特許第6034291号(P6034291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6034291ハーモニアス・スケール・インスツルメント(調和音階楽器)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034291
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】ハーモニアス・スケール・インスツルメント(調和音階楽器)
(51)【国際特許分類】
   G10D 1/00 20060101AFI20161121BHJP
   G10C 1/00 20060101ALI20161121BHJP
   G10D 3/10 20060101ALI20161121BHJP
   G10D 7/00 20060101ALI20161121BHJP
   G10D 13/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   G10D1/00
   G10C1/00
   G10D3/10
   G10D7/00
   G10D13/00 160
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-528481(P2013-528481)
(86)(22)【出願日】2011年9月20日
(65)【公表番号】特表2013-541728(P2013-541728A)
(43)【公表日】2013年11月14日
(86)【国際出願番号】CA2011001053
(87)【国際公開番号】WO2012037653
(87)【国際公開日】20120329
【審査請求日】2014年9月19日
(31)【優先権主張番号】61/434,119
(32)【優先日】2011年1月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/885,863
(32)【優先日】2010年9月20日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513063006
【氏名又は名称】ヘイター−ケリー,カーラ,ローズ
【氏名又は名称原語表記】HEITER−KELLY,Carla,Rose
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘイター−ケリー,カーラ,ローズ
【審査官】 安田 勇太
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−323958(JP,A)
【文献】 特開2005−275340(JP,A)
【文献】 特開2006−330014(JP,A)
【文献】 特開平06−214561(JP,A)
【文献】 米国特許第04142436(US,A)
【文献】 特開昭60−091394(JP,A)
【文献】 特開平09−152862(JP,A)
【文献】 実公昭47−020718(JP,Y1)
【文献】 実開昭50−014425(JP,U)
【文献】 Solfeggio Tuning Fork Set,[online],2009年,インターネット<URL:http://www.toolsforwellness.com/85172.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10C 1/00 − 9/00
G10D 1/00 −17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無調のハーモニアス・スケールの音階を発生するアコースティック無調楽器において、
9つより多くもなく且つ少なくもない9つの別々の音響発生器の全てを有する楽器であって、そのそれぞれの音響発生器が174Hz、285Hz、396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz、963Hzの周波数の中から選ばれた異なる無調で調和する周波数の音を発生させるように設定された前記楽器であり、
操作されている前記音響発生器でその対応する前記無調で調和する周波数の音を出すために、操作される前記音響発生器を構成することを特徴とするアコースティック無調楽器。
【請求項2】
前記9つの別々の音響発生器は、それぞれが、操作において特定の音響発生器に対応する周波数の音を楽器に発生させることが可能である請求項1に記載のアコースティック無調楽器。
【請求項3】
前記楽器は9本の弦を張ったものであり、最初の弦は963Hzで振動するように調律されており、2番目の弦は852 Hzで、3番目の弦は741Hzで、4番目の弦は639Hzで、5番目の弦は528 Hzで、6番目の弦は417 Hzで、7番目の弦は396 Hzで、8番目の弦は285 Hzで、9番目の弦は174 Hzで振動するように調律されている請求項2に記載のアコースティック無調楽器。
【請求項4】
前記楽器はバイオリン、ビオラ、チェロ、ハープ、リュート、バンジョー、ギター又はベースの形状である請求項3に記載のアコースティック無調楽器。
【請求項5】
前記楽器の第7、8、9番目の弦は0.20 のゲージ、第4、5、6番目の弦は0.018のゲージ、第3番目の弦は0.015 のゲージ、第2番目の弦は0.014のゲージ、第1番目の弦は0.012 のゲージである請求項3に記載のアコースティック無調楽器。
【請求項6】
前記楽器は1つあるいは複数のサウンド・ボディーから成り、それぞれのサウンド・ボディーはファイ(φ)数字の機能として考慮された寸法を包含している請求項3に記載のアコースティック無調楽器。
【請求項7】
前記楽器は鍵盤を持つキーボード楽器として構成される請求項2に記載のアコースティック無調楽器。
【請求項8】
前記楽器はバルブ又は穴のある木管楽器である請求項2に記載のアコースティック無調楽器。
【請求項9】
前記楽器は打楽器であり、その部材として打楽器の膜かあるいはチャイムベルを選んだ請求項2に記載のアコースティック無調楽器。
【請求項10】
無調のハーモニアス・スケールの音階を発生するアコースティック無調楽器において9つより多くもなく且つ少なくもない9本の弦が共鳴器に連結され、それぞれの弦は操作されると各々特定の周波数で振動するように楽器に取り付けられ、第1弦は963 Hz、第2弦は852 Hz、第3弦は741 Hz、第4弦は639 Hz、第5弦は528 Hz、第6弦は417 Hz、第7弦は396 Hz、第8弦は285 Hz、第9弦は174 Hzで振動するように設定されていることを特徴とするアコースティック無調楽器。
【請求項11】
前記楽器の第9、8、7弦はゲージ0.02で、第6、5、4弦はゲージ0.018、第3弦はゲージ0.015、第2弦はゲージ0.014、第1弦は0.012である請求項10に記載のアコースティック無調楽器。
【請求項12】
無調のハーモニアス・スケールの音階を発生するアコースティック無調楽器において9つより多くもなく且つ少なくもない9本の長さの異なる弦が共鳴器に連結され、第9、8、7弦はゲージ0.02、第6、5、4弦はゲージ0.018、第3弦はゲージ0.015、第2弦はゲージ0.014、第1弦は0.012 であり、それぞれの弦は張力が調整されていて、第1弦は963 Hz、第2弦は852Hz、第3弦は741Hz、第4弦は639Hz、第5弦は528Hz、第6弦は417Hz、第7弦は396Hz、第8弦は285Hz、第9弦は174Hzで振動するように設定されていることを特徴とするアコースティック無調楽器。
【請求項13】
アコースティック無調楽器として、9つより多くもなく且つ少なくもない9個の個別の音響発生器を備えた楽器であって、それによって発生させられた174Hz、285Hz、396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz、963Hzの周波数グループの中の音が音響発生器を実際に操作する事によって、対応する音が発生させられることを特徴とするサウンド・ヒーリングを行うアコースティック無調楽器。
【請求項14】
a.それぞれファイ(φ)数によって考慮された寸法の要素をもつ、一つあるいは複数の共鳴胴(サウンド・ボディー)と、
