特許第6034704号(P6034704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034704
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20161121BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   H04M9/00 J
   H04M9/00 B
   A61G12/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-11260(P2013-11260)
(22)【出願日】2013年1月24日
(65)【公開番号】特開2014-143597(P2014-143597A)
(43)【公開日】2014年8月7日
【審査請求日】2015年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
(72)【発明者】
【氏名】楠 浩和
(72)【発明者】
【氏名】安東 徹
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−152346(JP,A)
【文献】 特開2012−157436(JP,A)
【文献】 特開平06−338931(JP,A)
【文献】 特開2008−029699(JP,A)
【文献】 特開2001−109970(JP,A)
【文献】 特開2012−228391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 9/00−15/12
99/00
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00−11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療・看護施設内の複数の部屋の病床毎に設置され被看護人が医療・看護従事者を呼出して通話を成立させるナースコール子機と、前記部屋の出入り口に設置され前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出しを報知する廊下灯と、前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出しに前記医療・看護従事者が応答して通話を成立させるナースコール親機と、前記医療・看護従事者により携帯され前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出しに応答して通話を成立させる携帯情報端末と、前記被看護人の治療情報や施設案内等の被看護人用閲覧情報を表示する情報表示機と、前記情報表示機を制御するサーバと、前記廊下灯、前記ナースコール親機、前記携帯情報端末及び前記サーバを制御する制御機とを有し、
前記制御機、前記ナースコール親機および前記サーバのうち少なくとも一つは、前記携帯情報端末を携帯した前記医療・看護従事者が有する医療・看護従事者識別IDを含む医療・看護従事者関連情報が記憶される記憶部と、前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出時に当該ナースコール子機から伝送されてくる子機IDに割当てられた呼出先医療・看護従事者関連情報を前記記憶部から読出して前記情報表示機に送出するCPUとを備え、
前記情報表示機は、前記CPUから伝送されてくる前記呼出先医療・看護従事者関連情報を表示する表示機表示部を備え
前記医療・看護従事者関連情報には、前記医療・看護従事者識別IDに割当てられる前記医療・看護従事者の氏名データが含まれ、
前記CPUは、前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出時に当該ナースコール子機から伝送されてくる前記子機IDに割当てられた前記呼出先医療・看護従事者関連情報を前記記憶部から読出し、呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データを前記サーバを経由して前記情報表示機に送出して前記表示機表示部に表示させる機能を有し、
前記情報表示機は、前記呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データ及び呼出先としての前記ナースコール親機のうち少なくとも1つを選択する表示機操作部を備え、
前記CPUは、前記情報表示機の前記表示機操作部により選択された前記医療・看護従事者が携帯する前記携帯情報端末又は呼出先としての前記ナースコール親機で呼出報知を行う機能を有するナースコールシステムにおいて、
前記情報表示機の前記表示機表示部に前記呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データ及び呼出先としての前記ナースコール親機が表示されてから前記表示機操作部が操作されるまでの予め定められた時間を計時する計時部を備え、
前記CPUは、前記計時部のタイムアップを検出したとき、呼出先として予め定められた医療・看護従事者が携帯する前記携帯情報端末で呼出報知を行う機能を有し、
前記CPUは、複数の呼出があり順番待ちが発生している場合に前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出時に当該ナースコール子機から伝送されてくる前記子機IDに割当てられた医療・看護従事者の呼出優先順位を検出し、前記呼出優先順位を前記情報表示機に送出して前記表示機表示部に表示させる機能を有することを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
前記情報表示機の前記表示機操作部は、前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出しを待受状態に復旧させる機能を有することを特徴とする請求項1記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナースコールシステムに係わり、特に、ナースコール呼出しを行なった際に、呼出先に関する情報を情報表示機に表示することが可能なナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のナースコールシステムとして、ナースコール呼出しを行なってから看護師が来るまでの状況をナースコール呼出しを行った患者が把握することができ、更にナースコール呼出しに対して看護師が音声により応答しなくても患者が安心できるナースコールシステムが知られている(例えば、特許文献1等)。
