(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作部を操作した場合、運転前に前記表示操作部で設定された内容を、運転中に前記表示操作部に表示する制御部を備えたことを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、洗濯、すすぎ、脱水、乾燥を行うことができる洗濯機(いわゆる、ドラム式の洗濯乾燥機)を例に挙げて説明するが、縦型の洗濯乾燥機、洗濯、すすぎ、脱水を行うことができる洗濯機(いわゆる、全自動洗濯機)など各種様々な洗濯機に適用することができる。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る洗濯機を示す外観斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のドラム式洗濯乾燥機(以下、洗濯機と表記する)Aは、洗濯から乾燥までの工程を行うことができるものであり、筐体1、外槽2(洗濯槽)、回転ドラム3(洗濯槽)、操作パネル4などを備えている。
【0011】
筐体1は、外郭が鋼板と樹脂成型品とを組み合わせて構成されたものであり、ベースBs、左右の側板1a,1b、前面カバー1c、背面カバー1d、上面カバー1e、下部前面カバー1fなどで構成されている。側板1a,1bおよび背面カバー1dは、例えば、鋼板をプレス成形によって構成したものである。ベースBs、前面カバー1c、上面カバー1eおよび下部前面カバー1fは、例えば、合成樹脂を成型して構成したものである。
【0012】
外槽2は、洗いおよびすすぎの際に、水が注がれて溜められるドラム形の水槽であり、前面側に開口(不図示)を有する有底円筒体からなる。また、外槽2の背面には、後記する回転ドラム3を駆動させるモータ(不図示)が設けられている。
【0013】
回転ドラム3は、洗濯兼脱水槽として機能し、外槽2内に同軸上に内包される有底円筒体からなる。また、回転ドラム3は、手前側に衣類を出し入れするための開口部(不図示)、および周壁に通水および通風のための多数の貫通孔(不図示)を有している。
【0014】
また、回転ドラム3の内周壁には、奥行き方向(軸方向、略前後方向)に延びるリフタ(不図示)が周方向に間隔を置いて複数個設けられている。洗濯時や乾燥時に回転ドラム3が回転することで、衣類などがリフタと遠心力で周壁に沿って持ち上がり、その後重力で落下するような動きを繰り返すことで洗浄力が高められるようになっている。
【0015】
また、洗濯機Aには、粉末洗剤5a、液体洗剤5b、柔軟剤5cをそれぞれ別々に投入できる洗剤ケース5、水道栓から給水を行う給水ホース接続口6a、風呂の残り湯を導入する風呂水ホース接続口6b、外槽2を弾性的に支持して運転時の振動を抑制するダンパ7(一部のみ図示)、衣類を出し入れする扉8、乾燥工程時に発生する塵埃を除去する乾燥フィルタ9などが設けられている。
【0016】
なお、図示していないが、洗濯機Aは、外槽2内の空気を除湿する除湿手段(例えば、水冷式の除湿機構)、除湿した空気を加熱する加熱手段(ヒータ)、外槽2(回転ドラム3)内と加熱手段および除湿手段との間において空気を循環させる循環手段(電動ファン)などを備えている。
【0017】
図2は、操作パネルを示す平面図である。
図2に示すように、操作パネル4は、表示操作部10、操作部11、設定機能表示部12、スタート・一時停止を行う押下げ式の操作スイッチ13、電源入スイッチ14、電源切スイッチ15、制御部16(
図3参照)を備え、上面カバー1eの前端部右寄りに設置されている。つまり、本実施形態の洗濯機Aでは、運転のスタート操作、運転の一時停止操作、電源入り操作、電源切り操作を除く操作について、表示操作部10および操作部11の操作によって行われるものである。
【0018】
表示操作部10は、タッチパネル式のものであり、例えば、動作条件の設定および運転状況の表示を行うものである。なお、動作条件の設定とは、洗濯のみを行う洗濯コース、洗濯から乾燥までを通して行う洗濯/乾燥コース、乾燥のみを行う乾燥コースなどの運転コースの設定や、洗濯時の洗い時間、すすぎ回数、脱水時間、脱水時または乾燥時の乾き具合、予約時間などの各運転コースにおける詳細な条件設定などである。運転状況の表示とは、現在(運転中)の運転状況を表示するものであり、例えば、洗濯コースであれば、洗い工程中、すすぎ工程中、脱水工程中、運転終了までの残り時間などの表示である。
