【文献】
3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Circuit Switched (CS) fallback in Evolved Packet Sytem (EPS); Stage 2 (Release 11),3GPP TS 23.272,3GPP,2013年 3月,V11.4.0,p.44-46
【文献】
3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; Basic call handling; Technical realization(Release 11),3GPP TS 23.018,3GPP,2013年 3月,V11.4.0,p.23-27
【文献】
Alcatel-Lucent, Deutsche Telekom,MTRF Optimal Routing,3GPP TSG-CT WG4#61,3GPP,2013年 5月 7日,C4-130576
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるという決定に基づいて、第1のMCMEからMDへ直接的にMT呼の配信を開始すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるという決定に基づいて、MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に生じると予想される呼ループの形成を防ぐための拡張呼ルーティング手順を用いるかを決定すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
コンピュータにより実行された場合に、モバイルデバイス(MD)へのモバイル着信(MT)呼に関する呼ループを防ぐための方法をコンピュータに実施させる命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、
MDへのMT呼の配信に関連するルーティング情報要求メッセージを第1のモビリティおよび呼管理エンティティ(MCME)において第2のMCMEから受信することであって、ルーティング情報要求メッセージがMDに対する関門MCMEの表示を含む、受信することと、
位置更新手順を用いて、MDが第2のMCMEから第1のMCMEへ移動している間に、MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるかを、MDに対する関門MCMEの表示に基づいて決定することと
を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0015】
理解を容易にするために、可能な場合、図面に共通な同一の要素を指定するために、同一の符号が用いられている。
【0016】
概して、呼ループ回避機能が提供される。少なくともいくつかの実施形態では、呼ループ回避機能は、ワイヤレス通信ネットワークにおいてモバイルデバイスに関する位置更新と並行してモバイル着信(MT)呼を扱うことに起因する呼ループの形成を防ぐ。
【0017】
少なくともいくつかの実施形態では、呼ループ回避機能は、位置更新手順を用いて、モバイルデバイスが第1の(または旧)モビリティ/呼管理エンティティ(たとえば移動交換局(MSC)/在圏ロケーションレジスタ(VLR)、呼サーバなど)から第2の(または新)モビリティ/呼管理エンティティ(たとえばMSC/VLR、呼サーバなど)へ移動している間にモバイルデバイスへのMT呼の配信が行われる場合の、第1のモビリティ/呼管理エンティティおよび第2のモビリティ/呼管理エンティティの間の呼ループの形成を防ぐ。モバイルデバイスへのMT呼の配信中に、モバイルデバイスに対するモビリティ/呼管理エンティティが第1のモビリティ/呼管理エンティティから第2のモビリティ/呼管理エンティティに変更した場合に、第1のモビリティ/呼管理エンティティおよび第2のモビリティ/呼管理エンティティの間に呼ループが生じ得ることは理解されよう。モバイルデバイスが、第1のモビリティ/呼管理エンティティによりサービス提供される第1のエリアから第2のモビリティ/呼管理エンティティによりサービス提供される第2のエリアに移動した場合に、モバイルデバイスに対するモビリティ/呼管理エンティティが、第1のモビリティ/呼管理エンティティから第2のモビリティ/呼管理エンティティに変更し得ることは理解されよう。モバイルデバイスへのMT呼の配信中にモバイルデバイスが異なる無線アクセス技術を再選択した場合に(たとえばモバイルデバイスがMT呼の配信中に進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)に滞在し、UTRANまたは移動通信用グローバルシステム(GSM)EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)を再選択してMT呼の確立を進める場合に)、モバイルデバイスに対するモビリティ/呼管理エンティティが、第1のモビリティ/呼管理エンティティから第2のモビリティ/呼管理エンティティへ変更し得ることは理解されよう。
【0018】
少なくともいくつかの実施形態では、第1の(または旧)モビリティ/呼管理エンティティ(たとえば移動交換局(MSC)在圏ロケーションレジスタ(VLR)、呼サーバなど)および第2の(または新)モビリティ/呼管理エンティティ(たとえばMSC/VLR、呼サーバなど)が、(呼ルーティング手順の拡張版と呼ばれることもある)拡張呼ルーティング手順の使用に対応している場合に、呼ループ回避機能は、第1の(または旧)モビリティ/呼管理エンティティと第2の(または新)モビリティ/呼管理エンティティとの間の呼ループの形成を防ぐ。呼ルーティング手順は、モバイルが旧モビリティ/呼管理エンティティから新モビリティ/呼管理エンティティへ登録される場合に、旧モビリティ/呼管理エンティティから新モビリティ/呼管理エンティティへMT呼をルーティングするように構成することができる(たとえば、MTRF手順、または、MT呼をルーティングするのに適した任意の他の適切な呼ルーティング手順)。拡張呼ルーティング手順は、旧モビリティ/呼管理エンティティおよび新モビリティ/呼管理エンティティの間の呼ループの形成を防ぐように構成された呼ルーティング手順の拡張版とすることができる(たとえば、MTRF手順の拡張版、または、MT呼をルーティングするのに適した任意の他の適切な呼ルーティング手順の拡張版)。
【0019】
呼ループ回避機能の様々な実施形態は、
図1を参照することでより良く理解することができ、
図1に、ワイヤレス通信ネットワークにおいてモバイルデバイスの位置更新と並行してモバイル着信呼を扱うことに関連する呼ループを回避するように構成された一例示的ワイヤレス通信システムを示す。
【0020】
図1に、呼ループ回避のために構成された一例示的ワイヤレス通信システムを示す。
図1に示されるように、例示的ワイヤレス通信システム100は、モバイルデバイス(MD)110、旧MSC/VLR120、GMSC+新MSC/VLR130、ホームロケーションレジスタ(HLR)140、および通信ネットワーク150を含む。
【0021】
MD110は、MT呼を受信可能な任意の適切な種類のモバイルデバイス、たとえば携帯電話、スマートフォン、ラップトップなどを含むことができる。
【0022】
旧MSC/VLR120は、MSCとMSCに関連付けられたVLRとにより一般的に提供される機能を提供するように構成される。旧MSC/VLR120はまた、
図2−7に関して本明細書に図示および記載された呼ループ回避機能の様々な機能を提供するように構成される。
【0023】
GMSC+新MSC/VLR120は、GMSC要素132と、新MSC/VLR要素134とを含む。GMSC要素132は、GMSCにより一般的に提供される機能を提供するように構成される。新MSC/VLR要素134は、MSCとMSCに関連付けられたVLRとにより一般的に提供される機能を提供するように構成される。GMSC+新MSC/VLR120は、
図2−7に関して本明細書に図示および記載された呼ループ回避機能の様々な機能を提供するように構成される。
【0024】
HLR140は、ワイヤレスネットワークに対するHLRにより一般的に提供される機能を提供するように構成される。
【0025】
通信ネットワーク150は、旧MSC/VLR120、GMSC+新MSC/VLR130、およびHLR140の間の通信を容易にする。通信ネットワーク150は、任意の適切な種類の通信ネットワークを含むことができる。
【0026】
図1に示されるように、MD110は、旧MSC/VLR120からGMSC+新MSC/VLR130に移動する。MD110が旧MSC/VLR120からGMSC+新MSC/VLR130へ移動している間にMD110向けのMT呼が受信されると仮定する。MD110は、旧MSC/VLR120からGMSC+新MSC/VLR130へ任意数の理由で移動することがある(たとえば、MD110により回線交換フォールバック(CSFB)に対応するためにMTRF手順が使用される場合、MTRF手順がCSFBなどとは無関係に使用される場合など)。
【0027】
MD110が旧MSC/VLR120からGMSC+新MSC/VLR130へ移動している間にMD110向けのMT呼が受信された場合の、旧MSC/VLR120およびGMSC+新MSC/VLR130の間の呼ループの形成を防ぐために、呼ループ回避機能の様々な実施形態を用いることができる。
【0028】
