【文献】
          Iwasaki et al.,Appl. Microbiol. Biotechnol.,Vol.69,p.499-505(2006)
        
      
    (58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オン(「ケトアミド基質」)を、(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミン(「生成物」)に変換することができるトランスアミナーゼポリペプチドであって、該トランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含み、配列番号4のX223に対応する残基がPである、トランスアミナーゼポリペプチド。
  前記アミノ酸配列が、配列番号2と比較した場合に、以下の残基位置:X4;X5;X8;X18;X25;X26;X27;X28;X30;X41;X42;X48;X49;X50;X54;X55;X60;X61;X62;X65;X81;X94;X96;X102;X117;X120;X124;X126;X136;X137;X138;X146;X148;X150;X152;X155;X156;X160;X163;X164;X169;X174;X178;X195;X199;X204;X208;X209;X211;X215;X217;X225;X230;X252;X269;X273;X282、X292;X297;X302;X306;X321;およびX329の1つまたは複数で残基差異をさらに含む、請求項1に記載のトランスアミナーゼポリペプチド。
  前記トランスアミナーゼが、前記ケトアミド基質を生成物に、配列番号4のポリペプチドより少なくとも50〜100倍以上の活性を伴って変換することができる、請求項1に記載のトランスアミナーゼポリペプチド。
  前記トランスアミナーゼが、前記ケトアミド基質を生成物に、配列番号22のポリペプチドより少なくとも1.1〜5倍以上の活性を伴って変換することができる、請求項1に記載のトランスアミナーゼポリペプチド。
  前記トランスアミナーゼが、前記ケトアミド基質を生成物に、配列番号48のポリペプチドより少なくとも1.1〜5倍以上の活性を伴って変換することができる、請求項1に記載のトランスアミナーゼポリペプチド。
  前記トランスアミナーゼが、前記ケトアミド基質を生成物に、配列番号58のポリペプチドより1.1〜5倍以上の活性を伴って変換することができる、請求項1に記載のトランスアミナーゼポリペプチド。
  前記カルボニル副生成物が、水より高い蒸気圧を有し、前記カルボニル副生成物の除去が、非反応性ガスを用いたスパージングによるもの、または真空を適用することによるものである、請求項38に記載の方法。
  構造式(1)の前記化合物、または構造式(1a)の前記化合物を、適切な反応溶媒中で、薬学的に許容される酸と前記化合物とを接触させることによって、薬学的に許容される塩に変換する工程をさらに含む、請求項30または33に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0052】
  本開示は、ある特定のアミノ基アクセプターのアミノ基転移を伴うトランスフォーメーション、例えば、シタグリプチンの合成を媒介することができる非常に立体選択的で効率的な生体触媒を提供する。この生体触媒は、式(2a)の基質、4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オン(「ケトアミド基質」)を、式(1a)の生成物、(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミン(「生成物」)に、式(3)のアミノ基ドナーの存在下で、以下のように変換することができる、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドである:
 
【0054】
  ある特定の実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、Arthrobacter  sp  KNK168の天然に存在するトランスアミナーゼに由来し、これは、アミノ基ドナーとアミノ基アクセプター、一般にプロキラルケトンとの間のアミノ基の可逆性移動を触媒することができる、R選択的ピリドキサール5’−リン酸依存性酵素である(例えば、そのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている、Iwasakiら、2006年、Appl.  Microbiol.  Biotechnol.  69巻:499〜505頁;および米国特許第7,169,592号を参照)。Arthrobacter  sp.KNK168に由来する天然に存在するトランスアミナーゼのR−立体選択的アミノ基転移活性は、3,4−ジメトキシフェニルアセトンに対して実証されているが、天然に存在する酵素および配列番号2のトランスアミナーゼは、ケトアミド基質(2a)である4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンに関して測定可能な活性を示さない。配列番号2のトランスアミナーゼは、残基X306位でイソロイシン(I)がバリン(V)と置換しているということにおいて、Arthrobacter  sp.KNK168に由来する天然に存在する酵素と異なる。これらの欠点を克服するために、配列番号2のトランスアミナーゼは、式(2a)のケトアミド基質を、イソプロピルアミンなどのアミノ基ドナーの存在下で、式(1a)の生成物に効率的に変換するのを媒介するように操作された。この変換は、高い変換率および立体選択性を伴って、穏やかな条件下で実施することができ、この方法を、シタグリプチンの大量生産に適用可能にしている。
略語および定義
  本明細書における説明の目的に関して、遺伝的にコードされるアミノ酸について使用される略語は、慣例的なものであり、以下の通りである。
 
【0056】
  3文字の略語が使用される場合、「L」または「D」が具体的に前に付いているか、または略語が使用されている脈絡から明らかでない限り、アミノ酸は、α−炭素(Cα)に関してL−配置であっても、D−配置であってもよい。例えば、「Ala」は、α炭素に関する配置を指定することなくアラニンを示すが、「D−Ala」および「L−Ala」は、それぞれD−アラニンおよびL−アラニンを示す。1文字の略語が使用される場合、大文字は、α−炭素に関してL−配置のアミノ酸を示し、小文字は、α−炭素に関してD配置のアミノ酸を示す。例えば、「A」はL−アラニンを示し、「a」はD−アラニンを示す。ペプチド配列が、1文字または3文字の略語(またはこれらの混合)のストリングとして示される場合、この配列は、一般的な慣例に従って、N→C方向で示される。
 
【0057】
  本明細書の説明において使用される技術用語および科学用語は、別段の具体的な定義のない限り、当業者によって一般に理解される意味を有する。したがって、以下の用語は、以下の意味を有することが意図されている。
 
【0058】
  「アミノトランスフェラーゼ」および「トランスアミナーゼ」は、アミノ基(NH
2)および水素原子を、1級アミン(3)からアクセプターカルボニル化合物(2)に移動させ、アミンドナーをその対応するカルボニル化合物(4)に変換し、アクセプターをその対応する1級アミン(1)に変換する酵素的能力を有するポリペプチドを指すのに互換的に使用される。
 
【0060】
  本明細書の実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、式(2a)の化合物を、式(3)のアミノ基ドナーの存在下で式(1a)の化合物にエナンチオ選択的に変換することができる。
 
【0061】
  「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」は、長さ、または翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化、脂質化、ミリスチル化(myristilation)、ユビキチン化など)にかかわらず、アミド結合によって共有結合的に連結された少なくとも2つのアミノ酸のポリマーを表すのに、本明細書で互換的に使用される。D−アミノ酸、およびL−アミノ酸、ならびにD−アミノ酸とL−アミノ酸の混合物は、この定義内に含まれる。
 
【0062】
  「基質」は、本明細書で使用する場合、ケトンなどのアミノ基アクセプターを指し、これは、トランスアミナーゼによって媒介される反応において、アミノ基ドナーからアミノ基を受け入れる。本開示に照らして、トランスアミナーゼの基質には、とりわけ、本明細書でさらに記載されるように、式(II)の化合物、式(2)の化合物、および式(2a)の化合物が含まれる。「ケトアミド基質」は、式(2a)の化合物である4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを具体的に指す。
 
【0063】
  「アミノ基ドナー」は、アクセプターカルボニル化合物(すなわち、アミノ基アクセプター)にアミノ基を供与し、それによってカルボニル副生成物になることができるアミノ化合物を指す。アミノ基ドナーは、一般式(3)の分子であり、
 
【0065】
  式中、R
1、R
2のそれぞれは、独立して採用される場合、アルキル、アルキルアリール基、またはアリール基であり、これは、非置換であるか、または1つまたは複数の酵素的に阻害しない基で置換されている。R
1は、構造または対掌性においてR
2と同じであっても、異なっていてもよい。R
1およびR
2の基は、一緒になって、非置換であるか、置換されているか、または他の環に縮合している環を形成することができる。本発明とともに使用することができる一般的なアミノ基ドナーには、キラルアミノ酸およびアキラルアミノ酸、ならびにキラルアミンおよびアキラルアミンが含まれる。
 
【0066】
  「キラルアミン」は、一般式R
1−CH(NH
2)−R
2のアミンを指し、式中、R
1およびR
2は同一でなく、異なる、混合された機能型の多種多様な脂肪族および脂環式化合物を含めて、その最も広い意味において本明細書で使用され、第2級炭素原子に結合した1級アミノ基の存在を特徴とし、この第2級炭素原子は、水素原子に加えて、(i)キラルな環状構造を形成する二価の基、または(ii)構造または対掌性において互いに異なる2つの置換基(水素以外)を担持する。キラルな環状構造を形成する二価の基には、例えば、2−メチルブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,4−ジイル、ヘキサン−1,4−ジイル、ヘキサン−1,5−ジイル、2−メチルペンタン−1,5−ジイルが含まれる。第2級炭素原子上の2つ異なる置換基(上記のR
1およびR
2)も広く変更することができ、これらとして、アルキル、アラルキル、アリール、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、シクロアルキル、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルバモイル、モノ(低級アルキル)およびジ(低級アルキル)置換カルバモイル、トリフルオロメチル、フェニル、ニトロ、アミノ、モノ(低級アルキル)およびジ(低級アルキル)置換アミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルカルボキサミド、アリールカルボキサミドなど、ならびに前述のもので置換されたアルキル、アラルキル、またはアリールを挙げることができる。
 
【0067】
  「カルボニル副生成物」は、アミノ基ドナー上のアミノ基が、アミノ基転移反応においてアミノ基アクセプターに移されるときに、アミノ基ドナーから形成されるカルボニル化合物を指す。カルボニル副生成物は、式(4)の一般的な構造:
 
【0069】
を有し、式中R
1およびR
2は、アミノ基ドナーについて上記に定義されている。
 
【0070】
  「リン酸ピリドキサール」、「PLP」、「ピリドキサール−5’−リン酸」、「PYP」、および「P5P」は、トランスアミナーゼ反応において補酵素として作用する化合物を指すのに本明細書で互換的に使用される。いくつかの実施形態では、リン酸ピリドキサールは、構造1−(4’−ホルミル−3’−ヒドロキシ−2’−メチル−5’−ピリジル)メトキシホスホン酸、CAS番号[54−47−7]によって定義される。ピリドキサール−5’−リン酸は、ピリドキソール(ピリドキシンまたはビタミンB
6としても公知である)のリン酸化および酸化によってインビボで産生される。トランスアミナーゼ酵素を使用するアミノ基転移反応において、アミノ基ドナーのアミノ基が補酵素に移されることによって、ケト副生成物が生成される一方で、ピリドキサール−5’−リン酸は、ピリドキサミンリン酸に変換される。ピリドキサール−5’−リン酸は、異なるケト化合物(アミノ基アクセプター)との反応によって再生される。アミノ基がピリドキサミンリン酸からアミノアクセプターに移動することにより、キラルアミンが生成され、補酵素が再生される。本発明のピリドキサール−5’−リン酸は、とりわけ、ピリドキサール(PL)、ピリドキサミン(PM)、ならびにこれらのリン酸化対応物、すなわち、ピリドキシンリン酸(PNP)、およびピリドキサミンリン酸(PMP)を含めたビタミンB
6ファミリーの他のメンバーによって置き換えることができる。
 
【0071】
  「コード配列」は、タンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸(例えば、遺伝子)の部分を指す。
 
【0072】
  「天然に存在する」または「野生型の」は、自然において見出される形態を指す。例えば、天然に存在する、または野生型のポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、自然における源から単離することができ、ヒトの操作によって意図的に修飾されていない、生物中に存在する配列である。
 
【0073】
  「組換え型の」は、例えば、細胞、核酸、またはポリペプチドを参照して使用される場合、物質、または天然もしくは天然型の物質に対応する物質であって、他の場合では自然において存在しない様式で修飾された、またはこれらと同一であるが、合成物質から、かつ/または組換え技法を使用する操作によって生成もしくは導出される物質を指す。非限定例には、とりわけ、天然の(非組換え型の)形態の細胞内で見出されない遺伝子を発現し、または他の場合では異なるレベルで発現される天然遺伝子を発現する組換え細胞が含まれる。
 
【0074】
  「配列同一性の百分率」、「パーセント同一性」、および「同一率」は、ポリヌクレオチド配列同士またはポリペプチド配列同士間の比較を指すのに本明細書で使用され、比較ウインドウにわたる2つの最適に整列された配列を比較することによって決定され、比較ウインドウ内のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の一部は、2つの配列の最適なアライメントに関する参照配列と比較した場合、付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含むことができる。百分率は、同一の核酸塩基もしくはアミノ酸残基が、両方の配列において発生する位置の数を求めることによって計算され、または核酸塩基もしくはアミノ酸残基がギャップとともに整列されることによって、マッチした位置の数を得、このマッチした位置の数を比較のウインドウ内の位置の合計数で除し、結果に100を乗ずることによって配列同一性の百分率を得る。最適なアライメントおよびパーセント配列同一性の決定は、BLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムを使用して実施される(例えば、Altschulら、1990年、J.  Mol.  Biol.  215巻:403〜410頁、およびAltschulら、1977年、Nucleic  Acids  Res.  3389〜3402頁を参照)。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、the  National  Center  for  Biotechnology  Informationのウェブサイトを通じて公的に入手可能である。
 
【0075】
  簡単に言えば、BLAST分析は、データベース配列中の同じ長さのワードと整列されるとき、いくらかの正の値の閾値スコアTとマッチするか、またはこれを満たす、クエリー配列中の長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列対(HSP)を最初に同定する。Tは、近隣ワードスコア閾値と呼ばれる(Altschulら、上記を参照)。これらの初期の近隣ワードヒットは、これらを含有するより長いHSPを見つけるための探索を開始するためのシードとして作用する。次いでこのワードヒットは、累積アライメントスコアが増加することができる限りの間、各配列に沿って両方向に伸ばされる。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメータM(マッチング残基の対についての報酬スコア;常に>0)およびN(ミスマッチング残基についてのペナルティースコア;常に<0)を使用して計算される。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスが、累積スコアを計算するのに使用される。ワードヒットの各方向への伸長は、累積アライメントスコアが、その最大の実現した値から量X低下する;累積スコアが、1つまたは複数の負のスコア残基アライメントの蓄積により、0以下に向かう;またはいずれかの配列の末端に到達する場合、停止される。BLASTアルゴリズムパラメータW、T、およびXは、アライメントの感度およびスピードを決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、デフォルトとして、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、および両鎖の比較を使用する。アミノ酸配列について、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、3のワード長(W)、10の期待値(E)、およびBLOSUM62スコアリングマトリックスを使用する(HenikoffおよびHenikoff、1989年、Proc  Natl  Acad  Sci  USA  89巻:10915頁を参照)。
 
【0076】
  2つの配列についてのパーセント同一性を提供することにおいて、BLASTと同様に機能する多数の他のアルゴリズムが入手可能である。比較のための配列の最適なアライメントは、例えば、SmithおよびWaterman、1981年、Adv.  Appl.  Math.  2巻:482頁の局所相同性アルゴリズム、NeedlemanおよびWunsch、1970年、J.  Mol.  Biol.  48巻:443頁の相同性アライメントアルゴリズム、PearsonおよびLipman、1988年、Proc.  Natl.  Acad.  Sci.  USA  85巻:2,444頁の類似法の探索、これらのアルゴリズムのコンピュータ制御による実行(GCG  Wisconsin  Software  Package中のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または視覚的な検査によって行うことができる(一般に、Current  Protocols  in  Molecular  Biology、F.  M.  Ausubelら編、Current  Protocols、Greene  Publishing  Associates,  Inc.とJohn  Wiley  &  Sons,  Inc.のジョイントベンチャー(1995年補遺)(Ausubel)を参照)。さらに、配列アライメントおよびパーセント配列同一性の決定には、提供されたデフォルトのパラメータを使用して、GCG  Wisconsin  Softwareパッケージ(Accelrys、Madison  WI)中のBESTFITまたはGAPプログラムを使用することができる。
 
【0077】
  「参照配列」は、別の(例えば、変更された)配列が比較される、定義された配列を指す。参照配列は、より大きい配列のサブセット、例えば、全長の遺伝子またはポリペプチド配列のセグメントとすることができる。一般に、参照配列は、長さが少なくとも20のヌクレオチドもしくはアミノ酸残基、長さが少なくとも25残基、長さが少なくとも50残基、または核酸もしくはポリペプチドの全長である。2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチドはそれぞれ、(1)2つの配列間で類似している配列(すなわち、完全な配列の部分)を含むことができ、(2)2つの配列で非常に異なる配列をさらに含むことができるので、2つ(またはそれ以上)のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの間の配列比較は、配列類似の局所的な領域を同定および比較するために、比較ウインドウにわたる2つのポリヌクレオチドの配列を比較することにより一般に実施される。
 
【0078】
  用語「参照配列」は、野生型配列に限定されることが意図されておらず、操作された配列または変更された配列を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、「参照配列」は、予め操作された、または変更されたアミノ酸配列とすることができる。例えば、「X284位でグリシン残基を有する、配列番号2に基づく参照配列」は、X284でグリシン残基を有する配列番号2に対応する参照配列を指す(配列番号2の変更されていないバージョンは、X284でアラニンを有する)。
 
【0079】
  「比較ウインドウ」は、少なくとも約20の連続したヌクレオチド位置またはアミノ酸残基の概念上のセグメントを指し、配列は、少なくとも20の連続したヌクレオチドまたはアミノ酸の参照配列と比較することができ、比較ウインドウ中の配列の部分は、2つの配列の最適なアライメントに関して、参照配列(これは、付加または欠失を含まない)と比較した場合に、20パーセント以下の付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含むことができる。比較ウインドウは、20より長い連続した残基とすることができ、任意選択により30、40、50、100、またはそれ以上の長いウインドウを含む。
 
【0080】
  「実質的な同一性」は、少なくとも20残基の位置の比較ウインドウにわたって、しばしば少なくとも30〜50残基のウインドウにわたって参照配列と比較される場合に、少なくとも80パーセントの配列同一性、少なくとも85パーセントの配列同一性、少なくとも89パーセントの配列同一性、少なくとも95パーセントの配列同一性、さらには少なくとも99パーセントの配列同一性を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を指し、配列同一性の百分率は、参照配列を、比較のウインドウにわたって、合計で参照配列の20%以下となる欠失または付加を含む配列と比較することによって計算される。ポリペプチドに適用される特定の実施形態では、用語「実質的な同一性」は、2つのポリペプチド配列が、デフォルトのギャップ重みを使用して、プログラムのGAPまたはBESTFITなどによって最適に整列される場合、少なくとも80パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも89パーセントの配列同一性、少なくとも95パーセントの配列同一性、またはそれ以上(例えば、99パーセントの配列同一性)を共有することを意味する。同一でない残基位置は、同類アミノ酸置換によって異なることが好ましい。
 
【0081】
  「に対応する」、「を参照して」、または「と比べて」は、所与のアミノ酸またはポリヌクレオチド配列の番号付けとの関連で使用される場合、所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列が参照配列と比較される場合の、指定された参照配列の残基の番号付けを指す。言い換えれば、所与のポリマーの残基番号または残基位置は、所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列内の残基の実際の数値的な位置によってではなく、参照配列に対して指定される。例えば、操作されたトランスアミナーゼのアミノ酸配列などの所与のアミノ酸配列は、2つの配列間の残基マッチを最適化するためにギャップを導入することによって、参照配列に対して整列させることができる。これらの場合では、ギャップが存在するが、所与のアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列における残基の番号付けは、この配列が整列されている参照配列に対して行われる。
 
【0082】
  「立体選択性」は、1つの立体異性体の別の立体異性体に対する化学反応または酵素反応における優先的な形成を指す。立体選択性は、部分的であってもよく、この場合、1つの立体異性体の形成が、他の立体異性体に対して有利であり、またはこれは完全であってもよく、この場合、ただ1つの立体異性体が形成される。立体異性体が鏡像異性体であるとき、立体選択性は、両方の合計における一方の鏡像異性体の割合(一般に百分率として報告される)である、エナンチオ選択性と呼ばれる。これは一般に、式[主要な鏡像異性体−少ない方の鏡像異性体]/[主要な鏡像異性体+少ない方の鏡像異性体]によって、これから計算される鏡像異性体過剰率(e.e.)として当技術分野において代わりに報告される(一般に百分率として)。立体異性体がジアステレオ異性体である場合、立体選択性は、2つのジアステレオマーの混合物中の一方のジアステレオマーの割合(一般に百分率として報告される)であるジアステレオ選択性と呼ばれ、一般に、ジアステレオマー過剰率(d.e.)として代わりに報告される。鏡像異性体過剰率およびジアステレオマー過剰率は、立体異性体過剰率(stereomeric  excess)の型である。
 
【0083】
  「高度に立体選択的な」は、基質(例えば、式(2a))を、少なくとも約85%の立体異性体過剰率を伴って、その対応する生成物(例えば、式(1a))に変換することができる化学反応または酵素反応を指す。
 
【0084】
  「改善された酵素特性」は、参照酵素において見出されるその特性と比較した場合に、特定の目的のためにより良好にされた、またはより望ましくされた任意の酵素特性を指す。本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドについて、比較は一般に、野生型トランスアミナーゼ酵素に対して行われるが、いくつかの実施形態では、参照トランスアミナーゼは、別の改善された、操作されたトランスアミナーゼである場合がある。改善を行うことができる酵素特性として、それだけに限らないが、酵素活性(ある時間の期間における基質の変換率の観点から表すことができる)、熱安定性、溶媒安定性、pH活性プロファイル、補酵素の必要条件、阻害剤(例えば、生産物阻害)に対する不応性、立体特異性、および立体選択性(エナンチオ選択性を含む)が挙げられる。
 
【0085】
  「酵素活性の増大」または「活性の増大」は、操作された酵素の改善された特性を指し、これは、参照酵素と比較した場合の、比活性(例えば、生成された生成物/時間/タンパク質の重量)の増大、または基質の生成物への変換率(出発量の基質の、指定量のトランスアミナーゼを使用した、指定時間内での生成物への変換率)の増大によって表すことができる。酵素活性を求めるための例示的な方法は、実施例において提供されている。K
m、V
max、またはk
catの古典的な酵素特性、酵素活性の増大に導くことができる変化を含めた、酵素活性に関係する任意の特性が影響され得る。酵素活性の改善は、対応する野生型または操作された酵素の約1.5倍の酵素活性から、天然に存在する酵素(例えば、トランスアミナーゼ)、または活性の増大を示す酵素が導出された別の操作された酵素の2倍、5倍、10倍、20倍、25倍、50倍、75倍、100倍、またはそれ以上の酵素活性となり得る。特定の実施形態では、本開示の操作されたトランスアミナーゼ酵素は、親トランスアミナーゼ酵素(すなわち、これらが導出された野生型または操作されたトランスアミナーゼ)の酵素活性より1.5〜50倍、1.5〜100倍、またはそれ以上の範囲の酵素活性の改善を示す。任意の酵素の活性は拡散律速であり、その結果、触媒回転率は、任意の要求される補酵素を含めた、基質の拡散速度を超えることはできないことが、当業者によって理解される。拡散限界の理論的最大は一般に、約10
8〜10
9(M
−1s
−1)である。したがって、トランスアミナーゼの酵素活性のいずれの改善も、トランスアミナーゼ酵素によって作用される基質の拡散速度に関係する上限を有することになる。トランスアミナーゼ活性は、トランスアミナーゼを測定するのに使用される標準アッセイの任意の1つ、例えば、基質濃度もしくは生成物濃度の変化、またはアミノ基ドナーの濃度の変化などによって測定することができる。酵素活性の比較は、本明細書に詳細にさらに記載されるように、酵素の規定された調製、一連の条件下での規定されたアッセイ、および1つまたは複数の規定された基質を使用して行われる。一般に、細胞可溶化物中の酵素が比較される場合、宿主細胞によって産生され、溶解産物中に存在する酵素の量の変動を最小限にするために、同一の発現系および同一の宿主細胞が使用されるとともに、細胞数およびアッセイされるタンパク質の量が求められる。
 
【0086】
  「変換」は、基質の対応する生成物への酵素的トランスフォーメーションを指す。「変換率」は、指定条件下で、ある時間の期間内に生成物に変換される基質の百分率を指す。したがって、例えば、トランスアミナーゼポリペプチドの「酵素活性」または「活性」は、基質の生成物への「変換率」として表すことができる。
 
【0087】
  「熱安定性の」または「熱的安定な」は、未処理の酵素と比較して、ある時間の期間(例えば、0.5〜24時間)、一連の温度条件(例えば、40〜80℃)に曝したとき、不活性化に対して耐性であり、したがって、高温に曝した後にある程度のレベルの残効性(例えば、60%〜80%を超える)を保持するポリペプチドを指すのに互換的に使用される。
 
【0088】
  「溶媒安定な」は、未処理の酵素と比較して、様々な濃度(例えば、5〜99%)の溶媒、(例えば、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、ブチルアセテート、メチルtert−ブチルエーテル、アセトニトリルなど)に、ある時間の期間(例えば、0.5〜24時間)曝した後に、同様の活性(例えば、60%〜80%を超える)を維持するポリペプチドを指す。
 
【0089】
  「pH安定な」は、未処理の酵素と比較して、低pHまたは高pH(例えば、4.5〜6または8〜12)に、ある時間の期間(例えば、0.5〜24時間)曝した後に、同様の活性(例えば、60%〜80%を超える)を維持するポリペプチドを指す。
 
