特許第6035272号(P6035272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035272
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】発電モジュール及びその導光板
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/04 20060101AFI20161121BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20161121BHJP
   H01L 31/054 20140101ALI20161121BHJP
【FI】
   G02B5/04 A
   G02B5/00 A
   H01L31/04 620
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-76648(P2014-76648)
(22)【出願日】2014年4月3日
(65)【公開番号】特開2014-203083(P2014-203083A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2015年4月13日
(31)【優先権主張番号】102112012
(32)【優先日】2013年4月3日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】515008601
【氏名又は名称】イノマ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】江 奕興
(72)【発明者】
【氏名】張 徳宏
(72)【発明者】
【氏名】蔡 榮烈
(72)【発明者】
【氏名】范 卓涵
【審査官】 小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−253800(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0043919(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0185991(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00 − 5/136
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面と、前記第1の側面に対向する第2の側面とを備える薄膜基部、及び
前記薄膜基部の前記第1の側面又は第2の側面に位置する少なくとも1つの微構造体を含む、発電モジュール用導光板であって、
複数の入射光ビームが前記導光板を通過後、複数の出射光ビームとなり、該出射光ビームと前記導光板との間の角度を出射角度と定義し、前記出射光ビームが下向きで且つ前記導光板と平行である場合、その出射角度を0度と定義し、前記出射光ビームが上向きで且つ前記導光板と平行である場合、その出射角度を180度と定義し、
出射角度が70度〜110度の間である前記複数の出射光ビームの総光束が、出射角度が0度〜180度の間である前記複数の出射光ビームの総光束の40%より大きく、
前記微構造体が第1の表面及び第2の表面を含み、前記導光板が垂直に直立する場合、前記第2の表面が前記第1の表面の上部に位置し、
仮想水平面を基準面と定義し、前記導光板が垂直に直立する場合、前記第1の表面と前記基準面との間に第1の夾角を備え、前記基準面が前記薄膜基部に対して垂直であり、前記第2の表面と前記基準面との間に第2の夾角を備え、
前記第1の夾角の値が25度〜60度の間にあり、且つ前記第2の夾角の値が0度〜15度の間にある、導光板。
【請求項2】
前記微構造体の断面が略三角形を呈する、請求項1に記載の導光板。
【請求項3】
前記入射光ビームと前記基準面との間の角度を入射角度と定義し、前記入射光ビームが下向きである場合、該入射角度を正値と定義し、前記複数の入射光ビームの入射角度が10度〜80度の間にある、請求項1又は2に記載の導光板。
【請求項4】
前記第1の表面と前記第2の表面の間の夾角の値が25度〜75度の間にある、請求項1から3のいずれか1項に記載の導光板。
【請求項5】
前記微構造体が前記複数の入射光ビームに対向する、請求項1から4のいずれか1項に記載の導光板。
【請求項6】
前記導光板は透光性材料であり、前記透光性材料の屈折率が1.35〜1.65の間にあり、且つ前記透光性材料の光透過率が0.75〜0.95の間にある、請求項1から5のいずれか1項に記載の導光板。
【請求項7】
導光板と、少なくとも1つの光電変換素子とを含む、発電モジュールであって、