b.9本の全ての弦が一つまたは複数の共鳴胴(サウンド・ボディー)の上面に伸ばして張られ、1本の弦は963Hzで振動するように調整され、別の弦は852Hzで振動するように調整され、別の弦は741Hzで振動するように調整され、別の弦は639Hzで振動するように調整され、別の弦は528Hzで振動するように調整され、別の弦は417Hzで振動するように調整され、別の弦は396Hzで振動するように調整され、別の弦は285Hzで振動するように調整され、別の弦は174Hzで振動するように調整されていることからなることを特徴とするアコースティック無調楽器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、音楽を発生する楽器として、音楽を作曲するための表記システムとして、また本楽器を用いて教育及び治療のために用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
歴史の記録に残る最も初期の頃から、音楽は宗教儀式には無くてはならないものであった。プラトーとピタゴラスは霊的、物理的な全ての宇宙は数で理解できると世に教えた。そのように音楽のシステム、音やリズムは数で決められ、宇宙の調和に対応していると考えられた。最も重要な音楽に関するギリシア思想には次のようなものがある。「人間の思想や行動に言葉が大きな影響力を持つのと同様に、音楽にも力がある。従ってアーティストは、音楽によるか言葉によるかに関わらず、その力を行使するには人に与える影響を充分に考慮し敬意を表して行う義務がある。音楽、あるいは波動は、病を癒し、体と心を清め、自然界に奇跡を起こすことが出来る。」(History of Western Music, 3 rd ed. Donald Jay Grout, pg 2-11) 音楽に起因する同様の力は旧約聖書にも見られる。ダビデがサウルの狂気をハープの演奏で癒したこと(I Samuel XVI:14-23)、ジェリコの壁がトランペットの音と叫び声によって、崩されたこと(Joshua VI:12-20)などである。
【0003】
バロック、古典、ロマン時代の偉大な作曲家達は楽器のチューニングを天才的な自分の耳により、自然に調和するように調律していた。1919 年に西洋音楽の基準と成る調律が決められ、全ての楽器が一緒に演奏できるようになった。この12平均率は人工的に作られた基準で、A の音は常に 440Hz として現在でも継承されている。
【0004】
現在の全音階が人や自然と調和したものでないならば、調和したものが創出されなければならない。不協和、不調和な振動や音は不安、緊張あるいは健康上の問題、また精神や感情の問題を引き起こす。また宇宙とのつながりのなさを感じさせる。
【0005】
今日、西洋音楽における全音階システムは調性システムであり、特定の主要な音程が他の音より重要性をもつ。しかし、作曲において属7の和音は、最も「不安定」な和音であり、これに対する解決策が必要である。
【0006】
音楽において「ハーモニー」は 2 つ以上の音が同時に発せられたときに聞こえる和音であり、その連続する和音の進行により音楽を構成するものと言うことができる。これは音楽のリズムに関することと無関係ではない。例えば不協和音と協和音を使うことによって緊張感を生み、それが強力な前進する勢いを創りだす。ハーモニーは又拍子の中で、たやすく分かる典型的なコード進行によって音楽の中での自然な区切りを表す句読点の役割も果たす。
【0007】
ハーモニーは主にヨーロッパにおいて最も発展した。それぞれの時代で、良しとされ受け入られるハーモニーは違った。以下に例を挙げる。
1. 中世(450‐1450)において、ハーモニーとは空虚5度と8度の 2 つの音の組み合わせと考えられていた。
2. 中世からルネッサンス初期(1450 年代)の音楽では曲の最後には1オクターブ以内で最後の音とその5度上が使われるべきで、長3和音ですら不適切と考えられていた。
3. ルネサンス期(1450‐1600)で3音の和音が普通に使われだし、三和音がハーモニーの主要なものとなった。これが20世紀に4音以上の和音が創りだされてもなお、基礎として受け継がれている。
4. バロック初期(1600 頃)ハーモニーはメロディーの一部が含まれる和音と理解されていた。(通奏低音)
5. 1600−1900 年代において、完全3和音は一般的に曲の終了に使われていた。ハーモニーは垂直方向に働くものであるので、水平方向に働く対位法とは「対極」にあるものと捉えられることがある。しかし両者は「相反する」ものではない。殆どの対位法による作曲において、特に 1600−1900 年代においては、ハーモニーとしての進行によっていた。同時にハーモニーは個々の音声の動きと同様にも捕らえられていた。
6. 19 世紀には特にワーグナーによって、より多く半音階の音が使われるようになった。
7. 20 世紀になると不協和音が自由に使われるようになり、初期の頃は不協と聞こえていたものも、必ずしも解決して協和音にする必要はないとされるようになった。三和音に対しての挑戦をしたのはバルトークであった。彼は自分の生まれた地域のフォークミュージックにアイディアを得て4度の音を基礎とした和音をつくった。シェーンベルグは無調を初めて使い、12音技法による作曲を確立した。ストラヴィンスキーは殆どを調性音楽で作曲し不協和音を解決しないままに残す技法で耳をからかうような作曲をした。「世界の音楽」の文化がここに誕生した。
8. 21世紀に入り、もう一度音楽本来の目的である予知的な、神聖なものを取り戻そうとする欲求が見られる。また、「全なるもの」との「ハーモニー」に基づいて楽器を調音していないという認識が芽生えていることも考えられる。
【0008】
そのようなわけで、「ハーモニー」の新たな定義がここに浮上してくる。これはデザインやプロポーション、対称性のような要素を均等に配列する事によって表されるものかも知れない。
【0009】
一般に人間にとって、より調和の取れた音を聴くことはすべての意味において有益なことである。調和の取れた無調音楽は、新しい音楽の分野を開くだろう。これは、よりシンプルで、表現するためではなく、癒しの音楽を創ることに焦点をおいた作曲法で、ヒーリングの目的がなければ楽器を手にすることも無いような人のためのものである。
【0010】
音楽は常にその文化を映しだす。その属している世界を社会的、政治的、哲学的に映しだす。全ての音が互いに、また自然との調和の取れた無調、旋法の音楽を演奏することによって、世界を一つにまとめ、人種や国によって断絶されることのない平和と調和の世界へ導く方向へと向かうことになるだろう。同時に国境を越えて生きることにより、人類は皆、互いに自分達の周りにある音によって影響を与え合うことを知るようになるだろう。ゆえにより良いハーモニーを奏でる楽器は有益なものになる。
【0011】
神聖幾何学は、全てのものをその創造と統合の裏にあるエネルギーのパターンによって説明する古代の科学ということが出来る。全てのスケールにおいて全ての自然の成長や動きのパターンは必ず1つあるいは複数の幾何学の形に一致する。これは宇宙の全てに当てはまることだが、よりはっきり見て取れるのは、蛇の皮、花びら、DNA、目の角膜、オウムガイ、雪の結晶などである。
【0012】
神聖幾何学は、また次のように定義することができる。それは数字、比率、天文学そして音楽の関係を表し、それが非常にバランスのとれたものであり最も美しい方法で造られており多くの人々が遠方にも関わらず訪れて賞賛するものである。例えば建築においては、エジプトのピラミッド、パルテノン大聖堂、アテネのアクロポリスなどでそれらは殆ど完璧に黄金長方形に一致する。フィボナッチ数列は神聖幾何学の一部である。フィボナッチ数列のある一つの数字をその一つ前の数字で割ると、その解はファイ(φ)1.61803……になる。例えば 55÷34、あるいは 21÷13。この比率は黄金比として知られている。
【0013】
今日、建築家や芸術家、最も美しく調和の取れたものとして黄金比をその作品に用いる。特にその長辺と短辺の比率が黄金比になる黄金長方形を用いる。
【0014】
現代医学では、周波数に関する技術や器具を用いて複雑な過程を経て治療や検査に利用している。治療に関わる周波数について、より多くの研究が行われることによって、現在の技術をよりシンプルに向上させ、同時に病気からの回復と予防においても大きく向上することが出来るだろう。
【0015】
したがって、今必要とされるのは新しい調和的なシステムであり、新しい調和音階を用いた楽器または器具である。また同時に必要なのは、神聖幾何学を用いた楽器のセットである事である。調和的振動は人や動物、自然に対して平和、愛、調和、健康な感覚をもたらすだろう。
【発明の概要】
【0016】
