【実施例】
【0016】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、全体として縦長の矩形状に構成されており、遊技者がパチンコ機10の前面に向かう姿勢でパチンコ遊技を行うことができるよう、パチンコ球の発射操作を行うための操作ハンドル17が前面右下部に設けられている。このパチンコ機10には、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤13(
図2参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組付けられると共に、遊技盤13の後側に、図柄を変動表示可能な表示手段としての図柄表示装置18(
図3参照)が着脱し得るよう配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤13を透視可能に保護する透明板(透明部材)14aを窓部に備えた装飾枠としての前枠14が開閉可能に組付けられると共に、該前枠14の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿16が開閉可能に組付けられる。なお、実施例では、前枠14の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿15が一体的に組付けられており、前枠14の開閉に合わせて上球受け皿15も一体的に開閉するよう構成される。また実施例では、前記図柄表示装置18としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
【0017】
前記前枠14には、
図1に示す如く、下球受け皿16の右側方に、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する前記操作ハンドル17が設けられる。この操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿15に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤13に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー17aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー17aを操作して回動量を調節することで、前記遊技盤13に形成された第1経路30a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤13に形成された第2経路30b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。また、前枠14の上部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ163が配設されており、該スピーカ163から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置18での図柄変動演出に合わせて音声演出を行い得るよう構成されている。
【0018】
(遊技盤13について)
前記遊技盤13は、
図2および
図3に示すように、前面(盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域13aが画成されたベニヤ板からなる平板状の板部材であって、該遊技盤13の裏側に、光透過性の合成樹脂材により前方へ開口した箱状に形成されて、前記図柄表示装置18や後述する可動演出装置E等が配設される設置部材(設置部)19が配設されている。遊技盤13および設置部材19は、正面視における外郭形状が略整合する大きさおよび形状に形成されて、遊技盤13の後面に設置部材19を取着した状態で、設置部材19が遊技盤13の後面を全面的に覆うよう構成されている。なお、遊技盤13をアクリルやポリカーボネート等の合成樹脂材により光透過性を有するよう形成してもよい。この場合には、設置部材19を不透明な合成樹脂材により形成することで、裏側の構成をパチンコ機10前方から視認し難くしておくことが好ましい。
【0019】
図2および
図3に示すように、前記遊技盤13の前面には、左側部の上下隅部に第1および第2盤面保護部材20a,20bが夫々配設されると共に、右側部において上下隅部に亘るように第3盤面保護部材20cが配設されている。これら第1〜第3盤面保護部材20a,20b,20cの夫々は、遊技盤13の中心側を向く内縁が円弧状に形成されており、該第1〜第3盤面保護部材20a,20b,20cの内縁に沿って配設された略円形状に湾曲形成された案内レール21および第3盤面保護部材20cにより、パチンコ球が流下可能な遊技領域13aが画成されている。案内レール21は、第1盤面保護部材20aの下端部から第2盤面保護部材20bおよび第3盤面保護部材20cの上端部の内縁に沿って配設されて、遊技盤13の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール21aと、第3盤面保護部材20cの下端部から左側の外レール21aの内側に配置されて、遊技盤13の右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール21bとから構成される。また、内レール21bは、外レール21aとの間に1個のパチンコ球が通過可能な発射通路22を画成するよう配設されると共に、該内レール21bは、
図2に示す如く、前記遊技盤13の左上部に開放端を臨ませるよう構成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が発射通路22の下方開口から飛翔して、内レール21bの開放端側から遊技領域13a内に打ち出されるようになっている。実施例では、案内レール21および第3盤面保護部材20cが、パチンコ球が流下可能な遊技領域13aを画成するレール部として機能する。
【0020】
前記遊技盤13には、前後に貫通する装着口23a,23b,23c,23dが前記遊技領域13a内に複数開設されて(
図4参照)、各装着口23a,23b,23c,23dに対して各種の遊技部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域13aの最下部位置には、該遊技領域13aに打ち出されたパチンコ球を排出する第1アウト口24が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤13に対して取り付けられる各種の遊技部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
【0021】
図2および
図3に示すように、前記遊技盤13には、前記遊技領域13a内に多数の遊技釘25が設けられると共に、後述する枠状装飾体29の左側方に、遊技領域13aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材26が回転自在に支持されており、遊技釘25や回転案内部材26との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材26は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材26の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。
【0022】
(枠状装飾体29について)
前記遊技盤13には、前記案内レール21および第3盤面保護部材20cで囲まれた前記遊技領域13aの略中央の大部分が開口する第1装着口23aに、前後に開口する窓口(開口部)29aが形成された枠状装飾体(装飾体)29が取り付けられて、該枠状装飾体29の窓口29aを介して図柄表示装置18の表示部18aが遊技盤13の前面側に臨むよう構成される。枠状装飾体29は、前記第1装着口23aに沿って延在する環状に形成された薄板状の台板29bと、該台板29bの開口内周に沿って後方へ突出する内周壁部と、該台板29bの開口内周に沿って設けられて、遊技盤13の前面より前方へ突出する庇部29dとを備える(
図2参照)。そして、枠状装飾体29は、第1装着口23a内に内周壁部を挿入した状態で、遊技盤13に台板29bが前側からネジ止めされて、該枠状装飾体29の外側、具体的には庇部29dと案内レール21および第3盤面保護部材20cの間にパチンコ球が流下する流下経路30a,30bが画成されるようになっている。なお、枠状装飾体29を遊技盤13に取り付けた状態で、庇部29dの後端縁から外方に延出する台板29bが遊技盤13の前面に沿って延在して、該台板29bの前側をパチンコ球が通り得るようになっている。枠状装飾体29は、前記台板29b、内周壁部および庇部29dの夫々が一体に樹脂形成される構成であっても、別部材として形成される構成であってもよい。
【0023】
前記枠状装飾体29の庇部29dは、枠状装飾体29(台板29b)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、前記図柄表示装置18における表示部18aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。また庇部29dは、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域13aに打ち出されたパチンコ球が庇部29d上で滞ることなく枠状装飾体29の左側方または右側方へ誘導案内されるよう形成されている。すなわち、枠状装飾体29の外側に画成される流下経路30a,30bは、
図2に示す如く、該枠状装飾体29の左側方をパチンコ球が流下する第1経路30a、および枠状装飾体29の右側方をパチンコ球が流下する第2経路30bに分かれており、前記打球発射装置により遊技領域13a内に発射されたパチンコ球は、到達位置に応じて枠状装飾体29および内レール21bの間に形成される第1経路30aか、或いは枠状装飾体29および第3盤面保護部材20cの間に形成される第2経路30bの何れかを流下するよう構成される。
【0024】
前記枠状装飾体29には、
図2に示す如く、窓口29aの下側(枠状装飾体29の内周下縁部)に、ステージ31が配設されると共に、窓口29aの左側に、前記第1経路30a(遊技領域13a)に開口して該第1経路30aを流下するパチンコ球を枠状装飾体29の内側(ステージ31)に取り込む球導入部32が設けられ、該球導入部32がステージ31に連通するよう構成される。そして、球導入部32からステージ31に通出されたパチンコ球は、ステージ31上を左右に転動した後に、後述する各入賞口53a,53bが設けられている遊技領域13aに排出される。
【0025】
(始動入賞装置52について)
前記遊技盤13に配設される前記始動入賞装置52は、前記第1装着口23aの下方に穿設された第2装着口23bに前側から着脱自在に配設される始動口飾り52aに、始動入賞口53a,53bが上下の位置関係で2つ設けられている。ここで、上側に位置する第1始動入賞口53aは、遊技領域13a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされている。また、下側に位置する第2始動入賞口53bは、始動口飾り52aに前後方向へ揺動可能に配設された開閉部材54によって開閉するよう構成されており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド55(
図25参照)の駆動に伴って開閉部材54が第2始動入賞口53bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。すなわち、実施例において前記第1始動入賞口53aは、前記遊技領域13aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口53bは、始動入賞ソレノイド55を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。なお、開閉部材54を閉鎖位置から開放位置に変位して第2始動入賞口53bを開放する開放条件および開閉部材54を開放位置から閉鎖位置に変位して第2始動入賞口53bを閉鎖する閉鎖条件としては、開閉部材54が開放位置に変位している継続時間(第2始動入賞口53bの開放時間)が挙げられるが、その他の条件を設定してもよい。
【0026】
また、前記始動入賞装置52は、前記第1および第2始動入賞口53a,53bに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出スイッチ56a,56b(
図25参照)が設けられている。前記始動入賞検出スイッチ56a,56bは、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御手段57(
