特許第6034198号(P6034198)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6034198グリッド統合された自動車のための電気自動車装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034198
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】グリッド統合された自動車のための電気自動車装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 11/18 20060101AFI20161121BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   B60L11/18 C
   H02J7/00 P
【請求項の数】36
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2012-553871(P2012-553871)
(86)(22)【出願日】2010年9月22日
(65)【公表番号】特表2013-520943(P2013-520943A)
(43)【公表日】2013年6月6日
(86)【国際出願番号】US2010049761
(87)【国際公開番号】WO2011102856
(87)【国際公開日】20110825
【審査請求日】2013年9月20日
(31)【優先権主張番号】61/305,743
(32)【優先日】2010年2月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/887,038
(32)【優先日】2010年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512216001
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ デラウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】ウィレット ケンプトン
【審査官】 清水 康
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0313033(US,A1)
【文献】 特開2005−341646(JP,A)
【文献】 特開2009−254052(JP,A)
【文献】 特開2008−054439(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0222143(US,A1)
【文献】 特開2007−252118(JP,A)
【文献】 特開2007−330083(JP,A)
【文献】 特開2009−240150(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/073476(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0229900(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 11/18
H02J 7/00
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車を電力グリッドと接続するための方法であって、
前記電気自動車の電気自動車装置(EVE)、電気自動車ステーション装置(EVSE)属性を有する、前記電力グリッドと電気的に結合されたEVSEとの通信を確立し、
前記電気自動車を充電及び放電させるための動作パラメータを決定するために、前記EVE、前記EVSE属性を受信し、
アグリゲーションサーバとの接続の確立に応答して、
前記EVE、前記アグリゲーションサーバから情報及びリクエストを受信し、
前記EVE、前記EVSE属性から決定された前記動作パラメータ並びに前記アグリゲーションサーバからリアルタイムで受信した情報及びリクエストに基づいて、前記EVSEを通した前記EVEと前記電力グリッドとの間の電力フローのタイミング、速度及び方向をリアルタイムに管理し、
アグリゲーションサーバとの接続の確立の失敗に応答して、
前記EVE、前記EVSE属性から決定された前記動作パラメータに基づいて、前記EVSEを通した前記EVEと前記電力グリッドとの間の電力フローのタイミング、速度及び方向をリアルタイムに管理する、ことを含み、
前記アグリゲーションサーバは、グリッド電力フローの要求及び電力グリッドと複数の電気自動車との間の電力フローを監視し、該複数の電気自動車の電源供給容量及び要求を割り当てるように該電力グリッドと通信するサーバである、方法。
【請求項2】
前記電力自動車は、バッテリを含み、
前記方法は、前記バッテリと関連する充電パラメータを決定することをさらに含み、
前記管理するステップは、さらに前記決定された充電パラメータに基づいて、電力フローを管理することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記EVSE属性のうちの一つとして含まれるグリッド配置を決定し、
前記グリッド配置に基づいて、電気グリッド属性及び制限を参照又は推定する、
ことをさらに含み、
前記管理するステップは、さらに前記グリッド配置の属性及び制限を含む前記決定されたグリッド配置に基づいて、電力フローのタイミング、速度及び方向を管理することを含み、
前記グリッド配置は、前記EVSEが接続される電気的システム配置を意味する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
全球測位システム(GPS)の位置を決定する、すなわち、GPS追跡装置から緯度及び経度を決定し、
前記GPS位置に基づいて、EVSE充電属性及びグリッド配置を推定、又は既知の電気サービス配置のなかから前記EVSE充電属性及びグリッド配置を参照する、
ことをさらに含み、
前記管理するステップは、さらに前記決定されたGPSの位置に基づいて、前記電力フローのタイミング、速度及び方向を管理することを含み、
前記グリッド配置は、前記EVSEが接続される電気的システム配置を意味する、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記決定された充電パラメータは、バッテリエネルギー及びバッテリ空き空間を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記EVEから動作パラメータをアグリゲーションサーバに送信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記EVEのメモリに運転スケジュールを格納し、
前記EVEにより、前記EVE内の前記運転スケジュールを、前記アグリゲーションサーバ又はリモートカレンダシステム内のリモート運転スケジュールと同期させる、
ことをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記EVEの利用可能容量を決定し、
前記決定された利用可能容量を前記アグリゲーションサーバに報告する、
ことをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
発送信号を受信することをさらに含み、
前記管理するステップは、さらに前記受信した発送信号に基づく、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
電力フローを測定し、
前記測定した電力フローを前記アグリゲーションサーバに報告する、
ことをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記EVSEは、建物又は別の電気利用位置に電気的に接続され、
前記方法は、
グリッド電力が失われたか否かを判定し、
グリッド電力が失われた場合、前記EVSEに電力を供給する、
ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記EVEにより、前記EVSEがグリッド電力が失われている間に電力を受電することを承認されているか否かを判定し、前記EVEにより、前記EVSEに電力を供給する前に、前記EVSEと関連する前記建物が前記グリッドから分離されているか否かを判定する、ことをさらに含み、
前記供給するステップにおいて、前記EVSEが承認されており、且つ前記EVSEに電気的に接続された前記建物が前記グリッドから分離されている場合にのみ、電力を供給する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記電気自動車についての旅行を予測し、
様々な充電レベルに到達し、且つ維持することの前記バッテリへの影響を決定し、
バッテリの寿命を延ばすように、前記バッテリでの消耗を最小限にしつつ、前記電気自動車が前記予測された旅行を実行するために十分であるように前記バッテリを充電し、放電するタイミング及び速度を管理する、
ことをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記電気自動車についての旅行を予測し、
現在の温度を測定し、
前記予測された旅行及び前記現在の温度に基づいて、車内及び/又は前記バッテリを任意選択で含む前記電気自動車の少なくとも一部を予め暖め、又は予め冷却する、
ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記予め暖めること、又は前記予め冷却することは、さらに前記予測された旅行について予期される天候に基づく、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1の直接通信チャンネルを用いて、アグリゲーションサーバとの通信を試み、
前記第1の直接通信チャンネルを用いた試みが失敗したとき、前記アグリゲーションサーバへの少なくとも一つの他の直接通信チャンネルを用いて、前記アグリゲーションサーバとの通信を試み、
前記少なくとも一つの他の直接通信チャンネルを用いた試みが失敗したとき、前記アグリゲーションサーバと通信している他のEVEを介して、前記アグリゲーションサーバとの通信を試み、
予測された旅行、バッテリの充電の状態、時刻及びローカルに検出されたグリッドサービスに対する要望に基づいて、前記バッテリの充電及び放電のタイミング及び速度を制御する自立モードに入る、
ことをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記自立モードにおいて、トランザクションを記録し、
前記アグリゲーションサーバとの通信が確立されたときに、前記記録されたトランザクションを前記アグリゲーションサーバに送信する、
ことをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
いつ前記EVEが電力フローのために他の電気自動車の他のEVEと接続されているかを判定し、
前記他のEVEが、前記他の電気自動車が接続されているときにのみ、前記他の電気自動車が充電し、且つ前記電気自動車が電気を供給するように、EVSEにそれが接続されるように動作するように、EVSEをシミュレーションする、
ことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
電気自動車を電力グリッドと接続するための前記電気自動車に係る電気自動車装置(EVE)であって、
前記電力グリッドと電気的に結合された電気自動車ステーション装置(EVSE)と接続するための少なくとも一つのステーション通信ポートと、
自動車管理システム(VMS)と接続するための少なくとも一つの自動車通信ポートと、
前記少なくとも一つのステーション通信ポートと、前記少なくとも一つの自動車通信ポートとに接続されるプロセッサと、
を有し
前記EVEは、前記少なくとも一つのステーション通信ポートを介して前記EVSEとの通信を確立し、
前記電気自動車を充電又は放電させるための動作パラメータを決定するために、前記EVSEからEVSE属性を受信し、
アグリゲーションサーバとの接続の確立に応答して、前記アグリゲーションサーバから情報及びリクエストを受信し、前記EVSE属性から決定された前記動作パラメータ並びに前記アグリゲーションサーバからリアルタイムで受信した情報及びリクエストに基づいて、前記EVSEを通した前記電気自動車と前記電力グリッドとの間の電力フローのタイミング、速度及び方向をリアルタイムに管理するように、前記VMSへコマンドを発行し、
アグリゲーションサーバとの接続の確立の失敗に応答して、前記EVSE属性から決定された前記動作パラメータに基づいて、前記EVSEを通した前記電気自動車と前記電力グリッドとの間の電力フローのタイミング、速度及び方向をリアルタイムに管理するように、前記VMSへコマンドを発行する、ように構成され、
前記アグリゲーションサーバは、グリッド電力フローの要求及び電力グリッドと複数の電気自動車との間の電力フローを監視し、該複数の電気自動車の電源供給容量及び要求を割り当てるように該電力グリッドと通信するサーバである、装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、さらに、前記ステーション通信ポートを通してアグリゲーションサーバとの通信を確立するように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
アグリゲーションサーバとの予備通信ポートを設置するための少なくとも一つの他の通信ポートをさらに有する、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記電気自動車は、バッテリ及び電力管理システムを含み、前記プロセッサは、さらに、前記電気自動車バッテリ及び前記電力管理システムと関連する充電パラメータを決定し、さらに前記電気自動車充電パラメータに基づいて、前記グリッドとの間の前記電力フローのタイミング、速度及び方向を管理するように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記プロセッサは、さらに推定したか又はGPSデータを参照したグリッド配置、及びほかの属性に基づいて、前記電力フローを管理するように構成され、前記グリッド配置は、前記EVSEが接続される電気的システム配置を意味する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記プロセッサは、さらに前記グリッド配置に基づいて、前記電力フローを管理するように構成される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記決定された充電パラメータは、前記バッテリ内に現在蓄積されているkWh数を含むバッテリエネルギー及び追加エネルギーを蓄積するために前記バッテリ内に残っている電位を含むバッテリ空き空間を含む、請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記プロセッサは、さらに、前記ステーション通信ポート又は前記予備通信ポートを通して、前記EVEのための属性をアグリゲーションサーバに送信するように構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項27】
前記プロセッサと接続されるメモリをさらに有し、
前記プロセッサは、前記メモリに運転スケジュールを格納し、前記運転スケジュールをリモートの運転スケジュールと同期させるように構成される、
請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記プロセッサは、発送信号を受信し、前記受信した発送信号に基づいて、電力フローを制御するように構成される、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記プロセッサは、電力フローを測定し、前記測定した電力フローを前記アグリゲーションサーバに報告するように構成される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記EVSEは、建物に関連付けられ、前記プロセッサは、グリッド電力が失われたか否かを判定し、グリッド電力が失われた場合、前記EVSEを介して前記建物へ電力を供給するように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項31】
前記プロセッサは、EVSE属性を用いて、前記建物が、前記EVSEを介して電力を供給してもらうための行政上の認可を有するか否かを判定し、適切なグリッド分離安全装置が、電力を安全に供給するように、正しく切り替えられているか否かを判定するように構成される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記プロセッサは、アグリゲーションサーバとの通信が確立されていないか、又は失われているか否かを判定し、前記アグリゲーションサーバとの通信が失われたとき、自立制御モードに入るように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項33】
