特許第6034982号(P6034982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6034982
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】化学線架橋性の両親媒性プレポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08G 81/00 20060101AFI20161121BHJP
   C08G 73/02 20060101ALI20161121BHJP
   G02C 7/04 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   C08G81/00
   C08G73/02
   G02C7/04
【請求項の数】15
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2015-547971(P2015-547971)
(86)(22)【出願日】2013年12月13日
(65)【公表番号】特表2016-501947(P2016-501947A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】US2013074895
(87)【国際公開番号】WO2014093756
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2015年8月12日
(31)【優先権主張番号】61/737,187
(32)【優先日】2012年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】チャン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】シャンカーナラヤナン,マニヴァッカム・ジェイ
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−512677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 81/00
C08G 73/02
G02C 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(5)
【化28】

[式中、
Rは、水素、メチル又はエチル基であり
A’は、C−Cアルコキシであり、
qは、3〜200の整数であり、
d1、1〜20の整数であり、そして、
及びDは、互いに独立して、式(2):
【化29】

{式中、A及びAは、互いに独立して、直接結合、直鎖又は分岐C−C10アルキレンラジカル、−(CHCHO)r1−CHCH−(式中、r1は、1〜20の整数である)、又はC−Cアルキレンオキシ−C−Cアルキレン二価ラジカルであり、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、互いに独立して、C−C10アルキル、C−Cアルキル−又はC−C−アルコキシ置換フェニル、C−C10フルオロアルキル、C−C10フルオロエーテル、C−C18アリールラジカル、−alk−(OCHCH−OR(式中、alkは、C−C−アルキレン二価ラジカルであり、Rは、水素又はC−Cアルキルであり、そして、nは、1〜10の整数である)であり、m及びpは、互いに独立して、0〜100の整数であり、そして、(m+p)は、1〜100である}
で表される二価基であり;
e2は、1〜3の整数であり、
、直接結合又は以下:
−Z−X−Z−X−Z−X−Z
{式中、
、X、及びXは、互いに独立して、直接結合、−O−、−NR’−(式中、R’は、H又はC−Cアルキルである)、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−NH−、−O−C(O)−NH−、−S−、−NH−C(O)−O−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−、及び−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−(式中、Zは、−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する、直鎖又は分岐C−C12アルキレン二価ラジカル又はC−C45脂環式若しくは脂肪族−脂環式二価ラジカルである)からなる群より選択される結合であり、Z、Z、Z、及びZは、互いに独立して、直接結合、直鎖又は分岐C−C12アルキレン二価ラジカル(−O−、−NR’−、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)、−(CHCHO)r1−CHCH−(式中、r1は、上に定義されるとおりである)、又はC−C45脂環式若しくは脂肪族−脂環式二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)である}
で表される二価ラジカルであり;
、Y、Y、及びY10は、各々、少なくとも1つのウレタン結合(−O−C(O)−NH−)を含み、そして、互いに独立して、上に定義されるような−Z−X−Z−X−Z−X−Z−の二価ラジカル、又は式(3):
【化30】

{式中、
〜Z及びX〜Xは、上に定義されるとおりであり、
、X、及びXは、互いに独立して、直接結合、−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−NH−、−O−C(O)−NH−、−S−、−NH−C(O)−O−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)、及び−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)からなる群より選択される結合であり、
、Z、Z、及びZは、互いに独立して、直接結合、直鎖又は分岐C−C12アルキレン二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)、−(CHCHO)r1−CHCH−(式中、r1は、上に定義されるとおりである)、又はC−C45脂環式若しくは脂肪族−脂環式二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)であり、
Rは、水素、メチル又はエチル基であり、そして
qは、3〜200の整数である}
で表される二価ラジカルであり;
、15個以下の炭素原子を有し、そして−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−C(O)−、及び/又は−S−によって中断され得る、脂肪族又は脂環式又は脂肪族−脂環式の三価ラジカルであり;そして
Qは、式(I)〜(III):
【化31】

{式中、(i)R10〜R17は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18は、C−C10アルケン二価ラジカルであり、Xは、エーテル結合、ウレタン結合、尿素結合、エステル結合、アミド結合又はカルボニルであり、R19は、水素、単結合、アミノ基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、カルボニル基、C−C12アミノアルキル基、C−C18アルキルアミノアルキル基、C−C18カルボキシアルキル基、C−C18ヒドロキシアルキル基、C−C18アルキルアルコキシ基、C−C12アミノアルコキシ基、C−C18アルキルアミノアルコキシ基、C−C18カルボキシアルコキシ基、又はC−C18ヒドロキシアルコキシ基であり、a1及びb1は、互いに独立して、0又は1である)であり、q1は、1であるが、但し、R10〜R17の1つだけが二価ラジカルであり;(ii)R20〜R25は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18、R19、X、a1及びb1は、上に定義されるとおりである)であるが、但し、R20〜R25の少なくとも1つが二価ラジカルであり、t1及びt2は、互いに独立して、0〜9の整数であるが、但し、(t1+t2)は、2〜9の整数であり;(iii)R26は、水素又はC−C10アルキルであり;R27及びR28は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18、R19、X、a1及びb1は、上に定義されるとおりである)であり、R29は、C−C10アルケン二価ラジカルである}
のいずれか1つによって定義される]
によって定義される化学線架橋性プレポリマー。
【請求項2】
Qが、式(I):
【化32】

[式中、R10〜R17は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18は、C−C10アルケン二価ラジカルであり、Xは、エーテル結合、ウレタン結合、尿素結合、エステル結合、アミド結合又はカルボニルであり、R19は、水素、単結合、アミノ基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、カルボニル基、C−C12アミノアルキル基、C−C18アルキルアミノアルキル基、C−C18カルボキシアルキル基、C−C18ヒドロキシアルキル基、C−C18アルキルアルコキシ基、C−C12アミノアルコキシ基、C−C18アルキルアミノアルコキシ基、C−C18カルボキシアルコキシ基、又はC−C18ヒドロキシアルコキシ基であり、a1及びb1は、互いに独立して、0又は1である)であり、pは、1であるが、但し、R10〜R17の1つだけが二価ラジカルである]
によって定義される、請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項3】
Qが、式(4):
【化33】

[式中、R20〜R25は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19であり、場合によりR及びRは、アルケン二価ラジカルを介して結合して、環を形成するが、但し、R20〜R25の少なくとも1つが二価ラジカルであり、t1及びt2は、互いに独立して、0〜9の整数であるが、但し、(t1+t2)は、2〜9の整数である]
によって定義される、請求項1に記載のプレポリマー。
【請求項4】
ソフトコンタクトレンズを生産するための方法であって、以下の工程を含む方法:
(1)ソフトコンタクトレンズを製造するための成形用型を提供する工程(ここで、成形用型は、コンタクトレンズの前面を画定する第一の成形面を有する第一の成形用型半部とコンタクトレンズの後面を画定する第二の成形面を有する第二の成形用型半部とを有し、前記第一の成形用型半部と第二の成形用型半部は、前記第一の成形面と第二の成形面の間にキャビティが形成されるように互いを合わせるように構成される);
(2)レンズ形成材料をキャビティに注入する工程(ここで、レンズ形成材料は、複数のチオール基を有する少なくとも1つの架橋剤/分岐剤、並びに、
少なくとも1つのポリシロキサンセグメント、少なくとも1つのポリオキサゾリンセグメント、及び2つの末端エン基を含む、少なくとも1つの化学線架橋性の両親媒性プレポリマーであって、式(1):
【化34】

[式中、
、B、B、B、及びBは、互いに独立して、10000ダルトン以下の重量平均分子量を有し、そして少なくとも80%(重量)の親水性モノマー単位(オキサゾリン単位(すなわち、N−C−Cアシルエチレンイミン単位)、エチレンオキシド単位、(メタ)アクリルアミド単位、N−C−Cアルキル(メタ)アクリルアミド単位、N,N−ジ−(C−Cアルキル)(メタ)アクリルアミド単位、N−ビニルピロール単位、N−ビニル−2−ピロリドン単位、4−ビニルピリジン単位、600ダルトン以下の分子量を有するモノ−C−Cアルコキシ−、モノ−(メタ)アクリロイルで末端化されたポリエチレングリコール単位、ジ(C−Cアルキルアミノ)(C−Cアルキル)(メタ)アクリラート単位、N−C−Cアルキル−3−メチレン−2−ピロリドン単位、N−C−Cアルキル−5−メチレン−2−ピロリドン単位、N−ビニルC−Cアルキルアミド単位、N−ビニル−N−C−Cアルキルアミド単位、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される)を含む、直鎖親水性ポリマー鎖であり;
d1、d2、d3は、互いに独立して、0〜20の整数であり、そして、(d1+d2+d3)≧1であり;
、D、D、及びDは、互いに独立して、式(2):
【化35】

{式中、A及びAは、互いに独立して、直接結合、直鎖又は分岐C−C10アルキレンラジカル、−(CHCHO)r1−CHCH−(式中、r1は、1〜20の整数である)、又はC−Cアルキレンオキシ−C−Cアルキレン二価ラジカルであり、R、R、R、R、R、R、R、及びRは、互いに独立して、C−C10アルキル、C−Cアルキル−又はC−C−アルコキシ置換フェニル、C−C10フルオロアルキル、C−C10フルオロエーテル、C−C18アリールラジカル、−alk−(OCHCH−OR(式中、alkは、C−C−アルキレン二価ラジカルであり、Rは、水素又はC−Cアルキルであり、そして、nは、1〜10の整数である)であり、m及びpは、互いに独立して、0〜100の整数であり、そして、(m+p)は、1〜100である}
で表される二価基であり;
e1、e2、e3、e4、e5は、互いに独立して、0〜3の整数であり、そして、(e1+e2+e3+e4+e5)≧1であり;
、L、L、L、及びLは、互いに独立して、直接結合又は以下:
−Z−X−Z−X−Z−X−Z
{式中、
、X、及びXは、互いに独立して、直接結合、−O−、−NR’−(式中、R’は、H又はC−Cアルキルである)、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−NH−、−O−C(O)−NH−、−S−、−NH−C(O)−O−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−、及び−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−(式中、Zは、−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する、直鎖又は分岐C−C12アルキレン二価ラジカル又はC−C45脂環式若しくは脂肪族−脂環式二価ラジカルである)からなる群より選択される結合であり、Z、Z、Z、及びZは、互いに独立して、直接結合、直鎖又は分岐C−C12アルキレン二価ラジカル(−O−、−NR’−、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)、−(CHCHO)r1−CHCH−(式中、r1は、上に定義されるとおりである)、又はC−C45脂環式若しくは脂肪族−脂環式二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)である}
で表される二価ラジカルであり;
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、及びY10は、各々、少なくとも1つのウレタン結合(−O−C(O)−NH−)を含み、そして、互いに独立して、上に定義されるような−Z−X−Z−X−Z−X−Z−の二価ラジカル、又は式(3):
【化36】

{式中、
〜Z及びX〜Xは、上に定義されるとおりであり、
、X、及びXは、互いに独立して、直接結合、−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−NH−、−O−C(O)−NH−、−S−、−NH−C(O)−O−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)、及び−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)からなる群より選択される結合であり、
、Z、Z、及びZは、互いに独立して、直接結合、直鎖又は分岐C−C12アルキレン二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)、−(CHCHO)r1−CHCH−(式中、r1は、上に定義されるとおりである)、又はC−C45脂環式若しくは脂肪族−脂環式二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−、及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)であり、
Rは、水素、メチル又はエチル基であり、そして
qは、3〜200の整数である}
で表される二価ラジカルであり;
、T、T、T、及びTは、互いに独立して、15個以下の炭素原子を有し、そして−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−C(O)−、及び/又は−S−によって中断され得る、脂肪族又は脂環式又は脂肪族−脂環式の三価ラジカルであり;そして
Qは、式(I)〜(III):
【化37】

