(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例について添付した図面と共に詳細に説明する。しかしながら、本発明は本実施例には限定されず、他の実施例に具現化することもできる。これら実施例は、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に本発明の例示された目的及び理解のために提供される。図面全体に亘って同一の符号は同一の構成要素を示す。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の実施例1に係る空気調和機の構成を例示した概略図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明の実施例1に係る空気調和機は、冷媒を圧縮する圧縮機2と、室内に設けられて冷房運転時に蒸発機の役割を果たし、暖房運転時に凝縮機の役割を果たす室内熱交換機4と、室外に設けられて冷房運転時に凝縮機の役割を果たし、暖房運転時に蒸発機の役割を果たす室外熱交換機10と、凝縮機を通過する冷媒を膨脹させる膨脹装置6、8と、圧縮機から吐出された冷媒が室内熱交換機4または室外熱交換機10に流れるように流路を切り換える四方バルブ9と、を含む。
【0017】
また、空気調和機は室内空間を冷暖房するためのヒートポンプを含む。
【0018】
図2は、本発明の実施例1に従って空気調和機が暖房運転を行っているときの
図1に図示された室外熱交換機10における冷媒の流れを示す概略図である。
図3は、本発明の実施例1に従って空気調和機が冷房運転を行っているときの室外熱交換機10における冷媒の流れを示す概略図である。
【0019】
図2及び
図3を参照すると、本発明の実施例1に係る室外熱交換機10は、複数の単位流路に区画された冷媒流路を備える。本実施例では、室外熱交換機10の冷媒流路が2つの単位流路に区画されているが、これには限定されず、2つ以上の単位流路に区画することもできる。本実施例では、室外熱交換機10の冷媒流路は第1単位流路20及び第2単位流路30に区画される。
【0020】
第1単位流路20の一方の側と第2単位流路30の一方の側は、第1並列連結流路50により互いに並列連結され、第1単位流路20の他方の側と第2単位流路30の他方の側は、第2並列連結流路60により互いに並列連結される。
【0021】
第1並列連結流路50には第1単位流路20及び第2単位流路30に各々対応する第1分配機51及び第2分配機52が設けられている。
【0022】
第1分配機51は暖房運転時に室外熱交換機10に流入する冷媒を第1単位流路20の内部に分配し、第2分配機52は暖房運転時に室外熱交換機10に流入する冷媒を第2単位流路30の内部に分配する。
【0023】
第1並列連結流路50は、室外熱交換機10の出入口及び第1分配機51を連結する第1分配機連結流路50aと、室外熱交換機10の出入口及び第2分配機52を連結する第2分配機連結流路50bと、を含む。
【0024】
第2並列連結流路60には、第1単位流路20及び第2単位流路30に対応する部分に第1ヘッダ61及び第2ヘッダ62が各々設けられている。
【0025】
分配機及びヘッダを設ける位置は変更できる。しかしながら、分配機を液体冷媒が流入する側に設け、ヘッダを気体状態の冷媒が流入する側に設けることが好ましいため、分配機を暖房運転時に2相の冷媒が流入する第1出入口11側に配置し、ヘッダを冷房運転時に気体状態の冷媒が流入する第2出入口12側に配置することが好ましい。
【0026】
室外熱交換機10は流路を切り換える流路切換手段を更に備え、第1並列連結流路50、第2並列連結流路60、及び後述する直列連結流路70を冷房運転を行うか、暖房運転を行うかによって選択的に使用できる。
【0027】
流路切換手段の切換は制御装置により実行される。このような制御装置は、マイクロプロセッサ、カスタムチップ、論理回路等により構成することができる。
【0028】
流路切換手段は、第1並列連結流路50、第2並列連結流路60、直列連結流路70のうちの少なくともいずれか1つに設けられて、流路を開閉する開閉バルブを含むことができる。また、流路切換手段は冷媒の流れを一方向のみに制限する逆止弁を含むことができる。
【0029】
流路切換手段は、後述する並列連結バルブ64、直列連結バルブ72、及び逆流遮断用バルブ54を含む。
【0030】
