【実施例】
【0110】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0111】
本発明の荷電制御剤の有効成分である芳香族オキシカルボン酸金属化合物、及びその原料となる芳香族オキシカルボン酸類の合成例を実施例1〜20に示す。
【0112】
(実施例1)
A−1 芳香族オキシカルボン酸類の合成
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100.0gをメタノール2Lに溶解させ、炭酸カリウム88.3gを加えて67℃に加熱した。この反応液に4−(クロロメチル)スチレン102.0gを22分間で滴下し、67℃にて12時間反応させた。得られた反応液を冷却後、減圧下メタノールを留去し、ヘキサンを加えて洗浄した。濾過後、残渣をメタノールに溶解させ水に滴下し、再沈殿させ析出物を濾過した。この再沈殿操作を2回繰り返し、得られた残渣を80℃にて48時間乾燥させ、下記化学式(A1)に示す芳香族オキシカルボン酸類を48.7g得た。
【0113】
【化35】
【0114】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A1)の純度を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC 株式会社島津製作所製 検出器:SPD−M20A、カラムオーブン:CTO−20A、ポンプ:LC−20AT、デガッサー:DGU−20A
3)により、以下の測定条件で測定を行い、純度=94.6%であることを確認した。
HPLC測定条件:サンプル3mgをTHF(テトラヒドロフラン)10mLに溶解させ、30分間超音波し、ポア径が0.5μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過してサンプル溶液とし、以下の条件で測定した。
カラム:L−Column ODS (4.6×250mm)、カラムオーブン温度:40℃、流速:1.0mL/分、試料注入量:3μL、検出波長:254nm、
溶離液A:THF:0.05M−CH
3COONH
4水溶液=4:6
溶離液B:THF:0.05M−CH
3COONH
4水溶液=6:4
グラジュエント条件 溶離液A:溶離液B=100:0→(20分)→0:100
【0115】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A1)について、
1H−核磁気共鳴装置(NMR 日本電子株式会社製 FT−NMR JNM−AL300)を用い、共鳴周波数:300MHz 測定核種:1H、使用溶媒:重DMSO、測定温度:室温の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A1)で示す構造を支持する。
1H−NMRの測定結果を
図1に示す。
δ(ppm)=5.06(2H、s、−CH
2−)、5.27(1H、d、C−H)、5.84(1H、d、C−H)、6.74(1H、d−d、−CH=)、6.91(1H、d、Ar−H)、7.23(1H、d−d、Ar−H)、7.35(1H、d、Ar−H)、7.41(1H、d、Ar−H)、7.49(1H、d、Ar−H)
前記
1H−NMRにおいて、5.06ppm(2H、s、−OCH
2−)のプロトンに照射したところ、7.35(1H、d、Ar−H)の芳香族プロトンに16.9%の核オーバーハウザー効果(NOE)が観測された。
【0116】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A1)について、元素分析測定器(CHNS/O分析 パーキンエルマー社製 2400II全自動元素分析装置)にて、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)の重量比率を測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:71.61 H:4.90 N:0.00
理論値 C:71.10 H:5.22 N:0.00
【0117】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A1)について、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR 日本電子株式会社製 JIR−SPX60S)を使用し、KBr法にて測定したところ、
ν(cm
−1)=3132、3088、2924、2877、1680、1614、1593、1516、1487、1471、1443、1408、1379、1250、1196、1011、906、860、831、808、789、775、744、715、675、559、492、472を観測した。FT−IRの測定結果を
図2に示す。
【0118】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A1)について、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA6200 EXSTAR6000)を用い、昇温条件:30−550℃ 昇温速度:10℃/分で測定した。熱重量分析−示差熱分析(TG−DTA)の測定結果を
図3に示す。その測定の結果、融点168℃、発熱温度:551℃、重量減少温度:210℃、404℃、521℃を観測した。
【0119】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A1)について、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS 株式会社日立ハイテクノロジーズ製 LC/3DQMSシステム M−8000)にて、以下の条件にて測定した。
イオン化源:ESIイオン化源(FI法により測定)
キャリア:電子工業用メタノール
試料の調製方法:試料各1mgを電子工業用メタノールにて溶解し、完全に溶解しなかった試料に関しては、THFを溶解するまで加えた。
第一細孔温度:120℃ 第二細孔温度:100℃ 脱溶媒温度:150℃ 補助ガス温度:150℃ フォーカス電圧:20V ドリフト電圧:20V
液体クロマトグラフ質量分析の測定結果を
図4に示す。また、質量分析の理論値及び実測値を以下に示す。
実測値:LC/MS m/z=269.00 [M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸類の理論分子量: 270.09
【0120】
B−1 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
25.7%硫酸アルミニウム水溶液77.2gを水440mLに加え、90℃まで加熱した。これに、20.5%水酸化ナトリウム水溶液16.2gと芳香族オキシカルボン酸類(A1)10.8gとを水130mLに加え、90℃まで加熱、溶解した溶液を30分間で滴下し、95℃まで加熱した。その後、95℃で2時間反応させ、室温まで冷却後、濾過し、電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水洗した。80℃で14時間乾燥後、薄茶色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)を10.5g得た。
【0121】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、元素分析測定器(CHNS/O分析 パーキンエルマー社製 2400II全自動元素分析装置)にて、炭素(C)、水素(H)、窒素(N)の重量比率を測定した。以下に元素分析の実測値を示す。
実測値 C:64.12 H:4.67 N:0.00
【0122】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、原子吸光分析装置(Varian社製 SpectrAA−220FS)にて、含有する金属の重量%を測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=4.13%、Na=0.1%
【0123】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR 日本電子株式会社製 JIR−SPX60S)を使用し、KBr法にて測定したところ、
ν(cm
−1)=3388、3088、1630、1566、1514、1489、1464、1448、1383、1281、1248、1228、1144、1117、1041、1016、991、908、829、731、685、588、553、467を観測した。
【0124】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 TG/DTA6200 EXSTAR6000)を用い、昇温条件:30−550℃ 昇温速度:10℃/分で測定した。熱重量分析−示差熱分析(TG−DTA)の測定結果を
