特許第6034797号(P6034797)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034797
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】凍結乾燥されたウイルス製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/12 20060101AFI20161121BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20161121BHJP
   A61K 39/15 20060101ALI20161121BHJP
   A61K 35/765 20150101ALI20161121BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20161121BHJP
   A61K 47/16 20060101ALI20161121BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20161121BHJP
   A61K 47/34 20060101ALI20161121BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20161121BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   A61K39/12
   A61K35/76
   A61K39/15
   A61K35/765
   A61K47/10
   A61K47/16
   A61K47/02
   A61K47/34
   A61K9/19
   A61K9/08
【請求項の数】18
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-542199(P2013-542199)
(86)(22)【出願日】2011年12月2日
(65)【公表番号】特表2013-544288(P2013-544288A)
(43)【公表日】2013年12月12日
(86)【国際出願番号】US2011063037
(87)【国際公開番号】WO2012075376
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2014年11月26日
(31)【優先権主張番号】61/419,020
(32)【優先日】2010年12月2日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501332264
【氏名又は名称】オンコリティクス バイオテク,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】コフィー, マシュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】セル, サラ
(72)【発明者】
【氏名】パブリブ, レオ
【審査官】 長岡 真
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−525909(JP,A)
【文献】 特表2007−514450(JP,A)
【文献】 特開平06−065096(JP,A)
【文献】 特表2007−516215(JP,A)
【文献】 Methods, 2010, vol.52, p.301-306,2010年8月27日にオンラインで公開
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/12
A61K 39/15
A61K 35/76
A61K 35/765
A61K 47/02
A61K 47/10
A61K 47/16
A61K 47/34
A61K 9/08
A61K 9/19
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス製剤であって、該ウイルス製剤は、以下:
(a)精製ウイルスおよび
(b)以下を含む非ウイルス組成物
(i)マンニトール
(ii)ソルビトール
(iii)ヒスチジンおよび
(iv)Mg2+
を含み、
該ウイルス製剤は凍結乾燥されており、
該非ウイルス組成物は、凍結乾燥の前に液体担体をさらに含む液体非ウイルス組成物であり、
該液体非ウイルス組成物中のソルビトールの濃度は、該液体非ウイルス組成物の重量に基づいて0.01%〜2.5%未満であり、
価の陽イオン塩は、該ウイルスの安定性に寄与する賦形剤として該液体非ウイルス組成物中に存在しない、ウイルス製剤。
【請求項2】
マンニトールおよびソルビトールを組み合わせた濃度は、前記液体非ウイルス組成物の重量に基づいて10重量%未満である請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記非ウイルス組成物は非イオン性界面活性剤をさらに含む請求項1または2に記載の製剤。
【請求項4】
前記ウイルス製剤はZn2+、トレハロース、またはその両方を含まない請求項1〜3のいずれかに記載の製剤。
【請求項5】
前記ウイルスは腫瘍溶解性ウイルス、非エンベロープ型ウイルス、またはレオウイルスであり、必要に応じて、該レオウイルスは哺乳動物のレオウイルス、ヒトのレオウイルス、セロタイプ3ウイルス、Dearing株セロタイプ3ウイルス、遺伝子組み換えもしくはリアソートされた(reassorted)レオウイルス、またはIDAC#190907−01である請求項1〜4のいずれかに記載の製剤。
【請求項6】
Mg2+は塩化マグネシウムとして存在する請求項1〜5のいずれかに記載の製剤。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤はポリソルベート80である請求項3に記載の製剤。
【請求項8】
前記液体担体は水性担体であり、必要に応じて該水性担体は水である、請求項1〜7のいずれかに記載の製剤。
【請求項9】
前記ウイルス製剤は周囲温度の温度で安定的である請求項1〜8のいずれかに記載の製剤。
【請求項10】
前記ウイルス製剤は4℃またはそれより低い温度で少なくとも3ヵ月間、少なくとも6ヵ月間、少なくとも12ヵ月間、または少なくとも18ヵ月間安定的である請求項1〜9のいずれかに記載の製剤。
【請求項11】
投与の前に再構成に適する請求項1〜10のいずれかに記載の製剤。
【請求項12】
ウイルス製剤の作製方法であって、該方法は、
(a)ウイルスおよび液体非ウイルス組成物を組み合わせて液体ウイルス製剤を形成するステップであって、該液体非ウイルス組成物は以下:
(i)マンニトール
(ii)濃度が該液体非ウイルス組成物の重量に基づいて0.01%〜2.5%未満のソルビトール
(iii)ヒスチジン
(iv)Mg2+および
(v)液体担体、
を含み、そして、一価の陽イオン塩は、該ウイルスの安定性に寄与する賦形剤として該液体非ウイルス組成物中に存在しない、ステップ、並びに
(b)該液体ウイルス製剤を凍結乾燥させ、ウイルス製剤を形成するステップ
を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記液体ウイルス製剤を凍結乾燥させることが、
(a)該液体ウイルス製剤を0℃より低い温度まで凍結し、凍結されたウイルス製剤を形成すること、および
(b)該凍結されたウイルス製剤を真空に供することを含む、方法。
【請求項14】
凍結乾燥されたウイルス製剤を再構成することをさらに含み、必要に応じて該凍結乾燥されたウイルス製剤を再構成することは、該凍結乾燥されたウイルス製剤を培地に溶解または懸濁することを含む請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
ウイルスを保存または安定化させる方法であって、請求項1〜11のいずれかに記載のウイルス製剤を調製すること、および該ウイルス製剤を保管することを含み、必要に応じて該ウイルスは周囲温度またはそれより低い温度で保管される、方法。
【請求項16】
前記温度は周囲温度、2℃〜8℃、4℃、−20℃、または−60℃〜−80℃である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜11のいずれかに記載のウイルス製剤を調製することを含む非凝集のウイルス製剤を調製する方法。
【請求項18】
前記製剤は非経口の注入または注射による投与に適する請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願に対する相互参照
本出願は、2010年12月2日に提出した米国仮出願第61/419,020号に基づく優先権を主張するものであり、この仮出願は、参照によりその全体が本明細書に取り込まれる。
【背景技術】
【0002】
ウイルスは、例えばウイルス療法およびワクチンの生成を含むいくつかの治療の応用に重要である。この治療の応用では、ウイルスは感染性または免疫原性を保つことが望まれ得る。しかしながら、ウイルスは、決して最適ではない製剤または不適切な保管条件により、長期間の後に感染性または免疫原性が失われることが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書では、ウイルスを安定的にし、保管するのに役に立つ凍結乾燥されたウイルス製剤およびその製剤の調製方法を提供する。製剤は、例えば保管期間中にウイルスを保存するために(すなわちウイルスの感染性または免疫原性を保つために)用いることができる。製剤には微粒子の低いレベルがあり、非経口の注入または注射により適している。
【0004】
本明細書に記載のウイルス製剤はウイルス(例えば精製ウイルス)および賦形剤を含む非ウイルス組成物を含む。いくつかの実施例では、ウイルス製剤は、精製ウイルスおよびマンニトール、ソルビトール、ヒスチジン、およびMg2+を含む非ウイルス組成物を含む。この実施例では、ウイルス製剤は凍結乾燥することができる。凍結乾燥の前に、非ウイルス組成物は液体担体をさらに含む液体非ウイルス組成物である。液体非ウイルス組成物中のソルビトールの濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて3%未満であってもよい。液体非ウイルス組成物は、液体担体を除いて、一価の陽イオン塩が実質的になくてもよい。
【0005】
いくつかの実施例では、ウイルス製剤は、精製ウイルスおよびマンニトール、ソルビトール、ヒスチジン、およびMg2+を含む非ウイルス組成物を含む。この実施例では、ウイルス製剤は凍結乾燥することができる。凍結乾燥の前に、非ウイルス組成物は液体担体をさらに含む液体非ウイルス組成物であってもよい。いくつかの実施例では、液体非ウイルス組成物中の糖類の濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて7.5重量%未満であってもよい。
【0006】
液体非ウイルス組成物中のマンニトールおよびソルビトールを組み合わせた濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて10重量%未満(例えば7重量%)であってもよい。いくつかの実施例では、ウイルス製剤は、Zn2+および/またはトレハロースが実質的にない。非ウイルス組成物は非イオン性界面活性剤をさらに含んでもよい。
【0007】
本明細書に記載のウイルス製剤は、精製ウイルスおよびショ糖、Mg2+、および非イオン性界面活性剤を含む非ウイルス組成物を含んでもよい。ウイルス製剤は凍結乾燥することができる。この実施例では、非ウイルス組成物は、凍結乾燥の前に、液体担体をさらに含む液体非ウイルス組成物をさらに含んでもよい。この実施例では、液体非ウイルス組成物中のショ糖の濃度は、凍結乾燥の前に、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて5%未満である。この実施例では、液体非ウイルス組成物は、液体担体を除いて、一価の陽イオン塩、非ショ糖ポリオール類、およびカルボン酸塩類が実質的になくてもよい。