第2並列連結バルブ64は、第2並列連結流路60に設けられている。また、第2並列連結バルブ64は、冷房運転時に第2並列連結流路60を閉鎖し、暖房運転時に第2並列連結流路60を開放する。並列連結バルブ64の開閉は制御装置により行なわれる。
【0031】
暖房運転時に、並列連結バルブ64は、第1ヘッダ61と第2ヘッダ62とを互いに連通して第2並列連結流路60を開放することができる。冷房運転時に、並列連結バルブ64は、第2並列連結流路60を閉鎖して第1ヘッダ61を通過する冷媒が第2ヘッダ62側に流入しないようにすることができる。本実施例において、並列連結バルブ64として逆止弁が使用される。この逆止弁は、第2ヘッダ62から第1ヘッダ61に向かう方向のみに冷媒の流れを制限する。
【0032】
第1及び第2ヘッダ61、62は、第1並列連結流路50に設けることができ、第1及び第2分配機51、52は第2並列連結流路60に設けることができる。しかしながら、分配機はヘッダ側より液状の冷媒が通過する側に設けることが望ましい。
【0033】
室外熱交換機10は、第1及び第2単位流路20、30を互いに直列に連結する直列連結流路70を更に含む。
【0034】
直列連結流路70は、冷房運転時、第1単位流路20を通過する冷媒が第2単位流路30の入口側にバイパスされるように形成される。即ち、直列連結流路70は、第1分配機流路50aでバイパスされて第2ヘッダ62に連結される。
【0035】
直列連結バルブ72は直列連結流路70に設けられている。この直列連結バルブ72は、冷房運転時に直列連結流路70を開放し、暖房運転時に直列連結流路70を閉鎖する。
【0036】
第1並列連結流路50には逆流遮断用バルブ54が設けられている。この逆流遮断用バルブ54は、冷房運転時、第1単位流路20を通過した冷媒が第2単位流路30の出口側に逆流することを防止する。即ち、逆流遮断用バルブ54は第1及び第2分配機流路50a、50bの間に設けられ、逆止弁が逆流遮断用バルブ54として使用できる。
【0037】
図4は、本発明の実施例1に従って空気調和機が暖房運転を行っているときの室外熱交換機の単位流路及び流路長を例示する概略図である。
図5は、本発明の実施例1に従って空気調和機が冷房運転を行っているときの室外熱交換機の単位流路及び流路長を例示した概略図である。
【0038】
図4を参照すると、空気調和機が暖房運転を行っているときに第1及び第2単位流路20、30が互いに並列連結され、これによって冷媒が通過する流路の個数N
hは、第1単位流路20の流路の個数N1と第2単位流路30の流路の個数N2との合計に等しい。冷媒が通過する流路の長さL
hは、第1単位流路20の流路長L1に等しい。ここで、冷媒が通過する流路の個数が、冷媒が流入する入口の個数、または冷媒が吐出される出口の個数と同一であるので、流路の個数は入口の個数や出口の個数として説明できる。しかしながら、以下では説明の便宜のために、流路の個数をN
hとして説明する。
【0039】
図5を参照すると、空気調和機の冷房運転時に、第1及び第2単位流路20、30が互いに直列に連結されて、これによって、冷媒が通過する流路の個数N
cは、第1単位流路20の流路の個数に等しくなる(N1=N2)。また、冷媒が通過する流路の長さL
cは、第1単位流路20の長さL1と第2単位流路30の長さL2との合計に等しい。
【0040】
本実施例において、室外熱交換機10の総冷媒流路は、第1及び第2単位流路20、30に区画される。即ち、第1単位流路20の長さL1と、第2単位流路の長さL2は同一である。
【0041】
冷房運転時には、第1及び第2単位流路20、30が互いに直列連結されるため、冷房運転時に冷媒が通過する流路の個数N
cは、暖房運転時の流路の個数より少なく、冷房運転時に冷媒が通過する流路の長さL
cは、暖房運転時の流路の長さより長い。したがって、凝縮機としての役割を果たす室外熱交換機10を通過する冷媒の流速を増加させることができる。
【0042】
また、暖房運転時には、第1及び第2単位流路20、30が互いに並列連結されるため、暖房運転時に冷媒が通過する流路の個数N
hは、冷房運転時の流路の個数より多く、暖房運転時に冷媒が通過する流路の長さL
hは、冷房運転時の流路の長さより短い。したがって、蒸発機としての役割を果たす室外熱交換機10を通過する冷媒の流速を減少させることができる。
【0043】
図6は、室外熱交換機における、冷媒が通過する流路の個数と性能との関係を例示したグラフである。
【0044】
図6を参照すると、暖房運転時に冷媒が通過する流路の個数N