【0090】
  「熱および溶媒安定な」は、熱安定および溶媒安定の両方であるポリペプチドを指す。
 
【0091】
  「に由来する」は、操作された酵素との関連で本明細書で使用する場合、起源を持つ酵素、および/またはそのような酵素をコードする遺伝子を同定し、これらに操作が基づいた。例えば、配列番号4の操作されたトランスアミナーゼ酵素は、配列番号2のトランスアミナーゼを突然変異させることによって得られた。したがって、配列番号4のこの操作されたトランスアミナーゼ酵素は、配列番号2のポリペプチドに「由来する」。
 
【0092】
  「アミノ酸」または「残基」は、本明細書に開示されるポリペプチドとの関連で使用する場合、配列位置の特定のモノマーを指す(例えば、P8は、配列番号2の8位の「アミノ酸」または「残基」は、プロリンであることを示す)。
 
【0093】
  「親水性アミノ酸または残基」は、Eisenbergら、1984年、J.  Mol.  Biol.  179巻:125〜142頁の正規化コンセンサス疎水性スケールによって0未満の疎水性を示す側鎖を有するアミノ酸または残基を指す。遺伝的にコードされる親水性アミノ酸として、L−Thr(T)、L−Ser(S)、L−His(H)、L−Glu(E)、L−Asn(N)、L−Gln(Q)、L−Asp(D)、L−Lys(K)、およびL−Arg(R)が挙げられる。
 
【0094】
  「酸性アミノ酸または残基」は、そのアミノ酸が、ペプチドまたはポリペプチド中に含まれる場合、約6未満のpK値を示す側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を指す。酸性アミノ酸は一般に、水素イオンを失っているために、生理的pHで負に帯電した側鎖を有する。遺伝的にコードされる酸性アミノ酸には、L−Glu(E)およびL−Asp(D)が含まれる。
 
【0095】
  「塩基性アミノ酸または残基」は、そのアミノ酸が、ペプチドまたはポリペプチド中に含まれる場合、約6超のpK値を示す側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を指す。塩基性アミノ酸は一般に、ヒドロニウムイオンとの会合により、生理的pHで正に帯電した側鎖を有する。遺伝的にコードされる塩基性アミノ酸には、L−Arg(R)およびL−Lys(K)が含まれる。
 
【0096】
  「極性のアミノ酸または残基」は、生理的pHで無電荷であるが、2つの原子によって共通して共有されている電子対が、これらの原子のうちの1つによってより密接に保持されている、少なくとも1つの結合を有する側鎖を有する親水性アミノ酸または残基を指す。遺伝的にコードされる極性アミノ酸には、L−Asn(N)、L−Gln(Q)、L−Ser(S)、およびL−Thr(T)が含まれる。
 
【0097】
  「疎水性アミノ酸または残基」は、Eisenbergら、1984年、J.  Mol.  Biol.  179巻:125〜142頁の正規化コンセンサス疎水性スケールによって0超の疎水性を示す側鎖を有するアミノ酸または残基を指す。遺伝的にコードされた疎水性アミノ酸として、L−Pro(P)、L−Ile(I)、L−Phe(F)、L−Val(V)、L−Leu(L)、L−Trp(W)、L−Met(M)、L−Ala(A)、およびL−Tyr(Y)が挙げられる。
 
【0098】
  「芳香族アミノ酸または残基」は、少なくとも1つの芳香族環または芳香族複素環を含む側鎖を有する親水性または疎水性アミノ酸または残基を指す。遺伝的にコードされる芳香族アミノ酸には、L−Phe(F)、L−Tyr(Y)、およびL−Trp(W)が含まれる。そのヘテロ芳香族窒素原子のpKaのために、L−His(H)は時折、塩基性残基として分類され、またはその側鎖が芳香族複素環を含むので芳香族残基として分類されるが、本明細書では、ヒスチジンは、親水性残基または「拘束性残基」(以下を参照)として分類される。
 
【0099】
  「拘束性アミノ酸または残基」は、拘束された形状を有するアミノ酸または残基を指す。本明細書では、拘束性残基には、L−Pro(P)およびL−His(H)が含まれる。ヒスチジンは、拘束された形状を有し、その理由は、これが、相対的に小さいイミダゾール環を有するためである。プロリンは、拘束された形状を有し、その理由は、これも5員環を有するためである。
 
【0100】
  「非極性アミノ酸または残基」は、生理的pHで無電荷であり、2つの原子によって共通して共有されている電子対が、この2つの原子のそれぞれよって一般に同様に保持されている結合を有する側鎖(すなわち、この側鎖は非極性である)を有する疎水性アミノ酸または残基を指す。遺伝的にコードされる非極性アミノ酸として、L−Gly(G)、L−Leu(L)、L−Val(V)、L−Ile(I)、L−Met(M)、およびL−Ala(A)が挙げられる。
 
【0101】
  「脂肪族アミノ酸または残基」は、脂肪族炭化水素側鎖を有する疎水性アミノ酸または残基を指す。遺伝的にコードされる脂肪族アミノ酸には、L−Ala(A)、L−Val(V)、L−Leu(L)、およびL−Ile(I)が含まれる。
 
【0102】
  「システイン」またはL−Cys(C)は、他のL−Cys(C)アミノ酸、または他のスルファニル含有もしくはスルフヒドリル含有アミノ酸とジスルフィド架橋を形成することができる点で普通でない。「システイン様残基」には、システイン、およびジスルフィド架橋の形成に利用可能であるスルフヒドリル部分を含有する他のアミノ酸が含まれる。L−Cys(C)(および−SH含有側鎖を有する他のアミノ酸)が、還元された遊離−SHまたは酸化されたジスルフィド架橋形態でペプチド中に存在する能力は、L−Cys(C)が、ペプチドに正味の疎水性または親水性の特徴を与えるかどうかに影響する。L−Cys(C)は、Eisenberg(Eisenbergら、1984年、上記を参照)の正規化されたコンセンサススケールによって0.29の疎水性を示すが、本開示の目的に関して、L−Cys(C)は、その独自のユニークな群に分類されることが理解されるべきである。
 
【0103】
  「小さいアミノ酸または残基」は、合計3個以下の炭素および/またはヘテロ原子(α−炭素および水素を除く)からなる側鎖を有するアミノ酸または残基を指す。小さいアミノ酸または残基は、上記定義に従って、脂肪族、非極性、極性、または酸性の小さいアミノ酸または残基としてさらに分類することができる。遺伝的にコードされる小さいアミノ酸として、L−Ala(A)、L−Val(V)、L−Cys(C)、L−Asn(N)、L−Ser(S)、L−Thr(T)、およびL−Asp(D)が挙げられる。
 
【0104】
  「ヒドロキシル含有アミノ酸または残基」は、ヒドロキシル(−OH)部分を含有するアミノ酸を指す。遺伝的にコードされるヒドロキシル含有アミノ酸には、L−Ser(S)、L−Thr(T)およびL−Tyr(Y)が含まれる。
 
【0105】
  「アミノ酸差異」または「残基差異」は、参照配列と比較したときの、ポリペプチド配列の指定された位置での残基の変化を指す。例えば、参照配列がセリンを有するX8位での残基差異は、X8位の残基の、セリン以外の任意の残基への変化を指す。本明細書に開示されるように、酵素は、参照配列と比べて1つまたは複数の残基差異を含むことができ、この場合、複数の残基差異は一般に、参照配列と比べて変更が行われる指定位置のリストによって示される(例えば、「以下の残基位置で、配列番号2と比較した場合の1つまたは複数の残基差異:X4;X8;X26;X48;X60;X61;X62;X65;X81;X94;X96;X102;X124;X136;X137;X150;X152;X160;X163;X169;X174;X178;X195;X199;X208;X209;X211;X215;X217;X225;X230;X252;X269;X273;X282;X292;X297;X306;X321;およびX329」)。
 
【0106】
  「保存的な」アミノ酸置換または突然変異は、類似の側鎖を有する残基の互換性を指し、したがって一般に、アミノ酸の同じまたは類似の定義されたクラス内のアミノ酸との、ポリペプチド中のアミノ酸の置換を伴う。しかし、本明細書で使用する場合、いくつかの実施形態では、保存的変異が、代わりに脂肪族残基から脂肪族残基への、非極性残基から非極性残基への、極性残基から極性残基への、酸性残基から酸性残基への、塩基性残基から塩基性残基への、芳香族残基から芳香族残基への、または拘束性残基から拘束性残基への置換とすることができる場合、保存的変異は、親水性残基から親水性残基への、疎水性残基から疎水性残基への、ヒドロキシル含有残基からヒドロキシル含有残基への、または小さい残基から小さい残基への置換を含まない。さらに、本明細書で使用する場合、A、V、L、またはIは、別の脂肪族残基または別の非極性残基に保存的に突然変異させることができる。以下の表は、例示的な同類置換を示す。
 
【0108】
  「非同類置換」は、著しく異なる側鎖特性を有するアミノ酸との、ポリペプチド中のアミノ酸の置換または突然変異を指す。非同類置換は、上記に列挙された、定義された群内のアミノ酸よりむしろ、これらの群の間のアミノ酸を使用することができる。一実施形態では、非保存的変異は、(a)置換(例えば、グリシンからプロリン)の範囲内のペプチド主鎖の構造、(b)電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖の嵩に影響する。
 
【0109】
  「欠失」は、参照ポリペプチドから1つまたは複数のアミノ酸を除去することによる、ポリペプチドの修飾を指す。欠失は、1以上のアミノ酸、2以上のアミノ酸、5以上のアミノ酸、10以上のアミノ酸、15以上のアミノ酸、または20以上のアミノ酸、アミノ酸の総数の最大10%、アミノ酸の総数の最大20%、またはアミノ酸の総数の最大30%の除去を含むことができ、酵素活性を保持し、かつ/または操作されたトランスアミナーゼ酵素の改善を保持しながらポリペプチドを構成する。欠失は、ポリペプチドの内部部分および/または末端部分を対象とすることができる。様々な実施形態では、欠失は、連続的なセグメントを含むことができ、または不連続なセグメントを含むことができる。
 
【0110】
  「挿入」は、参照ポリペプチドに1つまたは複数のアミノ酸を付加することによる、ポリペプチドの修飾を指す。いくつかの実施形態では、改善された、操作されたトランスアミナーゼ酵素は、天然に存在するトランスアミナーゼポリペプチドへの1つまたは複数のアミノ酸の挿入、ならびに他の改善されたトランスアミナーゼポリペプチドへの1つまたは複数のアミノ酸の挿入を含む。挿入は、ポリペプチドの内部部分、またはカルボキシ末端もしくはアミノ末端にすることができる。挿入は、本明細書で使用する場合、当技術分野で公知であるような融合タンパク質を含むことができる。挿入は、天然に存在するポリペプチド中で、アミノ酸の連続したセグメントであってもよく、またはアミノ酸の1つまたは複数によって離れていてもよい。
 
【0111】
  「断片」は、本明細書で使用する場合、アミノ末端および/またはカルボキシ末端の欠失を含むが、残りのアミノ酸配列は、配列中の対応する位置と同一であるポリペプチドを指す。断片は、少なくとも14アミノ酸の長さ、少なくとも20アミノ酸の長さ、少なくとも50アミノ酸の長さ、またはそれ以上の長さ、および全長のトランスアミナーゼポリペプチド、例えば、配列番号4のポリペプチドの最大70%、80%、90%、95%、98%、および99%までとすることができる。
 
【0112】
  「単離ポリペプチド」は、天然にポリペプチドを付随させる他の混入物、例えば、タンパク質、脂質、およびポリヌクレオチドから実質的に分離されたポリペプチドを指す。この用語は、その天然に存在する環境または発現系(例えば、宿主細胞またはインビトロ合成)から取り出され、または精製されたポリペプチドを包含する。改善されたトランスアミナーゼ酵素は、細胞内に存在し、細胞培地中に存在することができ、または様々な形態、例えば、溶解産物、もしくは単離された調製物などで調製することができる。したがって、いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼ酵素は、単離ポリペプチドとすることができる。
 
【0113】
  「実質的に純粋なポリペプチド」は、ポリペプチド種が、存在する支配的な種である(すなわち、モルまたは重量に基づいて、これが、組成物中の任意の他の個々の巨大分子種より豊富である)組成物を指し、一般に、目的種が、存在する巨大分子種の少なくとも約50モルパーセントまたは約50重量パーセントを構成するとき、実質的に精製された組成物である。一般に、実質的に純粋なトランスアミナーゼ組成物は、この組成物中に存在するすべての巨大分子種の約60モル%または重量%以上、約70モル%または重量%以上、約80モル%または重量%以上、約90モル%または重量%以上、約95モル%または重量%以上、および約98モル%または重量%以上を構成する。いくつかの実施形態では、目的種は、本質的に均一になるまで精製され(すなわち、混入物種は、慣例的な検出方法によって組成物中に検出することができない)、組成物は、単一の巨大分子種から本質的になる。溶媒種、小分子(<500ダルトン)、および元素イオン種は、巨大分子種と見なされない。いくつかの実施形態では、単離された、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチド組成物である。
 
【0114】
  「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」は、核酸ハイブリッドが安定である条件を指すのに本明細書で使用される。当業者に公知であるように、ハイブリッドの安定性は、ハイブリッドの融解温度(T
m)に反映している。一般に、ハイブリッドの安定性は、イオン強度、温度、G/C含量、およびカオトロピック剤の存在の関数である。ポリヌクレオチドのT
m値は、融解温度を予測するための公知の方法を使用して計算することができる(例えば、Baldinoら、Methods  Enzymology  168巻:761〜777頁;Boltonら、1962年、Proc.  Natl.  Acad.  Sci.  USA  48巻:1390頁;Bresslauerら、1986年、Proc.  Natl.  Acad.  Sci  USA  83巻:8893〜8897頁;Freierら、1986年、Proc.  Natl.  Acad.  Sci  USA  83巻:9373〜9377頁;Kierzekら、Biochemistry  25巻:7840〜7846頁;Rychlikら、1990年、Nucleic  Acids  Res  18巻:6409〜6412頁(訂正、1991年、Nucleic  Acids  Res  19巻:698頁);Sambrookら、上記を参照);Suggsら、1981年、In  Developmental  Biology  Using  Purified  Genes(Brownら編)、683〜693頁、Academic  Press;およびWetmur、1991年、Crit  Rev  Biochem  Mol  Biol  26巻:227〜259頁を参照。すべての刊行物は、参照により本明細書に組み込む)。いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に開示されるポリペプチドをコードし、規定条件、例えば、適度にストリンジェントな条件または高度にストリンジェントな条件などの下で、本開示の操作されたトランスアミナーゼ酵素をコードする配列の補体にハイブリダイズする。
 
【0115】
  「ハイブリダイゼーションストリンジェンシー」は、核酸のハイブリダイゼーションにおける、洗浄条件などのハイブリダイゼーション条件に関する。一般に、ハイブリダイゼーション反応は、より低いストリンジェンシーの条件下で実施され、その後に、異なるが、より高いストリンジェンシーの洗浄が続く。用語「適度にストリンジェントなハイブリダイゼーション」は、標的DNAが、標的ポリヌクレオチドと約90%超の同一性を伴って、標的DNAと約60%の同一性、好ましくは、約75%の同一性、約85%の同一性を有する相補的核酸に結合するのを可能にする条件を指す。例示的な適度にストリンジェントな条件は、42℃で、50%のホルムアミド、5×デンハート液、5×SSPE、0.2%のSDS中のハイブリダイゼーション、その後の42℃で、0.2×SSPE、0.2%のSDS中の洗浄と等価な条件である。「高いストリンジェンシーハイブリダイゼーション」は、規定されたポリヌクレオチド配列についての溶液条件下で求めた場合に、熱融解温度T
mから約10℃未満である条件を一般に指す。いくつかの実施形態では、高いストリンジェンシー条件は、65℃で、0.018MのNaCl中で安定なハイブリッドを形成する核酸配列のみのハイブリダイゼーションを可能にする条件を指す。(すなわち、ハイブリッドが、65℃で、0.018MのNaCl中で安定でない場合、これは、本明細書で企図されるように、高いストリンジェンシー条件下で安定でない)。高いストリンジェンシー条件は、例えば、42℃で、50%のホルムアミド、5×デンハート液、5×SSPE、0.2%のSDSに等価な条件でのハイブリダイゼーション、その後の65℃で、0.1×SSPE、および0.1%のSDS中の洗浄によってもたらすことができる。別の高いストリンジェンシー条件は、65℃で、0.1%(w:v)のSDSを含有する5×SSC中のハイブリダイジング、および65℃で、0.1%のSDSを含有する0.1×SSC中の洗浄と等価な条件でのハイブリダイジングである。他の高いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件、ならびに適度にストリンジェントな条件は、上記に引用された参考文献に記載されている。
 
【0116】
  「非相同の」ポリヌクレオチドは、実験室技法によって宿主細胞中に導入される任意のポリヌクレオチドを指し、宿主細胞から取り出され、実験室操作にかけられ、次いで宿主細胞中に再導入されるポリヌクレオチドを含む。
 
【0117】
  「コドン最適化された」は、コードされたタンパク質が対象とする生物内で効率的に発現されるような、特定の生物内で優先的に使用されるものに対する、タンパク質をコードするポリヌクレオチドのコドンの変化を指す。遺伝子コードは、ほとんどのアミノ酸が、「同義語」コドンまたは「同義」コドンと呼ばれるいくつかのコドンによって表されるという点で縮退しているが、特定の生物によるコドン使用頻度は、非ランダムであり、特定のコドントリプレットに偏っていることが周知である。このコドン使用頻度の偏りは、所与の遺伝子、共通の機能または祖先起源の遺伝子、高度に発現されるタンパク質対低コピー数タンパク質、および生物のゲノムの凝集タンパク質コード領域に関して、より高くなり得る。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドは、発現させるのに選択された宿主生物体からの最適な産生のために最適化されたコドンとすることができる。
 
【0118】
  「好適な、最適な、高いコドン使用頻度の偏りのコドン」は、同じアミノ酸をコードする他のコドンより、タンパク質コード領域において高い頻度で使用されるコドンを互換的に指す。好適なコドンは、1個の遺伝子、共通の機能または起源の一連の遺伝子、高度に発現された遺伝子におけるコドン使用頻度、生物全体の凝集タンパク質コード領域におけるコドン出現頻度、関連生物の凝集タンパク質コード領域におけるコドン出現頻度、またはこれらの組合せに関して求めることができる。頻度が遺伝子発現のレベルとともに増加するコドンは一般に、発現にとっての最適コドンである。例えば、クラスター分析または対応分析を使用する多変量解析を含めた、特性の生物におけるコドン出現頻度(例えば、コドン使用頻度、相対的同義コドン使用頻度)、およびコドン選択を求めるため、ならびに遺伝子中で使用されるコドンの有効数を求めるための様々な方法が公知である(GCG  CodonPreference、Genetics  Computer  Group  Wisconsin  Package;Codon  W、John  Peden、University  of  Nottingham;Mclnerney,  J.  O、1998年、Bioinformatics  14巻:372〜73頁;Stenicoら、1994年、Nucleic  Acids  Res.  222437〜46頁;Wright,  F.、1990年、Gene  87巻:23〜29頁を参照)。コドン使用頻度表は、生物のますます増えているリストに利用可能である(例えば、Wadaら、1992年、Nucleic  Acids  Res.  20巻:2111〜2118頁;Nakamuraら、2000年、Nucl.  Acids  Res.  28巻:292頁;Duretら、上記を参照;HenautおよびDanchin、「Escherichia  coli  and  Salmonella」、1996年、Neidhardtら編、ASM  Press、Washington  D.C.、2047〜2066頁を参照)。コドン使用頻度を得るためのデータ源は、タンパク質をコードすることができる任意の利用可能なヌクレオチド配列に依拠することができる。これらのデータセットは、発現タンパク質(例えば、完全なタンパク質コード配列−CDS)、発現配列タグ(EST)、またはゲノム配列の予測されるコード領域をコードすることが実際に公知である核酸配列を含む(例えば、Mount,  D.、Bioinformatics:  Sequence  and  Genome  Analysis、8章、Cold  Spring  Harbor  Laboratory  Press、Cold  Spring  Harbor、N.  Y.、2001年;Uberbacher,  E.  C.、1996年、Methods  Enzymol.  266巻:259〜281頁;Tiwariら、1997年、Comput.  Appl.  Biosci.  13巻:263〜270頁を参照)。
 
【0119】
  「制御配列」は、本開示のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現に必要または有利であるすべての成分を含むように、本明細書で定義される。各制御配列は、対象とするポリヌクレオチドに固有であっても、異種であってもよい。そのような制御配列には、それだけに限らないが、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナルペプチド配列、および転写ターミネーターが含まれる。
 
【0120】
  「作動可能に連結された」は、対象とするポリヌクレオチドと比べて、ある位置で、制御配列が適切に配置され(すなわち、機能的な関係で)、その結果、制御配列が、対象とするポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの発現を指示または調節する配置として本明細書で定義される。
 
【0121】
  「プロモーター配列」は、コード配列などの、対象とするポリヌクレオチドの発現のために宿主細胞によって認識される核酸配列である。制御配列は、適切なプロモーター配列を含むことができる。プロモーター配列は、転写制御配列を含有し、これは、対象とするポリヌクレオチドの発現を媒介する。突然変異プロモーター、トランケーテッドプロモーター、およびハイブリッドプロモーターを含めて、プロモーターは、適切な宿主細胞において転写活性を示す任意の核酸配列とすることができ、宿主細胞と相同または非相同である細胞外または細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
実施形態の詳細な説明
  本明細書の実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、配列番号2のトランスアミナーゼと比較した場合、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに立体選択的に変換するその能力が改善されている。トランスアミナーゼは、本明細書に記載されるものを含めて、一般に、補酵素であるリン酸ピリドキサール(PLP)を含有し、これは、アミノ基転移反応に関与する。PLPは、ポリペプチドが合成される宿主細胞によって提供することができ、またはポリペプチドの溶液にPLPを添加することによって提供することができる。トランスアミナーゼは、アミノ酸配列に関して記述される一方で、活性ポリペプチドは、補酵素としてPLPまたは適切な類似体を含有することが当業者によって理解されるであろう。
 
【0122】
  いくつかの実施形態では、酵素活性の改善は、配列番号4のポリペプチドなどの別の操作されたトランスアミナーゼに関してである。ケトアミド基質に対する活性の改善は、規定条件下で、参照酵素(例えば、野生型)と比べて、操作された酵素によって生成物に変換される基質の量の増加(例えば、変換率)によって明らかにすることができる。活性の改善は、規定条件下で、規定時間内でのケトアミド基質の生成物の変換の増大をもたらす、生成物形成速度の増大を含むことができる。活性の増大(例えば、変換率および/または変換速度の増大)は、より少ない量の酵素での、同じ量の生成物への基質の変換も特徴とすることができる。生成物の量は、様々な技法、例えば、反応混合物の分別(例えば、クロマトグラフィーによる)、およびUV吸光度またはタンデム質量分析法(MS/MS)による、分離された生成物の検出によって評価することができる(例えば、実施例4を参照)。生成物のUV検出の例示的な方法は、210nmの入射波長および1.0cmの経路長を使用し、これは、シタグリプチンについて、約5μg/mLの検出限界を有する。生成物のUV検出は一般に、クロマトグラフィー、特に、1.5ml/分の流量およびカラム温度40℃で、45:55の10mMのNH
4Ac/MeCNの溶離液を使用する、逆相クロマトグラフ媒体、例えば、Agilent  Eclipse  XDB−C8カラム(4.6×150mm、5μm)でのHPLCによる反応混合物の分別に続く。いくつかの実施形態では、UV検出は、268nmの入射波長を使用し、これは、210nmでの検出限界と同様の検出限界を有する。
 
【0123】
  いくつかの実施形態では、酵素活性の改善は、実施例6または7に提供されるものなどの既定反応条件下で、配列番号4のポリペプチドの活性以上である。配列番号2または配列番号4の活性を比較するための例示的な規定反応条件は、表2に列挙したトランスアミナーゼについての反応条件の説明において以下に示されるように、約2g/Lのケトアミド基質、約0.5Mのイソプロピルアミン、約22℃、約pH7.5、約5%のDMSO、約100μMのPLP、および約20mg/mLのトランスアミナーゼポリペプチドである。ある特定の操作されたトランスアミナーゼとの比較のための既定反応条件も、表2に列挙されたトランスアミナーゼについての説明、および実施例7〜11における対応する説明において提供されている。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、規定反応条件下で、配列番号4のポリペプチドの活性の少なくとも1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、75倍、100倍、150倍、200倍、300倍、400倍、500倍、1000倍、1500倍、2000倍、または2000倍超を有する。配列番号2のトランスアミナーゼ酵素が、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンに対して測れる程度に作用しないことを考慮すると、ケトアミド基質を対応する生成物に変換することにおいて、配列番号4以上の活性を有する操作されたトランスアミナーゼは、配列番号2によって表される酵素に対して改善されている。
 
【0124】
  いくつかの実施形態では、酵素活性の改善はまた、酵素特性の他の改善と関連する。いくつかの実施形態では、酵素特性の改善は、45℃以上などの熱安定性に関してである。
 
