【文献】
Samsung,DFT-S-OFDM Structure for HARQ-ACK Transmission,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #62,2010年 8月23日,R1-104575
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
LTEのリリース8のPUCCHにおいて拡散符号によって拡散されたデータ信号を配置する第1の領域に、前記拡散符号と直交関係にある拡散符号を用いて拡散した参照信号を配置することを特徴とする移動局装置。
LTEのリリース8のPUCCHにおいて前記データ信号のための復調用参照信号を配置する第2の領域に、データ信号を配置することを特徴とする請求項1に記載の移動局装置。
LTEのリリース8のPUCCHにおいて前記データ信号を拡散する拡散符号として選択可能な符号の数よりも多くの数の拡散符号を、前記参照信号を拡散する符号として選択可能であることを特徴とする請求項1に記載の移動局装置。
LTEのリリース8のPUCCHにおいて周波数拡散に用いる拡散符号を指定する値と、時間拡散に用いる拡散符号を指定する値とを用いて、前記参照信号の時間拡散に用いる拡散符号を選択することを特徴とする請求項4に記載の移動局装置。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project;第3世代パートナーシッププロジェクト)で標準化が行なわれた無線通信システムであるLTE(Long Term Evolution;エルティーイー)リリース8(Rel-8)は、最大20MHzの帯域を利用して通信を行うことが可能である。
【0003】
LTEのアップリンク(移動局から基地局への通信)は、データを送信するためのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel;物理アップリンク共用チャネル)、基地局が移動局との間の伝搬路(チャネル)状態を把握するためのSRS(Sounding Reference Signal;サウンディング参照信号)、および制御情報を送信するためのPUCCH(Physical Uplink Control Channel;物理アップリンク制御チャネル)から構成される。リリース8では、移動局は、1送信タイミングで、上記の信号のうち、いずれか1つを送信する。
【0004】
PUCCHで送信する制御情報には、ダウンリンクで送信されるデータの送達確認信号であるACK/NACK信号を送信するフォーマット1aや、ダウンリンクのチャネル品質指標(Channel Quality Indicator:CQI)を送信するフォーマット2などがあり、非特許文献1で仕様化されている。
【0005】
フォーマット1aでは、1ビットのACK/NACK信号は、BPSK(Binary Phase Shift Keying)に変調された後、所定の系列に対して移動局毎に異なるサイクリックシフト(CS)が乗算された長さ12の系列によって、周波数領域で拡散される。この周波数領域で拡散された系列は、
図1に示す長さ4の直交カバーコード(OCC)と呼ばれる直交拡散符号によって時間領域で、さらに拡散される。この2次元の拡散によって得られた信号は、
図2に示すシステム帯域BWの両端の各スロットSl11、Sl12における白抜きのリソースエレメントに配置される。ただし、第2のスロットSl12では、第1のスロットとは異なる系列によって拡散が行なわれる他、移動局のインデックスによって、スロット内の信号すべてに90度の位相回転が与えられる。また、スロットSl11、Sl12に挟まれた領域Dには、スロットSl11、Sl12にPUCCHを配置した移動局とは異なる移動局が、PUSCHを配置する。
【0006】
一方、PUCCHが無線チャネルで受ける影響を補償するため、復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DMRS)も、
図2のスロットSl11、Sl12において斜線でハッチングされたリソースエレメント、すなわち各スロットSl11、Sl12の3から5OFDMシンボル目にて送信される。なお、復調用参照信号は、各スロットで制御情報を周波数拡散するために用いた系列を、
図3に示す長さ3のOCC(DMRS用のOCC)によって時間領域拡散したものである。このとき、制御情報を時間拡散するために用いたOCCのインデックスと、復調用参照信号を時間拡散するために用いたOCCのインデックスとは同じである。
【0007】
PUCCH用のサイクリックシフトとしては12個用意されており、OCCは3つ用意されているため、フォーマット1aでは、仕様上は12×3=36局の移動局が同一リソースを共有することができる。
【0008】
またフォーマット2では、所定ビット数のCQIを誤り訂正符号化することで20ビットとし、20ビットをQPSKに変調することで10シンボルとする。得られた10シンボルをそれぞれ、移動局毎に異なるサイクリックシフト(CS)が乗算された長さ12の系列によって周波数領域に拡散し、
図4の各スロットSl13、Sl14における白抜きの領域(リソースエレメント)に配置する。
【0009】
ここで、フォーマット2のDMRSは、長さ2のOCCを用いるのではなく、制御情報を周波数拡散するために用いた系列をコピーし、
図4のように各スロットの2OFDMシンボル目と、6OFDMシンボル目とに同じ系列を配置する仕様、つまり、常に「+1、+1」という符号が乗算される仕様となっている。
【0010】