前記電気自動車の前記少なくとも一つのステーション通信ポートとの接続のための第1の端部における第1のコネクタ、及び他の電気自動車の他のステーション通信ポートとの接続のための第2の端部における第2のコネクタを有する充電コードセットと、
前記充電コードセットを用いて前記電気自動車から、前記他の電気自動車を充電する手段と、
をさらに有し、
前記他の電気自動車が前記EVEを標準EVSEと解釈できるように、前記EVEは前記電気自動車が標準EVSEをエミュレートできるようにする、
請求項19に記載の装置。
【請求項34】
前記プロセッサと接続される前記電気自動車内の充電スイッチを含む入力装置をさらに有し、
前記プロセッサは、前記充電自動車スイッチが作動したとき、前記電気自動車から前記他の電気自動車へ電力を向かわせ、前記他の電気自動車に準備完了状態を通知するように構成される、
請求項33に記載の装置。
【請求項35】
電気自動車を電力グリッドと接続するためのシステムであって、
電気自動車ステーション装置(EVSE)属性を有するEVSEとの通信を確立するためのプロセッサを含む電気自動車装置(EVE)を有し
該EVEは、前記電気自動車を充電するための動作パラメータを決定するために、前記EVSE属性を受信し、
アグリゲーションサーバとの接続の確立に応答して、前記アグリゲーションサーバから情報及びリクエストを受信し、前記EVSE属性から決定された前記動作パラメータ並びに前記アグリゲーションサーバからリアルタイムで受信した情報及びリクエストに基づいて、前記EVSEを通した前記電気自動車と前記電力グリッドとの間の電力フローのタイミング、速度及び方向をリアルタイムに管理し、
アグリゲーションサーバとの接続の確立の失敗に応答して、前記EVSE属性から決定された前記動作パラメータに基づいて、前記EVSEを通した前記電気自動車と前記電力グリッドとの間の電力フローのタイミング、速度及び方向をリアルタイムに管理する、ように構成され、
前記アグリゲーションサーバは、グリッド電力フローの要求及び電力グリッドと複数の電気自動車との間の電力フローを監視し、該複数の電気自動車の電源供給容量及び要求を割り当てるように該電力グリッドと通信するサーバである、システム。
【請求項36】
前記EVE、前記EVSE及び前記アグリゲーションサーバは互いに通信して各装置と情報を共有し、前記の各装置はそれぞれ前記共有された情報に基づいて制御の決定を行う、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2010年2月18日に出願された名称「グリッド統合された自動車のための、グリッド認識電気自動車供給装置及び自動車リンク」の米国特許出願第61/305,743号と、2010年9月21日に出願された名称「グリッド統合された自動車のための電気自動車装置」の米国特許出願第12/887,038号に対して、優先権を主張し、その内容全体がここに参照として組み込まれる。
【0002】
本出願は、その両方がともに同日付けで出願された名称「グリッド統合された自動車のための電気自動車ステーション装置」の米国特許出願(米国特許出願第12/887,013号、代理人整理番号#UOD-307US)及び名称「グリッド統合された自動車のためのアグリゲーションサーバ」の米国特許出願(米国特許出願第12/887,064号、代理人整理番号#UOD-314US)に関し、その内容全体がここに参照として組み込まれる。
【0003】
本出願は、さらに、名称「自動車からグリッドへの電力供給(V2G)の統合の評価ためのシステム及び方法」の米国特許出願公開第2007/0282495A1号及び名称「グリッド統合された自動車のための、階層的優先度及び制御アルゴリズム」の米国特許出願公開第2009/0222143号のそれぞれに関し、その内容全体がここに参照として組み込まれる。
【0004】
連邦政府の支援による研究に関する記述
本発明は、(支援番号DOE DE-FC26-08NT01905の下における)エネルギー省による支援とともになされた。米国政府は、本発明において権利を有している。
【背景技術】
【0005】
従来、電気自動車(例えば、バッテリ電源式の自動車及びプラグインハイブリッド自動車)は、ほとんどの再充電可能なバッテリ電源式の装置の充電に用いられるものと類似した方法で充電されている。つまり、オペレーターは、公益事業の電力網(「グリッド」)に接続された電源コンセントの中へ、自動車のバッテリ用の充電器を差し込み、自動車の充電器は、すぐに自動車のバッテリを充電し始める。自動車のバッテリが充電される速度は、典型的には、その充電器の電子機器及び自動車のバッテリの可変内部抵抗によって受ける電流制限による。自動車の充電器は、自動車のバッテリの寿命を延ばすために、充電速度を変える明確な論理回路又は構成要素を含んでもよい。典型的には、他の要因によって決定される充電速度の制御のための追加の構成要素はない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、電気自動車とグリッドの間の電力フローを制御する方法、システム及び装置において具体化される。
【0007】
電気自動車をグリッドと接続するための例示的装置は、電気自動車ステーション装置(EVSE)と接続するためのステーション通信ポートと、自動車管理システム(VMS)と接続するための自動車通信ポートと、ステーション通信ポートを介してEVSEとの通信を確立し、EVSEからEVSE属性を受信し、EVSE属性に基づいて、電気自動車とEVSEの間の電力フローを管理するVMSへのコマンドを発行するように、ステーション通信ポートと、自動車通信ポートとに接続されるプロセッサと、を有する。
【0008】
電気自動車をグリッドと接続するための例示的方法は、EVSEとの接続を確立し、EVSE属性を受信し、EVSE属性に基づいて、EVEと電力グリッドの間の電力フローを管理することを含む。
【0009】
電気自動車をグリッドと接続するための例示的システムは、EVSEとの接続を確立する手段と、EVSE属性を受信する手段と、EVSE属性に基づいて、電気自動車と電力グリッドの間の電力フローを管理する手段と、を有する。
【0010】
本発明は、以下の詳細な説明を、同様の要素に同じ参照番号を有する添付の図面と関連して読むことで最良に理解されるであろう。複数の類似の要素が表されるとき、単一の参照数字が、特定の要素に関して小文字の記号とともに、複数の類似の要素に割り当てられるであろう。その要素を集合的に参照するとき、又は一つ以上の特定されない要素を参照するとき、その小文字の記号は省略されるであろう。文字「n」は、要素の特定されない番号を表すであろう。一般的な方法に従って、図面の様々な特徴は縮尺通りに描画されないことが強調される。それどころか、様々な特徴の寸法は、明確にするために、適宜拡大され、又は縮小される。図面に含まれるものは、以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の側面に従った、アグリゲーションサーバ、電気自動車装置及び電気自動車ステーション装置を含む電力伝送システムを説明するブロック図である。
図2】本発明の側面に従った、図1の電力伝送システム内部で用いる例示的な電気自動車装置を説明するブロック図である。
図2a】本発明の側面に従った、自動車から自動車への充電についての例示的な電気自動車装置を説明するブロック図である。
図3】本発明の側面に従った、図1の電力伝送システム内部で用いる例示的な電気ステーション装置を説明するブロック図である。
図4】本発明の側面に従った、図1の電力伝送システム内部で用いる例示的なアグリゲーションサーバと様々な実体との間の通信を説明するブロック図である。
図5】本発明の例示的側面に従った、電気自動車装置により実行される例示的ステップを示すフローチャートである。
図6】本発明の例示的側面に従った、電気自動車装置により実行される例示的ステップを示す他のフローチャートである。
図7】本発明の例示的側面に従った、電気自動車装置により実行される例示的ステップを示す他のフローチャートである。
図8】本発明の例示的側面に従った、電気自動車装置により実行される例示的ステップを示す他のフローチャートである。
図9】本発明の例示的側面に従った、電気自動車装置により実行される例示的ステップを示すフローチャートである。
図10】本発明の例示的側面に従った、電気自動車ステーション装置により実行される例示的ステップを示す他のフローチャートである。
図11】本発明の側面に従った、アグリゲーションサーバにより実行される例示的ステップを示すフローチャートである。
図12】本発明の側面に従った、アグリゲーションサーバにより実行される例示的ステップを示す他のフローチャートである。
図13】本発明の側面に従った、アグリゲーションサーバにより実行される例示的ステップを示す他のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の例示的実施形態に従った電力伝送システム100を表す。図示されたシステム100は、電気自動車装置(EVE)102、電気自動車ステーション装置(EVSE)104、アグリゲーションサーバ106及び電気グリッド108を含む。全体の概略として、EVE102は、電気自動車をEVSE104へつなぐために、自動車内部に位置される。EVE102は、以下にさらに詳細に説明される電気自動車において典型的に見出される、外部の実体から構成要素へのリンクを提供する自動車リンク(VL)103を含む。
【0013】
電力は、EVSE104を通って、自動車のグリッド108及びEVE102の間を流れることができる。アグリゲーションサーバ106は、グリッド電力フローの要求、及びグリッド108と複数の自動車(EVE102を含む各自動車)の間の電力フローを監視し、自動車の電源供給容量及び要求を割り当てるようにグリッド108と通信する。決定した容量及び要求に基づいて、電力伝送システム100は、とりわけ、グリッド108への要求が低い期間に自動車が充電され、グリッド108への要求が高い期間に自動車が電力をグリッド108に供給できるようにする。
【0014】
EVE102とEVSE104の間の太い接続線110(接続線110a)及びEVSE104とグリッド108の間の太い接続線110(接続線110b)は、電力フローを表し、VL103とEVSE104の間の細い接続線112(接続線112a)、VL103とアグリゲーションサーバ106の間の細い接続線112(接続線112b)及びアグリゲーションサーバ106とグリッド108の間の細い接続線112(接続線112c)は、通信/データのフローを表す。図示されないが、他の構成要素との通信を確立するために、他の通信/データ経路が利用される。例えば、VL103は、EVSE104を介して間接的にアグリゲーションサーバ106と通信してもよい。この例において、VL103とアグリゲーションサーバ106の間の直接の通信が省略され、EVSE104とアグリゲーションサーバ106の間に直接の通信経路が追加されてもよい。当業者は、本明細書の記載から他の通信計画を理解することができるであろう。
【0015】
本明細書で使用される専門用語は、ここに定義されるであろう。
【0016】
グリッド108は、発生部から電源コンセントまでの電力システムを意味する。これは、発電機、伝送線及び配電線、変成器、遮断器、並びに「敷地」(例えば、家、建物、駐車場及び/又はその位置用の電気計器から電気パネルを通って電源コンセントまでの他の駐車位置)における配線を含む。センサ、コンピュータによる論理回路及び通信手段が、そのグリッドに関連する機能を監視するように、グリッドの内部の一つ以上の位置に配置されて、自動車の電気系統が、そのグリッドのための一つ以上の機能を満たしてもよい。
【0017】
グリッド統合された自動車は、通常、乗客、貨物又は機材を運ぶための可動式の機械を意味する。グリッド統合された自動車は、「搭載された」エネルギー蓄積システム(例えば、電気化学の、石油蒸留生成物、水素及び/又は他の蓄積装置)及びグリッド108からの電力でその搭載された蓄積装置(例えば、バッテリ、コンデンサ又はフライホイール、電解水素)を再充電又は補完するためのグリッド接続システムを有する。また、グリッド統合された自動車は、自動車の搭載された蓄積装置からグリッド108へ電力を供給するように、グリッド108へプラグが差し込まれてもよい。
【0018】
電気自動車装置(EVE)102は、通常、通信及び電力フローを可能にするグリッド統合された自動車に配置された装置を意味する。例示的実施形態において、EVE102は、(以下に示す)EVSE属性を受信し、例えばEVSE属性、自動車の搭載された蓄積装置の状態、予期される運転の必要条件、運転手の要求に基づいて、電力フロー並びにグリッド統合された自動車へのグリッドサービス及びグリッド統合された自動車からのグリッドサービスを制御する。EVE102は、自動車リンク(VL)103を含んでもよく、EVSE104とグリッド統合された自動車の自動車管理システム(VMS)との間のインターフェースを提供する自動車スマートリンク(VSL)とも称される。自動車管理システム(VMS)は、通常、使用されていない間(例えば、車庫に駐車されている間)グリッド統合された自動車における電気及び電子システムを制御する。
【0019】
EVE属性は、通常、自動車が接続されるEVSE104、アグリゲーションサーバ106又は他のグリッド統合された自動車に伝送されるであろう、グリッド統合された自動車を表す情報を意味する。これらは、(1)一意的なグリッド統合された自動車ID、(2)許可された請求書発送及び他の商業的関係、(3)例えばIEEE949の孤立防止のための証明等の、この自動車の承認、及び(4)最大電力出力、その自動車がグリッド電力(「緊急電力モード」)の電力を独立して生成することができるか否か等を含むその自動車の技術的能力を含んでもよい。
【0020】
電気自動車ステーション装置(EVSE)104は、一般に、EVE102をグリッド108と接続するための装置を意味する。EVSE104は、例えば、建物もしくは駐車場ビルに、通りの近くに又は自動車の駐車場に隣接して配置することができる。搭載された蓄積装置、電力配信部及び情報通信部を持つグリッド統合された自動車内部のEVE102は、EVSE104に接続することができる。EVSE104は、EVSE属性を格納し、グリッド統合された自動車又は他の装置のEVE102にその属性を伝送することができる。
【0021】
EVSE属性は、例えばその状態、位置及び他の情報等のEVSEに関する情報である。EVSE属性は、通常、グリッド統合された自動車のEVE102に伝送されるEVSE104に関する情報を意味する。これは、(1)EVSEの物理的な能力の特徴、(2)法律上且つ行政上の許可、(3)法律上且つ行政上の制限、(4)一意的なEVSE ID、(5)(EVSE及びグリッド統合された自動車が関与する)許可された請求書発送及び他の商業的関係、(6)この特定のEVSE104の位置において承認される(許可される)可能性があるグリッドサービス、及び/又は他のものを含んでもよい。
【0022】
充電ベンダーは、通常、EVSE104を管理する管理団体を意味する。一実施形態において、EVSE104は充電ベンダーを全く有さなくてもよい。例えば、家の車庫におけるEVSE104は、以前は、家の他の電化製品により用いられる同じ電力供給から、家の所有者の自動車を充電していた。他の実施形態では、充電ベンダーは、EVSE104とリアルタイムの通信又は遅延の通信の何れか一方を取ってもよく、グリッドに接続されたグリッド統合された自動車へ充電するためのリアルタイムの承認を提供してもよく、充電のための支払いを要求してもよい。
【0023】
駐車オペレーターは、通常、例えば一つ以上の隣接するEVSE104とともに車を駐車することができる空間を制御する会社又は組織を意味する。駐車オペレーターは、その空間の使用について請求し、駐車の前に識別を要求し、且つ/又は空間の使用をEVSE104の使用に引き換えて交換してもよい。
【0024】
アグリゲーションサーバ106は、EVE102から直接に且つ/又はEVSE104を介して、グリッド統合された自動車と通信し、それらの自動車に充電、放電及び他のグリッド機能についてのリクエストを発行し、グリッドオペレーター、配電会社、より高いレベルのアグリゲーションサーバ、発電機又は他の電気的実体にグリッドサービスを提示するソフトウェア、ハードウェア及び管理手順を意味する。また、アグリゲーションサーバ106は、EVE102及び/又はEVSE104からグリッドサービス及び充電についての報告を受信してもよい。アグリゲータは、アグリゲーションサーバ106を管理するビジネス実体である。アグリゲーションサーバ106は、電力(例えばメガワット(MW)の電力)を統合し、グリッドオペレーターに販売するように、グリッド108に接続されたグリッド統合された自動車への電力フロー/グリッド108に接続されたグリッド統合された自動車からの電力フローを管理(制御)することができる。また、アグリゲーションサーバ106は、充電ベンダー、地域配電会社等を含む他の実体についての情報を管理することができる。