【0008】
本明細書に提供されるウイルス製剤はさらに、精製ウイルスおよびショ糖、Mg2+、および非イオン性界面活性剤を含む非ウイルス組成物から本質的になり得る。この実施例では、ウイルス製剤は凍結乾燥することができる。非ウイルス組成物は、凍結乾燥の前に、液体担体をさらに含む液体非ウイルス組成物であってもよい。液体非ウイルス組成物中のショ糖の濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて5%未満であってもよい。
【0009】
Mg2+は塩化マグネシウムとして存在してもよい。非イオン性界面活性剤はポリソルベート80であってもよい。液体担体は水等の水性担体であってもよい。本明細書に記載される凍結乾燥されたウイルス製剤に含まれるウイルスは、例えば腫瘍溶解性ウイルスおよび/または非エンベロープ型ウイルスであってもよい。凍結乾燥された製剤を本明細書では提供し、ウイルスは哺乳動物のレオウイルス等のレオウイルスである。哺乳動物のレオウイルスの例は、セロタイプ3ウイルス(例えばDearing株レオウイルス)等のヒトのレオウイルスである。レオウイルスは遺伝子組み換えレオウイルス、リアソートされた(reasserted)レオウイルス、またはIDAC#190907−01であってもよい。
【0010】
ウイルス製剤は、一定の時間(例えば少なくとも1日)に約周囲温度の温度で安定的であってもよい。ウイルス製剤は、約4℃またはそれより低い温度で、少なくとも3ヵ月間(例えば、少なくとも6ヵ月、少なくとも12ヵ月、少なくとも18ヵ月、または3ヵ月より多い任意の時間)安定的であってもよい。ウイルス製剤は、投与の前に再構成に適していてもよい。再構成されたウイルス製剤は投与のために好ましい用量にするために、さらに希釈することができる。
【0011】
本明細書ではウイルス製剤の作製方法も提供する。方法は、ウイルスを与え、ウイルスおよび液体非ウイルス組成物(本明細書に記載の賦形剤および液体担体を含む)を組み合わせ、液体ウイルス製剤を形成し、および液体ウイルス製剤を凍結乾燥させることを含む。液体ウイルス製剤を凍結乾燥させることは、液体ウイルス製剤を0℃より低い温度まで凍結し、凍結されたウイルス製剤を形成し、および凍結されたウイルス製剤を真空に供することを含んでもよい。いくつかの実施例では、方法は凍結乾燥されたウイルス製剤を再構成すること(例えば、凍結乾燥されたウイルス製剤を培地に溶解し、または懸濁すること)をさらに含む。方法は組成物に非イオン性界面活性剤を加えることをさらに含んでもよい。この方法に従って調製されたウイルス製剤は本明細書にも記載される。
【0012】
ウイルスを保存し、または安定化させる方法を本明細書にさらに記載する。方法は本明細書に記載の凍結乾燥されたウイルス製剤を調製し、および凍結乾燥されたウイルス製剤を保管することを含む。いくつかの実施例では、ウイルスは周囲温度またはそれより低い温度で保管される。例えば温度は、周囲温度または2℃〜8℃(例えば4℃)であってもよい。いくつかの実施例では温度は−20℃または−60℃〜−80℃であってもよい。
【0013】
その他に、凍結乾燥の前に微粒子の低いレベルでウイルス製剤、例えば非凝集のウイルス製剤を調製する方法を本明細書に記載する。ウイルス製剤は、粒子サイズがコンテナあたり10ミクロン以上である6,000個より少ない粒子を含んでもよい(例えば、コンテナあたり10ミクロン以上の3,000個より少ない粒子、2,000個より少ない粒子、1,000個より少ない粒子、500個より少ない粒子、300個より少ない粒子、または100個より少ない粒子)。ウイルス製剤は、粒子サイズが25ミクロン以上である600個より少ない粒子を含んでもよい(例えば、コンテナあたり25ミクロン以上の500個より少ない粒子、400個より少ない粒子、300個より少ない粒子、200個より少ない粒子、100個より少ない粒子、50個より少ない粒子、または10個より少ない粒子)。方法は、本明細書に記載のウイルス製剤を調製し、その後組成物を凍結乾燥させ、凍結乾燥されたウイルス製剤を調製することを含む。凍結乾燥されたウイルス製剤は再構成することができ、再構成されたウイルス製剤は、非経口の注入または注射による投与に適したものとなり得る。
本発明の好ましい実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
以下を含むウイルス製剤であって、
(a)精製ウイルスおよび
(b)以下を含む非ウイルス組成物
(i)マンニトール
(ii)ソルビトール
(iii)ヒスチジンおよび
(iv)Mg2+
ウイルス製剤は凍結乾燥されており、
非ウイルス組成物は、凍結乾燥の前に液体担体をさらに含む液体非ウイルス組成物であり、
液体非ウイルス組成物中のソルビトールの濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて3%未満であり、
液体非ウイルス組成物は、液体担体を除いて、一価の陽イオン塩が実質的にないウイルス製剤。
(項目2)
マンニトールおよびソルビトールを組み合わせた濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて10重量%未満である項目1に記載の製剤。
(項目3)
以下を含むウイルス製剤であって、
(a)精製ウイルスおよび
(b)以下を含む非ウイルス組成物
(i)マンニトール
(ii)ソルビトール
(iii)ヒスチジンおよび
(iv)Mg2+
ウイルス製剤は凍結乾燥されており、
非ウイルス組成物は、凍結乾燥の前に液体担体をさらに含む液体非ウイルス組成物であり、
液体非ウイルス組成物中の糖類の濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて7.5重量%未満であるウイルス製剤。
(項目4)
液体非ウイルス組成物中のマンニトールおよびソルビトールを組み合わせた濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて7%未満である項目3に記載の製剤。
(項目5)
非ウイルス組成物は非イオン性界面活性剤をさらに含む項目1〜4のいずれかに記載の製剤。
(項目6)
ウイルス製剤はZn2+が実質的にない項目1〜5のいずれかに記載の製剤。
(項目7)
ウイルス製剤はトレハロースが実質的にない項目1〜6のいずれかに記載の製剤。
(項目8)
以下を含むウイルス製剤であって、
(a)精製ウイルスおよび
(b)以下を含む非ウイルス組成物
(i)ショ糖
(ii)Mg2+および
(iii)非イオン性界面活性剤
ウイルス製剤は凍結乾燥されており、
非ウイルス組成物は、凍結乾燥の前に液体担体をさらに含む液体非ウイルス組成物であり、
液体非ウイルス組成物中のショ糖の濃度は、凍結乾燥の前に液体非ウイルス組成物の重量に基づいて5%未満であり、および
液体非ウイルス組成物は、液体担体を除いて、一価の陽イオン塩、非ショ糖ポリオール類、およびカルボン酸塩類が実質的にないウイルス製剤。
(項目9)
以下から本質的になるウイルス製剤であって、
(a)精製ウイルスおよび
(b)以下を含む非ウイルス組成物
(i)ショ糖
(ii)Mg2+および
(iii)非イオン性界面活性剤
ウイルス製剤は凍結乾燥されており、
非ウイルス組成物は、凍結乾燥の前に液体担体をさらに含む液体非ウイルス組成物であり、
液体非ウイルス組成物中のショ糖の濃度は、凍結乾燥の前に液体非ウイルス組成物の重量に基づいて5%未満であるウイルス製剤。
(項目10)
ウイルスは腫瘍溶解性ウイルスである項目1〜9のいずれかに記載の製剤。
(項目11)
ウイルスは非エンベロープ型ウイルスである項目1〜9のいずれかに記載の製剤。
(項目12)
ウイルスはレオウイルスである項目1〜11のいずれかに記載の製剤。
(項目13)
レオウイルスは哺乳動物のレオウイルスである項目12に記載の製剤。
(項目14)
哺乳動物のレオウイルスはヒトのレオウイルスである項目13に記載の製剤。
(項目15)
ヒトのレオウイルスはセロタイプ3ウイルスである項目14に記載の製剤。
(項目16)
セロタイプ3ウイルスはDearing株である項目15に記載の製剤。
(項目17)
レオウイルスは遺伝子組み換えまたはリアソートされた(reassorted)レオウイルスである項目12に記載の製剤。
(項目18)
レオウイルスはIDAC#190907−01である項目12に記載の製剤。
(項目19)
Mg2+は塩化マグネシウムとして存在する項目1〜17のいずれかに記載の製剤。
(項目20)
非イオン性界面活性剤はポリソルベート80である項目5、8、または9のいずれかに記載の製剤。
(項目21)
液体担体は水性担体である項目1〜20のいずれかに記載の製剤。
(項目22)
水性担体は水である項目21に記載の製剤。
(項目23)
ウイルス製剤は約周囲温度の温度で安定的である項目1〜22のいずれかに記載の製剤。
(項目24)
ウイルス製剤は約周囲温度の温度で少なくとも1日間安定的である項目1〜23のいずれかに記載の製剤。
(項目25)
ウイルス製剤は約4℃またはそれより低い温度で少なくとも3ヵ月間安定的である項目1〜22のいずれかに記載の製剤。
(項目26)
ウイルス製剤は約4℃またはそれより低い温度で少なくとも6ヵ月間安定的である項目1〜25のいずれかに記載の製剤。
(項目27)
ウイルス製剤は約4℃またはそれより低い温度で少なくとも12ヵ月間安定的である項目1〜26のいずれかに記載の製剤。
(項目28)
ウイルス製剤は約4℃またはそれより低い温度で少なくとも18ヵ月間安定的である項目1〜27のいずれかに記載の製剤。
(項目29)
投与の前に再構成に適する項目1〜28のいずれかに記載の製剤。
(項目30)
以下のステップを含むウイルス製剤の作製方法であって、
(a)ウイルスを与え、
(b)ウイルスおよび液体非ウイルス組成物を組み合わせて液体ウイルス製剤を形成し、液体非ウイルス組成物は以下を含み、
(i)マンニトール
(ii)濃度が液体非ウイルス組成物の重量に基づいて3%未満のソルビトール
(iii)ヒスチジン
(iv)Mg2+および
(v)液体担体、
および非ウイルス組成物は、液体担体を除いて、一価の陽イオン塩が実質的になく、並びに
(c)液体ウイルス製剤を凍結乾燥させ、ウイルス製剤を形成する方法。
(項目31)
非ウイルス組成物中のマンニトールおよびソルビトールを組み合わせた濃度は、非ウイルス組成物の重量に基づいて10重量%未満である項目30に記載の方法。
(項目32)
以下のステップを含むウイルス製剤の作製方法であって、
(a)ウイルスを与え、
(b)ウイルスおよび液体非ウイルス組成物を組み合わせて液体ウイルス製剤を形成し、液体非ウイルス組成物は以下を含み、
(i)マンニトール
(ii)ソルビトール
(iii)ヒスチジン
(iv)Mg2+および
(v)液体担体、
および液体非ウイルス製剤中の糖類の濃度は、凍結乾燥の前に液体非ウイルス製剤の重量に基づいて7.5重量%未満であり、並びに
(c)液体ウイルス製剤を凍結乾燥させ、ウイルス製剤を形成する方法。
(項目33)
非ウイルス組成物中のマンニトールおよびソルビトールを組み合わせた濃度は、非ウイルス組成物の重量に基づいて7重量%未満である項目32に記載の方法。
(項目34)
液体非ウイルス組成物に非イオン性界面活性剤を加えることをさらに含む項目30〜33のいずれかに記載の方法。
(項目35)
ウイルス製剤はZn2+が実質的にない項目30〜34のいずれかに記載の方法。
(項目36)
ウイルス製剤はトレハロースが実質的にない項目30〜35のいずれかに記載の方法。
(項目37)
以下のステップを含むウイルス製剤の作製方法であって、
(a)ウイルスを与え、
(b)ウイルスおよび液体非ウイルス組成物を組み合わせて液体ウイルス製剤を形成し、液体非ウイルス組成物は以下を含み、
(i)濃度が液体非ウイルス組成物の重量に基づいて5%未満のショ糖、
(ii)Mg2+
(iii)非イオン性界面活性剤、および
(iv)液体担体、
および液体非ウイルス組成物は、液体担体を除いて、一価の陽イオン塩、非ショ糖ポリオール類、およびカルボン酸塩類が実質的になく、並びに
