(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断部は、再度前記読み取り部によって複数のページから構成される画像の読み取りの順序が、前回の前記読み取り部によって複数のページから構成される画像の読み取りの順序と異なるか否かを判断し、
前記制御部は、前記判断部によって、画像の読み取りの順序が異なると判断すれば、その旨を報知する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像読み取り装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1によると、原稿属性検出手段により検出した原稿属性に基づいて複数の読み取りモードを切り替えることとしている。このような構成によれば、原稿を読み取って生成される画像データのサイズがユーザーの要求しないものであった場合に対応することができない。また、特許文献2によると、利用可能な領域の大きさと読み取り装置によって読み取られる画像データの大きさとを比較し、画像データの大きさの方が大きい場合、読み取り設定手段における読み取り設定を変更することとしている。しかし、このような特許文献2に開示の技術では、読み取り設定によっては、読み取った画像により生成される画像データについて、例えば、ユーザーの望まない画質となる場合があり、ユーザーの要求に応じた画像の読み取りとはならないおそれがある。
【0008】
この発明の目的は、ユーザーの要求に応じて、画像を読み取って画像データを生成することができる画像読み取り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る画像読み取り装置は、複数のページから構成される画像を読み取る読み取り部と、読み取り部によって読み取られた画像を基に画像データを生成する画像データ生成部と、読み取り部による画像の読み取りに先立って、生成される画像データとして許容される画像データのサイズである許容データサイズを入力させる入力部と入力部により入力された許容データサイズを記憶する記憶部と、読み取り部によって読み取られた画像を基に生成される画像データの
解像度をページ毎に受け付ける受け付け部と、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全てのページ分の画像データのサイズの総計である全ページ分データサイズ総計が、記憶部により記憶された許容データサイズを超えているか否かを判断する判断部と、判断部によって、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、記憶部により記憶された許容データサイズを超えていないと判断すれば、受け付け部により受け付けた画像データの
解像度で、再度読み取り部により複数のページから構成される画像を読み取り、画像データ生成部により画像データを生成するよう制御する制御部とを備える。
【0010】
このような画像読み取り装置によると、読み取り部によって読み取られた画像を基に生成される画像データの
解像度をページ毎に受け付ける受け付け部を備えるため、ページ毎にユーザーの要求する画像データの
解像度で画像を読み取ることができる。また、判断部によって、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、記憶部により記憶された許容データサイズを超えているか否かを判断する。そして、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、記憶部により記憶された許容データサイズを超えていないと判断すれば、受け付け部により受け付けた画像データの
解像度で、再度読み取り部により複数のページから構成される画像を読み取り、画像データ生成部により画像データを生成する。そうすると、生成される画像データが、ユーザーの要求する許容データサイズを超えることはない。したがって、このような画像読み取り装置は、ユーザーの要求に応じて、画像を読み取って画像データを生成することができる。
【発明の効果】
【0011】
このような画像読み取り装置によると、読み取り部によって読み取られた画像を基に生成される画像データの
解像度をページ毎に受け付ける受け付け部を備えるため、ページ毎にユーザーの要求する画像データの
解像度で画像を読み取ることができる。また、判断部によって、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、記憶部により記憶された許容データサイズを超えているか否かを判断する。そして、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、記憶部により記憶された許容データサイズを超えていないと判断すれば、受け付け部により受け付けた画像データの