【0025】
グリッドオペレーターは、例えば(1)分配システムオペレーター(DSO)、(2)伝送システムオペレーター(TSO)又は独立システムオペレーター(ISO)、(3)発電機、(4)独立系発電事業者(IPP)、及び/又は(5)再生可能エネルギーオペレーターを含んでもよい。
【0026】
グリッドサービスは、通常、EVSE104を通過する電力とともに、グリッド統合された自動車とグリッド108の間に提供されるサービスを意味する。グリッドサービスは、(1)例えば緊急電力等の地域ビルディングサービス、(2)例えば(i)無効電力の供給、(ii)オフピーク消費の引き出し(drawing)、(iii)三相系の負荷の平衡、(iv)要求応答の供給、(v)(例えば、配電システムが限界に達するときにエネルギーの消費もしくは解放を引き延ばすことによる、又は例えばその変成器を通る電力を低減する変成器の温度等の状態監視を用いることによる)配電支援の提供等の配電システムサービス、(3)例えば(i)周波数調整の提供、(ii)1時間の中での調節の提供、(iii)運転予備力の提供等の変成器及び発電機のシステム支援、及び/又は(4)例えば、(i)風の平衡の提供、(ii)ランプ速度の低減の提供、(iii)太陽光ピークから負荷ピークへのエネルギーの変換の提供、(iv)負荷超過時の風力又は太陽エネルギーの吸収、その他多くのもの等の再生可能なエネルギーの支援を含んでもよい。例えば、グリッドサービスは、オフピーク時の充電、グリッド電力の質の調整、グリッドの障害又は停電を防ぐ高速且つ十分な電力の供給、及び例えば風力源又は太陽源等の再生可能なエネルギー源の変動からの生成の平滑化を含んでもよい。
【0027】
グリッド配置は、通常、EVSE104が接続される電気的システム配置を意味する。これは、電気的システムにおける階層的な配置(例えば電気的位置)でもよく、物理的配置に対応しなくてもよい。本発明の例示的実施形態において、グリッド配置は、(1)EVSE104が接続され、結合される建物の電気回路、(2)サービスドロップ(service drop)及びEVSE104が接続される計器、(3)EVSE104が接続される配電変成器、(4)EVSEの配電給電線、(4)EVSEの変電所(substation)、(5)EVSEの伝送ノード、(6)EVSEの地域配電会社、(7)EVSEの伝送システムオペレーター、(8)EVSEのサブ領域及び(9)EVSEの領域、ISO又はTSOのうちの一つ以上に基づいて定義することができる。例えば、配電スイッチが開き、閉じたときに、EVSEの物理的配置は変化しないが、EVSEのグリッド配置が、ある配電給電線から他の配電給電線へ動的に移ることができるように、配電電気回路切り替え(例えば再構成)により、階層構造における中間位置は、動的に変化することができる。
【0028】
図2は、グリッド統合された自動車で用いる例示的なEVE102を表し、図3は、EVE102が接続できる例示的なEVSE104を表す。EVE102は、コネクタ250を含み、EVSE104はコネクタ250と結合するための対応するコネクタ350を含む。様々な例示的実施形態では、そのコードの端部においてコネクタ350でEVSE104と結合されるコードが存在し、又は別個のコードがEVSEのコネクタ350からEVEのコネクタ250へ接続するように提供される。
【0029】
図2を参照すると、EVE102は、VL103、バッテリ202、パワーエレクトロニクスモジュール(PEM)204、自動車管理システム(VMS)206、及び自動車結合口250を含む。VL103は、マイクロコンピュータ210、メモリ212及び命令モジュール214を含む。VL103は、通信し、グリッドサービスの提供を決定し、そのような提供を制御するように構成することができる。
【0030】
例示的実施形態では、PEM204、VMS206及びバッテリ202は、従来の電気自動車で見られる典型的な構成要素であり、VL103は、本発明に従って、上記の自動車がグリッドサービスを受信/提供できるように、組み込まれる。VMS206は、バッテリ管理、充電、及び場合によって他の自動車の制御によるVMS206の制御に加えて、VL103の指示に従った運転機能を直接制御する。VMS206の機能は、例えばPEM204等の他の装置に統合してもよく、又は一つ以上の装置により実行されてもよい。
【0031】
VL103は、製造中に、又は製造後に自動車に追加されて(据え付けられて)、グリッド統合された自動車の中へ統合されてもよい。単一の装置として示されているが、VL103は、グリッド統合された自動車において離れた位置にある二つ以上の装置でもよい。幾つかの例示的実施形態では、VL103の幾つかの機能は、他の装置により提供されてもよく、VL103は、(元の自動車の製造者により他の装置にまだ提供されていない)追加の機能のみで構成されてもよい。代替的に、それは、例えばVMS206及び/又はPEM204内部に存在する自動車のコンピュータを用いて実装される機能を実行するためのソフトウェアのシステムでもよい。本発明に従って、マイクロコンピュータ210、メモリ212及び命令モジュール214として動作するように適合された構成要素を含む適切な装置は、バーモント州サウスバーリントンのLogic Supplyにより製造されたMini−ITXである。
【0032】
命令モジュール214は、変動電力レベル及び変動力率で充電し、放電し、且つ/又は無効電力を供給するように、PEM204を直接(図示せず)、又はVMS206を介して制御(且つ/又は離れたバッテリ管理システムを制御)する。
【0033】
マイクロコンピュータ210は、次の機能を提供するように構成され、且つプログラミングされる。(1)EVSE104との双方向通信、(2)EVSE104から受信したEVSE属性の処理、(3)(a)EVE102の使用量を断定的にモデル化し、グリッド統合された自動車の運転手との相互作用を監視し、(b)グリッド、バッテリ及び自動車の状態を評価し、(c)有効電力又は無効電力を吸収又は供給するようにEVE102に命令するか否かと、いつ命令するかを決定する、メモリ212に格納された命令の実行。マイクロコンピュータ210は、ディスプレイ、タッチスクリーン又はVL103をプログラミングするためのプログラミング装置(図示せず)と通信するためのプログラム/通信ポート211を含んでもよい。
【0034】
VL103は、グリッド統合された自動車の属性(「EVE属性」)をメモリ212に格納し、これらの属性を(以下で図3を参照して表される)EVSEのメモリ306、又は他の接続された自動車内のEVEのメモリ212に伝送する。自動車の属性は、例えば(1)一意的なグリッド統合された自動車ID、(2)許可された請求書発送、並びに例えば有効なアカウント番号又は電気及び駐車時間の購入のための承認コード等の他の商業的関係、(3)例えばIEEE949の孤立防止のための証明等の、この自動車の承認及びコードコンプライアンス証明、(4)最大電力出力、その自動車がグリッド電力(「緊急電力モード」)の電力を独立して生成することができるか否か等を含むその自動車の技術的能力、(5)アグリゲーションサーバによる発送を認可するか否か、(6)電力が自動車により供給された時のニュートラルの保証(又は保証しないこと)、(7)グリッドサービスにおいて信用されるべき任意のアカウント及び承認を含む。EVE属性は、例えば一意的な自動車IDのように静的でもよく、又は例えばバッテリの充電の状態、又はグリッド統合された自動車が、現在、他のローカル接続された自動車のためのローカルアグリゲーションサーバとして機能しているか否かのように動的でもよい。
【0035】
VL103は、VMS206を介してバッテリ202の充電及び放電を制御してもよく、且つ/又は他のグリッドサービスの提供を制御してもよい。特に、VL103は、(1)例えば壁掛け式のEVSE104又は縁石に取り付けられたEVSE104と通信し、(2)EVSE104からEVSE属性を受信し、(3)バッテリの充電、電気のための支払い又は他のグリッドサービスを設定し、且つ制御するEVSE属性を評価し、(4)バッテリ202、PEM204、VMS206、搭載された電流センサ220、ダッシュボード環境及び他の自動車システムから、VMS206もしくは例えばCANバス等の他の搭載された自動車通信の何れかを介して、又はドライバの入力を通して直接に、又は他の自動車通信もしくは入力を介して情報を受信し、(5)充電、放電、無効電力及び自動車への他のグリッドに関する電力に関する命令を送信し、且つ(6)バッテリ及び他の自動車システムによる任意の他の動作に係る、車内の暖房又は冷房について、他の自動車システムへ命令を送信してもよい。
【0036】
図3を参照すると、EVSE104は、コンタクタ302、マイクロプロセッサ304、メモリ306、漏電遮断(GFI)センサ308、電流測定センサ310及び自動車結合コネクタ350を含む。メモリ306は、マイクロプロセッサ304の中へ組み込まれてもよく、又は離れた構成要素として保持されてもよい。選択的に、EVSE104は、マイクロコンピュータ320、ルータ、又はパケット交換信号を処理し、外部のネットワークと通信し、且つプログラムを実行する、WAN又はルータ接続部322及びローカル状態検出センサ接続部324を持つ他の装置を含んでもよい。適切なコンタクタ、マイクロプロセッサ、メモリ、GFI処理及びセンサは、本明細書の記載から当業者によって理解されるであろう。
【0037】
EVSE104は、車庫、公共駐車場、縁石又は自動車の駐車のための他の位置に配備されるように構成することができる。EVSE104は、(1)グリッド統合された自動車のEVE102から電力グリッド108への電気的接続、(2)EVSE属性、及び(3)グリッドサービスの請求書発送/クレジットのための仕組みを提供してもよい。
【0038】
EVSE104は、例えばその状態、グリッド配置、及び電力フローを制御し、且つ有益なグリッドサービスを提供するように、VL103を介してグリッド統合された自動車によって用いられる他の情報等のEVSE104に関連する属性を保持する。例示的実施形態では、マイクロプロセッサ304がEVSE属性をメモリ306に格納し、選択的にVL103への配信のためにメモリ306からEVSE属性を読み出す。EVSE属性は、静的属性及び動的属性を含んでもよい。静的属性は、グリッド配置情報、例えば電気エネルギー及び電気サービスのための支払い又はクレジット、物理的な駐車場を占有するための代金及び他の情報についての提供等の充電ビジネスモデル、一意的なEVSE識別番号(ID)、順方向フロー制限、逆方向フロー制限、緊急電力フラグ、及び/又は承認されたCANバスコードを含んでもよい。動的属性は、切断状態、グリッド電力状態、自動車識別子、変成器の過負荷、回路スイッチの開/閉、建物の負荷、アカウント承認、自動車の能力及び自動車の承認を含んでもよい。
【0039】
マイクロプロセッサ304は、例えば、建物、電気回路、安全の承認、配電会社、計器のアカウント及び他の情報に関して、EVSE104のインストール中に静的情報をダウンロードするためのプログラミング/通信ポート305を含む。この情報のうちの幾つかは、DSOの電気技術者又は電気検査官によってのみ承認することができる。静的情報は、(1)グリッドネットワーク内部のEVSE104の位置を示すグリッド配置情報、(2)自動車の充電が無料か、請求されるべきか、又は上記した他のオプションであるかを示す充電ビジネスモデル、(3)一意的なEVSE ID、(4)建物又はEVSEの位置からのインターネット接続が固定IPアドレスを有するか、及びもしそうならばそのIPの番号、又はDHCPにより割り当てられた動的IP、又は他のインターネットプロトコル、(5)EVSE104からグリッド統合された自動車のEVE102への最大許容電力フローを示す順方向フロー制限、(6)グリッド統合された自動車のEVE102からEVSE104への最大許容電力フローを示す逆方向のフロー制限、(7)緊急電力がグリッド統合された自動車204のEVE102によってEVSE104へ供給されてもよいか否かを示す緊急電力フラグ(緊急電力フラグの静的情報の設定は分離スイッチがその位置に設置されていることを確認する検査官を必要としてもよい)、(8)CANバスプロトコルがEVSE104に拡張されてもよいか否かを示す承認されたCANバスフラグを含んでもよい。
【0040】
CANバス接続は、(適切ならば)自動車のCANバスを通してEVSE104から承認されてもよい。EVSE104は暗号鍵を用いて又は用いず、EVSEシリアル番号又はモデル番号に基づいて、自動車のCANバスへのフルアクセスを有するように承認されてもよい。この承認が、グリッド統合された自動車のEVE102により認可されなければ、そのグリッド統合された自動車は、自動車のCANバス全体ではなく、EVSE104とVL103の間のみの孤立したCANバス通信を提供してもよい。
【0041】
EVSEマイクロプロセッサ304又はオプショナルEVSEマイクロプロセッサ320は、例えばポート322を介して、(1)EVSE104にサービスを提供する切断スイッチの現在の状態(例えば、現在接続しているか又は切断しているか)、(2)グリッドが現在電源が入っているか否か、及び(3)接続されている、グリッド統合された自動車の自動車識別子に関して、動的情報を受信してもよい。この動的情報は、異なるグリッド装置/センサから送信されてもよい。例えば、EVSE104は、グリッドが電源が入っているか否かを監視する電圧センサを含んでもよい。切断スイッチからの信号はその状態を監視するのに用いられてもよい(例えば、開いているか閉じているか)。VL103はピン250d/350d、入力/出力通信ポート312及びマイクロプロセッサ304を介してメモリ306に自動車識別子を供給してもよい。動的情報は、所定の間隔で(例えば、毎秒から一分に一回まで)繰り返し送信されてもよい。
【0042】
ある例示的実施形態では、メモリ306に格納されたEVSE属性は、グリッドサービスの制御のために用いられる追加の情報を含んでもよい。例えば、メモリ306は、(1)EVSE104において一意的なシリアル番号、(2)建物の電気計器のシリアル番号、及び/又は(3)建物のアカウントを格納してもよい。
【0043】
様々な例示的実施形態において、緊急電力フラグは、緊急電力が(1)決して承認されてはいけないこと、(2)常に承認されてもよいこと、又は(3)例えばグリッド統合された自動車のEVE102がIEEE929に準拠しているか否か等の特定の状態に基づいて承認されてもよいことを示すことができる。EVSE104は、EVEによって生成された緊急電力のために、EVSEによって起動されたときに、EVE電力生成部を建物の負荷へ合わせる少なくとも一つのコンタクタ及び変成器(図示せず)を含んでもよい。
【0044】
ある例示的実施形態では、順方向及び逆方向のフロー制限は、建物のセンサ、例えば変成器の過電流検出器等のスマートグリッド素子により、又はマイクロプロセッサ320を介してDSOにより供給される動的な定格とすることができる。そのような場合に、動的な定格は、メモリ306に格納された任意の静的情報より優先してもよく、またSAE J1772制御パイロットにより信号が送信された単一の最大アンペアより優先してもよい。DSO230からの動的情報は、アクティブなDSOの修理計画、及び、例えば回路のローディングと調和して電力を制限し、もしくは増大させ、回路の過負荷の軽減のために逆方向に供給し、又は配電線の開、閉及び修理と一致したタイミングで緊急電力を供給する管理手順の不可欠な要素となる。
【0045】
単相のものとして設計された単一のコンタクタ302が、EVSE内に示される。当業者は、コンタクタ302に追加の極及び追加のワイヤを加えることにより、どのようにしてこの設計を単純な三相のシステムに適応させるかがわかるであろう。また、グリッド統合された自動車が多相グリッドシステムの何れかの相の間で接続されてもよいように、追加のコンタクタが用いられてもよく、又は追加の極又は投を持つコンタクタが用いられてもよいことが考慮される。そのような配置において、DSOは、相の接続を示すように、メモリ306に格納される情報を提供することができる。そのような情報は、DSOによって、プログラミング/通信ポート305を用いてEVSE104に対して繰り返し更新されうる。
【0046】
幾つかの例示的実施形態において、EVSE104は、充電ベンダー又はアグリゲーションサーバ106からの承認が全くなくても電力の発送を制御してもよい。
【0047】
幾つかの例示的実施形態において、請求書発送の仕組みは、請求書発送がグリッドサービス用の金融口座及び駐車用の金融口座に対して請求又はクレジットがされるように提供されてもよく、出発時に一覧にされてもよく、且つその口座に対して分割請求することなく請求書が発送されてもよい。代替的に、グリッド統合された自動車がグリッドサービスを提供する場合、請求書発送の仕組みはなくてもよく(駐車及びグリッドサービスが相互に相殺されてもよい)、又は(例えば、自動車の所有者自体の住居などにおいて)充電を無料とすることが許可されてもよい。
