特許第6034641号(P6034641)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034641
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】発進装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 45/02 20060101AFI20161121BHJP
   F16F 15/134 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   F16H45/02 Y
   F16F15/134 A
   F16F15/134 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-221447(P2012-221447)
(22)【出願日】2012年10月3日
(65)【公開番号】特開2014-74439(P2014-74439A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100768
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594079143
【氏名又は名称】アイシン・エィ・ダブリュ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一能
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】田中 順二
(72)【発明者】
【氏名】後藤 啓悟
(72)【発明者】
【氏名】山下 尚久
(72)【発明者】
【氏名】北 朋一
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−208791(JP,A)
【文献】 特開2012−077820(JP,A)
【文献】 特開2012−167754(JP,A)
【文献】 特表2014−504351(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0208648(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 45/02
F16F 15/123,134,137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機に連結される入力部材と、変速機の入力軸に連結される出力部材とを有し、原動機からの動力を変速機の入力軸に伝達すると共に、該入力部材と前記出力部材との間で振動を減衰する発進装置において、
前記入力部材と前記出力部材とを連結するロックアップおよび該ロックアップの解除を選択的に実行するロックアップクラッチと、
前記ロックアップクラッチにより前記入力部材に連結される入力要素と、中間要素と、前記出力部材に連結される出力要素と、前記入力要素と前記中間要素との相対回転によって圧縮される複数の第1弾性体と、前記中間要素と前記出力要素との相対回転によって圧縮される複数の第2弾性体とを有するダンパ機構とを備え、
前記ロックアップクラッチは、前記入力要素に連結されるクラッチドラムを含む多板クラッチであり、
前記中間要素は、第1および第2中間部材を含み、
前記第1弾性体は、前記入力要素と前記第1中間部材との間に配置される弾性体と、前記第1中間部材と前記第2中間部材との間に配置される弾性体とを含み、
前記第2弾性体は、前記第2中間部材と前記出力要素との間に配置され、
前記第1中間部材は、前記クラッチドラムの外周面により径方向に支持され
前記クラッチドラムの内周面前記第2中間部材により径方向に支持されることを特徴とする発進装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発進装置において、
前記第2中間部材は、前記出力部材によりセンタリングされることを特徴とする発進装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の発進装置において、
前記入力部材に連結されるポンプインペラと、該ポンプインペラと共に回転可能なタービンランナと、前記ポンプインペラと前記タービンランナとの間に配置されるステータとを含むトルクコンバータを更に備え、
前記ダンパ機構の前記出力要素は、連結部材を介して前記出力部材に連結され、
前記出力部材には、前記連結部材よりも内側に位置するように凹部が形成されており、該凹部には、前記ステータを回転自在に支持するスラストベアリングが配置されることを特徴とする発進装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の発進装置において、
前記入力部材は、前記ロックアップクラッチのピストンを移動自在に支持するセンターピースを含み、前記出力部材は、前記センターピースの軸方向端部を囲むように突出する筒状部を有し、前記第2中間部材は、前記筒状部の外周面によりセンタリングされることを特徴とする発進装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の発進装置において、
