特許第6034961号(P6034961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブリヂストン バンダッグ リミティッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

特許6034961シェアログラフィック撮像マシン及び方法
<>
  • 特許6034961-シェアログラフィック撮像マシン及び方法 図000002
  • 特許6034961-シェアログラフィック撮像マシン及び方法 図000003
  • 特許6034961-シェアログラフィック撮像マシン及び方法 図000004
  • 特許6034961-シェアログラフィック撮像マシン及び方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034961
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】シェアログラフィック撮像マシン及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20161121BHJP
   G01B 9/02 20060101ALN20161121BHJP
   G01B 11/24 20060101ALN20161121BHJP
【FI】
   B60C19/00 H
   !G01B9/02
   !G01B11/24 D
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-515245(P2015-515245)
(86)(22)【出願日】2013年5月31日
(65)【公表番号】特表2015-523262(P2015-523262A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2013043640
(87)【国際公開番号】WO2013181550
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2014年12月4日
(31)【優先権主張番号】61/654,475
(32)【優先日】2012年6月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/906,823
(32)【優先日】2013年5月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511250622
【氏名又は名称】ブリヂストン バンダッグ リミティッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Bridgestone Bandag, LLC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エス リンゼイ
【審査官】 田々井 正吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−031242(JP,A)
【文献】 特開2003−161673(JP,A)
【文献】 米国特許第02900007(US,A)
【文献】 特開2001−066259(JP,A)
【文献】 実開昭61−102857(JP,U)
【文献】 特開2008−203258(JP,A)
【文献】 特開2001−174224(JP,A)
【文献】 特開2001−232695(JP,A)
【文献】 米国特許第05373729(US,A)
【文献】 特開2008−304214(JP,A)
【文献】 特開平09−126935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 19/00
G01B 9/02
G01B 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ又はケーシングの検査マシンであって、
筐体内に形成された密閉可能なエンクロージャであって、前記エンクロージャ内に配置されたタイヤ又はケーシングの検査時に、陽ゲージ圧及び/又は真空に選択的にさらされるように適合された密閉可能なエンクロージャと、
前記密閉可能なエンクロージャ内に配置され、前記筐体の一部に連結されたテーブルであって、前記テーブル上に配置された前記タイヤ又はケーシングのビード孔と位置合わせされるように適合された開口部を有するテーブルと、
前記筐体に連結され、前記テーブルの開口部の中心線と一直線上にあるように前記密閉性のエンクロージャ内に配置されたシェアログラフィックアセンブリであって、前記テーブル上に配置された前記タイヤ又はケーシングの複数の部分を様々な視点から走査することができるように、前記テーブルの前記開口部の中心に一致する長手方向に延在するマシン中心線に前記タイヤ又はケーシングの前記ビード孔の中心を合わせた状態で、前記テーブルに対して前記開口部を貫通して突出するように選択的に移動可能かつ開口部の前記中心線に関して回転可能であるシェアログラフィックアセンブリと、
前記テーブルに関連付けられ、互いに平行に延在する少なくとも2本のコンベヤストリップであって、前記テーブル上に配置された前記タイヤ又はケーシングの上側壁部及び下側壁部が前記シェアログラフィックアセンブリに対して視認可能であることを妨げないように寸法決め及び前記テーブル上で位置決めされ、前記マシンに対して前記タイヤ又はケーシングを搬送し、選択的に移動させるように適合された少なくとも2本のコンベヤストリップと、を備えるタイヤ又はケーシングの検査マシン。
【請求項2】
前記筐体は、縁を有する上側シェル及び縁を有する下側シェルを含み、前記上側シェルと前記下側シェルとが閉位置にある時、前記それぞれの縁が密閉可能に係合するとそれらの内側に前記密閉可能なエンクロージャが画定されるように、前記上側シェルは前記下側シェルにヒンジ式に連結される、請求項1に記載のタイヤ又はケーシングの検査マシン。
【請求項3】