【0048】
他の例示的実施形態において、グリッド統合された自動車のEVE102には、エネルギーが与えられるように有効なアカウント番号が提供されてもよい。有効なアカウント番号が提供されない場合、EVSEにはエネルギーが与えられず、且つ/又は駐車違反が科せられてもよい。そのような場合、金融口座への支払いもしくはクレジット、又は前払いを承認するように、カードリーダ又は請求書及びコインリーダが、EVSEに含まれてもよい。クレジットのアカウントにおいて、充電ベンダーの承認を必要としてもよい。前払いが使い果たされた場合、EVSE104は電源を切ってもよく、且つ/又は駐車禁止の計器が有効にされてもよい。
【0049】
様々な例示的実施形態において、建物の電気検査官、負荷供給実体の代表者、又は他の承認されたグループは、EVSE104を設置し、以下のことを含み、ポート305を介してEVSE属性を設定してもよい。
1.特定の例示的実施形態において、EVSE104のデフォルト設定は、たとえ承認されたEVSE104の設定が入力されていなくても、接続時に(例えば、グリッド統合された自動車がEVSE104に接続されている、プラグ存在信号の確認)EVE102を持つグリッド統合された自動車に係る低電流での充電を承認するように構成されてもよい。
2.電気検査官は、回路の配線、ブレーカー、及び主電源を確認することができ、建物の負荷の取り決めに従った最大電流の引き込みについて、EVSE属性を、EVSEのスタティックメモリ306へ格納するためにポート305を介してマイクロプロセッサ304へ入力することができる。
3.電気検査官は、EVSE属性を、電気的配置を示すEVSEのスタティックメモリ306へ格納するためにポート305を介してマイクロプロセッサ304へ入力することができる。電気的配置は、例えば、存在するならばEVSEサブ計器、建物の回路、サービス低下極数、配電変成器、配電給電線回路、変電所、負荷供給実体ID、位置限界の価格設定ノード(locational marginal pricing node)、及び伝送システム(TSO又はISO)を含んでもよい。その関連付けは、EVSE内の媒体上に記録され、他の属性とともにEVE内のVLに送信されてもよい。さらに、これらの関連付けは、特定の時間に充電ベンダー(EVSE104の保持者又は提供者)及び一つ以上のアグリゲーションサーバ106に送信されてもよい。電気検査官、又はその関連付けを記録し、報告する他の現地保守要員は、EVSE属性の正確さを保証する。そして、検証のために、EVSE属性とともに従業員ID又は他のコードを入力することを必要としてもよい。
4.負荷供給実体の代表者は、配電変成器及び建物の負荷のサイズを検査(決定)することができ、逆方向のフロー制限(例えば、グリッド統合された自動車のグリッド電流の制限に対する)の属性について、EVSE属性を、EVSEのスタティックメモリ306へ格納するためにポート305を介してマイクロプロセッサ304へ入力することができる。逆方向のフロー制限は、順方向のフロー制限と異なる(且つより高い)レベルに設定されてもよい。逆方向のフロー制限は、EVE102を持つグリッド統合された自動車からEVSE104への電力の供給が許可されないことを示すように、ゼロに設定されてもよい。逆方向のフローの承認は、IEEE929の孤立防止に準拠すると認定された自動車の種類を条件としてもよい。
5.負荷供給実体の代表者は、認可された分離スイッチの存在を検査することができ、又は、認可されているならばマイクログリッドの切り替えが、緊急電力用のEVSE属性を、建物への電力の供給停止が発生しているとき、及び分離スイッチがアクティブになって、建物がグリッドから分離しているときに、グリッド統合された自動車のEVE102が建物へ電力を供給することを示す「真」にセットしてもよい。
【0050】
不正防止処理は、プログラミングポート305を介して接続される携帯屋外装置を介してEVSE属性をセットするために用いることができる。例えば、上記の項目2、3、4及び5は従業員ID又はパスワードにより保護され、又は承認されてもよく、そのため、承認された人以外がそれらを変更することができない。例えば使用されるインターネットプロトコル等の他の情報は、建物の居住者又は建物のIT管理者がそれらを変更することができるように、意図的に保護されないようにしてもよく、又は保護のレベルをより低くしてもよい。
【0051】
安全又は承認に関連する幾つかのEVSE属性、例えば上記の項目2、3、4及び5は、デジタル署名を用いるメモリに記録され、デジタル署名とともにEVE102に送信されてもよい。したがって、EVE102及びアグリゲーションサーバ106は、プラグが差し込まれた時に、承認されたグループによってそのデータがEVSE104に入力されたことを確認することができる。承認が失敗した場合又はデジタル署名が有効でない場合、図6、8及び10に関して以下に記載された承認の判定は「いいえ」を生じさせるであろう。
【0052】
EVE102はEVSE104にプラグが差し込まれる結果、双方向の情報フロー、及び片方向又は双方向の電力フローがもたらされる。
【0053】
EVSE104はスタンドアロンの(完全な)装置として示されるが、例えば記憶装置、及びEVSE属性、コネクタ250d上のデジタル信号、WANへの情報及び他のものの送信部等の本発明に係るEVSE104の構成要素は、そのような装置に対して本明細書に記載されるような情報及び通信能力を加えることにより、SAE J1772又は他の規格に準拠した電気自動車のサプライ機器装置の一部として含まれるべき拡張装置として構成されてもよいことが考慮される。
【0054】
図2及び図3を参照すると、例示的実施形態において、コネクタ250/350は、自動車技術者協会(SAE)の標準J1772、国際電気標準会議(IEC)の標準62196−2、又はグリッド統合された自動車とグリッド108の接続を可能にする他の国内もしくは国際標準に準拠する。本発明は、2010年に通過したSAE J 1772及びIEC62196−2のドラフトに記載された標準に基づいている。それらは、本発明の側面に従ったこれらのコネクタの追加的な使用を区別するように、参考のためにこの段落に記載されている。結合コネクタ250/350は、EVE102用の第1の結合コネクタ250及びEVSE104用の第2の結合コネクタ350を含む。第1の結合コネクタ250は、「差込口」と称され、五つのオス結合ピン/接点250a、250b、250c、250d及び250eを含む。第2の結合コネクタ350は、対応するメス結合ピン/接点350a、350b、350c、350d及び350eを含む。それらは、それぞれオス結合ピン250a、250b、250c、250d及び250eと結合するように構成される。IEC62196−2のドラフトに従った、三相及びニュートラルのための追加の電力接点も、コネクタ250/350に組み込まれてもよい。例えばSAE J 1772に記載されるように、使用中のEVSE104は、EVE102が利用できる充電量を、結合ピン250d/350dを通るデジタル信号線を通じて信号で伝える。従来のプラグ存在スイッチ(図示せず)が、ピン350eの中へ組み込まれてもよい。例えばSAE J 1772に記載されるように、EVSE104は、ピン250eを受けてプラグが存在するピン350eに応じてコネクタ250/350が結合されていることを、EVE102に信号で伝えてもよい。
【0055】
SAE J 1772及びIEC62196−2は、コンタクタ内のピンを超えて供給される電力は、グリッド統合された自動車のEVE102との接続を示すパイロット信号に応じると規定する。本発明の側面に従って、電力はコンタクタ302によりエネルギーが与えられてもよく、このコンタクタが実行できる追加の制御、特に、漏電がないことを示す漏電検出信号、引き込まれる電流が過度でないことを示す電流過負荷検出信号、及び、このグリッド統合された自動車のEVE102に、このEVSE104から電力を引き込むことの承認を示すアカウント承認信号を追加する。コンタクタ302は、コンタクタ302が閉じられるべきであることを示す信号のそれぞれがなければ、グリッドとグリッド統合された車の間の電力フローを停止するようにコンタクタ302が開いたままにするように、ノーマルオープンの装置としてもよい。
【0056】
五つの接点(ピン又はソケット)を含む結合コネクタ250/350の単一のセットが図示されるが、当業者は本明細書の記載から異なる数の上記の結合部/接点を用いてもよいことを理解するであろう。例えば、三相電力用に、各相用に一つずつと、ニュートラルに一つと、グランドに一つと、データに二つの七つの接続部を用いることができる。又は、コネクタは、電力のために、且つAC充電よりむしろDC充電を許可することを信号で伝えるために提供されてもよい。本明細書に記載される発明は、上記の標準に基づいてもよく、又は結合コネクタの一部を数の異なる変形としてもよく、従来のコネクタ、電力線又は信号線としてもよい。
【0057】
図4は、例示的なアグリゲーションサーバ106、及びグリッドサービスを提示する他の構成要素との関連する結合を表す。図示されたアグリゲーションサーバ106は、マイクロコンピュータ402と、記憶装置及びデータの検索のためにマイクロコンピュータ402によってアクセス可能なメモリ404を含む。さらにアグリゲーションサーバ106は、VL103、選択的にTSO412、DSO414、充電ベンダー416及び駐車オペレーター418のうちの一つ以上との通信を確立するための通信部品(図示せず)を含む。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバ106との通信は、ワイドエリアネットワーク(WAN)450を介する。適切なサーバ、マイクロコンピュータ、メモリ及び通信部品が、本明細書の記載から当業者により理解されるであろう。
【0058】
幾つかのEVSE104が単一の駐車オペレーター又は充電ベンダーの場所に一緒にある場合(それらが物理的な駐車場、会社、自治体又は他の事業体にあろうとなかろうと)、駐車オペレーター又は充電ベンダーは、アグリゲーションサーバ106自体を操作してもよく、又はそのアグリゲーションサーバの特定の機能を局所集中型の制御に組み込んでもよい。一つの例示的実施形態では、アグリゲーションサーバの幾つかの機能は、駐車場ビルにある集中型の支払いステーションにあり、支払い又はクレジットの受信は、VL103又はEVSE104を介して直接よりむしろ支払いステーションにおいてなされるであろう。
【0059】
図1−4を参照すると、通常、VL103は、(1)VL103が、マイクロプロセッサ304にメモリ306に格納されたEVSE属性の問合せを行うこと、又は(2)マイクロプロセッサ304が、例えばEVEからのパイロット信号に基づいて、EVE102がEVSE104と接続されていることを決定し、そして、マイクロプロセッサ304が、EVSE属性をEVE102と接続されたラインのうちの一つを通してブロードキャスト送信すること、のうちの何れかによりEVSE属性を受信することができる。何れの場合も、EVE102の属性は、互いの処理によってEVSEに送信される。
【0060】
EVSE属性は、マイクロプロセッサ304により符号化された信号を用いて通信され、結合コネクタ250/350の結合接点250d及び350d並びにVL103の入力/出力ポート216を通って、入力/出力ポート312を介して送信されうる。代替的に、EVSE属性は、例えば電力接点250a及び350aを通って、電力線搬送信号により送信されてもよい。受信したEVSE属性は、VL103のメモリ212に格納される。VL103は、支払い又はクレジットのアカウントの承認のために、アカウント、請求書発送、蓄積されたkWh及び/又は自動車識別子を、EVSE104、アグリゲーションサーバ106、充電ベンダー又は駐車オペレーターに送信してもよい。
【0061】
VL103は、(1)電力線搬送(PLC)、(2)CANバス、(3)パイロットライン(150D/250D)を通るシリアル通信、及び/又は(4)特にパイロットデジタルパルス幅信号の負側の信号のうちの一つを介してEVSE104と通信してもよい。EVE102は、予備通信としてアグリゲーションサーバ106にセルラー方式の信号を供給するセルラー方式の通信装置(図示せず)を含んでもよい。また、例えば小電力無線、又は他の車で機能するVL102への、電力線を通した低周波搬送等の他の通信技術(図示せず)が用いられてもよい。
【0062】
VL103は、リアルタイムに又はほとんどリアルタイムにアグリゲーションサーバ106と通信することができる。この通信は、有線接続されたWANを通してVL103からEVSE104へなされてもよく、又はEVE102は、セルラー方式又はアグリゲーションサーバ106と通信する他の無線通信能力を有してもよい。前者の場合、接続は、EVE102がLAN通信を稼動させながらEVSE104と接続されたときのみ有効である。本発明は、全てのこれらの環境下での実装に適合させることが可能である。
【0063】
例示的実施形態において、VL103は、利用可能な通信方法のそれぞれを用いて、最初に試みられるコネクタ250及び350を通じた直接接続で、次に他の非加入者サービスで、次にセルラー方式で、アグリゲーションサーバ106と通信しようと試みるであろう。アグリゲーションサーバ106との通信が全く利用できない場合、VL103は、図7を参照して以下に記載される自立モードに入る。
【0064】
例示的実施形態において、VL103は、運転手の前の旅行、要求、又はグリッド統合された自動車の操作に対する規定された要望を判定し(追跡し)、あり得る次の旅行のスケジュールを予測する(次の旅行の予測は、一つ以上の将来の旅行において、あり得るスタート時刻、あり得る距離及び必要とする充電及び目的地を含んでもよい)。予測モデルは、前の自動車の使用に基づくEVEによる予測に基づいてもよく、それは、運転手もしくはフリート管理者により入力された明確なスケジュール情報に基づいてもよく、又は、それは、自動車の使用及び運転手のフィードバックでそれ自体を改良する一般的予測モデルに基づいてもよい。運転手の入力は、自動車での制御、ポータブルのデジタルアシスタント、ブラウザベースの自動車スケジュールカレンダ、又は自動車の運転手もしくはフリートオペレータにより既に使用中の他のスケジューリングシステムへの拡張もしくは追加によってすることができる。自動車の使用はVL103によって記録され、次の予測のための一つのデータソースとして用いることができる。運転手の入力は、VL103に接続される自動車での制御を通じてしてもよく、アグリゲーションサーバ106上に提供されるスケジュールソフトウェア又は他の自動車のサポートプラットフォームからのデータを通じてしてもよく、又はパーソナルデジタルアシスタントもしくはVL103、WAN、アグリゲーションサーバ106もしくは他のポータルと通信する他の無線装置を通じてしてもよい。スケジュールデータの取得の方法及び手段に関わらず、予測されたスケジュールはVL103の例えばメモリ212とアグリゲーションサーバ106の両方に格納することができる。したがって、例えば運送及び/又は暖房のために必要とされる時、車が十分に充電されていることを確実にするように、EVEは次の旅行の予測を用いることができ、充電等のために最も経済的な時間を決定することができる。アグリゲーションサーバ106は、電気容量に係るその量が、どの時間にグリッド上のどの位置でグリッドサービスのために提示されるべきかを計画するために、次の旅行の予測を用いることができる。
【0065】
また、VL103及びアグリゲーションサーバ106は、追加のサービスを提供するように次の旅行の予測を用いることができる。例えば、極端な温度において、予期された使用時刻に快適な温度になるように、次の予測された運転時刻は、車内を予め暖めるために、又は予め冷却するために用いることができる。自動車の暖房/冷房システムがこの温度制御を実行することができ、その上、グリッド電力において、初期の暖房又は冷房のために自動車のバッテリからエネルギーを引き出すことを低減させることができる。さらに、熱及び冷気は、電気の蓄積装置よりたいてい低コスト且つ小さい装置で蓄えることができるので、熱又は冷気は、次の旅行の予測及び現在の温度又は次の旅行の予測に係る時間における温度の気象予測に基づいて、自動車の蓄熱部に蓄えておくことができる。予測モデルの他の使用は、操作を改善し、バッテリの寿命を延ばすように、運転前にバッテリを予め暖め、又は予め冷却するために、バッテリの温度検出と連動して、それを適用することである。予測モデルは、他の運転手サービスを提供するのに用いることもできる。例えば、次の旅行目的地がわかっているので、到着時に駐車スペース又はEVSEを予約することができる。最終的に、その旅行が自動車のバッテリ範囲の近くになると、又はバッテリ範囲を超えると、再充電位置をルートに入れることが確認され、運転手に提案される。
【0066】
