(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0010】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0011】
なお、以下の説明では、便宜上、プロジェクタが映像光を投射する方向を前方とし、その逆を後方とする。
【0012】
(実施の形態1)
以下、
図1〜
図6A、6Bを用いて、実施の形態1を説明する。
【0013】
[1−1.構成]
図1は、実施の形態1におけるプロジェクタ装置100を前方右上方向から見た斜視図である。
図2は、実施の形態1におけるプロジェクタ装置100を後方左上方向から見た斜視図である。
【0014】
図1、
図2に示すように、プロジェクタ装置100は、プロジェクタ110と、プロジェクタ支持台120と、を備える。
【0015】
プロジェクタ支持台120は、回動部103と、固定部104と、を備える。
【0016】
回動部103は、プロジェクタ110を回動可能に支持する一対のプロジェクタ支持部121L、121Rを有する。
【0017】
固定部104は、吸気口101と、排気口102と、を有し、回動部103を回動可能に支持する。
【0018】
プロジェクタ110は、外部から入力される映像信号を映像光に変換し、その映像光をスクリーン(図示せず)に向かって投射する。映像光が投射されたスクリーンには、映像信号に応じた映像が表示される。映像光は、プロジェクタ110の前面111に設けられた映像投射部105から投射される。なお、プロジェクタ110におけるこれらの機能およびこれらの機能を実現するための構成は、一般に用いられているプロジェクタと実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0019】
プロジェクタ装置100において、プロジェクタ110は、一対のプロジェクタ支持部121L、121Rに回動可能に支持されている。したがって、ユーザ(図示せず)は、プロジェクタ110から投射される映像光の投射方向を、上下方向に関して任意に調整することができる。また、プロジェクタ装置100において、回動部103は、固定部104に回動可能に支持されている。そのため、プロジェクタ支持部121L、121Rに支持されたプロジェクタ110も、回動部103の動きに合わせて回動する。したがって、ユーザは、プロジェクタ110から投射される映像光の投射方向を、左右方向に関して任意に調整することができる。すなわち、プロジェクタ装置100を使用するユーザは、これら上下左右の動きを組み合わせることで、プロジェクタ110から投射される映像光の投射方向を、任意の方向に設定することができる。
【0020】
なお、上述した左右方向とは、プロジェクタ支持台120が設置される設置面に対して水平方向のことであり、上述した上下方向とは、その設置面に対して垂直方向のことである。
【0021】
プロジェクタ支持台120は、外部の空気を吸気口101から取り込み、排気口102から外部に空気を排出するように構成されている。以下、この取り込まれた空気を「吸気」と呼ぶ。吸気口101から取り込まれた吸気は、プロジェクタ支持台120の内部を通ってプロジェクタ110に取り込まれ、プロジェクタ110の冷却に使用される。冷却に使用されて加熱された空気は、プロジェクタ110から排出される。以下、この排出される空気を「排気」と呼ぶ。プロジェクタ110から排出された排気は、プロジェクタ支持台120の内部を通り、排気口102から排出される。これらの構造の詳細は後述する。
【0022】
このように、プロジェクタ装置100では、プロジェクタ110の冷却に使用される空気は、プロジェクタ支持台120の固定部104に設けられた吸気口101から取り込まれ、プロジェクタ110から排出される排気は、固定部104に設けられた排気口102から排出される。
【0023】
プロジェクタ装置100では、回動部103が設置面に対して回動しても、固定部104は設置面に対して静止したままである。したがって、回動部103が回動しても、吸気口101および排気口102は設置面に対しての位置を変えず、吸気口101の吸気方向および排気口102の排気方向も変化しない。
【0024】
なお、プロジェクタ支持台120では、排気口102から排出される排気が吸気口101から取り込まれることを防止するために、吸気口101と排気口102とは互いに異なる位置に設けられることが望ましい。具体的には、吸気口101の吸気方向と排気口102の排気方向とが、互いに逆向き、またはねじれの位置になることが好ましい。
図1、
図2には、吸気口101と排気口102とが、固定部104上で対向する位置に設けられた例を示している。しかし、本実施の形態は、吸気口101と排気口102との設置位置を、何らこの例に限定するものではない。