PUCCH用のサイクリックシフトは12個用意されているため、フォーマット2では、サイクリックシフトによって、各移動局が送信するDMRSを分離することができる。つまり、仕様上は12局の移動局が同一リソースを共有することができる。さらに各スロットのDMRSに対して常に「+1、+1」を乗算するのではなく、通知情報に従って「+1、+1」あるいは「+1、−1」を乗算することで、DMRSの直交性を向上することも非特許文献2で提案されている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態における無線通信システム10の構成を示す概略ブロック図である。無線通信システム10は、本実施形態における送信装置である移動局装置(端末装置、UEともいう)100、200、本実施形態における受信装置である基地局装置300を含んで構成される。なお、
図5には、移動局装置を2つ示したが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。各移動局装置100、200は、同じリソースを共有してPUCCH(Physical Uplink Control Channel;物理アップリンク制御チャネル)を送信するものとする。ここで、リソースとは無線リソースとも言い、周波数と、時間とから構成される。すなわち、同じリソースを共有して送信するとは、同じ周波数を用いて、同じ時間に送信することである。
【0018】
図6は、本実施形態のアップリンクにおける送信フレーム構成の一例を示す図である。
図6より本実施形態における送信フレームの構成は、LTEのPUCCHフォーマット1aのサブフレーム構成である
図2と比較して、制御情報とDMRSの配置が逆になっている点のみが異なり、その他は同じである。すなわち、スロットSl1、Sl2の1、2、6、7OFDMシンボル目(第1の領域)にDMRSが配置され、3OFDMシンボル目から5OFDMシンボル目まで(第2の領域)に、制御情報の信号が配置される。
【0019】
図7は、移動局装置100の構成を示す概略ブロック図である。
図7は、移動局装置100の構成のうち、フォーマット1aの制御情報の送信に関連する構成を記載したものであり、その他の構成については図示を省略する。また、移動局装置200の構成は、移動局装置100の構成と同様であるので、ここでは説明を省略する。移動局装置100は、変調部101、周波数拡散部102、制御情報用時間拡散部103、DMRS用時間拡散部104、フレーム構成部105、位相回転部106、OFDM信号生成部107、送信アンテナ108、受信アンテナ109、制御情報受信部110、CS系列生成部111、DMRS用OCC生成部112、制御情報用OCC生成部113を含んで構成される。なお、
図7において送信アンテナ数は1であるが、複数の送信アンテナを備え、SORTD(Space Orthogonal Resource Transmit Diversity;空間直交リソース送信ダイバーシチ)のような送信ダイバーシチを行ってもよいし、異なる制御情報をそれぞれの送信アンテナから送信するようにしてもよい。
【0020】
u番目の移動局装置の制御情報である制御情報ビットcbは、変調部101に入力される。制御情報のうち、ダウンリンクのデータに対するACK/NACKは、PUCCHのフォーマット1aで送信される。なお、データを伝送する符号語(Code Word)各々に対するACK/NACKを送信する必要があるため、ダウンリンクで2つの符号語が空間多重されている場合は、制御情報ビットcbは2ビットとなり、符号語が1つのみの場合は、制御情報ビットcbは1ビットとなる。変調部101は、入力された1ビット、あるいは2ビットの制御情報ビットcbに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying;二位相偏移変調)シンボル、あるいはQPSK(Quaternary Phase Shift Keying;四位相偏移変調)シンボルへの変調を行い、1シンボルの変調シンボルd
u(データ信号)を生成する。生成したu番目の移動局装置の変調シンボルd
uは、周波数拡散部102に入力される。
【0021】
周波数拡散部102は、入力された変調シンボルd
uに対して、CS系列生成部111から入力される拡散符号であるCS系列c
u(n)(0≦n≦N
rb−1)を乗算することによって拡散し、拡散シンボル系列を生成する。ここでN
rbは、
図6におけるスロットSl1、Sl2の周波数方向の幅、すなわちサブキャリア数であり、LTEでは12が用いられているが、これに限定されない。
【0022】
受信アンテナ部109は、基地局装置300から送信された信号を受信する。受信アンテナ部109が受信した信号は、制御情報受信部110に入力される。制御情報受信部110は、入力された信号から、該信号により基地局装置300が送信した制御情報を抽出する。制御情報受信部110は、抽出した制御情報のうち、PUCCHの送信に用いるサイクリックシフト(CS)の値α
uに関する情報をCS系列生成部111に入力し、制御情報用のOCCインデックスを制御情報用OCC生成部113に入力し、DMRS用のOCCインデックスをDMRS用OCC生成部112に入力する。
【0023】
CS系列生成部111は、次式(1)に基づいてCS系列c
u(n)を生成する。
【0025】
ここで、jは虚数単位である。z(n)は、基地局装置300毎に決められた系列であるため、リソースを共有する移動局装置100、200で共通の系列である。ただしスロット毎に異なる系列が選択される。また、α
uは、u番目の移動局装置における、周波数領域でDMRSを直交させるための値である。基地局装置300は、このα
uとして、予め決められた12個の値の中から移動局装置100、200毎に異なる値を設定し、制御情報として移動局装置100、200に通知する。つまり、CS系列生成部111は、制御情報受信部110から入力されるCSの値α
uと、CS系列生成部111内に記憶してある系列z(n)からCS系列を生成する。ただしz(n)は、接続する基地局装置が変更される際に、変更されてもよい。CS系列生成部111で生成されたCS系列c
u(n)は、周波数拡散部102、およびDMRS用時間拡散部104に入力される。
