(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線セルラ通信システムに用いられる基地局において、装置間(D2D)リンクを用いて第1及び第2のユーザ装置が行う直接的なD2D通信を制御するための方法であって、
上りリンクリソースを要求するスケジューリング要求を前記第1のユーザ装置から物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)によって受信し、
前記スケジューリング要求に応じて前記第1のユーザ装置に前記上りリンクリソースを割り当て、
前記上りリンクリソースを用いて前記第1のユーザ装置から送信され、前記D2Dリンク上で送信するデータの量を示すD2Dバッファステータス報告を受信し、
前記D2Dバッファステータス報告に応じてD2Dリソースを割り当て、
前記D2Dリソースを示す第1のD2D制御情報を、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)によって前記第1のユーザ装置に送信し、
前記第1のD2D制御情報は、前記第1のユーザ装置からD2D制御チャネル(D2DCCH)によって前記第2のユーザ装置に転送される第2のD2D制御情報を含む
方法。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1Aは、マクロセル通信リソースが端末間(D2D)通信に使用される場合の無線セルラ通信システムのブロック図である。
【0007】
図1Bは、下りリンク通信リソースが端末間(D2D)通信に使用される場合の無線セルラ通信システムのブロック図である。
【0008】
図2は、端末間(D2D)リンクが確立される場合の一例のためのメッセージタイミング図である。
【0009】
図3は、下りリンク周波数帯における時間・周波数通信リソースの一例のグラフ表示である。
【0010】
図4は、3GPP LTE通信仕様に従うサブフレームの図である。
【0011】
図5は、3GPP LTE通信仕様に従って他の方法で動作するシステムにおいて用いられる端末間(D2D)チャネルを含むサブフレームの一例の図である。
【0012】
図6は、3GPP LTE通信仕様に従って動作するシステムにおいて端末間(D2D)リンクが確立される場合の一例のメッセージタイミング図である。
【0013】
図7は、3GPP LTE通信仕様に従う基地局(eNB)及び無線通信デバイス(UE)からの送信信号の図である。
【0014】
図8は、無線通信UEデバイスにおける送受信機の一例のブロック図である。
【0015】
図9は、送受信機の実施の一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
通信仕様は、基地局と無線通信UEデバイスとの間の通信のためのマクロセル通信リソースを規定する。マクロセル通信リソースは、通信仕様によって規定された下りリンク通信リソースと、通信仕様によって規定された上りリンク通信リソースとを含む。規定された下りリンク通信リソースから選択され、且つ、下りリンク通信に割り当てられた(スケジュールされた)下りリンク通信リソースは、スケジュールされた下りリンク通信リソースと称される。規定された上りリンク通信リソースから選択され、且つ、上りリンク通信に割り当てられた(スケジュールされた)上りリンク通信リソースは、予定された上りリンクリソース称される。発明の実施形態に従って、マクロセル通信リソースは、端末間(D2D)通信に割り当てられる(スケジュールされる)。従って、規定された下りリンク通信リソース又は規定された上りリンク通信リソースのいずれか一方は、D2D通信のためにスケジュールされる。
【0017】
図1Aは、マクロセル通信リソースが端末間(D2D)通信に使用される場合の無線セルラ通信システム100のブロック図である。基地局102は、セルと称されることがある地理的サービスエリア内で、無線通信UEデバイス104、106に無線通信サービスを提供する。それぞれの基地局は、一般的にバックホールを介して相互に接続され、広いエリアをカバーするサービスエリアを提供する。通信システム100を参照して説明されるブロックの様々な機能及び動作は、任意の数のデバイス、回路、又は素子に実装されてもよい。2以上の機能ブロックは、単一デバイスに纏められてもよく、任意の単一デバイスで実行されると説明された機能は、いくつかのデバイスにわたって実装されてもよい。例えば、制御装置108の機能の少なくとも一部は、基地局104、106で実行されてもよい。セルラ通信システムは、通常、通信規格又は仕様に準拠することが求められる。第3世代パートナーシップ・プロジェクト・ロング・ターム・エボリューション(3GPP LTE)通信仕様は、下りリンクでは直交周波数分割多重方式(OFDM)を利用し、且つ、上りリンクでは単一波周波数分割多元接続(SC−FDMA)を利用する無線通信デバイス(ユーザ装置(UE)デバイス)に基地局(eNodeB)がサービスを提供するシステムのための仕様である。ここに記載の技術は、他の種類の通信システムに適用されてもよいが、ここで説明する例示的なシステムは、3GPP LTE通信仕様に従って動作する。