図5に示す。その測定の結果、吸熱温度:198℃、発熱温度:460℃、重量減少温度:182℃、327℃、431℃を観測した。
【0125】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、X線回折装置(株式会社リガク製 試料水平型強力X線回折装置 RINT−TTRIII)にて以下の条件にて測定した。測定試料サンプルの作製:試料をX線回折装置専用ガラス台にのせ、別のガラス板にて平らに試料を延ばして試料を作製した。
測定範囲:2θ=5°〜40°
結晶化度の求め方:得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物について、前記の条件でX線回折を測定後、得られたX線回折スペクトルをスムージング処理した。更に得られたデータを、Materials Data社製の解析ソフト「JADE XRD Pattern Processing Identification & Quantification ver.7.5.2」を用い、以下の条件にて解析し結晶化度を求めた。プロファイリングフィッティング条件:PSF;pseudo−Voigt、バックグラウンド:水平、現在のプロファイル更新:有り、Kα2ピーク:有り、初期半価幅曲線指定値=0.2、ピークサーチ:有り。
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、前記の条件にてX線回折を測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=54.7%
【0126】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC/MS 株式会社日立ハイテクノロジーズ製 LC/3DQMSシステム M−8000)にて、以下の条件にて測定した。
イオン化源:ESIイオン化源(FI法により測定)
キャリア:電子工業用メタノール
試料の調製方法:試料各1mgを電子工業用メタノールにて溶解し、完全に溶解しなかった試料に関してはTHFを溶解するまで加えた。
第一細孔温度:120℃ 第二細孔温度:100℃ 脱溶媒温度:150℃ 補助ガス温度:150℃ フォーカス電圧:20V ドリフト電圧:20V
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)について、前記の条件でLC/MS分析測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が563.2と832.2とであり、芳香族オキシカルボン酸類(A1)とAlとが、それぞれ2:1、3:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−1)及び(M−2)を示す。
【0127】
【化36】
【0128】
【化37】
【0129】
(実施例2)
A−2 芳香族オキシカルボン酸類の合成
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100gと80%硫酸1441gとを50℃に加熱混合し、この分散液にtert−ブタノール144gを加えて50℃で30分間撹拌した。その後、分散液にtert−ブタノール144gを加え30分間撹拌する操作を3回行った。反応液を室温まで冷却し、氷水1kgに徐々に注ぎ、析出物を濾過、水洗し、更にヘキサン洗浄した。得られた析出物をメタノール200mLに溶解させ、水3.6Lに再沈殿させた。濾過後、80℃にて24時間乾燥させtert−ブチル化された芳香族オキシカルボン酸中間体74.9gを得た。
【0130】
得られた芳香族オキシカルボン酸中間体25.0gをメタノール150mLに溶解させ、炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。この反応液に4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0131】
得られた析出物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(A2)に示す芳香族オキシカルボン酸類を20.1g得た。
【0132】
【化38】
【0133】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A2)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、98.6%だった。
【0134】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A2)について、測定溶媒をCDCl
3に変えた以外は、実施例1のA−1と同様の条件で
1H−NMRを測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A2)で示す構造を支持する。また、
1H−NMRの測定結果を
図6に示す。
δ(ppm)=1.37(9H、s、−C(CH
3)
3)、5.00(2H、s、−OCH
2−)、5.26(1H、d、−C=C−H)、5.76(1H、d、−C=C−H)、6.68−6.77(1H、m、−C=C−H)、6.73(2H、d−d、Ar−H)、7.28(2H、d−d、Ar−H)、7.42(2H、d−d、Ar−H)
前記
1H−NMRにおいて、5.00(2H、s、−OCH
2−)のプロトンに照射したところ、7.28(2H、d−d、Ar−H)の芳香族プロトンに8.1%の核オーバーハウザー効果が観測された。
【0135】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A2)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3419、3004、2866、1660、1608、1429、1330、1224、1120、1066、908、794、721、680、493を観測した。FT−IRの測定結果を
図7に示す。
【0136】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A2)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定し、その結果を
図8に示す。その測定の結果、融点183℃、発熱温度:517℃、563℃、重量減少温度:161℃、386℃、489℃、553℃を観測した。
【0137】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A2)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:74.29 H:6.71 N:0.00
理論値 C:73.60 H:6.79 N:0.00
【0138】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A2)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのX線回折スペクトルを
図9に示す。
【0139】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A2)について、LC/MS分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。また、質量分析の理論値及び実測値を以下に示す。
実測値:LC/MS m/z=324.86[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸類の理論分子量:326.15
【0140】
B−2 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水400mLに20%水酸化ナトリウム水溶液70.4gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸類(A2)を40.0g加え、90℃に加熱した。この液に、水340mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液60.0gを加え、90℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)を40.1g得た。
【0141】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.77 H:6.09 N:0.00
【0142】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=5.50%、Na=0.07%