【0025】
次に、プロジェクタ110について説明する。
【0026】
図3Aは、実施の形態1におけるプロジェクタ110の正面図である。
図3Bは、実施の形態1におけるプロジェクタ110の背面図である。
図3Cは、実施の形態1におけるプロジェクタ110の右側面図である。
図3Dは、実施の形態1におけるプロジェクタ110の左側面図である。
【0027】
図4Aは、実施の形態1におけるプロジェクタ装置100の右側面図である。
図4Bは、実施の形態1におけるプロジェクタ装置100の左側面図である。
【0028】
図3A〜3Dに示すように、プロジェクタ110は、映像光を投射するためのレンズを有する映像投射部105を前面111に備えている。また、プロジェクタ110は、プロジェクタ110を前方から見たときの右側面に取付部113Rを備え、左側面に取付部113Lを備えている。また、プロジェクタ110は、背面112等に映像信号入力端子やコンピュータ接続端子等を備えていてもよい。
【0029】
取付部113L、113Rは、円筒状に突出した形状を有し、プロジェクタ支持部121L、121Rに設けられた取付口(図示せず)に嵌合するように形成されている。その取付口に取付部113L、113Rが取り付けられたプロジェクタ110は、
図4A、4Bに示すように、取付部113L、113Rを回動軸として上下方向に回動する。
【0030】
また、プロジェクタ110は、
図3C、3Dに示すように、取付部113Rに吸気孔114を備え、取付部113Lに排気孔115を備えている。
【0031】
プロジェクタ110は、
図3Cに示すように、円筒状に形成された取付部113Rの中空部分を吸気孔114とする。そして、プロジェクタ110は、冷却用の空気(吸気)を、この吸気孔114から取り込むように構成されている。
【0032】
また、プロジェクタ110は、
図3Dに示すように、円筒状に形成された取付部113Lの中空部分を排気孔115とする。そして、プロジェクタ110は、冷却に使用した空気(排気)を、この排気孔115から排出するように構成されている。
【0033】
なお、プロジェクタ110は、取付部113Rに吸気孔114が形成され、取付部113Lに排気孔115が形成されている点を除き、空気を利用した冷却のための内部構造は、一般に用いられているプロジェクタと実質的に同じであるので、プロジェクタ110の内部構造に関する説明は省略する。
【0034】
[1−2.プロジェクタ支持台の内部構造]
次に、プロジェクタ支持台120の内部構造について説明する。
【0035】
図5A、5Bは、実施の形態1におけるプロジェクタ支持台120の断面図である。
図5Aには、
図4A、4BのA−A線断面図を示す。
【0036】
図6A、6Bは、実施の形態1におけるプロジェクタ支持台120の内部構造を示す分解斜視図である。
【0037】
なお、
図5A、
図6Aには、プロジェクタ支持部121Rの直下に吸気口101が位置し、プロジェクタ支持部121Lの直下に排気口102が位置するように回動部103が回動したときのプロジェクタ支持台120を示す。
【0038】
また、
図5B、
図6Bには、
図5A、
図6Aに示す状態から回動部103が半回転した(180度回動した)ときのプロジェクタ支持台120を示す。
【0039】
また、
図5A、5B、
図6A、6Bには、空気の流れを矢印で示す。
【0040】
各図面に示すように、固定部104は、吸気口101、第1の吸気通路122、第2の排気通路123、排気口102、回動軸124、を有する。回動部103は、プロジェクタ支持部121L、121R、吸気取込口125、第2の吸気通路126、吸気排出口127、排気取込口128、第1の排気通路129、排気排出口130、軸受131、を有する。
【0041】
回動軸124は、例えば
図6Aに示すように、固定部104の実質的に中央の位置に、円柱状に突出した形状で形成されている。軸受131は、回動部103の実質的に中央の位置に、円柱状の凹状に形成されている。そして、回動軸124と軸受131とは、互いに嵌合するように形成されている。回動軸124を軸受131に嵌め込むことで、回動部103は、固定部104に、回動可能に支持される。
【0042】
第1の吸気通路122は、
図6A、6Bに示すように、回動軸124の周囲に、上方が開放した溝状に形成されており、吸気口101とつながっている。
【0043】
回動部103は、固定部104に取り付けられたときに、吸気取込口125が第1の吸気通路122上に位置し(
図6A、6B)、吸気取込口125以外は第1の吸気通路122の上方(開放部分)を塞ぐように(
図5A、5B)、形成されている。また、回動部103は、回動部103が固定部104上を回動するとき、吸気取込口125が第1の吸気通路122に沿って第1の吸気通路122の上をスライドするように(