【0003】
このナースコールシステムは、ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出すためのナースコール子機と、患者からの呼び出しに応答するためのナースコール親機と、病室毎にナースコール子機が接続されてナースコール子機からの呼び出しを廊下にいる看護師に通知するための廊下灯と、ナースコール親機と廊下灯との間の通信を制御する制御機とを有するナースコールシステムであって、呼出中等の情報を表示するための表示部を備えた患者用端末がナースコール子機と対を成すように設置され、制御機が、ナースコール子機から呼出信号を受信したらナースコール親機に呼出信号を送信して呼出動作させると共に、呼出確認信号を呼出元のナースコール子機と対を成す患者用端末に返信する制御機CPUを備え、患者用端末が、呼出確認信号を受信したら表示部に呼び出しが行われていることを表示させる表示制御部を備えている。
【0004】
このナースコールシステムによれば、患者がナースコール子機を用いて行ったナースコール呼出しが実際にナースコール親機に通知されているか患者用端末において表示されるので、患者は呼び出しが行われていることを認識でき安心できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−152346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のナースコールシステムにおいては、ナースコール呼出中には、呼出中である旨の情報しか表示されないため、患者はナースコール呼出しに応答するまで、どの看護師が実際に応答してくれるのか分からず、不安感を有していた。
【0007】
本発明は、このような従来の難点を解消するため、ナースコール呼出しを行なった際に、呼出先に関する情報を情報表示機に表示させることができるナースコールシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のナースコールシステムは、医療・看護施設内の複数の部屋の病床毎に設置され被看護人が医療・看護従事者を呼出して通話を成立させるナースコール子機と、部屋の出入り口に設置されナースコール子機を用いた被看護人からの呼出しを報知する廊下灯と、ナースコール子機を用いた被看護人からの呼出しに医療・看護従事者が応答して通話を成立させるナースコール親機と、医療・看護従事者により携帯されナースコール子機を用いた被看護人からの呼出しに応答して通話を成立させる携帯情報端末と、被看護人の治療情報や施設案内等の被看護人用閲覧情報を表示する情報表示機と、情報表示機を制御するサーバと、廊下灯、ナースコール親機、携帯情報端末及びサーバを制御する制御機とを有し、
制御機、ナースコール親機およびサーバのうち少なくとも一つは、携帯情報端末を携帯した医療・看護従事者が有する医療・看護従事者識別IDを含む医療・看護従事者関連情報が記憶される記憶部と、ナースコール子機を用いた被看護人からの呼出時に当該ナースコール子機から伝送されてくる子機IDに割当てられた呼出先医療・看護従事者関連情報を記憶部から読出して情報表示機に送出するCPUとを備え、
情報表示機は、CPUから伝送されてくる呼出先医療・看護従事者関連情報を表示する表示機表示部を備え
医療・看護従事者関連情報には、医療・看護従事者識別IDに割当てられる医療・看護従事者の氏名データが含まれ、
CPUは、ナースコール子機を用いた被看護人からの呼出時に当該ナースコール子機から伝送されてくる子機IDに割当てられた呼出先医療・看護従事者関連情報を記憶部から読出し、呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データをサーバを経由して情報表示機に送出して表示機表示部に表示させる機能を有し、
情報表示機は、呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データ及び呼出先としてのナースコール親機のうち少なくとも1つを選択する表示機操作部を備え、
CPUは、情報表示機の表示機操作部により選択された医療・看護従事者が携帯する携帯情報端末又は呼出先としてのナースコール親機で呼出報知を行う機能を有するナースコールシステムにおいて、
情報表示機の表示機表示部に呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データ及び呼出先としてのナースコール親機が表示されてから表示機操作部が操作されるまでの予め定められた時間を計時する計時部を備え、
CPUは、計時部のタイムアップを検出したとき、呼出先として予め定められた医療・看護従事者が携帯する携帯情報端末で呼出報知を行う機能を有し、
CPUは、複数の呼出があり順番待ちが発生している場合にナースコール子機を用いた被看護人からの呼出時に当該ナースコール子機から伝送されてくる子機IDに割当てられた医療・看護従事者の呼出優先順位を検出し、呼出優先順位を情報表示機に送出して表示機表示部に表示させる機能を有するものである。
【0009】
このナースコールシステムによれば、ナースコール呼出しをした被看護人は、ナースコール子機が設置された病床において、少なくとも自分の担当する医療・看護従事者が誰であるかを認識することができ、被看護人は、実際に呼出している医療・看護従事者の氏名を認識することができ、ひいてはナースコールシステムの利便性をより一層向上させることができ、被看護人は、ナースコール呼出しの目的に応じて呼出先を選択することができ、ひいては、ナースコ−ルシステムの利便性をより一層向上させることができ、情報表示機の操作ミスで呼出先が選択できない場合でも自動的に看護師が呼び出されるため、失報の虞がなくなり、被看護人が「自分のナースコール呼出しが放置されているのか」という懸念を払拭することができ、ひいては、ナースコールシステムにおける安心度合をより一層向上させることができる。
【0010】