hが増加するほど、室外熱交換機の性能は向上する。暖房運転時に冷媒が通過する流路の個数の増加は、冷媒が通過する流路の長さが短くなるということを意味する。
【0045】
冷房運転時に冷媒が通過する流路の個数N
cが、暖房運転時の流路の個数N
hより小さいとき、室外熱交換機の最適な性能が得られる。即ち、冷房運転時の流路の長さが暖房運転時の流路の長さより長いとき、室外熱交換機の最適な性能が得られる。
【0046】
暖房運転時に最適な性能が得られる流路の個数と、冷房運転時に最適な性能が得られる流路の個数とが互いに異なるため、冷房運転か暖房運転かによって流路の個数及び長さを適切に変えることによって、最適な性能を確保することができる。
【0047】
本発明の実施例1に係る室外熱交換機の動作について以下の通り説明する。
【0048】
図2を参照すると、本発明の実施例1に係る空気調和機の暖房運転時において、室外熱交換機10は蒸発機として使用される。
【0049】
気体と液体とが混合した低温低圧状態の2相の冷媒は、室外熱交換機10の第1出入口11を通じて流入し、その後、第1並列連結流路50を通じて第1及び第2分配機51、52に流入する。
【0050】
直列連結バルブ72が直列連結流路70を閉鎖するため、冷媒は第1並列連結流路50側のみに流入できる。即ち、第1及び第2単位流路20、30は、第1並列連結流路50により互いに並列連結される。
【0051】
第1分配機51は冷媒を第1単位流路20に分配し、第2分配機は冷媒を第2単位流路30に分配する。
【0052】
第1単位流路20を通過しながら蒸発した冷媒は、第1ヘッダ61で集められた後、室外熱交換機10の第2出入口12を通じて外部に吐出される。
【0053】
第2単位流路30を通過しながら蒸発した冷媒は、第2ヘッダ62で集められて、第2並列連結流路60を通じて第1ヘッダ61側に移動した後、外部に吐出される。
【0054】
第2並列連結流路60は、第2出入口12に連結しているので、第1及び第2ヘッダ61、62を通過する冷媒は、第2並列連結流路60を通じて第2出入口12から吐出される。
【0055】
上記のように、冷媒が第1及び第2単位流路20、30を各々通過するため、冷媒が通過する流路の個数は、第1単位流路20の流路の個数と第2単位流路30の流路の個数との合計に等しい。したがって、暖房運転時に冷媒が通過する流路の個数は、冷房運転時の流路の個数より多く、暖房運転時に冷媒が通過する流路の長さは、冷房運転時の流路の長さより短くなる。
【0056】
即ち、室外熱交換機10で蒸発を遂行する過程で気体状態に変わった冷媒の流速が増加するので、冷媒が通過する流路の長さは相対的に短く設定されて、冷媒の流速を減少させることができるので、効率を向上させることができる。また、蒸発圧力降下が防止されるので、空気調和機の圧力を上昇させることができ、これによって、空気調和機の全体的な効率を向上させることができる。
【0057】
図3を参照すると、本発明の実施例1に係る空気調和機の冷房運転時において、室外熱交換機10は凝縮機として使用される。
【0058】
高温高圧状態で気体状態である冷媒が、第1室外熱交換機10の第2出入口12を通じて流入する。冷媒は、第1ヘッダ61を通じて第1単位流路20に流入する。
【0059】
第2並列連結流路60には並列連結バルブ64が設けられて、第1ヘッダ61から第2ヘッダ62側に冷媒が流れることを防止する。したがって、第1ヘッダ61に流入した冷媒は、第2ヘッダ62側に流入せず、第1単位流路20のみに流入する。
【0060】
第1単位流路20を通過する冷媒は、第1分配機51及び第1分配機流路50aを通じて順次に通過し、直列連結流路70を通じて第2ヘッダ62に流入する。この際、直列連結バルブ72が開放されて、冷媒は直列連結流路70を通過できる。また、逆流遮断用バルブ54は冷媒が第2分配機流路50b側に流入するのを防止することができる。
【0061】
即ち、直列連結バルブ72が開放されれば、第1及び第2単位流路20、30は直列連結流路70により互いに直列連結される。
【0062】
したがって、第1単位流路20を通過する冷媒は、直列連結流路70を通じて第2ヘッダ62に流入し、第2単位流路30を通過する。第2単位流路30を通過しながら凝縮された冷媒は、室外熱交換機10の第1出入口11を通じて外部に吐出される。
【0063】