前記第2中間部材は、前記出力要素を介して対向する2枚のプレート部材を含み、
前記2枚のプレート部材は、前記ダンパ機構の前記出力要素の外側に配置される締結部材により締結されることを特徴とする発進装置。
【請求項6】
請求項5に記載の発進装置において、
前記入力要素は、それぞれ前記第1弾性体の外周を支持する複数の弾性体支持部を有すると共に、互いに隣り合う前記第1弾性体の一方と当接し、
前記第1中間部材は、複数の前記第1弾性体を囲むように回転自在に支持され、互いに隣り合う前記第1弾性体の間で両者と当接する当接部を有
前記2枚のプレート部材の少なくとも何れか一方は、互いに隣り合う前記第1弾性体の他方と当接することを特徴とする発進装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原動機に連結される入力部材と、変速機の入力軸に連結される出力部材とを有し、原動機からの動力を変速機の入力軸に伝達すると共に、入力部材と出力部材との間で振動を減衰する発進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発進装置として、ロックアップクラッチにより入力部材に連結される入力要素と、第1弾性体を介して入力要素と連結される中間要素と、第1弾性体を介して中間要素と連結される出力要素とを有するダンパ機構を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この発進装置では、ダンパ機構の入力要素、中間要素および出力要素のすべてが変速機の入力軸に連結される動力取出部材によりセンタリングされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/016650号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された発進装置のように、ダンパ機構の入力要素、中間要素および出力要素のすべてを1体の動力取出部材によりセンタリングする場合、入力要素、中間要素および出力要素が発進装置の軸方向に並設されることから、発進装置の軸方向における寸法が長くなってしまう。また、この種の発進装置では、軸方向のみならず径方向における寸法増加を抑制することが求められる。
【0005】
そこで、本発明は、軸方向および径方向における寸法増加を抑制しつつ、ダンパ機構の構成要素のセンタリング精度を良好に確保することができる発進装置の提供を主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による発進装置は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
【0007】
本発明による発進装置は、
原動機に連結される入力部材と、変速機の入力軸に連結される出力部材とを有し、原動機からの動力を変速機の入力軸に伝達すると共に、該入力部材と前記出力部材との間で振動を減衰する発進装置において、
前記入力部材と前記出力部材とを連結するロックアップおよび該ロックアップの解除を選択的に実行するロックアップクラッチと、
前記ロックアップクラッチにより前記入力部材に連結される入力要素と、中間要素と、前記出力部材に連結される出力要素と、前記入力要素と前記中間要素との相対回転によって圧縮される複数の第1弾性体と、前記中間要素と前記出力要素との相対回転によって圧縮される複数の第2弾性体とを有するダンパ機構とを備え、
前記ダンパ機構の前記中間要素は、前記出力部材によりセンタリングされると共に、前記入力要素は前記中間要素によりセンタリングされることを特徴とする。
【0008】
この発進装置では、ダンパ機構の中間要素が出力部材によりセンタリングされると共に、入力要素は中間要素によりセンタリングされる。これにより、ダンパ機構の入力要素、中間要素および出力要素のすべてを出力部材によりセンタリングする場合に比べて、発進装置の軸方向における寸法増加を抑制しつつ、入力要素、中間要素および出力要素のセンタリング精度を良好に確保することができる。更に、例えば入力要素を出力要素によりセンタリングする場合には、出力要素を径方向に延長すると共に他の部材等との干渉を避ける必要があることから、ダンパ機構すなわち発進装置の径方向における寸法が増加してしまうおそれがある。これに対して、この発進装置では、ダンパ機構の入力要素と中間要素とが第1弾性体を介して互いに連結されるように近接して配置されることから、発進装置の径方向における寸法増加を抑制しつつ、入力要素を中間要素により容易かつ良好にセンタリングすることができる。従って、この発進装置では、軸方向および径方向における寸法増加を抑制しつつ、ダンパ機構の構成要素のセンタリング精度を良好に確保することが可能となる。
【0009】
また、前記ダンパ機構の前記出力要素は、連結部材を介して前記出力部材に連結されてもよく、前記中間要素の内周側端部の内径は前記出力要素の内周側端部の内径より小さくてもよい。これにより、連結部材と、中間要素をセンタリングする出力部材の部分との干渉を抑制することができるので、連結部材を介して出力部材に出力要素を連結しつつ、中間要素を出力部材によりセンタリングすることが可能となる。
