(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034472
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】多部品出力構造体及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20161121BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20161121BHJP
H01L 23/473 20060101ALI20161121BHJP
B23K 20/00 20060101ALI20161121BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/46 Z
B23K20/00 310L
B23K20/00 310M
H05K7/20 N
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-223076(P2015-223076)
(22)【出願日】2015年11月13日
(62)【分割の表示】特願2012-125792(P2012-125792)の分割
【原出願日】2012年6月1日
(65)【公開番号】特開2016-66806(P2016-66806A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2015年12月11日
(31)【優先権主張番号】13/150,645
(32)【優先日】2011年6月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジョセフ ロバート
【審査官】
小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−179336(JP,A)
【文献】
特開2001−230351(JP,A)
【文献】
米国特許第07390735(US,B1)
【文献】
特開昭63−194879(JP,A)
【文献】
特開2002−224882(JP,A)
【文献】
特開2003−086747(JP,A)
【文献】
特開2010−283169(JP,A)
【文献】
米国特許第06992887(US,B1)
【文献】
米国特許第07023089(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0112201(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0220704(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
B23K 20/00
H01L 23/473
H01L 25/18
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多部品出力構造体を形成する方法であって、
半導体ダイ、第一の金属層と第二の金属層を有する絶縁性基板、液体冷却用の密閉された通路を有するサーマルデバイス、及び母材系を準備すること、ここでこの母材系は比較的融点の低い低温材料と比較的融点の高い高温材料を含み、この比較的低い融点は比較的高い融点よりも低い、
導電性及び熱伝導性である第一の一時的液相ボンドにより半導体ダイと絶縁性基板の第一の金属層を結合させること、
絶縁性基板の第二の金属層を母材系の高温材料の第一の層でコートすること、
サーマルデバイスの表面を母材系の高温材料の第二の層でコートすること、
絶縁性基板の第二の金属層とサーマルデバイスの間に母材系を固定すること、
母材系を比較的低い融点よりも高く、比較的高い融点よりも低い温度に加熱して低温材料を液化させること、
母材系を拡散活性化温度に加熱して、液化した低温材料を高温材料中に拡散させること、及び
母材系を最大温度に加熱して母材系を固化させかつ導電性及び熱伝導性である第二の一時的液相ボンドを形成すること
を含む方法。
【請求項2】
母材系の高温材料の第一の層及び母材系の高温材料の第二の層が電気メッキ、無電解メッキ、又はスパッタ蒸着により形成される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に層状プレフォームを配置することをさらに含み、この層状プレフォームが母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に配置された高温材料の第三の層を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に1つの合金プレフォームを配置することをさらに含み、この1つの合金プレフォームが低温材料を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間にペーストを配置することをさらに含み、このペーストが低温材料を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記ペーストが高温材料を含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