(c)液体ウイルス製剤を凍結乾燥させ、ウイルス製剤を形成する方法。
(項目38)
以下のステップを含むウイルス製剤の作製方法であって、
(a)ウイルスを与え、
(b)ウイルスおよび液体非ウイルス組成物を組み合わせて液体ウイルス製剤を形成し、液体非ウイルス組成物は本質的に以下からなり、
(i)濃度が液体非ウイルス組成物の重量に基づいて5%未満のショ糖、
(ii)Mg2+
(iii)非イオン性界面活性剤、および
(iv)液体担体、並びに
(d)液体ウイルス製剤を凍結乾燥させ、ウイルス製剤を形成する方法。
(項目39)
項目30〜38のいずれかに記載の方法であって、液体ウイルス製剤を凍結乾燥させることが、
(a)液体ウイルス製剤を0℃より低い温度まで凍結し、凍結されたウイルス製剤を形成し、および
(b)凍結されたウイルス製剤を真空に供することを含む、方法。
(項目40)
凍結乾燥されたウイルス製剤を再構成することをさらに含む項目30〜39のいずれかに記載の方法。
(項目41)
凍結乾燥されたウイルス製剤を再構成することは、凍結乾燥されたウイルス製剤を培地に溶解または懸濁することを含む項目40に記載の方法。
(項目42)
ウイルスは腫瘍溶解性ウイルスである項目30〜41のいずれかに記載の方法。
(項目43)
ウイルスは非エンベロープ型ウイルスである項目30〜42のいずれかに記載の方法。
(項目44)
ウイルスはレオウイルスである項目30〜43のいずれかに記載の方法。
(項目45)
レオウイルスは哺乳動物のレオウイルスである項目44に記載の方法。
(項目46)
哺乳動物のレオウイルスはヒトのレオウイルスである項目45に記載の方法。
(項目47)
ヒトのレオウイルスはセロタイプ3ウイルスである項目46に記載の方法。
(項目48)
セロタイプ3ウイルスはDearing株である項目47に記載の方法。
(項目49)
レオウイルスは遺伝子組み換えまたはリアソートされた(reassorted)レオウイルスである項目44に記載の方法。
(項目50)
レオウイルスはIDAC#190907−01である項目44に記載の方法。
(項目51)
Mg2+は塩化マグネシウムとして存在する項目30〜50のいずれかに記載の方法。
(項目52)
非イオン性界面活性剤はポリソルベート80である項目34、37、または38に記載の方法。
(項目53)
液体担体は水性担体である項目30〜52のいずれかに記載の方法。
(項目54)
水性担体は水である項目53に記載の方法。
(項目55)
項目30〜54に記載の方法に従って調製されるウイルス製剤。
(項目56)
ウイルスを保存または安定化させる方法であって、項目1〜28のいずれかに記載のウイルス製剤を調製し、およびウイルス製剤を保管する方法。
(項目57)
ウイルスは周囲温度またはそれより低い温度で保管される項目56に記載の方法。
(項目58)
温度は周囲温度である項目56または57に記載の方法。
(項目59)
温度は2℃〜8℃である項目56または57に記載の方法。
(項目60)
温度は4℃である項目59に記載の方法。
(項目61)
温度は−20℃である項目56または57に記載の方法。
(項目62)
温度は−60℃〜−80℃である項目56または57に記載の方法。
(項目63)
項目1〜29のいずれかに記載のウイルス製剤を調製することを含む非凝集のウイルス製剤を調製する方法。
(項目64)
製剤は非経口の注入または注射による投与に適する項目63に記載の方法。
【0014】
1つまたは複数の態様の詳細は、添付の図および以下の記述に記載する。他の特徴、目的および利点は、記述および図、および請求項から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】凍結乾燥されたレオウイルス製剤が、周囲温度で保管される前(t=0)、および周囲温度、2〜8℃、−20℃、および−80℃で保管されてから3(t=3m)、6.5(t=6.5m)、12(t=12m)、および18.5(t=18.5m)ヵ月後のミリリットルあたりのTCID50として表される中央の組織培養の感染用量を示す棒グラフである。各製剤について左から右にかけて、周囲温度でt=0、−80℃でt=18.5m、−20℃でt=3m、−20℃でt=6.5m、−20℃でt=12m、−20℃でt=18.5m、2〜8℃でt=3m、2〜8℃でt=6.5m、2〜8℃でt=12m、2〜8℃でt=18.5m、周囲温度でt=3m、周囲温度でt=6.5m、周囲温度でt=12mである。製剤1について、リン酸緩衝食塩水が溶出されたレオウイルスは、3X1010TCID50/mLのウイルス力価にまで、マンニトール30mg/mL、ヒスチジン20mg/mL、ポリソルベート80を0.01%v/v、ソルビトール20mg/mL、および2mM MgClに希釈した。製剤2について、リン酸緩衝食塩水が溶出されたレオウイルスは、3X1010TCID50/mLのウイルス力価にまで、ショ糖40mg/mL、ポリソルベート80を0.05%v/v、および2mM MgClに希釈した。
図2】凍結乾燥されたレオウイルス製剤が、周囲温度で保管される前(t=0)、および周囲温度、2〜8℃、−20℃、および−80℃で保管されてから3(t=3m)、6.5(t=6.5m)、12(t=12m)、および18.5(t=18.5m)ヵ月後のミリリットルあたりのTCID50として表される中央の組織培養の感染用量のパーセンテージに基づく感染性粒子の回復を示す棒グラフである。各製剤について左から右にかけて、周囲温度でt=0、−80℃でt=18.5m、−20℃でt=3m、−20℃でt=6.5m、−20℃でt=12m、−20℃でt=18.5m、2〜8℃でt=3m、2〜8℃でt=6.5m、2〜8℃でt=12m、2〜8℃でt=18.5m、周囲温度でt=3m、周囲温度でt=6.5m、周囲温度でt=12mである。
図3】凍結乾燥されたレオウイルス製剤1が、周囲温度で保管される前(t=0)、および37℃、周囲温度、2〜8℃、−20℃、および−80℃で保管されてから2週(時間=2wks)、1ヵ月(時間=1m)、2ヵ月(時間=2m)、3ヵ月(時間=3m)、6.5ヵ月(時間=6.5m)、12ヵ月(時間=12m)、および18.5ヵ月(時間=18.5m)後のミリリットルあたりのウイルス粒子として表されるHPLCによって測定された標準化された総ウイルス力価の進展を示す棒グラフである。各温度について、左から右にかけて、時間=0、時間=2wks、時間=1m、時間=2m、時間=3m、時間=6.5m、時間=12m、および時間=18.5mである。
図4】凍結乾燥されたレオウイルス製剤2が、周囲温度で保管される前(t=0)、および37℃、周囲温度、2〜8℃、−20℃、および−80℃で保管されてから2週(時間=2wks)、1ヵ月(時間=1m)、2ヵ月(時間=2m)、3ヵ月(時間=3m)、6.5ヵ月(時間=6.5m)、12ヵ月(時間=12m)、および18.5ヵ月(時間=18.5m)後のミリリットルあたりのウイルス粒子として表したHPLCによって測定された標準化された総ウイルス力価の進展を示す棒グラフである。各温度について、左から右にかけて、時間=0、時間=2wks、時間=1m、時間=2m、時間=3m、時間=6.5m、時間=12m、および時間=18.5mである。アスタリスク()で示される−20℃で3ヵ月間保管される試料は、反復測定からその他の保管温度の試料の後3日間実施した。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ウイルスを保管するのに役に立つウイルス製剤およびその製剤を調製する方法を本明細書に記載する。製剤は、例えば保管期間中にウイルスの感染性または免疫原性を保つために用いることができる。本明細書に記載の凍結乾燥されたウイルス製剤は、ウイルスおよび賦形剤を含む非ウイルス組成物を含む。
【0017】
本明細書に記載の凍結乾燥された製剤に用いるウイルスは、エンベロープ型および非エンベロープ型ウイルスを含む。エンベロープ型および非エンベロープ型ウイルスは、DNAウイルス、RNAウイルス、またはレトロウイルスであってもよい。本明細書に記載の製剤に用いるウイルスは非エンベロープ型ウイルスであってもよい。非エンベロープ型ウイルスは、例えばアデノウイルス科(例えばアデノウイルス)、ピコルナウイルス科(例えばポリオウイルス)、レオウイルス科(例えばレオウイルス)、パピローマウイルス科(例えばパピローマウイルス)、ポリオーマウイルス科(例えばポリオーマウイルス)、パルボウイルス科(例えばキルハムラットウイルス)、およびイリドウイルス科(例えばガガンボ−イリデッセントウイルス)のファミリーに属するウイルスを含む。
【0018】
ウイルスは腫瘍溶解性ウイルスであってもよい。本明細書に記載の製剤および方法に用いるのに適したウイルスは、限定されないが、ミオウイルス科、シホウイルス科、ポドウイルス科、テクティウイルス科、コルチコウイルス科、プラズマウイルス科、リポスリクスウイルス科、フセロウイルス科、ポックスウイルス科、イリドウイルス科、フィコドナウイルス科、バキュロウイルス科、ヘルペスウイルス科、アデノウイルス科、パポバウイルス科、ポリドナウイルス科、イノウイルス科、ミクロウイルス科、ジェミニウイルス科、シルコウイルス科、パルボウイルス科、ヘパドナウイルス科、レトロウイルス科、シストウイルス科、レオウイルス科、ビルナウイルス科、パラミクソウイルス科、ラブドウイルス科、フィロウイルス科、オルソミクソウイルス科、ブニヤウイルス科、アレナウイルス科、レヴィウイルス科、ピコルナウイルス科、セキウイルス科、コモウイルス科、ポチウイルス科、カリシウイルス科、アストロウイルス科、ノダウイルス科、テトラウイルス科、トンブスウイルス科、コロナウイルス科、フラビウイルス科、トガウイルス科、バルナウイルス科、およびボルナウイルス科ウイルスを含む。
【0019】
凍結乾燥された製剤はレオウイルスを含んでもよい。レオウイルスは、本明細書に使用されるとき、自然に発生するおよび遺伝子組み換えレオウイルスを含むレオウイルス属に分類されるウイルスをいずれも意味する。レオウイルスは二本鎖、セグメント化RNAゲノムのウイルスである。ウイルス粒子の直径は60〜80nmであり、2つの正二十面体、同心円状のカプシド殻がある。ゲノムは、総ゲノムサイズが16〜27キロ塩基対(kbp)である10〜12の個別のセグメントに二本鎖RNAからなる。個々のRNAセグメントの大きさは様々である。レオウイルスの別個ではあるが関連する3つのタイプは、多くの種から回収されている。3つのタイプはどれも共通の補体結合抗原を持つ。ヒトのレオウイルスは3つのセロタイプ、すなわちタイプ1(Lang株またはT1L)、タイプ2(Jones株、T2J)、およびタイプ3(Dearing株またはAbney株、T3DまたはT3A)からなる。
【0020】
上述のように、レオウイルスは遺伝子組み換えレオウイルスであってもよく、自然発生であっても、自然発生でなくてもよい。レオウイルスは天然の供給源から分離することができ、人間によって実験室で意図的に改変されていないとき、自然発生であると記述される。例えば、レオウイルスはフィールド源(すなわちレオウイルスに感染しているヒトから)からであってもよい。レオウイルスは増強された活性(例えば腫瘍退縮性活性)のために選択されまたは変異誘発されてもよい。特異的なレオウイルスの例は、例えば、米国特許出願公開番号2008/0226602および2008/0292594に認めることができる。
【0021】
レオウイルスは改変され得るが、活動性のras経路のある哺乳動物の細胞に溶解的に感染させることがなおできてよい。レオウイルスは、増殖性細胞に投与する前に、(例えば、キモトリプシンまたはトリプシン等のプロテアーゼで処理されることによって)化学的または生化学的に事前処理されてもよい。プロテアーゼの事前処理はウイルスの外被またはカプシドを取り除き、ウイルスの感染性を上昇させてもよい。レオウイルスはリポソームまたはミセルに覆われてもよい(Chandran and Nibert,Journal of Virology,72(1):467−75(1998))。例えば、ウイルス粒子はアルキル硫酸塩界面活性剤のミセルを形成する濃度の存在下にキモトリプシンで処理され、新しい感染性のサブウイルス粒子(ISVP)を発生させてもよい。