【0010】
更に、前記発進装置は、前記入力部材に連結されるポンプインペラと、該ポンプインペラと共に回転可能なタービンランナと、前記ポンプインペラと前記タービンランナとの間に配置されるステータとを含むトルクコンバータを備えてもよく、前記出力部材には、前記連結部材よりも内側に位置するように凹部が形成されてもよく、該凹部には、前記ステータを回転自在に支持するスラストベアリングが配置されてもよい。これにより、発進装置の軸方向における寸法をより短縮化することが可能となる。
【0011】
また、前記入力部材は、前記ロックアップクラッチのピストンを移動自在に支持するセンターピースを含んでもよく、前記出力部材は、前記センターピースの軸方向端部を囲むように突出する筒状部を有してもよく、前記中間部材は、前記筒状部の外周面によりセンタリングされてもよい。これにより、センターピースと出力部材とをより近接させて、発進装置の軸方向における寸法をより短縮化することが可能となる。
【0012】
更に、前記中間要素は、前記出力要素を介して対向する2枚のプレート部材を含んでもよく、前記2枚のプレート部材は、前記ダンパ機構の前記出力要素の外側に配置される締結部材により締結されてもよい。すなわち、本発明による発進装置では、ダンパ機構の入力要素が中間要素によりセンタリングされ、入力要素をセンタリングするように出力要素を径方向に延長する必要がなくなることから、2枚のプレート部材を締結する締結部材を出力要素の外側に配置しても発進装置の径方向における寸法の増加を抑制することが可能となる。
【0013】
また、前記入力要素は、それぞれ前記第1弾性体の外周を支持する複数の弾性体支持部を有すると共に、互いに隣り合う前記第1弾性体の一方と当接してもよく、前記中間要素は、複数の前記第1弾性体を囲むように回転自在に支持され、互いに隣り合う前記第1弾性体の間で両者と当接する当接部を有する環状部材を含んでもよく、前記2枚のプレート部材の少なくとも何れか一方は、互いに隣り合う前記第1弾性体の他方と当接してもよい。この場合、複数の第1弾性体は、互いに異なる剛性を有する複数の弾性体を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る発進装置1を示す断面図である。
図2】発進装置1を示す拡大断面図である。
図3】フロントカバー3のセンターピース30を説明するための説明図である。
図4】フランジ部材85におけるスナップリング移動規制部材95の支持構造を説明するための説明図である。
図5】ダンパ機構10を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る発進装置1を示す断面図であり、図2は、発進装置1を示す拡大断面図である。これらの図面に示す発進装置1は、原動機としての図示しないエンジン(内燃機関)を備えた車両に搭載されるものであり、エンジンのクランクシャフトに連結される入力部材としてのフロントカバー3と、フロントカバー3に固定されたポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4と、ポンプインペラ4と同軸に回転可能なタービンランナ(出力側流体伝動要素)5と、図示しない自動変速機(AT)あるいは無段変速機(CVT)である変速機の入力軸ISに固定される出力部材としてのタービンハブ7と、油圧式多板クラッチであるロックアップクラッチ8と、タービンハブ7に連結されたダンパ機構10とを含む。
【0017】
フロントカバー3は、センターピース30と、当該センターピース30に溶接により固定されたカバー本体33とを含む。センターピース30は、図2に示すように、図示しないエンジン側に位置する大径円筒部(筒状部)301と、大径円筒部301の内側で当該大径円筒部301よりもダンパ機構10側に突出するように形成された円筒状の小径円筒部302とを有する。本実施形態において、センターピース30の小径円筒部302は、径方向からみて大径円筒部301のダンパ機構10側の端部と重なるように形成されており、それによりセンターピース30には、大径円筒部301により囲まれて軸方向かつエンジン側に窪む環状の凹部303が形成される。
【0018】
センターピース30の凹部303内には、図3に示すように、複数(本実施形態では、6個)の回転規制凹部304が等間隔(本実施形態では、60°間隔)に形成されている。センターピース30の小径円筒部302の内部には、タービンハブ7が回転自在に嵌合され、両者の間にOリング等のシール部材が配置されると共に、小径円筒部302の端面とタービンハブ7との間にワッシャが配置される。また、フロントカバー3のカバー本体33は、径方向に延びる側壁部34と当該側壁部34の外周から発進装置1の軸方向に延出された外筒部35とを有する。カバー本体33の側壁部34の外周部には、図示しないエンジンのクランクシャフトに取り付けられたドライブプレート(図示省略)と連結されるセットブロック36が溶接等により固定される。
