【文献】
磯野 邦博,7.乳剤,農薬製剤ガイド,社団法人日本植物防疫協会,1997年,P. 26-31
【文献】
佐藤 達雄,11.エマルジョン製剤,農薬製剤ガイド,社団法人日本植物防疫協会,1997年,P. 43-49
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0003】
したがって本発明は、式(I)
【化1】
の化合物の溶剤としての使用法を提供し、
式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素であるか、R
1およびR
2中の炭素原子の総数が5と40を含めて5〜40、好適には5と20を含めて5〜20の整数であるという条件で、任意選択的に置換される(すなわち置換または非置換)C
1~18アルキル、任意選択的に置換される(すなわち置換または非置換)C
1~18アルケニル、任意選択的に置換される(すなわち置換または非置換)C
3~8シクロアルキル、任意選択的に置換される(すなわち置換または非置換)C
3~8シクロアルケニル、または任意選択的に置換される(すなわち置換または非置換)アリールである。「R
1およびR
2中の炭素原子の総数が5と40を含めて5〜20の整数である」という表現は、例えばR
1が2個の炭素原子を含有する場合、R
2は3〜18個の炭素原子を含有することができることを意味する。
【0004】
本発明はまた、有害生物防除剤の生物学的性能を著しく高めるアジュバントとして働くことができるフマル酸エステルに関する。
【0005】
したがって本発明は、上記で定義した式(I)の化合物のアジュバントとしての使用法を提供し、好適には本発明は式(I)
【化2】
の化合物のアジュバントとしての使用法を提供し、
式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素であるか、R
1およびR
2中の炭素原子の総数が5と40を含めて5〜40(好適には5と20を含めて5〜20)の整数であるという条件で、任意選択的に置換されるC
1~18アルキル、任意選択的に置換されるC
1~18アルケニル、任意選択的に置換されるC
3~8シクロアルキル、または任意選択的に置換されるC
3~8シクロアルケニルである。
【0006】
アルキル基および部分は直鎖または分岐鎖である。例はメチル、エチル、iso−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−アミル、iso−アミル(3−メチルブチル)、n−ペンチル、およびn−ネキシル(nexyl)である。
【0007】
アルケニル基および部分は直鎖または分岐鎖の形態であることができ、また必要に応じて(E)立体配置または(Z)立体配置のいずれかであることができる。例はビニルおよびアリルである。
【0008】
シクロアルキルにはシクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチルが挙げられる。
【0009】
シクロアルケニルにはシクロブテニルおよびシクロペンテニルが挙げられる。
【0010】
アリールにはフェニルが挙げられる。好適にはアリールはフェニルである。
【0011】
アルキルに対する任意選択的な置換基は、ヒドロキシ、=O、ハロ、−NH
2、−C(=O)NH
2、−C(=O)OH、−O(C
1~3)アルキル、およびC
1~3シクロアルキルから選択され、好適にはそれらはヒドロキシルおよびハロから選択される。
【0012】
アルケニルに対する任意選択的な置換基は、ヒドロキシ、=O、ハロ、−NH
2、−C(=O)NH
2、−C(=O)OH、−O(C
1~3)アルキル、およびC
1~3シクロアルキルから選択され、好適にはそれらはヒドロキシルおよびハロから選択される。
【0013】
シクロアルキルに対する任意選択的な置換基は、ヒドロキシ、=O、ハロ、およびC
1~3アルキルから選択され、好適にはそれらはヒドロキシおよびハロから選択される。
【0014】
シクロアルケニルに対する任意選択的な置換基は、ヒドロキシ、=O、ハロ、およびC
1~3アルキルから選択され、好適にはそれらはヒドロキシおよびハロから選択される。
【0015】
アリールに対する任意選択的な置換基は、独立してC
1~3アルキル、ハロ、シアノ、C
1~3ハロアルキル、C