【0026】
周波数拡散部102が生成した拡散シンボル系列は、制御情報用時間拡散部103に入力される。制御情報用時間拡散部103は、入力された拡散シンボル系列を構成するシンボル各々に対して、制御情報用OCC生成部113から入力される制御情報用OCCを用いて、時間領域への拡散を行なう。
【0027】
制御情報用OCC生成部113は、制御情報受信部110から、制御情報用のOCCインデックスが入力される。制御情報用OCC生成部113は、制御情報用のOCCインデックスと、長さ3のOCCとの対応付けを記憶している。制御情報用OCC生成部113は、この記憶している対応付けを参照し、入力された制御情報用のOCCインデックスと対応付けられている制御情報用OCCを選択し、制御情報用時間拡散部103に入力する。
【0028】
制御情報用のOCCを選択する際、従来のLTEでは、1スロット内の制御情報のシンボル区間数は
図2に示すように4であったため、
図1に示すテーブルを用いている。しかし、本実施形態のサブフレーム構成では、
図6に示すように、1スロット内の制御情報のシンボル区間数は3であるため、制御情報用OCC生成部113が記憶しているのは、OCCインデックスと、長さ3のOCCとの対応付けである
図3のテーブルである。なお、前述したように、
図3のテーブルは、LTEにおいてはDMRSの時間拡散に使用されている。
【0029】
CS系列生成部111から出力されるCS系列は、DMRS用時間拡散部104にも入力される。DMRS用時間拡散部104は、CS系列生成部11から入力されたCS系列を構成するシンボル各々に対して、DMRS用OCC生成部112から入力されるDMRS用OCCを用いて、時間領域への拡散を行なう。
【0030】
DMRS用OCC生成部112には、制御情報受信部110からDMRS用のOCCインデックスが入力される。DMRS用OCC生成部112は、DMRS用のOCCインデックスと、長さ4のOCCとの対応付けを記憶している。DMRS用OCC生成部112は、この記憶している対応付けを参照し、入力されたDMRS用のOCCインデックスと対応付けられているDMRS用OCCを選択し、DMRS用時間拡散部104に入力する。
【0031】
DMRS用のOCCを選択する際、従来のLTEでは、1スロット内のDMRSのシンボル区間数は
図2に示すように3であったため、
図3に示すテーブルを用いている。しかし、本実施形態のサブフレーム構成では、
図6に示すように、1スロット内のDMRSのシンボル区間数は4であるため、DMRS用OCC生成部112が記憶しているのは、OCCインデックスと、長さ4のOCCとの対応付けである
図8のテーブルである。ここで
図8のテーブルは、LTEにおいて制御情報の時間拡散に用いられている
図1のテーブルにインデックス3が加えられたものである。従来のテーブルである
図1は、DMRS用のOCCのインデックス数が3であったため、インデックス3は用いられていなかったが、本実施形態ではDMRSの直交性を向上させるため、インデックス3を用いる。
【0032】
従来のLTEでは、制御情報とDMRSは、互いに直交関係にないOCCが適用されるため、符号多重することはできなかった。しかし、本実施形態のようなフレーム構成およびOCCとすることで、従来のLTEのDMRSと、本実施形態の制御情報とは、同じリソースエレメントに配置されるが、これらのOCCが直交関係にあるため、符号多重することが可能となる。同様に、従来のLTEの制御情報と、本実施形態のDMRSとも符号多重することが可能となる。なお、CS系列は、従来のLTEと同様12種類であるが、DMRS用のOCCのインデックス数は、従来のLTEの3と異なり、4であるので、DMRSの直交性を向上させることができる。
【0033】
制御情報用時間拡散部103による拡散結果と、DMRS用時間拡散部104による拡散結果とは、フレーム構成部105に入力される。フレーム構成部105は、制御情報用時間拡散部103による拡散結果とDMRS用時間拡散部104による拡散結果とを用いて第1のスロットを構成し、さらに第1のスロットと同様の処理で生成したものを第2のスロットに配置する。
【0034】
フレーム構成部105の出力(第1のスロット、第2のスロット)は位相回転部106に入力される。位相回転部106は、移動局装置のインデックスuを用いて生成される値を2で除算した余りが0の時、第2のスロットの制御情報が配置されたリソースエレメント(RE、サブキャリアとも呼ぶ)に対して、90度の位相回転を与える。位相回転部106は、第1のスロットと、位相回転を与えた第2のスロットとからなるフレームの信号を、OFDM信号生成部107に入力する。
【0035】
OFDM信号生成部107は、入力されたフレームの信号をOFDM信号に変換した後にD/A変換する。さらに、OFDM信号生成部107は、このD/A変換により生成したアナログ信号に対して、アップコンバージョンや電力増幅などのアナログ処理をした後、送受信アンテナ108から無線送信する。
【0036】
図9は、OFDM信号生成部107の構成を示す概略ブロック図である。OFDM信号生成部107は、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform;逆高速フーリエ変換)部171、CP付加部172、D/A変換部173、アナログ送信処理部174を含んで構成される。
【0037】
位相回転部106が出力したフレームの信号は、IFFT部171に入力される。IFFT部171は、入力されたフレームの信号に対して、システム帯域全体を対象としたポイント数で、逆高速フーリエ変換を行う。例えば、システム帯域が2048サブキャリアからなるときは、2048ポイントで逆高速フーリエ変換を行う。なお、オーバーサンプリングを行う場合、サブキャリア数の定数倍のポイント数(例えば4096)の逆高速フーリエ変換を用いてもよい。IFFT部171による変換結果は、CP付加部172に入力される。