【0019】
図2は、表示操作部10がホーム画面を示し、つまり電源入スイッチ14を押して洗濯機Aを起動(電源オン)したときに表示操作部10に最初に表示される画面を示している。すなわち、
図2に示す表示操作部10のホーム画面は、運転コースを選択する「ホーム」タブ10a、予約時間を設定する「予約」タブ10b、槽洗浄の有無などを選択する「清潔」タブ10c、「その他」タブ10dを有している。「ホーム」タブ10aには、洗濯コースを選択する「洗濯」ボタン10a1、洗濯乾燥コースを選択する「洗濯乾燥」ボタン10a2、乾燥コースを選択する「乾燥」ボタン10a3が含まれている。
【0020】
図2に示す表示操作部10のホーム画面において、入力操作することで、「洗濯」ボタン10a1、「洗濯乾燥」ボタン10a2、「乾燥」ボタン10a3に対応した1階層下の画面に遷移する。
【0021】
操作部11は、タッチパネル式のものであり、前記した表示操作部10のように表示画面が適宜切り替わるものではなく、入力操作のみが行われるものである。この操作部11は、表示操作部10に用いられるタッチパネル30(
図4参照)の一部分を使用したものである。つまり、表示操作部10と操作部11とは、一枚のタッチパネル30で構成されたものである。これにより、部品を共有することができ、製造コストを低減することが可能になる。
【0022】
すなわち、操作部11は、表示操作部10の画面をホーム画面に遷移させる「ホーム」ボタン11a、ひとつ上の階層の画面に戻る「もどる」ボタン11b、現在設定されている機能の説明や運転内容を表示させる「おしえて」ボタン11cを備えている。「ホーム」ボタン11a、「もどる」ボタン11bおよび「おしえて」ボタン11cは、縦一列に配置されている。また、「ホーム」ボタン11a、「もどる」ボタン11bおよび「おしえて」ボタン11cからなる操作部11は、表示操作部10の右側に近接して配置されている。
【0023】
設定機能表示部12は、表示操作部10によって設定された機能を点灯させる表示部12a,12b,12c,12d,12e,12f,12gを備えている。これら表示部12a〜12gは、表示操作部10および操作部11の上方近傍において横一列に配置されている。
【0024】
表示部12aは、「お湯取」の文字で構成され、お湯取りとしての機能を選択したときに点灯するものである。なお、お湯取りとは、風呂の残り湯(風呂水)をポンプで自動的に汲み上げて、洗濯に利用する機能である。
【0025】
表示部12bは、「洗い」の文字で構成され、洗い時に風呂水を使用する機能を選択したときに点灯するものである。表示部12cは、「すすぎ1」の文字で構成され、1回目のすすぎ時に風呂水を使用する機能を選択したときに点灯するものである。表示部12dは、「すすぎ2」の文字で構成され、2回目のすすぎ時に風呂水を使用する機能を選択したときに点灯するものである。
【0026】
表示部12eは、槽洗浄を意味する絵文字で構成され、槽洗浄を実行する機能を選択したときに点灯するものである。なお、槽洗浄とは、洗濯槽(外槽2の内面および回転ドラム3の外面)を清水(水道水など)で洗浄して洗濯槽を清潔に保つ自動おそうじ機能である。表示部12fは、槽乾燥を意味する絵文字で構成され、槽乾燥を実行する機能を選択したときに点灯するものである。なお、槽乾燥とは、洗濯槽を乾燥させてカビの発生を抑える自動おそうじ機能である。
【0027】
表示部12gは、「eco水センサー」の2段書きの文字で構成され、この機能を選択したときに点灯するものである。「eco水センサー」とは、使用水量、洗剤量、洗濯時間を適切に調整する機能である。
【0028】
また、操作パネル4は、扉8がロック状態であるときに点灯する絵文字からなる表示部12h、洗濯槽が高温である場合に点灯する「高温」の文字からなる表示部12i、糸屑フィルタおよび乾燥フィルタ9のお手入れが必要である場合に点灯する「フィルタ」の文字からなる表示部12jを備えている。これら表示部12h〜12jは、表示部12a〜12gの右隣りに横一列に並んで配置されている。
【0029】
また、例えば、表示部12a〜12d,12fは、橙色で発光し、表示部12eは青色で発光し、表示部12gは、緑色で発光し、表示部12h〜12jは、赤色で発光するように構成されている。