解像度で、再度読み取り部により複数のページから構成される画像を読み取り、画像データ生成部により画像データを生成する。そうすると、生成される画像データが、ユーザーの要求する許容データサイズを超えることはない。したがって、このような画像読み取り装置は、ユーザーの要求に応じて、画像を読み取って画像データを生成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を説明する。まず、この発明の一実施形態に係る画像読み取り装置を含む画像処理装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像読み取り装置を含む画像処理装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の外観を示す概略図である。
図2は、この発明の一実施形態に係る画像読み取り装置を含む画像処理装置をデジタル複合機に適用した場合のデジタル複合機の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1および
図2を参照して、デジタル複合機11は、デジタル複合機11全体の制御を行う制御部12と、デジタル複合機11側から発信する情報やユーザーの入力内容を表示する表示画面21を含み、印刷部数や階調性等の画像形成の条件や電源のオンオフを入力させる操作部13と、セットされた原稿を自動的に読み取り位置へ搬送するADF(Auto Document Feeder)22および原稿の画像を読み取る読み取り部としてのCCD(Charge Coupled Device)センサー19を含み、原稿や印刷物の画像を読み取る画像読み取り装置14と、トナーを用いて現像を行う現像装置23を含み、読み取った画像やネットワーク25を介して送信された画像データを基に画像を形成する画像形成部15と、送信された画像データや入力された画像形成条件等の記憶を行う記憶部としてのハードディスク16と、公衆回線24に接続されており、ファクシミリ送信やファクシミリ受信を行うファクシミリ通信部17と、ネットワーク25と接続するためのネットワークインターフェース部18とを備える。なお、デジタル複合機11は、画像データの書き出しや読み出しを行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)等を備えるが、これらについては、図示および説明を省略する。また、
図2中の矢印は、制御信号や制御、画像に関するデータの流れを示している。
【0015】
デジタル複合機11は、画像読み取り装置14により読み取られた原稿を用いて画像形成部15において画像を形成することにより、複写機として作動する。また、デジタル複合機11は、ネットワークインターフェース部18を通じて、ネットワーク25に接続されたコンピューター26a、26b、26cから送信された画像データを用いて、画像形成部15において画像を形成して用紙に印刷することにより、プリンターとして作動する。すなわち、画像形成部15は、要求された画像を印刷する印刷部として作動する。また、デジタル複合機11は、ファクシミリ通信部17を通じて、公衆回線24から送信された画像データを用いて、DRAMを介して画像形成部15において画像を形成することにより、また、画像読み取り装置14により読み取られた原稿の画像データを、ファクシミリ通信部17を通じて公衆回線24に画像データを送信することにより、ファクシミリ装置として作動する。すなわち、デジタル複合機11は、画像処理に関し、複写機能、プリンター機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を有する。さらに、各機能に対しても、詳細に設定可能な機能を有する。
【0016】
デジタル複合機11を含む画像処理システム27は、デジタル複合機11と、複数のコンピューター26a、26b、26cとを備える。具体的には、画像処理システム27は、上記した構成のデジタル複合機11と、ネットワーク25を介してデジタル複合機11に接続される複数のコンピューター26a、26b、26cとを備える。この実施形態においては、複数のコンピューター26a〜26cについては、3台示している。各コンピューター26a〜26cはそれぞれ、デジタル複合機11に対して、ネットワーク25を介して印刷要求を行って印刷をすることができる。デジタル複合機11とコンピューター26a〜26cとは、LAN(Local Area Network)ケーブル等を用いて有線で接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよく、ネットワーク25内には、他のデジタル複合機やサーバーが接続されている構成でもよい。
【0017】
次に、上記した操作部13の構成について、さらに詳細に説明する。
図3は、操作部13の概略的な構成を示す外観図である。