図6A、6B)、形成されている。
【0044】
吸気排出口127は、プロジェクタ支持部121Rの上方に位置し、プロジェクタ110の取付部113Rと嵌合するように形成されている(
図5A、5B)。すなわち、吸気排出口127は、プロジェクタ110の取付部113Rを取り付けるための取付口として、実質的に機能する。これは、プロジェクタ支持部121Rにおいて、取付口と吸気排出口127とは一体化されている、と言い換えることができる。
【0045】
そして、吸気取込口125と吸気排出口127とは、プロジェクタ支持部121Rの内部を通るように形成された第2の吸気通路126を通して互いにつながっている(
図5A〜6B)。
【0046】
本実施の形態におけるプロジェクタ支持台120では、回動部103と固定部104とがこのような構造を有する。これにより、吸気口101から取り込まれた吸気は、第1の吸気通路122を通過した後、吸気取込口125から取り込まれ、第2の吸気通路126を通過し、吸気排出口127から排出される。こうして吸気排出口127から排出された吸気が、プロジェクタ110の吸気孔114からプロジェクタ110に取り込まれ、プロジェクタ110の冷却に使用される。
【0047】
また、プロジェクタ支持台120では、回動部103が回動するとき、吸気取込口125は、第1の吸気通路122の上をスライドする。したがって、回動部103が回動しても、吸気取込口125は、第1の吸気通路122から常に吸気を取り込むことができる。そして、このとき、吸気口101の位置はプロジェクタ支持台120の設置面に対して、静止したままである。
【0048】
従来技術では、ユーザがプロジェクタの向きを変えたときに、吸気口が外部の熱発生源の方向を図らずも向いてしまい、その熱発生源で加熱された空気が吸気口から取り込まれてしまう、といった問題が発生する可能性があった。しかし、プロジェクタ支持台120では、上述したように、ユーザがプロジェクタ110の向きを変えても吸気口101は当初の設置位置から移動しないので、そのような問題の発生を防止できる。
【0049】
第2の排気通路123は、
図6A、6Bに示すように、第1の吸気通路122の外周に、上方が開放した溝状に形成されており、排気口102とつながっている。
【0050】
回動部103は、固定部104に取り付けられたときに、排気排出口130が第2の排気通路123上に位置し(
図6A、6B)、排気排出口130以外は第2の排気通路123の上方を塞ぐように(
図5A、5B)、形成されている。また、回動部103は、回動部103が固定部104上を回動するとき、排気排出口130が第2の排気通路123に沿って第2の排気通路123の上をスライドするように(
図6A、6B)、形成されている。
【0051】
排気取込口128は、プロジェクタ支持部121Lの上方に位置し、プロジェクタ110の取付部113Lと嵌合するように形成されている(
図5A、5B)。すなわち、排気取込口128は、プロジェクタ110の取付部113Lを取り付けるための取付口として、実質的に機能する。これは、プロジェクタ支持部121Lにおいて、取付口と排気取込口128とは一体化されている、と言い換えることができる。
【0052】
そして、排気取込口128と排気排出口130とは、プロジェクタ支持部121Lの内部を通るように形成された第1の排気通路129を通して互いにつながっている(
図5A〜6B)。
【0053】
本実施の形態におけるプロジェクタ支持台120では、回動部103と固定部104とがこのような構造を有する。これにより、プロジェクタ110の排気孔115から排出される排気は、排気取込口128から取り込まれ、第1の排気通路129を通過した後、排気排出口130から第2の排気通路123に排出される。そして、この排気は、第2の排気通路123を通過した後、排気口102から外部に排出される。プロジェクタ110から排出される排気は、このようにして排気口102から排出される。
【0054】
また、プロジェクタ支持台120では、回動部103が回動するとき、排気排出口130は、第2の排気通路123の上をスライドする。したがって、回動部103が回動しても、排気排出口130は、排気を常に第2の排気通路123に排出することができる。そして、このとき、排気口102の位置はプロジェクタ支持台120の設置面に対して、静止したままである。したがって、プロジェクタ支持台120では、ユーザがプロジェクタ110の向きを変えたときに、排気口102から排出される排気が誤って吸気口101から取り込まれる、といった問題の発生を防止できる。
【0055】