【0022】
レオウイルスは2つ以上の遺伝子的に別個のレオウイルスからゲノム分節の遺伝子組み換え/再集合から生じる遺伝子組み換えまたは合併結合変異ウイルスであってもよい。レオウイルスのゲノム分節の遺伝子組み換え/再集合は、本質的に宿主生物を少なくとも2つの遺伝子的に別個のレオウイルスで感染した後に起こってもよい。遺伝子組み換えウイルス粒子は、細胞培地、例えば許容宿主細胞を遺伝子的に別個のレオウイルスで共感染することによって、発生させることもできる。したがって、本明細書に記載の製剤に用いられる遺伝子組み換えレオウイルスは、限定されないが、タイプ1(例えばLang株)、タイプ2(例えばJones株)、およびタイプ3(例えばDearing株またはAbney株)等のヒトのレオウイルス、非ヒト哺乳動物のレオウイルス、若しくは鳥類のレオウイルスを含む2つ以上の遺伝子的に別個のレオウイルスからゲノムセグメントを再集合することから生じることができる。いくつかの実施例では、遺伝子組み換えレオウイルスは、2つ以上の遺伝子的に別個のレオウイルスからゲノムセグメントを再集合することから生じることができ、少なくとも1つの親ウイルスは遺伝子改変され、化学的に合成された1つ以上のゲノム分節を含み、化学的または物理的な突然変異源で処理され、またはそれ自体が遺伝子組み換えのイベントの結果である。遺伝子組み換えレオウイルスは、例えば、限定されないが、ジメチル硫酸および臭化エチジウムを含む化学的な突然変異原、または限定されないが、紫外線および他の形式の放射線を含む物理的な突然変異原の存在下で遺伝子組み換えを行うことができる。
【0023】
適した遺伝子組み換えレオウイルスの他の例は、1つ以上のゲノムセグメントに欠失または重複があるものを含み、宿主細胞のゲノムの遺伝子組み換えの結果である追加の遺伝子情報を含み、または合成遺伝子を含む。レオウイルスは、例えばσl等の突然変異コートタンパク質をカプシド外のウイルス粒子に組み込むことによって、改変することもできる。タンパク質は再配置、挿入、または欠失によって突然変異することができる。再配置はネイティブなアミノ酸の場所に異なるアミノ酸を挿入することを含む。挿入は1つ以上の位置のタンパク質に追加のアミノ酸残基を挿入することを含む。欠失はタンパク質内のアミノ酸残基を1つ以上欠失することを含む。このような突然変異は当該技術分野に知られている方法によって発生させることができる。例えば、コートタンパク質の1つをコードする遺伝子の変異誘発を方向付けるオリゴヌクレオチド部位は、所望の突然変異コートタンパク質の発生を導くことができる。1つの実施形態ではレオウイルスはIDAC#190907−01である。
【0024】
本明細書に記載の凍結乾燥された製剤に用いられるウイルスは、精製ウイルスであってもよい。精製ウイルスは、本明細書に使用するとき、自然に伴う細胞成分から分離されているウイルスを意味する。典型的には、自然に結合されるタンパク質および他の細胞成分が、乾燥重量で少なくとも70%(例えば少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%)ないときに精製されたと考えられる。ウイルスは、例えば、米国特許出願公開番号2002/0168764、2004/0005693、2005/0095692、2006/0088869、および2007/0269856に記載される方法に従って精製することができ、これらの出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、ウイルスは、密度勾配遠心法、限外濾過法、ダイアフィルトレーション、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、またはその組み合わせの技術を用いて他の粒子から分離することができる。
【0025】
上述のように、ウイルス製剤は賦形剤を含む非ウイルス組成物を含む。少なくとも2つの賦形剤(例えば2、3、またはそれ以上の賦形剤)が非ウイルス組成物に含まれてもよい。非ウイルス組成物に用いる賦形剤として、限定されないが、糖類、アミノ酸、2価陽イオン、および界面活性剤が挙げられる。この賦形剤はウイルスの安定性の一因となり得る。いくつかの実施例では、非ウイルス組成物およびこのようにウイルス製剤に賦形剤を用いることで、ウイルスの感染性を失うことなくウイルスを長期間保管(例えば、12ヵ月以上保管)することができる。
【0026】
本明細書に記載の非ウイルス組成物に用いるのに適した糖類として、例えば単糖類および二糖類が挙げられる。いくつかの実施例では、非ウイルス組成物はマンニトール、ソルビトール、ショ糖、またはその組み合わせを含む。さらに適した糖類として、ラクトース、デキストロース、フルクトース、グルコース、およびマルトースが挙げられる。非ウイルス組成物および/または凍結乾燥されたウイルス製剤は、トレハロースが実質的にない。実質的にないというのは、非ウイルス組成物および/または凍結乾燥されたウイルス製剤は、製剤の重量に基づいてトレハロースを0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、0.0001%未満、または0%しか含まないことを意味する。いくつかの実施例では、非ウイルス組成物および/または凍結乾燥されたウイルス製剤は、ショ糖以外の糖類が実質的にない(すなわち、非ウイルス組成物および/または凍結乾燥されたウイルス製剤は非ショ糖ポリオール類が実質的にない)。
【0027】
非ウイルス組成物および/または凍結乾燥されたウイルス製剤の糖は、1つの糖または2つ以上の糖の組み合わせを含むことができる。例えば、非ウイルス組成物は、製剤に存在する糖としてショ糖を含むことができ、または製剤に存在する糖としてマンニトールおよびソルビトールの組み合わせを含むことができる。凍結乾燥されたウイルス製剤に存在する糖類を含む賦形剤の濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて重量パーセントとして、本明細書に表すことができる(すなわち、凍結乾燥の前に液体担体を含む非ウイルス組成物)。非ウイルス組成物に存在する糖(複数可)の総濃度は、非ウイルス組成物の重量に基づいて10重量%またはそれ未満であってよい。例えば、糖の総濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて7.5重量%未満であってよい(例えば、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて、7.4重量%未満、7.3重量%未満、7.2重量%未満、7.1重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、または1重量%未満)。例えば、ショ糖は液体非ウイルス組成物の重量に基づいた重量によって、0.1%〜5%、1%〜4.5%、または2%〜4%(例えば3%)の濃度で存在してもよい。マンニトールおよびソルビトールは、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて7.5%未満(例えば7%)の組み合わせた濃度で、非ウイルス組成物に含まれてもよい。例えば、糖類を組み合わせた濃度が液体非ウイルス組成物の重量に基づいて7.5%未満であるように、マンニトールの濃度は0.01%〜7.4%(例えば0.1%〜7%、1%〜6%、2%〜5%、または3%〜4%)であり、ソルビトールの濃度は0.01%〜7.4%(例えば0.1%〜7%、1%〜6%、2%〜5%、または3%〜4%)で含んでよい。
【0028】
本明細書に記載の非ウイルス組成物にアミノ酸も含んでもよい。適したアミノ酸として、例えば、ヒスチジン、アルギニン、リジン、メチオニン、グルタミン酸、またはその混合物が挙げられる。1つ以上のアミノ酸は、非ウイルス組成物に液体非ウイルス組成物の重量に基づいて、5%またはそれ未満の濃度で存在してもよい。例えば、アミノ酸の濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて、4.5%またはそれ未満、4.0%またはそれ未満、3.5%またはそれ未満、3.0%またはそれ未満、2.5%またはそれ未満、2.0%またはそれ未満、1.5%またはそれ未満、1.0%またはそれ未満、または0.5%またはそれ未満であってよい。
【0029】
本明細書に記載の非ウイルス組成物に2価陽イオンも含んでもよい。非ウイルス組成物に用いられる適した2価陽イオンとして、マグネシウムカチオン(すなわちMg2+)が挙げられる。Mg2+は、MgCl等の塩として、陰イオンと組み合わせて導入することができる。非ウイルス組成物および/またはウイルス製剤はZn2+が実質的になくてもよい。2価陽イオンは0.01mM〜5mMの濃度で液体非ウイルス組成物に存在してもよい。例えば、Mg2+は、0.1mM〜4.5mM、0.5mM〜4mM、または1mM〜3mM(例えば2mM)の濃度で、MgClとしてウイルス製剤に存在してもよい。非ウイルス製剤に存在する賦形剤は、液体担体を除いて、例えば、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、カリウム(K)、および塩類を含むアンモニウム(NH)等の一価の陽イオン塩が実質的にない。
【0030】
本明細書に記載の非ウイルス組成物に用いられる賦形剤はさらに、例えば、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、親水性の部分および疎水性の部分を組み合わせて持つ物質を意味する。界面活性剤として、本明細書に使用するとき、例えば洗剤が挙げられる。本明細書に記載の非ウイルス組成物に用いられる適した界面活性剤として、イオン性および非イオン性界面活性剤が挙げられる。いくつかの実施例では、ポリソルベート80が非イオン性界面活性剤として非ウイルス組成物に含まれてもよい。1つ以上の界面活性剤が、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて、1重量%未満の量で非ウイルス組成物に存在してもよい。例えば、界面活性剤(複数可)は、0.5重量%未満、0.1重量%未満、または0.05重量%未満(例えば0.01重量%)の量で非ウイルス組成物に存在してもよい。
【0031】
非ウイルス組成物および/または凍結乾燥されたウイルス製剤はカルボン酸塩類が実質的にない。カルボン酸塩類の例として、コハク酸塩およびクエン酸塩が挙げられる。
【0032】
ウイルス製剤を形成するためのウイルスおよび非ウイルス組成物(賦形剤を含む)の代表的な組み合わせとして、精製ウイルス、マンニトール、ソルビトール、ヒスチジン、およびMg2+が挙げられる。上述のように、非ウイルス組成物は、凍結乾燥の前に、(すなわち賦形剤を加えて)液体担体をさらに含んで液体非ウイルス組成物を形成してもよい。液体非ウイルス組成物中の糖類を組み合わせた濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて、7.5重量%未満であってよい。例えばマンニトールの濃度は3%であり、ヒスチジンの濃度は2%で、組み合わせた濃度は5%となる。ソルビトールは液体非ウイルス組成物の重量に基づいて、3%未満の濃度で存在してもよい。例えば、ソルビトールは、2.9%未満、2.8%未満、2.7%未満、2.6%未満、2.5%未満、2.4%未満、2.3%未満、2.2%未満、2.1%未満、2%未満、1.9%未満、1.8%未満、1.7%未満、1.6%未満、1.5%未満、1.4%未満、1.3%未満、1.2%未満、1.1%未満、または1%未満の濃度で存在してよい。製剤は液体非ウイルス組成物の0.1重量%未満(例えば0.01%)の量でポリソルベート80等の非イオン性界面活性剤を含むこともできる。さらに、非ウイルス組成物および/またはウイルス製剤は、一価の陽イオン塩、Zn2+、および/またはトレハロースが実質的になくてもよい。
【0033】
