【文献】
NTT DOCOMO, Inc.,Logged MDT measurement contents and model,3GPP TSG-RAN2#70 R2-102907,2010年 5月10日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択部は、前記イベント検出部が前記予め定められたイベントを検出した時の前記無線端末の位置又は前記無線端末の現在位置と、前記予め定められた複数のエリアのそれぞれとの距離に基づいて、前記1以上の第1エリアを選択する、
請求項2又は請求項3に記載のプログラム。
前記設定部は、予め定められたタイミングで、前記第2エリアの前記通信環境情報の取得の要否、前記第2エリアの前記通信環境情報の取得の頻度及び前記第2エリアの地理的範囲の少なくとも1つを、予め定められた条件に設定する、
請求項7に記載のプログラム。
前記決定部は、前記エリアにおいて取得された前記通信環境情報の数が、前記エリアにおいて取得されるべき前記通信環境情報の数の設定値以上である場合に、前記エリアにおける前記通信環境情報の取得を停止すること、又は、前記エリアの地理的範囲を狭くすることを決定する、
請求項13に記載の情報収集システム。
前記決定部は、前記エリアにおいて取得された前記通信環境情報の数が、前記エリアにおいて取得されるべき前記通信環境情報の数の設定値よりも少ない場合に、前記エリアにおける前記通信環境情報の取得の頻度を増加させることを決定する、
請求項13又は請求項14に記載の情報収集システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0014】
図1は、情報収集システム100の一例を概略的に示す。
図1では、駅20の周辺にジオフェンス32及びジオフェンス34が設定されており、電車の乗客の無線端末110又は電車に設置された無線端末110を利用して、駅20における無線端末110の通信環境に関する情報を取得する場合を例として、情報収集システム100の詳細について説明する。
【0015】
本実施形態において、ジオフェンス34は、ジオフェンス32で囲まれるエリアの内部に含まれる。また、駅20の少なくとも一部が、ジオフェンス34で囲まれるエリアの内部に含まれる。ジオフェンスは、仮想的な地理的境界線である。ジオフェンス32で囲まれた領域は、第1エリアの一例であってよい。ジオフェンス34で囲まれた領域は、第2エリアの一例であってよい。
【0016】
本実施形態において、情報収集システム100は、無線端末110と、情報収集サーバ120とを備える。また、無線端末110及び情報収集サーバ120は、通信ネットワーク10を介して、互いに情報を送受する。情報収集システム100及び情報収集サーバ120は、情報収集装置の一例であってよい。
【0017】
通信ネットワーク10は、無線端末110と、情報収集サーバ120との間で情報を伝達する。本実施形態において、通信ネットワーク10は、中継装置12を有する。中継装置12は、無線端末110と、情報収集サーバ120との通信を中継する。中継装置12としては、アクセスポイント、基地局などを例示することができる。
【0018】
通信ネットワーク10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。通信ネットワーク10は、インターネット、専用回線、無線通信網又はそれらの組み合わせであってもよい。無線通信網における通信方式は、移動体通信方式であってもよく、無線データ通信方式であってもよい。移動体通信方式としては、3G方式、LTE方式、4G方式などを例示することができる。無線データ通信方式としては、ZigBee(登録商標)又はBluetooth(登録商標)のような無線PAN方式、WiFi(登録商標)のような無線LAN方式、WiMAX(登録商標)のような無線MAN方式、無線WAN方式などを例示することができる。
【0019】
無線端末110は、通信ネットワーク10に接続された機器と情報を送受する。無線端末110は、複数の通信方式に対応してもよい。例えば、無線端末110は、3G方式、LTE方式、4G方式などの移動体通信方式と、無線LAN方式、無線MAN方式などの無線通信方式との両方の通信方式に対応する。無線端末110としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などを例示することができる。携帯端末としては、携帯電話、スマートホン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。無線端末110は、自動車、自動二輪車、自転車、電車、船舶、航空機、無人移動機(ドローンと称される場合がある。)などの移動体に設置された無線通信モジュールであってもよい。
【0020】
本実施形態において、無線端末110は、無線端末110の位置を示す位置情報を取得する測位部を備える。無線端末110は、2以上の種類の測位部を備えてよい。2以上の種類の測位部のそれぞれは、例えば、測位精度及び消費電力の少なくとも一方が異なる。無線端末110の位置の特定方法は特に限定されない。無線端末110の位置は、当該位置の緯度及び経度、又は、当該位置の緯度、経度及び高度により特定されてよい。無線端末110の位置は、当該位置の住所又は施設を識別する情報により特定されてよい。
【0021】
無線端末110は、無線端末110の通信環境を示す通信環境情報を取得する。無線端末110は、取得された通信環境情報と、当該通信環境情報が取得された位置の位置情報とを対応付けて、情報収集サーバ120に送信する。無線端末110は、取得された通信環境情報と、当該通信環境情報が取得された位置の位置情報と、当該通信環境情報を取得した無線端末110の端末識別情報とを対応付けて、情報収集サーバ120に送信してもよい。
【0022】