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、プロジェクタ装置は、取付部を有するプロジェクタと、その取付部でプロジェクタを支持するプロジェクタ支持台と、を備える。
【0056】
プロジェクタ支持台は、回動部と、固定部と、を備える。回動部は、プロジェクタの取付部を取り付け可能なプロジェクタ支持部を有する。固定部は、吸気口を有し、回動部を回動可能に支持する。また、固定部は、吸気口から取り込まれた吸気が通過する第1の吸気通路を有する。回動部は、第1の吸気通路を通過した吸気を取り込むため吸気取込口と、吸気取込口から取り込まれた吸気が通過する第2の吸気通路と、第2の吸気通路を通過した吸気をプロジェクタの吸気孔に排出する吸気排出口と、を有する。
【0057】
プロジェクタ支持台では、回動部が固定部に対して回動するとき、吸気取込口が、第1の吸気通路上をスライドしてもよい。
【0058】
プロジェクタは、取付部と吸気孔とが一体化されていてもよい。プロジェクタ支持台は、回動部において、プロジェクタ支持部と吸気排出口とが一体化されていてもよい。
【0059】
プロジェクタ支持台は、プロジェクタ支持部がプロジェクタを回動可能に支持してもよい。
【0060】
プロジェクタ支持台において、回動部は、プロジェクタの排気孔から排出される排気を取り込む排気取込口と、排気取込口から取り込まれた排気が通過する第1の排気通路と、第1の排気通路を通過した排気を排出する排気排出口と、を備えていてもよい。固定部は、排気排出口から排出される排気が通過する第2の排気通路と、第2の排気通路を通過した排気を排出する排気口と、を備えていてもよい。
【0061】
プロジェクタ支持台では、回動部が固定部に対して回動するとき、排気排出口が、第2の排気通路上をスライドしてもよい。
【0062】
プロジェクタは、一対の取付部を有し、一対の取付部の一方と吸気孔とが一体化され、一対の取付部の他方と排気孔とが一体化されていてもよい。プロジェクタ支持台は、回動部に一対のプロジェクタ支持部を有し、一対のプロジェクタ支持部の一方と吸気排出口とが一体化され、一対のプロジェクタ支持部の他方と排気取込口とが一体化されていてもよい。
【0063】
従来技術では、ユーザがプロジェクタの向きを変えたときに、吸気口が外部の熱発生源の方向を図らずも向いてしまい、その熱発生源で加熱された空気が吸気口から取り込まれてしまう、といった問題が発生する可能性があった。しかし、プロジェクタ支持台120では、上述したように、ユーザがプロジェクタ110の向きを変えても吸気口101は当初の設置位置から移動しない。これにより、そのような問題の発生を防止できる。
【0064】
なお、本実施の形態において、プロジェクタ装置100はプロジェクタ装置の一例である。プロジェクタ110はプロジェクタの一例である。プロジェクタ支持台120はプロジェクタ支持台の一例である。回動部103は回動部の一例である。固定部104は固定部の一例である。吸気口101は吸気口の一例である。第1の吸気通路122は第1の吸気通路の一例である。吸気取込口125は吸気取込口の一例である。第2の吸気通路126は第2の吸気通路の一例である。吸気排出口127は吸気排出口の一例である。プロジェクタ支持部121L、121Rはプロジェクタ支持部の一例である。取付部113L、113Rは取付部の一例である。吸気孔114は吸気孔の一例である。排気孔115は排気孔の一例である。排気取込口128は排気取込口の一例である。第1の排気通路129は第1の排気通路の一例である。排気排出口130は排気排出口の一例である。第2の排気通路123は第2の排気通路の一例である。排気口102は排気口の一例である。
【0065】
(実施の形態2)
実施の形態1では、プロジェクタ支持台120に排気口102を設ける構成を説明した。しかし、プロジェクタが排気口を備えていれば、プロジェクタ支持台に排気口を設けなくてもよい。本実施の形態では、プロジェクタ支持台が排気口を備えない構成を説明する。
【0066】
以下、
図7〜
図11を用いて、実施の形態2を説明する。
【0067】
[2−1.構成]
図7は、実施の形態2におけるプロジェクタ装置200を前方右上方向から見た斜視図である。
【0068】
図7に示すように、プロジェクタ装置200は、プロジェクタ210と、プロジェクタ支持台220と、を備える。
【0069】
プロジェクタ支持台220は、回動部203と、固定部204と、を備える。
【0070】
回動部203は、プロジェクタ210を回動可能に支持する一対のプロジェクタ支持部221L、221Rを有する。
【0071】
固定部204は、吸気口201を有し、回動部203を回動可能に支持する。
【0072】
図8Aは、実施の形態2におけるプロジェクタ210の正面図である。
図8Bは、実施の形態2におけるプロジェクタ210の背面図である。