また、本発明のナースコールシステムは、情報表示機の表示機操作部は、ナースコール子機を用いた被看護人からの呼出しを待受状態に復旧させる機能を有するものである。
【0011】
このナースコールシステムによれば、表示機操作部に設けられた復旧ボタンを選択操作することで、ナースコール子機を用いた被看護人からの呼出しを待受状態に復旧させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のナースコールシステムによれば、制御機CPUの制御により、ナースコール子機を用いた被看護人からの呼出時に当該ナースコール子機から伝送されてくる子機IDに割当てられた呼出先医療・看護従事者関連情報が制御機記憶部から読出され、当該呼出先医療・看護従事者関連情報がサーバを経由して情報表示機の表示機表示部に表示されることから、当該ナースコール子機を用いた被看護人は、実際にどの医療・看護従事者を呼び出しているのかを認識することができる。
【0013】
従って、本発明のナースコールシステムによれば、ナースコール呼出しを行なった際に、呼出先に関する情報(呼出先医療・看護従事者関連情報)を情報表示機に表示させることができることから、被看護人は、呼出に応答するまでの不安感を解消することができ、ひいては被看護人に対する信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例におけるナースコールシステムの構成図。
図2】本発明におけるナースコール親機、制御機および情報表示機のブロック図。
図3】本発明における制御機記憶部に記憶される医療・看護従事者関連情報等の説明図。
図4】本発明における呼出先医療・看護従事者関連情報に含まれる医療・看護従事者の氏名データ等の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のナースコールシステムを適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施例におけるナースコールシステムの全体構成を示す説明図である。
【0017】
同図において、本発明のナースコールシステムは、医療・看護施設内の複数の部屋の病床毎に設置されるナースコール子機1、1、・・・と、スタッフステーション等の施設内共用部に設置されるナースコール親機2と、施設内共用部に設置される制御機3と、医療・看護従事者により携帯される携帯情報端末4、4、・・・と、部屋毎の出入り口に設置される廊下灯5、5、・・・と、施設内共用部に設置されるサーバ6と、医療・看護施設内の複数の部屋の病床毎に設置される情報表示機7、7、・・・と、基地局8および交換機9とを備えている。
【0018】
ここで、各ナースコール子機1、1、・・・は、それぞれ子機ラインL1を経由して対応する廊下灯5に接続され、各廊下灯5には、廊下灯ラインL2を経由して制御機3が接続されている。
【0019】
また、ナースコール親機2は、親機ラインL3を経由して制御機3に接続され、制御機3には、交換機ラインL4を経由して交換機9が、サーバラインL6を経由してサーバ6がそれぞれ接続されている。
【0020】
さらに、交換機9には基地局ラインL5を経由して基地局8が接続され、サーバ6には情報表示機ラインL7を経由して各情報表示機7、7、・・・が接続されている。
【0021】
なお、ナースコール子機1及び廊下灯5間の接続は、図示のような個別配線の接続に限定されるものではなく、例えば、複数台の当該ナースコール子機1を順次、廊下灯5に接続する渡り配線とすることもできる。
【0022】
また、サーバ6及び制御機3間の接続についても、図示のようなバス接続に限定されるものではなく、例えば、渡り配線の接続とすることもできる。
【0023】
さらに、複数の廊下灯5、5、・・・及び制御機3間の接続についても、図示のような渡り配線の接続に限定されるものではなく、例えば、バス接続とすることもできる。
【0024】
各ナースコール子機1、1、・・・は、それぞれ同様の構成とされ、それぞれ個別の子機IDを有しており、病院等の医療・介護施設における例えば、201号室、202号室、・・・・のような(複数の)部屋内の各病床の被看護人(患者と同意)が、例えば、ナースコール親機2が設置されるスタッフステーション等の施設内共用部に在室中の看護人(医療・看護従事者と同意)及び/又は携帯情報端末4を携帯して当該施設内を移動中の看護人(医療・看護従事者と同意)に対し、通常呼出し、トイレ・風呂介助等を求める緊急呼出し、点滴の終了を知らせる確認呼出し等、ナースコール呼出しにかかる呼出種別毎で異なる所定の呼出操作を行うとともに、この被看護人が看護人との間で音声を送受信して通話を成立させるものである。
【0025】
ここで、ナースコール子機1は、部屋内の病床数に対応させて複数台、任意に設けることができる。
【0026】
なお、各ナースコール子機1、1、・・・は、例えば、前述のような所定の呼出操作が行われる呼出操作機能を有するハンド子機1aと、ハンド子機1aに接続され前述のような通話を成立させる通話機能を有するプレート子機1bとで構成されている。
【0027】
また、ハンド子機1aには、呼出操作機能のみならず前述のような通話機能を備えることもできる。さらに、プレート子機1bには、通話機能のみならず前述のような呼出操作機能や、被看護人からの呼出しを待受状態に復旧させる呼出復旧操作機能を備えることもできる。
【0028】
各廊下灯5、5、・・・は、それぞれ同様の構成と構成され、それぞれ個別の廊下灯IDを有しており、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出しを、通常呼出し、トイレ・風呂介助等を求める緊急呼出し、点滴の終了を知らせる確認呼出し等、呼出種別毎に異なるパターンの警報音、表示灯で報知するものである。
【0029】
ナースコール親機2は、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出しを、通常呼出し、トイレ・風呂介助等を求める緊急呼出し、点滴の終了を知らせる確認呼出し等、呼出種別毎に異なるパターンの警報音、表示灯で報知するとともに、これを確認した看護人が被看護人との間で音声を送受信して通話を成立させるものである。
【0030】
なお、ナースコール親機2には、通常、ナースコール子機1を個別呼出し又は一斉呼出しする機能や、携帯情報端末4を個別呼出し又は一斉呼出しする機能が備えられている。