【0038】
CP(Cyclic Prefix;サイクリックプレフィックス)付加部172は、IFFT部161による変換結果に対して、OFDMシンボル単位にその波形の後方の一部をコピーし、該OFDMシンボルの前方に付加する処理を行い、OFDM信号を生成する。OFDMシンボルの前方に付加される、波形の後方の一部のコピーをサイクリックプレフィックス(CP)という。このCPを付加することで、伝搬路における遅延波の影響を抑えることができる。D/A変換部173は、CP付加部172が生成したOFDM信号を、D/A(Digital-to-Analog)変換して、アナログ信号に変換する。アナログ送信処理部174は、D/A変換部163が変換したアナログ信号に対して、アナログフィルタリング、電力増幅、アップコンバージョン等のアナログ処理を行う。
【0039】
移動局装置100、200の送信アンテナ107から送信された信号は、無線伝搬路を経由して基地局装置300のN
r本の受信アンテナで受信される。
図10は、本実施形態における基地局装置300の構成を示す概略ブロック図である。
図10は、基地局装置300の構成のうち、フォーマット1aの制御情報の受信に関連する構成を記載したものであり、その他の構成については図示を省略する。基地局装置300は、N
r本の受信アンテナ301−1〜301−N
r、N
r個のOFDM信号受信部302−1〜302−N
r、U個の移動局用信号処理部310−1〜310−Uを含んで構成される。U個の移動局用信号処理部310−1〜310−Uの各々は、N
r個のDMRS分離部303−1〜303−N
r、チャネル推定部304、重み生成部305、N
r個の時間逆拡散部306−1〜306−N
r、等化部307、復調部308を含んで構成される。なお、移動局用信号処理部310−1〜310−Uは、それぞれが特定の移動局装置が送信した制御情報ビットを検出する処理をする。
【0040】
受信アンテナ301−1〜301−N
rの各々が受信した信号は、OFDM信号受信部302−1〜302−N
rのうち、枝番が対応するものに入力される。OFDM信号受信部302−1〜302−N
rの各々は、入力された信号を、ベースバンド周波数にダウンコンバートした後、A/D変換およびCP除去を行う。OFDM信号受信部302−1〜302−N
rの各々は、これらの処理結果を、移動局用信号処理部310−1〜310−Uに入力する。移動局用信号処理部310−1〜310−Uの各々では、OFDM信号受信部302−1〜302−N
rの各々の処理結果は、DMRS分離部303−1〜303−N
rのうち、枝番が対応するものに入力される。
【0041】
DMRS分離部303−1〜303−N
rの各々は、OFDM信号受信部302−1〜302−N
rのうち、枝番が対応するものから入力された信号を、受信DMRSと、受信制御信号とに分離する。ここで、DMRS分離部303−1〜303−N
rの各々は、検出対象となっている制御情報の送信元が用いたフレーム構成において、DMRSが配置される領域の信号を受信DMRSとして、分離する。同様に、該フレーム構成において制御情報が配置される領域の信号を受信制御信号として、分離する。DMRS分離部303−1〜303−N
rの各々は、分離した受信DMRSを、チャネル推定部304に入力し、受信制御信号を時間逆拡散部306−1〜306−N
rのうち、枝番が対応するものに入力する。
【0042】
なお、送信元が、移動局装置100、200であれば、これらの装置は、
図6に示すフレーム構成を用いるので、DMRS分離部303−1〜303−N
rは、
図6に示すフレーム構成に従い、受信DMRSと受信制御信号の分離を行う。また、送信元が、従来のLTEに準拠した移動局装置であれば、これらの装置は、
図2に示すフレーム構成を用いるので、DMRS分離部303−1〜303−N
rは、
図2に示すフレーム構成に従い、受信DMRSと受信制御信号の分離を行う。
【0043】
時間逆拡散部306−1〜306−N
r各々は、入力された受信制御信号に対して、
図7の制御情報用時間拡散部103による時間拡散の逆処理を行う。時間逆拡散部306−1〜306−N
r各々は、逆処理の結果を等化部307に入力する。
【0044】
チャネル推定部304は、入力された受信DMRSを用いて受信アンテナ301−1〜301−N
r各々と移動局装置100、200の送信アンテナ108各々との間のチャネル状態を推定し、得られたチャネル推定値を重み生成部305に入力する。重み生成部305は、入力されたチャネル推定値を用いて、等化重みを生成し、等化部307に入力する。等化重みの算出法については後述する。
【0045】
等化部307は、時間逆拡散部306−1〜306−N
rから入力された信号に対して、重み生成部305が生成した等化重みを乗じて、等化処理を行い、等化処理結果を等化後の受信信号として復調部308に入力する。なお、等化部307は、等化処理の際に、
図7の周波数拡散部102による周波数拡散の逆処理も同時に行う。復調部308は、
図7の変調部101が用いた変調方式(BPSKあるいはQPSK)に基づいて、等化後の受信信号が示すビットを推定し、送信された制御情報ビットcb’として出力する。
【0046】
ここで重み生成部305について説明を行う。時間逆拡散後の第n受信アンテナ301−nにおける第kサブキャリアの受信信号r
n(k)は次式(2)で表わされる。
【0048】
ここで、d
uは、制御情報用のOCCインデックスが同じであるU個の移動局装置のうち、u番目の移動局装置100における変調部101(
図7)が生成した変調シンボルである。c
u(k)は、u番目の移動局装置100におけるCS系列生成部111(
図7)が生成したCS系列の第kサブキャリアにおける値である。H
n,u(k)は、u番目の移動局装置100の送信アンテナ108と、基地局装置300のn番目の受信アンテナ301−nとの間の第kサブキャリアの伝搬路特性である。Π
