【実施例】
【0049】
実施例1. (3R、4R、5S)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチルメシル酸塩 1.6・CH
3SO
3Hの調製。 2,2−ジフルオロ酢酸3b(0.624g、0.0065mol、1.2当量)を、(3R、4R、5S)−4−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチル(2g、0.0054mol、1当量)、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール(0.867g、0.0065mol、1.2当量)、N
1−((エチルイミノ)メチレン)−N
2,N
2−ジメチルエタン−1,2−ジアミン塩酸塩(1.239g、0.0065mol、1.2当量)及びジイソプロピルエチルアミン(2.212g、0.0178mol、3.3当量)の、THF(20ml)中の溶液に滴下により加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌した。次いで溶媒を真空中で蒸発し、残留油を酢酸エチル中に溶解し、5%NaHCO
3溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして真空中で蒸発した。(3R、4R、5S)−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチル4bの収率は、89%(2.15g)である。LCMS(M+H):実測値449;計算値448.51。調製された生成物4b(2.15g、0.0048mol)を、塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸の10%溶液(20ml)中に溶解し、そして室温で12時間撹拌した。次いで溶媒を真空中で蒸発し、残留油を酢酸エチル中に溶解し、5%NaHCO
3溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして真空中で蒸発した。生成物の収率は、96%(1.605g)である。更なる精製を、溶出剤としての酢酸エチル/THFによるカラムクロマトグラフィーによって、又はヘキサンからの生成物の再結晶化によって行った。これにより、(3R、4R、5S)−5−アミノ−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチル5bを得て、これを塩化メチレン中に溶解し、そして当量のメタンスルホン酸を加えた。10分以内に溶媒を蒸発し、得られた生成物をヘキサンで洗浄し、そして真空中で蒸発した。メシル酸塩5b・CH
3SO
3Hの収率は、90%である。LCMS(M+H):実測値349;計算値348.39。
1H NMR(DMSO−d
6),400MHz:8.91(d,J=13.2Hz,1H),7.83(br,3H),6.74(s,1H),6.22(t,J=54Hz,1H),4.31(d,J=8.4Hz,1H),4.16(q,J=7.2Hz,2H),3.45(m,1H),3.15(dd,J
1=11.2Hz,J
2=8.8Hz,1H),2.59(dd,J
1=18Hz,J
2=6Hz,1H),2.38(m,1Н),2.31(s,3Н),1.66(m,1Н),1.57(m,1Н),1.47(m,1Н),1.39(m,1Н),1.22(t,J=7.6Hz,3H),0.891(t,J=7.2Hz,3H),0.842(t,J=7.2Hz,3H)。氷浴中で冷却された(3R、4R、5S)−5−アミノ−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチル5b(1.6g;0.004598mol;1当量)のDMF(16ml)中の溶液に、その後トリエチルアミン(2.57g;0.0253mol;5.5当量)、N,N’−ジ−boc−チオ尿素(0.00505mol;1.35g;1.1当量)及び塩化水銀(II)(0.0055mol;1.49g;1.2当量)を加えた。得られた混合物を氷浴で冷却しながら1.5時間撹拌した。反応が完結した後、固体をセライトを通して濾過し、DMFを真空中で蒸発し、残留油を酢酸エチル中に溶解し、5%NaHCO
3溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして真空中で蒸発した。これにより、1.82g(67%)の(3R、4R、5S)−5−((Z)−2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチル6bを得た。LCMS(M+H):実測値591;計算値590.67。(3R、4R、5S)−5−((Z)−2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチル6b(1.82g;0.00308mol)の、塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸の10%溶液(20ml)中の溶液を、室温で12時間撹拌した。次いで溶媒を真空中で蒸発し、残留油を酢酸エチル中に溶解し、5%NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして真空中で蒸発した。これにより、1.1g(92%)の(3R、4R、5S)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチル1.6を得た。調製した生成物の塩化メチレン中の溶液に、当量のメタンスルホン酸を加えた。10分以内に溶媒を蒸発し、生成物をヘキサンで洗浄し、そして真空中で乾燥した。これにより、(3R、4R、5S)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチルのメシル酸塩1.6・CH