【0018】
基地局102は、eNodeB又はeNBと呼ばれることがある固定された送受信局であり、状況によって制御装置を含んでもよい。基地局102は、バックホール110を介して制御装置108に接続され、バックホール110は、有線、光学、及び/又は無線通信チャネルの任意の組み合わせを含んでもよい。ここでの例では、制御装置108は、移動管理エンティティ(MME)及びパケットゲートウェイ(P−GW)の機能性を含む。従って、制御装置108は、スケジューラ112を含む。例えば、スケジューラ112は、基地局102と無線通信デバイス104、106との間の通信だけでなく、無線通信デバイス104,106間の通信に、時間・周波数リソースを割り当てる。
【0019】
無線(UE)通信デバイス104、106は、他の用語で呼ばれてもよいし、移動デバイス、無線デバイス、無線通信デバイス、移動無線デバイス、UE、UEデバイスと呼ばれてもよい。無線通信デバイス104、106は、基地局との通信及びD2D設定における他の無線通信デバイスとの通信のための電子機器及びコードを含む。無線通信デバイスは、携帯電話、携帯端末(PDA)、無線モデムカード、無線モデム、無線通信電子機器を備えたテレビ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ及び他のデバイスなどのデバイスを含んでもよい。従って、無線通信デバイス104は、電子デバイスを備えた無線通信電子機器の組み合わせによって構成されてもよい。例えば、無線通信デバイスは、電化製品、コンピュータ、テレビ、又はプールコントローラに接続された無線モデムを含んでもよい。
【0020】
基地局102は、無線通信デバイス104、106と無線信号114、116、118、120をやり取りする無線送受信機を含む。基地局及び無線通信デバイス104、106からの送信信号は、シグナリング、プロトコル及び送信信号のパラメータを規定する通信仕様に準拠する。通信仕様は、通信のための厳格な規則を提供してもよいし、通信仕様に準拠しつつも具体的な実装が異なってもよい場合、一般的要求事項を提供してもよい。以下の説明は、3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)通信仕様を対象にしているが、状況によっては、他の通信仕様で用いられてもよい。通信仕様は、少なくとも上りリンク及び下りリンク送信のためのデータチャネル及び制御チャネルを規定し、少なくとも基地局から無線通信デバイスへの物理下りリンク制御チャネルのためのタイミング及び周波数パラメータを明確化する。
【0021】
マクロセル通信リソース121は、下りリンク信号114、116及び上りリンク信号118、120の送信に使用される。基地局102は、下りリンク通信のために確保され、且つ通信仕様によって規定された下りリンク通信リソースからスケジュールされた下りリンク通信リソースを使用して、下りリンク信号114、116を無線通信デバイス104、106に送信する。無線通信デバイスは、上りリンク通信のために確保され、且つ通信仕様によって規定された上りリンク通信リソースからスケジュールされた上りリンク通信リソースを使用して、上りリンク信号118、120を基地局に送信する。マクロセル通信リソース121は、時間で分割される周波数帯を含む。各周波数帯及び時間領域を、スケジューラ112によって特定することができ、且つ、各周波数帯及び時間領域を、基地局102から無線通信デバイス104、106に送られる制御信号で表すことができる。従って、通信仕様又は他のシステム規則は、下りリンクに適用可能な通信リソース及び上りリンクに適用可能な通信リソースを規定する。スケジューラ112は、干渉を最小化しながら効率的にリソースを利用するために、別の時間・周波数リソースを別のデバイスに割り当てる。その結果、一の無線通信デバイス104とやり取りされる信号114、120に使用されるスケジュールされたマクロセル通信リソースは、他の無線通信デバイス106とやり取りされる他の信号116、118に使用されるスケジュールされたマクロセル通信リソースと異なる。従って、ここで記載されるように、マクロセル通信リソース121は、仕様や通信システム規則によって通信のために確保された通信リソースである。また一方で、特定の信号を送信するためにスケジュールされたリソースは、確保されたマクロセル通信リソース121の一部であり、通常は、動作中に動的に変更される。
【0022】