【0125】
  いくつかの実施形態では、酵素活性の改善はまた、約25〜約40%または約25〜約50%のジメチルスルホキシド(DMSO)中などの溶媒安定性の改善と関連する。いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼは、アミノ基ドナーなどの反応成分による不活性化に対して耐性である。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、1Mまたは最大2Mのイソプロピルアミンに対して安定である。
 
【0126】
  いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%、またはそれ以上の鏡像異性体過剰率(e.e.)を伴って変換することもできる。
 
【0127】
  いくつかの実施形態では、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、アミノ基ドナー、特にイソプロピルアミンの存在下で、配列番号4のポリペプチドの活性以上の活性を伴って変換することができ、配列番号4の参照配列と少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を含む。
 
【0128】
  いくつかの実施形態では、本開示の操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、以下にさらに記載されるように、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、アミノ基ドナー、特にイソプロピルアミンの存在下で、配列番号4のポリペプチド以上の活性を伴って変換することができ、表2に列挙された参照配列、例えば、配列番号68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、または102と、少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を含む。
 
【0129】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、トランスアミナーゼ参照配列と比較した場合、1つまたは複数の残基差異を有するアミノ酸配列を含む。残基差異は、非同類置換、同類置換、または非同類置換と同類置換の組合せである場合がある。残基差異および残基位置の説明に関して、本明細書に提供されるトランスアミナーゼは、Arthrobacter  sp  KNK168の天然に存在するトランスアミナーゼ、または配列番号2のトランスアミナーゼ、または配列番号4のポリペプチドなどの操作されたトランスアミナーゼのアミノ酸配列を参照して記述することができる。本明細書の説明について、参照配列中のアミノ酸残基位置は、開始メチオニン(M)残基(すなわち、Mは、残基1位を表す)から始まるトランスアミナーゼにおいて求められるが、この開始メチオニン残基は、宿主細胞またはインビトロ翻訳システムなどにおける生物学的処理機構によって除去されることによって、開始メチオニン残基を欠いている成熟タンパク質を生成することができることが当業者によって理解されるであろう。
 
【0130】
  特定のアミノ酸、またはアミノ酸変化(「残基差異」)が存在するポリペプチド配列の位置は、「Xn」または「位置n」として本明細書で時折記載され、ここでnは、参照配列に関する残基位置を指す。
 
【0131】
  参照配列中の特定の残基の、異なる指定残基との置換である、特定の置換突然変異は、慣例的な表示法「X(番号)Y」によって表すことができ、式中、Xは、参照配列中の残基の1文字識別子であり、「番号」は、参照配列中の残基位置であり、Yは、操作された配列中の残基置換の1文字識別子である。
 
【0132】
  いくつかの実施形態では、残基差異は、以下の残基位置の1つまたは複数で起こり得る:X4;X5;X8;X18;X25;X26;X27;X28;X30;X41;X42;X48;X49;X50;X54;X55;X60;X61;X62;X65;X69;X81;X94;X96;X102;X117;X120;X122;X124;X126;X136;X137;X138;X146;X148;X150;X152;X155;X156;X160;X163;X164;X169;X174;X178;X195;X199;X204;X208;X209;X211;X215;X217;X223;X225;X230;X252;X269;X273;X282;X284;X292;X297;X302;X306;X321;およびX329。いくつかの実施形態では、残基差異またはこれらの組合せは、酵素特性の改善に関連する。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、上記に列挙された「Xn」によって表される特定の位置以外の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他のアミノ酸残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、他の残基位置での残基差異は、保存アミノ酸残基との置換を含む。
 
【0133】
  本明細書の実施形態では、トランスアミナーゼに対して基質結合に影響する残基位置での、配列番号2と比較した場合の残基差異は、以下にさらに記載される構造式(I)のケトアミド基質、特に、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンの適応を可能にする。理論によって束縛されることなく、少なくとも2つの領域、すなわち、第1の基質結合領域および第2の基質結合領域は、ケトアミド基質の異なる構造要素と相互作用する。第1の結合領域は、残基位置X62、X136、X137、X195、X199、X208、X209、X223、X225、およびX282を含む一方で、第2の結合領域は、残基位置X69、X122、およびX284を含む。したがって、本明細書のトランスアミナーゼポリペプチドは、X62、X69、X122、X136、X137、X195、X199、X208、X209、X223、X225、X282、およびX284を含む残基位置で、1つまたは複数の残基差異を有する。いくつかの実施形態では、本明細書のトランスアミナーゼポリペプチドは、基質結合に関連する指定残基位置で、少なくとも2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ以上の残基差異を有する。
 
【0134】
  いくつかの実施形態では、配列番号2と比較した場合の残基差異は、残基位置X62、X136、X137、X195、X199、X208、X209、X223、X225、およびX282からなる第1の基質結合領域を形成する残基位置の1つまたは複数においてである。したがって、いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、残基位置X62、X136、X137、X195、X199、X208、X209、X223、X225、およびX282において、配列番号2と比較した場合に少なくとも1つの残基差異を含むアミノ酸配列を含む。
 
【0135】
  いくつかの実施形態では、配列番号2と比較した場合の残基差異は、残基位置X69、X122、およびX284からなる第2の基質結合領域を形成する残基位置の1つまたは複数においてである。したがって、いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、残基位置X69、X122、およびX284において、配列番号2と比較した場合に少なくとも1つの残基差異を含むアミノ酸配列を含む。
 
【0136】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、第2の結合領域における残基差異と組み合わせて、第1の結合領域における残基差異を含むアミノ酸配列を含む。したがって、いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、残基位置X69、X122、およびX284における、配列番号2と比較した場合の1つまたは複数の残基差異と組み合わせて、残基位置X62、X136、X137、X195、X199、X208、X209、X223、X225、およびX282における、配列番号2と比較した場合の1つまたは複数の残基差異を含むアミノ酸配列を含む。
 
【0137】
  本開示の操作されたトランスアミナーゼのいくつかの実施形態では、ある残基位置におけるアミノ酸残基は、その位置で出現することができるアミノ酸の「特徴」(例えば、アミノ酸の型または特性)の観点から定義することができる。したがって、いくつかの実施形態では、上記に指定された位置におけるアミノ酸残基は、以下の特徴から選択することができる:X4が芳香族残基であり;X5が塩基性残基であり;X8が拘束性残基であり;X18が、システイン(C)または脂肪族残基であり;X25が極性残基であり;X26が、芳香族残基または拘束性残基であり;X27が極性残基であり;X28が拘束性残基であり;X30が、非極性残基または極性残基であり;X41が、拘束性残基または極性残基であり;X42が非極性残基であり;X48が、極性残基、酸性残基、脂肪族残基、またが非極性残基であり;X49が極性残基であり;X50が脂肪族残基であり;X54が拘束性残基であり;X55が脂肪族残基であり;X60が芳香族残基であり;X61が芳香族残基であり;X62が、芳香族残基または極性残基であり;X65が脂肪族残基であり;X69が、システイン(C)または非極性残基、極性残基、もしくは脂肪族残基であり;X81が非極性残基であり;X94が脂肪族残基であり;X96が脂肪族残基であり;X102が、脂肪族残基または塩基性残基であり;X117が非極性残基であり;X120が芳香族残基であり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基であり;X124が、極性残基または拘束性残基であり;X126が極性残基であり;X136が芳香族残基であり;X137が、極性残基または脂肪族残基であり;X138が、塩基性残基または拘束性残基であり;X146が塩基性残基であり;X148が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X150が、芳香族残基、拘束性残基、または極性残基であり;X152が、システイン(C)、非極性残基、脂肪族残基、または極性残基であり;X155が、非極性残基または極性残基であり;X156が極性残基であり;X160が脂肪族残基であり;X163が、脂肪族残基または拘束性残基であり;X164が、脂肪族残基または拘束性残基であり;X169が脂肪族残基であり;X174が脂肪族残基であり;X178が極性残基であり;X195が、芳香族残基または極性残基であり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X204が脂肪族残基であり;X208が、システイン(C)、またが拘束性残基、非極性残基、芳香族残基、極性残基、もしくは塩基性残基であり;X209が脂肪族残基であり;X211が脂肪族残基であり;X215がシステイン(C)であり;X217が極性残基であり;X223が拘束性残基であり;X225が芳香族残基であり;X230が脂肪族残基であり;X252が、芳香族残基または脂肪族残基であり;X269が拘束性残基であり;X273が芳香族残基であり;X282が極性残基であり;X284が非極性残基であり;X292が極性残基であり;X297が極性残基であり;X302が脂肪族残基であり;X306が脂肪族残基であり;X321が拘束性残基であり、X329が、拘束性残基または芳香族残基である。いくつかの実施形態では、参照配列(例えば、配列番号2)の対応する残基位置におけるアミノ酸残基が、指定位置について記載されるアミノ酸のカテゴリー内に包含される場合、そのアミノ酸のカテゴリー内の異なるアミノ酸は、本明細書に提供されるガイダンスを踏まえると使用することができる。
 
【0138】
  いくつかの実施形態では、上記に指定された残基位置におけるアミノ酸残基は、以下の特徴から選択することができる:X4が、Y、F、またはW、特にYであり;X5が、KまたはR、特にKであり;X8が、HまたはP、特にPであり;X18が、C、A、V、またはI、特にCまたはIであり;X25が、N、Q、S、またはT、特にQであり;X26が、F、W、HまたはP、特にHであり;X27が、N、Q、S、またはT、特にTであり;X28が、PまたはH、特にPであり;X30が、N、Q、S、T、G、M、A、V、LまたはI、特にQまたはMであり;X41が、P、H、N、Q、S、またはT、特にHまたはSであり;X42が、G、M、A、V、LまたはI、特にGであり;X48が、N、Q、S、T、D、E、G、M、A、V、L、またはI、特にQ、D、V、G、またはAであり;X49が、N、Q、またはT、特にTであり;X50が、A、V、LまたはI、特にLであり;X54が、PまたはHであり;X55が、A、V、またはL、特にVであり;X60が、FまたはW、特にFであり;X61が、Y、F、またはW、特にYであり;X62が、S、T、N、Q、Y、F、またはW、特にT、YまたはFであり;X65が、A、LまたはI、特にAであり;X69が、C、G、M、A、L  I、S、T、NまたはQ、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が、G、M、A、V、L、I、特にGであり;X94が、A、V、LまたはI、特にIまたはLであり;X96が、A、VまたはL、特にLであり;X102が、A、V、L、I、KまたはR、特にLまたはKであり;X117が、G、M、A、V、LまたはI、特にGであり;X120が、Y、W、またはF、特にYであり;X122が、G、M、A、V、I、L、PまたはH、特にM、I、L、V、またはHであり;X124が、T、N、Q、P、またはH、特にT、HまたはNであり;X126が、N、Q、またはT、特にTであり;X136が、Y、FまたはW、特にYまたはFであり;X137が、S、T、N、Q、A、V、LまたはI、特にTまたはIであり;X138が、K、PまたはH、特にKまたはPであり;X146が、KまたはR、特にRであり;X148が、A、V、L  I、W、またはF、特にAまたはFであり;X150が、F、W、H、P、S、T、N、またはQ、特にF、H、またはSであり;X152が、C、G、M、A、L、I、S、T、N,またはQ、特にG、I、L、SまたはCであり;X155が、N、S、T、G、M、A、V、LまたはI、特にM、VまたはTであり;X156が、N、Q、S、またはT、特にQであり;X160が、A、V、LまたはI、特にLであり;X163が、P、H、A、V、またはL、特にHまたはVであり;X164が、A、V、L、I、PまたはH、特にVまたはPであり;X169が、V、LまたはI、特にLであり;X174が、A、V、LまたはI、特にAであり;X178が、S、N、またはQ、特にSであり;X195が、F、Y、W、S、T、NまたはQ、特にFまたはQであり;X199が、A、L、I、Y、F、W、特にWまたはIであり;X204が、A、V、L、またはI、特にAであり;X208が、H、C、G、K、N、Y、DまたはSであり;X209が、V、LまたはI、特にLであり;X211が、A、V、またはI、特にIであり;X215が、Cであり;X217が、S、T、NまたはQ、特にNであり;X223が、HまたはP、特にPであり;X225が、WまたはY、特にYであり;X230が、A、V、またはL、特にVであり;X252が、A、V、I、Y、F、またはW、特にFであり;X269が、HまたはP、特にPであり;X273が、Y、FまたはW、特にYであり;X282が、S、NまたはQ、特にSであり;X284が、G、M、V、LまたはI、特にGであり;X292が、T、N、またはQ、特にTであり;X297が、S、T、NまたはQ、特にSであり;X302が、A、L、またはI、特にAであり;X306が、A、LまたはI、特にLであり;X321が、HまたはP、特にPであり;X329が、H、P、Y、F、またはW、特にHである。
 
【0139】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、以下の特徴の1つまたは複数を含むアミノ酸配列を含む:X69に対応する残基が、システイン(C)、または非極性残基、極性残基、もしくは脂肪族残基であり;X122に対応する残基が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基であり;X223に対応する残基が、拘束性残基であり;X284に対応する残基が、非極性残基である。
 
【0140】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:(1)X69に対応する残基が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基であり、かつ/またはX284に対応する残基が、非極性残基であり;(2)X122に対応する残基が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基であり;(3)X223に対応する残基が、拘束性残基である。
 
【0141】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基であり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基であり、;X223が拘束性残基である。
 
【0142】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X69が、C、G、M、A、L、I、S、T、N、またはQ、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、G、M、A、V、L、I、P、またはH、特にM、I、V、L、またはHであり;X223が、HまたはP、特にPである。
 
【0143】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基であり;X223が拘束性残基であり;X284が非極性残基である。
 
【0144】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X122が、G、M、A、V、L、I、P、またはH、特にM、I、V、L、またはHであり;X223が、HまたはP、特にPであり;X284が、G、M、V、L、またはI、特にGである。
 
【0145】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X69が、C、または非極性残基、極性残基、もしくは脂肪族残基であり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基であり;X223が拘束性残基であり;X284が非極性残基である。
 
【0146】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X69が、C、G、M、A、L、I、S、T、N、またはQ、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、G、M、A、V、L、I、P、またはH、特にM、I、V、L、またはHであり;X223が、HまたはP、特にPであり;X284が、G、M、A、V、L、またはI、特にGである。
 
【0147】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X69がCまたはTであり;X122がMまたはIであり;X223がPであり;X284がGである。
 
【0148】
  いくつかの実施形態では、残基位置X69、X122、X223、およびX284において、指定された特徴の1つもしくは複数、または特徴の組合せを有する操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、以下の残基位置で、配列番号2と比較した場合に1つまたは複数の残基差異をさらに有することができる:X4;X5;X8;X18;X25;X26;X27;X28;X30;X41;X42;X48;X49;X50;X54;X55;X60;X61;X62;X65;X81;X94;X96;X102;X117;X120;X124;X126;X136;X137;X138;X146;X148;X150;X152;X155;X156;X160;X163;X164;X169;X174;X178;X195;X199;X204;X208;X209;X211;X215;X217;X225;X230;X252;X269;X273;X282、X292;X297;X302;X306;X321;およびX329。残基位置X69、X122、X223、およびX284に加えて、これらの他の残基位置は、トランスアミナーゼポリペプチドの様々な特性に対する効果と関連し、したがって、配列番号2と比較した場合に残基差異を有することによって、酵素特性の望ましい変化を起こすことができる。
 
【0149】
  上述したように、残基位置X62、X136、X137、X195、X199、X208、X209、X225、およびX282は、残基位置X69、X122、X223、およびX284とともに、基質の酵素への結合に関連し、したがって、トランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2と比較した場合に、これらの列挙された位置で残基差異を有することによって、酵素活性の望ましい変化を起こすことができる。
 
【0150】
  残基位置X4、X5、X8、X26、X48、X60、X65、X81、X96、X102、X124、X160、X163、X169、X174、X178、X211、X217、X225、X230、X252、X269、X273、X292、X297、X306、X321、X329も、酵素活性の追加の増大に関連し、したがって、トランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2と比較した場合に、これらの列挙された位置で残基差異を有することによって、酵素活性の望ましい変化、例えば、高い基質負荷条件での変換の効率の増大を起こすことができる。
 
【0151】
  残基位置X18、X25、X27、X28、X30、X41、X42、X49、X50、X54、X55、X117、X120、X126、X138、X146、X148、X150、X152、X155、X156、X164、X204、X302は、熱安定性および/またはDMSOなどの溶媒安定性の増大にも関連し、したがって、トランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2と比較した場合に、これらの列挙された位置で残基差異を有することによって、熱安定性および/または溶媒安定性の望ましい変化を起こすことができる。
 
【0152】
  残基位置X61、X94、X215は、アミノドナーであるイソプロピルアミンの高い濃度で反応を実施する能力にも関連し、したがって、トランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2と比較した場合に、これらの列挙された位置で残基差異を有することによって、イソプロピルアミンの高い(例えば、1〜2M)濃度で、変換の効率の増大を起こすことができる。
 
【0153】
  酵素の様々な特性に関連する残基位置での配列番号2からの残基差異は、様々に組み合わせて使用することによって、望ましい酵素特性、例えば、酵素活性、溶媒安定性および適度な安定性の増大、ならびにアミノドナーの利用の組合せを有するトランスアミナーゼポリペプチドを形成することができることが理解されるべきである。例示的な組合せは、本明細書に記載されている。
 
【0154】
  いくつかの実施形態では、指定された残基位置についてのアミノ酸残基は、上記説明に従って選択することができる。例えば、アミノ酸残基は、以下の特徴に基づいて選択することができる:X4が芳香族残基であり;X5が塩基性残基であり;X8が拘束性残基であり;X18が、システイン(C)または脂肪族残基であり;X25が極性残基であり;X26が、芳香族残基または拘束性残基であり;X27が極性残基であり;X28が拘束性残基であり;X30が、極性残基または非極性残基であり;X41が、拘束性残基または極性残基であり;X42が非極性残基であり;X48が、極性残基、酸性残基、脂肪族残基、または非極性残基であり;X49が極性残基であり;X50が脂肪族残基であり;X54が拘束性残基であり;X55が脂肪族残基であり;X60が芳香族残基であり;X61が芳香族残基であり;X62が、芳香族残基または極性残基であり;X65が脂肪族残基であり;X81が非極性残基であり;X94が脂肪族残基であり;X96が脂肪族残基であり;X102が、脂肪族残基または塩基性残基であり;X117が非極性残基であり;X120が芳香族残基であり;X124が、極性残基または拘束性残基であり;X126が極性残基であり;X136が芳香族残基であり;X137が、極性残基または脂肪族残基であり;X138が、塩基性残基または拘束性残基であり;X146が塩基性残基であり;X148が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X150が、芳香族残基、拘束性残基、または極性残基であり;X152が、システイン(C)、非極性残基、脂肪族残基、または極性残基であり;X155が、非極性残基または極性残基であり;X156が極性残基であり;X160が脂肪族残基であり;X163が、脂肪族残基または拘束性残基であり;X164が、脂肪族残基または拘束性残基であり;X169が脂肪族残基であり;X174が脂肪族残基であり;X178が極性残基であり;X195が、芳香族残基または極性残基であり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X204が脂肪族残基であり;X208が、システイン(C)、または拘束性残基、非極性残基、芳香族残基、極性残基、もしくは塩基性残基であり;X209が脂肪族残基であり;X211が脂肪族残基であり;X215がCであり;X217が極性残基であり;X225が芳香族残基であり;X230が脂肪族残基であり;X252が、芳香族残基または脂肪族残基であり;X269が拘束性残基であり;X273が芳香族残基であり;X282が極性残基であり;X292が極性残基であり;X297が極性残基であり;X302が脂肪族残基であり;X306が脂肪族残基であり;X321が拘束性残基であり;X329が、拘束性残基または芳香族残基である。これらの残基位置で使用することができる具体的なアミノ酸残基は、上述されている。
 
【0155】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴の1つまたは複数をさらに有することができる:X26が、芳香族残基または拘束性残基であり;X61が芳香族残基であり;X62が、芳香族残基または極性残基であり;X65が脂肪族残基であり;X94が脂肪族残基であり;X136が芳香族残基であり;X137が、極性残基または脂肪族残基であり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X209が脂肪族残基であり;X215がCであり;X282が極性残基である。
 
【0156】
  いくつかの実施形態では、前述の特徴に加えて、トランスアミナーゼアミノ酸配列は、以下の特徴の1つまたは複数をさらに含むことができる:X8が拘束性残基であり;X60が芳香族残基であり;X81が、非極性残基または小さい残基であり;X96が脂肪族残基であり;X124が、極性残基または拘束性残基であり;X169が脂肪族残基であり;X217が極性残基であり;X269が拘束性残基であり;X273が芳香族残基であり;X297が極性残基であり;X321が拘束性残基である。
 
【0157】
  いくつかの実施形態では、前述の特徴に加えて、トランスアミナーゼアミノ酸配列は、以下の特徴の1つまたは複数をさらに含むことができる:X4が芳香族残基であり;X48が、極性残基、酸性残基、脂肪族残基、または非極性残基であり;X102が、脂肪族残基または塩基性残基であり;X150が、芳香族残基、拘束性残基、または極性残基であり;X152が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基であり;X160が脂肪族残基であり;X163が、脂肪族残基または拘束性残基であり;X174が脂肪族残基であり;X178が極性残基であり;X195が、芳香族残基または極性残基であり;X208が、C、または拘束性残基、非極性残基、芳香族残基、極性残基、もしくは塩基性残基であり;X211が脂肪族残基であり;X225が芳香族残基であり;X230が脂肪族残基であり;X252が、芳香族残基または脂肪族残基であり;X292が極性残基であり;X306が脂肪族残基であり;X329が、拘束性残基または芳香族残基である。
 
【0158】
  いくつかの実施形態では、残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴の1つもしくは複数、または組合せを有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X26が、芳香族残基もしくは拘束性残基であり、かつ/またはX62が、芳香族残基もしくは極性残基であり;X65が脂肪族残基であり;X136が芳香族残基であり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X209が脂肪族残基である。
 
【0159】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X61が芳香族残基であり;X62が、芳香族残基または極性残基であり;X65が脂肪族残基であり;X94が脂肪族残基であり;X136が芳香族残基であり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X209が脂肪族残基であり;X215がCであり;X282が極性残基である。
 
【0160】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X8が拘束性残基であり;X61が芳香族残基であり;X62が、芳香族残基または極性残基であり;X65が脂肪族残基であり;X81が、非極性残基または小さい残基であり;X94が脂肪族残基であり;X136が芳香族残基であり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X209が脂肪族残基であり;X215がCであり;X217が極性残基であり;X269が拘束性残基であり;X282が極性残基であり;X297が極性残基であり;X321が拘束性残基である。
 
【0161】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X8が拘束性残基であり;X60が芳香族残基であり;X61が芳香族残基であり;X62が、芳香族残基または極性残基であり;X65が脂肪族残基であり;X81が非極性残基であり;X94が脂肪族残基であり;X96が脂肪族残基であり;X124が、極性残基もしくは拘束性残基であり;X136が芳香族残基であり;X169が脂肪族残基であり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X209が脂肪族残基であり;X215がCであり;X217が極性残基であり;X269が拘束性残基であり;X273が芳香族残基であり;X282が極性残基であり;X297が極性残基であり;X321が拘束性残基である。
 
【0162】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X8が拘束性残基であり;X60が芳香族残基であり;X61が芳香族残基であり;X62が、芳香族残基または極性残基であり;X65が脂肪族残基であり;X81が非極性残基であり;X94が脂肪族残基であり;X96が脂肪族残基であり;X124が、極性残基または拘束性残基であり;X126が極性残基であり;X136が芳香族残基であり;X150が、芳香族残基、拘束性残基または極性残基であり;X152がシステイン(C)、非極性残基、脂肪族残基、または極性残基であり;X169が脂肪族残基であり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基であり;X209が脂肪族残基であり;X215がCであり;X217が極性残基であり;X269が拘束性残基であり;X273が芳香族残基であり;X282が極性残基であり;X297が極性残基であり;X321が拘束性残基である。
 
【0163】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X26が、P、H、F、もしくはW、特にHであり、かつ/またはX62が、S、T、N、Q、Y、F、もしくはW、特にTもしくはFであり;X65が、A、L、またはI、特にAであり;X136が、Y、F、またはW、特にYまたはFであり;X199が、A、L、I、Y、F、またはW、特にWまたはIであり;X209が、V、L、またはI、特にLである。
 
【0164】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X61が、Y、F、またはW、特にYであり;X62が、S、T、N、Q、Y、F、またはW、特にTまたはFであり;X65が、A、L、またはI、特にAであり;X94が、A、V、LまたはI、特にIまたはLであり;X136が、Y、F、またはW、特にYまたはFであり;X199が、A、L、I、Y、F、またはW、特にWまたはIであり;X209が、V、L、またはI、特にLであり;X215がCであり;X282が、S、NまたはQ、特にSである。
 