【0143】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3431、2958、1583、1473、1435、1406、1375、1308、1228、1201、1122、1043、1016、989、908、812、744、669を観測した。
【0144】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定し、その測定結果を
図10に示す。その測定の結果、発熱温度:362℃、463℃、重量減少温度:234℃、402℃を観測した。
【0145】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=0.8%。そのX線回折スペクトルを
図11に示す。
【0146】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B2)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が675.3と1025.1とであり、芳香族オキシカルボン酸類(A2)とAlとが、それぞれ2:1、3:2である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−3)及び(M−4)を示す。
【0147】
【化39】
【0148】
【化40】
【0149】
(実施例3)
A−3 芳香族オキシカルボン酸類の合成
2,4−ジヒドロキシ安息香酸78.63gをメタノール400mLに溶解させ、炭酸カリウム152.03gを加えて60℃に加熱した。この反応液に4−(クロロメチル)スチレン87.88gをメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を滴下し、60℃にて2.5時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、メタノールで洗浄した。
【0150】
得られた析出物を塩酸により、pH=1の水1Lに分散させた。その後、濾過水洗し、80℃で乾燥し、白色の下記化学式(A3)に示す芳香族オキシカルボン酸類を55.71g得た。
【0151】
【化41】
【0152】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A3)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、97.7%だった。
【0153】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A3)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A3)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=5.09(2H、s、−CH
2−)5.27(1H、d、C−H)、5.85(1H、d、C−H)、6.38−6.41(2H、m、Ar−H)、6.74(1H、dd、C−H)、7.41(2H、d、Ar−H)、7.49(2H、d、Ar−H)、7.61(2H、d、Ar−H)
前記
1H−NMRにおいて、5.09(2H、s、−OCH
2−)のプロトンに照射したところ、6.38−6.41(2H、m、Ar−H)の芳香族プロトンに17.2%の核オーバーハウザー効果が観測された。
【0154】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A3)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3085、3004、1639、1598、1513、1502、1450、1379、1288、1254、1182、1157、1105、1095、1014、904、827、779、729、698、649、595、532、471を観測した。
【0155】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A3)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定し、その測定の結果、融点184℃、発熱温度:571℃、重量減少温度:216℃、430℃、554℃を観測した。
【0156】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A3)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:64.65 H:4.23 N:0.00
理論値 C:71.10 H:5.22 N:0.00
【0157】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A3)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのX線回折スペクトルを
図12に示す。
【0158】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A3)について、LC/MS分析を実施例1のA−1の条件で測定した。以下に質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=269.07 [M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸類の理論分子量:270.09
【0159】
B−3 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水519mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液90.6gを加え、95℃に加熱した。この液に、水500mLに20%水酸化ナトリウム水溶液73.7gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸類(A3)を50.0g加え、95℃に加熱した溶液を25分間で加え、95℃で3時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、薄桃色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)を57.2g得た。
【0160】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:61.55 H:5.58 N:0.00
【0161】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=5.61%、Na=0.03%
【0162】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3425、1616、1513、1460、1383、1265、1194、1161、1107、1014、991、908、835、773、677、480を観測した。
【0163】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定し、その測定結果を
図13に示す。その測定の結果、吸熱温度:190℃、発熱温度:350℃、456℃、重量減少温度:170℃、319℃、423℃を観測した。
【0164】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=46.8%。そのX線回折スペクトルを
図14に示す。
【0165】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B3)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が563.5と832.1とであり、芳香族オキシカルボン酸類(A3)とAlとが、それぞれ2:1、3:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−5)及び(M−6)を示す。
【0166】
【化42】
【0167】
【化43】
【0168】
(実施例4)
A−4 芳香族オキシカルボン酸類の合成
4−メチル−2,6−ジヒドロキシ安息香酸25.0gをメタノール450mLに溶解させ、炭酸カリウム40.5gを加えて65℃に加熱した。この反応液に4−(クロロメチル)スチレン23.4gをメタノール100mLに混合溶解させた溶解液を滴下し、65℃にて5時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0169】
得られた析出物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(A4)に示す芳香族オキシカルボン酸類を27.3g得た。
【0170】
【化44】