従来のシステムでは、スケジューラは、基地局と無線通信デバイスとの間の通信に時間・周波数リソースを割り当てる。また一方で、ここで記載される例では、スケジューラ112は、端末間(D2D)通信リンク124を確立して維持するために、無線通信デバイス104、106間の通信に時間・周波数リソース122(D2D通信リソース122)を同様に割り当てる(スケジュールする)。
【0023】
2つの無線通信デバイスがD2D接続124を確立すべきとの決定に応じて、制御装置108は、通信リソース割当(CRA)情報126を送ることによって、D2D時間・周波数リソース122を無線通信デバイス104、106に割り当てる。制御信号、メッセージ又はそれら2つの組み合わせを用いて、無線通信UEデバイスに、CRA情報126を伝えてもよい。加えて、第2無線通信UEデバイスから要求されるCRA情報は、第1無線通信UEデバイスに送られてもよいし、第2無線通信UEデバイス106に直接送られてもよい。従って、第2UEデバイスに送信されるCRA情報128は、CRA情報送信信号128が状況次第で省略されてもよいことを示す破線の枠と共に図示されている。第2無線通信UEデバイス106のためのCRA情報が、第1無線通信UEデバイス104に送られる場合、第1無線通信UEデバイス104は、D2D通信リンク124に関する制御信号を使用して、CRA情報を第2無線通信UEデバイス106に送る。CRA情報126、128は、D2D接続124で無線通信デバイスに使用されるマクロセル通信リソース121からD2D時間・周波数リソース122を特定する。無線通信デバイス104は、CRA情報126を受信し、基地局102を介した通信ではなく、他の無線通信デバイス106と端末間(D2D)信号130のやり取りのための通信リソース(時間・周波数通信リソース)を使用する。前述したように、オプションのCRA情報128が、D2D接続124のための下りリンク通信リソース122を特定するために、他の無線通信デバイス106に送られてもよい。後述にて詳細に説明するように、基地局は、端末間通信に割り当てられる下りリンクリソースを下りリンク通信に使用しない。なお、後述するように、例えば、制御情報及び復調情報などの追加情報が、D2Dリンク124を介して無線通信デバイス間でやり取りされてもよい。
【0024】
従って、ここでの実施形態によれば、マクロセル通信リソースの一部が、必要に応じて、無線通信UEデバイス104、106間の端末間(D2D)通信に割り当てられる。後述にて詳細に説明するように、D2D通信に割り当てられた下りリンク通信リソースが、下りリンク通信に使用されない場合。例えば、もし通信リソースが時間・周波数通信リソースである場合、非D2D無線通信UEデバイスにサービスを提供する基地局102は、D2D通信リンクに割り当てられた時間領域及び周波数帯を使用しない。上りリンク通信リソースがD2D通信に割り当てられた場合、そのリソースは、D2D無線通信UEデバイスペア間の通信が他のD2D無線通信UEデバイスペア間の通信に干渉しないように割り当てられる。例えば、直交又は直交に近いリソースが、他の近くのD2Dデバイスペアに対して使用されてもよい。互いに十分離れたD2Dデバイスペアが、通信リソースを再使用して、干渉を回避できてもよい。例えば、各ペアのD2Dデバイスが互いに相対的に近いが、D2Dペアが互いに相対的に離れている場合、通信リソースの再使用が認められるように、各D2Dペアによって使用される送信電力レベルが十分低くてもよい。
【0025】
後述にて詳細に説明するように、システム制御装置108が、UEデバイス104と他のUEデバイス106との間にD2Dリンク124を確立すべきであると決定した後、通信リソース割当(CRA)情報126は、基地局102からUEデバイス104に送られる。また、基地局102は、他のUEデバイス106から送信するためのD2D通信リソースを割り当てるために、通信リソース割当(CRA)情報128を他のUEデバイス106に送ってもよい。UEデバイス104、106は、割り当てられた通信リソースを使用して通信する。基地局は、互いに直接通信する必要があるD2Dデバイスペアである2つのUEデバイスを特定するので、基地局14は、各ペアのUEデバイスを知っている。いくつかのD2DUEデバイスペアが基地局のカバレッジエリア内に存在できる。
【0026】
図1Bは、規定された下りリンク通信リソースがD2D通信リソースにスケジュールされた場合の無線通信システムのブロック図である。従って、
図1Bのシステム100は、
図1Aのシステム100の一例である。上述したように、通信システムは、基地局から無線通信ユーザ(UE)デバイスへの下りリンク通信のための下りリンク通信リソース132を利用し、UEデバイスから基地局への上りリンク送信のための上りリンク通信リソース134を利用する。上りリンク通信リソースは、下りリンク通信リソースと異なる。
【0027】