本発明においての一つの実施態様として楽器としての使用ができる。当該楽器は 9 個の個別の音響発生器より成り、それぞれが個別に、174 Hz、285 Hz、396 Hz、417Hz、528 Hz、639 Hz、741 Hz、852 Hz、963 Hz の周波数を発生するよう設定されている。音響発生器が操作される事によりに、それぞれの周波数に対応する音響をこの楽器が発生する。当該発明の楽器により、アコースティック、電子音のいずれの装置でもヒーリング、教育目的あるいは作曲の手段として使用することができる。
【0017】
本発明において、別の実施態様として音階を発生させる楽器としての使用が可能となる。本楽器は 9 本の弦からなり、共鳴装置と接続している。それぞれの弦は使用者に操作されたときに、特定の周波数で振動するように楽器に取り付けられている。第 1弦は 963 Hz、第 2 弦は 852 Hz、第 3 弦は 741 Hz、第 4 弦は 639 Hz、第 5 弦は 528 Hz、第 6 弦は 417 Hz、第 7 弦は 396 Hz、第 8 弦は 285 Hz、第 9 弦は 174 Hz で振動するように設定されている。
【0018】
本発明において別の実施態様として、音階を発生させる楽器としての使用が可能となる。本楽器は 9 本の長さの異なる弦と共鳴装置によって構成されている。第 9、第 8、第 7 の弦はゲージ 0.02、第 6、第 5、第 4 弦はゲージ 0.018、第 3 弦はゲージ 0.015、第 2 弦はゲージ 0.014、第 1 弦はゲージ 0.012 である。第 1 弦は 963Hz で振動するように、第 2 弦は 852Hz で振動するように、第 3 弦は 741Hz で振動するように、第 4 弦は 639Hzで振動するように、第 5 弦は 528Hz で振動するように、第 6 弦は 417Hz で振動するように、第 7 弦は 396Hz で振動するように、第 8 弦は 385Hz で振動するように、第 9 弦は 174Hzで振動するように張られている。
【0019】
本発明の楽器は電子音、アコースティック(生音)の両方である。
【0020】
更に本発明の別の実施態様として、異なるハーモニーの音を持つことによって、作曲のための記譜法を提供する事ができる。この記譜法は 5 本の水平な線とそれによって分割される 4 つの空間から成り、第 1 線は一番下の線で 174Hz の第1音を表す。第1線直上の空間は 285Hz の第 2 音を表す。第 2 線は 396Hz の第 3 音を表す。第2線直上の空間は417Hz の第4音を表す。第 3 線は 528Hz の第 5 音を表す。第3線直上の空間は 639Hz の第 6 音を表す。第 4 線は 741Hz の第 7 音を表す。第 4線直上の空間は 852Hz の第 8 音を表す。第 5 線は一番上の線で 963Hz の第 9 音を表す。
【0021】
更に本発明の別の実施態様として、本発明のいずれの楽器を用いても人に対しての処置ができる。方法は対象者に本発明の楽器を演奏して音を聞かせることによって行う。
【0022】
本発明の別の実施態様として、本楽器によって発生させる 1 つあるいは複数の音に対象者を曝すことにより、当該対象者の不調を調整する事ができる。それらの音(frequencies)とは、174Hz、285Hz、396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz、963Hz の中から選ばれた音である。周波数は対象者の目的の組織に対応するものが選ばれる。また別の面では、不調は生理学的、神経学的、行動上、また霊的な分野からも選ばれる。
【0023】
別の様態では、本発明は音によるヒーリングの実施方法を提供する。この方法は対象者を本楽器によって発生される音(frequencies)に、有効となるまでの一定時間曝すことにより、求める効果をもたらすものである。9 個の個別の音響発生器によって発生させられる174Hz、285Hz、396HzHz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz、963Hz の音のグループの中の音が楽器を操作する事によって、その対応する音を発生させる。
【0024】
別の様態では、本発明は音によるヒーリングの道具を提供する。当道具は174Hz、285Hz、396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz、963Hz の各音を発生するように設計されている。
【0025】
更に別の様態では、本発明は次の周波数からなる音階を提供する。174Hz、285Hz、396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz、963Hz の 9 個の音(frequencies)である。
【0026】
本発明の別の実施態様として、本発明は次のものから構成される楽器に関係する1 つあるいは複数の発音体で、それぞれの発音体はファイ(φ)を用いて決定された体積を持ち、9 本の弦が 1 つまたは複数の本体の表面に張られている。一つの弦は 963Hzで振動するように調整されており、別の弦は 852Hz で振動するように調整されている。また別の弦は 741Hzで振動するように調整されており、別の弦は 639Hz で振動するように調整されている。また別の弦は 582Hz で振動するように調整されており、別の弦は 417Hzで振動するように調整されている。また別の弦は 396Hz で振動するように調整されており別の弦は 285Hz で振動するように調整されている。もう一つの弦は 1742Hz で振動するように調整されている。
【0027】
図表の中の参照符号は、別の図表の対応する箇所を示す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一つの態様に従って造られた一つの楽器の全体像を示す。
図2】本発明の一つの態様に従って造られた一つの楽器の全体像を示す。
図3】本発明の一つの態様に従った作曲のための表記法の概略図を示す。
図4図3のイラストによって表されている表記法を用いて書かれた短い楽譜の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
別に定義のない限り、本文で使われている全ての専門用語や科学用語は、本発明の属する分野において一般に理解されているものを意味する。また特別に明示されない限り、またクレーム内を除き、「または」(or)「そして」(and) はそれぞれ両方の意味を含むものとする。非限定用語は明確に文中で指定されない限り、限定的に解釈されない。(例:「〜を含む」、「〜を持つ」、「〜から成る」は典型的な表現で「制限なく〜を含む」ことを表す。)
概説
【0030】
一実施態様において、本発明はアコースティックまたは電子楽器として説明する事ができる。その楽器は 9 個の個別の音響発生器を含むことができる。それぞれの音響発生器が個別に、174 Hz、285 Hz、396 Hz、417 Hz、528 Hz、639 Hz、741 Hz、852 Hz、963 Hz からなるの周波数グループの中から選ばれた周波数を発生するよう設定することができる。その楽器は、操作する事によって対応する音響発生器から特定の周波数の音響が発生するように設計されてもよい。この意味で本発明による楽器は、アコースティック装置でも電子音装置でも、療法として、音楽教育として、またヒーリングの目的で、あるいは音楽創作のためにも使用されてもよい。
【0031】
本発明者は、音によるヒーリングについて熟知している。発明者は業務上、身体や精神、心に問題を抱えた個人とワークを行ってきた。すなわち、体の特定の部分に問題のある者、また全身性の病気や精神、霊的な問題のある者も含まれる。本発明による楽器を用いての処置を行った後、身体、精神、心に目覚しい回復が達成された。
【0032】
別の実施態様として本発明は、ハーモニアス・スケール(調和音階)を持つ楽器として説明することができる。調和音階は無調で基本的に9つの周波数をもつものであってもよい。本文書で「無調」の意味するところは、音を体系化するにあたってひとつの音が他の音より重要度が高いということのない方法である。本発明で説明されている、9 つの周波数からなる無調の音階を、ハーモニアス・スケール(調和音階)と言う。
【0033】
