特許第6035302号(P6035302)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6035302溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置及び製品配置支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035302
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置及び製品配置支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20161121BHJP
   B25J 19/04 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   G06T1/00 300
   B25J19/04
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-205383(P2014-205383)
(22)【出願日】2014年10月6日
(65)【公開番号】特開2016-76052(P2016-76052A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2015年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 慶太
【審査官】 新井 則和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−079864(JP,A)
【文献】 特開2012−143844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00−7/60
B25J 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を配置する前の状態の定盤を前記定盤の上方の固定位置より撮影した第1の画像データに、前記製品を上方より見た鳥瞰画像データを重畳して、第2の画像データを生成する鳥瞰画像重畳部と、
前記第2の画像データをモニタに表示させるよう制御する表示制御部と、
前記製品を前記定盤上に配置する前の状態の前記定盤を前記固定位置より撮影した第1の静止画データのうち、前記鳥瞰画像データを重畳する領域を固定画像データに置換した第1の置換画像データと、前記製品を前記定盤上に配置した状態の前記定盤を前記固定位置より撮影した第2の静止画データのうち、前記鳥瞰画像データを重畳する領域を前記固定画像データに置換した第2の置換画像データとを生成する置換画像生成部と、
前記第1の置換画像データと前記第2の置換画像データとの差分値を生成する差分生成部と、
前記差分生成部が生成した差分値に基づいて、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されているか否かを判定する判定部と、
を備えることを特徴とする溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置。
【請求項2】
前記判定部によって前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていないと判定されたとき、オペレータに対して、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていない旨を報知する報知部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置。
【請求項3】
前記判定部によって前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていないと判定されたとき、前記報知部は、前記製品をジグで固定することを促すよう報知することを特徴とする請求項2記載の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置。
【請求項4】
前記鳥瞰画像重畳部が前記第1の画像データに重畳する前記鳥瞰画像データとして、ワイヤフレーム形式の鳥瞰画像データとサーフェス形式の鳥瞰画像データとを選択する鳥瞰画像選択部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置。
【請求項5】
製品を配置する前の状態の定盤を前記定盤の上方の固定位置より撮影した第1の画像データを生成し、
前記第1の画像データに前記製品を上方より見た鳥瞰画像データを重畳して、第2の画像データを生成し、
前記第2の画像データをモニタに表示し、
前記製品を前記定盤上に配置する前の状態の前記定盤を前記固定位置より撮影した第1の静止画データを生成し、
前記第1の静止画データのうち、前記鳥瞰画像データを重畳する領域を固定画像データに置換した第1の置換画像データを生成し、
前記製品を前記定盤上に配置した状態の前記定盤を前記固定位置より撮影した第2の静止画データを生成し、
前記第2の静止画データのうち、前記鳥瞰画像データを重畳する領域を前記固定画像データに置換した第2の置換画像データを生成し、
前記第1の置換画像データと前記第2の置換画像データとを比較し、