前記導光板が、第1の側面と、前記第1の側面に対向する第2の側面とを備える薄膜基部、及び前記薄膜基部の前記第1の側面又は第2の側面に位置する少なくとも1つの微構造体を含み、
複数の入射光ビームが前記導光板を通過後、複数の出射光ビームとなり、該出射光ビームと前記導光板との間の角度を出射角度と定義し、前記出射光ビームが下向きで且つ前記導光板と平行である場合、その出射角度を0度と定義し、前記出射光ビームが上向きで且つ前記導光板と平行である場合、その出射角度を180度と定義し、
出射角度が70度〜110度の間である前記複数の出射光ビームの総光束が、出射角度が0度〜180度の間である前記複数の出射光ビームの総光束の40%より大きく、
前記微構造体が第1の表面及び第2の表面を含み、前記導光板が垂直に直立する場合、前記第2の表面が前記第1の表面の上部に位置し、
仮想水平面を基準面と定義し、前記導光板が垂直に直立する場合、前記第1の表面と前記基準面との間に第1の夾角を備え、前記基準面が前記薄膜基部に対して垂直であり、前記第2の表面と前記基準面との間に第2の夾角を備え、
前記第1の夾角の値が25度〜60度の間にあり、且つ前記第2の夾角の値が0度〜15度の間にあり、
前記光電変換素子が、前記薄膜基部の前記第1の側面又は前記第2の側面に隣接して設けられて、前記導光板からの前記複数の出射光ビームを受光する、発電モジュール。
【請求項8】
前記光電変換素子が受光面を備え、且つ前記受光面が前記薄膜基部と略平行である、請求項に記載の発電モジュール。
【請求項9】
前記複数の入射光ビームが太陽光ビームである、請求項7又は8に記載の発電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電モジュールに関し、詳しくは導光板を備えた発電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の太陽光発電モジュールは、太陽光の入射角度が大きくなると、発電量が下がり、太陽の位置は一日中移動するから、通常従来の太陽光発電モジュールは広々としたところに設置される(例えば、屋根に平らに置く)か、或いは太陽光追尾システムを搭載する。しかしながら、かかる太陽光発電モジュールを平らに設置するためには、非常に広い空きスペースが必要で、これは実際に実施するにあたって阻害要因となる。その他、前記太陽光追尾システムは、太陽光が低入射角度で太陽光発電モジュールに入射されて高い発電力を維持するように随時維持するが、該システムのコストは高いので、かかる太陽光発電モジュールの全体コストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、上記問題を解決するためには、発電モジュール及びその導光板を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は導光板を提供することを目的とする。前記導光板は、薄膜基部と少なくとも1つの微構造体とを含む。前記薄膜基部は第1の側面と、前記第1の側面に対向する第2の側面とを備える。前記微構造体は前記薄膜基部の前記第1の側面又は第2の側面に位置する。したがって、複数の入射光ビームが前記導光板を通過後、複数の出射光ビームとなり、該出射光ビームと前記導光板との間の角度を出射角度と定義し、前記出射光ビームが下向きで且つ前記導光板と平行である場合、その出射角度を0度と定義し、前記出射光ビームが上向きで且つ前記導光板と平行である場合、その出射角度を180度と定義し、出射角度が70度〜110度の間である前記複数の出射光ビームの総光束が、出射角度が0度〜180度の間である前記複数の出射光ビームの総光束の40%より大きい。よって、大多数の前記複数の出射光ビームが正面方向に放射されることができる。
【0005】
本発明は発電モジュールを提供することをもう一つの目的とする。前記発電モジュールは、導光板と、少なくとも1つの光電変換素子とを含む。前記導光板は上述した導光板と同様である。前記光電変換素子は、前記導光板の前記第1の側面又は前記第2の側面に隣接して設けられて、前記導光板からの前記複数の出射光ビームを受光する。したがって、前記導光板が大多数の光を70度〜110度の間の出射角度に導光して放射させ、前記光電変換素子に正面方向に投射されて、かなり高い発電効率を維持する。よって、前記発電モジュールの発電効率が入射光ビームの入射角度に対する依頼性がかなり低い。前記入射光ビームが太陽光ビームである場合、前記発電モジュールを垂直型ウィンドウセットに組み立てることができ、発電効率に影響を与えない。このようにすると、設置スペースを節約することができ、且つ従来の太陽光追尾システムを搭載する必要がないので、構造が簡単で、製造コストが低い。