【0165】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X8が、HまたはP、特にPであり;X61が、Y、F、またはW、特にYであり;X62が、S、T、N、Q、Y、F、またはW、特にTまたはFであり;X65が、A、L、またはI、特にAであり;X81が、G、M、A、V、LまたはI、特にGであり;X94が、A、V、LまたはI、特にIまたはLであり;X136が、Y、F、またはW、特にYまたはFであり;X199が、A、L、I、Y、F、またはW、特にWまたはIであり;X209が、V、L、またはI、特にLであり;X215がCであり;X217がS、T、N、またはQ、特にNであり;X269が、HまたはP、特にPであり;X282が、S、NまたはQ、特にSであり;X297が、S、T、NまたはQ、特にSであり;X321が、HまたはP、特にPである。
 
【0166】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X8が、HまたはP、特にPであり;X60が、FまたはW、特にFであり;X61が、Y、F、またはW、特にYであり;X62が、Y、F、W、S、T、N、またはQ、特にTまたはFであり;X65が、A、L、またはI、特にAであり;X81が、G、M、A、V、LまたはI、特にGであり;X94が、A、V、LまたはI、特にIまたはLであり;X96が、A、V、またはL、特にLであり;X124が、P、H、T、N、またはQ、特にT、HまたはNであり;X136が、Y、F、またはW、特にYまたはFであり;X169が、V、L、またはI、特にLであり;X199が、Y、F、W、A、L、またはI、特にWまたはIであり;X209が、V、L、またはI、特にLであり;X215がCであり;X217が、S、T、N、またはQ、特にNであり;X269が、HまたはP、特にPであり;X273が、Y、F、またはW、特にYであり;X282が、S、NまたはQ、特にSであり;X297が、S、T、NまたはQ、特にSであり;X321が、HまたはP、特にPである。
 
【0167】
  いくつかの実施形態では、1つまたは複数の残基位置X69、X122、X223、およびX284で、上述したような特徴を有する操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の追加の特徴を含む:X8が、HまたはP、特にPであり;X60が、FまたはW、特にFであり;X61が、Y、F、またはW、特にYであり;X62が、Y、F、W、S、T、N、またはQ、特にTまたはFであり;X65が、A、L、またはI、特にAであり;X81が、G、M、A、V、LまたはI、特にGであり;X94が、A、V、LまたはI、特にIまたはLであり;X96が、A、V、またはL、特にLであり;X124が、P、H、T、N、またはQ、特にT、HまたはNであり;X126が、N、Q、またはT、特にTであり;X136が、Y、F、またはW、特にYまたはFであり;X150が、F、W、H、P、S、T、N、またはQ、特にF、H、またはSであり;X152が、C、G、M、A、L、I、S、T、N、またはQ、特にG、I、L、SまたはCであり;X169が、V、L、またはI、特にLであり;X199が、Y、F、W、A、L、またはI、特にWまたはIであり;X209が、V、L、またはI、特にLであり;X215がCであり;X217が、S、T、N、またはQ、特にNであり;X269が、HまたはP、特にPであり;X273が、Y、F、またはW、特にYであり;X282が、S、NまたはQ、特にSであり;X297がS、T、NまたはQ、特にSであり;X321がHまたはP、特にPである。
 
【0168】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり、;X223が拘束性残基、特にPであり;X284が非極性残基であり、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照アミノ酸配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置(すなわち、X122;X223;およびX284)について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号8または10)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。
 
【0169】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X284が非極性残基であり、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照アミノ酸配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置(すなわち、X69;X122;X223;およびX284)について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号4)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含む。
 
【0170】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X223が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照アミノ酸配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号6)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号6の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0171】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X174が脂肪族残基、特にAであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X284が、非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照アミノ酸配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号12)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号12の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0172】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X26が、芳香族残基または拘束性残基、特にHであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、または極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X223が、拘束性残基、特にPであり;X284が、非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号14)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号14の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0173】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X26が、芳香族残基または拘束性残基、特にHであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X178が、極性残基、特にSであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;特にX223が拘束性残基、特にPであり;X225が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号16)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号16の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0174】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X26が、芳香族残基または拘束性残基、特にHであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X225が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号18)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号18の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0175】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X26が、芳香族残基または拘束性残基、特にHであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号20、22、28、30、32、34、38または40)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号20、22、28、30、32、34、38または40の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0176】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X26が、芳香族残基または拘束性残基、特にHであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X223が、拘束性残基、特にPであり;X225が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号24)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号24の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0177】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X26が、芳香族残基または拘束性残基、特にHであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X174が脂肪族残基、特にAであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X230が脂肪族残基、特にVであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号26)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号26の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0178】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X26が、芳香族残基または拘束性残基、特にHであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号36)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号36の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0179】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、少なくとも以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X4が芳香族残基、特にYであり;X26が、芳香族残基または拘束性残基、特にHであり;X62が芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号42)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号42の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0180】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号44、46または48)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号44、46または48の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0181】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がシステイン(C)であり;X223が、拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号50)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号50の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0182】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X152が、C、非極性残基、脂肪族残基、または極性残基、特にG、I、L、SまたはCであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号52)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号52の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0183】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X61が、芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号54または56)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号54または56の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0184】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が、拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号58または60)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号58または60の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0185】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X
160が脂肪族残基、特にLであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号62)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号62の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0186】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X137が、極性残基または脂肪族残基、特にTまたはIであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X306が脂肪族残基、特にLである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号64)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号64の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0187】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X102が、脂肪族残基または塩基性残基、特にLまたはKであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X150が、芳香族残基、拘束性残基または極性残基、特にF、H、またはSであり;X152がC、非極性残基、脂肪族残基、または極性残基、特にG、I、L、SまたはCであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号66)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号66の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0188】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X48が、極性残基、酸性残基、脂肪族残基または非極性残基、特にD、V、G、QまたはAであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X102が、脂肪族残基または塩基性残基、特にLまたはKであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X163が、脂肪族残基または拘束性残基、特にHまたはVであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X211が脂肪族残基、特にIであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X252が、芳香族残基または脂肪族残基、特にFであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号68)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号68の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0189】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X48が、極性残基、酸性残基、脂肪族残基または非極性残基、特にAであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X169が、脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が芳香族残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号70)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号70の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0190】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号72)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号72の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0191】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X178が極性残基、特にSであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が、拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号74)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号74の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0192】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X152が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、I、L、SまたはCであり;X178が極性残基、特にSであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X252が、芳香族残基または脂肪族残基、特にFであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照アミノ酸配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号76)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号76の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0193】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X178が極性残基、特にSであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X292が極性残基、特にTであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号78)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号78の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0194】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号80)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号80の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0195】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が、拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が、芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X178が極性残基、特にSであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号82)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号82の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0196】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X124が、極性残基または拘束性残基、特にT、HまたはNであり;X136が、芳香族残基、特にYまたはFであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号84、86、88、96、98、または100)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号84、86、88、96、98、または100の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0197】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X136が、芳香族残基、特にYまたはFであり;X150が、芳香族残基、拘束性残基または極性残基、特にF、H、またはSであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号90)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号90の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0198】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X124が、極性残基または拘束性残基、特にT、HまたはNであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X150が、芳香族残基、拘束性残基または極性残基、特にF、H、またはSであり;X152が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、I、L、SまたはCであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が、拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号92)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号92の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0199】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X124が、極性残基または拘束性残基、特にT、HまたはNであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X150が、芳香族残基、拘束性残基または極性残基、特にF、H、またはSであり;X152が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、I、L、SまたはCであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号94)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号94の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0200】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X124が、極性残基または拘束性残基、特にT、HまたはNであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPであり;X329が、拘束性残基または芳香族残基、特にHである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号102)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号102の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0201】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X124が、極性残基または拘束性残基、特にT、HまたはNであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X150が、芳香族残基、拘束性残基または極性残基、特にSであり;X152が、システイン(C)、非極性残基、脂肪族残基、または極性残基、特にG、I、L、SまたはCであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号110)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号110の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0202】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、以下の特徴を含むアミノ酸配列を含む:X8が拘束性残基、特にPであり;X49が芳香族残基、特にTであり;X60が芳香族残基、特にFであり;X61が芳香族残基、特にYであり;X62が、芳香族残基または極性残基、特にT、YまたはFであり;X65が脂肪族残基、特にAであり;X69が、C、または非極性残基、脂肪族残基、もしくは極性残基、特にG、C、T、A、またはSであり;X81が非極性残基、特にGであり;X94が脂肪族残基、特にIまたはLであり;X96が脂肪族残基、特にLであり;X117が非極性残基、特にGであり;X122が、拘束性残基、非極性残基、または脂肪族残基、特にM、I、L、V、またはHであり;X124が、極性残基または拘束性残基、特にT、HまたはNであり;X126が極性残基、特にTであり;X136が芳香族残基、特にYまたはFであり;X150が、芳香族残基、拘束性残基または極性残基、特にSであり;X152が、システイン(C)、非極性残基、脂肪族残基、または極性残基、特にG、I、L、SまたはCであり;X169が脂肪族残基、特にLであり;X199が、脂肪族残基または芳香族残基、特にWまたはIであり;X209が脂肪族残基、特にLであり;X215がCであり;X217が極性残基、特にNであり;X223が拘束性残基、特にPであり;X269が拘束性残基、特にPであり;X273が芳香族残基、特にYであり;X282が極性残基、特にSであり;X284が非極性残基、特にGであり;X297が極性残基、特にSであり;X302が脂肪族残基、特にAであり;X321が拘束性残基、特にPである。いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼポリペプチドは、他の残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であり、前述の指定された残基位置について記載された特徴を有するアミノ酸配列を含むことができ(例えば、配列番号166)、ただし、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、少なくとも、指定された残基位置について記載された特徴を含むアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号166の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%同一であるアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0203】
  以下の表2は、例示的な操作されたトランスアミナーゼポリペプチドを提供し、各行は、奇数が、偶数によって提供されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を指す、2つの配列番号を列挙している。残基差異は、Arthrobacter  sp  KNK168に由来するトランスアミナーゼである配列番号2の参照配列との比較に基づき、残基X306位でイソロイシン(I)がバリン(V)と置換しているということにおいて、天然に存在する酵素と異なる。活性の列において、増大する活性のレベル(すなわち、「+」、「++」、「+++」など)は、以下のように定義された:「+」は、配列番号4の活性と少なくとも等しいが2倍未満であることを示し(アッセイ条件:2g/Lのケトアミド基質、0.5Mのイソプロピルアミン、22℃、pH7.5、5%のDMSO、100μMのPLP);「++」は、配列番号4の活性より約50〜100倍大きいことを示し(アッセイ条件:2g/Lのケトアミド基質、0.5Mのイソプロピルアミン、22℃、pH7.5、5%のMeOH、100μMのPLP);「+++」は、配列番号22の活性より約1.1〜約5倍大きいことを示し(アッセイ条件:5〜10g/Lのケトアミド基質、0.5〜1Mのイソプロピルアミン、22〜30℃、pH7.5、5%のMeOH、100μMのPLP);「++++」は、配列番号48の活性より約1.1〜5倍大きいことを示し(アッセイ条件:10〜40g/Lのケトアミド基質、1Mのイソプロピルアミン、30〜45℃、pH8.5、10%のMeOH、100μMのPLP);「+++++」は、配列番号58の活性より約1.1〜5倍以上大きいことを示し(アッセイ条件:40〜100g/Lのケトアミド基質、1Mのイソプロピルアミン、45℃、pH8.5、10%のMeOH〜25%のDMSO、250μMのPLP);「++++++」は、配列番号104の活性より約1.1〜5倍以上大きいことを示す(アッセイ条件:40〜100g/Lのケトアミド基質、1Mのイソプロピルアミン、45℃、pH8.5、50%のDMSO、1000μMのPLP)。メタノールおよびDMSOを使用して活性を測定するための例示的なアッセイ条件は、実施例6〜11に記載されている。
 
【0210】
  上述したように、いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168の参照配列と少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号2によって表されるトランスアミナーゼと比較した場合、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異を有することができる。いくつかの実施形態では、残基差異の数は、配列番号2と比較した場合、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の差異とすることができる。
いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168に基づく参照配列と少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含み、ただし、改善されたトランスアミナーゼアミノ酸配列は、配列番号2と比較した場合、表2に列挙されたポリペプチド配列のいずれか1つに含まれる一連の残基差異のいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、参照配列と比較した場合、他のアミノ酸残基位置で、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異をさらに有することができる。いくつかの実施形態では、差異の数は、他の残基位置で、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60の残基差異とすることができる。いくつかの実施形態では、他の残基位置での残基差異は、保存アミノ酸残基との置換を含む。
 
【0211】
  いくつかの実施形態では、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、アミノ基ドナーの存在下で、210nmでのHPLC−UVによって検出可能な生成物のレベルまで変換することができる、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168の配列に対応するアミノ酸配列を含む。
 
【0212】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、ケトアミド基質を生成物に、配列番号4のポリペプチドより50〜100倍以上の活性を伴って変換することができる。いくつかの実施形態では、ケトアミド基質を生成物に、配列番号4のポリペプチドより50〜100倍以上の活性を伴って変換することができる、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168に対応するアミノ酸配列を含む。
 
【0213】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、ケトアミド基質を生成物に、配列番号22のポリペプチドより約1.1〜5倍以上の活性を伴って変換することができる。いくつかの実施形態では、ケトアミド基質を生成物に、配列番号22のポリペプチドより約1.1〜5倍以上の活性を伴って変換することができる、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168の配列に対応するアミノ酸配列を含む。
 
【0214】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、ケトアミド基質を生成物に、配列番号48のポリペプチドより約1.1〜5倍以上の活性を伴って変換することができる。いくつかの実施形態では、ケトアミド基質を生成物に、配列番号48のポリペプチドより約1.1〜5倍以上の活性を伴って変換することができる、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168の配列に対応する配列を含む。
 
【0215】
  いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、ケトアミド基質を生成物に、配列番号58のポリペプチドより約1.1〜5倍以上の活性を伴って変換することができる。いくつかの実施形態では、ケトアミド基質を生成物に、配列番号58のポリペプチドより約1.1〜5倍以上の活性を伴って変換することができる、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168の配列に対応するアミノ酸配列を含む。
 
【0216】
  上述したように、いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドはまた、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、少なくとも70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の鏡像異性体過剰率を伴って変換することができる。指定されたレベルのエナンチオ選択性を有する例示的なトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168に対応するアミノ酸配列を含むことができる。
 
【0217】
  いくつかの実施形態では、改善された操作されたトランスアミナーゼポリペプチドは、本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼポリペプチドの欠失を含むことができる。したがって、本開示のトランスアミナーゼポリペプチドのそれぞれの、およびあらゆる実施形態について、欠失は、トランスアミナーゼ活性の機能活性が維持される限り、1以上のアミノ酸、2以上のアミノ酸、3以上のアミノ酸、4以上のアミノ酸、5以上のアミノ酸、6以上のアミノ酸、8以上のアミノ酸、10以上のアミノ酸、15以上のアミノ酸、または20以上のアミノ酸、トランスアミナーゼポリペプチドの、アミノ酸の合計数の最大10%、アミノ酸の合計数の最大10%、アミノ酸の合計数の最大20%、アミノ酸の合計数の最大30%を構成することができる。いくつかの実施形態では、欠失は、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜14、1〜15、1〜16、1〜18、1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜30、1〜35、1〜40、1〜45、1〜50、1〜55、または1〜60の残基差異を含むことができる。いくつかの実施形態では、欠失の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18、20、22、24、26、30、35、40、45、50、55、または60のアミノ酸とすることができる。いくつかの実施形態では、欠失は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、20、22、24、26、28、または30アミノ酸残基の欠失を含むことができる。
 
【0218】
  本明細書に記載されるように、本開示のトランスアミナーゼポリペプチドは、融合ポリペプチドの形態とすることができ、融合ポリペプチドでは、トランスアミナーゼポリペプチドは、他のポリペプチド、例えば、例として、限定することなく、抗体タグ(例えば、mycエピトープ)、精製配列(例えば、金属に結合するためのHisタグ)、および細胞局在化シグナル(例えば、分泌シグナル)などに融合している。したがって、トランスアミナーゼポリペプチドは、他のポリペプチドと融合させて、または融合させずに使用することができる。
 
【0219】
  本明細書に記載されるポリペプチドは、遺伝的にコードされるアミノ酸に制限されない。遺伝的にコードされるアミノ酸に加えて、本明細書に記載されるポリペプチドは、天然に存在する、および/または合成のコードされないアミノ酸から全体的に、または部分的になっていてもよい。本明細書に記載されるポリペプチドが構成され得る、ある特定の一般に遭遇されるコードされないアミノ酸として、それだけに限らないが:遺伝的にコードされるアミノ酸のD−立体異性体;2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr);α−アミノイソ酪酸(Aib);ε−アミノヘキサン酸(Aha);δ−アミノ吉草酸(Ava);N−メチルグリシンまたはサルコシン(MeGlyまたはSar);オルニチン(Orn);シトルリン(Cit);t−ブチルアラニン(Bua);t−ブチルグリシン(Bug);N−メチルイソロイシン(MeIle);フェニルグリシン(Phg);シクロヘキシルアラニン(Cha);ノルロイシン(Nle);ナフチルアラニン(Nal);2−クロロフェニルアラニン(Ocf);3−クロロフェニルアラニン(Mcf);4−クロロフェニルアラニン(Pcf);2−フルオロフェニルアラニン(Off);3−フルオロフェニルアラニン(Mff);4−フルオロフェニルアラニン(Pff);2−ブロモフェニルアラニン(Obf);3−ブロモフェニルアラニン(Mbf);4−ブロモフェニルアラニン(Pbf);2−メチルフェニルアラニン(Omf);3−メチルフェニルアラニン(Mmf);4−メチルフェニルアラニン(Pmf);2−ニトロフェニルアラニン(Onf);3−ニトロフェニルアラニン(Mnf);4−ニトロフェニルアラニン(Pnf);2−シアノフェニルアラニン(Ocf);3−シアノフェニルアラニン(Mcf);4−シアノフェニルアラニン(Pcf);2−トリフルオロメチルフェニルアラニン(Otf);3−トリフルオロメチルフェニルアラニン(Mtf);4−トリフルオロメチルフェニルアラニン(Ptf);4−アミノフェニルアラニン(Paf);4−ヨードフェニルアラニン(Pif);4−アミノメチルフェニルアラニン(Pamf);2,4−ジクロロフェニルアラニン(Opef);3,4−ジクロロフェニルアラニン(Mpcf);2,4−ジフルオロフェニルアラニン(Opff);3,4−ジフルオロフェニルアラニン(Mpff);ピリド−2−イルアラニン(2pAla);ピリド−3−イルアラニン(3pAla);ピリド−4−イルアラニン(4pAla);ナフト−1−イルアラニン(InAla);ナフト−2−イルアラニン(2nAla);チアゾリルアラニン(taAla);ベンゾチエニルアラニン(bAla);チエニルアラニン(tAla);フリルアラニン(fAla);ホモフェニルアラニン(hPhe);ホモチロシン(hTyr);ホモトリプトファン(hTrp);ペンタフルオロフェニルアラニン(5ff);スチリルアラニン(styrylkalanine)(sAla);アントリルアラニン(authrylalanine)(aAla);3,3−ジフェニルアラニン(Dfa);3−アミノ−5−フェニルペンタン酸(phenypentanoic
  acid)(Afp);ペニシラミン(Pen);1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic);β−2−チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキシド(Mso);N(w)−ニトロアルギニン(nArg);ホモリシン(hLys);ホスホノメチルフェニルアラニン(pmPhe);ホスホセリン(pSer);ホスホトレオニン(pThr);ホモアスパラギン酸(hAsp);ホモグルタミン酸(hGlu);1−アミノシクロペンタ−(2または3)−エン−4カルボン酸;ピペコリン酸(PA)、アゼチジン−3−カルボン酸(ACA);1−アミノシクロペンタン−3−カルボン酸;アリルグリシン(aOly);プロパルギルグリシン(pgGly);ホモアラニン(hAla);ノルバリン(nVal);ホモロイシン(hLeu)、ホモバリン(hVal);ホモイソロイシン(hIle);ホモアルギニン(hArg);N−アセチルリシン(AcLys);2,4−ジアミノ酪酸(Dbu);2,3−ジアミノ酪酸(Dab);N−メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys);ホモセリン(hSer);ヒドロキシプロリン(Hyp)、およびホモプロリン(hPro)が挙げられる。本明細書に記載されるポリペプチドが構成され得る追加のコードされないアミノ酸は、当業者に明らかとなるであろう(例えば、Fasman、1989年、CRC  Practical  Handbook  of  Biochemistry  and  Molecular  Biology、CRC  Press、Boca  Raton、FL、3〜70頁、およびこれに引用されている参考文献に提供されている様々なアミノ酸を参照。これらの文献のすべてが参照により組み込まれている)。これらのアミノ酸は、L−配置であっても、D−配置であってもよい。
 
【0220】
  当業者は、側鎖保護基を有するアミノ酸または残基も、本明細書に記載されるポリペプチドを構成することができることを認識するであろう。この場合、芳香族カテゴリーに属する、そのようなアミノ酸の非限定例として(保護基は、括弧内に列挙されている)、それだけに限らないが、Arg(tos)、Cys(メチルベンジル)、Cys(ニトロピリジンスルフェニル)、Glu(δ−ベンジルエステル)、Gln(キサンチル)、Asn(N−δ−キサンチル)、His(bom)、His(ベンジル)、His(tos)、Lys(fmoc)、Lys(tos)、Ser(O−ベンジル)、Thr(O−ベンジル)、およびTyr(O−ベンジル)が挙げられる。
 
【0221】
  本明細書に記載されるポリペプチドが構成され得る、立体配置的に拘束性非コードアミノ酸として、それだけに限らないが、N−メチルアミノ酸(L−配置);1−アミノシクロペンタ−(2または3)−エン−4−カルボン酸;ピペコリン酸;アゼチジン−3−カルボン酸;ホモプロリン(hPro);および1−アミノシクロペンタン−3−カルボン酸が挙げられる。
 
【0222】
  上述したように、操作されたトランスアミナーゼ酵素を生成するために、天然に存在するポリペプチド中に導入される様々な修飾は、酵素の特定の特性を標的にすることができる。
 
【0223】
  別の態様では、本開示は、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。ポリヌクレオチドは、トランスアミナーゼポリペプチドを発現することができる組換えポリヌクレオチドを作り出すために、遺伝子発現を制御する1つまたは複数の非相同調節配列に、作動可能に連結することができる。操作されたトランスアミナーゼをコードする非相同ポリヌクレオチドを含有する発現コンストラクトは、適切な宿主細胞中に導入されることによって、トランスアミナーゼポリペプチドを発現することができる。
 
【0224】
  様々なアミノ酸に対応するコドンの知見のために、タンパク質配列の利用可能性により、対象をコードすることができるポリヌクレオチドのすべてが説明される。同じアミノ酸が、代替または同義のコドンによってコードされる、遺伝子コードの縮退は、極端に多数の核酸が作られることを可能にし、そのすべては、本明細書に開示される、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする。したがって、特定のアミノ酸配列が同定されると、当業者は、タンパク質のアミノ酸配列を変更しない方法で、1つまたは複数のコドンの配列を単に修飾することによって、任意の数の様々な核酸を作ることができるであろう。この点において、本開示は、可能なコドン選択に基づく組合せを選択することによって行うことができる、ポリヌクレオチドのそれぞれの、およびあらゆる可能な変化を特に企図し、すべてのそのような変化は、表2に示したアミノ酸配列を含めて、本明細書に開示される任意のポリペプチドについて具体的に開示されていると見なされるべきである。
 
【0225】
  いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、タンパク質が産生されている宿主細胞に合うように好ましくは選択されるコドンを含むように、選択および/または操作することができる。例えば、細菌中で使用される好適なコドンは、細菌内で遺伝子を発現させるために使用され;酵母中で使用される好適なコドンは、酵母内での発現のために使用され;哺乳動物中で使用される好適なコドンは、哺乳動物細胞内での発現のために使用される。トランスアミナーゼのコドン使用頻度を最適化するのに、すべてのコドンが置換される必要はないので(例えば、天然の配列は好適なコドンを有することができるため、および好適なコドンの使用は、すべてのアミノ酸残基に必要とされない場合があるため)、トランスアミナーゼポリペプチドをコードする、コドンが最適化されたポリヌクレオチドは、全長コード領域の約40%、50%、60%、70%、80%、または90%超のコドン位置で好適なコドンを含有することができる。
 
【0226】
  いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号4の参照配列と、少なくとも80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一であるアミノ酸配列を含むトランスアミナーゼポリペプチドをコードし、このポリペプチドは、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、アミノ基ドナーの存在下で、Arthrobacter  sp  KNK168に由来する配列番号2のトランスアミナーゼの活性と比較した場合に、改善された活性を伴って変換することができる。
 
【0227】
  いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、または102に対応するアミノ酸配列を含むポリペプチドと、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%、またはそれ以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むトランスアミナーゼポリペプチドをコードし、このポリペプチドは、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、アミノ基ドナーの存在下で変換することにおいて、1つまたは複数の改善された特性を有する。いくつかの実施形態では、コードされるトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号4のポリペプチドの活性以上の活性を有する。
 
【0228】
  いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168の参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含むトランスアミナーゼポリペプチドをコードする。
 
