特許第6034521号(P6034521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6034521足指のための吸水性包帯および吸水性包帯群
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6034521
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】足指のための吸水性包帯および吸水性包帯群
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/06 20060101AFI20161121BHJP
【FI】
   A61F13/06 M
【請求項の数】11
【全頁数】50
(21)【出願番号】特願2016-44198(P2016-44198)
(22)【出願日】2016年3月8日
【審査請求日】2016年3月15日
(31)【優先権主張番号】特願2015-217212(P2015-217212)
(32)【優先日】2015年11月5日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507131355
【氏名又は名称】鈴木 和博
(72)【発明者】
【氏名】鈴木和博
【審査官】 北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭33−011684(JP,Y1)
【文献】 特開2009−178353(JP,A)
【文献】 特開平10−146357(JP,A)
【文献】 実開平04−108521(JP,U)
【文献】 特開昭56−070763(JP,A)
【文献】 実開昭60−049815(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00 − 13/14
15/00 − 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気性があり水分も通過する素材により成る包帯であるところの吸水性包帯片(1)複数個と、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの包帯紐(2)少なくとも1本により構成される吸水性包帯(3)であって、前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のうち少なくとも1個はその内部に吸水性素材(6)を有しており、前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは、前記包帯紐(2)と直接つながっているか、または前記吸水性包帯(3)の他の吸水性包帯片(1)を介して間接的に前記包帯紐(2)とつながっており、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所に切り離し手段が施されていることを特徴とする足指のための吸水性包帯。
【請求項2】
前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、接続することでつながっていることを特徴とする請求項1に記載の足指のための吸水性包帯。
【請求項3】
前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、同一素材で連続することでつながっていることを特徴とする請求項1または2に記載の足指のための吸水性包帯。
【請求項4】
前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、組み合わすことでつながっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯。
【請求項5】
前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)が内部に、吸水性素材(6)として、ポリアクリル酸系、ポリスルホン酸系、無水マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸系、ポリグルタミン酸系、ポリアルギン酸系、デンプン系、セルロース系の各高吸水性樹脂の種類の粒状体のいずれか、または前記各種類の粒状体の任意の組み合わせによる混合体か、または前記各種類の粒状体もしくは前記混合体のいずれかと綿状パルプとの混合体か、または前記各種類の粒状体および前記混合体の任意の組み合わせによる多層体か、以上の各種類の粒状体または混合体または多層体のうち少なくともひとつを有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯。
【請求項6】
前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が少なくとも1本つながっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯。
【請求項7】
前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本が、そのつながっている吸水性包帯片(1)と、接続することでつながっていることを特徴とする請求項6に記載の足指のための吸水性包帯。
【請求項8】
前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本が、そのつながっている吸水性包帯片(1)と、同一素材で連続することでつながっていることを特徴とする請求項6または7に記載の足指のための吸水性包帯。
【請求項9】
前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本について、その補助紐(12)が前記吸水性包帯(3)とつながる箇所に切り離し手段が施されていることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯。
【請求項10】
前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個に薬品が付加されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の吸水性包帯(3)複数個により構成される吸水性包帯群(14)であって、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的に、または通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助包帯紐(15)を介在して間接的に、つながっていることを特徴とする足指のための吸水性包帯群。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収するための用品とその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
足指および足指股周辺の皮膚表面に発生する疾患として、白癬菌を原因とする皮膚の疾患、いわゆる水虫がある。この皮膚疾患を治療または予防する際の補助的な手段として足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収する手当の方法がある。この方法を実現するための用品に関する提案がなされている。(特許文献1から4)
それらは吸水性を有する用品であり足指にあてがうというものであるが、本願発明者の理解の範囲内においてであるが、広く一般の小売店舗等において陳列販売されているというものではなく、市場において受け入れられている様子がない。その理由として、それらの用品は前記の目的の用品として必要な特徴、すなわち要件を満たしていないのではないかと推測される。
【0003】
足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を充分に吸収し、前記皮膚疾患に悩む人々の助けとなり広く市場に受け入れられるためには当該用品が持つべきいくつかの特徴があり、それを満たす必要があると考えるのであるが、それらを満たした用品はまだ提供されていないのではないかというのが本願発明者の理解である。
本願発明では、前記皮膚疾患が発生し中々治らない原因のひとつとされる状況において、すなわち日中長く靴を履いて過ごす状況において、当該用品がその目的を達成しかつ広く消費者に受け入れられるために持つべき特徴とはどのようなものであるかについて考察し、それらの持つべき特徴を全て有する発明品を提案するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63−013123
【特許文献2】実開平01−180221
【特許文献3】実開平05−095520
【特許文献4】特開2009−178353
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収するための用品およびその作製方法を提供することを目的とする。
当該用品が対象とする前記皮膚疾患について、それが発生し中々治らない原因のひとつとされる状況とは、日中長く靴を履いて過ごす状況にある。このような状況において当該用品がその目的を達成しかつ広く消費者に受け入れられるために持つべき特徴とはどのようなものであるか、本願発明者が考えるところの要件としては以下が挙げられる。
すなわち、まず、適用すべき足指の本数について足指1本から5本まで対象とする本数の足指に適用可能であること。これは対象とする足指の本数に関する適用性である。
次に、それらの適用対象とする足指および足指股周辺に対してあてがうことが可能であること。これは対象とする足指へあてがう箇所に関する適用性である。
次に、老若男女の様々に異なる足指のサイズに対応すること。これは対象とする足指の大きさに関する適用性である。
次に、装着および脱着が容易であること。これは適用の前後における着脱に関する適用性である。
次に、適用中にずれたり外れたりしにくいこと。また、破れたりしないこと。これは継続的な装着に関する適用性である。
次に、高い吸水性を持つこと。これは適格な吸水効果に関する適用性である。
次に、適用中に痛みがないこと。これは快適な装着に関する適用性である。
当該用品がその目的を達成しかつ広く消費者に受け入れられるために持つべき特徴とは以上であると考えられる。
また、当該用品を作製する側面において持つべき特徴として、構成および構造がシンプルであること、複雑な作製工程が含まれていないこと、以上が挙げられる。
これらの特徴の全てを有する用品を提供することが本願発明における課題であり、本願発明はこれらの特徴の全てを有する用品を提供するものである。
なお、本願発明の用品は前記皮膚疾患の治療または予防に寄与するばかりでなく、他の皮膚疾患に関しても用品が足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収する必要がある場合においてはその治療または予防に寄与するものである。
【0006】
本願発明では、前記の特徴の全てを有する用品を提供することがその目的であるが、他の用品、すなわち先行技術文献に掲載した特許文献が提示する用品にはどのような問題があるだろうか。本願発明者の理解の範囲内においてであるが前記特許文献が提示する用品の問題は以下の通りである。
【0007】
特許文献1および2の図では、一部の足指およびその腹部分に当該用品が適用されないという問題がある。
なお、足指というときは当然ながら足指の腹部分も含めるものであるが、上記のように必要に応じて腹部分への適用について特に記す場合がある。なお、足指の腹とは足指の内側にあたる部分を称して腹というものとする。
特許文献3の図8も同様に一部の足指およびその腹部分に当該用品が適用されないという問題がある。また、当該図に示される適用方法では用品が適用中にずれたり外れたりする恐れがある。
【0008】
特許文献1では、接着部による接着を前提としているため、用品の長さが老若男女の様々に異なる足指のサイズに合わない恐れがある。サイズが合わない場合は装着に手間取る恐れがある。サイズが短い場合は接着できないため装着が難しく、サイズが長い場合は用品がずれたり、また余った部分によって皮膚が圧迫され痛みの原因となる恐れがある。
【0009】
特許文献2および3では、用品の輪に足指を入れることから、輪のサイズが老若男女の様々に異なる足指のサイズに合わない恐れがある。また、輪を足指に通すという点で装着および脱着がしづらく、かつ装着したときにちょうどサイズが合う場合にはかえって装着および脱着がしづらいという問題がある。サイズが大きい場合は用品がずれたり、また余った部分によって皮膚が圧迫され痛みの原因となる恐れがある。また、輪を形成し構成するという作製工程は難易度が高い。
【0010】
特許文献2では、当該用品の長さが老若男女の様々に異なる足指のサイズに合わない恐れがある。装着したときにちょうどサイズが合う長さの場合はそのためにかえって装着および脱着がしづらいという問題がある。サイズが長い場合は用品がずれたり、また余った部分によって皮膚が圧迫され痛みの原因となる恐れがある。
【0011】
特許文献1、2、および3では、足指に適用中に痛みを生じさせる恐れがある。一定の厚さを持つ包帯をそのまま足指にあてがい巻いて適用した場合は適用中に痛みを生じさせる恐れがあるからである。特に足指の甲の側、および親指および小指の側面で靴に当たる側において用品が皮膚を圧迫して痛みを生じさせる恐れがある。
特許文献1の第2図、第3図、および特許文献3の図8では、親指および小指の側面で靴に当たる側において用品が適用されておらず、その箇所を避けているように見受けられる。痛みを回避するためにそうしているものと想像されるが、結果として親指および小指の腹部分に用品が適用されないことになってしまい、従ってこの部分で水分が吸収されないという問題がある。
【0012】
特許文献4の図1および図2では、低反発性ポリウレタンの中に高分子吸水ポリマーの粒子を配合する方法として、発泡形成過程にある低反発性ポリウレタンに対して高分子吸水ポリマーの粒子を吹き付ける、とあるがこの作製工程は難易度が高い。
また、特許文献4の図3図7では、当該用品を使用する前の段階で高分子吸水ポリマーの粒子が空間内で偏る可能性がある。高分子吸水ポリマーの粒状体はさらさらと容易に流れて移動する性質を持つためであり、この偏りのために吸水性が劣る部分が生じる恐れがある。またこの場合適用中に痛みを生じさせる恐れがある。狭い靴の中にあって、高分子吸水ポリマーの粒状体が密にある部分に圧力が掛かった場合はその部分が硬化する恐れがあるからである。これは特に水分が相対的に少ない箇所もしくは場合において生ずる現象である。
また、特許文献4の図6では、高分子吸水性ポリマー等の吸水性の特性を有する高分子化合物の粒子を綿状パルプのような繊維素材に配合させ、とあるが、このため一定の厚さを持つことになり、一定の厚さを持つ包帯をそのまま足指にあてがい巻いて適用した場合は適用中に痛みを生じさせる恐れがある。
【0013】
以上の考察から、輪の形状に足指を通す形態や長さが固定である形態は、老若男女の様々に異なる足指のサイズに対応出来ず、かつ装着と脱着が容易ではないため、本目的の用品として適切でないと考えられる。長さが固定である形態は長さが足りない場合にずれたり外れたりし、長過ぎる場合にずれたり、また余った部分によって皮膚が圧迫され痛みの原因となる恐れがある。
これらの考察からすると、適用する際に長さを調節できるような比較的長めの紐状の形態が本目的の用品として適しているものと考えられる。紐状の用品はこれを足指にあてがい巻いて適用するため、足指1本から5本まで適用可能であり、足指および足指股周辺に対してあてがうことができ、装着も脱着も楽であり、ずれにくく外れにくい。長さが合わない場合はちょうどよい長さに切ることで老若男女の様々に異なる足指のサイズにも対応可能である。適切な吸水性素材を包含させることで吸水性を確保することができ、また、紐状の包帯の作製は比較的に容易であると考えられる。
しかし前記の考察にあるように、紐状の用品を足指にあてがい巻いて適用し靴を履く場合、そのままでは痛みが発生する恐れがある。特に足指の腹の側でなく甲の側、および親指および小指の側面で靴に当たる側において用品が皮膚を圧迫して痛みを生じさせる恐れがある。また、低反発性ポリウレタンのような痛みが少ない素材を用いるとしても、吸水性素材を均一に保持し吸水性を確保するための工夫が必要であり、またそのために用品に厚さが生ずる場合は、発生する恐れのある痛みへの対応策が必要であると分かる。本願発明はこれらの問題を解決する手段を提案するものであり、これにより前記の特徴の全てを有する用品を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明は前記の問題を解決するものであり、本願発明の1は、通気性があり水分も通過する素材により成る包帯であるところの吸水性包帯片(1)複数個と、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの包帯紐(2)少なくとも1本により構成される吸水性包帯(3)であって、前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のうち少なくとも1個はその内部に吸水性素材(6)を有しており、前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは、前記包帯紐(2)と直接つながっているか、または前記吸水性包帯(3)の他の吸水性包帯片(1)を介して間接的に前記包帯紐(2)とつながっており、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所に切り離し手段が施されていることを特徴とする足指のための吸水性包帯(3)である。
【0015】
すなわち、吸水性包帯(3)は、通気性があり水分も通過する素材により成る包帯であるところの吸水性包帯片(1)複数個と、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの包帯紐(2)少なくとも1本により構成される。
前記の吸水性包帯片(1)とは、吸水性を有する包帯であり、使用者の足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収するための構成要素である。
また包帯紐(2)とは紐であり、吸水性包帯(3)が全体として紐の形態を維持するための構成要素である。
前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)はその内部に吸水性素材(6)を有している。前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のうち少なくとも1個はその内部に吸水性素材(6)を有するものであるが、通常は前記吸水性包帯片(1)複数個の全てにおいてその内部に吸水性素材(6)を包含するのが好適である。
前記吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは前記包帯紐(2)と直接つながっているか、または、前記吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯(3)の他の吸水性包帯片(1)を介して間接的に前記包帯紐(2)とつながっている。
また、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所に切り離し手段が施されている。
切り離し手段とは、素材に対して切れ目もしくはミシン目等の工夫を施すことであり、その他にも切り離し部分に切り離しテープを施して切り離しテープを切り離すことで素材を切り離すことができるものであってもよい。超音波エネルギーを付加することで容易に作製することができるため切れ目が好適であるが、しかしながらこれら以外の手段でもよいものとする。
【0016】
ここで、つながるとは、次の3つの形態で素材がつながる場合を意味する。すなわち、接続することでつながっている場合、同一素材で連続することでつながっている場合、組み合わすことでつながっている場合である。
【0017】
接続することでつながっている場合とは、2つの素材を、超音波エネルギーを付与することで接合するか、もしくは接着剤で接着するか、もしくは接着テープで接着するか、もしくは面ファスナーにより接合するか、もしくは両面接着テープにより接着するか等の接続手段を施してつながっていることを指す。このうち超音波エネルギーを付与することで接合する方法が構成要素が増えないために好適であるが、しかしこれら以外の接続方法でもよいものとする。
【0018】
同一素材で連続することでつながっている場合とは、同一の素材により作製されていることを指す。見た目上は2つの構成要素がつながっているようにも見えるのであるが、もともと同一の、同種類という意味でなく、もともと同一の素材で作製されている状態である。同一であるから同種類でもある。
【0019】