前記シェアログラフィックアセンブリ及び前記少なくとも2本のコンベヤストリップに関連付けられたコントローラと、
前記テーブルに対する前記タイヤ又はケーシングの位置を感知し、前記位置を示す信号を前記コントローラへ提供するために配置されたセンサと、を更に備え、
前記コントローラは、前記タイヤ又はケーシングを搬送するために前記少なくとも2本のコンベヤストリップを駆動させることによって前記ビード孔が前記テーブルにおける開口部に実質的に位置合わせされるように前記タイヤ又はケーシングを位置決めするように作動し、また前記タイヤ又はケーシングを走査するために前記シェアログラフィックアセンブリが前記テーブルを突き抜けて前記ビード孔内に配置されるように前記シェアログラフィックアセンブリを駆動させるように作動する、請求項1に記載のタイヤ又はケーシングの検査マシン。
【請求項4】
前記筐体に隣接して配置され、前記タイヤ又はケーシングを載置し前記少なくとも2本のコンベヤストリップに供給するように適合された送入コンベヤを更に備える、請求項1に記載のタイヤ又はケーシングの検査マシン。
【請求項5】
前記送入コンベヤに沿って配置されたセンタリング装置を更に備え、
前記センタリング装置は、前記少なくとも2つのストリップコンベヤによって画定される長手方向の移動と垂直に交わる短手方向において様々な直径のタイヤ又はケーシングを位置合わせするように構成される、請求項4に記載のタイヤ又はケーシングの検査マシン。
【請求項6】
前記センタリング装置は、
2本の位置調整アームと、
末端が互いの末端と前記2本の位置調整アームのそれぞれ1本とに軸支され全体でM字型を形成する2つのリンケージであって、前記2本の位置調整アームの末端における前記M字型の基点が前記送入コンベヤのフレームに軸支される2つのリンケージと、
タイヤ又はケーシングが長手方向に沿って前記2本の位置調整アームの間を通過する時、前記2本の位置調整アームが協働して前記タイヤ又はケーシングに作用し、前記テーブルの開口部の中心に一致する長手方向に延在するマシン中心線に前記タイヤ又はケーシングの中心を合わせるために前記タイヤ又はケーシングの位置を短手方向に沿って調整するように、前記2つのリンケージと前記フレームとの間に連結された弾性要素と、を備える、請求項5に記載のタイヤ又はケーシングの検査マシン。
【請求項7】
前記シェアログラフィックアセンブリは、前記テーブル上に配置された前記タイヤ又はケーシングの両側壁部が、前記マシン内で前記タイヤ又はケーシングを移動または反転させることなく走査可能であるように、前記テーブルに対して2つの異なる高さで作動するように構成される、請求項1に記載のタイヤ又はケーシングの検査マシン。
【請求項8】
長手方向に沿って互いに平行に配置された4本のコンベヤストリップを備え、前記4本のコンベヤストリップの各々は、
少なくとも1つがモータによって駆動される2つ以上のローラの周囲を通るベルトを備え、
前記テーブルは、外周を画定する略円形の形状を有し、
各コンベヤストリップが、前記テーブルのタイヤが面する表面の上を縦断するエンドレスなコンベヤとして機能するように、前記ローラは、前記テーブルの外周に隣接して実装され、
前記4本のコンベヤストリップは、作動中、同じ方向及び速度で移動するように構成される、請求項1に記載のタイヤ又はケーシングの検査マシン。
【請求項9】
密閉可能なエンクロージャを有する検査マシンに隣接したタイヤを載置するステップと、
検査サイクルが開始されると、前記タイヤを前記検査マシンに向かって自動的に進ませるステップと、
前記タイヤが前記検査マシンに向かって進められる間、前記検査マシンに対して短手方向において前記タイヤを位置合わせするステップと、
テーブル開口部を有する検査テーブル上に前記タイヤを収容するために前記密閉可能なエンクロージャを開くステップと、
前記テーブル開口部に対して短手方向に位置合わせされた状態で前記タイヤを前記検査テーブル上に収容し、前記密閉性のエンクロージャを閉じる、ステップと、
前記テーブル上のタイヤを長手方向に搬送するステップであって、前記テーブル上に前記長手方向に沿って互いに平行に配置された少なくとも2本のコンベヤストリップを作動させるステップを含む、ステップと、
前記テーブル開口部に対する前記タイヤの長手方向の位置を感知し、前記タイヤを前記テーブル開口部に長手方向に位置合わせされるまで十分に前記タイヤを搬送する、ステップと、
前記タイヤが前記テーブル開口部と長手方向及び短手方向に位置合わせされた時、前記タイヤを検査するための検査装置を駆動させるステップとを備える方法。
【請求項10】
前記タイヤの長手方向の位置を感知するステップは、コントローラへ位置信号を提供するセンサによって行われ、前記テーブル上のタイヤを長手方向に搬送するステップは、前記タイヤを前記テーブル開口部に長手方向に位置合わせすることが前記位置信号に基づいて実行されるように前記コントローラの作動によって行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記検査サイクル中、前記密閉可能なエンクロージャを陽ゲージ圧又は真空にさらすステップを更に備える、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記検査装置はシェアログラフィック検査装置であり、
前記タイヤが前記テーブル開口部と位置合わせされると、前記テーブルを通し前記テーブルに垂直な軸に沿って前記シェアログラフィック検査装置を持ち上げるステップと、
前記タイヤを全体的に走査するために前記軸に関して前記シェアログラフィック検査装置を回転させるステップとを更に備える請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記検査装置を駆動させるステップは、前記テーブルに対して第1の高さと第2の高さとにおいて行われ、前記第1の高さは、前記タイヤの2つの側壁のうちの一方に対する視線を提供し、前記第2の高さは、前記検査装置に対する前記タイヤの2つの側壁のうちの他方に対する視線を提供し、前記検査装置を回転させるステップは、前記検査サイクル中に前記タイヤを移動又は反転させることなく前記タイヤを完全に走査するために前記第1及び第2の高さのそれぞれについて繰り返される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