【発明の効果】
【0006】
本発明の導光板によれば、入射光ビームが導光板を通過後、出射角度が70度〜110度の間である出射光ビームの総光束が、出射角度が0度〜180度の間である出射光ビームの総光束の40%より大きく、大多数の出射光ビームを正面方向に放射させることができる。よって、このような導光板を含む発電モジュールは、入射光ビームの入射角度に対する依頼性が低く、該発電モジュールを垂直型ウィンドウセットとして組み立てると、設置スペースを節約することができ、従来の太陽光追尾システムを搭載する必要がないので、構造が簡単で、製造コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の導光板の一実施例を示す斜視図である。
図2図1の導光板を示す側面図である。
図3図2の部分的な拡大図である。
図4】本発明の導光板の他の態様を示す。
図5】測定機器を利用して本発明の導光板を測定する説明図である。
図6図5の測定機器を利用した比較例を示す説明図である。
図7図5の測定機器を利用して本発明の導光板の第3の態様を測定する説明図である。
図8】本発明の発電モジュールの一実施例を示す側面図である。
図9図8の発電モジュールと比較例の発電モジュールの発電効率の比較図である。
図10】本発明の発電モジュールのもう一つの実施例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は本発明の導光板の一実施例を示す斜視図である。図2図1の導光板を示す側面図である。図3図2の部分的な拡大図である。該導光板1は薄膜基部11と少なくとも1つの微構造体12とを含む。本実施例では、前記導光板1が複数の微構造体12を含む。前記薄膜基部11は、第1の側面111及び第2の側面112を備え、且つ該第2の側面112が前記第1の側面111に対向する。
【0009】
前記微構造体12は、前記薄膜基部11の前記第1の側面111又は第2の側面112に位置する。本実施例では、前記微構造体12が前記薄膜基部11の前記第2の側面112に位置し、且つ該微構造体12が第1の表面121及び第2の表面122を含む。該第2の表面122は前記第1の表面121の上部に位置する。基準面20は、前記薄膜基部11の前記第1の側面111又は前記第2の側面112に垂直な仮想面と定義される。すなわち、前記導光板1が垂直に直立する場合、前記基準面20は仮想水平面となる。前記第1の表面121と前記基準面20との間に第1の夾角θを備える。前記第2の表面122と前記基準面20との間に第2の夾角θを備える。
【0010】
本実施例では、前記第1の夾角θの値は25度〜60度の間にあり、且つ前記第2の夾角θの値は0度〜15度の間にある。前記第1の表面121と前記第2の表面122の間の夾角(即ち、前記第1の夾角θと前記第2の夾角θとの合計)の値は25度〜75度の間にある。好ましくは、前記第1の夾角θの値は第2の夾角θの値と異なり、前記第1の夾角θの値は30度〜55度の間にあり、前記第2の夾角θの値は5度〜10度であり、且つ前記第1の表面121と前記第2の表面122の間の夾角(即ち、前記第1の夾角θと前記第2の夾角θとの合計)の値は35度〜65度の間にある。本実施例では、前記微構造体12の断面は略三角形を呈し、且つ前記第1の表面121と第2の表面122とは相交わる。
【0011】
前記薄膜基部11の材料は前記微構造体12の材料と異なるものであってもよい。前記薄膜基部11と前記微構造体12は透光性材料で製造され、たとえば、ポリメタクリル酸メチル(Polymethyl Methacrylate:PMMA)、アクリル系ポリマー(Acrylic−based Polymer)、ポリカーボネート(Polycarbonate:PC)、ポリエチレンテルフタレート(Polyethylene Terephthalate:PET)、ポリスチレン(Polystyrene:PS)、又はそれらの共重合体(Copolymer)であり、前記薄膜基部11の材料が前記微構造体12の材料と異なってもよいことは理解できる。上述した透光性材料の屈折率は1.35〜1.65の間にあることが好ましく、光透過率は0.75〜0.95の間にあることが好ましい。
【0012】
実際の使用において、複数の入射光ビーム30が前記導光板1を通過後、複数の出射光ビーム31となる。本実施例では、前記複数の入射光ビーム30は太陽光であり、且つ前記微構造体12は前記複数の入射光ビーム30に対向する。他の実施例では、前記微構造体12の裏面は前記複数の入射光ビーム30に対向し、言い換えると、前記複数の入射光ビーム30は前記薄膜基部11の前記第1の側面111を照射する。