n(k)は、基地局装置300のn番目の受信アンテナ301−nの第kサブキャリアにおける雑音である。式(3)を用いると、式(2)は式(4)のように変形できる。
【0050】
さらに式(4)は、式(5)とおくと、次式(6)のように変形できる。
【0052】
式(6)は、送信アンテナU本、受信アンテナN
rN
rb本のMIMOチャネルと考えると、従来のMMSE重みと同様の導出を行うことができる。したがって重みは、次式(7)で与えられる。
【0054】
ここでI
NrNrbは、N
rN
rb×N
rN
rbの単位行列である。式(7)はN
rN
rb×N
rN
rbの逆行列演算が必要となるため回路規模が膨大となる。例えばN
r=2、N
rb=12の場合、24×24の逆行列演算が必要となる。また、本実施形態では、信号が周波数拡散、かつ受信アンテナダイバーシチされることのみを考慮しているため、N
rN
rb×N
rN
rbの逆行列演算となるが、実際には3または4のOFDMシンボルに渡って、かつ、2つのスロットに渡って拡散されて受信される。そこで、数式を拡張して、8N
rN
rb×8N
rN
rbの逆行列演算を行うことも可能であるが、計算量が膨大となる。そこで逆行列の補助定理より計算量を削減することを考える。逆行列の補助定理より、式(8)が与えられるとき、式(9)が成り立つ。
【0056】
ここで、式(10)と置くと、式(7)は次式(11)のように変形できる。
【0058】
さらに、式(12)と置くと、式(11)は次式(13)のように変形できる。
【0060】
さらに、式(12)より、式(14)であり、式(14)を式(13)に代入することで次式(15)を得ることができる。重み生成部305は、この式(15)により重みwを算出する。
【0062】
この式(15)を用いることで、逆行列演算はU行U列に対して行えばよいことになる。通常、一つの制御情報用のOCCインデックスを共有する移動局装置数は多くて6程度であるので、24×24の逆行列演算から6×6の逆行列演算に、大幅に計算量を削減できる。
【0063】
図11は、OFDM信号受信部302の構成を示す概略ブロック図である。OFDM信号受信部302−1〜302−N
rは、同様の構成を有する。ここでは、これらを代表してOFDM信号受信部302として説明する。OFDM信号受信部302は、アナログ受信処理部321、A/D変換部322、CP除去部323、FFT部324を含んで構成される。
【0064】
アナログ受信処理部321は、OFDM信号受信部302に入力された信号に対して、ダウンコンバージョン、アナログフィルタリング、AGC(Auto Gain Controll)等のアナログ処理を行なう。アナログ受信処理部321による処理結果の信号は、A/D変換部322に入力される。A/D変換部322は、入力された信号に対して、A/D(Analog-to-Digital)変換を行い、ディジタル信号に変換する。A/D変換部322は、変換したディジタル信号を、CP除去部323に入力する。
【0065】
CP除去部323は、入力されたディジタル信号から、送信側で付加されたCPを除去する。CP除去部323は、CPを除去した信号を、FFT部324に入力する。FFT部324は、CP除去部323から入力された信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号への変換を行う。FFT部324は、変換した周波数領域の信号を、OFDM信号受信部302の出力として、DMRS分離部303−1〜303−N
rのうち対応するものに入力する。
【0066】
このように、本実施形態によれば、従来のLTEのサブフレーム構成において、DMRSが送信されているOFDMシンボルにおいて制御情報を送信し、従来のLTEのサブフレーム構成において、制御情報が送信されているOFDMシンボルにおいてDMRSを送信する。従来のLTEでは、1サブフレーム内でDMRSより制御情報に多くのシンボルを送信しているため、本実施形態では、DMRSの送信OFDMシンボル数は従来のLTEよりも多くなる。
【0067】
この結果、本実施形態では、DMRSの時間拡散に用いるOCCのインデックス数を増加させることができるため、移動局装置間のDMRSの直交性が向上する。DMRSの直交性の向上は、DMRSによるチャネル推定精度の向上によるBER(Bit Error Rate;ビット誤り率)特性の改善につながり、従来よりも多くの移動局装置を同一リソース内に収容できることになる。同一リソースに多くの移動局装置の制御信号を多重することで、PUSCHの帯域を圧迫することがなくなるため、セルスループットを増加させることができる。
【0068】
また等化の際の重みには、拡散された信号を受信するサブキャリアを受信アンテナとしてMMSE重みを算出している。無線通信では複数受信アンテナを用いれば、(受信アンテナ数−1)の干渉を除去できる。したがって本実施形態のように、サブキャリアを受信アンテナと見なすことで、単に受信アンテナだけを用いるよりも、サブキャリア数倍の干渉を除去できることになる。この結果、多くの移動局の制御信号が多重されて受信される基地局において、移動局装置間の干渉を十分に抑圧することができる。また重みは逆行列の補助定理を用いて逆行列演算の対象となる行列のサイズを変更することで計算量を削減することができる。
【0069】
また、従来のLTEのサブフレーム構成との間でも、直交性を有しているので、従来のLTEのサブフレームを用いて送信する移動局装置と、本実施形態における移動局装置100、200とが同一のリソースを用いてPUCCHを送信しても、基地局装置300はこれらを分離することができる。
[第2の実施の形態]
第1の実施形態によって、DMRSにおけるOCCのインデックス数を、従来のLTEの3から4へ増加させることができる。加えて12種類のCS系列が存在するため、4×12=48の直交符号を生成することができる。したがって、仕様上、同一リソースで48個の移動局装置のDMRSを同一リソースに多重することができる。