【0019】
ポンプインペラ4は、フロントカバー3の外筒部35に密に固定されるポンプシェル40と、ポンプシェル40の内面に配設された複数のポンプブレード41とを有する。タービンランナ5は、タービンシェル50と、タービンシェル50の内面に配設された複数のタービンブレード51とを有する。図1および図2に示すように、タービンシェル50は、タービンハブ7に嵌合されると共にリベット55を介して当該タービンハブ7に固定される。ポンプインペラ4とタービンランナ5とは、互いに対向し合い、両者の間には、タービンランナ5からポンプインペラ4への作動油(作動流体)の流れを整流するステータ6が同軸に配置される。
【0020】
ステータ6は、複数のステータブレード60を有し、ステータ6の回転方向は、ワンウェイクラッチ61により一方向のみに設定される。これらのポンプインペラ4、タービンランナ5およびステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成し、トルク増幅機能をもったトルクコンバータ(流体伝動装置)として機能する。ただし、発進装置1において、ステータ6やワンウェイクラッチ61を省略し、ポンプインペラ4およびタービンランナ5を流体継手として機能させてもよい。
【0021】
タービンハブ7には、図2に示すように、タービンシェル50が嵌合される大径調心部71と、センターピース30の軸方向端部としての小径円筒部302を囲むように突出する筒状の小径調心部72と、ステータ6を回転自在に支持するスラストベアリング65が配置される環状の凹部73とが形成されている。大径調心部71の外周面は、発進装置1の軸心を曲率中心とする円柱面として形成されている。また、小径調心部72の外周面は、発進装置1の軸心を曲率中心とすると共に大径調心部71の外周面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有する円柱面として形成されている。凹部73は、大径調心部71やリベット55よりも内側に位置するようにタービンハブ7に形成される。
【0022】
ロックアップクラッチ8は、ポンプインペラ4とタービンランナ5、すなわちフロントカバー3とタービンハブ7に固定された変速機の入力軸ISとを機械的に(ダンパ機構10を介して)連結するロックアップおよび当該ロックアップの解除を選択的に実行するものであり、図1および図2に示すように、ダンパ機構10とフロントカバー3の側壁部34との間に配置される。ロックアップクラッチ8は、フロントカバー3のセンターピース30により軸方向に移動自在に支持されるロックアップピストン80と、ロックアップピストン80と対向するようにフロントカバー3(カバー本体33)の側壁部34に固定される環状のクラッチハブ81と、ダンパ機構10を介して変速機の入力軸ISに連結されるクラッチドラム82と、クラッチハブ81の外周に形成されたスプラインに嵌合される複数の第1摩擦係合プレート83(セパレータプレート)と、クラッチドラム82の内周に形成されたスプラインに嵌合される複数の第2摩擦係合プレート(両面に摩擦材を有する板体)84と、ロックアップピストン80よりもダンパ機構10側に位置するようにフロントカバー3のセンターピース30に取り付けられる環状のフランジ部材(油室画成部材)85とを含む。
【0023】
ロックアップピストン80は、センターピース30の大径円筒部301に嵌合されると共にフロントカバー3(カバー本体33の側壁部34等)の内面と対向する内周部80aと、内周部80aの外周部からダンパ機構10側かつ軸方向に延出された円筒部80bと、円筒部80bから外方かつフロントカバー3に向けて延出された押圧部80cとを有する。図1に示すように、ロックアップピストン80の内周部80aは、Oリング等のシール部材を介してセンターピース30の大径円筒部301の外周面と摺接する。また、ロックアップピストン80の円筒部80bは図1に示すようにフロントカバー3(カバー本体33)に固定されたクラッチハブ81の内周部にスプライン嵌合され、これにより、ロックアップピストン80は、その一部がクラッチハブ81の内側に配置されると共に、フロントカバー3の大径円筒部301により発進装置1の軸方向に移動自在に支持される。更に、ロックアップピストン80の押圧部80cは、クラッチハブ81に嵌合された複数の第1摩擦係合プレート83のうちの最もダンパ機構10側に位置する1つの概ね中央部(外周と内周との中央部)と対向する。
【0024】
クラッチハブ81は、カバー本体33の側壁部34の内面に溶接により固定され、クラッチハブ81とクラッチドラム82とは、図示するように、フロントカバー3内の外周側の領域に配置される。また、クラッチドラム82は、図1に示すように、フロントカバー3とは反対側に軸方向に延びる円筒状の環状部(軸方向延出部)82aと、当該環状部82aの端部からそれぞれ径方向内側に延出された締結部82bとを有する。更に、カバー本体33の側壁部34は、ロックアップピストン80に向けて軸方向に突出するようにプレス成形により形成されると共にクラッチハブ81により支持された複数の第1摩擦係合プレート83のうちの最もフロントカバー3側に位置する1つの概ね中央部(外周と内周との中央部)と当接する環状の当接部34a(図1参照)を有する。このようにフロントカバー3(側壁部34)に第1および第2摩擦係合プレート83,84の何れか1つと当接する当接部34aを形成することで、いわゆるバッキングプレート(エンドプレート)を省略して部品点数を削減することができる。