以下の例に応じて、下りリンク通信リソース132の一部は、必要に応じて、2つのUEデバイス間の端末間(D2D)通信に割り当てられる。D2D通信に割り当てられる通信リソース136は、下りリンク通信に使用されない。例えば、もし通信リソースが時間・周波数リソースである場合、非D2DUEデバイスにサービスを提供する基地局は、D2D通信リンクに割り当てられる時間領域及び周波数帯を使用しない。
【0028】
上述のように、システム制御装置108が、UEデバイスと他のUEデバイスとの間にD2Dリンクを確立すべきであると決定した後、通信リソース情報は、基地局からUEデバイスに送られる。また、基地局は、他のUEデバイスから送信するためのD2D通信リソースを割り当てるために、通信リソース情報を他のUEデバイスに送ってもよい。UEデバイスは、割り当てられた通信リソースを使用して通信する。ここで説明するように、規定された下りリンク通信リソースは、基地局から無線通信デバイスへの下りリンク通信のために確保された通信リソースとして通信仕様に規定されている通信リソースであり、スケジュールされた下りリンク通信リソースは、基地局と無線通信デバイスとの間の下りリンク通信に割り当てられている(スケジュールされている)規定された下りリンク通信リソースの一部であり、D2D通信リソースは、無線通信デバイス間の端末間(D2D)通信のために割り当てられている(スケジュールされている)規定された下りリンク通信リソースの一部である。
【0029】
2つの無線通信デバイスがD2D接続124を確立すべきであるとの決定に応じて、制御装置108は、通信リソース割当(CRA)情報を送ることによって、D2D時間・周波数リソース136を無線通信デバイス104、106に割り当てる。その情報は、任意の数の制御信号及び/又はメッセージを用いて送信されてもよい。CRA情報126、128は、D2D接続124で無線通信デバイスが使用する下りリンク通信リソース132からD2D時間・周波数リソース136を特定する。無線通信デバイス104は、CRA情報を受信し、基地局102を介した通信ではなく他の無線通信デバイス106とD2D信号130をやり取りするために割り当てられた通信リソース(時間・周波数通信リソース)を使用する。状況によって、CRA情報128は、D2D接続124のための下りリンク通信リソース136を特定する他の無線通信デバイス106に送られてもよい。後述にて詳細に説明するように、基地局は、D2D接続に割り当てられる下りリンクリソースを使用しない。なお、後述するように、例えば、制御情報及び復調情報などの追加情報が、D2Dリンク124を介して無線通信デバイス間でやり取りされてもよい。
【0030】
図2は、端末間(D2D)リンク124が確立される場合の一例のためのメッセージタイミング図である。
図2におけるイベント及び送信信号は、特定のシステム及び通信仕様によって決まる様々な方法で実行されてもよい。
【0031】
第1デバイス104は、通信リソース割当要求202を基地局に送信する。第1デバイス104は、割り当てられた上りリンクチャネル(スケジュールされた上りリンクリソース)を使用して、第2デバイス106とのD2D通信のためのリソースを要求するメッセージ又は制御信号を送信する。
【0032】
基地局は、イベント204でD2D通信をスケジュールする。スケジューラ112は、デバイス104、106がD2D通信に使用すべき時間・周波数リソースを特定する。
【0033】
CRA情報126は、第1デバイス104に送られ、オプション的に、CRA情報128は、第2デバイス106に送られる。CRA情報128は、使用すべき通信リソース、及び、2つのデバイス104、106間のD2D通信のための信号(変調次数、コーディングレート、MIMO設定など)の物理フォーマットを特定する。例えば、CRA情報は、時間・周波数通信リソースを特定するタイミング及び周波数帯情報を含んでもよい。
【0034】
第1UEデバイスは、割り当てられた通信リソースを使用する第2デバイスに、D2D制御及びデータ情報206を送る。CRA情報送信信号128が省略される状況では、第2UEデバイスを対象とするD2D情報が、CRA情報126で送られ、送信信号206におけるD2D制御チャネルで第2UEデバイス106に転送される。
【0035】
図3は、下りリンク周波数帯302における時間・周波数通信リソース300の一例に関するグラフ表示である。通信リソースを効率的に使用するために、周波数スペクトルが、時間及び/又はコーディングによって分割される。例えば、OFDMシステムでは、情報は、密集した直交する多数のサブキャリアシグナルを介して送信される。サブキャリア間のクロストークは、キャリアが直交であるため、最小限度に抑えられる。情報は、並列チャネルに分けられ、サブキャリアに割り振られる。各サブキャリアは、変調方式で変調される。サブキャリアもまた、複数のデバイスとの通信をさらに可能にするために時間で分割される。周波数及び時間の個々の分割は、異なる用語で呼ばれることがあるが、周波数における分割は、周波数サブキャリア303−309と呼ばれ、時間における分割は、時間領域310−320と呼ばれてもよい。時間領域及び周波数サブキャリアは、さらに纏められ、グループ化され、通信仕様及びシステム動作規則に従って特定されてもよい。そのリソースは、例えば、パターンが繰り返されるタイムスロット、フレーム、サブフレーム及びシンボル時間で構成されてもよい。