【0030】
図3は、操作パネルを示す分解斜視図である。なお、
図3では、各部材の積層方向が上下方向である。
図3に示すように、操作パネル4は、カバー20、タッチパネル30、タッチパネルガイド40、表示パネル50、表示パネルガイド60、基板70、基板ケース80、ケースパッキン90、パネルパッキン100およびハーネスパッキン110が組み合わされて構成されている。
【0031】
カバー20は、タッチパネル30が露出する矩形状に切り欠かれた窓部20aを有している。また、カバー20には、筐体1(
図1参照)にねじ固定する際のねじ挿通孔20bが複数個所に形成されている。この窓部20a内に、表示操作部10の表示操作面、操作部11の操作面、設定機能表示部12の発光面が位置している。
【0032】
また、カバー20の裏面には、窓部20aの周囲を囲むようにリブ20d(
図5、
図6参照)が略四角枠状に形成されている。なお、リブ20d(
図5、
図6参照)は、後記する、タッチパネルガイド40、基板70およびフレキシブル基板31を含む領域の外側を囲むことができるように構成されている。また、リブ20d(
図5、
図6参照)は、後記する基板ケース80の溝80cと対応するように構成されている。
【0033】
タッチパネル30は、例えば、静電容量式のもので構成され、左右方向に延びる複数本の透明電極(不図示)と前後方向に延びる複数本の透明電極(不図示)とが絶縁膜(不図示)を挟んで交差して配置されることで構成されている。この静電容量式のタッチパネル30では、指が接触していない場合の容量と、指が接触している場合の容量との差分を検出することで、操作された位置(領域)を検出できるようになっている。
【0034】
また、タッチパネル30は、強化ガラス(ガラス)32(
図5、
図6参照)と電極基板33(
図5、
図6参照)とが積層された構成であり、上側(表側)に強化ガラス32が配置されている。なお、強化ガラス32の裏面には、スクリーン印刷などによって、表示部12a,12b,12c,12d,12g,12i,12jを構成する文字、表示部12e,12f,12hを構成する絵文字、「ホーム」ボタン11a、「もどる」ボタン11bおよび「おしえて」ボタン11cに対応する文字が形成されている。
【0035】
また、タッチパネル30は、外周縁部が、窓部20aの開口縁部と上下方向において重なるように、カバー20の窓部20aの開口面積よりも大きく形成されている。
【0036】
また、タッチパネル30は、操作された位置情報信号を取り出すためのフレキシブル基板31(配線、FPC:Flexible printed circuits)を備えている。このフレキシブル基板31は、ポリイミドなどの絶縁フィルムに銅などの導体箔を設けることによって構成され、後記する基板70と接続されている。
【0037】
タッチパネルガイド40は、タッチパネル30を支持する合成樹脂製のもので形成され、タッチパネル30の外周縁部が支持される支持部41を有している。また、タッチパネルガイド40は、支持部41の内側に、後記する表示パネル50が挿入される略矩形状の開口部42を有している。
【0038】
また、タッチパネルガイド40は、支持部41の外周縁部から上方に向けて起立する枠部41aを有している。この枠部41aは、フレキシブル基板31を引き出す部分を除いて全周に渡って形成されている。
【0039】
また、タッチパネルガイド40の下面には、タッチパネルガイド40を基板70上の所定位置に位置決めするための位置決め突起43が複数個所に形成されている。
【0040】
また、タッチパネルガイド40は、タッチパネル30の表示部12a〜12j(
図2参照)に対応する位置に導光路44が形成されている。なお、タッチパネルガイド40には、操作スイッチ13(
図2参照)の一部を構成するスイッチ支持部45が一体に形成されている。このスイッチ支持部45には、操作スイッチ13を上下方向に動作可能に支持する支持部(不図示)が形成されている。
【0041】
表示パネル50は、例えば、モノクロタイプ且つバックライトを備えた液晶パネルで構成され、動作条件および動作状況などを表示するものである。なお、表示パネル50は、液晶に限定されるものではなく、有機ELなど他の薄型の表示パネルであってもよい。また、表示パネル50は、モノクロタイプに限定されるものではなく、カラータイプであってもよい。