通信環境情報としては、通信キャリア、通信に利用されている電波の周波数帯、無線端末110が接続している基地局、通信方式、電波レベル、通信品質、通信の可否などに関する情報を例示することができる。通信環境情報は、通信ネットワーク10に関する情報を含んでもよい。
【0023】
基地局に関する情報としては、CID(Cell ID)、LAC(Location Area Code)、PSC(PrimaryScramblingCode)などを例示することができる。通信方式としては、3G、LTE、4G、WiFi、テザリングなどを例示することができる。
【0024】
電波レベルとしては、電波受信レベル、電波強度、RSCP(Received Signal Code Power)、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Recieved Quality)、無線端末110の表示部に表示されるアンテナの本数などを例示することができる。通信品質としては、通信速度、データ通信のスループット、データ通信のレイテンシなどを例示することができる。
【0025】
通信の可否は、例えば、電波受信レベルが予め定められたレベルよりも小さい場合(例えば、圏外である場合)又は電波を検索中の場合に、通信が可能でない(通信不可と称する場合がある。)と判断される。予め定められた期間に通信を確立することができない場合に、通信不可と判断されてもよい。通信エラーの発生頻度が、予め定められた値よりも大きい場合に、通信不可と判断されてもよい。
【0026】
通信の可否は、特定の電波状況又は通信品質に関する情報を取得する処理(試行と称する場合がある。)を複数回繰り返した結果に基づいて判断されてもよい。例えば、予め定められた回数の試行のうち、電波状況又は通信品質が予め定められた第1の閾値よりも良好であった試行の割合が、予め定められた第2の閾値よりも大きい場合に、通信が可能である(通信可能と称する場合がある。)と判断される。それ以外の場合は、通信が可能でないと判断される。
【0027】
無線端末の端末識別情報は、1以上の無線端末のそれぞれを識別する情報であれば、特に限定されない。無線端末の端末識別情報は、予め定められた期間、1以上の無線端末のそれぞれを識別する情報であってもよい。
【0028】
端末識別情報は、MACアドレス、Bluetooth(登録商標)対応デバイスを識別するためのBDアドレス(BD_ADDRと称される場合がある。)、ZigBee(登録商標)対応デバイスを識別するためのアドレス(ZigBeeIDと称される場合がある。)、各種のSIM(Subscriber Identity Module)カードに記録されたID番号などの無線端末に固有のIDであってもよい。端末識別情報は、無線端末の契約者ごとに割り当てられた契約者に固有のID(契約者固有IDと称される場合がある。また、通信キャリアによって、端末製造番号、ユーザID、iモード(登録商標)ID、サブスクライバID、EZ番号、端末シリアル番号などと称される場合がある。)であってもよい。
【0029】
無線端末の端末識別情報は、特定のアプリケーションにより割り当てられ、当該アプリケーションが当該無線端末を一意に識別するために利用する情報であってもよい。アプリケーションが無線端末を一意に識別するための情報としては、PUSH通知に利用されるトークン、SNS(social networking service)などのWebサービスのアカウントなどを例示することができる。
【0030】
無線端末110は、無線端末110によるジオフェンスの出入りが検出されたことをトリガーとして、予め定められた処理を実行する。一実施形態において、無線端末110は、無線端末110によるジオフェンスの出入りが検出されたことをトリガーとして、2以上の測位部それぞれの有効/無効、若しくはON/OFF、又は、2以上の測位部のそれぞれの測位頻度を切り替える。他の実施形態において、無線端末110は、無線端末110によるジオフェンスの出入りが検出されたことをトリガーとして、無線端末110の通信環境を示す通信環境情報を取得する。
【0031】
一実施形態において、無線端末110は、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側に存在する場合、2以上の測位部のうちの第1の測位部により位置情報を取得する。無線端末110は、第1の測位部が取得した位置情報に基づいて、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを検出する。無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことが検出された場合、無線端末110は、2以上の測位部のうち、第1の測位部とは種類の異なる第2の測位部により位置情報を取得する。
【0032】
無線端末110は、第2の測位部が取得した位置情報に基づいて、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを検出する。無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことが検出された場合、無線端末110は、通信環境情報を取得する。無線端末110は、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことが検出された後、無線端末110の移動速度が予め定められた値より小さい場合に、通信環境情報を取得してもよい。これにより、無線端末110の通信環境をより正確に測定することができる。また、通信環境情報の取得数を低減することができる。その結果、通信ネットワーク10の負荷を低減することができる。
【0033】
