接続ワイヤを内部に固定することができるスプリング式端子の形態であってもよい。終端クランプ13は、電流経路に接続される部品10を介して、ハウジング2内に設けられハウジング2が
図1に示されるように固定されたときにバスバー4に直接接触する少なくとも1つのスプリングコンタクト16に、直接接続される。この状況では、スプリングコンタクト16は、電気接点を生じるようにバスバー4に押し付けられる。また、スプリングコンタクト16は、導電性材料から構成されている。
図1に示す実施形態において、接続装置1は、接続装置1が固定されたときにスプリングコンタクト16をバスバーに対して機械的に押圧する少なくとも一つのスプリング17を更に備えている。スプリング17は、
図1に示されるように板ばねとすることができる。あるいは、スプリング17は、例えばスクロールばねのような異なるタイプのばねであってもよい。スプリング17によって、スプリングコンタクト16が所定の力でバスバー4の上面に押し付けられる。
図1に示されるように、スプリングコンタクト16の先端は、略L字状に形成されている。あるいは、スプリングコンタクト16の端部は、U字状であって、固定手段3A,3Bの最も内側のリブ7A,7Bに接触してもよい。
図1に示される実施形態では、スプリングコンタクト16は、バスバー4の左側部に押し付けられている。あるいは、2つのスプリングコンタクト16が、バスバー4の2つの側部に押し付けられて電気部品10を介して並列に終端クランプ13に接続されることも可能である。さらに可能な実施形態では、固定されたときにスプリングコンタクト16がバスバー4の上面に押し付けられる。スプリングコンタクト16は、内部の電流ラインを介して、挿入された電気部品10の接触に用いられる内部コンタクト17に接続される。
図3に示されるように、挿入された電気部品10は、終端クランプ13からの電流経路を、挿入された電気部品10、コンタクト17およびスプリングコンタクト16を介して、バスバー4に案内する。
【0029】
電気部品10がカットアウトである場合、供給される電流は、本発明に係る接続装置1により、挿入されたカットアウト10を介してバスバー4に直接供給され、そこから例えば集中的に、インバータに導かれることができる。
図1にみられるように、本発明に係る接続装置1は、スプリングコンタクト16を介してバスバー4に電気的に接続される、端子箱またはスプリング式端子の形式での単一のクランプポイント13を備える。スプリングコンタクト16は、例えば銅などの導電性材料で構成されており、低抵抗である。さらに、スプリングコンタクト16は、弾力性を有する銅合金とすることができる。バスバー4は、例えば5mm高さと30mm幅のように、所定の幅および高さを有することができる。一実施形態において、2つの固定手段3A,3B間の距離は、
図1に示されるように、バスバー4の幅に対応している。バスバー4は、電流Iの移送に用いられ、さらに接続装置1の固定のための機械的な取り付けレールとして機能する。接続装置1をバスバー4に固定するための工具は不要である。終端クランプ13が端子箱13である場合、それをタイトにねじ止めするように、例えばドライバーが技術者によって作動される。終端クランプ13がスプリング式端子またはプッシュイン端子である場合、電気ケーブルを接続装置1に接続するための工具は不要である。
図1に示す実施形態では、接続装置1は、1つの電流経路に1つの電気部品10を接続するために使用されるが、他の実施形態では、複数の電気部品10が、保持手段11の作動により1または複数の電流経路に同時に並列に接続されることが可能である。この状況において、回転可能な保持手段11は、特定のタイプの電気部品10のみを受け取ることができるように、対称的に形成することができる。これは、部品が間違った場所に挿入されるのを防止することができる。挿入される部品10の寸法は、回転可能な保持手段11の幾何学的な凹部の大きさに対応する。
【0030】
過電流が発生した場合、挿入されたヒューズ10は、電流経路のオーム抵抗が非常に高くなって電流の流れを遮断するように、例えば溶融することができる。そして、回転可能な保持手段11が軸Aに対して時計まわりに回転すると、溶融したヒューズが交換される。一実施形態において、接続装置1は、ヒューズ10が溶融して技術者にヒューズ10を交換する必要があることを知らせる表示手段を備える。
【0031】
図4は、電気部品10を接続するために接続装置1を使用する、本発明に係る光発電装置18のブロック図である。光発電装置18は、それぞれ直列に接続された複数の光発電モジュール20,21,22を備える複数の光発電モジュール列19−1,19−2,19−Nを備えている。