【0042】
また、表示パネル50は、タッチパネル30の下方(後ろ側)に位置するように配置され、タッチパネル30の表示操作部10に対応する表示領域S1を有している。つまり、表示パネル50の表示面は、タッチパネル30の操作部11と上下方向に重ならない面積で構成されている。
【0043】
なお、図示省略しているが、表示パネル50は、表示信号などを入力するためのフレキシブル基板(FPC)を備えている。
【0044】
表示パネルガイド60は、表示パネル50を支持するも合成樹脂製のもので形成され、表示パネル50の下面(裏面)を支持する支持部61(
図5、
図6参照)を有している。また、表示パネルガイド60は、表示パネル50の周囲を囲む側板62を有し、表示パネル50が支持部61によって支持されることで、表示パネル50を後記する基板70から所定の高さで支持するようになっている。
【0045】
基板70は、タッチパネル30から延びるフレキシブル基板31と電気的に接続されるとともに、表示パネル50に設けられたフレキシブルな電極基板(不図示)と電気的に接続されている。フレキシブル基板31の先端には、コネクタ(不図示)が設けられ、このコネクタ(不図示)が基板70上に設けられたコネクタ(不図示)と接続されている。
【0046】
また、基板70の表面(上面)には、タッチパネルガイド40の導光路44に対応する位置に、LED(Light Emitting Diode)などで構成された発光素子71が実装されている。また、基板70には、タッチパネルガイド40の各位置決め突起43が挿入される位置決め孔72が形成されている。
【0047】
基板ケース80は、底壁80aと、この底壁80aの周縁部から上方に向けて立ち上がる側壁80bとを有して構成されている。なお、
図3では、側壁80bの一部の図示を省略しているが、側壁80bが底壁80aの周縁部全体に渡って形成されている。
【0048】
側壁80bの上面(上端)には、後記するケースパッキン90が装着される凹状の溝80cが周方向全体に渡って形成されている。なお、この溝80cは、タッチパネルガイド40、基板70およびフレキシブル基板31を含む領域の外側を囲むことができる位置に形成されている。
【0049】
ケースパッキン90は、ゴムなどの弾性材料によって断面視U字状に形成されるとともに(
図5、
図6参照)、基板ケース80の溝80cに沿って連続して形成されている。また、ケースパッキン90には、周方向の一部(本実施形態では2箇所)に上部が凹状に切り欠かれた凹部91,91が形成されている。なお、この凹部91は、カバー20に形成されたリブ20d(
図6参照)の凹部20e(
図6参照)と対応する位置に形成されている。
【0050】
パネルパッキン100は、カバー20の窓部20aとタッチパネル30との間の隙間を密閉するものであり、ゴムなどの弾性材料によって四角枠状に形成されている。また、パネルパッキン100は、断面視U字状に形成され(
図5、
図6参照)、タッチパネル30の外周縁部全体に渡って設けられている。
【0051】
また、パネルパッキン100の外周面には、周方向に間隔を置いて複数の弾性突部101が形成されている。これにより、タッチパネル30がタッチパネルガイド40に載置されたときに、各弾性突部101が枠部41aの内壁面に当接し、タッチパネル30がタッチパネルガイド40にガタツキなく支持される。
【0052】
ハーネスパッキン110は、ケースパッキン90の上に重ねて配置され、基板70から基板ケース80の外部にハーネスのケーブルCa(
図6参照)を引き出すためのものである。なお、ハーネスパッキン110は、2ヶ所に設けられているが、1ヶ所であってもよく、3箇所以上であってもよい。また、ハーネスパッキン110は、ケースパッキン90よりも硬質のゴムによって構成されている。
【0053】
図4は、操作パネルの制御ブロック図である。
図4に示すように、制御部16は、基板70上に、CPU(Central Processing Unit、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力部などを備えて構成されている。
【0054】
制御部16は、表示操作部10の入力操作によって生成された信号に基づいて、表示パネル50に表示する表示信号を決定して制御信号を生成し、また設定機能表示部12の表示部12a〜12gを点灯または消灯させる制御信号を適宜生成する。