図3を参照して、操作部13は、印刷部数等を入力させるための0〜9までの数字、および「*」や「#」の記号を入力させるテンキー31と、印刷の開始やファクシミリ送信の開始を指示させるスタートキー32と、デジタル複合機11の電源のオンオフを入力させる電源キー33と、デジタル複合機11の有するプリンター機能やコピー機能等の選択を指示させるメニューキー34と、種々の画像形成の条件や使用ユーザーの登録を指示させる登録キー35と、テンキー31等を用いてユーザーにより入力された指示の内容をキャンセルさせるリセットキー36と、上記した表示画面21とを含む。表示画面21は、液晶のタッチパネル機能を有しており、ユーザーの指での押圧等により、表示画面21からも画像形成条件等を入力させると共に、機能の選択等を行うことができる。
【0018】
次に、上記した画像読み取り装置14の構成について、簡単に説明する。
図4は、画像読み取り装置14の一部を上方向から見た概略図である。
図1〜
図4を参照して、画像読み取り装置14は、画像を読み取る原稿を載置するプラテン41と、
図4中の矢印D
1またはその逆の方向で示す副走査方向に移動可能であり、原稿からの反射光を基に原稿の画像をイメージセンサーとしてのCCDセンサー19に読み取らせるキャリッジ42とを備える。プラテン41は、筐体43の開口部に嵌め込まれており、この実施形態では、コンタクトガラスを用いている。キャリッジ42は、筐体43内に平行に設けられた二本の金属棒44a、44bにガイドされ、図示しないモーターからの動力を得て移動する。キャリッジ42は、プラテン41の下方領域から上側に向かって光を照射する露光ランプ45と、複数のミラー(図示せず)と、光を集光するレンズ(図示せず)とを含む。キャリッジ42は、原稿の画像を読み取る際に、副走査方向に移動しながら、露光ランプ45からプラテン41側に向かって光を照射する。そして、プラテン41側、具体的には、プラテン41の上に載置された原稿から反射される反射光を複数のミラーおよびレンズによって集光し、CCDセンサー19に入力させることにより、プラテン41上に載置された原稿の画像を読み取る。また、キャリッジ42は、副走査方向において、プラテン41上に原稿を載置する際の基準位置を示す基準板46の横に設けられ、透明の部材で構成される所定の位置47に留められた状態で、ADF22によって搬送されてきた原稿の画像を読み取る。画像読み取り装置14は、白黒原稿はもちろん、カラー原稿における色情報についても読み取ることができる。
【0019】
次に、この発明の一実施形態に係るデジタル複合機11を用いて、画像を読み取って画像データを生成する場合について説明する。
図5は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する場合の処理の内容を示すフローチャートである。なお、生成する画像データとしては、例えば、PDF(Portable Document Format)のようなファイル形式のデータである。ここで、制御部12等は、画像データ生成部として作動する。
【0020】
図5を参照して、まず、ユーザーは、読み取らせる原稿をADF22にセットする。デジタル複合機11は、複数枚の原稿のセットを検知する(
図5において、ステップS11、以下、「ステップ」を省略する)。
【0021】
ここで、読み取らせる原稿の画像について説明する。
図6は、読み取らせる原稿の画像を示す概略図である。
図6を参照して、原稿51は、4枚の用紙52a、52b、52c、52dから構成されている。1枚目の用紙52aには、文字画像53aのみが記載されている。2枚目の用紙52bには、グラフから構成される線図画像54aと文字画像53bが記載されている。線図画像54aは、用紙52bのほぼ上半分の領域を占めており、文字画像53bは、用紙52bのほぼ下半分の領域を占めている。3枚目の用紙52cは、木々の写真から構成される写真画像54bと、自動車の写真から構成される写真画像54cが記載されている。写真画像54bは、用紙52cの上半分の領域を占めており、写真画像54cは、用紙52cの下半分の領域を占めている。4枚目の用紙52dには、文字画像53cのみが記載されている。なお、用紙52aの全領域に対する文字画像53aの占める領域の割合は、用紙52dの全領域に対する文字画像53cの占める領域の割合よりも小さく構成されている。
【0022】
ユーザーは、4枚の用紙52a〜52dから構成される原稿51を画像読み取り装置14のADF22にセットする。ADF22に原稿がセットされたことを検知すると、操作部13の表示画面21に、生成する画像データの許容されるデータのサイズである許容データサイズを入力させる画面を表示する。
【0023】
図7は、許容データサイズを入力させる際の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図7を参照して、操作部13の表示画面21には、「許容データサイズを入力してください。」とのメッセージ56aと、許容データサイズの入力部57と、「画像の読み取りを開始します。いいですか?」との問い合わせのメッセージ56bと、「はい」と表記され、押下により画像の読み取りを開始する選択キー58とが表示されている。ユーザーは、操作部13のテンキー31等を用いて、許容データサイズを数値で入力する。この実施形態においては、700KB(Kilo Bite)と入力される。ここで、操作部13等は、入力部として作動する。操作部13の表示画面21による入力を受け付けた後、許容データサイズに関するデータを、ハードディスク16に記憶する(S12)。