VL103及びアグリゲーションサーバ106は、次の旅行の予測を、バッテリ寿命を最大限にするために、バッテリ充電を最適化するためにも用いる。バッテリ寿命を最大限にすることは、VL103の主要目的とすることができ、又は、それは、例えば次の旅行のための十分な充電を保証することとグリッドサービスの提供が一緒に最適化される幾つかの目的のうちの一つとすることができる。バッテリ寿命を最大限にするための管理は、充電速度、充電状態(SOC)、各SOCにおいてバッテリがどれだけ長く継続するか、温度、及び他の要因が、バッテリの寿命に大きく影響を及ぼす原理に基づく。例えば、最大限のSOCの40%と60%の間で通常とどまっているバッテリは、頻繁に完全に充電されるバッテリより長く持続するであろう。従来の自動車バッテリ充電システム(従来技術)は、SOCの上端と下端を、例えば最大限のSOCの10%と90%の間に制限する。しかしながら、それらは、自動車がプラグが差し込まれるたびに、いつも許可されたSOCのその最大限まで充電される。本発明の側面は、必要な充電量、及びいつそれに到達するかを決定するように、次の旅行の予測を用いる。例えば、実例として、先のSOCの数を用いて、次の旅行がバッテリの20%のみ必要とする短い距離である場合、バッテリにほんの少しの消耗を負わせる一方で、これが運転の要求を確実に満たすように、VL103及び/又はアグリゲーションサーバ106は、60%までのみバッテリを充電することができ、その旅行の最後にSOCが40%あることが期待される。代替的に、非常に長い旅行では、EVE103は、通常の推奨される量を超えて、この実例として90%を超えて、充電することを承認してもよいが、次の旅行時間はわからないので、バッテリは、非常に短時間のみ、つまり、次の予測される旅行の時刻の直前まで、その状態のままでいる。このようにして、この場合もその範囲を実現するように消耗を最小限としつつ、範囲を最大限とする。
【0067】
VL103及びアグリゲーションサーバ106は、両方とも予測スケジュールのコピーを包含するので、それぞれがこれらの機能を実行することができる。どちらの装置が制御するかの選択は、例えばその時に接続されているもの(運転中にセルラー方式のリンクがない場合、アグリゲーションサーバ)、又は最も近くにあり且つ最も関連性のあるローカル情報を持つもの(充電中はEVE)を用いて、最適化することができる。また、特許出願公開第2009/0222143号に従って、この設計は「適切な低減」を可能とし、例えば、たとえアグリゲーションサーバ106及び/又はEVSE104との通信が失敗しても、VL103は、予測される旅行の準備のための充電を実行することができる。
【0068】
駐車され、接続されたとき、VL103及び/又はアグリゲーションサーバ106は、充電の速度及びタイミング並びにグリッドサービスの提供を制御する(決定する)ことができる。運転手は、情報(例えば、アカウント番号)をEVSE104もしくはアグリゲーションサーバ106に、又はEVSE104を管理する充電ベンダーに伝送することができる。この情報は、EVE102に予め格納しておくことができ、又はクレジットカードにより、もしくは電気リーダ、磁気リーダ(図示せず)もしくはパーソナルデジタルアシスタント(PDA)を介して、EVSE104自体でキーフォブを通すことにより提供することができる。その情報がEVSE104もしくはアグリゲーションサーバ106又は充電ベンダーにより有効にされるとすぐに、EVSE104は、コンタクタ302にエネルギーを与えること、例えばEVE102を含むグリッド統合された自動車に充電することの承認を受けることができる。
【0069】
充電ベンダーのために、EVSE104は、運転手又はEVE102が充電に係る購入用の受け入れ可能なID又はアカウント情報を提供するまで、充電を拒否するようにコンタクタ302を用いることができる。また、駐車オペレーターのために、EVSE104は、運転手又はEVEが、駐車時間に係る購入用の受け入れ可能なアカウント情報を提供しなければ、充電を拒否又は警告(例えば、EVSEで聞き取り可能な信号又は駐車オペレーターに伝送される電気信号)を発行することができる。例示的実施形態では、コンタクタ302は、グリッドサービスを有効にせず、無効にしない。むしろ、それは緊急用のヒューズ(例えば、漏電プラス過電流保護用のGFCI)として働き、電気が盗まれることを防止する(充電前にIDを取得する)ように働く。EVE102は、より複雑なグリッドサービス及び充電又は放電の速度の制御を行うことができる。
【0070】
VL103は、EVSE104への方向及びEVSE104からの方向のそれぞれに累積されたエネルギーを測定する電気計器(例えば、収入の等級分け計器(a revenue-grade meter))を含んでもよい(又はアクセスしてもよい)。この計器は、その建物(図示せず)において、電流センサ220に基づいてEVE102の中に、又は電流センサ310に基づいてEVE104に統合されてもよい。収入の計器は、グリッドサービス、又は単に蓄積されたエネルギーもしくは正味のエネルギーを測定するために用いることができる。VL103が、(1)常に、(2)自動車がプラグが差し込まれたときのみ、又は(3)グリッドサービスが必要とされるときのみ、有効にされうるように、VL103は、電力管理部を含んでもよい。長い間、駐車され且つ切断されているときにバッテリの消耗を低減するように、EVE102が閾値の時間を超えてプラグが抜かれていた後に、又は幾つかの自立モードにおいてバッテリが望ましいレベルまで充電された後に、VL103は、無効にされてもよい。EVSE IDを含むEVSE属性は、充電、グリッドサービス及び他のサービスがこの位置で利用できるか、並びにこの自動車がそれらの代金を支払うべきか否か及び/又は支払われるべきか否かを決定するために用いられる。さらに、自動車IDは、例えば、充電ベンダーによるアカウントの検索とともに、EVSEにより用いられてもよい。特定のEVSE充電属性において、取られる動作は、以下を含む。
1.EVSE属性「非制限の充電」。自動車が充電を開始するように、パイロット信号により示される、自動車のEVE102のEVSE104との接続で、マイクロプロセッサ304はEVE102に属性を送信し、コンタクタ302を閉じる。ID又はアカウント情報も、自動車からの属性の受信の確認さえも必要ない。この「非制限の充電」の場合の一つの典型的な例は、未修正のSAE J1772標準のEVSE及び自動車である。その中で、EVSEは、属性を送信せず、自動車からの属性情報が全くない状態でコンタクタを閉じる。
2.EVSE属性「既知の居住者/作業者/メンバに対する無料の充電」。自動車のEVE102のEVSE104との接続で、マイクロプロセッサ304はEVE102にEVSE属性を送信し、自動車IDを待つ。EVE102は、EVSE104に自動車IDを送信する。EVSE104は自動車IDを検索し、それがEVSE104により認識されると、EVSE104はコンタクタ302を閉じ、自動車は充電を開始することができる。変形として、EVE102が自動車IDをEVSE104に送信し、EVSE104が充電ベンダーに認可を受けるように問い合わせる。そして、認可を受けると、EVSE104はコンタクタ302を閉じる。
3.EVSE属性「認可されたアカウント所有者に対する充電」。接続時、マイクロプロセッサ304はEVE102にEVSE属性を送信し、アカウント番号及び可能な追加コード又は承認を待つ。EVE102は、例えばデジタル署名を持つアカウントコード等のコードを送信する。そのコードは、その後、EVSE104によって、例えば充電ベンダーへ認可のためにそれを送信することにより処理される。EVSE104がそのコードを認可すると、それはコンタクタ302を閉じ、充電に用いられた時間及びエネルギーの量(kWh)のログを取る。この機能を実行するために、EVSE104は、電流センサ310に基づく計器、マイクロコンピュータ320内の電圧測定部及び標準信号処理部(図示せず)、又は例えば安全な通信でEVSE104によりアクセスされる分離した収入計器を用いる。自動車のアカウントに対して、請求書が発送されなくてもよく、時間に応じて請求書が発送されてもよく、kWhに応じて請求書が発送されてもよく、且つ/又はクレジットに対して請求書が発送されてもよい。この変形として、アカウントは、駐車スペースの使用の代金を支払うために用いられる。EVE102が認可されたコードを送信しない場合、EVSE104は、コンタクタ302を閉じず、且つ/又はその位置における駐車が許可されていないことを音、光もしくは電気信号により示してもよい。
4.EVSE属性「ここで許可されたV2Gを持つグリッドサービス」。接続時、EVSEのマイクロプロセッサ304はEVE102にEVSE属性を送信し、コンタクタ302を閉じる。VL103は、EVSE属性を評価し、グリッド配置及び電気容量をアグリゲーションサーバ106に渡す。そして、VL103は、最大限のバッテリ寿命に対する、最大限の範囲に対する、グリッド統合された自動車(GIV)の収入を最適化するように、予測される次の旅行時刻及び距離でのバッテリ202の充電の状態と、最小限の範囲要求及び運転手の好みに関する任意の他の運転手のパラメータと、を比較する。これらの判断に基づいて、VL103は、アグリゲーションサーバ106に、この位置で特定の時期に、ゼロ以上の各容量における一つ以上のグリッドサービスを提供する、その能力を登録する。EVE102がグリッドサービスを提供するとき、電流ループ220及び他の測定部及び処理部に基づく、又はPEM204の一部である、搭載された計器を用いることができる。
5.任意のEVSE104において、EVSE104が上記の能力のうちの何れかを有するか否かに関わらず、VL103は、そのEVSEにおいて電気の代金を支払う実体に充電の費用を払い戻すか又はクレジットにするかを選択又は提示してもよい。充電の費用を払い戻すために、又はクレジットにするために、VL103は、EVSEの位置、建物の計器のアカウント、又は電気の代金を支払う実体に係る他の識別子を確認する。その確認は、EVSE属性、特にEVSE ID及び/又は建物の計器番号を用いて達成される。VL103に対する確認能力自体を持たないEVSE104は、例えばSAE J1772又はIEC62196−2に準拠するEVSEであるが、本明細書に記載された追加の能力を有さず、又はアダプターを持つ単純な電気コンセントとすることができる。EVE102に対する確認能力自体を持たないEVSE104に対して、EVE102は、追加の確認手段を用いてもよい。一つの方法は、例えばX19送信機等のビル内部にある装置から区別できるデジタル署名を持つ電気的な「ピング」である。この実施形態に従って、送信機は建物に配置することができ、それは、同一の配電変成器内部の任意のEVSE104又は任意のプラグに、プラグが差し込まれる全ての自動車のVL103により読取可能な電気的署名を生成する。電気の代金を支払う実体を確認するための第2の方法は、GPSを、VL103又はアグリゲーションサーバ106に格納された既知の充電位置のリストと連動して用いることである。GPSは、安全関連のサービス、及び例えば逆方向の供給及び緊急電力等の承認に必要とされる信頼性を満たすのに十分には正確でないが、充電用の収入の計器のアカウントに対して請求書を発送し、又はクレジットにするために十分に信頼することができる。
6.上記の記載に基づいて、当業者が上記の変形及び組合せをすることができることは明らかである。
【0071】
VL103は、低電力近距離無線により、又はグリッド108もしくは電力線にわたる電力線搬送(PLC)により低周波数信号(例えば1〜300kHz)を介して、他の自動車と通信するために、自動車と自動車の間の通信モジュール(図示せず)を含んでもよい。信号の周波数は、一つ以上の配電変成器を通過できるように選択することができる。上記の通信は、(1)複数の車が協力してグリッドサービスを提供することができるようになる、(2)EVSEを通した通常の信号に不具合がある場合、又は(3)帯域幅を増大させるために、起動し、且つローカルで通信する自動車のクラスタ又はローカルアグリゲーションからの報告を受信するためにただ一つのインターネット信号を必要とするアグリゲーションサーバに、ローカル通信における自動車のグループが信号を送信することができる、という理由により役立つ。
【0072】
他の自動車と直接に通信するとき、EVE102は、承認されたピアとのエージェントとして機能する。自動車と自動車の間の通信は、アグリゲーションサーバ106との直接通信の損失に対して補償するため、又はリアルタイムの発送及び報告の返送のために帯域幅をプールする、他のすぐ近くにある承認された自動車からのコマンドに従って動作するための何れかのために用いられる。例えば、一つのグリッド統合された自動車のEVE102が、ローカルの連合の代表として機能するように指名されてもよい。ローカルの連合の代表は、アグリゲーションサーバ106からの情報を受信し、それを個々の自動車の部分まで解析し、対応するコマンドをすぐ近くの自動車又は隣接する自動車にブロードキャスト送信する。それに応じて、それらの、すぐ近くの自動車は、それぞれ独立してそれらのコマンドに応答し、その後、それぞれローカルの連合の代表にレスポンスを送信し、ローカルの連合の代表は、それらのレスポンスの報告を追加し、又は蓄積し、それらを、結合したトータルのレスポンスとして、アグリゲーションサーバに報告する。
【0073】
特定の例示的実施形態において、OEM(自動車メーカー)が、CANバスの接続性に対して、EVSE104を認可することができる。上記の実施形態では、EVE102は、例えば結合接点250d及び350dを介した、グリッド統合された自動車のEVE102の、EVSE104とのCANバスのデジタル接続を拡張する機器を含んでもよい。この拡張は、EVSEのメモリ306における「承認されたCANバス」コードにより示される承認を条件としてもよい。
【0074】
三相電力がPEM204に供給される特定の例示的実施形態において、EVE102は、三相電力にわたって平衡化する負荷を提供することができる。例えば、PEM204は、二相から引き込むこと(drawing)ができるようにしてもよい。VL103は、任意の二相にわたって最大電圧を検出することができ、PEM204に、それらの二相からの電力の使用に切り替えさせることができる。これは、適切な遅延及びPEM204が引き込まれた二相にわたる電圧において予期される低下の考慮を組み込んだEVE102を用いて実現されてもよい。この実施形態では、EVE102は動的三相負荷平衡化を提供する。
【0075】
図2Aは自動車から自動車への充電システムを示す。例示的実施形態に従って、第1の自動車(「提供側」自動車)のVL103aは、それが第2の自動車(「受領側」自動車)のVL103bにEVSEとして現れることを可能とする追加の機能を含む。コネクタ250aとの接続用の各端部に同一のコネクタを含む通信ケーブル290は、250dを介して、提供側自動車と受領側自動車の間の信号のフローを可能とし、提供側自動車から受領側自動車への電力フローを可能とする。
【0076】
提供側自動車のEVE102aは、あたかもそれがSAE J1772に準拠したEVSE、もしくはIEC62196−2に準拠したEVSE、又は同様のものであるかのように、アンペア容量信号を生成する回路を含んでもよい。提供側自動車のEVE102aは、受領側のEVE102bを充電されるべきEVEとして検出する回路を含んでもよい。さらに、提供側自動車におけるEVE102aは、バッテリ202の直流電力からグリッドのような交流電力を生成するように、PEM及び120aにおけるバッテリを有効にすることができてもよい。EVE102a又は通信ケーブル290は、存在しているプラグのために、パッシブ信号を提供してもよい。したがって、EVE102a及び通信ケーブル290は、ともに、受領側自動車のEVE102bに、あたかもそれがEVSEであるかのように現れる。これは、この機能及び通信ケーブルを持つ自動車が、電気的グリッドと全く接続することなく、他の自動車を充電することができることを意味する。受領側自動車は、SAE J1772標準又はIEC62196−2準拠以外の追加の機能を必要としない。選択的に、EVE102bは、負側の制御ピンにデジタル信号を与えること、負側のCANバスもしくは単線のイーサーネット及び/又は電力線を通してEVSE104へつながる電力線搬送のイーサーネットにデジタル信号を与えることのうちの一つ以上を含む、SAE J1772に規定されていない通信のための追加の符号化装置/復号装置を有してもよい。
【0077】
例示的実施形態において、自動車から自動車への充電の間、何れの自動車もアースと接続されない。これは、アースグランドと、自動車における、任意のホット、ニュートラルもしくはシャーシのグランドとの間の電位(電圧差)に係る任意のリスクを低減し、且つGFI保護の必要性を低減する。他の例示的実施形態において、GFI保護は、提供側自動車に追加されてもよい。
【0078】
