(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電子機器の連携は、必要な場合とそうでない場合とがある。例えば、特許文献1に記載された技術において、ユーザが携帯電話機を使用している場合(すなわち携帯電話機を見ている場合)には、そもそも補助装置において着信情報を表示する必要がないといえる。
そこで、本発明は、2つの装置を必要に応じて使い分けてアプリケーションを実行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1通信部と、ユーザの操作に応じてアプリケーションを実行する第1実行部とを有する第1装置と、第2通信部と、前記ユーザの操作に応じてアプリケーションを実行する第2実行部とを有する第2装置と、前記第1実行部によるアプリケーションの実行状況が所定の条件を満たしている場合に、前記第1装置又は前記第2装置の状態に基づいて前記第2実行部によるアプリケーションの実行の可否を判定する判定部とを有し、前記第2実行部は、前記判定部によりアプリケーションの実行が許可されると、前記ユーザの操作を受け付けてアプリケーションを実行するアプリケーション実行システムを提供する。
【0006】
また、前記判定部は、前記第1装置と前記第2装置の少なくとも一方の位置に基づいて前記第2実行部によるアプリケーションの実行の可否を判定するようにしてもよい。
また、前記判定部は、前記第1装置と前記第2装置の少なくとも一方の動きのパターンに基づいて前記第2実行部によるアプリケーションの実行の可否を判定するようにしてもよい。
また、前記判定部は、前記第1装置と前記第2装置の少なくとも一方の電池残量又は通信状況に基づいて前記第2実行部によるアプリケーションの実行の可否を判定するようにしてもよい。
また、前記第2実行部は、前記判定部によりアプリケーションの実行が許可され、かつ、前記ユーザにより所定の操作が行われると、当該アプリケーションを実行するようにしてもよい。
また、前記第1装置は、前記判定部による判定に応じて、前記第1通信部を介して前記第2装置にデータを送信し、前記第2装置は、前記第1通信部により送信されたデータを前記第2通信部を介して受信し、前記第2実行部によるアプリケーションの実行に当該データを反映させるようにしてもよい。
また、前記第2装置は、前記第2実行部によりアプリケーションが実行された後、所定のタイミングで、前記第2通信部を介して前記第1装置にデータを送信し、前記第1装置は、前記第2通信部により送信されたデータを前記第1通信部を介して受信し、前記第1実行部によるアプリケーションの実行に当該データを反映させるようにしてもよい。
【0007】
また、本発明は、他の装置と通信する通信部と、ユーザの操作に応じてアプリケーションを実行する実行部と、前記実行部によるアプリケーションの実行状況が所定の条件を満たしている場合に、当該装置又は前記他の装置の状態に基づいて当該他の装置によるアプリケーションの実行の可否を判定する判定部とを有するアプリケーション実行装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、第2装置と通信する第1装置において、ユーザの操作に応じてアプリケーションを実行する第1ステップと、前記第1装置におけるアプリケーションの実行状況が所定の条件を満たしている場合に、前記第1装置又は前記第2装置の状態に基づいて前記第2装置によるアプリケーションの実行の可否を判定する第2ステップと、前記第2ステップにおいてアプリケーションの実行が許可されると、前記第2装置において前記ユーザの操作を受け付けてアプリケーションを実行するステップとを有するアプリケーションの実行方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、他のゲーム装置と通信する通信部を有するゲーム装置のコンピュータに、ユーザの操作に応じてアプリケーションを実行するステップと、前記アプリケーションの実行状況が所定の条件を満たしている場合に、当該装置又は前記他の装置の状態に基づいて当該他の装置によるアプリケーションの実行の可否を判定するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、2つの装置を必要に応じて使い分けてアプリケーションを実行できるようにすることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施例]
図1は、本発明の一実施例であるゲームシステム10の全体構成を示す図である。ゲームシステム10は、第1装置100と第2装置200とを含んで構成される。第1装置100及び第2装置200は、いずれもゲーム機であり、互いに連動する所定のゲームをユーザがプレイできるように構成されている。なお、以下においては、説明の便宜上、第1装置100を「親機」、第2装置200を「子機」ともいう。