組み合わすことでつながっている場合とは、2つの素材に関して、一方の少なくとも1箇所において、穴、もしくは切れ目、もしくは輪等の組み合わせ用の箇所を施し、他方が前記組み合わせ用の箇所を通る等の組み合わせ手段により組み合わされることを指す。一方に切れ目を施し他方がこれを通る方法が作製上容易であるために好適であるが、しかしながらこれら以外の組み合わせ方法でもよいものとする。
【0020】
以上のように、本願発明の吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)はその少なくとも1箇所において、前記包帯紐(2)と、もしくは前記吸水性包帯(3)の他吸水性包帯片(1)と、前記の3種の方法のいずれかによりつながっている。
また、各吸水性包帯片(1)は、少なくとも1枚の素材を折るかまたは巻くかまたは重ねる等の重ね合わせを施されてできた包帯であり、前記素材の重ね合わせの間の空間に、吸水性を有する吸水性素材(6)を有している。
ここで通気性があり水分も通過する素材の例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。一般にこれらの素材は通気性を持ち、水分も通過することが出来、加工性に優れている。
また、吸水性素材(6)とは、吸水性を有する素材である。吸水性素材(6)としては、ポリアクリル酸系の高吸水性高分子化合物を始めとして種々の素材がある。ポリアクリル酸系の高吸水性高分子化合物が性能とコストの面から好適であるが、しかしながらこれら以外でもよいものとする。
また、包帯紐(2)とは、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるが、ここで例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。
なお、1本の包帯紐(2)とは通常当然ながら1本の紐から構成される1本の包帯紐(2)であるが、2本以上の紐から構成される1本の包帯紐(2)であってもよい。後者の場合2本以上の紐がつながることで1本の包帯紐(2)を構成することを意味する。ここで、つながるとは、接続することでつながる場合と組み合わすことでつながる場合を指す。1本の包帯紐(2)は1本の不織布により成る場合が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外でもよいものとする。以下の記述では1本の包帯紐(2)とは1本の紐により成る場合を例として記載する。
【0021】
前記の構成と構造により成ることから、本願発明の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用すると、使用者は足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収することが出来、さらに加えて各吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりすることが出来る。
【0022】
すなわち、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)の前記吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。
または、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)の前記のつながりの箇所を切るかもしくは部分的に切ることで、前記吸水性包帯片(1)を前記吸水性包帯(3)から部分的に切り離すことが出来、そのため前記吸水性包帯片(1)の前記吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。
または、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)の前記のつながりの箇所を切ることで、前記吸水性包帯片(1)を前記吸水性包帯(3)から切り離すことが出来る。
以上のようにして、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記の適用上の調整、すなわち各吸水性包帯片(1)を動かすか、部分的に切り離し動かすか、切り離すか、これらの適用上の調整を行うことが出来る。
その結果として、本願発明の吸水性包帯(3)は、足指にあてがい巻いて適用する用品として当該用品が持つべき前記の特徴のひとつを有する。すなわち、痛みを回避することが出来る。そのため快適な装着に関する適用性を満たす。
従って、本願発明の吸水性包帯(3)は紐状であることに加えて、前記の痛みを回避することが出来る特徴を有するため、足指にあてがい巻いて適用する用品として当該用品が持つべき前記の特徴の全てを有することになる。
【0023】
(追加段落: 先の出願、特願2015−217212、に対する追加の段落。以下同様。)
なお、切り離す、切る、というとき、これは手でちぎるとかハサミのような道具を用いて切るとかを始めとする広く一般的な仕方で切ることを意味する。
【0024】
本願発明の1の実施例を図1から図6に示す。なお図7から図13は参考例である。このうち、吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりする例は、図1の図(4)、図3の図(2)、図4の図(2)、図5の図(2)、図6の図(2)、図7の図(4)、図9の図(2)、図10の図(2)、図11の図(2)、図12の図(2)、および図13の図(2)である。
本願発明の1の実施例で、吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する例を図1の図(5)、および参考例として図7の図(5)に示す。他の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する様子もほぼ同様である。
【0025】
本願発明の2は、前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、接続することでつながっていることを特徴とする本願発明の1に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0026】
接続することでつながっている場合とは、2つの素材を、超音波エネルギーを付与することで接合するか、もしくは接着剤で接着するか、もしくは接着テープで接着するか、もしくは面ファスナーにより接合するか、もしくは両面接着テープにより接着するか等の接続手段を施してつながっていることを指す。このうち超音波エネルギーを付与することで接合する方法が構成要素が増えないために好適であるが、しかしこれら以外の接続方法でもよいものとする。
接続することでつながっている例としては図7、8、10、11、12、および13の吸水性包帯(3)である。
【0027】
本願発明の3は、前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、同一素材で連続することでつながっていることを特徴とする本願発明の1または2に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0028】
同一素材で連続することでつながっている場合とは、同一の素材により作製されていることを指す。見た目上は2つの構成要素がつながっているようにも見えるのであるが、もともと同一の、同種類という意味でなく、もともと同一の素材で作製されている状態である。同一であるから同種類でもある。
同一素材で連続することでつながっている例としては図1、2、3、4、5、および6の吸水性包帯(3)である。当図の吸水性包帯片(1)と前記包帯紐(2)とは同一の繊維素材からできているものである。
【0029】
本願発明の4は、前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、組み合わすことでつながっていることを特徴とする本願発明の1から3のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0030】
組み合わすことでつながっている場合とは、2つの素材に関して、一方の少なくとも1箇所において、穴、もしくは切れ目、もしくは輪等の組み合わせ用の箇所を施し、他方が前記組み合わせ用の箇所を通る等の組み合わせ手段により組み合わされることを指す。一方に切れ目を施し他方がこれを通る方法が作製上容易であるために好適であるが、しかしながらこれら以外の組み合わせ方法でもよいものとする。
組み合わすことでつながっている例としては図9図10である。当図では図としての見やすさのため穴を施した例を示している。
【0031】
本願発明の吸水性包帯(3)の包帯紐(2)とは紐であり、吸水性包帯(3)が全体として紐の形態を維持するための基本となる紐である。従って包帯紐(2)を切るのではなく、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とのつながりの箇所、または吸水性包帯片(1)同士のつながりの箇所を部分的に切るか、または切ることで、対象とする吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から部分的に切り離し動かすことが出来る。すなわち前記吸水性包帯片(1)の吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。
または、これらのつながりの箇所を切ることで、対象とする吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から切り離すことが出来る。
または、吸水性包帯(3)の形状により吸水性包帯(3)のどの部分も切ることなく対象とする吸水性包帯片(1)を動かすことが出来る。すなわち前記吸水性包帯片(1)の吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。この例は図13である。
【0032】
吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とのつながりの箇所、または吸水性包帯片(1)同士のつながりの箇所を部分的に切るか、または切るとき、前記吸水性包帯片(1)、およびもし前記吸水性包帯片(1)に付随する1つまたは複数の吸水性包帯片(1)があればそれらの吸水性包帯片(1)は部分的に切り離されるか、または切り離される。しかしそれら以外の吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とはつながっているままであり、また、包帯紐(2)は切らないのであるから包帯紐(2)としては紐のままであり、従って吸水性包帯(3)としても全体として足指に巻かれた状態は変わらない。
【0033】
紐状の包帯をそのまま足指に適用して靴を履く場合には痛みが発生する恐れがあるのであるが、本願発明の吸水性包帯(3)であれば、前記の特徴により、装着する際および適用中に適宜のタイミングで痛みの発生原因となる吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして、前記吸水性包帯(3)の形状を変えることが出来るので、この痛みの問題を解決することが出来る。
なお、包帯紐(2)の厚さは、靴下の厚さ程度かまたはそれよりも薄くすることが出来るためこれによる痛みの発生はない。
【0036】
この切り離し手段を施すのは、効果として、本願発明である吸水性包帯(3)を使用者がより使い易いものにするためである。前記吸水性包帯片(1)の前記のつながりの箇所に切り離し手段を施したとすると、使用者はそのつながりの箇所を部分的に切るか、または切ることが容易となり、吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から部分的に切り離し動かすか、または吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から切り離すことが容易になる。
【0037】
本願発明の吸水性包帯(3)を、使用者は、早朝の慌ただしい状況において装着し、日中の忙しい状況において継続的に適用する等のことが想定されるので、切り離し手段が施されていることで、適宜のタイミングにてすばやく、痛みを発生させる恐れのあるまたは痛みを発生させている吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から部分的に切り離し動かすか、または切り離すことが出来る。
【0038】
本願発明の5は、前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)が内部に、吸水性素材(6)として、ポリアクリル酸系、ポリスルホン酸系、無水マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸系、ポリグルタミン酸系、ポリアルギン酸系、デンプン系、セルロース系の各高吸水性樹脂の種類の粒状体のいずれか、または前記各種類の粒状体の任意の組み合わせによる混合体か、または前記各種類の粒状体もしくは前記の混合体のいずれかと綿状パルプとの混合体か、または前記各種類の粒状体および前記の混合体の任意の組み合わせによる多層体か、以上の各種類の粒状体または混合体または多層体のうち少なくともひとつを有することを特徴とする本願発明の1から4のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0039】
すなわち、本願発明の吸水性包帯(3)は、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、以下のうちのいずれかを包含している。
すなわち、その吸水性包帯片(1)の内部に、吸水性素材(6)として、ポリアクリル酸系、ポリスルホン酸系、無水マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸系、ポリグルタミン酸系、ポリアルギン酸系、デンプン系、セルロース系の各高吸水性樹脂の種類の粒状体のいずれかを包含している。
または、その吸水性包帯片(1)の内部に、前記各種類の粒状体の任意の組み合わせによる混合体を包含している。
または、その吸水性包帯片(1)の内部に、前記各種類の粒状体もしくは前記の混合体のいずれかと、綿状パルプとの混合体を包含している。
または、その吸水性包帯片(1)の内部に、前記各種類の粒状体および前記の混合体の任意の組み合わせによる多層体を包含している。
本願発明の吸水性包帯(3)は、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)の内部に、以上の各種類の粒状体または混合体または多層体のうち少なくともひとつを有する。
ここで粒状体とは、上記の各高吸水性樹脂の粒子の集まった状態とその集合体を指す。また、本願では高吸水性樹脂を、高吸水性高分子化合物、高分子吸水ポリマー、または高分子吸水性ポリマーともいうこととする。
【0040】
本願発明の吸水性包帯(3)において、吸水性素材(6)として内部に吸水性素材(6)としてポリアクリル酸系高吸水性樹脂等の高吸水性を有する高吸水性高分子化合物を包含することで、効果として、吸水性包帯(3)に高い吸水性を持たせることが可能である。高吸水性高分子化合物の例としてはポリアクリル酸系高吸水性樹脂を始めとする高吸水性樹脂が挙げられる。これらの高吸水性樹脂は吸収率が高い場合には自身の重量の約100倍から約300倍の重量の水分を吸収することが出来るため、これらの粒状体を全体で数グラム程包含する吸水性包帯(3)であれば、それを例えば一日中足指に装着したとしてその間足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を充分に吸収することが出来る。
吸水性素材(6)としては、ポリアクリル酸系の高吸水性高分子化合物が性能とコストの面から好適であるが、しかしながらこれら以外でもよいものとする。
【0041】
本願発明の5の実施例は図1から図6であり、参考例は図7から図13である。図1の図(2)、図2の(5)、(6)、および(7)、図7の図(2)、図8の図(5)、(6)、および(7)では、吸水性包帯片(1)の内部に吸水性素材(6)が含まれていることを断面図により示している。
【0042】
本願発明の6は、前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が少なくとも1本つながっていることを特徴とする本願発明の1から5のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0043】
ここで、つながるとは、前記の3つの形態で素材がつながる場合を意味する。すなわち、接続することでつながっている場合、同一素材で連続することでつながっている場合、組み合わすことでつながっている場合、以上である。補助紐(12)のつながりの仕方については、同一素材で連続することでつながる場合がコストと作製効率から好適であるが、しかしながら他の方法でつながっている場合でもよいものとする。
また、補助紐(12)とは、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるが、ここで例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。
なお、1本の補助紐(12)とは通常当然ながら1本の紐から構成される1本の補助紐(12)であるが、2本以上の紐から構成される1本の補助紐(12)であってもよい。後者の場合2本以上の紐がつながることで1本の補助紐(12)を構成することを意味する。ここで、つながるとは、接続することでつながっている場合と組み合わすことでつながっている場合を指す。1本の補助紐(12)は1本の不織布により成る場合が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外でもよいものとする。以下の記述では1本の補助紐(12)とは1本の紐により成る場合を例として記載する。
【0044】
本願発明の吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)に補助紐(12)を付けた場合、吸水性包帯(3)を足指に巻く際に補助紐(12)も足指に巻き付けることが出来るため、その効果として各吸水性包帯片(1)がより足指に密着し、適用中に各吸水性包帯片(1)が足指からずれたり外れたりすることが軽減するかまたは無くなる。
なお、補助紐(12)の厚さは、靴下の厚さ程度かまたはそれよりも薄くすることが出来るためこれによる痛みの発生はない。
【0045】
本願発明の6の実施例は、図5図6参考例は図12、および図13である。
図5図6図13では補助紐(12)は本体の吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例を示している。
図12は補助紐(12)が吸水性包帯片(1)に接続することによりつながっている例を示している。
【0046】
本願発明の7は、前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本が、そのつながっている吸水性包帯片(1)と、接続することでつながっていることを特徴とする本願発明の6に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0047】
前記吸水性包帯片(1)について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が接続することでつながっている場合とは、吸水性包帯片(1)に補助紐(12)を、超音波エネルギーを付与することで接合するか、もしくは接着剤で接着するか、もしくは接着テープで接着するか、もしくは面ファスナーにより接合するか、もしくは両面接着テープにより接着するか等の接続手段を施してつながっていることを指す。このうち超音波エネルギーを付与することで接合する方法が構成要素が増えないために好適であるが、しかしこれら以外の接続方法でもよいものとする。
【0048】
接続することでつなげることによる効果は、加工のしやすさであり、目標として設計した形状の吸水性包帯(3)を効率的に作製することができるものである。
【0049】
本願発明の7参考例図12である。図12は補助紐(12)が吸水性包帯片(1)に超音波エネルギーを付与することで接合するかもしくは接着剤で接着するか等の接続手段によりつながっている例を示している。
【0050】
本願発明の8は、前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本が、そのつながっている吸水性包帯片(1)と、同一素材で連続することでつながっていることを特徴とする本願発明の6または7に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0051】