上記のように、冷房運転時において、冷媒が第1単位流路20を通過した後、第2単位流路30を通過するので、冷媒が通過する流路の個数は半分に減り、冷媒が通過する流路の長さは第1単位流路20の長さと第2単位流路30の長さとの合計に等しく、これは暖房運転時の流路の長さより長い。
【0064】
液体状態に変わった冷媒の流速は、室外熱交換機10で凝縮を行なう過程で相対的に減少する。本実施例において、冷媒が通過する流路の長さが増加するので、冷媒の流速を増加させることができ、熱交換効率を向上させることができる。
【実施例2】
【0065】
図7は、本発明の実施例2に従って空気調和機が暖房運転を行っているときの室外熱交換機における冷媒の流れを例示した概略図である。
図8は、本発明の実施例2に従って空気調和機が冷房運転を行っているときの室外熱交換機における冷媒の流れを例示した概略図である。
【0066】
図7及び
図8を参照すると、本発明の実施例2に係る室外熱交換機100の構成要素及び動作は、第1及び第2単位流路20、30が第1及び第2並列連結流路50、60により互いに並列連結され、第1開閉バルブ101が第1並列連結流路50で第1分配機連結流路50aと第2分配機連結流路50bとの間に設けられ、第2開閉バルブ102が第2並列連結流路60に設けられていることを除いて、実施例1と同一である。第1開閉バルブ101及び第2開閉バルブ102の開閉は、制御装置により行なわれる。同一の構成要素は同一の符号で表示され、その詳細な説明は省略する。
【0067】
図7を参照すると、暖房運転時に、第1開閉バルブ101は第1分配機連結流路50aと第2分配機連結流路50bとの間を開放し、第2開閉バルブ102は第2並列連結流路60を開放する。この際、直列連結バルブ72は直列連結流路70を閉鎖する。直列連結バルブ72の開閉は制御装置により行なわれる。
【0068】
したがって、第1及び第2単位流路20、30は互いに並列に連結される。
【0069】
図8を参照すると、冷房運転時に、第1開閉バルブ101は第1分配機連結流路50aと第2分配機連結流路50bとの間を閉鎖し、第2開閉バルブ102は第2並列連結流路60を閉鎖する。この際、直列連結バルブ72は直列連結流路70を開放する。
【0070】
したがって、第1及び第2単位流路20、30の並列連結は解除され、第1及び第2単位流路20、30は直列連結流路70により互いに直列に連結される。
【0071】
第1開閉バルブ101及び第2開閉バルブ102は冷房運転を行うか、暖房運転を行うかによって制御されるので、第1及び第2単位流路20、30の直列または並列連結を第1及び第2単位流路20、30の並列または直列連結に切り替えることが容易である。
【実施例3】
【0072】
図9は、本発明の実施例3に従って空気調和機が暖房運転を行っているときの室外熱交換機における冷媒の流れを例示した概略図である。
図10は、本発明の実施例3に従って空気調和機が標準冷房運転を行っているときの室外熱交換機における冷媒の流れを例示した概略図である。
図11は、本発明の実施例3に従って空気調和機が低温冷房運転を行っているときの室外熱交換機における冷媒の流れを例示した概略図である。
【0073】
図9乃至
図11を参照すると、本発明の実施例3に係る室外熱交換機110の構成要素及び動作は、第1及び第2単位流路20、30が第1及び第2並列連結流路50、60により互いに並列に連結され、第1並列連結流路50における第1分配機連結流路50aと第2分配機連結流路50bとの間に第1並列連結バルブ111が設けられ、第2並列連結流路60には第2並列連結バルブ112が設けられ、第2分配機連結流路50bには開閉バルブ113が設けられていることを除いて、本発明の実施例1と同一である。第1並列連結バルブ111、第2並列連結バルブ112、及び開閉バルブ113の開閉は、制御装置により行なわれる。同一の構成要素は同一の符号で表示され、その詳細な説明は省略する。
【0074】
図9を参照すると、暖房運転時において、第1並列連結バルブ111は第1分配機連結流路50aと第2分配機連結流路50bとの間を開放し、第2並列連結バルブ112は第2並列連結流路60を開放する。また、開閉バルブ113は第2分配機連結流路50bを開放する。この際、直列連結バルブ72は直列連結流路70を閉鎖する。直列連結バルブ72の開閉は制御装置により行なわれる。
【0075】
したがって、第1及び第2単位流路20、30は互いに並列に連結され、室外熱交換機110の第1出入口11を通じて流入した冷媒は第1及び第2分配機連結流路50a、50bを通じて第1及び第2単位流路20、30に流入する。
【0076】