図8Cは、実施の形態2におけるプロジェクタ210の右側面図である。
図8Dは、実施の形態2におけるプロジェクタ210の左側面図である。
【0073】
図9は、実施の形態2におけるプロジェクタ装置200の右側面図である。
【0074】
図8A〜8Dに示すように、プロジェクタ210は、映像投射部205と、排気口202と、を前面211に備えている。また、プロジェクタ210は、プロジェクタ210を前方から見たときの右側面に取付部213Rを備え、左側面に取付部213Lを備えている。また、取付部213Rには吸気孔214が設けられている。また、プロジェクタ210は、背面212等に映像信号入力端子やコンピュータ接続端子等を備えていてもよい。
【0075】
プロジェクタ210は、排気を外部に排出するための排気口202が前面211に設けられている点を除き、実施の形態1で説明したプロジェクタ110と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0076】
なお、排気口202は、例えば背面212等、前面211以外の場所に設けられていてもよい。
【0077】
[2−2.プロジェクタ支持台の内部構造]
次に、プロジェクタ支持台220の内部構造について説明する。
【0078】
図10A、10Bは、実施の形態2におけるプロジェクタ支持台220の断面図である。
図10Aには、
図9のA−A線断面図を示す。
【0079】
図11は、実施の形態2におけるプロジェクタ支持台220の内部構造を示す分解斜視図である。
【0080】
なお、
図10Aには、プロジェクタ支持部221Rの直下に吸気口201が位置するように回動部203が回動したときのプロジェクタ支持台220の断面図を示す。
【0081】
また、
図10Bには、
図10Aに示す状態から回動部203が半回転した(180度回動した)ときのプロジェクタ支持台220の断面図を示す。
【0082】
また、
図10A、10B、
図11には、空気の流れを矢印で示す。
【0083】
各図面に示すように、固定部204は、吸気口201、第1の吸気通路222、回動軸224、を有する。回動部203は、プロジェクタ支持部221L、221R、吸気取込口225、第2の吸気通路226、吸気排出口227、取付口228、軸受231、を有する。
【0084】
固定部204は、実施の形態1に示した固定部104と比較して、第2の排気通路、排気口、を備えていない。しかし、固定部204は、その点を除き固定部104と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0085】
また、回動部203は、実施の形態1に示した回動部103と比較して、排気取込口、第1の排気通路、排気排出口、を備えていない。ただし、排気取込口に代えて、プロジェクタの取付部213Lに嵌合するように形成された取付口228がプロジェクタ支持部221Lに形成されている。回動部203は、その点を除き回動部103と実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0086】
このように構成されたプロジェクタ支持台220では、実施の形態1に示したプロジェクタ支持台120と同様に、回動部203が回動するとき、吸気取込口225は、第1の吸気通路222の上をスライドする。したがって、回動部203が回動しても、吸気取込口225は、第1の吸気通路222から常に吸気を取り込むことができる。そして、このとき、吸気口201の位置はプロジェクタ支持台220の設置面に対して、静止したままである。
【0087】
したがって、プロジェクタ装置200においても、実施の形態1と同様に、ユーザがプロジェクタの向きを変えたときに、吸気口が外部の熱発生源の方向を図らずも向いてしまい、その熱発生源で加熱された空気が吸気口から取り込まれてしまう、といった問題が発生するのを防止できる。
【0088】
[2−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、プロジェクタ装置は、取付部を有するプロジェクタと、その取付部でプロジェクタを支持するプロジェクタ支持台と、を備える。
【0089】
プロジェクタ支持台は、回動部と、固定部と、を備える。回動部は、プロジェクタの取付部を取り付け可能なプロジェクタ支持部を有する。固定部は、吸気口を有し、回動部を回動可能に支持する。また、固定部は、吸気口から取り込まれた吸気が通過する第1の吸気通路を有する。回動部は、第1の吸気通路を通過した吸気を取り込むため吸気取込口と、吸気取込口から取り込まれた吸気が通過する第2の吸気通路と、第2の吸気通路を通過した吸気をプロジェクタの吸気孔に排出する吸気排出口と、を有する。
【0090】