図4に示される実施形態においては、各光発電モジュール列19−iは、それぞれ3つの接続された光発電モジュール20,21,22を備えている。直列に接続された光発電モジュールの数は変更可能であり、例えば、光発電モジュール列19−iにおいて複数の光発電モジュール20,21,22が直列に接続されることが可能である。光、特に日光が照射されたときに、光発電モジュールは直流電流DCを生成する。
図4に示されるように、各光発電モジュール19−iは、総電流ノードとして機能する2つのノード23,24に接続装置1を介して接続される。接続装置1を介して、電気部品10は、それぞれ手作業で電流経路に接続することができる。あるいは、接続装置1は、電子的に制御された方法で接続されることもできる。光発電モジュール列19−iは、接続装置1の終端クランプ13に接続される。接続機器1は、電気部品10が挿入されて電流経路に接続された後に光発電モジュール9−1をノード23,24に電気的に接続するバスバー4−1,4−2上に配置される。ノード23,24は、総電流ノードを形成する。
図4に示されるように、総電流I-1+I-2は、ノード23において形成され、メインのカットアウト10を介してインバータ25に流れ、直流DCの形態である総電流が交流ACに変換される。生成された交流電流ACは、端子26を介して電源供給ネットワークに送り込まれる。バスバー4−1,4−2は、
図4に示されるように、メインのカットアウトを介して過電圧保護手段27−1,27−2に接続されることが可能である。
図4にみられるように、複数の接続装置1は、組み付けのために技術者が道具のようなものに頼ることなく、単純な方法でバスバー4−1,4−2に固定されることができる。これにより、光発電装置18の組み付けに関する全作業が軽減される。更に、組み付けのミスにより生じる接触上の問題すなわち接触不良が無いことが保証され、全ての光発電モジュール19−1が、インバータ25に向けて生成される直流電流を供給する。
図4に示される実施形態において、2つのカットアウト10は、過電流による損傷からラインや光発電モジュールを保護するように、それぞれ光発電モジュール19−iに接続される。また、カットアウト10は、特に短絡が内部で発生した場合に、残りの光発電装置18が損なわれていない電流を生成し続けることができるように、損傷した光発電モジュールを隔離する。
図4に示される光発電装置18において、複数の接続装置1および対応する数の光発電モジュール列19−iを提供することができる。
図4は、本発明に係る光発電装置18において、本発明に係る接続装置1のための一実施形態を示しているが、本発明に係る接続装置1は、この実施形態に限定されず、電流経路に接続される電気・電子部品10の種々の装置に広く使用可能である。電気部品10は、カットアウト部品に限定されず、例えば抵抗器、コンデンサ、コイルのような他の電気・電子部品を備えてもよい。本発明に係る接続装置1は、
図1に示されるように、手動で作動させて回転させることができる保持手段11を備えることが好ましい。あるいは、保持手段11は、電子的に制御された方法で作動させることもできる。さらに、電流経路が電気部品10によって正常にクローズされたとき、このことが表示手段によって表示され、および/または、ラインを介して制御手段に通知されることができる。一実施形態において、ヒューズ10が溶融するか挿入された部品10が破壊されたとき、このことが電子的に通知されるか、技術者に表示されることができる。
【0032】
図5は、本発明に係る、電流経路に電気部品を接続するための接続装置の実施可能な更なる実施形態を示している。
【0033】
図5に示される実施形態において、固定手段3は、2つの取り外し可能なスライドロック3A,3Bにより形成される。これら2つのスライドロック3A,3Bは、ハウジング2の下側に挿入され、バスバー4に下方から係合してハウジング2をバスバー4に固定するように横方向に変位可能である。
図5に示されるバスバー4は、例えば20×5mmの小さなバー断面を有している。固定エレメント3A,3Bの長さは、バスバー4の幅に依存する。
図5に示される実施形態のように、バスバー4が比較的細く、例えばちょうど20mmの幅である場合、バスバー4に取り付けるために長めの固定エレメントが接続装置1のハウジング2に挿入され、その後、バスバー4に確実に固定するためバスバー4の中央に向けて水平方向に移動される。
図5に示されるように、2つの固定エレメント3A,3Bの先端は、バスバー4に下方から係合する。接続装置1のハウジング2において、固定エレメントのヘッドは、各固定エレメント3A,3Bの他方端で、この目的のために提供された開口部を積極的に閉じることが好ましい。
【0034】
図6は、広めのバスバー4に固定される接続装置1の他の実施形態を示す。