図25参照)に配線接続されており、該始動入賞検出スイッチ56a,56bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口53a,53bへのパチンコ球の入賞)を契機として所定数の賞球が払い出されるようになっている。また、始動入賞検出スイッチ56a,56bによるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口53a,53bへのパチンコ球の入賞)に伴って各種情報が取得され、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置18において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示部160A,160Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置18での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置18に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って後述する特別入賞装置90を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。ここで、実施例では、前記始動入賞検出スイッチ56a,56bが始動入賞口53a,53b毎が設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口53aに対応するスイッチを第1始動入賞検出スイッチ56aと指称し、第2始動入賞口53bに対応するスイッチを第2始動入賞検出スイッチ56bと指称するものとする。また、メイン制御手段57は、第1始動入賞検出スイッチ56aまたは第2始動入賞検出スイッチ56bからの検出信号を受信すると、図示しない球払出装置を制御して所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球球数は、パチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
【0027】
(第1サイド装飾体58について)
前記遊技盤13の第1経路30aにおいて内レール21bに沿って形成される第3装着口23cに配設される前記第1サイド装飾体58には、
図2に示す如く、第1経路30a(遊技領域13a)を流下するパチンコ球が通過可能な第1球通過ゲート67が着脱自在に取り付けられており、該第1球通過ゲート67をパチンコ球が通過したことを第1球通過検出スイッチ69Aが検出するよう構成される。第1球通過検出スイッチ69Aは、前記メイン制御手段57に配線接続されており(
図25参照)、該第1球通過検出スイッチ69Aは、パチンコ球の通過を検出して球検出信号をメイン制御手段57に出力するようになっている。そして、第1球通過検出スイッチ69Aからメイン制御手段57への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り抽選(後述)が行われ、該普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置52の始動入賞ソレノイド55が駆動制御されて開閉部材54が開閉動作するようになっている。また、第1サイド装飾体58には、前記第1球通過ゲート67の配設位置より下方に、複数の第1普通入賞口73が設けられている。なお、実施例では、3つの第1普通入賞口73が、前記始動入賞装置52に近づくにつれて下方に位置する階段状に配置されている。
【0028】
前記各第1普通入賞口73に入賞したパチンコ球は、該パチンコ球の球排出経路に設けた第1普通入賞検出スイッチ74a(
図25参照)によって検出可能に構成されている。この第1普通入賞検出スイッチ74aは、前記メイン制御手段57に配線接続されており、該第1普通入賞検出スイッチ74aからメイン制御手段57への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。
【0029】
(第2サイド装飾体75について)
前記遊技盤13の第2経路30bにおいて前記第3盤面保護部材20cに沿って形成される第4装着口23dに配設される第2サイド装飾体(飾り部材)75は、
図2に示す如く、第2経路30b(遊技領域13a)を流下するパチンコ球が通過可能な第2球通過ゲート80が着脱自在に取り付けられており、該第2球通過ゲート80をパチンコ球が通過したことを第2球通過検出スイッチ69Bが検出するよう構成される。第2球通過検出スイッチ69Bは、前記メイン制御手段57に配線接続されており(
図25参照)、該第2球通過検出スイッチ69Bは、パチンコ球の通過を検出して球検出信号をメイン制御手段57に出力するようになっている。そして、第2球通過検出スイッチ69Bからメイン制御手段57への球検出信号の入力(すなわちパチンコ球の検出)に伴って普図当り抽選(後述)が行われ、該普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置52の始動入賞ソレノイド55が駆動制御されて開閉部材54が開閉動作するようになっている。
【0030】
前記第2サイド装飾体75には、前記第2球通過ゲート80の配設位置より下方に、第2普通入賞口88および第2アウト口89が設けられている。第2普通入賞口88に入賞したパチンコ球は、球排出経路に設けられた第2普通入賞検出スイッチ74b(
図25参照)によって検出可能に構成されている。この第2普通入賞検出スイッチ74bは、前記メイン制御手段57に配線接続されており、該第2普通入賞検出スイッチ74bからメイン制御手段57への球検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。
【0031】
前記第2サイド装飾体75には、前記第2普通入賞口88より下方位置に、特別入賞装置90が配設されている。この特別入賞装置90は、特別入賞口85を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉部材)92を備え、駆動手段としての特別入賞ソレノイド93を駆動することで、開閉扉92が特別入賞口85を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。実施例では、前記開閉扉92は下端部を中心として前後方向へ揺動することで特別入賞口85を開閉するよう構成されており、起立した閉鎖位置から前側に傾斜した開放位置に変位することで該開閉扉92は遊技領域13aに延出して上方から流下してくるパチンコ球を受けて特別入賞口85に案内し得るよう構成される。
【0032】
前記特別入賞装置90は、前記特別入賞口85に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出スイッチ95を備えている。特別入賞検出スイッチ95は、前記メイン制御手段57に配線接続されており(
図25参照)、特別入賞検出スイッチ95がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御手段57に出力し、メイン制御手段57の制御下に予め設定された数の賞球が払い出されるようになっている。なお、前記特別入賞ソレノイド93は、前記始動入賞装置52へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞装置90を開放する当り遊技(大当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御手段57によって駆動制御される。
【0033】
ここで、前記特別入賞装置90では、前記特図当り抽選に当選して「大当り」の発生時に行われる大当り遊技において、前記特別入賞口85へのパチンコ球の入賞が阻まれる不利な第1状態(特別入賞口85の開閉扉92による閉鎖)と、特別入賞口85へのパチンコ球の入賞が許容される第2状態(特別入賞口85の開閉扉92による開放)とに変動されるラウンド遊技を繰返すよう構成される。ここで、特別入賞装置90におけるラウンド遊技とは、不利な第1状態から有利な第2状態に移行し、再び不利な第1状態に移行するまでを云い、大当り遊技において予め決定された継続回数のラウンド遊技が繰返されるようになっている。また、ラウンド遊技において第1状態から第2状態への移行は、第1状態から第2状態へ移行してからの第2状態の継続時間(特別入賞口85の開放時間)、または第2状態での特別入賞口85へのパチンコ球の入賞数(特別入賞検出スイッチ95による設定数のパチンコ球の検出)の何れかが、予め設定された値となったことを条件として行われる。
【0034】
(設置部材19について)
前記設置部材19は、
図3に示す如く、矩形状の背壁19aと、該背壁19aの周縁から前方へ向けて突出する囲い壁19bとから前方に開口する矩形箱状に形成された部材であって、該設置部材19は、囲い壁19bの前縁から外側方へ延在するフランジ19cを遊技盤13の後面に当接した状態で該遊技盤13に取り付けられる(
図7参照)。また、背壁19aには、該背壁19aの後面に配設された前記図柄表示装置18の表示部18aを前方へ露出させる設置開口部19dが形成されている。そして、設置部材19の内側(図柄表示装置18より前側)に、動作によって演出を行う可動演出装置Eが配設されており、該可動演出装置Eは、図柄表示装置18の表示部18aで表示される図柄変動演出に関連して動作可能に構成されている。
【0035】
(可動演出装置Eについて)
前記設置部材19に配設された可動演出装置Eは、
図13に示す如く、設置部材19の背壁19aに対して前後方向の軸回りに回動自在に支持された枠状の装置本体(可動体)104と、該装置本体104を揺動する第1駆動手段としての第1駆動モータ(駆動手段)105とを備える。第1駆動モータ105が設置部材19に配設されると共に、該第1駆動モータ105により回転駆動される駆動ギヤ106が、装置本体104の外周に形成された歯部107に噛合しており、第1駆動モータ105の正転駆動および逆転駆動によって、駆動ギヤ106を介して装置本体104が時計方向および反時計方向に所定角度範囲で回動するよう構成される。また、可動演出装置Eは、装置本体104に、後述する第1動作演出装置N1および第2動作演出装置N2が配設されており、装置本体104と共に両動作演出装置N1,N2も回動するようになっている。実施例では、後述する原点用センサ116で装置本体104に設けた原点用の原点用検出片104cを検出する原点位置を基準として、時計方向への回転を正回転と指称すると共に反時計方向への回転を逆回転と指称するものとする。
【0036】
前記装置本体104は、
図5,
図6に示す如く、略円盤状の前壁の外周縁から後方に側壁が延出する前半体108と、該前半体108と同じく略円盤状の後壁の外周縁から前方に側壁が延出する後半体109とを前後に組み付けることで構成される。前半体108の前壁および後半体109の後壁には、前後方向に貫通する開口が形成されており、両開口を合わせた装置本体104の開口部104aを介して前記図柄表示装置18の表示部18aが前側に臨むよう構成される。以後の説明においては、装置本体104の開口部104aについて、可動体開口部104aと指称する場合がある。可動体開口部104aは、
図9に示す如く、略矩形状に形成されており、装置本体104は全体として枠状になっている。すなわち、前記第1駆動モータ105を駆動することで装置本体104の枠部分は、可動体開口部104aを介して表示部18aが前側に臨む領域の周りを回動するようになっている。実施例では、可動体開口部104aで画成されて表示部18aが前側に臨む領域が演出領域となっている。なお、前記装置本体104の可動体開口部104aは、設置部材19の設置開口部19dより小さく設定されて、装置本体104を後述する第1位置(
図14)と第2位置(
図15)との間で揺動する際に、可動体開口部104aが設置開口部19dの外側にはみ出すことがないよう設定される。
【0037】
前記装置本体104は、前半体108と後半体109との間に、第1動作演出装置N1の後述する可動部材119を収容可能な収容空間(収容部)S1,S2,S3,S4が画成される。なお、以後の説明において、可動体開口部104aの上、下、左、右の夫々に画成される収容空間を区別する場合には、上収容空間S1、下収容空間S2、左収容空間S3、右収容空間S4と指称する場合がある。また、実施例では前半体108は、可動体開口部104aの上側に位置する部材と、可動体開口部104aの左右および下側に位置する2つの部材から構成されているが、1つの部材で構成されたものであってもよい。
【0038】
(第1ローラ111について)
前記装置本体104における上側の外周および下側の外周には、
図13に示す如く、円弧状に形成された円弧状部110,110が所定角度範囲で形成されている。これに対し、前記設置部材19には、設置開口部19dの上側および下側に、装置本体104の円弧状部110に当接可能な複数のローラ111,113が回転自在に枢支されており、設置部材19に対して装置本体104は、複数のローラ111,113に支持されて前後方向の回動軸(揺動軸)回りに揺動し得るよう構成される。装置本体104に配設されるローラ111,113には、該装置本体104に対して定位置で回転するよう配設される第1ローラ111と、装置本体104に対して前後方向の回動軸と交差する方向に変位可能に配設される第2ローラ113とがあり、これら第1ローラ111および第2ローラ113によって装置本体104が回転案内されるようになっている。
【0039】