第2の測位部の測位精度は、第1の測位部の測位精度よりも高いことが好ましい。これにより、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを、より高精度に検出することができる。第1の測位部の消費電力は、第2の測位部の消費電力よりも少ないことが好ましい。第1の測位部は、無線端末110の通信機能が有効である場合に取得できる情報に基づいて、無線端末110の位置情報を取得してもよい。これにより、位置情報の取得処理により消費される電力量を低減することができる。
【0034】
他の実施形態において、無線端末110は、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側に存在する場合、第1の頻度で位置情報を取得する。無線端末110は、取得された位置情報に基づいて、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを検出する。無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことが検出された場合、無線端末110は、第2の頻度で位置情報を取得する。第2の頻度は、第1の頻度より大きいことが好ましい。第1の頻度及び第2の頻度は、無線端末110の移動速度に応じて設定されてよい。これにより、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを、より高精度に検出することができる。また、位置情報の取得処理により消費される電力量を低減することができる。
【0035】
他の実施形態において、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側に存在する場合、無線端末110は、第1の頻度で通信環境情報を取得する。無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことが検出された場合、無線端末110は、第2の頻度で通信環境情報を取得する。第2の頻度は、第1の頻度と同じであってもよく、第1の頻度より大きくてもよい。無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことが検出された場合、無線端末110は、第3の頻度で通信環境情報を取得する。第3の頻度は、第2の頻度より大きくてもよい。これにより、通信環境情報の取得数を低減することができる。その結果、通信ネットワーク10の負荷を低減することができる。
【0036】
本実施形態においては、無線端末110が、1つの測定対象に対して2つのジオフェンスを設定する場合について説明した。しかし、ジオフェンスの設定方法は本実施形態に限定されない。無線端末110は、1つの測定対象に対して3以上のジオフェンスを設定してもよい。
【0037】
無線端末110は、一般的な構成の情報処理装置において、無線端末110の各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。無線端末110として用いられる情報処理装置は、CPU等のプロセッサ、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、キーボード、タッチパネル、マイク、GPS情報取得装置、加速度センサ、ジャイロセンサなどの入力装置と、表示装置、スピーカ、振動装置などの出力装置と、メモリ、HDDなどの記憶装置とを備えてよい。データ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該命令又はプログラムによって規定された動作を実行させる。
【0038】
情報収集サーバ120は、1以上の無線端末110により取得された情報を収集する。本実施形態において、情報収集サーバ120は、予め定められたエリアにおいて無線端末110により取得された通信環境情報を収集する。これにより、通信環境情報の取得数を低減することができ、通信ネットワーク10の負荷を低減することができる。
【0039】
情報収集サーバ120は、通信環境情報の取得条件を変更することを指示する信号を、1以上の無線端末110の少なくとも一部に送信してよい。例えば、情報収集サーバ120は、予め定められた第1の期間に特定のエリアにおいて取得されるべき通信環境情報の数と、1以上の無線端末110が、予め定められた第2の期間に当該エリアにおいて取得した通信環境情報の数及び当該通信環境情報の数の増加速度の少なくとも一方とに基づいて、予め定められた第3の期間の当該エリアにおける通信環境情報の取得回数及び取得頻度、並びに、当該エリアの地理的範囲の少なくとも1つを変更することを決定する。第2の期間は、第1の期間に含まれてもよく、第1の期間よりも前の期間であってもよい。第3の期間は、第1の期間に含まれてもよい。第3の期間は、第2の期間よりも後の期間であってもよい。
【0040】
例えば、情報収集サーバ120は、東京駅における通信環境情報の数の目標値を設定する。情報収集サーバ120は、複数の無線端末110から、東京駅における通信環境情報を収集する。情報収集サーバ120は、収集された東京駅における通信環境情報の数が目標値を超えた場合、東京駅における通信環境情報の取得処理の停止を指示する信号を、全ての無線端末110に対して送信する。
【0041】
情報収集サーバ120は、一般的な構成の情報処理装置において、情報収集サーバ120の各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。情報収集サーバ120として用いられる情報処理装置は、CPU等のプロセッサ、ROM、RAM、通信インターフェースなどを有するデータ処理装置と、キーボード、タッチパネル、マイクなどの入力装置と、表示装置、スピーカなどの出力装置と、メモリ、HDDなどの記憶装置とを備えてよい。データ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該ソフトウエア又はプログラムによって規定された動作を実行させる。
【0042】