図6に示される実施形態において、バスバー4は、例えば30×5mmの断面を有している。
図5に示される実施形態のように、固定手段3は、
図6に示されるように、それぞれハウジング2の開口部に挿入された後、先端がバスバー4に下方から係合するように横方向に移動される2つのスライドロック3A,3Bを備えている。
図6に示されるように、バスバーの広めの幅のため、第2の固定エレメント3Bの長さは、
図5に示される実施形態に比べて短くすることができる。好ましい実施において、2つの対向する固定エレメントすなわちスライドロック3A,3Bは、互いに交換可能なように同じ長さとされており、組み立てが簡略化される。
【0035】
図7は、電気部品を電流経路に接続するための接続装置1の他の実施形態を示す。
図7に示される実施形態において、接続装置1は、太めのバスバー4に固定される。
図7に示される実施形態において、バスバー4は、例えば20mmの幅で高さすなわち厚みが10mmである。接続装置1のハウジング2は、そのような幅のバスバーに配置されることができるように形成される。
図7に示される実施形態において、固定手段3もまた、接続装置1のハウジング2内に挿入された後、バスバー4に下方から係合するように他方に対して横方向に変位される2つの固定エレメントすなわちスライドロック3A,3Bによって形成される。
図5に示される実施形態と同様、2つのスライドロック3A,3Bは、比較的短いフロントスライドロック3Aと、比較的長いリアスライドロック3Bとを備える。代替的な実施では、2つのスライドロック3A,3Bもまた、同じ長さであることが可能である。
【0036】
図8は、バスバー4に固定される本発明の接続装置1の他の実施形態を示す。
図8に示される実施形態において、バスバー4は、例えば30×10mmの大きめの内部断面を有している。固定手段もまた、
図8に示されるように、バスバー4に下方から固定によって係合する2つの固定エレメントすなわちスライドロック3A,3Bによって形成される。
【0037】
図9は、本発明に係る接続装置1の側面図であり、固定手段が2つのスライドロック3A,3Bによって形成される。
図9に示されるように、2つのスライドロック3A,3Bは例えばL字状であり、バスバー4に下方から係合するように、ハウジング2内の対応する凹部に差し込み可能な固定突起28A,28Bを備えている。ハウジング2内の対応する凹部に固定突起28A,28Bを差し込む方法もまた、
図5から
図8の側面図に示されている。
【0038】
取付者または技術者は、
図9に模式的に示されるように、固定エレメントすなわちスライドロック3A,3Bを接続装置1のハウジング2から取り外して、他のルートポジションに押し戻すことにより、レールのルートを変更する選択肢を有している。
【0039】
図10は、本発明に係る接続装置1の他の側面図であり、電気部品10、特に電気カットアウトが、使用者によって保持手段11に挿入可能となるように、回転可能な保持手段11が軸線Aまわりに回転して接続装置1のハウジング2から出る。
図10に示される実施形態において、接続装置1は、ハウジング2に挿入される2つのスライドロック3A,3Bによってバスバー4に固定される。
図10は、バスバー4に下方から係合する、2つのスライドロック3A,3Bの先端すなわち前部を示している。接続装置1をバスバー4から解放するため、技術者または取付者は、2つのスライドロック3A,3Bが横方向に離れて移動し、下方からのバスバー4への係合が解除されるように、例えばツールにより2つの先端に機械的圧力をかけることが可能である。その後、接続装置1は、バスバー4から取り外すことが可能である。一実施形態において、接続装置1のハウジング2は、異なる厚みすなわち高さのバスバー4への固定が可能となるように、エレメントをバスバー4の2つの側部に固定するための2つの重畳された差し込み開口を備える。このように、例えば5mmの小さめの高さを有するバスバー4か、または、例えば10mmの大きめの厚みを有するバスバー4の双方に対して、柔軟性をもって接続装置1を固定することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 接続装置
2 ハウジング
3A、3B 固定手段
4 バスバー
5A、5B 舌片
6A、6B、7A、7B リブ
8A、8B 固定部
9A、9B 作動部
10 部品
11 ヒューズホルダー/保持手段
12 作動部
13 終端クランプ
14 クランプねじ
15 開口
16 スプリングコンタクト
17 スプリング
18 光発電装置
19 光発電モジュール列
20、21、22 光発電モジュール
23、24 総ノード
25 インバータ
26 ネットワーク接続部
27 過電圧保護手段
28 固定突起