少なくともいくつかの実施形態では、MD110へのMT呼の完了と共にMTRF手順が使用される場合に呼ループ回避機能を利用することができる。一般的に、本明細書で論じられるように、MTRF手順により、MT呼の配信中に旧MSC/VLR(例示的には、旧MSC/VLR120)から新MSC/VLR(例示的には、GMSC+新MSC/VLR130)へ移動する着呼モバイルデバイス(例示的には、MD110)へのMT呼の配信が可能になる(たとえば第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)技術仕様(TS)23.018の5.2.3項および5.2.4項記載)。MTRF手順は、様々なシナリオで実施することができるので、呼ループ回避機能の様々な実施形態もまた、様々なシナリオで使用することができる。
【0029】
たとえば、MTRF手順は、着呼モバイルデバイスがロングタームエボリューション(LTE)カバレッジから、SGsページング要求を開始した旧MSC/VLRと異なる新MSC/VLRによりサービス提供される移動通信用グローバルシステム(GSM)EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)/ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)セルへ移動した場合などに、回線交換フォールバック(CSFB)を行った結果として実施されることがある(たとえば、3GPP TS23.272の7.5a項記載)。
【0030】
たとえば、MTRF手順は、CSFBが行われない場合に実施されることがあり、これは、たとえば、モバイルデバイスが旧MSC/VLRから新MSC/VLRへ移動している間に着信MT呼がモバイルデバイスへ向けられ、HLRが新MSC/VLRにより更新される前にモバイルデバイス向けの着信MT呼が旧MSC/VLRに配信される場合(たとえば、モバイルデバイスが移動しているために、MSC/VLR間で受け渡しされる典型的なローミング状況)などである。
【0031】
たとえば、MD110が、MD110へのMT呼に関して旧MSC/VLR120からページングの受信に応じて、GMSC+新MSC/VLR130へ位置更新メッセージを送信する際に、MTRF手順を開始することができる。
【0032】
本明細書に記載のように、様々なシナリオにおいて、MTRF手順を用いて旧MSC/VLR120(たとえば、MTページング/呼配信手順の完了の前にMD110にサービス提供していたMSC/VLR)からGMSC+新MSC/VLR130(たとえば、位置更新手順が完了した後にMD110にサービス提供するMSC/VLR)へMT呼を届かせることができるが、MTRF手順を用いて旧MSC/VLR120からGMSC+新MSC/VLR130へMT呼を届かせようとすると、特定の条件下で旧MSC/VLR120およびGMSC+新MSC/VLR130の間に呼ループが生じることがある。呼ループ回避に対応していない呼フローの一例示的実施形態が、
図2に関して与えられる。少なくともいくつかの実施形態では、GMSC+新MSC/VLR130がMD110のGMSCでもある場合の旧MSC/VLR120およびGMSC+新MSC/VLR130の間の呼ループは、(1)旧MSC/VLR120からGMSC+新MSC/VLR130により受信されたGMSCアドレスがGMSC+新MSC/VLR130のGMSCのGMSCアドレスと同一であるか判定し、(2)旧MSC/VLR120から受信されたGMSCアドレスがGMSC+新MSC/VLR130のGMSCのGMSCアドレスと同一であるという判定に基づいて、GMSC+新MSC/VLR130から旧MSC/VLR120へ解放メッセージを送信し、(GMSC+新MSC/VLR130により旧MSC/VLR120を介してではなく)GMSC+新MSC/VLR130から直接的にMD110へMT呼を配信するようにGMSC+新MSC/VLR130を構成することにより回避することができる。呼ループ回避に対応した呼フローの一例示的実施形態は、
図3−5に関して与えられる。
【0033】
図2に、呼ループ回避に対応していない呼フローの一例示的実施形態を示す。順次実施されるように主に図示および説明されているが、方法200のステップの少なくとも一部が、同時に、または
図2に示されたものと異なる順番で実施できることは理解されよう。
【0034】
ステップ201において、GMSC+新MSC/VLR130は、初期アドレスメッセージ(IAM:Initial Address Message)を受信する。IAMは、(
図2で「B」と表記された)MD110の被呼者番号、たとえばMD110の移動局国際加入者登録番号(MSISDN:Mobile Station International Subscriber Directory Number)を含む。
【0035】
ステップ202において、GMSC+新MSC/VLR130は、IAMメッセージに応答して、MAPルーティング情報送信(SRI:Send Routing Information)メッセージをHLR140に送信する。MAP SRIメッセージは、MD110の被呼者番号(たとえばMD110のMSISDN)を含む。
【0036】
ステップ203において、HLR140は、MAP SRIメッセージに応答して、移動通信アプリケーション部(MAP:Mobile Application Part)ローミング番号提供(PRN:Provide Roaming Number)メッセージを旧MSC/VLR120に送信する。MAP PRNメッセージは、MD110の被呼者の移動端末識別子(IMSI:International Mobile Subscriber Identity)番号を含む。
【0037】
ステップ204において、旧MSC/VLR120は、MAP PRN ACKメッセージをHLR140に送信することで、MAP PRNメッセージに返信する。MAP PRN ACKメッセージは、MD110に関する移動局ローミング番号(MSRN:Mobile Station Roaming Number)を含む(これにより、以下で論じられるステップ206における旧MSC/VLR120へのMT呼のルーティングが可能になる)。
【0038】
ステップ205において、HLR140は、MAP SRI ACKメッセージにより、MAP SRIメッセージに返信する。MAP SRI ACKメッセージは、MD110に関するMSRNを含む。
【0039】
ステップ206において、GMSC+新MSC/VLR130は、IAMメッセージを旧MSC/VLR120に送信する。IAMメッセージは、MAP SRI ACKメッセージからGMSC+新MSC/VLR130により決定されたMD110のMSRNを含む。
【0040】
ステップ207において、旧MSC/VLR120はMD110をページングしようと試みる。
【0041】
ステップ208において、MD110は位置更新手順を開始し、関連する位置更新メッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。
【0042】
ステップ209において、GMSC+新MSC/VLR130および旧MSC/VLR120は識別送信メッセージ(Send Identification message)を交換し、このメッセージ内で、新MSC/VLR130がMTRF手順に対応していることを新MSC/VLR130が旧MSC/VLR120に通知する。GMSC+新MSC/VLR130は、旧MSC/VLR120へ識別送信メッセージを送信し、ここで識別送信メッセージは、GMSC+新MSC/VLR130がMTRF手順に対応している旨の表示を含む。旧MSC/VLR120は、GMSC+新MSC/VLR130に識別送信ACKメッセージを送信することで、識別送信メッセージに返信する。
【0043】
ステップ210において、GMSC+新MSC/VLR130は、位置更新メッセージをHLR140に送信する。位置更新メッセージは、GMSC+新MSC/VLR130がMTRF手順に対応していることを示すように設定されたMTRFフラグを含む。
【0044】
ステップ211において、HLR140および旧MSC/VLRは、位置取消メッセージを交換する。HLR140は、位置取消メッセージを旧MSC/VLR120に送信し、ここで位置取消メッセージは、旧MSC/VLR120に対してMTRF手順に対応し許可されたことを示すように設定されたMTRFフラグを含む。旧MSC/VLR120は、位置取消ACKメッセージをHLR140に送信することで、位置取消メッセージに返信する。
【0045】
ステップ212において、GMSC+新MSC/VLR130およびHLR140は、HLR140がMD110に関する加入者情報をGMSC+新MSC/VLR130にダウンロードできるようにするための加入者データ挿入メッセージの1つまたは複数の組を交換する。HLR140は、加入者データ挿入メッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信し、ここで加入者データ挿入メッセージは、MD110に関する供給された加入者データを含む。GMSC+新MSC/VLR130は、加入者データ挿入ACKメッセージをHLR140に送信することで、加入者データ挿入メッセージに返信する。
【0046】
ステップ213において、旧MSC/VLR120は、MAP PRNメッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。MAP PRNメッセージは、旧MSC/VLR120がMTRF手順に対応していることを示すように設定されたMTRFフラグを含む。