もう1つ別のウイルス製剤として、ショ糖、Mg2+、および非イオン性界面活性剤を含む精製ウイルスおよび非ウイルス組成物が挙げられる。凍結乾燥の前に、非ウイルス組成物はさらに液体担体を含み、したがって、液体非ウイルス組成物を形成する。液体非ウイルス組成物中のショ糖の濃度は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて、5%未満であってよい。ショ糖は、液体非ウイルス組成物の重量に基づいて、4.5%またはそれ未満、4%またはそれ未満、3.5%またはそれ未満、3%またはそれ未満、2.5%またはそれ未満、または2%またはそれ未満の濃度で存在する。さらに、非ウイルス組成物および/またはウイルス製剤は、非ショ糖ポリオール類およびカルボン酸塩類(例えばコハク酸塩およびクエン酸塩)が実質的になくてもよい。
【0034】
凍結乾燥されたウイルス製剤の作製方法も本明細書に記載する。方法は、ウイルス(例えば精製ウイルス)を与え、ウイルスを液体担体中の賦形剤を含む非ウイルス組成物と組み合わせ、液体ウイルス製剤を形成し、液体ウイルス製剤を凍結乾燥させることを含む。いくつかの実施例では、適した量のウイルスが提供され、液体担体のミリリットルあたりのウイルス粒子(VP/mL)が1x10〜4x1012の力価でウイルス製剤を調製する。
【0035】
適した液体担体は水性であっても、非水性の担体であってもよい。適した非水性担体の例として、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、および油類が挙げられ、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、胡麻油、オリーブ油等の石油、動物、野菜または合成起源の油を含む。オレイン酸エチル等の有機エステル類もまた、適した非水性担体である。水性担体として、生理食塩水および緩衝培地を含む水、エタノール、グリセロール、アルコール性/水性溶液、乳剤、または懸濁液が挙げられる。医薬組成物を静脈内に投与するとき、水または水性担体が好まれる。特に注入液については、生理食塩水溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液も液体担体として用いてよい。組成物は、所望されれば、湿潤または乳化剤、潤滑剤、滑剤、柔軟剤、湿潤剤、増粘剤、香味料、保存剤、またはpH緩衝液も含んでもよい。pH緩衝液は、非ウイルス組成物およびこのようにウイルス製剤のpHを調節するために含まれてもよい。いくつかの実施例では、緩衝液はウイルス製剤のpHを5〜8.5に保つために含まれる。例えば、緩衝液はウイルス製剤のpHを6.8〜8.0または7.0〜7.8(例えば7.4)に保つために含んでもよい。適した緩衝液の例として、例えば0.01〜0.1Mおよび好ましくは0.05Mのリン酸緩衝液のリン酸緩衝食塩水(PBS)等のリン酸塩緩衝液、酢酸塩緩衝液、安息香酸緩衝液、クエン酸緩衝液、乳酸塩緩衝液、マレイン酸塩緩衝液、および酒石酸塩緩衝液が挙げられる。Hanks溶液、Ringer溶液、ブドウ糖溶液、5%ヒト血清アルブミン、Ringerデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸Ringerおよび不揮発性油、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、またはレシチンのような緩衝液担体を用いることができる。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トロメタミン、およびグリシン溶液も適した緩衝液として用いることができる。不揮発性油等のリポソームおよび非水性ビヒクルも緩衝液として用いることができる。適した担体の例はさらに、E.W.Martin著「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記述がある。製剤は投与様式に適合するものである。
【0036】
あるいは、液体担体中に賦形剤を含む非ウイルス組成物は、ウイルスに感染した細胞の培養に加えることができる。細胞の培養は本明細書に使用するとき、その培養条件に認められるように、ある集団の培養された細胞(例えばウイルスおよび培養培地で感染された細胞)を意味する。
【0037】
凍結乾燥は当該技術分野に知られている技術および道具を用いて実施することができる。凍結乾燥の過程は、例えば凍結乾燥器を用いて行うことができる。凍結乾燥することは、液体ウイルス形成物を凍結し、その後乾燥されることを含む。凍結乾燥は生成物を充填する段階、凍結段階並びに第一乾燥および
第二乾燥段階を含む。生成物は凍結乾燥器に充填され、棚はあらかじめ決められた期間に、標的の温度設定ポイントまでセットされる。凍結段階は調節された速度(℃/hr)で標的の設定ポイントまで冷却される棚を含む。生成物はあらかじめ決められた量の時間、凍結段階で保たれる。凍結のステップでは、液体ウイルス製剤は、ある適当な時間、0℃より低い温度まで冷却され、凍結されたウイルス製剤を形成することができる。液体ウイルス製剤は−50℃またはそれより低い温度まで冷却されてもよい。いくつかの実施例では、液体ウイルス製剤は10時間またはそれより少ない時間冷却されてもよい。例えば、ウイルス製剤は、9時間またはそれより少ない、8時間またはそれより少ない、7時間またはそれより少ない、6時間またはそれより少ない、5時間またはそれより少ない、4時間またはそれより少ない、3時間またはそれより少ない、2時間またはそれより少ない、1時間またはそれより少ない、または30分またはそれより少ない時間冷却されてもよい。凍結乾燥の過程はアニーリングのステップを含んでもよく、凍結されたウイルス製剤は周囲温度またはそれより低い温度まで温め、その後再度冷却し、凍結されたウイルス製剤を形成する。いくつかの実施例では、アニーリングのステップは実施されない。凍結されたウイルス製剤はその後、減圧下で乾燥させ(例えば真空に供することによって)、凍結乾燥されたウイルス製剤を形成してもよい。50〜80μmHg(例えば60μmHg)の真空圧を凍結されたウイルス製剤に与えてもよい。乾燥のステップは、周囲温度、それより低い、または高い温度で実施することができる。例えば、乾燥のステップは、40℃またはそれより低い、30℃またはそれより低い、20℃またはそれより低い、10℃またはそれより低い、または0℃またはそれより低い温度で実施することができる。凍結乾燥されたウイルス製剤は、周囲温度、それ以下、またはそれ以上の温度で、1つ以上の追加の乾燥のステップでさらに乾燥させ、残っている水を取り除いてもよい。例えば、追加の乾燥のステップは、−10℃〜50℃(例えば0℃〜40℃、10℃〜30℃、または20℃〜25℃)の温度で実施することができる。さらに、凍結乾燥されたウイルス製剤は、不活性ガス(例えば窒素)または不活性ガスの組み合わせの存在下で乾燥させることができる。例えば、凍結乾燥の容器および/またはウイルスの保管コンテナは、不活性ガスでパージされ、ウイルス形成物が空気に曝露されるのを避けるためにキャップをされてもよい。1つ以上の乾燥のステップの後、凍結乾燥されたウイルス製剤には、例えば、20%未満の含水量があり得る。いくつかの実施例では、凍結乾燥されたウイルス製剤の含水量は15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満である。
【0038】
本明細書に記載の凍結乾燥されたウイルス製剤は、延長された保管期間を含む一定の時間、ウイルスを保存し、安定化するために用いることができる。例えば、本明細書に記載の製剤に従って調製されたウイルスは、ウイルスの感染性を失わずに、最大12ヵ月(例えば、1日、1週間、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、9ヵ月、または12ヵ月)保管することができる。本明細書に記載の凍結乾燥されたウイルス製剤は、約周囲温度で安定的であり、約周囲温度より低い温度では安定性が増すことを示し得る。周囲温度は、本明細書に使用するとき、約10℃〜約30℃を意味する。ウイルスは、感染性または免疫原性をそれほど失うことなく周囲温度より低い温度で、ウイルス製剤内に保管することができる。いくつかの実施例では、凍結乾燥されたウイルス製剤は、9℃およびそれより低い(例えば8℃およびそれより低い、7℃およびそれより低い、6℃およびそれより低い、5℃およびそれより低い、4℃およびそれより低い、3℃およびそれより低い、2℃およびそれより低い、および1℃およびそれより低い)。例えば、保管温度は2℃〜8℃(例えば4℃)であってもよい。凍結乾燥されたウイルス製剤はさらに、ウイルスの感染性が保たれている間に、例えば、−20℃または−60℃〜−80℃等の0℃より低い温度で保管することができる。
【0039】
凍結乾燥されたウイルス製剤は、例えば、約周囲温度で一定期間(例えば少なくとも1日)安定的である。いくつかの実施例では、ウイルス製剤は約4℃またはそれより低い温度で、少なくとも3ヵ月間(例えば、少なくとも4ヵ月、少なくとも5ヵ月、少なくとも6ヵ月、少なくとも7ヵ月、少なくとも8ヵ月、少なくとも9ヵ月、少なくとも10ヵ月、少なくとも11ヵ月、少なくとも12ヵ月、少なくとも13ヵ月、少なくとも14ヵ月、少なくとも15ヵ月、少なくとも16ヵ月、少なくとも17ヵ月、少なくとも18ヵ月、または3ヵ月よりも多い任意の期間)安定的である。さらに、微粒子の低いレベル、例えば低いまたは非凝集のウイルス製剤で、ウイルス製剤を調製する方法を本明細書に記載する。方法は、本明細書に記載のウイルス製剤を調製し、その後製剤を凍結乾燥させ、凍結乾燥されたウイルス製剤を調製することを含む。この方法に従って調製されたウイルス製剤は、微粒子の低いレベルを含み、非経口の注入または注射による投与に適する。いくつかの実施例では、方法の微粒子のレベルは、light obscuration particle count testおよび/またはUSP<788>に記載のmicroscopic particle count testを用いて測定し、その全体が本明細書に取り込まれる。ウイルス製剤は、粒子の大きさがコンテナあたり10ミクロン以上である6,000個より少ない粒子を含んでよい。例えば、ウイルス製剤は、コンテナあたり10ミクロン以上の5,000個より少ない粒子、4,000個より少ない粒子、3,000個より少ない粒子、2,000個より少ない粒子、1,000個より少ない粒子、900個より少ない粒子、800個より少ない粒子、700個より少ない粒子、600個より少ない粒子、500個より少ない粒子、400個より少ない粒子、300個より少ない粒子、200個より少ない粒子、または100個より少ない粒子を含み得る。ウイルス製剤は、粒子の大きさが25ミクロン以上である600個より少ない粒子を含んでもよい(例えば、コンテナあたり25ミクロン以上の500個より少ない粒子、400個より少ない粒子、300個より少ない粒子、200個より少ない粒子、100個より少ない粒子、50個より少ない粒子、または10個より少ない粒子)。
【0040】
凍結乾燥されたウイルス製剤を含む医薬組成物を本明細書に提供する。本明細書に提供される医薬組成物は薬理学的に許容可能な担体にin vitroまたはin vivoで投与することができる。凍結乾燥されたウイルス製剤は薬理学的に許容可能な担体に組み合わせる前に、凍結乾燥されたウイルス製剤を培地に溶解または懸濁させることによって再構成されてもよい。薬理学的に許容可能な担体は、凍結乾燥されたウイルス製剤についてビヒクル、担体、または培地として働くことができる固体、半固体、または液体物質であってよい。したがって凍結乾燥されたウイルス製剤は錠剤、柔らかいまたは硬いゼラチンのカプセル、懸濁液、乳剤、溶液、シロップ、エアロゾル(液体培地中の)および無菌注射溶液の形式であってもよい。凍結乾燥されたウイルス製剤は注入に適していてもよい。この実施例では、本明細書に記載の方法に従って調製された凍結乾燥されたウイルス製剤は、注入に適するように、再構成され、さらに希釈されてもよい。例えば、本明細書に記載されるように、微粒子のレベルがもっと低い非凝集のウイルス製剤は再構成され、再構成されたウイルス製剤は非経口の注入または注射に適したものになり得る。