1~3アルコキシ、C
1~3ハロアルコキシ、C
2~3アルケニル、C
1~3アルコキシC
1~3アルキレン、C
1~3アルコキシC(=O)−、およびC
1~3アルキルスルホニル、好適にはC
1~2アルキル、より好適にはメチルから選択される。
【0016】
好適には任意選択的に置換されるアリールは、好適には任意選択的に置換される(すなわち置換または非置換)フェニルまたは任意選択的に置換される(すなわち置換または非置換)トリル、より好適にはフェニルまたはトリル、好ましくはフェニルである。一態様ではそれは任意選択的に置換されるフェニルである。
【0017】
好適にはハロは、クロロ、フルオロ、またはブロモ、より好適にはクロロまたはフルオロである。
【0018】
好適にはR
1は、水素であるか、あるいは1個、2個、または3個のヒドロキシル基で任意選択的に置換されるC
1~18アルキルである。
【0019】
好適にはR
2は、1個、2個、または3個のヒドロキシル基で任意選択的に置換されるC
3~18アルキルである。
【0020】
好適にはR
1は、水素、メチル、エチル、直鎖状または分岐プロピル、あるいは直鎖状または分岐ブチルであり、より好適にはR
1は、R
2がプロピルまたはブチルのどちらかである場合にはプロピルまたはブチルのどちらかである。
【0021】
好適にはR
2は、R
1がブチルの場合にはプロピルまたはブチルである。
【0022】
好適にはR
1がブチルの場合にはR
2もまたブチルであり、より好適には両方ともn−ブチルである。
【0023】
本発明の一態様では、好適にはR
1が水素またはC
1~2アルキルであり、かつR
2が置換または非置換フェニルである。好適にはR
1がエチルであり、好適にはR
2が置換フェニルである。
【0024】
本発明は、式(I)の化合物の全ての異性体または異性体の混合物を包含し、かつ式(I)の2種類以上の異なる化合物の混合物を包含する。
【0025】
(農業用)エマルション濃縮液または水分散エマルション製剤用の溶媒の選択は複雑である。多くの場合、2種類の異なる溶剤が必要である。少なくとも0.1%w/wの水溶解度(直接関連のある温度における)を有する溶剤は、水を満たした農薬噴霧タンク中で通常の希釈または分散条件下で(例えば、凍結のすぐ上の温度から35℃までの温度で)かなり溶解することができる。このような溶剤は、界面活性剤を用いて調合した場合に水中で安定なエマルションを形成しないが、それは有害生物防除剤を溶解するには効果的な溶剤である場合がある。このような溶剤はまた通常ははるかに水溶解度の低い油と共に調合される。0.1%w/w未満の水溶解度値(直接関連のある温度において)を有する溶剤は、安定なエマルションを調製することができるように上記水溶解度の高い溶剤と一緒に使用される。水溶解度の低い溶剤は、通常は有害生物防除剤を溶解するには不満足な溶剤である。本発明のフマル酸エステル溶剤に関する驚くべき発見は、それらが低い水溶解度を有するにもかかわらず、また有害生物防除剤の優れた溶媒でもあることである。このことは、実施例中で示すデータにおいて十分に示される。
【0026】
表1は、式(I)の好適な化合物の構造式を提供する。
【0029】
本発明は、好適には農薬製剤において式(I)の化合物を使用する方法を提供する。
【0030】
全てではないが本発明により使用される化合物の多くは新しい種類のものである。
【0031】
したがって更なる態様において本発明は、R
1がCH
3CH
2CH
2、(CH3)
3C、(CH
3)
2CH、CH
3CH
2CH
2CH
2、(CH
3)
2CHCH
2、CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2、CH
3CH
2CH
2CH(OH)CH
2、CH
3CH(CH
3)CH
2CH
2、CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2、CH
3CH
2CH
2CH(CH
3)C(OH)、CH
3CH
2CH(CH
3)CH
2C(OH)、CH
3CH
2CH
2CH
2CH
2(CH
2CH
3)CH
2、ヘキサフルオロイソプロピル、ヒドロキシイソプロピル、シクロヘキシル、シナカルセト、ホルモテロール、HOCH
2CH
2CH
2SO
3、CH
3CHOHCH