母材系の高温材料の第一の層及び/又は母材系の高温材料の第二の層に母材系の低温材料の層をコートすることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記サーマルデバイスがアルミニウムより形成されている、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記多部品出力構造体が約−40℃〜約200℃の作動温度で作動可能である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記高温材料がAu、Ag、Ni、又はCuを含み、前記低温材料がSn又はInを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記第二の一時的液相ボンドが比較的低い融点よりも高い融点を有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
約−40℃〜約200℃の作動温度を有する多部品出力構造体を形成する方法であって、
比較的融点の低い低温材料と比較的融点の高い高温材料を含む母材系を準備すること、ここでこの比較的低い融点は比較的高い融点よりも低い、
多部品出力構造体を構成する第一の出力部品の第一の表面を母材系の高温材料の第一の層でコートすること、
サーマルデバイスの第二の表面を母材系の高温材料の第二の層でコートすること、ここでこの母材系の高温材料の第一の層及び母材系の高温材料の第二の層は、母材系を構成する前に電気メッキ、無電解メッキ、又はスパッタ蒸着により形成されている、
サーマルデバイスと第一の出力部品の間に母材系を固定すること、ここでサーマルデバイスは液体冷却用の密閉された通路を有する、
母材系を比較的低い融点よりも高く、比較的高い融点よりも低い温度に加熱して低温材料を液化させること、
母材系を拡散活性化温度に加熱して、液化した低温材料を高温材料中に拡散させること、及び
母材系を最大温度に加熱して母材系を固化させかつ導電性及び熱伝導性である第一の一時的液相ボンドを形成すること、
第二の一時的液相ボンドを形成して第一の出力部品と第二の出力部品を結合させること、ここで第二の一時的液相ボンドは導電性及び熱伝導性であり、第一の一時的液相ボンド及び第二の一時的液相ボンドは、第一の一時的液相ボンドと第二の一時的液相ボンドの一方が加熱され、第一の一時的液相ボンドと第二の一時的液相ボンドのもう一方が形成されるように順次に形成される、
を含む方法。
【請求項13】
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に層状プレフォームを配置することをさらに含み、この層状プレフォームが母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に配置された高温材料の第三の層を含む、請求項12記載の方法。
【請求項14】
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に1つの合金プレフォームを配置することをさらに含み、この1つの合金プレフォームが低温材料を含む、請求項12記載の方法。
【請求項15】
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間にペーストを配置することをさらに含み、このペーストが低温材料を含む、請求項12記載の方法。
【請求項16】
母材系の高温材料の第一の層及び/又は母材系の高温材料の第二の層に母材系の低温材料の層をコートすることをさらに含む、請求項12記載の方法。
【請求項17】
第一の出力部品が電気的相互接続、半導体デバイス、絶縁性基板、又はベースプレートである、請求項12記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に用いるための多部品出力構造体及びその形成方法に関し、詳細には、一時的液相ボンドにより結合した多部品出力構造体及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーエレクトロニクスモジュールの出力密度及び半導体デバイスの作動温度が高まるにつれ、好適な温度許容性結合メカニズム及び材料選択の数が低下している。鉛を含まない結合及び結合界面におけるより高い融点への傾向のため、電子構造体でははんだ付け結合法離れが進んでいる。電子構造体を結合する他の方法として拡散をベースとする結合法が浮上している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、拡散をベースとする結合により結合された多部品出力構造体及びその形成方法に対する要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、電気自動車に用いるための多部品出力構造体の形成方法は、半導体ダイ、第一の金属層と第二の金属層を有する絶縁性基板、及び液体冷却用の密閉された通路を有するサーマルデバイスを準備することを含む。半導体ダイと絶縁性基板の第一の金属層は導電性及び熱伝導性である第一の一時的液相ボンドにより結合され得る。絶縁性基板の第二の金属層とサーマルデバイスの間に母材系が固定される。この母材系は比較的融点の低い低温材料と比較的融点の高い高温材料を含んでよい。この比較的低い融点は比較的高い融点よりも低くてよい。母材系は、比較的低い融点よりも高く、比較的高い融点よりも低い温度に加熱され、低温材料が高温材料中に拡散される。母材系は固化されて導電性及び熱伝導性である第二の一時的液相ボンドを形成する。