【0024】
選択キー58の押下を検知後、所定の解像度、具体的には、この実施形態では、1枚目と4枚目の画像について、100dpi(dots per inch)、2枚目と3枚目の画像について、200dpiという解像度で原稿51の画像を読み取る(S13)。この場合、1枚目から4枚目までの順のページとなるように、原稿51の画像を読み取る。原稿51の画像を読み取り後、ページ毎の画像のイメージを生成する(S14)。
【0025】
次に、生成したページ毎の画像を表示する(S15)。すなわち、生成する画像データのそれぞれのプレビュー画像を表示する。そして、各画像について、ページ毎に要求する解像度の入力を受け付ける(S16)。ここで、制御部12等は、受け付け部として作動する。
【0026】
図8は、生成したページ毎の画像を表示し、要求する解像度の入力を受け付ける際の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図8を参照して、操作部13の表示画面21には、読み取り結果を示すプレビュー画像として、原稿51の1枚目の用紙52aを読み取って生成されたサムネイル画像61a、原稿51の2枚目の用紙52bを読み取って生成されたサムネイル画像61b、原稿51の3枚目の用紙52cを読み取って生成されたサムネイル画像61c、および原稿51の4枚目の用紙52dを読み取って生成されたサムネイル画像61dが表示されている。
【0027】
また、操作部13の表示画面21には、4枚の用紙52a〜52dから構成される原稿51を上記した所定の解像度で読み取った場合の画像データのサイズの全てのページ分の総計である全ページ分データサイズ総計を示すウィンドウ62と、1ページ目の用紙52aの画像に基づくファイルを生成する際の画像データのサイズを示すウィンドウ63aと、2ページ目の用紙52bの画像に基づくファイルを生成する際の画像データのサイズを示すウィンドウ63bと、3ページ目の用紙52cの画像に基づくファイルを生成する際の画像データのサイズを示すウィンドウ63cと、4ページ目の用紙52dの画像に基づくファイルを生成する際の画像データのサイズを示すウィンドウ63dとが表示されている。この場合、上記したように100dpiの解像度と200dpiの解像度で全ての画像を読み取った場合の画像データのサイズの全てのページ分の総計である全ページ分データサイズ総計として、ウィンドウ62に600KBが表示されている。
【0028】
また、操作部13の表示画面21には、「要求する解像度を入力してください。」とのメッセージ64aと、1ページ目の用紙52aの画像に要求される解像度を入力させる入力部65aと、2ページ目の用紙52bの画像に要求される解像度を入力させる入力部65bと、3ページ目の用紙52aの画像に要求される解像度を入力させる入力部65cと4ページ目の用紙52aの画像に要求される解像度を入力させる入力部65dと、「要求する解像度で全ページ分データサイズ総計を計算しますか?」との問い合わせのメッセージ64bと、「はい」と表記され、押下により全ページ分データサイズ総計の計算を実行する選択キー66aと、「いいえ」と表記され、押下により入力部65a〜65dに入力された解像度の数値を全てクリアーにする選択キー66bとが表示されている。
【0029】
ここで、ユーザーは、サムネイル画像61a〜61d、およびウィンドウ63a〜63dの表示を確認しながら、ページ毎に要求する解像度を入力部65a〜65dに入力して設定する。なお、ユーザーは、例えば、文字画像の多いページは、高い解像度をそれほど望まず、写真画像の多いページは、できるだけ高い解像度を望む傾向がある。この場合、ユーザーは、文字画像から構成される1ページ目および4ページ目に対して、要求する解像度を100dpiと入力して設定する。また、文字画像と線図画像から構成される2ページ目については、要求する解像度を300dpiと入力して設定する。また、2枚の写真画像から構成される3ページ目については、要求する解像度を600dpiと入力して設定する。要求する解像度の入力については、テンキー31等を用いて数値を入力する。
【0030】
デジタル複合機11は、入力部65a〜65dへ入力された要求される解像度の入力を受け付ける(S16)。そして、ユーザーからの「はい」の選択キー66aの押下を検知すれば、入力された要求される解像度を基に画像データのサイズの全てのページ分の総計である全ページ分データサイズ総計を計算する(S17)。そして、予め受け付けた許容される画像データのサイズ、すなわち、入力部57に入力され記憶された許容データサイズと、入力部65a〜65dに入力された解像度を基に計算された全ページ分データサイズ総計とを比較する。比較後、予め受け付けた許容データサイズを、計算された全ページ分データサイズ総計が超えたかどうかを判断する(S18)。ここで、制御部12は、判断部として作動する。
【0031】