前記吸水性包帯片(1)について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が、同一素材で連続することでつながっている場合とは、同一の素材により作製されていることを指す。見た目上は2つの構成要素がつながっているようにも見えるのであるが、もともと同一の、同種類という意味でなく、もともと同一の素材で作製されている状態である。同一であるから同種類でもある。
【0052】
同一素材で連続することでつながっていることによる効果は、つながる箇所における加工が不要な点である。同一素材で連続することでつながるように素材の形状を工夫することにより出来るだけ少ない素材で吸水性包帯(3)を作製でき、かつ作製工程を簡略化することができる。
【0053】
本願発明の8の実施例は、図5図6、および参考例は図13である。
図5、および図6では補助紐(12)は本体の吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例を示している。
図13では補助紐(12)が吸水性包帯片(1)と同一素材で連続することでつながっている他の例を示している。
【0054】
本願発明の9は、前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本について、その補助紐(12)が前記吸水性包帯(3)とつながる箇所に切り離し手段が施されていることを特徴とする本願発明の6から8のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0055】
切り離し手段とは、素材に対して切れ目もしくはミシン目等の工夫を施すことであり、その他にも切り離し部分に切り離しテープを施して切り離しテープを切り離すことで素材を切り離すことができるものであってもよい。超音波エネルギーを付加することで容易に作製することができるため切れ目が好適であるが、しかしながらこれら以外の工夫でもよいものとする。
【0056】
この切り離し手段を施すのは、本願発明である吸水性包帯(3)を使用者がより使い易いものにするためである。前記補助紐(12)がつながっている箇所に切り離し手段を施すことで、使用者はそのつながりの箇所を切ることが容易となり、補助紐(12)を切り出すことが容易にできる。なお、補助紐(12)は吸水性包帯片(1)とつながっているばかりでなく包帯紐(2)とつながっている場合もある。
【0057】
本願発明の9の実施例は、図5および図6である。
図5の図(1)、および図6の図(1)では補助紐(12)は本体の吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例を示している。それらの補助紐(12)はその周囲の、吸水性包帯(3)とつながっている箇所に切り離し手段が施されている。
図5および図6のうちのそれぞれの図(2)では、切り離し手段が施してある箇所を切ることで、補助紐(12)を生じせしめている。
【0058】
本願発明の10は、前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個に薬品が付加されていることを特徴とする本願発明の1から9のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0059】
本願発明の吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)に薬品が付加されていることとは、吸水性包帯片(1)の表面または内部の少なくとも1つの箇所に薬品が付加されていることを指す。
ここで薬品とは、対象とする皮膚疾患に対する治療薬、および芳香剤、消臭剤等を指す。これらの薬品が付加されているとは、薬品が吸水性包帯片(1)の表面に塗布、浸潤、散布等されていること、もしくは、薬品が吸水性包帯片(1)の内部に包含されていることを指す。
薬品が治療薬であり吸水性包帯片(1)の表面に塗布されている場合、皮膚表面に治療薬が適用され治療効果がある。薬品が芳香剤、消臭剤等であり吸水性包帯片(1)の内部に包含されている場合、皮膚疾患の悪臭を防ぐ効果がある。どちらの場合も当然ながら足指および足指股周辺の皮膚表面の水分は吸収される。
【0060】
本願発明の10の実施例は図としては例示していないが、図1から図13のどの例の吸水性包帯(3)についても、その吸水性包帯片(1)に薬品が付加されていてよい。例えば図1の図(4)の吸水性包帯(3)の表面に薬品として治療薬を塗布することができる。
【0061】
以上のような本願発明の吸水性包帯(3)の基本的な作製方法として、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)を同一の素材から作製する方法がある。
この場合、吸水性素材(6)を前記素材の上に複数箇所配置し、前記素材を折るかまたは巻くかまたは重ねる等の重ね合わせを施し、前記素材の重ね合わせの間の空間に、吸水性素材(6)が複数箇所配置されている状態を形成する。この吸水性素材(6)が外に出ないようにその周囲に対し、超音波エネルギーを付与することで接合するかもしくは接着剤で接着するか等の接続手段を施し、さらに切れ目もしくはミシン目等の切り離し手段を施すことで吸水性包帯片(1)複数個と包帯紐(2)とから成る吸水性包帯(3)を作製する。
図1から図6の吸水性包帯(3)はこの作製方法によるものであり、図2はその作製工程例を示すものである。
【0062】
また、本願発明の吸水性包帯(3)の他の基本的な作製方法として、吸水性包帯片(1)複数個と包帯紐(2)を別々に作製して、これらをつなげて吸水性包帯(3)を作製する方法がある。
この場合、前記と同様の重ね合わせの方法を用いて吸水性包帯片(1)を作製する。このとき吸水性包帯片(1)の内部には吸水性素材(6)が配置してあり前記の接続手段により内部の吸水性素材(6)が外に出ないようにしてある。
図7から図13の吸水性包帯(3)はこの作製方法によるものであり、図8はその作製工程例を示すものである。
【0063】
本願発明の吸水性包帯(3)を作製するに当たっては、前記の2つの基本的な作製方法があり、またこれらの作製方法を組み合わせて吸水性包帯(3)を作製することも出来る。
このようにして、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)の素材、形、大きさ、数、およびそれらがつながる箇所と方法、吸水性素材(6)の種類と量、これらを様々に工夫することにより、図1から図13実施例および参考例に示すように、吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりすることが出来るという本願発明の特徴を持った様々な吸水性包帯(3)を作製することが出来る。
これらの作製方法および図からも分かるように本願発明の吸水性包帯(3)は構成および構造がシンプルであり、かつその作製方法には特別に複雑な作製工程は含まれない。従って当該用品を作製する側面において持つべき特徴を有している。
【0064】
本願発明の吸水性包帯(3)は、足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収するための用品として持つべき前記の特徴の全てを有するものである。
本願発明の用品である吸水性包帯(3)は、その主要な構成要素である吸水性包帯片(1)を、用品を適用する際または適用中に動かすか、または部分的に切り離し動かすか、または切り離すことが出来るという、これまでに想像されなかった機能性を有する発明である。
すなわち、本願発明の用品は、足指に吸水性の用品をあてがうだけの受け身的で固定的な適用形態の用品ではなく、使用者にとって不利益となる部分に対して使用者自身が変化を加えたり除外したりすることが出来るという、そしてそれにより使用者にとって最も適した状態に能動的に変化せしめて適用することが出来るという、これまでとは反対の性質を持った用品である。
このように本願発明は、これまでとは異なる独自の着想を経て成る発明であり、本願発明の図面からも分かるように、この独創性により幅広い種類の形態や形状を生み出すことができる基盤的技術として提供されるものである。
【0065】
(追加段落)
本願発明の11は、本願発明の1から10のいずれかに記載の吸水性包帯(3)複数個により構成される吸水性包帯群(14)であって、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的に、または通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助包帯紐(15)を介在して間接的に、つながっていることを特徴とする足指のための吸水性包帯群(14)である。
【0066】
(追加段落)
すなわち、本願発明の11は、前記吸水性包帯(3)複数個により構成される吸水性包帯群(14)である。また前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的に、または通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助包帯紐(15)を介在して間接的に、つながっている。
【0067】
(追加段落)
ここで、つながるとは、前記と同様に3つの形態で素材がつながる場合を意味する。すなわち、接続することでつながっている場合、同一素材で連続することでつながっている場合、組み合わすことでつながっている場合である。
また、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的につながっている、というとき、そのつながりとは、吸水性包帯片(1)と吸水性包帯片(1)とのつながり、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とのつながり、包帯紐(2)と包帯紐(2)とのつながりの、これらの3種のつながりを指す。
また、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と補助包帯紐(15)を介在して間接的につながっている、というとき、そのつながりとは、吸水性包帯片(1)と補助包帯紐(15)とのつながり、包帯紐(2)と補助包帯紐(15)とのつながり、これらの2種のつながりのどれかを経て吸水性包帯(3)同士が補助包帯紐(15)を介在して間接的につながることを指す。
なお、補助包帯紐(15)とは包帯紐(2)と同様に通気性があり水分も通過する素材により成る紐である。ここで例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。
本願発明の11の実施例を示す図は図15である。
【0068】
(追加段落)
本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、その構成要素の吸水性包帯(3)の数を増やすことで全体の大きさを広げてシート状にすることができる。また、本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、吸水性包帯群(14)単独で足指に巻くことのできる程度の大きさで製品化することも出来る。
製品として作製する際に生産性の効率向上の観点から、シート状の吸水性包帯群(14)を作製し提供する場合、使用者側はこのシート状の吸水性包帯群(14)から部分的に、自分の足指に適した吸水性包帯群(14)または吸水性包帯(3)を切り取り、これらのいずれかを足指に巻いて適用することができる。図14がシート状の吸水性包帯群(14)の例である。
製品として作製する際に、吸水性包帯群(14)単独で足指に巻くことのできる程度の大きさで製品化し提供する場合、使用者側はこの吸水性包帯群(14)をそのまま足指に適用するか、または、これから部分的に自分の足指に適した吸水性包帯群(14)または吸水性包帯(3)を切り取り、これらのいずれかを足指に巻いて適用することができる。図15は単独で足指に巻くことのできる吸水性包帯群(14)の例である。図15では、1本の補助包帯紐(15)を介在して吸水性包帯群(14)複数個が間接的につながっている様子を示している。
本願発明の11の吸水性包帯群(14)を、前記のように、そのままか、あるいは部分的に切り取った吸水性包帯群(14)としてか、または部分的に切り取った吸水性包帯(3)としてか、いずれかの方法にて足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記の適用上の調整を行うことが出来る。すなわち各吸水性包帯(3)または各吸水性包帯片(1)を動かすか、部分的に切り離し動かすか、切り離すことが出来る。
このように、本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、その構成要素が前記吸水性包帯(3)であるため、前記に記載した吸水性包帯(3)の特徴を全て有している。
なお、1本の補助包帯紐(15)とは通常当然ながら1本の紐から構成される1本の補助包帯紐(15)であるが、2本以上の紐から構成される1本の補助包帯紐(15)であってもよい。後者の場合2本以上の紐がつながることで1本の補助包帯紐(15)を構成することを意味する。ここで、つながるとは、接続することでつながる場合と組み合わすことでつながる場合を指す。1本の補助包帯紐(15)は1本の不織布により成る場合が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外でもよいものとする。以下での記述では1本の補助包帯紐(15)とは1本の紐により成る場合を例として記載する。
【0069】
(追加段落)
本願発明の11の実施例を図14および図15に示す。
図14の吸水性包帯群(14)は図3に示したタイプの吸水性包帯(3)複数個により構成した吸水性包帯群(14)である。図14の吸水性包帯群(14)はシート状であり、この中から部分的に吸水性包帯群(14)または吸水性包帯(3)を切り取って使用することができる。
図15の吸水性包帯群(14)は図1に示したタイプの吸水性包帯(3)複数個により構成した吸水性包帯群(14)である。図15の吸水性包帯群(14)は、前記のように、そのままとしてか、あるいは部分的に切り取った吸水性包帯群(14)としてか、または部分的に切り取った吸水性包帯(3)として、足指にあてがい巻いて適用することができる。
【発明の効果】
【0070】
本願発明の1は、通気性があり水分も通過する素材により成る包帯であるところの吸水性包帯片(1)複数個と、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの包帯紐(2)少なくとも1本により構成される吸水性包帯(3)であって、前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のうち少なくとも1個はその内部に吸水性素材(6)を有しており、前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは、前記包帯紐(2)と直接つながっているか、または前記吸水性包帯(3)の他の吸水性包帯片(1)を介して間接的に前記包帯紐(2)とつながっており、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所に切り離し手段が施されていることを特徴とする足指のための吸水性包帯(3)である。
【0071】
すなわち、吸水性包帯(3)は、通気性があり水分も通過する素材により成る包帯であるところの吸水性包帯片(1)複数個と、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの包帯紐(2)少なくとも1本により構成される。
前記の吸水性包帯片(1)とは、吸水性を有する包帯であり、使用者の足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収するための構成要素である。
また包帯紐(2)とは紐であり、吸水性包帯(3)が全体として紐の形態を維持するための構成要素である。
前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)はその内部に吸水性素材(6)を有している。前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のうち少なくとも1個はその内部に吸水性素材(6)を有するものであるが、通常は前記吸水性包帯片(1)複数個の全てにおいてその内部に吸水性素材(6)を包含するのが好適である。
前記吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは前記包帯紐(2)と直接つながっているか、または、前記吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯(3)の他の吸水性包帯片(1)を介して間接的に前記包帯紐(2)とつながっている。
また、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所に切り離し手段が施されている。
切り離し手段とは、素材に対して切れ目もしくはミシン目等の工夫を施すことであり、その他にも切り離し部分に切り離しテープを施して切り離しテープを切り離すことで素材を切り離すことができるものであってもよい。超音波エネルギーを付加することで容易に作製することができるため切れ目が好適であるが、しかしながらこれら以外の手段でもよいものとする。
【0072】
ここで、つながるとは、次の3つの形態で素材がつながる場合を意味する。すなわち、接続することでつながっている場合、同一素材で連続することでつながっている場合、組み合わすことでつながっている場合である。
【0073】
接続することでつながっている場合とは、2つの素材を、超音波エネルギーを付与することで接合するか、もしくは接着剤で接着するか、もしくは接着テープで接着するか、もしくは面ファスナーにより接合するか、もしくは両面接着テープにより接着するか等の接続手段を施してつながっていることを指す。このうち超音波エネルギーを付与することで接合する方法が構成要素が増えないために好適であるが、しかしこれら以外の接続方法でもよいものとする。
【0074】
同一素材で連続することでつながっている場合とは、同一の素材により作製されていることを指す。見た目上は2つの構成要素がつながっているようにも見えるのであるが、もともと同一の、同種類という意味でなく、もともと同一の素材で作製されている状態である。同一であるから同種類でもある。
【0075】
組み合わすことでつながっている場合とは、2つの素材に関して、一方の少なくとも1箇所において、穴、もしくは切れ目、もしくは輪等の組み合わせ用の箇所を施し、他方が前記組み合わせ用の箇所を通る等の組み合わせ手段により組み合わされることを指す。一方に切れ目を施し他方がこれを通る方法が作製上容易であるために好適であるが、しかしながらこれら以外の組み合わせ方法でもよいものとする。
【0076】
以上のように、本願発明の吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)はその少なくとも1箇所において、前記包帯紐(2)と、もしくは前記吸水性包帯(3)の他吸水性包帯片(1)と、前記の3種の方法のいずれかによりつながっている。
また、各吸水性包帯片(1)は、少なくとも1枚の素材を折るかまたは巻くかまたは重ねる等の重ね合わせを施されてできた包帯であり、前記素材の重ね合わせの間の空間に、吸水性を有する吸水性素材(6)を有している。
ここで通気性があり水分も通過する素材の例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。一般にこれらの素材は通気性を持ち、水分も通過することが出来、加工性に優れている。
また、吸水性素材(6)とは、吸水性を有する素材である。吸水性素材(6)としては、ポリアクリル酸系の高吸水性高分子化合物を始めとして種々の素材がある。ポリアクリル酸系の高吸水性高分子化合物が性能とコストの面から好適であるが、しかしながらこれら以外でもよいものとする。
また、包帯紐(2)とは、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるが、ここで例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。
【0077】
前記の構成と構造により成ることから、本願発明の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用すると、使用者は足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収することが出来、さらに加えて各吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりすることが出来る。
【0078】
すなわち、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)の前記吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。