【0055】
また、制御部16は、操作部11の入力操作によって生成された信号に基づいて、表示パネル50に表示する表示信号を決定して制御信号を生成する。また、制御部16は、操作スイッチ13と表示操作部10の操作に基づいて、表示パネル50に表示する表示信号を決定して制御信号を生成する。
【0056】
また、制御部16は、洗濯機Aの運転中において、現在の運転状況を取得し、表示パネル50に表示する表示内容を決定して制御信号を生成する。
【0057】
図5は、
図2のA−A線矢視断面図である。
図5に示すように、操作パネル4では、基板ケース80内において基板70が底壁80aに沿って配置され、基板ケース80の溝80cにケースパッキン90が配置されている。そして、基板70上には、表示パネル50を取り付けた表示パネルガイド60が配置され、表示パネル50が基板70から所定の高さに配置されている。そして、タッチパネル30を取り付けたタッチパネルガイド40が表示パネルガイド60の上方から配置されるが、このとき表示パネルガイド60がタッチパネルガイド40の開口部42内に位置するように挿入される。これにより、タッチパネル30と表示パネル50とが上下に重なり、タッチパネル30の下方に表示パネル50が配置される。
【0058】
そして、タッチパネル30を取り付けたタッチパネルガイド40の上方からカバー20が被せられる。このとき、カバー20の裏面に形成されたリブ20dの先端(下端)が、基板ケース80の溝80c内に配置されたケースパッキン90を上方から押圧することで、基板ケース80とカバー20との間が密閉される。また、カバー20の窓部20aの縁部20fが上方からタッチパネルパッキン100を押圧することで、タッチパネル30の縁部と窓部20aの縁部20fとの間がタッチパネルパッキン100を介して密閉される。
【0059】
このように、表示操作部10は、表示パネル50の上方にタッチパネル30(強化ガラス32+電極基板33)が重ねられることで構成されている。よって、利用者(ユーザ)は、表示パネル50に表示された画面(画像)を、表示パネルガイド60の開口部42、透明な電極基板33および透明な強化ガラス32を通して窓部20aから視認できるようになっている。なお、強化ガ
ラス32は、表示操作部10と操作部11にまたがるサイズである。
【0060】
また、
図5に示すように、設定機能表示部12は、基板70に実装された発光素子71の上方に略筒状の導光路44が位置し、導光路44の上方に強化ガラス32が位置することで構成されている。よって、発光素子71からの光は、導光路44を通って強化ガラス32の裏面に照射され、強化ガラス32にスクリーン印刷などで形成された表示部12a〜12gの文字や絵文字を発光させるようになっている。
【0061】
図6は、
図2のB−B線矢視断面図である。
図6に示すように、操作部11は、タッチパネル30(強化ガラス32+電極基板33)のみで構成されている。つまり、操作部11では、ユーザのタッチ操作のみを検出するので、タッチパネル30の下に表示パネル50を配置する必要がないものである。
【0062】
このように、画面の切り換えと入力操作が可能な表示操作部10と、入力操作のみが可能な操作部11とを、一枚のタッチパネル30によって構成している。よって、表示操作部10と操作部11とを別々の部材で構成する場合よりも、表示操作部10と操作部11とを近接して配置することができ、しかも部品の共有化によりコストを低減することができる。
【0063】
また、
図6のC部拡大図に示すように、ハーネスパッキン110が設けられる位置において、カバー20のリブ20dに形成された凹部20eの先端(下端)が、ハーネスパッキン110の溝110dに挿入される。また、ハーネスパッキン110の基部110aの下端部が基板ケース80の溝80cに挿入され、ハーネスパッキン110とケースパッキン90とが上下に重ねて配置される。カバー20が上方から押圧されることで、リブ20d(凹部20e)によってハーネスパッキン110が押圧され、ハーネスパッキン110によってケースパッキン90が押圧される。
【0064】
これにより、ハーネスのケーブルCaと貫通孔110bとの隙間が密閉されるとともに、基板ケース80が、ハーネスのケーブルCaの位置においても密閉される。なお、このとき、ハーネスパッキン110の位置決め部110eによって形成された凹部110f(