2SO
3、CH
3CH(C(CH
3)
3)CH
2CH(CH
3)CH
2、またはCH
3CH(CH
3)CH
2CH
2C(OH)である場合、R
2はR
1と同一ではなく、R
1がCH
3CH(CH
3)である場合、R
2はペルフルオロヘキシルエチル、ペルフルオロオクチルエチル、(CH
3)
3C、CH
3CH(CH
3)CH
2、またはシクロヘキシルではなく、R
1がシクロヘキシルである場合、R
2はCH
3CH(CH
3)CH
2または(CH
3)
3Cではなく、R
1が水素の場合、R
2はステアリルではないという条件で、上記で定義される式(I)の化合物を提供する。
【0032】
本発明の化合物は、様々な用途(農薬製剤を含めた)に、特に溶剤として使用することができる。これらの溶剤は、除草剤、防かび剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺虫剤、および植物成長調節剤を含めた種々様々な材料と共に使用することができる。
【0033】
本発明の化合物は、農薬を含めた様々な材料の溶液を調合するために使用することができる。これら溶液は、乳化または分散濃縮液として、水または油エマルションとして、マイクロカプセル製剤、エアゾル噴霧液、または煙霧製剤として製剤化することができ、かつそれらをさらに、例えば乾性散布用の顆粒状材料または粉末に製剤化することも、水分散性製剤として製剤化することもできる。こうして形成される任意の溶液はまた、直接に土壌あるいは植物上で使用することも、他の非農薬用途で使用することもできる。
【0034】
好適な用途の例には、製紙、水処理、林業用途、環境衛生処理、地方自治体のプールあるいは他の水路における使用、河川、湖水、貯水池、あるいは海岸近傍での用途における使用、大気への放出をできるだけ少なくするか制御しなければならなく、大気の汚染が望ましくない用途における使用が挙げられる。例には、屋外用または屋内用ペイント、被覆剤、ワニス、ワックス、または他の保護層、あるいは乳白剤、着色剤、または遮断剤における、染色、着色、またはインク用途における、家庭、庭園、または産業用途用に設計されるクリーニング製品における使用、および産業界、家庭、あるいは自然環境で用いられる石鹸または洗剤用途における使用が挙げられる。本発明の化合物はまた、シャンプー、家庭用洗浄剤において、また家庭用クリーナー(例えば、オーブンクリーナーおよび表面クリーナー)において使用することもできる。
【0035】
本発明の化合物は、種々様々な農薬、医薬、および他の商業的に高価な化合物に対するひときわすぐれた溶解力を有し、しかもこの溶解力は、泥、油脂、またはワックスの溶解にまで及ぶ。
【0036】
本発明を下記の実施例により例示する。ここで、g=グラム、℃=セ氏温度、N/A=入手不可である。
【0037】
別段の指定がない限り、各濃度は重量百分率として表される。
【実施例】
【0038】
実施例1
この実施例は、(E)−ブタ−2−エン二酸ジn−ブチルエステルの低い水溶解度を実証する。一般に約(または少なくとも)0.1%w/wの水溶解度(直接関連のある温度において)を有する溶剤は、農薬噴霧タンク中で通常の希釈条件下で(例えば、凍結のすぐ上の温度から35℃までの温度において)かなり溶解することができる。これらの溶剤は、それらだけで使用される場合、水中で安定なエマルションを形成しない。アセトフェノンなどの溶剤は、通常ずっと低い水溶解度の油と一緒に調合される。例えば、一般には0.1%w/w未満の水溶解度値(直接関連のある温度において)を有する溶剤がエマルションを調製するのに適している。表2は、複数の溶剤の25℃における水溶解度を示す。脱イオン水中での各溶剤の飽和溶液を、過剰な溶剤を少なくとも2週間のあいだ水と接触させた状態で放置することによって調製した。この期間の後、その水の試料をクロマトグラフにより分析して、存在する溶剤の濃度を求めた。
【0039】
【表3】
【0040】
実施例2
この実施例では本発明の数種類の溶剤を用いてイソピラザムを溶解した。結果は、それらがこの農薬にとって効果的な溶媒であることを示している。ガラス瓶を有効成分で約8分の1満たし、次いで溶剤を瓶が約3分の1満たされるまで加えた。得られた試料をWhirlimixer(商標)により混合し、次いで25℃で貯蔵した。試料を数日ごとに調べ、固形有効成分が存在しない場合、追加の有効成分を加えた。液体が残っていない場合、追加の溶剤を加えた。この手順を、試料が平衡に達するまで有効成分または溶剤のどちらかの最終添加後4週間のあいだ繰り返した。次いで上澄み液層を有効成分濃度に関してガスクロマトグラフィーにより分析した。これら数種類の溶剤中のイソピラザムの溶解度を表3に示す。