予め受け付けた許容データサイズを、計算された全ページ分データサイズ総計が超えていると判断すれば(S18において、YES)、その旨および許容データサイズを超えない解像度を表示する(S19)。この場合、要求される解像度に基づいて計算された全ページ分データサイズ総計が、入力された許容データサイズである700KBを超えていれば、許容データサイズを超えている旨を表示画面21に表示する。ここで、操作部13等は、報知部として作動する。
【0032】
図9は、許容データサイズを超えた場合の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図9を参照して、表示画面21には、「警告:許容データサイズを超えています。解像度を再設定してください。」との警告のメッセージ67aと、
図8に示す表示画面21に表示された4ページ分のサムネイル画像61a〜61dとが表示されている。ここで、ユーザーは、要求する解像度で画像データを生成した場合の全ページ分データサイズ総計が、許容データサイズを超えてしまうことを認識する。
【0033】
また、表示画面21には、「参考の再設定の解像度は、以下の通りです。」とのメッセージ67bと、1ページ目の用紙52aの画像を読み取る際の許容データサイズを超えない参考の解像度を示すウィンドウ68aと、2ページ目の用紙52bの画像を読み取る際の許容データサイズを超えない参考の解像度を示すウィンドウ68bと、3ページ目の用紙52aの画像を読み取る際の許容データサイズを超えない参考の解像度を示すウィンドウ68cと、4ページ目の用紙52dの画像を読み取る際の許容データサイズを超えない参考の解像度を示すウィンドウ68dとが表示されている。これらのウィンドウ68a〜68dの表示を確認することにより、許容データサイズの上限を参考として知ることができる。
【0034】
また、表示画面21には、
図8に示す表示画面21に示した「要求する解像度を入力してください。」とのメッセージ64aと、入力部65a〜65dと、「全ページ分データサイズ総計を再計算しますか?」との問い合わせのメッセージ67cと、「はい」と表記され、押下により全ページ分データサイズ総計の再計算を実行する選択キー69aと、「いいえ」と表記され、押下によりウィンドウ68a〜68dに表示された参考の解像度の数値を全てクリアーにする選択キー69bとが表示されている。
【0035】
ここで、ユーザーは、ウィンドウ68a〜68dに表示される参考の解像度を確認しながら、ページ毎に要求する解像度を再度、入力部65a〜65dに入力して設定する。すなわち、許容データサイズを超えないように、再びテンキー31等を利用して、入力部65a〜65dに入力して設定する。
【0036】
ユーザーからの「はい」の選択キー69aの押下を検知すれば、入力された解像度を基に全ページ分データサイズ総計を再計算する(S17)。そして、予め受け付けた許容データサイズ、すなわち、入力部57に入力された許容データサイズと、入力部65a〜65dに入力された解像度を基に再計算された全ページ分データサイズ総計とを比較し、予め入力された許容データサイズを、計算された全ページ分データサイズ総計が超えたかどうかを判断する(S18)。
【0037】
予め入力された許容データサイズを、計算された全ページ分データサイズ総計が超えていないと判断すれば(S18において、NO)、次に、入力された解像度の設定をハードディスク16に記憶する(S21)。そして、再度、原稿を読み取らせるようユーザーに促す(S22)。
【0038】
図10は、画像の再読み取りを促す際の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図10を参照して、表示画面21には、予め入力された許容データサイズを、計算された全ページ分データサイズ総計が超えていないことを示す旨の「全ページ分データサイズ総計が許容データサイズの範囲内に収まりました。」とのメッセージ71aと、「再度、原稿をセットしてください。」との原稿の再度のセットを促すメッセージ71bと、「画像の再読み取りを開始します。いいですか?」との問い合わせのメッセージ71cと、「はい」と表記され、押下により原稿の画像の再度の読み取りを実行する選択キー72とが表示されている。
【0039】
ユーザーは、これらのメッセージ71a〜71cの表示に促され、再度、原稿51をADF22にセットした後、選択キー72を押下する。デジタル複合機11は、原稿51の再度のセットを検知後(S23)、選択キー72の押下を検知すれば、再度の原稿51の画像の読み取りを開始する(S24)。
【0040】
画像の読み取りについては、入力部65a〜65dに入力され、ハードディスク16に記憶された解像度で読み取る。具体的には、1枚目の画像および4枚目の画像については、解像度を100dpiとして読み取り、2枚目の画像については、解像度を200dpiとして読み取り、3枚目の画像については、解像度を400dpiとして読み取る。そして、読み取った画像のデータを基に、画像データを生成する(S25)。このようにして画像を読み取り、画像データを生成する。
【0041】