【0041】
医薬組成物はその他に、限定されないが、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油等の潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、メチルおよびプロピルヒドロキシ安息香酸塩類等の保存剤、甘味剤、香味料を含んでもよい。医薬組成物は、当該技術分野に知られる方法を用いることによって、投与後に凍結乾燥されたウイルス製剤に含まれるウイルスを速く、持続させて、または遅らせて放出するために処方することができる。以下に記載される代表的な製剤の他に、医薬組成物に用いられるその他の適した製剤は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(21th ed.)ed. David B. Troy、Lippincott Williams&Wilkins、2005に認めることができる。
【0042】
経口投与または注射のための凍結乾燥されたウイルス製剤を含む液体製剤(例えば再構成された凍結乾燥されたウイルス製剤)は、一般的に、エリキシル剤および同様の賦形薬だけでなく、水性溶液、適切に味付けされたシロップ、水性または油性の懸濁液、およびコーンオイル、綿実油、胡麻油、ココナッツ油、またはピーナッツ油等の食用油で味付けされた乳剤を含む。
【0043】
本開示の方法に用いられてもよいもう1つ別の製剤は、経皮輸送装置(例えばパッチ)を含む。このような経皮輸送は、本明細書に記載される凍結乾燥されたウイルス製剤に含まれるウイルスを継続的または断続的に注入するために用いることができる。医薬品の送達のために経皮的なパッチを構成および使用することは、当該技術分野によく知られている。例えば米国特許番号5,023,252を参照されたい。このようなパッチは、ウイルスを継続的、拍動性、またはオンデマンドで送達するために構成することができる。
【0044】
提供される方法では、凍結乾燥されたウイルス製剤は、ウイルスが最終的に標的細胞に、例えば全身的に接触することができる様式で投与される。ウイルス製剤が投与される経路は位置や標的細胞のタイプにも依存する。様々な投与経路を用いることができる。ワクチンについては、ウイルスを抗原が存在する細胞を標的にするように、免疫応答を誘発するように全身的、皮内、または皮下に投与することができる。標的が近づくことのできる固形腫瘍である腫瘍溶解性ウイルスについては、ウイルス製剤は腫瘍または静脈内に直接的に注射することによって投与することができる。製剤は投与の前に再構成に適していてもよい。造血器腫瘍については、例えば、ウイルス製剤は静脈内または血管内に再構成し、投与することができる。転移等の体内の腫瘍に容易に近づくことのできない腫瘍については、ウイルス製剤は哺乳動物の身体を巡って全身的に送達することができる様式で投与することができ、腫瘍に到達する(例えば静脈内または筋肉内に)。あるいは、ウイルス製剤は、単一の固形腫瘍に直接的に投与することができ、身体を巡って転移に全身的に運ばれる。ワクチンまたは腫瘍退縮性療法については、ウイルス製剤は、皮下、腹腔内、髄腔内(例えば脳腫瘍のために)、局所的に(例えばメラノーマのために)、経口的に(例えば口腔若しくは食道癌のために)、直腸性に(例えば大腸癌のために)、膣に(例えば子宮頚部若しくは膣癌のために)、吸入スプレーまたはエアロゾル製剤(例えば肺癌のために)によって経鼻的にも投与することができる。
【0045】
ウイルス製剤は一定期間、少なくとも1日1回、または連続した日数の1日中、対象に連続的に投与されてもよい。ワクチン投与については、典型的に初回および1回以上の追加免疫投与が大切である。したがって、ウイルス製剤は、例えば、薬理学的に許容可能な溶液(例えば静脈内投与または注入)のいずれにも、一定の時間に渡ってまたは間欠的に対象に投与される。例えば、製剤は注射(例えばIMまたは皮下)によって全身的に投与されたり、毎日少なくとも1日1回経口的に摂取されたり、または対象の組織または血流に毎日送達される様式で注入によって投与されてもよい。ウイルス製剤が一定の時間に渡って注入によって投与されるとき、一定の時間は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、若しくは24時間、または1〜24時間までのいずれの時間、またはそれ以上である。一定の時間は、5、15、30、60、90、120、150若しくは180分、または5〜180分までのいずれの時間、またはそれ以上であってもよい。したがって、例えば、ウイルス製剤は60分間、注入により投与される。投与は2、3、4、5、6、7、8、9、10、14、21、28日間毎日、または2〜28日までのいずれの日数またはそれより長く繰り返してもよい。
【0046】
ウイルス製剤は免疫応答を誘発するために用いられるときアジュバントを含んでもよい。アジュバントは、例えば、アルミニウム塩、鉱油、微粒子、リポ多糖類、サポニン類等を含む。
【0047】
本明細書に開示されるウイルス製剤は、増殖性障害を治療するためにまたは免疫応答を誘発するために十分な量(すなわち有効量)を投与することができる。液体ウイルス製剤が増殖性細胞に投与することにより、影響を受ける細胞の溶解(例えば腫瘍溶解)に影響を及ぼし、異常に増殖する細胞の数の減少、新生物の大きさの減少、および/または増殖性障害を原因とする症状(例えば疼痛)の軽減または除去につながるとき、増殖性障害は治療される。腫瘍崩壊という用語は、本明細書に使用されるとき、増殖性細胞の少なくとも10%が溶解されることを意味する(例えば、細胞の少なくとも約20%、30%、40%、50%、または75%が溶解される)。溶解の割合は、例えば、新生物の大きさまたは哺乳動物の増殖性細胞の数の減少を計測すること、またはin vitroの細胞の溶解量を計測すること(例えば増殖性細胞の生検から)によって、測定することができる。
【0048】
ウイルス製剤の有効量は個別に決められ、少なくとも部分的には、ウイルス製剤に用いられる具体的なウイルス、個体の大きさ、年齢、性別、治療の目標(例えば、増殖性疾患を治療することまたは免疫応答を誘発すること)、異常に増殖する標的細胞の大きさおよびその他の特徴に基づいてもよい。ウイルス製剤のウイルス濃度はプラークに基づくアッセイのプラーク形成単位(PFU)の数を測定することによって計測することができる。例えば、増殖性疾患のヒトの治療については、タイプ、大きさ、増殖性細胞または存在する新生物の数に依存して、ウイルス製剤に含有するウイルスの約10〜1012PFUが用いられる。有効量は、例えば、約1.0PFU/kg体重〜約1015PFU/kg体重であってもよい(例えば、約10PFU/kg体重〜約1013PFU/kg体重)。例えば、毎日投与されるウイルス製剤の有効量は1x1010PFUであってもよく、ウイルス製剤は5日間に渡って投与され、総治療量が5x1010であってもよい。ウイルス製剤のウイルス濃度は50%組織培養感染量(TCID50)を明らかにすることによって計測することができ、これはウイルスに感染された細胞の50%に細胞変性効果を生み出すのに必要とされるウイルスの量である。いくつかの実施例では、TCID50とPFUの比は3:1である。増殖性疾患のヒトを治療するためのウイルス製剤の有効量は、1日あたり約1x10〜約1x1015TCID50であってもよい。ウイルス製剤の有効量は、一定期間に渡って投与することができる、本明細書ではサイクルとして示す。1サイクルは、例えば、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、または10日であってもよく、等しい若しくは異なる量のウイルス製剤を毎日投与してもよい。例えば、1日あたり3x1010TCID50を5日間に渡り投与すると、総量は1サイクルあたり1.5x1011TCID50となり得る。有効量は1日あたり約3x1010TCID50であってもよい。ウイルス製剤は1時間の静脈内注入として投与されてもよい。
【0049】
ウイルス製剤の最適な用量は様々な因子に依存する。必要とされる厳密な量は、対象の人種、年齢、体重および全身状態、治療を受ける疾患の重症度、製剤に用いられる具体的なウイルス、および投与様式に依存して、対象ごとに異なる。したがって、全製剤の厳密な量を特定することは不可能である。しかし、本明細書に提供されるガイダンスがあれば、ルーチン的な実験方法を用いるだけで、適切な量を当業者は決定することができる。
【0050】
製剤を投与するための用量の範囲は、疾患の症状に影響を与えるのに、または免疫応答を誘発するのに十分に大きい所望の効果を生み出す。用量は、望まない交差反応およびアナフィラキシー反応等の有害な副作用を引き起こすほど多いはずがない。いかなる禁忌の事象でも個別の医者が用量を調節することができる。
【0051】
用量は様々で、1日または数日間、毎日1回以上の用量投与で投与される。提供されるウイルス製剤は単一用量または複数用量(例えば2回、3回、4回、6回、またはそれ以上の用量)で投与することができる。例えば、注入投与の場合、単回の持続投与であっても、複数回の注入によって送達されてもよい。治療は数日から数ヶ月または疾患が減退するまで続けられ得る。
【0052】
ウイルス製剤の併用は、併用して(例えば混合として)、別個ではあるが同時に(例えば、同じ対象に別個の静脈を経由して)、または経時的に(例えば、製剤の1つを最初に、もう1つを次に)のいずれかで投与することができる。したがって、併用という用語は、2つ以上の薬剤を併用、同時、または経時的に投与することのいずれかを意味するために用いる。
【0053】
提供されるウイルス製剤は、化学療法、放射線療法、外科手術、ホルモン療法および/または免疫療法等のその他の腫瘍療法と併用してもよいことを熟慮されたい。したがって、ウイルス製剤は、外科手術または新生物の除去と組み合わせて投与されてもよい。そのため、新生物の外科手術的除去および新生物の部位またはその近くにウイルス製剤を投与することを含む固形の新生物の治療方法が本明細書と共に提供される。
【0054】
提供される方法のウイルス製剤は既知の抗癌化合物または化学療法剤と併用してまたはそれに加えて投与されてもよい。化学療法剤は腫瘍の成長を抑制し得る化合物である。このような薬剤として、限定されないが以下の抗腫瘍薬が挙げられる。