図10を参照すると、冷房運転時において、第1並列連結バルブ111は第1分配機連結流路50aと第2分配機連結流路50bとの間を閉鎖し、第2並列連結バルブ112は第2並列連結流路60を閉鎖する。また、開閉バルブ113は第2分配機連結流路50bを閉鎖する。直列連結バルブ72は直列連結流路70を開放する。
【0077】
したがって、第1及び第2単位流路20、30の並列連結は解除され、第1及び第2単位流路20、30は直列連結流路70により互いに直列に連結される。
【0078】
室外熱交換機110の第2出入口12を通じて流入した冷媒は、第1単位流路20を通過し、第1単位流路20から吐出される冷媒は、第1分配機連結流路50a及び直列連結流路70を通じて第2単位流路30に流入する。
【0079】
したがって、第1及び第2並列連結バルブ111、112は冷房運転を行うか、暖房運転を行うかによって制御されるため、第1及び第2単位流路20、30の直列連結または並列連結を第1及び第2単位流路20、30の並列連結または直列連結に切り替えることが容易である。
【0080】
図11を参照すると、本発明の実施例3に係る室外熱交換機110は室外温度が低いとき、室内冷房運転のような負荷の少ない低温運転時において、第1及び第2単位流路20、30のうちのいずれか一つの流路のみを使用することができる。本実施例において、第1単位流路20は低温運転時に使用される。
【0081】
図11に示すように、第1並列連結バルブ111は第1並列連結流路50を開放し、開閉バルブ113は第2分配機連結流路50bを閉鎖する。直列連結バルブ72は直列連結流路70を閉鎖する。
【0082】
室外熱交換機110の第2出入口12に流入した冷媒は、第1ヘッダ61及び第1単位流路20を通じて第1分配機連結流路50aに流れる。第1単位流路20で凝縮された冷媒は第1並列連結バルブ111を通過し、室外熱交換機110の第1出入口11を通じて外部に吐出される。即ち、負荷の少ない低温冷房の場合、第1単位流路20から吐出される冷媒は直列連結流路70にバイパスされない。また、第1単位流路20から吐出された冷媒は第1分配機連結流路50b側に流れず、室外熱交換機110の外部に直ぐ吐出される。
【0083】
本実施例において、室外熱交換機110の冷媒流路は2つの単位流路に区画される。しかしながら、室外熱交換機110の冷媒流路が複数の単位流路に区画される場合には、一部の単位流路を室外熱交換機110の負荷によって選択的に使用することができる。
【実施例4】
【0084】
図12は、本発明の実施例4に従って空気調和機が暖房運転を行っているときの室外熱交換機における冷媒の流れを例示した概略図である。
図13は、本発明の実施例4に従って空気調和機が冷房運転を行っているときの室外熱交換機における冷媒の流れを例示した概略図である。
【0085】
図12及び
図13を参照すると、本発明の実施例4に係る室外熱交換機120の構成要素及び動作は、第1及び第2単位流路20、30が第1及び第2並列連結流路50、60により互いに並列に連結され、室外熱交換機120が、第1及び第2単位流路20、30が互いに直列に連結されるように第1並列連結流路50でバイパスされた直列連結流路70を更に含み、冷房運転を行うか、暖房運転を行うかによって流路を直列または並列に切り換える四方バルブ121が直列連結流路70及び第1並列連結流路50の連結地点に設けられていることを除いて、本発明の実施例1と同一である。四方バルブ121の切り換えは制御装置により行なわれる。同一の構成要素は同一の符号で表示され、その詳細な説明は省略する。
【0086】
図12を参照すると、暖房運転時において、四方バルブ121は第1及び第2分配機連結流路50a、50bが互いに連結されるように動作する。四方バルブ121は直列連結流路70の連結が解除されるように動作する。したがって、第1及び第2単位流路20、30は第1及び第2分配機連結流路50a、50bにより互いに並列に連結される。
【0087】
室外熱交換機120の第1出入口11を通じて流入した冷媒は、第1及び第2分配機連結流路50a、50bを通じて第1及び第2単位流路20、30に各々流入する。
【0088】
図13を参照すると、冷房運転時において、四方バルブ121は第1分配機連結流路50aが直列連結流路70に連結されるように動作する。また、四方バルブ121は、第2分配機連結流路50bとの連結が解除されるように動作する。したがって、第1及び第2単位流路20、30は直列連結流路70により互いに直列に連結される。
