特許第6035283号(P6035283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035283
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】梱包箱
(51)【国際特許分類】
   B65B 67/00 20060101AFI20161121BHJP
   B65D 59/00 20060101ALI20161121BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   B65B67/00 Z
   B65D59/00 A
   B65D5/66 311J
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-109729(P2014-109729)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-224052(P2015-224052A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2016年3月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】住友 精二
【審査官】 浅野 弘一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭53−146628(JP,U)
【文献】 実開昭49−114084(JP,U)
【文献】 実開昭48−110329(JP,U)
【文献】 特開2007−276808(JP,A)
【文献】 実開昭52−047081(JP,U)
【文献】 実開昭58−036274(JP,U)
【文献】 実開平06−006264(JP,U)
【文献】 特開2004−123114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 57/00−59/00
B65D 81/02−81/17
B65D 77/26
B65D 5/00−5/76
B65B 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形の底板と、該底板の四辺から立設された側板とを有し、上面が開口された本体部と、
前記側板の上縁部に折り線を介して連接されて、内側に折り曲げられることで前記開口を閉止するフラップと、
前記本体部と被梱包物との間に介装される緩衝材と、
を有する梱包箱であって、
前記緩衝材に、前記側板と、外側に折り返されることで該側板の外側に重ねられた前記フラップと、を前記折り線において挟持可能な係合溝が形成されており、
前記本体部の内側において被梱包物を包囲し、前記側板との間に間隙を介して対向する四角筒状の補強枠をさらに備え、
前記係合溝は、前記補強枠の角が係合可能な形状を有し、
前記緩衝材は、梱包時には、前記本体部の隅において、前記補強枠の角に前記係合溝を係合させることで前記補強枠と前記側板との間に介装される一方で、開梱時には、隣り合う2枚の前記側板と、外側に折り返されることで該2枚の側板の外側にそれぞれ重ねられた前記フラップと、を前記折り線において前記係合溝に挟み込んで固定し、
前記緩衝材は、梱包時に前記被梱包物の上方に配置される内周部と、梱包時に前記補強枠と前記側板との間隙に介装される外周部と、を有し、
前記本体部の少なくとも一方の対角上の隅に配置される一対の前記緩衝材は、前記内周部が、梱包時に前記間隙の幅方向と同一方向において前記補強枠から内側へ突出する長さが、前記間隙の幅よりも小さく形成されていることを特徴とする梱包箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬時や保管時等において被梱包物を保護するための梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンター、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置やこの画像形成装置を構成する部品等を運搬したり保管したりする際には、段ボール等の梱包材料によって形成されるA式の梱包箱が用いられる場合が多い。A式の梱包箱とは、箱状の本体部の開口を、折り畳み式の複数のフラップで開閉する形状の箱であり、比較的安価であるので、広く使用されている。