【0047】
ステップ214において、HLR140は、位置更新ACKメッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。
【0048】
ステップ215において、GMSC+新MSC/VLR130は、MAP PRN ACKメッセージを旧MSC/VLR120に送信することで、MAP PRNメッセージに応答する。MAP PRN ACKメッセージはMSRN’を含む(これにより、以下で論じられるように、ステップ216において旧MSC/VLR120からGMSC+新MSC/VLR130へMT呼を届かせることが可能になる)。
【0049】
ステップ216において、旧MSC/VLR120は、IAMメッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。IAMメッセージは、MAP PRN ACKメッセージで受信されたMSRN’を含む。
【0050】
ステップ217において、GMSC+新MSC/VLR130は、位置更新承認メッセージをMD110へ送信する。
【0051】
ステップ218において、MD110は、GMSC+新MSC/VLR130から受信された位置更新承認メッセージに応答して、TMSI再割当完了メッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。
【0052】
ステップ219において、GMSC+新MSC/VLR130は、確立メッセージをMD110へ送信する。
【0053】
ステップ220において、MD110は、GMSC+新MSC/VLR130から受信された確立メッセージに応答して、呼確認メッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。
【0054】
図2に示されたように、通常のMT呼手順がステップ220の後に続く。通常のMT呼手順は、当業者には理解されよう。
【0055】
本明細書に記載のように、呼ループ回避の不在下では、呼ループが、GMSC+新MSC/VLR130および旧MSC/VLR120の間に生じることがある。
図2から、ステップ206およびステップ216で送信されるメッセージが、GMSC+新MSC/VLR130および旧MSC/VLR120の間に呼ループを構成することは理解されよう。本明細書に記載のように、少なくともいくつかの実施形態では、この種の呼ループは回避することができる。呼ループ回避に対応した呼フローの一例示的実施形態は、
図3に与えられる。
【0056】
図3に、呼ループ回避に対応した呼フローの一例示的実施形態を示す。順次実施されるように主に図示および説明されているが、方法300のステップの少なくとも一部が、同時に、または
図3に示されたものと異なる順番で実施できることは理解されよう。
【0057】
ステップ301において、GMSC+新MSC/VLR130は、初期アドレスメッセージ(IAM)を受信する。IAMは、(
図3で「B」と表記された)MD110の被呼者番号、たとえばMD110の移動局国際加入者登録番号(MSISDN)を含む。
【0058】
ステップ302において、GMSC+新MSC/VLR130は、IAMメッセージに応答して、MAPルーティング情報送信(SRI)メッセージをHLR140に送信する。MAP SRIメッセージは、MD110の被呼者番号(同様に「B」と表記)と、MD110に対するGMSCのアドレス(GMSC@と表記)と、呼参照番号(参照番号(RefNum)と表記)とを含む。
【0059】
ステップ303において、HLR140は、MAP SRIメッセージに応答して、移動通信アプリケーション部(MAP)ローミング番号提供(PRN)メッセージを旧MSC/VLR120に送信する。MAP PRNメッセージは、MD110に対するGMSCのアドレス(GMSC@と表記)と、呼参照番号(参照番号と表記)とを含み、双方とも、MAP SRIメッセージで受信されたものである。
【0060】
ステップ304において、旧MSC/VLR120は、MAP PRN ACKメッセージをHLR140に送信することで、MAP PRNメッセージに返信する。MAP PRN ACKメッセージは、MD110に関する移動局ローミング番号(MSRN)を含む。
【0061】
ステップ305において、HLR140は、MAP SRI ACKメッセージを用いてMAP SRIメッセージに返信する。MAP SRI ACKメッセージは、MD110に関する移動局ローミング番号(MSRN)を含む。
【0062】
ステップ306において、GMSC+新MSC/VLR130は、IAMメッセージを旧MSC/VLR120に送信する。IAMメッセージは、MAP SRI ACKメッセージからGMSC+新MSC/VLR130により決定されたMD110のMSRNを含む。
【0063】
ステップ307において、旧MSC/VLR120はMD110をページングしようと試みる。
【0064】
ステップ308において、MD110は、位置更新手順を開始し、関連する位置更新メッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。
【0065】
ステップ309において、GMSC+新MSC/VLR130および旧MSC/VLR120は識別送信メッセージを交換し、このメッセージ内で、GMSC+新MSC/VLR130がMTRF手順に対応していることをGMSC+新MSC/VLR130が旧MSC/VLR120に通知する。GMSC+新MSC/VLR130は、旧MSC/VLR120へ識別送信メッセージを送信し、ここで識別送信メッセージは、GMSC+新MSC/VLR130がMTRF手順に対応している旨の表示を含む。旧MSC/VLR120は、GMSC+新MSC/VLR130に識別送信ACKメッセージを送信することで、識別送信メッセージに返信する。
【0066】
ステップ310において、GMSC+新MSC/VLR130は、位置更新メッセージをHLR140に送信する。位置更新メッセージは、MTRF手順に対応していること(MTRF対応と表記される)を示すように設定されたMTRFフラグを含む。
【0067】
ステップ311において、HLR140および旧MSC/VLRは、位置取消メッセージを交換する。HLR140は、位置取消メッセージを旧MSC/VLR120に送信し、ここで位置取消メッセージは、MTRF手順に対応し許可されたこと(MTRF対応および許可と表記される)を示すように設定されたMTRFフラグを含む。旧MSC/VLR120は、位置取消ACKメッセージをHLR140に送信することで、位置取消メッセージに返信する。
【0068】
ステップ312において、GMSC+新MSC/VLR130およびHLR140は、HLR140がMD110に関する加入者情報をGMSC+新MSC/VLR130にダウンロードできるようにするための加入者データ挿入メッセージの1つまたは複数の組を交換する。HLR140は、加入者データ挿入メッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信し、ここで加入者データ挿入メッセージは、MD110に関する供給された加入者データを含む。GMSC+新MSC/VLR130は、加入者データ挿入ACKメッセージをHLR140に送信することで、加入者データ挿入メッセージに返信する。
【0069】
ステップ313において、旧MSC/VLR120は、MAP PRNメッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。MAP PRNメッセージは、MTRF手順に対応していることを示すように設定されたMTRFフラグ(MTRFインジケータと表記)と、HLR140から受信されたMAP PRNメッセージから決定されたGMSCのアドレス(GMSC@と表記)と、HLR140から受信されたMAP PRNメッセージから決定された呼参照番号(参照番号と表記)と、旧MSC/VLR120がMTRF最適ルーティング(たとえば、旧MSC/VLR120およびGMSC+新MSC/VLR130の間の呼ループの形成を防ぐように構成されたMTRF手順の拡張版)に対応している旨の旧MSC/VLR120からGMSC+新MSC/VLR130への表示とを含む。旧MSC/VLR120がMTRF最適ルーティングに対応している旨の旧MSC/VLR120からGMSC+新MSC/VLR130への表示は、たとえば、MAP PRNメッセージに含まれるMTRF最適ルーティング対応情報要素(MTRF最適ルーティング対応と表記)の形で提供することができる。呼ループ回避で用いるMTRF最適ルーティング対応情報要素およびMTRF最適ルーティング実施情報要素を含む一例示的MAP PRNメッセージは、
図4Aに与えられる。