3SO
3Hを得て、収率は95%である。LCMS(M+H):実測値391;計算値390.43。
1H NMR(DMSO−d
6),400MHz:8.67(d,J=8.4Hz,1H),7.63(d,J=9.6Hz,1H),6.65(s,1H),6.27(t,J=53.6Hz,1H),4.14(q,J=7.2Hz,2H),4.12(m,7H),3.54(m,1H),3.41(m,1H),2.6(m,1H),2.36(s,3H),1.66(m,1H),1.44(m,4H),1.22(t,J=7.2Hz,3H),0.856(t,J=7.6Hz,3H),0.795(t,J=7.6Hz,3H)。
【0050】
類似の方法で、化合物1.7−(3R、4R、5S)−5−グアニジノ−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸アリル(LCMS(M+H):実測値354;計算値353.44、(A/California/04/09ウイルスに対してIC
50<1nM)及び化合物1.8−(3R、4R、5S)−5−グアニジノ−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸プロパ−2−イニル(LCMS(M+H):実測値352;計算値351.42、(A/California/04/09ウイルスに対してIC
50<1nM)が、出発物質として(化合物2として)、それぞれ(3R、4R、5S)−4−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸アリル及び(3R、4R、5S)−4−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸プロパ−2−イニルを使用した場合に調製された。
【0051】
対応する(3R、4R、5S)−4−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸塩を出発物質(化合物2)として使用して、以下の化合物を調製した:
(3R、4R、5S)−5−グアニジノ−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸2−シクロヘキシル1.9(LCMS(M+H):実測値460;計算値459.55、A/California/04/09ウイルスに対してIC
50<1nM;
(3R、4R、5S)−5−グアニジノ−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸2−フェニルエチル1.10(LCMS(M+H):実測値454;計算値453.51、A/California/04/09ウイルスに対してIC
50<1nM;
(3R、4R、5S)−5−グアニジノ−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸2−ピリジン−3−イルエチル1.11(LCMS(M+H):実測値455;計算値454.49、A/California/04/09ウイルスに対してIC
50<1nM);
(3R、4R、5S)−5−グアニジノ−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸2−メトキシエチル1.12(LCMS(M+H):実測値422;計算値421.46、A/California/04/09ウイルスに対してIC
50<1nM)。
【0052】
実施例2. (3R、4R、5S)−4−(2−フルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチルのメシル酸塩1.3・CH
3SO
3Hを、アシル化剤としてモノフルオロ酢酸を使用して、実施例1に与えた方法によって調製した。LCMS(M+H):実測値373;計算値372.44。
【0053】
実施例3. (3R、4R、5S)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸1.4。 水酸化リチウムの5%溶液(2.5ml)を、(3R、4R、5S)−5−((Z)−2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸エチル6b(250mg)の、ジオキサン(5ml)中の溶液に加え、そして反応混合物を室温で45分間撹拌した。次いで、酢酸(30mcl)を加えることによって水酸化リチウムを不動態化し、そして溶媒を真空中で蒸発した。得られた固体をイソプロピルアルコールで抽出し、抽出物をNa
2SO
4で乾燥し、そして真空中で蒸発した。これにより、(3R、4R、5S)−5−((Z)−2,3−ビス(tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸8b(200mg、84%)を得た。LCMS(M+H):実測値563;計算値562.62。得られた酸8b(200mg)を、塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸の10%溶液(2ml)中に溶解し、そして室温で12時間撹拌した。次いで溶媒を真空中で蒸発した。(3R、4R、5S)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸1.4を、HPLC法によって分離した。LCMS(M+H):実測値363;計算値362.28。