図4を参照して、具体例を以下に説明する。また一方で、一般に、利用可能な下りリンクスペクトル302は、周波数及び時間に分割されて、その結果生じた時間・周波数リソースユニット321は、送信に割り当てられる。各時間・周波数リソースユニットは、個別に又はグループで割り当てられてもよい。例えば、送信は、1回目の送信322に関して、複数の周波数サブキャリア307、308にわたってただ一つの時間領域312に割り当てられ、2回目の送信323に関して、複数の周波数サブキャリア304、305及び複数の時間領域314、315にわたって割り当てられ、3回目の送信324に関して、複数の時間領域317−319にわたってただ一つの周波数帯303に割り当てられる。状況によっては、リソースユニットは、非継続的に割り当てられてもよい。例えば、送信322及び324は、送信のための単一のデバイスに割り当てられてもよい。
【0036】
従来のシステムでは、下りリンク周波数帯の全ての時間・周波数通信リソースは、基地局から無線通信デバイスへの送信にのみ割り当てられる。しかしながら、ここでの例では、時間・周波数通信リソースの一部は、無線通信デバイス(UE)間の送信に割り当てられる。
【0037】
図4は、3GPP LTE通信仕様に従うサブフレーム400の図である。サブフレーム400は、2つのスロット402、404を含み、各スロットは、いくつかのシンボル時間406を含む。第1スロット402のシンボル時間0、1及び2は、仕様における物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)408である物理チャネルを形成する。パイロット信号(又は参照信号)410は、シンボル時間0及び4に挿入される。物理ブロードキャストチャネル(PBCH)412であり、且つ、第1スロット402のシンボル時間3及び4の一部と第2スロット404のシンボル時間0及び1の一部とにまたがるチャネルを、サブフレーム400は含む。物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)414は、データチャネルを提供し、データチャネルは、第1スロット402のシンボル時間3−6及び第2スロット404のシンボル時間1−6の残りに覆われている。
図4に記載のリソースユニットの配分及び割当は、1つの例として挙げられている。リソースブロック及びリソースエレメントの他の組み合わせが用いられてもよい。
【0038】
図5は、3GPP LTE通信使用に従って他の方法で動作するシステムにおいて用いられる端末間チャネル502、504を含むサブフレーム500の一例の図である。従って、例となるサブフレーム500は、例えば
図4のサブフレーム400などの従来の3GPP LTEサブフレームの変更バージョンである。サブフレーム500は、現在の3GPP LTE通信仕様で規定されていない2つのチャネル502、504を含む。端末間制御チャネル(D2DCCH)502は、ピアツーピアモードで動作する2つの無線通信デバイス104、106間の制御情報の送信を提供する。2つの無線通信デバイス104、106間のデータの送信に関する端末間データチャネル(D2DDCH)504。
図5は、そのチャネルに関する周波数時間リソースの多くの割り当てのうちの一つのみを示す。従って、サブキャリア及びシンボル時間の他の組み合わせが、D2DCCH502及びD2DDCH504に用いられてもよい。従来のチャネルの一部は、D2D制御チャネルのリソースを提供するために省略されるかもしれないが、例えばPBCH、PSS/SSS制御チャネルなどの参照信号は、下位互換性を維持するために保持される。例えば、D2Dリソースは、PBCH及び同期チャネル(PSS/SSS)を含むサブフレーム/スロットにスケジュールされない。D2Dデータ/制御内容は、サブフレームにおいて参照信号のために確保されたリソースに割り当てられない。
【0039】
図6は、3GPP LTE通信仕様に従って動作するシステムにおいて端末間リンク124が確立される場合の一例のメッセージタイミング
図600である。従って、メッセージタイミング
図600は、
図2を参照して説明されたタイミング
図200の実装の一例である。
【0040】