前記第1の置換画像データと前記第2の置換画像データとの比較結果に基づいて、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されているか否かを判定する
ことを特徴とする溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援方法。
【請求項6】
前記製品を溶接するために前記溶接ロボットを制御する溶接加工プログラムが示す溶接位置と、前記定盤上に配置された前記製品の実際の溶接位置とのずれ量が、前記溶接ロボットによる溶接位置を補正する補正プログラムによる補正可能範囲内であるとき、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていると判定し、前記ずれ量が、前記補正可能範囲内にないとき、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていないと判定することを特徴とする請求項5記載の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援方法。
【請求項7】
前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていないと判定したとき、オペレータに対して、前記定盤上の前記製品の位置の修正を促すよう報知することを特徴とする請求項5または6に記載の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援方法。
【請求項8】
前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていると判定したとき、オペレータに対して、前記製品をジグで固定することを促すよう報知することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接ロボットの定盤上に製品を位置決めするための、溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置及び製品配置支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶接ロボットを用いて製品を溶接する際には、溶接加工プログラムを用いて溶接加工を実行させる。溶接加工プログラムを用いて溶接加工を実行させる際には、製品を、溶接加工プログラムが示す定盤上の正確な位置に配置する必要がある。
【0003】
製品を定盤上の正確な位置に配置するために、オペレータは、複数のジグを、製品を位置決めするための基準として定盤上に配置する。オペレータは、製品をジグに突き当てるようにして定盤上に位置決めする。これによって、製品は定盤上の正確な位置に配置されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−79864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製品を溶接加工するロット数が多い場合には、製品を正確な位置に配置するためのジグを個々の製品に対応するように設計して製作すればよい。しかしながら、ロット数が少なく、多品種少量生産を行う場合には、製品ごとにジグを設計して製作することは困難である。
【0006】
多品種少量生産を行う場合には、複数の製品で汎用的に使用可能な簡易ジグが用いられる。ところが、簡易ジグを用いると、製品を定盤上の正確な位置に位置決めするのは容易ではない。そこで、製品を定盤上の正確な位置に容易に位置決めすることができる製品配置支援装置及び製品配置支援方法が望まれる。
【0007】
本発明はこのような要望に対応するため、製品を定盤上の正確な位置に容易に位置決めすることができる溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置及び製品配置支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、製品を配置する前の状態の定盤を前記定盤の上方の固定位置より撮影した第1の画像データに、前記製品を上方より見た鳥瞰画像データを重畳して、第2の画像データを生成する鳥瞰画像重畳部と、前記第2の画像データをモニタに表示させるよう制御する表示制御部と、前記製品を前記定盤上に配置する前の状態の前記定盤を前記固定位置より撮影した第1の静止画データのうち、前記鳥瞰画像データを重畳する領域を固定画像データに置換した第1の置換画像データと、前記製品を前記定盤上に配置した状態の前記定盤を前記固定位置より撮影した第2の静止画データのうち、前記鳥瞰画像データを重畳する領域を前記固定画像データに置換した第2の置換画像データとを生成する置換画像生成部と、前記第1の置換画像データと前記第2の置換画像データとの差分値を生成する差分生成部と、前記差分生成部が生成した差分値に基づいて、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されているか否かを判定する判定部とを備えることを特徴とする溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置を提供する。
【0009】