【0005】
他の態様において、電気自動車に用いるための多部品出力構造体を形成する方法は、比較的融点の低い低温材料と比較的融点の高い高温材料を含む母材系を準備することを含む。この多部品出力構造体は、約−40℃〜約200℃の作動温度を有する。この比較的低い融点は比較的高い融点よりも低くてよい。多部品出力構造体を構成する第一の出力部品の第一の表面は母材系の高温材料の第一の層でコートしてよい。サーマルデバイスの第二の表面は母材系の高温材料の第二の層でコートしてよい。この母材系の高温材料の第一の層及び母材系の高温材料の第二の層は、母材系を構成する前に電気メッキ、無電解メッキ、又はスパッタ蒸着により形成してよい。サーマルデバイスと第一の出力部品の間に母材系を固定してよい。サーマルデバイスは液体冷却用の密閉された通路を有する。母材系は比較的低い融点よりも高くかつ比較的高い融点よりも低い温度に加熱され、低温材料が高温材料中に拡散される。母材系は固化されて導電性及び熱伝導性である第一の一時的液相ボンドを形成する。第二の一時的液相ボンドが形成され、第一の出力部品と第二の出力部品が結合される。第二の一時的液相ボンドは導電性及び熱伝導性であり、第一の一時的液相ボンド及び第二の一時的液相ボンドは、第一の一時的液相ボンドと第二の一時的液相ボンドの一方が加熱され、第一の一時的液相ボンドと第二の一時的液相ボンドのもう一方が形成されるように順次に形成される。
【0006】
他の態様において、電気自動車に用いるための多部品出力構造体は、絶縁性基板、半導体ダイ、ベースプレート及びサーマルデバイスを含む。この絶縁性基板は第一の金属層及び第二の金属層を含む。この絶縁性基板は第一の金属層を第二の金属層から電気的に絶縁している。半導体ダイは、導電性かつ熱伝導性である第一の一時的液相ボンドにより絶縁性基板の第一の金属層に結合している。ベースプレートは、導電性かつ熱伝導性である第二の一時的液相ボンドにより絶縁性基板の第二の金属層に結合している。サーマルデバイスは、導電性かつ熱伝導性である第三の一時的液相ボンドによりベースプレートに結合している。このサーマルデバイスはその内部に熱流体を有する密閉通路を含む。この多部品出力構造体は約−40℃〜約200℃の温度で作動可能であり、電気インバーター又はDC−DCコンバーターである。
【0007】
個々に記載の態様により与えられるこれら及び他の特徴は、図面と共に以下の詳細な記載を参照してさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面に示す態様は単なる説明であり、請求の範囲に規定の事項を限定するものではない。
【0009】
【
図1】1以上の態様に係る多部品出力構造体を示す略図である。
【0010】
【
図2】1以上の態様に係る母材系を示す略図である。
【0011】
【
図3】1以上の態様に係る一時的液相結合工程を示す略図である。
【0012】
【
図4】1以上の態様に係る一時的液相結合工程を示す略図である。
【0013】
【
図5】1以上の態様に係る一時的液相結合工程を示す略図である。
【0014】
【
図6】1以上の態様に係る一時的液相結合工程の間の時間に対する加工温度を示すグラフである。
【0015】
【
図7】1以上の態様に係る母材系を示す略図である。
【0016】
【
図8】1以上の態様に係る母材系を示す略図である。
【0017】
【
図9】1以上の態様に係る母材系を示す略図である。
【0018】
【
図10】1以上の態様に係る母材系を示す略図である。
【0019】
【
図11】1以上の態様に係る一時的液相結合工程を示す略図である。
【0020】
【
図12】1以上の態様に係る多部品出力構造体を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、電気自動車に用いるための多部品出力構造体の1態様を示している。この多部品出力構造体は、複数の電気部品、例えば半導体デバイス、基板、ベースプレート、電気相互接続、及びサーマルデバイスを含んでいる。この多部品出力構造体の個々の部品は、拡散ボンドもしくは一時的液相ボンドのような導電性かつ熱伝導性ボンドにより互いに接合されてよい。多部品出力構造体及びその製造方法の様々な態様を詳細に説明する。
【0022】
ここで
図1を参照し、多部品出力構造体100を示す。この多部品出力構造体は、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグイン電気自動車(PHEV)、バッテリー電気自動車(BEV)又は電気自動車(EV)のような電気自動車に用いることができる。この多部品出力構造体100は、半導体ダイ110、絶縁性基板120、ベースプレート130、及びサーマルデバイス150を含む。半導体ダイ110は、その上に機能的回路が加工されている半導体材料の小さなブロックであってよい。この機能的回路は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、パワーダイオード、サイリスタ、パワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、又は同様のパワーレベルの取り扱いに適した他のデバイスのようなマルチターミナル出力半導体デバイスであってよい。この機能的回路は、有機金属蒸気相エピキタシー(MOVPE)、分子ビームエピキタシー(MBE)、水素化物蒸気相エピキタシー(HVPE)、液相エピキタシー(LPE)、金属−有機分子ビームエピキタシー(MOMBE)、及び原子層蒸着のようなあらゆる公知の半導体加工法により加工してよい。