先に説明したとおり、現在の西洋音楽の全音階システムは調性システムによって成り、そこでは主音や属音、導音のような特別な音が、より重要度の高い音とされる。ハーモニアス・スケール(調和音階)は無調であるため、一般の音楽で主音に戻ること期待して安心感を得ようとするうちに知らず知らずに緊張感が高まることがあるが、それを防ぐ。ハーモニアス・スケールは主音が無く、長音・短音、転調もない。調号、シャープやフラット、臨時記号もない。ハーモニアス・スケールは基本的に9つの正確な周波数から構成することができる。ハーモニアス・スケールを使って、全音階システムにあるような複雑な作曲法を踏襲することなしに、どの音から演奏を始め、どの音で演奏を終了することも可能である。ただ全音階システムの中の特定の音程や和音の組合せが心地よく聞こえる。この、今までにないハーモニアス・システムは作曲をよりたやすいものとし、「創造的」、「直観的」な演奏を可能とするので、西洋音楽を学ぶのは難しすぎると感じる多くの人々に新しい分野としての門戸を開くことができる。音楽演奏者は、楽器を持って「演奏者になりきる」か、(完全に集中して)「ゾーン」状態に入っていれば複雑な作曲法を踏襲することを心配する必要はない。本発明による楽器を用いることにより、即興演奏とサウンド・ヒーリングはより容易となり得る。したがって音楽表現や創造性において、年齢、知的能力、人種、文化や言語、民族などの障壁をなくすことができる。世界中の人々が、このシンプルなハーモニアス・システムを使って、老いも若きも能力の高さにかかわらず、理解し、演奏し、作曲し、共に即興演奏することができる。そこには間違った演奏法などはなく、「全てが一つ」の世界である。ハーモニアス・スケールはその単純さゆえに、このハーモニアス・システムを短時間で、また若年者でも習熟することができる。
【0034】
ハーモニアス・スケールは古代ギリシアのピタゴラスとプラトーによる「モード」システムに基づいている。ピタゴラスとプラトーは全ての音は私たちの周りにある全ての物に影響を与えると教える。つまり、あなたという人は「あなたの聴くものから成る」ということである。例えば、ダンスのリズムを聴くことにより、人がダンスしたくなるように刺激するというモード的な影響がある。別の例としては、創造的な音楽体験から拍子記号を取り除くことである。ここで言うモード的効果は展開する自由、直観と意識の自由を表す。なぜならすべての構造と時間の感覚が取り除かれるからである。
【0035】
本発明の音階は全てがそれぞれ互いに、また自然と調和している9つの周波数のシステムを表す。ハーモニアス・スケールは新しいカテゴリーの楽器としての調音と音階システムとして利用することが可能である。その楽器は主に個人と世界全体のヒーリングに影響を与えるものとなり得る。ハーモニアス・スケールのそれら9つの周波数は 174Hz、285Hz、396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz、963Hz である。9つの周波数は数学的な1組の振動数であり、それ自体完結しているので、もしその配列を繰り返そうとすればそれ全体が自動的に反復する。つまり、もしこの数列を継続しようとするならば、963 の次の数は174となり、何回でも繰り返す。
ハーモニー
【0036】
背景技術の項で述べたように、「ハーモニー」の新たな定義がここに浮上してくる。これはデザインやプロポーション、対称性のような要素を均等に配列する事によって表され得るものである。ここで発明者は次のように提案する。すなわち、比率は黄金(神聖)分割がふさわしいこと。またデザインは神聖デザイン、対称性においては神聖対称を用いること。ここで提示されている新しい音楽的「ハーモニー」の定義は、数秘学に基づいており、またプラトーとピタゴラスの教えによる音楽と「全」なるもの、宇宙全体との相互関係にも基づき得る。本発明による新しいハーモニアス・スケールと、その調音システム、その楽器によって創造される神聖な周波数は、我々が知り得る全てのものと完全に調和することができる。ハーモニアス・スケール楽器によってかつて失われてしまったものがここに回復される。
ハーモニアス・スケール
【0037】
紀元前 6 世紀の数学家であり哲学者、音楽理論家であるピタゴラスは、研究調査により数秘学という分野を誕生させた。ピタゴラスは、数が宇宙の基礎であるかもしれないこと、音楽が素晴しいハーモニーのシステムである事を最初に気付いた人である。彼の時代に、現代科学者ならエネルギー波長あるいは電磁エネルギーとでも呼ぶであろう、宇宙が振動するエネルギーによって創造されていることは、広く受け入れられていた。ピタゴラスは、数には全ての命を統合と調和へともたらす力があることを教えた。ピタゴラスの教えでは、数は 1、2、3、4、5、6、7、8、9 の9つのみであると教えた。多数の数からなるものでも全ての数を 1 桁づつ加えていく事によって最終的に 1つの数字に還元することができる。例:10=1+0=1、11=1+1=2、12=1+2=3。どれほど多くの桁があっても、常に最終的に 1 桁の数に還元できる。そして 1 から 9 の数列は何度でも繰り返す。
【0038】
テーブル1にあるように、ハーモニアス・スケールの 3 桁の数字を加算すると、繰り返しのパターンが出現する。
【0039】
テーブル 1
174=1+7+4=12=1+2=3
285=2+8+5=15=1+5=6
396=3+9+6=18=1+8=9
417=4+1+7=12=1+2=3
528=5+2+8=15=1+5=6
639=6+3+9=18=1+8=9
741=7+4+1=12=1+2=3
852=8+5+2=15=1+5=6
963=9+6+3=18=1+8=9
【0040】
ハーモニアス・スケールもまたそのルーツを数字にみることができる。それは 3を基礎とした、3角あるいはトライアード。これはまた聖なる三位一体で、世界中の多くの宗教に見られるものである。例えばキリスト教の三位一体(父、息子、精霊)、ヴェーダの三位一体はブラマー、ヴィシュヌとシバとその配偶者であるサラスワティとラクシュミ、そしてカリなど。形而上学では、「3」は神聖なものの物質化を象徴する。それは幾何学上最も強い形であり命の基礎とされる3角形をあらわす。キーリー・モーターの発明者であるジョン・キーリーは共振物理学の発見者でもあり、電磁波技術のエキスパートでもあるが、「第3、第6、第9の振動は非常に強力である」と書いている。彼の実験で、第3、第6、第9の設定が最も効果的であると証明された。有名なアメリカ人発明家のニコラ・テスラは「もし3、6、9、の比類ない素晴しさを知ったなら、それは宇宙への鍵を持つことと同じであろう。」(peswiki.com/index.php/Power Pedia: John Keely)
【0041】
テーブル2について、本発明の、ほとんどの音階は 111Hzずつ離れていることを表す。それ以外の2つは 21Hz と 102Hz 離れている。ピタゴラス定理による数秘学ではこれら全ての数を 1 桁まで還元すると、3 になる。つまりこのように、ハーモニアス・スケールも合計と差が黄金分割に基づいている。
【0042】
テーブル2
111=1+1+1=3
102=1+2=3
21=2+1=3
【0043】
有名なフィボナッチ数列は次の通りである。
【0044】
0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89……..と無限に続く。
【0045】
最初の2つのフィボナッチ数列は 0 と1、そして続く数列は前 2 つの数の和である。そのパターンは、偶数、奇数、奇数と続き、その偶数、奇数、奇数は無限に続く。フィボナッチ数列の並ぶ 2 つの数の比率はファイ(φ)、0.6180339887……に集約される。例えば5÷3は 1.666、8÷5は 1.60、13÷8 は 1.625、というように続く。フィボナッチはこの比率を神聖分割あるいは中庸(ゴールデン・ミーン)、または黄金分割、若しくは自然の創造、と呼ぶ。ドランバロ・メルキッセデクは彼の本で、神聖幾何学を通しての創造で、フィボナッチ数列とファイ比率が用いられていると書いている(古代神聖幾何学の秘密、第 2 巻。Ed. Margaret Pinyan, Light Technology Publishing, 2000 年)。本書 244 ページでドランバロは3がどのようにしてフィボナッチ螺旋、星の 4 面体(スター・テトラへドロン)あるいはダビデの星と呼ばれる 2 つの三角形が重なったものの基礎単位となったかを説明している。それは天に向かって上昇する螺旋運動と、天上のエネルギーを地にもたらす下降の螺旋運動である。これはまた、キリスト意識を物質にもたらすものとも表し得る。
【0046】
テーブル3はハーモニアス・スケールのそれぞれの周波数がいかにフィボナッチ数の和を表し得るかを示す。本発明における音階の9つ全ての周波数は共通の周波数をその数の和の中に含んでいることが分かる。ゆえに、本発明のこの9つの周波数はそれぞれ互いに調和が取れており、それは自然が持つのと同じ、強い創造的な螺旋のエネルギーを持ち得ることが分かる。