【0025】
フランジ部材85は、板材をプレス成形することにより形成され、センターピース30の小径円筒部302に嵌合される基端部85aと、Oリング等のシール部材を介してロックアップピストン80の円筒部80bの内周面と摺接してロックアップピストン80の軸方向における移動をガイドする円筒状の外周部85bと、当該外周部85bのロックアップピストン80側の外縁から内方かつ径方向(軸方向と直交する方向)に延びる環状面を有するピストン移動規制部85cとを有する。フランジ部材85の基端部85aには、センターピース30の凹部303内に形成された複数の回転規制凹部304の対応する何れかと係合する回転規制凸部854が形成されている。
【0026】
図2に示すように、フランジ部材85の基端部85aは、各回転規制凸部854がセンターピース30の対応する回転規制凹部304と係合すると共に、その先端面850が凹部303の底面と当接するように当該凹部303内に挿入される。従って、フランジ部材85のフロントカバー3側すなわちロックアップピストン80側(図中左側)への移動は、凹部303の底面により規制され、フランジ部材85は、フロントカバー3側すなわちロックアップピストン80側に実質的に移動し得ない。そして、センターピース30の小径円筒部302に形成されたスナップリング溝305(図3参照)には、基端部85aのタービンランナ5側(図中右側)の平坦な端面851と当接するようにスナップリング90が装着される。これにより、フロントカバー3に対するフランジ部材85の軸方向における移動がスナップリング90により規制され、フランジ部材85は、フロントカバー3と一体回転するようにセンターピース30に固定される。そして、小径円筒部302に嵌合されたフランジ部材85は、大径円筒部301と径方向からみて重なり合う。
【0027】
更に、発進装置1では、センターピース30に装着されたスナップリング90の外側に位置するように環状平板状のスナップリング移動規制部材95が配置される。スナップリング移動規制部材95は、スナップリング溝305に装着されたスナップリング90の外径よりも若干大きい内径を有し、基端部85aの平坦な端面851と当接すると共にスナップリング90を囲むようにフランジ部材85により支持される。すなわち、フランジ部材85には、図2および図4に示すように、スナップリング移動規制部材95の軸方向における移動を規制する複数(本実施形態では、6個)の移動規制部855が等間隔(本実施形態では、60°間隔)に形成される。本実施形態において、各移動規制部855は、スナップリング移動規制部材95を基端部85aの平坦な端面851と当接させた状態で、基端部85aのスナップリング移動規制部材95を囲む部分の一部(図4における点線部参照)を押圧して(カシメて)内方に突出させることにより形成される。ただし、このような移動規制部855をフランジ部材85に形成する代わりに、スナップリング移動規制部材95を溶接等によりフランジ部材85に固定してもよく、この場合には、両者の溶接部が移動規制部855に相当する。更に、スナップリング移動規制部材として第2のスナップリングを利用し、スナップリング90を囲むようにフランジ部材85に形成された環状の溝に当該スナップリング移動規制部材を装着してもよい。
【0028】
また、フランジ部材85は、外周部85bによりロックアップピストン80の軸方向における移動をガイドすると共に、当該ロックアップピストン80のフロントカバー3(側壁部34)とは反対側かつ第1および第2摩擦係合プレート83,84の内側に当該ロックアップピストン80と共に係合側油室86を画成する。係合側油室86には、エンジンにより駆動される図示しないオイルポンプに接続された油圧制御装置(図示省略)から変速機の入力軸ISに形成された図示しない油路やセンターピース30に形成された油路30a、当該センターピース30の凹部303の底面に形成された複数の油溝306(図2参照)を介してロックアップクラッチ8を係合させるため(完全係合状態あるいはスリップ状態にするため)の作動油(ロックアップ圧)が供給される。なお、凹部303の底面に複数の油溝306を形成する代わりに、フランジ部材85の基端部85aの先端面850に複数の油溝を形成してもよい。本実施形態において、センターピース30に形成された油路30aは、図1に示すように、係合側油室86に対して軸方向に開口する。
【0029】