または、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)の前記のつながりの箇所を切るかもしくは部分的に切ることで、前記吸水性包帯片(1)を前記吸水性包帯(3)から部分的に切り離すことが出来、そのため前記吸水性包帯片(1)の前記吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。
または、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)の前記のつながりの箇所を切ることで、前記吸水性包帯片(1)を前記吸水性包帯(3)から切り離すことが出来る。
以上のようにして、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記の適用上の調整、すなわち各吸水性包帯片(1)を動かすか、部分的に切り離し動かすか、切り離すか、これらの適用上の調整を行うことが出来る。
その結果として、本願発明の吸水性包帯(3)は、足指にあてがい巻いて適用する用品として当該用品が持つべき前記の特徴のひとつを有する。すなわち、痛みを回避することが出来る。そのため快適な装着に関する適用性を満たす。
【0079】
(追加段落)
なお、切り離す、切る、というとき、これは手でちぎるとかハサミのような道具を用いて切るとかを始めとする広く一般的な仕方で切ることを意味する。
【0080】
本願発明の1の実施例を図1から図6に示す。なお図7から図13は参考例である。このうち、吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりする例は、図1の図(4)、図3の図(2)、図4の図(2)、図5の図(2)、図6の図(2)、図7の図(4)、図9の図(2)、図10の図(2)、図11の図(2)、図12の図(2)、および図13の図(2)である。
本願発明の1の実施例で、吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する例を図1の図(5)、および参考例として図7の図(5)に示す。他の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する様子もほぼ同様である。
【0081】
前記の構成と構造により成ることから、本願発明の用品には特徴として以下がある。
まず、適用すべき足指の本数について、足指1本から5本まで対象とする本数の足指に吸水性包帯(3)を適用可能である。なぜなら吸水性包帯(3)はあらかじめ足指5本に巻きつける長さかまたはそれ以上の長さで提供されることが出来、かつ使用者は必要に応じて吸水性包帯(3)を切って適切な長さにして対象とする足指に無駄なく適用することが出来るからである。すなわち、対象とする足指の本数に関する適用性を満たしている。
【0082】
また、本願発明の用品の効果として、適用対象とする足指の腹部分および足指股周辺に対して吸水性包帯(3)をあてがい巻いて適用することが可能である。なぜなら吸水性包帯(3)の形態は紐状であり、これを足指にあてがい巻いて適用するからである。すなわち、対象とする足指へあてがう箇所に関する適用性を満たしている。
【0083】
また、本願発明の用品の効果として、老若男女の様々に異なる足指のサイズに対応することが出来る。なぜなら当該用品は紐状でありこれを足指に巻くという使用方法であるためである。また、当該用品は太さと長さの異なる形態で提供することが可能である。
もしも長い場合は使用者は必要に応じて吸水性包帯(3)を適切な長さに切って使うことが出来る。このため余った部分が皮膚を圧迫して痛みの原因となる恐れもない。よって、老若男女の様々に異なる足指のサイズに対応することが出来る。すなわち、対象とする足指の大きさに関する適用性を満たしている。
【0084】
また、本願発明の用品の効果として、装着および脱着が容易である。なぜなら装着する際は吸水性包帯(3)を単に足指に巻くだけであり、脱着する際はこれを引いてほどくだけであるからである。従って輪状の用品のように装着したときにちょうどサイズが合う場合にかえって装着および脱着がしづらいという問題はない。すなわち、適用の前後における着脱に関する適用性を満たしている。
【0085】
また、本願発明の用品の効果として、適用中にずれたり外れたりしにくい。なぜなら吸水性包帯(3)を足指に巻くからである。吸水性包帯片(1)を動かして使う場合も、部分的に切り離して動かして使う場合も、切り離して使う場合も、包帯紐(2)については変化がないのであるから吸水性包帯(3)全体として足指に巻いている状態は変わらない。従って適用中に吸水性包帯(3)がずれたり外れたりすることはない。
また、補助紐(12)を付けた場合は、これを足指に巻くため、ずれたり外れたりしにくくなる効果がより得られる。
また、本願発明の用品として、適切な強度を持った素材を用いることで破れたりしない用品を作製することが出来る。用品としては強度と柔らかさのバランスを有するように適した素材によって、または素材の組合せによって作製するのであるが、万一その強度故に人によって痛みが発生するような場合であっても痛みの発生箇所の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離して動かしたり、あるいは切り離したりして調整することができる。すなわち継続的な装着に関する適用性を満たしている。
【0086】
また、本願発明の用品の効果として、高い吸水性を持つことが可能である。なぜなら吸水性包帯片(1)の作製方法として、繊維素材により吸水性包帯片(1)を作製しその内部に高吸水性高分子化合物の粒状体を包含する形態とすることが可能であるからである。高吸水性高分子化合物の例としてはポリアクリル酸系高吸水性樹脂を始めとする高吸水性樹脂が挙げられるが、これらの高吸水性樹脂は吸収率が高い場合には自身の重量の約100倍から約300倍の重量の水分を吸収することが出来るため、これらの粒状体を全体で数グラム程包含する吸水性包帯(3)であれば、それを例えば一日中足指に装着したとしてその間足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を充分に吸収することが出来る。
また、吸水性素材(6)の偏りがないため、用品全体として吸水性が部分的に劣る箇所が生じることがない。これは吸水性包帯(3)が複数の吸水性包帯片(1)から構成され、各吸水性包帯片(1)の中に吸水性素材(6)がそれぞれ配置されるからである。また、個々の吸水性包帯片(1)の中の吸水性素材(6)の均一性を確保する工夫を取ることが出来る。例えば綿状パルプと高吸水性高分子化合物の混合体がその例として挙げられる。仮にそのために一定の厚さが生じ足指に適用中に痛みが発生する可能性があるとしても、それを回避する手段がある。使用者は装着する際または適用中において痛みの原因となる吸水性包帯片(1)を動かすか、または部分的に切り離し動かすか、または切り離すことが出来るからである。以上により、適格な吸水効果に関する適用性を満たしている。
【0087】
また、本願発明の用品の効果として、適用中に痛みがない。なぜなら使用者は装着する際または適用中において痛みの原因となる吸水性包帯片(1)を動かすか、または部分的に切り離し動かすか、または切り離すことが出来るからである。すなわち、快適な装着に関する適用性を満たしている。
【0088】
以上に示したように本願発明の吸水性包帯(3)は、足指にあてがい巻いて適用する用品として当該用品が持つべき前記の特徴の全てを有している。
【0089】
なお、足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収するための用品である本用品について、それを適用する際に、足指が痛いからという理由で吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりした場合に、水分を吸収する効果が減少するのではないかという懸念を持つかもしれない。しかし以下の理由からそれはない。
すなわち、足指が痛いという場合、その主な痛みの箇所は、足指の腹の側すなわち内側でなく、甲の側および、親指および小指の側面で靴に当たる側、これらの箇所である。これらの箇所では肉が比較的に薄く、狭い靴の中にあって用品が皮膚と肉を圧迫して痛みを発生させる恐れが高い箇所である。一方足指の腹の側は肉が比較的に厚く形状としてアーチ型であるため空間があり柔軟性がある。よって足指の腹の側においては用品が食い込んで痛いということがない。
このように痛みを調整する箇所は、足指の腹の側でなく甲の側、および、親指および小指の側面で靴に当たる側が主であり、これらの箇所における痛みを解消するために吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして調整するのである。
また、足指および足指股周辺の皮膚表面の水分とは足指の汗から生ずるものであるが、この汗が発生する主な箇所は足指の腹および足指股の側であり甲の側でない。従って足指の甲の側、および、親指および小指の側面で靴に当たる側、これらの箇所における痛みを解消するために吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして調整したとしても、足指の腹および股の側では吸水性包帯片(1)がしっかりと保持されているので、本用品として足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収する目的は充分に果たせるのである。
【0090】
本願発明の2は、前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、接続することでつながっていることを特徴とする本願発明の1に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0091】
接続することでつながっている場合とは、2つの素材を、超音波エネルギーを付与することで接合するか、もしくは接着剤で接着するか、もしくは接着テープで接着するか、もしくは面ファスナーにより接合するか、もしくは両面接着テープにより接着するか等の接続手段を施してつながっていることを指す。このうち超音波エネルギーを付与することで接合する方法が構成要素が増えないために好適であるが、しかしこれら以外の接続方法でもよいものとする。
接続することでつながっている例としては図7、8、10、11、12、および13の吸水性包帯(3)である。
【0092】
接続することでつなげることによる効果は、加工のしやすさであり、目標として設計した形状の吸水性包帯(3)を効率的に作製することができるものである。
【0093】
本願発明の3は、前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、同一素材で連続することでつながっていることを特徴とする本願発明の1または2に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0094】
同一素材で連続することでつながっている場合とは、同一の素材により作製されていることを指す。見た目上は2つの構成要素がつながっているようにも見えるのであるが、もともと同一の、同種類という意味でなく、もともと同一の素材で作製されている状態である。同一であるから同種類でもある。
同一素材で連続することでつながっている例としては図1、2、3、4、5、および6の吸水性包帯(3)である。当図の吸水性包帯片(1)と前記包帯紐(2)とは同一の繊維素材からできているものである。
【0095】
同一素材で連続することでつながっていることによる効果は、つながる箇所における加工が不要な点である。同一素材で連続することでつながるように素材の形状を工夫することにより出来るだけ少ない素材で吸水性包帯(3)を作製でき、かつ作製工程を簡略化することができる。
【0096】
本願発明の4は、前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、組み合わすことでつながっていることを特徴とする本願発明の1から3のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0097】
組み合わすことでつながっている場合とは、2つの素材に関して、一方の少なくとも1箇所において、穴、もしくは切れ目、もしくは輪等の組み合わせ用の箇所を施し、他方が前記組み合わせ用の箇所を通る等の組み合わせ手段により組み合わされることを指す。一方に切れ目を施し他方がこれを通る方法が作製上容易であるために好適であるが、しかしながらこれら以外の組み合わせ方法でもよいものとする。
組み合わすことでつながっている例としては図9図10である。当図では図としての見やすさのため穴を施した例を示している。
【0098】
組み合わすことでつなげることによる効果は、組み合わせのつながりの箇所において、吸水性包帯片(1)を包帯紐(2)と組み合わせてつなげた状態を保ちつつずらすことができる点にある。これにより使用者は装着する際または適用中において痛みの原因となる吸水性包帯片(1)がある場合につながりの箇所を切らずとも容易にその吸水性包帯片(1)を動かすことができる。
図9および図10の図(2)では組み合わすことでつながっている吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)と組み合わせてつなげた状態を保ちつつずらすことができる様子を示している。
【0099】
本願発明の吸水性包帯(3)の包帯紐(2)とは紐であり、吸水性包帯(3)が全体として紐の形態を維持するための基本となる紐である。従って包帯紐(2)を切るのではなく、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とのつながりの箇所、または吸水性包帯片(1)同士のつながりの箇所を部分的に切るか、または切ることで、対象とする吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から部分的に切り離し動かすことが出来る。すなわち前記吸水性包帯片(1)の吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。
または、これらのつながりの箇所を切ることで、対象とする吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から切り離すことが出来る。
または、吸水性包帯(3)の形状により吸水性包帯(3)のどの部分も切ることなく対象とする吸水性包帯片(1)を動かすことが出来る。すなわち前記吸水性包帯片(1)の吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。この例は図13である。
【0100】
吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とのつながりの箇所、または吸水性包帯片(1)同士のつながりの箇所を部分的に切るか、または切るとき、前記吸水性包帯片(1)、およびもし前記吸水性包帯片(1)に付随する1つまたは複数の吸水性包帯片(1)があればそれらの吸水性包帯片(1)は部分的に切り離されるか、または切り離される。しかしそれら以外の吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とはつながっているままであり、また、包帯紐(2)は切らないのであるから包帯紐(2)としては紐のままであり、従って吸水性包帯(3)としても全体として足指に巻かれた状態は変わらない。
【0101】
紐状の包帯をそのまま足指に適用して靴を履く場合には痛みが発生する恐れがあるのであるが、本願発明の吸水性包帯(3)であれば、前記の特徴により、装着する際および適用中に適宜のタイミングで痛みの発生原因となる吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして、前記吸水性包帯(3)の形状を変えることが出来るので、この痛みの問題を解決することが出来る。
なお、包帯紐(2)の厚さは、靴下の厚さ程度かまたはそれよりも薄くすることが出来るためこれによる痛みの発生はない。
【0104】
この切り離し手段を施すのは、効果として、本願発明である吸水性包帯(3)を使用者がより使い易いものにするためである。前記吸水性包帯片(1)の前記のつながりの箇所に切り離し手段を施したとすると、使用者はそのつながりの箇所を部分的に切るか、または切ることが容易となり、吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から部分的に切り離し動かすか、または吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から切り離すことが容易になる。
【0105】
本願発明の吸水性包帯(3)を、使用者は、早朝の慌ただしい状況において装着し、日中の忙しい状況において継続的に適用する等のことが想定されるので、切り離し手段が施されていることで、適宜のタイミングにてすばやく、痛みを発生させる恐れのあるまたは痛みを発生させている吸水性包帯片(1)を吸水性包帯(3)から部分的に切り離し動かすか、または切り離すことが出来る。
【0106】
本願発明の5は、前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)が内部に、吸水性素材(6)として、ポリアクリル酸系、ポリスルホン酸系、無水マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸系、ポリグルタミン酸系、ポリアルギン酸系、デンプン系、セルロース系の各高吸水性樹脂の種類の粒状体のいずれか、または前記各種類の粒状体の任意の組み合わせによる混合体か、または前記各種類の粒状体もしくは前記の混合体のいずれかと綿状パルプとの混合体か、または前記各種類の粒状体および前記の混合体の任意の組み合わせによる多層体か、以上の各種類の粒状体または混合体または多層体のうち少なくともひとつを有することを特徴とする本願発明の1から4のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0107】
すなわち、本願発明の吸水性包帯(3)は、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、以下のうちのいずれかを包含している。
すなわち、その吸水性包帯片(1)の内部に、吸水性素材(6)として、ポリアクリル酸系、ポリスルホン酸系、無水マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸系、ポリグルタミン酸系、ポリアルギン酸系、デンプン系、セルロース系の各高吸水性樹脂の種類の粒状体のいずれかを包含している。
または、その吸水性包帯片(1)の内部に、前記各種類の粒状体の任意の組み合わせによる混合体を包含している。
または、その吸水性包帯片(1)の内部に、前記各種類の粒状体もしくは前記の混合体のいずれかと、綿状パルプとの混合体を包含している。
または、その吸水性包帯片(1)の内部に、前記各種類の粒状体および前記の混合体の任意の組み合わせによる多層体を包含している。
本願発明の吸水性包帯(3)は、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)の内部に、以上の各種類の粒状体または混合体または多層体のうち少なくともひとつを有する。
ここで粒状体とは、上記の各高吸水性樹脂の粒子の集まった状態とその集合体を指す。
【0108】
本願発明の吸水性包帯(3)において、吸水性素材(6)として内部に吸水性素材(6)としてポリアクリル酸系高吸水性樹脂等の高吸水性を有する高吸水性高分子化合物を包含することで、効果として、吸水性包帯(3)に高い吸水性を持たせることが可能である。高吸水性高分子化合物の例としてはポリアクリル酸系高吸水性樹脂を始めとする高吸水性樹脂が挙げられる。これらの高吸水性樹脂は吸収率が高い場合には自身の重量の約100倍から約300倍の重量の水分を吸収することが出来るため、これらの粒状体を全体で数グラム程包含する吸水性包帯(3)であれば、それを例えば一日中足指に装着したとしてその間足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を充分に吸収することが出来る。
吸水性素材(6)としては、ポリアクリル酸系の高吸水性高分子化合物が性能とコストの面から好適であるが、しかしながらこれら以外でもよいものとする。
【0109】
吸水性素材(6)として内部に高吸水性高分子化合物を包含させた吸水性包帯片(1)を用いて吸水性包帯(3)を作製した場合に、吸水性包帯片(1)の厚さが増す恐れがあるが、その場合でも前記に記載の吸水性包帯(3)の特徴により、使用者は吸水性包帯片(1)を動かすか、または部分的に切り離し動かすか、または切り離すことが出来る。すなわち、痛みを生じさせる吸水性包帯片(1)がある場合に前記吸水性包帯片(1)の向きや位置などの状態を変えるか、または前記吸水性包帯片(1)を排除することができる。