【0013】
図2に示すように、前記出射光ビーム31と前記導光板1との間の角度を出射角度θと定義する。当該出射光ビーム(即ち、前記出射光ビーム32)が下向きで且つ前記導光板1と平行である場合、該出射角度θを0度と定義する。前記出射光ビーム(即ち、前記出射光ビーム33)が水平で且つ前記基準面20と平行である場合、該出射角度θを90度と定義する。前記出射光ビーム(即ち、前記出射光ビーム34)が上向きで且つ前記導光板1と平行である場合、該出射角度θを180度と定義する。
【0014】
前記入射光ビーム30と前記基準面20との間の角度を入射角度θと定義する。前記入射光ビーム30が下向きである場合、該入射角度θを正値と定義する。前記入射光ビーム(図示せず)が水平で且つ前記基準面20と平行である場合、該入射角度θを0度と定義し、且つ前記入射光ビーム(図示せず)が上向きである場合、該入射角度θを負値と定義する。
【0015】
図3に示すように、前記複数の入射光ビーム30は、前記微構造体12の第2の表面122を通過して屈折され、前記微構造体12に進入し、且つ前記微構造体12の第1の表面121で反射される。そして、反射された前記複数の入射光ビーム30は前記薄膜基部11を通過して前記複数の出射光ビーム31となる。前記第1の夾角θと前記第2の夾角θの特別な設計により、前記複数の入射光ビーム30が前記第1の表面121で反射されることに特に注意すべきである。また、前記複数の出射光ビーム31が前記出射角度θの特定範囲に集中される。すなわち、前記出射角度の特定範囲内の前記複数の出射光ビーム31の総光束は、前記出射角度のその他の範囲の他の出射光ビーム31と比較すると、ピーク値である。
【0016】
本実施例では、前記複数の入射光ビーム30の入射角度θは10度〜80度の間にあり、且つ出射角度が70度〜110度の間である前記複数の出射光ビーム31の総光束は、出射角度が0度〜180度の間である前記複数の出射光ビーム31の総光束の40%より大きく、好ましくは50%、60%又は70%より大きい。
【0017】
図4は本発明の導光板の他の態様を示す。前記微構造体12はさらに曲面の面取り面(curved chamfer)123を含む。該曲面の面取り面123は前記第1の表面121と前記第2の表面122の間に位置し、且つ前記第1の表面121と前記第2の表面122に隣接する。また、他の実施例では、前記曲面の面取り面123は2つの微構造体12の間に隣接することもできる。
【0018】
図5は測定機器を利用して本発明の導光板を測定する説明図である。該測定機器は8つの光源61、62、63、64、65、66、67、68と37つの受光器69を含む。前記導光板1は前記測定機器6の中部に位置し、前記複数の光源61、62、63、64、65、66、67、68は前記導光板1の左側に位置し、且つ前記複数の受光器69は前記導光板1の右側に位置する。前記複数の受光器69は前記導光板1を取り囲んで半円形を形成し、且つ前記複数の受光器69の間隔は等しい。よって、前記複数の受光器69は、前記複数の出射光ビーム31の0度から180度までの5度ごとの光束(例えば、ルーメン(Lumen))を測定することができる。
【0019】
前記光源61は入射角度が10度である入射光ビームを発生し、前記光源62は入射角度が20度である入射光ビームを発生し、前記光源63は入射角度が30度である入射光ビームを発生し、前記光源64は入射角度が40度である入射光ビームを発生し、前記光源65は入射角度が50度である入射光ビームを発生し、前記光源66は入射角度が60度である入射光ビームを発生し、前記光源67は入射角度が70度である入射光ビームを発生し、且つ前記光源68は入射角度が80度である入射光ビームを発生する。前記複数の光源61〜68が同時にオンされる。
【0020】
下記の表1は前記導光板1の第1の態様の測定結果を示す。前記導光板1の第1の態様では、前記第1の夾角θが30度であり、且つ前記第2の夾角θが10度である。表1において、出射角度θが0度〜180度の間である光束比(84.23%)は、前記複数の受光器69により測定された出射角度が0度〜180度の間である前記複数の出射光ビーム31の総光束の、前記複数の光源61、62、63、64、65、66、67、68により提供された総光束に対する比を示す。出射角度θが60度〜120度の間である光束比(77.19%)は、前記複数の受光器69により測定された出射角度が60度〜120度の間である前記複数の出射光ビーム31の総光束の、前記複数の光源61、62、63、64、65、66、67、68により提供された総光束に対する比を示す。出射角度θが70度〜110度の間である光束比(63.97%)は、前記複数の受光器69により測定された出射角度が70度〜110度の間である前記複数の出射光ビーム31の総光束の、前記複数の光源61、62、63、64、65、66、67、68により提供された総光束に対する比を示す。出射角度θが80度〜100度の間である光束比(42.72%)は、前記複数の受光器69により測定された出射角度が80度〜100度の間である前記複数の出射光ビーム31の総光束の、前記複数の光源61、62、63、64、65、66、67、68により提供された総光束に対する比を示す。