【0013】
また、本実施例において、第1装置100は、両手で把持して操作するように構成されている。一方、第2装置200は、片手で把持しても操作できるように構成されている。例えば、第2装置200は、第1装置100よりもボタン類が少ない。また、第1装置100は、望ましくは、第2装置200よりも大型であり、また、画面サイズや処理能力などのハードウェアスペックが第2装置200よりも優れている。
【0014】
図2は、第1装置100及び第2装置200のハードウェア構成及び機能的構成を示すブロック図である。第1装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、表示部140と、操作部150と、測位部160と、モーションセンサ部170とを備える。また、第2装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、表示部240と、操作部250とを備える。
【0015】
制御部110、210は、当該装置の各部の動作を制御する手段である。制御部110、210は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置とメモリとを備え、所定のプログラムを実行することによって各部の動作を制御する。なお、制御部110、210は、処理能力などが同一である必要はない。
【0016】
制御部110、210は、ユーザの操作に応じてゲームを進行させるためのプログラムを実行する。以下においては、制御部110が実現するゲームのプログラムを「第1プログラム」といい、制御部210が実現するゲームのプログラムを「第2プログラム」という。第1プログラムにより実現されるゲームと第2プログラムにより実現されるゲームとは、同一のゲームではないが、互いに関連のあるゲームである。以下においては、第1プログラムにより実現されるゲームのことを「メインゲーム」といい、第2プログラムにより実現されるゲームのことを「サブゲーム」という。サブゲームは、一般に、ミニゲームとも呼ばれる。また、サブゲームは、メインゲームの一部に組み込まれていてもよいし、そうでなくてもよいが、以下においてはメインゲームにも含まれるものであるとする。
【0017】
記憶部120、220は、データを記憶する手段である。記憶部120、220は、フラッシュメモリなどの記録媒体を備え、制御部110、210に使用されるデータを記憶する。なお、記憶部120、220は、メモリカードなどの着脱可能な記録媒体を含んで構成されてもよい。
【0018】
通信部130、230は、互いにデータを送受信する手段である。通信部130、230は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)などの所定の通信方式によってデータを送受信する。なお、通信部130、230は、互いに直接通信するものではなく、インターネット、移動体通信網、無線LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して通信するものであってもよいし、複数の通信方式で通信可能であってもよい。また、通信部130、230による通信は、無線通信ではなく、必要なときだけケーブルで有線通信を行うものであってもよい。
【0019】
表示部140、240は、画像を表示する手段である。表示部140、240は、液晶素子や有機EL(electroluminescence)素子により構成された表示パネルとその駆動回路とを備え、制御部110、120から供給された画像データに応じた画像を表示する。表示部140、240は、画面サイズ、表示可能な色数、解像度などが同一である必要はなく、本実施形態においては、表示部140の画面サイズが表示部240の画面サイズよりも大きいとする。
【0020】
操作部150、250は、ユーザの操作を受け付ける手段である。操作部150、250は、ボタンやレバー(以下「ボタン等」と総称する。)を備え、ユーザによる押下等の操作を受け付けて当該操作に応じた操作データを制御部110、210にそれぞれ供給する。本実施例において、操作部250は、ユーザによる片手での操作を容易にするために、操作部150よりもボタン等の数が少なくなっている。なお、操作部150、250は、画面に重ねて設けられたタッチスクリーンを含み得る。
【0021】
測位部160は、第1装置100の位置を測定する手段である。測位部160は、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用して位置を測定し、測定した位置を表す位置情報を制御部110に供給する。なお、測位部160による測位は、これに限らず、移動通信網の基地局を利用した測位(いわゆる基地局測位)であってもよいし、無線LANのアクセスポイントを利用した測位であってもよい。