従って吸水性素材(6)として高吸水性高分子化合物を内部に包含させた吸水性包帯片(1)を用いて吸水性包帯(3)を作製した場合に吸水性包帯片(1)の厚さが増す恐れがあるとしても、使用者がこれを足指に適用する際において前記の痛みを回避する手段があるために問題とならない。
【0110】
本願発明の5の実施例は図1から図6であり、参考例は図7から図13である。図1の図(2)、図2の図(1)、(5)、(6)、および(7)、図7の図(2)、図8の図(1)、(5)、(6)、および(7)では、吸水性包帯片(1)の内部に吸水性素材(6)が含まれていることを断面図により示している。

【0111】
本願発明の6は、前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が少なくとも1本つながっていることを特徴とする本願発明の1から5のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0112】
ここで、つながるとは、前記の3つの形態で素材がつながる場合を意味する。すなわち、接続することでつながっている場合、同一素材で連続することでつながっている場合、組み合わすことでつながっている場合、以上である。補助紐(12)のつながりの仕方については、同一素材で連続することでつながる場合がコストと作製効率から好適であるが、しかしながら他の方法でつながっている場合でもよいものとする。
また、補助紐(12)とは、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるが、ここで例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。
【0113】
本願発明の吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)に補助紐(12)を付けた場合、吸水性包帯(3)を足指に巻く際に補助紐(12)も足指に巻き付けることが出来るため、その効果として各吸水性包帯片(1)がより足指に密着し、適用中に各吸水性包帯片(1)が足指からずれたり外れたりすることが軽減するかまたは無くなる。
なお、補助紐(12)の厚さは、靴下の厚さ程度かまたはそれよりも薄くすることが出来るためこれによる痛みの発生はない。
【0114】
本願発明の6の実施例は、図5図6参考例は図12、および図13である。
図5図6図13では補助紐(12)は本体の吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例を示している。
図12は補助紐(12)が吸水性包帯片(1)に接続することによりつながっている例を示している。
【0115】
本願発明の7は、前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本が、そのつながっている吸水性包帯片(1)と、接続することでつながっていることを特徴とする本願発明の6に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0116】
前記吸水性包帯片(1)について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が接続することでつながっている場合とは、吸水性包帯片(1)に補助紐(12)を、超音波エネルギーを付与することで接合するか、もしくは接着剤で接着するか、もしくは接着テープで接着するか、もしくは面ファスナーにより接合するか、もしくは両面接着テープにより接着するか等の接続手段を施してつながっていることを指す。このうち超音波エネルギーを付与することで接合する方法が構成要素が増えないために好適であるが、しかしこれら以外の接続方法でもよいものとする。
【0117】
接続することでつなげることによる効果は、加工のしやすさであり、目標として設計した形状の吸水性包帯(3)を効率的に作製することができるものである。
【0118】
本願発明の7参考例図12である。図12は補助紐(12)が吸水性包帯片(1)に超音波エネルギーを付与することで接合するかもしくは接着剤で接着するか等の接続手段によりつながっている例を示している。
【0119】
本願発明の8は、前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本が、そのつながっている吸水性包帯片(1)と、同一素材で連続することでつながっていることを特徴とする本願発明の6または7に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0120】
前記吸水性包帯片(1)について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が、同一素材で連続することでつながっている場合とは、同一の素材により作製されていることを指す。見た目上は2つの構成要素がつながっているようにも見えるのであるが、もともと同一の、同種類という意味でなく、もともと同一の素材で作製されている状態である。同一であるから同種類でもある。
【0121】
同一素材で連続することでつながっていることによる効果は、つながる箇所における加工が不要な点である。同一素材で連続することでつながるように素材の形状を工夫することにより出来るだけ少ない素材で吸水性包帯(3)を作製でき、かつ作製工程を簡略化することができる。
【0122】
本願発明の8の実施例は、図5図6、および参考例は図13である。
図5、および図6では補助紐(12)は本体の吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例を示している。
図13では補助紐(12)が吸水性包帯片(1)と同一素材で連続することでつながっている他の例を示している。
【0123】
本願発明の9は、前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本について、その補助紐(12)が前記吸水性包帯(3)とつながる箇所に切り離し手段が施されていることを特徴とする本願発明の6から8のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0124】
切り離し手段とは、素材に対して切れ目もしくはミシン目等の工夫を施すことであり、その他にも切り離し部分に切り離しテープを施して切り離しテープを切り離すことで素材を切り離すことができるものであってもよい。超音波エネルギーを付加することで容易に作製することができるため切れ目が好適であるが、しかしながらこれら以外の工夫でもよいものとする。
【0125】
この切り離し手段を施すのは、本願発明である吸水性包帯(3)を使用者がより使い易いものにするためである。前記補助紐(12)がつながっている箇所に切り離し手段を施すことで、使用者はそのつながりの箇所を切ることが容易となり、補助紐(12)を切り出すことが容易にできる。なお、補助紐(12)は吸水性包帯片(1)とつながっているばかりでなく包帯紐(2)とつながっている場合もある。
【0126】
本願発明の吸水性包帯(3)に切れ目またはミシン目等の切り離し手段を施す方法で補助紐(12)を生じさせ得る場合、この作製方法は、後から補助紐(12)を各吸水性包帯片(1)につなげる場合の作製方法と比較してより効率的な作製工程で吸水性包帯(3)を作製することが出来、製品の外観としても見た目がすっきりとした吸水性包帯(3)を提供出来る。使用者は必要に応じて切れ目またはミシン目等を切り離すことで補助紐(12)を生じさせ足指に巻き付けることが出来る。
【0127】
本願発明の9の実施例は、図5および図6である。
図5の図(1)、および図6の図(1)では補助紐(12)は本体の吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例を示している。それらの補助紐(12)はその周囲の、吸水性包帯(3)とつながっている箇所に切り離し手段が施されている。
図5および図6のうちのそれぞれの図(2)では、切り離し手段が施してある箇所を切ることで、補助紐(12)を生じせしめている。
【0128】
本願発明の10は、前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個に薬品が付加されていることを特徴とする本願発明の1から9のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0129】
本願発明の吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)に薬品が付加されていることとは、吸水性包帯片(1)の表面または内部の少なくとも1つの箇所に薬品が付加されていることを指す。
ここで薬品とは、対象とする皮膚疾患に対する治療薬、および芳香剤、消臭剤等を指す。これらの薬品が付加されているとは、薬品が吸水性包帯片(1)の表面に塗布、浸潤、散布等されていること、もしくは、薬品が吸水性包帯片(1)の内部に包含されていることを指す。
薬品が治療薬であり吸水性包帯片(1)の表面に塗布されている場合、皮膚表面に治療薬が適用され治療効果がある。薬品が芳香剤、消臭剤等であり吸水性包帯片(1)の内部に包含されている場合、皮膚疾患の悪臭を防ぐ効果がある。どちらの場合も当然ながら足指および足指股周辺の皮膚表面の水分は吸収される。
【0130】
本願発明の10の実施例は図としては例示していないが、図1から図13のどの例の吸水性包帯(3)についても、その吸水性包帯片(1)に薬品が付加されていてよい。例えば図1の図(4)の吸水性包帯(3)の表面に薬品として治療薬を塗布することができる。
【0131】
以上のように、本願発明の吸水性包帯(3)は、足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収するための用品として持つべき前記の特徴の全てを有するものである。
本願発明の用品である吸水性包帯(3)は、その主要な構成要素である吸水性包帯片(1)を、用品を適用する際または適用中に動かすか、または部分的に切り離し動かすか、または切り離すことが出来るという、これまでに想像されなかった機能性を有する発明である。
すなわち、本願発明の用品は、足指に吸水性の用品をあてがうだけの受け身的で固定的な適用形態の用品ではなく、使用者にとって不利益となる部分に対して使用者自身が変化を加えたり除外したりすることが出来るという、そしてそれにより使用者にとって最も適した状態に能動的に変化せしめて適用することが出来るという、これまでとは反対の性質を持った用品である。
このように本願発明は、これまでとは異なる独自の着想を経て成る発明であり、本願発明の図面からも分かるように、この独創性により幅広い種類の形態や形状を生み出すことができる基盤的技術として提供されるものである。
【0132】
(追加段落)
本願発明の11は、本願発明の1から10のいずれかに記載の吸水性包帯(3)複数個により構成される吸水性包帯群(14)であって、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的に、または通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助包帯紐(15)を介在して間接的に、つながっていることを特徴とする足指のための吸水性包帯群(14)である。
【0133】
(追加段落)
すなわち、本願発明の11は、前記吸水性包帯(3)複数個により構成される吸水性包帯群(14)である。また前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的に、または通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助包帯紐(15)を介在して間接的に、つながっている。
【0134】
(追加段落)
ここで、つながるとは、前記と同様に3つの形態で素材がつながる場合を意味する。すなわち、接続することでつながっている場合、同一素材で連続することでつながっている場合、組み合わすことでつながっている場合である。
また、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的につながっている、というとき、そのつながりとは、吸水性包帯片(1)と吸水性包帯片(1)とのつながり、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とのつながり、包帯紐(2)と包帯紐(2)とのつながりの、これらの3種のつながりを指す。
また、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と補助包帯紐(15)を介在して間接的につながっている、というとき、そのつながりとは、吸水性包帯片(1)と補助包帯紐(15)とのつながり、包帯紐(2)と補助包帯紐(15)とのつながり、これらの2種のつながりのどれかを経て吸水性包帯(3)同士が補助包帯紐(15)を介在して間接的につながることを指す。
なお、補助包帯紐(15)とは包帯紐(2)と同様に通気性があり水分も通過する素材により成る紐である。ここで例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。
【0135】
(追加段落)
本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、その構成要素の吸水性包帯(3)の数を増やすことで全体の大きさを広げてシート状にすることができる。また、本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、吸水性包帯群(14)単独で足指に巻くことのできる程度の大きさで製品化することも出来る。
製品として作製する際に生産性の効率向上の観点から、シート状の吸水性包帯群(14)を作製し提供する場合、使用者側はこのシート状の吸水性包帯群(14)から部分的に、自分の足指に適した吸水性包帯群(14)または吸水性包帯(3)を切り取り、これらのいずれかを足指に巻いて適用することができる。図14がシート状の吸水性包帯群(14)の例である。
製品として作製する際に、吸水性包帯群(14)単独で足指に巻くことのできる程度の大きさで製品化し提供する場合、使用者側はこの吸水性包帯群(14)をそのまま足指に適用するか、または、これから部分的に自分の足指に適した吸水性包帯群(14)または吸水性包帯(3)を切り取り、これらのいずれかを足指に巻いて適用することができる。図15は単独で足指に巻くことのできる吸水性包帯群(14)の例である。図15では、1本の補助包帯紐(15)を介在して吸水性包帯群(14)複数個が間接的につながっている様子を示している。
本願発明の11の吸水性包帯群(14)を、前記のように、そのままか、あるいは部分的に切り取った吸水性包帯群(14)としてか、または部分的に切り取った吸水性包帯(3)としてか、いずれかの方法にて足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記の適用上の調整を行うことが出来る。すなわち各吸水性包帯(3)または各吸水性包帯片(1)を動かすか、部分的に切り離し動かすか、切り離すことが出来る。
このように、本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、その構成要素が前記吸水性包帯(3)であるため、前記に記載した吸水性包帯(3)の特徴を全て有している。
【0136】
(追加段落)
本願発明の11の実施例を図14および図15に示す。
図14の吸水性包帯群(14)は図3に示したタイプの吸水性包帯(3)複数個により構成した吸水性包帯群(14)である。図14の吸水性包帯群(14)はシート状であり、この中から部分的に吸水性包帯群(14)または吸水性包帯(3)を切り取って使用することができる。
図15の吸水性包帯群(14)は図1に示したタイプの吸水性包帯(3)複数個により構成した吸水性包帯群(14)である。図15の吸水性包帯群(14)は、前記のように、そのままとしてか、あるいは部分的に切り取った吸水性包帯群(14)としてか、または部分的に切り取った吸水性包帯(3)として、足指にあてがい巻いて適用することができる。
【0137】
(追加段落)
本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、その構成要素が前記吸水性包帯(3)であるため、作製者側にとってはより様々な形態の吸水性包帯群(14)を効率的に作製し使用者に提供することができ、使用者側にとってはより様々な形態の吸水性包帯群(14)を得ることが出来、また足指にあてがい巻いて適用する際の適用の仕方が増える。
【図面の簡単な説明】
【0138】
図1】吸水性包帯の例1
図2】吸水性包帯の例1の作製工程例
図3】吸水性包帯の例1の類似例1
図4】吸水性包帯の例1の類似例2
図5】吸水性包帯の例1の類似例3
図6】吸水性包帯の例1の類似例4
図7】吸水性包帯の例2
図8】吸水性包帯の例2の作製工程例
図9】吸水性包帯の例2の類似例1
図10】吸水性包帯の例2の類似例2
図11】吸水性包帯の例2の類似例3
図12】吸水性包帯の例2の類似例4
図13】吸水性包帯の例2の類似例5
図14】吸水性包帯群の例1
図15】吸水性包帯群の例2
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0139】
本願発明の1は、通気性があり水分も通過する素材により成る包帯であるところの吸水性包帯片(1)複数個と、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの包帯紐(2)少なくとも1本により構成される吸水性包帯(3)であって、前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のうち少なくとも1個はその内部に吸水性素材(6)を有しており、前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは、前記包帯紐(2)と直接つながっているか、または前記吸水性包帯(3)の他の吸水性包帯片(1)を介して間接的に前記包帯紐(2)とつながっており、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所に切り離し手段が施されていることを特徴とする足指のための吸水性包帯(3)である。
【0140】
すなわち、吸水性包帯(3)は、通気性があり水分も通過する素材により成る包帯であるところの吸水性包帯片(1)複数個と、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの包帯紐(2)少なくとも1本により構成される。
前記の吸水性包帯片(1)とは、吸水性を有する包帯であり、使用者の足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収するための構成要素である。
また包帯紐(2)とは紐であり、吸水性包帯(3)が全体として紐の形態を維持するための構成要素である。
前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)はその内部に吸水性素材(6)を有している。前記吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)複数個のうち少なくとも1個はその内部に吸水性素材(6)を有するものであるが、通常は前記吸水性包帯片(1)複数個の全てにおいてその内部に吸水性素材(6)を包含するのが好適である。
前記吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは前記包帯紐(2)と直接つながっているか、または、前記吸水性包帯片(1)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯(3)の他の吸水性包帯片(1)を介して間接的に前記包帯紐(2)とつながっている。
また、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所に切り離し手段が施されている。
切り離し手段とは、素材に対して切れ目もしくはミシン目等の工夫を施すことであり、その他にも切り離し部分に切り離しテープを施して切り離しテープを切り離すことで素材を切り離すことができるものであってもよい。超音波エネルギーを付加することで容易に作製することができるため切れ目が好適であるが、しかしながらこれら以外の手段でもよいものとする。
【0141】
ここで、つながるとは、次の3つの形態で素材がつながる場合を意味する。すなわち、接続することでつながっている場合、同一素材で連続することでつながっている場合、組み合わすことでつながっている場合である。
【0142】