記少なくとも2本のコンベヤストリップは、少なくとも1つがモータによって駆動される2つ以上のローラの周囲を通るベルトを備え、
前記テーブルは、外周を画定する略円形の形状を有し、
前記ローラは、各コンベヤストリップが、前記テーブルのタイヤに面する表面の上を縦断するエンドレスなコンベヤとして機能するように、前記テーブルの外周に隣接して実装され、
前記少なくとも2本のコンベヤストリップは、作動中、同じ方向及び速度で移動するように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記密閉性のエンクロージャは筐体内に画定され、前記筐体は、縁を有する上側シェル及び縁を有する下側シェルを含み、前記上側シェルと前記下側シェルとが閉位置にある時、前記それぞれの縁が密閉可能に係合するとそれらの内側に前記密閉性のエンクロージャが画定されるように、前記上側シェルは前記下側シェルにヒンジ式に連結される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記タイヤを前記長手方向に位置合わせするステップは、前記マシンに関連付けられた送入コンベヤに沿って配置されたセンタリング装置を用いて行われ、前記センタリング装置は、前記長手方向に対して垂直に交わる前記短手方向において様々な直径のタイヤ又はケーシングを位置合わせするように構成される、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記センタリング装置は、
2本の位置調整アームと、
末端が互いの末端と前記2本の位置調整アームのそれぞれ1本とに軸支され全体でM字型を形成する2つのリンケージであって、前記2本の位置調整アームの末端における前記M字型の基点が前記送入コンベヤのフレームに軸支される2つのリンケージと、
前記長手方向に沿って前記2本の位置調整アームの間をタイヤ又はケーシングが通過する時、前記2本の位置調整アームが協働して前記タイヤ又はケーシングに作用し、前記テーブルの開口部の中心に一致する長手方向に延在するマシン中心線に前記タイヤ又はケーシングの中心を合わせるために前記タイヤ又はケーシングの位置を短手方向に調整するように、前記2つのリンケージと前記フレームとの間に連結された弾性要素とを備える請求項16に記載の方法。
【請求項18】
筐体内に形成されたエンクロージャであって、前記エンクロージャ内に配置されたタイヤ又はケーシングの検査時に、気圧又は真空に選択的にさらされるように適合され、それぞれの縁に沿って密閉可能に係合するドーム状の上部分と略円筒状の下部分とを有するエンクロージャと、
前記筐体内に配置された一般的に円形のテーブルであって、前記テーブル上に配置された前記タイヤ又はケーシングのビード孔と位置合わせされるように適合される中央開口部を有し、前記エンクロージャの略円筒状である下部分の縁と同一平面上にあるテーブルと、
前記筐体に連結され前記エンクロージャ内に配置されたシェアログラフィックアセンブリであって、前記中央開口部の中心線と一直線上にあり、前記テーブルの前記中央開口部の中心に一致する長手方向に延在するマシン中心線に前記タイヤ又はケーシングの前記ビード孔の中心を合わせた状態で、前記テーブルに対して前記中央開口部を貫通して突出するように移動可能であり、前記テーブル上に配置された前記タイヤ又はケーシングの複数の部分を様々な視点から走査することができるように前記中心線に関して回転可能であるシェアログラフィックアセンブリと、
前記テーブルに関連付けられ、互いに平行に延在する4本のコンベヤストリップであって、前記テーブル上に配置された前記タイヤ又はケーシングの上側壁部及び下側壁部が前記シェアログラフィックアセンブリに対して視認可能であることを妨げないように寸法決め及び前記テーブル上で位置決めされ、前記マシンに対して前記タイヤ又はケーシングを搬送し選択的に移動させるように適合された4本のコンベヤストリップと、
前記筐体に隣接して配置され、前記4本のコンベヤストリップに前記タイヤ又はケーシングを載置及び供給する送入コンベヤと、
前記送入コンベヤに沿って配置され、前記4本のコンベヤストリップによって画定される長手方向の移動に対して垂直に交わる短手方向において前記タイヤ又はケーシングを位置合わせするように構成されたセンタリング装置と、
前記シェアログラフィックアセンブリ及び前記4本のコンベヤストリップに関連付けられたコントローラと、
前記テーブルに対する前記タイヤ又はケーシングの位置を感知し、前記位置を示す信号を前記コントローラへ提供するように配置されたセンサと、を備え、
前記コントローラは、前記タイヤ又はケーシングを搬送するために前記4本のコンベヤストリップを駆動させることによって前記ビード孔が前記テーブルの中央開口部に実質的に位置合わせされるように前記タイヤ又はケーシングを位置決めし、前記シェアログラフィックアセンブリが前記タイヤ又はケーシングを走査するために前記テーブルを突き抜けて前記ビード孔内に配置されるように前記シェアログラフィックアセンブリを駆動させるように配置される、シェアログラフィック検査マシン。
【請求項19】
前記センタリング装置は、
2本の位置調整アームと、
末端が互いの末端と前記2本の位置調整アームのそれぞれ1本とに軸支され全体でM字型を形成する2つのリンケージであって、前記2本の位置調整アームの末端における前記M字型の基点が前記送入コンベヤのフレームに軸支される2つのリンケージと、