【0021】
出射角度θが70度〜110度の間/出射角度θが0度〜180度の間である光束比(75.95%)は、出射角度θが70度〜110度の間である光束比(63.97%)と出射角度θが0度〜180度の間である光束比(84.23%)との比を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
表1に示すように、本発明の前記第1の夾角θ(30度)と前記第2の夾角θ(10度)の特別な設計により、出射角度θが70度〜110度の間/出射角度θが0度〜180度の間である光束比は75.95%であり、75.95%の前記複数の出射光ビーム31が70度〜110度の間の出射角度に導かれることを示す。前記70度〜110度の間の出射角度が好ましい範囲であり、前記導光板1が前記複数の入射光ビーム30を該導光板1と垂直に導光して出射させることができることを示し、即ち正面方向(normal direction)の放射機能に優れることを示す。
【0024】
図6図5の測定機器を利用した比較例を示す説明図である。該比較例と図5の相違点は、前記比較例に測定対象物がないことである。その他、図6の測定条件が図5の測定条件と同様である。下記の表2は前記比較例の測定結果を示す。
【0025】
【表2】
【0026】
表2に示すように、前記比較例が導光板を有していないので、導光効果を有しておらず、25.00%のみの前記複数の出射光ビーム31が70度〜110度の間の出射角度となる。
【0027】
下記の表3は前記導光板1の第2の態様の測定結果を示す。前記導光板1の第2の態様では、前記第1の夾角θは30度であり、且つ前記第2の夾角θは5度である。その他の測定条件は第1の態様の測定条件と同様である。
【0028】
【表3】
【0029】
表3に示すように、本発明の前記第1の夾角θ(30度)と前記第2の夾角θ(5度)の特別な設計により、出射角度θが70度〜110度の間/出射角度θが0度〜180度の間である光束比は83.61%であり、83.61%の前記複数の出射光ビーム31が70度〜110度の間の出射角度に導かれることを示す。前記70度〜110度の間の出射角度が好ましい範囲であり、前記導光板1が前記複数の入射光ビーム30を該導光板1と垂直に導光して出射させることができることを示し、即ち正面方向の放射機能に優れることを示す。
【0030】
図7図5の測定機器を利用して本発明の導光板の第3の態様を測定する説明図である。前記導光板1の第3の態様では、前記第1の夾角θは35度であり、且つ前記第2の夾角θは10度である。また、前記微構造体12の裏面は前記複数の光源61、62、63、64、65、66、67、68に対向し、言い換えると、前記複数の光源61、62、63、64、65、66、67、68は前記薄膜基部11の前記第1の側面111を照射する。その他の測定条件は第1の態様の測定条件と同様である。下記の表4は前記導光板1の第3の態様の測定結果を示す。
【0031】
【表4】
【0032】
表4に示すように、出射角度θが70度〜110度の間/出射角度θが0度〜180度の間である光束比は57.75%であり、57.75%の前記複数の出射光ビーム31が70度〜110度の間の出射角度に導かれることを示す。よって、前記導光板1の第3の態様も正面方向の放射機能に優れる。
【0033】
下記の表5は前記導光板1の第4の態様の測定結果を示す。前記導光板1の第4の態様では、前記第1の夾角θは55度であり、且つ前記第2の夾角θは10度である。その他の測定条件は第3の態様の測定条件と同様である。
【0034】
【表5】
【0035】
表5に示すように、出射角度θが70度〜110度の間/出射角度θが0度〜180度の間である光束比は58.82%であり、58.82%の前記複数の出射光ビーム31が70度〜110度の間の出射角度に導かれることを示す。よって、前記導光板1の第4の態様も正面方向の放射機能に優れる。
【0036】