上記の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置において、前記判定部によって前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていないと判定されたとき、オペレータに対して、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていない旨を報知する報知部をさらに備えることが好ましい。
【0010】
上記の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置において、前記判定部によって前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていないと判定されたとき、前記報知部は、前記製品をジグで固定することを促すよう報知することが好ましい。
【0011】
上記の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置において、前記鳥瞰画像重畳部が前記第1の画像データに重畳する前記鳥瞰画像データとして、ワイヤフレーム形式の鳥瞰画像データとサーフェス形式の鳥瞰画像データとを選択する鳥瞰画像選択部をさらに備えることが好ましい。
【0012】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、前記製品を配置する前の状態の定盤を前記定盤の上方の固定位置より撮影した第1の画像データを生成し、前記第1の画像データに前記製品を上方より見た鳥瞰画像データを重畳して、第2の画像データを生成し、前記第2の画像データをモニタに表示し、前記製品を前記定盤上に配置する前の状態の前記定盤を前記固定位置より撮影した第1の静止画データを生成し、前記第1の静止画データのうち、前記鳥瞰画像データを重畳する領域を固定画像データに置換した第1の置換画像データを生成し、前記製品を前記定盤上に配置した状態の前記定盤を前記固定位置より撮影した第2の静止画データを生成し、前記第2の静止画データのうち、前記鳥瞰画像データを重畳する領域を前記固定画像データに置換した第2の置換画像データを生成し、前記第1の置換画像データと前記第2の置換画像データとを比較し、前記第1の置換画像データと前記第2の置換画像データとの比較結果に基づいて、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されているか否かを判定することを特徴とする溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援方法を提供する。
【0013】
上記の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援方法において、前記製品を溶接するために前記溶接ロボットを制御する溶接加工プログラムが示す溶接位置と、前記定盤上に配置された前記製品の実際の溶接位置とのずれ量が、前記溶接ロボットによる溶接位置を補正する補正プログラムによる補正可能範囲内であるとき、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていると判定し、前記ずれ量が、前記補正可能範囲内にないとき、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていないと判定することが好ましい。
【0014】
上記の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援方法において、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていないと判定したとき、オペレータに対して、前記定盤上の前記製品の位置の修正を促すよう報知することが好ましい。
【0015】
上記の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援方法において、前記製品が前記定盤上の定められた位置に配置されていると判定したとき、オペレータに対して、前記製品をジグで固定することを促すよう報知することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置及び製品配置支援方法によれば、製品を定盤上の正確な位置に容易に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施形態の製品配置支援装置を含む溶接ロボットシステムを示す図である。
図2図1中のNC装置12の機能的な内部構成例を示すブロック図である。
図3】モニタに表示され、カメラからの画像データに鳥瞰画像データが重畳されている状態の画像を示す図である。
図4】ワイヤフレーム形式の鳥瞰画像データとサーフェス形式の鳥瞰画像データとを示す図である。
図5】製品配置前の静止画データのうち、鳥瞰画像データを重畳する領域の画像データを白の画像データに置換した置換画像データを視覚的に示す図である。
図6】製品配置後の静止画データのうち、鳥瞰画像データを重畳する領域の画像データを白の画像データに置換した置換画像データを視覚的に示す図である。