前記長手方向に沿って前記2本の位置調整アームの間をタイヤ又はケーシングが通過する時、前記2本の位置調整アームが協働して前記タイヤ又はケーシングに作用し、前記テーブルの中央開口部の中心線に交差する長手方向に延在するマシン中心線に前記タイヤ又はケーシングの中心を合わせるために前記タイヤ又はケーシングの位置を短手方向に調整するように、前記2つのリンケージと前記フレームとの間に連結された弾性要素とを備える、請求項18に記載のシェアログラフィック検査マシン。
【請求項20】
前記シェアログラフィックアセンブリは、前記テーブル上に配置された前記タイヤ又はケーシングの両側壁部が、前記マシン内で前記タイヤ又はケーシングを移動又は反転させることなく走査可能であるように、前記テーブルに対して2つの異なる高さで作動するように構成された、請求項18に記載のシェアログラフィック検査マシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2012年 6月1日出願の米国特許仮出願第61/654,475号の利益を主張し、同出願は本参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に物品を検査するための装置に関し、より詳細には、タイヤの再トレッディング工程の一部としてタイヤ又はタイヤケーシングを検査するためのシェアログラフィックマシン(shearographic machine)に関する。
【背景技術】
【0003】
一般にシェアログラフィと呼ばれる処理であるシェアリング干渉法の技術においては、干渉画像を形成するために同一の被写体の横方向に配置された2つの画像の干渉が生じる。従来のシェアログラフィック法は、被写体が応力を受けていない状態(又は第1の応力を受けた状態)にある間に第1の干渉画像(又はベースライン画像)を撮像し、被写体が第2の応力を受けた状態にある間に別の干渉画像を撮像することを含む。例えば、画像減算法によってこれら2つの干渉画像を比較することにより、シェアログラムと呼ばれる1つの画像中に、複合タイヤ又はケーシング材料における何らかの不具合の存在に関する情報が明らかになる。具体的には、シェアログラフィは、車両のタイヤ、特に踏面を付け直した車両のタイヤにおける不具合を検出するために役立つことが示されてきた。
【0004】
従来の電子シェアログラフィマシンでは、タイヤ又はタイヤのケーシングは、検査テーブルの上にロードされる。テーブルは、ケーシングの中央開口部の内側でテーブルに対して持ち上げられることができ且つタイヤの全表面の検査を可能にするためにタイヤに対して回転することができる放射発光部と受光部とのアセンブリを含んでよい。一般に、シェアログラフィマシンは、タイヤに対して真空が適用されるようにタイヤを包囲することができるチャンバを含む。例えば物質層の分離のような多くのタイヤの不具合は、タイヤ材料内への空気の混入を生じさせる。この空気の混入によって、タイヤがエンクロージャの中で真空にさらされた場合は隆起が現れ、陽ゲージ圧にさらされた場合は凹みが現れる。その後これらの隆起又は凹みがシェアログラフィックプロセスによって検出されうる。周知のシェアログラフィックマシンの一例は、参照によって全体が本明細書に組み込まれた米国特許第6,791,695(‘695号特許)に記載されている。
【0005】
例えば‘695特許において説明されたマシンのような典型的なシェアログラフィック検査マシンにおいて、検査プロセス中にタイヤを収納するためにクラムシェル型の筐体が用いられる。クラムシェルを開いて、タイヤをマシンの内外へ積み下ろしすることは、クラムシェルのエンクロージャの内外へ傾く可動式トレイにタイヤを置くことを含む。可動式トレイは、タイヤの様々な表面とシェアログラフィック発光部/受光部との間の適切な距離を提供するために、エンクロージャ内でタイヤを中心に据える又は他のように位置決めするピンを含む。トレイがエンクロージャの外側へ傾くと、操作者は手動でタイヤをトレイから積み下ろしする。
【0006】
周知の検査マシンでは、各タイヤのマシンにロードしてからマシンからアンロードするまでの操作時間は、40秒から数分を要する可能性がある。この間、検査マシンはタイヤを検査するために作動していないので、マシンに関して比較的長い「無駄な」時間及び比較的低い検査率スループットが生じうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、本開示は、タイヤ又はケーシング検査マシンを記載する。検査マシンは、筐体内に形成された密閉可能なエンクロージャを含む。密閉可能なエンクロージャは、密閉可能なエンクロージャ内に配置されたタイヤ又はケーシングをシェアログラフィによって検査する時、陽ゲージ圧及び/又は真空に選択的にさらされるように適合される。密閉可能なエンクロージャ内に配置されたテーブルは、筐体の一部に連結され、テーブル上に配置されたタイヤ又はケーシングのビード孔と位置合わせされるように適合された開口部を有する。シェアログラフィックアセンブリは、筐体に連結され、テーブルの開口部と一直線上にあるように密閉可能なエンクロージャ内に配置される。シェアログラフィックアセンブリは、テーブルに対して開口部を貫通して突出するように選択的に移動可能且つテーブル上に配置されたタイヤ又はケーシングの複数の部分を様々な視点から走査することができるように開口部の中心線に関して回転可能である。少なくとも2本のコンベヤストリップは、互いに平行に延在し、テーブルに関連付けられる。少なくとも2本のコンベヤストリップは、テーブル上に配置されたタイヤ又はケーシングの上側壁部及び下側壁部がシェアログラフィックアセンブリに対して視認可能であることを妨げないように寸法決め及びテーブル上で位置決めされる。少なくとも2本のコンベヤストリップは、マシンに対してタイヤ又はケーシングを搬送し選択的に移動させるように適合される。
【0008】