他の例示的な提供側自動車の実施形態において、EVE102aは、物理的スイッチ、ソフトウェアボタン、数値入力装置又は他の入力装置(図示せず)を有してもよい。それにより、利用者は、自動車が提供側であることを意図する信号を与えることができ、また、利用者は、例えばなされるべき最大エネルギー伝送においてkWhで、数値制限を設定することができる。
【0079】
図1−4に戻って参照すると、EVE102は、そのメモリ212に、アカウント番号、公共料金の計器のアカウント、承認コード、自動車識別子、又は他の識別子のうちの一つ以上を含む、自動車属性を格納することができ、それらのうちの何れかは、EVSE104、充電ベンダー310、建物の所有者もしくは他のローカルの電気の顧客、駐車オペレーター311もしくはアグリゲーションサーバとの電力フロー及び/又は金融取引を承認するために、暗号化されてもよい。さらに、EVE102は、各方向において蓄積されたkWhエネルギーの記録、そのログが取られたグリッドサービスの提供、及びそれが駐車スペースを占有している時間を含む、自動車の動的属性を有し、支払い又はクレジットを算出するためにこれらの動的属性を使用してもよい。EVE102は、金融取引、請求書、又はエネルギー及びグリッドサービスのためのインボイスのためにEVSE104、充電ベンダー310及びアグリゲーションサーバ300と通信してもよい。EVE102が、例えばクレジット又は支払いの算出が完了した時にWAN330が切断されているため、通信することができない場合、その情報はEVEに格納され、後でWAN330との接続が復元したときに伝送されてもよい。支払い又は決済は、例えば充電エネルギー(kWh)、充電時間(分)、例えば「オフピーク率」又は「吸収超過回転(wind)率」等の時間に基づく又はシステムに関連する請求要素、例えば「グリーン電力」等の非電気属性、ローカル制御されたグリッドサービス、及び例えば駐車等の非電気サービス等の、物品及びサービスを含んでもよい。
【0080】
図5は、本発明に係る実施形態に従った電力フローを管理するための例示的ステップに係るフローチャート500である。説明を容易にするために、フローチャート500のステップは、EVE102及びEVSE104を参照して記載される。
【0081】
ステップ502において、EVE102は、EVSE104との通信を確立する。ステップ504において、EVE102は、EVSE104からEVSE属性を受信する。ステップ506において、EVE102は、EVSE属性に基づいてEVE102とEVSE104の間の電力フローを管理する。
【0082】
図6は、EVE102の観点から、電力フローを管理するためにEVSE104と接続するための例示的ステップに係るフローチャート600である。
【0083】
ステップ602において、EVE102は、プラグの差し込みイベントを検出する。例示的実施形態において、EVE102は、EVE102の対応するコネクタ250により、例えばピン250eにより生成されるプラグ存在信号に基づいて、EVSEコネクタ350の存在を検出する。プラグの差し込みが検出されると、処理はステップ604に進む。そうでなければ、EVE102は、プラグの差し込みイベントを待ち続ける。
【0084】
ステップ604において、EVE102は、EVSE104から電力容量を受信する。例示的実施形態において、EVE104は、例えばSAE J1772及び/又はIEC62196−2に従って、EVSE104がEVE102にプラグが差し込まれると、パイロット信号内のそのプラグの容量をEVE102へ自動的に送信する。
【0085】
ステップ606において、EVE102は、EVSE104との通信を確立する。例示的実施形態において、通信は、上記した方法のうちの一つに従って確立される。
【0086】
ステップ608において、EVE102は、EVSE属性がEVSE104から取得できるか否かを判定する。EVSE属性が取得できる場合、処理はステップ610に進む。EVSE属性が取得できない場合、処理はステップ614に進む。
【0087】
ステップ610において、EVE102は、EVSE属性を受信する。例示的実施形態において、VL103は、例えば負側のパイロット信号を通じたシリアル通信、又は電力線搬送等の上記した方法のうちの一つにより、EVSE属性をEVSE104から直接受信する。例示的実施形態において、EVSE属性は、グリッド配置、充電ビジネスモデル、一意的なEVSE識別番号、動的順方向フロー制限、動的逆方向フロー制限及び緊急電力フラグを含む。
【0088】
ステップ612において、EVE102は、EVSE104のための属性のローカルのコピーを設定する。例示的実施形態において、VL103は、EVSEから受信した属性をメモリ212内のそれらの属性のコピーにコピーする。
【0089】
EVSE属性が取得できない場合に到達するステップ614において、EVE102は、EVSEのための属性のローカルのコピーをデフォルトに設定する。例示的実施形態において、VL103は、ローカルメモリ212においてデフォルトを設定する。デフォルトは、自動車の充電は許可するが、逆方向の供給又は自動車からの緊急電力は許可しない属性を含んでもよい。
【0090】
ステップ616において、EVE102は、EVE属性をEVSE104に送信する。例示的実施形態において、VL103は、EVSE104に、(1)一意的なグリッド統合された自動車ID、(2)許可された請求書発送、並びに例えば有効なアカウント番号又は電気及び駐車時間の購入のための承認コード等の他の商業的関係、(3)例えばIEEE949の孤立防止のための証明等の、この自動車のコードコンプライアンス、及び(4)最大電力出力、その自動車がグリッド電力(「緊急電力モード」)の電力を独立して生成することができるか否か等を含むその自動車の技術的能力、(5)アグリゲーションサーバによる発送を認可するか否か、(6)電力が自動車により供給された時のニュートラルの保証(又は保証しない)、(7)グリッドサービスにおいて信用されるべき任意のアカウント及び承認の、例示的属性を送信する。
【0091】
ステップ618において、EVE102は、その動作パラメータを決定する。例示的実施形態において、VL103は、EVSE電力容量、EVE電力容量、EVSE属性、バッテリkWh、及び充電の状態、並びに運転スケジュールに基づいて、例えばキロワットの充電電力容量及び放電電力容量を含む、動作パラメータを決定する。例えば、一つの動作パラメータ、充電電力容量及び放電電力容量は、バッテリ110の電流エネルギーレベル(「バッテリエネルギー」)及びバッテリ110を完全に充電するのに必要とされる追加のエネルギーレベル(「バッテリ空き空間」)により、ある程度決定することができる。
【0092】
ステップ620において、EVE102は、EVSE104の位置が既知であるか否かを判定する。例示的実施形態において、VL103は、配置情報がEVSE属性に存在するか否かを判定する。その位置が既知である場合、処理はステップ626に進む。その位置が既知でない場合、処理はステップ622に進む。
【0093】
ステップ622において、EVE102は、GPSデータを受信する。例示的実施形態において、EVE102は、GPS位置データを従来のGPS受信機から受信する。
【0094】
ステップ624において、EVE102は、EVSE104の位置を決定する。例示的実施形態において、VL103は、GPSデータをEVSE104について既知の位置と比較することにより、EVSE104の位置を決定し、GPS位置データに最も近い、その既知の位置をEVSE104の位置として特定する。その位置が、推定されている場合、又はGPSに基づいている場合、EVEは、その位置が「不確か」であるフラグをメモリ212に設定する。つまり、EVSE属性により設定される場合より信頼性が低くなる。
【0095】
ステップ626において、EVE102は、承認を確認する。例示的実施形態において、VL103は、EVSEのための属性で特定された電気的アカウント又は充電ベンダー情報を確認することにより、承認を処理する。電気的アカウント又は充電ベンダー情報が取得できる場合、処理はブロック628に進む。そうでなければ、EVE102は、ステップ627において承認を不確かなものと特定する。
【0096】
ステップ628において、EVE102は、承認を処理する。例示的実施形態において、EVSEから電気的アカウント又は充電ベンダー情報が取得できる場合、VL103は、アカウント及び承認情報を読み出し、必要ならば支払いのための情報を処理する。アカウント情報が提供されず、位置が既知であり又は推定されており、且つその位置で建物の電気的アカウントが承認されている場合、VL103は、アカウント情報を推定してもよい。加えて、例えばEVSE104からの属性に基づいて、VL103は、例えばその通常のアグリゲーションサーバ以外のアグリゲーションサーバを使用するように追加の承認が受信されているか否か、逆方向の供給が許可されているか否か、及び緊急電力が許可されているか否かを判定してもよい。
【0097】
承認された場合、ステップ630において、EVE102は、アグリゲーションサーバ106との接続を試みる。例示的実施形態において、EVSE104がローカルのアグリゲーションサーバの使用を要求し、且つ自動車の利用者が代用のアグリゲーションサーバの使用を承認した場合、VL103は、ローカルのアグリゲーションサーバとの接続を試みる。そうでなければ、VL103は、その自動車用の通常のアグリゲーションサーバの使用を試みる。
【0098】
ステップ632において、EVE102は、電力フローを可能にする。例示的実施形態において、VL103は、VMS206を介してPEM204に指示することにより電力フローを可能にする。
【0099】
図7は、アグリゲーションサーバ106との接続が確立された場合にアグリゲーションサーバ106と接続し、又はアグリゲーションサーバ106との接続が確立されなかった場合に自立的に動作するためのEVE102についての例示的ステップに係るフローチャート700である。何れの場合においても、フローチャート700は、EVE102の観点から、電力フローを管理する方法を示す。
【0100】
ステップ702において、EVE102は、アグリゲーションサーバ106と通信中か否かを判定する。例示的実施形態において、VL103は、アグリゲーションサーバ106との通信があるか否かを判定する。アグリゲーションサーバ106との通信がある場合、処理はステップ704に進む。アグリゲーションサーバ106との通信がない場合、処理は、EVE102が自立モードで動作するステップ726に進む。
【0101】
ステップ704において、EVEは、通信を確立するために、アグリゲーションサーバ106と「ハンドシェイク」を行う。例示的実施形態において、VL103は、通信プロトコルを設定し、その存在をアグリゲーションサーバ106に登録するように、アグリゲーションサーバ106とハンドシェイクを行う。このリクエストは、アグリゲーションサーバにより処理される。例えば、以下に記載されるフローチャート1100のステップ1106を参照する。
【0102】
ステップ706において、EVE102は、アグリゲーションサーバ106にEVEの動作パラメータを送信する。例示的実施形態において、VL103は、アグリゲーションサーバ106に、EVE属性からコピーされたもの及びEVSE属性からコピーされたものと同様に、VL103により算出されるものを含む、EVEの動作パラメータを送信する。
【0103】
ステップ708において、EVE102は、「次の旅行の予測」とも称される、その運転スケジュールを同期化する。例示的実施形態において、VL103及びアグリゲーションサーバ106は、それぞれEVE102が配置される自動車用の運転スケジュールを保持する。運転スケジュールは、人による入力に基づく将来の旅行の予測でもよく、選択的に、コンピュータによる予測でもよい。例示的実施形態において、人による入力は、入力された時にタイムスタンプがされ、運転スケジュールは、アグリゲーションサーバ上のスケジュールに対してEVE上のスケジュールとの間のコンフリクトのイベントにおいて、人による入力をコンピュータによる予測より優先し、より新しい人による入力をより古い入力より優先するように同期化される。ステップ708に明示的に示されない他の例示的実施形態において、アグリゲーションサーバが既知でなく、且つ信頼されている場合、EVE102は、送信を限られた運転スケジュールに制限してもよく、例えば次の出発時間を駐車オペレーターのアグリゲータに送信することだけに制限してもよい。
【0104】
ステップ710において、EVE102は、保存されたデータをアグリゲーションサーバに選択的に送信する。例示的実施形態において、VL103は、以下にフローチャート700のステップ726−736を参照して記載されるように、例えばアグリゲーションサーバ106との事前の通信の失敗により、EVE102が自立モードで動作している間、格納されたデータを確認する。格納されたデータは、充電又は以前に実行されたグリッドサービスを含み、VL103がアグリゲーションサーバ106と通信中でない間、メモリ212のログに格納されてもよい。
【0105】
ステップ712において、EVE102は、その利用できる容量を決定する。例示的実施形態において、VL103は、EVE動作パラメータに基づいて、同様に、バッテリエネルギー、バッテリ空き空間、運転スケジュール、EVE属性及びEVSE属性に基づいて、利用できる容量を決定する。運転スケジュールは、複数の方法で、利用できる容量に影響を与えてもよい。例えば、自動車が、そのバッテリエネルギーの75%を必要とする、一時間未満の距離を運転するようにスケジュールされた場合、VL103は、現在最大限の電力容量より少ない容量が利用できる、又は現在電力容量が全く利用できないと決定してもよい。例示的実施形態において、EVE102は、(例えば、バッテリの製造者の仕様に基づいて)様々なレベルの充電に到達し且つ維持するバッテリへの影響を決定し、バッテリの寿命を延ばすように、バッテリでの消耗を最小限にしつつ、電気自動車が運転スケジュールから決定された予測された旅行を実行するのにちょうど十分なレベルまでバッテリを充電することに基づいて、利用可能な容量を算出する。
【0106】
ステップ714において、EVE102は、その利用できる容量をアグリゲーションサーバ106に報告する。例示的実施形態において、VL103は、利用可能な容量をアグリゲーションサーバ106に伝える。
【0107】
ステップ716において、EVE102は、アグリゲーションサーバ106から発送信号を受信する。例示的実施形態において、VL103は、アグリゲーションサーバ106から発送信号を受信する。アグリゲーションサーバからの発送信号は、電力を受信し、又はグリッド108へ供給するためのリクエストを含む。フローチャート1300のステップ1304及び1306を参照して以下に示されるように、アグリゲーションサーバは、それらの報告された容量より大きい電力を自動車に要求せず、又は自動車から要求されない。
【0108】
ステップ718において、EVE102は、EVE102とグリッド108の間の電力フローを制御する。例示的実施形態において、VL103は、716で処理される発送信号に基づいて、EVSE104を介した、EVE102とグリッド108の間の電力フローを制御する。電力フローは、グリッド108へ、又はグリッド108からとすることができる。
【0109】
ステップ720において、EVE102は、実際の電力フローを測定する。例示的実施形態において、VL103は、EVE102とグリッド108の間の実際の電力フローを示すPEM204からの電力フロー信号を受信する。他の例示的実施形態において、VLは、電流センサ220及びPME204からの電圧を用いて、電力を算出するためにその二つを結合して、電力を直接測定する。
【0110】
ステップ722において、EVE102は、測定した電力フローを報告する。例示的実施形態において、VL103は、測定した電力フローをアグリゲーションサーバ106に報告する。
【0111】
ステップ724において、EVE102は、発送に対するレスポンスを終了すべきか否かを判定する。終了すべきでない場合、処理は、容量についての報告が更新されるブロック712、又は他の発送信号を受信するブロック716に進む。終了すべきである場合、処理を終了する。例えば、EVEが、それは充電のみに変えるべきと判定した場合、EVE102とアグリゲーションサーバ106の間が切断した場合、自動車のプラグが抜けた場合、グリッド電力が失われた場合、且つ/又は障害が発生した場合に処理を終了してもよい。
【0112】
ステップ725において、電力フローを継続すべき場合、VL103は、ステップ714で報告された容量を調整するか否かを判定する。報告された容量が調整されるべきである場合、処理は、例えば15分ごとに定期的に、且つ/又は発送信号で指定された容量と、ステップ720で測定された実際の電力との間の相違に応じて、ステップ712に進められる。報告された容量が調整されるべきでない場合、処理は、例えば5分ごとに定期的に、且つ/又はステップ716で受信した発送信号で指定された終了時刻に応じて、ステップ716に進められる。