{式中、(i)R10〜R17は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18は、C−C10アルケン二価ラジカルであり、Xは、エーテル結合、ウレタン結合、尿素結合、エステル結合、アミド結合又はカルボニルであり、R19は、水素、単結合、アミノ基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、カルボニル基、C−C12アミノアルキル基、C−C18アルキルアミノアルキル基、C−C18カルボキシアルキル基、C−C18ヒドロキシアルキル基、C−C18アルキルアルコキシ基、C−C12アミノアルコキシ基、C−C18アルキルアミノアルコキシ基、C−C18カルボキシアルコキシ基、又はC−C18ヒドロキシアルコキシ基であり、a1及びb1は、互いに独立して、0又は1である)であり、q1は、1〜3の整数であるが、但し、R10〜R17の1つだけが二価ラジカルであり;(ii)R20〜R25は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18、R19、X、a1及びb1は、上に定義されるとおりである)であるが、但し、R20〜R25の少なくとも1つが二価ラジカルであり、t1及びt2は、互いに独立して、0〜9の整数であるが、但し、(t1+t2)は、2〜9の整数であり;(iii)R26は、水素又はC−C10アルキルであり;R27及びR28は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18、R19、X、a1及びb1は、上に定義されるとおりである)であり、R29は、C−C10アルケン二価ラジカルである}
のいずれか1つによって定義される]
によって定義されるプレポリマーを含む);及び
(3)キャビティ中のレンズ形成材料に化学線照射して、コンタクトレンズを形成する工程。
【請求項5】
、B、B、B、及びBが、互いに独立して、10000ダルトン以下の分子量を有し、そして少なくとも90%(重量)の親水性モノマー単位(N−C−Cアシルエチレンイミン単位、エチレンオキシド単位、(メタ)アクリルアミド単位、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド単位、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−5−メチレン−2-ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、5−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される)を含む、直鎖親水性ポリマー鎖である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プレポリマーが、式(4):
【化38】

[式中、Q、D、D、X〜X、Z〜ZR、q、Y、及びY10は、請求項1に定義されるとおりであり、そして、d1は、1〜20の整数である]
によって定義される、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
プレポリマーが、式(5):
【化39】

[式中、Q、D、D、L、TR、q、Y、Y、Y、及びY10は、請求項1に定義されるとおりであり、e2は、1〜3の整数であり、d1は、1〜20の整数であり、そして、A’は、C−Cアルコキシである]
によって定義される、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項8】
プレポリマーが、式(6):
【化40】

[式中、Q、D〜D、X〜X、e2、e4、d1、d3、Z〜ZR、q、L、L、T、T、B、B、Y、Y、Y、Y、Y、及びY10は、請求項1に定義されるとおりであり、そして、d2は、1〜20の整数である]
によって定義される、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項9】
Qが、式(I):
【化41】

[式中、R10〜R17は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18は、C−C10アルケン二価ラジカルであり、Xは、エーテル結合、ウレタン結合、尿素結合、エステル結合、アミド結合又はカルボニルであり、R19は、水素、単結合、アミノ基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、カルボニル基、C−C12アミノアルキル基、C−C18アルキルアミノアルキル基、C−C18カルボキシアルキル基、C−C18ヒドロキシアルキル基、C−C18アルキルアルコキシ基、C−C12アミノアルコキシ基、C−C18アルキルアミノアルコキシ基、C−C18カルボキシアルコキシ基、又はC−C18ヒドロキシアルコキシ基であり、a1及びb1は、互いに独立して、0又は1である)であり、pは、1〜3の整数であるが、但し、R10〜R17の1つだけが二価ラジカルである]
によって定義される、請求項4〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
Qが、式(II):
【化42】

[式中、R20〜R25は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19であり、場合によりR及びRは、アルケン二価ラジカルを介して結合して、環を形成するが、但し、R20〜R25の少なくとも1つが二価ラジカルであり、t1及びt2は、互いに独立して、0〜9の整数であるが、但し、(t1+t2)は、2〜9の整数である]
によって定義される、請求項4〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
レンズ形成材料が、複数のアクリロイル又はメタクリロイル基を有するプレポリマーをさらに含む、請求項4〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
レンズ形成材料が、光開始剤、重合性UV吸収剤、可視着色剤、抗菌剤、生物活性剤、浸出性潤滑剤、漏出性涙液安定化剤、及びそれらの混合物からなる群より選択される少なくとも1つの成分を含む、請求項4〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
成形用型が、再利用可能な成形用型であり、レンズ形成材料が、化学線の空間的制限下で化学線によって硬化されて、ソフトコンタクトレンズを形成する、請求項4〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
成形用型中のレンズ形成材料の架橋が、60秒以下の期間である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
成形用型中のレンズ形成材料の架橋が、30秒以下の期間である、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チオール−エン逐次重合を受けることができるシリコーン含有両親媒性プレポリマーのクラス及びその製造方法に関する。加えて、本発明は、このシリコーン含有両親媒性プレポリマーのクラスから製造される、医療機器、例えば眼科用機器、好ましくはシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに関する。
【0002】
背景
近年、ソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、その高い酸素透過性及び快適性から人気を集めている。多くの市販のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、使い捨てのプラスチック成形用型及びマクロマーの存在下又は不在下のモノマーの混合物の使用を包含する、従来のキャスト成形技術に従って生産される。しかしながら、使い捨てのプラスチック成形用型は、本質的に寸法の変化を避けられない。これは、プラスチック成形用型の射出成形中に、製造プロセス中の変動(温度、圧力、材料特性)の結果として成形用型の寸法の変動が生じ得るためであり、そして、また、得られた成形用型が射出成形後に不均一な収縮を受け得るためである。これらの成形用型の寸法変化は、生産されるコンタクトレンズのパラメータの変動(ピーク屈折率、直径、基本曲線、中心厚など)及び複雑なレンズ設計を複製する際の低い忠実性をもたらし得る。
【0003】
従来のキャスト成形技術において見られるそのような欠点は、米国特許第6,800,225号及び第8,088,313号(参照によってその全体が組み入れられる)に例示されるような、フリーラジカル連鎖成長重合に基づく、いわゆるLightstream Technology(商標)(CIBA Vision)を使用することによって克服され得る。Lightstream Technology(商標)は、(1)好ましくはエチレン性不飽和基を有する1つ以上の実質的に精製されたプレポリマーの溶液であり、そして一般にモノマー及び低分子量の架橋物質を実質的に含有しない、レンズ形成組成物、(2)高い精度で生産された再利用可能な成形用型、並びに(3)化学線(例えば、UV)の空間的制限下での硬化を包含する。Lightstream Technology(商標)に従って生産されるレンズは、再利用可能な高精度の成形用型の使用により、当初のレンズ設計と比べて高い一貫性及び高い忠実性を有し得る。加えて、高品質のコンタクトレンズは、短い硬化時間、高い生産収率、及び有機溶媒によるレンズ抽出の廃止によって、比較的低コストで生産され得る。
【0004】
米国特許第8,003,710号、第US8,071,703号及び第8,283,429号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)は、改良されたLightstream Technology(商標)ベースのチオール−エン逐次重合を開示している。逐次重合に基づいて得られるポリマー材料は、クリーンな一対一の鎖延長反応によってのみ構築され、そして架橋間に比較的に大きい分子量を有する、網目構造を持つと考えられている。架橋間に高い分子量を有することによって、ポリマー材料は、より高い機械的強度、例えば引き裂き抵抗を有し得る。
【0005】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するためにLightstream Technology(商標)を十分に利用するために、Lightstream Technology(商標)に従ってシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造するのに好適な新しい化学線架橋性プレポリマーがなお必要とされている。
【0006】
発明の概要
一態様において、本発明は、化学線架橋性の両親媒性プレポリマーを提供する。本発明のプレポリマーは、そのコポリマー鎖に沿って、少なくとも1つのポリシロキサンセグメント、少なくとも1つのポリオキサゾリンセグメント及び2つの末端エン基を含む。
【0007】
別の態様において、本発明は、本発明の化学線架橋性の両親媒性プレポリマーを含む重合性材料から製造される、医療機器、眼科用機器、又は好ましくはソフトコンタクトレンズを提供する。
【0008】
さらなる態様において、本発明は、本発明の化学線架橋性の両親媒性プレポリマーからの、医療機器、眼科用機器、又は好ましくはソフトコンタクトレンズを生産するための方法を提供する。
【0009】
本発明はまた、本発明の化学線架橋性の両親媒性プレポリマーを調製するための方法を提供する。
【0010】
発明の実施態様の詳細な説明
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同一の意味を有する。一般に、本明細書において使用される命名法及び実験室手順は、当技術分野において周知であり、一般的に使用されている。当技術分野及び様々な一般参考文献において提供されるようなこれらの手順には従来の方法が使用される。用語が単数形で提供される場合、本発明者らは当該用語の複数形も想定している。本明細書において使用される命名法及び後述される実験室手順は、当技術分野において周知であり、一般的に使用されている。
【0011】
「約」は、本明細書において使用される場合、「約」として見なされる数が、列挙された数にその列挙された数のプラス又はマイナス1〜10%を含むことを意味する。
【0012】
「眼科用機器」は、本明細書において使用される場合、コンタクトレンズ(ハード又はソフト)、眼内レンズ、角膜アンレー、眼の上若しくは周辺又は眼球近傍で使用される他の眼科用機器(例えば、ステント、緑内障シャントなど)を指す。
【0013】
「コンタクトレンズ」は、装着者の眼の上又はその中に配置され得る構造物を指す。コンタクトレンズは、使用者の視力を矯正、改善又は変更し得るが、そうである必要はない。コンタクトレンズは、当技術分野で公知の又は将来開発される任意の適切な材料であり得、ソフトレンズ、ハードレンズ又はハイブリッドレンズであり得る。「シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ」は、シリコーンヒドロゲル材料を含むソフトコンタクトレンズを指す。
【0014】
「ヒドロゲル」又は「ヒドロゲル材料」は、完全に水和したときに少なくとも10%(重量)の水を吸収し得る、ポリマー材料を指す。
【0015】
「シリコーンヒドロゲル」は、少なくとも1つのシリコーン含有モノマー又は少なくとも1つのシリコーン含有マクロマー又は少なくとも1つの架橋性シリコーン含有プレポリマーを含む重合性組成物の共重合によって得られる、シリコーン含有ヒドロゲルを指す。
【0016】
「親水性」は、本明細書において使用される場合、脂質よりも水と容易に会合する材料又はその一部を表す。
【0017】
「ビニルモノマー」は、1つの単一のエチレン性不飽和基を有し、そして溶媒に可溶性である、化合物を指す。
【0018】
用語「可溶性」は、溶媒中の化合物又は材料に関して、当該化合物又は材料が、溶媒に溶解されて、室温(すなわち、約20℃〜約30℃の温度)で、少なくとも約1%(重量)の濃度を有する溶液を与え得ることを意味する。
【0019】
用語「不溶性」は、溶媒中の化合物又は材料に関して、当該化合物又は材料が、溶媒に溶解されて、室温(上に定義されるような)で、0.005%(重量)未満の濃度を有する溶液を与え得ることを意味する。
【0020】
本出願において使用される場合、用語「オレフィン性不飽和基」又は「エチレン性不飽和基」は、本明細書において広い意味で使用され、少なくとも1つの>C=C<基を含む任意の基を包含することを意図する。典型的なエチレン性不飽和基は、限定されないが、(メタ)アクリロイル
【化1】

