特許第6034275号(P6034275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034275
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】チェックアウトシステム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20161121BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   G07G1/01 301D
   G07G1/00 331Z
   G07G1/00 301Z
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-220646(P2013-220646)
(22)【出願日】2013年10月23日
(65)【公開番号】特開2015-82261(P2015-82261A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 慶一郎
【審査官】 永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−285804(JP,A)
【文献】 特開2002−245548(JP,A)
【文献】 特開2011−34191(JP,A)
【文献】 特開2001−216450(JP,A)
【文献】 特開2002−63527(JP,A)
【文献】 特開平7−320147(JP,A)
【文献】 特開2000−262365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータ側と客側との間に位置して商品を載置する荷受面を有するカウンタと、
前記カウンタに設けられ、商品の販売登録処理の一部または全部を実行する販売登録処理装置と、
前記カウンタにおける客の移動方向の上流側端部であって前記販売登録処理装置による販売登録処理を受ける客の移動方向に面して設けられ、当該カウンタに進入した客を対象とする情報を表示する第1の表示部と、
前記カウンタにおける客の移動方向の上流側端部であって前記第1の表示部に連設されて前記カウンタの前記荷受面に対する視界を遮る位置に設けられ、不特定多数を対象とする情報を表示する第2の表示部と、
を備えることを特徴とするチェックアウトシステム。
【請求項2】
前記カウンタにおける客の移動方向の上流側端部に設けられ、前の客についての前記販売登録処理装置よる販売登録処理の終了を待っている次の客による各種の情報を入力する情報事前入力装置を更に備え、
前記第1の表示部は、前記情報事前入力装置にかかる情報を前記カウンタに進入した客を対象とする情報として表示する、
ことを特徴とする請求項1記載のチェックアウトシステム。
【請求項3】
前記第1の表示部は、前記情報事前入力装置の操作部の上方に設けられ、前記カウンタに面した客の移動方向と平行になるように設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載のチェックアウトシステム。
【請求項4】
前記第1の表示部は、前記情報事前入力装置の上面の操作部と同一面であって、前記カウンタの前記荷受面と略同一面に設けられている、
ことを特徴とする請求項2記載のチェックアウトシステム。
【請求項5】
前記第1の表示部および前記第2の表示部は、後方が透けて見える透明ディスプレイである、
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一記載のチェックアウトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、チェックアウトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等の店舗では、客の移動方向と平行に細長い長方形状のカウンタを設置し、このカウンタ上に客が持ち寄る購入商品を入れた買物カゴを載置させている。このカウンタ上にはチェックアウトシステムの一部または全部が設けられており、キャッシャと称されるオペレータがバーコード情報の読み取り等の販売登録作業を行なう。このようにすることで、スーパーマーケット等の店舗では、チェックアウト業務の効率化が図られている。
【0003】
ところで、スーパーマーケットなどの小売店では、不特定多数を対象とする情報を表示するサイネージ装置を導入している。
【0004】