図7】一実施形態の製品配置支援方法によって実行される製品配置支援手順を含み、溶接ロボットシステムで実行される製品の溶接加工手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、一実施形態の溶接ロボットにおける定盤上への製品配置支援装置及び製品配置支援方法について、添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、一実施形態の製品配置支援装置を含んで構成されている溶接ロボットシステムを示している。図1において、CAM11には、図示していないCADで作成されたCADデータファイルD10が入力される。CADデータファイルD10のCADデータは、製品の形状データを含む。
【0020】
CAM11は、溶接ヘッド22を後述する製品の撮影位置に移動するための移動プログラムを作成する。また、CAM11は、製品を溶接ロボット20によって溶接する際に用いる溶接加工プログラムを作成する。溶接加工プログラムは、製品の加工位置を示す座標情報を含む。
【0021】
CAM11は、CADデータ(製品の形状データ)に基づいて、製品を上方から見た鳥瞰画像を示す鳥瞰画像データを作成する。CAM11は、ワイヤフレーム形式の鳥瞰画像データと、サーフェス形式の鳥瞰画像データとの双方を作成することが好ましい。ワイヤフレーム形式の鳥瞰画像データ及びサーフェス形式の鳥瞰画像データについての詳細は後述する。
【0022】
NC装置12は、CADデータファイルD10と、CAM11によって作成された移動プログラム及び溶接加工プログラムと、鳥瞰画像データとを記憶部13に記憶させる。
【0023】
NC装置12は、記憶部13に記憶させた移動プログラム及び溶接加工プログラムを、それぞれ所定のタイミングで、溶接ロボット20を制御するロボット制御装置28に転送する。
【0024】
NC装置12が溶接ロボット20を直接制御してもよい。この場合、NC装置12は、記憶部13に記憶させた移動プログラム及び溶接加工プログラムを、それぞれ所定のタイミングで読み出す。
【0025】
NC装置12は、定盤27上に製品を配置する前に移動プログラムをロボット制御装置28に転送すればよい。NC装置12は、遅くとも製品の溶接を開始する前に溶接加工プログラムをロボット制御装置28に転送すればよい。
【0026】
NC装置12には、モニタ14と操作部15が接続されている。操作部15は、例えばキーボードとマウスを含む。オペレータは、操作部15を操作することによって、製品配置支援装置(溶接ロボットシステム)に対して各種の入力操作を行うことができる。
【0027】
溶接ロボット20は、多関節のロボット本体21を有する。ロボット本体21の先端部には、溶接ヘッド22が取り付けられている。溶接ヘッド22にはレーザ発振器23が接続されており、レーザ発振器23はレーザ光を溶接ヘッド22に供給する。
【0028】
溶接ヘッド22は、カメラ24を内蔵している。カメラ24は、溶接ヘッド22がレーザ光を射出する方向と同じ方向に向けられている。カメラ24を溶接ヘッド22の外側に取り付けてもよい。但し、カメラ24を溶接ヘッド22の内部に取り付ける方が好ましい。
【0029】
カメラ24を、溶接ロボット20を設置している建屋の天井等、溶接ロボット20の上方に設置してもよい。この場合には、カメラ24を、定盤27の全体を撮影することができる位置に設置することが必要である。
【0030】
ロボット本体21は、ロボット制御装置28による制御に基づいて、レール26上を移動するようになっている。レール26の側面近傍には、製品を配置する定盤27が設置されている。なお、レール26がない溶接ロボット20も存在する。この場合、ロボット本体21の位置は固定である。
【0031】
溶接ヘッド22が下に向けられていれば、カメラ24は定盤27や定盤27上に配置された製品を撮影する。カメラ24による撮影画像は、ロボット本体21に取り付けられたモニタ25に供給されて表示される。また、カメラ24による撮影画像はNC装置12に供給されて、モニタ14にも表示される。モニタ25を省略して、モニタ14のみとしてもよい。
【0032】
カメラ24は、オペレータが製品を定盤27上に配置して位置決めするまで定盤27または製品を撮影すればよい。溶接ロボット20が製品を溶接加工するときには、カメラ24は定盤27または製品を撮影しない。
【0033】
図2は、図1中のNC装置12の機能的な内部構成例を示している。図2に示すNC装置12は、本実施形態の製品配置支援装置を構成する。
【0034】
図2において、鳥瞰画像選択部121には、記憶部13より読み出されたワイヤフレーム形式の鳥瞰画像データまたはサーフェス形式の鳥瞰画像データが入力される。鳥瞰画像選択部121は、オペレータによる操作部15の入力操作に応じて、ワイヤフレーム形式の鳥瞰画像データと、サーフェス形式の鳥瞰画像データとを選択的に出力する。
【0035】
鳥瞰画像選択部121は、ワイヤフレーム形式の鳥瞰画像データが選択されたらワイヤフレーム形式の鳥瞰画像データを記憶部13より読み出し、サーフェス形式の鳥瞰画像データが選択されたらサーフェス形式の鳥瞰画像データを記憶部13より読み出せばよい。鳥瞰画像データは、鳥瞰画像重畳部122に入力される。
【0036】
移動プログラムがロボット制御装置28に転送されると、ロボット制御装置28は、溶接ヘッド22を移動プログラムに従って定盤27の上方の所定の位置へと移動させる。溶接ヘッド22は、所定の位置で固定される。カメラ24が定盤27の全体を撮影できる位置を所定の固定位置とすればよい。
【0037】
カメラ24は、定盤27を上方より撮影する。この時点では、定盤27上には製品が配置されていないため、カメラ24は製品が配置されていない状態の定盤27を撮影する。