一方、最初に解像度の入力を行った場合において、予め受け付けた許容データサイズを、計算された全ページ分データサイズ総計が超えていないと判断すれば(S18において、NO)、上記したS21〜S25に沿って、原稿51の再読み取りを行い、画像データを生成する。すなわち、この場合、二度の読み取りで、ユーザーの要求に応じた画像データを生成することができる。
【0042】
このようなデジタル複合機11によれば、画像読み取り装置14によって読み取られた画像を基に生成される画像データの
解像度をページ毎に受け付ける受け付け部を備えるため、ページ毎にユーザーの要求する画像データの
解像度で画像を読み取ることができる。また、判断部によって、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、ハードディスク16により記憶された許容データサイズを超えているか否かを判断する。そして、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、ハードディスク16により記憶された許容データサイズを超えていないと判断すれば、受け付け部により受け付けた画像データの
解像度で、再度画像読み取り装置14により複数のページから構成される画像を読み取り、画像データ生成部により画像データを生成する。そうすると、生成される画像データが、ユーザーの要求する許容データサイズを超えることはない。したがって、このようなデジタル複合機11は、ユーザーの要求に応じて、画像を読み取って画像データを生成することができる。
【0043】
この場合、制御部12は、判断部によって、受け付け部により受け付けた画像データの
解像度の変更を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、ハードディスク16により記憶された許容データサイズを超えていると判断すれば、その旨を報知するため、ユーザーは、許容データサイズを超えていることを容易に認識することができる。そうすると、ユーザーは、許容データサイズを超えない解像度を入力して、画像を読み取らせることができ、よりユーザーの要求に応じた画像の読み取り、画像データを生成することができる。
【0044】
また、この場合、制御部12は、判断部によって、受け付け部により受け付けた画像データの
解像度の変更を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、ハードディスク16により記憶された許容データサイズを超えていると判断すれば、その旨の報知と共に、
画像データの全ページ分データサイズ総計が、ハードディスク16により記憶された許容データサイズを超えない画像データの
解像度をページ毎に報知する。そうすると、この報知を参考として、ユーザーは、容易に、許容データサイズを超えない範囲で、要求する解像度を入力することができる。
【0045】
なお、上記の実施の形態において、画像を読み取らせる順序を記憶させるようにしてもよい。すなわち、判断部は、再度読み取り部によって複数のページから構成される画像の読み取りの順序が、前回の読み取り部によって複数のページから構成される画像の読み取りの順序と異なるか否かを判断し、制御部は、判断部によって、画像の読み取りの順序が異なると判断すれば、その旨を報知するよう構成してもよい。
【0046】
図11は、この場合において、原稿の画像を読み取り、画像データを生成する場合の処理の内容を示すフローチャートである。なお、
図11は、
図5に示すフローチャートに対応するものである。
【0047】
図5および
図11を参照して、S11〜S20までは、
図5に示す場合と同様であるため、それらの工程の説明を省略する。次に、S21において、入力された解像度の設定と共に、画像の読み取りの順序についても、記憶する。すなわち、この場合、100dpiの画像、200dpiの画像、400dpiの画像、100dpiの画像という順序のデータを記憶する。
【0048】
その後、
図5に示す場合と同様、再度の原稿のセットを促す画面を表示し(S22)、原稿の再度のセットを検知後(S23)、設定された解像度でページ毎に画像の読み取りを開始する(S24)。次に、ページ毎にデータのサイズの差分があったか否かを判断する(S26)。すなわち、1枚目を読み取った後に1枚目に生成されるファイルのデータのサイズと、100dpiで設定された前回の画像の読み取り時におけるデータのサイズとの間において、差分があるか否かを判断する。差分がなければ、2枚目の用紙の画像を読み取って再び差分があるか否かを判断する。そして、最後の用紙まで差分がなければ(S26において、NO)、原稿の用紙が順序通り読み取られたものと判断して、
図5に示す場合と同様に、読み取った画像を基にファイルを生成する(S25)。
【0049】
一方、例えば、再度の原稿のセット時において、2枚目の用紙と1枚目の用紙の順序を誤ってセットした場合については、1枚目を読み取った後に1枚目に生成されるファイルのデータのサイズと、100dpiで設定された前回の画像の読み取り時におけるデータのサイズとの間において、差分があると判断する(S26において、YES)。すなわち、この場合、順序が異なると判断する。