しかしながら、従来のサイネージ装置においては、販売登録処理装置による販売登録処理を受けるためにカウンタに進入した客を対象とする情報については、周りの視線もあるので表示することが難しい、という問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、カウンタに進入した客を対象とする情報を外部からの視認をある程度防いで表示することができるチェックアウトシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のチェックアウトシステムは、オペレータ側と客側との間に位置して商品を載置する荷受面を有するカウンタと、前記カウンタに設けられ、商品の販売登録処理の一部または全部を実行する販売登録処理装置と、前記カウンタにおける客の移動方向の上流側端部であって前記販売登録処理装置による販売登録処理を受ける客の移動方向に面して設けられ、当該カウンタに進入した客を対象とする情報を表示する第1の表示部と、前記カウンタにおける客の移動方向の上流側端部であって前記第1の表示部に連設されて前記カウンタの前記荷受面に対する視界を遮る位置に設けられ、不特定多数を対象とする情報を表示する第2の表示部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態にかかるチェックアウトシステムを客側から見た斜視図である。
図2図2は、第2の実施形態にかかるチェックアウトシステムを客側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、本実施形態に係るチェックアウトシステムについて、図面を参照して説明する。本実施形態は、スーパーマーケット等の店舗に導入されたチェックアウトシステムへの適用例である。
【0009】
[第1の実施形態]
ここで、図1は第1の実施形態にかかるチェックアウトシステム1を客側から見た斜視図である。図1に示すように、チェックアウトシステム1は、大別すると、情報事前入力装置100と、商品の販売登録処理の一部または全部を実行する販売登録処理装置であるPOS(Point Of Sales)端末200とを備えている。そして、チェックアウトシステム1を構成する情報事前入力装置100と、POS端末200とは、後述する携帯端末3との間におけるNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)による通信が可能となっている。携帯端末3とは、例えば、一般的なスマートフォンなどである。
【0010】
まず、POS端末200について説明する。
【0011】
図1に示すように、POS端末200は、上面に荷受け面が形成されている横長テーブル状のカウンタ201の客側に寄せて立設されている。カウンタ201の荷受け面には、商品や商品を収納する買物カゴが載置される。なお、買物カゴは、いわゆるカゴ形状のものに限るものではなく、トレー等や箱状や袋状等であってもよい。
【0012】
POS端末200は、一対のスタンド202を備えており、カウンタ201の上面に客側に寄せて立設されている。POS端末200は、一対のスタンド202によって操作部210を保持している。
【0013】
操作部210は、キャッシャと称されるオペレータ側に、商品の商品データを読み取るスキャナ211と、オペレータに対して各種の情報を提供するオペレータ用表示部212と、を備えている。
【0014】
スキャナ211は、内部にカラーCCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサやカラーCMOS(Complementary MOS)イメージセンサ等のイメージセンサ(図示せず)とLED(Light Emitting Diode)などの光源(図示せず)とを有している。
【0015】
スキャナ211は、商品に付されたコードシンボルであるバーコードに含まれる商品コードや商品の全部または一部の外面情報(商品のラベルを表す特徴量、商品の色合いや表面の凹凸状況等の表面の状態を表す特徴量など)などの商品データを読み取る。バーコードや二次元コードなどのコードシンボルからコード情報を検出する処理や商品の外面情報を検出する処理については、従来からある技術なのでここでの説明は省略する。
【0016】
オペレータ用表示部212は、タッチパネル212aが表面に積層されているとともに、後方が透けて見える透明ディスプレイである。透明ディスプレイは、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイである。このようなオペレータ用表示部212は、オペレータがスキャナ211に対して商品の商品データを読み取らせる動作を行なっている場合、スキャナ211による商品データの読み取り領域がオペレータ用表示部212を介してオペレータから透けて見える位置に設けられている。
【0017】
オペレータ用表示部212は、例えば、各種の操作ボタンや販売登録処理の状況としての商品名や単価等の商品データをオペレータに提示する。
【0018】
一方、操作部210は、客側に、無線通信部213と、販売登録処理の状況としての各種の情報を客に提示する客用表示部214とを備えている。
【0019】
無線通信部213は、携帯端末3に対する各種の情報の読取りおよび書込みをNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)により実行する。より具体的には、無線通信部213は、客が携帯端末3をかざすことにより、携帯端末3との間における電子マネーによる決済や電子マネーのチャージを行うことができる。
【0020】