アリル、ビニル、スチレニル又は他のC=C含有基を含む。
【0021】
本出願において使用される場合、用語「(メタ)アクリルアミド」は、メタクリルアミド及び/又はアクリルアミドを指し、用語「(メタ)アクリラート」は、メタクリラート及び/又はアクリラートを指す。
【0022】
本明細書において使用される場合、「化学線」は、重合性組成物、プレポリマー又は材料の硬化、架橋又は重合に関して、硬化(例えば、架橋及び/又は重合)が、例えば、UV照射、電離放射線(例えば、ガンマ線又はX線照射)、マイクロ波照射などの化学線照射によって実施されることを意味する。熱硬化又は化学線硬化の方法は、当業者に周知である。
【0023】
本出願において使用される場合、用語「親水性ビニルモノマー」は、水溶性であるか又は室温で少なくとも10%(重量)の水を吸収し得るホモポリマーを形成することができる、ビニルモノマーを指す。
【0024】
本出願において使用される場合、用語「疎水性ビニルモノマー」は、ホモポリマーとして、水に不溶性であり、そして室温で10%(重量)未満の水を吸収し得るポリマーを通常生成する、ビニルモノマーを指す。
【0025】
本出願において使用される場合、用語「プレポリマー」は、700ダルトン超の重量平均分子量を有するポリマーを指し、室温で溶媒に可溶性であり、そして2つ以上の化学線架橋性基(例えば、エチレン性不飽和基又はエン基)を含有する。
【0026】
本出願において使用される場合、用語「架橋剤」は、少なくとも2つの化学線架橋性基(例えば、エチレン性不飽和基又はエン基)を有し、そして室温で溶媒に可溶性である、化合物を指す。「架橋物質」は、約700ダルトン以下の分子量を有する架橋剤を指す。
【0027】
「ポリシロキサン」は、1つの単一のポリシロキサンセグメントを含有する化合物を指す。
【0028】
用語「ポリシロキサンセグメント」は、以下:
【化2】

[式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、C−C10アルキル、C−Cアルキル−又はC−C−アルコキシ置換フェニル、C−C10フルオロアルキル、C−C10フルオロエーテル、C−C18アリールラジカル、−alk−(OCHCH−OR(式中、alkは、C−C−アルキレン二価ラジカルであり、Rは、水素又はC−Cアルキルであり、そして、nは、1〜10の整数である)であり、m及びpは、互いに独立して、0〜100の整数であり、そして、(m+p)は、1〜100である]
で表される二価ラジカルを指す。
【0029】
本出願において使用される場合、用語「ポリマー」は、1つ以上のモノマー又はプレポリマーを重合/架橋することによって形成される材料を意味する。
【0030】
本出願において使用される場合、ポリマー材料(モノマー材料又はマクロマー材料を含む)又はポリマー鎖の用語「分子量」は、具体的に別途指示のない限り又は試験条件が別途指示されない限り、重量平均分子量を指す。
【0031】
用語「アルキル」は、直鎖又は分岐アルカン化合物から水素原子を除去することによって得られる一価ラジカルを指す。アルキル基(ラジカル)は、有機化合物中の1つの他の基と1つの結合を形成する。
【0032】
用語「アルキレン」は、アルキルから1つの水素原子を除去することによって得られる二価ラジカルを指す。アルキレン基(又はラジカル)は、有機化合物中の他の基と2つの結合を形成する。
【0033】
本出願において、用語「置換されている」は、アルキレン二価ラジカル又はアルキルラジカルに関して、当該アルキレン二価ラジカル又はアルキルラジカルが、アルキレン又はアルキルラジカルの1つの水素原子と置き換わり、そしてヒドロキシル、カルボキシル、−NH、スルフヒドリル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオ(アルキルスルフィド)、C−Cアシルアミノ、C−Cアルキルアミノ、ジ−C−Cアルキルアミノ、ハロゲン原子(Br又はCl)及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、少なくとも1つの置換基を含むことを意味する。
【0034】
用語「流体」は、本明細書において使用される場合、ある材料が液体のように流動することができることを示す。
【0035】
本明細書において使用される場合、用語「複数」は、3つ以上を指す。
【0036】
フリーラジカル開始剤は、光開始剤又は熱開始剤のいずれかであり得る。「光開始剤」は、光の使用によってフリーラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を指す。好適な光開始剤は、限定されないが、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、Darocure(登録商標)型光開始剤、及びIrgacure(登録商標)型光開始剤、好ましくはDarocure(登録商標)1173、及びIrgacure(登録商標)2959を含む。ベンゾイルホスフィンオキシド開始剤の例は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニロホスフィンオキシド(2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylophosphine oxide)(TPO);ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシド;及びビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−ブチルフェニルホスフィンオキシドを含む。例えば、プレポリマーに組み込まれ得る又は特別なモノマーとして使用され得る反応性光開始剤も好適である。反応性光開始剤の例は、EP 632 329号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に開示されるものである。次に、化学線、例えば光、特に好適な波長のUV光によって重合が開始され得る。そのスペクトル要件は、状況に応じて、好適な光増感剤の添加によって適宜制御され得る。
【0037】
「熱開始剤」は、熱エネルギーの使用によってラジカル架橋/重合反応を開始する化学物質を指す。好適な熱開始剤の例は、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル)などを含むが、これらに限定されない。好ましくは、熱開始剤は、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)である。
【0038】
「重合性UV吸収剤」は、エチレン性不飽和基と当業者によって理解されるように200nm〜400nmの範囲でUV線を吸収又は遮蔽し得るUV吸収部分とを含む、化合物を指す。
【0039】
「化学線の空間的制限」は、光線の形態のエネルギー放射を、例えば、マスク又はスクリーン又はそれらの組み合わせによって方向付けて、明確に画定された周辺境界を有する領域に空間制限的に衝突させる、作用又はプロセスを指す。UV照射の空間的制限は、米国特許第6,800,225号(図1〜11)、及び第6,627,124号(図1〜9)、第7,384,590号(図1〜6)、及び第7,387,759号(図1〜6)(これらの全ては、参照によってその全体が組み入れられる)の図面で図示されるように、放射線(例えば、UV)透過領域、放射線透過領域を取り囲む放射線(例えば、UV)不透過領域、及び放射線不透過領域と放射線透過領域の間の境界線である投射輪郭を有するマスク又はスクリーンを使用することによって得られる。マスク又はスクリーンは、マスク又はスクリーンの投射輪郭によって画定される断面形状を有する放射線(例えば、UV線)のビームの空間的投射を可能にする。投射された放射線(例えば、UV線)のビームは、投射されたビーム経路に位置するレンズ形成材料上への放射線(例えば、UV線)衝突を、成形用型の第一の成形面から第二の成形面までに制限する。得られたコンタクトレンズは、第一の成形面によって画定される前面、第二の成形面によって画定される反対の後面、及び投射されたUVビームの断面形状(すなわち、放射線の空間的制限)によって画定されるレンズエッジを含む。架橋に使用される放射線は、放射エネルギー、特に、UV照射、ガンマ線、電子線又は熱放射線であり、放射エネルギーは、好ましくは、一方で良好な制限を達成し、また一方でエネルギーの効率的使用を達成するために、実質的に平行なビームの形態である。
【0040】
「染料」は、レンズ形成流体材料に可溶性であり、そして色を付与するために使用される、物質を意味する。染料は、典型的には、半透明であり、光を吸収するが散乱させない。
【0041】
「色素」は、それが不溶性であるレンズ形成組成物中に懸濁された、粉末状物質(粒子)を意味する。
【0042】
「抗菌剤」は、本明細書において使用される場合、この用語が当技術分野において公知であるように、微生物の増殖を減少又は排除又は阻害することができる化学物質を指す。抗菌剤の好ましい例は、限定されないが、銀塩、銀錯体、銀ナノ粒子、銀含有ゼオライトなどを含む。
【0043】
「銀ナノ粒子」は、本質的に銀金属からできており、そして1マイクロメートル未満のサイズを有する、粒子を指す。
【0044】
本出願において、「オキサゾリン」は、以下:
【化3】