【0031】
また、ナースコール親機2の構成態様としては、図示のような電子情報出力型の当該親機に限定されず、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)型やボード型の当該親機も好適とされる。
【0032】
各携帯情報端末4、4、・・・は、それぞれ同様の構成とされ、それぞれ当該施設内を移動中の看護人によって携行され個別の端末IDを有しており、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出しを、通常呼出し、トイレ・風呂介助等を求める緊急呼出し、点滴の終了を知らせる確認呼出し等、呼出種別毎に異なるパターンの警報音、表示灯で報知するとともに、これを確認した看護人が被看護人との間で音声を送受信して通話を成立させるものであり、例えば、スマートフォン等の高機能通信端末やPHS端末が好適とされる。なお、携帯情報端末4は、通常、ナースコール親機2や他の携帯情報端末4との間で呼出し、通話を成立させる機能が備えられている。
【0033】
サーバ6は、後述する各情報表示機7、7、・・・を制御するものである。
【0034】
各情報表示機7、7、・・・は、それぞれ同様の構成とされ、それぞれ個別の表示機IDを有しており、被看護人の治療情報や施設案内等の被看護人用閲覧情報を表示するものである。
【0035】
制御機3は、廊下灯ラインL2を経由して各廊下灯5、5、・・・、親機ラインL3を経由してナースコール親機2、交換機ラインL4を経由して交換機9、サーバラインL6を経由してサーバ6をそれぞれ接続する中継器として、これらに接続された機器を制御するものである。なお、交換機9が有する回線制御機能は、制御機3に備えることができ、この態様によれば交換機9が不要とされ、制御機3と基地局8の間が直接接続される。
【0036】
次に、図2に基づいて、ナースコール親機2、制御機3および情報表示機7の具体的な構成について説明する。
【0037】
同図(a)において、ナースコール親機2は、親機表示部21、親機操作部22、親機通話部23、親機CPU24及び親機I/F25を備えている。
【0038】
このナースコール親機2において、親機表示部21は、ナースコール子機1、1、・・・を用いた被看護人からのナースコール呼出しがあることを表示(呼出表示)するものであり、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。
【0039】
親機操作部22は、前述のような被看護人からのナースコール呼出しに医療・看護従事者が応答するための操作(応答操作)を行うものであり、例えば、親機表示部21の前面に設置されたタッチパネルで構成されている。
【0040】
親機通話部23は、医療・看護従事者が被看護人との間で通話を成立させるための音声を送受信するものであり、例えば、マイク及びスピーカで構成されている。また、親機通話部23を構成するスピーカは、前述のようなナースコール呼出しがあることを報知(呼出発報)するための呼出音や音声メッセージ等を出力することができる。なお、親機通話部23としては、図1に示すようなハンドセットを適用することもできる。
【0041】
親機CPU24は、当該ナースコール親機の構成各部を制御するものである。また、親機I/F25は、親機通話部23及び親機ラインL3間の信号伝送路、親機CPU24及び親機ラインL3間の信号伝送路をそれぞれ形成するものである。
【0042】
次に、制御機3は、図2(b)に示すように、制御機記憶部31、制御機CPU32、廊下灯側制御機I/F33、親機側制御機I/F34、交換機側制御機I/F35及び必要により設けられるサーバ側制御機I/F36を備えている。
【0043】
この制御機3において、制御機記憶部31は、図3(a)に示すように子機ID、廊下灯IDおよび表示機IDにそれぞれ対応する被看護人識別ID等を有する被看護人情報テーブルと、図3(b)に示すように携帯情報端末を携帯した医療・看護従事者が有する医療・看護従事者識別IDを含む医療・看護従事者関連情報を記憶するためのものであり、例えば、RAM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の各種の記憶媒体で構成されている。なお、制御機記憶部31の記憶内容である前述の医療・看護従事者関連情報は、例えば、ナースコール親機2や別途のPC(パーソナル・コンピュータ)等を用いることで適宜に書換えることができる。
【0044】
制御機CPU32は、当該制御機の構成各部を制御するばかりでなく当該システム全体を制御するものである。
【0045】
また、廊下灯側制御機I/F33は、制御機CPU32及び廊下灯ラインL2間の信号伝送路を形成するものであり、親機側制御機I/F34は、制御機CPU32及び親機ラインL3間の信号伝送路を形成するものであり、交換機側制御機I/F35は、制御機CPU32及び交換機ラインL4間の信号伝送路を形成するものであり、サーバ側制御機I/F36は、制御機CPU32及びサーバラインL6間の信号伝送路を形成するものである。
【0046】
次に、各情報表示機7、7、・・・は、図2(c)に示すように、それぞれ同様の構成とされ、それぞれ表示機表示部71、表示機操作部72、表示機CPU74及び表示機I/F75を備えている。
【0047】
この情報表示機7において、表示機表示部71は、被看護人の治療情報や施設案内等の被看護人用閲覧情報や前述の医療・看護従事者関連情報等を表示するものであり、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。
【0048】
表示機操作部72は、ナースコール子機1を用いた被看護人からの呼出しを待受状態に復旧させる機能を有しており、呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データ及び呼出先としてのナースコール親機を選択するものである。
【0049】
表示機CPU74は、当該携帯情報端末の構成各部を制御するものである。
【0050】
また、表示機I/F75は、表示機CPU74及びサーバ6間の信号伝送路を形成するものである。
【0051】
次に、図1から図3に基づいて、このように構成された本発明の実施例におけるナースコールシステムの動作について説明する。