【0023】
半導体ダイ110はあらゆるタイプの半導体材料より加工してよい。ケイ素がよく知られた半導体材料であるが、他の半導体材料も用いてよい。詳細には、周期表の1以上の異なる族、例えば13〜16族の元素は2成分、3成分、及び4成分半導体化合物を形成することができる。そのような化合物は、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、窒素、リン、砒素、アンチモン、ビスマス、ケイ素及び炭素を含んでもよい。
【0024】
絶縁性基板120は、多部品出力構造体100の電気部品が取り付けられるもしくは結合される電気絶縁体として機能する。この絶縁性基板120は、第一の金属層124と第二の金属層126の間に配置された絶縁層122を含んでよい。この絶縁積基材は誘電体もしくは電気絶縁体、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒課アルミニウム、窒課ケイ素、酸化ベリリウム又は電流れを妨げるあらゆる他の材料であってよい。第一の金属層124及び第二の金属層126は、あらゆる導電性金属、例えば銅及びアルミニウムを含んでよい。第一の金属層124は、電気部品との熱伝導性接続もしくは機械的カップリングを形成するための取り付けポイント又は電気部品との電気的接続を形成するための明確なトレースを含むように形成されもしくはエッチングされてもよい。さらに、第二の金属層126は、第一の金属層124にマッチするよう形成されてもよい。詳細には、第二の金属層126は、多部品出力構造体100の作動の間に絶縁性基板120を通って誘導される熱応力の量をコントロールするために、第一の金属層124と実質的に同じ容積、実質的に同じ断面積、又は実質的に同じ輪郭を有してよい。
【0025】
ベースプレート130は、周囲の流体(例えば空気)との接触のための表面積を高めるような形状であってよい。詳細には、ベースプレート130は、熱エネルギーの伝達を促進するために、せん孔、フィン、及び/又は表面処理(制御された表面粗さ)を含んでよい。こうして、伝導及び/又は対流を用いてベースプレートにより熱が伝達される。さらに、このベースプレートは熱伝導性複合体、セラミックもしくは金属(例えば銅もしくはアルミニウム)を含んでよい。
【0026】
サーマルデバイス150は、このサーマルデバイス150と熱的に通じているデバイスとは異なる温度を有する熱流体により多量の熱エネルギーを伝達することができる熱移送メカニズムとして作動する。サーマルデバイス150は、熱流体の流れを拘束する密閉された通路152を有する。この密閉された通路は、熱伝導性材料(例えば、銅もしくはアルミニウムのような熱伝導性金属)を含んでよい。熱流体は、熱エネルギーを伝達することができるあらゆる流体、例えば水、空気、エタノールもしくは水銀を含む。さらに、この密閉された通路152は、熱交換器に動作可能なように接続されてよい。例えば、熱流体は熱交換器を通って循環し、熱エネルギーをサーマルデバイスから熱交換器の周囲の流体(例えば空気)に熱的に通じさせ、熱流体を加熱もしくは冷却する。熱流体は、熱交換器の表面に及び/又は表面から熱エネルギーを導き、熱エネルギーを周囲の流体と交換してもよい。熱エネルギー交換速度は、流体特性、流速、伝導性、及び熱交換器の表面積によって異なる。
【0027】
多部品出力構造体100は、さらに電気相互接続140を含んでいてもよい。電気相互接続140は多部品出力構造体100の電気部品と多部品出力構造体100の外部電気デバイスとの間の電気信号を伝導するよう作動する。電気相互接続140は、リボン、ワイヤ、もしくはリードフレーム(すなわち、多くの部品を同時に接続するように成形された導電性シート)であってよい。電気相互接続140は、銅もしくはアルミニウムのようなあらゆる導電性材料を含んでよい。
【0028】
ここに記載のあらゆる電気部品は、はんだボンドもしくは一時的液相ボンドのような導電性及び熱伝導性ボンドにより互いに結合されてよい。一時的液相(TLP)結合は様々なタイプの合金を結合させるのに用いられる拡散結合法であり、金属、セラミック、及び複合体の結合に用いてよい。TLPボンドは所定の温度範囲において安定であり、熱的、電気的、及び/又は機械的な機能に強固な結合を与える。
【0029】
図2を参照し、TLPボンドは、高温材料202と低温材料204(すなわち中間層材料)の交互の層を含む母材系200より形成される。高温材料202は、比較的高い融点を有し、低温材料204は比較的低い融点を有する(この比較的低い融点は比較的高い融点よりも低い)。TLP結合用の母材系200は、拡散材料を含んでよい(すなわち、高温材料202及び低温材料204は低温材料204が高温材料202に拡散できるように選ばれる)。高温材料202、はAu、Ag、Ni、Cu、これらの合金等を含む。低温材料204は、Sn、In、これらの合金等を含む。しかし、材料が互いに拡散し異なる融点を有するように材料を選択する。
【0030】
さらに、
図2は合計3つの中間材料を示しているが、母材系は、低温材料204が高温材料202に拡散して拡散結合を形成するようにあらゆる数の中間層材料を含んでいてもよい。詳細には、中間層材料は、低温材料204の層よりも多い高温材料202の層が存在するように選ばれる(
図7−9に示すように)。又は、中間層材料は、母材系が同数の高温材料202の層と低温材料204の層を含むように選ばれる(
図10)。他の態様において、各中間層は、高温材料202と低温材料204の多くの様々な層を含んでよい。
【0031】
図2−6を参照し、TLPボンド160を多相理論に従って説明する。この多相理論は明確にするためであり、TLP結合の特定の理論に限定するものではない。この多相理論は、母材系200、拡散相300、固化相400、及び均質化相500を含む。
【0032】
図2及び6を参照し、母材系200において、低温材料204は高温材料202の層の間に挿入されている。母材系200は圧縮され、徐々に加熱される。温度が低温材料204の融点を超えて溶融温度170に達すると、低温材料204は溶融し、均質化する。
【0033】
図2、3及6を参照し、拡散相300の間、低温材料204は液化した低温材料304に実質的に完全に溶解し、高温材料202中に拡散する。母材系200は低温材料204を溶融させかつ均質化するに十分な時間、溶融温度170にされる。溶融温度170は母材系200によって異なり、すなわち、溶融温度170は低温材料204を溶融するに十分高い温度であってよい。従って、溶融温度170は比較的低い融点以上、例えば約225℃〜約400℃、又は約230℃〜約280℃であってよい。
【0034】
液化した低温材料304が形成すると、加工温度を拡散活性化温度172にまで徐々に高め、高温材料202中への液化した低温材料304の拡散を開始する。液化した低温材料304は拡散方向308に沿って高温材料202中に拡散するので、高温材料202中に拡散領域306が形成する。拡散活性化温度172は母材系202によって異なり、すなわち拡散活性化温度172は、液化した低温材料304及び高温材料202の拡散特性によって異なる拡散活性化エネルギーに基づく。従って、拡散活性化温度172は、液化した低温材料304の高温材料202中への拡散を開始するに十分高いあらゆる温度であってよい。拡散活性化温度172は通常、融点170より高く、最大温度174より低く、例えば約230℃〜約400℃、約230℃〜約350℃、又は約280℃〜約350℃である。
【0035】
図4及び6を参照し、固化相400において、時間の経過とともに等温固化が起こる。加工温度を最大温度174に徐々に高めると、拡散領域306は固体高温材料202内に分散した液化低温材料304から化合物材料(すなわちTLPボンド160)に拡散するので、拡散領域306は収縮し始める。
【0036】
図2、4、5及び6を参照し、均質化相500において、拡散時間を少なくしかつ材料をアニールするために、加工温度は最大温度174に維持される。最大温度174は母材系200によって異なり、すなわち最大温度174は、拡散の完了時間を短くする拡散活性化温度172よりも高いいずれの温度であってよい。最大温度174は通常、拡散活性化温度172よりも高く、半導体ダイ110(
図1)が約400℃以上、例えば約325℃〜約400℃、又は約350℃、もしくは約375℃、もしくは約400℃に加熱されないほど十分低い。さらに、融点170、拡散活性化温度172、及び最大温度174は母材系200に加えられる圧力によっても異なる。従って、上記の温度は圧縮を約35psi(約241kPa)から変化させたときに変えてもよい。
【0037】
最大温度174を維持することにより、拡散領域306が実質的に完全に除去され、当初の母材系200の固化化合物材料と置換するため、TLPボンド160は均質化する。こうして固化化合物材料は、中間層材料の特性を効果的に変える当初の母材系200の材料の組み合わせであってよい。TLPボンドは、温度が許容される化合物の間の機械的カップリングとして作用する(すなわち、TLPボンドの融点は比較的低い融点より高く、比較的高い融点よりも低い)。Ni−Sn、Ag−SnもしくはAu−Inのような母材系200は加工温度、すなわち低温材料204(例えばSnもしくはIn)の融点よりも実質的に高い融点を有するTLPボンドとなる。異なる材料及び温度相を有する多相理論を説明したが、好適なTLPボンドはそのような別個の相を含まない方法により、又は低温材料204を液化するのに適した温度の適用及び圧縮を含む他の方法により形成される。
【0038】
電気構造もしくはパッケージに電子部品(例えば、半導体デバイス、基板、ベースプレート、サーマルデバイス、電子相互接続等)のTLP結合のために様々な方法を用いることができる。これらの方法は、限定するものではないが、結合表面における事前処理した金属化、積層金属合金プレフォーム、単一もしくは多合金ペースト、及び/又は単一金属合金プレフォームの使用を含む。