【0070】
しかしながら、制御情報のOCCのインデックス数は3のままであるため、制御情報の最大多重数は36のままである。つまり48局中24局は異なるOCCとCS系列の組み合わせを割り当てることができるが、残りの24局は自局以外の移動局と同じOCCとCS系列の組み合わせを割り当てられてしまうことになる。
【0071】
また、従来のLTEでは、基地局は、3つのOCCインデックス、および12種類のCS系列の36パターンから1つを選択し、各移動局に通知すればよかったが、第1の実施形態のように48パターンに拡張するため、OCCのインデックス数を4とすると、各移動局への通知情報が増加してしまうという問題がある。
【0072】
そこで本実施形態では、制御情報におけるOCCとCSの組み合わせを考慮すると、DMRSにおけるOCCとCSの組み合わせのすべてを使用できないことに着目し、従来のLTEと同様の通知情報で、従来のシステム(LTE)よりも良好な伝送特性を得る方法について説明する。本実施形態における無線通信システム10aは、基地局装置300と、移動局装置100a、200aを含んで構成される。
【0073】
図12は、本実施形態における移動局装置100aの構成を示す概略ブロック図である。
図12は、移動局装置100aの構成のうち、フォーマット1aの制御情報の送信に関連する構成を記載したものであり、その他の構成については図示を省略する。また、移動局装置200aの構成は、移動局装置100aの構成と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0074】
移動局装置100aの構成は、
図7に示した移動局装置100とほぼ同様であるが、DMRS用OCC生成部112に変えてDMRS用OCC生成部112aを有する点と、制御情報受信部110に変えて制御情報受信部110aを有する点が異なる。なお、DMRS用OCC生成部112aには、制御情報受信部110aから、制御情報用とDMRS用とで共通のOCCインデックスと、CSの値α
uとが入力される。また、制御情報用OCC生成部113には、制御情報受信部110aから、制御情報用とDMRS用とで共通のOCCインデックスが入力される。
【0075】
本実施形態において、基地局装置300から通知されるCSの値α
u、およびOCCインデックスの種類は、従来のLTEシステムと変わらない。つまり基地局装置300からの通知情報量は変わらない。ただし、DMRS用OCC生成部112aが記憶しているテーブルは、第1の実施形態と同様、
図8のようにインデックス数は4である。この点について説明を行う。
【0076】
前述の通り、制御情報の直交符号は、12種類のCS、および3種類のOCCの組み合わせによる36パターンが考えられるが、DMRSの直交符号としては、12種類のCS、および4種類のOCCの組み合わせによる48パターンが考えられる。そこで、1つのリソースに48局の移動局装置を収容するのではなく、36局に対して、直交性を最大限高めるようにする。
【0077】
図13は、従来のLTEにおいて割り当て可能なOCCインデックスとCSの値α
uの組み合わせを示す図である。割り当て可能な直交符号の組み合わせはハッチングされている。
図13に示すように、従来のLTEでは、すべての組み合わせのパターンが割り当て可能となっている。
【0078】
一方、
図14は、本実施形態における割り当て可能なOCCインデックスとCSの値α
uの組み合わせを示す図である。
図14においても、割り当て可能な直交符号の組み合わせはハッチングされている。
図14に示すように、すべてのパターンが割り当て可能となっているわけではなく、割り当て不可能な組み合わせが存在する。基地局装置300からは通知されるOCCインデックスは0から2の3種類であるが、CSとの組み合わせによっては割り当て不可能とする。すなわち、OCCインデックスが0のときは、CSの値α
uは、3、7、11が割り当て不可能となっている。また、OCCインデックスが1のときは、CSの値α
uは、2、6、10が割り当て不可能となっている。OCCインデックスが2のときは、CSの値α
uは、1、5、9が割り当て不可能となっている。OCCインデックスが3のときは、CSの値α
uは、0、4、8が割り当て不可能となっている。
【0079】
このように、DMRS用OCC生成部112aは、基地局装置300から通知されたOCCインデックスとCSの値α
uの組み合わせが割り当て不可能となっているときは、OCCインデックスを3として直交符号の割当を行う。この結果、従来からの通知情報の増加なしに、OCCインデックスが3の直交符号を割り当てることができるようになる。
【0080】
OCCインデックスの通知方法としては
図14の方法に限定されない。例えば、LTEではOCCインデックスは次式(16)に基づいて決定されている。
【0082】
ここでn
p(n
s)は、1リソースに収容される移動局装置のインデックスであり、例えば10局収容される場合、n
p(n
s)は、0から9の値である。Δ
shiftPUCCHは、上位レイヤから通知される1から3の値であり、1リソース内に収容される移動局装置数によって決定される。またN’は1リソース内のサブキャリア数である。
【0083】
式(16)に本実施形態のOCCインデックスの割り当て法を導入すると、例えば次式(17)のようになる。
【0085】
このように、1リソースに収容される移動局装置のインデックスn
p(n
s)に応じてOCCインデックス3を割り当てることで、
図14を用いた時と同様、従来からの通知情報の増加なしに、OCCインデックス3を割り当てることができるようになる。
【0086】
次に本実施形態のメリットについて説明する。
図15は1リソースに24局の移動局装置を収容する場合の、DMRSの直交符号の割当パターンの一例を示している。