[動作例1]
先ず、制御機3の制御機記憶部31には、例えば図3(a)に示すような被看護人情報テーブルおよび図3(b)に示すような医療・看護従事者関連情報が予め記憶されている。
【0052】
このように構成されたナースコールシステムにおいて、待受け状態において、例えば201号室、202号室、・・・のような複数の部屋毎の各病床に居る被看護人のうち、特定の被看護人(例えば、201号室の病床に居る鈴木太郎(図3(a)参照)。以下、特に示した場合を除いて、特定の被看護人は「鈴木太郎」として説明する。)が、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者や携帯情報端末4、4、・・・を携帯して施設内を移動中の医療・看護従事者のうち担当の医療・看護従事者(例えば、図3(b)に示す「山田花子」。以下、特に示した場合を除いて、特定の被看護人「鈴木太郎」を担当する医療・看護従事者は「山田花子」として説明する。)を呼出すために、ナースコール子機1を構成するハンド子機1aを使用して呼出種別毎で異なる呼出操作、例えば、ナースコール呼出しのための操作を行うと、この操作を検出したプレート子機1bは、自子機が有する子機ID(例えば、図3(a)に示す「1」)及びナースコール呼出しを示す呼出種別情報を付加したナースコール呼出信号を生成する。
【0053】
このナースコール呼出信号は、子機ラインL1を経由して自部屋の出入り口近傍に設置された廊下灯5に伝送される。
【0054】
廊下灯5は、ナースコール子機1を構成するハンド子機1aから伝送されてきたナースコール呼出信号に付加されている子機ID「1」及び呼出種別情報をもとに、ナースコール子機1が病床に設置されている被看護人からのナースコール呼出しがあることを検出し、その旨の報知(呼出表示、呼出発報)を行うとともに、受信したナースコール呼出信号に自廊下灯5が有する廊下灯ID(例えば、図3(a)に示す「201」)を付加し、このナースコール呼出信号を、廊下灯ラインL2、制御機3の廊下灯側制御機I/F33を経由して制御機CPU32に送出する。
【0055】
制御機3の制御機CPU32は、ナースコール子機1から廊下灯5を経由して伝送されてきたナースコール呼出信号を受信し、このナースコール呼出信号に付加されている子機ID「1」、廊下灯ID「201」および呼出種別情報を検出すると、制御機記憶部31の記憶内容(例えば、図3(a)に示す被看護人情報テーブルおよび図3(b)に示す医療・看護従事者関連情報)を参照し、情報表示機7、7、・・・のうち、ナースコール子機1の病床に設置されている情報表示機7が有する表示機ID(例えば図3(a)に示す「D01」)を読出し、この情報表示機7に呼出先医療・看護従事者関連情報を通知する当該信号として、前述の子機ID「1」と読出した表示機ID「D01」を付加した呼出先医療・看護従事者関連情報を生成する。
【0056】
この呼出先医療・看護従事者関連情報は、サーバラインL6、サーバ6、表示機ラインL7、情報表示機7の表示機I/F75を経由して表示機CPU74へ伝送される。
【0057】
また、制御機3の制御機CPU32は、ナースコール子機1から廊下灯5を経由して伝送されてきたナースコール呼出信号を受信し、このナースコール呼出信号に付加されている子機ID「1」、廊下灯ID「201」および呼出種別情報を検出すると、ナースコール親機2にナースコール呼出しを通知する当該信号として、前述の子機ID、廊下灯ID及び呼出種別情報と読出した端末ID(「HP01」)を付加した親機用ナースコール呼出報知信号を生成する。
【0058】
この親機用ナースコール呼出報知信号は、制御機CPU32から、親機側制御機I/F34、親機ラインL3、ナースコール親機2の親機I/F25を経由して親機CPU24に伝送される。
【0059】
さらに、制御機3の制御機CPU32は、制御機記憶部31の記憶内容(例えば、図3(a)に示す被看護人情報テーブルおよび図3(b)に示す医療・看護従事者関連情報を参照し、携帯情報端末4、4、・・・のうち、予め設定されている担当の医療・看護従事者(例えば図3(b)に示す「山田花子」)が携帯している少なくとも1台の携帯情報端末4が有する端末ID(例えば図3(b)に示す「HP01」)を読出し、この携帯情報端末4にナースコール呼出しを通知する当該信号として、前述の子機ID「1」、廊下灯ID「201」及び呼出種別情報と読出した端末ID「HP01」を付加した端末用ナースコール呼出報知信号を生成する。
【0060】
この端末用ナースコール呼出報知信号は、制御機CPU32から交換機側制御機I/F35、交換機ラインL4、交換機9、基地局ラインL5および基地局8を経由して携帯情報端末4、4、・・・へ伝送される。
【0061】
一方、情報表示機7、7、・・・の表示機CPU74は、それぞれ、制御機3から伝送されてきた呼出先医療・看護従事者関連情報を受信すると、この呼出先医療・看護従事者関連情報に付加されている表示機ID「D01」と自端末が有する表示機ID「D01」とを照合し、当該IDが一致した場合のみ、同様に付加されている呼出先医療・看護従事者関連情報を表示機表示部71に表示させることができる。
【0062】
これにより、ナースコール呼出しをした被看護人「鈴木太郎」は、ナースコール子機1が設置された病床において、少なくとも自分の担当する医療・看護従事者が誰(本動作例では「山田花子」)であるかを認識することができる。
【0063】
また、ナースコール親機2の親機CPU24は、制御機3から伝送されてきた親機用ナースコール呼出報知信号を受信すると、この親機用ナースコール呼出報知信号に付加されている子機ID、廊下灯ID及び呼出種別情報をもとに、ナースコール子機1が病床に設置されている被看護人「鈴木太郎」からのナースコール呼出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を、ナースコール親機2の親機通話部23を構成するスピーカから出力させるとともに、同様なナースコール呼出しがある旨の文字メッセージ等を親機表示部21に表示させることができる。なお、親機表示部21を用いた呼出表示としては、氏名、診療科目、救護区分等の被看護人に係る各種情報を併せて表示させることもできる。
【0064】