接続することでつながっている場合とは、2つの素材を、超音波エネルギーを付与することで接合するか、もしくは接着剤で接着するか、もしくは接着テープで接着するか、もしくは面ファスナーにより接合するか、もしくは両面接着テープにより接着するか等の接続手段を施してつながっていることを指す。このうち超音波エネルギーを付与することで接合する方法が構成要素が増えないために好適であるが、しかしこれら以外の接続方法でもよいものとする。
【0143】
同一素材で連続することでつながっている場合とは、同一の素材により作製されていることを指す。見た目上は2つの構成要素がつながっているようにも見えるのであるが、もともと同一の、同種類という意味でなく、もともと同一の素材で作製されている状態である。同一であるから同種類でもある。
【0144】
組み合わすことでつながっている場合とは、2つの素材に関して、一方の少なくとも1箇所において、穴、もしくは切れ目、もしくは輪等の組み合わせ用の箇所を施し、他方が前記組み合わせ用の箇所を通る等の組み合わせ手段により組み合わされることを指す。一方に切れ目を施し他方がこれを通る方法が作製上容易であるために好適であるが、しかしながらこれら以外の組み合わせ方法でもよいものとする。
【0145】
以上のように、本願発明の吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)はその少なくとも1箇所において、前記包帯紐(2)と、もしくは前記吸水性包帯(3)の他吸水性包帯片(1)と、前記の3種の方法のいずれかによりつながっている。
また、各吸水性包帯片(1)は、少なくとも1枚の素材を折るかまたは巻くかまたは重ねる等の重ね合わせを施されてできた包帯であり、前記素材の重ね合わせの間の空間に、吸水性を有する吸水性素材(6)を有している。
ここで通気性があり水分も通過する素材の例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。一般にこれらの素材は通気性を持ち、水分も通過することが出来、加工性に優れている。
また、吸水性素材(6)とは、吸水性を有する素材である。吸水性素材(6)としては、ポリアクリル酸系の高吸水性高分子化合物を始めとして種々の素材がある。ポリアクリル酸系の高吸水性高分子化合物が性能とコストの面から好適であるが、しかしながらこれら以外でもよいものとする。
また、包帯紐(2)とは、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるが、ここで例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。
【0146】
前記の構成と構造により成ることから、本願発明の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用すると、使用者は足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収することが出来、さらに加えて各吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりすることが出来る。
【0147】
すなわち、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)の前記吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。
または、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)の前記のつながりの箇所を切るかもしくは部分的に切ることで、前記吸水性包帯片(1)を前記吸水性包帯(3)から部分的に切り離すことが出来、そのため前記吸水性包帯片(1)の前記吸水性包帯(3)における位置や向き等の配置を動かすことが出来る。
または、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記吸水性包帯(3)の各吸水性包帯片(1)の前記のつながりの箇所を切ることで、前記吸水性包帯片(1)を前記吸水性包帯(3)から切り離すことが出来る。
以上のようにして、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記の適用上の調整、すなわち各吸水性包帯片(1)を動かすか、部分的に切り離し動かすか、切り離すか、これらの適用上の調整を行うことが出来る。
その結果として、本願発明の吸水性包帯(3)は、足指にあてがい巻いて適用する用品として当該用品が持つべき前記の特徴のひとつを有する。すなわち、痛みを回避することが出来る。そのため快適な装着に関する適用性を満たす。
従って、本願発明の吸水性包帯(3)は紐状であることに加えて、前記の痛みを回避することが出来る特徴を有するため、足指にあてがい巻いて適用する用品として当該用品が持つべき前記の特徴の全てを有することになる。
【0148】
(追加段落)
なお、切り離す、切る、というとき、これは手でちぎるとかハサミのような道具を用いて切るとかを始めとする広く一般的な仕方で切ることを意味する。
【0149】
本願発明の1の実施例を図1から図6に示す。なお図7から図13は参考例である。このうち、吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりする例は、図1の図(4)、図3の図(2)、図4の図(2)、図5の図(2)、図6の図(2)、図7の図(4)、図9の図(2)、図10の図(2)、図11の図(2)、図12の図(2)、および図13の図(2)である。
本願発明の1の実施例で、吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する例を図1の図(5)、および参考例として図7の図(5)に示す。他の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する様子もほぼ同様である。
【0150】
本願発明の2は、前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、接続することでつながっていることを特徴とする本願発明の1に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0151】
接続することでつながっている場合とは、2つの素材を、超音波エネルギーを付与することで接合するか、もしくは接着剤で接着するか、もしくは接着テープで接着するか、もしくは面ファスナーにより接合するか、もしくは両面接着テープにより接着するか等の接続手段を施してつながっていることを指す。このうち超音波エネルギーを付与することで接合する方法が構成要素が増えないために好適であるが、しかしこれら以外の接続方法でもよいものとする。
接続することでつながっている例としては図7、8、10、11、12、および13の吸水性包帯(3)である。
【0152】
本願発明の3は、前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、同一素材で連続することでつながっていることを特徴とする本願発明の1または2に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0153】
同一素材で連続することでつながっている場合とは、同一の素材により作製されていることを指す。見た目上は2つの構成要素がつながっているようにも見えるのであるが、もともと同一の、同種類という意味でなく、もともと同一の素材で作製されている状態である。同一であるから同種類でもある。
同一素材で連続することでつながっている例としては図1、2、3、4、5、および6の吸水性包帯(3)である。当図の吸水性包帯片(1)と前記包帯紐(2)とは同一の繊維素材からできているものである。
【0154】
本願発明の4は、前記吸水性包帯(3)において、前記のつながりの箇所の少なくとも1箇所が、組み合わすことでつながっていることを特徴とする本願発明の1から3のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0155】
組み合わすことでつながっている場合とは、2つの素材に関して、一方の少なくとも1箇所において、穴、もしくは切れ目、もしくは輪等の組み合わせ用の箇所を施し、他方が前記組み合わせ用の箇所を通る等の組み合わせ手段により組み合わされることを指す。一方に切れ目を施し他方がこれを通る方法が作製上容易であるために好適であるが、しかしながらこれら以外の組み合わせ方法でもよいものとする。
組み合わすことでつながっている例としては図9図10である。当図では図としての見やすさのため穴を施した例を示している。
【0158】
本願発明の5は、前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)が内部に、吸水性素材(6)として、ポリアクリル酸系、ポリスルホン酸系、無水マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸系、ポリグルタミン酸系、ポリアルギン酸系、デンプン系、セルロース系の各高吸水性樹脂の種類の粒状体のいずれか、または前記各種類の粒状体の任意の組み合わせによる混合体か、または前記各種類の粒状体もしくは前記の混合体のいずれかと綿状パルプとの混合体か、または前記各種類の粒状体および前記の混合体の任意の組み合わせによる多層体か、以上の各種類の粒状体または混合体または多層体のうち少なくともひとつを有することを特徴とする本願発明の1から4のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0159】
すなわち、本願発明の吸水性包帯(3)は、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、以下のうちのいずれかを包含している。
すなわち、その吸水性包帯片(1)の内部に、吸水性素材(6)として、ポリアクリル酸系、ポリスルホン酸系、無水マレイン酸系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸系、ポリグルタミン酸系、ポリアルギン酸系、デンプン系、セルロース系の各高吸水性樹脂の種類の粒状体のいずれかを包含している。
または、その吸水性包帯片(1)の内部に、前記各種類の粒状体の任意の組み合わせによる混合体を包含している。
または、その吸水性包帯片(1)の内部に、前記各種類の粒状体もしくは前記の混合体のいずれかと、綿状パルプとの混合体を包含している。
または、その吸水性包帯片(1)の内部に、前記各種類の粒状体および前記の混合体の任意の組み合わせによる多層体を包含している。
本願発明の吸水性包帯(3)は、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)の内部に、以上の各種類の粒状体または混合体または多層体のうち少なくともひとつを有する。
ここで粒状体とは、上記の各高吸水性樹脂の粒子の集まった状態とその集合体を指す。
【0160】
本願発明の5の実施例は図1から図6であり、参考例は図7から図13である。図1の図(2)、図2の図(1)、(5)、(6)、および(7)、図7の図(2)、図8の図(1)、(5)、(6)、および(7)では、吸水性包帯片(1)の内部に吸水性素材(6)が含まれていることを断面図により示している。
【0161】
吸水性素材(6)としては、高吸水性高分子化合物と綿状パルプの混合体がその一例である。綿状パルプと高吸水性高分子化合物を混合した混合体を用いるのは高吸水性高分子化合物を吸水性包帯片(1)の内部に偏らずほぼ均一に配置するためである。
吸水性包帯片(1)をより薄くするためには綿状パルプを除いて高吸水性高分子化合物のみ、すなわち高吸水性高分子化合物の粒状体のみを吸水性包帯片(1)の内部に配置すればよいと考えるのであるが、しかし高吸水性高分子化合物の粒状体のみでは吸水性包帯片(1)の内部で粒状体が偏る恐れがある。これが偏らないようにするためには吸水性包帯片(1)の内部に立毛不織布(10)を配置しその毛羽立つ繊維毛層に混じり込むように高吸水性高分子化合物の粒状体を配置すればよい。この工夫により吸水性包帯片(1)の内部で偏らずほぼ均一に分布した高吸水性高分子化合物の粒状体層を得ることが出来る。図2の図(7)、および図8の図(7)では、吸水性包帯片(1)の内部に立毛不織布(10)が配置され、その中に高吸水性高分子化合物粒状体(9)が単独で包含されている状態のを示している。なお、立毛不織布(10)は起毛不織布ともいい、表面の繊維毛が毛羽立つ不織布である。
【0162】
本願発明の6は、前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が少なくとも1本つながっていることを特徴とする本願発明の1から5のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0163】
ここで、つながるとは、前記の3つの形態で素材がつながる場合を意味する。すなわち、接続することでつながっている場合、同一素材で連続することでつながっている場合、組み合わすことでつながっている場合、以上である。補助紐(12)のつながりの仕方については、同一素材で連続することでつながる場合がコストと作製効率から好適であるが、しかしながら他の方法でつながっている場合でもよいものとする。
また、補助紐(12)とは、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるが、ここで例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。
【0164】
本願発明の6の実施例は、図5図6参考例は図12、および図13である。
図5図6図13では補助紐(12)は本体の吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例を示している。
図12は補助紐(12)が吸水性包帯片(1)に接続することによりつながっている例を示している。
【0165】
本願発明の7は、前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本が、そのつながっている吸水性包帯片(1)と、接続することでつながっていることを特徴とする本願発明の6のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0166】
前記吸水性包帯片(1)について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が接続することでつながっている場合とは、吸水性包帯片(1)に補助紐(12)を、超音波エネルギーを付与することで接合するか、もしくは接着剤で接着するか、もしくは接着テープで接着するか、もしくは面ファスナーにより接合するか、もしくは両面接着テープにより接着するか等の接続手段を施してつながっていることを指す。このうち超音波エネルギーを付与することで接合する方法が構成要素が増えないために好適であるが、しかしこれら以外の接続方法でもよいものとする。
【0167】
本願発明の7参考例図12である。図12は補助紐(12)が吸水性包帯片(1)に超音波エネルギーを付与することで接合するかもしくは接着剤で接着するか等の接続手段によりつながっている例を示している。
【0168】
本願発明の8は、前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本が、そのつながっている吸水性包帯片(1)と、同一素材で連続することでつながっていることを特徴とする本願発明の6または7に記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0169】
前記吸水性包帯片(1)について、その吸水性包帯片(1)に、通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助紐(12)が、同一素材で連続することでつながっている場合とは、同一の素材により作製されていることを指す。見た目上は2つの構成要素がつながっているようにも見えるのであるが、もともと同一の、同種類という意味でなく、もともと同一の素材で作製されている状態である。同一であるから同種類でもある。
【0170】
本願発明の8の実施例は、図5図6、および参考例は図13である。
図5、および図6では補助紐(12)は本体の吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例を示している。
図13では補助紐(12)が吸水性包帯片(1)と同一素材で連続することでつながっている他の例を示している。
【0171】
本願発明の9は、前記吸水性包帯(3)において、前記補助紐(12)の少なくとも1本について、その補助紐(12)が前記吸水性包帯(3)とつながる箇所に切り離し手段が施されていることを特徴とする本願発明の6から8のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0172】
切り離し手段とは、素材に対して切れ目もしくはミシン目等の工夫を施すことであり、その他にも切り離し部分に切り離しテープを施して切り離しテープを切り離すことで素材を切り離すことができるものであってもよい。超音波エネルギーを付加することで容易に作製することができるため切れ目が好適であるが、しかしながらこれら以外の工夫でもよいものとする。
【0173】
本願発明の9の実施例は、図5および図6である。
図5の図(1)、および図6の図(1)では補助紐(12)は本体の吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例を示している。それらの補助紐(12)はその周囲の、吸水性包帯(3)とつながっている箇所に切り離し手段が施されている。
図5および図6のうちのそれぞれの図(2)では、切り離し手段が施してある箇所を切ることで、補助紐(12)を生じせしめている。
【0174】
本願発明の10は、前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の少なくとも1個に薬品が付加されていることを特徴とする本願発明の1から9のいずれかに記載の足指のための吸水性包帯(3)である。
【0175】
本願発明の吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)に薬品が付加されていることとは、吸水性包帯片(1)の表面または内部の少なくとも1つの箇所に薬品が付加されていることを指す。
ここで薬品とは、対象とする皮膚疾患に対する治療薬、および芳香剤、消臭剤等を指す。これらの薬品が付加されているとは、薬品が吸水性包帯片(1)の表面に塗布、浸潤、散布等されていること、もしくは、薬品が吸水性包帯片(1)の内部に包含されていることを指す。
薬品が治療薬であり吸水性包帯片(1)の表面に塗布されている場合、皮膚表面に治療薬が適用され治療効果がある。薬品が芳香剤、消臭剤等であり吸水性包帯片(1)の内部に包含されている場合、皮膚疾患の悪臭を防ぐ効果がある。どちらの場合も当然ながら足指および足指股周辺の皮膚表面の水分は吸収される。
【0176】
本願発明の10の実施例は図としては例示していないが、図1から図13のどの例の吸水性包帯(3)についても、その吸水性包帯片(1)に薬品が付加されていてよい。例えば図1の図(4)の吸水性包帯(3)の表面に薬品として治療薬を塗布することができる。
【0177】
本願発明の吸水性包帯(3)を作製する基本的な方法のひとつとして、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)を同一の素材から作製する方法がある。
この場合、吸水性素材(6)を前記素材の上に複数箇所配置し、前記素材を折るかまたは巻くかまたは重ねる等の重ね合わせを施し、前記素材の重ね合わせの間の空間に、吸水性素材(6)が複数箇所配置されている状態を形成する。この吸水性素材(6)が外に出ないようにその周囲に対し、超音波エネルギーを付与することで接合するかもしくは接着剤で接着するか等の接続手段を施し、さらに切れ目もしくはミシン目等の切り離し手段を施すことで吸水性包帯片(1)複数個と包帯紐(2)とから成る吸水性包帯(3)を作製する。
図1から図6の吸水性包帯(3)はこの作製方法によるものであり、図2はその作製工程例を示すものである。
【0178】
前記の第1の作製方法の手順の参考例を以下に記載する。
(手順1)補助的な紐すなわち補助紐(12)をあらかじめ有しているかまたは有していない少なくとも1枚の繊維素材を折るかまたは巻くかまたは重ねる等の重ね合わせを施し、前記繊維素材の重ね合わせの間の空間に、吸水性を有する吸水性素材(6)を複数箇所配置する手順と、
(手順2)前記の重ね合された繊維素材を、内部の前記吸水性素材(6)が外に出ないように前記吸水性素材(6)の周囲において、超音波エネルギーを付与することで接合するかもしくは接着剤で接着するか等の接続手段を施して接続し、内部に前記吸水性素材(6)を有する吸水性包帯片(1)の複数個よりなる吸水性包帯(3)を作製する手順と、