更に、センターピース30とカバー本体33との接合部付近は、エンジン側の部材との干渉を避けるようにエンジンから離間するように凹まされており、センターピース30とカバー本体33との接合部付近とロックアップピストン80の内周部80aとの間には、複数のリターンスプリング87が配置される。そして、フロントカバー3とロックアップピストン80とは、クラッチハブ81すなわち第1および第2摩擦係合プレート83,84の内側にフロントカバー3やポンプインペラ4のポンプシェル40により画成される流体伝動室内、すなわち第1および第2摩擦係合プレート83,84やポンプインペラ4、タービンハブ7、ダンパ機構10等に作動油を供給するための油路(油室)88を画成する。油路88には、図示しない油圧制御装置から変速機の入力軸ISに形成された図示しない油路やセンターピース30に形成された油路30bを介して流体伝動室内への作動油(例えばライン圧等を減圧して得られる循環圧)が供給される。なお、図1に示すように、クラッチハブ81には、油路88と第1および第2摩擦係合プレート83,84側すなわち流体伝動室とを連通させる開口81oが形成され、クラッチドラム82には、油路88側と流体伝動室とを連通させる開口82oが形成される。
【0030】
ダンパ機構10は、図1および図2に示すように、入力要素としてのドライブ部材11と、複数の第1外周スプリング(第1弾性体)SP11を介してドライブ部材11と係合する第1中間部材(環状部材)12と、複数の第2外周スプリング(第1弾性体)SP12を介して第1中間部材12と係合すると共に第1中間部材12と共に中間要素を構成する第2中間部材14と、複数の内周スプリング(第2弾性体)SP2を介して第2中間部材14と係合するドリブン部材(出力要素)15とを含む。ダンパ機構10において、第1および第2外周スプリングSP11,SP12は、それぞれドライブ部材11と第1および第2中間部材12,14との相対回転によって圧縮され、各内周スプリングSP2は、第2中間部材14とドリブン部材15との相対回転によって圧縮される。
【0031】
本実施形態において、第1外周スプリングSP11および第2外周スプリングSP12は、荷重が加えられてないときに真っ直ぐに延びる軸心を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなるコイルスプリングであり、第1外周スプリングSP11は、第2外周スプリングSP12よりも高い剛性(バネ定数)を有する。ただし、第1および第2外周スプリングSP11,SP12は同一の剛性(同一の諸元)を有していてもよい。また、本実施形態において、内周スプリングSP2は、荷重が加えられてないときに円弧状に延びる軸心を有するように互いに逆向きに巻かれた金属材からなる外側コイルおよび内側コイルを含む二重アークスプリングである。ただし、内周スプリングSP2は、単一のコイルからなるアークスプリングや、コイルスプリングであってもよい。
【0032】
ドライブ部材11は、フロントカバー3やポンプインペラ4のポンプシェル40により画成される流体伝動室内部の外周側領域、かつ中間要素としての第2中間部材14を挟んでロックアップクラッチ8のクラッチドラム82とは反対側に配置され、リベットを介してクラッチドラム82の複数の締結部82bに固定される。また、ドライブ部材11は、図1および図5に示すように、それぞれロックアップクラッチ8に向けて延びると共に対応する第1外周スプリングSP11の一端と当接する複数のスプリング当接部11aと、それぞれ対応する第1または第2外周スプリングSP11,SP12の外周を支持する複数のスプリング支持部(弾性体支持部)11bとを有する。
【0033】
第1中間部材12は、第1および第2外周スプリングSP11,SP12を外側から囲むと共に、ドライブ部材11の複数のスプリング支持部11bと共に第1および第2外周スプリングSP11,SP12を同一円周上で互いに隣り合わせにして(交互に)支持可能な環状部材として構成されている。第1中間部材12は、図1および図2に示すように、ロックアップクラッチ8を構成するクラッチドラム82の環状部82aに発進装置1の軸周りに回転自在となるように嵌合され、当該環状部82aの外周面により径方向に支持されて流体伝動室内の外周側領域に配置される。また、第1中間部材12は、図1および図5に示すように、それぞれ対応する第1外周スプリングSP11の他端と、当該第1外周スプリングSP11と隣り合う第2外周スプリングSP12の一端との間に配置されて両者と当接する一対のスプリング当接部12a(当接部)を複数有する。
【0034】
第2中間部材14は、ロックアップクラッチ8のクラッチドラム82とドライブ部材11とにより挟み込まれる環状の第1プレート部材141と、第1プレート部材141と共に内周スプリングSP2およびドリブン部材15を挟み込むようにリベット145を介して当該第1プレート部材141に連結(固定)される環状の第2プレート部材142とを含む。第2中間部材14の第1プレート部材141は、それぞれ対応する第2外周スプリングSP12の他端と当接する複数のスプリング当接部(第2当接部)141aを外周部に有すると共に、内周スプリングSP2を支持するための複数のスプリング支持部を内周部に有する。また、第2中間部材14の第2プレート部材142は、それぞれ第1プレート部材141のスプリング支持部と対向して内周スプリングSP2を支持する複数のスプリング支持部を有する。そして、第1プレート部材141には、それぞれ対応する内周スプリングSP2の一端と当接する複数のスプリング当接部141b(図5参照)が形成されている。また、第2プレート部材142にも、それぞれ対応する内周スプリングSP2の一端と当接する複数のスプリング当接部(図示省略)が形成されている。