情報収集サーバ120は、仮想サーバ又はクラウドシステムであってもよい。情報収集サーバ120は、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。
【0043】
図2は、無線端末110の一例を概略的に示す。本実施形態において、無線端末110は、ジオフェンス設定部210と、位置情報取得部220と、端末制御部230と、移動速度取得部240と、通信環境取得部250とを備える。ジオフェンス設定部210は、エリア情報格納部212と、エリア情報更新部214と、イベント検出部216と、エリア選択部218とを有する。位置情報取得部220は、低精度測位部222と、高精度測位部224とを有する。端末制御部230は、移動検出部232と、測位制御部234とを備える。
【0044】
エリア情報更新部214は、設定部の一例であってよい。エリア選択部218は、選択部の一例であってよい。低精度測位部222は、第1の位置情報取得部の一例であってよい。高精度測位部224は、第2の位置情報取得部の一例であってよい。端末制御部230は、制御部の一例であってよい。
【0045】
ジオフェンス設定部210は、ジオフェンスを設定する。本実施形態においては、ジオフェンスが、閉じた領域の内側と外側との境界線上に設定される場合を例として、ジオフェンス設定部210の詳細について説明する。しかし、ジオフェンス設定部210は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、ジオフェンスは、2地点を結ぶように設定される。上記のジオフェンスを地図上に表示した場合、2地点を結ぶ直線又は曲線として表示される。
【0046】
本実施形態によれば、無線端末110がジオフェンスを設定する。これにより、情報収集サーバ120がジオフェンスを設定する場合と比較して、無線端末110及び情報収集サーバ120の通信量を削減することができる。なお、ジオフェンスの設定方法は本実施形態に限定されない。ジオフェンスは、情報収集サーバ120によって設定されてもよい。
【0047】
エリア情報格納部212は、ジオフェンスが設定されるエリアの情報を格納する。ジオフェンスは、例えば、各エリアの内側と外側との境界線上に設定される。エリア情報格納部212は、例えば、1以上のエリアのそれぞれを識別するエリア識別情報と、各エリアの地理的範囲を示すエリア位置情報と、各エリアにおける通信環境情報の取得条件とを対応付けて格納する。
【0048】
一実施形態において、エリア情報格納部212は、無線端末110の現在位置の近傍に存在するエリアの情報を格納する。これにより、ジオフェンスの設定処理における無線端末110のリソース使用量を軽減することができる。他の実施形態において、エリア情報格納部212は、通信環境を取得すべきエリアの情報を格納し、通信環境を取得する必要のないエリアの情報は格納しなくてもよい。これにより、ジオフェンスの設定処理における無線端末110のリソース使用量を軽減することができる。
【0049】
エリア情報更新部214は、エリア情報格納部212に格納された各エリアの情報を更新する。エリア情報更新部214は、情報収集サーバ120からの制御信号を受信して、当該制御信号に基づいて、各エリアの情報を更新してよい。制御信号は、予め定められた1以上のエリアのうちの少なくとも1つのエリアにおける通信環境情報の取得条件を示す情報を含む。取得条件は、無線端末110の設定の一例であってよい。
【0050】
例えば、制御信号は、ジオフェンス34で囲まれるエリアにおける通信環境情報の取得条件の変更を指示する命令を含む。ジオフェンス34で囲まれるエリアにおける通信環境情報の取得条件は、例えば、当該エリアにおける通信環境情報の取得回数及び取得頻度、並びに、当該エリアの地理的範囲の少なくとも1つを含む。制御信号が、ジオフェンス34で囲まれるエリアにおける通信環境情報の取得回数を0回にすることを示す場合、エリア情報更新部214は、エリア情報格納部212から、ジオフェンス34で囲まれるエリアに関する情報を削除してもよい。
【0051】
制御信号が、当該制御信号に含まれる命令の対象となる無線端末を示す情報を含む場合、エリア情報更新部214は、無線端末110が上記の命令の対象となるか否かを判断してよい。エリア情報更新部214は、無線端末110が上記の命令の対象となると判断した場合に、当該制御信号に基づいて、各エリアの情報を更新してよい。制御信号に含まれる命令の対象となる無線端末を示す情報は、無線端末110の現在位置、特定の時刻又は期間における無線端末110の位置、無線端末110の機種、無線端末110のOS、無線端末110にインストールされているアプリケーションなどに関する情報であってよい。特定の時刻又は期間は、過去の特定の時刻又は期間であってもよく、将来の特定の時刻又は期間であってもよい。
【0052】
エリア情報更新部214は、予め定められたタイミングで、各エリアにおける通信環境情報の取得条件を予め定められた条件に設定してよい。予め定められたタイミングは、予め定められた時刻、または、前回の更新から予め定められた時間が経過したタイミングであってもよい。予め定められた条件は、初期設定であってよい。
【0053】
イベント検出部216は、予め定められたイベント(ジオフェンス更新イベントと称する場合がある。)を検出する。イベント検出部216は、ジオフェンス更新イベントを検出した場合、その旨を示す情報をエリア選択部218に送信する。
【0054】
ジオフェンス更新イベントは、無線端末110の位置に関連するイベントであってよい。無線端末110の位置に関連するイベントとしては、無線端末110の新たな基地局への位置登録処理の開始若しくは完了、無線端末110のハンドオーバー処理の開始若しくは完了、新たな中継装置からの電波の受信、新たな中継装置との通信の確立などを例示することができる。無線端末110の位置に関連するイベントは、最後にジオフェンスの設定処理が実行された時の無線端末110の位置と、無線端末110の現在位置との距離が、予め定められた値よりも大きいことであってもよい。