(手順3)前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)の周囲箇所の繊維素材に切れ目またはミシン目等の切り離し手段を施し、少なくとも1本の包帯紐(2)を生じせしめて、前記包帯紐(2)と前記吸水性包帯片(1)の複数個により構成される吸水性包帯(3)を作製する手順と、
(手順4)前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)同士のつながりの箇所、または前記吸水性包帯片(1)と前記包帯紐(2)とのつながりの箇所、これらのつながりの箇所の少なくとも1つのつながりの箇所において切れ目もしくはミシン目等の切り離し手段を施すことで吸水性包帯(3)を作製する手順と、
(手順5)前記吸水性包帯(3)において、少なくともひとつの前記吸水性包帯片(1)において、繊維素材により成る紐で補助的な紐すなわち補助紐(12)をつなげるか、または、前記吸水性包帯片(1)の周囲の箇所に切れ目もしくはミシン目等の切り離し手段を施すことで後に使用者が前記切り離し手段の箇所を切ることで前記補助紐(12)を生じさせ得る状態を作製するか、これらのうちの少なくともひとつの方法により前記吸水性包帯(3)が前記補助紐(12)を有するようにする手順と、
(手順6)前記吸水性包帯片(1)複数個の少なくとも1つの吸水性包帯片(1)に薬品を付加する手順と、
以上の手順1から6から成る作製方法で、少なくとも手順1および2は必須とし、他は任意とし、任意の手順についてはその実施順序を入れ替えてもよいとする作製方法が、本願発明の足指のための吸水性包帯(3)の作製方法の第1の作製方法の手順の参考例である。
なお、吸水性包帯片(1)の内部に薬品を包含する場合は、手順6は手順1と同時に行われる。
【0179】
また、本願発明の吸水性包帯(3)の他の基本的な作製方法として、吸水性包帯片(1)複数個と包帯紐(2)を別々に作製して、これらをつなげて吸水性包帯(3)を作製する方法がある。
この場合、吸水性素材(6)を素材の上に配置し、前記素材を折るかまたは巻くかまたは重ねる等の重ね合わせを施し、前記素材の重ね合わせの間の空間に、吸水性素材(6)が配置されている状態を形成する。この吸水性包帯片(1)の内部の吸水性素材(6)が外に出ないようにその周囲に対し、超音波エネルギーを付与することで接合するかもしくは接着剤で接着するか等の接続手段を施す。このようにして出来た吸水性包帯片(1)複数個と包帯紐(2)をつなげて吸水性包帯(3)を作製する。
図7から図13の吸水性包帯(3)はこの作製方法によるものであり、図8はその作製工程例を示すものである。
【0180】
前記の第2の作製方法の手順の参考例を以下に記載する。
(手順1)補助的な紐すなわち補助紐(12)をあらかじめ有しているかまたは有していない少なくとも1枚の繊維素材を折るかまたは巻くかまたは重ねる等の重ね合わせを施し、前記繊維素材の重ね合わせの間の空間に、吸水性を有する吸水性素材(6)を少なくとも1箇所配置する手順と、
(手順2)前記の重ね合された繊維素材を、内部の前記吸水性素材(6)が外に出ないように前記吸水性素材(6)の周囲において、超音波エネルギーを付与することで接合するかもしくは接着剤で接着するか等の接続手段を施して接続し、内部に前記吸水性素材(6)を有する吸水性包帯片(1)を作製する手順と、
(手順3)前記吸水性包帯片(1)複数個と、繊維素材により成る紐である包帯紐(2)少なくとも1本とを用い、前記吸水性包帯片(1)と前記包帯紐(2)とをつなげるか、または前記吸水性包帯片(1)同士でつなげるかして、前記吸水性包帯片(1)複数個と前記包帯紐(2)とにより構成される吸水性包帯(3)を作製する手順と、
(手順4)前記吸水性包帯(3)において、前記吸水性包帯片(1)と前記包帯紐(2)とのつながりの箇所、または、前記吸水性包帯片(1)同士のつながりの箇所、これらのつながりの箇所の少なくとも1つのつながりの箇所において切れ目もしくはミシン目等の切り離し手段を施すことで吸水性包帯(3)を作製する手順と、
(手順5)前記吸水性包帯(3)において、少なくともひとつの前記吸水性包帯片(1)において、繊維素材により成る紐で補助的な紐すなわち補助紐(12)をつなげるか、または、前記吸水性包帯片(1)の周囲の箇所に切れ目もしくはミシン目等の切り離し手段を施すことで後に使用者が前記切り離し手段の箇所を切ることで前記補助紐(12)を生じさせ得る状態を作製するか、これらのうちの少なくともひとつの方法により前記吸水性包帯(3)が前記補助紐(12)を有するようにする手順と、
(手順6)前記吸水性包帯片(1)複数個の少なくとも1つの吸水性包帯片(1)に薬品を付加する手順と、
以上の手順1から6から成る作製方法で、少なくとも手順1、2、および3は必須とし、他は任意とし、任意の手順についてはその実施順序を入れ替えてもよいとする作製方法が、本願発明の足指のための吸水性包帯(3)の第2の作製方法の手順の参考例である。
なお、吸水性包帯片(1)の内部に薬品を包含する場合は、手順6は手順1と同時に行われる。
【0181】
前記の2つの作製方法に従えば、またはこれらの作製方法を組み合わせることで、本願発明の吸水性包帯(3)を作製することが出来る。
図でいうと、図1の吸水性包帯(3)は前記第1の作製方法の手順1から4によって作製される。
図2の図(1)から(4)は、図1の吸水性包帯(3)の作製工程例であり、前記第1の作製方法の手順1から4に相当する。
図3図4の吸水性包帯(3)は前記第1の作製方法の手順1から4によって作製される。
図5図6の吸水性包帯(3)は補助紐(12)を有することから分かるように前記第1の作製方法の手順1から5によって作製される。
【0182】
なお、前記第1の作製方法の手順1から手順2の2つの手順のみでも図13の吸水性包帯(3)と類似の吸水性包帯(3)を作製することができる。この場合吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とが同一素材で連続することでつながっている吸水性包帯(3)となる。
【0183】
図7の吸水性包帯(3)は前記第2の作製方法の手順1から3によって作製される。
図8の図(1)から(4)は、図7の吸水性包帯(3)の作製工程例であり、前記第2の作製方法の手順1から3に相当する。ただし図8の図(4)は、包帯紐(2)に吸水性包帯片(1)をひとつつなげた状態であり、吸水性包帯(3)の完成状態ではなくさらに追加の吸水性包帯片(1)をつなげることで吸水性包帯(3)が完成するものである。
図9、および図10の吸水性包帯(3)は前記第2の作製方法の手順1から3によって作製される。
図11の吸水性包帯(3)は前記第2の作製方法の手順1から4によって作製される。
図12の吸水性包帯(3)は補助紐(12)を有することから分かるように前記第2の作製方法の手順1から3、および手順5によって作製される。
図13の吸水性包帯(3)は前記第2の作製方法の手順1から3によって作製される。なお図13の補助紐(12)は前記第2の作製方法の手順1において、補助紐(12)を有している繊維素材を用いて吸水性包帯片(1)を作製するという手順を経て作製されるものである。
【0184】
本願発明の吸水性包帯(3)を作製するに当たっては、前記の2つの基本的な作製方法があり、またこれらの作製方法を組み合わせて吸水性包帯(3)を作製することも出来る。
このようにして、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)の素材、形、大きさ、数、およびそれらがつながる箇所と方法、吸水性素材(6)の種類と量、これらを様々に工夫することにより、図1から図13実施例および参考例に示すように、吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりすることが出来るという本願発明の特徴を持った様々な吸水性包帯(3)を作製することが出来る。
【0185】
次に図1から図13について説明する。
図1は本願発明の吸水性包帯(3)の例である。
図1の図中の図(1)は正面図である。図(1)は複数の吸水性包帯片(1)と1本の包帯紐(2)とが同一素材で連続することでつながって吸水性包帯(3)が構成されていることを示している。
各吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とのつながりの箇所には切れ目(4)が施してある。図中で切れ目(4)に対して符号4を付与しているが、全ての切れ目(4)に対して符号4を付与しているものではない。これは図が煩雑になることを回避するためであることを了解されたい。他の図においても図の煩雑性を回避するために一部の符号を省略することがあるが了解されたい。
また図(1)では包帯紐(2)を指し示す符号2の複数個が記載されているが、これは包帯紐(2)が複数本あるということではなく包帯紐(2)は1本のみである。この記載方法については他の図でも同様な場合がある。なお図4の吸水性包帯(3)については包帯紐(2)は2本である。
大きさとしては、吸水性包帯(3)の幅はおおよその目安として約1センチメートルから約1.5センチメートルである。これはおおよその目安であり、吸水性包帯(3)の幅はこれよりも太くとも細くともよい。このことは他の例でも同様である。吸水性包帯(3)の長さはおおよその目安として約30センチメートルから約40センチメートルである。これはおおよその目安であり、用品として提供する長さはこれに限らずより長い長さでもより短い長さでもよい。長い場合は使用者がこれを切って適切な長さにして用いることが出来る。このことは他の例でも同様である。
包帯紐(2)の幅はおおよその目安として約0.3センチメートルから約0.6センチメートルである。これはおおよその目安であり、包帯紐(2)の幅はこれよりも太くとも細くともよい。このことは他の例でも同様である。
包帯紐(2)の長さは吸水性包帯(3)の長さと意味的にはほぼ同等であるので長さはほぼ吸水性包帯(3)と同じである。吸水性包帯(3)の端において吸水性包帯片(1)がなく包帯紐(2)のみがやや長めに余裕を持ってあるような形態も作製可能である。この場合、吸水性包帯(3)を足指に巻く際に、最も端の吸水性包帯片(1)を足指に巻いた後にさらに端の包帯紐(2)の余裕の部分を足指に巻くことで、前記の最も端の吸水性包帯片(1)をしっかりとずれないように巻くことができる。このことは他の例でも同様である。
また包帯紐(2)の厚さはごく薄いものであり、薄口の不織布や紙程度かまたはそれよりも薄く、靴下よりも薄いものが好適である。これはおおよその目安であり、その厚さはこれよりも厚くとも薄くともよいものとするが、包帯紐(2)は足指に巻いたときに痛みを感じない程度の薄さを持つ必要がある。このことは他の例でも同様である。
吸水性包帯片(1)の長さはおおよその目安として約1センチメートルから約10センチメートルである。これはおおよその目安であり、吸水性包帯(3)の長さはこれよりも長くてもまたは短くてもよい。このことは他の例でも同様である。
図(1)は吸水性包帯片(1)の長さがそれぞれ同じである例であるが、それぞれの長さが異なっているようにしてもよい。このことは他の例でも同様である。
また、吸水性包帯(3)を構成する吸水性包帯片(1)、包帯紐(2)、および補助紐(12)は、すなわちそれらを構成する繊維素材は、足指にあてがい巻いて適用し一日を過ごしたときに破れない程度の強度を持つ必要がある。しかしそのために極端に厚さが増えたりしてはならないし、また硬い繊維素材を用いてはならない。本願発明の吸水性包帯(3)を足指に適用するとき、痛みを回避するために、使用者は各吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりすることが出来るのであるが、そうであるとしても当該用品は足指にあてがい巻いて適用し一日を過ごしたときに不快感がない程度の柔らかさを持つ必要がある。その繊維素材の厚さや強度や柔らかさは例えば市販の紅茶バッグの不織布等が参考となる。
【0186】
図1の図中の図(2)は図(1)のA−A断面図である。この例では吸水性包帯片(1)が不織布(7)で出来ていること、そしてその中に吸水紙(5)があり、さらにその中に吸水性素材(6)が配置されていることを示している。吸水性素材(6)とは例えば高吸水性高分子化合物と綿状パルプの混合体である。
当該図中の図(3)は上から見た平面図である。吸水性包帯片(1)毎に膨らみ、その間のつながりの部分は厚さが薄い。これは各吸水性包帯片(1)の周辺で中の吸水性素材(6)が外に出ないように前記の接続手段により接合または接着しているためである。
吸水性包帯(3)の厚い部分の厚さはおおよその目安として約0.3センチメートルから約0.6センチメートルである。これはおおよその目安であり、吸水性包帯(3)の厚さはこれよりも厚くてもまたは薄くてもよい。このことは他の例でも同様である。
上記の大きさの数値はおおよその目安であり、老若男女の足指にあてがい巻いて適用するのに適切な大きさとするものとする。
当該図中の図(4)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりする様子を示している。切り離した吸水性包帯片(1)は図に含めていない。切り離した吸水性包帯片(1)を図に含めない点については以下の他の例でも同様である。
足指に適用する場合、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するのであるが、必要に応じて図(4)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
当該図中の図(5)は、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用した例を示す。右図が右足の甲の側から見た図であり、左図が右足の裏の側から見た図である。図(5)では親指および小指の側面で靴に当たる側の2つの吸水性包帯片(1)を切り離して適用した例を示している。また、吸水性包帯(3)の両端の始末は吸水性包帯(3)自身に絡めて収めるなどの簡単な方法で済ませることが出来ることを示している。
本願発明の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用した様子は図1および図7にて示し、他の図では省略しているが、他の例でもほぼこれと同様の様子となる。
【0187】
図2図1の吸水性包帯(3)を作製する工程の例である。
図2の図中の図(1)は不織布(7)の上に吸水紙(5)を配置し、その吸水紙(5)の上に吸水性素材(6)、例として高吸水性高分子化合物と綿状パルプの混合体を配置した状態である。
当該図中の図(2)は図(1)を折り畳んだ様子を表している。図(1)における吸水紙(5)と吸水性素材(6)は内側にあるために見えない様子を表している。
当該図中の図(3)は図(2)の各吸水性包帯片(1)に当たる部分の周辺を超音波エネルギーによって接合した状態を示している。接合部分の位置を説明するためにその位置を図中に接合部分(8)として点線で示している。図では点線で示してあるが実際は接合部分(8)そのものに隙間はなく、接合したことにより内部の吸水性素材(6)が外に出ないようにする。次に切れ目(4)を施すが、切れ目(4)を施した部分において接合部分(8)が切れて内部の吸水性素材(6)が外に出ないようにするため接合部分(8)は適切な幅を持つ必要がある。
当該図中の図(4)は図(3)の吸水性包帯片(1)の周辺に切れ目(4)を施した状態であり、吸水性包帯(3)が完成した状態である。この図(4)は図1の図(1)に同じである。
当該図中の図(5)は図(3)のB−B断面図である。この例では吸水性包帯片(1)としては不織布(7)で出来ていること、その中に吸水紙(5)があり、さらにその中に吸水性素材(6)が配置されていることを示している。
当該図中の図(6)は図(3)のB−B断面図であるが、図(1)において吸水紙(5)を省略した場合の例を示している。
当該図中の図(7)は図(3)のB−B断面図であるが、図(1)において吸水紙(5)の変わりに立毛不織布(10)を用い、吸水性素材(6)として高吸水性高分子化合物の粒状体のみを用いた場合の吸水性包帯片(1)の断面図を示している。高吸水性高分子化合物の粒状体は図中で高吸水性高分子化合物粒状体(9)として示している。立毛不織布(10)とは表面が毛羽立つ不織布であり、少なくとも片面、すなわち高吸水性高分子化合物の粒状体が接する側の面の繊維が毛羽立っている必要がある。図(7)ではその様子を示している。また図(7)では高吸水性高分子化合物粒状体(9)は点描により示している。
【0188】
図3図1の吸水性包帯(3)の例と類似した他の例を示している。
図3の図中の図(1)は、複数の吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)と同一素材で連続することでつながって構成されている状態を示している。複数の吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)の境にはミシン目(11)が施されている。
当該図中の図(2)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したり出来る様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用した状態は図1の図(5)にほぼ同様であるので省略しているが、これは以下の他の例でも同様である。
図3図1に類似の製品であるため、正面図は示したが断面図や上方から見た平面図は省略している。これは以下の他の例においても同様である。
【0189】
図4図1の吸水性包帯(3)の例と類似した他の例を示している。
図4の図中の図(1)は、複数の吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)と同一素材で連続することでつながって構成されている状態を示している。この例では、包帯紐(2)は2本である。複数の吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)の境には切れ目(4)が施されている。
当該図中の図(2)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したり出来る様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
【0190】
図5図1の吸水性包帯(3)の例と類似した他の例を示している。
図5の図中の図(1)は、複数の吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)と同一素材で連続することでつながって構成されている状態を示している。この例では、包帯紐(2)は1本である。複数の吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)の境には切れ目(4)が施されている。
当該図は、補助紐(12)が吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている例でもある。補助紐(12)は吸水性包帯片(1)を部分的に切り離す際に生じている。
補助紐(12)とは通気性があり水分も通過する素材により成る補助的な紐であり、補助紐(12)を共に足指に巻くため吸水性包帯片(1)が足指からより外れにくくなる効果を得ることが出来る。
補助紐(12)の幅はおおよその目安として約0.3センチメートルから約0.6センチメートルである。長さはおおよその目安として約5センチメートルから約8センチメートルである。これらはおおよその目安であるので、幅はこれよりも太くとも細くともよい。また長さはこれよりも長くとも短くともよい。
また補助紐(12)の厚さはごく薄いものであり、薄口の不織布や紙程度かまたはそれよりも薄く、靴下よりも薄いものが好適である。これはおおよその目安であり、その厚さはこれよりも厚くとも薄くともよいものとするが、補助紐(12)は足指に巻いたときに痛みを感じない程度の薄さを持つ必要がある。このことは他の例でも同様である。
補助紐(12)は吸水性包帯片(1)と素材の段階から同一素材で連続することでつながっていてもよいし、あるいは吸水性包帯片(1)が完成した後に補助紐(12)をつなげてもよい。当該図では補助紐(12)が吸水性包帯片(1)に素材の段階から同一素材で連続することでつながっている例を示している。
当該図中の図(2)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したり出来る様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
【0191】
図6図1の吸水性包帯(3)の例と類似した他の例を示している。
図6の図中の図(1)は、複数の吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)と同一素材で連続することでつながって構成されている状態を示している。この例では、包帯紐(2)は1本である。複数の吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)の境には切れ目(4)が施されている。