図6のC部拡大図参照)が、基板ケース80の溝80cに形成された縁部80eと嵌合することにより、基板ケース80に対するハーネスパッキン110の位置ずれを防止できる。
【0065】
次に、操作パネル4の操作による表示操作部10と表示部12a〜12gの表示例について
図7ないし
図9を参照して説明する。なお、
図7ないし
図9に示す表示例は、複数の表示パターンのうちの一例を示すものであって、本実施形態に限定されるものではない。
図7は、発光部が発光する際の表示例を示す画面遷移図である。また、
図7では、表示部12a〜12gのうちの表示部12a〜12dが発光(点灯)する場合について説明する。また、ここでは、お湯取に関する機能が初期化され、表示部12a〜12dが消灯している状態を基準として説明する。
【0066】
図7(a)に示すように、制御部16(
図4参照)は、表示操作部10(
図2参照)に表示された「洗濯」ボタンが押された(タッチ操作された)ことを検知すると、表示パネル50を制御して、表示操作部10を、
図7(b)に示す洗濯運転におけるコースを選択する階層の画面に切り替える(遷移させる)。
図7(b)の表示操作部10には、「標準」ボタン、「すすぎ1回」ボタン、「おいそぎ」ボタン、「節水」ボタン、「念入り」ボタン、「手造り」ボタン、「毛布」ボタン、「ドライ」ボタンが表示される。また、
図7(b)の表示操作部10の右上には、「<<<前1/2次>>>」が表示され、画面を切り替えることができる。なお、
図7(b)に示す「1/2」は、全2画面のうちの1画面目であることを示し、「次>>>」ボタンを押すことにより、2画面目に切り替わって、さらに別の種類のコース(不図示)選択が可能になる。
【0067】
また、制御部16(
図4参照)は、
図7(b)に示す表示操作部10の「標準」ボタンが押されたことを検知すると、表示パネル50を制御して、表示操作部10を、
図7(c)に示す標準コースで設定可能な項目を示す階層の画面に切り替える(遷移させる)。すなわち、
図7(c)の表示操作部10には、「お湯取」ボタン、「予約」ボタン、「洗い」ボタン、「すすぎ」ボタン、「脱水」ボタンが表示される。なお、「お湯取」ボタンは、風呂水を使用するか否かを設定するボタンである。「予約」ボタンは、予約運転をするか否かを設定するボタンである。「洗い」ボタンは、洗い時間を設定するボタンである。「すすぎ」ボタンは、すすぎ回数を設定するボタンである。「脱水」ボタンは、脱水時間を設定するボタンである。また、
図7(c)の表示操作部10の右上には、「<<<前1/3次>>>」が表示されている。この「1/3」は、3画面のうちの1画面目であることを示し、2画面目および3画面目にその他の設定項目があることを示している。
【0068】
また、制御部16(
図4参照)は、
図7(c)に示す表示操作部10の「お湯取」ボタンが押されたことを検知すると、表示パネル50を制御して、表示操作部10を、
図7(d)に示すお湯取を使用するタイミングを設定する階層の画面に切り替える(遷移させる)。すなわち、
図7(d)の表示操作部10には、「なし」ボタン、「洗い」ボタン、「洗い すすぎ1」ボタン、「洗い すすぎ1 すすぎ2」ボタンが表示される。なお、「なし」ボタンは、風呂水を使用しない場合に設定にするボタンである。「洗い」ボタンは、洗い時のみ風呂水を使用する場合に設定するボタンである。「洗い すすぎ1」ボタンは、洗い時と1回目のすすぎ時に風呂水を使用する場合に設定するボタンである。「洗い すすぎ1 すすぎ2」ボタンは、洗い時と1回目および2回目のすすぎ時に風呂水を使用する場合に設定するボタンである。
【0069】
また、制御部16は、
図7(d)の表示操作部10の画面において、「洗い」ボタンが押されたことを検知した場合には、表示部12a,12b(
図2参照)を点灯させる(発光させる)。また、制御部16は、
図7(e)に示すように、
図7(c)の階層の画面に戻るように表示操作部10を制御するとともに、「お湯取」ボタンの下段の「なし」表示を「洗い」表示に切り替える。
【0070】
また、制御部16は、
図7(d)の表示操作部10において、「洗い すすぎ1」ボタンが押されたことを検知した場合には、表示部12a,12b,12c(
図2参照)を点灯させる(発光させる)。また、制御部16は、
図7(f)に示すように、