【0113】
EVE102がアグリゲーションサーバ106との通信を確立することができない場合に到達するステップ726において、EVE102は自立モードに入る。
【0114】
ステップ728において、EVE102は、アグリゲーションサーバによる制御をオフに設定し、且つ自立制御をオンに設定する。例示的実施形態において、VL103は、全ての、アグリゲータに制御されたグリッドサービスをオフに切り替え、且つ、例えば充電、並びに、例えばローカル周波数の検出及び無効電力、又は単にオフピーク充電等のローカルの検出に基づくサービスの提供等のローカル情報に基づくグリッドサービスをオンに切り替える。
【0115】
ステップ729において、EVE102は、充電するか否か、且つ/又はどのローカルサービスを提供するかを決定する。例示的実施形態において、VL103は、例えば周波数、電圧又は無効電力等の、ローカルのグリッドの状態を検知することにより、VLのメモリ212内のEVSE属性及び運転スケジュールを含むEVEの動作パラメータに基づいて、ローカルグリッドサービスを提供することを決定する。他の例示的実施形態において、VL103は、メモリ212内のEVEの動作パラメータから、充電電流をゼロに設定し、オフピーク電力料金になるまで待ち、そしてそれらの料金が実施される時に始まっている次の旅行に必要とされる量まで充電することを決定してもよい。
【0116】
ステップ730において、EVE102は、電力フロー(例えば、充電又は放電)を制御する。例示的実施形態において、VL103は、ステップ729においてなされた決定に基づいて、充電し、放電する。
【0117】
ステップ732において、EVE102は、ローカルグリッドサービスを選択的に提供する。
【0118】
ステップ734において、EVE102は、電力フローのトランザクションのログを取る。例示的実施形態において、VL103は、アグリゲーションサーバ106との通信が確立したとき、又は再確立したとき(ステップ710を参照)に後続する報告のために、EVE102がアグリゲーションサーバ106から切断されている間、全ての電力フローのトランザクション及びローカルグリッドサービスのログを取る。
【0119】
ステップ736において、EVE102は、自立処理モードを終了する。例示的実施形態において、VL103は、アグリゲーションサーバとの接続の再確立、又はEVSE104からEVE102のプラグを抜くことに応じて、自立処理を終了する。
【0120】
図8は、電力の供給停止のイベントにおける、EVE102からの電力供給のための例示的ステップに係るフローチャート800である。
【0121】
ステップ802において、EVE102は、グリッド電力が失われたか否かを判定する。例示的実施形態において、PEM204は、従来の方法で電力が失われたことを検出し、VL103は、PEM204との通信を通じてグリッド電力が失われたことを判定する。グリッド電力が失われた場合、処理はステップ804に進む。そうでなければ、VL103は、フローチャート700の他の処理のステップを実行しながら、グリッド電力が失われることの確認を周期的に続ける。
【0122】
ステップ804において、EVE102は、グリッド108への電力フローを中止する。例示的実施形態において、VL103は、電力を供給しないようにPEM204に即時に指示する(これは典型的な孤立防止の規定である)。これは任意の他の処理より優先してなされ、一例示的実施形態において、下位レベルのハードウェアで、又はフェイルセーフの切断を保証する他の手段により、実行されうる。
【0123】
ステップ806において、EVE102は、EVSE104がグリッド電力の損失のイベントで用いるためにそれを承認したか否かと、それがそのための容量を有するか否かを判定する。例示的実施形態において、VL103は、グリッド電力の損失のイベントで、EVSE104が電力の受信が承認されていることを示すEVSE属性を受信している(例えば、適切な機器が設置されているとして電気技術者により認可されている)か否かを判定する。EVSE104が承認されている場合、処理はステップ812に進む。そうでなければ、VL103は、EVE102からEVSE104への電力の供給を中止し、又はEVE102からEVSE104へ電力を供給しないようにする。
【0124】
ステップ808において、EVE102は、EVSE104がグリッド108から分離されているか否かを判定する。例示的実施形態において、VL103は、EVSE104から、又は例えば手動もしくは自動の建物分離スイッチ等の他の装置からの明確な指示に基づいて、EVSE104が分離されているか否かを判定する。EVSEが分離されている場合、処理はステップ810に進む。そうでなければ、VL103は、EVE102からEVSE104への電力の供給を中止し、又はEVE102からEVSE104へ電力を供給しないようにする。存在する電気的コードは、故障したグリッドから建物の負荷を電気的に分離する分離スイッチを必要とする。これらのコードは、建物又は負荷側にエネルギーを与える緊急発電機を起動するより前に、グリッド108からのそのような分離を必要とする。例示的実施形態において、EVSE104は、分離スイッチから分離に係る必須の照合を処理し、且つEVE102に、それがその後電力発生源となるべきであることを信号で送る。
【0125】
標準の分離スイッチ又は変形の分離スイッチは、グリッド電力が失われたことを検出し、建物/家または負荷をグリッド108から切断し、且つこの分離が、EVSE104と接続された、例えば「発電機起動」とラベル付けされたワイヤを介して実現されることを信号で送るように用いることができる。EVSE104は、静的なEVSE属性、例えば、資格のある電気技術者が、その分離スイッチが正しく設置され、正しくEVSE104に接続され、且つ場合によっては中心タップ変成器が以下に述べられるように提供されていることを確認していることを示す「緊急電力フラグ」を設定することにより、緊急電力を使用するように構成することができる。さらに、発生の準備ができていることを信号で伝えるために、例えば(1)「発電機起動」又は分離スイッチからの同様の信号がオンであることを示す動的EVSE属性、(2)中心タップ変成器がコンタクタにより接続されていることを示す動的EVSE属性、及び(3)現在、プラグが差し込まれている自動車がこのタイプの発生モードの能力があることを示す動的EVSE属性の三つの動的属性が用いられてもよい。他のEVSE属性のように、これらの静的属性及び動的属性は、EVE102に送信される。本発明の一例示的実施形態では、これらのEVSE属性が正しく設定されない場合と、分離スイッチが働いていることを示す属性がオンであることが継続していない場合は、EVE102は、自動車に電力を生成するように指示しない。単相の、中心タップ中性電気的接続の、EVSE回路の最大出力と同じ電力定格である中心タップ240Vインダクタが、EVSE104に追加されてもよい。中心タップ240Vインダクタは、通常、コンタクタ又はリレーによりEVSE104から切断することができる。グリッド統合された自動車が緊急電力を供給されると、インダクタはその自動車から240VACと交わるように接続することができる。この構成により、240ボルトを供給するが中心タップ中性を持たない自動車が、中心タップ中性建物電気システムへ給電することを可能にする。当業者は、本明細書の記載から、三相の建物がY構成又はデルタ構成の対応する変成器を同様に用いることができることを理解するであろう。
【0126】
ステップ810において、EVE102は、EVSE104に電力を供給する。例示的実施形態において、VL103は、例えば電力異常のイベントで、例えば家に電力を供給するために、EVSE104に電力を配信するようにPEM204に指示する。
【0127】
ステップ812において、EVE102は、緊急電力の供給を終了すべきか否かを判定する。例示的実施形態において、VL103は、異常が検出された場合、グリッド電力が検出された場合、又はバッテリ充電が閾値、例えば15%を下回った場合、EVE102は緊急電力の供給を停止すべきと判定する。EVE102が、緊急電力の供給を継続すべきと判定した場合、処理はステップ806に進む。
【0128】
ステップ814において、EVE102は、電力の供給を中止する。例示的実施形態において、VL103は、PEM204に、EVE102からEVSE104への電力の供給を中止するように、又はEVE102からEVSE104へ電力を供給しないように指示する。低バッテリのために、閾値に到達した場合、さらに、VL103は、バッテリの電力を保持するために、EVE102の電源を切ってもよい。
【0129】
本発明に係る実施形態は、グリッド統合された自動車への電力の制御について示されるが、VL103は、蓄積能力を持ち、且つエネルギーが蓄積部から引き出される必要がある時についてのいくらかの予測可能性を持つ他の装置を制御するために用いられてもよい。例えば、本発明に係る実施形態は、同様に(寒い気候での)予測可能な使用がされ、グリッドサービスを提供するために適時のエネルギー入力により(熱で)充電することができるスペースヒーター蓄積部又は暖炉蓄積部に適用されてもよい。そのような実施形態では、熱蓄積部は、スペースヒーター蓄積部への一方向の電力フローのみが供給され、熱蓄積部から電気が抽出されないように構成されてもよい。本発明に記載されるように、EVE102は、旅行に係るバッテリ容量、時期及び期間の予測の代わりに、例えばパラメータ、逆方向のフロー制限をゼロに設定する等の適応をして動作する。逆に、EVE102は、建物又は居住者についての、例えば暖房、冷房、温水又は皿洗い等の熱サービスの必要性を予測する。エネルギー蓄積部を伴う他の建物の電気使用、ひいては、例えば冷却又は水の加熱等の可能性の管理は、同様にVL103により制御されうる。
【0130】
図6図8を参照して上記のステップを実行するEVE102内部のVL103を構成するための例示的アルゴリズムがここに提供される。
VLの例示的アルゴリズム
EVSEに自動車のプラグが差し込まれた時に起動される処理
パイロット信号を介してEVSEの電力容量を受信する。
EVSEが通信しているか。
その場合、EVSE属性を取得し、自動車属性をEVSEに送信する。
そうでない場合、属性としてデフォルトを使用する。
EVSEの電力容量、EVEの電力容量、EVSE属性、バッテリ(kWh)及び充電の状態、運転スケジュール等に基づいて、充電及び放電の電力容量(kW)を算出する。
EVSE属性内にグリッド配置があるか。
その場合、EVSEからグリッド配置を処理する。
そうでない場合、GPSの位置を取得し、近似の位置パラメータを推定する。
電気的アカウント、充電ベンダー等がEVSEから取得できるか。
その場合、アカウント及び承認を取得する。
そうでない場合、充電はOKか、支払いは必要か/必要でないか、許可された逆方向の供給、グリッド電力が失われた時の動作、要求されるアグリゲーションサーバ、ローカルIPアドレスを含む、EVSEからの不確かな承認処理時に記録されたアカウントについての最良の推定を行う。
EVSEはローカルのアグリゲータを必要とし、且つ運転手は承認された代用品を有するか。
その場合、ローカルのアグリゲーションサーバとの通信を試みる。
そうでない場合、自動車の通常のアグリゲーションサーバの使用を試みる。
任意のアグリゲータとの接続は確立されたか。
その場合、
接続モード(リアルタイムのコマンド及び報告)。
通常のアグリゲータか。
その場合、プライベートデータの送信を許可する。
そうでない場合、データの送信を制限する。
そうでない場合、自立モード(例えば、データのログを取る)。
アグリゲータに接続したときの接続モード
アグリゲーションサーバとハンドシェイクする。
プライベートデータの送信は許可されているか。
その場合、VL上の運転スケジュールとアグリゲーションサーバとを同期する。
アグリゲーションサーバに、前の充電についての、又は切断中のグリッドサービスについての任意の保存されたデータを送信する。
運転スケジュール、EVE及びEVSE属性等に基づいて、現在利用可能な電力容量を決定する。
電力容量をアグリゲーションサーバに報告する。
繰り返し
アグリゲータから発送信号を受信する。
VMSにバッテリを充電又は放電するように命令する。
もたらされるグリッドへの電力フロー/グリッドからの電力フローを測定する。
電力フローをアグリゲータに報告する。
前のn個のレスポンス、充電に係るバッテリ状態等に基づいて、報告された電力容量を調整する。
アグリゲータが切断する、自動車のプラグが抜ける、グリッド電力が失われる、又は異常が発生する時まで
EVSEにプラグが差し込まれているが、アグリゲーションサーバには接続されない自立モード
自立モードに入る。
全ての自動発電制御(AGC)サービスをオフに切り替える。
充電、例えばローカル周波数の検出及び訂正、無効電力等のローカルの検出に基づくサービスの提供を含むローカル情報に基づいてグリッドサービスをオンに切り替える。
繰り返し
時刻、運転スケジュール及びサービスに基づいて充電/放電する。
可能な限り、ローカルグリッドサービスを提供する。
再接続した時の次の報告ための全てのトランザクションのログを取る。
アグリゲータと再接続する、又はEVSEからプラグが抜ける時まで
グリッド電力が失われた時の処理
EVEからグリッドへの任意の電力フローを停止する(孤立防止の保護)。
緊急電力は承認されていないか。
その場合、自動車の電力を停止する。
そうでない場合、
繰り返し
グリッドからの建物の分離が確認されたか。
その場合、EVEから建物へエネルギーを与える。
異常が発生する、又は建物が分離されなくなる、又はグリッド電力が回復する、又はバッテリが低下しすぎるまで
VLのアルゴリズム終了
【0131】
図9は、本発明の側面に従った電力フローを管理するための、EVSEにより取られる例示的ステップに係るフローチャート900である。
【0132】
ステップ902において、EVSE104は、EVSE属性を保持する。例示的実施形態において、EVSE属性を保持することは、静的EVSE属性の初期化及び承認された職員によるデジタル署名、並びにEVSEのマイクロプロセッサ304による動的EVSE属性の更新を含んでもよい。
【0133】
ステップ904において、EVSE104は、EVE102との通信を確立する。例示的実施形態において、EVSE104は、EVE102のVL103との通信を確立する。ステップ906において、EVSE104は、保持されたEVSE属性をEVE102に送信する。例示的実施形態において、EVSE104は、EVSE属性をEVE102のVL103に送信する
【0134】
図10は、EVSE104の観点から、電力フローを管理するためにEVSE104をEVE102と接続するための例示的ステップに係るフローチャート1000である。
【0135】
ステップ1002において、EVSE104は、プラグの差し込みイベントを検出する。例示的実施形態において、EVSE104は、EVSE104の対応するコネクタ350により、例えばピン350eにより生成されるプラグ存在信号に基づいて、EVEコネクタ250の存在を検出する。プラグの差し込みが検出されると、処理はステップ1004に進む。そうでなければ、EVSE104は、プラグの差し込みイベントを待ち続ける。
【0136】
ステップ1004において、EVSE104は、EVE102との通信を確立する。例示的実施形態において、通信は、上記した方法のうちの一つに従って確立される。
【0137】
ステップ1006において、EVSE104は、属性を送信する。例示的実施形態において、マイクロプロセッサ304は、メモリ306からEVSE属性を読み出し、EVSE属性をVL103に送信する。さらに、EVSE104は、EVE102からEVE属性を受信し、それらをEVSEのメモリ306に格納する。
【0138】
ステップ1008において、EVSE104は、支払いが必要であるか否かを判定する。支払いが必要でない場合、処理はステップ1012に進む。支払いが必要である場合、処理はステップ1010に進む。
【0139】
ステップ1010において、EVSE104は、充電が承認されているか否かを判定する。例えば、アカウント番号の検索、カードを通すこと、コインの預け入れ等に応じて、充電が承認されている場合、処理はステップ1012に進む。充電が承認されていない場合、EVSE104は、承認を待つ。例示的実施形態において、EVSE104は、承認を受けていない場合、例えば、自動車内の運転手に表示するためのメッセージをEVE102に送信することにより、又はEVSE104に関連付けられた(図示しない)ディスプレイにメッセージを表示し、代わりの支払い方法を待つことにより、自動車の利用者に警告してもよい。
【0140】