【0035】
これにより、複数の第1外周スプリングSP11は、それぞれドライブ部材11のスプリング当接部11aと第1中間部材12のスプリング当接部12aとの間に位置するようにダンパ機構10の外周部に配置され、複数の第2外周スプリングSP12は、それぞれ第1中間部材12のスプリング当接部12aと第2中間部材14すなわち第1プレート部材141のスプリング当接部141aとの間に位置するようにダンパ機構10の外周部に配置されることになる。また、複数の内周スプリングSP2は、それぞれ第1および第2外周スプリングSP11,SP12から発進装置1の径方向に離間して配置され、第1および第2外周スプリングSP11,SP12よりも内側に位置することになる。
【0036】
図2に示すように、第2中間部材14を構成する第2プレート部材142は、タービンハブ7の小径調心部72に回転自在に嵌合され、小径調心部72の外周面により径方向に支持される。従って、第1および第2プレート部材141,142を含む第2中間部材14は、小径調心部72すなわちタービンハブ7によりセンタリングされることになる。また、第2プレート部材142は、図2に示すように、ロックアップクラッチ8を構成するクラッチドラム82の環状部82a内に回転自在に嵌合される。これにより、クラッチドラム82は、第2プレート部材142の外周面により径方向に支持される。従って、クラッチドラム82の環状部82aに嵌合される第1中間部材12は、環状部82aを介して第2中間部材14(第2プレート部材142)によりセンタリングされることになる。また、上述のように、ダンパ機構10の入力要素であるドライブ部材11は、クラッチドラム82の複数の締結部82bに固定される。従って、ドライブ部材11もクラッチドラム82を介して第2中間部材14(第2プレート部材142)によりセンタリングされることになる。
【0037】
ドリブン部材15は、環状に形成されており、図2および図5に示すように、それぞれ対応する内周スプリングSP2の他端と当接する複数のスプリング当接部15aを有する。更に、ドリブン部材15には、図2および図5に示すように、それぞれ第2プレート部材142に形成された複数の開口142bの何れかと係合してドリブン部材15に対する第2中間部材14の回転を規制する複数の突起15bが複数形成されている。
【0038】
そして、ドリブン部材15は、第2中間部材14の第1プレート部材141と第2プレート部材142との間に配置されると共に、タービンハブ7の大径調心部71に嵌合され、タービンシェル50と共通のリベットを介してタービンハブ7に固定される。これにより、ドリブン部材15は、タービンランナ5と共に大径調心部71すなわちタービンハブ7によりセンタリングされる。ここで、本実施形態において、大径調心部71の曲率半径は、上述のように小径調心部72の曲率半径よりも大きい。従って、小径調心部72に嵌合される第2中間部材14すなわち第2プレート部材142の内周側端部の内径(中心孔の内径)は、大径調心部71に嵌合されるドリブン部材15の内周側端部の内径(中心孔の内径)よりも小さくなる。また、本実施形態において、第2中間部材14を構成する第1および第2プレート部材141,142を締結するためのリベット145は、図1および図2に示すように、ドリブン部材15の外側かつクラッチドラム82の環状部82aの内側に配置される。
【0039】
上述のように構成された発進装置1では、ダンパ機構10の中間要素を構成する第2中間部材14が出力部材としてのタービンハブ7によりセンタリングされると共に、入力要素としてのドライブ部材11(および中間要素を構成する第1中間部材12)がクラッチドラム82の環状部82aを介して第2中間部材14の第2プレート部材142によりセンタリングされる。これにより、ダンパ機構10のドライブ部材11、第2中間部材14および出力要素としてのドリブン部材15のすべてをタービンハブ7によりセンタリングする場合に比べて、発進装置1の軸方向における寸法増加を抑制しつつ、ドライブ部材11(および第1中間部材12)、第2中間部材14およびドリブン部材15のセンタリング精度を良好に確保することができる。
【0040】
更に、例えばドライブ部材11をドリブン部材15によりセンタリングすることも考えられるが、この場合には、ドリブン部材15を径方向に延長すると共に他の部材等との干渉を避ける必要があることから、ダンパ機構10すなわち発進装置1の径方向における寸法が増加してしまうおそれがある。これに対して、発進装置1では、ダンパ機構10のドライブ部材11と第2中間部材14(第2プレート部材142)とが第1弾性体としての第1および第2外周スプリングSP11,SP12を介して互いに連結されるように近接して配置されることから、径方向における寸法増加を抑制しつつ、クラッチドラム82の環状部82aを介してドライブ部材11を第2中間部材14の第2プレート部材142により容易かつ良好にセンタリングすることができる。