【0229】
  いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168に基づく参照配列と、少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含むトランスアミナーゼポリペプチドをコードし、ただし、改善されたトランスアミナーゼアミノ酸配列は、配列番号2と比較した場合、表2に列挙されたポリヌペプチド配列のいずれか1つに含まれる一連の残基差異のいずれか1つを含む。
 
【0230】
  いくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、または167から選択される。
 
【0231】
  いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、高度にストリンジェントな条件下で、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、または167を含むポリヌクレオチド、またはその補体にハイブリダイズすることができ、この高度にストリンジェントにハイブリダイズしているポリヌクレオチドは、4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8Η)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、アミノ基ドナーの存在下で、配列番号4のポリペプチド以上の活性を伴って変換することができるトランスアミナーゼポリペプチドをコードする。
 
【0232】
  いくつかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、本明細書に記載されるポリペプチドをコードするが、本明細書に記載される操作されたトランスアミナーゼをコードする参照ポリヌクレオチドと、ヌクレオチドレベルで、約80%以上の配列同一性、約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%、またはそれ以上の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、参照ポリヌクレオチドは、配列番号3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、89、91、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、159、161、163、165、または167から選択される。
 
【0233】
  改善されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードする単離ポリヌクレオチドは、様々な方法で操作されることによって、ポリペプチドを発現することができる。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、1つまたは複数の制御配列が、ポリヌクレオチドの発現を調節するために存在する発現ベクターとして提供することができる。ベクター中に挿入する前に、単離ポリヌクレオチドを操作することが、発現ベクターに応じて望ましいか、または必要である場合がある。組換えDNA法を利用して、ポリヌクレオチドおよび核酸配列を修飾するための技法は、当技術分野で周知である。ガイダンスは、Sambrookら、2001年、Molecular  Cloning:A  Laboratory  Manual、3版、Cold  Spring  Harbor  Laboratory  Press;およびCurrent  Protocols  in  Molecular  Biology、Ausubel.  F.編、Greene  Pub.  Associates、1998年、2006年改訂に提供されている。
 
【0234】
  いくつかの実施形態では、制御配列として、とりわけ、プロモーター、リーダー配列、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナルペプチド配列、および転写ターミネーターが挙げられる。細菌性宿主細胞について、本開示の核酸コンストラクトの転写を指示するための適切なプロモーターとして、E.coli  lacオペロン、E.coli  trpオペロン、バクテリオファージλ、Streptomyces  coelicolorアガラーゼ遺伝子(dagA)、Bacillus  subtilisレバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、Bacillus  licheniformis  α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、Bacillus  stearothermophilusマルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、Bacillus  amyloliquefaciens  α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、Bacillus  licheniformisペニシリナーゼ遺伝子(penP)、Bacillus  subtilis  xylAおよびxylB遺伝子、ならびに原核生物β−ラクタマーゼ遺伝子(Villa−Kamaroffら、1978年、Proc.  Natl  Acad.  Sci.  USA  75巻:3727〜3731頁)から得られるプロモーター、ならびにtacプロモーター(DeBoerら、1983年、Proc.  Natl  Acad.  Sci.  USA  80巻:21〜25頁)が挙げられる。
 
【0235】
  糸状菌宿主細胞について、本開示の核酸コンストラクトの転写を指示するための適切なプロモーターとして、Aspergillus  oryzae  TAKAアミラーゼ、Rhizomucor  mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Aspergillus  niger中性α−アミラーゼ、Aspergillus  niger酸安定α−アミラーゼ、Aspergillus  nigerまたはAspergillus  awamoriグルコアミラーゼ(glaA)、Rhizomucor  mieheiリパーゼ、Aspergillus  oryzaeアルカリ性プロテアーゼ、Aspergillus  oryzaeトリオースリン酸イソメラーゼ、Aspergillus  nidulansアセトアミダーゼ(acetamidase)、およびFusarium  oxysporumトリプシン様プロテアーゼについての遺伝子から得られるプロモーター(例えば、参照により本明細書に組み込まれているWO96/00787を参照)、ならびにNA2−tpiプロモーター(Aspergillus  niger中性α−アミラーゼおよびAspergillus  oryzaeトリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子に由来するプロモーターのハイブリッド)、ならびにこれらの突然変異プロモーター、トランケーテッドプロモーター、およびハイブリッドプロモーターが挙げられる。
 
【0236】
  酵母宿主について、有用なプロモーターは、Saccharomyces  cerevisiaeエノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces  cerevisiaeガラクトキナーゼ(GAL1)、Saccharomyces  cerevisiaeアルコール脱水素酵素/グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(ADH2/GAP)、およびSaccharomyces  cerevisiae3−ホスホグリセリン酸キナーゼについての遺伝子に由来することができる。酵母宿主細胞についての他の有用なプロモーターは、Romanosら、1992年、Yeast  8巻:423〜488頁に記載されている。
 
【0237】
  制御配列は、適切な転写ターミネーター配列、すなわち、転写を停止するために宿主細胞によって認識される配列とすることもできる。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の3’末端に作動可能に連結される。最適な宿主細胞内で機能的である任意のターミネーターを、本発明において使用することができる。
 
【0238】
  例えば、糸状菌宿主細胞についての例示的な転写ターミネーターは、Aspergillus  oryzae  TAKAアミラーゼ、Aspergillus  nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus  nidulansアントラニル酸シンターゼ、Aspergillus  niger  α−グルコシダーゼ、およびFusarium  oxysporumトリプシン様プロテアーゼについての遺伝子から得ることができる。
 
【0239】
  酵母宿主細胞についての例示的なターミネーターは、Saccharomyces  cerevisiaeエノラーゼ、Saccharomyces  cerevisiaeチトクロムC(CYC1)、およびSaccharomyces  cerevisiaeグリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素についての遺伝子から得ることができる。酵母宿主細胞についての他の有用なターミネーターは、Romanosら、1992年、上記を参照、に記載されている。
 
【0240】
  制御配列は、適切なリーダー配列、すなわち、宿主細胞による翻訳に重要である、mRNAの非翻訳領域とすることもできる。リーダー配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の5’末端に作動可能に連結される。最適な宿主細胞内で機能的である任意のリーダー配列を使用することができる。糸状菌宿主細胞についての例示的なリーダーは、Aspergillus  oryzae  TAKAアミラーゼ、およびAspergillus  nidulansトリオースリン酸イソメラーゼについての遺伝子から得られる。酵母宿主細胞についての適切なリーダーは、Saccharomyces  cerevisiaeエノラーゼ(ENO−1)、Saccharomyces  cerevisiae  3−ホスホグリセリン酸キナーゼ、Saccharomyces  cerevisiae  α−因子、およびSaccharomyces  cerevisiaeアルコール脱水素酵素/グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素(ADH2/GAP)についての遺伝子から得られる。
 
【0241】
  制御配列は、ポリアデニル化配列、すなわち、核酸配列の3’末端に作動可能に連結され、転写されたとき、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためのシグナルとして宿主細胞によって認識される配列とすることもできる。最適な宿主細胞内で機能的である任意のポリアデニル化配列を、本発明において使用することができる。糸状菌宿主細胞についての例示的なポリアデニル化配列は、Aspergillus  oryzae  TAKAアミラーゼ、Aspergillus  nigerグルコアミラーゼ、Aspergillus  nidulansアントラニル酸シンターゼ、Fusarium  oxysporumトリプシン様プロテアーゼ、およびAspergillus  niger  α−グルコシダーゼについての遺伝子に由来することができる。酵母宿主細胞についての有用なポリアデニル化配列は、GuoおよびSherman、1995年、Mol  Cell  Bio  15巻:5983〜5990頁に記載されている。
 
【0242】
  制御配列は、ポリペプチドのアミノ末端に連結されたアミノ酸配列をコードし、コードされたポリペプチドを細胞の分泌経路に向けるシグナルペプチドコード領域とすることもできる。核酸配列のコード配列の5’末端は、分泌されるポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと、翻訳読み枠内で自然に連結されるシグナルペプチドコード領域を本質的に含有することができる。あるいは、コード配列の5’末端は、このコード配列と異質であるシグナルペプチドコード領域を含有することができる。異質なシグナルペプチドコード領域は、コード配列が、シグナルペプチドコード領域を自然に含有しない場合に、必要とされる場合がある。
 
【0243】
  細菌性宿主細胞についての有効なシグナルペプチドコード領域は、Bacillus  NClB  11837  マルトース生成アミラーゼ、Bacillus  stearothermophilus  α−アミラーゼ、Bacillus  licheniformisサブチリシン、Bacillus  licheniformis  β−ラクタマーゼ、Bacillus  stearothermophilus中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)、およびBacillus  subtilis  prsAについての遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域である。さらなるシグナルペプチドは、SimonenおよびPalva、1993年、Microbiol  Rev  57巻:109〜137頁に記載されている。
 
【0244】
  糸状菌宿主細胞についての有効なシグナルペプチドコード領域は、Aspergillus  oryzae  TAKAアミラーゼ、Aspergillus  niger中性アミラーゼ、Aspergillus  nigerグルコアミラーゼ、Rhizomucor  mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、Humicola  insolensセルラーゼ、およびHumicola  lanuginosaリパーゼについての遺伝子から得られるシグナルペプチドコード領域であり得る。
 
【0245】
  酵母宿主細胞についての有用なシグナルペプチドは、Saccharomyces  cerevisiae  α−因子、およびSaccharomyces  cerevisiaeインベルターゼについての遺伝子に由来することができる。他の有用なシグナルペプチドコード領域は、Romanosら、1992年、上記を参照、に記載されている。
 
【0246】
  制御配列は、ポリペプチドのアミノ末端に位置されるアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域とすることもできる。得られるポリペプチドは、プロ酵素またはプロポリペプチド(またはいくつかの場合では、チモーゲン)として公知である。プロポリペプチドは、一般に不活性であり、プロポリペプチドからのプロペプチドの触媒的切断または自己触媒的切断によって、成熟した活性ポリペプチドに変換することができる。プロペプチドコード領域は、Bacillus  subtilisアルカリ性プロテアーゼ(aprE)、Bacillus  subtilis中性プロテアーゼ(nprT)、Saccharomyces  cerevisiae  α−因子、Rhizomucor  mieheiアスパラギン酸プロテイナーゼ、およびMyceliophthora  thermophilaラクターゼについての遺伝子から得ることができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれているWO95/33836を参照)。
 
【0247】
  シグナルペプチドおよびプロペプチド領域の両方が、ポリペプチドのアミノ末端で存在する場合、プロペプチド領域は、ポリペプチドのアミノ末端の隣に位置され、シグナルペプチド領域は、プロペプチド領域のアミノ末端の隣に位置される。
 
【0248】
  宿主細胞の増殖に関連して、ポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することが望ましい場合もある。調節システムの例は、調節化合物の存在を含めて、化学的または物理的刺激に応答して遺伝子の発現をオンオフさせるものである。原核生物宿主細胞では、適切な調節配列には、lac、tac、およびtrpオペレーターシステムが含まれる。酵母宿主細胞では、適切な調節システムには、例として、ADH2システムまたはGAL1システムが含まれる。糸状菌では、適切な調節配列には、TAKA  α−アミラーゼプロモーター、Aspergillus  nigerグルコアミラーゼプロモーター、およびAspergillus  oryzaeグルコアミラーゼプロモーターが含まれる。
 
【0249】
  調節配列の他の例は、遺伝子増幅を可能にするものである。真核生物系では、これらには、メトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、および重金属で増幅されるメタロチオネイン遺伝子が含まれる。これらの場合では、本発明のトランスアミナーゼポリペプチドをコードする核酸配列は、調節配列と作動可能に連結される。
 
【0250】
  したがって、別の実施形態では、本開示は、操作されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、またはその変異体、ならびにプロモーターおよびターミネーターなどの1つまたは複数の発現調節領域、複製起点などを、これらが導入される宿主の型に応じて含む組換え発現ベクターも対象とする。上述した様々な核酸および制御配列を一緒に結合させることによって、組換え発現ベクターを生成することができ、これは、1つまたは複数の好都合な制限部位を含むことによって、そのような部位での、ポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換を可能にすることができる。あるいは、本開示の核酸配列は、核酸配列または配列を含む核酸コンストラクトを、発現のための適切なベクター中に挿入することによって、発現することができる。発現ベクターを作り出すことにおいて、コード配列は、コード配列が発現のための適切な制御配列と作動可能に連結されるように、ベクター中に配置される。
 
【0251】
  組換え発現ベクターは、任意のベクター(例えば、プラスミドまたはウイルス)とすることができ、これは、好都合なことには、組換えDNA手順にかけることができ、ポリヌクレオチド配列の発現をもたらすことができる。ベクターの選択は、ベクターが導入される宿主細胞とのベクターの適合性に一般に依存することになる。ベクターは、直線プラスミドまたは閉じた環状プラスミドとすることができる。
 
【0252】
  発現ベクターは、自律複製ベクター、すなわち、染色体外の実体として存在するベクターとすることができ、その複製は、染色体複製に依存せず、例えば、プラスミド、染色体外因子、ミニ染色体、または人工染色体である。ベクターは、自己複製を保証するための任意の手段を含有することができる。あるいは、ベクターは、宿主細胞中に導入される場合、ゲノム中に組み込まれ、これが組み込まれた染色体(複数可)と一緒に複製されるものであってもよい。さらに、1つのベクターもしくはプラスミド、または宿主細胞のゲノム中に導入される全DNAを一緒に含有する2つ以上のベクターもしくはプラスミド、またはトランスポゾンを使用することができる。
 
【0253】
  本発明の発現ベクターは、形質転換細胞の容易な選択を可能にする、1つまたは複数の選択可能マーカーを含有することが好ましい。選択可能マーカーは遺伝子であり、その産物は、殺生物剤耐性またはウイルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求体への原栄養性などをもたらす。細菌性選択可能マーカーの例は、Bacillus  subtilisもしくはBacillus  licheniformisに由来するdal遺伝子、または抗生物質耐性、例えば、アンピシリン耐性、カナマイシン耐性、クロラムフェニコール耐性、もしくはテトラサイクリン耐性などを付与するマーカーである。酵母宿主細胞についての適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1、およびURA3である。
 
【0254】
  糸状菌宿主細胞内で使用するための選択可能マーカーとして、それだけに限らないが、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸還元酵素)、pyrG(オロチジン−5’−リン酸脱炭酸酵素)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、およびtrpC(アントラニル酸シンターゼ)、ならびにこれらの均等物が挙げられる。Aspergillus細胞内で使用するための実施形態には、Aspergillus  nidulansまたはAspergillus  oryzaeのamdSおよびpyrG遺伝子、ならびにStreptomyces  hygroscopicusのbar遺伝子が含まれる。
 
【0255】
  トランスアミナーゼを発現するための発現ベクターは、ベクターの、宿主細胞のゲノム中への組込み、またはゲノムに依存しない細胞内でのベクターの自律複製を可能にする成分(複数可)を含有することができる。宿主細胞ゲノム中に組み込むために、ベクターは、ポリペプチドをコードする核酸配列、または相同性もしくは非相同性の再結合によってゲノム中にベクターを組み込むためのベクターの任意の他の成分に依拠する場合がある。
 
【0256】
  あるいは、発現ベクターは、宿主細胞のゲノム中への相同的組換えによる組込みを指示するための追加の核酸配列を含有することができる。追加の核酸配列は、ベクターが、染色体(複数可)中の正確な位置(複数可)で、宿主細胞ゲノム中に組み込まれることを可
能にする。正確な位置での組込みの可能性を増大させるために、組込み成分(integrational  element)は、好ましくは、十分な数の核酸、例えば、100〜10,000塩基対、好ましくは400〜10,000塩基対、最も好ましくは800〜10,000塩基対などを含有するべきであり、これらは、対応する標的配列と高度に相同であることによって、相同的組換えの確率を増強する。組込み成分は、宿主細胞のゲノム中の標的配列と相同である任意の配列とすることができる。さらに、組込み成分は、非コード核酸配列であっても、コード核酸配列であってもよい。一方、ベクターは、非相同的組換えによって宿主細胞のゲノム中に組み込むことができる。
 
【0257】
  自律複製のために、ベクターは、ベクターが対象の宿主細胞内で自発的に複製することを可能にする複製起点をさらに含む場合がある。細菌性の複製起点の例は、P15A  ori、またはE.coli内での複製を可能にする、プラスミドpBR322、pUC19、pACYC177(このプラスミドは、P15A  oriを有する)、もしくはpACYC184、およびBacillus内での複製を可能にするpUB110、pE194、pTA1060、もしくはpAMβ1の複製起点である。酵母宿主細胞内で使用するための複製起点の例は、2ミクロン複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3の組合せ、およびARS4とCEN6の組合せである。複製起点は、その機能を、宿主細胞内で温度感受性にする突然変異を有するものであってもよい(例えば、Ehrlich、1978年、Proc  Natl  Acad  Sci.  USA  75巻:1433頁を参照)。
 
【0258】
  本発明の核酸配列の1つを超えるコピーを、宿主細胞に挿入することによって、遺伝子産物の産生を増大させることができる。核酸配列のコピー数の増加は、宿主細胞ゲノム中に配列の少なくとも1つの追加のコピーを組み込むことによって、または増幅可能な選択可能マーカー遺伝子を核酸配列に含めることによって得ることができ、この場合、選択可能マーカー遺伝子の増幅されたコピー、およびそれによって核酸配列の追加のコピーを含有する細胞は、適切な選択可能剤(selectable  agent)の存在下で、細胞を培養することによって選択することができる。
 
【0259】
  本発明で使用するための発現ベクターの多くは市販されている。適切な市販の発現ベクターには、Sigma−Aldrich  Chemicals、St.Louis  MO.からのp3×FLAGTMTM発現ベクターが含まれ、これは、哺乳動物宿主細胞における発現のためのCMVプロモーターおよびhGHポリアデニル化部位、ならびにE.coliにおける増幅のためのpBR322複製起点およびアンピシリン耐性マーカーを含む。他の適切な発現ベクターは、Stratagene、LaJoIIa  CAから市販されているpBluescriptII  SK(−)およびpBK−CMV、ならびにpBR322(Gibco  BRL)、pUC(Gibco  BRL)、pREP4、pCEP4(Invitrogen)、またはpPoly(Latheら、1987年、Gene  57巻:193〜201頁)に由来するプラスミドである。
 
【0260】
  別の態様では、本開示は、本開示の改善されたトランスアミナーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む宿主細胞を提供し、このポリヌクレオチドは、宿主細胞内でトランスアミナーゼ酵素を発現するために、1つまたは複数の制御配列に作動可能に連結されている。本発明の発現ベクターによってコードされるトランスアミナーゼポリペプチドを発現させるのに使用するための宿主細胞は、当技術分野で周知であり、これらとして、それだけに限らないが、細菌性細胞、例えば、E.coli細胞、Lactobacillus細胞、Streptomyces細胞、およびSalmonella  typhimurium細胞など;真菌細胞、例えば、酵母細胞(例えば、Saccharomyces  cerevisiae、またはPichia  pastoris(ATCC受託番号201178))など;昆虫細胞、例えば、Drosophila  S2細胞、およびSpodoptera  Sf9細胞;動物細胞、例えば、CHO細胞、COS細胞、BHK細胞、293細胞、およびBowes黒色腫細胞など;ならびに植物細胞が挙げられる。上述した宿主細胞のための適切な培地および増殖条件は、当技術分野で周知である。
 
【0261】
  トランスアミナーゼを発現させるためのポリヌクレオチドは、当技術分野で公知の様々な方法によって細胞内に導入することができる。技法として、とりわけ、電気穿孔、微粒子銃粒子ボンバードメント、リポソーム媒介トランスフェクション、塩化カルシウムトランスフェクション、およびプロトプラスト融合が挙げられる。細胞内にポリヌクレオチドを導入するための様々な方法は、当業者に明らかとなるであろう。
 
【0262】
  例示的な宿主細胞は、Escherichia  coli  W3110である。発現ベクターは、改善されたトランスアミナーゼをコードするポリヌクレオチドを、lacI抑制因子の制御下で、lacプロモーターに作動可能に連結されたプラスミドpCK110900に作動可能に連結することによって作り出された。発現ベクターは、P15a複製起点およびクロラムフェニコール耐性遺伝子も含んでいた。Escherichia  coli  W3110内で対象のポリヌクレオチドを含有する細胞は、細胞をクロラムフェニコール選択にかけることによって単離された。
 
【0263】
  改善されたトランスアミナーゼ、およびそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、当業者によって一般に使用される方法を使用して調製することができる。上述したように、親配列の配列番号2が導出されたArthrobacter  sp  KNK168の野生型トランスアミナーゼ酵素をコードする、天然に存在するアミノ酸配列および対応するポリヌクレオチドは、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,169,592号において入手可能である。いくつかの実施形態では、親ポリヌクレオチド配列は、指定された宿主細胞内でのトランスアミナーゼの発現を増強するためにコドンが最適化されている。配列番号1を指定されたポリヌクレオチド配列は、操作されたトランスアミナーゼのほとんどの実験およびライブラリー構成のための開始点として利用される親配列であった。
 
【0264】
  操作されたトランスアミナーゼは、天然に存在するトランスアミナーゼをコードするポリヌクレオチドを、突然変異生成および/または指向進化法にかけることによって得ることができる。例示的な指向進化技法は、Stemmer、1994年、Proc  Natl  Acad  Sci  USA  91巻:10747〜10751頁;WO95/22625;WO97/0078;WO97/35966;WO98/27230;WO00/42651;WO01/75767、および米国特許第6,537,746号(これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれている)に記載されているような突然変異生成および/またはDNAシャッフリングである。
 
【0265】
  使用することができる他の指向進化手順として、とりわけ、ジグザグ伸長プロセス(StEP)、インビトロ再結合(Zhaoら、1998年、Nat.  Biotechnol.  16巻:258〜261頁)、突然変異誘発性PCR(Caldwellら、1994年、PCR  Methods  Appl.  3巻:S136〜S140頁)、およびカセット突然変異生成(Blackら、1996年、Proc  Natl  Acad  Sci  USA  93巻:3525〜3529頁)が挙げられる。本明細書の目的に有用な突然変異生成および指向進化技法は、以下の参考文献にも記載されている:Lingら、1997年、「Approaches  to  DNA  mutagenesis:  an  overview」、Anal.  Biochem.  254巻(2号):157〜78頁;Daleら、1996年、「Oligonucleotide−directed  random  mutagenesis  using  the  phosphorothioate  method」、Methods  Mol.  Biol.  57巻:369〜74頁;Smith、1985年、「In  vitro  mutagenesis」、Ann.  Rev.  Genet.  19巻:423〜462頁;Botsteinら、1985年、「Strategies  and  applications  of  in  vitro  mutagenesis」、Science  229巻:1193〜1201頁;Carter、1986年、「Site−directed  mutagenesis」、Biochem.  J.  237巻:1〜7頁;Kramerら、1984年、「Point  Mismatch  Repair」、Cell  38巻:879〜887頁;Wellsら、1985年、「Cassette  mutagenesis:  an  efficient  method  for  generation  of  multiple  mutations  at  defined  sites」、Gene  34巻:315〜323頁;Minshullら、1999年、「Protein  evolution  by  molecular  breeding」、Curr  Opin  Chem  Biol  3巻:284〜290頁;Christiansら、1999年、「Directed  evolution  of  thymidine  kinase  for  AZT  phosphorylation  using  DNA  family  shuffling」、Nature  Biotech  17巻:259〜264頁;Crameriら、1998年、「DNA  shuffling  of  a  family  of  genes  from  diverse  species  accelerates  directed  evolution」、Nature  391巻:288〜291頁;Crameriら、1997年、「Molecular  evolution  of  an  arsenate  detoxification  pathway  by  DNA  shuffling」、Nature  Biotech  15巻:436〜438頁;Zhangら、1997年、「Directed  evolution  of  an  effective  fructosidase  from  a  galactosidase  by  DNA  shuffling  and  screening」、Proc  Natl  Acad  Sci  USA  94巻:45−4〜4509頁;Crameriら、1996年、「Improved  green  fluorescent  protein  by  molecular  evolution  using  DNA  shuffling」、Nature  Biotech  14巻:315〜319頁;およびStemmer、1994年、「Rapid  evolution  of  a
  protein  in  vitro  by  DNA  shuffling」、Nature  370巻:389〜391頁。すべての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれている。
 
【0266】
  いくつかの実施形態では、突然変異生成処理の後に得られるクローンは、所望の改善された酵素特性を有するトランスアミナーゼについてスクリーニングされる。発現ライブラリーからのトランスアミナーゼ酵素活性の測定は、標準技法、例えば、産物の分別(例えば、HPLCによる)、ならびに分離された基質および産物のUV吸光度を測定することによる、かつ/またはタンデム質量分析法(例えば、MS/MS)を使用する検出による産物の検出などを使用して実施することができる。例示的なアッセイは、以下の実施例4に記載されている。単位時間当たりの所望の産物の増大の割合は、溶解産物(またはこれから作られる凍結乾燥粉末)の固定量におけるトランスアミナーゼポリペプチドの相対的な(酵素的な)活性を示す。望まれる改善された酵素特性が熱安定性である場合、酵素活性は、酵素配合物を規定温度に曝し、熱処理後に残っている酵素活性の量を測定した後に測定することができる。次いで、所望のトランスアミナーゼをコードするポリヌクレオチドを含有するクローンは、単離、配列決定されることによって、ヌクレオチド配列の変化(もしあれば)が同定され、宿主細胞内で酵素を発現させるのに使用される。
 