【0022】
モーションセンサ部170は、第1装置100の動きを検出する手段である。モーションセンサ部170は、加速度を検出する加速度センサ、角度又は角速度を検出するジャイロセンサ、方位を検出する電子コンパスなどを備え、第1装置100の動きに応じたモーションデータを制御部110に供給する。
【0023】
制御部110は、第1プログラムを実行することにより、実行部111及び判定部112を実現する。実行部111は、第1装置100においてゲームを進行させる手段である。実行部111は、操作部150から供給される操作データに応じた処理を実行し、実行した処理に応じた画像データを表示部140に供給する。また、実行部111は、後述するプレイ情報を管理する機能を有する。
【0024】
判定部112は、ユーザが操作する装置の切り替えを判定する手段である。判定部112は、ユーザが第1装置100を操作し、実行部111がゲームを進行させている場合において、ゲームの進行状況が所定の条件を満たした場合に、第2装置200によるゲームの進行(すなわち、第1装置100から第2装置200への切り替え)を第1装置100の状態に基づいて判定する。ここにおいて、第1装置100の状態とは、第1装置100の位置又は動きのパターンである。判定部112は、位置情報又はモーションデータに基づいて第1装置100の状態を判定する。
【0025】
また、制御部210は、第2プログラムを実行することにより、実行部211を実現する。実行部211は、第2装置200においてゲームを進行させる手段である。実行部211は、判定部112による判定に応じて第1装置100からデータを取得し、取得したデータに基づいてゲームを進行させる。実行部211は、操作部250から供給される操作データに応じた処理を実行し、実行した処理に応じた画像データを表示部240に供給する。また、実行部211は、実行部111と同様に、プレイ情報を管理する機能を有する。
【0026】
ゲームシステム10の構成は、以上のとおりである。ユーザは、第1装置100及び第2装置200を用いて、ゲームをプレイすることができる。ユーザは、第1装置100と第2装置200を使い分けながら、屋内外を問わずゲームをプレイすることが可能である。例えば、ユーザは、自宅のような他人からの制約を受けないような場所においては、両手を用いて第1装置100でゲーム(メインゲーム)をプレイする。一方、例えば電車内において吊り革を掴んでいるような状況においては、ユーザは、両手でのゲームのプレイが困難になる。このような場合には、ユーザは、第2装置200を用いれば、片手でゲーム(サブゲーム)をプレイすることが可能になる。
【0027】
また、本実施例におけるゲームとは、得点、経験値、(仮想的な)通貨などの所定の数値(パラメータ)を増減させることによってプレイされるものであるとする。以下においては、ゲームにおいて使用されるパラメータを表す情報のことを「プレイ情報」という。また、ここでいうゲームは、例えば、相手方(敵)のキャラクタと戦闘ないし競争することによって得点を得るアクションゲーム(シューティングゲーム、スポーツゲーム、格闘ゲームなどを含む。)や、ユーザがあるキャラクタの役割を担って経験値、アイテム、通貨などを獲得し、所定の目的を達成するロールプレイングゲームである。プレイ情報は、得点、経験値又は通貨や、アイテムの有無とその個数を示す情報である。
【0028】
図3、
図4は、本実施例におけるゲームの進行(画面遷移)を例示する図である。
図3は、アクションゲームの進行を例示する図である。この例におけるゲームは、メインゲームに「ステージA」、「ステージB」及び「ステージC」を含むとともに、「ステージB」と「ステージC」の間にサブゲームを含むものである。ユーザは、まず、「ステージA」をプレイし、これを終了(クリア)すると、「ステージB」をプレイすることが可能である。以下同様に、ユーザは、「ステージB」をクリアしたらサブゲームをプレイ可能であり、その後さらに「ステージC」をプレイ可能である。ここにおいて、サブゲームは、例えば所定の時間内に同じボタンを何回押下できるかといった、比較的単純な操作のゲームであるとする。ユーザは、サブゲームによって得点やアイテムを得ることが可能である。
【0029】
また、
図4は、ロールプレイングゲームの進行を例示する図である。この例において、「マップA」は、いわゆるフィールドに相当し、ゲーム中の世界全体を表す地図であるとする。また、「マップB」は、フィールド上の所定の位置にある場所に相当し、ここでは町であるとする。さらに、「マップC」は、町の中にある所定の店舗に相当し、ここではカジノであるとする。そして、サブゲームは、カジノにある所定のゲーム(例えば、スロットマシンのような、単純な操作で行えるゲーム)であるとする。ユーザは、サブゲームによって通貨、経験値、アイテムなどを得ることが可能である。