これにより、プロジェクタ支持台220では、ユーザがプロジェクタ210の向きを変えても吸気口201は当初の設置位置から移動しない。したがって、ユーザがプロジェクタの向きを変えたときに、吸気口が外部の熱発生源の方向を図らずも向いてしまい、その熱発生源で加熱された空気が吸気口から取り込まれてしまう、といった問題が発生するのを防止できる。
【0091】
なお、本実施の形態において、プロジェクタ装置200はプロジェクタ装置の一例である。プロジェクタ210はプロジェクタの一例である。プロジェクタ支持台220はプロジェクタ支持台の一例である。回動部203は回動部の一例である。固定部204は固定部の一例である。吸気口201は吸気口の一例である。第1の吸気通路222は第1の吸気通路の一例である。吸気取込口225は吸気取込口の一例である。第2の吸気通路226は第2の吸気通路の一例である。吸気排出口227は吸気排出口の一例である。プロジェクタ支持部221L、221Rはプロジェクタ支持部の一例である。取付部213L、213Rは取付部の一例である。吸気孔214は吸気孔の一例である。
【0092】
(実施の形態3)
実施の形態1、2では、固定部の側面に吸気口を設ける構成を説明した。しかし、吸気口の設置位置は何ら固定部の側面に限定されない。本実施の形態では、固定部の側面以外の場所に吸気口を設ける構成を説明する。
【0093】
なお、本実施の形態では、実施の形態2と同様に、プロジェクタが排気口を備えており、プロジェクタ支持台に排気口を設けない構成を説明する。
【0094】
以下、
図12〜
図15を用いて、実施の形態3を説明する。
【0095】
[3−1.構成]
図12は、実施の形態3におけるプロジェクタ装置300を前方右上方向から見た斜視図である。
【0096】
図12に示すように、プロジェクタ装置300は、プロジェクタ210と、プロジェクタ支持台320と、を備える。
【0097】
このプロジェクタ210は、実施の形態2で示したプロジェクタ210と実質的に同じであるので、説明を省略する。
【0098】
プロジェクタ支持台320は、回動部303と、固定部304と、を備える。
【0099】
回動部303は、プロジェクタ210を回動可能に支持する一対のプロジェクタ支持部321L、321Rを有する。
【0100】
固定部304は、回動軸324と、吸気口301と、を有し、回動部303を回動可能に支持する。本実施の形態では、実施の形態1、2と異なり、回動軸324に吸気口301が設けられている。
【0101】
[3−2.プロジェクタ支持台の内部構造]
次に、プロジェクタ支持台320の内部構造について説明する。
【0102】
図13は、実施の形態3におけるプロジェクタ装置300の右側面図である。
【0103】
図14A、14Bは、実施の形態3におけるプロジェクタ支持台320の断面図である。
図14Aには、
図13のA−A線断面図を示す。
図14Bには、
図14Aに示す状態から回動部303が半回転した(180度回動した)ときのプロジェクタ支持台320の断面図を示す。
【0104】
図15は、実施の形態3におけるプロジェクタ支持台320の内部構造を示す分解斜視図である。
【0105】
また、
図14A、14B、
図15には、空気の流れを矢印で示す。
【0106】
各図面に示すように、固定部304は、吸気口301、第1の吸気通路322、回動軸324、を有する。回動部303は、プロジェクタ支持部321L、321R、吸気取込口325、第2の吸気通路326、吸気排出口327、取付口328、軸受331、を有する。
【0107】
回動軸324は、例えば
図15に示すように、固定部304の実質的に中央の位置に、円柱状に突出した形状で形成されている。軸受331は、回動部303の実質的に中央の位置に形成されている。そして、回動軸324と軸受331とは、互いに嵌合するように形成されている。回動軸324を軸受331に嵌め込むことで、回動部303は、固定部304に、回動可能に支持される。
【0108】
プロジェクタ支持台320においては、回動軸324を軸受331に嵌め込んだときに、回動軸324の上面が外部に露出するように、軸受331は貫通している。そして、回動軸324の、その露出する上面に、吸気口301が設けられている。
【0109】
第1の吸気通路322は、
図15に示すように、回動軸324の側面に、溝状に形成されており、吸気口301とつながっている。
【0110】
回動部303は、固定部304に取り付けられたときに、吸気取込口325が第1の吸気通路322上に位置し(
図14A、14B、
図15)、吸気取込口325以外は第1の吸気通路322の開放部分を塞ぐように(
図14A、14B)、形成されている。また、回動部303は、回動部303が固定部304上を回動するとき、吸気取込口325が第1の吸気通路322に沿って第1の吸気通路322の上をスライドするように(