【0050】
そうすると、差分のあった画像を表示し、処理を中断する(S27)。また、順序が異なる旨の表示およびその後の処理の内容について入力を促す旨の表示を行う。
【0051】
図12は、データのサイズに差分があった場合の操作部13の表示画面21の一例を示す図である。
図12を参照して、表示画面21には、「記憶データサイズと読み取った画像のデータのサイズとの間に差分があります。」とのメッセージ73aと、「処理を続行しますか?」との問い合わせのメッセージ73bと、「処理を続行」と表記され、押下により処理を続行する選択キー74aと、「処理を中止」と表記され、押下により処理を中止する選択キー74bとが表示されている。
【0052】
ユーザーは、上記したメッセージ73a、73bを確認する。ユーザーが、画像を読み取る順序を問わない場合等、処理を続行することを要望するのであれば、「処理を続行」の選択キー74aを押下する。選択キー74aの押下を検知すると、デジタル複合機11は、中止の指示がなかったものと判断する(S28において、NO)。そうすると、デジタル複合機11は、読み取った画像を基にファイルを生成する(S25)。
【0053】
一方、ユーザーが画像を読み取る順序にこだわる場合等、処理を続行することを望まないのであれば、「処理を中止」の選択キー74bを押下する。選択キー74bの押下を検知すると、デジタル複合機11は、中止の指示があったものと判断する(S28において、YES)。そうすると、デジタル複合機11は、処理を中止する。ユーザーは、必要に応じて、用紙を正しい順に並べて替えて、すなわち、解像度を設定した際の画像の順序となるように並べ替えて、再度画像の読み取りを行う。
【0054】
このような構成によれば、ユーザーの要求に応じた順序で画像を読み取らせることができるので、よりユーザーの要求に応じたファイルの生成をすることができる。
【0055】
また、上記の実施の形態においては、デジタル複合機11が、上記した構成を備えることとしたが、これに限らず、画像読み取り装置自体が、記憶部としてのハードディスク等を含む上記した構成を備えることとしてもよい。すなわち、この発明の他の実施形態に係る画像読み取り装置は、複数のページから構成される画像を読み取る読み取り部と、読み取り部によって読み取られた画像を基に画像データを生成する画像データ生成部と、読み取り部による画像の読み取りに先立って、生成される画像データとして許容される画像データのサイズである許容データサイズを入力させる入力部と、入力部により入力された許容データサイズを記憶する記憶部と、読み取り部によって読み取られた画像を基に生成される画像データの
解像度をページ毎に受け付ける受け付け部と、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全てのページ分の画像データのサイズの総計である全ページ分データサイズ総計が、記憶部により記憶された許容データサイズを超えているか否かを判断する判断部と、判断部によって、受け付け部により受け付けたページ毎の画像データの
解像度を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、記憶部により記憶された許容データサイズを超えていないと判断すれば、受け付け部により受け付けた画像データの
解像度で、再度読み取り部により複数のページから構成される画像を読み取り、画像データ生成部により画像データを生成するよう制御する制御部とを備える構成としてもよい。
【0056】
なお、上記の実施の形態において、参考となる解像度を一つ表示することとしたが、これに限らず、参考となる解像度を複数表示する構成としてもよいし、参考となる解像度を表示しない構成としてもよい。また、制御部は、判断部によって、受け付け部により受け付けた画像データの
解像度の変更を反映した場合の全ページ分データサイズ総計が、記憶部により記憶された許容データサイズを超えていると判断すれば、その旨を報知することとしたが、これに限らず、超えていると判断すれば、そのまま画像データの生成を行わない構成としてもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態において、解像度を変更する入力部を備える構成としたが、解像度に限らず、例えば、データのサイズを変更するものとして、フルカラー画像を白黒画像で読み取るといった読み取り方式を変更する入力部や、A4サイズの画像をA5サイズ、A6サイズといった縮小した画像で読み取る画像の大きさを変更する入力部を備える構成としてもよい。
【0058】
なお、上記の実施の形態においては、報知部は、表示画面によってデータのサイズ等を表示する構成としたが、これに限らず、例えば、音声にて報知することにしてもよいし、表示部による表示に加え、音声を発するよう構成してもよい。
【0059】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。