[式中、Rは、水素、メチル又はエチル基である]
で表される化合物を指す。
【0045】
「ポリオキサゾリンセグメント」は、以下:
【化4】

[式中、Rは、水素、メチル又はエチル基であり、そして、qは、3〜200の整数である]
で表される二価ラジカルを指す。
【0046】
材料の固有の「酸素透過度」(Dk)は、酸素が材料を透過する割合である。本出願において使用される場合、用語「酸素透過度(Dk)」は、ヒドロゲル(シリコーン又は非シリコーン)又はコンタクトレンズに関して、本明細書下記の実施例に示される手順に従って、境界層効果によって生じる酸素フラックスに対する表面抵抗について補正された、測定された酸素透過度(Dk)を意味する。酸素透過度は、従来、barrerの単位で表され、「barrer」は、[(酸素cm3)(mm)/(cm)(秒)(mmHg)]×10−10として定義される。
【0047】
レンズ又は材料の「酸素伝達率」(Dk/t)は、酸素が、測定される面積にわたって平均厚さt[mmの単位]を有する特定のレンズ又は材料を透過する割合である。酸素伝達率は、従来、barrer/mmの単位で表され、「barrer/mm」は、[(酸素cm)/(cm)(秒)(mmHg)]×10−9として定義される。
【0048】
用語「水溶解性又は水処理可能性」は、本発明のプレポリマーに関して、当該プレポリマーが室温(約22℃〜約28℃)で約1%〜約40%(重量)の水溶解度及び/又は水分散度を有することを意味する。
【0049】
用語「水溶解度及び/又は水分散度」は、本発明のプレポリマーに関して、400〜700nmの範囲で85%以上の光伝達率を有する透明な水溶液又はわずかに濁った水溶液を形成する、室温(約22℃〜約28℃)で水に溶解及び/又は分散されたプレポリマーの濃度(重量パーセント)を意味する。
【0050】
用語「眼科的に適合し得る溶媒」は、眼内環境に重大な損傷を与えることなく、そして使用者に重度の不快感を与えることなく、眼内環境と長期間密接に接触し得る溶媒を指す。「眼内環境」は、本明細書において使用される場合、視力矯正、薬物送達、創傷治癒、眼の色変化又は他の眼科的用途に使用されるコンタクトレンズと密接に接触し得る、眼液(例えば、涙液)及び眼組織(例えば、角膜)を指す。眼科的に適合し得る溶媒の好ましい例は、限定されないが、水、1,2−プロピレングリコール、約400ダルトン以下の分子量を有するポリエチレングリコール及びそれらの組み合わせを含む。
【0051】
「カップリング反応」は、本特許出願において、例えば、酸化−還元条件、脱水縮合条件、付加条件、置換(substitution)(又は置換(displacement))条件、Diels-Alder反応条件、カチオン性架橋条件、開環条件、エポキシ硬化条件及びそれらの組み合わせなどの当業者に周知の様々な反応条件下で共有結合又は結合を形成するための、カップリング剤の存在下又は不在下での、1対の適合する官能基間の任意の反応を表すことを意図する。
【0052】
好ましくは、アミノ基(−NHR’、式中、R’は、H又はC−Cアルキルである)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、酸ハロゲン化物基(−COX、X=Cl、Br又はI)、酸無水物基、アルデヒド基、アズラクトン基、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基及びチオール基からなる群より選択される1対の適合する共反応性官能基間の様々な反応条件下でのカップリング反応の非限定的例が、以下に例示目的で示される。アミノ基は、アルデヒド基と反応して、シッフ塩基を形成し(これはさらに還元され得る);アミノ基−NHR’は、酸塩化物若しくは臭化物基又は酸無水物基と反応して、アミド結合(−CO−NR’−、式中、R’は、上に定義されるとおりである)を形成し;アミノ基−NHR’は、イソシアナート基と反応して、尿素結合(−NR’−C(O)−NH−、式中、R’は、上に定義されるとおりである)を形成し;アミノ基−NHR’は、エポキシ又はアジリジン基と反応して、アミン結合(−C−NR’−、式中、R’は、上に定義されるとおりである)を形成し;アミノ基−NHR’は、アズラクトン基と反応(開環)して、アルキレン−ジアミド結合(−C(O)NH−アルキレン−C(O)NR’−、式中、R’は、上に定義されるとおりである)を形成し;アミノ基−NHR’は、カップリング剤−カルボジイミド(例えば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、N,N’−ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド又はそれらの混合物)の存在下で、カルボン酸基と反応して、アミド結合を形成し;アミノ基−NHR’は、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル基と反応して、アミド結合を形成し;ヒドロキシルは、イソシアナートと反応して、ウレタン結合を形成し;ヒドロキシルは、エポキシ又はアジリジンと反応して、エーテル結合(−O−)を形成し;ヒドロキシルは、酸塩化物若しくは臭化物基又は酸無水物基と反応して、エステル結合を形成し;ヒドロキシル基は、触媒の存在下で、アズラクトン基と反応して、アミドアルキレンカルボキシ結合(−C(O)NH−アルキレン−C(O)−O−)を形成し;カルボキシル基は、エポキシ基と反応して、エステル結合を形成し;チオール基(−SH)は、イソシアナートと反応して、チオカルバマート結合(−N−C(O)−S−)を形成し;チオール基は、エポキシ又はアジリジンと反応して、チオエーテル結合(−S−)を形成し;チオール基は、酸塩化物若しくは臭化物基又は酸無水物基と反応して、チオールエステル結合を形成し;チオール基は、触媒の存在下で、アズラクトン基と反応して、結合(−C(O)NH−CR−(CH−C(O)−S−)を形成する。チオール基は、チオール−エン反応条件下で、チオール−エン反応に基づいてビニル基と反応して、チオエーテル結合(−S−)を形成する。チオール基は、適切な反応条件下で、マイケル付加に基づいてアクリロイル又はメタクリロイル基と反応して、チオエーテル結合を形成する。
【0053】
また、2つの反応性官能基を有するカップリング剤が当該カップリング反応に使用され得ることが理解される。2つの反応性官能基を有するカップリング剤は、ジイソシアナート、二酸ハロゲン化物、ジカルボン酸化合物、二酸ハロゲン化物化合物、ジアズラクトン化合物、ジエポキシ化合物、ジアミン又はジオールであり得る。当業者にとって、1つ以上のエチレン性不飽和基で末端化されたポリシロキサンを調製するためのカップリング反応(例えば、本出願において上述されるいずれか1つ)及びその条件を選択することは周知である。例えば、ジイソシアナート、二酸ハロゲン化物、ジカルボン酸、ジアズラクトン又はジエポキシ化合物は、2つのヒドロキシル、2つのアミノ基、2つのカルボキシル基、2つのエポキシ基又はそれらの組み合わせのカップリングに使用され得;ジアミン又はジヒドロキシル化合物は、2つのイソシアナート、エポキシ、アジリジン、カルボン酸、酸ハロゲン化物又はアズラクトン基又はそれらの組み合わせのカップリングに使用され得る。
【0054】
任意の好適なC−C24ジイソシアナートが本発明において使用され得る。好ましいジイソシアナートの例は、限定されないが、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチル−1,6−ジイソシアナート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレン4,4’−ジフェニルジイソシアナート、1,3−ビス−(4,4’−イソシアントメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサンジイソシアナート及びそれらの組み合わせを含む。
【0055】
任意の好適なジアミンが本発明において使用され得る。有機ジアミンは、直鎖若しくは分岐C−C24脂肪族ジアミン、C−C24脂環式若しくは脂肪族−脂環式ジアミン、又はC−C24芳香族若しくはアルキル−芳香族ジアミンであり得る。好ましい有機ジアミンは、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N’−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、プロパン−1,3−ジアミン、ブタン−1,4−ジアミン、ペンタン−1,5−ジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びイソホロンジアミンである。
【0056】
任意の好適な二酸ハロゲン化物が本発明において使用され得る。好ましい二酸ハロゲン化物の例は、限定されないが、塩化フマリル、塩化スベロイル、塩化スクシニル、塩化フタロイル、塩化イソフタロイル、塩化テレフタロイル、塩化セバコイル、塩化アジポイル、塩化トリメチルアジポイル、塩化アゼラオイル、ドデカン二酸塩化物、コハク酸塩化物、グルタル酸塩化物、塩化オキサリル、ダイマー酸塩化物及びそれらの組み合わせを含む。
【0057】
任意の好適なジエポキシ化合物が本発明において使用され得る。好ましいジエポキシ化合物の例は、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル及びそれらの組み合わせである。そのようなジエポキシ化合物は、市販されている(例えば、Nagase ChemteX CorporationからのDENACOLシリーズのジエポキシ化合物)。
【0058】
任意の好適なC−C24ジオール(すなわち、2つのヒドロキシル基を有する化合物)が本発明において使用され得る。好ましいジオールの例は、限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、様々なペンタンジオール、様々なヘキサンジオール、様々なシクロヘキサンジオール及びそれらの組み合わせを含む。
【0059】
任意の好適なC−C24ジカルボン酸化合物が本発明において使用され得る。好ましいジカルボン酸化合物の例は、限定されないが、直鎖又は分岐C−C24脂肪族ジカルボン酸、C−C24脂環式又は脂肪族−脂環式ジカルボン酸、C−C24芳香族又は芳香脂肪族ジカルボン酸、アミノ若しくはイミド基又はN−複素環を含有するジカルボン酸、及びそれらの組み合わせを含む。好適な脂肪族ジカルボン酸の例は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ジメチルマロン酸、オクタデシルコハク酸、トリメチルアジピン酸及びダイマー酸(オレイン酸などの不飽和脂肪族カルボン酸の二量化生成物)である。好適な脂環式ジカルボン酸の例は、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−及び1,4−ジカルボキシルメチルシクロヘキサン、4,4’−ジシクロへキシルジカルボン酸である。好適な芳香族ジカルボン酸の例は、テレフタル酸、イソフタル酸、o−フタル酸、1,3−、1,4−、2,6−又は2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホン−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−5−カルボキシル−3−(p−カルボキシフェニル)−インダン、4,4’−ジフェニルエーテル−ジカルボン酸、ビス−p−(カルボキシルフェニル)−メタンである。
【0060】
任意の好適なC10−C24ジアズラクトン化合物が本発明において使用され得る。そのようなジアズラクトン化合物の例は、米国特許第4,485,236号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されるものである。
【0061】
上述されるカップリング反応についての反応条件は、教科書に解説されており、当業者に周知である。
【0062】
用語「エチレン性官能化する」又は「エチレン性官能化」は、1つ以上の反応性官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボキシル、イソシアナート、無水物、アジリジン、アズラクトン及び/又はエポキシ基)を有する化合物又はポリマー又はコポリマーに関して、エチレン性官能化ビニルモノマーと当該化合物又はポリマー又はコポリマーとをカップリング反応条件下で反応させることによって、1つ以上のエチレン性不飽和基が当該化合物又はポリマー又はコポリマーの官能基に共有結合する、プロセス又はその生成物を意味する。
【0063】
「エチレン性官能化ビニルモノマー」は、本特許出願全体を通して、当業者に公知のカップリング(又は架橋)反応に関与することができる、1つの反応性官能基を有するビニルモノマーを指す。カップリング剤(上述されるもの)の不在下又は存在下でポリシロキサンのイソシアナート、アミン、ヒドロキシル、カルボキシ又はエポキシ基と共反応性である、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシル、エポキシ、アジリジン、酸塩化物、イソシアナート基を有する任意のビニルモノマーが、ポリシロキサンをエチレン性官能化する際に使用され得る。エチレン性官能化ビニルモノマーの例は、限定されないが、C〜Cヒドロキシルアルキル(メタ)アクリラート、C〜Cヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、アリルアミン、アミノ−C−Cアルキル(メタ)アクリラート、C−Cアルキルアミノ−C−Cアルキル(メタ)アクリラート、ビニルアミン、アミノ−C−Cアルキル(メタ)アクリルアミド、C−Cアルキルアミノ−C−Cアルキル(メタ)アクリルアミド、アクリル酸、C−Cアルキルアクリル酸(例えば、メタクリル酸、エチルアクリル酸、プロピルアクリル酸、ブチルアクリル酸)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)−メチル]アクリルアミド、N,N−2−アクリルアミドグリコール酸、β−メチル−アクリル酸(クロトン酸)、α−フェニルアクリル酸、β−アクリルオキシプロピオン酸、ソルビン酸、アンゲリカ酸、ケイ皮酸、1−カルボキシ−4−フェニルブタジエン−1,3、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、アジリジニルC−C12アルキル(メタ)アクリラート(例えば、2−(1−アジリジニル)エチル(メタ)アクリラート、3−(1−アジリジニル)プロピル(メタ)アクリラート、4−(1−アジリジニル)ブチル(メタ)アクリラート、6−(1−アジリジニル)へキシル(メタ)アクリラート、又は8−(1−アジリジニル)オクチル(メタ)アクリラート)、グリシジル(メタ)アクリラート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物基(−COX、X=Cl、Br又はI)、C〜Cイソシアナトアルキル(メタ)アクリラート、アズラクトン含有ビニルモノマー(例えば、2−ビニル−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−ビニル−4−メチル−4−エチル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−イソプロペニル−4−メチル−4−ブチル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−ビニル−4,4−ジブチル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−イソプロペニル−4−メチル−4−ドデシル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−イソプロペニル−4,4−ジフェニル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−イソプロペニル−4,4−ペンタメチレン−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−イソプロペニル−4,4−テトラメチレン−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−ビニル−4,4−ジエチル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−ビニル−4−メチル−4−ノニル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−イソプロペニル−4−メチル−4−フェニル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−イソプロペニル−4−メチル−4−ベンジル−1,3−オキサゾリン−5−オン、2−ビニル−4,4−ペンタメチレン−1,3−オキサゾリン−5−オン及び2−ビニル−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン−6−オンであり、好ましいアズラクトン含有ビニルモノマーとしては、2−ビニル−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン−5−オン(VDMO)及び2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン−5−オン(IPDMO))、及びそれらの組み合わせを含む。
【0064】
「エン含有基」は、カルボニル基(−CO−)、ベンゼン環、窒素原子又は酸素原子に直接結合しない炭素−炭素二重を含有する一価又は二価ラジカルを指す。
【0065】
一般に、本発明は、少なくとも1つのポリシロキサンセグメント、少なくとも1つのポリオキサゾリンセグメント及び2つの末端エン基を含む、化学線架橋性のシリコーン含有プレポリマーのクラスに関する。そのようなプレポリマーは、特にLightstream Technology(商標)(CIBA Vision)に従って、医療機器、眼科用機器、又は好ましくはシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを調製するために使用され得る。
【0066】
一態様において、本発明は、少なくとも1つのポリシロキサンセグメント、少なくとも1つのポリオキサゾリンセグメント及び2つの末端エン基を含む(好ましくは、プレポリマーのコポリマー鎖中に)、化学線架橋性のプレポリマーであって、式(1):
【化5】