【0041】
【表4】
【0042】
実施例3
この実施例は、本発明の溶剤が有害生物防除剤を可溶化するのに特に効果的であることを示す。表4aおよび表4bは、有害生物防除剤アゾキシストロビン、ジフェノコナゾール、イソピラザム、シプロコナゾール、クロロタロニル、およびビシクロピロンの、溶剤(E)−ブタ−2−エン二酸ジブチルエステル中での溶解度を示す。比較のために一連の一般に使用される低い水溶解度の溶剤中での溶解度もまた表にした。データは、ほとんどの場合、(E)−ブタ−2−エン二酸ジブチルエステルが、より効果的な溶媒であったことを示している。溶解度は、20℃におけるw/w百分率として示す。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
実施例4
この実施例は、(E)−ブタ−2−エン二酸ジブチルエステルが、有害生物防除剤の生物学的性能を著しく高めるアジュバントとして働くことができることを示す。雑草種エノコログサ(Setaria Viridis)(SETVI)、ホソムギ(Lolium Perenne)(LOLPE)、カラスムギ(Avena Fatua)(AVEFA)、およびノスズメノテッポウ(Alopecurus Myosuroides)(ALOMY)を温室条件下で成長させ、除草剤ピノキサデンを1ヘクタール当たり有害生物防除剤7.5gの割合で噴霧した。雑草は、(E)−ブタ−2−エン二酸ジブチルエステルの不在下で(対照として)、また(E)−ブタ−2−エン二酸ジブチルエステルを0.2体積%の濃度で噴霧タンクに加えた状態でピノキサデンにより処理された。14日後および21日後に、除草剤の効力を枯れた雑草の百分率に基づいて評価した。全ての場合において3回の反復試験が使用された。アジュバント有りか、無し(対照)のいずれかの各雑草種について枯れた雑草の平均百分率を表5に示す。結果を、3回の反復試験全体にわたって平均した。各結果の標準偏差をその結果の後ろの括弧内に示す。表5の結果は、95%の信頼水準でこの溶剤を含有する系が、アジュバントを含まない調合よりも有効と認められることを示している。
【0046】
【表7】
【0047】
実施例5
この実施例は、(E)−ブタ−2−エン二酸ジブチルエステルが、有害生物防除剤の生物学的性能を著しく高めるアジュバントとして働くことができることを示す。雑草種ソバカズラ(Polygonum Convolvulus)、オニメヒシバ(Digitaria Sanguinalis)、シグナルグラス(Brachiaria Decumbens)、およびヒユモドキ(Amaranthus Tuberculatus)を温室条件下で成長させ、除草剤メソトリオンを1ヘクタール当たり有害生物防除剤45gの割合で噴霧した。雑草は、(E)−ブタ−2−エン二酸ジブチルエステルの不在下で(対照として)、また(E)−ブタ−2−エン二酸ジブチルエステルを0.2%v/vの濃度で噴霧タンクに加えた状態でメソトリオンにより処理された。14日後および21日後に、除草剤の効力を枯れた雑草の百分率に基づいて評価した。全ての場合において3回の反復試験が使用された。溶剤の性能は、各期間で、各雑草について3回の反復試験を平均することによって評価した。各結果の標準偏差を、枯れた雑草の平均百分率の後ろの括弧内に示す。表6の結果は、95%の信頼水準でこの溶剤を含有する系が、アジュバントを含まない調合よりも有効と認められることを示している。
【0048】
【表8】
【0049】
実施例6
この実施例は、本発明によるある種のフマル酸エチルをどのように調製したかを述べる。これらのフマル酸エステルのそれぞれについてR
1はエチルであり、R
2は置換フェニル(その対応するフェノールから誘導される)である。関連のあるフェノール(3.3mmol)をジクロロメタン(2.0ml)に0℃で溶かした溶液に、トリエチルアミン(0.47ml)をジクロロメタン(2.0ml)に溶かした溶液、続いてエチルフマリルクロリド(500mg)をジクロロメタン(2.0ml)に溶かした溶液を加えた。この反応混合物を反応が完了するまで0℃で撹拌し、次いで溶剤を蒸発させた。残渣を2M K