【0039】
図7−10を参照し、多部品出力構造体の形成方法は、第一の部品102の表面を高温材料214の金属化層でコートすること及び/又は第二の部品104の表面を高温材料214の金属化層でコートすることを含む。高温材料214の金属化層は、コートされた部品に金属化層を結合する金属コーティング法、例えば電着、無電解めっき、又はスパッター蒸着により形成される。他の態様は、金属化層に機械的に結合することである。さらに他の態様において、電気部品は高温材料202を含んでよく又は一体化されてよい。
【0040】
図7を参照し、個々の電気部品は、母材系210と密に表面接触した際にTLP結合を可能にする適当な表面金属化サイズ、厚さ及び材料で処理される。例えば、低温材料204を含む材料スタックを高温材料214の金属化層の間で圧縮してもよい。一態様において、母材系210は第一の部品102上に配置された高温材料214の金属化層、第二の部品104上に配置された高温材料214の金属化層、低温材料204の2つの層、高温材料202の層を含んでよい。上記のように、低温材料204の2つの層の間に高温材料202の層を配置することにより、TLPボンドを形成することができる。次いで、高温材料202及び低温材料204の層を高温材料の2つの金属化層の間に配置してもよい。詳細には、高温材料202及び低温材料204の層は、高温材料の金属化層の間に配置する前に積層形態に形成してよい。この積層プレフォームはTLP結合を促進するため事前に成形された材料の異なる層の積層体であってよい(すなわち、電気部品の所望の結合領域に適合する断面形状)。この積層プレフォームは、金属化のような異なる層を与えるに適したどのような方法によって形成してもよい。他の態様において、高温材料202及び/又は低温材料204を含むホイルを用いてもよい。
【0041】
他の態様において、高温材料202及び低温材料204の層は複数のペーストの層から形成してよい。詳細には、ペーストの個々の層を高温材料214の金属化層の1つ上にコートしてよい。このペーストは金属粉末の懸濁液を含み、室温において粘稠であってよい。加熱すると、このペーストはTLPボンドを形成してよい。このペーストは高温材料202及び/又は低温材料204の酸化を軽減するフラックスをさらに含んでいてもよい。
【0042】
図8を参照し、TLP結合は、適当な表面金属化層の間に1つの合金プレフォームを配置することを含むものでもよい。一態様において、母材系220は第一の部品102の上に配置された高温材料214の金属化層、第二の部品104の上に配置された高温材料214の金属化層、及び高温材料214の金属化層の間に配置された低温材料204の層を含む。上記のように、高温材料214の金属化層の間に低温材料204の層を配置することによりTLPボンドを形成することができる。他の態様において、低温材料204を含むペーストを高温材料214の金属化層の間に配置してもよい。さらに他の態様において、低温材料204を含むホイル及び/又はプレフォームを高温材料214の金属化層の間に配置してもよい。母材系220を形成すると、この母材系220を圧縮し、徐々に加熱し、第一の部品102と第二の部品104の間にTLPボンドを形成する。
【0043】
図9を参照し、金属化層を含む母材系230によりTLPボンドを形成してもよい。母材系230は、第一の部品102の上に配置された高温材料214の金属化層、第二の部品104の上に配置された高温材料214の金属化層、及び低温材料216の金属化層を含む。上記のように、金属化層は、電気めっき、無電解めっき、もしくはスパッタ蒸着のような公知の金属コーティング方法により形成してよい。こうして、第一の部品102及び第二の部品の各々は高温材料214の金属化層でコートされる。次いで、第一の部品102の高温材料214の金属化層を、低温材料216の金属化層でコートする。母材系230が形成された後、第一の部品102と第二の部品104の間のTLPボンドが形成される。
【0044】
図10に示すさらに他の態様において、母材系240は第一の部品102の上に配置した高温材料214の金属化層、第二の部品104の上に配置した高温材料214の金属化層、及び低温材料216の2つの金属化層を含んでもよい。詳細には、第一の部品102及び第二の部品104の各々を高温材料214の金属化層でコートしてよい。次いで、高温材料214の金属化層の各々を低温材料216の金属化層でコートしてよい。母材系240を金属化層から形成すると、第一の部品102と第二の部品104の間のTLPボンドが形成される。
【0045】
図10は高温材料214の1つの金属化層及び低温材料216の1つの金属化層を示しているが、この態様は、部品と接触している金属化層が高温材料214の金属化層であるように、あらゆる数の交互の高温材料214の金属化層と低温材料216の金属化層で金属化されていてもよい。結合工程が完了すると、TLPボンドは、比較的低い融点より高く、比較的高い融点よりも低い複合融点を有する母材系240を含む固体合金を形成する。
【0046】