客用表示部214は、オペレータ用表示部212と同様に、例えばOLEDディスプレイであって、後方が透けて見える透明ディスプレイである。客用表示部214は、スキャナ211によって読み取られた商品データに基づいて実行される販売登録処理の状況を客に提示する。このような客用表示部214は、オペレータがスキャナ211に対して商品の商品データを読み取らせる動作を行なっている場合、その動作が客用表示部214を介して客から透けて見える位置に設けられている。
【0021】
これにより、客は、オペレータがスキャナ211に対して読取り操作を行なっている商品と客用表示部214に表示された販売登録処理の状況とを視線を動かさずに見ることができるので、オペレータによる不正を未然に防ぐことができる。
【0022】
加えて、チェックアウトシステム1は、カウンタ201の下面に、カウンタ201を支えることが可能な矩形形状のハウジング220を備える。POS端末200は、ハウジング220の内部に、販売登録処理における締め処理にかかる紙幣及び硬貨の入出金に対応した貨幣釣銭機(図示せず)を備える。
【0023】
さらに、POS端末200は、カウンタ201の客側に、各種の情報を表示するサイネージ装置240を備える。
【0024】
次に、情報事前入力装置100について説明する。
【0025】
情報事前入力装置100は、カウンタ201における客の移動方向の上流側端部に設けられる。情報事前入力装置100は、POS端末200において販売登録処理を実行する前であってカウンタ201で仕切られるチェックアウトレーンで前の客の決済が終了するのを待っている間に、客を識別する識別情報の入力による会員認証や各種の宣言を事前に行う装置である。事前に行う各種の宣言とは、レジ袋が不要である旨の宣言や、電子マネー決済を行う旨の宣言などである。このように情報事前入力装置100を備えることにより、レジ待ち時間を有効に使うことで、決済時間の短縮化を図ることができる。
【0026】
情報事前入力装置100は、無線通信部110と、現金処理部120と、第1の表示部140と、第2の表示部150と、を備える。また、第1の表示部140は、操作部102を下部に有している。操作部102は、無線通信部110の通信位置110aと、現金処理部120の小銭投入口121及び紙幣投入口122と、を備えている。
【0027】
無線通信部110は、筐体101の内部に配置される。無線通信部110は、携帯端末3に対する各種の情報の読取りおよび書込みをNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)により実行する。より具体的には、無線通信部110は、無線通信部110の通信位置110aに客が携帯端末3をかざすことにより、携帯端末3との間における電子マネーによる決済や電子マネーのチャージを行うことができる。また、無線通信部110は、無線通信部110の通信位置110aに客が携帯端末3をかざすことにより、携帯端末3との間において各種の情報(携帯端末3が記憶する識別情報や事前に行う各種の宣言情報など)の送受信を行うことができる。
【0028】
現金処理部120は、操作部102に配された小銭投入口121または紙幣投入口122から投入された現金を計数管理するとともに、投入された現金分の電子マネーを無線通信部110を介して客の携帯端末3にチャージする。
【0029】
第1の表示部140は、カウンタ201における客の移動方向の上流側端部であってPOS端末200による販売登録処理を受ける客の移動方向に面して設けられる。すなわち、第1の表示部140は、情報事前入力装置100の操作部102の上方に設けられ、カウンタ201に面した客の移動方向と平行になるように設けられている。第1の表示部140は、例えばOLEDディスプレイであって、後方が透けて見える透明ディスプレイである。
【0030】
そして、第1の表示部140は、無線通信部110の通信位置110aに携帯端末3をかざして情報事前入力装置100に情報を読み取らせることを促す画面を表示する。また、第1の表示部140は、無線通信部110の通信位置110aに携帯端末3をかざして情報事前入力装置100で電子マネーをチャージする場合には、小銭投入口121または紙幣投入口122から現金を投入すること促す画面を表示する。さらに、第1の表示部140は、無線通信部110の通信位置110aに携帯端末3をかざして情報事前入力装置100によって確認した現在チャージされている電子マネーの残額などの情報を表示する。
【0031】
すなわち、第1の表示部140は、カウンタ201により区分けされるチェックアウトレーンに商品決済のために進入した客を対象とする情報を表示する。
【0032】
一方、第2の表示部150は、カウンタ201における客の移動方向の上流側端部であって第1の表示部140に連設されてカウンタ201の荷受面に対する視界を遮る位置に設けられる。第2の表示部150も、第1の表示部140と同様に、例えばOLEDディスプレイであって、後方が透けて見える透明ディスプレイである。
【0033】
第2の表示部150は、店内に存在する不特定多数の客を対象とする情報を表示する。例えば、特売情報や広告情報などである。
【0034】