別の態様において、本開示は、タイヤ又はケーシングを検査するための方法を記載する。方法は、密閉可能なエンクロージャを有する検査マシンに隣接したタイヤを載置することを含む。タイヤは、検査サイクルが開始されると、検査マシンに向かって自動的に進められる。タイヤは、検査マシンに向かって進められる間、検査マシンに対して短手方向に位置合わせされる。テーブル開口部を有する検査テーブル上にタイヤを収容するために、密閉可能なエンクロージャが開かれる。タイヤは、テーブル開口部に対して短手方向に位置合わせされた状態で検査テーブル上に収容され、密閉可能なエンクロージャが閉じられる。タイヤは、テーブル上で長手方向に搬送される。テーブル開口部に対するタイヤの長手方向の位置が感知される。タイヤは、テーブル開口部に長手方向に位置合わせされるまでテーブルに沿って十分に搬送される。タイヤがテーブル開口部と長手方向及び短手方向に位置合わせされた時、タイヤを検査するために検査デバイスが駆動される。
【0009】
また別の態様において、本開示は、シェアログラフィック検査マシンを記載する。マシンは、筐体内に形成されたエンクロージャを含む。エンクロージャは、エンクロージャ内に配置されたタイヤ又はケーシングの検査時に、圧力又は真空に選択的にさらされるように適合される。エンクロージャは、ドーム状の上部分と一般に円筒状の下部分とを有し、それらはそれぞれの縁に沿って密閉可能に係合する。略円形のテーブルがエンクロージャ内に配置され、テーブル上に配置されたタイヤ又はケーシングのビード孔と位置合わせされるように適合された中央開口部を有する。一実施形態において、テーブルは、エンクロージャの一般に円筒状の下部分の縁と同一平面上にある。
【0010】
シェアログラフィックアセンブリは、筐体に連結され、エンクロージャ内に配置される。シェアログラフィックアセンブリは、中央開口部の中心線と一直線上にあり、テーブルに対して開口部を貫通して突出するように移動可能且つテーブル上に配置されたタイヤ又はケーシングの複数の部分を様々な視点から走査することができるように中心線に関して回転可能である。4本のコンベヤストリップが互いに平行に延在し、テーブルに関連付けられる。4本のコンベヤストリップは、テーブル上に配置されたタイヤ又はケーシングの上側壁部及び下側壁部がシェアログラフィックアセンブリに対して視認可能であることを妨げないように寸法決め及びテーブル上で位置決めされる。4本のコンベヤストリップは、マシンに対してタイヤ又はケーシングを搬送し選択的に移動させるように適合される。
【0011】
送入コンベヤは筐体に隣接して配置され、少なくとも2本のコンベヤストリップへタイヤ又はケーシングを載置及び供給するように適合される。センタリング装置は送入コンベヤに沿って配置され、タイヤ又はケーシングを短手方向において調整するように構成される。この場合短手方向は、4本のコンベヤストリップによって画定される長手方向の移動に垂直に交わる。コントローラは、シェアログラフィックアセンブリ及び4本のコンベヤストリップに関連付けられ、センサは、テーブルに対するタイヤ又はケーシングの位置を感知し、その位置を示す信号をコントローラへ提供するために配置される。コントローラは、タイヤ又はケーシングを搬送するために少なくとも2本のコンベヤストリップを駆動させることによってビード孔がテーブル内の中央開口部に実質的に位置合わせされるようにタイヤ又はケーシングを位置決めし、タイヤ又はケーシングを走査するためにテーブルを突き抜けてビード孔内に配置されるようにシェアログラフィックアセンブリを駆動させるために配置される。
【0012】
一実施形態において、本開示は、マシンのエンクロージャ内で軸に沿って移動するように適合されたシェアログラフィックアセンブリを含むタイヤ又はケーシング検査マシンを記載する。マシンのエンクロージャは、シェアログラフィックアセンブリに関する周囲関係においてエンクロージャ内に配置されたタイヤを1つまたは複数の異なる圧力条件にさらすように構成される。検査マシンは、送入コンベヤ、位置調整装置、マシンのエンクロージャ内に配置された検査テーブル、テーブルに関連付けられたテーブルコンベヤシステム、センサ、及びコントローラを含む。
【0013】
送入コンベヤは、マシンのエンクロージャに向かって長手方向に沿ってタイヤ又はケーシングを搬送するように適合される。位置調整装置は、送入コンベヤに関連付けられ、タイヤ又はケーシングが送入コンベヤによってマシンのエンクロージャに向かって搬送される間、短手方向においてタイヤ又はケーシングをシェアログラフィックアセンブリに合わせるように適合される。検査テーブルは、シェアログラフィックアセンブリと実質的に一直線上にあるとともにシェアログラフィックアセンブリがタイヤの下側壁部を走査することができるように適合された開口部を有する。検査テーブルは更に、タイヤに面する表面を含む。テーブルコンベヤシステムは、シェアログラフィックアセンブリによるタイヤの両側壁部のスキャニング工程を妨げないようにタイヤに面する表面を横切って開口部の両側の周囲に互いに平行に延在する少なくとも2つのコンベヤベルトを含む。コンベヤは、コマンド信号に応答する。センサは、マシンに関連付けられ、シェアログラフィックアセンブリに対するタイヤ又はケーシングの長手方向の位置を示す位置信号を感知及び提供するように適合される。コントローラは、テーブルコンベヤシステムが、シェアログラフィックアセンブリに対して長手方向に実質的に位置合わせされた位置にタイヤを置くように作動するように、位置信号に基づいてコマンド信号を提供するために配置される。
【0014】