【0267】
  操作されたポリペプチドの配列が公知である場合、酵素をコードするポリヌクレオチドは、公知の合成方法に従って、標準的な固相法によって調製することができる。いくつかの実施形態では、最大約100塩基の断片を、個々に合成し、次いで結合(例えば、酵素的連結(litigation)法もしくは化学的連結法、またはポリメラーゼ媒介法によって)することによって、任意の所望の連続的な配列を形成することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドは、化学合成によって、例えば、これが自動化された合成法で一般に実行される場合、例えば、Beaucageら、1981年、Tet  Lett  22巻:1859〜69頁によって記載された古典的なホスホラミジット法、またはMatthesら、1984年、EMBO  J.  3巻:801〜05頁によって記載された方法を使用して調製することができる。ホスホラミジット法によれば、オリゴヌクレオチドは、例えば、自動DNAシンセサイザーで合成され、精製、アニール、連結され、適切なベクター内でクローン化される。さらに、本質的にいずれの核酸も、様々な市販源、The  Great  American  Gene  Company、Ramona、CA、ExpressGen  Inc.  Chicago、IL、Operon  Technologies  Inc.、Alameda、CA、および多くの他のもののいずれかから得ることができる。
 
【0268】
  宿主細胞内で発現される操作されたトランスアミナーゼ酵素は、とりわけ、リゾチーム処理、超音波処理、濾過、塩析、超遠心分離、およびクロマトグラフィーを含めた、タンパク質精製のための周知の技法の任意の1つまたは複数を使用して、細胞および/または(and  or)培地から回収することができる。E.coliなどの細菌からタンパク質を溶解し、高い効率で抽出するための適切な溶液は、St.Louis  MOのSigma−Aldrichから、商標名CelLytic  BTMで市販されている。
 
【0269】
  トランスアミナーゼポリペプチドを単離するためのクロマトグラフィー技法には、とりわけ、逆相クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、および親和性クロマトグラフィーが含まれる。特定の酵素を精製するための条件は、正味の電荷、疎水性、親水性、分子量、分子形状などの要因にある程度依存することになり、当業者に明らかとなるであろう。いくつかの実施形態では、操作されたトランスアミナーゼは、精製タグ、例えば、金属について親和性を有するHisタグ、または抗体に結合するための抗体タグ、例えば、mycエピトープタグなどを伴った融合タンパク質として発現することができる。
 
【0270】
  いくつかの実施形態では、親和性技法を、改善されたトランスアミナーゼ酵素を単離するのに使用することができる。親和性クロマトグラフィー精製のために、トランスアミナーゼポリペプチドに特異的に結合する任意の抗体を使用することができる。抗体の産生のために、それだけに限らないが、ウサギ、マウス、ラットなどを含めた様々な宿主動物に、操作されたポリペプチドを注射することによって免疫することができる。ポリペプチドは、側鎖官能基、または側鎖官能基に結合したリンカーによって、BSAなどの適切な担体に結合することができる。それだけに限らないが、フロイント(完全な、および不完全な)、水酸化アルミニウムなどのミネラルゲル、リゾレシチンなどの表面活性物質、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルジョン、キーホールリンペットヘモシニアン、ジニトロフェノール、および潜在的に有用なヒトアジュバント、例えば、BCG(bacilli  Calmette  Guerin)、およびCorynebacterium  parvumなどを含めた様々なアジュバントを、宿主種に応じて免疫応答を増大させるのに使用することができる。
 
【0271】
  さらなる態様では、本明細書に記載される改善されたトランスアミナーゼポリペプチドは、アミノ基ドナーの存在下で、ある特定のアミノ基アクセプター(例えば、ケトンアクセプター)のアミノ基転移のための方法において使用することができる。本明細書の化合物を説明するために、以下の意味を適用するものとする。
 
【0272】
  「アルキル」は、直線または分岐の配置で指定された長さのアルキル基を含むことが意図されている。そのようなアルキル基の例示的なものは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシルなどである。アルキル基は、非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノカルボニル、アミノ、C
1〜4アルコキシ、およびC
1〜4アルキルチオからなる群から独立して選択される1〜3個の基で置換されている。
 
【0273】
  「シクロアルキル」は、5〜12個の合計炭素原子、またはこの範囲内の任意の数のアルカンの環状リングを意味することが意図されている(すなわち、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)。
 
【0274】
  「ハロゲン」は、ハロゲン原子のフッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を含むことが意図されている。
 
【0275】
  「アリール」は、フェニルおよびナフチルを含めた芳香族基を意味することが意図されている。「アリール」は、非置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C
1〜4アルキル、およびC
1〜4アルコキシから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されている。
 
【0276】
  「ヘテロアリール」は、O、S、およびNから選択される少なくとも1つの環ヘテロ原子を含有する5員または6員の芳香族複素環を意味する。ヘテロアリールは、他の種類の環,例えば、アリール、シクロアルキル、および芳香族でない複素環などに縮合したヘテロアリールも含む。ヘテロアリール基の例として、それだけに限らないが、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、トリアジニル、チエニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピリダジニル、インダゾリル、イソインドリル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、ベンゾジオキソリル、キノキサリニル、プリニル、フラザニル、イソベンジルフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、インドリル、イソキノリル、およびジベンゾフラニルが挙げられる。「ヘテロアリール」は、非置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、C
1〜4アルキル、およびC
1〜4アルコキシから独立して選択される1〜5個の置換基で置換されている。
 
【0277】
  いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼは、
*で印を付けられた立体中心で、示された立体化学配置を有する構造式(I)の化合物:
 
【0279】
を、反対の鏡像異性体に対して少なくとも70%の鏡像異性体過剰率で調製するための方法において使用することができ、式中、
  ZはOR
2またはNR
2R
3であり、
  R
1は、C
1〜8アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール−C
1〜2アルキル、またはヘテロアリール−C
1〜2アルキルであり;
  R
2およびR
3はそれぞれ独立に、水素、C
1〜8アルキル、アリール、またはアリール−C
1〜2アルキルであり;あるいは
  R
2およびR
3は、これらが結合している窒素原子と一緒に、O、S、NH、およびNC
0−4アルキルから選択される追加のヘテロ原子を任意選択により含有する、4〜7員の複素環系を形成し、この複素環は、非置換であるか、またはオキソ、ヒドロキシ、ハロゲン、C
1〜4アルコキシ、およびC
1〜4アルキルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキルおよびアルコキシは、非置換であるか、または1〜5個のフッ素で置換されており;この複素環系は、5〜6員の飽和もしくは芳香族炭素環系、またはO、S、およびNC
0〜4アルキルから選択される1〜2個のヘテロ原子を含有する、5〜6員の飽和もしくは芳香族複素環系と任意選択により縮合されており、この縮合環系は、非置換であるか、またはヒドロキシ、アミノ、フッ素、C
1〜4アルキル、C
1〜4アルコキシ、およびトリフルオロメチルから選択される1〜2個の置換基で置換されている。これらの実施形態では、この方法は、構造式(II)のプロキラルケトン:
 
【0281】
を、式(II)の化合物を式(I)の化合物に変換するのに、適した反応条件下で、適した有機溶媒中で、アミノ基ドナーの存在下で、本明細書に開示される改善されたトランスアミナーゼポリペプチドと接触させる工程を含む。
 
【0282】
  この方法のいくつかの実施形態では、式(II)のR
1はベンジルであり、ベンジルのフェニル基は、非置換であるか、フッ素、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシからなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されている。
 
【0283】
  この方法のいくつかの実施形態では、式(II)のZはNR
2R
3である。
この方法のいくつかの実施形態では、式(II)のNR
2R
3は、構造式(III)の複素環:
 
【0285】
であり、式中、R
4は、水素、または非置換であるか、もしくは1〜5個のフッ素で置換されたC
1〜4アルキルである。
 
【0286】
  いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼは、
***で印を付けられた立体中心で、(R)−配置を有する構造式(1)の化合物:
 
【0288】
を、反対の(S)配置を有する鏡像異性体に対して少なくとも70%の鏡像異性体過剰率で調製するための方法において使用することができ、式中;
  Arは、非置換であるか、またはフッ素、トリフルオロメチル、およびトリフルオロメトキシからなる群から独立して選択される1〜5個の置換基で置換されているフェニルであり;
  R
4は、水素、または非置換であるか、もしくは1〜5個のフッ素で置換されたC
1〜4アルキルである。そのような実施形態では、この方法は、構造式(2)のプロキラルケトン:
 
【0290】
を、式(2)の化合物を式(1)の化合物に変換するのに、適した反応条件下で、適した有機溶媒中で、アミノ基ドナーの存在下で、本明細書に開示される改善されたトランスアミナーゼポリペプチドと接触させる工程を含む。
 
【0291】
  この方法のいくつかの実施形態では、式(2)のArは、2,5−ジフルオロフェニルまたは2,4,5−トリフルオロフェニルであり、R
4はトリフルオロメチルである。
 
【0292】
  この方法のいくつかの実施形態では、式(2)のArは、2,4,5−トリフルオロフェニルである。
 
【0293】
  いくつかの実施形態では、トランスアミナーゼは、式(1a)の化合物、(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミン:
 
【0295】
を鏡像体過剰で調製するための方法において使用することができる。
 
【0296】
  これらの実施形態では、この方法は、構造式(2a)のプロキラルケトン、4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オン):
 
【0298】
を、式(2a)の化合物を式(1a)の化合物に変換するのに、適した反応条件下で、適した有機溶媒中で、アミノ基ドナーの存在下で、本明細書に開示される、改善されたトランスアミナーゼポリペプチドと接触させる工程を含む。
 
【0299】
  上記方法のいくつかの実施形態では、式(I)の化合物、式(1)の化合物、または式(1a)の化合物は、少なくとも70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の鏡像異性体過剰率で製造される。
 
【0300】
  この方法のいくつかの実施形態では、式(I)の化合物、式(1)の化合物、または式(1a)の化合物は少なくとも99%の鏡像異性体過剰率で製造される。
 
【0301】
  この方法のいくつかの実施形態では、改善されたトランスアミナーゼは、配列番号4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168から選択される。
 
【0302】
  式(II)の化合物、式(2)の化合物、および式(2a)の化合物は、これらの合成とともに、とりわけ、米国特許第7,326,708号および同第7,468,459号に記載されており、これらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
 
【0303】
  上述したように、本明細書のトランスアミナーゼポリペプチドは、補酵素としてリン酸ピリドキサール(PLP)を使用し、これは、例えば、ポリペプチドが発現される宿主細胞によってもたらされるように、調製されるとき酵素に結合することができる。いくつかの実施形態では、PLP、PLP類似体、またはPLPの前駆体は、トランスアミナーゼポリペプチドの発現の間に、宿主細胞の培地に添加することができる。この方法のいくつかの実施形態では、PLPまたはPLP類似体を反応物に添加することによって、酵素活性に必要とされる補酵素を提供することができる。酵素活性に十分なPLPの量は、当業者によって求めることができる。
 
【0304】
  いくつかの実施形態では、この方法は、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを改善されたトランスアミナーゼと、このケトアミド基質を生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、配列番号4のものより50〜100倍以上の変換速度および/または活性を伴って変換するのに適した反応条件下で、アミノ基ドナーの存在下で接触させ、またはインキュベートする工程を含む。例示的なポリペプチドは、配列番号16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168に対応するアミノ酸配列を含む。
 
【0305】
  いくつかの実施形態では、この方法は、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを改善されたトランスアミナーゼと、このケトアミド基質を生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、配列番号22のものより1.1〜5倍以上の変換速度および/または活性を伴って変換するのに適した反応条件下で、アミノ基ドナーの存在下で接触させ、またはインキュベートする工程を含む。例示的なポリペプチドは、配列番号28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168に対応するアミノ酸配列を含む。
 
【0306】
  いくつかの実施形態では、この方法は、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを改善されたトランスアミナーゼと、このケトアミド基質を生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、配列番号48のものより1.1〜5倍以上の変換速度および/または活性を伴って変換するのに適した反応条件下で、アミノ基ドナーの存在下で接触させ、またはインキュベートする工程を含む。例示的なポリペプチドは、配列番号50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168に対応するアミノ酸配列を含む。
 
【0307】
  いくつかの実施形態では、この方法は、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを改善されたトランスアミナーゼと、このケトアミド基質を生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに、配列番号58のものより1.1〜5倍以上の変換速度および/または活性を伴って変換するのに適した反応条件下で、アミノ基ドナーの存在下で接触させ、またはインキュベートする工程を含む。例示的なポリペプチドは、配列番号68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158、160、162、164、166または168に対応するアミノ酸配列を含む。
 
【0308】
  上記方法のいくつかの実施形態では、この方法を実施するための反応条件は、約7.0〜約9.0のpHを含むことができる。いくつかの実施形態では、この方法のための反応条件は、約8.5のpHである。
 
【0309】
  いくつかの実施形態では、この方法を実施するための反応条件は、約25℃〜約50℃の温度を含むことができる。いくつかの実施形態では、反応条件は、約45℃の温度である。
 
【0310】
  いくつかの実施形態では、反応条件は、約8.5のpHおよび約45℃の温度である。
 
【0311】
  この方法のいくつかの実施形態では、有機溶媒は、極性溶媒、例えば、メタノールまたはDMSOなどを含む。
 
【0312】
  いくつかの実施形態では、有機溶媒はDMSOであり、これは、約10%〜約40%の体積/体積(v/v);約25%〜約40%(v/v);10%〜約50%(v/v)、または約25%〜約50%(v/v)のDMSOで存在することができる。いくつかの実施形態では、DMSOは、約30%v/v、35%v/v、40%v/v、45%v/v、または約50%v/vで存在する。
 
【0313】
  上記に論じたように、この方法において使用されるアミノ基ドナーは、キラルアミンであっても、アキラルアミンであってもよい。アキラルなアミノ基ドナーは、特定の立体異性体へのその反応において制限されず、したがって、より少ないアミノ基ドナーを必要とするという利点を有する。例として、かつ限定ではなく、イソプロピルアミン(2−アミノプロパンとも呼ばれる)、Lアラニン、Dアラニン、またはDLアラニン、フェニルアラニン、グルタミン酸、グルタミン、ロイシン(または任意の他の適切なα−アミノ酸)、3−アミノ酪酸(または任意の他の適切なβ−アミノ酸)、およびメチルベンジルアミンを含めて、様々な適切なアミノ基ドナーを使用することができる。いくつかの実施形態では、アミノ基ドナーはイソプロピルアミンである。いくつかの実施形態では、とりわけ、可能である場合、(R)および(S)単一異性体の両方を含め、アミンのすべての可能な塩を含めて、α−フェネチルアミン(1−フェニルエタンアミンとも呼ばれる)、ならびにその鏡像異性体(S)−1−フェニルエタンアミンおよび(R)−1−フェニルエタンアミン、2−アミノ−4−フェニルブタン、グリシン、L−グルタミン酸、L−グルタメート、グルタミン酸一ナトリウム、L−アスパラギン酸、L−リシン、L−オルニチン、β−アラニン、タウリン、n−オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、6−アミノヘキサン酸、4−アミノ酪酸、チラミン、ならびにベンジルアミン、2−アミノブタン、2−アミノ−1−ブタノール、1−アミノ−1−フェニルエタン、1−アミノ−1−(2−メトキシ−5−フルオロフェニル)エタン、1−アミノ−1−フェニルプロパン、1−アミノ−1−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1−アミノ−1−(4−ブロモフェニル)プロパン、1−アミノ−1−(4−ニトロフェニル)プロパン、1−フェニル−2−アミノプロパン、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−アミノプロパン、2−アミノプロパノール、1−アミノ−1−フェニルブタン、1−フェニル−2−アミノブタン、1−(2,5−ジメトキシ−4−メチルフェニル)−2−アミノブタン、1−フェニル−3−アミノブタン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−アミノブタン、1−アミノ−2−メチルシクロペンタン、1−アミノ−3−メチルシクロペンタン、1−アミノ−2−メチルシクロヘキサン、1−アミノ−1−(2−ナフチル)エタン、3−メチルシクロペンチルアミン、2−メチルシクロペンチルアミン、2−エチルシクロペンチルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、1−アミノテトラリン、2−アミノテトラリン、2−アミノ−5−メトキシテトラリン、ならびに1−アミノインダンを含めた、他のアミノ基ドナーを使用することができる。
 
【0314】
  上記方法のいくつかの実施形態では、この方法の工程は、アミノ基がアミノ基アクセプターに移されるとき、アミノ基ドナーから形成されるカルボニル副生成物の除去をさらに含むことができる。そのようなインサイツでの除去は、逆反応の速度を低減することができ、その結果、順反応が支配し、そのとき、より多くの基質が産物に変換される。
 
【0315】
  カルボニル副生成物の除去は、いくつかの方法で実施することができる。アミノ基ドナーが、アラニンなどのアミノ酸である場合、生成物のケト酸によるカルボニルは、過酸化物との反応により除去することができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれているUS2008/0213845を参照)。使用することができる過酸化物として、とりわけ、過酸化水素;ペルオキシ酸(過酸)、例えば、過酢酸(CH
3CO
3H)、トリフルオロ過酢酸、およびメタクロロペルオキシ安息香酸など;t−過酸化ブチル((CH
3)
3COOH)などの有機過酸化物、または他の選択的酸化剤、例えば、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム、MnO
2、KMnO
4、四酸化ルテニウム、および関連化合物などが挙げられる。あるいは、ピルビン酸除去は、乳酸脱水素酵素を使用することによる乳酸へのその還元によって、生成物アミンへと平衡状態をシフトすることにより実現することができる(例えば、Koszelewskiら、2008年、Adv.  Syn.  Catal.  350巻:2761〜2766頁を参照)。ピルビン酸除去は、ピルビン酸脱炭酸酵素を使用することによる二酸化炭素、アセトアルデヒドへのその脱炭酸により実現することもできる(例えば、Hohnesら、2008年、Chem  BioChem  9巻:363〜365頁を参照)。
 
【0316】
  アミノ基ドナーの選択により、水より高い蒸気圧を有するカルボニル副生成物(例えば、揮発性有機カルボニル化合物などの低沸点副産物)が生じる、いくつかの実施形態では、カルボニル副生成物は、反応溶液を非反応性ガスでスパージングすることによって、または真空を適用することにより反応圧力を低下させ、気相中に存在するカルボニル副生成物を除去することによって除去することができる。非反応性ガスは、反応成分と反応しない任意のガスである。様々な非反応性ガスには、窒素および希ガス(例えば、不活性ガス)が含まれる。いくつかの実施形態では、非反応性ガスは窒素ガスである。
 
【0317】
  いくつかの実施形態では、この方法において使用されるアミノ酸ドナーはイソプロピルアミンであり、これは、アミノ基がアミノ基アクセプターに移されると、カルボニル副生成物のアセトンを形成する。アセトンは、窒素ガスでスパージングし、または反応溶液に真空を適用し、アセトントラップ、例えば、冷却器もしくは他の冷トラップなどにより、気相からアセトンを除去することによって除去することができる。あるいは、アセトンは、ケトレダクターゼを使用して、イソプロパノールに還元することによって除去することができる。
 
【0318】
  カルボニル副生成物が除去される、上記方法のいくつかの実施形態では、対応するアミノ基ドナーをアミノ基転移反応の間に添加することによって、アミノ基ドナーを補充し、かつ/または反応のpHを維持することができる。アミノ基ドナーの補充はまた、生成物形成に向けて平衡状態をシフトし、それによって基質の生成物への変換を増大させる。したがって、アミノ基ドナーがイソプロピルアミンであり、アセトン生成物がインサイツで除去される、いくつかの実施形態では、イソプロピルアミンを溶液に添加することによって、アセトン除去の間に失われるアミノ基ドナーを補充し、反応のpHを(例えば、約8.5に)維持することができる。あるいは、アミノ酸がアミノ基ドナーとして使用される実施形態では、ケト酸カルボニル副生成物を、適切なアミノ酸脱水素酵素を使用して、アンモニアおよびNADHと反応させることによって、再利用してアミノ酸に戻し、それによってアミノ基ドナーを補充することができる。
 
【0319】
  いくつかの実施形態では、ケトアミド基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンを、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンに変換するための方法は、約10〜50g/Lのケトアミド基質を、約1〜20g/Lの本明細書に記載されるトランスアミナーゼと、pΗ7.5〜9.0および30〜50℃の温度の反応条件下で、約1M〜約2Mのイソプロピルアミンの存在下で接触させる工程を含み、ケトアミド基質の少なくとも80%、85%、90%、92%、94%、96%、もしくは98%、またはそれ以上が、24時間で生成物に変換される。いくつかの実施形態では、前述の反応を実施することができるトランスアミナーゼポリペプチドは、配列番号80、86、96、98、100、102、110、または166に対応するアミノ酸配列を含む。
 
【0320】
  いくつかの実施形態では、上記方法は、構造式(I)の化合物、構造式(1)の化合物、または構造式(1a)の化合物を反応溶媒から単離する工程をさらに含むことができる。
 
【0321】
  いくつかの実施形態では、上記方法は、構造式(1)の化合物、または構造式(1a)の化合物を、適切な反応溶媒中で薬学的に許容される酸と、この化合物を接触させることによって、薬学的に許容される塩に変換する工程をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される酸はリン酸であり、薬学的に許容される塩はリン酸二水素塩である。いくつかの実施形態では、(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンの塩は、以下の化学式を有するリン酸一水和物塩である:
 
【0323】
  いくつかの実施形態では、(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンホスフェート(1:1)一水和物を調製するための方法において、この方法における改善は、適切な反応条件下で、適切な有機溶媒中で、アミノ基ドナーの存在下で、本開示のトランスアミナーゼポリペプチドを用いて、式(1a)の化合物を式(2a)の化合物に変換する工程を含み、ここで、式(1a)の化合物は、
 
【0328】
  リン酸一水和物塩の調製のいくつかの実施形態では、アミノドナーは、イソプロピルアミンである。
 
【0329】
  様々な塩を調製するための方法は、米国特許第7,326,708号および同第7,468,459号に記載されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれている。シタグリプチンのリン酸一水和物を調製するための例示的な方法は、実施例13に提示されている。
 
【0330】
  いくつかの実施形態では、上記方法は、反応溶媒から薬学的に許容される塩を結晶化させる工程をさらに含むことができる。
 
【0331】
  トランスアミナーゼおよび基質/生成物の組成物も本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、この組成物は、式(I)の化合物、式(1)の化合物、または式(1a)の化合物、および本開示の改善されたトランスアミナーゼを含むことができる。改善された、操作されたトランスアミナーゼの任意の1つまたは複数が、組成物の一部となり得る。
 
【0332】
  いくつかの実施形態では、この組成物は、式(II)の化合物、式(2)の化合物、または式(2a)の化合物、本明細書に記載される改善されたトランスアミナーゼを含むことができる。
 
【0333】
  いくつかの実施形態では、この組成物は、例えば、式(3)のアミノ基ドナーをさらに含むことができる。この組成物のいくつかの実施形態では、アミノ基ドナーは、イソプロピルアミン、アラニン、3−アミノ酪酸、またはメチルベンジルアミンを含むことができる。この組成物のいくつかの実施形態では、アミノ基ドナーはイソプロピルアミンである。
 