図4Aに示されるように、例示的MAP PRNメッセージ410は、以下の列:要求(Request)、表示(Indication)、応答(Response)、および確認(Confirm)のうちの1つまたは複数に定義された情報を有するパラメータの組を含む。MTRF最適ルーティング対応情報要素411は、「U」の要求値と、「(C=)」の表示値とを有するものと定義される。MTRF最適ルーティング実施情報要素412は、「C」の応答値と、「(C=)」の確認値とを有するものと定義される。MTRF最適ルーティング対応情報要素411またはMTRF最適ルーティング実施情報要素412が、任意の他の適切な方法で定義されてもよく、任意の適切な方法でMAP PRNメッセージ410の他のパラメータに対して配列されてもよく、または同様のもの、ならびにこれらの様々な組み合わせでもよいことは理解されよう。MAP PRNメッセージ410が、より少ないまたは多いパラメータ、他の方法で定義されたパラメータ、異なるパラメータ、互いに異なるパラメータ配列、または同様のもの、ならびにこれらの様々な組み合わせを含むことができることは理解されよう。旧MSC/VLR120およびGMSC+新MSC/VLR130の間の呼ループの形成を防ぐように通常のMTRF手順が拡張されているので、MTRF最適ルーティングへの本明細書での参照はMTRF拡張ルーティングへの参照として読み取ることもでき、したがって、MTRF最適ルーティング対応情報要素411およびMTRF最適ルーティング実施情報要素412はそれぞれ、MTRF拡張ルーティング対応情報要素およびMTRF拡張ルーティング実施情報要素として(または任意の他の適切な指示子を用いて)参照されることもあることは理解されよう。
【0070】
ステップ314において、HLR140は、位置更新ACKメッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。
【0071】
ステップ315において、GMSC+新MSC/VLR130は、旧MSC/VLR120からMAP PRNメッセージで受信されたGMSCアドレスが、GMSC+新MSC/VLR130のGMSCのGMSCアドレスと同一である(すなわち、旧MSC/VLR120からMAP PRNメッセージで受信されたGMSCアドレスが自身のアドレスである)ことを判定する。GMSC+新MSC/VLR130は、MAP PRNメッセージで受信されたGMSCアドレスがGMSC+新MSC/VLR130のGMSCのGMSCアドレスと同一であるという判定に基づいて、以下を行う:(1)(ステップ316に関してさらに詳細に論じられるように)MTRF最適ルーティング実施情報要素を含むMAP PRN ACKメッセージを旧MSC/VLR120を送信し、(2)(ステップ318に関してさらに詳細に論じられるように)旧MSC/VLR120へ解放メッセージを送信する。
【0072】
ステップ316において、GMSC+新MSC/VLR130は、MAP PRN ACKメッセージを旧MSC/VLR120に送信することで、MAP PRNメッセージに応答する。MAP PRN ACKメッセージは、本明細書では、MAP PRN応答メッセージと呼ばれることもある。
【0073】
MAP PRN ACKメッセージは、GMSC+新MSC/VLR130がMTRF最適ルーティング(たとえば、旧MSC/VLR120およびGMSC+新MSC/VLR130の間の呼ループの形成を防ぐように構成されたMTRF手順の拡張版)を実施した(または少なくとも承認した)旨のGMSC+新MSC/VLR130から旧MSC/VLR120への表示を含む。GMSC+新MSC/VLR130がMTRF最適ルーティングを実施した(または少なくとも承認した)旨の表示は、たとえば、MAP PRN ACKメッセージに含まれるMTRF最適ルーティング実施情報要素(MTRF最適ルーティング実施と表記)の形で提供することができる。呼ループ回避で用いるMTRF最適ルーティング実施情報要素を含む一例示的MAP PRN ACKメッセージは、
図4Bに与えられる。
図4Bに示されるように、例示的MAP PRN ACKメッセージ420は、NULLおよび任意選択(OPTIONAL)の値を含むように設定されたMTRF最適ルーティング実施(mtrfOptimalRoutingPerformed)情報要素421を含むパラメータの組を含む。
図4Bに示されるように、例示的MAP PRN ACKメッセージ420がMTRFループ回避処理(mtrfLoopAvoidanceProcessed)情報要素を含む場合、MAP PRN ACKメッセージ420の他のパラメータのうち一部または全部のパラメータの値は、旧MSC/VLR120により無視され得る。MTRF最適ルーティング実施情報要素421が、任意の他の適切な方法で定義されてもよく、任意の適切な方法でMAP PRN ACKメッセージ420の他のパラメータに対して配列されてもよく、または同様のもの、ならびにこれらの様々な組み合わせでもよいことは理解されよう。MAP PRN ACKメッセージ420が、より少ないまたは多いパラメータ、他の方法で定義されたパラメータ、異なるパラメータ、互いに異なるパラメータ配列、または同様のもの、ならびにこれらの様々な組み合わせを含むことができることは理解されよう。また、旧MSC/VLR120およびGMSC+新MSC/VLR130の間の呼ループの形成を防ぐように通常のMTRF手順が拡張されているので、MTRF最適ルーティングへの本明細書での参照はMTRF拡張ルーティングへの参照として読み取ることもでき、したがって、MTRF最適ルーティング実施(mtrfOptimalRoutingPerformed)情報要素421は、MTRF拡張ルーティング実施(mtrfEnhancedRoutingPerformed)情報要素として(または任意の他の適切な指示子を用いて)参照されることもあることは理解されよう。
【0074】
MAP PRN ACKメッセージは、MSRNを含んでも含まなくてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、GMSC+新MSC/VLR130がMTRF最適ルーティングを承認または実施した旨のGMSC+新MSC/VLR130から旧MSC/VLR120への表示をMAP PRN ACKメッセージが含む場合に、GMSC+新MSC/VLR130は、MAP PRN ACKメッセージにMSRNを含める必要はない。MAP PRN ACKメッセージがMSRNとMTRF最適ルーティング実施情報要素とを含む場合に、GMSC+新MSC/VLR130がMTRF最適ルーティングを実施した(または少なくとも承認した)旨のGMSC+新MSC/VLR130から旧MSC/VLR120への表示(たとえばMTRF最適ルーティング実施情報要素)をMAP PRN ACKメッセージが含むという決定に基づいて、旧MSC/VLR120がMSRNを無視することに留意されたい。
【0075】
ステップ317において、旧MSC/VLR120は、GMSC+新MSC/VLR130のGMSCからの解放を待機する。旧MSC/VLR120は、GMSC+新MSC/VLR130から期待される解放メッセージが受信されるように、待機モードに入る。
【0076】
ステップ318において、GMSC+新MSC/VLR130は、解放メッセージを旧MSC/VLR120に送信する。旧MSC/VLR120は、解放メッセージに応答して、MD110に関する自身のリソースを解放する。
【0077】
ステップ319において、旧MSC/VLR120は、解放完了メッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。
【0078】
ステップ320において、GMSC+新MSC/VLR130は、位置更新承認メッセージをMD110へ送信する。
【0079】
ステップ321において、MD110は、GMSC+新MSC/VLR130から受信された位置更新承認メッセージに応答して、TMSI再割当完了メッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。
【0080】
ステップ322において、GMSC+新MSC/VLR130は、確立メッセージをMD110へ送信する。
【0081】
ステップ323において、MD110は、GMSC+新MSC/VLR130から受信された確立メッセージに応答して、呼確認メッセージをGMSC+新MSC/VLR130に送信する。
【0082】
図3に示されたように、通常のMT呼手順がステップ323の後に続く。通常のMT呼手順は、当業者には理解されよう。
【0083】
本明細書に記載のように、GMSC+新MSC/VLR130は、GMSC要素132および新MSC/VLR要素134を含む。したがって、GMSC+新MSC/VLR130により実施されるように本明細書に提示された機能は、GMSC要素132、新MSC/VLR要素134、またはGMSC要素132および新MSC/VLR要素134の組み合わせにより実施することができる。したがって、GMSC要素132および新MSC/VLR要素134にわたってGMSC+新MSC/VLR130の機能を分配するという観点でのGMSC+新MSC/VLR130の様々な実装が可能である。
図3の呼フロー300の文脈におけるGMSC+新MSC/VLR130の一例示的実装は、
図5に与えられる。
【0084】
図5に、GMSC+新MSC/VLRの一例示的実装を用いて呼ループ回避に対応した呼フローの一例示的実施形態を示す。
図5に示されるように、呼フローは呼フロー300’と示され、これは呼フロー300’が、GMSC+新MSC/VLR130が特定の方法で(例示的には、GMSC+新MSC/VLR130のGMSC要素132および新MSC/VLR要素134にわたるGMSC+新MSC/VLR130の機能の1つの例示的な分配を用いて)実装される、
図3の呼フロー300の1つのバージョンを表すことを示す。呼フロー300のステップの一部のみが、
図5の呼フロー300’と共に図示されている(すなわち、
図5の呼フロー300’の一部として示される対応ステップ3xx’を持たない呼フロー300の任意のステップ3xxが、GMSC+新MSC/VLRの一例示的実装の図示および説明を明確にするために、