【0030】
図4の例において、ユーザは、マップ間を行き来することができる。すなわち、ユーザは、自身を表すキャラクタを、「マップA」から「マップB」、「マップC」と順に移動させ、「マップC」の所定の位置にキャラクタを移動させることによってサブゲームをプレイすることが可能である。また、ユーザは、サブゲームをプレイしたら、キャラクタを「マップC」から「マップB」に移動させ、さらに「マップA」に移動させることによって、当初のフィールドに戻ってプレイを続行することが可能である。
【0031】
なお、サブゲームは、いずれの例においても、メインゲームをクリアするために必須なものでなくてよい。すなわち、ユーザは、「ステージB」をクリアした後にサブゲームを省略し、そのまま「ステージC」をプレイしたり、「マップC」においてカジノに入ることなくメインゲームを進めたりすることも可能である。
【0032】
図5は、第2装置200におけるサブゲームの一例を説明するための図である。この例において、第2装置200は、ボタンBt1、Bt2を有し、これらの2つのボタンを押下することでサブゲームを開始又は終了できるように構成されている。また、第2装置200は、所持金(通貨)の額を示す画像Im1と、スロットマシンのリールを模した画像Im2とを表示する。第2装置200は、ユーザの操作に応じて画像Im2を変化させ、色柄に応じて所持金の額を変化させる。
【0033】
この例において、ユーザは、ボタンBt2を押下することによってサブゲームを開始することができる。ユーザは、ボタンBt2を繰り返し押下することによって、サブゲームを繰り返し実行することも可能である。また、ユーザは、ボタンBt1を押下することによって第2装置200によるサブゲームの実行を終了させることが可能である。
【0034】
なお、サブゲームの実行中に表示される画面は、第1装置100と第2装置200とで異なっていてもよい。例えば、第1装置100は、スロットマシンのサブゲームを実行する場合において、第2装置200が
図5に示した画面を表示するときであっても、第2装置200と同じ画像を表示する必要はない。第1装置100は、画面サイズが第2装置200よりも大きいことを利用して、画像Im1、Im2に加えて別の画像を表示してもよい。また、サブゲームは、第1装置100で実行される場合と第2装置200で実行される場合とでゲームの内容が多少異なってもよい。
【0035】
また、本実施例のゲームには、ゲームの実行主体の第1装置100から第2装置200への切り替えの可否を切り替えるポイントが設定されている。このポイントのことを、以下においては「切替ポイント」という。
図3の例においては、「ステージB」をクリアした時点が第1切替ポイントに設定されており、「ステージC」を開始する時点が第2切替ポイントに設定されている。この場合、第2装置200への切り替えは、第1切替ポイントを過ぎた時点で有効(許可)となり、第2切替ポイントを過ぎた時点で無効(不可)となる。
【0036】
また、
図4の例においては、表示画面が「マップA」から「マップB」に遷移する時点が第1切替ポイントに設定されており、表示画面が「マップB」から「マップA」に遷移する時点が第2切替ポイントに設定されている。この場合も、第2装置200への切り替えは、第1切替ポイントを過ぎた時点で有効(許可)となり、第2切替ポイントを過ぎた時点で無効(不可)となる。
【0037】
なお、切替ポイントの数は、これらの例に限定されず、メインゲーム中により多く設定されていてもよい。また、
図4の例においては、表示画面が「マップB」から「マップC」に遷移する時点や「マップC」からサブゲームに遷移する時点が切替ポイントに設定されてもよい。
【0038】
図6は、メインゲーム実行時の第1装置100の動作を示すフローチャートである。
図6に示す処理は、第1プログラムが実行されることによって実現されるものである。第1装置100の制御部110は、第1プログラムの実行中にさまざまなイベントの発生を検知する(ステップSa1)。ここにおいて、イベントとは、ユーザの操作に応じて発生し、ゲームの進行に何らかの影響を与える事象のことである。イベントの発生は、得点等のパラメータの変化やキャラクタの移動を伴う。
【0039】