【0003】
このような梱包箱においては、被梱包物を取り出す際にフラップを外方向に折り曲げて開口を開いた際に、フラップが本体部の外面に沿うようには折れ曲がらず、本体部の上縁から斜め下外方向に張り出す場合が多い。この場合、被梱包物の出し入れ作業時に、フラップの先端部に作業者の足が当たって邪魔になったり作業体勢が不安定になったりして、作業効率が低下する。梱包箱が立方体状の形状の場合にはフラップの長さが長くなるので、フラップの先端部が特に邪魔になりやすい。
【0004】
特許文献1には、フラップを開いて本体部の外側に折り重ね、本体部の隅で隣り合う側板とこの側板の外側に折り重ねられたフラップとを挟み込んで固定する保持具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願2004−2238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1に開示されている保持具においては、フラップ固定のための専用の部材として予め準備しておく必要があるので、保持具の製造コストがかかると共に、保持具の保管場所の管理が必要となったり、梱包箱を開封する際に保管場所に保持具を取りに行く分の作業工数が増えたりする。
【0007】
そこで本発明は上記事情を考慮し、専用の部材を用いることなく、開かれたフラップを本体部の外側に折り重ねて固定できる梱包箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の梱包箱は、方形の底板と、該底板の四辺から立設された側板とを有し、上面が開口された本体部と、前記側板の上縁部に折り線を介して連接されて、内側に折り曲げられることで前記開口を閉止するフラップと、前記本体部と被梱包物との間に介装される緩衝材と、を有する梱包箱であって、前記緩衝材に、前記側板と、外側に折り返されることで該側板の外側に重ねられた前記フラップと、を前記折り線において挟持可能な係合溝が形成されていることを特徴とする。
【0009】
このような構成を採用することにより、開かれたフラップを側板に折り重ねて固定するための専用の部材を準備する必要がないので、被梱包物を取り出す作業の工程数が減り、作業効率が向上する。
【0010】
本発明の梱包箱において、前記本体部の内側において被梱包物を包囲し、前記側板との間に間隙を介して対向する四角筒状の補強枠をさらに備え、前記係合溝は、前記補強枠の角が係合可能な形状を有し、前記緩衝材は、梱包時には、前記本体部の隅において、前記補強枠の角に前記係合溝を係合させることで前記補強枠と前記側板との間に介装される一方で、開梱時には、隣り合う2枚の前記側板と、外側に折り返されることで該2枚の側板の外側にそれぞれ重ねられた前記フラップと、を前記折り線において前記係合溝に挟み込んで固定することを特徴としても良い。
【0011】
このような構成を採用することにより、緩衝材に形成されている係合溝を、開かれたフラップと側板との固定に使用できるので、緩衝材にフラップ固定用の溝を形成する必要がない。また、梱包箱の開封時に、緩衝材を取り外す作業に連続して開かれたフラップと側板とを緩衝材で固定する作業を行うことができるので、効率的に作業することができる。
【0012】
本発明の梱包箱において、前記緩衝材は、梱包時に前記被梱包物の上方に配置される内周部と、梱包時に前記補強枠と前記側板との間隙に介装される外周部と、を有し、前記本体部の少なくとも一方の対角上の隅に配置される一対の前記緩衝材は、前記内周部が、梱包時に前記間隙の幅方向と同一方向において前記補強枠から内側へ突出する長さが、前記間隙の幅よりも小さく形成されていることを特徴としても良い。
【0013】
このような構成を採用することにより、フラップを折り返して側板の外側に重ねて緩衝材で固定した状態において、緩衝材の内周部が被梱包物の上方にまでは突出しないので、梱包物を円滑に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、専用の部材を用いることなく、開かれたフラップを本体部の外側に折り重ねて固定できる梱包箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る梱包箱の開封状態を示す図であり、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)のA−A断