1H NMR(DMSO−d
6),400MHz:8.68(d,J=8.4Hz,1H),7.6(d,J=10Hz,1H),7.26(br,2H),6.91(br,2H),6.63(s,1H),6.27(t,J=53.6Hz,1H),4.18(d,J=8Hz,2H),4.09(m,1H),3.54(q,J=10Hz,1H),3.39(m,2H),2.57(dd,J
1=18Hz,J
2=6Hz,1H),2.31(m,1H),1.44(m,4H),0.85(t,J=8Hz,3H),0.795(t,J=7.6Hz,3H)。
【0054】
実施例4. (3R、4R、5S)−4−(2−フルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸1.1を、実施例3に与えた方法によって調製した。LCMS(M+H):実測値345;計算値345。
1H NMR(DMSO−d
6),400MHz:8.16(d,J=10Hz,1H),7.56(d,J=9.6Hz,1H),6.64(s,1H),4.80(d,J=47.3Hz,2H),4.21(d,J=8.4Hz,1H),3.89(q,J=10.4Hz,1H),3.71(m,1H),2.67(m,1H),2.25(m,1H),1.42(m,4H),0.85(t,J=7.2Hz,3H),0.78(t,J=7.2Hz,3H)。
【0055】
実施例5. (3R、4R、5S)−4−(2−フルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸メチルのメシル酸塩1.2・CH
3SO
3Hを、(3R、4R、5S)−4−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸メチルを出発物質として、そしてモノフルオロ酢酸をアシル化剤として使用して、実施例1に与えた方法によって調製した。LCMS(M+H):実測値359;計算値358.42。
【0056】
実施例6. (3R、4R、5S)−4−(2,2−ジフルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸メチルのメシル酸塩1.5・CH
3SO
3Hを、(3R、4R、5S)−4−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸メチルを出発物質として、そしてジフルオロ酢酸をアシル化剤として使用して、実施例1に与えた方法によって調製した。LCMS(M+H):実測値373;計算値372.44。
【0057】
実施例7. 錠剤の形態の医薬組成物の調製。
【0058】
デンプン(1600mg)、顆粒化ラクトース(1600mg)、タルク(400mg)及び(3R、4R、5S)−4−(2−フルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸1.1(1000mg)を、注意深く一緒に混合し、そして塊状に圧縮した。調製した塊を顆粒に粉砕し、そして篩を通して篩にかけ、14−16番メッシュの大きさの顆粒を収集した。得られた顆粒をそれぞれ560mgの重量の適した形態の錠剤にペレット化した。
【0059】
実施例8. カプセルの形態の医薬組成物の調製。 (3R、4R、5S)−4−(2−フルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸1.1を、ラクトースの粉末と2:1の比で注意深く混合した。調製した粉末の混合物を、適した大きさのゼラチンカプセルに、それぞれ300mg充填した。
【0060】
実施例9. 筋肉内、腹腔内又は皮下注射のための注射の形態の医薬組成物の調製。 (3R、4R、5S)−4−(2−フルオロアセトアミド)−5−グアニジノ−3−(ペンタン−3−イルオキシ)シクロヘキセン−1−カルボン酸1.1(500mg)を、クロロブタノール(30mg)、プロピレングリコール(2ml)及び注射用水(100ml)と混合した。得られた溶液を、濾過し、そして1mlのアンプルに入れ、これを密封した。
【0061】
実施例10. 一般式1の化合物のインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼに対する活性の決定。 予備的な実験において、インフルエンザのA/California/07/09(H1N1)及びA/Aichi/2/69(H3N2)ウイルス、並びにオセルタミビル細胞培養液中で調製された耐性インフルエンザウイルスA/Vladivostok/16/09(H1N1)の尿膜ウイルスの株に対する実験希釈度を決定した。この目的のために、丸底の96ウェルプレート中で、反応緩衝混合物(RBM、50mMのMES、5mMのCaCl
2、pH6.5)で2倍に希釈された60μlのそれぞれのウイルスを調製した。このプレートから、50μlの2倍希釈されたウイルスを、蛍光測定(FluoroNunc,black,kat.No.237105)のために、平底の96ウェルプレートに移し、次いで等体積の基質緩衝液(SB、12.5mMの2’−(4−メチルウンベリフェリル)−α−D−N−アセチルノイラミン酸、Sigma、40mMの酢酸緩衝液pH=5.8)をこれに加えた。対照として、このウェルが使用され、これにはウイルスの代わりに50μlのRBMがそのそれぞれに加えられた。37°で1時間、穏やかに振盪しながらプレートをインキュベーションした後、100μlの停止溶液(2.225mLの11.0mLのエタノール中の0.824MのNaOH)をそれぞれのウェルに加え、これに続いて、Varioskan Flach(Thermo Scientific)装置を使用して、λ