【実施例】
【0334】
  本開示の様々な特徴および実施形態は、以下の代表的な実施例において例示され、これらは、例示的であり、限定的でないことが意図されている。
【0335】
  (実施例1)
野生型トランスアミナーゼ遺伝子の取得および発現ベクターの構築
  トランスアミナーゼ(TA)をコードする遺伝子を、トランスアミナーゼの報告されたアミノ酸配列、および参照により本明細書に組み込まれている米国出願公開第20080248539号の実施例1に記載されたようなコドン最適化アルゴリズムに基づいて、E.coli.内で発現させるために設計した。遺伝子は、一般に42ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドを使用して合成し、この遺伝子を、lacプロモーターの制御下で、発現ベクターpCK110700(参照により本明細書に組み込まれている、米国出願公開第20050153417号中で
図1として表されている)、またはpCK110900(参照により本明細書に組み込まれている、米国出願公開第20060195947号中で
図3として表されている)中にクローン化した。この発現ベクターは、P15a複製起点およびクロラムフェニコール耐性遺伝子も含有する。得られたプラスミドは、標準的な方法を使用してE.coli.W3110中に形質転換した。コドンが最適化された遺伝子、およびコードされたポリペプチドを、表2に列挙し、これらの配列を、配列番号1および2として提供する。
【0336】
  同様に、表2に列挙した本開示の操作されたトランスアミナーゼ(配列番号3〜168)をコードする遺伝子を、E.coli  W3110内で発現させるために、ベクターのpCK110700またはpCK110900中にクローン化した。
【0337】
  (実施例2)
トランスアミナーゼ粉末の生成−振盪フラスコ手順。
【0338】
  対象とするトランスアミナーゼをコードするプラスミドを含有するE.coliの1つの微生物コロニーを、30μg/mLのクロラムフェニコールおよび1%のグルコースを含有するLuria  Bertaniブロス50mL中に播種した。細胞は、250rpmで振盪しながら、30℃で、インキュベーター内で一晩(少なくとも16時間)増殖させた。培養液を、1リットルのフラスコ中で30μg/mLのクロラムフェニコールおよび100μMのピリドキシンを含有するM9YE(1.0g/Lの塩化アンモニウム、0.5g/Lの塩化ナトリウム、6.0g/Lのリン酸一水素二ナトリウム、3.0g/Lのリン酸二水素カリウム、2.0g/LのTastone−154酵母エキス、1L/Lの脱イオン水)250mL中に希釈して、0.2の600nmでの光学密度(OD600)にし、30℃で増殖させた。培養液のOD600が0.6〜0.8であるとき、1mMの最終濃度までイソプロピルβD−チオガラクトシド(IPTG)を添加することによって、トランスアミナーゼ遺伝子の発現を誘発し、次いでインキュベーションを一晩(少なくとも16時間)継続した。遠心分離(5000rpm、15分、4℃)によって細胞を回収し、上澄みを廃棄した。100または500μMのピリドキサール5’−リン酸(PLP)を含有するpH7.5の、等体積の冷たい(4℃)、100mMのトリエタノールアミン(クロリド)バッファーを用いて細胞ペレットを再懸濁し、上記のように遠心分離によって回収した。PLPを含有する2体積の冷トリエタノールアミン(クロリド)バッファー中に、洗浄した細胞を再懸濁し、4℃で維持しながら、12,000psiでFrench  Pressに2回通過させた。細胞残骸を、遠心分離(9000rpm、45分、4℃)によって除去した。澄んだ溶解産物上澄みを収集し、−20℃で貯蔵した。凍結した澄んだ溶解産物の凍結乾燥により、粗トランスアミナーゼ酵素の乾燥粉末を得る。あるいは、細胞ペレット(洗浄の前または後)は、4℃または80℃で貯蔵することができる。
【0339】
  (実施例3)
トランスアミナーゼの生成−発酵手順。
【0340】
  対象とするトランスアミナーゼ遺伝子を含むプラスミドを含有するE.coli.の1つの微生物コロニーを、30μg/mLのクロラムフェニコールおよび1%のグルコースを含有するM9YEブロス(1.0g/Lの塩化アンモニウム、0.5g/Lの塩化ナトリウム、6.0g/Lのリン酸一水素二ナトリウム、3.0g/Lのリン酸二水素カリウム、2.0g/LのTastone−154酵母エキス、1L/Lの脱イオン水)2mL中に播種した。細胞は、250rpmで振盪しながら、37℃で、インキュベーター内で一晩(少なくとも12時間)増殖させた。一晩成長させた後、この培養液0.5mLを、1リットルのフラスコ内で、30μg/mlのクロラムフェニコールおよび1%のグルコースを含有するM9YEブロス250ml中に希釈し、250rpmで振盪しながら37℃で増殖させた。培養液のOD600が0.5〜1.0であるとき、インキュベーターから細胞を取り出し、直ちに使用するか、または4℃で貯蔵した。
【0341】
  ベンチスケールの発酵は、増殖培地(0.88g/Lの硫酸アンモニウム、0.98g/Lのクエン酸ナトリウム;12.5g/Lのリン酸水素二カリウム三水和物、6.25g/Lのリン酸二水素カリウム、3.3g/LのTastone−154酵母エキス、0.083g/Lのクエン酸第二鉄アンモニウム、ならびに2g/Lの塩化カルシウム二水和物、2.2g/Lの硫酸亜鉛七水和物、0.5g/Lの硫酸マンガン一水和物、1g/Lの硫酸第一銅七水和物、0.1g/Lのモリブデン酸アンモニウム四水和物、および0.02g/Lの四ホウ酸ナトリウムを含有する8.3ml/Lの微量成分溶液)6.0Lを使用して、通気、アジテートした15Lの発酵槽内で、30℃で実施した。容器を121℃および15PSIで30分間滅菌し、滅菌後に100μMのピリドキシンを添加した。発酵槽に、対象とするトランスアミナーゼ遺伝子をコードするプラスミドを含有するE.coli  W3110の指数増殖期後期の培養液(late  exponential
  culture)(上述したように振盪フラスコ内で増殖させた)を播種し、0.5〜1.0の開始OD
600にした。250〜1250rpmで発酵槽をアジテートし、0.6〜25L/分で発酵容器に空気を供給することによって、50%の飽和またはそれ以上の溶解酵素レベルを維持した。培養液のpHは、20%v/vの水酸化アンモニウムを添加することによって、7.0に維持した。培養液の増殖は、500g/LのCereloseデキストロース、12g/Lの塩化アンモニウム、および5.1g/Lの硫酸マグネシウム七水和物を含有するフィード溶液を添加することによって維持した。培養液が70+−10のOD
600に到達した後、イソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)を1mMの最終濃度まで添加することによって、トランスアミナーゼの発現を誘発し、発酵をさらに18時間継続した。次いで培養液を4℃に冷却し、回収するまでその温度で維持した。4℃で、Sorval  RC  12BP遠心分離機で、5000gで40分間遠心分離することによって細胞を収集した。回収した細胞は、以下の下流回収プロセスにおいて直接使用するか、またはそのように使用するまでこれらを4℃で貯蔵するか、もしくは−80℃で凍結することができる。
【0342】
  細胞ペレットを、4℃で、100または500μMのピリドキサール5’−リン酸(PLP)を含有するpH7.5の、2体積の100mMのトリエタノールアミン(クロリド)バッファー中に再懸濁して、各体積の湿潤細胞ペーストにした。細胞内トランスアミナーゼは、12000psigの圧力を使用して、2ステージホモジナイジングバルブアセンブリーを装備したホモジナイザーに懸濁液を通過させることによって、細胞から放出された。細胞ホモジネートは、破壊後直ちに−20℃に冷却した。pH7.2の11%w/vのポリエチレンイミンの溶液を溶解産物に添加して、0.5%w/vの最終濃度にした。1MのNa
2SO
4を溶解産物に添加して100mMの最終濃度にした。次いで溶解産物を30分間撹拌した。得られた懸濁液を、Sorval  RC  12BP遠心分離機で、4℃で30分間、5000Gで遠心分離することによって澄ませた。30kDの分子量カットオフを有するセルロース限外濾過膜を使用して、澄んだ上澄みをデカントし、10倍に濃縮した。最終的な濃縮物を浅い容器に分配し、−20℃で凍結させ、凍結乾燥して粉末にした。トランスアミナーゼ粉末は、−80℃で貯蔵した。
【0343】
  (実施例4)
ケトアミド基質をシタグリプチンに立体選択的に変換することができるArthrobacter  sp.KNK168トランスアミナーゼの変異体を識別するためのハイスループットスクリーニング。
ケトアミド基質のシタグリプチンへの変換を判定するためのアキラルなHPLC法:ケトアミド基質(米国特許第7,326,708号に記載されたように調製した)のシタグリプチンへの酵素的変換は、Agilent  Eclipse  XDB−C8カラム(4.6×150mm、5μm)を備えたAgilent  1200  HPLCを使用して、1.5ml/分の流量で、溶離液として45:55の10mMのNH
4AcMeCN、およびカラム温度40℃を使用して判定した。保持時間:ケトアミド基質:1.7分;シタグリプチン:1.4分。溶離液中のケトアミド基質および生成物は、1cmの経路長を用いて、210nmまたは286nmでのピーク面積として求めた。これらの条件を使用して、シタグリプチンについての検出限界は、5μg/mLであった。一般に、210nmの入射波長を、配列番号4と同様または等しい活性を有するトランスアミナーゼについての活性を測定するために使用した。
シタグリプチンの立体純度(stereopurity)を求めるためのキラルなHPLC法:シタグリプチンの立体異性体純度は、Daicel  Chiralpak  AD−H  カラム(4.6×150mm、5μm)を備えたAgilent  1200  HPLCを使用して、0.8ml/分の流量で、溶離液として60:40:0.1:0.1のEtOH/ヘプタン/ジエチルアミン/水、および35℃のカラム温度を使用して求めた。保持時間:ケトアミド基質:6.3分;(S)−鏡像異性体:8.4分;シタグリプチン:10.8分。ケトアミド基質および生成物は、1cmの経路長を用いて、210nmまたは268nmでのピーク面積として求めた。ケトアミド基質のシタグリプチンへの低レベル変換を検出するための液体クロマトグラフィー−質量分析(LC/MS)法:ケトアミド基質のシタグリプチンへの低レベル酵素的変換は、LC/MS/MS法を使用して判定した。5マイクロリットルの試料を、Eclipse  XDB−C8  HPLCカラム(4.6×150mm)中に装填し、0.2%のギ酸アンモニウムおよびメタノールの40:60移動相を用いて、1.0mL/分でアイソクラチックに溶出した。シタグリプチンの保持時間は、35℃で1.5分であった。質量分析法を、Waters  Quattroトリプル四重極で検出するのに使用した。Q1は、408.1AMUでM+Hイオンを通過させるように設定し、Q3は、235.1娘イオンを通過させるように設定した。衝突セル(Q2)は、17.0の衝突エネルギー、および0.3mL/分のアルゴンガス流量を有していた。イオン化は、5μAのコロナ放電、130℃のソース温度、および600℃のプローブ温度を有するAPCIによるものであった。脱溶媒和ガス流量は100L/分であり、コーンガスは、50L/分に設定した。これらの条件を使用して、シタグリプチンの検出限界は、71pg/mLであった。
【0344】
  (実施例5)
ケトアミド基質をシタグリプチンに立体選択的に変換することができるArthrobacter  sp.KNK168トランスアミナーゼの変異体を識別するためのハイスループットスクリーニング。
【0345】
  実施例1に記載したように構築した、トランスアミナーゼをコードする遺伝子に、上述した方法を使用して突然変異を誘発し、変更されたDNA分子の集団を、適切なE.coli宿主系統を形質転換するのに使用した。抗生物質耐性の形質転換体を選択および処理することによって、適切なアミノ基ドナー(すなわち、イソプロピルアミン)の存在下で、ケトアミド基質を立体選択的にシタグリプチンにアミノ基転移する改善された能力を有するトランスアミナーゼを発現するものを同定した。細胞選択、増殖、トランスアミナーゼ変異型酵素の発現の誘発、細胞ペレットの収集は、以下に記載した通りであった。
【0346】
  トランスアミナーゼをコードする遺伝子を担持する組換えE.coliコロニーを、Q−Bot(登録商標)ロボットコロニーピッカー(Genetix  USA,Inc.、Boston、MA)を使用して選択して、各ウェル中にLBブロス180μL、1%のグルコース、および30μg/mLのクロラムフェニコール(CAM)を含有する96ウェルのシャローウェルマイクロタイタープレートに入れた。200rpmで振盪しながら30℃で一晩細胞を増殖させた。次いで、この培養液のアリコート10μLを、M9YEブロス390μL、100μMのピリドキシン、および30μg/mLのCAMを含有する96ディープウェルプレートに移した。250rpmで振盪しながら、30℃で2〜3時間、ディープウェルプレートをインキュベートした後、1mMの最終濃度までIPTGを添加することによって、培養細胞内の組換え遺伝子発現を誘発した。次いでこのプレートを、250rpmで振盪しながら、30℃で18時間インキュベートした。
【0347】
  細胞を、遠心分離(4000RPM、10分、4℃)によってペレット化し、溶解バッファー200μL中に再懸濁し、室温で2時間振盪することによって溶解させた。溶解バッファーは、pH7.5または8.5の100mMのトリエタノールアミン(クロリド)バッファー、1mg/mLのリゾチーム、500μg/mLのポリミキシンB硫酸塩(PMBS)、および100〜4000μMのPLPを含んでいた。アルミニウム/ポリプロピレンラミネートヒートシールテープ(Velocity  11、Menlo  Park、CA、カタログ番号06643−001)でプレートを密閉した後、これらを、室温で2時間活発に振盪した。細胞残骸を遠心分離(4000RPM、10分、4℃)によってペレット化し、澄んだ上澄みを直接アッセイするか、または使用するまで4℃で貯蔵した。
【0348】
  初期段階の操作されたトランスアミナーゼ(すなわち、初期段階の「エボルバント(evolvant)」)をpH7.5のメタノールまたはDMSO中でスクリーニングするために、Biomek  NXpロボット機器(Beckman  Coulter、Fullerton、CA)を使用して、メタノールまたはDMSO中のケトアミド基質(40mg/mL)の溶液のアリコート10μLを、Costar(登録商標)ディープウェルプレートの各ウェルに添加し、その後、1.1Mのイソプロピルアミン塩酸塩90μLを添加した。次いでこの後に、やはりBiomek  NXpを使用して実施して、回収した溶解産物の上澄み100μLを添加することによって、2mg/mlのケトアミド基質、500mMのイソプロピルアミン塩酸塩、pH7.5の50mMのトリエタノールアミン、および5%のメタノールまたはDMSO(v/v)を含む反応物を得た。プレートを、アルミニウム/ポリプロピレンラミネートヒートシールテープ(Velocity  11、Menlo  Park、CA、カタログ番号06643−001)を用いて、175℃で2.5秒間ヒートシールし、次いで30℃で一晩(少なくとも16時間)振盪した。反応は、Phoenix  Liquid  Handling  System(Art  Robbins  Instruments、Sunnyvale、CA)を使用してアセトニトリル1mlを添加することによってクエンチした。プレートを再び密閉し、5分間振盪し、次いで4000rpmで10分間遠心分離した。澄んだ反応混合物のアリコート200μLを、新しいシャローウェルポリプロピレンプレート(Costar  #3365)に移し、密閉し、実施例4に記載したように分析した。
【0349】
  後期段階の操作されたトランスアミナーゼ(すなわち、後期段階の「エボルバント」)をpH8.5の25%のDMSO中でスクリーニングするために、Biomek  NXロボット機器(Beckman  Coulter、Fullerton、CA)を使用して、ジメチルスルホキシド(DMSO)中のケトアミド基質(40mg/mL)の溶液のアリコート50μLを、Costar(登録商標)ディープウェルプレートの各ウェルに添加し、その後、4Mのイソプロピルアミン塩酸塩50μLを添加した。次いでこの後に、やはりBiomek  NXを使用して実施して、回収した溶解産物の上澄み100μLを添加することによって、100mg/mlのケトアミド基質、1Mのイソプロピルアミン塩酸塩、pH8.5の50mMのトリエタノールアミン、および25%のDMSO(v/v)を含む反応物を得た。プレートを、アルミニウム/ポリプロピレンラミネートヒートシールテープ(Velocity  11、Menlo  Park、CA、カタログ番号06643−001)を用いて、175℃で2.5秒間ヒートシールし、次いで45℃で一晩(少なくとも16時間)振盪した。反応は、Phoenix  Liquid  Handling  System(Art  Robbins  Instruments、Sunnyvale、CA)を使用してアセトニトリル1mlを添加することによってクエンチした。プレートを再び密閉し、5分間振盪し、次いで4000rpmで10分間遠心分離した。澄んだ反応混合物のアリコート10μLを、アセトニトリル190μLを含有する新しいシャローウェルポリプロピレンプレート(Costar  #3365)に移し、密閉し、実施例4に記載したように分析した。
【0350】
  後期段階の操作されたトランスアミナーゼ(すなわち、後期段階の「エボルバント」)をpH8.5の50%のDMSO中でスクリーニングするために、Biomek  NXロボット機器(Beckman  Coulter、Fullerton、CA)を使用して、ジメチルスルホキシド(DMSO)中のケトアミド基質(100mg/mL)の溶液のアリコート100μLを、Costar(登録商標)ディープウェルプレートの各ウェルに添加し、その後、4Mのイソプロピルアミン塩酸塩50μLを添加した。次いでこの後に、やはりBiomek  NXを使用して実施して、回収した溶解産物の上澄み50μLを添加することによって、50mg/mlのケトアミド基質、1Mのイソプロピルアミン塩酸塩、pH8.5の50mMのトリエタノールアミン、および50%のDMSO(v/v)を含む反応物を得た。プレートを、アルミニウム/ポリプロピレンラミネートヒートシールテープ(Velocity  11、Menlo  Park、CA、カタログ番号06643−001)を用いて、175℃で2.5秒間ヒートシールし、次いで45℃で一晩(少なくとも16時間)振盪した。反応は、Phoenix  Liquid  Handling  System(Art  Robbins  Instruments、Sunnyvale、CA)を使用してアセトニトリル1mlを添加することによってクエンチした。プレートを再び密閉し、5分間振盪し、次いで4000rpmで10分間遠心分離した。澄んだ反応混合物のアリコート10μLを、アセトニトリル190μLを含有する新しいシャローウェルポリプロピレンプレート(Costar  #3365)に移し、密閉し、実施例4に記載したように分析した。
【0351】
  実施例1および2におけるように発現された配列番号2のトランスアミナーゼは、実施例4の検出方法を使用して、ケトアミド基質に対して検出可能な活性をまったく示さなかった。ケトアミド基質をシタグリプチンに変換することができるArthrobacter  sp.KNK168トランスアミナーゼの変異体は、上記に開示した手法および手順を使用して同定した。1つのラウンドからの1つまたは複数の改善された単離体を、突然変異生成およびスクリーニングの後続のラウンドのための出発材料として使用した、これらのプロセスの複数の反復を、ケトアミド基質を立体選択的にシタグリプチンに還元する改善された能力を有するArthrobacter  sp.KNK168トランスアミナーゼ変異体を発生または「進化」させるのに使用した。
【0352】
  (実施例6)
Arthrobacter  sp.KNK168トランスアミナーゼに由来する、表2において「+」で示された操作されたトランスアミナーゼによる、ケトアミド基質のメタノール中の立体選択的アミノ基転移。
【0353】
  Arthrobacter  sp.KNK168トランスアミナーゼに由来する、表2において「+」で示された改善されたトランスアミナーゼを、以下のようにDMSO中で、分取スケールで評価した。250μMのピリドキサール5’−リン酸を含むpH7.5の100mMのトリエタノールアミン−クロリドバッファー中のトランスアミナーゼ変異体(20mg/mL)の溶液500μLを、磁気撹拌子を備えた5mLの反応バイアルに添加した。引き続いて、1.1Mのイソプロピルアミン塩酸塩450μL、その後にDMSO中のケトアミド基質(40mg/mL)の溶液50μLを、トランスアミナーゼ溶液に添加した。反応物を22℃で撹拌し、反応混合物から定期的に採取した試料のHPLC分析によってモニターした(分析条件については実施例4を参照)。表2は、「+」で示されたトランスアミナーゼ変異体に対応する配列番号、野生型トランスアミナーゼからのアミノ酸残基差異の数、および配列番号4のアミノ酸配列を有する酵素の活性と比べた、ケトアミド基質に向けたそれぞれの活性を提供する。
【0354】
  多くの操作されたトランスアミナーゼについて、ケトアミド基質のシタグリプチンへの変換は、適切な濃度のアミノ基ドナー、例えば、D−アラニン、3−アミノ酪酸、またはα−メチルベンジルアミンなどを使用して実現することもできる。
【0355】
  (実施例7)
Arthrobacter  sp.KNK168に由来する、表2において「++」で示された操作されたトランスアミナーゼによる、ケトアミド基質のメタノール中の立体選択的アミノ基転移。
【0356】
  Arthrobacter  sp.KNK168変異体に由来する、表2において「++」で示された改善されたトランスアミナーゼを、以下のようにメタノール中で、分取スケールで評価した。250μMのピリドキサール5’−リン酸を含むpH7.5の100mMのトリエタノールアミン−クロリドバッファー中のトランスアミナーゼ変異体(20mg/mL)の溶液500μLを、撹拌子を備えた5mLの反応バイアルに添加した。引き続いて、1.1Mのイソプロピルアミン塩酸塩450μL、その後にメタノール中のケトアミド基質(40mg/mL)の溶液50μLを、トランスアミナーゼ溶液に添加した。反応物を22℃で撹拌し、反応混合物から定期的に採取した試料のHPLC分析によってモニターした(分析条件については実施例4を参照)。表2は、「++」で示されたトランスアミナーゼ変異体に対応する配列番号、野生型トランスアミナーゼからのアミノ酸残基差異の数、および配列番号4のアミノ酸配列を有する酵素の活性と比べた、ケトアミド基質に向けたそれぞれの活性を提供する。
【0357】
  (実施例8)
Arthrobacter  sp.KNK168に由来する、表2において「+++」で示された操作されたトランスアミナーゼによる、ケトアミド基質のメタノール中の立体選択的アミノ基転移。
【0358】
  Arthrobacter  sp.KNK168変異体に由来する、表2において「+++」で示された改善されたトランスアミナーゼを、以下のようにメタノール中で、分取スケールで評価した。250μMのピリドキサール5’−リン酸を含むpH7.5の100mMのトリエタノールアミン−クロリドバッファー中のトランスアミナーゼ変異体(20mg/mL)の溶液500μLを、撹拌子を備えた5mLの反応バイアルに添加した。引き続いて、2.2Mのイソプロピルアミン塩酸塩450μL、その後にメタノール中のケトアミド基質(100または200mg/mL)の溶液50μLを、トランスアミナーゼ溶液に添加した。反応物を30℃で撹拌し、反応混合物から定期的に採取した試料のHPLC分析によってモニターした(分析条件については実施例4を参照)。表2は、「+++」で示されたトランスアミナーゼ変異体に対応する配列番号、野生型トランスアミナーゼからのアミノ酸残基差異の数、および配列番号22のアミノ酸配列を有する酵素の活性と比べた、ケトアミド基質に向けたそれぞれの活性を提供する。
【0359】
  (実施例9)
Arthrobacter  sp.KNK168に由来する、表2において「++++」で示された操作されたトランスアミナーゼによる、ケトアミド基質のメタノール中の立体選択的アミノ基転移。
【0360】
  Arthrobacter  sp.KNK168変異体に由来する、表2において「++++」で示された改善されたトランスアミナーゼを、以下のようにメタノール中で、分取スケールで評価した。250μMのピリドキサール5’−リン酸を含むpH8.5の100mMのトリエタノールアミン−クロリドバッファー中のトランスアミナーゼ変異体(20mg/mL)の溶液500μLを、撹拌子を備えた5mLの反応バイアルに添加した。引き続いて、2.5Mのイソプロピルアミン塩酸塩400μL、その後にメタノール中のケトアミド基質(200mg/mL)の溶液100μLを、トランスアミナーゼ溶液に添加した。反応物を45℃で撹拌し、反応混合物から定期的に採取した試料のHPLC分析によってモニターした(分析条件については実施例4を参照)。表2は、「++++」で示されたトランスアミナーゼ変異体に対応する配列番号、野生型トランスアミナーゼからのアミノ酸残基差異の数、および配列番号48のアミノ酸配列を有する酵素の活性と比べた、ケトアミド基質に向けたそれぞれの活性を提供する。
【0361】
  (実施例10)
Arthrobacter  sp.KNK168に由来する、表2において「+++++」で示された操作されたトランスアミナーゼによる、ケトアミド基質のDMSO中の立体選択的アミノ基転移
  Arthrobacter  sp.KNK168変異体に由来する、表2において「+++++」で示された改善されたトランスアミナーゼを、以下のようにDMSO中で、分取スケールで評価した。250μMのピリドキサール5’−リン酸を含むpH8.5の100mMのトリエタノールアミン−クロリドバッファー中のトランスアミナーゼ変異体(20mg/mL)の溶液250μLを、撹拌子を備えた5mLの反応バイアルに添加した。引き続いて、2Mのイソプロピルアミン塩酸塩500μL、その後にDMSO中のケトアミド基質(200mg/mL)の溶液250μLを、トランスアミナーゼ溶液に添加した。反応物を45℃で撹拌し、反応混合物から定期的に採取した試料のHPLC分析によってモニターした(分析条件については実施例4を参照)。表2は、「+++++」で示されたトランスアミナーゼ変異体に対応する配列番号、野生型トランスアミナーゼからのアミノ酸残基差異の数、および配列番号58のアミノ酸配列を有する酵素の活性と比べた、ケトアミド基質に向けたそれぞれの活性を提供する。
【0362】
  (実施例11)
Arthrobacter  sp.KNK168に由来する、表2において「++++++」で示された操作されたトランスアミナーゼによる、ケトアミド基質のDMSO中の立体選択的アミノ基転移
