特許第6035527号(P6035527)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035527
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】カードホルダ
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/18 20060101AFI20161121BHJP
   G09F 1/10 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   G09F3/18 A
   G09F1/10 H
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-96469(P2012-96469)
(22)【出願日】2012年4月20日
(65)【公開番号】特開2013-225001(P2013-225001A)
(43)【公開日】2013年10月31日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】白川 新二
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−145302(JP,U)
【文献】 特開2005−057971(JP,A)
【文献】 特開2001−161007(JP,A)
【文献】 特開平11−153958(JP,A)
【文献】 特開平08−163719(JP,A)
【文献】 特開2002−372912(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/094478(WO,A1)
【文献】 実開昭48−085597(JP,U)
【文献】 特開2005−134802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F1/00−5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器の名称を表示する表示ラベルを収納し、表面から該表示ラベルを視認可能としたカードホルダであって、
該カードホルダは、樹脂性の薄板を折り曲げて扁平筒状に一体形成され、かつ該表示ラベルの表面と相対する表面部と、該表面部の上下端部から該表示ラベルの裏面と相対する方向に折り返し形成された腕部とからなり、
該カードホルダの左右端部には、該表示ラベルの挿入口あるいは引抜口となる貫通口を有し、
該カードホルダの表面側端部近傍には切込み片が形成され、
該切込み片を、該カードホルダの最背面となる背面部に達するように折り込んだ状態において、該切込み片が腕部に係止され、前記貫通口の端部を封止するものとして、該切込み片に該表示ラベルの端部を当接させて該表示ラベルを保持する
ことを特徴とするカードホルダ。
【請求項2】
切込み片は、該表面部の端部近傍を山型形状に切り込んで形成され、
上下双方の該腕部を、山型の該切込み片の先端付近で突き合わせたことを特徴とする請求項1記載のカードホルダ。
【請求項3】
該切込み片と対峙する該腕部の端部に、内側折曲げ部を設けたことを特徴とする請求項2記載のカードホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器収納用箱のユニット、分電盤等に貼り付けされるカードホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数のユニットが取り付けられる電気機器収納用箱や、複数の分岐開閉器を有する分電盤では、通常、各ユニットや分岐開閉器の用途や名称等を表記した表示ラベルを保持するカードホルダを筐体内に貼付して、配線作業等における作業性の向上を図っている。
【0003】
カードホルダの構造として、従来、ホルダ本体に透明カバーを被せて、その間に表示ラベルを保持させるもの(特許文献1)や、筐体内に配置された中蓋等の基材に係止された透明カバー固定部材で透明カバーを挟みこんで固定して、基材と透明カバーとの間に形成される隙間に表示ラベルを保持させるもの(特許文献2)等が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1記載のカードホルダは、ホルダ本体にヒンジを介して透明カバーを開閉自在に一体に連設したものであり、特許文献2記載のカードホルダは、透明カバー固定部材に爪部を形成するとともに、基材に穴部を形成して、該爪部と該穴部とを係止するものであり、何れも、構成部品点数が多く、構造が複雑になる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08-146877号公報
【特許文献2】実公平5-26609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は前記の問題を解決し、従来のカードホルダに比べて、少ない部品点数で構成された簡易な構造のカードホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明のカードホルダは、電気機器の名称を表示する表示ラベルを収納し、表面から該表示ラベルを視認可能としたカードホルダであって、該カードホルダは、樹脂性の薄板を折り曲げて扁平筒状に一体形成され、かつ該表示ラベルの表面と相対する表面部と、該表面部の上下端部から該表示ラベルの裏面と相対する方向に折り返し形成された腕部とからなり、該カードホルダの左右端部には、該表示ラベルの挿入口あるいは引抜口となる貫通口を有し、該カードホルダの表面側端部近傍には切込み片が形成され、該切込み片を、該カードホルダの最背面となる背面部に達するように折り込んだ状態において、該切込み片が腕部に係止され、前記貫通口の端部を封止するものとして、該切込み片に該表示ラベルの端部を当接させて該表示ラベルを保持することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のカードホルダにおいて、該切込み片は、該表面部の端部近傍を山型形状に切り込んで形成され、該上下双方の腕部を、該山型切込み片の先端付近で突き合わせたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のカードホルダにおいて、該切込み片と対峙する該腕部の端部に、内側折曲げ部を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るカードホルダによれば、電気機器の名称を表示する表示ラベルを収納し、表面から該表示ラベルを視認可能としたカードホルダであって、該カードホルダは、樹脂性の薄板を折り曲げて扁平筒状に一体形成され、かつ該表示ラベルの表面と相対する表面部と、該表面部の上下端部から該表示ラベルの裏面と相対する方向に折り返し形成された腕部とからなり、該カードホルダの左右端部には、該表示ラベルの挿入口あるいは引抜口となる貫通口を有し、該カードホルダの表面側端部近傍には切込み片が形成され、該切込み片を、該カードホルダの最背面となる背面部に達するように折り込んだ状態において、該切込み片が腕部に係止され、前記貫通口の端部を封止するものとして、該切込み片に該表示ラベルの端部を当接させて該表示ラベルを保持する構成により、簡易な構造の一部材のみで表示ラベルを収納することができる。