図15は、従来のLTEにおける割り当て法であり、OCCインデックスが3種類しかないため、1つのOCCインデックスあたり8局の移動局を収容する必要がある。この結果、隣接するCSを使用せざるを得ない環境となっている。一方、
図16は本実施形態における割り当て法であり、OCCインデックスが4種類存在するため、1OCCあたり6局の移動局を収容すればよい。この結果、連続するCSを使用する必要がないため、DMRSの直交性が高くなる。
【0087】
図17は、計算機シミュレーションによって得られた、1リソースに24局の移動局装置を収容した場合のPUCCHフォーマット1aの伝送特性である。帯域幅は10MHz、受信アンテナ数N
rは1、チャネルモデルはEnhanced Typical Urban、移動局の速度は0km/h、等化器は式(15)の線形重みを用い、チャネル推定法としてはMMSEチャネル推定を用いた。縦軸はBER(Bit Error Rate)、横軸は平均SNR(Signal-to-Noise power Ratio)であり、点線L1、L4は全移動局装置が、従来のLTEの構成で伝送した場合の特性、実線L2、L3は全移動局装置が本実施形態の構成で伝送した場合の特性を示している。なお、L1、L2は、チャネル推定時であり、L3、L4は、理想チャネル推定時である。
【0088】
図17に示すように、理想チャネル推定を仮定した場合、本実施形態の特性L3は、従来のLTEの特性L4よりも劣化している。これは、LTEでは、制御情報は各スロットにおいて4シンボル送信されるのに対し、本実施形態では3シンボルしか送信されないため、電力が10log
10(3/4)=1.2dB低くなるためである。しかしながらチャネル推定時には特性が逆転する。これは本実施形態では、DMRSの受信電力は、制御情報とは逆に1.2dB改善することに加え、
図14のように直交符号を割り当てることで、精度の高いチャネル推定を行うことができるためである。この結果、従来のLTEの特性L1よりも、良好な誤り率特性L2が得られている。
〔第3の実施形態〕
第1および第2の実施形態では、LTEのフォーマット1aあるいはフォーマット1bを拡張することで、DMRSの直交性を高める方法について説明を行ったが、PUCCHには他にもフォーマットが用意されている。例えばフォーマット2に関して、非特許文献2で、DMRSにCSだけでなくOCCを適用して直交性を向上させることが記載されているが、OCCインデックスを通知する必要があるため、従来のLTEよりも通知情報が増加してしまうという問題があった。そこで本実施形態では、従来のLTEからの通知情報の追加なしにDMRSの直交性を向上する方法について説明を行う。
【0089】
図18は、上述の非特許文献に記載されているフォーマット2にOCCを適用した場合の移動局装置500の構成の一例を示す概略ブロック図である。
図18は、移動局装置500の構成のうち、フォーマット2の制御情報の送信に関連する構成を記載したものであり、その他の構成については図示を省略する。誤り訂正符号化部501は、フォーマット2で送信する制御情報ビットcb2に対して、誤り訂正符号化を行ない、得られた符号化ビット系列を変調部502に入力する。LTEでは、フォーマット2の制御情報ビットcb2のビット長は11ビット以下であり、誤り訂正符号化部501が誤り訂正符号化することで、20ビットの符号化ビット系列が得られる。
【0090】
変調部502は、入力された符号化ビット系列に対して、10個のQPSKシンボルへの変調を行う。変調部502は、これら10個のQPSKシンボルを、周波数拡散部503に入力する。周波数拡散部503は、入力された各QPSKシンボルに対して、CS系列生成部510から入力されるCS系列c
u(n)(0≦n≦N
rb−1)を乗算することによって拡散し、拡散シンボル系列を生成する。CS系列生成部510は、第1の実施形態(
図7のCS系列生成部111)と同様である。周波数拡散部503は、生成した拡散シンボル系列を、フレーム構成部505に入力する。
【0091】
受信アンテナ508は、基地局が送信した信号を受信する。制御情報受信部509は、受信アンテナ508が受信した信号から、CSの値とOCCインデックスを抽出する。制御情報受信部509は、抽出したCSの値をCS系列生成部510に入力し、抽出したOCCインデックスをDMRS用OCC生成部511に入力する。
【0092】
DMRS用OCC生成部511は、OCCインデックスとOCCとを対応付けるテーブルを記憶している。
図19は、DMRS用OCC生成部511が記憶するテーブルを示す図である。
図19に示すように、DMRS用OCC生成部511が記憶するテーブルは、OCCインデックス0とOCC[+1、+1]とを対応付け、OCCインデックス1とOCC[+1、−1]とを対応付けている。DMRS用OCC生成部511は、記憶しているテーブルを参照し、入力されたOCCインデックスと対応付けられているOCCを選択し、DMRS用時間拡散部504に入力する。
【0093】
DMRS用時間拡散部504は、CS系列生成部510から入力されたCS系列を構成する要素各々に、DMRS用OCC生成部511から入力されたOCCを乗算して、時間拡散を行い、DMRS系列を生成する。DMRS用時間拡散部504は、生成したDMRS系列をフレーム構成部505に入力する。フレーム構成部505は、周波数拡散部503から入力された拡散シンボル系列と、DMRS用時間拡散部504から入力されたDMRS系列との要素各々を、
図4に示したサブフレーム構成に従い配置し、フレーム信号を生成する。フレーム構成部505は、フレーム信号を、OFDM信号生成部506に入力する。OFDM信号生成部506は、フレーム信号からOFDM信号を生成し、送信アンテナ507から送信する。なお、OFDM信号生成部506は、第1の実施形態(
図7のOFDM信号生成部111)と同様である。
【0094】
次に、本実施形態における移動局装置500aを説明する。