図5の呼フロー300’から省略されている)ことは理解されよう。順次実施されるように主に図示および説明されているが、方法300’のステップの少なくとも一部が、同時に、または
図5に示されたものと異なる順番で実施できることは理解されよう。
【0085】
ステップ301’において、GMSC+新MSC/VLR130のGMSC要素132は、初期アドレスメッセージ(IAM)を受信する。これは、IAMメッセージがGMSC要素132により受信される
図3のステップ301の一実装である。明確にするために、ステップ302−305が省略されていることに留意されたい。
【0086】
ステップ306’において、GMSC+新MSC/VLR130のGMSC要素132は、IAMメッセージを旧MSC/VLR120に送信する。IAMメッセージは、MAP SRI ACKメッセージからGMSC+新MSC/VLR130のGMSC要素132により決定されたMD110のMSRNを含む。これは、IAMメッセージがGMSC要素132により送信される
図3のステップ306の一実装である。明確にするために、ステップ307−312が省略されていることに留意されたい。
【0087】
ステップ313’において、旧MSC/VLR120は、GMSC+新MSC/VLR130の新MSC/VLR要素134へMAP PRNメッセージを送信する。MAP PRNメッセージは、MTRF手順に対応していることを示すように設定されたMTRFフラグ(MTRFインジケータと表記)と、MAP PRNメッセージから決定されたGMSCのアドレス(GMSC@と表記)と、MAP PRNメッセージから決定された呼参照番号(参照番号と表記)と、MTRF最適ルーティング対応情報要素(MTRF最適ルーティング対応と表記)とを含む。これは、MAP PRNメッセージが新MSC/VLR要素134により受信される方法300のステップ313の一実装である。明確にするために、ステップ314が省略されていることに留意されたい。
【0088】
ステップ501(方法300の少なくともいくつかの実施形態の文脈で実施され得るが、
図3には示されていないステップ)において、GMSC+新MSC/VLR130の新MSC/VLR要素134は、MSRN’を割り当てる。
【0089】
ステップ315’において、GMSC+新MSC/VLR130の新MSC/VLR要素134は、MAP PRNメッセージで受信されたGMSCアドレスが、GMSC+新MSC/VLR130のGMSC要素132のGMSCアドレスと同一であるか(すなわち、旧MSC/VLR120からMAP PRNメッセージで受信されたGMSCアドレスが、自身のアドレスであるか)を判定する。これは、MAP PRNメッセージで受信されたGMSCアドレスがGMSC要素132のGMSCアドレスと同一であるかについての判定を新MSC/VLR要素134が行う方法300のステップ315の一実装である。
【0090】
ステップ502(方法300の少なくともいくつかの実施形態の文脈で実施され得るが、
図3には示されていないステップ)において、GMSC+新MSC/VLR130の新MSC/VLR要素134は、GMSC+新MSC/VLR130のGMSC要素132に内部メッセージを送信する。内部メッセージは、MAP PRNメッセージの一部として旧MSC/VLR120から新MSC/VLR要素134により受信された呼参照番号と、新MSC/VLR要素134により割り当てられたMSRN’とを含む。
【0091】
ステップ316’において、GMSC+新MSC/VLR130の新MSC/VLR要素134は、MAP PRN ACKメッセージを旧MSC/VLR120に送信することでMAP PRNメッセージに応答する。MAP PRN ACKメッセージは、新MSC/VLR要素134により割り当てられたMSRN’を含んでも含まなくてもよい。MAP PRN ACKメッセージは、(MTRF最適ルーティング実施と表記された)MTRF最適ルーティング実施情報要素を含む。MAP PRN ACKメッセージがMSRN’およびMTRF最適ルーティング実施情報要素を含む場合、MAP PRN ACKメッセージがMTRF最適ルーティング実施情報要素を含むという決定に基づいて、旧MSC/VLR120がMSRN’を無視することに留意されたい。これは、新MSC/VLR要素134がMAP PRN ACKメッセージを旧MSC/VLR120に送信する方法300のステップ316の一実装である。明確にするために、ステップ317が省略されていることに留意されたい。
【0092】
ステップ318’において、GMSC+新MSC/VLR130のGMSC要素132は、解放メッセージを旧MSC/VLR120に送信する。旧MSC/VLR120は、解放メッセージに応答してMD110を解放する。これは、GMSC要素132が解放メッセージを旧MSC/VLR120に送信する方法300のステップ318の一実装である。明確にするために、ステップ319−323が省略されていることに留意されたい。
【0093】
ステップ503(方法300の少なくともいくつかの実施形態の文脈で実施され得るが、
図3には示されていないステップ)において、GMSC+新MSC/VLR130のGMSC要素132は、内部IAMメッセージをGMSC+新MSC/VLR130の新MSC/VLR要素134に送信する。内部IAMメッセージは、GMSC+新MSC/VLR130の新MSC/VLR要素134からGMSC+新MSC/VLR130のGMSC要素132により受信されたMSRN’を含む。
【0094】
図5に示されるように、通常のMT呼手順が、ステップ503の後に続く。通常のMT呼手順は、当業者により理解されよう。
【0095】
旧MSC/VLRがMTRF最適ルーティングに対応していることを旧MSC/VLRがGMSC+新MSC/VLRに示す実施形態に関して主に図示および説明されているが、少なくともいくつかの場合では、旧MSC/VLRがMTRF最適ルーティングに対応していないことがあるか、またはMTRF最適ルーティングに対応していることを示さないことがあることは理解されよう。したがって、少なくともいくつかの実施形態では、GMSC+新MSC/VLRは、旧MSC/VLRがMTRF最適ルーティングに対応していないか、またはMTRF最適ルーティングに対応していることを示さない場合に対処するように構成することができる。少なくともいくつかの実施形態では、旧MSC/VLRがMTRF最適ルーティングに対応していないか、またはMTRF最適ルーティングに対応していることを示さないというGMSC+新MSC/VLRによる決定に基づいて、GMSC+新MSC/VLRは、本明細書で論じられるように呼ループが形成され得るとしても、旧MSC/VLRからのMT呼を受け入れるように構成することができる。少なくともいくつかの実施形態では、旧MSC/VLRがMTRF最適ルーティングに対応していないか、またはMTRF最適ルーティングに対応していることを示さないというGMSC+新MSC/VLRによる決定に基づいて、GMSC+新MSC/VLRは、(1)解放メッセージを旧MSC/VLRに送信し、(2)旧MSC/VLRから受信されたMAP PRNメッセージに応答した旧MSC/VLRへのMAP PRN ACKメッセージの送信を一定時間遅延させるように構成することができる。UEに対するGMSCが、解放メッセージを旧MSC/VLRに伝搬し、関連する解放応答メッセージを旧MSC/VLRから受信できるようにするのに十分であると予想される時間の間、旧MSC/VLRへのMAP PRN ACKメッセージの送信を遅延させるようにGMSC+新MSC/VLRを構成することができる。少なくとも、GMSCおよび旧MSC/VLRの間の解放メッセージの交換が望ましくないことがあることが理由で(少なくともいくつかの状況では、解放メッセージのそのような交換が、必要であるか、望ましいか、または少なくとも容認可能なことがあるのは理解されるであろうが)、GMSC+新MSC/VLRから旧MSC/VLRへのMAP PRN ACKメッセージの送信の遅延が行われることがある。加えて、少なくともいくつかの実施形態では、旧MSC/VLRは、GMSCに対して解放手順を開始しないものとし(呼をティアダウンすることになるので)、または呼転送を開始しないものとする(同様に、そのような行為が必要であるか、望ましいか、または少なくとも容認可能なことがある特定の状況が存在し得るが)。これらおよび他の実施形態を用いて、旧MSC/VLRがMTRFに対応できない場合に対する後方互換性を提供することができる。一例示的実施形態が、
図6に関して図示および説明される。
【0096】
図6に、ワイヤレス通信ネットワークにおいてモバイルデバイスに関する位置更新と並行してモバイル着信呼を扱うことに関する呼ループの形成を防ぐための方法の一実施形態を示す。モバイルデバイスが旧モビリティ/呼管理エンティティ(たとえば旧MSC/VLR)から新モビリティ/呼管理エンティティ(たとえばGMSC+新MSC/VLR)へ移動している間にモバイルデバイス向けのMT呼が受信された場合に、
図6の方法600が、新モビリティ/呼管理エンティティにより実施できることは理解されよう。旧モビリティ/呼管理エンティティは、旧MCMEと呼ばれることがあり、新モビリティ/呼管理エンティティは、新MCMEと呼ばれることがある。順次実施されるように主に図示および説明されているが、方法600のステップの少なくとも一部が、同時に、または
図6に示されたものと異なる順番で実施できることは理解されよう。
【0097】
ステップ601において、方法600は開始する。