さらに、携帯情報端末4、4、・・・の端末CPU(不図示)は、それぞれ、制御機3から伝送されてきた端末用ナースコール呼出報知信号を受信すると、この端末用ナースコール呼出報知信号に付加されている端末IDと自端末が有する端末IDとを照合し、当該IDが一致した場合のみ、同様に付加されている子機ID、廊下灯ID及び呼出種別情報をもとに、ナースコール子機1が病床に設置されている被看護人(鈴木太郎)からのナースコール呼出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を、端末通話部(不図示)を構成するスピーカから出力させるとともに、同様なナースコール呼出しがある旨の文字メッセージ等を端末表示部(不図示)に表示させることができる。
【0065】
なお、携帯情報端末4の端末表示部(不図示)を用いた呼出表示としては、氏名、診療科目、救護区分等の被看護人に係る各種情報を併せて表示させることもできる。
【0066】
次に、前述のようなナースコール呼出しに係る所定の報知(呼出表示、呼出発報)を確認した医療・看護従事者のうち、最先に応答操作を行った医療・看護従事者として、被看護人「鈴木太郎」の担当である施設内を移動中の医療・看護従事者「山田花子」が、携帯情報端末4の端末操作部(不図示)を用いて所定の応答操作を行うと、この操作を検出した端末CPU(不図示)は、端末通話部(不図示)が有する通話機能を能動とするとともに、自端末が有する端末ID「HP01」を付加した端末ナースコール応答信号を生成する。
【0067】
この端末ナースコール応答信号は、前述の端末用ナースコール呼出報知信号と逆の信号伝送路を経由して制御機3の制御機CPU32に伝送される。
【0068】
制御機3の制御機CPU32は、携帯情報端末4から伝送されてきた端末ナースコール応答信号を受信すると、前述のようなナースコール親機2からの親機ナースコール応答信号を受信した場合と同様に、呼出元であるナースコール子機1の通話機能を能動とするための子機用通話制御信号を生成し、ナースコール子機1を構成するプレート子機1bに送出する。
【0069】
ナースコール子機1を構成するプレート子機1bは、制御機3から伝送されてきた通話制御信号を受信すると通話機能が能動となる。
【0070】
この制御により、通常のナースコール呼出しの呼出元である被看護人「鈴木太郎」が使用するプレート子機1bの通話機能と、子機ラインL1、廊下灯5、廊下灯ラインL2、制御機3の廊下灯側制御機I/F33、制御機CPU32、交換機側制御機I/F35、交換機ラインL4、交換機9、基地局ラインL5、基地局8、携帯情報端末4を経由して端末通話部(不図示)との間の信号通話路が形成され、形成された信号伝送路を経由して音声を送受信させることによって、被看護人「鈴木太郎」とこの被看護人の担当である施設内を巡回中の医療・看護従事者「山田花子」との間で通話が成立する。
【0071】
なお、前述のような信号伝送路を形成するにあたって、制御機3の廊下灯側制御機I/F33及び交換機側制御機I/F35間の信号伝送路は、制御機CPU32を経由することなく廊下灯側制御機I/F33及び交換機側制御機I/F35間を直接接続させた信号伝送路を形成することもできる。
【0072】
また、携帯情報端末4からの端末ナースコール応答信号を受信した制御機3の制御機CPU32は、ナースコール親機2に対して呼出報知停止制御信号を送出することにより、この呼出報知停止制御信号を受信した親機CPU24は、親機表示部21及び親機通話部23を用いたナースコール呼出しに係る所定の報知(呼出表示、呼出発報)を停止させることができる。
【0073】
一方、前述のようなナースコール呼出しに係る所定の報知(呼出表示、呼出発報)を確認した医療・看護従事者のうち、最先に応答操作を行った医療・看護従事者として、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者が、ナースコール親機2の親機操作部22を用いて応答操作を行うと、この操作を検出した親機CPU24は、親機通話部23が有する通話機能を能動とするとともに親機ナースコール応答信号を生成する。この親機ナースコール応答信号は、前述の親機用ナースコール呼出報知信号と逆の信号伝送路を経由して制御機3の制御機CPU32に伝送される。
【0074】
制御機3の制御機CPU32は、ナースコール親機2から伝送されてきた親機ナースコール応答信号を受信すると、呼出元であるナースコール子機1の通話機能を能動とするための子機用通話制御信号を生成する。
【0075】
この子機用通話制御信号は、前述のナースコール呼出信号と逆の信号伝送路を経由してナースコール子機1を構成するプレート子機1bに伝送される。
【0076】
ナースコール子機1を構成するプレート子機1bは、制御機3から伝送されてきた子機用通話制御信号を受信すると通話機能が能動となる。
【0077】
この制御により、ナースコール呼出しの呼出元である被看護人が使用するプレート子機1bの通話機能と、子機ラインL1、廊下灯5、廊下灯ラインL2、制御機3の廊下灯側制御機I/F33、制御機CPU32、親機側制御機I/F34、親機ラインL3、ナースコール親機2の親機I/F25を介して親機通話部23との間の信号通話路が形成され、形成された信号伝送路を経由して音声を送受信させることにより、被看護人とスタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者との間で通話が成立する。
【0078】
なお、前述のような信号伝送路を形成するにあたって、制御機3の廊下灯側制御機I/F33及び親機側制御機I/F34間の信号伝送路は、制御機CPU32を経由することなく廊下灯側制御機I/F33及び親機側制御機I/F34間を直接接続させた信号伝送路を形成することもできる。
【0079】
また、ナースコール親機2からの親機ナースコール応答信号を受信した制御機3の制御機CPU32は、前述のような呼出元である被看護人の担当の医療・看護従事者が携帯している携帯情報端末4に対して呼出報知停止制御信号を送出することにより、この呼出報知停止制御信号を受信した端末CPU(不図示)は、端末表示部(不図示)及び端末通話部(不図示)を用いたナースコール呼出しに係る所定の報知(呼出表示、呼出発報)を停止させることができる。