【0038】
カメラ24が定盤27を撮影することによって生成した画像データは、鳥瞰画像重畳部122に入力される。鳥瞰画像重畳部122がカメラ24からの画像データに鳥瞰画像データを重畳しない状態では、鳥瞰画像重畳部122はカメラ24からの画像データをそのまま表示制御部123へと供給する。
【0039】
カメラ24が、製品が配置されていない状態で定盤27を撮影して生成した画像データを第1の画像データと称することとする。表示制御部123は、第1の画像データをモニタ14に表示させる。
【0040】
鳥瞰画像重畳部122は、操作部15によって、第1の画像データに鳥瞰画像データを重畳させる入力操作があったら、第1の画像データに鳥瞰画像データを重畳する。第1の画像データに鳥瞰画像データを重畳した画像データを第2の画像データと称することとする。鳥瞰画像重畳部122は、第2の画像データを表示制御部123へと供給する。
【0041】
溶接ヘッド22が固定された状態であるので、カメラ24の位置は固定である。即ち、カメラ24は定盤27を固定位置より定点撮影する。
【0042】
よって、モニタ14のピクセル座標と、カメラ24が撮影している実空間座標とを対応させることができる。溶接加工プログラムに含まれる製品の加工位置はワールド座標で指定されており、実空間座標と同じである。
【0043】
鳥瞰画像重畳部122は、製品の加工位置を示す座標情報に基づいて、鳥瞰画像データをモニタ14のどの位置に、どの大きさで表示すればよいかを計算することができる。
【0044】
表示制御部123は、第2の画像データをモニタ14に表示させる。図3は、モニタ14に第2の画像データが供給されて表示される画像の例を示している。
【0045】
図3に示すように、モニタ14には定盤27が表示されている。定盤27の画像上に、鳥瞰画像データに基づく鳥瞰画像300が表示されている。鳥瞰画像300は、定盤27上に、製品を配置する際の位置決めの基準となる。
【0046】
図3においては、鳥瞰画像300はワイヤフレーム形式で表示されている。ワイヤフレーム形式とは、図4の(a)に示すように、鳥瞰画像300を線分301で表現する形式である。図4の(b)に示すように、鳥瞰画像300を面302で表現する形式のサーフェス形式で表示してもよい。
【0047】
上記のように、オペレータは、操作部15を操作することによって、鳥瞰画像300をワイヤフレーム形式で表示するか、サーフェス形式で表示するかを選択することができる。
【0048】
鳥瞰画像300をワイヤフレーム形式とすれば、定盤27は鳥瞰画像300によってほとんど隠されないので、定盤27を確認しやすい。製品が成形や穴を含む場合には、ワイヤフレーム形式よりもサーフェス形式の方が、製品を定盤27上に配置する際に製品の向きを把握しやすいことがある。このような場合には、鳥瞰画像300をサーフェス形式とすればよい。
【0049】
モニタ14には、カメラ24からの画像データがリアルタイムで表示されている。モニタ14には、図3に示すように製品を配置する際の位置決めの基準となる鳥瞰画像300が表示されている。オペレータは、モニタ14を確認しながら、製品を鳥瞰画像300に一致させるように、定盤27上に配置すればよい。
【0050】
図2に戻り、静止画取り込み部124は、第1の画像データに基づいて、第1の静止画データを生成する。静止画取り込み部124は、連続的なフレームとして入力される第1の画像データをキャプチャして第1の静止画データを生成することができる。
【0051】
カメラ24が静止画データを生成し、静止画取り込み部124が、カメラ24が生成した静止画データを取り込むようにしてもよい。第1の静止画データは、カメラ24が生成した静止画データである場合を含む。
【0052】
置換画像生成部125には、第1の静止画データと鳥瞰画像データとが入力される。置換画像生成部125は、第1の静止画データのうち、鳥瞰画像データを重畳する領域の画像データを例えば白の画像データに置換する。
【0053】
図5は、第1の静止画データのうち、鳥瞰画像データを重畳する領域の画像データを白の画像データに置換した第1の置換画像データ410を視覚的に示している。第1の置換画像データ410はモニタ14に表示される画像データではないが、説明の都合上、第1の置換画像データ410を視覚的に説明することとする。
【0054】
図5に示すように、定盤27の鳥瞰画像データを重畳する領域(図3の鳥瞰画像300の領域)は、白画像400となっている。白の画像データは固定画像データの一例である。鳥瞰画像データを重畳する領域の画像データを、単一色の画像データに置換すればよい。単一色とは白または黒を含む任意の色である。
【0055】
図5に示す第1の置換画像データ410は、製品配置前の置換画像データである。図2に示すように、第1の置換画像データ410は、画像記憶部126に入力されて記憶される。
【0056】
オペレータが製品を定盤27上に配置した後、カメラ24が、製品が配置された状態で定盤27を撮影して生成した画像データを第3の画像データと称することとする。
【0057】
静止画取り込み部124は、第3の画像データに基づいて、第2の静止画データを生成する。同様に、第2の静止画データは、カメラ24が生成した静止画データである場合を含む。
【0058】