【0089】
第1単位流路20を通過しながら凝縮された冷媒は、直列連結流路70を通じて第2単位流路30に流入して凝縮された後、室外熱交換機120の外部に吐出される。
【0090】
四方バルブ121が使用されるので、第1単位流路20から吐出される冷媒が第2単位流路30の出口側に逆流することを防止する別途の逆止弁を必要としない。したがって、室外熱交換機は簡単な構成となり、室外熱交換機を容易に制御することができる。
【実施例5】
【0091】
図14は、本発明の実施例5に従って空気調和機が暖房運転を行っているときの室外熱交換機における冷媒の流れを例示した概略図である。
図15は、本発明の実施例5に従って空気調和機が冷房運転を行っているときの室外熱交換機における冷媒の流れを例示した概略図である。
【0092】
図14及び
図15を参照すると、本発明の実施例5に係る室外熱交換機200の構成要素及び動作は、冷媒流路が4個の単位流路に区画されて、4個の単位流路が暖房運転時に互いに並列に連結され、冷房運転時に互いに直列に連結されることを除いて、本願発明の実施例1と同一である。したがって、同一の構成要素は同一の符号で表示し、その詳細な説明は省略する。
【0093】
4個の単位流路は、第1乃至第4単位流路210、220、230、240を含む。第1乃至第4単位流路210、220、230、240の一方の側には、第1乃至第4分配機211、221、231、241が各々設けられ、他方の側には、第1乃至第4ヘッダ212、222、232、242が各々設けられている。
【0094】
第1乃至第4分配機211、221、231、241には、第1乃至第4分配機連結流路211a、221a、231a、241aが各々連結される。第1乃至第4分配機211、221、231、241は、第1乃至第4分配機連結流路211a、221a、231a、241aに互いに並列に連結される。
【0095】
第1ヘッダ212及び第2ヘッダ222は、第1ヘッダ連結流路250に連結され、第1並列連結バルブ251が第1ヘッダ連結流路250に設けられている。第1並列連結バルブ251は、冷房運転時に第1ヘッダ連結流路250を閉鎖し、暖房運転時に第1ヘッダ連結流路250を開放する。第1並列連結バルブ251として逆止弁が使用できる。
【0096】
第2ヘッダ222及び第3ヘッダ232は第2ヘッダ連結流路260に連結され、第2ヘッダ連結流路260には第2並列連結バルブ261が設けられている。第2並列連結バルブ261は、冷房運転時に第2ヘッダ連結流路260を閉鎖し、暖房運転時に第2ヘッダ連結流路260を開放する。第2並列連結バルブ261として逆止弁が使用できる。
【0097】
第3ヘッダ232及び第4ヘッダ242は第3ヘッダ連結流路270に連結され、第3ヘッダ連結流路270には第3並列連結バルブ271が設けられている。第3並列連結バルブ271は、冷房運転時に第3ヘッダ連結流路270を閉鎖し、暖房運転時に第3ヘッダ連結流路270を開放する。第3並列連結バルブ271として逆止弁が使用できる。
【0098】
第1並列連結バルブ251、第2並列連結バルブ261、及び第3並列連結バルブ271の開閉は制御装置により行なわれる。
【0099】
室外熱交換機200は、第1分配機連結流路211aでバイパスされて第1及び第2単位流路210、220を互いに直列に連結する第1直列連結流路310と、第2分配機連結流路221aでバイパスされて第2及び第3単位流路220、230を互いに直列に連結する第2直列連結流路320と、第3分配機連結流路231aでバイパスされて第3及び第4単位流路230、240を互いに直列に連結する第3直列連結流路330と、を更に含む。
【0100】
第1直列連結流路310には第1直列連結バルブ311が設けられている。第1直列連結バルブ311は冷房運転時のみにおいて第1直列連結流路310を開閉する。
【0101】
第2直列連結流路320には第2直列連結バルブ321が設けられている。第2直列連結バルブ321は冷房運転時のみにおいて第2直列連結流路320を開閉する。
【0102】
第3直列連結流路330には第3直列連結バルブ331が設けられている。第3直列連結バルブ331は冷房運転時のみにおいて第3直列連結流路330を開閉する。
【0103】
第1直列連結バルブ311、第2直列連結バルブ321、及び第3直列連結バルブ331の開閉は制御装置により行なわれる。
【0104】