テーブル3

174 は 7 セットのフィボナッチ数列の和である。
{1+8+21+144}, {1+3+5+21+144}, {1+8+21+55+89}, {1+3+5+8+13+144}
{1+3+5+21+55+89}, {1+3+5+9+13+55+89}, {1+3+5+8+13+21+34+89}

285 は 9 セットのフィボナッチ数列の和である。
{5+13+43+233}, {2+3+13+34+233}, {5+13+34+89+144}, {21+3+5+8+34+233},
{2+3+13+34+89+144}, {2+3+5+8+13+21+233}, {2+3+5+8+34+89+144},
{2+3+5+8+13+21+89+144}, {2+3+5+8+13+21+34+55+144}

396 は 12 セットのフィボナッチ数列の和である。
{1+5+13+377}, {1+2+3+13+377}, {1+5+13+144+233}, {1+2+3+5+8+377},
{1+2+3+13+144+233}, {1+5+13+55+89+233}, {1+2+3+5+8+144+233},
{1+2+3+13+55+89+233}, {1+5+13+21+34+89+233}, {1+2+3+5+8+55+89+233},
{1+2+3+13+21+34+89+233}, {1+2+3+5+8+21+34+89+233}

417 は 15 セットのフィボナッチ数列の和である。
{1+5+34+377}, {1+2+3+34+377}, {1+5+13+21+377}, {1+5+34+144+233},
{1+2+3+13+21+377+}, {1+2+3+34+144+233}, {1+5+13+21+144+233},
{1+5+34+55+89+233}, {1+2+3+5+8+21+377}, {1+2+3+13+21+144+233},
{1+2+3+34+55+89+233}, {1+5+13+21+55+89+233}, {1+2+3+5+8+21+144+233},
{1+2+3+13+21+55+89+233}, {1+2+3+5+8+21+55+89+233}

528 は 7 セットのフィボナッチ数列の和である。
{2+5+144+377}, {2+5+55+89+377}, {2+5+21+34+89+377}, {2+5+55+89+144+233},
{2+5+8+13+34+89+377}, {2+5+21+34+89+144+233}, {2+5+8+13+34+89+144+233}

639 は20セットのフィボナッチ数列の和である。
{8+21+610}, {3+5+21+610}, {8+21+233+377}, {1+2+5+21+610}, {3+5+8+13+610},
{3+5+21+233+377}, {8+21+98+144+377}, {1+2+5+8+13+610},
{1+2+5+21+233+377}, {3+5+8+13+233+377}, {3+5+21+89+144+377},
{8+21+34+55+144+377}, {1+2+5+8+13+233+377}, {1+2+5+21+89+144+377},
{3+5+8+13+89+144+377}, {3+5+21+34+55+144+377}, {1+2+5+8+13+89+144+377},
{1+2+5+21+34+55+144+377}, {3+5+8+13+34+55+144+377},
{1+2+5+8+13+34+55+144+377}

741 は21セットのフィボナッチ数列の和である。
{8+34+89+610}, {3+5+34+89+610}, {8+13+21+89+610},
{8+34+89+223+377}, {1+2+5+34+89+610}, {3+5+13+21+89+610},
{3+5+34+89+233+377}, {8+13+21+34+55+610}, {8+13+21+89+233+377},
{1+2+5+13+21+89+610}, {1+2+5+34+89+233+377},
{3+5+13+21+34+55+610}, {3+5+13+21+89+233+377},
{8+13+21+34+55+233+377}, {1+2+5+13+21+43+55+610},
{1+2+5+13+21+89+144+377}, {3+5+13+21+34+55+233+377},
{8+13+21+34+55+89+144+377}, {1+2+5+13+21+34+55+233+377},
{3+5+13+21+34+55+89+144+377}, {1+2+5+13+21+34+55+89+144+377}

852 は14セットのフィボナッチ数列の和である。
{1+8+233+610}, {1+3+5+233+610}, {1+8+89+144+610},
{1+35+89+144+610}, {1+8+34+55+144+610}, {1+8+89+144+233+377},
{1+3+5+34+55+144+610}, {1+3+5+89+144+233+377},
{1+8+13+21+55+144+610}, {1+8+34+55+144+233+377},
{1+3+5+21+55+144+610}, {1+3+5+34+55+144+233+377},
{1+8+13+21+55+144+233+377}, {1+3+5+13+21+55+144+233+377}

963 は12セットのフィボナッチ数列の和である。
{2+8+21+89+233+610}, {2+3+5+21+89+233+610},
{2+8+21+34+55+233+610}, {2+3+5+8+13+89+233+610},
{2+3+5+21+34+55+233+610}, {2+8+21+34+55+89+144+610},
{2+3+5+8+13+34+55+233+610},
{2+3+5+21+34+55+89+144+610}, {2+8+21+34+55+89+144+233+377},
{2+3+5+8+13+34+55+89+144+610},
{2+3+5+21+34+55+89+144+233+377},
{2+3+5+8+13+34+55+89+144+233+377}
【0047】
テーブル4について、本発明によるハーモニアス・スケールは2つのテトラコード(4 音音階)が 528Hz で合わせられたシステムとみることもできる。この周波数は生命の基礎である DNA を修復するために遺伝生化学者が用いるものである。

テーブル4
174 285 396 417 528 639 741 852 963
【0048】
これら 9 つの周波数のうち 6 つは洗礼者聖余ヨハネへの偉大なる賛美歌や多くのグレゴリア聖歌で使われていたようだが、教会関係者によると何世紀も前に失われてしまったようである。聖歌とその特定のトーンは調和をもって歌うと、特別な霊的祝福を授けると信じられていた。
【0049】
最近になり他の 3 つの周波数がアイダホのジョセフ・プレオ博士とハーバード大学出身の発明家として受賞経験のあるレオナルド・ホロヴィッツ博士の助けにより使われた。「オリジナル・ソルフェージオ・スケール」と呼ばれるものについての研究が「生物学的黙示録のためのヒーリングコード」(Tetrahedron Publishing Group, LLC, Suite 147, 206 North 4 th Ave, Sandpoint, Idaho, USA, 83864, 2007)にそれについて記録されている。しかしながら、9つの周波数が統合されて、新しい一つのハーモニアス・スケール(調和音階)が創られたことも、新しい楽器が創られたことも、ヒーリングを目的にされた事もない。

本発明による道具(楽器)
【0050】