【0041】
また、発進装置1では、ダンパ機構10のドリブン部材15が連結部材としてのリベット55を介してタービンハブ7に連結され、第2中間部材14すなわち第2プレート部材142の内周側端部の内径がドリブン部材15の内周側端部の内径より小さくなっている。これにより、リベット55と、第2中間部材14(第2プレート部材142)をセンタリングする小径調心部72との干渉を抑制することができるので、リベット55を介してタービンハブ7にドリブン部材15を連結しつつ、第2中間部材14をタービンハブ7によりセンタリングすることが可能となる。なお、図2等に示すように、第2中間部材14の第2プレート部材142には、リベット55を挿通させるための作業穴を形成しておくと好ましい。
【0042】
更に、発進装置1のタービンハブ7には、リベット55よりも内側に位置するように環状の凹部73が形成されており、当該凹部73には、ステータ6を回転自在に支持するスラストベアリング65が配置される。これにより、発進装置1の軸方向における寸法をより短縮化することが可能となる。また、入力部材としてのフロントカバー3は、ロックアップクラッチ8のロックアップピストン80を移動自在に支持するセンターピース30を含み、タービンハブ7は、センターピース30の軸方向端部としての小径円筒部302を囲むように突出する筒状部としての小径調心部72を有している。そして、第2中間部材14(第2プレート部材142)は、小径調心部72の外周面によりセンタリングされる。これにより、センターピース30とタービンハブ7とをより近接させて、発進装置1の軸方向における寸法をより短縮化することが可能となる。
【0043】
更に、中間要素は、ドリブン部材15を介して対向する2枚のプレート部材を含んでもよく、2枚のプレート部材は、ダンパ機構10のドリブン部材15の外側に配置される締結部材により締結されてもよい。すなわち、本発明による発進装置1では、ダンパ機構10の入力要素が中間要素によりセンタリングされ、入力要素をセンタリングするようにドリブン部材15を径方向に延長する必要がなくなることから、2枚のプレート部材を締結する締結部材をドリブン部材15の外側に配置しても発進装置1の径方向における寸法の増加を抑制することが可能となる。
【0044】
以上説明したように、上記実施形態の発進装置1では、軸方向および径方向における寸法増加を抑制しつつ、ダンパ機構10の構成要素のセンタリング精度を良好に確保することが可能となる。なお、上記実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載された発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載された発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施形態はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
【0045】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、発進装置の製造分野等において利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 発進装置、3 フロントカバー、30 センターピース、30a 油路、30b 油路、301 大径円筒部、302 小径円筒部、303 凹部、304 回転規制凹部、305 スナップリング溝、306 油溝、33 カバー本体、34 側壁部、34a 当接部、35 外筒部、36 セットブロック、4 ポンプインペラ、40 ポンプシェル、41 ポンプブレード、5 タービンランナ、50 タービンシェル、51 タービンブレード、55 リベット、6 ステータ、60 ステータブレード、61 ワンウェイクラッチ、65 スラストベアリング、7 タービンハブ、71 大径調心部、72 小径調心部、73 凹部、8 ロックアップクラッチ、80 ロックアップピストン、80a 内周部、80b 円筒部、80c 押圧部、81 クラッチハブ、81o 開口、82 クラッチドラム、82a 環状部、82b 締結部、82o 開口、83 第1摩擦係合プレート、84 第2摩擦係合プレート、85 フランジ部材、85a 基端部、85b 外周部、85c ピストン移動規制部、850 先端面、851 端面、854 回転規制凸部、855 移動規制部、86 係合側油室、87 リターンスプリング、88 油路、10 ダンパ機構、11 ドライブ部材、11a スプリング当接部、11b スプリング支持部、12 第1中間部材、12a スプリング当接部、14 第2中間部材、141 第1プレート部材、141a,141b スプリング当接部、142 第2プレート部材、142b 開口、145 リベット、15 ドリブン部材、15a スプリング当接部、15b 突起、90 スナップリング、95 スナップリング移動規制部材、SP11 第1外周スプリング、SP12 第2外周スプリング、SP2 内周スプリング。
図1
図2
図3
図4
図5