2CO
3と酢酸エチルの間で分配し、有機物を乾燥状態まで蒸発させ、粗生成物を、溶離液として酢酸エチル/ヘキサンを用いた10gシリカ・カートリッジ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。必要とされるフマル酸エチルが調製されたという確認は、NMR分光法(1H NMR(400MHz,CDCl
3))により行った。表7にNMRデータと共に示したこれらの化合物は、この方法でそれぞれ調製された。表中では通常の用語が使用され、例えばm=多重線、s=一重線、d=二重線、dd=重複二重線、t=三重線、q=四重線である。表7の各化合物は式(I)の化合物であり、式中、R
1はエチルであり、R
2は表7の中で定義されるものである。
【0050】
【表9】
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
本発明の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕式(I)
の化合物であって、
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素であるか、あるいはR1およびR2中の炭素原子の総数が5と40を含めて5〜40の整数であるという条件で、任意選択的に置換されるC1〜18アルキル、任意選択的に置換されるC1〜18アルケニル、任意選択的に置換されるC3〜8シクロアルキル、任意選択的に置換されるC3〜8シクロアルケニル、または任意選択的に置換されるアリールである化合物を含む製剤。
〔2〕前記製剤が乳剤またはエマルション製剤である、前記〔1〕に記載の製剤。
〔3〕前記製剤が農薬製剤である、前記〔1〕または〔2〕に記載の製剤。
〔4〕R1およびR2中の炭素原子の総数が5と20を含めて5〜20の整数であるという条件で、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔5〕任意選択的に置換されるアリールが、置換または非置換フェニル、あるいは置換または非置換トリルである、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔6〕R1が水素であるか、あるいは1個、2個、または3個のヒドロキシル基によって任意選択的に置換されるC1〜18アルキルである、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔7〕R2が、1個、2個、または3個のヒドロキシル基によって任意選択的に置換されるC3〜18アルキルである、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔8〕R1が、水素、メチル、エチル、直鎖状または分岐プロピル、あるいは直鎖状または分岐ブチルである、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔9〕R2がプロピルまたはブチルであり、かつR1がブチルである、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔10〕R1が水素またはC1〜2アルキルであり、かつR2が置換または非置換フェニルである、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔11〕式(I)
の化合物であって、
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素であるか、あるいはR1およびR2中の炭素原子の総数が5と40を含めて5〜40の整数であるという条件、かつR1がCH3CH2CH2、(CH3)3C、(CH3)2CH、CH3CH2CH2CH2、(CH3)2CHCH2、CH3CH2CH2CH2CH2、CH3CH2CH2CH(OH)CH2、CH3CH(CH3)CH2CH2、CH3CH2CH2CH2CH2CH2、CH3CH2CH2CH(CH3)C(OH)、CH3CH2CH(CH3)CH2C(OH)、CH3CH2CH2CH2CH2(CH2CH3)CH2、ヘキサフルオロイソプロピル、ヒドロキシイソプロピル、シクロヘキシル、シナカルセト、ホルモテロール、HOCH2CH2CH2SO3、CH3CHOHCH2SO3、CH3CH(C(CH3)3)CH2CH(CH3)CH2、またはCH3CH(CH3)CH2CH2C(OH)である場合、R2がR1と同一ではなく、R1がCH3CH(CH3)である場合、R2がペルフルオロヘキシルエチル、ペルフルオロオクチルエチル、(CH3)3C、CH3CH(CH3)CH2、またはシクロヘキシルではなく、R1がシクロヘキシルである場合、R2がCH3CH(CH3)CH2または(CH3)3Cではなく、R1が水素の場合、R2がステアリルではないという条件で、任意選択的に置換されるC1〜18アルキル、任意選択的に置換されるC1〜18アルケニル、任意選択的に置換されるC3〜8シクロアルキル、または任意選択的に置換されるC3〜8シクロアルケニルである、化合物。
〔12〕R1およびR2中の炭素原子の総数が5と20を含めて5〜20の整数であるという条件で、前記〔11〕に記載の式(I)の化合物。
〔13〕任意選択的に置換されるアリールが、置換または非置換フェニル、あるいは置換または非置換トリルである、前記〔11〕または〔12〕に記載の式(I)の化合物。
〔14〕R1が、水素であるか、あるいは1個、2個、または3個のヒドロキシル基によって任意選択的に置換されるC1〜18アルキルである、前記〔11〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
〔15〕R2が、1個、2個、または3個のヒドロキシル基によって任意選択的に置換されるC3〜18アルキルである、前記〔11〕〜〔14〕のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
〔16〕R1が、水素、メチル、エチル、直鎖状または分岐プロピル、あるいは直鎖状または分岐ブチルである、前記〔11〕〜〔15〕のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
〔17〕R2がプロピルまたはブチルであり、かつR1がブチルである、前記〔11〕に記載の式(I)の化合物。
〔18〕R1が水素またはC1〜2アルキルであり、かつR2が置換または非置換フェニルである、前記〔11〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1'〕農薬、及び式(I)
の化合物であって、
式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素であるか、あるいはR1およびR2中の炭素原子の総数が5と40を含めて5〜40の整数であるという条件で、任意選択的に置換されるC1〜18アルキル、任意選択的に置換されるC1〜18アルケニル、任意選択的に置換されるC3〜8シクロアルキル、任意選択的に置換されるC3〜8シクロアルケニル、または任意選択的に置換されるアリールである化合物を含む製剤であって、前記製剤が乳剤またはエマルション製剤である、製剤。
〔2'〕R1およびR2中の炭素原子の総数が5と20を含めて5〜20の整数であるという条件で、前記〔1'〕に記載の製剤。
〔3'〕任意選択的に置換されるアリールが、置換または非置換フェニル、あるいは置換または非置換トリルである、前記〔1'〕または〔2'〕に記載の製剤。
〔4'〕R1が水素であるか、あるいは1個、2個、または3個のヒドロキシル基によって任意選択的に置換されるC1〜18アルキルである、前記〔1'〕〜〔3'〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔5'〕R2が、1個、2個、または3個のヒドロキシル基によって任意選択的に置換されるC3〜18アルキルである、前記〔1'〕〜〔4'〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔6'〕R1が、水素、メチル、エチル、直鎖状または分岐プロピル、あるいは直鎖状または分岐ブチルである、前記〔1'〕〜〔5'〕のいずれか一項に記載の製剤。
〔7'〕R2がプロピルまたはブチルであり、かつR1がブチルである、前記〔1'〕に記載の製剤。
〔8'〕R1が水素またはC1~2アルキルであり、かつR2が置換または非置換フェニルである、前記〔1'〕に記載の製剤。