[式中、
、B、B、B及びBは、互いに独立して、約10000ダルトン以下(好ましくは約7500ダルトン以下、より好ましくは約5000ダルトン以下、さらにより好ましくは約2500ダルトン以下、最も好ましくは約1000ダルトン以下)の重量平均分子量を有し、そして少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、さらにより好ましくは少なくとも約98%(重量)で親水性モノマー単位(オキサゾリン単位(すなわち、N−C−Cアシルエチレンイミン単位)、エチレンオキシド単位、(メタ)アクリルアミド単位、N−C−Cアルキル(メタ)アクリルアミド単位、N,N−ジ−(C−Cアルキル)(メタ)アクリルアミド単位、N−ビニルピロール単位、N−ビニル−2−ピロリドン単位、4−ビニルピリジン単位、600ダルトン以下の分子量を有するモノ−C−Cアルコキシ−、モノ−(メタ)アクリロイルで末端化されたポリエチレングリコール単位、ジ(C−Cアルキルアミノ)(C−Cアルキル)(メタ)アクリラート単位、N−C−Cアルキル−3−メチレン−2−ピロリドン単位、N−C−Cアルキル−5−メチレン−2−ピロリドン単位、N−ビニルC−Cアルキルアミド単位、N−ビニル−N−C−Cアルキルアミド単位及びそれらの組み合わせからなる群より選択される)を含む、直鎖親水性ポリマー鎖であり;
d1、d2、d3は、互いに独立して、0〜20の整数であり、そして、(d1+d2+d3)≧1であり;
、D、D及びDは、互いに独立して、式(2):
【化6】

{式中、A及びAは、互いに独立して、直接結合、直鎖又は分岐C−C10アルキレン二価ラジカル、−(CHCHO)r1−CHCH−(式中、r1は、1〜20の整数である)、又はC−Cアルキレンオキシ−C−Cアルキレン二価ラジカルであり、R、R、R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、C−C10アルキル、C−Cアルキル−又はC−C−アルコキシ置換フェニル、C−C10フルオロアルキル、C−C10フルオロエーテル、C−C18アリールラジカル、−alk−(OCHCH−OR(式中、alkは、C−C−アルキレン二価ラジカルであり、Rは、水素又はC−Cアルキルであり、そして、nは、1〜10の整数である)であり、m及びpは、互いに独立して、0〜100の整数であり、そして、(m+p)は、1〜100である}
で表される二価基であり;
e1、e2、e3、e4、e5は、互いに独立して、0〜3の整数であり、そして、(e1+e2+e3+e4+e5)≧1であり;
、L、L、L及びLは、互いに独立して、直接結合又は以下:
−Z−X−Z−X−Z−X−Z
{式中、
、X及びXは、互いに独立して、直接結合、−O−、−NR’−(式中、R’は、H又はC−Cアルキルである)、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−NH−、−O−C(O)−NH−、−S−、−NH−C(O)−O−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−及び−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−(式中、Zは、−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する、直鎖又は分岐C−C12アルキレン二価ラジカル又はC−C45脂環式若しくは脂肪族−脂環式二価ラジカルである)からなる群より選択される結合であり、Z、Z、Z及びZは、互いに独立して、直接結合、直鎖又は分岐C−C12アルキレン二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)、−(CHCHO)r1−CHCH−(式中、r1は、上に定義されるとおりである)、又はC−C45脂環式若しくは脂肪族−脂環式二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)である}
で表される二価ラジカルであり;
、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y及びY10は、各々、少なくとも1つのウレタン結合(−O−C(O)−NH−)を含み、そして、互いに独立して、上に定義されるような−Z−X−Z−X−Z−X−Z−の二価ラジカル、又は式(3):
【化7】

{式中、
〜Z及びX〜Xは、上に定義されるとおりであり、
、X及びXは、互いに独立して、直接結合、−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−C(O)−NH−、−NH−C(O)−、−NH−C(O)−NH−、−O−C(O)−NH−、−S−、−NH−C(O)−O−、−C(O)−O−、−O−C(O)−、−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)、−O−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−NH−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)、及び−NH−C(O)−NH−Z−NH−C(O)−O−(式中、Zは、上に定義されるとおりである)からなる群より選択される結合であり、
、Z、Z及びZは、互いに独立して、直接結合、直鎖又は分岐C−C12アルキレン二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)、−(CHCHO)r1−CHCH−(式中、r1は、上に定義されるとおりである)、又はC−C45脂環式若しくは脂肪族−脂環式二価ラジカル(−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−S−及び−C(O)−の1つ以上の結合をその中に場合により含有する)であり、
Rは、水素、メチル又はエチル基であり、そして
qは、3〜200の整数である}
で表される二価ラジカルであり;
、T、T、T及びTは、互いに独立して、15個以下の炭素原子を有し、そして−O−、−NR’−(式中、R’は、上に定義されるとおりである)、−C(O)−及び/又は−S−によって中断され得る、脂肪族又は脂環式又は脂肪族−脂環式の三価ラジカルであり;そして
Qは、式(I)〜(III):
【化8】

{式中、(i)R10〜R17は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18は、C−C10アルケン二価ラジカルであり、Xは、エーテル結合、ウレタン結合、尿素結合、エステル結合、アミド結合又はカルボニルであり、R19は、水素、単結合、アミノ基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、カルボニル基、C−C12アミノアルキル基、C−C18アルキルアミノアルキル基、C−C18カルボキシアルキル基、C−C18ヒドロキシアルキル基、C−C18アルキルアルコキシ基、C−C12アミノアルコキシ基、C−C18アルキルアミノアルコキシ基、C−C18カルボキシアルコキシ基、又はC−C18ヒドロキシアルコキシ基であり、a1及びb1は、互いに独立して、0又は1である)であり、q1は、1〜3の整数であるが、但し、R10〜R17の1つだけが二価ラジカルであり;(ii)R20〜R25は、互いに独立して、水素、C−C10アルケン二価ラジカル、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18、R19、X、a1及びb1は、上に定義されるとおりである)であるが、但し、R20〜R25の少なくとも1つが二価ラジカルであり、t1及びt2は、互いに独立して、0〜9の整数であるが、但し、(t1+t2)は、2〜9の整数であり;(iii)R26は、水素又はC−C10アルキルであり;R27及びR28は、互いに独立して、水素、C−C10アルキル、又は−(R18a1−(Xb1−R19(式中、R18、R19、X、a1及びb1は、上に定義されるとおりである)であり、R29は、C−C10アルケン二価ラジカルである}
のいずれか1つによって定義される]
によって定義されるプレポリマーを提供する。
【0067】
好ましい実施態様において、当該プレポリマーは、式(4):
【化9】

[式中、Q、D、D、X〜X、Z〜ZR、q、Y及びY10は、上に定義されるとおりであり、そして、d1は、1〜20の整数である]
によって定義される。
【0068】
別の好ましい実施態様において、当該プレポリマーは、式(5):
【化10】

[式中、Q、D、D、L、TR、q、Y、Y、Y及びY10は、上に定義されるとおりであり、e2は、1〜3の整数であり、d1は、1〜20の整数であり、そして、A’は、C−Cアルコキシである]
によって定義される。
【0069】
別の好ましい実施態様において、当該プレポリマーは、式(6):
【化11】