置換画像生成部125には、第2の静止画データと鳥瞰画像データとが入力される。置換画像生成部125は、第2の静止画データのうち、鳥瞰画像データを重畳する領域の画像データを例えば白の画像データに置換する。
【0059】
図6は、第2の静止画データのうち、鳥瞰画像データを重畳する領域の画像データを白の画像データに置換した第2の置換画像データ420を視覚的に示している。同様に、第2の置換画像データ420はモニタ14に表示される画像データではないが、説明の都合上、第2の置換画像データ420を視覚的に説明することとする。
【0060】
図6に示すように、定盤27の鳥瞰画像データを重畳する領域は、白画像400となっている。第1の置換画像データ410と第2の置換画像データ420とで用いる固定画像データは同じとすることが必要である。
【0061】
図6は、オペレータが、製品を鳥瞰画像300とずれた状態で定盤27上に配置した場合の第2の置換画像データ420を示している。製品の位置が鳥瞰画像300とずれていることから、第2の置換画像データ420は、ハッチングを付して示すように、白画像400からはみ出した製品の一部である、はみ出し画像405を含む。
【0062】
図6に示す第2の置換画像データ420は、製品配置後の置換画像データである。図2に示すように、第2の置換画像データ420は、画像記憶部126に入力されて記憶される。
【0063】
差分生成部127には、第1の置換画像データ410と第2の置換画像データ420とが入力される。差分生成部127には、第1の置換画像データ410と第2の置換画像データ420との差分値を生成する。
【0064】
具体的には、差分生成部127には、第1の置換画像データ410と第2の置換画像データ420との同じピクセル位置の画像データ(ピクセルデータ)のピクセル差分値を求める。そして、差分生成部127には、フレーム全体のピクセル差分値を積算して、積算値を第1の置換画像データ410と第2の置換画像データ420との差分値とする。
【0065】
オペレータが、製品を鳥瞰画像300と完全に一致させるように定盤27上に配置すれば、第1の置換画像データ410と第2の置換画像データ420とはほぼ同一となる。よって、個々のピクセル差分値はほぼ0であり、ピクセル差分値を積算した差分値は極めて小さい値となる。差分生成部127からは、極めて小さい値の差分値が出力される。
【0066】
オペレータが、図6のように製品を鳥瞰画像300とずれた状態で定盤27上に配置すれば、はみ出し画像405の部分で所定のピクセル差分値が生じる。よって、差分生成部127からは、比較的大きな値の差分値が出力される。
【0067】
差分生成部127によって生成された差分値は、判定部128に入力される。判定部128は、入力された差分値に基づいて、製品が定盤27上の定められた位置に配置されているか否かを判定する。
【0068】
具体的には、判定部128は、差分値と所定の閾値とを比較し、差分値が閾値以下であれば、製品の位置を“可”と判定する。判定部128は、差分値が閾値を超えていれば、製品の位置を“不可”と判定する。
【0069】
差分生成部127は、第1の置換画像データ410と第2の置換画像データ420との同じピクセル位置のピクセル差分値が所定の閾値を超えるピクセルを検出してもよい。このようにすれば、はみ出し画像405は白画像400に対して水平方向または垂直方向に何ピクセルのずれ量があるかが分かる。
【0070】
判定部128は、ずれ量が所定の閾値以下であれば、製品の位置を“可”と判定し、閾値を超えていれば、製品の位置を“不可”と判定すればよい。
【0071】
差分生成部127における差分の取り方、判定部128における判定の仕方は種々考えられ、以上説明した例に限定されるものではない。第1の置換画像データ410と第2の置換画像データ420とを比較し、比較結果に基づいて、製品の位置が“可”であるか“不可”であるかを判定すればよい。
【0072】
ところで、溶接ロボットシステムは、通常、溶接加工プログラムが示す溶接位置と、定盤27上に配置された製品の実際の溶接位置とが多少ずれていても、補正プログラムによって溶接位置を補正して溶接加工することができる。
【0073】
判定部128は、溶接加工プログラムが示す溶接位置と実際の溶接位置とのずれ量が、溶接ロボット20による溶接位置を補正する補正プログラムによる補正可能範囲内であれば“可”と判定すればよい。判定部128は、ずれ量が補正可能範囲内になければ“不可”と判定すればよい。
【0074】
判定部128は、判定結果を示す情報を表示制御部123に供給する。表示制御部123は、判定結果が“可”であれば、例えば、オペレータに、製品を簡易ジグで固定することを促す文字情報をモニタ14に表示させる。文字情報は、一例として、「製品が正しい位置に配置されました。製品をジグで固定してください。」のような文章である。
【0075】
表示制御部123は、判定結果が“不可”であれば、例えば、オペレータに、製品の位置が正しい位置ではないことを警告し、位置の修正を促す文字情報をモニタ14に表示させる。文字情報は、一例として、「製品が正しい位置に配置されていません。製品の位置を修正してください。」のような文章である。
【0076】
オペレータに、判定結果が“可”の状態と“不可”の状態とを、図示していないスピーカによって発生させる音で報知してもよい。オペレータに、判定結果をモニタ14に表示させる視覚的な情報と、スピーカより発生させる聴覚的な情報との双方で報知してもよい。