【0098】
ステップ605において、新MCMEは、ルーティング情報要求メッセージを旧MCMEから受信する。ルーティング情報要求メッセージは、モバイルデバイスが旧MCMEから新MCMEへ移動している間にモバイルデバイスへMT呼を配信するために用いられる呼ルーティング手順(通常の呼ルーティング手順または通常の呼ルーティング手順の拡張版でよい)のためのルーティング情報の取り出しを要求するように構成される。拡張呼ルーティング手順は、ルーティング情報要求メッセージに関連付けられた呼ルーティング手順の拡張版であり、ここで拡張呼ルーティング手順は、モバイルデバイスへのMT呼の配信中の旧MCMEおよび新MCME間の呼ループの形成を防ぐように構成される。たとえば、通常の呼ルーティング手順は、MTRF手順(または他の適切な呼ルーティング手順)とすることができ、拡張呼ルーティング手順は、MTRF手順(または他の適切な呼ルーティング手順)の拡張版とすることができる。ルーティング情報要求メッセージは、モバイルデバイスに対する関門MCME(たとえばGMSC)のアドレスとMT呼に対する呼参照番号とを含み、旧MCMEが拡張呼ルーティング手順に対応している旨の表示を含んでも含まなくてもよい。旧MCMEから新MCMEへのモバイルデバイスの移動は、位置更新手順(少なくともいくつかの状況において、モバイルデバイスが新MCMEに再登録する場合などに、登録手順と呼ばれることもある)を用いて制御することができる。
【0099】
ステップ610において、新MCMEは、新MCMEの関門MCME要素のアドレスを決定する。これは、新MCMEのアドレスの決定であってもよい(たとえば、関門MCMEは新MCMEの一機能である)。
【0100】
ステップ615において、新MCMEは、(ルーティング情報要求メッセージからの)モバイルデバイスに対する関門MCMEのアドレスと、新MCMEの関門MCME要素のアドレスとが一致するかを判定する。アドレスが一致しない場合(たとえば関門MCMEおよび新MCMEが異なるネットワークノードである場合)、方法600はステップ620へ進む。アドレスが一致する場合、方法600はステップ625に進む。
【0101】
ステップ620において、新MCMEは、呼ルーティング手順を承認または実施する。呼ルーティング手順が、通常の非拡張呼ルーティング手順であることは理解されよう。たとえば、呼ルーティング手順は、通常のMTRF手順とすることができる。ステップ620から、方法600はステップ699に進み、ここで方法600は終了する。
【0102】
ステップ625において、新MCMEは、旧MCMEが拡張呼ルーティング手順に対応している旨の表示をルーティング情報要求メッセージが含むか決定する。旧MCMEが拡張呼ルーティング手順に対応している旨の表示をルーティング情報要求メッセージが含まない場合、方法600は実装次第で、(選択肢1と表記された)ステップ620または(選択肢2と表記された)ステップ630へ進む。旧MCMEが拡張呼ルーティング手順に対応している旨の表示をルーティング情報要求メッセージが含む場合、方法600はステップ645へ進む。
【0103】
ステップ630において、新MCMEは、旧MCMEがモバイルデバイスに関する自身のリソースを解放するよう要求するための解放メッセージを旧MCMEに送信する。ステップ635において、新MCMEは、モバイルデバイスへのMT呼の直接配信を開始する。モバイルデバイスへのMT呼の直接配信は、新MCMEによるモバイルデバイスへの旧MCMEを介したMT呼の配信ではなく、新MCMEからモバイルデバイスへのMT呼の配信である。ステップ640において、新MCMEは、否定的ルーティング情報応答(中断メッセージなどの形をとってもよい)を旧MCMEへ(ステップ635から)一定の遅延の後に送信する。否定的ルーティング情報応答メッセージは、(新MCMEが拡張呼ルーティング手順を実施したが)新MCMEが拡張呼ルーティング手順を承認または実施した旨の表示を含まず、その理由は、旧MCMEが拡張呼ルーティング手順に対応していない場合に、旧MCMEがそのような表示を理解できないためである。ステップ640から、方法600はステップ699に進み、ここで方法600は終了する。
【0104】
ステップ645において、新MCMEは、ルーティング情報要求メッセージに応答して、肯定的ルーティング情報応答メッセージを旧MCMEへ送信する。肯定的ルーティング情報応答メッセージは、新MCMEが拡張呼ルーティング手順を承認または実施した旨の表示を含む。ステップ650において、新MCMEは、旧MCMEがモバイルデバイスに関する自身のリソースを解放するよう要求するための解放メッセージを旧MCMEに送信する。ステップ655において、新MCMEは、モバイルデバイスへMT呼の直接配信を開始する。同様に、モバイルデバイスへのMT呼の直接配信は、新MCMEによるモバイルデバイスへの旧MCMEを介したMT呼の配信ではなく、新MCMEからモバイルデバイスへのMT呼の配信である。ステップ655から、方法600はステップ699に進み、ここで方法600は終了する。
【0105】
ステップ699において、方法600は終了する。
【0106】
モバイルデバイスへのMT呼の配信中に呼ループが生じると予想されるか否かについての決定が関門MCMEアドレス情報に基づいている実施形態に関して主に提示されているが(すなわち、方法600のステップ615に記載のように、ルーティング情報要求メッセージからのモバイルデバイスに対する関門MCMEのアドレスと、新MCMEの関門MCME要素のアドレスとが一致するかについての判定)、モバイルデバイスへのMT呼の配信中に呼ループが生じると予想されるか否かについての決定は、他種の情報に基づいていてもよいので、ルーティング情報要求メッセージからのMDに対する関門MCMEの表示(たとえば関門MCMEのアドレスまたは関門MCMEの何らかの他の適切な識別子)が新MCMEを識別するかについての決定に基づくものと考えられることは理解されよう。
【0107】
図7に、ワイヤレス通信ネットワークにおいてモバイルデバイスに関する位置更新と並行してモバイル着信呼を扱うことに関する呼ループの形成を防ぐための方法の一実施形態を示す。モバイルデバイスが旧モビリティ/呼管理エンティティ(たとえば旧MSC/VLR)から新モビリティ/呼管理エンティティ(たとえばGMSC+新MSC/VLR)へ移動している間にモバイルデバイス向けのMT呼が受信された場合に、
図7の方法700が、旧モビリティ/呼管理エンティティ(たとえば旧MSC/VLR)により実施できることは理解されよう。旧モビリティ/呼管理エンティティは、旧MCMEと呼ばれることがあり、新モビリティ/呼管理エンティティは、新MCMEと呼ばれることがある。順次実施されるように主に図示および説明されているが、方法700のステップの少なくとも一部が、同時に、または
図7に示されたものと異なる順番で実施できることは理解されよう。
【0108】
ステップ701において、方法700は開始する。
【0109】
ステップ710において、旧MCMEは、ルーティング情報要求メッセージを新MCMEへ送信する。ルーティング情報要求メッセージは、モバイルデバイスが旧MCMEから新MCMEに登録される場合に旧MCMEから新MCMEへMT呼をルーティングするための、モバイルデバイスに対する関門MCMEのアドレスと、MT呼に対する呼参照番号と、旧MCMEが拡張呼ルーティング手順に対応している旨の表示とを含み、ここで拡張呼ルーティング手順は、モバイルデバイスへのMT呼の配信中に旧MCMEおよび新MCMEの間の呼ループの形成を防ぐように構成される。たとえば、拡張呼ルーティング手順は、通常のMTRF手順の拡張版とすることができる。
【0110】
ステップ720において、旧MCMEは、ルーティング情報応答メッセージを新MCMEから受信する。ルーティング情報応答メッセージは、ルーティング情報要求メッセージ内で旧MCMEにより示される、新MCMEが拡張呼ルーティング手順を承認または実施した旨の表示を含んでも含まなくてもよい。ルーティング情報応答メッセージは、MSRNを含んでも含まなくてもよい。
【0111】
ステップ730において、旧MCMEは、新MCMEが拡張呼ルーティング手順を承認または実施した旨の表示をルーティング情報応答メッセージが含むか決定する。新MCMEが拡張呼ルーティング手順を承認または実施した旨の表示をルーティング情報応答メッセージが含まない場合、方法700はステップ740に進む。新MCMEが拡張呼ルーティング手順を承認または実施した旨の表示をルーティング情報応答メッセージが含む場合、方法700はステップ750に進む。
【0112】
ステップ740において、旧MCMEは、通常の呼ルーティング手順を進める。ステップ740から、方法700はステップ799に進み、方法700は終了する。
【0113】
ステップ750において、旧MCMEは、新MCMEからの解放メッセージを待機するためのタイマを開始する。
【0114】
ステップ760において、旧MCMEは、タイマが切れる前に解放メッセージが新MCMEから受信されるか決定する。旧MCMEは、タイマを監視し、新MCMEからの解放メッセージの受信を監視する。タイマが切れる前に解放メッセージが新MCMEから受信されなかった場合、方法700はステップ770に進む。タイマが切れる前に解放メッセージが新MCMEから受信された場合、方法700はステップ780に進む。
【0115】
ステップ770において、旧MCMEは呼解放を開始する。ステップ770から、方法700はステップ799へ進み、ここで方法700は終了する。