前記円弧状部110には、装置本体104の外周から径方向外方に突出するレール部110aが形成されており、該レール部110aの外周面に複数の前記第1ローラ111が当接して支持されるよう構成される。設置部材19における設置開口部19dの上側に配設される第1ローラ111は、ローラ本体の軸方向の一端(後端部)に径方向外方にフランジ部が延出する鍔付きローラであって、該第1ローラ111は、フランジ部が上側の円弧状部110のレール部110aにおける後側の側面に当接可能な状態で円弧状部110を支持しており、該フランジ部によって装置本体104の後方への変位を規制するよう構成される。これに対し、設置部材19における設置開口部19dの下側に配設される第1ローラ111は、ローラ本体の軸方向の両端に径方向外方にフランジ部が夫々延出する鍔付きローラであって、該第1ローラ111は、両フランジ部が下側の円弧状部110のレール部110aにおける前後の側面に当接可能な状態で円弧状部110を支持しており、両フランジ部によって装置本体104の前後方向の変位を規制するよう構成している。なお、実施例では、下側の第1ローラ111は、軸方向の一端にフランジ部を設けた一対の鍔付きローラを1本の軸に配設して構成されて、両鍔付きローラのフランジ部をレール部111aを挟む前後両側に位置させている。
【0040】
(第2ローラ113について)
前記設置部材19には、前記設置開口部19dの下側に配設した2つの第1ローラ111,111の間に、該設置部材19に配設された弾性部材112によって常に装置本体104の円弧状部110に向けて付勢される第2ローラ113が配設されている。実施例では、装置本体104に一端部がネジ止め固定された可橈性を有する弾性部材112の自由端側に第2ローラ113が回転自在に枢支されており、該弾性部材112自体の弾性によって第2ローラ113は円弧状部110に押付けられるように構成される。前記装置本体104における下側の円弧状部110には、
図8に示す如く、第2ローラ113が係合可能な位置決め凹部110bが径向外方に開放するように形成されており、装置本体104が後述する原点位置に臨む状態で、位置決め凹部110bに第2ローラ113が弾性部材112の付勢下に係合するよう構成される。なお、実施例では下側の円弧状部110におけるレール部110aの後側に臨む外周面に位置決め凹部110bが形成されており、第2ローラ113が設置部材19の背壁19aとレール部110aとの間に臨むことで、該第2ローラ113が前後方向に変位するのを防ぐようになっている。前記位置決め凹部110bは、上側に円弧状に凹む形状に形成されると共に、該位置決め凹部110bの周方向の端部と円弧状部110との連接部はなだらかに接続するように弧状に形成されている。これにより、位置決め凹部110bに第2ローラ113が位置した状態で、該第2ローラ113を安定して支持し得ると共に、装置本体104を回転する際には、大きな抵抗を与えることなく第2ローラ113の位置決め凹部110bからの移動を可能としている。
【0041】
(ガイド部材114,115について)
前記設置部材19における設置開口部19dの上側に、装置本体104の前側に臨む第1ガイド部材114が配設されている。この第1ガイド部材114の後側に前記上側の第1ローラ111が回転自在に支持されており、該第1ローラ111のフランジ部と第1ガイド部材114とによって、装置本体104の前後方向の変位を規制するよう構成される。また、設置部材19における上右隅部に、装置本体104の外周に形成されて径方向外方に延出する突片104bの前側に臨む第2ガイド部材115が配設されている。すなわち、設置部材19に対して装置本体104の上部は、複数のガイド部材114,115によって前方への変位が規制されるようになっている。
【0042】
(可動演出装置Eの位置検出手段について)
前記第1ガイド部材114に、原点用センサ(位置検出手段)116および移動位置用センサ117が周方向に離間して配設されている(
図13参照)。両センサ116,117としては、発光部と受光部とを備えるフォトセンサや磁気センサ等の種各のセンサを用いることができる。前記装置本体104における可動体開口部104aの上側に臨む前面に、前側に向けて突出する原点用検出片104cおよび移動位置用検出片104dが周方向に離間して設けられている(
図5参照)。両検知片104c,104dは、前記センサ116,117により検出可能な位置に設けてある。そして、原点用検出片104cが原点用センサ116で検出される位置が、装置本体104の原点位置(
図13)として設定されている。なお、装置本体104の原点位置において移動位置用検出片104dは、移動位置用センサ117より右側で該移動位置用センサ117で検出されない位置に臨むよう構成される。そして、装置本体104が原点位置から時計方向に回転して、原点用検出片104cが移動位置用センサ117で検出される位置が、装置本体104の第1位置(
図14)として設定されると共に、装置本体104が原点位置から反時計方向に回転して、移動位置用検出片104dが移動位置用センサ117で検出される位置が、装置本体104の第2位置(
図15)として設定される。そして、後述するサブ制御手段162は、各センサ116,117が検出片104c,104dを検出したときに第1駆動モータ105を停止制御することで、装置本体104を原点位置、第1位置および第2位置に位置決め停止し得るようになっている。言い替えれば、原点用センサ116の検出状態では、装置本体104が原点位置にあることをサブ制御手段162が認識し、原点位置から第1駆動モータ105を正転駆動して移動位置用センサ117が検出状態となったときには装置本体104が第1位置にあることをサブ制御手段162が認識し、原点位置から第1駆動モータ105を逆転駆動して移動位置用センサ117が検出状態となったときには装置本体104が第2位置にあることをサブ制御手段162が認識し得るようになっている。
【0043】
(第1動作演出装置N1について)
前記装置本体104に配設される前記第1動作演出装置N1は、発光用基板(電気部品,発光装置)118を内蔵した第1可動部材(可動部材)119と、該第1可動部材119を待機位置(第1位置)および作動位置(第2位置)の間を往復移動させる駆動機構120とを備える。第1動作演出装置N1は、駆動機構120の駆動に応じて、第1可動部材119が前記図柄表示装置18の表示部18aに沿って移動するよう構成されている。すなわち、第1可動部材119は、装置本体104の回動軸線と交差する方向に移動するようになっている。そして、第1可動部材119の待機位置では、
図9(a)に示す如く、可動体開口部104aから退避して前記収容空間S1,S2,S3,S4に収容されることで前半体108の裏側に略全体が隠れるように位置して、前記図柄表示装置18の表示部18aの略全体が可動体開口部104aを介して前側から視認可能となる状態となる(
図2参照)。一方、第1可動部材119の作動位置では、
図9(b)に示す如く、収容空間S1,S2,S3,S4から出て可動体開口部104aに略全体が臨むように位置して、前記図柄表示装置18の表示部18aの前側に重なることで、可動体開口部104aを介して表示部18aが前側から視認可能な領域を狭める状態となるよう構成されている(
図21参照)。すなわち、第1可動部材119は、回動軸線から離間して表示部18aの前側(演出領域)から退避する待機位置(第1位置)と、回動軸線に近接して表示部18aの前側(演出領域)に延出する作動位置(第2位置)との間を往復移動するよう構成される。
【0044】
(第1可動部材119について)
前記第1可動部材119は、
図10に示す如く、実施例では4つの遮蔽部材121,121,122,122から構成されており、各遮蔽部材121,121,122,122に、LED等の発光体を実装した発光用基板118が夫々配設されている。4つの遮蔽部材121,121,122,122は、上下で対をなす第1遮蔽部材121,121と、左右で対をなす第2遮蔽部材122,122とからなる。第1遮蔽部材121,121は、装置本体104に対して上下方向に移動可能に支持されており、駆動機構120の駆動に応じて相互に近接離間するよう構成される。そして、両第1遮蔽部材121,121は、相互に離間することで、前記上収容空間S1および下収容空間S2に収容されて前半体108の裏側に略全体が隠れる待機位置(第1位置)に臨むと共に、相互に近接することで上収容空間S1および下収容空間S2から延出することで、前記表示部18aの前側に重なって該表示部18aの一部を隠す作動位置(第2位置)に臨むようになっている。第1遮蔽部材121,121は、略矩形状に形成されて、その長手が装置本体104の可動体開口部104aにおける上下に対向する縁部に沿って延在する姿勢で、相互に近接離間移動するようになっている(
図10,
図11参照)。
【0045】
また、略矩形状に形成された前記第1遮蔽部材121,121は、その長手寸法が前記枠状装飾体29の窓口29aの横幅と略同じか長く設定されており、該第1遮蔽部材121,121の作動位置では窓口29aに臨む表示部18aの上側部分および下側部分が第1遮蔽部材121,121によって隠されるよう構成される(
図21参照)。なお、第1遮蔽部材121,121の前面に複数のランプレンズが設けられると共に、該第1遮蔽部材121,121に内蔵した発光用基板118には各ランプレンズに対応する位置に発光体が実装されており、該発光体を発光することで各ランプレンズを介して第1遮蔽部材121,121を発光装飾し得るようになっている。
【0046】
前記第2遮蔽部材122,122は、装置本体104に対して前後方向の回動軸回りに回動可能に支持されており、前記駆動機構120の駆動に応じて縦向き姿勢と横向き姿勢とに変化するよう構成される。第2遮蔽部材122,122は、
図10に示す縦向き姿勢において、前記左収容空間S3および右収容空間S4に収容されて前半体108の裏側に略全体が隠れる待機位置(第1位置)に臨むと共に、該第2遮蔽部材122,122は、
図11に示す横向き姿勢において、左収容空間S3および右収容空間S4から延出して前記表示部18aの前側に重なって該表示部18aの一部を隠す作動位置(第2位置)に臨むようになっている。第2遮蔽部材122,122は、略矩形状に形成される本体部122aの長手方向の一端に略直交するように腕部122bが連設されて、全体が略L字状に形成されており、腕部122bの延出端部が、待機位置の第1遮蔽部材121,121の外側方において装置本体104に回動可能に支持されている。そして、第2遮蔽部材122,122では、本体部122aの長手方向が上下方向に延在する姿勢が縦向き姿勢(
図10参照)で、本体部122aの長手方向が左右方向に延在する姿勢が横向き姿勢(
図11参照)となっている。
【0047】
また、各第2遮蔽部材122における本体部122aの長手方向の寸法が、前記第1遮蔽部材121の長手方向の寸法の略半分に設定されており、両第2遮蔽部材122,122が横向き姿勢(作動位置)となったときに、
図21に示す如く、両本体部122a,122aの長手方向の他端(自由端)が略隙間なく突き合わさって表示部18aを左右方向の全幅に亘って隠し得るよう構成される。また、第2遮蔽部材122,122の作動位置では、作動位置に至った下側の第1遮蔽部材121の上側に略隙間なく平行に位置するよう構成されて、表示部18aの下部側を2つの第2遮蔽部材122,122と下側の第1遮蔽部材121とで隠すよう構成される。但し、第1遮蔽部材121,121および第2遮蔽部材122,122の作動位置において、上側の第1遮蔽部材121と第2遮蔽位置122,122とは離間し、第1遮蔽部材121と第2遮蔽位置122,122との隙間を介して表示部18aが部分的に前側に臨んで、該隙間に臨む表示部18aで変動表示される図柄変動を前側から視認可能に構成されている。
【0048】
ここで、前記第1動作演出装置N1における第1可動部材119の遮蔽部材121,121,122,122が待機位置と作動位置との間を移動することで、これら遮蔽部材121,121,122,122の間に画成される隙間の形状(姿勢)が変化する。そして、作動位置に移動した遮蔽部材121,121,122,122の間に画成される隙間から表示部18aが視認可能となるよう構成されており、実施例では遮蔽部材121,121,122,122の間に画成される隙間が表示部18aで実行される図柄変動(表示演出)が視認可能な変化演出領域と指称するものとする。また、遮蔽部材121,121,122,122の間に画成される隙間の正面から見える形は、該遮蔽部材121,121,122,122の姿勢によって変化するようになっている。すなわち、前記装置本体104の原点位置では、
図13,
図21に示す如く、上下の遮蔽部材121,121の対向する端縁は略水平となっており、該姿勢を基準姿勢と指称する。これに対し、装置本体104の第1位置では、
図14,
図22に示す如く、上下の遮蔽部材121,121の対向する端縁は右下がりに傾斜しており、該姿勢を右傾斜姿勢と指称し、装置本体104の第2位置では、
図15,
図23に示す如く、上下の遮蔽部材121,121の対向する端縁は左下がりに傾斜しており、該姿勢を左傾斜姿勢と指称する。また、以後の説明において、前記基準姿勢、右傾斜姿勢および左傾斜姿勢とは、第2遮蔽部材122,122も含めた第1可動部材119の姿勢として指称するものとする。
【0049】
前記第2遮蔽部材122の腕部122bには、駆動機構120の後述する係合突部132aが摺動自在に係合する長孔122cが形成されている(
図10(a),
図11(a)参照)。第2遮蔽部材122は、本体部122aの前面に複数のランプレンズが設けられると共に、該本体部122aに内蔵した発光用基板118には各ランプレンズに対応する位置に発光体が実装されており、該発光体を発光することで各ランプレンズを介して本体部122a(第2遮蔽部材122)を発光装飾し得るよう構成されている。
【0050】
(駆動機構120について)
前記駆動機構120は、
図5,
図6,
図10,