[式中、Q、D〜D、X〜X、e2、e4、d1、d3、Z〜ZR、q、L、L、T、T、B、B、Y、Y、Y、Y、Y及びY10は、上に定義されるとおりであり、そして、d2は、1〜20の整数である。好ましくは、d2は、1〜20の整数であり、そして、B及びBは、互いに独立して、約10000ダルトン以下(好ましくは約7500ダルトン以下、より好ましくは約5000ダルトン以下、さらにより好ましくは約2500ダルトン以下、最も好ましくは約1000ダルトン以下)の分子量を有し、そして少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%(重量)で親水性モノマー単位(オキサゾリン単位(すなわち、N−C−Cアシルエチレンイミン単位)、エチレンオキシド単位、(メタ)アクリルアミド単位、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド単位、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、5−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン及びそれらの組み合わせからなる群より選択される)を含む、直鎖親水性ポリマー鎖である]
によって定義される。
【0070】
本発明のプレポリマーは、(a)2つの第一の反応性官能基で末端化された少なくとも1つのポリシロキサン化合物、2つの第二の反応性官能基で末端化されたポリオキサゾリン及び/又は2つの第三の反応性官能基を有する1つの単一の第一の反応性末端基を有するポリオキサゾリンと、場合により2つの第四の反応性官能基を有する1つの単一の第二の反応性末端基を有する親水性ポリマーとを含む反応性混合物を、カップリング反応条件下、カップリング剤の存在下又は不在下で重合して、2つの反応性官能基(これらは、互いに独立して、第一、第二、第三及び第四の官能基の1つである)で末端化された中間コポリマーを形成すること、及び(b)中間コポリマーの2つの反応性官能基の1つと共反応性である第五の反応性官能基を有するエン含有化合物を、カップリング剤の存在下又は不在下で共有結合させて、共有結合を形成することによって得られ得、ここで、第一から第五の反応性官能基は、互いに独立して、ヒドロキシル基(−OH)、アミノ基(−NHR’)、カルボキシル基(−COOH)、エポキシ基、イソシアナート基及びそれらの組み合わせからなる群より、好ましくは、ヒドロキシル、イソシアナート及びそれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0071】
ヒドロキシル基(−OH)、アミノ基(−NHR’)、カルボキシル基(−COOH)、エポキシ基、イソシアナート基、チオール基及びそれらの組み合わせからなる群より選択される2つの反応性官能基で末端化された様々なポリシロキサン化合物は、販売業者から(例えば、Shin Etsu、Gelest, Inc、又はFluorochemから)得られ得る。あるいは、当業者であれば、当技術分野において公知の手順及びJournal of PolymerScience - Chemistry, 33, 1773 (1995)(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に記載の手順に従って、そのような二官能性基で末端化されたポリシロキサンをどのように調製すればよいかは公知であろう。市販の二官能性ポリシロキサンの例は、限定されないが、ジエポキシプロポキシプロピルで末端化されたポリシロキサン、ジヒドロキシエトキシプロピルで末端化されたポリシロキサン、ジヒドロキシル(ポリエチレンオキシ)プロピルで末端化されたポリシロキサン、ジカルボキシデシルで末端化されたポリシロキサン、ジカルボキシプロピルで末端化されたポリシロキサン、ジカプロラクトンで末端化されたポリシロキサン、ジ−N−エチルアミノプロピルで末端化されたポリシロキサン及びそれらの組み合わせ(例えば、Shin Etsu、Gelestなどから)を含む。
【0072】
1つの末端反応性官能基を別の所望の末端反応性官能基(例えば、ヒドロキシル又はイソシアナート基)に変換する方法は、当業者にとって周知であろう。例えば、末端チオール基は、マイケル付加又はチオール−エン反応条件下で、それをC−Cヒドロキシアルキル(メタ)アクリラート、C−Cヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド又はアリルアルコールと反応させることによって、末端ヒドロキシル基に変換され得;末端アミノ基は、グリコール酸と反応させることによって末端ヒドロキシル基に変換され得;末端アミノ基は、EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)の存在下、ジイソシアナートと反応させることによって末端イソシアナート基に変換され得;末端カルボキシル基は、EDCの存在下、2−アミノエタノールと反応させることによって末端ヒドロキシル基に変換され得る。
【0073】
2つの第二の官能性末端基を有するポリオキサゾリンは、任意の公知のオキサゾリンの開環重合に従って調製され得る。例えば、2つの末端ヒドロキシル基を有するポリオキサゾリンは、開始剤としてのジハロゲン置換炭化水素(例えば、trans−1,4−ジクロロ−2−ブテン、trans−1,4−ジブロモ−2−ブテン、1,4−ビス(ブロモメチル)ベンゼンなど)の存在下でのオキサゾリンの開環重合、及びその後の水中での加水分解によって得られ得る(スキームIを参照のこと)。代替的に、2つの末端ヒドロキシル基を有するポリオキサゾリンは、(1)臭化アリルの存在下でのオキサゾリンの開環重合、(2)1つのヒドロキシル基及び1つのアリル基を有するポリオキサゾリンを形成する加水分解、及び(3)チオール−エン反応条件下でのアリル基とメルカプトエタノールとの反応によって得られ得る(スキームIIを参照のこと)。所望であれば、上述したように、ヒドロキシル基が別の反応性官能基に変換され得ることが理解される。
【0074】
【化12】
【0075】
【化13】
【0076】
1つの単一の二官能性末端基を有するポリオキサゾリンは、任意の公知のオキサゾリンの開環重合に従って調製され得る。例えば、1つの単一のビスヒドロキシル末端基を有するポリオキサゾリンは、(1)開始剤としての臭化アリルの存在下でのオキサゾリンの開環重合、(2)1つのヒドロキシル基及び1つのアリル基を有するポリオキサゾリンを形成する加水分解、(3)強塩基条件下でのヒドロキシ基と臭化C−Cアルキルとの反応によるヒドロキシル基のアルコキシ基への変換、及び(4)チオール−エン反応条件下でのアリル基とチオールグリセリンとの反応によって得られ得る(スキームIIIを参照のこと)。
【0077】
【化14】
【0078】
モノ−ビスヒドロキシアルキル又はビスヒドロキシアルキルオキシアルキルで末端化されたPEGが、販売業者から入手可能である(例えば、Ymer(商標)N120、直鎖二官能性ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、Perstorpから)。
【0079】
2つの反応性官能基を有する1つの単一の反応性末端基を有する親水性ポリマーは、米国特許第6,218,508号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されるものと類似の手順に従って調製され得る。例えば、エチレン性不飽和基以外の反応性官能基(すなわち、第一級若しくは第二級アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基又はエポキシ基)を有さない1つ以上の親水性ビニルモノマーと2つの反応性官能基(例えば、チオグリクリン(thioglycrin))を有する連鎖移動剤とを含む重合性混合物の重合は、2つのヒドロキシル基を有する1つの単一の反応性末端基を有する親水性ポリマーの形成をもたらし得る。一般に、連鎖移動剤と1つ以上の親水性ビニルモノマーとのモル比は、約1:5〜約1:100である。連鎖移動剤と官能基を有さない親水性ビニルモノマーとのモル比は、約500〜約500,000、好ましくは約1000〜約100,000、より好ましくは約1500〜約100,000ダルトンの分子量のポリマー又はコポリマーが得られるように選択される。
【0080】
2つの反応性官能基を有する1つの単一の反応性末端基を有する親水性ポリマーを形成するための好ましい親水性ビニルモノマーの例は、限定されないが、(メタ)アクリルアミド、N−C−Cアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−(C−Cアルキル)(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、4−ビニルピリジン、600ダルトン以下の分子量を有するモノ−C−Cアルコキシ−、モノ−(メタ)アクリロイルで末端化されたポリエチレングリコール、ジ(C−Cアルキルアミノ)(C−Cアルキル)(メタ)アクリラート、N−C−Cアルキル−3−メチレン−2−ピロリドン、N−C−Cアルキル−5−メチレン−2−ピロリドン、N−ビニルC−Cアルキルアミド、N−ビニル−N−C−Cアルキルアミド及びそれらの組み合わせを含む。本発明によれば、形成される親水性ポリマーは、少なくとも約80%(好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、さらにより好ましくは少なくとも約98%)(重量)で、上に列挙される1つ以上の親水性モノマーから誘導される親水性モノマー単位からなる。そのような親水性ポリマーが、他のビニルモノマー、例えば、当業者に公知の疎水性ビニルモノマー又はシロキサン含有ビニルモノマーを場合により含有し得ることが理解される。
【0081】
2〜24個の炭素原子及び2つの反応性官能基(アミノ(−NHR’−、式中、R’は、上に定義されるとおりである)、ヒドロキシル、カルボキシル及びそれらの組み合わせからなる群より選択される)を有する任意のメルカプタンが、2つの反応性官能基を有する1つの単一の反応性末端基を有する親水性ポリマーを調製するために本発明において使用され得る。そのようなメルカプタンの例は、限定されないが、メルカプトグリセロール、2−メルカプト−ピリミジン−4,6−ジオール;システイン;4−アミノ−5−メルカプト−ペンタン酸、2−メルカプト−4−アミノ−6−ヒドロキシピリミジン、2−メルカプト−コハク酸、3−メルカプト−2−(メチルアミノ)プロパン酸、2−メルカプト−4,5−ジヒドロ−1h−イミダゾール−4,5−ジオール、3−メルカプトチラミン、メルカプトプロパンジオール、2−メルカプトメチルグルタル酸、3−メルカプト−DL−バリン塩酸塩及びそれらの組み合わせを含む。
【0082】
2つの反応性官能基を有する1つの単一の反応性末端基を有する親水性ポリマーはまた、1つの単一のエチレン性不飽和基又は1つの単一の反応性官能基を有する、任意の直鎖親水性ポリマーから調製され得る。
【0083】
単一のエチレン性不飽和基を有する親水性ポリマーは、マイケル付加又はチオール−エン反応条件下で、チオール基以外の2つの反応性官能基(例えば、チオールグリセリン、又は上述されるいずれか1つ)を有するメルカプタンと反応して、2つの反応性官能基を有する1つの単一の反応性末端基を有する親水性ポリマーを調製し得る。
【0084】
単一のエチレン性不飽和基を有する親水性ポリマーは、カップリング反応条件下、カップリング剤の存在下又は不在下で、3つの反応性官能基(少なくとも2つの異なるタイプの反応性官能基)を有するC−C20化合物と反応し得る。そのような3つの反応性官能基(互いに同一又は異なり得る)を有するC−C20化合物の例は、限定されないが、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、α−アミノアジピン酸、2,3−ジヒドロキシ−3−メチルペンタン酸、グリセリン酸、4−アミノ−2−ヒドロキシブタン酸、3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオン酸、セリン、トレオニン、リシン、アスパルタート、グルタマート、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタル酸、リンゴ酸、2−ヒドロキシグルタル酸を含む。当業者であれば、所与の官能基の選択性及び/又は差次的反応性(differential reactivity)に基づいてどのようにカップリング反応を選択すればよいかをよく理解されよう。例えば、3−アミノ−1,2−プロパンジオールのアミン基は、カルボジイミド(すなわち、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、N,N’−ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド)の存在下、周知のカルボジイミドを介したカップリング反応に従って、単官能化された直鎖又は3アーム親水性ポリマーの単一のカルボン酸基と反応して、2つのヒドロキシル基を有する1つの単一の反応性末端基を有する親水性ポリマーを形成し得る。
【0085】
モノエチレン性不飽和基で末端化されたポリエチレングリコール(PEG)は、販売業者から入手可能である。モノエチレン性不飽和基で末端化された親水性ポリマーは、アミノ基、ヒドロキシル基、酸塩化物基、カルボキシル基、イソシアナート基、無水物及びエポキシ基からなる群より選択される1つの単一の反応性官能基を有する親水性ポリマーのエチレン性官能化によって調製され得る。本発明によれば、単官能性基で末端化された親水性ポリマーのエチレン性官能化は、エチレン性官能化ビニルモノマー(上述されるもののいずれか1つ)を使用することによる、単官能性基で末端化された親水性ポリマーの官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボキシル、イソシアナート、無水物及び/又はエポキシ基)へのエチレン性不飽和基の共有結合によって行われ得る。