【0116】
ステップ780において、旧MCMEは、新MCMEからの解放メッセージに応答して、モバイルデバイスに関する自身のリソースを解放する。
【0117】
ステップ790において、旧MCMEは、解放応答メッセージを新MCMEへ送信する。
【0118】
ステップ799において、方法700は終了する。
【0119】
特定の種類のメッセージ(たとえばIAM、解放メッセージなど)に対応している特定の種類のプロトコル(たとえばISDNユーザ部(ISUP:ISDN User Part)プロトコルおよびベアラ非依存呼制御(BICC:Bearer−Independent Call Control)プロトコル)を用いた通信システムの文脈で、呼ループ回避機能が提供される実施形態に関して本明細書で主に図示および記載されているが、少なくともいくつかの実施形態では、他種のメッセージに対応している1つまたは複数の他種のプロトコル(たとえばセッション開始プロトコル(SIP)など)を用いた通信システムの文脈で、呼ループ回避機能が提供されてもよいことは理解されよう。したがって、プロトコル特有のメッセージへの本明細書での参照は、プロトコル特有のメッセージと同一または類似の機能を提供するように構成される一般的なメッセージとして、より一般的に読み取ることができることは理解されよう。
【0120】
3GPPワイヤレス通信システムが対応しているMTRF手順の文脈で呼ループ回避機能が提供される実施形態に関して本明細書で主に提示されているが、少なくともいくつかの実施形態では、1つまたは複数の他種のワイヤレス通信システムが対応しているMTRF手順の文脈で呼ループ回避機能が提供されてもよいことは理解されよう。ワイヤレス通信システムが対応しているMTRF手順の文脈で呼ループ回避機能が提供される実施形態に関して本明細書で主に提示されているが、少なくともいくつかの実施形態では、1つまたは複数の他種のワイヤレスシステムが対応しているMTRF手順とは無関係に呼ループ回避機能が提供されてもよいことは理解されよう。少なくともいくつかの実施形態では、呼ループ回避機能の様々な特徴は、モバイルデバイスへのモバイル着信呼の配信中にモバイルデバイスがモビリティ管理エンティティを横断する場合の呼ループの形成を防ぐように構成することができる。したがって、旧MSC/VLRへの本明細書での参照は、モバイルデバイスにサービス提供する旧モビリティ/呼管理エンティティとして、より一般的に読み取ることができ、同様に、GMSC+新MSC/VLRへの本明細書での参照は、モバイルデバイスにサービス提供する新モビリティ/呼管理エンティティとして、より一般的に読み取ることができる。
【0121】
本明細書に記載のように、MT呼の配信中にモバイルデバイスが旧MSC/VLRから新MSC/VLRへ移動する場合の旧MSC/VLRおよび新MSC/VLRの間の呼ループの回避により、様々な利点をもたらすことができる。たとえば、旧MSCおよび新MSCの間の呼ループの回避により、ネットワークリソース、たとえばルーティング番号リソース(たとえばMSRN)、転送リソース(たとえば適応マルチレート広帯域(AMR−WB)双方向音声通話のためのIP帯域幅)、旧MSC/VLRおよび新MSC/VLR間のシグナリングリソース、旧MSC/VLRおよび新MSC/VLRにおける処理リソース、または同様のもの、ならびにこれらの様々な組み合わせ、のうちの1つまたは複数を節約することができる。たとえば、旧MSCおよび新MSCの間の呼ループの回避により、事業者コストを削減することができる。たとえば、旧MSCおよび新MSCの間の呼ループの回避により、PLMN間/国際請求(たとえば、旧MSC/VLRおよび新MSC/VLRが異なる事業者に関連付けられている場合の追加事業者間手数料)を削減または排除することができる。たとえば、旧MSCおよび新MSCの間の呼ループの回避により、(特に、旧MSC/VLRおよび新MSC/VLRが異なる領域(異なる国、異なる地理的領域など)に位置する場合に)本来なら生じる可能性があった追加の待ち時間および呼確立遅延を削減または排除することができる。たとえば、旧MSCおよび新MSCの間の呼ループの回避により、MT呼の配信中にモバイルデバイスが旧MSC/VLRから新MSC/VLRに移動する場合の、MT呼の配信に関する要素のうちの1つまたは複数に対する不要な複数の合法的な傍受を削減または排除することができる(たとえばGMSC、旧MSC/VLR、新MSC/VLRなど)。たとえば、旧MSCおよび新MSCの間の呼ループの回避により、事業者コストを削減または排除することができ、あるいはネットワーク容量を増加または最大化することができる。呼ループ回避機能の実施形態が他の文脈(たとえば他のプロトコルを採用した類似のワイヤレス通信ネットワーク、他種のワイヤレス通信ネットワーク、または同様のもの、ならびにこれらの様々な組み合わせ)で提供される場合に、上記の利点または様々な他の利点のうちの少なくともいくつかを実現できることは理解されよう。
【0122】
図8に、本明細書に記載の機能の実施に好適なコンピュータの上位レベルブロック図を示す。
【0123】
コンピュータ800は、プロセッサ802(たとえば中央処理装置(CPU)または他の適切なプロセッサ)と、メモリ804(たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)など)とを含む。
【0124】
コンピュータ800は、協働モジュール/プロセス805をさらに含むことができる。協働プロセス805をメモリ804にロードし、プロセッサ802により実行して、本明細書で論じられた機能を実施することができ、したがって、協働プロセス805(関連するデータ構造を含む)は、コンピュータ可読記憶媒体、たとえばRAMメモリ、磁気または光学ドライブまたはディスケットなどに記憶することができる。
【0125】
コンピュータ800は、1つまたは複数の入力/出力デバイス806(たとえば、ユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウスなど)、ユーザ出力デバイス(ディスプレイ、スピーカーなど)、入力ポート、出力ポート、受信機、送信機、1つまたは複数の記憶デバイス(テープドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブ、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブなど)、または同様のもの、ならびにこれらの様々な組み合わせ)をさらに含むことができる。
【0126】
図8に示されたコンピュータ800が、本明細書に記載の機能要素または本明細書に記載の機能要素の一部を実装するのに適した一般的なアーキテクチャおよび機能性を提供することは理解されよう。たとえば、コンピュータ800は、MD110、MD110の一部、旧MSC/VLR120、旧MSC/VLR120の一部、GMSC+新MSC/VLR130、GMSC+新MSC/VLR130の一部、HLR140、HLR140の一部などのうちの1つまたは複数を実装するのに適した一般的なアーキテクチャおよび機能性を提供する。
【0127】
本明細書に図示および記載された機能が、ハードウェアまたはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせで実装でき、たとえば、汎用コンピュータを用いて、専用コンピュータを提供するために汎用コンピュータ上でソフトウェアを実行することで、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)または任意の他のハードウェア均等物を用いて、または同様のもので、ならびにこれらの様々な組み合わせで実装できることは理解されよう。
【0128】
本明細書で論じられた方法ステップの少なくともいくつかが、ハードウェアで、たとえばプロセッサと協力して様々な方法ステップを実施する回路として実装できることは理解されよう。本明細書に記載の機能/要素の一部は、コンピュータプログラム製品として実装することができ、コンピュータ命令は、コンピュータにより処理された場合に、本明細書に記載の方法または技法が呼び出されるかまたは他の方法で提供されるように、コンピュータの動作を適合させる。本発明の方法を呼び出すための命令は、固定媒体もしくは取り外し可能媒体に格納するか、ブロードキャストまたは他の信号担持媒体のデータストリームを介して送信するか、または、命令に従って動作するコンピューティングデバイスのメモリに記憶することができる。
【0129】
本明細書で用いられる「または(or)」という用語が、別途指示されていない限り(たとえば「またはそれ以外(or else)」あるいは「または代替的に(or in the alternative)」の使用によって)、非排他的な「または」を指すことは理解されよう。
【0130】
様々な実施形態の態様は、特許請求の範囲に示されている。様々な実施形態のこれらおよび他の態様は、以下の番号付きの節に示されている:
【0131】
1.モバイルデバイス(MD)へのモバイル着信(MT)呼に関する呼ループを防ぐための方法であって、
プロセッサおよびメモリを用いて、
MDへのMT呼の配信に関連するルーティング情報要求メッセージを第1のモビリティおよび呼管理エンティティ(MCME)において第2のMCMEから受信することであって、ルーティング情報要求メッセージがMDに対する関門MCMEの表示を含む、受信することと、