第1分配機連結流路211aと第2分配機連結流路221aとの間には第1開閉バルブ251が設けられている。第1開閉バルブ251は、第1単位流路210から吐出された冷媒が冷房運転時に第2単位流路220の入口側に逆流することを防止する。
【0105】
第2分配機連結流路221aと第3分配機連結流路231aとの間には第2開閉バルブ252が設けられている。第2開閉バルブ252は、第2単位流路220から吐出される冷媒が冷房運転時に第3単位流路230の出口側に逆流することを防止する。
【0106】
第3分配機連結流路231aと第4分配機連結流路241aとの間には第3開閉バルブ253が設けられている。第3開閉バルブ253は、第3単位流路230から吐出される冷媒が冷房運転時に第4単位流路240の出口側に逆流することを防止する。
【0107】
第1開閉バルブ251、第2開閉バルブ252、及び第3開閉バルブ253の開閉は、制御装置により行なわれる。
【0108】
上記のように構成された本発明の実施例5に係る室外熱交換機の動作は、次の通りである。
【0109】
図14を参照すると、暖房運転時に室外熱交換機200の第1出入口201を通じて流入した冷媒は、第1乃至第4分配機連結流路211a、221a、231a、241aを通じて第1乃至第4単位流路210、220、230、240に流入して凝縮された後、第1乃至第4ヘッダ212、222、232、242を通じて室外熱交換機200の外部に吐出される。
【0110】
第1乃至第3直列連結バルブ311、321、331は、第1乃至第3直列連結流路310、320、330を各々閉鎖するので、第1乃至第4単位流路210、220、230、240は互いに直列に連結されず、互いに並列に連結される。
【0111】
第1乃至第4単位流路210、220、230、240が互いに並列に連結されることによって、冷媒が通過する流路の長さは短く、流路の個数は増加する。したがって、暖房運転時において、熱交換効率を向上させることができる。
【0112】
図15を参照すると、冷房運転時に第1乃至第3直列連結バルブ311、321、331は、第1乃至第3直列連結流路310、320、330を各々開放して、第1乃至第4単位流路210、220、230、240は互いに直列に連結される。
【0113】
室外熱交換機200の第2出入口202を通じて流入した冷媒は、第1ヘッダ212を通じて第1単位流路210に流入して凝縮された後、第1直列連結流路310にバイパスされる。このバイパスされた冷媒は第2ヘッダ222を通じて第2単位流路220に流入して凝縮される。
【0114】
第2単位流路220から吐出される冷媒は、第2直列連結流路320にバイパスされ、第3ヘッダ232を通じて第3単位流路230に流入して凝縮される。
【0115】
第3単位流路230から吐出される冷媒は、第3直列連結流路330にバイパスされ、第4ヘッダ242を通じて第4単位流路240に流入して凝縮される。
【0116】
第4単位流路240から吐出される冷媒は、室外熱交換機200の第1出入口を通じて外部に吐出される。
【0117】
上記のように、第1乃至第4単位流路210、220、230、240は、冷房運転を行うか、暖房運転を行うかによって互いに直列または並列に連結できるので、冷房運転を行うか、暖房運転を行うかに関わらず、常に最適な熱交換性能を得ることができる。
【0118】
実施例5は4個の単位流路が暖房運転時に互いに並列に連結され、冷房運転時に互いに直列に連結されるように記載したが、空気調和機はこれら2つの特定の構成で動作するように構成される必要はない。例えば、他の実施例において、空気調和機は少なくとも2つの単位流路が互いに並列に連結され、残りの単位流路が並列にまたは直列に連結されるように構成することができる。同様に、少なくとも2つの単位流路は直列に連結され、残りの単位流路が直列または並列に連結されないことがある。空気調和機は4個の単位流路に限定せず、4個以上または4個より少ない数の単位流路を含むことができる。
【0119】
以上、本発明はについて、好ましい実施例について説明した。本発明の技術分野に熟練した者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、各種の変更案を作成することができることは自明である。また、本発明は特定の条件及び特定の応用例について説明したが、本技術分野に熟練した者であれば、これらに制限されず、各種の条件及び具現化に有益に利用できることは明らかである。これによって、上述の説明及び図面は限定的ではなく、例示的なものと見なされなければならない。