【0086】
様々な単官能性で末端化されたPEGは、販売業者、例えば、Shearwater Polymers, Inc.及びPolymer Sources(商標)から得られ得る。好ましい単官能性で末端化されたPEGは、一方の末端に1つのアミノ、ヒドロキシル、酸塩化物又はエポキシ基を有し、そして他方の末端にメトキシ又はエトキシ基を有するPEGである。1つの末端ヒドロキシ、カルボキシル又はチオール基を有する様々な単官能性ポリビニルピロリドン(PVP)は、販売業者、例えば、Polymer Sources(商標)から得られ得る。
【0087】
反応性官能基(エチレン性不飽和基以外)を全く含有しない1つ以上の親水性ビニルモノマーの単官能性基で末端化された直鎖親水性ポリマーは、米国特許第6,218,508号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されるものと類似の手順に従って調製され得る。例えば、官能基(すなわち、第一級アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアナート基、カルボキシル基又はエポキシ基)を有さない1つ以上の親水性ビニルモノマーと連鎖移動剤(例えば、2−メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオール、2−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオール酢酸(thioactic acid)、又は他のヒドロキシメルカプタン、アミノメルカプタン又はカルボキシル含有メルカプタン)は、開始剤の存在下又は不在下で共重合され(熱又は化学線により)、モノヒドロキシ−、モノカルボキシル−又はモノアミンで末端化された親水性ポリマー又はコポリマーが得られる。一般に、連鎖移動剤と1つ以上の親水性ビニルモノマーとのモル比は、約1:5〜約1:100である。連鎖移動剤と官能基を有さない親水性ビニルモノマーとのモル比は、約500〜約10,000、好ましくは約1000〜約7,500ダルトンの分子量のポリマー又はコポリマーが得られるように選択される。
【0088】
代替的に、単官能性基で末端化された親水性ポリマーは、ヒドロキシル−、アミン−又はカルボキシル含有フリーラジカル開始剤の存在下、約1:30〜約1:700の開始剤と親水性モノマーのモル比での、1つ以上の親水性モノマー(エチレン性不飽和基以外の反応性官能基を含有しない)の重合によって調製され得る。アミン、ヒドロキシル又はカルボキシ基を有する開始剤の例は、アゾ開始剤、例えば、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、又は2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物などである。
【0089】
得られた2つの反応性官能基で末端化された中間コポリマーは、カップリング反応条件下、カップリング剤の存在下又は不在下で、中間コポリマーの反応性官能基と共反応性である1つの反応性官能基を有するエン含有化合物と反応し得る。
【0090】
1つの反応性官能基を有するエン含有化合物の例は、限定されないが、アリルアルコール、アリルアミン、ノルボニルアルコール、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−メチルアミン、(2−メチル−1−シクロペンテニル)メタノール、2−シクロペンテン−1−オール、2−シクロペンテン−1−酢酸、1−アミノ−3−シクロペンテン、3−シクロペンテン−1−カルボン酸、3−シクロヘキセニルメタノール、1−シクロヘキセン−1−エチルアミン、1−シクロヘキセン−1−酢酸、3−シクロヘキセン−1−カルボン酸及び1−シクロブテン−1−エタノールを含む。
【0091】
スキームIV及びVは、式(1)の2つの好ましい両親媒性プレポリマーを調製するための例を示す。
【0092】
【化15】
【0093】
【化16】
【0094】
2つの反応性官能基で末端化された中間コポリマーを製造するための反応性混合物を重合する工程が、ワンポット反応又は一連の段階反応で行われ得ることが理解される。
【0095】
好ましくは、ポリオキサゾリン及び親水性ポリマーの第二、第三及び第四の反応性官能基は、同じタイプの反応性官能基(例えば、ヒドロキシル基又はイソシアナート基のいずれか)であり得るが、ポリシロキサンの2つの第一の反応性官能基とは異なり、カップリング反応条件下、カップリング剤の不在下で、ポリシロキサンの2つの第一の反応性官能基と直接反応性である。
【0096】
好ましくは、得られた本発明のプレポリマーは、当業者に公知の様式で、例えば、有機溶媒(例えば、アセトン)による沈殿、濾過及び洗浄、好適な溶媒中の抽出、透析又は限外濾過によって実質的に精製されるが、限外濾過が特に好ましい。プレポリマーは、好ましくは、極めて純粋な形態、例えば、反応生成物(例えば、塩)及び出発材料(例えば、非ポリマー成分など)を含有しないか又は少なくとも実質的に含有しない濃縮液の形態になるように精製される。本発明に係るプロセスにおいて使用されるプレポリマーのための好ましい精製プロセスである限外濾過は、当業者に公知の様式で実施され得る。限外濾過が繰り返し、例えば、2〜10回実施されることが可能である。代替的に、限外濾過は、選択された純度に達するまで連続的に実施され得る。選択された純度は、原理的には望む通りの高さであり得る。コンタクトレンズを製造する際にそのようなプレポリマーを使用することによって、得られたレンズは、例えば、高価で、そして複雑な未重合のマトリクス形成材料の抽出などのその後の精製を必要としないであろう。
【0097】
本発明の化学線架橋性の両親媒性プレポリマーは、逐次重合に基づいた従来にない硬化メカニズムに従って、望ましい機械及び物理特性を有する、医療機器、眼科用機器、特にコンタクトレンズの調製において特定の用途を見いだすことができる。そのような従来にない硬化メカニズムは、フリーラジカル連鎖成長重合に基づく従来のレンズ硬化メカニズムの欠点を克服し得る。例えば、フリーラジカル連鎖成長重合は急速であるが、架橋間の分子量はかなり低い場合があり、得られたポリマーは、望ましくない高いE率、低い引裂抵抗、及び/又は他の最適でない機械若しくは物理特性を有し得る。架橋間の分子量は、一般に出発マクロマー又はプレポリマーの分子量によって決定されると考えられている。従って、コンタクトレンズの機械特性(例えば、引き裂き抵抗)を高めるために、高い分子量を有するプレポリマーが、フリーラジカル連鎖成長重合に基づいてコンタクトレンズを製造するための組成物中に使用されなければならない。しかし、高い分子量を有するプレポリマーは、必然的に重合性組成物の粘度を大幅に増加させ、それによって、重合性組成物の処理能力(例えば、成形用型中の注入)が大きく妨げられる。加えて、得られたポリマーは、重合の連鎖成長性のためにほぼゼロのモノマー変換を生じ、低い変換で非常に高い粘度をもたらし、そして形成されたヒドロゲルの網目構造中に圧力を誘発する。
【0098】
本発明の様々な好ましい実施態様は別々に上述され得るが、これらを任意の望ましい形式で組み合わせて、本発明の異なる好ましい実施態様に到達し得ることを理解するべきである。
【0099】
別の態様において、本発明は、医療機器、好ましくは眼科用機器、より好ましくはソフトコンタクトレンズを提供する。本発明の医療機器(好ましくは眼科用機器、より好ましくはソフトコンタクトレンズ)は、上に定義されるような式(1)の化学線架橋性のプレポリマーと複数のチオール基を有する少なくとも1つの架橋剤/分岐剤とを含む重合性材料を逐次重合メカニズムに基づいて化学線架橋することによって得られる、シリコーンヒドロゲル材料を含む。
【0100】
本発明のコンタクトレンズは、好ましくは少なくとも約40barrer、より好ましくは少なくとも約60barrer、さらにより好ましくは少なくとも約80barrerの酸素透過度を有する。
【0101】
本発明のコンタクトレンズは、0.1MPa〜約2.0MPa、好ましくは約0.2MPa〜約1.5MPa、より好ましくは約0.3MPa〜約1.2MPa、さらにより好ましくは約0.4MPa〜約1.0MPaの弾性率を有する。
【0102】
本発明のコンタクトレンズは、完全に水和された場合に、約15%〜約70%、好ましくは約20%〜約65%、より好ましくは約25%〜約60%(重量)の含水量をさらに有する。
【0103】
上述される本発明のプレポリマーの好ましい実施態様を含む様々な実施態様の全てが、本発明のこの態様において使用され得る。
【0104】
さらなる態様において、本発明は、ソフトコンタクトレンズを生産するための方法を提供する。当該方法は、ソフトコンタクトレンズを製造するための成形用型を提供する工程(ここで、成形用型は、コンタクトレンズの前面を画定する第一の成形面を有する第一の成形用型半部とコンタクトレンズの後面を画定する第二の成形面を有する第二の成形用型半部とを有し、前記第一の成形用型半部と第二の成形用型半部は、前記第一の成形面と第二の成形面の間にキャビティが形成されるように互いを合わせるように構成される);レンズ形成材料をキャビティに注入する工程(ここで、レンズ形成材料は、上に定義されるような式(1)の少なくとも1つの化学線架橋性の両親媒性プレポリマーと複数のチオール基を有する少なくとも1つの架橋剤/分岐剤とを含む);及びキャビティ中のレンズ形成材料に化学線照射して、コンタクトレンズを形成する工程を含む。
【0105】
本発明によれば、レンズ形成(又は重合性材料)は、約20℃〜約85℃の温度で溶液又は溶融物であり得る、流体組成物である。好ましくは、レンズ形成材料は、水、又は有機溶媒、又は水と1つ以上の有機溶媒の混合物中の、上に定義されるような式(1)の少なくとも1つのプレポリマー、複数のチオール基を有する少なくとも1つの架橋剤/分岐剤及び他の望ましい成分の溶液である。
【0106】
少なくとも1つのプレポリマーの溶液は、プレポリマー及び他の成分を当業者に公知の任意の好適な溶媒に溶解することによって調製され得る。好ましくは、レンズ形成材料は、水、1,2−プロピレングリコール、約400ダルトン以下の分子量を有するポリエチレングリコール又はそれらの混合物中の、全ての望ましい成分の溶液である。
【0107】
好適な溶媒の例は、限定されないが、水、テトラヒドロフラン、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸i−プロピル、塩化メチレン、2−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、メントール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール及びエクソノルボルネオール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−メチル−2−ブタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、2−ノナノール、2−デカノール、3−オクタノール、ノルボルネオール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、2−メチル−2−ペンタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチル−2−ヘキサノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、1−クロロ−2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−2−オクタノール、2−2−メチル−2−ノナノール、2−メチル−2−デカノール、3−メチル−3−ヘキサノール、3−メチル−3−ヘプタノール、4−メチル−4−ヘプタノール、3−メチル−3−オクタノール、4−メチル−4−オクタノール、3−メチル−3−ノナノール、4−メチル−4−ノナノール、3−メチル−3−オクタノール、3−エチル−3−ヘキサノール、3−メチル−3−ヘプタノール、4−エチル−4−ヘプタノール、4−プロピル−4−ヘプタノール、4−イソプロピル−4−ヘプタノール、2,4−ジメチル−2−ペンタノール、1−メチルシクロペンタノール、1−エチルシクロペンタノール、1−エチルシクロペンタノール、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブテン、4−ヒドロキシ−4−メチル−1−シクロペンタノール、2−フェニル−2−プロパノール、2−メトキシ−2−メチル−2−プロパノール、2,3,4−トリメチル−3−ペンタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、2−フェニル−2−ブタノール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール及び3−エチル−3−ペンタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メチル−2−プロパノール、t−アミルアルコール、イソプロパノール、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリジノン及びそれらの混合物を含む。
【0108】
好ましい実施態様において、レンズ形成材料は、複数のアクリロイル
【化17】