更に、表示ラベルの出し入れ作業も容易に行うことができ、かつ、収納された表示ラベルの脱落も効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】複数のユニットを搭載した光接続箱の全体説明図である。
図2】ユニットの全体斜視図である。
図3】本実施形態におけるカードホルダに表示ラベルを保持させた状態の全体斜視図である。
図4】本実施形態におけるカードホルダに表示ラベルを差し込み途中の全体斜視図である。
図5】切込み片をカードホルダの背面部に折り込む前の状態での要部拡大図である。(a:表面、b:裏面)
図6】切込み片をカードホルダの背面部に折り込んだ状態での要部拡大図である。(a:表面、b:裏面)
図7】他の実施形態におけるカードホルダの要部拡大図である。(切込み片をカードホルダの背面部に折り込む前の状態)
図8】他の実施形態におけるカードホルダの要部拡大図である。(切込み片をカードホルダの背面部に折り込む前の状態)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。本実施形態のカードホルダ1は、図1図2に示すように、スプライスユニットや融着トレイなど、複数のユニット2を搭載する光接続箱3の筐体内部で、各ユニット2の前面に貼付して使用される。
【0013】
カードホルダ1は、図3図4に示すように、透明な樹脂性の薄板を折り曲げて扁平筒状に一体形成され、内部に形成される空間に、電気機器の名称や用途や構造などを記載した表示ラベル5を収納し、表面部4から、カードホルダ1内に収納された表示ラベル5を視認可能としたものである。
【0014】
カードホルダ1は、図6に示すように、表示ラベル5の表面と相対する表面部4と、表面部4の上下端部から表示ラベル5の裏面と相対する方向に折り返し形成された腕部6とからなり、腕部6の裏面すなわちカードホルダ1の最背面となる背面部14に両面テープ等を取り付けてユニット前面に貼付することができる。
【0015】
カードホルダ1の左右端部には、表示ラベル5の挿入口あるいは引抜口となる貫通口7が形成されている。
【0016】
図5(a)に示すように、表示ラベル5の表面には、一方の貫通口7に隣接する箇所に切込み片8が形成されている。切込み片8は、表示ラベル5の表面で、上下に非切込み部9を残して三角形状の切込みを入れて形成されており、図6(b)に示すように、この切込み片8を、カードホルダ1の背面部14すなわち上下双方の腕部6の背面側に折り込んだ状態として貫通口7の端部を封止する構造となっている。
【0017】
上下双方の腕部6は、図5(b)、図6(b)に示すように、切込み片8の先端付近で突き合わせて配置されている。当該構造によれば、切込み片8を腕部6の背面部側に折り込む際、腕部6の突き合わせた部分を割り入れながら切込み片8を挿入することができるため、切込み片8の折り込み作業を容易に行うことができる。
【0018】
本実施形態では、切込み片8の折り込み作業を容易にするために、上下双方の腕部6を切込み片8の先端付近で突き合わせて配置したほか、図5図6に示すように、カードホルダ1の表面部4の少なくとも一方の端部に貫通口7よりも延設させた延設部11を設け、切込み片8の基端部8aが延設部11に位置するように切込みを形成している。つまり、切込み片8が上下双方の腕部6の貫通口7側の端部に跨るように形成しており、腕部6の背面側に切込み片8を折り込む際に、付き合わせた部分への割り入れが容易にできるようになるものである。
【0019】
その他、図7に示すように、切込み片8と対峙する腕部6の端部に三角形状の内側折曲げ部13を形成することもできる。このように、腕部6に内側折曲げ部13を形成しておくことにより、表示ラベル5をカードホルダ1内に収納した際に、内側折曲げ部13の先端部が表示ラベル5の裏面に当接し、表面部4に押圧するように保持されるため、表示ラベルが左右方向に摺動することを防止するものとなっている。更に、切込み片8をカードホルダ1の背面部14に折り込んだ際、切込み片8の基部を内側折曲げ部13内に収納することができるため、カードホルダ1の背面部14より外側への突出量を抑えることができ、ユニット2の前面に貼付時に切込み片8の突出が少なくなり貼り付けが容易となる。
【0020】
図6(b)のように、切込み片8を、カードホルダ1の背面部14に折り込んだ状態として貫通口7の端部を封止した状態において、他方の貫通口7からカードホルダ1の上下幅と略同一幅の表示ラベル5を挿入すると、図3に示すように、表示ラベル5の端部10が切込み片8の上下端部の基端部8aに当接して、表示ラベル5の落下が防止される。表示ラベル5が切込み片8の上下の基端部8a間より幅狭のものでは落下する虞があるので、表示ラベル5は上下の基端部8a間より幅広に形成していることが望ましい。このように構成することによって、簡易な構造の一部材のみで表示ラベル5を収納可能とするとともに、収納された表示ラベル5の脱落も効果的に防止することができる。更に、図8に示すように、切込み片8と対峙する腕部6の内側折曲げ部13の先端部を切欠き部12を形成するものであって良い。その場合は、切込み片8を腕部6の背面部14側に折り込みを容易に行えるようになる。
【0021】
なお、切込み片8の形状は三角形状に限定されるものではなく、円弧状や四角形状とすることもできる。また、表面部4の左右2か所に切込み片8を形成して、表示ラベル5の落下防止機能を強化することも可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 カードホルダ
2 ユニット
3 光接続箱
4 表面部
5 表示ラベル
6 腕部
7 貫通口
8 切込み片
8a 基端部
9 非切込み部
10 表示ラベルの端部
11 延設部
12 切欠き部
13 内側折曲げ部
14 背面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8