当該図は、補助紐(12)が吸水性包帯(3)と同一素材で連続することでつながっている他の例を示している。補助紐(12)は切れ目(4)のある箇所でつながっており、図(2)のように切れ目(4)を切ることで補助紐(12)を生じさせることが出来る。
当該図中の図(2)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したり出来る様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
【0192】
図7は本願発明の吸水性包帯(3)の別の例である。
図7の図中の図(1)は正面図である。図(1)では複数の吸水性包帯片(1)が1本の包帯紐(2)と接続することでつながって構成されている状態を示している。
当該図中の図(2)は図(1)のC−C断面図である。この例では吸水性包帯片(1)が不織布(7)で出来ていること、そしてその中に吸水紙(5)があり、さらにその中に吸水性素材(6)が配置されていることを示している。吸水性素材(6)とは例えば高吸水性高分子化合物と綿状パルプの混合体である。
当該図中の図(3)は上から見た平面図である。吸水性包帯片(1)毎に膨らむ様子があるが、これは各吸水性包帯片(1)の周辺で中の吸水性素材(6)が外に出ないように前記の接続手段により接合または接着しているためである。
当該図中の図(4)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりする様子を示している。
足指に適用する場合、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するのであるが、必要に応じて図(4)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
当該図中の図(5)は、前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用した例を示す。右図が右足の甲の側から見た図であり、左図が右足の裏の側から見た図である。図(5)では親指および小指の側面で靴に当たる側の2つの吸水性包帯片(1)を切り離した吸水性包帯(3)を適用した様子の例を示している。また、吸水性包帯(3)の両端の始末は吸水性包帯(3)自身に絡めて収めるなどの簡単な方法で済ませることが出来ることを示している。
吸水性包帯片(1)、包帯紐(2)、および吸水性包帯(3)の長さ、幅、厚さ等については、図1における説明と同様であるので図1の説明を参照されたい。
【0193】
図8図7の吸水性包帯(3)を作製する工程の例である。
図8の図中の図(1)は不織布(7)の上に吸水紙(5)を配置し、その吸水紙(5)の上に吸水性素材(6)、例として高吸水性高分子化合物と綿状パルプの混合体を配置した状態である。
当該図中の図(2)は図(1)を折り畳んだ様子を示している。図(1)における吸水紙(5)と吸水性素材(6)は内側にあるために見えない様子を表している。
当該図中の図(3)は図(2)の吸水性包帯片(1)の周辺を超音波エネルギーによって接合した状態を示している。接合部分の位置を説明するためにその位置を図中に接合部分(8)として点線で示している。図では点線で示してあるが実際は接合部分(8)そのものに隙間はなく、接合したことにより内部の吸水性素材(6)が外に出ないようにする。
当該図中の図(4)は図(3)の吸水性包帯片(1)のひとつを包帯紐(2)につなげた状態である。同様にして複数の吸水性包帯片(1)を作製し前記包帯紐(2)に次々とつなげることで吸水性包帯(3)が完成する。当該図の例では完成した吸水性包帯(3)は図7の図(1)に相当する。
当該図中の図(5)は図(3)のD−Dの断面図である。この例では吸水性包帯片(1)としては不織布(7)で出来ていること、その中に吸水紙(5)があり、さらにその中に吸水性素材(6)が配置されていることを示している。
当該図中の図(6)は図(3)のD−D断面図であるが、図(1)において吸水紙(5)を省略した場合の例を示している。
当該図中の図(7)は図(3)のD−D断面図であるが、図(1)において吸水紙(5)の変わりに立毛不織布(10)を用い、吸水性素材(6)として高吸水性高分子化合物の粒状体のみを用いた場合の吸水性包帯片(1)の断面図を示している。図(7)の断面図は図2の図(7)と類似であるので、図2の図(7)の説明を参照されたい。
【0194】
図9図7の吸水性包帯(3)の例と類似した他の例を示している。
図9の図中の図(1)は、複数の吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)と組み合わすことでつながって構成されている状態を示している。各吸水性包帯片(1)にはその端に2箇所、穴が施してあり、包帯紐(2)がその穴を通っている。
当該図中の図(2)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したり出来る様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。前記吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用した状態は図7の図(5)にほぼ同様であるので省略しているが、これは以下の他の例でも同様である。
図9図7に類似の製品であるため、正面図は示したが断面図や上方から見た平面図は省略している。これは以下の他の例においても同様である。
【0195】
図10図7の吸水性包帯(3)の例と類似した他の例を示している。
図10の図中の図(1)は、複数の吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)と接続することでつながっている方法と、組み合わすことでつながっている方法の2つの方法で構成されている状態を示している。各吸水性包帯片(1)はその1箇所において包帯紐(2)と接続しており、他の1箇所において穴が施してあり、包帯紐(2)がその穴を通っている。
当該図中の図(2)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したり出来る様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
【0196】
図11図7の吸水性包帯(3)の例と類似した他の例を示している。
図11の図中の図(1)は、複数の吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)と接続することでつながって構成されている状態を示している。ただし吸水性包帯片(1)の中には包帯紐(2)とつながっていないものもあるという例を示している。
当該図中の図(2)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したり出来る様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
【0197】
図12図7の吸水性包帯(3)の例と類似した他の例を示している。
図12の図中の図(1)は、複数の吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)と接続することでつながって構成されている状態を示している。
図12の吸水性包帯(3)は、吸水性包帯片(1)に補助紐(12)がつながっている。
当該図では吸水性包帯片(1)に後から補助紐(12)を接続することでつなげた例を示している。
当該図中の図(2)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したり出来る様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
【0198】
図13図7の吸水性包帯(3)の例と類似した他の例を示している。
図13の図中の図(1)は、複数の吸水性包帯片(1)が包帯紐(2)に接続することでつながって構成されている状態を示している。また補助紐(12)が各吸水性包帯片(1)と同一素材で連続することでつながっている。これは前記第2の作製方法の手順1において、補助紐(12)を有している繊維素材を用いて吸水性包帯片(1)が作製された例である。
図13の吸水性包帯(3)ではどの部分をも切ることなく吸水性包帯片(1)を動かすことが出来る。
当該図中の図(2)は、吸水性包帯(3)の吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したり出来る様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
図13の描写においては吸水性包帯片(1)の向いている方向と包帯紐(2)の方向とがある一定の角度を持って並び接続されているように描かれているが、これは説明のための図としてある一定の角度を持って吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とを並び描いているものである。実際の作製に当たってはこの例のようであってもよいし、また吸水性包帯片(1)の方向と包帯紐(2)とを平行にすることも出来る。後者であれば足指にあてがい巻く用品としてより巻き易くなるものである。
【0199】
以上、図1から図13により吸水性包帯(3)の形態とその作製の例を示した。
このようにして、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)の素材、形、大きさ、数、およびそれらがつながる箇所と方法、吸水性素材(6)の種類と量、これらを様々に工夫することにより、図1から図13実施例および参考例に示すように、吸水性包帯片(1)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりすることが出来るという本願発明の特徴を持った様々な吸水性包帯(3)を作製することが出来る。
このように作製された本願発明の用品すなわち吸水性包帯(3)は、構成および構造がシンプルであり、そのため作製も容易であり、そして最も重要であることとして足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収するための用品が持つべき前記の特徴の全てを有している。
【0200】
以上のように、本願発明の用品である吸水性包帯(3)は、その主要な構成要素である吸水性包帯片(1)を、用品を適用する際または適用中に動かすか、または部分的に切り離し動かすか、または切り離すことが出来るという、これまでに想像されなかった機能性を有する発明である。
すなわち、本願発明の用品は、足指に吸水性の用品をあてがうだけの受け身的で固定的な適用形態の用品ではなく、使用者にとって不利益となる部分に対して使用者自身が変化を加えたり除外したりすることが出来るという、そしてそれにより使用者にとって最も適した状態に能動的に変化せしめて適用することが出来るという、これまでとは反対の性質を持った用品である。
このように本願発明は、これまでとは異なる独自の着想を経て成る発明であり、本願発明の図面からも分かるように、この独創性により幅広い種類の形態や形状を生み出すことができる基盤的技術として提供されるものである。
【0201】
(追加段落)
本願発明の11は、本願発明の1から10のいずれかに記載の吸水性包帯(3)複数個により構成される吸水性包帯群(14)であって、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的に、または通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助包帯紐(15)を介在して間接的に、つながっていることを特徴とする足指のための吸水性包帯群(14)である。
【0202】
(追加段落)
すなわち、本願発明の11は、前記吸水性包帯(3)複数個により構成される吸水性包帯群(14)である。また前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的に、または通気性があり水分も通過する素材により成る紐であるところの補助包帯紐(15)を介在して間接的に、つながっている。
【0203】
(追加段落)
ここで、つながるとは、前記と同様に3つの形態で素材がつながる場合を意味する。すなわち、接続することでつながっている場合、同一素材で連続することでつながっている場合、組み合わすことでつながっている場合である。
また、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と直接的につながっている、というとき、そのつながりとは、吸水性包帯片(1)と吸水性包帯片(1)とのつながり、吸水性包帯片(1)と包帯紐(2)とのつながり、包帯紐(2)と包帯紐(2)とのつながりの、これらの3種のつながりを指す。
また、前記吸水性包帯群(14)の吸水性包帯(3)複数個のそれぞれは前記吸水性包帯群(14)の他の吸水性包帯(3)と補助包帯紐(15)を介在して間接的につながっている、というとき、そのつながりとは、吸水性包帯片(1)と補助包帯紐(15)とのつながり、包帯紐(2)と補助包帯紐(15)とのつながり、これらの2種のつながりのどれかを経て吸水性包帯(3)同士が補助包帯紐(15)を介在して間接的につながることを指す。
なお、補助包帯紐(15)とは包帯紐(2)と同様に通気性があり水分も通過する素材により成る紐である。ここで例としては不織布、紙、綿布、織布、低反発性ポリウレタン、ウレタン不織布、スポンジ等である。不織布が性能とコストおよび加工性の面から好適であるが、しかしながらこれら以外の通気性があり水分も通過する素材でもよいものとする。
【0204】
(追加段落)
本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、その構成要素の吸水性包帯(3)の数を増やすことで全体の大きさを広げてシート状にすることができる。また、本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、吸水性包帯群(14)単独で足指に巻くことのできる程度の大きさで製品化することも出来る。
製品として作製する際に生産性の効率向上の観点から、シート状の吸水性包帯群(14)を作製し提供する場合、使用者側はこのシート状の吸水性包帯群(14)から部分的に、自分の足指に適した吸水性包帯群(14)または吸水性包帯(3)を切り取り、これらのいずれかを足指に巻いて適用することができる。図14がシート状の吸水性包帯群(14)の例である。
製品として作製する際に、吸水性包帯群(14)単独で足指に巻くことのできる程度の大きさで製品化し提供する場合、使用者側はこの吸水性包帯群(14)をそのまま足指に適用するか、または、これから部分的に自分の足指に適した吸水性包帯群(14)または吸水性包帯(3)を切り取り、これらのいずれかを足指に巻いて適用することができる。図15は単独で足指に巻くことのできる吸水性包帯群(14)の例である。図15では、1本の補助包帯紐(15)を介在して吸水性包帯群(14)複数個が間接的につながっている様子を示している。
本願発明の11の吸水性包帯群(14)を、前記のように、そのままか、あるいは部分的に切り取った吸水性包帯群(14)としてか、または部分的に切り取った吸水性包帯(3)としてか、いずれかの方法にて足指にあてがい巻いて適用する際、使用者は前記の適用上の調整を行うことが出来る。すなわち各吸水性包帯(3)または各吸水性包帯片(1)を動かすか、部分的に切り離し動かすか、切り離すことが出来る。
このように、本願発明の11の吸水性包帯群(14)は、その構成要素が前記吸水性包帯(3)であるため、前記に記載した吸水性包帯(3)の特徴を全て有している。
【0205】
(追加段落)
本願発明の11の実施例を図14および図15に示す。
図14の吸水性包帯群(14)は図3に示したタイプの吸水性包帯(3)複数個により構成した吸水性包帯群(14)である。図14の吸水性包帯群(14)はシート状であり、この中から部分的に吸水性包帯群(14)または吸水性包帯(3)を切り取って使用することができる。
図15の吸水性包帯群(14)は図1に示したタイプの吸水性包帯(3)複数個により構成した吸水性包帯群(14)である。図15の吸水性包帯群(14)は、前記のように、そのままとしてか、あるいは部分的に切り取った吸水性包帯群(14)としてか、または部分的に切り取った吸水性包帯(3)として、足指にあてがい巻いて適用することができる。
【0206】
(追加段落)
図14は吸水性包帯群(14)の例を示している。
図14の図(1)は吸水性包帯(3)3本により吸水性包帯群(14)が構成されている様子を示している。すなわち3本の吸水性包帯(3)がつながってひとつのシート状の吸水性包帯群(14)を構成している。そしてそのつながりの箇所には切り離し手段としてミシン目(11)が施してある。それぞれの吸水性包帯片(1)の中には吸水性素材(6)があり、それが外に出ないように各吸水性包帯片(1)の周囲には前記の接続手段が施されている。なお、図14で符号3とその線分により示す対象は部分的な吸水性包帯片(1)でなく吸水性包帯(3)である点を了解されたい。
図14の図(2)は、図(1)の吸水性包帯群(14)から切り取った1本の吸水性包帯(3)と残りの吸水性包帯群(14)を示している。この切り取られた吸水性包帯(3)は図3の吸水性包帯(3)に類似であるので、この吸水性包帯(3)を足指にあてがい巻いて適用する仕方は図3の説明の通りである。
図14の例で示したシート状の吸水性包帯群(14)の作製方法は図2で示した方法と類似である。すなわち、1本の吸水性包帯(3)を作製する方法を拡張し、複数本の吸水性包帯(3)がつながった形で作製し、ミシン目等の切り離し手段を施すことで吸水性包帯群(14)を作製することができる。
【0207】
(追加段落)
図15は吸水性包帯群(14)の例を示している。
図15の図(1)は、1本の補助包帯紐(15)に複数個の吸水性包帯(3)がつながっている様子を示している。
補助包帯紐(15)の幅はおおよその目安として約0.3センチメートルから約0.6センチメートルである。これはおおよその目安であり、補助包帯紐(15)の幅はこれよりも太くとも細くともよい。
補助包帯紐(15)の長さは吸水性包帯群(14)を作製するにあたり適切な長さとする。補助包帯紐(15)の長さはおおよその目安として約30センチメートルから約40センチメートルである。これはおおよその目安であり、用品として提供する長さはこれに限らずより長い長さでもより短い長さでもよい。長い場合は使用者がこれを切って適切な長さにして用いることが出来る。
また補助包帯紐(15)の厚さはごく薄いものであり、薄口の不織布や紙程度かまたはそれよりも薄く、靴下よりも薄いものが好適である。これはおおよその目安であり、その厚さはこれよりも厚くとも薄くともよいものとするが、補助包帯紐(15)は足指に巻いたときに痛みを感じない程度の薄さを持つ必要がある。
図15の図(2)は、適用する場合の様子を示しており、各吸水性包帯(3)を適宜動かしたり、切り離したりしている様子を示している。
使用者は、図(1)の吸水性包帯群(14)を足指にあてがい巻いて適用するが、必要に応じて図(2)のように吸水性包帯片(1)または吸水性包帯(3)を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりして適用することが出来る。
図15の描写においては吸水性包帯(3)の向いている方向と補助包帯紐(15)の方向とがある一定の角度を持って並び接続されているように描かれているが、これは説明のための図としてある一定の角度を持って吸水性包帯(3)と補助包帯紐(15)とを並び描いているものである。実際の作製に当たってはこの例のようであってもよいし、また吸水性包帯(3)の方向と補助包帯紐(15)とを平行にすることも出来る。後者であれば足指にあてがい巻く用品としてより巻き易くなるものである。
【符号の説明】
【0208】
1 吸水性包帯片
2 包帯紐
3 吸水性包帯
4 切れ目
5 吸水紙
6 吸水性素材
7 不織布
8 接合部分
9 高吸水性高分子化合物粒状体
10 立毛不織布
11 ミシン目
12 補助紐
13 足
14 吸水性包帯群
15 補助包帯紐
【要約】
【課題】足指および足指股周辺の皮膚表面の水分を吸収する用品で、足指に自在に適用でき、老若男女の様々に異なる足指のサイズに対応し、装着および脱着が容易であり、適用中にずれたり外れたり破れたりせず、高い吸水性を持ち、痛みがなく、かつその構成および構造がシンプルな用品を提供する。
【解決手段】吸水性素材を包含する吸水性包帯片の複数個と包帯紐とがつながって構成される吸水性の包帯または包帯群で、そのつながりの箇所に切り離し手段が施されていて、適用に際して吸水性包帯片を動かしたり、部分的に切り離し動かしたり、切り離したりすることが出来る吸水性包帯または吸水性包帯群を提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15