特許第6034518号(P6034518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6034518-成長度合いに対応させた衣服 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6034518
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】成長度合いに対応させた衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 11/00 20060101AFI20161121BHJP
   A41D 1/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   A41D11/00 H
   A41D11/00 C
   A41D1/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-14885(P2016-14885)
(22)【出願日】2016年1月13日
【審査請求日】2016年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516029171
【氏名又は名称】猿渡 景子
(72)【発明者】
【氏名】猿渡 景子
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−105408(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3084678(JP,U)
【文献】 特開2004−162235(JP,A)
【文献】 実開昭55−022357(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 11/00
A41D 1/00
A41D 27/00 − 27/28
A41F 1/00 − 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袖ぐりのある衣服において調節紐を衿ぐりの一部または全体に付加し、前記調節紐は係止部を有して成り、調節紐を付加した衿ぐりの一部が袖ぐりの一部を形成し、幼児から成人までの体型に対応した衿ぐりの大きさの紐の係止位置に前記衣服の衿ぐりのギャザー分量を自在に変化させ係止することを特徴とする衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成長する子供、様々な体型に合わせてサイズを変えられる衣服である。
【背景技術】
【0002】
従来の衣服には、調節具を使用して体型に合わせて寸法を変化させる機能を有するものがある。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
従来の衣服は、ゴムの長さを調節することにより体型に合わせて寸法を変化させる機能を有するものがある(例えば、非特許文献1参照。)
【0004】
従来の衣服は、釦穴のあるゴム紐(例えば、非特許文献2参照。)を使用することにより、体型に合わせて寸法を変化させる機能を有するものがある。(例えば、非特許文献3参照。)
【0005】
従来の衣服は、着丈をつまむことにより体型に合わせて寸法を変化させる機能を有するものがある。(例えば、非特許文献4参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開2011−1640 公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】 株式会社アビバーレ パウブラウス 衿ぐりと袖口のゴムの調節のできるブラウス 詳細 インターネットページ http://www.avivare.com/GOODSDETAIL−481 参照
【非特許文献2】 ボタンホールゴム 川村製紐工業株式会社 詳細 インターネットページ http://www.seichu.co.jp/kintenma/book_swf.html?startpage=12 参照
【非特許文献3】 産前 マタニティ定番レギンス・トレンカ 株式会社 千趣会 詳細 インターネットページ http://www.bellemaison.jp/ep/srvlt/EPFB00/EPFB0005/dProdDtlShow?BELN_SHOP_KBN=100&KAT_BTGO=795581_311_2015_C 参照
【非特許文献4】 着物 日本の伝統的な民族衣装
【非特許文献5】 着物サイズの目安―wahuku.com 原田染物店 詳細 インターネットページ http://www.wahuku.com/free_9_9.html 参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上に述べたように従来の衣服において体型に合わせて寸法を変化させる機能を有するものが存在するが、(特許文献1参照。)寸法変化は少なく、非特許文献1のブラウスにおいても成人女性M〜Lサイズでの寸法変化である。また、非特許文献2のレギンスにおいても、成人女性の産前産後のサイズでの寸法変化である。
【0009】
非特許文献4の着物は腰あげをすることによりサイズ調節が可能であるが、許容範囲は身長差10センチ前後までである。(非特許文献5参照。)
【0010】
本発明の衣服は、成人の体型変化だけでなく、体型の異なる例えば一般的に幼児の場合においては身長約80センチと考えられ、成人の場合においては身長約170センチぐらいまでの体型でも自在に寸法を変化させ着用できる衣服を提供するものである。
【0011】
子供の成長度合いに対応させて衣服を新調するコストは計り知れない。また、記念日など特別な日に着用する服は、着用頻度が少なく、毎年新しく購入すると服の枚数が増え制限のある保管場所に収納することが困難となる。
本発明は成長する子供、体型に合わせてサイズを変えられる衣服を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そして本発明の衣服は上記目的を達成するために、衣服1において調節紐5を衿ぐり2の一部または全体に付加し、前記調節紐は係止部を有して成り、幼児から成人までの体型に対応した衿ぐり2の大きさの紐の係止位置に前記衣服1の衿ぐり2のギャザー分量を自在に変化させ係止することができる機能を構成したものである。
【0013】
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、調節紐の衿ぐり2においての有効部分の長さを30センチ〜90センチと大きく調節することにより衿ぐり2にギャザーが寄せられ、衣服1の機能を損なうことなく衿ぐり2の大きさが調節される。成長する過程において幼児の場合は着丈が長くワンピースになり、成人の場合は着丈が短くなりブラウスとなるが、本発明の衣服1の着丈に対応させてスカート、パンツ等を組み合わせ、成長の変化を楽しむ事が出来る。