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る梱包箱において、フラップを本体部の外側に折り重ねて緩衝材で固定した開封状態を示す図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は図2(A)のA−A断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る梱包箱において、被梱包物の右前隅に配置される緩衝材を示す図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は下方から見た斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係る梱包箱において、被梱包物の右後隅に配置される緩衝材を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る梱包箱について説明する。
【0017】
本発明の一実施形態に係る梱包箱について、図1及び図2を参照して説明する。図1は開封時の梱包箱を示す図であり、図1(A)は平面図、図1(B)は図1(A)のA−A断面図である。図2はフラップを本体部の外側に折り重ねて固定した状態での梱包箱を示す図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は図2(A)のA−A断面図である。以下の説明において、図1(A)の紙面下方向を梱包箱の正面側(前側)とし、左右方向は前後方向を基準とする。
【0018】
梱包箱1は、図1に示されるように、上面が開口した本体部2と、開口を閉鎖するフラップ3と、本体部2の内部に配置されて被梱包物4を包囲する補強枠5と、被梱包物4の周囲に配置される緩衝材7、8、9、10、11、12と、を有する。梱包箱1は、例えば段ボール等の高強度の梱包材料で形成されている。被梱包物4は、例えば、略立方体状の画像形成装置である。
【0019】
本体部2は、略正方形の底板2aと、底板2aの四辺から立設された略正方形状の側板2bと、によって形成され、略立方体状の形状を有する。
【0020】
フラップ3は、横長の長方形状であり、本体2の各側板2bの上辺に折り線2cを介して連接されている。
【0021】
補強枠5は、梱包箱1を積み重ねた際に上下方向の強度を付加するための補強部材である。補強枠5は、被梱包物4の外周を包囲する四角筒状の形状を有し、例えば、横長の長方形状の梱包材料を縦方向に延びる4本の折り線で折り曲げることによって形成することができる。
【0022】
緩衝材7、8は、本体部2の上端の四隅の一方の対角上(右後隅と左前隅)に配置され、緩衝材9、10は、他方の対角上(右前隅と左後隅)に配置されて、補強枠5を介して被梱包物4と側板2aとの間に介装される。緩衝材11、12は、本体部2の下端において、補強枠5を介して被梱包物4と底板2a及び側板2bとの間に介装される。緩衝材7〜12は、パルプモールドで形成されている。
【0023】
本体部2の一方の対角上(右後隅と左前隅)に配置される一対の緩衝材7、8について、図1及び図2図3とを参照して説明する。図3は右後隅緩衝材を示す図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は下方から見た斜視図である。
【0024】
右後隅に配置される右後隅緩衝材7は、立方体状のブロック状の部材であり、下面の左前角に、被梱包物4の右後角が係合可能な直方体状の凹部7aが形成されている。右後隅緩衝材7は、凹部7aの底部を成す内周部21と、凹部7aの後側と右側の側面を成す外周部22と、内周部21と外周部22との間に形成された、平面視にて上下及び左右逆のL字状の溝(係合溝)23と、を有する。
【0025】
内周部21は、平面形状が長方形であり、下面には、被梱包物4の上面の右後隅部の形状に応じた凸部21aが突設されている。図1に示されるように、内周部21は、本体部2の後辺において、側板2bとこの側板2bに対向する補強枠5との間隙の幅D1方向における長さL1が、間隙の幅D1よりも小さく形成されていると共に、本体部2の右辺において、側板2bとこの側板2bに対向する補強枠5との間隙の幅D2方向における長さL2が、間隙の幅D2よりも小さく形成されている。
【0026】