【0055】
無線端末110の位置に関連するイベントは、移動検出部232が、無線端末110のジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側への移動を検出したことであってもよい。無線端末110の位置に関連するイベントは、移動検出部232が、無線端末110のジオフェンス34で囲まれるエリアの内側から外への移動を検出したことであってもよい。ジオフェンス更新イベントは、通信環境取得部250が通信環境情報を取得したことであってもよい。ジオフェンス更新イベントは、予め定められた時刻の到来、予め定められた時間の経過であってもよい。
【0056】
エリア選択部218は、ジオフェンスを設定するエリアを選択する。エリア選択部218は、選択されたエリアの境界線上にジオフェンスを設定する。本実施形態において、エリア選択部218は、イベント検出部216から、イベント検出部216がジオフェンス更新イベントを検出したことを示す情報を受信する。エリア選択部218は、イベント検出部216からジオフェンス更新イベントの検出を示す情報を受信した場合に、予め定められた複数のエリアの中から、ジオフェンスを設定すべき1以上のエリアを選択する。
【0057】
例えば、エリア選択部218は、ジオフェンス更新イベントの検出時の無線端末110の位置又は無線端末110の現在位置と、エリア情報格納部212に格納された複数のエリアのそれぞれの位置とに基づいて、ジオフェンスを設定すべき1以上のエリアを選択する。エリア選択部218は、各エリアにおける通信環境情報の取得条件を参照して、通信環境情報を取得すべき1以上のエリアの中から、ジオフェンスを設定すべき1以上のエリアを選択してよい。
【0058】
一実施形態において、エリア選択部218は、ジオフェンス32を設定すべきエリアとして、予め定められた数のエリアを選択する。また、エリア選択部218は、ジオフェンス34を設定すべきエリアとして、予め定められた数のエリアを選択する。ジオフェンス34を設定すべきエリアの数は、ジオフェンス32を設定すべきエリアの数と同じであってもよく、ジオフェンス32を設定すべきエリアの数より多くてもよい。他の実施形態において、エリア選択部218は、ジオフェンス32又はジオフェンス34を設定すべきエリアとして、ジオフェンス更新イベントの検出時の無線端末110の位置又は無線端末110の現在位置と、エリアの中心との距離が、予め定められた値よりも小さいエリアを選択する。エリア選択部218は、ジオフェンス32又はジオフェンス34を設定すべきエリアとして、ジオフェンス更新イベントの検出時の無線端末110の位置又は無線端末110の現在位置と、エリアの境界との距離の最小値が、予め定められた値よりも小さいエリアを選択してもよい。
【0059】
位置情報取得部220は、無線端末110の位置情報を取得する。位置情報取得部220は、取得された位置情報を端末制御部230に送信する。位置情報取得部220は、位置情報の精度を示す情報を、位置情報とともに取得してよい。位置情報取得部220は、位置情報の精度を示す情報を、端末制御部230に送信してもよい。
【0060】
低精度測位部222は、高精度測位部224と比較して測位精度の低い測位方法により、無線端末110の位置情報を取得する。例えば、低精度測位部222は、無線端末110の通信を中継する中継装置12の位置情報を利用して、無線端末110の位置情報を取得する。
【0061】
高精度測位部224は、低精度測位部222と比較して測位精度の高い測位方法により、無線端末110の位置情報を取得する。例えば、高精度測位部224はGPS信号又は近距離無線信号を利用して、無線端末110の位置情報を取得する。
【0062】
端末制御部230は、無線端末110の各部を制御する。例えば、端末制御部230は、低精度測位部222及び高精度測位部224による位置情報の取得処理を制御する。端末制御部230は、通信環境取得部250による通信環境情報の取得処理を制御する。
【0063】
移動検出部232は、無線端末110の移動を検出する。本実施形態において、移動検出部232は、無線端末110の移動ルートと、ジオフェンスとが交差したことを検出する。例えば、移動検出部232は、低精度測位部222により取得された位置情報に基づいて、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを検出する。移動検出部232は、低精度測位部222により取得された位置情報に基づいて、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの内側から外側に移動したことを検出する。移動検出部232は、高精度測位部224により取得された位置情報に基づいて、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを検出する。移動検出部232は、高精度測位部224により取得された位置情報に基づいて、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの内側から外側に移動したことを検出する。
【0064】
移動検出部232は、無線端末110の移動ルートと、ジオフェンスとが交差したことを検出した場合、その旨を示す情報を、ジオフェンス設定部210、測位制御部234及び通信環境取得部250の少なくとも1つに送信する。例えば、移動検出部232は、無線端末110が、ジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを検出した場合、その旨を示す情報を、測位制御部234に送信する。移動検出部232は、無線端末110が、ジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを検出した場合、その旨を示す情報を、測位制御部234に送信する。移動検出部232は、無線端末110が、ジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを検出した場合、その旨を示す情報を、ジオフェンス設定部210に送信してもよい。