【0014】
また、調節紐5に係止部を有することで衣服1の衿ぐり2においての有効部分を自在に変化することができるので、サイズを調節する際に再び縫い糸を外し縫製することなく自在に係止位置を変えることができるものである。
【0015】
また、衿ぐり2の大きさを調節することによりギャザー分量は変化するが、幼児においてのギャザー分量4は分量が多く子供服らしいデザインとなり、成人のときは前記ギャザー分量が運動量となるため成人においてのギャザー分量2は分量が少なくなりシンプルに大人服らしいデザインとなる。
【発明の効果】
【0016】
上述したように本発明の衣服1は、成長する子供、様々な体型に合わせてサイズを変えられる衣服を提供するものである。
【0017】
体型の異なる例えば一般的に幼児の場合においては身長約80センチと考えられ、成人の場合においては身長約170センチぐらいまでの体型でも着られる。従って毎年改たに衣服を新調するコストがかからなくなる。また、本発明の衣服は一枚で成長する体型に対応するので同保管場所に保管することができる。
【0018】
成長する過程において同じ衣服を着る事によって衣服と体とのバランスの変化で成長を分かりやすく視覚で捉える事ができる。
【0019】
産まれて間もない乳幼児でも、足が隠れるロングドレスとして着用することができる。
出産後の退院時のセレモニードレスとして着用することにより、産まれてすぐから着用することができる。
【0020】
親子や兄弟姉妹で同じデザインの服を着る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の衣服1の作図方法の例 実線 本発明の衣服1の作図 破線 成人原型 一点破線 幼児原型
図2】調節紐5と衿ぐり2始末の例 衿ぐり2内側の調節についての説明図である。
図3】調節紐5と衿ぐり2始末の例 衿ぐり2表側の調節についての説明図である。
図4】衿ぐり2によるサイズの変化を示した説明図である。
図5】着用時のイメージを示した説明図である。
図6】デザイン変化させた時の着用時のイメージを示した説明図である。
【発明の実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の衣服の実施方法の形態を図1図6に基づいて説明する。
【0023】
図1に示したように、成人の原型より小さくならないよう、また運動量を確保するために衿ぐり2に成人においてのギャザー分量3となるゆとりを入れ、成人が着用した時に充分な寸法を保持する。また、幼児が着用した時に増える幼児においてのギャザー分量4がバランスの良い分量である為に成人ギャザー分量は最小限にとどめる。
図1での原型は、女性用、男性用等、種々のものが考えられる。ここでは9号規格の婦人用と、身長80センチの幼児用のおおまかな形を示している。
【0024】
衿ぐり2を三つ折り、見返し等、で挿通可能な形状にし、中に調節する機能を有した調節紐5を通してギャザーを形成し、前記調節紐5の衿ぐり2においての有効部分の長さを幼児の時は例えば30センチと短く、成人の時は例えば90センチと長く調節する事によりギャザー分量を調節し、寸法を変える機能を持たせる。
【0025】
以下、図2の解説である。衿ぐり2は三つ折始末にして挿通可能にし調節紐5を通し、前記三つ折の内側にある穴6から調節紐5を引き出し、体型に合わせて前記調節紐5に付加した釦穴7と衣服衿ぐり2に付加した釦8を止めることにより衿ぐり2の長さを変え、幼児から成人までの体型に対応した係止位置にする。このとき係止部となる釦穴7に身長のサイズ表記を印字すると調節する目安となる。
【0026】
以下、図3の解説である。衿ぐり2は見返し始末にして挿通可能にし調節紐5を通し、衿ぐり2表側にある穴6から調節紐5を引き出し、体型に合わせて結び目9例えば蝶々結び等を作ることにより衿ぐり2の長さを変え、幼児から成人までの体型に対応した係止位置にする。このとき、身長に応じて結び目に使用する長さを表記したものを衣服に添付すると調節する目安となる。
肩部分は身頃から出した調節紐を肩紐として利用することにより、袖なしの型のデザイン等も可能となる。図6図3を着用したものである。
【0027】
上記構成の衣服1の衿ぐり2の寸法の変化によるサイズの変化を図4に示す。
衿ぐりのみの寸法変化となるので、身頃中心の長さ10袖の長さ11は同寸である。
【0028】
以下、上記構成の衣服1を着用するにあたっての効果について説明する。調節紐5の有効部分の長さを調節することにより衿ぐり2にギャザーが寄せられ、衣服1の機能を損なうことなく衿ぐり2の大きさが調節される。図5に示したように幼児の場合は着丈が長くワンピースになり、成人の場合は着丈が短くなりブラウスとなる。以上のように、本発明の衣服は同じ衣服を幼児から成人まで利用することができるものである。
【0029】
成人と幼児での衿ぐり2寸法差はデザインにより変化するが、例えば40〜60センチ程の寸法差になるので、幼児が着用する場合、衿ぐりに多くのギャザーが入る為、生地は厚みの出ないもの、例えば薄手の綿ローン、薄手のサテン、ジョーゼット等、で作成するのが好ましい。
【0030】
記念日に着用する特別な衣服として販売する場合は裾にスカラップレース刺繍などの飾りが施されている生地を使用して作成すると華やかになる。
【0031】
調節紐5の先端を表に出して蝶々結びをすることによりその結び目9を衣服のデザインとして使用することができる。この場合、成長する過程において前記蝶々結びの大きさで成長の変化を見ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明をもとに、袖の形状や裾の形状、使用する生地などを変化させる事により種々なデザインの物を生産することが可能である。
【0033】
本発明と同素材のパンツ、スカートを作成し、組み合わせるための商品として販売することができる。
【符号の説明】
【0034】
1衣服
2衿ぐり
3成人においてのギャザー分量
4幼児においてのギャザー分量
5調節紐
6調節紐を出す穴
7釦穴
8釦
9結び目
10身頃中心の長さ
11袖の長さ
【要約】
【課題】従来のサイズ調節できる衣服は、対応できるサイズの範囲がせまく限られており、幼児から成人まで着用に利用することができないという問題があった。
【解決手段】衣服において係止部を有する調節紐を衿ぐりの一部または全体に付加して構成をし、前記調節紐の有効部分の長さを大きく調節することにより衿ぐりにギャザーが寄せられ、衣服の機能を損なうことなく幼児から成人までの寸法に対応した衿ぐりの大きさに自在に調節される。成長する過程において幼児の場合は着丈が長くワンピースとして、成人の場合は着丈が短くなりブラウスとして着用に利用することができる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6