図11に示す如く、正逆回転可能な回転軸を備える第2駆動モータ(第2駆動手段)123と、該第2駆動モータ123の回転軸に固着される駆動ギア124と、該駆動ギア124の回転に応じて作動する動力伝達機構125とから構成されている。前記上側の第1遮蔽部材121の左右方向の両端に、上下方向に延在する第1ラック126が夫々設けられると共に、各第1ラック126に噛合する駆動ピニオン127が前記装置本体104に回動自在に枢支されている。また、装置本体104における可動体開口部104aより上側位置に、左右方向に延在するシャフト128が回転自在に枢支されると共に、該シャフト128の軸方向の両端に対応する駆動ピニオン127に噛合する伝達ギヤ129が一体回転可能に配設されている。一方の伝達ギヤ129は、前記駆動ギヤ124に噛合しており、第2駆動モータ123を正転方向および逆転方向に回転することで、駆動ギヤ124および伝達ギヤ129を介して一対の駆動ピニオン127,127が正転方向および逆転方向に回転し、該駆動ピニオン127,127に噛合する第1ラック126,126を介して上側の第1遮蔽部材121が上下方向に往復移動するよう構成される。なお、第2駆動モータ123は、装置本体104における上部右隅部に設けられている。
【0051】
前記各第1ラック126の下端に、装置本体104における可動体開口部104aより外側方位置において上下方向に移動自在に支持されている第2ラック130の上端部が接続されている。また、装置本体104における可動体開口部104aより外側方位置に、第2ラック130に噛合する伝達ピニオン131が回転自在に枢支されると共に、該伝達ピニオン131を挟んで第2ラック130と反対側に該第2ラック130と平行な第3ラック132が上下方向に移動自在に支持されており、第3ラック132も伝達ピニオン131に噛合している。そして、可動体開口部104aを挟む左右両側に位置する第3ラック132,132の下端部が、前記下側の第1遮蔽部材121の左右両端部に接続されている。すなわち、第2駆動モータ123の正転回転および逆転回転によって上側の第1遮蔽部材121と共に第2ラック130,130が上下方向に移動して伝達ピニオン131,131が回転されることで、第3ラック132,132に接続する下側の第1遮蔽部材121が上側の第1遮蔽部材121に対して相互に近接・離間するように上下方向に移動する。実施例では、第1ラック126,126、駆動ピニオン127,127、伝達ギヤ129,129、第2ラック130,130、伝達ピニオン131,131および第3ラック132,132から動力伝達機構125が構成されている。
【0052】
前記各第3ラック132の下端部に、前方に向けて係合突部132aが突設されており、該係合突部132aが、対応する第2遮蔽部材122の長孔122cに摺動自在に挿通されている。すなわち、第3ラック132が上下方向に移動することで、係合突部132cに長孔122cを介して係合する第2遮蔽部材122が待機位置と作動位置との間を揺動するよう構成される。実施例では、係合突部132aが最下端に至ったときに、
図10に示す如く、上下の第1遮蔽部材121,121が相互に離間して待機位置に位置すると共に、第2遮蔽部材122,122が縦向き姿勢となる待機位置に位置し、係合突部132aが最上端に至ったときに、
図11に示す如く、上下の第1遮蔽部材121,121が相互に近接して作動位置に位置すると共に、第2遮蔽部材122,122が横向き姿勢となる作動位置に位置するようになっている。なお、第2遮蔽部材122,122は、相互に近接・離間移動する一対の第1遮蔽部材121,121の間を揺動する際に、各第1遮蔽部材121,121と干渉しないよう構成されると共に、作動位置においては下側の第1遮蔽部材121の上側に略隙間なく位置するよう構成されている。
【0053】
前記下側の第1遮蔽部材121の上面には、
図10(b)に示す如く、後縁部から上方に突出する規制壁121aが設けられており、前記作動位置において第2遮蔽部材122における本体部122aの下端部が規制壁121aの前側に重なるように構成されている。すなわち、装置本体104に対して腕部122bが片持ち支持されている第2遮蔽部材122の自由端部側である本体部122aが後方に変位するのを規制壁121aで規制し得るようになっている。
【0054】
前記一方(第2駆動モータ123の配設側とは反対側)の第1ラック126に検出片126aが設けられると共に、該検出片126aを検出可能な位置センサ(電気部品)133が装置本体104に配設されている。実施例では、第1遮蔽部材121(第1可動部材119)が待機位置に臨む状態で、位置センサ133が検出片126aを検出するよう構成される。そして、位置センサ133が配線を介して接続されるサブ制御手段162は、位置センサ133が検出状態となったときに第1遮蔽部材121(第1可動部材119)が待機位置にあることを認識し、この状態で第2駆動モータ123を停止制御することで、該第1遮蔽部材121(第1可動部材119)を待機位置に位置決め停止し得るよう構成される。なお、第2駆動モータ123としてはパルスモータが用いられており、位置センサ133が検出片126aを検出している位置を基準として、サブ制御手段162が第2駆動モータ123をパルス制御することで、第1遮蔽部材121(第1可動部材119)を作動位置に位置決め停止し得るよう構成される。
【0055】
(第2動作演出装置N2について)
前記装置本体104には、可動体開口部104aより右外側位置に第2動作演出装置(演出装置)N2が配設されている。第2動作演出装置N2は、
図12に示すように、発光用基板(電気部品,発光装置)134を内蔵した第2可動部材(第2の可動部材)135と、該第2可動部材135を待機位置および作動位置の間を往復移動させる第3駆動モータ(第3駆動手段,電気部品)136と、該第3駆動モータ136および第2可動部材135が配設される台座部137とを備えてユニット化されており、台座部137を装置本体104の前面(前半体108)に位置決め固定することで第2動作演出装置N2が装置本体104に取り付けられる。第2動作演出装置N2は、第3駆動モータ136の駆動に応じて、第2可動部材135が装置本体104(前半体108)の前側を前記図柄表示装置18の表示部18aに沿って揺動するよう構成されている。また、第2可動部材135は、待機位置において前半体108における可動体開口部104aより右側部分の前側に略全体が位置するのに対し、作動位置では可動体開口部104aの前側に延出して図柄表示装置18の表示部18aの前側に重なるように位置して、該第2可動部材135によって表示部18aの一部を隠し得るよう構成されている(
図25参照)。なお、第2可動部材135の待機位置において、
図2に示す如く、該第2可動部材135の一部が前記枠状装飾体29の窓口29aの内側に臨んで前側から視認可能に構成してある。
【0056】
ここで、前記第2動作演出装置N2を装置本体104の前面に配設することで、該第2動作演出装置N2の第2可動部材135は、装置本体104の内部(前半体108と後半体109との間)に配設された前記第1動作演出装置N1の第1可動部材119とは前後の関係で位置し、該第2可動部材135の動作時には第1可動部材119の前側を移動するよう構成される。具体的には、第1可動部材119が作動位置に位置する状態において、
図13,
図21に示す如く、待機位置の第2可動部材135は前記可動体開口部104aに延出している下側の第1遮蔽部材121および第2遮蔽部材122,122の前側に重ならず、該第2可動部材135が作動位置に移動することで、
図24に示す如く、可動体開口部104aに延出している下側の第1遮蔽部材121および第2遮蔽部材122,122の前側に重なるようになっている。
【0057】
前記第2可動部材135は、前記台座部137に長手方向の一端が前後方向に延在する揺動軸を介して回動自在に枢支された第1可動体139と、該第1可動体139の延出端部に前後方向の軸回りに回動自在に枢支された第2可動体140とで構成される。第1可動体139の基端部には、前記揺動軸138を中心とする円弧状に形成されたギヤ部が設けられ、該ギヤ部が台座部137に回動自在に枢支された駆動ギヤに噛合するよう構成される。この駆動ギヤは、台座部137に配設された前記第3駆動モータ136に連結されており、第3駆動モータ136の正転駆動および逆転駆動によって、駆動ギヤを介して第2可動部材135が揺動軸を中心として所要角度範囲で揺動するよう構成される。実施例の第2可動部材135は、第1可動体139が腕、第2可動体140が手を模した形状に形成されて、第2可動部材135が待機位置から作動位置に移動することで、作動位置に臨む前記第1可動部材119に向けてパンチを繰り出す形態を表わし得るようになっている。なお、第1可動体139および第2可動体140は、表面が光透過性の樹脂材料により形成されている。また、第1可動体139および第2可動体140の夫々に、LED等の発光体を実装した前記発光用基板134が内蔵されており、該発光体を発光することで可動体139,140を発光装飾し得るよう構成される。
【0058】
前記第1可動体139の内部に、該第1可動体139の動作に連動して第2可動体140を作動するリンク機構が配設されており、第1可動体139が揺動する所定時期にリンク機構によって第1可動体139に対して第2可動体140が更に揺動する動作を行い得るよう構成してある。なお、第1可動体139に対して第2可動体140を回動自在に枢支する軸に対して第2可動体140は遊嵌されており、リンク機構によって第2可動体140は前後方向に傾くように揺動することで、前記図柄表示装置18の表示部18aに対して前後方向に近接離間するよう構成されている。また、第1可動体139には、右端部に板金部材139bが配設されている。
【0059】
前記台座部137には、待機位置の第2可動部材135における第1可動体139の右側方に臨む位置に磁石142が配設されており、該磁石142に、待機位置に到達した第2可動部材135(第1可動体139)の前記板金部材139bが磁力吸着されることで、該第2可動部材135を確実に待機位置で保持し得るよう構成される(
図12(b)参照)。また、台座部137には、第1可動体139に設けた検出片を検出可能なフォトセンサ等の原位置センサ(電気部品)143(
図25参照)が配設されており、該原位置センサ143は前記サブ制御手段162に配線を介して接続されている。そして、原位置センサ143が検出片を検出する位置が第2可動部材135の待機位置とされており、検出片を原位置センサ143が検出している状態では、第2可動部材135が待機位置にあることをサブ制御手段162が認識し、この状態で第3駆動モータ136を停止制御することで、該第2可動部材135を待機位置に位置決め停止し得るよう構成される。なお、第3駆動モータ136としてはパルスモータが用いられており、原位置センサ143が検出片139cを検出している位置を基準として、サブ制御手段162が第3駆動モータ136をパルス制御することで、第2可動部材135を作動位置に位置決め停止し得るよう構成されている。
【0060】
(第1引張りコイルバネ144について)
前記可動演出装置Eでは、装置本体104に、前記第2動作演出装置N2が可動開口部104aの右側、すなわち装置本体104の回動中心(揺動中心)から側方に偏倚する位置に配設されることで(
図13参照)、当該装置本体104の重心は、揺動中心から側方に偏倚するようになっている。すなわち、前記設置部材19に対して装置本体104は、重心から偏倚した位置で前後方向の軸回りに回動可能に支持されており、当該装置本体104に外力が加わらない状態では、第2動作演出装置N2の配設部位が下方(重心が回動中心の直下)に位置する姿勢で安定し、前記原点位置では常に装置本体104は自重によって第1位置に向けて回動する力が加わっている。実施例では、重心から偏倚した位置で回動軸回りに回動可能に支持された装置本体104の構成において、該装置本体104を原点位置に保持するための手段として第1引張りコイルバネ(付勢手段)144が設けられている。
【0061】
すなわち、
図13に示す如く、前記設置部材19における原点位置の装置本体104の第2動作演出装置N2が配設されている位置の上方である右上隅部に、固定側バネ係止部145が設けられ、該固定側バネ係止部145に一端が係止された第1引張りコイルバネ144の他端が、装置本体104の重心が偏倚する側である右側部に設けた可動側バネ係止部146に係止(連繋)されている。第1引張りコイルバネ144の付勢力は、装置本体104を軸回りの一方、実施例では逆転方向に移動する向きに作用するよう構成される。そして、第2動作演出装置N2を回動中心に対して偏倚して配設することにより装置本体104を軸回りの他方、実施例では正転方向に移動する向きに作用する力と、第1引張りコイルバネ144の付勢力とが均衡した状態で、当該装置本体104が原点位置に保持されるよう構成してある。
【0062】
ここで、前記装置本体104の原点位置では、該装置本体104の重心は、右側部に偏倚しており、装置本体104を原点位置から第1位置に移動することで重心は下方に移動し、原点位置から第2位置に移動することで重心は上方に移動するようになっている。そして、前記第1引張りコイルバネ144は、装置本体104が原点位置から第1位置に移動することで重心が下方に移動する際には下方に引っ張られることで(
図14参照)、該装置本体104を原点位置に向けて付勢する付勢力が大きくなる。これに対し、装置本体104が原点位置から第2位置に移動することで重心が上方に移動する際には、該装置本体104の自重によって正転方向に移動する力と均衡していた第1引張りコイルバネ144は徐々に縮むことで付勢力が減少するようになっている(