図6の例では、第1デバイス104は、複数の送信信号を用いて、基地局にCRA要求202を行う。物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)送信信号602を用いて、第1UEデバイスは、D2Dリンクのためにリソースが要求されていることを示す。従来システムでは、上りリンクリソースが必要であることを示す1ビットフラグが規定されている。
図6の例では、D2Dリソースが必要であることを示すPUCCH送信信号602に、追加の1ビットフラグが含まれる。PUCCH送信信号602に応じて、基地局102は、所定の一連の物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)リソースを割り当てるためのスケジューリンググラントを含む物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)送信信号604を第1UEデバイス104に返す。
【0041】
第1USデバイス104は、割り当てられたPUSCHリソースを用いて、バッファステータス及びパワーヘッドルームをPUSCH送信信号606で送信する。バッファステータスは、D2Dデータの量、及び、第2UEデバイス106への送信のために第1UEデバイス104が特定した当該データの優先度を示す。パワーヘッドルームは、最大UE送信電力と送信に必要な電力との電力差である。これは、またリンクの距離と干渉との作用でもある。パワーヘッドルームは、次の送信で使用するための変調/コーディングレート/MIMO設定/バンド幅にどれくらいの電力が使用可能であるかをeNBに示す。第1UEデバイス104は、第2UEデバイス106を特定する情報も有する。
【0042】
スケジューラ112は、イベント204で、D2Dリンク124のための通信リソースを割り当てる。当該割り当ては、2つのUEデバイス104、106間のチャネル状況と、基地局とそれらUEと間の下りリンクチャネル状況とを考慮して割り当てられることを除いて従来のスケジューラ機能と同様である。チャネル状況を決定するための適切な技術の例は、事件整理番号TUTL 00212で、「マクロセル通信リソースを使用する端末間サウンディング参照信号の送信(TRANSMISSION OF DEVICE TO DEVICE SOUNDING REFERENCE SIGNALS USING MACROCELL COMMUNICATION RESOURCES)」と題され、本願と同時に出願され、参照によりこれの全体が本明細書に組み込まれた特許出願番号_で説明されている。
【0043】
CRA情報126は、基地局102によって第1無線通信デバイス104にPDCCH送信信号608で送られる。PDCCH送信信号608は、そのパラメータがマクロセル通信の代わりにD2Dリンク124に割り当てられたリソースに関連していることを除いて従来のPDCCHと同様である。例えば、PDCCHは、周波数/時間枠のリソース割当、物理フォーマット(例えば、MCS,MIMOパラメータなど)、電力制御コマンド、D2Dタイプを示すフラグ及び他の送信関連情報を示す。
【0044】
状況によって、第2CRA情報送信信号128は、基地局102によって、第2無線通信UEデバイス106にPDCCH送信信号610で送られる。その情報がD2D制御チャネル送信信号612によって第2無線通信UEデバイスに送られてもよいので、第2CRA情報送信128は、オプションである。
【0045】
D2D制御情報及びデータは、D2DDCH/D2DCCH送信信号612でD2DDCH及びD2DCCHを使用して、第1無線通信デバイス104から第2無線通信デバイスに送られる。例えば、PDCCH送信信号610及びD2DDCH/D2DCCH送信信号612は同一サブフレームで送られる。
【0046】
第2無線通信デバイス106は、イベント614で、第1無線通信デバイス104による第2無線通信デバイス106へのD2D送信信号に使用される予定の時間周波数リソースを決定するために、PDCCH、D2DDCH及びD2DCCHをデコードする。CRA情報は、ACKに使用するリソースを明確にする。上述のように、CRA情報は、基地局102から直接与えられてもよいし、D2DCCH送信信号612で第1UEデバイス104によって転送されてもよい。
【0047】
PDCCH送信信号616は、D2D通信リンクのための下りリンク割当情報を与える第1通信UEデバイス104へ基地局102から送られる。従って、PDCCH送信信号616は、第2UEデバイス106からのACK送信信号を第1UEデバイス104に受信させるために、第1UEデバイス104に情報を与える。PDCCH616は、オプションである。或いは、第1UE104は、PDCCH送信信号610又はD2DCCH送信信号612で第2UEデバイス106に示されたリソース(時間/サブキャリア)でのACKを期待できる。
【0048】