別の実施形態において、本開示は、タイヤ又はケーシング検査マシンを作動させる方法を説明する。方法は、任意の適切な順序で実行されうる様々なプロセスのステップを含む。一実施形態において、ステップは、送入コンベヤにタイヤ又はケーシングを置くことと、送入コンベヤによって検査マシンのエンクロージャに向かってタイヤ又はケーシングを進ませることとを含む。タイヤ又はケーシングは、マシンのエンクロージャの検査アセンブリと短手方向に位置合わせされるように、短手方向において移動される。短手方向に移動させることは、タイヤ又はケーシングが送入コンベヤで進んでいる間に実行されうる。タイヤ又はケーシングは、送入コンベヤからテーブルコンベヤへ渡る。テーブルコンベヤは、マシンのエンクロージャ内且つ検査アセンブリの周囲に配置されたテーブルに関連付けられる。テーブルは中央開口部を含み、その周囲に、タイヤがテーブルコンベヤ上に配置された時タイヤ又はケーシングの両側壁部がマシンのスキャナに対して視認可能であるようにテーブルコンベヤが配置される。テーブルコンベヤに対するタイヤ又はケーシングの長手方向の位置が感知され、長手方向の位置を示す位置信号がコントローラへ提供される。コントローラは、タイヤ又はケーシングが検査アセンブリに長手方向に実質的に位置合わせされるように置かれるように、位置信号に基づいてテーブルコンベヤの動作を調整するように適合される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の原理に係るシェアログラフィックタイヤ撮像マシンの実施形態の様々な視点からの外観図である。
図2】本開示の原理に係るシェアログラフィックタイヤ撮像マシンの実施形態の様々な視点からの外観図である。
図3】本開示の原理に係るシェアログラフィックタイヤ撮像マシンの実施形態の様々な視点からの外観図である。
図4】本開示の原理に係るシェアログラフィックタイヤ撮像マシンを作動させる方法の実施形態のステップのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、検査マシン及び方法に関し、具体的には、マシンの無駄な時間を低減しスループットを増加させることができる迅速な形式で検査マシンから自動的に積み下ろしするためにタイヤを載置するためのシェアログラフィックタイヤ検査マシン及び方法に関する。図1、2及び3において、様々な視点からマシン100の外観図が示され、明瞭さを期するために一部の構成要素が省略されている。マシン100は、上側シェル104と下側シェル106との間に画定されるエンクロージャ102を含むシェアログラフィックタイヤ検査マシンである。図示された上側シェル106は、一般に凸型の外面及び一般に凹型の内面を含み、ヒンジ式に下側シェル104に連結される。下側シェル104と上側シェル106が合わさるとクラムシェル型のエンクロージャが形成され、その内部が、タイヤ116の検査時に陽ゲージ圧及び/又は真空に選択的にさらされうるように、上側シェル106は、下側シェル104の対応する縁110と密閉可能に係合する縁108を有する。
【0017】
別の実施形態では、エンクロージャ112は、異なる形態を有してもよい。例えば一部の実施形態において、エンクロージャ112は、マシンにおけるタイヤの積み下ろし及び検査を可能にするために開位置と閉位置との間の移動範囲を移動可能な可動式ドアを有する筐体を備えることができる。別の実施形態では、エンクロージャ112は、上側シェルが下側シェルに密閉可能に係合する係合位置と、下側シェルと上側シェルとの間をタイヤが通過することができるように上側シェルが下側シェルから離れる分離位置との間の移動範囲を相互に移動可能なドーム状の上側シェルを備えてもよい。さらに別の実施形態において、エンクロージャ112は、他の構成を有することができる。各種実施形態において、任意の構成におけるエンクロージャ112の開閉が自動で又は手動で実行されうる。
【0018】
エンクロージャ112の内部の一部は、例えばレーザー光のような1つ又は複数の放射の発光部と、例えばカメラのような1つ又は複数の受光部とを備えてもよい、シェアログラフィックアセンブリ118を収納する。シェアログラフィックアセンブリ118は、マシン100に対して例えば垂直に動き、また、マシン内にあるタイヤの複数の部分を様々な視点から効果的に走査することができるようにマシンに対して回転するように構成される。図示されたシェアログラフィックアセンブリ118は、下側シェル104内に押し下げられた状態で、図1における奥の位置にある。例えば図2に示すようにタイヤ116がマシン100内にある場合、シェアログラフィックアセンブリ118は、タイヤ116の様々な表面を走査することを可能にするために、タイヤ116のケーシングのビード孔120を貫通して突出するように選択的に持ち上げられることができる。図示された実施形態において、マシン内でタイヤが移動又は反転することなくタイヤ116の両側の側壁部122が走査可能であるように、シェアログラフィックアセンブリ118は、タイヤに対して2つの異なる高さで作動させられることができる。別の実施形態では、タイヤ、シェアログラフィックアセンブリ、及び/又はマシンの様々な方向及び/又は感知位置が用いられうる。
【0019】
図1に示すように、マシン100は、上側シェル106及び下側シェル104が閉位置にあるときエンクロージャ112内に全体が一致するように一般にエンクロージャ112の横断面に適合する形状を有するテーブル124を含む。図示された実施形態において、エンクロージャ112は、テーブル124を囲む部分において一般に円筒状の形状を有し、テーブル124は、エンクロージャ112の内径に一致する略円形の形状を有する。下側シェル104の縁110は、テーブル124の略平坦なタイヤに面する表面126と実質的に同一平面上にあるように配置され、両者は一般にシェアログラフィックアセンブリ118の移動軸Zに対して垂直である。タイヤに面する表面126は、タイヤがテーブル124のタイヤに面する表面126上に置かれた時、ケーシングのビード孔120が一般に中央開口部128と一直線上にありシェアログラフィックアセンブリ118が中央開口部128を通過してタイヤ116を通り抜けることができるように、一般にシェアログラフィックアセンブリ118が移動する方向と位置合わせされる中央開口部128を形成する。好適には、中央開口部128の大きさ及び形状は、検査プロセス中、タイヤがテーブル上に置かれている時、タイヤの上側壁部及び下側壁部の両方がシェアログラフィックアセンブリ118に対して視認可能になるように構成される。図示された実施形態において、テーブル124は更に、テーブル124の2か所の向かい合う端部において各弦に沿って除去された弓形の部分として具現化された2つの端部開口部130を含む。
【0020】