図15参照)。そして、実施例では、装置本体104の第2位置において、第1引張りコイルバネ144による装置本体104を逆転方向に移動する付勢力がなくなるように設定されている。
【0063】
(可動側中継基板147について)
前記可動演出装置Eの前記装置本体104における下部収容空間S2に、可動側中継基板147が配設されており、該可動側中継基板147に、前記装置本体104に配設された電気部品である前記第3駆動モータ136、第1可動部材119および第2可動部材135に配設された各発光用基板118,134、位置センサ133、原位置センサ143に接続する各配線がコネクタ接続されている。そして、該可動側中継基板147にコネクタ接続される中継用配線が、前記設置部材19に配設した固定側中継基板(基板)148にコネクタ接続されるよう構成される。なお、実施例では前記第2駆動モータ123に一端がコネクタ接続される配線は、可動側中継基板147を介することなく直接固定側中継基板148にコネクタ接続されている。実施例では、可動側中継基板147にコネクタ接続される複数の中継用配線および第2駆動モータ123にコネクタ接続される配線は、後述する配線保持部材149によって纏められた後に固定側中継基板148まで引き回されるようになっているので(
図13参照)、これら複数の中継用配線および配線が纏められた配線群について配線Hとして指称する場合がある。
【0064】
前記装置本体104の前半体108における前壁の下部収容空間S2に対応する位置に、配線用開口108aが前後方向に開放するよう形成されている(
図6参照)。また前壁には、配線用開口108aの前側を覆うように配線保持部材149が配設されており、前記可動側中継基板147に一端がコネクタ接続された複数の中継用配線は、配線用開口108aを介して下部収容空間S2から前方に引き出された後に、配線保持部材149で纏められるように構成される。また、前記第2駆動モータ123にコネクタ接続される配線についても、装置本体104の収容空間内を引き回された後に配線用開口108aを介して下部収容空間S2から前方に引き出されて、配線保持部材149で中継用配線と纏められている。そして、配線保持部材149で纏められた配線Hは、該配線保持部材149の左端部から左方に引き出されるよう構成されている。
【0065】
(固定側中継基板148について)
前記設置部材19の裏側には、設置開口部19dの下側における左右方向の略中央位置に固定側中継基板148が配設されており、該固定側中継基板148に、前記配線Hがコネクタ接続される。そして、該固定側中継基板148に接続する中継用配線が、前記サブ制御手段162に接続されるようになっている。なお、設置部材19の背壁19aには、後述する配線保持ユニット150の配設位置から右方(固定側中継基板148の配設側)に離間する位置に、
図13に示す如く、前後方向に開放する配線用の挿通口19eが形成されており、該配線保持ユニット150を経た配線Hは、設置部材19の背壁19aの前側を挿通口19eまで引き回された後に、該挿通口19eを介して設置部材19の裏側に引き出されて固定側中継基板148に接続されるように構成される。
【0066】
(配線保持ユニット150について)
図13に示す如く、前記設置部材19の背壁19aにおける左下隅部の前側に、配線保持ユニット150が配設されている。この配線保持ユニット150は、
図16,
図17に示す如く、前方に開口する箱状に形成されたベース部材152と、該ベース部材152の前開口を塞ぐようにベース部材152に着脱自在に取り付けられるカバー部材(画成部材)153とからユニット本体151が構成されており、配線保持ユニット150は、ユニット本体151が設置部材19に対して着脱自在に配設されるように構成してある。ベース部材152は、板状の基壁152aの外周縁に前方に延出する側壁152bを立設して箱状に形成されており、板状のカバー部材153の裏面を側壁152bの前面に当接した状態で該カバー部材153をベース部材152に取り付けることで、両部材152,153の間(ユニット本体151内)に前記配線Hが引き回される引回し空間154を画成するよう構成される。
【0067】
前記ベース部材152の基壁152aは、
図16に示す如く、右上部において右方に延出する延出部152cが設けられ、該延出部152cにおける上端縁および右端縁においては側壁152bが形成されておらず、これによってユニット本体151に、右上隅部において上方および右方に開口する第1配線挿通口155が形成される。また、延出部152cの下側に臨む基壁152aの右下部において側壁152bが所定長さで切欠かれており、これによってユニット本体151に、右下部において右方に開口する第2配線挿通口156が形成される。すなわち、ユニット本体151には、該ユニット本体151の設置部材19の配設位置に対して前記配線保持部材149および固定用中継基板148を向く側に、上下に離間して配線挿通口155,156が設けられている。そして、前記配線保持部材149で纏められた配線Hは、ユニット本体151に対して第1配線挿通口155から引回し空間154に導入されると共に、第2配線挿通口156を介して引回し空間154から導出されて、その後に前記固定側中継基板148まで引き回されるよう構成される。なお、第1配線挿通口155は、
図13に示す如く、前記装置本体104の原点位置において、配線保持部材149の略真横に位置しており、配線保持部材149から右方向に引き回される配線Hは略真っ直ぐな状態で第1配線挿通口155から引回し空間154に導入されるようになっている。
【0068】
(配線支持部材157について)
前記配線保持ユニット150に、前記引回し空間154に導入された配線Hを支持する配線支持部材157が配設されている。すなわち、配線支持部材157は、
図16,
図17に示す如く、前記配線保持部材149で纏められた配線Hが、前記固定用中継基板148に接続されるまでの引回し経路に配設され、該引回し経路を引き回される配線Hの途中を該配線支持部材157で支持し得るよう構成される。この配線支持部材157は、前記ベース部材152の基壁152aに突設した軸部152dに回転自在に枢支されている。なお、軸部152dは、前記可動演出装置Eにおける装置本体104の回動軸線(揺動軸線)と平行に延在しており、配線支持部材157は、装置本体104と平行な軸回りに回動可能に構成されている。
【0069】
前記配線支持部材157は、前記軸部152dに枢支される枢支部157aと、該枢支部157aにおける後端(基壁側)から径方向外方に延在する保護壁(保護部)157bと、該保護壁157bにおける延出端部(配線支持部材157の自由端部)において前方に突出する支持部157cとを基本的に備えている。前記軸部152dは、ベース部材152における第2配線挿通口156が形成される右側の側壁152bから内側(左方)に所定長さだけ離間した位置において、第1配線挿通口155および第2配線挿通口156の間に臨んでおり、引回し空間154を引き回される配線Hにおける両配線挿通口155,156の間に臨む部位を前記支持部157cで支持可能に構成されている。具体的には、第1配線挿通口155から引回し空間154に導入された配線Hは、
図13に示す如く、配線支持部材157における支持部157cの左側を引き回された後に第2配線挿通口156から外部に引き出されている。すなわち、引回し空間154を引き回される配線Hにおける配線保持部材149を向く側が支持部157cに当接支持されるようになっている。
【0070】
前記配線支持部材157には、前記枢支部157aと支持部157cとの間に、前記保護壁157bから前方に突出する支持壁157dが設けられている。この支持壁157dは、
図13に示す如く、前記装置本体104が原点位置(待機位置)に位置する状態を基準として、第1配線挿通口155から離間する方向に凸となる弧状に形成されている。また支持部157cの前端には、前記カバー部材153に形成された長孔153aを介して前方(外方)に突出する突出部157eが設けられている。カバー部材153の前側には、長孔153aから左方に離間する位置(配線挿通口155,156から離間する位置)に係止部153bが設けられており、該係止部153bに一端が係止された付勢手段としての第2引張りコネルバネ158の他端が、長孔153aから前方(外方)に突出する突出部157eに係止(連繋)されている。そして、配線支持部材157は、第2引張りコイルバネ158の付勢力によって常には支持部157cが第1配線挿通口155から離間する方向に付勢されるようになっている。すなわち、第1配線挿通口155から引回し空間154に導入されて第2配線挿通口156から外部に導出される配線Hの途中を支持部157cで支持している配線支持部材157を、第2引張りコイルバネ158の付勢力によって該支持部157cで支持している配線Hを張った状態とする方向に付勢するよう構成される。また、第2引張りコイルバネ158を、
図18,
図19,
図20に示す如く、配線保持ユニット150において配線Hが引き回される引回し空間154の外側に配置することで、該第2引張りコイルバネ158と配線Hとの干渉を防止するようになっている。なお、カバー部材153には、第1配線挿通口155からの離間距離が異なるように複数の係止部153bが設けられており、第2引張りコイルバネ158の一端を係止する係止部153bを変えることで、配線支持部材157に作用する付勢力を調節し得るよう構成してある。
【0071】
前記カバー部材153に形成される長孔153aは、第1配線挿通口155に対する近接離間方向(配線支持部材157の支持部157cの移動方向)に延在すると共に、前記配線支持部材157が軸部152dを中心として所定角度囲範で揺動する際の突出部157eの軌跡と干渉しない形状に形成されている。言い替えると、長孔153aにおける長手方向の両端部に突出部157eが当接して位置規制される範囲において、配線支持部材157が揺動し得るようになっている。そして、配線支持部材157は、突出部157eが長孔153aにおける第1配線挿通口155から最も離間する第1端部153cに当接した状態で、前記第2引張りコイルバネ158による付勢力が最も弱くなり、突出部157eが長孔153aにおける第1配線挿通口155に最も近接する第2端部153dに当接した状態で、前記第2引張りコイルバネ158による付勢力が最も強くなるよう構成される。実施例では、長孔153aの第1端部(カバー部材153における長孔153aを画成する壁)153cが、第2引張りコイルバネ158の付勢力によって配線支持部材157が回動(移動)するのを規制する規制手段として機能している。
【0072】
前記配線支持部材157は、前記装置本体104が原点位置にある状態では、突出部157eが長孔153aの第1端部153cに当接して移動規制される姿勢となる。そして、装置本体104が原点位置から第2位置に向けて移動するのに伴い前記配線保持部材149で保持されている配線Hが右方に引っ張られることで、
図15に示す如く、該配線Hを支持している支持部157cが前記第2引張りコイルバネ158の付勢力に抗して第1配線挿通口155に近接する方向に移動するように配線支持部材157が回動するよう構成される。また、装置本体104が第2位置から原点位置に移動する際には、配線Hを支持している支持部157cが第2引張りコイルバネ158の付勢力によって第1配線挿通口155から離間する方向に移動するように配線支持部材157が回動することで、配線Hを張った状態のまま元の位置に戻し得るようになっている。すなわち、装置本体104が原点位置と第2位置との間を移動するのに伴って移動する配線Hに第2引張りコイルバネ158の付勢力を付与して張った状態に保持することができ、該配線Hが意図しない方向に屈曲するのを規制し得るようになっている。なお、突出部157eが長孔153aの第1端部153cに当接して移動規制された姿勢では、前記支持部157cは、当該配線支持部材157の回動中心より上側に位置するよう構成されており、装置本体104が原点位置から第2位置に移動するのに伴って右方に引っ張られる配線Hによって配線支持部材157がスムーズに回動して、該配線Hに大きな負荷が加わることがないようになっている。
【0073】
前記装置本体104の第2位置において、配線支持部材157の突出部157eは、前記長孔153aの第2端部153dに当接しないように設定されており、配線支持部材157の回動が規制された状態で配線Hが右方に引っ張られることがないようにしてある。また、装置本体104の第2位置において、配線支持材157の支持部157cは、
図15に示す如く、枢支部157aの上方で第1配線挿通口155の左側方に位置し、該第1配線挿通口155から引回し空間154に導入される配線Hを曲折することなく支持し得るよう構成してある。
【0074】
前記装置本体104が原点位置から第1位置に移動する際には、前記配線保持部材149で保持されている配線Hは、配線保持ユニット150の引回し空間154に押し込まれるように移動することで、長孔153aの第1端部153cによって移動規制されている支持部157cから左方に配線Hが離間移動するよう構成される。前記保護壁157bは、