肯定応答(ACK)送信618は、第2無線通信UEデバイス106から、P2P送信608の受信を確認する第1無線通信デバイス104に送られる。ACK送信は、第2無線通信デバイス106に割り当てられたD2DACKCHを使用して送られる。
【0049】
図7は、3GPP LTE通信仕様に従う基地局(eNB)102及び無線通信デバイス104、106(UE)からの送信信号702、704、706の図である。
【0050】
図7の例では、eNB送信信号702は、P2P通信にリソースを割り当てるP2P制御情報を含むPDCCHを有するサブフレームn 708から開始する。従って、CRA情報送信126は、PDCCH内で送信される。D2D制御情報(CRA情報126)は、次のサブフレームで第1無線通信デバイス(UE1)がD2D送信に使用するために、UE1に向けられている。例えば、サブフレームn 708のD2D制御情報は、サブフレームn+4 710のD2D送信のための通信リソースを特定する。また一方で、D2D制御情報は、他のサブフレームの通信リースを特定してもよい。D2D制御情報は、第2UEへのD2D制御メッセージの送信に使用されるサブキャリア及びシンボル時間と、第2UEへのD2Dデータの送信に使用されるサブキャリア及びシンボル時間とを第1UEデバイスに示す。従って、PDCCHのCRA情報126は、D2DDCH502及びD2DCCH504を特定する。
【0051】
他のサブフレームのPDCCH408は、第2UEへD2D通信リソースを割り当てるCRA情報130を含む。例えば、CRA情報130は、サブフレームn+4 708で送信され、サブフレームn+8 710で第2UEに使用されるD2Dリソースを割り当てる。状況次第で他のサブフレームを使用することができる。従って、サブフレームn+4 708のPDCCHのCRA情報130は、サブフレームn+8 710の第2UEのためのD2DDCH502及びD2DCCH504を特定する。他のCRA情報128、130は、必要に応じて、未来のサブフレームで送信される。
【0052】
従って、eNBは、UE間のD2D通信のための下りリンク通信リソース122を割り当てるPDCCHで、制御信号を送る。それらのUEは、割り当てられた下りリンク通信リソースを使用して、制御信号及びデータを互いに送信し合う。
図7では、D2Dサブフレーム710、712でのeNB送信信号702は、UEが下りリンクチャネルで送信している時間に関してブランクである。しかしながら、状況によっては、eNB送信信号704は、D2D通信に割り当てられた時間・周波数リソースについてのみブランクである。従って、eNBは、D2D通信サブフレームでD2D通信に割り当てられていない下りリンク通信リソースをUEへの送信に使用できる。
【0053】
図8は、無線通信UEデバイスの送受信機800の一例のブロック図である。送受信機800は、無線周波数コンポーネント806及びベースバンドプロセッサ808で実装される送信機802及び受信機804を含む。送信機802は、ベースバンドプロセッサ808及びSC−FDMA RFコンポーネント812によって形成されるSC−FDMA送信チェイン810を含む。受信機804は、OFDM RFコンポーネント816及びベースバンドプロセッサ808によって形成されるOFDM受信チェイン814を含む。少なくとも送信機802が下りリンク周波数帯122内で信号を送信するOFDM送信チェイン818を含む点で、送受信機800は、従来の送受信機と異なる。OFDM送信チェインは、基地局プロセッサ808及びOFDM RFコンポーネント820によって形成される。以下で説明するように、OFDM送信チェイン818は、状況によって、受信機804のOFDM RFコンポーネント816の一部に実装されてもよい。OFDM送信チェイン818及びOFDM送信チェイン814の両方とも下りリンク周波数帯で動作するため、RFコンポーネントの一部が当該チェイン114、118によって共有されてもよい。
【0054】
図9は、送受信機800の実装の一例のブロック図である。上述で説明したように、少なくとも送信機803が下りリンク周波数帯122内で信号を送信するOFDM送信チェイン818を含む点で、送受信機800は、従来の送受信機と異なる。OFDM送信チェイン818は、別々のコンポーネントに実装されてもよいが、例えば、受信機804のコンポーネントの一部が、OFDM送信チェイン818に使用されてもよい。OFDM送信チェイン818及び受信チェイン814の両方とも下りリンク周波数帯で動作するため、例えば、位相ロックループ(PLL)902及び下りリンク局部発振器904などのコンポーネントが、OFDM受信機804及びOFDM送信チェイン818の両方に使用できる。
【0055】