図7(c)の階層の画面に戻るように表示操作部10を制御するとともに、「お湯取」ボタンの下段の「なし」表示を「洗い すすぎ1」表示に切り替える。
【0071】
また、制御部16は、
図7(d)の表示操作部10において、「洗い すすぎ1 すすぎ2」ボタンが押されたことを検知した場合には、表示部12a,12b,12c,12d(
図2参照)を点灯させる(発光させる)。また、制御部16は、
図7(g)に示すように、
図7(c)の階層の画面に戻るように表示操作部10を制御するとともに、「お湯取」ボタンの下段の「なし」表示を、「洗い すすぎ1 すすぎ2」表示に切り替える。
【0072】
なお、表示部12a〜12dでは、その後の運転において設定が変更されるまで、点灯状態を継続する。ただし、その後の運転において、お湯取ができないコースを選択した場合には、表示部12a〜12dが消灯する。また、その後、お湯取を選択できるコースに復帰した場合には、表示部12a〜12dが再点灯する。つまり、お湯取の設定を解除(
図7(d)の「なし」ボタンを押す操作)をするまで設定内容を記憶し続ける。
【0073】
図8は、操作部の操作に基づく表示操作部の表示例を示す画面遷移図である。なお、
図8(a)〜
図8(d)は、
図7(a)〜
図7(d)と同様の画面である。
制御部16は、
図8(c)の画面において、操作部11(
図2参照)の「おしえて」ボタン11c(
図2参照)が押されたことを検知すると、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図8(c−1)に示すように、適した洗濯物のタイプを説明する画面を表示する。また、制御部16は、「次>>>」ボタンが押されたことを検知すると、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図8(c−2)に示すように、洗濯容量、設定可能な機能の画面を表示する。さらに、制御部16は、「次>>>」ボタンが押されたことを検知すると、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図8(c−3)に示すように、その他の設定可能な機能や使用に適した洗剤のタイプを表示する。
【0074】
また、制御部16は、
図8(d)の画面において、操作部11(
図2参照)の「おしえて」ボタン11c(
図2参照)が押されたことを検知すると、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図8(d−1)に示すように、「なし」ボタンを操作した場合の説明画面を表示する。また、制御部16は、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図8(d−2)に示すように、「洗い」ボタンを操作した場合の説明画面を表示する。また、制御部16は、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図8(d−3)に示すように、「洗い すすぎ1」ボタンを操作した場合の説明画面を表示する。また、制御部16は、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図8(d−4)に示すように、「洗い すすぎ1 すすぎ2」ボタンを操作した場合の説明画面を表示する。また、制御部16は、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図8(d−5)に示すように、お湯取の設定の切り換え方の説明画面を表示する。また、制御部16は、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図8(d−6)に示すように、お湯取の設定ができない場合の対処方法の説明画面を表示する。
【0075】
このように、「おしえて」ボタン11cを操作部11としていつでも押下げ可能な構成にすることで、表示操作部10には、各階層の画面ごとに最適な情報が表示される。なお、本実施形態の洗濯機Aでは、どの階層の画面であっても、「おしえて」ボタンを操作することで、常に説明が表示されるように構成されている。
【0076】
図9は、運転中の操作部の操作に基づく表示操作部の表示例を示す画面遷移図である。なお、