アシビシン、アクラルビシン、アコダゾール塩酸塩、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アンボマイシン、アメタントロン酢酸塩、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ビカルタミド、ビサントレン塩酸塩、ビスナフィドジメシラート、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキナールナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルムスチン、カルビシン塩酸塩、カルゼルシン、セデフィンゴール、クロランブシル、シロレマイシン、シスプラチン、クラドリビン、メシル酸クリスナトール、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、デザグアニンメシル酸塩、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロロキシフェンクエン酸塩、プロピオン酸ドロモスタノロン、デュアゾマイシン、エダトレキサート、塩酸エフロミチン、エルサマイシン、エンロプラチン、エンプロマート、エピプロピジン、エピルビシン、塩酸エピルビシン、エルブロゾール、エソルビシン塩酸塩、エストラムスチン、エストラムスチンリン酸エステルナトリウム、エタニダゾール、ヨード化ケシ油エチルエステルI131、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、ファドロゾール塩酸塩水和物、ファザラビン、フェンレチニド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、5−フルオロウラシル、フルロシタビン、ホスキドン、ホストリエシンナトリウム、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、Gold Au198、ヒドロキシウレア、イダルビシン塩酸塩、イホスファミド、イルモホシン、インターフェロンα−2a、インターフェロンα−2b、インターフェロンα−n1、インターフェロンα−n3、インターフェロンβ−Ia、インターフェロンγ−Ib、イプロプラチン、塩酸イリノテカン、ランレオチド酢酸塩、レトロゾール、酢酸リュープロリド、リアロゾール塩酸塩、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、塩酸ロソキサントロン、マソプロコール、メイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトクロミン、ミトギリン、ミトカルシン、マイトマイシンC、ミトスペル、ミトタン、ミトキサントロン、ミトキサントロン塩酸塩、ミコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オルマプラチン、オキシラン、パクリタキセル、ペグアスパラガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、硫酸ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、塩酸ピロキサントロン、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニマスチン、塩酸プロカルバジン、ピューロマイシン、ピューロマイシン塩酸塩、ピラゾフリン、リボプリン、ログレチミド、サフィンゴール、サフィンゴール塩酸塩、セムスチン、シムトラゼン、スパルホサートナトリウム、スパルソマイシン、スピロゲルマニウム塩酸塩、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、塩化ストロンチウム89、スルフェヌア、タリソマイシン、タキサン、タキソイド、テコガランナトリウム塩、テガフール、塩酸テトキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、塩酸トポテカン、トレミフェンクエン酸塩、酢酸トレストロン、トリシリビンホスファート、トリメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプトレリン、塩酸ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート、硫酸ビンレウロシン、ビノレルビン酒石酸塩、硫酸ビンロシジン、硫酸ビンゾリジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、ゾルビシン塩酸塩。
【0055】
抗腫瘍化合物の例としてさらに以下が挙げられる。20−epi−1,25ジヒドロキシビタミンD3、5−エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL−TK拮抗薬、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドクス、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アトルサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホリド、血管新生阻害薬、拮抗薬D、拮抗薬G、アンタレリックス、アントラサイクリン、抗背側化形態形成性タンパク質−1、抗アンドロゲン、前立腺癌、抗エストロゲン薬、アンチネオプラストン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィディコリングリシネート、アポトーシス遺伝子モジュレータ、アポトーシスレギュレータ、アプリン酸、ara−CDP−DL−PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アロマターゼ阻害薬、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、BCR/ABL拮抗薬、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、βアレチン、βクラマイシンB、ベツリン酸、bFGF阻害薬、ビカルタミド、ビスアントレン、ビサジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレフラート、ブロピリミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシイミン、カルシポトリオール、カルホスチンC、カンプトテシン誘導体、カナリア痘IL−2、カペシタビン、カルボキサミド−アミノ−トリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRestM3、CARN700、軟骨由来の阻害薬、カルゼルシン、カゼインキナーゼ阻害薬(ICOS)、カスタノスペルミン、セクロピンB、セトロレリクス、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シス−ポルフィリン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クランベシジン816、クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシンA、シクロペンタアントラキノン、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビンオクホスファート、細胞溶解因子、シトスタチン、ダクリズマブ、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキシホスファミド、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、ジアジクオン、ジデムニンB、ジドキス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ−5−アザシチジン、ジヒドロタキソール,9−、ジオキサマイシン、ジフェニルスピロマスチン、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカニシンSA、エブセレン、エコムスチン、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エレメン、エミテフール、エピルビシン、エプリステリド、エストラムスチン類似体、エストロゲン作動薬、エストロゲン拮抗薬、エタニダゾール、リン酸エトポシド、エキセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド(fmasteride)、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアステロン、フルダラビン、塩酸フルオロダウノルニシン、ホルフェニメックス、ホルメスタン、フォストリエシン、フォテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリクス、ゲラチナーゼ阻害薬、ゲムシタビン、グルタチオン阻害薬、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセタミド、ホルモン療法、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモフォシン、イロマスタット、イミダゾアクリドン、イミキモド、免疫賦活薬ペプチド類、インスリン様成長因子1受容体阻害薬、インターフェロン作動薬、インターフェロン、インターロイキン、ヨーベングアン、ヨードドキソルビシン、イポメアノール,4−、イリノテカン、イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン−Nトリアセタート、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、レンチナン硫酸塩、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病抑制因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリド+エストロゲン+黄体ホルモン、リュープロレリン、レバミソール、LHRH類似体、リアロゾール、リニア−ポリアミン類似体、親油性二糖類ペプチド、親油性プラチナ化合物、リソクリナミド7、ロバプラチン、ロンブリシン、ロメテレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、ラルトテカン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解性ペプチド類、マイタンシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリリシン阻害薬、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害薬、メノガリル、メルバロン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトクロプラミド、MIF阻害薬、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリモスチム、不適正二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン類似体、マイトナファイド、マイトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン、ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、モノクロナール抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、モノホスホリルリピドA+マイコバクテリウム細胞壁sk、モピダモール、多剤耐性genie抑制薬、多腫瘍抑制1−ベース療法、マスタード抗ガン剤、ミカペルオキシドB、マイコバクテリア細胞壁抽出物、ミリアポロン、N−アセチルジナリン、N−置換ベンズアミド類、ナファレリン、ナグレスティップ、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素モジュレータ、ニトロオキシド抗酸化物質、ニトルリン、O6−ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド類、オナプリストン、オンダンセトロン、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカイン誘導物質、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、パクリタキセル類似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペグアスパラガーゼ、ペルデシン、ペントサンポリ硫酸ナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、酢酸フェニル、脱リン酸化酵素阻害薬、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピラルビシン、ピリトレキシム、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲン活性化因子、白金錯体、白金化合物、プラチナ‐トリアミン複合体、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