テーブル124は、図3の上面図に示すように、長手方向Xに沿って互いに平行に延びた4本のコンベヤストリップ132を含む。しかし図示されたコンベヤストリップ132の位置及び構成は、可能な1つの構成にすぎない。コンベヤストリップは、タイヤの上側壁部及び下側壁部がシェアログラフィックアセンブリ118に対して視認可能であることを妨げないような大きさに設定され、テーブル上で位置決めされうる。すなわち、コンベヤストリップは、シェアログラフィックアセンブリ118による、検査位置にあるタイヤの両側壁部のほぼ遮られない視野を可能にすることができる。図3に示す実施形態において、各コンベヤストリップ132は、ローラ136の周りを通過したベルト132を備え、ローラ136のうちの少なくとも1つがモータによって駆動される。ローラ136は、各コンベヤストリップ132が、テーブル124のタイヤに面する表面126の上を縦断するエンドレスなコンベヤとして機能するように、テーブルの外周に隣接して実装される。各々が約1インチの幅を有する4つのベルトが示される。コンベヤストリップ132を作動させるために用いられる1つまたは複数のモータは、作動中、同じ方向及び速度でストリップを移動させるように構成される。一実施形態において、モータは、テーブル124の下のエンクロージャ112内に実装された、コントローラ138に接続されコントローラ138によって制御されるステッパモータであることができる。モータは、コンベヤを作動させるためにローラ136の周囲のベルトを係合し引っ張る駆動プーリを備えてもよい。コントローラ138は、コンベヤストリップ132の速度、方向、及びベルト巡回を示すモータコマンド信号を提供するために適合されうる。
【0021】
図1及び3に示すように、マシン100は、エンクロージャ112の長手方向の両端に配置された送入コンベヤ202及び送出コンベヤ204を含む。送入コンベヤ202及び送出コンベヤ204はコンベヤストリップ132とともに、全体で、マシン100の検査エリアにタイヤをロードし、タイヤに検査エリアを通過させ、マシン100からタイヤをアンロードするための搬送システム206として機能するように構成される。具体的には、コンベヤベルトが図示されない図1に示される送入コンベヤ202は、テーブル124上にロードするためにタイヤを載置し、タイヤがストリップ132によって係合されテーブル124上に完全に搬送されうるまで、それらのタイヤをテーブル付近かつコンベヤストリップ132の少なくとも先頭部分に移動させるように配置される。コンベヤストリップ132は、マシン100がタイヤを検査した後、送出コンベヤ204においてタイヤを検査エリア外へ搬送することができる。
【0022】
検査のためにタイヤをテーブル124のほぼ中心に据えさせるために、送入コンベヤ202は、図3の上面図に示されるセンタリング装置207を備えてもよい。センタリング装置207は、タイヤが送入コンベヤ202に沿ってエンクロージャ112への経路を移動する時、短手方向のマシン検査中心線に関連する短手方向Y(図3)において様々な直径のタイヤを位置合わせするように構成される。
【0023】
一実施形態において、センタリング装置207は、M字型を形成するように末端が互いに軸支された2つの整列アーム210及び2つのリンケージ212を含む。2つのアーム210の末端にあるM字型の基点は、送入コンベヤ202のフレーム215に軸支される。2つのリンケージ212は、M字型を形成するようにアーム210の他方の末端と互いの末端とに連結される。ばね216又は他の弾性要素は、2つのリンケージをフレーム214と互いに連結する旋回軸を連結することができ、それによって、タイヤが長手方向Xに沿って2つのアーム210間を通る時、アーム210は協働してタイヤに作用し、短手方向のマシン検査中心線にタイヤの中心を合わせるように短手方向Yに沿ってタイヤの位置を調整する。2つのリンケージ212は、タイヤが通る経路の上、下、あるいは外側に据えられうる。2つのアーム210間を通るタイヤにおけるばね力の対象移動は、短手方向のマシン検査中心線(例えば、エンクロージャ112内のテーブル124の中央部)と短手方向Yにおいて実質的と位置合わせされたタイヤを、コンベヤ202の位置に据える前に必要に応じて左右どちらかに短手方向へ移動させるために役立つ。
【0024】
送入コンベヤ202からコンベヤストリップ132へ受け渡されたタイヤは、テーブル124上へ搬送される。タイヤをテーブル124上へ搬送する間、センサ214(図2)は、テーブル124に対するタイヤの長手方向の位置を測定し、その位置を示す信号をコントローラ138に提供する。コントローラ138は、その信号に基づいて、タイヤがシェアログラフィックアセンブリ118の上でほぼ中心に配置されたことをセンサ214が感知するまで前進し続けるようにコンベヤストリップ132に命令する。一実施形態において、センサ214は、例えばタイヤの一連の写真を取得し、例えば中央ビードのようなタイヤの特徴がいつ位置テンプレートの要素とほぼ同心になるかを決定するために一連の写真と位置テンプレートとを比較するカメラのような視覚センサである。図示された実施形態において、センサ214は、テーブル124の下に配置された対応する受光部(図示せず)によって受光された複数の光線を発光する赤外線センサである。通過中のタイヤは、センサによって感知され、コントローラへ提供される信号に変換されるそれらの光線を遮断する。光線の遮断が受光部の位置に基づいて対称になる場合、コントローラ138へ提供される信号は、タイヤが中央に配置されコンベヤストリップ132が停止したことを示すと理解される。別の実施形態では、コントローラ138は、コンベヤストリップ132の速度を決定すると同時にタイヤ全体の寸法を決定し、エンクロージャ112内のシェアログラフィックアセンブリ118にタイヤの中心を合わせるために必要な総搬送時間を計算するために、センサ214からの信号を用いることができる。
【0025】