本発明のハーモニアス・スケールを活用するために、新しいカテゴリーの楽器が必要になるかもしれない。それはアコースティックでも電子音でもよく、本発明によるハーモニアス・チューニング・システム(調和調音システム)から成るもので創られる必要があるかもしれない。本発明による楽器はハーモニアス・インスツルメント(調和楽器)と呼ばれてよいだろう。その様なわけで、本発明においての一つの実施態様として楽器としての使用ができる。その楽器は 9 個の個別の音響発生器より成り、それぞれが個別に、174 Hz、285 Hz、396 Hz、417 Hz、528 Hz、639 Hz、741 Hz、852 Hz、963 Hz の周波数を発生するよう設定されている。音響発生器が操作される事によりに、それぞれの周波数に対応する音響をこの楽器が発生する。それ以外の音を使う必要はあまりない。なぜなら9つの周波数に既に含まれている音がそれを繰り返すからである。今日世界中にある楽器のほとんどは全音階に設定されている。つまり、12平均率音階に調律されている。現代のピアノを本発明による 9 周波数を基礎とした音階に改造してもうまく機能しないだろう。例えば、新しい楽器としてのハーモニアス・ピアノ、またはキーボードはハーモニアス・スケールに基づいて設計されると9個の鍵盤のみになるだろう。ハーモニアス・ピアノは白鍵のみで 9 個の鍵盤しかないので、普通のピアノと比べて異なって見えるかもしれない。フルートやピッコロ、クラリネット、オーボエのような木管楽器もハーモニアス・スケール取り入れることが可能だろう。それは全く新しい種類の楽器となるだろう。ハーモニアス・チューニング・システムにおいては全ての楽器に新しいデザインが考慮されるかもしれない。図1と2は本発明の実施態様の2つの楽器をあらわす例である。神聖ハープ(図 1)と神聖チャイム(図2)である。
【0051】
本発明の一つの実施態様として、ヒーリングと音楽のためのハーモニアス・装置は全て黄金分割(ゴールデン・ミ―ン)に基づいたデザインで創ることが可能である。
【0052】
今日標準的な楽器には共鳴胴(サウンド・ボックス)がついている。ギターやバイオリン、チェロ、ビオラなどのような弦楽器では楽器は共鳴胴とネックから成り弦が本体とネックの表面に張られている。共鳴胴またはボディーは一般に前面、背面のパネルと前後をつなぐ側面からなる。ひとつのサウンドチェンバーは前面パネル、背面パネル、側壁で構成されることができる。前面パネルには1または複数の開口部が共鳴胴に空いているかもしれない。共鳴胴は電子ギターのような場合、実質上中空でない固体でもあり得る。
【0053】
本発明による楽器はファイ(φ)数を使った黄金分割、黄金比率によってデザインすることができる。本発明による楽器を創作するにあたって、今日一般にあるような共鳴胴、共鳴盤は1つまたは複数の本体と置き換えられ、それは神聖幾何学と黄金分割をデザインに用いることにより音響は最大限に生かされるだろう。その様にして、共鳴胴は神聖音響室(セイクレッド・サウンド・チェンバー)と呼ばれる。その楽器には1つまたは複数の共鳴胴を持ち得る。それらの共鳴胴やその要素の寸法はファイ(φ)数によって決めることができる。例えば、前面パネルの最長の長さと側壁の幅はその比率がファイ(φ)になるように考慮される。別の例として、第一の共鳴胴の最長の長さと、第二の共鳴胴の最長の長さの比がファイ(φ)となるように考慮される。また別の例として、前面パネルの開口部の寸法がファイ(φ)を基に考えられることもできる。例えば、1つまたは複数の開口部が円形で、その直径がファイ(φ)の倍数になるよう設計されることができる。
【0054】
9つの周波数はどのような楽器にも組み入れることが可能である。それはバイオリンやチェロ、ビオラなどのように見えるかもしれない。実際に作るには、一貫して黄金比率の幾何学に基づき、前面から背面パネルまで1つまたは複数のセイクレッド・サウンド・チェンバーの共鳴胴を設計する事によって可能となる。黄金比率を全ての楽器に用いることにより、パネルの柔軟性の均質さや、セイクレッド・サウンド・チェンバーの最上部から裏面までを通して、音の振動のスピードを最大限にすることが可能になる。パネルの密度と同調は常に考慮に入れる必要があるが、全体のパターンとしての1つあるいは複数の共鳴胴はそれぞれに応じて幾何学的により薄く、または厚くなるかもしれない。
【0055】
本発明による楽器のアーチの高さもまた黄金比率に基づくことができる。例えばバイオリンの理想的アーチの高さは 16mm である。
【0056】
ブリッジは弦楽器の弦を支えるため、そして弦の振動を共鳴胴のような楽器の他の部分に伝え最終的に回りの空気に音を伝えるための道具と定義することができる。本発明による楽器では、ブリッジの位置は1つあるいは複数の共鳴胴において常に同じ位置になるように決められる。例えば人体における臍の位置のように、全てオンゴン比率により得る。
【0057】
楽器、ヒーリング用器具などを黄金比率をもった構造で創作することにより、最も力強い振動の神聖音楽をつくることが可能となる。全てのハーモニアス・スケールの楽器、ヒーリング器具はセイクレッド・サウンド・チェンバーを持ち、セイクレッド・サウンド・ホール(神聖音穴)を通して全ての振動が放射されるだろう。全ての楽器が神聖幾何学と数秘学を考慮に入れ、従って全てが黄金比率になるように創作することができる。
【0058】
この分野で普通の技術の人々にもハーモニアス・スケールでの演奏を取り入れることはたやすいだろう。例えば(1)バイオリンやビオラ、チェロ、ハープ、リュート、バンジョー、ギター、ベースなどの弦楽器(アコースティックでも電子楽器でも)。(2)ピアノ(アップライトピアノ、グランドピアノを含む)、アコーディオン、ハーモニウム、オルガン、シンセサイザーのようなキーボード楽器。(3)チャイム、ベル、トライアングル、木琴、ドラム、ボンゴのようなパーカッション楽器(打楽器)。(4)フルートやピッコロ、クラリネット、バグパイプ、オーボエ、サキソホーン、バスーン、トランペット、トロンボーン、ホルン、チューバ、ユーフォニュームなどの木管楽器と金管楽器、それらは管にある穴やバルブ開けたり塞いだりすることによってハーモニアス・スケールの音階をつくるものです。これら全てが本発明の範囲に含まれる。パーカッション楽器は何かで叩く、振る、撫でる、擦る、あるいはその他の動きで振動を起こすと音の出るものである。この分野で普通の技術の人でも木琴やチャイムのようなパーカッション楽器を用いることを楽しめるだろう。それらは 9 本の棒または音のなるチャイムでそれぞれが叩くと本発明の 9つの対応する周波数を発生させる。(図2参照)また普通の技術の人でも、ドラムのような膜のあるパーカッション楽器を演奏するのを楽しむことができるだろう。9 個のドラムはそれら一つ一つが叩くと本発明の 9 つの周波数を発生させるように設計され製造することができる。
作曲法
【0059】
ハーモニアス・スケールは無調であるので、全ての周波数の音は均等に重要であり、調性の中心音はない。9つ全ての周波数の音はハーモニアス・スケール内で互いに調和する。ゆえに本発明に基づいて創られた楽器を用いて、作曲家、演奏家、サウンド・ヒーラー、あるいはその他の人でもこの 9 つのセットの周波数の中では、調号や適切な作曲法、調和的な休止や和音などにとらわれることなく、どの音から始めても、どの音で終わっても良い。なぜなら全ての音が一つずつでも、組み合わせた和音でも調和するので、制限がないからである。ここに初めて、即興演奏を完全に自由に行うことができるようになり、間違った演奏方法はありえない。
ヒーリング方法
【0060】
本発明においての一つの実施態様として、対象者の不調を取り扱う方法がある。その不調は生理学的、神経学的、行動上のあるいは霊的な不調かもしれない。その方法は、対象者をハーモニアス・スケールの9つの周波数のうちの1つまたは複数の音に、望まれる効果をもたらすのに必要な一定時間曝すことからなる。本発明の一実施態様としての楽器によって9つの周波数が発生され得る。本発明は対象者をハーモニアス・スケールの9つの周波数に曝すことによって対象者の痛みや不安の軽減、学習、てんかん、鬱病に対処する手段とすることができる。
【0061】
本発明においての別の実施態様として、音によるヒーリングの方法を提供する。音によるヒーリングを実施する方法は、本発明による楽器によって発生された周波数の音に、対象者を望まれる効果をもたらすのに必要な一定時間曝すことからなる。
【0062】
音の周波数によるヒーリングは振動が共鳴するシステムを基礎としている。これは物理学で良く知られている原理であり、サウンド・ヒーリングである。例えば、440Hzの周波数を発生するように設計された音叉を叩き(振動させる)、もう一つの 440Hz の音叉を近づけると、2番目の音叉も振動し始める。最初の音叉が 2 番目の物を同調させた、または共鳴させたということができる。異なる周波数の音叉は共鳴しないので影響を受けない。これは「自由共鳴」とみなされる。「強制された共鳴」は2つの振動体が同じ周波数を共有しないにも関わらず、一つの振動体が別の振動体に振動をもたらすことを言う。一つの物の振動が、同調または変更して別の物を振動させる。これらの振動源は「強制された共鳴」を発生し、多くの異なる周波数に共鳴する。同調の物理原理は生体にも適用される。人体もまたこのように周りの振動に反応して共鳴する。