ステップ1012において、EVSE104は、コネクタにエネルギーを与える。例示的実施形態において、マイクロプロセッサ304は、コンタクタ302を閉じることにより、コネクタ350にエネルギーを与える。選択的に、EVSE104は、エネルギーの使用量を記録する。例示的実施形態において、マイクロプロセッサ304は、コンタクタ302が閉じている期間内のエネルギーの使用量を記録する。さらに、自動車により駐車の特権のためにグリッドサービスが提供されている場合、EVSE104はこれを記録してもよい。また、選択的に、EVSEは、充電ベンダーに周期的に報告してもよい。
【0141】
ステップ1014において、EVSE104は、コネクタへのエネルギーを断つ。例示的実施形態において、マイクロプロセッサ304は、コンタクタ302を開くことにより、コネクタ350へのエネルギーを断つ。選択的に、EVSE104は、記録された使用量のログを取る。例示的実施形態において、マイクロプロセッサ304は、メモリ306に、記録された使用量のログを取る。EVSE104は、例えば、駐車中等の正味のエネルギーの使用等、全ての電力フローのトランザクションを算出してもよい。
【0142】
ステップ1016において、EVSE104は、記録された使用量を充電ベンダーに送信する。例示的実施形態において、マイクロプロセッサ304は、記録された使用量をメモリ306から読み出し、充電ベンダーに送信する。さらに、EVSE104は、切断、並びに算出された全てのエネルギーのトランザクション情報を充電オペレーター及び駐車オペレーターに報告してもよい。
【0143】
図10を参照して上記のステップを実行するようにEVE104を構成するための例示的アルゴリズムがここに提供される。
【0144】
EVSEの接続の例示的アルゴリズム
【0145】
例示的実施形態において、EVSEは、以下の三つのパートのアルゴリズムで自動車と通信する。自動車のプラグの差し込み及び切断は、イベント駆動型である。
自動車のプラグの差し込み時
制御線上の通信(例えば、シリアルエンコード、CANバス又は単線のイーサーネット)があるか。
その場合、EVSE属性をVLに送信し、EVE属性を受信する。
支払いは必要ないか。
その場合、自動車に電力を与える。
そうでない場合、
自動車、運転手によるローカル動作(例えば、カードを通すこと、コインの預け入れ)からの承認、又は充電ベンダーからの承認を待つ。
承認されたか。
その場合、自動車に電力を与える。
そうでない場合、運転手に対してメッセージを書き込み、駐車オペレーターに警告する。
自動車にエネルギーを与えることが成功した時
承認された時に、充電及び/又はグリッドサービスのためのルートを提供する。
EVSEは測定しているか。
その場合、充電ベンダーに周期的に報告する。
自動車は、駐車のためのグリッドサービスを提供しているか。
その場合、駐車オペレーターに周期的に報告する。
自動車の切断時
自動車のコネクタへのエネルギーを断つ。
EVSEが測定している場合、駐車中の正味のエネルギーの使用等、全てのトランザクションを算出する。
EVSEは容量を伝達しているか。
その場合、切断及び全てのトランザクションを充電ベンダー及び駐車オペレーターに報告する。
次の自動車のプラグが差し込まれるのを待つ。
EVSEのアルゴリズム終了
【0146】
図11は、アグリゲーションサーバ106の観点から、電力フローを管理するようにEVSE102をアグリゲーションサーバ106と接続するための例示的ステップに係るフローチャート1100である。
【0147】
ステップ1102において、アグリゲーションサーバ106は、起動し、ステップ1104において、アグリゲーションサーバ106は、設定パラメータをロードする。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバ106は、ローカルの記憶装置のDSOマップから、登録された充電位置のリスト(DSO位置及びアカウント)、(アカウントを持つ)登録されたVL103のリスト、及びそれぞれ登録されたVL103についてのアカウント番号、並びに予測された次の旅行とも呼ばれる最新の既知の運転スケジュールをロードする。さらに、アグリゲーションサーバは、インターネットを越えて、TSOから(グリッドサービスの購入者の名前、市場の規則及び信号送信の規則を)、DSOから(更新されたDSO回路及びシステムマップ、並びにスイッチの状態を)、且つ/又はIPPから(発電機の状態、蓄積する資源を必要とする発電機を)読み出してもよい。
【0148】
ステップ1106において、アグリゲーションサーバ106は、自動車から接続リクエスト(つまり、コールインリクエスト又はリダイヤル/再接続リクエスト)を受信する。
【0149】
ステップ1108において、アグリゲーションサーバ106は、EVE属性を含むEVE動作パラメータを受信する。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバ106は、EVE動作パラメータをVL103から受信する。例示的実施形態において、EVE属性は、一意的なEVE ID、一意的なEVSE ID、及びEVEのアルゴリズムのステップ618及び628で算出される全ての動作パラメータを含む。
【0150】
ステップ1110において、アグリゲーションサーバ106は、一つ以上のEVE属性及びEVE動作パラメータを集約する。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバ106は、電力容量、バッテリエネルギー、バッテリ空き空間及び運転スケジュール情報を集約する。
【0151】
ステップ1112において、アグリゲーションサーバ106は、一つ以上の接続されたEVEに係る集約から、全利用可能容量を予測する。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバ106は、接続された各EVEのエネルギー、空き空間及びスケジュールに基づいて、全利用可能容量を予測する。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバ106は、例えば6分、10分、15分、1時間、2時間等、特定の時間のブロックにおいて利用できる可能性のあるEVE102を特定する。アグリゲーションサーバ106は、例えば、自動車が月曜日の午後2時10分に旅行のスケジュールがされている場合、スケジュールされたブロックの後すぐにグリッド108から切断されるようにスケジュールされている自動車を使用しないことを選択してもよい。アグリゲーションサーバ108は、将来の時間のブロックにおいて、たとえ、ステップ1112が実行される時間に接続されていないとしても、運転スケジュールに基づいて、利用できるように予測された自動車の容量を含んでもよい。アグリゲーションサーバ106は、その後、各時間のブロックの間に利用できる自動車からの容量を合計する。例えば、アグリゲーションサーバ106は、特定の時間帯の間、例えば月曜日の午後2時と午後3時の間のカレンダー情報に基づいて、利用できる各自動車からの、例えば電力、バッテリ充電、バッテリの空き空間等の容量を合計することができる。例えば、1200台の自動車があり、それらのうちの1000台が月曜日の午後2時と午後3時の間に利用可能であると予測され、各自動車は、その時間帯の間に平均して10kWの供給能力がある場合、全予測電力容量は、10MWとなる。さらに、アグリゲーションサーバ106は、それらが利用できることをそれらのスケジュールが示すブロックの時間に切断されうる自動車を考慮しつつ(つまり、計画されていない旅行及び予測されない旅行)、信頼性のある電力容量の提示を達成するために、全容量からいくらかのパーセンテージ、例えば15%を減少させてもよい。例えば、10MWの全容量は、報告される全利用可能容量として、8.5MWに減少されてもよい。パーセンテージの調整は、アグリゲーションサーバが過去にグリッドへ容量を供給できたことと、提示した容量の供給に失敗したペナルティの量とに基づいて決定することができる。例えば、全利用可能容量について、発送時の99.9パーセントを搬送した場合、減少のパーセンテージは(例えば、10%まで)減らしてもよい。他方、全利用可能容量について、発送時の10パーセントの搬送に失敗した場合、減少のパーセンテージは(例えば、25%まで)大きくしてもよい。
【0152】
ステップ1114において、アグリゲーションサーバは、予測された全利用可能容量のための市場を特定する。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバ106(又はそのオペレータ)は、各時間のブロックにおいて集約されたEVEの容量を使用で満たすことができるグリッドサービスのために取得できる最高価格を決定するように、利用可能な市場情報を解析する。
【0153】
ステップ1116において、アグリゲーションサーバ106は、全利用可能容量を一つ以上の特定された市場に提示する。
【0154】
ステップ1118において、アグリゲーションサーバ106は、提示された全利用可能容量がグリッド108により受け入れられたか否かを判定する。グリッド108がその提示を受け入れた場合、提示された全利用可能容量を、発送のためにグリッド108に登録して、処理はステップ1120に進む。アグリゲーションサーバによる処理は、その後、図13を参照して記載されるフローチャート1300のステップに従って、進められる。グリッドがその提示を受け入れなかった場合、他の市場を特定するために、処理はステップ1114に戻る。
【0155】
図12は、アグリゲーションサーバ106の観点から、グリッド108からEVE102を除外させるための例示的ステップに係るフローチャート1200を示す。
【0156】
ステップ1202において、アグリゲーションサーバ106は、自動車がまだ接続されているか否かを判定する。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバ106は、VL103との通信が損失した場合、又は閾値の期間、全く情報を受信しなかった場合、自動車が切断されていると判定する。自動車がもはや接続されていない場合、処理はステップ1204に進む。そうでなければ、アグリゲーションサーバは、フローチャート1100及びフローチャート1300に係るステップに従って、処理を継続している間、自動車から切断されるのを待つ。
【0157】
ステップ1204において、アグリゲーションサーバ106は、(図11の)ステップ1110の集約の算出から、その自動車を除外する。
【0158】
図13は、アグリゲーションサーバ106の観点から、自動車の全利用可能容量を発送するための例示的ステップに係るフローチャート1300である。
【0159】
ステップ1302において、アグリゲーションサーバ106は、グリッド108が発送信号を発行しているか否かを判定する。例示的実施形態において、グリッドの発送信号は、TSO、DSO又はIPPから受信される。グリッド108が発送信号を発行している場合、処理はステップ1304に進む。そうでなければ、アグリゲーションサーバは発送信号を待つ。
【0160】
ステップ1304において、アグリゲーションサーバ106は、接続された自動車の間で発送されるべき容量を割り当てる。例えば、グリッド108からの発送信号が10,000ワットを要求しており、それらがそれぞれ1,000ワットを供給できることを示している20台の車が存在する場合、アグリゲーションサーバは、接続された自動車のそれぞれに500ワットを割り当てることができる。より完全な例示的実施形態において、割り当ては、運転スケジュール及びグリッド配置を含む、他のEVE属性及び動作パラメータに基づいてなされてもよい。
【0161】
ステップ1306において、アグリゲーションサーバ106は、各自動車に割り当てられた容量をその自動車に発送する。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバ106は、割り当てられた容量に従って、VL103に発送コマンドを発行する。
【0162】
ステップ1308において、アグリゲーションサーバ106は、自動車から報告を受信する。自動車の報告は、例えば実際に搬送されるワットを含んでもよい。実際に搬送されるワットが、割り当てられた量を下回る場合、アグリゲーションサーバは、ステップ1304において、自動車の間で再割り当てを試みる。
【0163】
ステップ1310において、アグリゲーションサーバ106は、ステップ1308で受信した報告を合計し、ステップ1312で、グリッド108、例えば発送リクエストを発行した、例えばTSO,DSO又はIPP等のグリッドオペレーターに報告を送信する。
【0164】
ステップ1314において、アグリゲーションサーバ106は、搬送された、集約された電力が発送リクエストを満たすのに十分であるか否かを判定する。例示的実施形態において、アグリゲーションサーバは、全容量を報告内で特定される実際の容量と比較する。発送が十分である場合、次の発送のために、処理はステップ1302に進む。発送が十分でない場合、アグリゲーションサーバ106がグリッド108から発送された量を満たすように利用可能容量の再割り当てを試みるとともに、処理はステップ1304に進む。市場の規則に従って、より長期間、例えば15分から1時間にわたる、ステップ1314で判定されたような不十分な発送は、ステップ1116においてグリッドに提示される容量の低下につながる。
【0165】
図11図13を参照して上記のステップを実行するようにアグリゲーションサーバ106を構成するための例示的アルゴリズムがここに提供される。
グリッド統合された自動車のアグリゲータの例示的アルゴリズム
アグリゲーションサーバの最上位の記述は、サーバの起動(ブート)と、三つの異なる動作ループからなる。各動作ループについて、括弧内におおよそのタイミングが与えられる。その三つのループは、排他的である必要はなく、例えばそれらは適切なセマフォを用いて同時に実行することができる。
サーバ起動(ブートアップ又は新しいプログラムのロード)
第2記憶装置から(例えばそのハードディスクから)以下をロードする。
DSOマップ。
DSO位置及びアカウントを持つ、登録された充電位置のリスト。
アカウントを持つ、登録されたVLのリスト。
各VLに対する、アカウント番号、及び最新の既知の運転スケジュール。
インターネットを介して外部に接続し、以下をロードする。
TSO:グリッドサービスの購入者の名前、及び市場/信号送信の規則。
DSO:更新されたDSO回路及びシステムマップ、並びにスイッチの状態。
IPP:発電機の状態、蓄積する資源を必要とする発電機。
自動車/VLの登録及び登録取消しのループ(イベント駆動)
アグリゲーションサーバへのVLのコールイン、又はリダイヤル/再接続時、
以下のVLの動作パラメータを受信し、ローカルに格納する。
車ID、EVSE ID、グリッド配置、電力容量、バッテリエネルギー(大きさ及び現在の充電状態)、予測される次の使用、バッファの範囲等。
グリッドサービスに利用できる時間を算出する。
このVLが提示できる電力容量を算出し、どのくらい長いかを推定する。
サーバの集約された容量にこのVLを含める。
以前に接続されていたVLからの接続が損失した時、
サーバの集約された容量からその車の容量を除外する。
容量の計画及び提示のループ(例えば、1時間毎のループ)
自動車の容量の算出を更新する。
領域当たりの全自動車の容量を集約する。
予測を実行し、次の一時間又は対象期間の固定容量を算出する。
代替の可能性のある市場を評価する。
最適な市場又は最適な数の市場を決定する。
市場に容量を提示する。
提示が受け入れられたか。
その場合、受け入れられた提示を発送のために登録する。
「容量の計画及び提示のために」ループの先頭に戻る。
発送のためのループ(例えば、1秒毎のループ)
TSO、DSO又はIPPからの信号の発送を待つ。
TSO/DSO/IPPから信号が発送された時、
以下の全てを考慮して、自動車の間のレスポンスを割り当てる。
次の旅行の時刻。
過去の経験及びアルゴリズムの評価に基づく、エラーのためのマージン。
例えば、正しいTSO、ローカル価格のノード、変電所又は配電給電線における、地域的又はローカルにしてもよいレスポンスの割り当て。
割り当てられた各VLへのコマンドにより電力を発送する。
割り当てリスト内の各VLから報告を受信する。
地域的且つローカルのグリッド配置により、VLからの報告を合計する。
レスポンスが請求された容量と等しくない場合、登録された容量を更新する。
TSO、DSO及び/又はIPPに搬送される、集約された電力についての報告を送信する。
「発送信号を待つ」に戻る。
注意:発送のループの一変形は、夜の充電を含む裁定取引(arbitrage)である。この変形では、発送は対価によりなされ、タイミングは重要でなくてもよく、報告は任意としてもよく、又は決算もしくは請求書の発送の期間の終わりまで遅らされてもよい。
集約のアルゴリズム終了
【0166】
本発明は、特定の実施形態を参照してここに説明され、記載されたが、本発明は、示された詳細な記述に限定されることは意図されない。逆に、本発明から逸脱することなく、請求項の範囲、及び請求項の均等の範囲内で、様々な改良が詳細な記述になされてもよい。
図1
図2
図2a
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13