図14に示す如く、装置本体104が第1位置に移動した状態で支持部157cから離間した配線Hの後方への変位を規制し得る寸法で、支持部157cから径方向(配線支持部材157の移動方向に沿う方向の)外方に延出しており、支持部157cから離間した配線Hが保護壁157bとベース部材152の基壁152aとの間に入り込むのを防止するようになっている。また保護壁157bは、装置本体104の原点位置から第2位置への移動に伴って引っ張られる配線Hによって配線支持部材157が回動する間においても該配線Hの後側に臨むように構成されており、支持部157cに支持されている配線Hについても保護壁157bとベース部材152の基壁152aとの間に入り込むのを防止するよう構成される。すなわち、保護壁157bは、支持部157cで支持されている配線Hが、配線支持部材157の移動方向と交差する一方(実施例では後方)への変位を規制するべく機能している。
【0075】
前記ベース部材152の基壁152aには、前記軸部152dの配設位置より下側に、
図18,
図19に示す如く、後方に向けて凹む凹部152eが、前記第2配線挿通口156まで延在するように形成されている。また、ベース部材152には、凹部152eにおける第2配線挿通口156より内側に、該凹部152eの前端に後端を臨ませた配線規制部品159が着脱自在に取り付けられている。そして、引回し空間154から第2配線挿通口156を介して外部に引き出される直前の配線Hが、配線規制部品159によって前方への変位が規制された状態で凹部152e内を引き回されるようになっている。すなわち、前記配線Hにおける配線支持部材157の支持部157cで支持されている部位から第2配線挿通口156までに至る部分において、第2配線挿通口側の配線Hが配線支持部材157の保護壁157bより後側に位置する凹部152e内を引き回されるようにすることで、配線Hが保護壁157bの前面から前方に浮き上がるのを防ぐようにしている。また、ベース部材152の基壁152aには、
図13,
図16に示す如く、第2配線挿通口156の上端縁から内方に所定長さで延在する案内壁152fが設けられている。この案内壁152fは、前記軸部152dの下方まで延在すると共に、該軸部152dの下側に位置する端部が上向きに湾曲するよう形成されており、装置本体104の第2位置への移動に際して引っ張られる配線Hを支持部157cに向けて円滑に案内し得るよう構成される。
【0076】
なお、実施例では、配線Hにおいて前記配線規制部品159によって前方への変位が規制されている部位は、前記装置本体104の第1位置と第2位置との回動に際して左右方向に移動しないように保持される。そして、引回し空間154内を引き回されている配線Hは、配線規制部品159で保持されている部位から前記第1配線挿通口155までの部分が移動することで装置本体104の回動を許容するようになっている。これにより、装置本体104の回動に際して、ユニット本体151から引き出されて設置部材19の前面や裏面を引き回されている配線Hが移動したり折曲するのは防止されている。
【0077】
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤13の所定位置(実施例では、遊技領域13a外の右下部位置)には、前記メイン制御手段57により決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを確認することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。遊技情報表示部Mには、前記第1始動入賞口53aおよび第2始動入賞口53bへの入賞を契機として行われる特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄を特定可能に表示する特図表示部(表示手段)160A,160Bが設けられる(
図25参照)。特図表示部160A,160Bは、第1始動入賞口53aへの入賞(第1始動入賞検出スイッチ56aの検出)を契機として、複数種類の特別図柄の変動表示を開始する第1特図表示部160Aと、第2始動入賞口53bへの入賞(第2始動入賞検出スイッチ56bの検出)を契機として、複数種類の特別図柄の変動表示を開始する第2特図表示部160Bとから構成される。そして、前記各始動入賞口53a,53bへのパチンコ球の入賞を契機として、対応する特図表示部160A,160Bの変動表示が行われ、最終的に複数種類の特別図柄の内の1つを表示するようになっている。また、特図表示部160A,160Bの何れかに、大当り表示としての特別図柄が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技(遊技者に利益を与えることが可能な遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。
【0078】
前記遊技情報表示部Mには、前記球通過検出スイッチ69A,69Bのパチンコ球の検出(球通過ゲート67,80のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄を特定可能に表示する普図表示部(表示手段)161が設けられる(
図25参照)。普図表示部161は、球通過検出スイッチ69A,69Bのパチンコ球の検出(球通過ゲート67,80の始動口67a,80aに対するパチンコ球の通過(入球))を契機として、複数種類の普通図柄を変動表示させて1つの普通図柄を導出する変動表示が行われるようになっている。そして、普図表示部161に当り表示としての普通図柄が表示されることで、当り表示に対応して前記始動入賞装置52の始動入賞ソレノイド55が駆動制御されて開閉部材54が開閉動作するようになっている。
【0079】
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について簡単に説明する。実施例のパチンコ機10には、
図25に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御手段57と、該メイン制御手段57からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御手段162とが設けられている。すなわち、メイン制御手段57では、パチンコ機10に備えられた各種検出スイッチ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御手段162に出力されるようになっている。そして、サブ制御手段162は、メイン制御手段72が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記図柄表示装置18、可動演出装置E、発光装置118,134およびスピーカ163を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)をサブ制御手段162が統括的にコントロールし得るようになっている。
【0080】
前記メイン制御手段57は、制御処理を実行するメイン制御CPU、該メイン制御CPUが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM、当該メイン制御CPUの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM等が備えられている。そして、前記始動入賞検出スイッチ56a,56b、特別入賞検出スイッチ95、普通入賞検出スイッチ74a,74b、球通過検出スイッチ69A,69B等の各種スイッチが前記メイン制御手段57に接続されている。また、メイン制御手段57には、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部160A,160B、普図表示部161)が接続されて、各検出スイッチ56a,56b,69A,69Bの検出を契機としてメイン制御手段57で実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部160A,160B,161の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御手段57には、前記第2始動入賞口53bを開閉する開閉部材54に連繋する始動入賞ソレノイド55および特別入賞口85を開閉する開閉扉92に連繋する特別入賞ソレノイド93が接続されており、該メイン制御手段57での制御処理結果に基づいて各ソレノイド55,93を駆動させることで、対応する開閉部材54や開閉扉92が開閉するようになっている。
【0081】
前記メイン制御手段57は、前記第1始動入賞口53aまたは第2始動入賞口53bへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出スイッチ56aまたは第2始動入賞検出スイッチ56bがパチンコ球を検出したこと)を契機として特図当りか否かを判定する特図当り抽選を実行するよう設定される。ここで、前記特図当り抽選は、各始動入賞検出スイッチ56a,56bからパチンコ球の検出信号が入力された時点において、メイン制御手段57に予め設定された多数種類の乱数値(特図当り判定用)の内から1つを取得する乱数抽選が行われ、該取得した乱数値(特図当り判定用)に基づいて特図当りを発生するか否かを決定する。またメイン制御手段57は、前記第1球通過ゲート67または第2球通過ゲート80をパチンコ球が通過したこと(より具体的には第1球通過検出スイッチ69Aまたは第2球通過検出スイッチ69Bがパチンコ球を検出したこと)を契機として普図当りか否かを判定する普図当り抽選を実行するよう設定される。ここで、前記普図当り抽選は、各球通過検出スイッチ69A,69Bからパチンコ球の検出信号が入力された時点において、メイン制御手段57に予め設定された多数種類の乱数値(普図当り判定用)の内から1つを取得する乱数抽選が行われ、該取得した乱数値(普図当り判定用)に基づいて普図当りを発生するか否かを決定する。すなわち、メイン制御手段57は、第1始動入賞口53aまたは第2始動入賞口53bにパチンコ球が入賞した特定条件が成立したときに、特図当り(当り)か否かの判定を行う特図当り判定手段(当り判定手段)としての機能を有する。またメイン制御手段57は、第1球通過ゲート67または第2球通過ゲート80をパチンコ球が通過した特定条件が成立したときに、普図当り(当り)か否かの判定を行う普図当り判定手段(当り判定手段)としての機能を有する。
【0082】
前記サブ制御手段162には、制御処理を実行するサブ制御CPU、該サブ制御CPUが実行する制御プログラムを記憶するサブ制御ROM、当該サブ制御CPUの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なサブ制御RAM等が備えられている。前記サブ制御ROMには、前記図柄表示装置18の図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容および可動演出装置Eや動作演出装置N1,N2の具体的な動作内容を特定する演出パターンが記憶されており、サブ制御手段162は、該サブ制御手段162が決定した演出パターンで特定される演出内容を図柄表示装置18で表示するように該図柄表示装置18を制御する。すなわち、サブ制御手段162は、図柄表示装置18で実行される表示演出を制御する表示制御手段としての機能を有している。また、サブ制御手段162には、前記原点用センサ116、移動位置用センサ117、位置センサ133、原位置センサ143が接続されており、該サブ制御手段162は、各センサ116,117,133,143の検出状態(検出、非検出の状態)によって、対応する装置本体104や各可動部材119,135の位置および姿勢を把握し得るようになっている。更に、サブ制御手段162には、前記第1駆動モータ105、第2駆動モータ123、第3駆動モータ136が接続されており、該サブ制御手段162が決定した演出パターンに基づいて各駆動モータ105,123,136を駆動制御することで、当該演出パターンで特定される動作を可動演出装置Eや動作演出装置N1,N2で実行し得るよう構成されている。すなわち、サブ制御手段162は、可動演出装置Eおよび動作演出装置N1,N2が備える駆動モータ105,123,136を駆動制御する駆動制御手段としての機能を有している。
【0083】
前記サブ制御ROMに記憶されている演出パターンは、前記可動演出装置Eにおける装置本体104の位置に応じた3種類に大別されており、該装置本体104の原点位置において実行可能な基準演出パターンと、装置本体104の第1位置において実行可能な第1演出パターンおよび装置本体104の第2位置において実行可能な第2演出パターンとがある。基準演出パターンは、原点位置において装置本体104に配設されている前記第1可動部材119の基準姿勢によって形成される演出領域および変化演出領域の形状(正面から見た状態での形(姿勢))に対応して図柄表示装置18の表示部18aに変動表示される表示が左右に傾かない基準状態で表示される演出パターンであり、第1演出パターンは、第1位置において装置本体104の第1可動部材119の右傾斜姿勢によって形成可能な演出領域および変化演出領域の形状(姿勢)に対応して図柄表示装置18の表示部18aに変動表示される表示も右に傾く右傾斜状態で表示される演出パターンであり、第2演出パターンは、第2位置において装置本体104の第1可動部材119の左傾斜姿勢によって形成可能な演出領域および変化演出領域の形状(姿勢)に対応して図柄表示装置18の表示部18aに変動表示される表示も左に傾く左傾斜状態で表示される演出パターンである。すなわち、図柄表示装置18の表示部18aに変動表示される表示の状態を、可動演出装置Eにおける装置本体104の停止位置(第1可動部材119の姿勢)に応じて切り替えるようにサブ制御手段162が図柄表示装置18を制御することで、該表示部18aに変動表示される表示の状態と第1可動部材119の姿勢によって形成される演出領域や変化演出領域の形状(姿勢)とが齟齬しないよう構成される。なお、基準演出パターン、第1演出パターンおよび第2演出パターンの夫々は、演出内容が異なる複数種類の演出パターンが設定されている。