また、第2の表示部150は、当該チェックアウトレーンにおけるPOS端末200における状況を表示するようにしても良い。例えば、表示される状況としては、トラブル発生の有無、混雑状況、キャッシャと称されるオペレータのスキル表示(若葉マーク、裁き速度など)、前の客の会計終了後の次の客に対する誘導表示などである。
【0035】
なお、図1に示す例では、第1の表示部140と第2の表示部150とは、L字状に一体に設けられている。第1の表示部140と第2の表示部150とは、これに限るものではなく、第1の表示部140と第2の表示部150とが別体で連設されていても良い。
【0036】
このように、第1の実施形態のチェックアウトシステム1によれば、オペレータ側と客側との間に位置して商品を載置する荷受面を有するカウンタ201における客の移動方向の上流側端部であってPOS端末200による販売登録処理を受ける客の移動方向に面して設けられた第1の表示部140に当該カウンタ201に進入した客を対象とする情報を表示するとともに、第1の表示部140に連設されてカウンタ201の荷受面に対する視界を遮る位置に設けられた第2の表示部150に不特定多数を対象とする情報を表示する。これにより、第1の表示部140に表示されているカウンタ201に進入した客を対象とする情報については、不特定多数を対象とする情報を表示する第2の表示部150によって外部からの視認をある程度防ぐことができるので、カウンタ201に進入した客に関する情報の漏えいを防止することができる。
【0037】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、前述した第1の実施形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0038】
本実施形態は、第1の実施形態で説明した第1の表示部140について、その形状を変更したものである。
【0039】
ここで、図2は第2の実施形態にかかるチェックアウトシステム50を客側から見た斜視図である。図2に示すように、本実施形態のチェックアウトシステムは、第1の実施形態で説明したチェックアウトシステム1の第1の表示部140とは第1の表示部の形状及び表示方向が異なるものとなっている。
【0040】
図2に示すように、本実施形態のチェックアウトシステム50の第1の表示部51は、情報事前入力装置300の上面に設けられていてカウンタ201と略同じ高さに位置付けられた操作部301と同一面であって、カウンタ201の荷受面と略同一面に設けられている。
【0041】
このように、第2の実施形態のチェックアウトシステム50によれば、オペレータ側と客側との間に位置して商品を載置する荷受面を有するカウンタ201における客の移動方向の上流側端部であってPOS端末200による販売登録処理を受ける客の移動方向に面して設けられた第1の表示部51に当該カウンタ201に進入した客を対象とする情報を表示するとともに、第1の表示部51に連設されてカウンタ201の荷受面に対する視界を遮る位置に設けられた第2の表示部150に不特定多数を対象とする情報を表示する。これにより、第1の表示部51に表示されているカウンタ201に進入した客を対象とする情報については、不特定多数を対象とする情報を表示する第2の表示部150によって外部からの視認をある程度防ぐことができるので、カウンタ201に進入した客に関する情報の漏えいを防止することができる。
【0042】
なお、各実施形態においては、一般的なスマートフォンなどである携帯端末3に対する各種の情報の読取りおよび書込みをNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)により実行する無線通信部(無線通信部110,無線通信部213)を設けるようにした。しかしながら、これに限るものではなく、携帯端末3の他に、非接触ICカードとの間で各種の情報の読取りおよび書込みを行うものであっても良い。この場合、無線通信部は、例えば電磁誘導方式によって電波を発生させて非接触ICカードのICチップに対する各種の情報の読取りおよび書込みを行うカードリーダ/ライタが適用されることになる。
【0043】
また、各実施形態のチェックアウトシステム1,50の第2の表示部150に対して商品陳列棚を並設するようにしても良い。この場合、商品陳列棚上に物品を検知するセンサを設け、商品陳列棚の物品の出し入れに伴って第2の表示部150の表示を変えるようにしても良い。さらに、商品陳列棚上に物品に付されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを読み取るRFIDリーダを設け、商品陳列棚に対する物品の陳列に応じて第2の表示部150の表示を変えるようにしても良い。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1,50 チェックアウトシステム
51,140 第1の表示部
100,300 情報事前入力装置
102,301 操作部
150 第2の表示部
200 販売登録処理装置
201 カウンタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開2003−275078号公報
図1
図2