イベントが発生すると、制御部110は、そのイベントの種別を判断する。具体的には、制御部110は、当該イベントが、第2装置200によるゲームの進行の可否を切り替えるイベントであるか否かを判断する。例えば、制御部110は、イベントが第2装置200によるゲームの進行を許可するイベントであるか否かを判断し(ステップSa2)、当該イベントがそのようなイベントでなければ(ステップSa2:NO)、次いで当該イベントが第2装置200によるゲームの進行を禁止するイベントであるか否かを判断する(ステップSa3)。なお、これらの判断の順番は、図示したものに限定されない。
【0040】
制御部110は、イベントが第2装置200によるゲームの進行を許可するイベントであれば(ステップSa2:YES)、所定のフラグをオン(1)に設定する(ステップSa4)。以下においては、このフラグのことを「許可フラグ」という。許可フラグは、第2装置200によるゲームの進行の可否を示す情報であり、これが「1」であれば「許可」、「0」であれば「不可」を示す。また、許可フラグは、メインゲームの進行状況が所定の条件を満たしているか否かを示す情報でもある。
【0041】
また、イベントが第2装置200によるゲームの進行を許可するイベントでない場合であって(ステップSa2:NO)、かつ、当該イベントが第2装置200によるゲームの進行を禁止するイベントである場合(ステップSa3:YES)、制御部110は、許可フラグをオフ(0)に設定する(ステップSa5)。
【0042】
そして、イベントが第2装置200によるゲームの進行を許可するイベントでも禁止するイベントでもない場合(ステップSa3:NO)、制御部110は、当該イベントに応じた処理を実行する(ステップSa6)。ステップSa6の処理は、ゲームによって、またイベントによって多種多様であり、どのような処理であってもよい。また、ステップSa6の処理には、パラメータを変化させる処理が含まれる。
【0043】
第1装置100は、ユーザがゲーム(メインゲーム)をプレイしている間、イベントが発生する毎に、
図6に示した処理を実行し、許可フラグを所定の記憶領域に記録する。また、第1装置100は、メインゲームの進行状況が所定の条件の満たしている場合に、当該装置の状態に基づいて第2装置200によるサブゲームの進行の可否を判定し、その判定結果に応じて第2装置200によるサブゲームの進行を許可する。
【0044】
図7は、ユーザにより使用される装置を切り替えるための処理を示すシーケンスチャートである。ここにおいて、ユーザにより使用される装置とは、ユーザの操作を受け付け、ゲームを進行させる装置と同義である。まず、第1装置100の制御部110は、第1装置100が所定の状態であるか否かを判断する(ステップSb1)。本実施例において、第1装置100の状態とは、第1装置100の「位置」又は「動きのパターン」の一方又は双方を指し、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0045】
例えば、制御部110は、測位部160により供給される位置情報に基づいて第1装置100の位置を特定し、特定した位置が所定の位置であるか否かを判定する。ここでいう所定の位置は、ユーザが事前に設定するものであり、例えば、ユーザの自宅付近や、駅などの所定の施設の付近である。また、制御部110は、モーションセンサ部170により供給されるモーションデータに基づいて第1装置100の動きのパターンを特定し、特定したパターンが所定のパターンに相当するか否かを判定してもよい。ここでいう所定のパターンについても、位置の場合と同様に、ユーザが事前に設定すればよい。所定のパターンとしては、例えば、第1装置100を所定の回数振る(シェイクする)ような動きのパターンであってもよいし、電車の揺れに相当するような動きのパターンであってもよい。
【0046】
第1装置100が所定の状態であると判断したら(ステップSb1:YES)、制御部110は、所定の記憶領域に記録されている許可フラグを読み出し、メインゲームの進行状況が所定の条件を満たしているか否か、すなわち第2装置200によるサブゲームの進行の可否を判断する(ステップSb2)。制御部110は、許可フラグが「1」であれば所定の条件を満たしていると判断し、許可フラグが「0」であれば所定の条件を満たしていないと判断する。なお、第1装置100が所定の状態でないと判断した場合(ステップSb1:NO)、又はメインゲームの進行状況が所定の条件を満たしていないと判断した場合(ステップSb2:NO)、制御部110は、ユーザにより使用される装置を第2装置200に切り替えることなく本処理を終了させる。
【0047】
一方、メインゲームの進行状況が所定の条件を満たしていると判断した場合(ステップSb2:YES)、制御部110は、装置の切り替えの可否をユーザに問い合わせる通知を行う(ステップSb3)。制御部110は、例えば「親機から子機に切り替えますか?」や「子機でプレイしますか?」といったメッセージと「はい」又は「いいえ」といった選択肢とを表示部140に表示させ、ユーザに選択を促す。なお、制御部110は、音声によってユーザに通知してもよい。