【0080】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の動作例によれば、制御機CPU32の制御により、ナースコール子機1を用いた被看護人「鈴木太郎」からの呼出時に当該ナースコール子機1から伝送されてくる子機ID「1」に割当てられた呼出先医療・看護従事者関連情報が制御機記憶部31から読出され、当該呼出先医療・看護従事者関連情報がサーバ6を経由して情報表示機7の表示機表示部71に表示されることから、当該ナースコール子機1を用いた被看護人「鈴木太郎」は、実際にどの医療・看護従事者(本動作例では「山田花子」)を呼び出しているのかを認識することができる。
【0081】
従って、本発明の第1の動作例によれば、ナースコール呼出しを行なった際に、呼出先に関する情報(呼出先医療・看護従事者関連情報)を情報表示機に表示させることができることから、被看護人「鈴木太郎」は、呼出に応答するまでの不安感を解消することができ、ひいては被看護人に対する信頼性を向上させることができる。
【0082】
次に、本発明のナースコールシステムの付加的な機能について説明する。なお、以下の動作例においては、(1)医療・看護施設内の複数の部屋の病床毎に設置されるナースコール子機1を用いて、被看護人が医療・看護従事者を呼出して通話を成立させる点、(2)部屋の出入り口に設置される廊下灯5で、ナースコール子機1を用いた被看護人からの呼出しを報知する点、(3)ナースコール親機2で、ナースコール子機1を用いた被看護人からの呼出しに医療・看護従事者が応答して通話を成立させる点、(4)医療・看護従事者により携帯され携帯情報端末4で、ナースコール子機1を用いた被看護人からの呼出しに応答して通話を成立させる点、(5)情報表示機7で、被看護人の治療情報や施設案内等の被看護人用閲覧情報を表示する点、(6)サーバ6で、情報表示機7を制御する点、および(7)制御機3で、廊下灯5、ナースコール親機2、携帯情報端末4及びサーバ6を制御する点は前述の動作例1と同様であることから詳細な説明を省略し、ここでは、制御機CPU32、情報表示機7若しくは医療・看護従事者関連情報に関連する動作を中心に説明する。
[動作例2]
この動作例においては、前述の医療・看護従事者関連情報に、例えば、図3(b)に示すように、医療・看護従事者識別IDに割当てられる医療・看護従事者の氏名データが含まれている。
【0083】
また、制御機3の制御機CPU32に、第1の動作例と同様に、ナースコール子機1を用いた被看護人「鈴木太郎」からの呼出時に当該ナースコール子機1から伝送されてくる子機ID「1」に割当てられた呼出先医療・看護従事者関連情報を制御機記憶部31から読出し、当該医療・看護従事者関連情報としての呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データをサーバ6を経由して情報表示機7に送出して表示機表示部71に表示させる機能が付加されている。
【0084】
この動作例においては、医療・看護従事者関連情報に、医療・看護従事者識別IDに割当てられる医療・看護従事者の氏名データが含まれていることから、情報表示機7の表示機表示部71に呼出先に関する医療・看護従事者の氏名を表示させることができる。
【0085】
従って、第2の動作例によれば、被看護人「鈴木太郎」は、実際に呼出している医療・看護従事者の氏名を認識することができることから、ナースコールシステムの利便性をより一層向上させることができる。
[動作例3]
この動作例においては、第2の動作例における情報表示機7に、呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データ及び呼出先としてのナースコール親機2のうち少なくとも1つを選択する表示機操作部72が付加されている。
【0086】
また、第2の動作例における制御機3の制御機CPU32に、情報表示機7の表示機操作部72により選択された医療・看護従事者が携帯する携帯情報端末4又は呼出先としてのナースコール親機2で呼出報知を行う機能が付加されている。
【0087】
この動作例においては、第2の動作例と同様に、呼出先医療・看護従事者関連情報に、医療・看護従事者識別IDに割当てられる医療・看護従事者の氏名データが含まれていることから、情報表示機7の表示機表示部71に、例えば、図4(a)に示すように、「呼び出したい医療・看護従事者を選択して下さい」というメッセージとともに、制御機3から送信された医療・看護従事者の氏名の一覧を当該情報表示機7に表示することができる。
【0088】
ここで、医療・看護従事者の氏名の横に「看護師」「看護助手」「ボランティア」などの役職名をあわせて表示した場合には、呼出先の選択肢が広がり選択が容易となる。また、「誰でもよい」などの氏名を特定しない選択肢を表示した場合や、制御機3の制御機記憶部31に役職名と医療・看護従事者氏名を対応させるテーブル(図3(b)参照)を記憶させた場合は、役職名を選択することで呼出先を選択することもできる。
【0089】
このようにして、ナースコール呼出しを行なった被看護人「鈴木太郎」が、情報表示機7でナースコール呼出しを行ないたい医療・看護従事者として、例えば、看護師「水野美香」を選択すると、医療・看護従事者として「水野美香」を選択した旨の選択信号が自己の表示機ID「D01」とともに表示機ラインL7、サーバ6、サーバーラインL6、サーバー側制御機I/F36を経由して制御機3の制御機CPU32に送られる。
【0090】
制御機3の制御機CPU32は、情報表示機7からサーバ6を経由して伝送されてきた選択信号を受信し、この選択信号に付加されている表示機ID「D01」、子機ID「1」、廊下灯ID「201」および呼出種別情報を検出すると、ナースコール親機2にナースコール呼出しを通知する当該信号として、前述の動作例1と同様に前述の子機ID、廊下灯ID及び呼出種別情報と読出した端末ID(「HP01」)を付加した親機用ナースコール呼出報知信号を生成する。
【0091】
この親機用ナースコール呼出報知信号は、前述の動作例1における親機用ナースコール呼出報知信号と同様の経路を経由して伝送されることから、以後の動作は省略する。
【0092】