【0084】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0085】
前記前枠14の前面側に設けられた前記操作ハンドル17の操作レバー17aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技盤13に設けた案内レール21により画成された発射通路22を介して遊技領域13a内に打ち出される。このとき、前記操作レバー17aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域13aの第1経路30aまたは第2経路30bをパチンコ球が流下する。
【0086】
前記遊技領域13aにおける第1経路30aに対応する位置に配設された前記第1サイド装飾体58は、最上部に前記第1球通過ゲート67を備えており、第1経路30aを流下するパチンコ球が第1球通過ゲート67を通過すると、該パチンコ球の通過を第1球通過検出スイッチ69Aが検出する。第1球通過検出スイッチ69Aから球検出信号が前記メイン制御手段57に入力されると、該メイン制御手段57は、普図当りか否かを判定する普図当り抽選を実行する。そして、普図当り抽選の結果が当選の場合は、メイン制御手段57は前記始動入賞ソレノイド55を駆動制御することで前記開閉部材54を開閉動作する。これにより、始動入賞装置52の第2始動入賞口53bへのパチンコ球の入賞が可能となる。
【0087】
前記パチンコ機10において、前記操作ハンドル17の操作レバー17aを回転操作して打球発射装置によるパチンコ球の打球力を高め、前記第2経路30bに向けてパチンコ球を打ち出す「右打ち」を行うと、第2経路30bに打ち出されたパチンコ球は、前記枠状装飾体29における右側の庇部29dの外周面に沿って第2経路30bを流下する。前記遊技領域13aにおける第2経路30bに対応する位置に配設された前記第2サイド装飾体75は、上部に前記第2球通過ゲート80を備えており、第2経路30bを流下するパチンコ球が第2球通過ゲート80の始動口80aを通過すると、該パチンコ球の通過を第2球通過検出スイッチ69Bが検出する。第2球通過検出スイッチ69Bから球検出信号が前記メイン制御手段57に入力されると、該メイン制御手段57は、普図当りか否かを判定する普図当り抽選を実行する。そして、普図当り抽選の結果が当選の場合は、メイン制御手段57は前記始動入賞ソレノイド55を駆動制御することで前記開閉部材54を開閉動作する。これにより、始動入賞装置52の第2始動入賞口53bへのパチンコ球の入賞が可能となる。
【0088】
(可動演出装置Eの作用)
前記原点用センサ116が原点用検出片104cを検出している可動演出装置Eにおける装置本体104の原点位置では、装置本体104に配設された前記第1動作演出装置N1の第1可動部材119は前記基準姿勢となっている。また装置本体104の原点位置では、前記枠状装飾体29の窓口29aには、
図2に示す如く、右側縁部に前記第2動作演出装置N2の第2可動部材135の一部が露出した状態となっている。そして、装置本体104を原点位置に保持した状態で、前記第2駆動モータ123の駆動によって第1動作演出装置N1の第1可動部材119が動作されると、前記第1遮蔽部材121,121が枠状装飾体29の窓口29aにおける上下端縁から基準姿勢のまま相互に近接することで、窓口29aを介して前記図柄表示装置18の表示部18aが見える領域が狭くなる。また、第2駆動モータ123により第1可動部材119が動作される際には、前記第2遮蔽部材122,122が両第1遮蔽部材121,121の間に側方から回動しつつ入り込んで下側の第1遮蔽部材121の上側に接触するように位置することで、窓口29aを介して表示部18aが見える領域(変化演出領域)は、
図21に示すように僅かとなる。この状態において、前記サブ制御手段162は、前記基準演出パターンに基づいて図柄表示装置18を制御して、表示部18aに基準演出パターンに対応する図柄変動演出を実行することで、遊技者は第1可動部材119が待機位置において広い領域(装置本体104の可動体開口部104aで規定される演出領域)に表示される表示演出とは異なる趣のある演出を楽しむことができる。
【0089】
前記装置本体104の原点位置において、前記第1駆動モータ105を正転方向に回転駆動すると、前記駆動ギヤ106と装置本体104に設けた歯部107との噛合作用下に、装置本体104が前記複数の案内ローラ111,113で案内されて第1位置に向けて回動し、前記原点用検出片104cが移動位置用センサ117で検出されたときに、前記サブ制御手段162が第1駆動モータ105を停止制御することで、装置本体104は、前記第1可動部材119が右傾斜姿勢となった状態で第1位置に保持される。装置本体104を第1位置に停止保持した状態で、前記第2駆動モータ123の駆動によって第1動作演出装置N1の第1可動部材119が動作されると、前記第1遮蔽部材121,121が枠状装飾体29の窓口29aにおける右斜め上および左斜め下の端縁から右傾斜姿勢のまま相互に近接することで、窓口29aに現れる第1可動部材119の遮蔽部材121,121,122,122で画成される変化演出領域は右傾斜した形状(姿勢)となる(
図22参照)。またサブ制御手段162は、第1可動部材119の姿勢変化によって変化演出領域の形状(姿勢)が変わるのに合わせて右傾斜する向きの表示演出を、図柄表示装置18の表示部18aで実行することで、遊技者は第1可動部材119が基準姿勢で形成される変化演出領域に表示される表示演出とは異なる趣のある演出を楽しむことができる。そして、装置本体104の第1位置において、前記第1駆動モータ105を逆転方向に回転駆動すると、前記駆動ギヤ106と歯部107との噛合作用下に、装置本体104が原点位置に向けて回動し、前記原点用検出片104cが原点用センサ116で検出されたときに、前記サブ制御手段162が第1駆動モータ105を停止制御することで、装置本体104は原点位置に保持される。
【0090】
前記装置本体104の原点位置において、前記第1駆動モータ105を逆転方向に回転駆動すると、前記駆動ギヤ106と歯部107との噛合作用下に、装置本体104が前記複数の案内ローラ111,113で案内されて第2位置に向けて回動し、前記移動位置用検出片104dが移動位置用センサ117で検出されたときに、前記サブ制御手段162が第1駆動モータ105を停止制御することで、装置本体104は、前記第1可動部材119が左傾斜姿勢となった状態で第2位置に保持される。そして、装置本体104を第2位置に停止保持した状態で、前記第2駆動モータ123の駆動によって第1動作演出装置N1の第1可動部材119が動作されると、前記第1遮蔽部材121,121が枠状装飾体29の窓口29aにおける左斜め上および右斜め下の端縁から左傾斜姿勢のまま相互に近接することで、窓口29aに現れる第1可動部材119の遮蔽部材121,121,122,122で画成される変化演出領域は左傾斜した形状(姿勢)となる(
図23参照)。またサブ制御手段162は、第1可動部材119の姿勢変化によって変化演出領域の形状(姿勢)が変わるのに合わせて左傾斜する向きの表示演出を、図柄表示装置18の表示部18aで実行することで、遊技者は第1可動部材119が基準姿勢や右傾斜姿勢で形成される変化演出領域に表示される表示演出とは異なる趣のある演出を楽しむことができる。そして、装置本体104の第2位置において、前記第1駆動モータ105を正転方向に回転駆動すると、駆動ギヤ106と歯部107との噛合作用下に、装置本体104が原点位置に向けて回動し、前記原点用検出片104cが原点用センサ116で検出されたときに、前記サブ制御手段162が第1駆動モータ105を停止制御することで、装置本体104は原点位置に保持される。
【0091】
すなわち、可動演出装置Eの装置本体104を停止する原点位置、第1位置および第2位置によって、前記第1可動部材119における第1遮蔽部材121,121および第2遮蔽部材122,122の進退移動方向が変化するので、該第1可動部材119の動作によってインパクトのある興趣の高い演出を行うことができる。また、装置本体104の位置は、前記原点用センサ116および移動位置用センサ117によってサブ制御手段162は把握しているので、原点用センサ116および移動位置用センサ117による対応する検出片104c,104dの検出信号に基づいて第1駆動モータ105を停止制御することで、第1可動部材119の進退移動方向を制御することができる。更に、前記第1可動部材119を作動位置に保持したまま、装置本体104を第1位置と第2位置との間で揺動することで、該第1可動部材119の遮蔽部材121,121,122,122で画成される変化演出領域の向きが変化するので、よりインパクトのある演出を行うことができ、興趣を一層向上し得る。
【0092】
前記図柄表示装置18の表示部18aの前側を移動する第1可動部材119の移動方向が、装置本体104の位置によって変化すると共に、該第1可動部材119の移動方向の変化に合わせて表示部18aで表示される表示演出の向きも変化するようにしたので、表示部18aで行われる表示演出と第1可動部材119の動作とによって、より興趣の高い演出を行うことができる。また、装置本体104の停止位置に応じて表示部18aで実行される表示演出の向きも切り替えているので、該表示演出と第1可動部材119の移動方向との関係で齟齬が生ずることはなく、興趣が低下することはない。
【0093】
また、前記装置本体104には可動体開口部104aより右側に偏って第2動作演出装置N2が配設されており、該第2動作演出装置N2の第2可動部材135の姿勢も、装置本体104の位置によって変化する。すなわち、装置本体104に対して回動自在に枢支されている第2可動部材135は、装置本体104の原点位置においては前記枠状装飾体29の窓口29aの右側部から中央部に向けて移動する(
図24参照)。これに対し、装置本体104の第1位置においては枠状装飾体29の窓口29aの右下側部から中央部に向けて第2可動部材135が移動し、装置本体104の第2位置においては枠状装飾体29の窓口29aの右上側部から中央部に向けて第2可動部材135が移動する。このように、装置本体104の位置によって第2可動部材135の姿勢や移動方向が変化するので、1つの可動部材135によって多様な動作演出を行うことができる。なお、第2可動部材135は、待機位置においては前記板金部材139bが磁石142に磁力吸着されて安定的に保持されるので、装置本体104が移動する際に不用意に第2可動部材135が変位してしまうのは防止される。
【0094】
また、前記第2可動部材135は、前記作動位置に位置した下側の第1遮蔽部材121および第2遮蔽部材122,122の前側に重ならない待機位置(
図2)と重なる作動位置(
図24)との間を回動するので、第2可動部材135と第1遮蔽部材121および第2遮蔽部材122,122が前後に重なることによる演出効果が得られる。実施例では、第1遮蔽部材121,121および第2遮蔽部材122,122からなる第1可動部材119は、作動位置においてトラックを模した形状となるのに対し、第2可動部材135は手および腕を模した形状に形成されているので、第2可動部材135を待機位置から作動位置に回動することで、トラック(第1可動部材119)に対して手(第2可動部材135)でパンチする形態を表現することができ、面白みのある演出によって遊技の興趣を向上し得る。更には、第1可動部材119の動作と第2可動部材135の動作とを関連付けることで、更に興趣のある演出が可能となる。例えば、作動位置に位置する第1可動部材119に対して第2可動部材135を待機位置から作動位置に回動したときに、第1可動部材119を作動位置から待機位置に移動することで、トラック(第1可動部材119)に対して手(第2可動部材135)でパンチした際にトラック(第1可動部材119)が破壊された形態を表現することができる。
【0095】
前記装置本体104は、複数の第1ローラ111によって支持されているので、該装置本体104は安定して回動することができる。また、装置本体104の原点位置では、前記第2ローラ113が、装置本体104に設けた位置決め凹部110bに係合するので(
図8参照)、該装置本体104を原点位置に安定して保持することができる。
【0096】
(第1引張りコイルバネ144の作用)
ここで、前記可動演出装置Eの装置本体104に第2動作演出装置N2が右側に偏って配設されることで、該装置本体104の原点位置において、第2動作演出装置N2の重量分の力が装置本体104を正転する方向に加わっている。このように、前後方向の軸回りに回動可能に支持される装置本体104において重心位置が回動軸中心から偏倚していると、装置本体104を原点位置に保持するために第1駆動モータ105の回転を規制する機構を設ける必要があり、駆動機構が複雑となる。しかるに、実施例のパチンコ機10では、
図13に示す如く、前記設置部材19と装置本体104との間に前記第1引張りコイルバネ144を張設し、原点位置において装置本体104を正転方向に回動する向きに作用する力と、該第1引張りコイルバネ144の付勢力とが均衡した状態となるよう構成してあるので、第1駆動モータ105の停止時に該第1駆動モータ105に装置本体104の荷重が作用することはなく、装置本体104を原点位置に停止した際に第1駆動モータ105に掛かる負荷を軽減することができる。すなわち、第1駆動モータ105の停止状態を維持するための複雑な機構を設ける必要はなく、構成を簡略化し得る。