図9では、洗濯から乾燥までを行う洗濯乾燥運転(標準コース)を実行している場合を例に挙げて説明する。
【0077】
図9(a)〜
図9(d)に示すように、制御部16は、表示操作部10に、運転終了までの残り時間を表示するとともに、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程のうち現在運転している工程を強調表示する。また、「洗い」、「すすぎ」、「脱水」、「乾燥」の各文字の上方には、運転前に設定された運転条件が表示される。
【0078】
図9(a)〜
図9(d)の画面において、制御部16は、操作部11(
図2参照)の「おしえて」ボタン11c(
図2参照)が押されたことを検知すると、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図9(e−1)に示すように、洗い、すすぎ、脱水、乾燥のそれぞれの詳細な設定条件の画面を表示する。また、制御部16は、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図9(e−2)に示すように、表示部12e〜12gに対応する機能の設定状態画面を表示する。また、制御部16は、表示パネル50を制御して、表示操作部10に、
図9(e−3)に示すように、その他の機能の設定状態画面を表示する。
【0079】
このように、運転中に、「おしえて」ボタン11cを押すことで、運転工程が変化しても、現在動作しているコースおよび設定状態を確認することができる。
【0080】
また、「ホーム」ボタン11aを常時操作可能な操作部11として構成することにより、ホーム画面(
図2参照)に戻る場合に、「もどる」ボタンを複数回操作して戻る必要がなくなり、操作性を向上させることができる。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る洗濯機Aでは、操作パネル4として、画面が階層状に遷移するタッチパネル式の表示操作部10と、表示操作部10により設定された機能に対応した表示部12a〜12gを発光する設定機能表示部12と、を備えている(
図2参照)。これによれば、表示操作部10の画面が遷移しても、ユーザは設定済の機能(お湯取、槽洗浄、槽乾燥、eco水センサ)を常に確認することができる。
【0082】
また、本実施形態では、タッチパネル式の操作部11を備え、操作部11が表示操作部10に近接して配置され、表示操作部10と操作部11と設定機能表示部12を、同一のガラス面内に配置した(
図2、
図3参照)。このように、表示操作部10と操作部11とを、同一のガラス(強化ガラス32)面内に配置することで、指の操作感を変えることなく操作できるようになり、操作性を向上させることが可能になる。また、タッチパネル30のガラス部品(強化ガラス32)を共有することにより、製造が容易になり、また製造コストを低減することができる。また、ガラス(強化ガラス32)面にシート印刷を施すことにより、印刷によって文字や絵文字の変更にて対応できるので、表示操作部10と操作部11と設定機能表示部12の設計変更の対応が容易になる。また、表示操作部10と操作部11の双方をタッチパネル式にすることにより、表示操作部10と操作部11とを近接して配置することが可能となり、操作時の指の移動距離を短く抑えることができ、操作性を向上させることが可能になる。
【0083】
また、本実施形態では、操作部11を操作した場合、運転前に表示操作部10で設定された内容を、運転中に表示操作部10に表示する制御部16を備えている(
図9参照)。これによれば、運転中に設定済の内容を確認できることで、その後の設定変更などを容易に行うことができる。
【0084】
また、本実施形態では、操作パネル4にはガラス(強化ガラス32)面とは別の位置に押下げ式の操作スイッチ13が備えられ、制御部16は、表示操作部10と操作スイッチ13とを組み合わせて操作することで、表示操作部10に通常の運転内容とは異なる特殊操作画面を表示する。なお、特殊操作画面とは、メンテナンス用の画面、デモ用の画面などである。
【0085】
なお、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更することができる。例えば、本実施形態では、表示操作部10と操作部11と設定機能表示部12の位置関係については操作性を損なわない範囲において種々変更することができる。