さらに、制御機3の制御機CPU32は、制御機記憶部31の記憶内容(例えば、図3(a)に示す被看護人情報テーブルおよび図3(b)に示す医療・看護従事者関連情報を参照し、携帯情報端末4、4、・・・のうち、予め設定されている担当の医療・看護従事者(例えば図3(b)に示す「水野美香」)が携帯している少なくとも1台の携帯情報端末4が有する端末ID(例えば図3(b)に示す「HP02」)を読出し、この携帯情報端末4にナースコール呼出しを通知する当該信号として、前述の子機ID「1」、廊下灯ID「201」及び呼出種別情報と読出した端末ID「HP02」を付加した端末用ナースコール呼出報知信号を生成する。
【0093】
この端末用ナースコール呼出報知信号は、前述の動作例1における端末用ナースコール呼出報知信号と同様の経路を経由して伝送されることから、以後の動作は省略する。
【0094】
以上の説明から明らかなように、この動作例においては、表示機操作部72で
呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データ及び呼出先としてのナースコール親機2のうち少なくとも1つを選択することができることから、被看護人「鈴木太郎」は、ナースコール呼出しの目的に応じて呼出先を選択することができ、ひいては、ナースコ−ルシステムの利便性をより一層向上させることができる。
[動作例4]
この動作例においては、前述の第3の動作例における情報表示機7の表示機表示部71に、呼出先の医療・看護従事者全ての氏名データ及び呼出先としてのナースコール親機2が表示されてから表示機操作部72が操作されるまでの予め定められた時間(例えば、30秒程度の時間)を計時する計時部71aが付加されている。
【0095】
また、前述の第3の動作例における制御機3の制御機CPU32には、計時部71aのタイムアップを検出したとき、呼出先として予め定められた医療・看護従事者が携帯する携帯情報端末4で呼出報知を行う機能が付加されている。
【0096】
この動作例においては、情報表示機7の表示機表示部71に医療・看護従事者の氏名の一覧を表示した後、一定時間(例えば30秒間)操作がなかった場合には、図4に示す「看護師」が自動選択されることになる。
【0097】
すなわち、前述の第3の動作例においては、呼出時に制御機3から送信された医療・看護従事者の氏名の一覧が情報表示機7の表示機表示部71に表示されるものの、被看護人「鈴木太郎」が情報表示機7の操作に不慣れであったり、そもそも表示機表示部71への表示に気づいていなかった場合には、ナースコール呼出しができなくなり失報するおそれがあるところ、第4の動作例によれば、情報表示機7の表示機表示部71に医療・看護従事者の氏名の一覧を表示した後、一定時間(例えば30秒間)操作がなかった場合には、図4に示す「看護師」が自動選択されることになる。
【0098】
従って、第4の動作例によれば、制御機CPU32の制御により、「看護師」が自動選択され、自動選択に係る信号が前述の第3の動作例における選択信号と同様に制御機3に自動的に送信されることで、情報表示機7の操作ミスで呼出先が選択できない場合でも自動的に看護師が呼び出されるため、失報の虞がなくなる。
[動作例5]
この動作例においては、前述の第1〜第4の動作例における制御機3の制御機CPU32に、前述のナースコール子機1を用いた被看護人「鈴木太郎」からの呼出時に、例えば図4(b)に示すように、当該ナースコール子機1から伝送されてくる子機ID「1」に割当てられた医療・看護従事者の呼出優先順位を検出し、当該呼出優先順位をサーバ6を経由して情報表示機7、7、・・・に送出して表示機表示部71に表示させる機能が付加されている。
【0099】
この動作例においては、被看護人「鈴木太郎」を担当する医療・看護従事者「山田花子」の携帯端末が話中である場合等ナースコール呼出信号が送信できない場合には、予め定められた他の医療・看護従事者「例えば水野美香」に対してナースコール呼出しが行なわれる。
【0100】
さらに、制御機3は、ナースコール呼出信号とともに呼出先である医療・看護従事者「山田花子」の氏名、また呼出先であるナースコール親機2で複数の呼出があり順番待ちが発生している場合には呼出の優先順位が何番目であるかをサーバ6に通知する。
【0101】
サーバ6は、ナースコール呼出信号をもとに複数の情報表示機7の中から呼出を行なった被看護人「鈴木太郎」に対応する情報表示機7を特定し、制御機3から送信された医療・看護従事者「山田花子」の氏名、呼出の優先順位を当該情報表示機7に表示する。
【0102】
以上述べたように、この動作例においては、ナースコール子機1を用いた被看護人「鈴木太郎」からの呼出時に、図4(b)に示すように、医療・看護従事者の呼出優先順位が表示機表示部71に表示されるため、被看護人「鈴木太郎」が「自分のナースコール呼出しが放置されているのか」という懸念を払拭することができる。
【0103】
従って、この動作例によれば、ナースコールシステムにおける安心度合をより一層向上させることができる。
[動作例6]
この動作例においては、前述の第1〜第5の動作例における情報表示機7の表示機操作部72に、前述のナースコール子機1を用いた前述の被看護人「鈴木太郎」からの呼出しを待受状態に復旧させる機能が付加されている。
【0104】
この動作例においては、表示機操作部72に設けられた復旧ボタン(不図示)を選択操作することで、ナースコール子機1を用いた被看護人「鈴木太郎」からの呼出しを待受状態に復旧させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明のナースコールシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
【0106】
例えば、前述の実施例においては、医療・看護従事者関連情報は制御機3の記憶部(制御機記憶部31)に記憶されているが、当該医療・看護従事者関連情報は、ナースコール親機2またはサーバ6に設けた記憶部に記憶させてもよい。
【0107】
また、前述の実施例においては、サーバ6は情報表示機7を制御するために設けられているが、当該サーバ6は図示しないオーダリングシステムと統合させるか、制御機3と一体化させてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1・・・ナースコール子機
2・・・ナースコール親機
3・・・制御機
31・・・制御機記憶部
32・・・制御機CPU
4・・・携帯情報端末

5・・・廊下灯
6・・・サーバ
7・・・情報表示機
71・・・表示機表示部
71a・・・計時部
72・・・表示機操作部
図1
図2
図3
図4