位置更新手順を用いて、MDが第2のMCMEから第1のMCMEへ移動している間に、MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるかを、MDに対する関門MCMEの表示に基づいて決定することと
を備える、方法。
【0132】
2.第2のMCMEによりサービス提供されるエリアから第1のMCMEによりサービス提供されるエリアへのMDの移動を示すメッセージを受信すること
をさらに備える、節1に記載の方法。
【0133】
3.MT呼の配信中にMDが異なる無線アクセス技術を再選択した場合に、第2のMCMEから第1のMCMEへのMDの移動を示すメッセージを受信すること
をさらに備える、節1に記載の方法。
【0134】
4.MD呼の配信中にMDが異なる無線アクセス技術を再選択した場合の第2のMCMEから第1のMCMEへのMDの移動を示すメッセージが、MDが、MT呼の配信中に進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)に滞在し、UTRANまたは移動通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)を再選択してMT呼の確立を進める場合に、MDが第2のMCMEから第1のMCMEへ移動したことを示す、節3に記載の方法。
【0135】
5.MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるかを判定することが、
ルーティング情報要求メッセージからのMDに対する関門MCMEの表示が、第1のMCMEを識別するかを決定すること
を備える、節1に記載の方法。
【0136】
6.MDに対する関門MCMEの表示がMDに関する関門MCMEアドレスを含み、第1のMCMEは関門MCMEアドレスが関連付けられ、ルーティング情報要求メッセージからのMDに対する関門MCMEの表示が第1のMCMEを識別するかを決定することが、
ルーティング情報要求メッセージからのMDに関する関門MCMEアドレスと、第1のMCMEに関連付けられた関門MCMEアドレスとを比較すること
を備える、節5に記載の方法。
【0137】
7.ルーティング情報要求メッセージからのMDに関する関門MCMEアドレスと、第1のMCMEに関連付けられた関門MCMEアドレスとが一致するという判定に基づいて、MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されると決定すること
をさらに備える、節6に記載の方法。
【0138】
8.ルーティング情報要求メッセージからのMDに対する関門MCMEの表示が第1のMCMEを識別するという決定に基づいて、MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されると決定すること
をさらに備える、節5に記載の方法。
【0139】
9.ルーティング情報要求メッセージからのMDに対する関門MCMEの表示が第1のMCMEを識別しないという決定に基づいて、MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されないと決定すること
をさらに備える、節5に記載の方法。
【0140】
10.MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるという決定に基づいて、
第1のMCMEから第2のMCMEへルーティング情報応答メッセージを伝搬すること
をさらに備える、節1に記載の方法。
【0141】
11.MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるという決定に基づいて、
MDに関する第2のMCMEのリソースを解放するように第2のMCMEに指示するための解放メッセージを、第1のMCMEから第2のMCMEへ伝搬すること
をさらに備える、節1に記載の方法。
【0142】
12.MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるという決定に基づいて、第1のMCMEからMDへ直接的にMT呼の配信を開始すること
をさらに備える、節1に記載の方法。
【0143】
13.MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるという決定に基づいて、MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に生じると予想される呼ループの形成を防ぐための拡張呼ルーティング手順を用いるかを決定すること
をさらに備える、節1に記載の方法。
【0144】
14.MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に生じると予想される呼ループの形成を防ぐために拡張呼ルーティング手順を用いるか決定することが、
第2のMCMEが拡張呼ルーティング手順に対応している旨の表示をルーティング情報要求メッセージが含むか決定すること
を備える、節13に記載の方法。
【0145】
15.拡張呼ルーティング手順を用いるという決定に基づいて、
拡張呼ルーティング手順が第1のMCMEにより承認または実施されたことを示すルーティング情報応答メッセージを、第1のMCMEから第2のMCMEへ伝搬すること
をさらに備える、節13に記載の方法。
【0146】
16.拡張呼ルーティング手順を用いるという決定に基づいて、
MDに関する第2のMCMEのリソースを解放するよう第2のMCMEに指示するための解放メッセージを、第1のMCMEから第2のMCMEへ伝搬すること
をさらに備える、節13に記載の方法。
【0147】
17.拡張呼ルーティング手順を用いるという決定に基づいて、第1のMCMEからMDへ直接的にMT呼の配信を開始すること
をさらに備える、節13に記載の方法。
【0148】
18.拡張呼ルーティング手順を用いないという決定に基づいて、第1のMCMEによる第2のMCMEを介したMDへのMT呼の配信のための通常の呼ルーティング手順を実施すること
をさらに備える、節13に記載の方法。
【0149】
19.拡張呼ルーティング手順を用いるという決定に基づいて、第2のMCMEが拡張呼ルーティング手順に対応している旨の表示を第2のMCMEからのルーティング情報要求メッセージが含まない場合に、
MDに関する第2のMCMEのリソースを解放するよう第2のMCMEに指示するための解放メッセージを第1のMCMEから第2のMCMEへ伝搬することと、
第1のMCMEからMDへ直接的にMT呼の配信を開始することと、
拡張呼ルーティング手順が第1のMCMEにより承認または実施されたことを示さない否定的ルーティング情報応答を第1のMCMEから第2のMCMEへ伝搬することと
をさらに備える、節13に記載の方法。
【0150】
20.第1のMCMEが第1の移動交換局(MSC)/在圏ロケーションレジスタ(VLR)要素を備え、第2のMCMEが第2のMSC/VLR要素を備える、節1に記載の方法。
【0151】
21.第1のMSC/VLR要素が、第2のMSC/VLRによるMT呼の配信中にMDから位置更新要求を受信し、第1のMSC/VLR要素はまた、MT呼に関する関門MSC(GMSC)機能に対応している、節20に記載の方法。
【0152】
22.MDへのMT呼の配信中に第1のMSC/VLRおよび第2のMSC/VLRの間の呼ループの形成を防ぐように構成された拡張呼ルーティング手順を用いてMDへのMT呼の配信を開始すること
をさらに備え、拡張呼ルーティング手順が、モバイル着信ローミング転送(MTRF)手順の1つのバージョンを含む、節21に記載の方法。
【0153】
23.コンピュータにより実行された場合に、モバイルデバイス(MD)へのモバイル着信(MT)呼に関する呼ループを防ぐための方法をコンピュータに実施させる命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、
MDへのMT呼の配信に関連するルーティング情報要求メッセージを第1のモビリティおよび呼管理エンティティ(MCME)において第2のMCMEから受信することであって、ルーティング情報要求メッセージがMDに対する関門MCMEの表示を含む、受信することと、
位置更新手順を用いて、MDが第2のMCMEから第1のMCMEへ移動している間に、MDへのMT呼の配信中に第1のMCMEおよび第2のMCMEの間に呼ループが生じると予想されるかを、MDに対する関門MCMEの表示に基づいて決定することと
を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【0154】
24.モバイルデバイス(MD)へのモバイル着信(MT)呼に関する呼ループを防ぐための装置であって、
プロセッサおよびプロセッサに通信可能に接続されたメモリであって、プロセッサが、
MDへのMT呼の配信に関連するルーティング情報要求メッセージをモビリティおよび呼管理エンティティ(MCME)から受信することであって、ルーティング情報要求メッセージがMDに対する関門MCMEの表示を含む、受信することと、
位置更新手順を用いて、MDが第2のMCMEから第1のMCMEへ移動している間に、MDへのMT呼の配信中にMCMEとの間に呼ループが生じると予想されるかを、MDに対する関門MCMEの表示に基づいて決定することと
を行うように構成される、プロセッサおよびメモリ
を備える、装置。
【0155】
上記は本明細書で提示された機能の様々な実施形態を対象としているが、他およびさらなる実施形態を、その基本的な範囲から逸脱することなく考案できることは理解されよう。