【0065】
測位制御部234は、位置情報取得部220を制御する。測位制御部234は、移動検出部232から受信した情報に基づいて、位置情報取得部220を制御してよい。測位制御部234は、位置情報取得部220から取得した、位置情報の精度を示す情報に基づいて、位置情報取得部220を制御してもよい。
【0066】
一実施形態において、測位制御部234は、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを示す情報を受信した場合に、高精度測位部224に位置情報を取得させる。他の実施形態において、測位制御部234は、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを示す情報を受信した場合に、高精度測位部224による位置情報の取得頻度を増加させる。
【0067】
測位制御部234は、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの内側から外側に移動したことを示す情報を受信した場合に、低精度測位部222に位置情報を取得させてもよい。このとき、測位制御部234は、高精度測位部224の機能を無効又はOFFにしてもよい。測位制御部234は、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの内側に存在する場合と比較して、高精度測位部224による位置情報の取得頻度を減少させてもよい。
【0068】
同様に、測位制御部234は、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことを示す情報を受信するまでの間、低精度測位部222に位置情報を取得させてもよい。この間、測位制御部234は、高精度測位部224の機能を無効又はOFFにしてもよい。測位制御部234は、無線端末110がジオフェンス32で囲まれるエリアの内側に存在する場合と比較して、高精度測位部224による位置情報の取得頻度を減少させてもよい。
【0069】
測位制御部234は、2以上の測位モジュールの中から、低精度測位部222及び高精度測位部224のそれぞれとして利用する測位モジュールを選択してもよい。測位制御部234は、低精度測位部222及び高精度測位部224により取得された位置情報の精度を示す情報に基づいて、低精度測位部222及び高精度測位部224のそれぞれとして利用する測位モジュールを選択してもよい。その結果、例えば、GPS信号を利用して無線端末110の位置情報を取得する測位モジュールが、無線端末110が屋外に存在するときには、高精度測位部224として利用され、無線端末110が屋内に存在するときには、低精度測位部222として利用される場合がある。
【0070】
移動速度取得部240は、無線端末110の移動速度を示す移動速度情報を取得する。移動速度取得部240は、取得された移動速度情報を、通信環境取得部250に送信する。移動速度取得部240は、取得された移動速度情報を、端末制御部230に送信してもよい。移動速度取得部240としては、加速度センサを例示することができる。
【0071】
通信環境取得部250は、通信環境情報を取得する。例えば、通信環境取得部250は、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことが検出された場合に、通信環境情報を取得する。通信環境取得部250は、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側に移動したことが検出され、且つ、無線端末110の移動速度が予め定められた値より小さい場合に、通信環境情報を取得してもよい。
【0072】
本実施形態において、通信環境取得部250は、ジオフェンス34で囲まれるエリアの外側から内側への無線端末110の移動が検出されたことを示す情報を、移動検出部232から受信する。また、通信環境取得部250は、移動速度取得部240から、無線端末110の移動速度情報を取得する。通信環境取得部250は、移動速度情報に基づいて、無線端末110の移動速度が予め定められた値よりも小さいか否かを判断する。
【0073】
本実施形態において、通信環境取得部250は、エリア情報格納部212を参照して、ジオフェンス34で囲まれたエリアにおける通信環境情報の取得条件を抽出する。通信環境取得部250は、抽出された取得条件に従って、ジオフェンス34で囲まれたエリアにおける通信環境情報を取得する。
【0074】
例えば、通信環境取得部250は、ジオフェンス34で囲まれたエリアにおける通信環境情報の取得処理を、抽出された取得条件により示される回数だけ繰り返す。通信環境取得部250は、ジオフェンス34で囲まれたエリアにおける通信環境情報の取得処理を、抽出された取得条件により示される頻度で繰り返してもよい。
【0075】
通信環境取得部250は、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側に存在する場合、予め定められた取得条件に従って、通信環境情報を取得してよい。通信環境取得部250は、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリアの外側に存在する場合、通信環境情報を取得しなくてもよい。
【0076】