タイヤがエンクロージャ112内でシェアログラフィックアセンブリ118に対して中央に位置決めされると、1つ又は複数の更なるタイヤが、送入コンベヤ202においてマシンへ積み込むために載置されうる。それらは全て同一又は同様の種類のタイヤであってよく、あるいは入り混じった種類及び大きさのタイヤであってもよい。上側シェル106は、テーブル124上にロードするタイヤの検査中、閉じられてよい。検査が完了すると、エンクロージャ112は開いてよく、検査済みタイヤを送出コンベヤ204において搬送するためにコンベヤストリップ132が駆動されてよい。同時に、次に検査されるタイヤがコンベヤストリップ132の送入側にロードされてよい。コンベヤストリップ132から送出コンベヤ204へ渡るタイヤは、検査される位置にある次のタイヤの上方にある上側シェル106を閉じるためにエンクロージャ112から完全に運び去られてよい。一実施形態において、送出コンベヤ204は載置エリアとして機能してよく、複数の検査済みタイヤをアンロードするまで格納するために十分な長さであってよい。
【0026】
シェアログラフィックタイヤ撮像マシンを作動させる方法の実施形態の例示的ステップのフローチャートが図4に示される。実施形態において、このマシンは図1−3に示すマシン100であってよく、検査のために中にある物品を動かし適切に位置決めするための追加の位置決めシステムを含む、検査エリアの周囲に配置された送入コンベヤ及び送出コンベヤを含む。プロセスステップ302において、タイヤは送入コンベヤ上に置かれうる。送入コンベヤに置かれたタイヤは、マシンの検査エンクロージャ内にロードするための1つのタイヤであってよく、あるいは検査のために載置され検査のために装置に連続的に提供される複数のタイヤのうちの1つであることもできる。
【0027】
マシンは、検査用エンクロージャ内の特定の位置に配置された検査装置を含んでよく、検査されるタイヤは、長手方向X及び短手方向Yにおいて検査装置と位置合わせされうる。送入コンベヤは、プロセスステップ304において、タイヤを検査マシンのエンクロージャに向かって前進させながら、同時に306において、検査装置と望ましく合わせるために短手方向にタイヤを移動させる。短手方向におけるタイヤの位置調整は、例えばセンサを用いてタイヤの短手方向の位置を電子的に感知すること及び望ましい短手方向の位置が得られるまでタイヤを移動させる作動装置を用いることによって、任意の適切な形式によって行われてよい。実施形態において、短手方向のタイヤの位置決めは、タイヤが送入コンベヤに沿って検査マシンのエンクロージャに向かって移動する時、タイヤがマシンの検査装置に対して中央に位置する短手方向の位置をとってよいようにタイヤの両側に力を加える、タイヤの外径を含むタイヤ外縁を係合するばねで留められたガイドによって行われうる。
【0028】
マシンの検査エンクロージャ内に配置されたテーブルに関連付けられたコンベヤが、プロセスステップ308において駆動され、送入コンベヤからのタイヤを受け取る。テーブルは、検査装置と実質的に位置合わせされた中央開口部を有してよく、コンベヤは、タイヤが開口部の上方を搬送され検査装置と位置合わせされうるように、例えば短手方向において開口部の両側に配置されたストリップ又はベルトのような部分に分割されてよい。実施形態において、テーブルの開口部の大きさ及び形状は、テーブルコンベヤシステムの大きさ、構成、及び位置と同様、シェアログラフィックアセンブリによるタイヤの両側壁部のほぼ遮られていない視野を提供するように調整されうる。
【0029】
一実施形態において、プロセスステップ310において、タイヤの位置が適切なセンサを用いて感知される。センサは、プロセスステップ312において、タイヤの長手方向の位置を示す信号をコントローラへ提供してよい。タイヤを搬送する方向、位置、及び速度を選択的に調整するためにコンベヤを制御するコントローラは、タイヤを検査装置の上に置くためのコンベヤの動きを必要に応じて停止、減速、及び/又は反転させることによって、プロセスステップ314でセンサによって提供されたタイヤ位置の位置フィードバックに基づいて検査装置と実質的に一直線上になるようにタイヤを位置決めしてよい。
【0030】
タイヤが検査のために位置決めされると、プロセスステップ316において検査プロセスが実行されうる。検査プロセスは、検査マシンの種類及び構成によって様々な工程を含んでよい。一実施形態において、検査マシンは、例えば気圧及び陽ゲージ圧又は陰ゲージ圧のような様々な周囲条件においてタイヤの一部を走査することができるシェアログラフィック発光部及び受光部装置を含むシェアログラフィック検査マシンでありうる。実施形態において、シェアログラフィックアセンブリは、タイヤがコンベヤ上に配置されている間、タイヤの両側壁部を走査するように構成されうる。
【0031】
検査プロセスが完了すると、プロセスステップ318において、テーブルコンベヤは、タイヤをテーブルから取り外し、そのタイヤを長手方向におけるテーブルの終了地点に配置された送出コンベヤへ搬送するために駆動されてよい。プロセスステップ318におけるテーブルコンベヤの駆動は、後続のタイヤをマシンにロードする機能と、検査済みタイヤを送出コンベヤに押し出す機能との二重の機能を果たしてよい。
【0032】
別の実施形態では、送出コンベヤは一本であり、逆方向に作動する送入コンベヤと同じであってよい。さらに別の実施形態では、テーブルは、例えば検査プロセスの結果によって複数の送出コンベヤにタイヤを進めるために、自身の中心線に沿って回転可能であってよい。このように、更なる処理に関して認可されたタイヤが1つのコンベヤに提供されると、排除すべき不具合を有するタイヤは異なるコンベヤに提供されてよい。また更に、様々な大きさのタイヤを受け取るために様々な送出コンベヤが構成されてよい。このように、タイヤ感知手順の一部として、コントローラは、個別のタイヤの種類を決定してよく、その結果、個別のタイヤの種類ごとに専用であるそれぞれのコンベヤを提供することによって、様々な種類の検査済みタイヤが同じマシン内でそれぞれの種類に従って格納されうる。
図1
図2
図3
図4