図20は、移動局装置500aの構成の一例を示す概略ブロック図である。移動局装置500aは、誤り訂正符号化部501、変調部502、周波数拡散部503、DMRS用時間拡散部504、フレーム構成部505、OFDM信号生成部506、送信アンテナ507、受信アンテナ508、制御情報受信部509a、CS系列生成部510、DMRS用OCC生成部511aを含んで構成される。移動局装置500aは、
図18の移動局装置500とは、制御情報受信部509とDMRS用OCC生成部511とに変えて、制御情報受信部509aとDMRS用OCC生成部511aとを有している点が異なる。その他の部分は、移動局装置500と同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0095】
制御情報受信部509aは、受信した信号からCSの値を抽出し、CS系列生成部510とDMRS用OCC生成部511aとに入力する。本実施形態では、従来のLTEと同様、基地局からCSに関する情報(CSの値)のみが通知され、OCCに関する情報(OCCインデックス)は通知されない。
【0096】
DMRS用OCC生成部511aは、0から11までのCSの値と、OCCとを対応付けるテーブルを記憶している。
図21は、DMRS用OCC生成部511aが記憶するテーブルの例を示す図である。該テーブルは、偶数のCSの値に[+1、+1]を対応付け、奇数のCSの値に[+1、−1]を対応付けている。DMRS用OCC生成部511aは、記憶しているテーブルを参照し、入力されたCSの値と対応付けられているOCCを選択する。DMRS用OCC生成部511aは、選択したOCCを、DMRS用時間拡散部504に入力する。
【0097】
本実施形態では、OCCを決定する際に、
図21のようなテーブルを用いることで、基地局がOCCインデックスなどOCCに関する情報を通知することなく、DMRSにOCCを適用できる。この結果、DMRSの直交性を向上させることができる。また、本実施形態は従来のLTEのフレーム構成を踏襲しているため、従来のLTEとの後方互換性も維持している。つまり、従来のLTEの移動局と同じリソースを共有することが可能である。ただし従来のLTEではOCCは適用されていないため、基地局はそのことを考慮して、各移動局へCSの割り当てを行なう必要がある。
【0098】
本実施形態では、隣接するCSは異なるOCCが割り当てられるため、DMRSの直交性が向上する。しかしながら、非特許文献2のようにOCCインデックスを移動局に通知するわけではないため、多重可能な移動局数はLTEと同様、CSの数のまま、つまり12であり増加しない。
【0099】
ところでPUCCHにはフォーマット2aと呼ばれるフォーマットが存在する。フォーマット2aでは、フォーマット2と同様CSIを通知するのに加えて、1スロット内のDMRSに対して、「+1、+1」あるいは「+1、−1」によって拡散することで、CSIと同時に、1ビットのACK/NACKも送信することができる。さらにフォーマット2bでは、1スロット内のDMRSに対して、「+1、+1」「+1、+j」「+1、−1」「+1、−j」のいずれかによって拡散することで、CSIと同時に、2ビットのACK/NACKを基地局に通知することができる。
【0100】
したがって非特許文献2のようにOCCを個別に通知しても、同じCSで拡散されたフォーマット2aやフォーマット2bとはOCCによる分離は不可能ということになる。一方、本実施形態では、CSのみを通知するため、従来のLTEと同様、同じCSによる他の移動局との多重は仮定していない。つまり、従来と同じアルゴリズムによってCSを割り当て、受信側でCSによる分離を行うことが可能である。ただし、フォーマット2aと隣接するCSが割り当てられた場合、OCCによる分離は不可能であるため、フォーマット2aのCSとは、離れたCSを割り当てることで直交性を向上させることができる。
【0101】
このように、本実施形態によれば、通知情報を増加させることなく、OCCを新たに導入できる。この結果、移動局装置500a間のDMRSの直交性が向上する。DMRSの直交性の向上はDMRSによるチャネル推定精度の向上によるBER特性の改善につながり、従来よりも多くの移動局を同一リソース内に収容できることになる。同一リソースに多くの移動局の制御信号を多重することで、PUSCHの帯域を圧迫することがなくなるため、セルスループットを増加させることができる。
【0102】
また、上述した各実施形態における移動局装置100、100a、200、200a、500aおよび基地局装置300の一部、または全部を典型的には、集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置100、100a、200、200a、500aおよび基地局装置300の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず、専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。ハイブリッド、モノリシックのいずれでも良い。一部は、ハードウェアにより、一部はソフトウェアにより機能を実現させても良い。また、半導体技術の進歩により、LSIに代替する集積回路化等の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0103】
また、上述した各実施形態における移動局装置100、100a、200、200a、500aおよび基地局装置300の各部またはその一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0104】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0105】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。