【0048】
次に、制御部110は、ユーザの操作に基づいて装置の切り替えの可否を判断する(ステップSb4)。制御部110は、上述した例において「はい」を選択した場合のように、ユーザが装置の切り替えに同意した場合(ステップSb4:YES)、通信部130を介して、必要なプレイ情報を第2装置200に送信する(ステップSb5)。制御部110は、
図5に示した例の場合であれば、通貨(所持金)を表すプレイ情報を第2装置200に送信する。なお、ユーザが装置の切り替えに同意しなかった場合(ステップSb4:NO)、制御部110は、プレイ情報を送信せずに本処理を終了させる。
【0049】
一方、第2装置200の制御部210は、通信部230を介してプレイ情報を受信すると、これを契機として、ユーザの操作を受け付け、サブゲームを進行できる状態にする(ステップSb6)。制御部210は、サブゲームを表示させるための画像データを表示部240に供給し、ユーザの操作に応じてこれを送信する。また、制御部210は、受信したプレイ情報をその後のゲームの進行に反映させることができる。例えば、
図5に示した画面を表示してスロットマシンのゲームを実行する場合であれば、制御部210は、受信したプレイ情報に基づいて所持金を特定し、その時点での所持金の額を示す画像Im1を表示させるようにする。また、制御部210は、サブゲームの結果(勝敗)に応じてプレイ情報を適宜更新する。
【0050】
なお、ステップSb3、Sb4の処理は、これを省略することも可能である。すなわち、制御部110は、第1装置100が所定の状態になり、かつ、許可フラグが「1」であれば、ユーザが使用する装置を当該ユーザに問合せを行うことなく切り替えるようにしてもよい。
【0051】
図8は、第2装置200におけるサブゲームのプレイを終了する場合の処理を示すシーケンスチャートである。第2装置200の制御部210は、ユーザによる所定の操作を受け付けたタイミングで本処理を開始する(ステップSc1)。ここでいう所定の操作は、例えば
図5の例においては、ボタンBt1を押下する操作である。
【0052】
制御部210は、ユーザから所定の操作を受け付けると、通信部230を介して、第1装置100にその時点でのプレイ情報を送信する(ステップSc2)。このとき送信されるプレイ情報は、第2装置200においてサブゲームがプレイされ、パラメータに変動が生じていれば、ステップSb5において送信されたプレイ情報とは異なるものになっている。第1装置100の制御部110は、通信部130を介してプレイ情報を受信すると、自装置に記録されていたプレイ情報を当該受信したプレイ情報に書き換えて更新し、第2装置200におけるサブゲームの実行結果をメインゲームに反映させる(ステップSc3)。例えば、サブゲームとしてスロットマシンのゲーム(
図5参照)を実行した場合、制御部110は、このスロットマシンによって得た金額(又は失った金額)をメインゲームにおける所持金に反映させる。
【0053】
なお、サブゲームにおけるプレイ情報の変化をメインゲームに反映させるタイミングは、
図8に示した例に限定されない。例えば、第2装置200は、メインゲームにおいて所定のイベントが発生し、サブゲームにおいて変動したパラメータを利用する必要が生じた場合に、第1装置100からの要求に応じて、プレイ情報を第1装置100に送信するようにしてもよい。具体的には、例えば、サブゲームにおいて所持金が変化した場合であれば、第1装置100は、所持金を利用してアイテムを購入するときに第2装置200にプレイ情報を要求し、サブゲームの実行結果を反映させるようにしてもよい。あるいは、第1装置100は、測位によって当該装置が所定の位置にあると判断した場合や、所定のネットワークに接続した場合などにプレイ情報を受信するように構成されていてもよい。また、プレイ情報は、第1装置100と第2装置200との間で直接やり取りされるのではなく、サーバ装置などに保存され、インターネットなどのネットワーク経由でやりとりされてもよい。
【0054】
以上のとおり、本実施例によれば、必要に応じて第1装置100と第2装置200とを使い分けることが可能である。本実施例によれば、ユーザは、所定の位置に行ったり、第1装置100を所定のパターンで動かしたりすることによって、ゲームに使用する装置を第1装置100から第2装置200に切り替えることが可能である。したがって、ユーザは、第1装置100による両手でのプレイが困難な状況になった場合であっても、使用する装置を第2装置200に切り替え、ゲームを続行することが可能である。
【0055】