プロゲステロン作用薬、プロピルビス‐アクリドン、プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害薬、プロテインA−ベース免疫調整剤、タンパク質キナーゼC阻害薬、タンパク質キナーゼC阻害薬、小型藻類、タンパク質チロシンフォスファターゼ阻害薬、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害薬、プルプリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン結合体、raf拮抗薬、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害薬、ras阻害薬、ras−GAP阻害薬、脱メチル化レテルリプチン、レニウムRe186エチドロン酸塩、リゾキシン、リボザイム類、RIIレチンアミド、ログレチミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメックス、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、サイントピン、SarCNU、サルコフィトールA、サルグラモスチム、Sdi1ミメティック、セムスチン、老齢から派生した阻害薬1、センスオリゴヌクレオチド類、シグナル伝達阻害薬、シグナル伝達モジュレータ、一本鎖抗原結合タンパク質、シゾフィラン、ソブゾキサン、ボロカプテイトナトリウム、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール、ソマトメディン結合タンパク質、ソネルミン、スパルホス酸、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン、スポンギスタチン1、スクアラミン、幹細胞阻害薬、幹細胞分裂阻害薬、スチピアミド、ストロメリシン阻害薬、スルフモシン、過度活動性血管作動性腸管ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ、スラミン、スワインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリムスチン、タモキシフェン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム塩、テガフール、テルラピリニウム、テロメラーゼ阻害薬、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、タリブラスチン、サリドマイド、チオコラリン、トロンボポエチン、トロンボポエチンミメティック、チマルファシン、チモポイエチン受容体作動薬、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、エチルエチオプルプリンすず、チラパザミン、チタノセンジクロリド、トポテカン、トプセンチン、トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキセ一ト、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害薬、チルホスチン、UBC阻害薬、ウベニメクス、泌尿生殖洞から派生した成長抑制因子、ウロキナーゼ受容体拮抗薬、バプレオチド、バリオリンB、ベクター系、赤血球遺伝子療法、ベラレソール、ベラミン、ベルジン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビンキサルチン、ビタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、ジノスタチン・スチマラマー。
【0056】
本明細書に記載のウイルス製剤に用いるのに適した化学療法薬の例としてさらに、以下に示す抗癌補助強化薬を含む。三環系抗うつ薬(例えばイミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、クロミプライニン、トリミブラミン、ドキセピン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピンおよびマプロチリン)、非三環系抗うつ薬(例えばセルトラリン、トラゾドンおよびシタロプラム)、VEGFを認識または遮断する薬(例えばアバスチン)、Ca2+拮抗薬(例えばベラパミル、ニフェジピン、ニトレンジピンおよびカロベリン)、カルモジュリン阻害薬(例えばプレニルアミン、トリフルオロペラジンおよびクロミプラミン)、アンフォテリシンB、トリパラノール類似体(例えばタモキシフェン)、抗不整脈薬(例えばキニジン)、抗高血圧症薬(例えばレセルピン)、ハーセプチン等の受容体に対する抗体、チオール枯渇薬(例えばブチオニンおよびスルホキシミン)、およびクレモホールEL等の複数の薬剤抵抗減少剤。
【0057】
本明細書に記載のウイルス製剤は顆粒球コロニー刺激因子等のサイトカインと共に投与されてもよい。
【0058】
本明細書で使用するとき、増殖性障害という用語は、細胞が正常な組織の成長よりも急速に増殖するいかなる細胞障害を意味する。増殖性障害は限定されないが、腫瘍のことをも意味する新生物を含む。新生物として、限定されないが、膵臓癌、乳癌、脳癌(例えば神経膠芽細胞腫)、肺癌、前立腺癌、大腸癌、甲状腺癌、腎癌、副腎癌、肝癌、神経線維腫症1、および白血病が挙げられる。新生物は固形の新生物の場合もあり(例えば肉腫または癌腫)、または造血系に影響を及ぼす癌腫(例えばリンパ腫または白血病)があり得る。その他の増殖性障害として、限定されないが、神経線維腫症が挙げられる。
【0059】
治療、治療する、治療すること、寛解することという用語は、本明細書に使用するとき、疾患若しくは病態、または疾患若しくは病態の症状を軽減する方法を意味する。したがって、開示される方法では、治療とは、確立された疾患若しくは病態または疾患若しくは病態の症状の重症度を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%軽減または寛解することを意味する。例えば、癌を治療する方法は、対照と比較したときに、対象の疾患の1つ以上の症状が10%軽減するならば治療と考えられる。したがって軽減は、ネイティブまたは対象のレベルと比較したときに、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100%、または10〜100の間のいずれのパーセントの軽減であってもよい。治療は、疾患、病態または疾患若しくは病態の症状の治癒または完全切除を必ずしも意味しない。
【0060】
本明細書で使用するとき、対象という用語は、脊椎動物、より具体的には哺乳動物(例えば、ヒト、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ヒト以外の霊長類、ウシ、ネコ、モルモットまたは齧歯類)、魚類、鳥類または爬虫類若しくは両生類であってもよい。この用語は、具体的な年齢または性別を問わない。したがって、成人および新生児、男性または女性も対象となることを意図する。本明細書に使用するとき、患者または対象は互換的に使用されてもよく、疾患または障害のある対象を意味してもよい。患者または対象という用語はヒトおよび脊椎動物の対象を含む。
【0061】
本出願の全体を通して、様々な出版物を参照する。出版物の開示は、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
【0062】
多くの態様が記述されている。それでも様々な修正がなされ得ることを理解されたい。さらに、1つの特徴またはステップは、明示的に記されていなくとも、本明細書のいかなる他の特徴またはステップと組み合わせてもよい。したがって、他の態様は請求項の範囲内にある。
【実施例】
【0063】
実施例1:非ウイルス組成物の調製
組成物1および2を表1に示す成分を混合することによって調製した。
【表1】
【0064】
用いられるPBSは、塩化カリウム0.20mg/mL、塩化ナトリウム8.00mg/mL、リン酸2水素カリウム0.24mg/mL、およびリン酸水素ナトリウム七水和物2.71mg/mLを含有した。
【0065】
実施例2:凍結乾燥されたウイルス製剤の調製
対照のレオウイルス製剤(対照製剤)は、リン酸緩衝食塩水(PBS)中にレオウイルスを与え、さらに追加のPBSで混合物を希釈し、3x1010TCID50/mLの標的総ウイルス粒子の力価を得て、およびウイルス製剤を凍結乾燥することによって調製した。製剤1はPBS中にレオウイルスを与え、組成物1との混合物を希釈し、3x1010TCID50/mLの標的総ウイルス粒子の力価を得て、およびウイルス製剤を凍結乾燥することによって調製した。製剤2はPBS中にレオウイルスを与え、組成物2との混合物を希釈し、3x1010TCID50/mLの標的総ウイルス粒子の力価を得て、およびウイルス製剤を凍結乾燥することによって調製した。
【0066】
ウイルス製剤を凍結乾燥させるために、希釈された各組成物は、別々に凍結乾燥容器に加え、ADVANTAGE PLUS EL−85 BENCHTOP FREEZE DRYER(Virtis社、ガーディナー、ニューヨーク州)の内部の棚に配置した。棚は標的の温度設定ポイントである5℃までセットし、組成物は当該温度で120分間維持した。組成物は、その後、1時間あたり15℃の速度で−50℃にまで冷却し、組成物は−50℃で3時間保たれた。凍結乾燥器の冷却器は−75℃〜−50℃の間の温度にまで冷却され、チャンバーは標的の圧力である60μmHgまで真空を作った。チャンバーの圧力は、濾過された周囲空気0.2μmをチャンバー内に加えることによって調節した。組成物はその後、30分に渡って−35℃まで温められ、当該温度で48時間乾燥させた。温度をその後25℃まで上昇させ、組成物は当該温度でさらに15時間乾燥させた。製剤のそれぞれの希釈比は分析HPLCによって測定した。
【0067】
実施例3:凍結乾燥されたウイルス製剤の保管
対照製剤、製剤1、および製剤2の感染性粒子の力価(TCID50/mL)は、実施例2で調製したように、調製後に周囲温度で測定した(すなわち、時間=0)。対照製剤は、t=0のとき、検出限界より低く、生存できるウイルスは存在しなかったことを示した。したがって、対照製剤はその後のいかなる時点でも試験しなかった。製剤1および2は、37℃、周囲温度、2℃〜8℃の温度、−20℃、および−80℃を含む異なる温度で0、3、6.5、12および18.5ヵ月間保管した。保管期間の後、各温度での製剤のそれぞれのTCID50データを3通りで測定した。製剤1および2の平均のデータ値を図1に示す。製剤1および2の感染性粒子の力価の回復を図2に示す。ウイルス力価は、対照力価のアッセイ間の変化を説明するために、標準化した。HPLCによって計測された標準化された総ウイルス力価は、製剤1については図3に、製剤2については図4に示す。
【0068】
−80℃、−20℃、および2〜8℃で3、6.5、12、および18.5ヵ月間保管された製剤1の感染性粒子の力価は、周囲温度で時間=0で得た最初の力価と有意差はなかった。しかし、製剤1は周囲温度で3、6.5、および12ヵ月後に力価の降下が認められた。−80℃、−20℃、および2〜8℃で3、6.5、12、および18.5ヵ月間保管された製剤2の感染性粒子の力価は、安定的でまたは時間=0でのデータと比較すると、感染性がわずかに低下した。同様に、周囲温度で3および6.5ヵ月間の保管後に、時間=0でのデータと比較すると、感染性にわずかな低下が認められた。製剤2は12ヵ月後に感染性の低下を示した。
【0069】
実施例4:非凝集のウイルス製剤
対照製剤および組成物1の試料は、上述のように、凍結乾燥の前に、USP <788>のLight Obscuration Particle Count Testを用いて微粒子状物質について試験をおこなった。結果は表2に示すように、組成物1で調製したウイルス製剤のほうが、対照製剤を用いるウイルス製剤より粒子がかなり少なかった。
【表2】
図1
図2
図3
図4