通信環境取得部250は、無線端末110の通信環境を示す通信環境情報と、当該通信環境情報が取得された時の無線端末110の位置を示す位置情報とを対応付けて、情報収集サーバ120に送信する。通信環境取得部250は、(a)無線端末110の通信環境を示す通信環境情報と、(b)当該通信環境情報が取得された時の無線端末110の位置を示す位置情報と、(c)無線端末110の端末識別情報、及び、当該通信環境情報が取得された時刻又は時間区分を示す取得時間情報の少なくとも一方とを対応付けて、情報収集サーバ120に送信してもよい。時間区分としては、時間帯、曜日、休日、平日、及び、これらの組み合わせを例示することができる。通信環境取得部250は、少なくとも通信環境情報及び位置情報が対応付けられたログ情報を情報収集サーバ120に送信してもよい。
【0077】
通信環境取得部250がログ情報などを送信するタイミングは、特に制限されない。通信環境取得部250は、無線端末110がジオフェンス34で囲まれるエリア内に存在する間に、ログ情報などを情報収集サーバ120に送信してもよい。通信環境取得部250は、無線端末110がジオフェンス32又はジオフェンス34で囲まれるエリアを出た後で、ログ情報などを情報収集サーバ120に送信してもよい。
【0078】
図3は、情報収集サーバ120の一例を概略的に示す。本実施形態において、情報収集サーバ120は、ログ情報取得部310と、ログ情報格納部320と、サーバ制御部330とを備える。サーバ制御部330は、ログ情報監視部332と、制御信号生成部334と、制御信号送信部336とを備える。ログ情報取得部310は、収集部の一例であってよい。制御信号生成部334は、決定部の一例であってよい。制御信号送信部336は、送信部の一例であってよい。
【0079】
ログ情報取得部310は、1以上の無線端末110のそれぞれから、1以上のログ情報を取得する。ログ情報格納部320は、ログ情報取得部310により取得されたログ情報を格納する。サーバ制御部330は、情報収集サーバ120の各部を制御する。ログ情報監視部332は、ログ情報を監視する。
【0080】
一実施形態において、ログ情報監視部332は、エリアごとの通信環境情報の数を監視する。例えば、ログ情報監視部332は、ログ情報格納部320を参照して、エリアごとに、予め定められた期間における通信環境情報の数をカウントする。特定のエリアにおける通信環境情報の数が予め定められた値以上になると、ログ情報監視部332は、当該エリアのエリア識別情報を制御信号生成部334に通知する。ログ情報監視部332は、上記のエリア識別情報と、当該エリアにおける通信環境情報の数が予め定められた値以上になったことを示す情報とを通知してもよい。
【0081】
他の実施形態において、ログ情報監視部332は、エリアごとの通信環境情報の数の増加速度を監視する。例えば、ログ情報監視部332は、ログ情報格納部320を参照して、エリアごとに、予め定められた期間における通信環境情報の数の増加速度を算出する。特定のエリアにおける通信環境情報の数の増加速度が予め定められた値以上になると、ログ情報監視部332は、当該エリアのエリア識別情報を制御信号生成部334に通知する。ログ情報監視部332は、上記のエリア識別情報と、当該エリアにおける通信環境情報の数の増加速度が予め定められた値以上になったことを示す情報とを通知してもよい。予め定められた期間における通信環境情報の数の増加速度は、例えば、予め定められた期間に増加した通信環境情報の数を、予め定められた期間の時間で割ることで算出される。
【0082】
ログ情報監視部332が、制御信号生成部334に情報を通知する条件は、上記の条件に限定されない。ログ情報監視部332は、特定のエリアにおける通信環境情報の数が予め定められた値以上であり、通信環境情報の数の増加速度が予め定められた値以上である場合に、当該エリアのエリア識別情報を制御信号生成部334に通知してもよい。
【0083】
制御信号生成部334は、無線端末110を制御する制御信号を生成する。制御信号生成部334は、予め定められた1以上のエリアのうちの少なくとも1つのエリアにおける通信環境情報の取得条件を決定してよい。通信環境情報の取得条件は、取得する通信環境情報の種類、通信環境情報の取得位置、通信環境情報を取得する時刻又は時間区分、及び、通信環境情報の取得数の少なくとも1つに関する条件又は設定であってよい。
【0084】
制御信号生成部334は、例えば、ログ情報監視部332から通知された情報に基づいて、通信環境情報の取得条件を変更するか否かを決定してよい。制御信号生成部334は、予め定められた1以上のエリアのうちの少なくとも1つのエリアにおける通信環境情報の取得条件の変更を決定してもよい。一実施形態において、制御信号生成部334は、特定のエリアにおける通信環境情報の数及び当該通信環境情報の数の増加速度の少なくとも一方が予め定められた値以上になったことを示す情報を、ログ情報監視部332から受信した場合に、通信環境情報の取得条件を変更することを決定する。
【0085】
他の実施形態において、制御信号生成部334は、予め定められた時刻に、又は、予め定められた時間間隔で、通信環境情報の取得条件を新たに決定する。例えば、制御信号生成部334は、通信環境情報の取得数の目標値と、その時点における当該取得数と、その時点における当該取得数の増加速度及び過去における当該取得数の増加速度の少なくとも一方とに基づいて、予め定められた1以上のエリアのうちの少なくとも1つのエリアにおける通信環境情報の取得条件を新たに決定する。制御信号生成部334は、新たに決定された取得条件及び現在の取得条件を比較して、両者が相違する場合に、予め定められた1以上のエリアのうちの少なくとも1つのエリアにおける通信環境情報の取得条件の変更を決定してよい。
【0086】