図14A、14B、
図15)、形成されている。
【0111】
なお、厳密に言えば、本実施の形態に示す第1の吸気通路322は、側方が開放しており、吸気取込口325はこの開放領域に面するように形成され、回動部303が回動するとき、吸気取込口325は、この開放領域に沿ってスライドする。しかし、本実施の形態では、説明をわかりやすくするために、吸気取込口325は第1の吸気通路322上に位置し、第1の吸気通路322上をスライドする、と表記している。
【0112】
そして、吸気取込口325と吸気排出口327とは、プロジェクタ支持部321Rの内部を通るように形成された第2の吸気通路326を通して互いにつながっている(
図5A〜6B)。
【0113】
本実施の形態におけるプロジェクタ支持台320では、回動部303と固定部304とがこのような構造を有する。これにより、吸気口301から取り込まれた吸気は、第1の吸気通路322を通過した後、吸気取込口325から取り込まれ、第2の吸気通路326を通過し、吸気排出口327から排出される。こうして吸気排出口327から排出された吸気が、プロジェクタ210の吸気孔214からプロジェクタ210に取り込まれ、プロジェクタ210の冷却に使用される。
【0114】
また、プロジェクタ支持台320では、回動部303が回動するとき、吸気取込口325は、第1の吸気通路322の上をスライドする。したがって、回動部303が回動しても、吸気取込口325は、第1の吸気通路322から常に吸気を取り込むことができる。そして、このとき、吸気口301の位置は静止したままである。
【0115】
したがって、プロジェクタ装置300においても、実施の形態1、2と同様に、ユーザがプロジェクタの向きを変えたときに、吸気口が外部の熱発生源の方向を図らずも向いてしまい、その熱発生源で加熱された空気が吸気口から取り込まれてしまう、といった問題が発生するのを防止できる。
【0116】
また、プロジェクタ装置300では、映像投射部205が真下を向いて映像光を投射する、といった状況が発生する可能性は低いので、前面211に設けられた排気口202から排出される排気が吸気口301から取り込まれる可能性は低い。
【0117】
[3−3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、プロジェクタ装置は、取付部を有するプロジェクタと、その取付部でプロジェクタを支持するプロジェクタ支持台と、を備える。
【0118】
プロジェクタ支持台は、回動部と、固定部と、を備える。回動部は、プロジェクタの取付部を取り付け可能なプロジェクタ支持部を有する。固定部は、吸気口を有し、回動部を回動可能に支持する。また、固定部は、吸気口から取り込まれた吸気が通過する第1の吸気通路を有する。回動部は、第1の吸気通路を通過した吸気を取り込むため吸気取込口と、吸気取込口から取り込まれた吸気が通過する第2の吸気通路と、第2の吸気通路を通過した吸気をプロジェクタの吸気孔に排出する吸気排出口と、を有する。
【0119】
これにより、プロジェクタ支持台320では、ユーザがプロジェクタ210の向きを変えても吸気口301は当初の設置位置から移動しない。したがって、ユーザがプロジェクタの向きを変えたときに、吸気口が外部の熱発生源の方向を図らずも向いてしまい、その熱発生源で加熱された空気が吸気口から取り込まれてしまう、といった問題が発生するのを防止できる。
【0120】
なお、本実施の形態において、プロジェクタ装置300はプロジェクタ装置の一例である。プロジェクタ支持台320はプロジェクタ支持台の一例である。回動部303は回動部の一例である。固定部304は固定部の一例である。吸気口301は吸気口の一例である。第1の吸気通路322は第1の吸気通路の一例である。吸気取込口325は吸気取込口の一例である。第2の吸気通路326は第2の吸気通路の一例である。吸気排出口327は吸気排出口の一例である。プロジェクタ支持部321L、321Rはプロジェクタ支持部の一例である。
【0121】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜3を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1〜3で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0122】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0123】