  Arthrobacter  sp.KNK168変異体に由来する、表2において「++++++」で示された改善されたトランスアミナーゼを、以下のようにDMSO中で、分取スケールで評価した。4000μMのピリドキサール5’−リン酸を含むpH8.5の100mMのトリエタノールアミン−クロリドバッファー中のトランスアミナーゼ変異体(8mg/mL)の溶液250μLを、撹拌子を備えた5mLの反応バイアルに添加した。引き続いて、4Mのイソプロピルアミン塩酸塩250μL、その後にDMSO中のケトアミド基質(100mg/mL)の溶液500μLを、トランスアミナーゼ溶液に添加した。反応物を45℃で撹拌し、反応混合物から定期的に採取した試料のHPLC分析によってモニターした(分析条件については実施例4を参照)。表2は、「++++++」で示されたトランスアミナーゼ変異体に対応する配列番号、野生型トランスアミナーゼからのアミノ酸残基差異の数、および配列番号104のアミノ酸配列を有する酵素の活性と比べた、ケトアミド基質に向けたそれぞれの活性を提供する。
【0363】
  (実施例12)
ケトアミド基質をシタグリプチンに変換するための方法I
  以下の実施例は、基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンの、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンへの変換を増大させるために使用される大規模方法を例示する。この方法は、窒素スパージングを使用することによって、アセトン副産物を除去し、基質の生成物への変換を増大させる。水中のイソプロピルアミンの添加は、体積を一定に保ち、反応物のpHを維持するのに役立つ。
【0364】
  大規模方法は、以下の反応成分を含有する。
【0365】
【表3】
【0366】
方法。撹拌機、pΗプローブ、温度プローブ、窒素スパージ用針、真空針を装備した、4つのバッフルを有する500mLの三口丸底(RB)フラスコに、イソプロピルアミン塩酸塩(4当量)18.25g、その後にピリドキサール5’−リン酸水和物(ビタミンB6)200mgを添加した。これを、pΗ8.5、0.1Mのトリエタノールアミン緩衝用水140mL中に溶解させた。DMSO(20ml)を添加し、その後にトランスアミナーゼ酵素(配列番号86)粉末2gを添加した。この溶液を45℃にし、pΗを、4Mの水性イソプロピルアミンを用いて8.5に再び調整した。これが安定化した(約5分)後、DMSO  40mL中に溶解した基質20gの溶液を、3時間にわたって添加した。添加の間、かつ反応全体を通じて、pΗは、着実に低下した。0.1単位を超えてpHが低下した場合、4Mの水性イソプロピルアミンを連続的に添加することによってpHを制御した。さらに、2時間後、12時間まで反応物に窒素をスパージした。21時間後に、変換は93%であった。合計38.5mLの4Mのイソプロピルアミン(3.056当量)を、この方法の間に反応物に添加した。pΗ制御ユニットは、熱電対、pΗプローブ、およびpΗを制御するための水中4Mのイソプロピルアミンを有していた。
【0367】
  生成物混合物中に存在する基質−生成物エネアミン付加体不純物(以下に記載する分別条件下で4.1分の保持時間)は、6NのHCl  10.5mLを用いてpH2.0に混合物を酸性化し、その後45℃で1時間撹拌することによって破壊した。引き続いてセライト6gを添加し、さらなる時間撹拌し、次いで、水/DMSO(1滴の6NのHClを含む90/10)でアジテートされた洗浄(4×30mL)をしながら、セライトパッド(85mm  IDのフリット、湿潤セライトの10mm厚のパッド)を通して濾過した。アッセイは、91%のシタグリプチンおよび7%の基質ケトアミドの収率を示す。
【0368】
  酢酸イソプロピル(IPac)200mLを添加し、その後、pΗが約11になるまで撹拌しながら5NのNaOH  32mLを添加することによって、生成物をさらに処理した。層を分離し(有機層中のエマルジョンとともに、35分の静置)、別の酢酸イソプロピル200mLを用いて水層を抽出した。最終的な抽出は、追加の酢酸イソプロピル100mLを用いて実施した。3つすべての酢酸イソプロピル層を合わせ、30分間静置させ、残留水を排出した。次いで、有機層中の生成物を、ブライン150mLで洗浄し(1時間未満で静置する)、分離し、Na
2SO
4で乾燥させ、次いで濾過した。溶媒をイソプロパノール(イソプロパノール(IPA)溶液66.29g)に替えた。最終生成物のアッセイは、以下のことを示す。
【0369】
  26.8重量%のシタグリプチン(17.73g)。
【0370】
  1.89重量%のケトアミド基質(1.25g)。
【0371】
  約60.3mLのIPA。
【0372】
  生成物混合物を分別するためのHPLC条件は以下の通りであった。
【0373】
  カラム:Zorbax  Eclipse  Plus  C18、4.6×50mm、1.8um
  勾配:分  H
2O(0.1%のH
3PO
4)/CH
3CN
    0  90/10
    5  5/95
    6  5/95
    6.01  90/10
    8  停止
  流量:1.5mL/分
  カラム温度:25℃
  試料体積:5μL
  検出器:210nmのUV
  HPLC分析のための試料は、1/1のH
2O(0.1%のH
3PO
4)/CH
3CN中、0.2mg/mLで調製した。上記クロマトグラフィー条件下の保持時間は、以下の通りであった。
【0374】
  シタグリプチン:2.2分
  ケトアミド基質:3.2分
  ケトアミド基質(エノール):3.9分
  基質−生成物エネアミン:4.1分。
【0375】
  窒素ガスのパージングにより、アミノ基転移反応の生成物であるアセトンが除去され、トランスアミナーゼ触媒反応の平衡状態を、生成物形成、およびしたがって、基質の生成物へのより高い変換率にシフトする。さらに、イソプロピルアミンの連続的な添加は、反応条件のpHを維持するだけでなく、アミノ基転移反応において失われるアミノ基ドナーも補充する。配列番号86を有するトランスアミナーゼポリペプチドを、この方法において使用したが、この例示的な方法は、本明細書に開示される後続の操作されたトランスアミナーゼのいずれも使用することができることが理解されるべきである。
【0376】
  (実施例13)
ケトアミド基質のシタグリプチンへの変換を増大させるための方法II
  以下の実施例は、基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンの、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンへの変換を増大させるために使用される第2の大規模方法を例示する。この方法は、アセトン生成物を除去し、基質の生成物への変換を増大させるために真空を使用する。先の実施例と同様に、水中のイソプロピルアミンの添加は、体積を一定に保ち、反応のpHを維持するのに役立つ。
【0377】
  物質。
【0378】
【表4】
【0379】
  この方法のための装置は、以下の特徴を有する:熱電対、pΗプローブ、およびpΗを制御するための水中の4Mのイソプロピルアミンのリザーバを有するpH制御ユニット。反応器は、真空ラインおよび対応する制御装置(375トルに設定)、ならびにアセトンおよび生成物形成を測定するためのReactIRプローブ(Metter  Toledo、Maryland、USA)に接続する。
方法。22Lの機械で撹拌される丸底(RB)フラスコは、ReactIRプローブ、4Mの水性イソプロピルアミンのリザーバに接続された塩基供給ライン、ケトアミド基質のリザーバに接続されたケトアミド供給ライン、pΗプローブ、ならびに制御ボックスおよびトラップへの真空ラインが装備されていた。このフラスコにイソプロピルアミン塩酸塩900gを装填し、その後、脱イオン水6.4L、およびトリエタノールアミン93mL(2m/sの先端速度)、およびピリドキサール5’−リン酸(pΗ8.4)10gを添加した。この後に、配列番号102を有する、溶解したトランスアミナーゼポリペプチド50gをフラスコに装填した。RTで10分撹拌した後、DMSO  1.5Lを30分にわたって添加し、反応器を40℃に加温した。温度が安定した後、pΗプローブを温度プローブと交換し、pΗ制御装置および4Mのイソプロピルアミン溶液を用いて、pHをpH8.5に維持した。ケトアミド基質(1Kg)をDMSO  2L中に溶解させ、5Lの添加漏斗に入れた。真空(最初に約500トル、次いで添加後に一晩375トル)を反応器にかけ、ケトアミド溶液を反応器に4時間(667mL/時間)にわたって添加した。合計1.45当量のイソプロピルアミンを25時間後に添加した。基質の生成物への変換は、約94%であった。
【0380】
  反応を1日間進行させた後、5NのHCl  580mLを、pH2まで反応溶液に添加し、溶液を45℃で2時間撹拌した。2層の綿タオルを使用して、広い直径のブーフナー漏斗に溶液を通して濾過し、濾液12.3kgを得た。濾液残渣を、0.01NのHCl中5%のDMSO中でアジテートし、次いで追加の0.01NのHCl中5%のDMSO
  3×2Lですすいだ(合計6.6kg)。残渣を酸性水溶液中に入れ、洗浄して(合計約18L)抽出器中に入れ、次いで酢酸イソプロピル9L中に入れた。5NのNaOH(1.4L)を用いてpHを10に調整し、50LのChemGlass容器#1内で、165RPMで溶液をアジテートし、層を約10分間静置させ、酢酸イソプロピルを分離して除いた。溶液を酢酸イソプロピル9Lで再び抽出し、抽出した酢酸イソプロピル層を合わせ、20時間静置させた。この酢酸イソプロピル層を、ブライン6L(5.9kg)で洗浄した。IPAc溶液をアッセイし、これは、シタグリプチン861gを含有していた。ロータリー真空蒸発器上で、溶媒をIPAc(IPAc  19L中861g、90%のアッセイ収率)からIPAに、30℃で1時間にわたって供給し、50%の体積に濃縮することによって替えた。この時点で、シタグリプチン遊離塩基が溶液から析出した。IPA中1%の水2Lを添加することによって析出物を溶解させた。IPA中1%の水8Lを1時間にわたって、35〜40℃の浴温度で添加した。追加の析出物が形成するので、追加の水400mLを添加することによって、この析出物を溶解させた。溶液を、ロータリー真空蒸発器上に一晩置いたままにし、次いで追加のIPA中1%の水2Lとともに別の丸底フラスコに移した。濃縮により、シタグリプチンのIPA/水の溶液2.5746kgを得た。
【0381】
  (実施例14)
リン酸シタグリプチン一水和物の調製
  リン酸シタグリプチン一水和物の調製を以下のように例示する。
【0382】
【化21】
【0383】
  シタグリプチンのリン酸一水和物塩を調製するための物質は、以下の通りである。
【0384】
【表5】
【0385】
  方法。イソプロパノール1630mLおよび水347mL中に粗製物3  757gを含有する溶液に、イソプロパノール1.36L、その後に脱イオン水491mLを添加した。20Lの撹拌された容器に溶液を移し、次いで45%w/wのH
3PO
4(Fisher  85%)411gおよびIPA  172mLを装填した。溶液を72〜80℃に加熱することによって、初期のリン酸塩を溶解させ、追加の水100mLおよびイソプロパノール500mLを装填することによって、リン酸塩を完全に溶解させた。溶液を62〜66℃に冷却し、純粋なリン酸シタグリプチン5gを播種した。反応物を60〜65℃で3時間置いたままにし、次いで5時間にわたって20〜25℃に冷却し、次いでさらに一晩冷却した。反応物に、イソプロパノール2.65Lを2時間にわたって装填し(溶液は、約6:1のイソプロパノール/水である。)、RTで1時間、および2℃で2時間置いたままにした。この物質を、88/12のイソプロパノール/水で湿らせることによって調製されたフィルターに通した。得られたケーキを、合計1.4Lの88/12のイソプロパノール/水で洗浄し、大気下で約3時間乾燥させ、次いでトレイに移して、窒素をスイープしながら真空乾燥器内で(200トル)、約40℃で3日間乾燥させ、リン酸シタグリプチン水和物966gを得た。この物質は、製造されたリン酸シタグリプチン水和物についてのすべての純度基準を満たし(または超え)、残留溶媒なし、酵素(<18ppm)、PLP補助因子(<0.1ppm)、またはエンドトキシン(<0.05ng)を示した。
【0386】
  (実施例15)
ケトアミド基質のシタグリプチンへの変換を増大させるための方法III
  以下の実施例は、基質の4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オンの、生成物の(2R)−4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−アミンへの変換を増大させるのに使用される第3の大規模方法を例示する。一般に、この方法は、実施例12に記載したのと同じ装置および条件を使用するが、より高い濃度のDMSOおよび基質を用いる。
方法:反応は、機械撹拌機、温度プローブ、pΗプローブ、および塩基添加ラインを装備した容器内で行った。塩基添加ラインは、水中4Mのイソプロピルアミン遊離塩基の供給を使用して、pHを8.6から8.4の間に制御するのに使用した。容器に、水1.92L、その後にトリエタノールアミン109mL(0.82モル、0.33当量)、および4Mのイソプロピルアミン溶液1.64L(6.56モル、2.67当量)を添加した。次いで、12NのHCl(424mL)を使用して、pHを8.5に調整した。次いで反応器に、PLP  6.7g(0.027モル、0.011当量)、その後に、配列番号110を有するトランスアミナーゼポリペプチド40gを装填し、この混合物を、穏やかにアジテートしながら慎重に溶解させた。容器を、温度プローブ、塩基添加ライン、pΗプローブ、および400RPMに設定された撹拌機を有する反応器ブロック上に配置した(注:pΗ制御ループはこの時点でオフである)。次に、DMSO2.22Lを撹拌中の溶液中に添加し、反応器を45℃に加熱した。温度が安定化されたとき、pΗ制御ループをオンにし、pHを8.5に調整した(pΗは、水中4Mのイソプロピルアミンで制御した)。この時点で、撹拌を600RPMに上昇させたが、渦形成を回避するために、先端速度は、2m/s未満に保持した。次いで、ケトアミド1.0kg(受け入れられるケトアミドは、半水化物として一般に96〜98wt%であるので、補正重量は1kgである;2.46モル、1.00当量)を、DMSO  1.11L中に溶解させた。次いでこのDMSO/ケトアミド溶液を、反応器に2〜3時間にわたって添加した。次いで反応器を、45℃で、pHを8.6〜8.4の間に維持してさらに約13時間撹拌し、アセトン除去を、300トルの真空および2fpsの窒素スイープを用いて実現した。約15時間の合計反応時間の後(1.3〜2.0当量のイソプロピルアミン取込み)、反応は、逆相HPLC分析によって判断した場合、90〜95%の変換であった。
【0387】
  以下に記載するように、下流処理のための生成物を調製するために、濾過または直接抽出の後処理手順を使用することができる。
濾過後処理:pH制御ループをオフにし、solka−floc  13gを容器に添加し、その後、pH2〜3まで12MのHClを添加した。次いで反応物を、45℃および1000RPMで1〜2時間エージングした。次いでスラリーを、フィルター(例えば、1kgスケールでの、濾紙を有するフリット付きプラスチックブーフナー、またはパイロットプラントスケールでの、リサイクルループをまったく含まないスパークルフィルター(sparkle  filter))に通過させた。容器およびフィルターを、0.01NのHCl  1Lですすいだ。次いでこの水性酸性濾液にIPAc  3Lを添加し、次いで、水相のpHを19NのNaOHを用いてpH11に調整した。層を撹拌しながらアジテートし、次いで静置させ、分離した(穏やかな加熱または真空は、相分別を加速する)。これを、IPAc  3Lを用いてさらに2回繰り返し、次いで合わせた有機物を、ブライン3Lで洗浄した(pH11で)。次いで、シタグリプチン遊離塩基の得られたIPAc溶液を、収率についてアッセイし(一般に88〜92%のアッセイ収率;882〜922g)、下流処理してリン酸シタグリプチン一水和物にするために、溶媒をIPAに替えた。
直接抽出後処理:pH制御ループをオフにし、pH2〜3まで12MのHClを添加した。次いで反応物を、45℃および1000RPMで1〜2時間エージングした。このバッチをRTに冷却し、次いでIPA  3Lを添加し、その後IPAc  3Lを添加した。次いで水層のpHを、19NのNaOHを用いて11に調整した。混合物を20〜45℃でアジテートし(エマルジョンを破壊するために、熱を使用することができる)、次いで静置および分離させた。IPAc/IPA層を確保し、水層を80/20(体積/体積)のIPAc/IPA  3Lで抽出した。次いで、合わせたIPAc/IPA抽出物を、ブライン3Lで洗浄した。次いで、シタグリプチン遊離塩基の得られたIPAc/IPA  溶液を、収率についてアッセイし(一般に87〜90%のアッセイ収率;872〜902g)、下流処理してリン酸シタグリプチン一水和物にするために、溶媒をIPAに替えた。
【0388】
  (実施例16)
ケトアミド基質のシタグリプチンへの変換を増大させるための方法IV
  以下の実施例は、ケトアミド基質のシタグリプチン遊離塩基生成物への変換を増大させるために使用される第4の大規模方法、および引き続くリン酸シタグリプチンの調製を例示する。一般に、この方法は、実施例12、14、および15において記載したのと同じ装置条件を使用するが、以下に詳述されるような変更を伴う。
【0389】
  4Mのイソプロピルアミン溶液0.59L、水0.67L、およびトリエタノールアミン39mLを、0〜35℃で合わせることによって、バッファー溶液を調製した。バッファーのpHを、12Nの塩酸を使用して、20〜25℃で8.4〜9.2に調整した。この混合物に、PLP  1.22gおよび配列番号110のトランスアミナーゼポリペプチド16.25gを、15〜25℃で装填した。PLPおよび酵素を、アジテートしながら溶解させた。次に、DMSO  0.72Lを、15〜46℃で、最低30分にわたってこのバッチに装填した。次いでこの酵素混合物を44〜46℃に加熱し、次いで、4Mのイソプロピルアミン溶液を用いてpH8.4〜8.7に調整した。酵素混合物が反応後にクエンチされるまで、pHをモニターし、pHを8.4〜8.7の範囲内に維持するために、必要に応じて4Mのイソプロピルアミン溶液を装填した。
【0390】
  ケトアミド基質である4−オキソ−4−[3−(トリフルオロメチル)−5,6−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジン−7(8H)−イル]−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−2−オン(406.28g、1.00モル)を、DMSO  0.48L中に溶解させ、このDMSO/ケトアミド溶液を、2〜8時間にわたって酵素混合物に添加した。次いでこの酵素混合物を、44〜46℃およびpΗ8.4〜8.7で、さらに7〜22時間反応させた。DMSO/ケトアミド溶液添加および後続の反応の両方の間、反応器の圧力を必要に応じて変更することによってアセトンを蒸発させ、それによって、反応を生成物のシタグリプチン遊離塩基の形成に推進した。さらに、反応の過程の間、pHを8.4〜8.7で維持するために、4Mのイソプロプルアミン溶液を必要に応じて装填した(一般に最低0.25L、または1.0モル当量)。
【0391】
  反応混合物を、solka  floc  65gを44〜46℃で装填することによってクエンチした。solka  flocを装填した後、pΗ2〜3に到達するまで、12Nの塩酸をこのバッチに装填した。この混合物を、44〜46℃およびpΗ2〜3で、少なくとも3時間撹拌した。次いでこの混合物を44〜46℃で濾過し、廃ケーキを0.01Nの塩酸(1.02L〜4.47L)で洗浄した。合わせた濾液および0.01Nの塩酸洗浄物を、15〜25℃に冷却し、次いで酢酸イソプロピル(IPAc)2.44Lを添加した。次いで見かけ上のpΗを、19Nの水酸化ナトリウムを用いて10.5〜11.5に調整した。次いでこの混合物を、15〜40℃でアジテートし、静置および分離した。頂部の有機層を確保し、次いでより下の水層を、IPAc  1.22Lを用いて15〜25℃で抽出した。次いで2つの有機抽出液を合わせ、水(0.20L〜1.23L)を用いて15〜40℃で洗浄した。最終的な有機層は、100g/Lでシタグリプチン遊離塩基の粗ストリーム4.07Lを生じ(407.31g、1.00モル)、これをリン酸シタグリプチン一水和物の調製において使用した。
【0392】
  シタグリプチン遊離塩基の粗ストリーム4.07Lを、20〜35℃で、真空下で1.68Lに濃縮し、次いで溶媒を、最低2.52Lのイソプロパノールを使用してイソプロパノールに替えた。この溶液に、最低0.27Lの水を装填することによって、すべての固体を溶解させた。水の添加は、結晶化の開始時に、一水和物の形成を増強する。リン酸水溶液(1.02モル)をこの溶液に添加し、次いで加熱して溶解させた。
【0393】
  次いでこの溶液を62〜68℃に冷却し、粉砕されたリン酸シタグリプチン一水和物(例えば、Microtrac分析で求めた場合、25〜45ミクロンの間の95パーセンタイルを伴った、10〜20ミクロンの平均体積)2.62gを播種し、62〜68℃で3〜6時間エージングさせた。スラリーを、最低2時間にわたって20〜25℃に冷却した。このスラリーに、温度を20〜25℃に維持しながら、最低2時間にわたってイソプロパノール0.48Lを装填した。次いでこのスラリーを、最低2時間にわたって−15℃〜20℃に冷却した。次いでこのスラリーを−15℃〜20℃で濾過し、ウェットケーキを、水性イソプロパノール(8wt%の最小含水量)で洗浄した。このウェットケーキを、真空で、45℃の最高温度で乾燥させることによって、リン酸シタグリプチン一水和物を得た。
【0394】
  (実施例17)
ケトアミド基質のシタグリプチンへの変換を増大させるための方法V
  以下の実施例は、ケトアミド基質のシタグリプチン遊離塩基生成物への変換を増大させるために使用される第5の大規模方法、および引き続くリン酸シタグリプチンの調製を例示する。一般に、この大規模方法は、実施例16において記載したのと同じ装置および条件を使用するが、以下に詳述するようないくつかの変更を伴う。
【0395】
  4Mのイソプロピルアミン溶液50.68L、水58.1L、およびトリエタノールアミン3.36Lを、20〜25℃で合わせることによって、バッファー溶液を調製した。次いでバッファーのpHを、12Nの塩酸を使用して、20〜25℃で8.8〜9.2に調整した。このバッチの混合物に、PLP  0.11kg、および配列番号110のトランスアミナーゼ酵素1.40kgを、20〜25℃で装填した。PLPおよび酵素を、アジテートしながら溶解させた(30分後に確認した)。次に、DMSO  61.76Lを、20〜46℃でこのバッチに装填した。次いでこのバッチを44〜46℃に加熱し、この温度になった後、4Mのイソプロピルアミン溶液を装填して、pHを8.4〜8.7に調整した。
【0396】
  ケトアミド基質(35.00kg)を、DMSO  41.18L中に溶解させ、このDMSO/ケトアミド溶液を、2〜3時間にわたってこのバッチに添加した。次いでこのバッチを、44〜46℃およびpΗ8.4〜8.7で、さらに12〜22時間反応させた。DMSO/ケトアミド溶液添加および後続のエージングの両方の間、アセトンを除去するために、反応器の圧力を変更した(アセトン除去のための一般的な圧力条件:約325〜350mmHgの真空、および約3〜6scfmの窒素のヘッドスペーススイープ)。さらに、反応の過程の間、pHを8.4〜8.7で維持するために、4Mのイソプロプルアミン溶液を必要に応じて装填した。反応変換結果の一般的な最後は、15〜17時間の合計反応時間の後に88〜93%であり、この時間は、DMSO/ケトアミド移動時間を含む。
【0397】
  反応は、水42L中のsolka  floc  スラリー5.60kgを装填することによってクエンチした。solka  flocを装填した後、pΗ2〜3に到達するまで、12Nの塩酸をこのバッチに装填した。反応物を、44〜46℃およびpΗ2〜3で、3時間撹拌した。次いでこのバッチを、44〜46℃で濾過し、廃ケーキを、0.01Nの塩酸溶液154Lで洗浄した。
【0398】
  合わせた濾液および洗浄液を15〜25℃に冷却し、次いで酢酸イソプロピル(IPAc)210Lを添加した。次いでこのバッチの見かけ上のpΗを、19Nの水酸化ナトリウムを用いて10.5〜11.5に調整した。次いでこの混合物を、15〜25℃でアジテートし、静置および分離した(抽出#1)。頂部の有機層を確保し、次いでより下の水層を、IPAc  105Lを用いて15〜25℃で抽出した(抽出#2)。次いで2つの有機抽出液を合わせ、水17.50Lを用いて32〜38℃で洗浄した(抽出#3)。最終的な有機層は、シタグリプチン遊離塩基の粗ストリーム29.44アッセイkgを生じた(約85.9%のアッセイ収率)。
【0399】
  100g/Lで294.40L(29.44kg、72.28モル)の遊離塩基の粗ストリームを、20〜35℃で、真空(30〜60mmHg)下で121.59Lに濃縮した。このバッチを、イソプロパノール182.39Lを使用して、イソプロパノールに溶媒スイッチした。このバッチに、水19.72Lを装填することによって、すべての固体を溶解させた。次いで、45wt%のリン酸水溶液15.87kgをこのバッチに添加し、これを72〜80℃に加熱して溶解させた。このバッチ溶液を62〜66℃に冷却し、ピン粉砕したリン酸シタグリプチン一水和物0.19kgを播種した。このバッチを62〜66℃で3時間エージングし、次いで2時間にわたって20〜25℃に冷却した。このバッチに、バッチ温度を20〜25℃に維持しながら、2時間にわたってイソプロパノール34.40Lを装填した。次いでこのバッチを、2時間にわたって−15℃〜0℃に冷却した。次いでこのスラリーを−15℃〜0℃で濾過し、ウェットケーキを、水性イソプロパノール(最低8wt%の水)70.05Lで洗浄した。このウェットケーキを、真空で、40℃で乾燥させることによって、リン酸シタグリプチン一水和物を得た(37.34物理的kg、約98%の収率)。
【0400】
  本願に引用されたすべての刊行物、特許、特許出願、および他の文献は、それぞれ個々の刊行物、特許、特許出願、または他の文献が、すべての目的ために参照により組み込まれていることが個々に示されているのと同じ程度に、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0401】
  様々な特定の実施形態を例示および説明してきたが、本発明(複数可)の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。