図2及び11に示す一態様において、多部品出力構造体の形成方法は、多結合構造体332を形成する前に1つの結合構造体330を形成することを含む。1つの結合した構造体330は、第一の部品102及び第二の部品104、並びにこの第一の部品102と第二の部品104の間に配置されたTLPボンド160を含む。このTLPボンド160は、第一の部品102と第二の部品104を電気的、熱的及び機械的に結びつけ、1つの結合した構造体330を形成する。TLPボンド160は比較的低い融点よりも高い複合融点を有するため、1つの結合した構造体330は比較的低い融点よりも高い温度に加熱し、第一の部品102と第二の部品104の間に配置されたTLPボンド160を溶融することなく、第二の部品104と第三の部品106の間にTLPボンド160を形成してよい。
【0047】
再び
図1を参照し、多部品出力構造体100は、多くのTLPボンド160を順に(すなわち、多相理論の多くの繰返し)又は同時に(すなわち、多相理論の1つの繰返し)形成することにより形成してもよい。多部品出力構造体100は、半導体ダイ110、絶縁性基板120、ベースプレート130、電気相互接続140及びサーマルデバイス150を含む。半導体ダイ110及び絶縁性基板120の第一の金属層124はTLPボンドにより電気的及び熱的に結合している。ベースプレート130及び絶縁性基板120の第二の金属層160はTLPボンドにより電気的及び熱的に結合している。電気相互接続140及び絶縁性基板120の第一の金属層124はTLPボンドにより電気的及び熱的に結合している。サーマルデバイス150及びベースプレート130はTLPボンドにより電気的及び熱的に結合している。
【0048】
図12に示す他の態様において、多部品出力構造体101はベースプレート130(
図1)を用いることなく形成され、すなわちサーマルデバイス150と絶縁性基板120が結合している。例えば、多物品出力構造体101は、半導体ダイ110、絶縁性基板120、電気相互接続140及びサーマルデバイス150を含む。半導体ダイ110及び絶縁性基板120の第一の金属層124はTLPボンドを介して電気的及び熱的に結合している。サーマルデバイス150及び絶縁性基板120の第二の金属層126はTLPボンドを介して電気的及び熱的に結合している。電気相互接続140及び絶縁積基板120の第一の金属層124はTLPボンド160を介して電気的及び熱的に結合している。
【0049】
多くの電気部品(例えば電気相互接続、半導体デバイス、絶縁された金属基板、ベースプレート、サーマルデバイス等)を有する電子回路パッケージは、本明細書に記載の態様に従って形成してよいことが理解すべきである。例えば、約40℃〜約200℃の温度において作動可能な電気インバータもしくはDC−DCコンバータ(例えばブック及び/又はブーストコンバータ)のようなパワーモジュールを形成してよい。そのようなパワーモジュールは、例えば電気相互接続によりバッテリー、発電機、及び/又はモーターの間に電気エネルギーを伝える電気自動車に用いることが適している。パワーモジュールは約40℃〜約200℃の温度において連続作動するように構成され、アルミニウム、銅、ケイ素及び炭化ケイ素のような様々な異なる材料を含むため、このパワーモジュールは広範囲の熱応力にさらしてもよい。そのような温度範囲において様々な異なる材料を用いることにより生ずる熱誘導応力に適合させるため、パワーモジュールの各部品はTLPボンドを用いることにより互いに結合されている。従って、本明細書に記載の態様に従って形成されたパワーモジュールは、寒い冬から暑い夏の温度範囲において電気自動車において作動可能である。
【0050】
ここで用語「実質的に」及び「約」は、量的比較、値、寸法、又は他の表現に帰する固有の不確かさを表すものである。これらの用語は、量的表現が対象物の基本的機能を変えることなく示された値から変化してもよいことを意味する。
【0051】
特定の態様について説明したが、本発明の精神から離れることなく様々な変形をおこなってよいことは理解すべきである。さらに、様々な態様を説明したが、そのような態様は組み合わせる必要はない。従って、請求の範囲はそのような変化をすべて包含する。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[20]に記載する。
[1]
電気自動車に用いるための多部品出力構造体を形成する方法であって、
半導体ダイ、第一の金属層と第二の金属層を有する絶縁性基板、及び液体冷却用の密閉された通路を有するサーマルデバイスを準備すること、
導電性及び熱伝導性である第一の一時的液相ボンドにより半導体ダイと絶縁性基板の第一の金属層を結合させること、
絶縁性基板の第二の金属層とサーマルデバイスの間に母材系を固定すること、ここでこの母材系は比較的融点の低い低温材料と比較的融点の高い高温材料を含み、この比較的低い融点は比較的高い融点よりも低い、
母材系を比較的低い融点よりも高く、比較的高い融点よりも低い融点に加熱して低温材料を高温材料中に拡散させること、
母材系を固化させて導電性及び熱伝導性である第二の一時的液相ボンドを形成することを含む方法。
[2]
絶縁性基板の第二の層を母材系の高温材料の第一の層でコートすること、及び
サーマルデバイスの表面を母材系の高温材料の第二の層でコートすること
をさらに含む、項目1記載の方法。
[3]