送信機802は、また、上りリンク信号を送信するために単一波周波数分割多元接続(SC−FDMA)送信チェイン810を含む。SC−FDMA送信機チェイン810は、OFDM送信チェイン818と一体化されたことを受け入れる従来の送受信機と同様である。マルチプレクサ(MUX)906は、送信のための適切なデータストリームの選択を可能にする。高速フーリエ変換処理908は、MUX906の入力に送られる前の上りリンクデータに適用される。上りリンクデータが送信される場合に、MUX906は、FFTプロセッサ908の出力に対応する入力を選択し、マッピング処理910へデータストリームを転送する。SC−FDMA無線周波数(RF)チェイン810は、上りリンクデータが送信される場合に選択される。D2Dデータが送信される予定である場合、MUX908は、マッピング処理910へデータストリームを転送し、OFDM RFチェイン818が選択される。
【0056】
送受信機電子機器の様々な機能が、機能ブロックで説明される。当業者は、例えば、デバイス、回路及び/又はコードを使用する送受信電子機器の電子機器に機能を実装するための様々な方法を認めるだろう。データビットのグループを、MACレイヤから受信したデータストリームから取得できる。このストリームは、後にコード化され、複数のコードワードを形成するように変調できる複数のストリームに多重化できる。チャネルコード化信号は、マッピングが実行される前に、スクランブル及び変調される。通常、1対1のマッピングは、コードワードに使用できる。しかしながら、レイヤの数が送信されるコードワードよりも多い場合、マッピング処理910は、2以上のレイヤに同じコードを割り当てる。レイヤの数は、RF送信チェイン及びアンテナの数に依存する。
【0057】
パイロット信号は、並列データに挿入され、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理は、IFFT機能912によって適用される。P/S(並列から直列)及びその次のサイクリックプレフィックスは、P/S+CP機能914によって加えられる。デジタル・アナログ変換器(DAC)916は、結果として生じた信号を、アンテナ918を介した送信の前に、OFDM RFコンポーネント820及びSC−FDMA RFコンポーネント812のいずれかに処理されるアナログ信号に変換する。
【0058】
DAC916から送られた信号をアップ・コンバートし、それを上りリンク周波数帯において適切で且つより高周波数にシフトする上りリンクミキサ926に上りリンク局部発振器(UP LO)信号922を送る位相ロックループ(PLL)920及び上りリンク局部発振器922を、SC−FDMA RFコンポーネント812は含む。多くのフィルタ928のうちの一つは、当該信号をフィルタにかけ、電力増幅器930は、アップ・コンバートされた信号を増幅する。フィルタリングは、RF送信チェインに従って様々な点で実行される。結果として増幅され且つフィルタにかけられた信号は、送信のためのアンテナ918に当該信号をつなぐデュプレクサ932に送られる。
【0059】
D2Dデータが送信され、且つOFDM RFコンポーネント820が選択された場合、DAC916の出力は、下りリンク周波数帯にアップ・コンバートされる。下りリンクPLL902及び下りリンク発信器904は、下りリンクLO信号934を発生させ、下りリンク送信ミキサ936に送る。D2Dデータを運ぶDAC出力は、下りリンクLO信号934と混合され、下りリンク周波数帯122内の周波数にシフトされる。多くのフィルタ938のうちの一つは、当該信号をフィルタにかけ、電力増幅器940は、その信号を増幅する。フィルタリングは、RF送信チェインに従って様々な点で実行される。結果として増幅され且つフィルタにかけられた信号は、当該信号を送信のためのアンテナ918につなぐデュプレクサ932に送られる。当該信号は、下りリンク周波数帯内であるため、デュプレクサ932の下りリンク部分942に入れられる。
【0060】
下りリンク受信機804は、アンテナ918及びデュプレクサ932を介して下りリンク信号を受信する。低雑音増幅器944は、1以上のフィルタ946によって信号がフィルタにかけられる前に振幅を増加する。入力された信号をダウン・コンバートし、当該信号をベースバンドにシフトするために、下りリンクLOは、下りリンク受信ミキサ948で、フィルタにかけられた信号と混合される。アナログ・デジタル変換器(ADC)952が、当該信号をベースバンドOFDM受信機854によって処理可能なデジタル信号に変換する前に、付加的なフィルタ950は、当該信号をフィルタにかける。
【0061】
この発明の他の実施形態及び変更例が、これらの技術の観点から当業者によって容易に思いつくのは明らかであろう。上述の説明は、実例であり、限定的なものではない。この発明は、上述の明細書及び添付の図面と併せて見た場合の全てのそのような実施形態及び変更例を含む以下の請求項によってのみ制限されるべきである。従って、発明の範囲は、上述の説明を参照して決定すべきではなく、代わりに、均等物の全範囲に加えて添付の請求項を参照して決定すべきである。