【0097】
前記第1駆動モータ105を正転駆動して装置本体104を第1位置に向けて移動する際には、
図14に示す如く、前記第1引張りコイルバネ144が引っ張られることで、装置本体104を原点位置に向けて付勢する付勢力が大きくなる。しかし、装置本体104の原点位置においては、前述したように装置本体104を第1位置に向けて回動する力と、第1引張りコイルバネ144の付勢力とが均衡しているので、装置本体104を原点位置から第1位置に移動する初期に第1駆動モータ105に加わる負荷は小さく、第1駆動モータ105に作用する負荷を軽減し得る。また、装置本体104を原点位置から第2位置に向けて移動する際には、装置本体104の右側に偏って配置されている第2動作演出装置N2を引き上げるため、第1駆動モータ105に加わる負荷は大きくなるが、このとき前記第1引張りコイルバネ144は徐々に縮むことで付勢力が減少するものの該付勢力は装置本体104を原点位置に向けて移動する方向に作用するので、該付勢力に補助されることで第1駆動モータ105に加わる負荷は軽減される。すなわち、第1位置の装置本体104を原点位置に復帰させる際に必要となる第1駆動モータ105の駆動力を軽減し得るので、小型の第1駆動モータ105を採用することが可能となり、設置スペースを小さくし得ると共にコストを低減することができる。
【0098】
実施例のパチンコ機10では、前記第1引張りコイルバネ144の付勢力は、装置本体104が第2位置に到来したときに該装置本体104に作用しなくなるように設定されている(
図15参照)。言い替えるなら、装置本体104を原点位置から第2位置に移動する際には、第1引張りコイルバネ144の付勢力によって第1駆動モータ105の駆動力を補助することができ、該第1駆動モータ105に加わる負荷を軽減し得る。更に、装置本体104を第2位置から原点位置に移動する際には、前記第2動作演出装置N2の重量が装置本体104を原点位置に移動する方向に加わるので、装置本体104を第2位置から原点位置に移動する際に必要となる第1駆動モータ105の駆動力は小さくて済み、該モータ105に加わる負荷を軽減し得る。
【0099】
すなわち、実施例のパチンコ機10は、装置本体104に対して回動中心から偏倚した位置に第2動作演出装置N2を配設することで、アンバランスな構成によって興趣のある演出を行い得る構成としたもとで、装置本体104を移動する第1駆動モータ105に加わる負荷を軽減することができる。
【0100】
(配線支持部材157の作用)
次に、前記可動演出装置Eの装置本体104の回動に伴う配線支持部材157の作用につき説明する。
図13に示すように、前記装置本体104が原点位置に位置する状態において、該装置本体104に設けた前記配線保持部材149で纏められて左方に延在する配線Hは、前記配線保持ユニット150のユニット本体151に対して第1配線挿通口155から引回し空間154内に導入されている。そして、引回し空間154内において配線Hは、前記配線支持部材157における支持部157cの左側を回った後にユニット本体151の第2配線挿通口156から外部右方に導出され、該配線Hは前記設置部材19の背壁19aに形成した挿通口19eから裏側に引き回されて前記固定用中継基板148に接続される。すなわち、引回し空間154内において配線Hは、
図13に示す如く、右方に開口する略U字状に湾曲するように延在して、該配線Hの湾曲部分が支持部157cで支持されている。また、装置本体104の原点位置において、前記第2引張りコイルバネ158によって回動付勢されている配線支持部材157の突出部157eは、前記カバー部材153の長孔143aにおける第1端部153cに当接して位置規制されており、該第2引張りコイルバネ158の付勢力によって配線Hが必要以上に引っ張られることはない。従って、装置本体104の原点位置において配線Hが必要以上に引っ張られることで、該配線Hの各基板147,148に対するコネクタ接続部が外れる問題が発生するのを確実に防止し得る。
【0101】
前記装置本体104が原点位置から第1位置に向けての移動を開始すると、前記配線保持部材149で保持されている配線Hは、配線保持ユニット150の引回し空間154に押し込まれるように移動することで、
図14に示す如く、長孔153aの第1端部153cによって移動規制されている支持部157cから左方に配線Hが離間移動する。このとき、前記配線支持部材157に設けた保護壁157bが配線Hの後側に位置して、支持部157cから離間した配線Hの後方への変位が該保護壁157bによって規制され、該配線Hが保護壁157bと前記ベース部材152の基壁152aとの間に入り込むのを防止することができる。また、引回し空間154から第2配線挿通口156を介して外部に引き出される直前の配線Hは、前記配線規制部品159によって前記保護壁157bより後側に支持されており(
図19参照)、支持部157cから離れた配線Hが保護壁157bの前面から前方に浮き上がるのを防ぐことができる。すなわち、配線Hが保護壁157bから大きく浮き上がることで意図しない形状に屈曲してしまい、装置本体104が原点位置に戻る際に抵抗となったりするのを防ぐことができる。
【0102】
次に、前記装置本体104が原点位置と第2位置との間を回動する場合につき説明する。装置本体104が原点位置から第2位置に向けての移動を開始すると、
図15に示す如く、前記配線保持部材149で保持されて装置本体104に従動する配線Hに牽引されて配線支持部材157が支持部157cを第1配線挿通口155へ近づけるように回動を開始する。このとき、配線支持部材157には前記第2引張りコイルバネ158の付勢力が支持部157cで支持している配線Hを張る方向に加わっているので、配線Hは張った状態を保ちつつ移動することで、該配線Hが意図しない方向に屈曲することはない。装置本体104が第2位置に至った状態では、前記配線支持部材157の突出部157eは、前記カバー部材153の長孔153aにおける第2端部153dには当接しない位置に位置している。すなわち、装置本体104が原点位置から第2位置まで回動する間は、前記第2引張りコイルバネ158の付勢力が配線Hにかかっているのみで、配線支持部材157の回動が規制されて大きな抵抗が加ることはない。
【0103】
前記装置本体104が第2位置から原点位置に向けての回動を開始すると、前記配線保持部材149で保持されている配線Hは左方に向けて押されて移動する。このとき、配線Hを支持している配線支持部材157は、第2引張りコイルバネ158の付勢力によって前記支持部157cが第1配線挿通口155から離間する方向に回動付勢されることで、該支持部157cに支持されている配線Hは張った状態のまま左方に移動し、移動中に意図しない方向に屈曲することはない。
【0104】
すなわち、装置本体104が原点位置と第2位置との間を回動する間は、該装置本体104と共に移動する配線Hは、前記第2引張りコイルバネ158の付勢力によって常に張る状態に保持されているので、装置本体104の回動に際して配線Hが意図しない方向に屈曲するのを規制して、配線Hが装置本体104に絡まるのを防ぐことができる。従って、装置本体104の動作が配線Hによって阻害されたり、該配線Hの各基板147,148に対するコネクタ接続部が外れる問題が発生するのを確実に防止し得る。また、前記第2引張りコイルバネ158は、配線Hが引き回されている引き回し空間154の外部に配設されているので、該第2引張りコイルバネ158が配線Hと干渉したり引っ掛かったりすることはない。
【0105】
(変更例)
本願は前述した実施例の構成に限定されるものではなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例では、配線を張った状態に保持するための付勢手段として引張りコイルバネを用いたが、配線支持部材を配線が張った状態となる方向に付勢し得るものであれば、捻りコイルバネ等のその他のバネやゴム等の弾性を有する手段であってもよい。
(2) 実施例では、配線を支持する配線支持部材を回動自在に配設し、装置本体の回動に伴って移動する配線に追従して配線支持部材が回動することで、該配線を常に支持した状態に維持するよう構成したが、該配線支持部材を直線的に移動自在に配設し、装置本体の回動に伴って移動する配線に追従して配線支持部材が直線的に往復移動することで配線を支持する状態を維持する構成を採用し得る。
(3) 実施例では、配線支持部材における軸方向の一方にのみ保護壁を設けたが、該配線支持部材において配線が支持される部位を挟む軸方向の両側に保護壁を設け、一対の保護壁によって配線が配線支持部材の移動方向と交差する方向へ変位するのを規制するようにしてもよい。
(4) 実施例では、配線支持部材の移動を規制する規制手段として、該配線支持部材の突出部が挿通される長孔を画成する壁を用いたが、該規制手段は、配線支持部材が移動する経路上に設けられた突部であってもよく、該突部に当接することで配線支持部材が移動規制されるようになっていればよい。
(5) 実施例では、ユニット本体の内部に配線支持部材を配設したが、設置部材の背壁に配線支持部材の支持部(軸部)を設けると共に、該背壁と対向するように画成部材を設置部材に配設し、背壁と画成部材との間に配線の引回し空間を画成する構成を採用し得る。
(6) 実施例では、電気部品が配設される装置本体が回動する場合で説明したが、該装置本体が設置部材の背壁に沿って上下方向や左右方向に直線移動するものであってもよく、または装置本体が背壁に対して前後方向に移動するものであってもよい。そして、配線支持部材は、装置本体の移動方向等に応じて配線支持部材の移動方向を設定すればよい。
【0106】
(7) 実施例では、装置本体を前後方向の軸回りに回動可能に配設した場合で説明したが、該装置本体が上下方向の軸回り回動可能に配設された構成であってもよい。
(8) 実施例では、装置本体の重心が、第2動作演出装置を回動中心から偏倚した位置に配設することで回動中心から偏倚する構成で説明したが、装置本体自体の形状によって重心が回動中心から偏倚する構成であってもよい。
(9) 装置本体に作用する力との均衡を原点位置で保つための付勢手段としては、実施例の引張りコイルバネに限らず、ゴム等であってもよい。
【0107】
(10) 実施例では装置本体を枠状に形成したが、該装置本体は長方形状やコ字形状等、演出領域の周りを回動可能な形状であれば形状は限定されない。
(11) 実施例では装置本体に配設される第1可動部材として、4つの遮蔽部材を備えたものを挙げたが、遮蔽部材は1つ、2つ、3つあるいは5つ以上であってもよい。
(12) 実施例では、装置本体が3つの位置で停止するよう構成したが、該装置本体が停止する位置は3つに限らず2つまたは4つ以上であってもよい。また、装置本体は、所定角度範囲で揺動する構成に限らず、1回転以上で回転する構成であってもよい。
(13) 実施例では、装置本体の停止位置に応じて図柄表示装置の表示部で表示される図柄変動演出のパターンを切り替えるようにしたが、図柄表示装置の図柄変動演出のみでなく発光装置での発光演出やスピーカでの音演出を切り替えるようにしてもよい。
(14) 実施例では、装置本体を、設置部材に配設した複数のローラで移動自在に支持するよう構成したが、装置本体の外周に複数のローラを回転自在に配設し、該ローラが設置部材(設置部)に設けたレールに沿って移動する構成を採用し得る。
(15) 実施例では、装置本体に設けた歯部に噛合する駆動ギヤを駆動モータで回転駆動することで装置本体を回動するよう構成したが、駆動モータの駆動によって作動するリンク機構やカム機構等の連繋手段によって装置本体を回動(移動)する構成であってもよい。
(16) 実施例では、第1可動部材が備える4つの遮蔽部材を1つの駆動モータの駆動によって移動するよう構成したが、第1遮蔽部材と第2遮蔽部材とを別々の駆動モータ(駆動手段)で移動したり、または各遮蔽部材が夫々独立した駆動モータによって移動する構成を採用し得る。
【0108】
(17) 実施例では、装置本体の前側に第2可動部材を配設して、該第2可動部材を第1可動部材の前側に重なり得るよう構成したが、該第2可動部材を装置本体の後側に配設し、第2可動部材を第1可動部材の後側に重なることが可能に構成してもよい。
(18) 実施例では、装置本体に、第1可動部材に対して前後の関係で重なることが可能な1つの第2可動部材を配設したが、第2可動部材を装置本体に複数配設する構成を採用し得る。また、第2可動部材は、第1可動部材の前側に重なるものと後側に重なるものとを装置本体に配設するようにしてもよい。
(19) 実施例では、装置本体を原点位置で保持する第2ローラを装置本体に向けて付勢する付勢手段として第2ローラを回転自在に支持する弾性部材を用いたが、第2ローラを回転自在に保持する部材を、バネやゴム等の手段で付勢する構成を採用し得る。
(20) 実施例では、メイン制御手段とサブ制御手段とで分けて各種制御を行うようにしたが、メイン制御手段で行う制御をサブ制御手段で行うようにしたり、逆にサブ制御手段が行う制御をメイン制御手段で行うようにしてもよい。すなわち、メイン制御手段とサブ制御手段とを分けることなく1つの制御手段で、パチンコ機の全体を制御する構成を採用し得る。
(21) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。