外周部22は、平面形状が上下及び左右逆のL字状であり、下面には、側面視にて台形状凸部22aが、所定の間隔で複数個突設されている。外周部22の凸部22aは、内周部21の凸部21aの高さの三倍程度の高さを有する。
【0027】
溝23は、右後隅緩衝材7の下面において、内周部21の凸部21aと外周部22の凸部22aとの間に形成されており、幅は、補強枠5の厚さと同等である。
【0028】
右後隅緩衝材7と対角上に配置される左前隅緩衝材8も、右後隅緩衝材7と同様であり、図1及び図2に示されるように、下面の右後角に、被梱包物4の左前角が係合可能な直方体状の凹部8aが形成されている。左前隅緩衝材8は、凹部8aの底部を成す内周部25と、凹部8aの前側と左側の側面を成す外周部26と、内周部25と外周部26との間に形成された、平面視にてL字状の溝(係合溝)27と、を有する。
【0029】
内周部25は、平面視にてL字状の形状であり、下面には、被梱包物4の上面の左前隅部の形状に応じた凸部が突設されている。内周部25は、本体部2の前辺において、側板2bとこの側板2bに対向する補強枠5との間隙の幅D3方向における長さL3が、間隙の幅D3よりも小さく形成されていると共に、本体部2の左辺において、側板2bとこの側板2bに対向する補強枠5との間隙の幅D3方向における長さL4が、間隙の幅D4よりも小さく形成されている。なお、外周部26と溝27の構成は、右後隅緩衝材7の外周部22と溝23の構成と同様であるので説明を省略する。
【0030】
本体部2の他方の対角上(右前隅と左後隅と右前隅)に配置される一対の緩衝材9、10について、図4を参照して説明する。図4は右前隅緩衝材を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は下方から見た斜視図である。
【0031】
右前隅緩衝材9は、略直方体状のブロック状の部材であり、下面の左後角に、被梱包物4の右前角が係合可能な直方体状の凹部9aが形成されている。右前隅緩衝材9は、凹部9aの底部を成す内周部31と、凹部9aの前側と右側の側面を成す外周部32と、内周部31と外周部32との間に形成された、左右逆のL字状の溝33と、を有する。内周部31は、平面形状が、左後隅が方形に切り欠かれた略長方形であり、下面には、被梱包物4の上面の右前隅部の形状に応じた凸部31aが突設されている。外周部32は、平面形状が左右逆のL字状であり、下面には、側面視にて台形状の凸部32aが、所定の間隔で複数個突設されている。外周部32の凸部32aは、内周部31の凸部31aの高さの三倍程度の高さを有する。
【0032】
溝33は、右前隅緩衝材9の下面において、内周部31の凸部31aと外周部32の凸部32aとの間に形成されており、幅は、補強枠5の厚さと同等である。なお、右前隅緩衝材9と対角上に配置される左後隅緩衝材10は、右前隅緩衝材9と同様の構成を有するので説明を省略する。
【0033】
右後隅緩衝材7と右前隅緩衝材9、及び、左前緩衝材8と左後緩衝材10とは、それぞれパンチ孔が形成された薄肉の連結部によって一体に設けられており、使用時にパンチ孔に沿って切り離して使用するようになっている。
【0034】
上記構成を有する梱包箱1において、画像形成装置のような略立方体状の被梱包物4を梱包する場合、被梱包物4を樹脂製の保護カバー等で覆い、底面用緩衝材11、12を介して本体部2に収容する。その後、被梱包物4の周囲を補強枠5で包囲する。
【0035】
そして、本体部4の四隅の上端に、それぞれ対応する緩衝材7〜10を介装させる。つまり、各緩衝材7〜10において、被梱包物4の四つの角に、それぞれの緩衝材の凹部を係合させ、外周部の下面に突設された凸部を、本体部2の各隅で隣り合う側板2bとこれらの側板2bに対向する補強枠5との間に挿入し、内周部の下面を被梱包物4の上面の右前隅部に当接させる。そして、内周部と外周部との間の溝に、補強枠5の各角部を嵌め込む。
【0036】
これにより、補強枠5で包囲された被梱包物4と本体部2の各側板2bとの間には、所定の間隙が開けられる。また、緩衝材7〜10の内周部の高さの分だけ、被梱包物4の上方に空間が確保される。最後に、一方の対向するフラップ3を内側に折り曲げ、折り曲げられたフラップの上側に、他方の対向するフラップ3を折り重ねて、本体部2の開口を閉鎖する。被梱包物4の上面とフラップ3との間には、所定の間隙が開けられる。
【0037】