又はメタクリロイル
【化18】

基を有するプレポリマーをさらに含む。流体組成物中にエン含有基とアクリロイル(又はメタクリロイル)基の両方を有することによって、硬化プロセスの間に2つのタイプの重合:チオール−エン逐次ラジカル重合及びフリーラジカル連鎖成長重合を有し得る。これらの2つのタイプの重合を調節することによって、広範囲の機械及び物理特性を有するコンタクトレンズを製造するための流体組成物を追跡することができる。
【0109】
複数のアクリロイル又はメタクリロイル基を有するプレポリマーの例は、米国特許第5,583,163号及び第6,303,687号(参照によってその全体が組み入れられる)に記載される水溶性の架橋性ポリ(ビニルアルコール)プレポリマー;米国特許出願公報第2004/0082680号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に記載される水溶性のビニル基で末端化されたポリウレタンプレポリマー;米国特許第5,849,841号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に開示されるポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン又はポリビニルアミンの誘導体;米国特許第6,479,587号及び米国公開出願第2005/0113549号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に記載される水溶性の架橋性ポリ尿素プレポリマー;架橋性ポリアクリルアミド;EP 655,470及び米国特許第5,712,356号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に開示されるビニルラクタム、MMA及びコモノマーの架橋性統計コポリマー;EP 712,867及び米国特許第5,665,840号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に開示されるビニルラクタム、酢酸ビニル及びビニルアルコールの架橋性コポリマー;EP 932,635及び米国特許第6,492,478号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に開示される架橋性側鎖を有するポリエーテル−ポリエステルコポリマー;EP 958,315及び米国特許第6,165,408号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に開示される分岐ポリアルキレングリコール−ウレタンプレポリマー;EP 961,941及び米国特許第6,221,303号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に開示されるポリアルキレングリコール−テトラ(メタ)アクリラートプレポリマー;国際出願第WO 2000/31150号及び米国特許第6,472,489号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に開示される架橋性ポリアリルアミングルコノラクトンプレポリマー;米国特許第6,039,913号、第7,091,283号、第7,238,750号、第7,268,189号、第7,566,754号、第7,956,135号、第8,071,696号、第8,071,703号、第8,071,658号、第8,048,968号、第8,283,429号、第8,263,679号、第8,044,111号及び第8,211,955号、並びに米国公開特許出願第2008-0015315 A1号、第2011-0063567 A1号、第2010-0298446 A1号、第2010-0296049 A1号、第2012-0088844 A1号、第2012-0088843 A1号、第2012-0029111 A1号、第2010-0120939 A1号及び第2012-0088861 A1号(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に記載されるものであるシリコーン含有プレポリマーを含むが、これらに限定されない。
【0110】
レンズ形成材料は、1つ以上のビニルモノマー及び/又は1つ以上のビニル架橋物質(すなわち、2つ以上のエチレン性不飽和基を有し、分子量が700ダルトン未満である化合物)を場合により含み得るが、好ましくは含まない。しかしながら、それらの成分の量は、最終眼科用機器が許容できないレベルの未重合のモノマー及び/又はビニル架橋物質を含有しないように低くすべきである。許容できないレベルの未重合のモノマー及び/又はビニル架橋物質の存在は、それらを除去するための抽出を必要とし、これは高価で、そして非効率的な追加工程を必要とする。しかし、好ましくは、レンズ形成材料は、ビニルモノマー及びビニル架橋物質を実質的に含有しない(すなわち、好ましくは約2%以下、より好ましくは約1%以下、さらにより好ましくは約0.5%(重量)以下のビニルモノマーとビニル架橋物質の組み合わせ)。
【0111】
レンズ形成材料がまた、当業者に公知であるような様々な成分、例えば、重合開始剤(例えば、光開始剤又は熱開始剤)、重合性UV吸収剤、可視着色剤(例えば、染料、色素又はそれらの混合物)、抗菌剤(例えば、好ましくは、銀ナノ粒子)、生物活性剤、浸出性潤滑剤、漏出性涙液安定化剤及びそれらの混合物などを含み得ることを理解すべきである。
【0112】
例えば、重合分野でのそのような用途として周知である材料から選択される開始剤は、重合反応の速度を促進及び/又は増加させるためにレンズ形成材料中に含まれ得る。開始剤は、重合反応を開始することができる化学物質である。開始剤は、光開始剤又は熱開始剤であり得る。
【0113】
光開始剤は、光の使用によってフリーラジカル重合及び/又は架橋を開始し得る。好適な光開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、並びにDarocur 及び Irgacur型、好ましくはDarocur 1173(登録商標)及びDarocur 2959(登録商標)である。ベンゾイルホスフィン開始剤の例は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニロホスフィンオキシド;ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシド;及びビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−ブチルフェニルホスフィンオキシドを含む。また、例えば、マクロマー中に組み込まれ得る又は特定のモノマーとして使用され得る、反応性光開始剤も好適である。反応性光開始剤の例は、EP 632 329(参照によってその全体が本明細書に組み入れられる)に開示されるものである。次に、重合が、化学線、例えば光、特に好適な波長のUV光によって引き起こされ得る。そのスペクトル要件は、状況に応じて、好適な光増感剤の添加によって適宜制御され得る。
【0114】
好ましい色素の例は、医療機器において許容され、そしてFDAによって承認される任意の着色剤、例えば、D&Cブルー6号、D&Cグリーン6号、D&Cバイオレット2号、カルバゾールバイオレット、特定の銅錯体、特定の酸化クロム、様々な酸化鉄、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、二酸化チタンなどを含む。本発明で使用され得る着色剤の一覧については、Marmiom DM Handbook of U.S. Colorantsを参照されたい。色素のより好ましい実施態様は、限定されないが、青色については、フタロシアニンブルー(Pigment blue 15:3, C.I. 74160)、コバルトブルー(Pigment blue 36, C.I. 77343)、Toner cyan BG(Clariant)、Permajet blue B2G(Clariant);緑色については、フタロシアニングリーン(Pigment green 7, C.I. 74260)及び三二酸化クロム;黄色、赤色、褐色及び黒色については、様々な酸化鉄;PR122、PY154、紫色については、カルバゾールバイオレット;黒色については、Monolith black C-K(CIBA Specialty Chemicals)を含む(C.I.は、色素指数の番号である)。
【0115】
ポリマーマトリクス中に組み込まれる生物活性剤は、眼の疾病を防止又は眼の疾病の症状を低減し得る任意の化合物である。生物活性剤は、薬物、アミノ酸(例えば、タウリン、グリシンなど)、ポリペプチド、タンパク質、核酸又はそれらの任意の組み合わせであり得る。本明細書において有用な薬物の例は、レバミピド、ケトチフェン、オラプチジン、クロモグリコラート、シクロスポリン、ネドクロミル、レボカバスチン、ロドキサミド、ケトチフェン又はその薬学的に許容し得る塩若しくはエステルを含むが、これらに限定されない。生物活性剤の他の例は、2−ピロリドン−5−カルボン酸(PCA)、α−ヒドロキシル酸(例えば、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸及びクエン酸並びにその塩など)、リノール酸及びγ−リノール酸、並びにビタミン類(例えば、B5、A、B6など)を含む。
【0116】
浸出性潤滑剤の例は、限定されないが、ムチン様材料(例えば、ポリグリコール酸)及び非架橋性親水性ポリマー(すなわち、エチレン不飽和基を有さない)を含む。任意のエチレン性不飽和基を有さない任意の親水性ポリマー又はコポリマーが、浸出性潤滑剤として使用され得る。非架橋性親水性ポリマーの好ましい例は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリイミド、ポリラクトン、ビニルラクタムのホモポリマー、1つ以上の親水性ビニルコモノマーの存在下又は不在下の少なくとも1つのビニルラクタムのコポリマー、アクリルアミド又はメタクリルアミドのホモポリマー、アクリルアミド又はメタクリルアミドと1つ以上の親水性ビニルモノマーのコポリマー、ポリエチレンオキシド(すなわち、ポリエチレングリコール(PEG))、ポリオキシエチレン誘導体、ポリ−N−N−ジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリ−2−エチルオキサゾリン、ヘパリン多糖類、多糖類及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。非架橋性親水性ポリマーの重量平均分子量Mは、好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜300,000、さらにより好ましくは20,000〜100,000である。
【0117】
漏出性涙液安定化剤の例は、限定されないが、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、糖脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質、脂肪族アルコール、脂肪酸、鉱油及びそれらの混合物を含む。好ましくは、涙液安定化剤は、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、糖脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質、8〜36個の炭素原子を有する脂肪酸、8〜36個の炭素原子を有する脂肪族アルコール又はそれらの混合物である。
【0118】
コンタクトレンズを製造するためのレンズ成形用型は当業者に周知であり、例えば、キャスト成形法又はスピンキャスティング法において使用される。例えば、成形用型(キャスト成形法用)は、一般に、少なくとも2つの成形用型部位(又は部分)又は成形用型半部、すなわち、第一の成形用型半部及び第二の成形用型半部を含む。第一の成形用型半部は、第一の成形(又は光学)面を画定し、第二の成形用型半部は、第二の成形(又は光学)面を画定する。第一の成形用型半部及び第二の成形用型半部は、第一の成形面と第二の成形面の間にレンズ形成キャビティが形成されるように互いを合わせるように構成される。成形用型半部の成形面は、成形用型のキャビティ形成面であり、レンズ形成材料と直接接触する。
【0119】
コンタクトレンズをキャスト成形するための成形用型部位を製造する方法は、一般に当業者に周知である。本発明のプロセスは、任意の特定の成形用型を形成する方法に限定されない。実際に、成形用型を形成する任意の方法が本発明において使用され得る。第一の成形用型半部及び第二の成形用型半部は、射出成形又は旋盤加工などの様々な技術により形成され得る。成形用型半部を形成するための好適なプロセスの例は、Schadによる米国特許第4,444,711号;Boehm等による第4,460,534号;Morrillによる第5,843,346号;及びBoneberger等による第5,894,002号に開示されている(これらもまた参照によって本明細書に組み入れられる)。
【0120】
実質的には、成形用型を製造するための当技術分野で公知の全ての材料が、コンタクトレンズを製造するための成形用型を製造するために使用され得る。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PMMA、Topas(登録商標)COC グレード 8007-S10(エチレンとノルボルネンの透明な非晶質コポリマー、Ticona GmbH of Frankfurt, Germany and Summit, New Jersey)などのポリマー材料が使用され得る。石英ガラス及びサファイアなどのUV光透過を可能にする他の材料も使用され得る。
【0121】
好ましい実施態様において、成形用型は、再利用可能な成形用型であり、レンズ形成材料は、化学線の空間的制限下で化学線によって硬化(すなわち、重合)されて、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを形成する。好ましい再利用可能な成形用型の例は、米国特許第6,627,124号、第6,800,225号、第7,384,590号、及び第7,387,759号(参照によってその全体が組み入れられる)に開示されるものである。再利用可能な成形用型は、石英、ガラス、サファイア、CaF、環状オレフィンコポリマー(例えば、Topas(登録商標)COC グレード 8007-S10(エチレンとノルボルネンの透明な非晶質コポリマー)(Ticona GmbH of Frankfurt, Germany and Summit, New Jersey)、Zeonex(登録商標)及びZeonor(登録商標)(Zeon Chemicals LP, Louisville, KY))、ポリメチルメタクリラート(PMMA)、ポリオキシメチレン(DuPont)(Delrin)、Ultem(登録商標)(ポリエーテルイミド)(G.E. Plastics)、PrimoSpire(登録商標)及びそれらの組み合わせから製造され得る。
【0122】
本発明によれば、レンズ形成製剤(又は組成物)は、任意の公知の方法に従って、成形用型によって形成されるキャビティ内に注入(分注)され得る。
【0123】
レンズ形成材料が成形用型中に分注された後、これが重合されて、コンタクトレンズが生産される。架橋は、成形用型中で、例えば、化学線、例えばUV線、電離放射線(例えば、γ又はX線)によって、好ましくは、成形用型中のレンズ形成材料を化学線の空間的制限に曝露させることによって開始され、レンズ形成材料を架橋し得る。
【0124】
本発明に係る架橋は、極めて短時間、例えば、≦90秒、有利には≦60秒、好ましくは≦45秒、より好ましくは≦30秒、さらにより好ましくは5〜25秒で行われ得る。
【0125】
レンズ形成組成物が重合性UV吸収剤(すなわち、UV吸収部分含有ビニルモノマー)を含む場合、ベンゾイルホスフィンオキシド光開始剤が、本発明において、光開始剤として好ましく使用される。好ましいベンゾイルホスフィンオキシド光開始剤は、限定されないが、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニロホスフィンオキシド;ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシド;及びビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−ブチルフェニルホスフィンオキシドを含む。ベンゾイルホスフィンオキシド開始剤以外の任意の光開始剤が、本発明において使用され得ることが理解される。
【0126】
成形された物品が成形用型から取り出され得る成形用型の開口は、それ自体公知の様式で実施され得る。
【0127】
成形されたコンタクトレンズは、レンズ抽出に供されることで、未重合の重合性成分が除去され得る。抽出溶媒は、当業者に公知の任意の溶媒であり得る。好適な抽出溶媒の例は、上述される溶媒である。好ましくは、水又は水溶液が抽出溶媒として使用される。抽出後、レンズは、水中、又は湿潤剤(例えば、親水性ポリマー)の水溶液中で水和され得る。
【0128】
成形されたコンタクトレンズは、さらなるプロセス、例えば、表面処理、パッケージング溶液[約0.005%〜約5%(重量)の湿潤剤(例えば、当業者に公知の上述される親水性ポリマーなど)及び/又は粘度向上剤(例えば、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、又はそれらの混合物)を含有し得る]と共にレンズパッケージ中へのパッケージング;滅菌、例えば、118〜124℃で少なくとも約30分間のオートクレーブ;などにさらに供され得る。
【0129】
上述される本発明の化学線架橋性の両親媒性プレポリマー及びコンタクトレンズの様々な実施態様の全てが、本発明のこの態様において使用され得る。
【0130】
本発明の様々な実施態様が、特定の用語、機器及び方法を用いて記載されているが、そのような記載は、単に説明を目的としたものである。使用される用語は、限定するものではなくむしろ説明のための用語である。当業者によって、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、変更及び変形が成され得ることを理解されたい。加えて、様々な実施態様の態様が全体又は部分的のいずれかで入れ替えられ得るか、あるいは任意の様式で組み合わせられ及び/又は一緒に用いられ得ることを理解すべきである。従って、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲は、本明細書に包含される好ましいバージョンの記載に限定されるべきではない。