【0063】
本発明のハーモニアス・スケールを内蔵するよう設計された楽器を用いてのサウンド・ヒーリングにおいて、共鳴周波数がヒーリングに適用され、それによって本来ある自然の周波数が修復される。体の持つそれ自身の共鳴周波数が修復されること、エネルギーシステムのバランスを取ることにより、体はそれ自身を癒し始めることができる。ごく単純に表現すると、体の一部が「不調和」に振動すると、経験を積んだサウンド・ヒーラーは正しい周波数を使うことによって身体、感情体、メンタル体あるいは霊体のその部分を同調させ、その人のエーテル体と身体を調和状態に戻すことができる。それによって本来体に備わっている自然なヒーリングのプロセスが起こる。これはより総合的な方法でのヒーリングが、体と心のみならず霊的なヒーリングまでも可能であることを表す。
【0064】
脳を含む神経システムの電気科学的な活動は電磁波を発生し、それは精度の高い機器で計測することが可能である。脳波は脳内の数々の活動によってその周波数が変わる。神経系の活動は電気化学的であるため、脳の機能は特定の化学物質(西洋医学によって処方される薬品など)によって調整することが可能である。また、誘導あるいはサウンド・ヒーリングによる共鳴同調テクニックによって脳の電磁環境を変えることによって脳の機能を調整することが可能である。共鳴同調テクニックを使うことによって有害な副作用は起こらない。
【0065】
サウンド・ヒーリングにおいて、リスナーの脳波がヒーラーの発生させる音の周波数と共鳴したときに音の同調(エントレインメント)が起こる。鳥のさえずりや雨音、波の音などのような環境音は地球上で最も心地よい音であり得る。これらはマッサージやレイキ、頭蓋仙骨などのセラピストによりしばしば使われている。音の同調が起こると、私達の心臓は地球の拍動と共に鼓動するようになり、宇宙と調和することが出来る。よく知られている事だが、車の往来の音やサイレンの音、またあわただしい町中の音なども我々に影響を与えるが、これはより悪い意味での影響である。大都市の音や騒音を避ける事はできないかもしれないが、車を運転中に、自然や人体と調和が取れていないと証明されている現代の 12 平均率の全音階でなく、ハーモニアス・スケールによる音楽を聴きエネルギーシステムのバランスを保つことは可能である。
【0066】
さらに別の実施態様では、本発明は音によるヒーリングを実施するための道具を提供し、その道具は 174 Hz、285 Hz、396 Hz、417 Hz、528 Hz、639 Hz、741 Hz、852 Hz、963 Hz の周波数を発生するよう設定されている。
【0067】
診断や治療目的で、電磁周波数を使う器具は西洋医学では広く普及している。次に挙げるものは今日治療用に使用されている電気周波数を用いた器具の例である。筋刺激装置は痛みを軽減するため、スパズム(痙攣)や浮腫の軽減、弱った筋肉を正常にし、ヒーリング過程を援助するためのもので、1〜130Hz で作動する。TENS機械は痛みをブロックするもので、およそ 80〜100Hz で動作する。インターナショナル・セラピー・ユニットは筋刺激装置だが、3000〜4000Hz で動作する。バイオフィードバックの装置は、行動を制御したり神経と筋肉を再教育したりするために用いられ、1 以下〜40Hz で動作する。骨成長刺激装置は骨折の治療に使用し、およそ 40〜80Hz の周波数で動作する。
【0068】
本発明におけるハーモニアス・ヒーリング装置は、今日のこの分野においてより向上したシンプルな技術として使用することができる。
【0069】
ハーモニアス・スケールの中間の周波数は 528Hz である。先に述べたように、生化学者はこの周波数をDNA修復のために用いる。サウンド・ヒーラーと音楽家にとって528Hz は、光と音の電磁スペクトル全体の中心とみなされている。
ハーモニアス音楽の記譜法
【0070】
ハーモニアス・スケールを音楽として記譜するためには図3に示された方法で行うことができる。今日一般にある五線譜を用い、ハーモニアス・スケールの 9つの周波数はたやすく五線譜の全ての線と線間を使って(線 21、22、23、24、25 と線間 26、27、28、29)譜表 30 に納まる。音のピッチは五線の位置で表され、長さは音譜の形や点やタイなどの追加符号で表される。基本的には現在音楽で使われている四分音符や二分音符、全音符などと、対応する休符を利用する。
【0071】
譜表 30 にある線と空間はそこにおかれた音譜の周波数を表すことができる。線21(一番下の線)は第 1 音の周波数 174Hz を表すことができる。空間 26(一番下の線の直上)は 285Hz の第 2 音を表すことができる。第 2 線 22 は 396Hz の第 3 音を表すことができる。第 2 線直上の空間 27 は 417Hz の第 4 音を表すことができる。第 3 線 23は 528Hz の第 5 音を表すことができる。第 3 線直上の空間 28 は 639Hz の第 6 音を表すことができる。第 4 線 24 は 741Hz の第 7 音を表すことができる。第 4 線直上の空間29 は 852Hz の第 8 音を表すことができる。第 5 線 25 は一番上の線で 963Hz の第 9 音を表すことができる。
【0072】
表記された音譜は一般に音譜記号(クレフ、clef)から始まる。ハーモニアス・クレフ 32 は図3に示されているように、H の文字を用い、528Hz の線が H の中央を通る。クレフ記号の後には拍子記号がその音楽の性質に基づいて記されるか、記されなくてもよい。拍子記号がある場合は、小節を分ける線が、その拍子記号に基づいて音楽を何拍子かに分ける。一つの曲は途中で拍子記号を変える事があるかもしれない。新しい線の次からは新しい拍子となる。テンポ、強弱法、モードなど演奏者への指示は五線の上または下に記入され得る。声楽曲では歌詞は対応する音の下に言葉や音声を書き込むことができる。
【0073】
図4はリズムと拍子記号がどのように使うことができるかを示す。単音が最初の小節 41 に示されている、第 2 小節 42 には音の塊が、第 3 小節 43 には全ての音をかき鳴らす(ストラム)演奏法が示されている。アンサンブルやオーケストラのための表記では、全ての演奏家の楽譜が表されるが、パートの楽譜は演奏家一人一人の部分のみが含まれる。
音楽教育とサウンド・ヒーリングにおけるハーモニアス・スケール・システムの例
【0074】
以下は、本発明のハーモニアス・スケールとチューニング・システムを用いた楽器または器具の使用法をどのように教えるかのガイドラインとして利用することができる。
【0075】
(1)精神統一し、慈愛の場に入り意図をもって祈りを述べる。個人またはグループとして、音の背後にある目的、何を創造しようとするのか、癒そうとするのかを決める。この意図はエネルギーとしてとても重要なもので、その目的が音を通して伝えられる。肯定的な言葉を現在形で使い認める。例えば「私達は平和に生きる」、「私達は調和と愛に生きる」、「私は全てのレベルで癒されました」、「あなたは完全にバランスが取れており、良好な健康状態です」、「地球の水はきれいで純粋、完璧なエコシステムです」など。五感と感情で視覚化し、味わい、臭いをかぎ、聴き、感じ、この意図がどのように見えるか、感じるか、味がするか、臭いがするか、聴こえるかを感じ取り、最後にこれが完成されたと確認する。
【0076】
もしあなたが、この意図の達成のために高次元のガイドや助けを求める習慣があるならば、この行動の基にある哲学は「全ては一つである」という気付きになる。したがってドグマはなくこれは宗教ではない。世界中の全ての人が宗教や所属、信念に関わらず共通の目的で一つにつながることができる。
【0077】
(2)自分自身を統合し、楽器と「一つ」になる。演奏者が個人かオーケストラか、あるいは楽譜を読み演奏しているのか、即興演奏なのかは関係ない。一人一人の音楽家はいわゆる「ゾーン」状態になり、楽器と一体となり音楽が自分を通して流れ出るようにする。呼吸が音の乗り物となって流れるようにする。これは、瞑想状態で、この域でより高いレベルの直感とガイダンスにアクセスする事が可能となる。
【0078】
(3)目的が達成された事への感謝を捧げる。
【0079】