図8は本発明の発電モジュールの一実施例を示す側面図である。前記発電モジュール4は導光板1及び少なくとも1つの光電変換素子41を含む。前記導光板1は図1〜4に示した前記導光板1と同様又は相似であり、導光板1は薄膜基部11と少なくとも1つの微構造体12とを含む。前記光電変換素子41は前記薄膜基部11の第1の側面111又は前記第2の側面112に隣接して設置されて、前記導光板1からの前記複数の出射光ビーム31を受光する。前記光電変換素子41は光線を受光する受光面411を備え、且つ前記受光面411が前記薄膜基部11と略平行である。本実施例では、前記導光板1が上述した第2の態様であり、即ち前記第1の夾角θが30度であり、且つ前記第2の夾角θが5度である。但し、前記導光板1を上述した第1の態様の導光板1に変更することができることは理解できる。本実施例では、前記微構造体12が前記複数の入射光ビーム30に対向するように、導光板1がその第1の側面111を利用して前記光電変換素子41に貼り付けている。好ましくは、前記複数の入射光ビーム30が太陽光ビームであり、且つ前記光電変換素子41が太陽光を電気エネルギーに変換する。
【0037】
図9図8の発電モジュールと比較例の発電モジュールの発電効率の比較図であり、該比較例の発電モジュールは上述した前記微構造体12を有していない薄膜基部11が直接前記光電変換素子41に貼り付けられている。図での曲線71は図8の発電モジュール4が異なる入射光ビームの入射角度における発電効率を示し、且つ曲線72は比較例の発電モジュールが異なる入射光ビームの入射角度における発電効率を示す。曲線72からわかるように、比較例の発電モジュールは入射光ビームの入射角度が0度である時、発電効率が最大であり、入射光ビームの入射角度が大きくなるに伴い、その発電効率が急に漸減する。図8の発電モジュール4を参照すると、曲線71からわかるように、その発電効率は入射光ビームの入射角度が10度〜80度である時、すべてかなり高い発電効率を維持することができる。これは前記導光板1が正面方向の放射機能を有するので、即ち入射光ビームの入射角度が10度〜80度の間(好ましくは30度〜80度の間)である時、前記導光板1が大多数の光を70度〜110度の間の出射角度に導光して放射させて、前記光電変換素子41に正面方向に投射されて、かなり高い発電効率を維持する。前記入射光ビーム30が太陽光ビームであり、且つ前記発電モジュール4を垂直型ウィンドウセットに組み立てる場合、本発明の導光板1の特別な設計により、かなり高い発電効率を維持することができ、このようにすると、垂直型ウィンドウセットは設置スペースを節約することができ、且つ従来の太陽光追尾システムを搭載する必要がないので、構造が簡単で、製造コストが低い。
【0038】
図10は本発明の発電モジュールのもう一つの実施例を示す側面図である。前記電モジュール5は導光板1及び少なくとも1つの光電変換素子41を含む。前記導光板1は図1〜4に示した前記導光板1と同様であり、薄膜基部11と少なくとも1つの微構造体12とを含む。前記光電変換素子41は前記導光板1からの前記複数の出射光ビーム31を受光する。前記光電変換素子41は光線を受光する受光面411を備え、且つ、前記受光面411は前記薄膜基部11と略平行である。本実施例では、前記導光板1は上述した第3の態様であり、即ち前記第1の夾角θは35度であり、且つ前記第2の夾角θは10度である。但し、前記導光板1を上述した第4の態様の導光板1に変更することができることは理解できる。本実施例では、前記第1の側面111が前記複数の入射光ビーム30に対向するように、導光板1をその第2の側面112を利用して前記光電変換素子41に貼り付けている。好ましくは、前記複数の入射光ビーム30が太陽光ビームであり、且つ前記光電変換素子41が太陽光を電気エネルギーに変換する。
【0039】
上述した実施例は、本発明の原理およびその効果を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。したがって、当業者が上述した実施例に対して行った修正及び変更も本発明の構想から離脱するものではない。本発明の権利の範囲は後述する特許請求の範囲に記載されたとおりである。
【符号の説明】
【0040】
θ 第1の夾角
θ 第2の夾角
θ 出射角度
θ 入射角度
1 本発明の導光板の一実施例
4 本発明の発電モジュールの一実施例
5 本発明の発電モジュールのもう一つの実施例
6 測定機器
11 薄膜基部
12 微構造体
20 基準面
30 入射光ビーム
31 出射光ビーム
41 光電変換素子
61 〜68 光源
69 受光器
71 曲線
72 曲線
111 第1の側面
112 第2の側面
121 微構造体の第1の側面
122 微構造体の第2の側面
123 曲面の面取り面
411 受光面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10