実施の形態1〜3では、取付部と吸気孔とが一体化されたプロジェクタを示した。また、実施の形態1では、取付部と排気孔とが一体化されたプロジェクタを示した。そして、そのようなプロジェクタに対応するために、実施の形態1〜3では、取付口と吸気排出口とが一体化されたプロジェクタ支持台を示した。また、実施の形態1では、取付口と排気取込口とが一体化されたプロジェクタ支持台を示した。しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。取付部と吸気孔とが別々に設けられたプロジェクタ、または、取付部と排気孔とが別々に設けられたプロジェクタに対応するために、プロジェクタ支持台において取付口と吸気排出口とを別々に設けてもよく、取付口と排気取込口とを別々に設けてもよい。
【0124】
実施の形態1〜3では、前方から見て右側のプロジェクタ支持部に第2の吸気通路および吸気排出口を設けたプロジェクタ支持台を示した。しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、前方から見て左側の取付部に吸気孔を備えたプロジェクタに対応するために、プロジェクタ支持台において、前方から見て左側のプロジェクタ支持部に第2の吸気通路および吸気排出口を設けてもよい。そして、そのプロジェクタ支持台に、必要に応じて、前方から見て右側のプロジェクタ支持部に第1の排気通路および排気取込口を設けてもよい。
【0125】
実施の形態1では、回動軸の周囲に第1の吸気通路を設け、第1の吸気通路の外周に第2の排気通路を設けたプロジェクタ支持台を示した。しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、回動軸の周囲に第2の排気通路を設け、第2の排気通路の外周に第1の吸気通路を設けてもよい。その場合、回動部においては、第1の吸気通路と第2の排気通路の配置位置にもとづき、吸気取込口および排気排出口を設けるものとする。
【0126】
実施の形態1〜3では、プロジェクタ支持部が直方体の形状で形成されたプロジェクタ支持台を示した。しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。プロジェクタ支持部はプロジェクタを回動可能に支持できる形状であればよく、例えば円柱状等、他の形状であってもよい。
【0127】
実施の形態1〜3では、回動部と固定部とがそれぞれ円柱状の形状で形成されたプロジェクタ支持台を示した。しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。回動部と固定部とは、他の形状であってもよい。
【0128】
実施の形態1〜3では、円柱状に形成された回動軸を備えたプロジェクタ支持台を示した。しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。回動軸は、回動部を回動可能に支持できる形状であればよい。回動軸は、例えば半球状等、円柱状以外の形状であってもよい。
【0129】
実施の形態1〜3では、プロジェクタの取付部が凸状に形成され、プロジェクタ支持部の取付口が凹状に形成されたプロジェクタ装置を示したが、本開示は何らこの構成に限定されない。プロジェクタ装置において、プロジェクタの取付部が凹状に形成され、プロジェクタ支持部の取付口が凸状に形成されてもよい。
【0130】
本開示において、プロジェクタ支持部は、プロジェクタの回動範囲を制限するように構成されていてもよい。あるいは、プロジェクタ支持部は、プロジェクタを固定して支持する構成であってもよい。
【0131】
本開示において、プロジェクタ支持台は、回動部の回動範囲を制限するように構成されていてもよい。その場合、その回動範囲に合わせて第1の吸気通路または第2の排気通路が形成されてもよい。
【0132】
実施の形態3では、排気取込口、第1の排気通路、排気排出口、第2の排気通路、および排気口を備えないプロジェクタ支持台を示した。しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。実施の形態3に示したプロジェクタ支持台に、実施の形態1に示した排気取込口、第1の排気通路、排気排出口、第2の排気通路、および排気口と同様のものを設けてもよい。その場合、そのプロジェクタ支持台は、実施の形態1に示したプロジェクタ110と同じ構成のプロジェクタを搭載することができる。
【0133】
なお、本開示は、プロジェクタ支持台において吸気口から吸気を取り込む手段を、何ら限定するものではない。例えば、吸気口から吸気排出口までのいずれかの場所に吸引力を発生する装置(例えば、ファン等)を設けてもよく、もしくは、プロジェクタが備える空気を吸引する力を利用する構成であってもよい。これは、排気についても同様である。
【0134】
なお、本開示においては、実施の形態1〜3に示した吸気口と排気口の位置を互いに入れ替えた構成としてもよい。