人生全般に言えることであるが、より多くのエネルギーを注ぎ、より多くの人が同じゴールに向かって働けば、その夢の達成により近づくことができ、全てが可能となり得る。サウンド・ヒーラーやエネルギー医学療法家は、人によって 1 回のセッションで望む結果を得ることもあれば、2−3 回あるいは 10 回以上のセッションが必要な事もあることを知っている。この方法論によって、唯一の限界は我々が自分自身と他者に対して持つ思い込みのみだということを理解させられる。学校教育においては、この方法論システムは子供たちに自分自身と目的を統合し、意図を持って生きる事を教える。教師が生徒に音と音楽のもともとの力強い目的を教えるなら、そして世界がそれによっていかに変えられるかを教えるなら、我々は言葉を口にする前に、また音や振動を発する前にそれが回りの全てのものに影響を与えることを知り、もっと思慮深くあるべきだと思い出させる。この方法論は我々自身の真の魂の目的と、世界に変化をもたらすべき事(願わくばより良い方へ)を、またその力とそこで生き実践する事を、思い出させる。医学とヒーリングのシステムの中で、この方法論は実践者に自己と自分のすべき仕事を完全に統合し、癒しの意図を持ち愛の場から行うことを教示する。これにより、病状に対処する技術を単純化し、経済的にもより有利になる。この癒しは我々の存在のあらゆるレベルに起こる。つまり単に心身だけの癒しではなく、身体精神、心の癒しである。その癒し効果はより深く完全なもので、病気や不具合の再発することはほとんどなく、回復の速さは驚くべきものがある。これにより、人は前向きに生きていくことができ、施術者はより多くの人を自由に助けることができるようになる。ヘルスケアのシステムを劇的に改善する助けとなり得る。
【0080】
ここで開示する新しいカテゴリーの楽器または器具はチューニング、教育、療法そしてヒーリングに使うことができる。セイクレッド・ハープ(神聖ハープ)とセイクレッド・チャイム(神聖チャイム)は以下に例として説明するが、この2つの楽器はハーモニアス・スケールとチューニング・システムから成りサウンド・ヒーリングに用いることができる。このハーモニアス・チューニング・システムを用いる方法論によって、振動、共鳴振動理論、そして振動の同調の物理特性を理解することを通し、我々が意識して音や音楽を使うことを教え、推進することを可能にする。振動がいかに強力なものであるかという理解を通し、自分自身と家族、コミュニティーそして世界の健康、健全さに影響を与え変化をもたらすことが可能となる。本発明の方法論により、年齢や人種、宗教、あるいは、かつて人々を分断したいかなるものにも関わらず、創造性、直観、瞑想、神聖音、ヒーリングを、そしてすべての人々の和合を促進することができる。この無調のハーモニアス・スケールとチューニング・システムは、平和と喜び、愛と調和のもとに世界を一つにする音を映し出すことができる。
【0081】
上述の開示は本発明の概要を表す。以下にあげる特定の例によってさらに完全な理解を得ることが可能となる。これらの例はあくまでも説明目的であり、発明の範囲を限定するものではない。状況によっては、形の変更や同等の物との置換えは熟慮して行う。ここで用いられている特定の用語は、説明する意図で用いられており、限定するためではない。


神聖ハープ(セイクレッド・ハープ)
【0082】
図1は本発明の一つの実施態様であるハーモニアス・スケールを包含した楽器を表す。図1に描かれているハープは、神聖ハープ(セイクレッド・ハープ)と呼ぶことができる。本体部分 12 はより良く共鳴するために桜などの硬材で作ることができる。共鳴胴あるいはサウンド・ボディー14 は本体部分 12 の中に作られ、そこに取り付けられた 9 本(1−9)の弦 16 で発せられた音を最大限にするために空洞とし得る。弦16 は本質的に標準のギターまたはハープの弦と似たものとし得る。それぞれの弦の長さは違うかもしれない。図1の神聖ハープは A 点から B 点の長さがおよそ 68cm、点 Hから点 Iまでの長さはおよそ 16.25cmである。当該技術分野における通常の技術を有する人は他の寸法でも、9 本の弦 1−9 が本発明の 9 つの周波数を発生する限り可能であることを理解するだろう。手彫りのサウンド・ホール(穴)15 がパネル前面にあり、それは 9cm(半径 3cm)としてもよい。ダビデの星 15 や2つの三角形がひとつは上向き、もう一つは下向き重なった図案など、適切な装飾をつけることができる。弦 1−9 は楽器の裏側から通され、それぞれ別の入り口から入ることができる。弦 1−9 はサウンド・ボックス 14 の内側に伝統的結び方で固定されサウンド・ボックス 14 の表に通すことができる。それぞれ対応する穴を通して、木製のブリッジ 18 を横切りサウンド・ボックスの14 全長に渡って張られ、チュニングピンにしっかりと留めることができる。
【0083】
本発明のハーモニアス・ハープの一実施態様では、9 本の弦があり、ハーモニアス・スケールの異なる周波数で振動するよう設定することができる。それぞれの弦で発生させられる周波数は弦の長さ、ゲージ、与えられる張力の作用によるものとしてもよい。弦 1から 9 は順に長くなり得る。また太さ(ゲージ)と張力も総合して本発明のハーモニアス・スケールの周波数を発生するように選ぶことができる。最も高い音(周波数)は最も短い弦 1 で発生する。弦 1 はゲージ 0.012 が望ましく、充分強く張力をかけられ、弾くか叩いたときに周波数 963Hz を発生することができる。弦 2 は弦 1 よりやや長くやや太いのが望ましく、そのゲージは 0.014としてもよい。弦 2 は弾くか叩いたときに周波数 852Hz を発生するように張力をかけることができる。弦 3 はゲージ 0.015 が望ましく、741Hz で振動するように張力をかけることができる。弦 4 はゲージ 0.018 が望ましく、639Hz で振動するように張力をかけることができる。弦 5 はゲージ 0.018が望ましく、528Hz で振動するように張力をかけることができる。弦 6 はゲージ0.018 が望ましく、417Hz で振動するように張力をかけることができる。弦 7 はゲージ 0.020 が望ましく、396Hz で振動するように張力をかけることができる。弦 8はゲージ 0.020 が望ましく、258Hz で振動するように張力をかけることができる。最後に、弦 9 は一番長い弦で、ゲージ 0.20 が望ましく、174Hz で振動するように充分に張力をかけることができる。
【0084】
引き続き図1の説明である。ハープ 10 はアコースティックな楽器で弾く、あるいはかき鳴らすことができる。座っていれば膝の上で、立っていれば腕で(B)で支え、縦にやや左に傾けサウンド・ホールが演奏者から反対側に向けて持つ。弦 1 から 9 は音響発生器として働き、使用者が実際に弾いたりかき鳴らしたりすると、各弦に対応した音がハープから発生させることができる。弦はそれぞれ共鳴器(サウンド・ボックス)と結合され、その振動が共鳴器に伝わり、楽器が静かに操作されても充分に聴こえる音楽を発生させることができる。
【0085】
ハーモニアス・スケールの沈静と癒しの作用は楽器がハープの形体を取ったときに最も効果的となり得る。なぜなら、ハープから生じる音楽特性は、一般に他の楽器より穏やかでリラックスでき、沈静効果が高いからである。ハープはハーモニアス・スケールに大変にふさわしく、特に音楽療法に適している。
神聖チャイム(セイクレッド・チャイム)
【0086】
図2は本発明によるハーモニアス・スケールの別の実施態様である楽器を表す。図2で描かれたチャイムは神聖チャイムと呼ぶことができる。これには細長い吊り具 21 がありこれは棒状であり得る。そこから 9 本(22a - 22i)の音を発生するチャイムベル 23 が吊り下げられ、互いに離れてぶら下がっている。発音体 23 は実質的に管状またはその他の形状に作ることができる。発音体 23 は金属、木、ガラス、竹、貝殻、石、磁器などの素材で作ることができる。その形状、素材、厚さ、発音体 23 を吊り下げる方法によりそれぞれの発音体 22a - 22i の発生する音には大きな違いが起こるかもしれない。
【0087】
神聖チャイムの 9 個の発音体 22a - 22i はそれぞれハーモニアス・スケールの 9つの周波数を発生するよう設計されている。叩いたとき神聖チャイムのそれぞれの発音体22a - 22i は本発明の 9つの周波数をそれぞれ発生する。
【0088】
本発明による特定の実施態様をここに開示したが、それ以外にもここに開示したもののバリエーションがいくつも本発明の範囲内に想定される。本文で説明したものは、本発明の実施態様を制限するものではなく、次のクレームに掲げる範囲での可能な実施態様を全て包含するものである。
図1
図2
図3
図4