制御信号生成部334は、特定の無線端末110の取得条件を変更することを決定してもよい。特定の無線端末110は、無線端末110の現在位置、特定の時刻又は期間における無線端末110の位置、無線端末110の機種、無線端末110のOS、無線端末110にインストールされているアプリケーションなどに基づいて決定されてよい。これにより、例えば、制御信号がPUSH通知により送信された場合であっても、当該制御信号を受信した無線端末の側で、当該無線端末が、当該制御信号による制御の対象となるか否かを決定することができる。
【0087】
制御信号生成部334は、決定された取得条件を示す制御信号を生成する。制御信号は、制御信号生成部334により決定された取得条件の変更を指示する信号であってもよい。制御信号生成部334は、生成された制御信号を制御信号送信部336に送信する。
【0088】
本実施形態において、制御信号生成部334は、ログ情報監視部332から受信した情報に基づいて、予め定められた1以上のエリアのうちの少なくとも1つのエリアにおける通信環境情報の取得条件を決定する。例えば、制御信号生成部334は、各エリアにおいて取得されるべき通信環境情報の数と、各エリアにおいて取得された通信環境情報の数及び各エリアにおける通信環境情報の数の増加速度の少なくとも一方とに基づいて、各エリアの通信環境情報の取得条件を決定する。
【0089】
一実施形態において、制御信号生成部334は、特定のエリアにおいて取得された通信環境情報の数が、当該エリアにおいて取得されるべき通信環境情報の数の設定値よりも少ない場合に、当該エリアにおける通信環境情報の取得の頻度を増加させることを決定する。他の実施形態において、制御信号生成部334は、特定のエリアにおいて取得された通信環境情報の数が、当該エリアにおいて取得されるべき通信環境情報の数の設定値以上である場合に、当該エリアにおける通信環境情報の取得を停止すること、又は、当該エリアの地理的範囲を狭くすることを決定する。
【0090】
他の実施形態において、制御信号生成部334は、予め定められた第1の期間に特定のエリアにおいて取得されるべき通信環境情報の数と、1以上の無線端末110が、第2の期間に当該エリアにおいて取得した通信環境情報の数及び当該通信環境情報の数の増加速度の少なくとも一方とに基づいて、第3の期間の当該エリアにおける通信環境情報の取得回数及び取得頻度、並びに、当該エリアの地理的範囲の少なくとも1つを変更することを決定する。第2の期間は、第1の期間に含まれてもよく、第1の期間よりも前の期間であってもよい。第3の期間は、第1の期間に含まれてもよい。第3の期間は、第2の期間よりも後の期間であってもよい。第2の期間及び第3の期間は、予め定められた期間であってもよい。
【0091】
制御信号送信部336は、制御信号生成部334により生成された制御信号を、1以上の無線端末110に送信する。制御信号送信部336は、情報収集システム100により管理される全ての無線端末に制御信号を送信してもよく、情報収集システム100により管理される1以上の無線端末のうちの一部に制御信号を送信してもよい。制御信号の送信方法は、特に限定されない。例えば、制御信号送信部336は、PUSH通知により制御信号を送信する。
【0092】
図4は、データテーブル400の一例を概略的に示す。本実施形態において、データテーブル400は、エリアID410と、エリア名称420と、エリア位置430と、エリア内における通信環境情報の取得回数440とを対応付けて格納する。エリアID410及びエリア名称420の少なくとも一方は、エリア識別情報の一例であってよい。取得回数440は、通信環境情報の取得条件の一例であってよい。
【0093】
本実施形態において、エリア位置430は、中心位置432及び半径434を用いて表現される。中心位置432は、例えば、緯度及び経度により特定される。中心位置432は、緯度、経度及び高度により特定されてもよい。中心位置432は、住所又は施設を識別する情報により特定されてもよい。エリアの形状が多角形である場合、エリア位置430は、多角形の各頂点の緯度及び経度、又は、緯度、経度及び高度により特定されてよい。エリア位置430は、多角形の各頂点の住所又は施設を識別する情報により特定されてもよい。
【0094】
他の実施形態によれば、エリア位置430は、地域を予め定められた大きさ及び形状を有する単位領域で細分化した区画(地域メッシュなどと称される場合がある。)により特定される。例えば、エリア位置430は、少なくとも一部がエリア位置430に含まれるメッシュの識別情報、エリア位置430の少なくとも一部を含むメッシュの識別情報などにより特定される。
【0095】
図4において、エリア内における通信環境情報の取得回数440が特に設定されていない場合、「None」と表記している。エリア内における通信環境情報の取得回数440が「0回」の場合、当該レコードをデータテーブル400から削除してもよい。なお、エリアIDがA0001、A0003、A0005及びA0007で示されるエリアは、ジオフェンス32で囲まれるエリアと同様の構成を有してよく、第1エリアの一例であってよい。エリアIDがA0002、A0004、A0006及びA0008で示されるエリアは、ジオフェンス34で囲まれるエリアと同様の構成を有してよく、第2エリアの一例であってよい。
【0096】
本実施形態において、データテーブル400が、エリアID410と、エリア内における通信環境情報の取得回数440とを対応付けて格納する場合について説明した。しかし、データテーブル400は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、エリア内における通信環境情報の取得回数440の代わりに、又は、エリア内における通信環境情報の取得回数440とともに、エリア内における通信環境情報の取得頻度と、エリアID410とを対応付けて格納してもよい。
【0097】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0098】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。