ex=360nm及びλ
em=448nmで蛍光を測定した。更なる実験のために、蛍光の値に対するウイルス希釈度の影響曲線の直線部分の中間に対応するこれらのウイルス希釈度を選択した。抗ノイラミニダーゼ活性の決定のために、開示された化合物並びにその誘導体の式A2及びA4の希釈物(50μl、RBMで調製)を、蛍光測定(FluoroNunc,black,kat.No.237105)のための平底の96ウェルのBからHまでの列のウェルに加えた(使用した濃度−0.03;0.3;3;30;300;3000;30000nM−列のそれぞれの濃度)。A列のウェルをウイルスの対照として使用し、これにはウイルスの代わりに等体積(50μl)のRBMを加えた。次いで対応するウェルに、50μlの選択された実験希釈度のそれぞれのウイルス(RBM)を加えた。対照としてこのウェルを使用し、これにはウイルスの代わりに等体積のRBMを加えた。45分間の室温における撹拌及びインキュベーション後、全てのウェルに等体積のRBMを加えた。繰返しの1時間の37°におけるプレートの撹拌及びインキュベーション後、100μlの量の停止溶液をそれぞれのウェルに加えた。蛍光の測定を、Varioskan Flach(Thermo Scientific)装置を使用して、λ
ex=360nm及びλ
em=448nmで行った。全ての決定は、少なくとも二重(プレートの二つのウェル)で行った。一般式1の試験化合物によるノイラミニダーゼ活性の阻害のパーセントを、式:阻害%=100−(SUF実験−SUF対照/化合物の非存在のSUFウイルス対照−SUF対照)によって計算し、ここにおいて、SUFは、蛍光の基準単位である)。SUF値が50%減少される化合物の濃度を、阻害濃度50(IC
50)として採用した。
【0062】
実施例11. マウスのインフルエンザ肺炎のモデルに対する一般式1の化合物(1.1.、1.3.、1.4及び1.6)の抗インフルエンザ活性の調査。 事前秤量されたマウス(メス、非線形(non−linear)、平均体重12−15g)を、インフルエンザウイルスA/Aichi/2/69(H3N2)(50μl中の10×LD
50)で、軽いエーテル麻酔下の鼻腔内導入によって感染した。LD
50の決定は、その後の主実験において使用されるものと同じマウスを使用して尿膜ウイルス滴定による予備実験において行った。次のスキームによる処置を使用した:マウスに:感染の24時間及び1時間前に2回、感染後24時間目に、そして次いで続く5日間に一日1回注射した。経口投与のために、特別な針(洗浄)を持つ使い捨てのインスリンシリンジを使用した;次の投与量:100μlの体積中の25mg/kg/日のそれぞれの化合物の効果を調査した。参照化合物として、5mg/kg/日から30mg/kg/日までの範囲の投与量のタミフルを使用した。“ウイルス対照”の群、並びに一般式1の化合物又は式A3のタミフルで“化合物で処置された”マウスのそれぞれの群に、10匹のマウスが存在した。“処置された”及び対照のマウスは、毎日観察された;感染後の最初の5日間、これらは、毎日、更に1日−秤量された。マウスのインフルエンザ肺炎のモデルにおける化合物の化学療法活性を、致死性ウイルス感染に対する保護の指数、及び対照群のマウスの体重と比較した、試験化合物で処置されたマウスの群の体重の損失によって推定した。体重の低下又は増加を、それぞれのマウスに対して個々に計算し、そしてパーセントで表示した。感染の前のマウスの体重を100%として採用した。一つの群の全てのマウスに対して、体重損失並びに体重獲得の平均パーセントを決定した。
【0063】
予備実験において、100μlの体積中に10×LD
50を含有するウイルスの投与量を決定した。次いで群の全てのマウスをこの投与量で感染した。マウスのインフルエンザ肺炎のモデルに対する一般式1の化合物の有効性を、ウイルス感染後に生存したマウスの数によって、感染されたマウスの平均生存時間及び体重の変化の平均によって推定した。
【0064】
観察の7日目に、ウイルスで感染し、そして試験化合物で処置されなかった(“ウイルス対照”群)全てのマウスが死亡したことが見いだされた。
【0065】
実験は、“ウイルス対照”群の最後のマウスが死んだ時点までに、一般式1の化合物及びタミフルで処置された(“化合物で処置された”)マウスの死が、完全に防止されたことを示した。
【0066】
一般式1の試験化合物及び式A3のタミフルの抗インフルエンザ作用は、“ウイルス対照”の群と比較して“処置されたマウス”の群の体重損失を減速することである。マウスの体重損失は、インフルエンザ肺炎の臨床的暗示の一つである。疾病の更に重篤な経過は、常にマウスのより大きい体重損失によって伴われる。マウスの秤量は、感染後1、2、3、4及び5日目に、次いで一日おきに観察の15日目まで行われた。“ウイルス対照”群のマウスにおいて、最大の体重損失は、感染後5日目に観察されたことが見いだされた(約10%)。“ウイルス対照”群のマウスとは対照的に、一般式1の化合物及びタミフルで処置されたマウスは、平均的に体重を損失しなかった。“処置された群”の全てのマウスは、9日目から始まって大幅に、そして着実に体重を獲得した。
【0067】
従って、マウスのインフルエンザ肺炎の治療における式1.1、1.3、1.4、及び1.6の化合物の高い効率が示されている。