母材系の高温材料の第一の層及び母材系の高温材料の第二の層が電気メッキ、無電解メッキ、又はスパッタ蒸着により形成される、項目2記載の方法。
[4]
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に層状プレフォームを配置することをさらに含み、この層状プレフォームが母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に配置された高温材料の第三の層を含む、項目2記載の方法。
[5]
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に1つの合金プレフォームを配置することをさらに含み、この1つの合金プレフォームが低温材料を含む、項目2記載の方法。
[6]
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間にペーストを配置することをさらに含み、このペーストが低温材料を含む、項目2記載の方法。
[7]
前記ペーストが高温材料を含む、項目6記載の方法。
[8]
母材系の高温材料の第一の層及び/又は母材系の高温材料の第二の層に母材系の低温材料の層をコートすることをさらに含む、項目2記載の方法。
[9]
前記サーマルデバイスがアルミニウムより形成されている、項目1記載の方法。
[10]
前記多部品出力構造体が約−40℃〜約200℃の作動温度で作動可能である、項目1記載の方法。
[11]
前記高温材料がAu、Ag、Ni、又はCuを含み、前記低温材料がSn又はInを含む、項目1記載の方法。
[12]
前記第二の一時的液相ボンドが比較的低い融点よりも高い融点を有する、項目1記載の方法。
[13]
電気自動車に用いるための、約−40℃〜約200℃の作動温度を有する多部品出力構造体を形成する方法であって、
比較的融点の低い低温材料と比較的融点の高い高温材料を含む母材系を準備すること、ここでこの比較的低い融点は比較的高い融点よりも低い、
多部品出力構造体を構成する第一の出力部品の第一の表面を母材系の高温材料の第一の層でコートすること、
サーマルデバイスの第二の表面を母材系の高温材料の第二の層でコートすること、ここでこの母材系の高温材料の第一の層及び母材系の高温材料の第二の層は、母材系を構成する前に電気メッキ、無電解メッキ、又はスパッタ蒸着により形成されている、
サーマルデバイスと第一の出力部品の間に母材系を固定すること、ここでサーマルデバイスは液体冷却用の密閉された通路を有する、
母材系を比較的低い融点よりも高くかつ比較的高い融点よりも低い温度に加熱して低温材料を高温材料中に拡散させること、
母材系を固化させて導電性及び熱伝導性である第一の一時的液相ボンドを形成すること、
第二の一時的液相ボンドを形成して第一の出力部品と第二の出力部品を結合させること、ここで第二の一時的液相ボンドは導電性及び熱伝導性であり、第一の一時的液相ボンド及び第二の一時的液相ボンドは、第一の一時的液相ボンドと第二の一時的液相ボンドの一方が加熱され、第一の一時的液相ボンドと第二の一時的液相ボンドのもう一方が形成されるように順次に形成される、
を含む方法。
[14]
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に層状プレフォームを配置することをさらに含み、この層状プレフォームが母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に配置された高温材料の第三の層を含む、項目13記載の方法。
[15]
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間に1つの合金プレフォームを配置することをさらに含み、この1つの合金プレフォームが低温材料を含む、項目2記載の方法。
[16]
母材系の高温材料の第一の層と母材系の高温材料の第二の層の間にペーストを配置することをさらに含み、このペーストが低温材料を含む、項目13記載の方法。
[17]
母材系の高温材料の第一の層及び/又は母材系の高温材料の第二の層に母材系の低温材料の層をコートすることをさらに含む、項目13記載の方法。
[18]
第一の出力部品が電気的相互接続、半導体デバイス、絶縁性基板、又はベースプレートである、項目13記載の方法。
[19]
電気自動車に用いるための多部品出力構造体であって、
第一の金属層及び第二の金属層を含む絶縁性基板、ここでこの絶縁性基板は第一の金属層を第二の金属層から電気的に絶縁している、
導電性かつ熱伝導性である第一の一時的液相ボンドにより絶縁性基板の第一の金属層に結合している半導体ダイ、
導電性かつ熱伝導性である第二の一時的液相ボンドにより絶縁性基板の第二の金属層に結合しているベースプレート、及び
導電性かつ熱伝導性である第三の一時的液相ボンドによりベースプレートに結合しているサーマルデバイス、ここでこのサーマルデバイスはその内部に熱流体を有する密閉通路を含む、
を含み、この多部品出力構造体は約−40℃〜約200℃の温度で作動可能であり、電気インバーター又はDC−DCコンバーターである多部品出力構造体。
[20]
第一の一時的液相ボンド、第二の一時的液相ボンド、及び第三の一時的液相ボンドの各々が合金を含み、この合金がNi、Cu、Ag、Au、In又はSnを含む、項目19記載の多部品出力構造体。