【0077】
表示制御部123及びモニタ14、または、スピーカ及びその駆動部は、製品が定盤27上の定められた位置に配置されていないと判定されたとき、オペレータに対して、製品が定盤27上の定められた位置に配置されていない旨を報知する報知部である。
【0078】
表示制御部123及びモニタ14、または、スピーカ及びその駆動部は、製品が定盤27上の定められた位置に配置されていると判定されたとき、オペレータに対して、製品をジグ(例えば簡易ジグ)で固定することを促すよう報知する報知部である。
【0079】
次に、図7に示すフローチャートを用いて、本実施形態の製品配置支援方法によって実行される製品配置支援手順と、溶接ロボットシステムで実行される製品の全体的な溶接加工手順を説明する。
【0080】
図7において、溶接ロボットシステムが動作を開始すると、CAM11は、ステップS01にて、溶接加工プログラムを作成する。CAM11は、ステップS02にて、CADデータに基づいて、製品の鳥瞰画像データを作成する。CAM11は、ステップS03にて、溶接ヘッド22の移動プログラムを作成する。
【0081】
ステップS01〜S03の順番は図7に示す順番に限定されず、いずれの順番でもよい。CAM11は、ステップS01〜S03を同時並行的に実行させてもよい。
【0082】
NC装置12は、ステップS04にて、移動プログラムを実行させる。これによって、溶接ヘッド22(カメラ24)は定盤27上方の固定位置に移動する。NC装置12は、ステップS05にて、カメラ24による撮影を開始する。モニタ14には、カメラ24からの画像データがリアルタイムで表示される。
【0083】
NC装置12は、溶接ヘッド22が移動を停止したら、カメラ24を起動させて撮影を開始させてもよいし、操作部15による撮影開始の入力操作があったら撮影を開始させてもよい。
【0084】
NC装置12は、ステップS06にて、第1の静止画データを取り込む。NC装置12は、ステップS07にて、第1の置換画像データを生成する。NC装置12は、ステップS08にて、第1の画像データに鳥瞰画像データを重畳して、第2の画像データを生成する。モニタ14には、図3に示すような第2の画像データが表示される。
【0085】
オペレータは、モニタ14を確認しながら、製品を鳥瞰画像300に一致させるように、定盤27上に配置する。製品の配置を完了したら、オペレータは、操作部15によって、製品の配置を完了したことを示す入力操作を行う。
【0086】
NC装置12は、ステップS09にて、製品の配置完了入力があったか否かを判定する。配置完了入力がなければ(NO)、NC装置12は、処理をステップS09に戻して、配置完了の入力を待つ。配置完了入力があれば(YES)、NC装置12は、処理をステップS10に移行させる。
【0087】
NC装置12は、ステップS10にて、第2の静止画データを取り込む。NC装置12は、ステップS11にて、第2の置換画像データを生成する。NC装置12は、ステップS12にて、第1の置換画像データと第2の置換画像データとを比較する。第1の置換画像データと第2の置換画像データとの比較とは、第1の置換画像データと第2の置換画像データとの差分値の生成であってよい。
【0088】
NC装置12は、ステップS13にて、製品が補正可能範囲内に配置されているか否かを判定する。製品が補正可能範囲内に配置されていれば(YES)、NC装置12は、ステップS14にて、製品を簡易ジグで固定するよう指示する。
【0089】
製品を簡易ジグで固定したら、NC装置12は、ステップS15にて、補正プログラムを実行させて、溶接加工位置を補正する。NC装置12は、ステップS16にて、溶接加工プログラムを実行させて、製品を溶接加工して終了する。
【0090】
一方、ステップS13にて製品が補正可能範囲内に配置されていなければ(NO)、NC装置12は、ステップS17にて、警告表示を実行させる。オペレータは、モニタ14を確認しながら、製品を鳥瞰画像300に一致させるように、位置を修正する。
【0091】
NC装置12は、ステップS18にて、製品の位置修正完了入力があったか否かを判定する。位置修正完了入力があれば(YES)、NC装置12は、処理をステップS13に戻す。位置修正完了入力がなければ(NO)、NC装置12は、処理を終了させる。
【0092】
以上のように、本実施形態の製品配置支援装置及び製品配置支援方法によれば、製品を定盤上の正確な位置に容易に位置決めすることができる。
【0093】
本実施形態の製品配置支援装置及び製品配置支援方法によれば、個々の製品に対応したジグを設計して製作する必要はない。本実施形態の製品配置支援装置及び製品配置支援方法によれば、簡易ジグを用いて、製品を定盤上の正確な位置に位置決めすることが可能となる。
【0094】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0095】
12 NC装置
14 モニタ(報知部)
20 溶接ロボット
24 カメラ
121 鳥瞰画像選択部
122 鳥瞰画像重畳部
123 表示制御部(報知部)
124 静止画取り込み部
125 置換画像生成部
126 画像記憶部
127 差分生成部
128 判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7