梱包箱1を開封する場合について、図2を参照して説明する。梱包箱1を開封する際は、まず、各フラップ3を外側に折り返して、各フラップ3が連接されている側板2bの外面に折り重ねる。そして、一方の対角上に配置された右後隅緩衝材7と左前隅緩衝材8とを取り外し、本体部2の右後隅で隣り合う側板2bとこれらの側板2bに折り重ねられたフラップ3とを、折り線2cにおいて右後隅緩衝材7の溝23に挟持させる。これにより、本体部2の後辺と右辺に設けられたフラップ3はそれぞれ側板2bの外面に沿った姿勢に固定される。この際、右後隅緩衝材7の内周部21は、側板2bと補強枠5との間に突出するが、内周部21の前後方向の長さL1、左右方向の長さL2は、それぞれ側板2bと補強枠5との間の間隙の幅D1、D2よりも小さいので、平面視において内周部21と被梱包物4とは干渉しない。同様に、右後隅と対角上の左前隅で隣り合う側板2bとこれらの側板2bに折り重ねられたフラップ3とを、折り線2cにおいて左前隅緩衝材8の溝27に挟持させる。左前隅緩衝材8においても、内周部25は、前後方向の長さL3、左右方向の長さL4は、それぞれ側板2bと補強枠5との間の間隙の幅D3、D4よりも小さいので、平面視において内周部25と被梱包物4とは干渉しない。これにより、右後隅緩衝材7と左前隅緩衝材8とによって、4枚のフラップ3が、本体部2の外側に折り重ねられた姿勢で固定される。
【0038】
その後、残りの緩衝材9、10を取り外し、保護カバーを開封して、被梱包物4を取り出す。なお、図2は、フラップ3が側板2bに沿うように折り重ねられた姿勢を示しているが、フラップ3は、先端が作業者の足元に干渉しない程度にやや斜め外方向に傾斜した姿勢となる場合もある。
【0039】
上記説明したように本実施形態に係る梱包箱1においては、被梱包物4の梱包に必要な右後隅緩衝材7と左前隅緩衝材8とを使用して、フラップ3を側板2bの外側に折り重ねた姿勢で固定することができる。さらに、梱包箱5の閉鎖時に右後隅緩衝材7、左前隅緩衝材8が配置されている位置の高さと、梱包箱1の開封時にフラップ3を固定する位置の高さ(折り線2cの高さ)が同等であるので、梱包箱1の開封時に、緩衝材7〜10を取り外す作業に連続して、開いたフラップ3を固定する作業を行うことができる。さらには、フラップ3の固定用に別部材を準備する必要がないので、固定用の部材を製造するためのコストがかかったり、保持具の保管場所を管理したりする必要がない。したがって、被梱包物4の取り出し作業を安定に且つ効率的に行うことができる。
【0040】
さらに、図2に示されるように、一方の対角上に配置された右後隅緩衝材7と左前隅緩衝材8とでフラップ3と側板2bとを固定した際に、右後隅緩衝材7と左前隅緩衝材8の内周部21、25は、補強枠5と側板2bとの間隙に突出するが、被梱包物4の上方にまでは突出しないので、被梱包物4を取り出す際に、右後隅緩衝材7の内周部21と左前隅緩衝材8の内周部25とが被梱包物4に干渉しない。したがって、被梱包物4を円滑に取り出すことができる。なお、他方の対角上に配置された右前緩衝材9と左後緩衝材10においては、フラップ3の固定に使用されないので、それぞれの内周部を、被梱包物4と十分な接触面積で接触するように形成してもよい。
【0041】
また、緩衝材は被梱包物4を取り出した後は廃棄されるので、外側に折り重ねられたフラップ3を固定する際に、溝の部分が多少破れても良い。また、全ての緩衝材7〜10において、内周部の大きさを規制せず、フラップ3を固定した際に被梱包物4と干渉する部分を溝の内側で切り離すことができるように、ミシン目や肉薄部を内周部に形成してもよい。
【0042】
本実施形態では、本体部2の隅で隣り合う側板2bに連接されたフラップ3を固定するために、緩衝材の係合溝をL字状としたが、係合溝を直線状として、本体部2の隅以外の直線状の縁でフラップ3と側板2bとを挟持するようにしてもよい。
【0043】
さらに、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る梱包箱における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。すなわち、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0044】
1 梱包箱
2 本体部
2a 底板
2b 側板
2c 折り線
3 フラップ
4 被梱包物
5 補強枠
7〜10 緩衝材
21、25 内周部
22、26 外周部
23、27 溝(係合溝)
図1
図2
図3
図4