また、本実施例によれば、装置の切り替えに際してプレイ情報を送受信することによって、一方の装置でのゲームのプレイ結果を他方の装置に反映させることが可能である。したがって、ユーザは、互いに独立した別のゲームを2つの装置でプレイする場合に比べ、一つのゲームに集中的に取り組むことができる。
【0056】
[変形例]
本発明は、上述した実施例の態様に限らず、他の態様でも実施することが可能である。以下に示すのは、本発明の他の態様の一例である。なお、これらの変形例は、必要に応じて、各々を適宜組み合わせることも可能である。
【0057】
(1)第1装置100から第2装置200への切り替えの判定は、第1装置100の他の状態に基づいて行われてもよい。例えば、第1装置100と第2装置200の双方に測位部が備わっている場合には、両者の相対的な位置関係(例えば距離)に基づいて判定が行われてもよい。あるいは、第1装置100が電池残量や通信状況を検知する手段を有する場合であれば、これらに基づいて判定を行うことも可能である。なお、ここにおいて、通信状況とは、例えば、通信部130によって第1装置100が受信できる電波の強度のことである。この変形例の具体例は、以下のとおりである。
【0058】
例えば、第1装置100の通信部130が移動体通信網に接続する手段とNFCによって第2装置200に接続する手段とを備えており、メインゲームのプレイには移動体通信網との通信を必要とする一方で、サブゲームのプレイには移動体通信網との通信を必要としない場合、第1装置100は、移動体通信網の圏外の状態(あるいは圏外に近い状態)になるとプレイ情報を第2装置200に送信し、第2装置200でサブゲームがプレイできるようにする。このようにすれば、ユーザが移動体通信網の圏外に移動した場合であってもゲームを中断することなく続行することが可能になる。
【0059】
あるいは、第1装置100は、電池残量が所定の閾値を下回ると、プレイ情報を第2装置200に送信し、第2装置200でサブゲームがプレイできるようにする。このようにすれば、第1装置100が電池切れになった場合であっても、ゲームを中断することなく続行することが可能になる。
【0060】
(2)第1装置100及び第2装置200の具体的な構成と組み合わせは、さまざまな態様が考えられる。例えば、第1装置100及び第2装置200は、いずれもゲーム専用機であってもよいし、一方(又は双方)がスマートフォンやタブレット端末などの無線通信端末であってもよい。
【0061】
また、ゲームシステム10は、第1装置100が据置型のゲーム機やデスクトップ型のパーソナルコンピュータであり、第2装置200が携帯可能な無線通信端末であってもよい。この場合、判定部112(
図2参照)に相当する構成は、第1装置100ではなく第2装置200が有していてもよい。すなわち、判定部112による判定に必要な構成は、第1装置100と第2装置200のいずれが有していてもよい。ここにおいて、判定部112による判定に必要な構成には、測位部160やモーションセンサ部170に相当する構成も含まれる。また、測位部160やモーションセンサ部170に相当する構成は、第1装置100と第2装置200の双方が有していてもよい。
【0062】
さらに、本発明は、第1装置100と第2装置200とに加え、これらのデータ授受の仲立ちをする他の装置を有し、判定部112に相当する構成を当該他の装置が有していてもよい。ここでいう他の装置は、第1装置100及び第2装置200に無線LAN等によって接続する通信端末であってもよいし、ネットワークを介して接続されたサーバ装置であってもよい。
【0063】
(3)上述した実施例は、第1装置100におけるゲームの進行状況が所定の条件を満たしている場合に、第1装置100(又は第2装置200)の状態に基づいて第2装置200によるゲームの進行の可否を判定するものである。すなわち、上述した実施例は、本発明をゲームの実行に適用したものである。しかし、本発明は、ゲームに限らず、その他のアプリケーションの実行に適用することも可能である。すなわち、本発明は、第1装置によるアプリケーションの実行状況が所定の条件を満たしている場合に、第1装置又は第2装置の状態に基づいて第2装置によるアプリケーションの実行の可否を判定するものであってもよい。
【0064】
(4)本発明は、ゲームシステム(アプリケーション実行システム)としてだけではなく、ゲームシステムの一部を構成するゲーム装置(アプリケーション実行装置)、これを用いたゲーム(アプリケーション)の実行方法、コンピュータを本発明のゲーム装置として機能させるためのプログラムなどとして特定されてもよい。また、本発明に係るプログラムは、光ディスクなどの記録媒体に記録した形態や、インターネットなどのネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にする形態などでも提供することができる。