【0171】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A4)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、93.7%だった。
【0172】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A4)について、測定溶媒をCDCl
3に変えた以外は、実施例1のA−1と同様の条件で
1H−NMRを測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A4)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=2.18(3H、s、−CH
3)、4.39(2H、s、−OCH
2−)、5.32(1H、d、−C=C−H)、5.83(1H、d、−C=C−H)、6.68−6.79(1H、m、−C=C−H)、7.29(2H、d、Ar−H)、7.45(4H、d−d、Ar−H)
前記
1H−NMRにおいて、4.39ppm(2H、s、−OCH
2−)のプロトンに照射したところ、7.34(2H、d−d、Ar−H)の芳香族プロトンに15.3%の核オーバーハウザー効果が観測された。
【0173】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A4)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3417、3097、3007、2969、2863、2621、1664、1611、1516、1434、1371、1333、1295、1279、1228、1202、1114、1064、973、911、854、836、809、805、724、684、496、467を観測した。
【0174】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A4)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定した結果、融点156℃、発熱温度:509℃、559℃、重量減少温度:163℃、390℃、476℃、549℃を観測した。
【0175】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A4)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値C:69.93 H:5.33 N:0.00
理論値C:71.82 H:5.67 N:0.00
【0176】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A4)について、LC/MS分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=283.2[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸類の理論分子量:284.1
【0177】
B−4 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水200mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液34.4gを加え95℃に加熱した。この液に、水200mLに20%水酸化ナトリウム水溶液28.0gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸類(A4)を20.0g加え、95℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で3時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)を18.6g得た。
【0178】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:64.32 H:5.21 N:0.00
【0179】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=5.10%、Na=0.01%
【0180】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3425、1616、1513、1460、1383、1265、1194、1161、1107、1014、991、908、835、773、677、480を観測した。
【0181】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、吸熱温度:190℃、発熱温度:350℃、456℃、重量減少温度:170℃、319℃、423℃を観測した。
【0182】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B4)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が591.1で、芳香族オキシカルボン酸類(A4)とAlとが2:1で反応している構造と推定された。
【0183】
(実施例5)
A−5 芳香族オキシカルボン酸類の合成
5−tert−ブチル−2,3−ジヒドロキシ安息香酸5.53gをメタノール30mLに溶解させ、炭酸カリウム8.02gを加えて65℃に加熱した。この反応液に4−(クロロメチル)スチレン4.12gを15分間で滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。得られた析出物をpH=2の水に分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去後、析出物をトルエン洗浄し、下記化学式(A5)に示す芳香族オキシカルボン酸類を4.55g得た。
【0184】
【化45】
【0185】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A5)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、99.3%だった。
【0186】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A5)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A5)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=1.21(1H、s、−C(CH
3)
3)5.14(2H、s、−CH2−)5.25(1H、d、C−H)、5.83(1H、d、C−H)、6.73(1H、dd、C−H)、7.28(1H、d、Ar−H)、7.32(1H、d、Ar−H)、7.43(1H、d、Ar−H)、7.49(1H、d、Ar−H)
前記
1H−NMRにおいて、5.14(2H、s、−CH
2−)のプロトンに照射したところ、7.28(1H、d、Ar−H)の芳香族プロトンに8.5%の核オーバーハウザー効果が観測された。
【0187】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A5)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3093、3052、2964、2865、2632、1654、1616、1513、1483、1450、1406、1303、1277、1238、1198、1120、1080、1016、982、958、919、893、858、829、817、792、709、687、644、490を観測した。
【0188】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A5)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。測定の結果、融点142℃、発熱温度:592℃、分解点:201℃、411℃、555℃を観測した。
【0189】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A5)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:73.92 H:6.64 N:0.00
理論値 C:73.60 H:6.79 N:0.00
【0190】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A5)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのX線回折スペクトルを
図15に示す。
【0191】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A5)について、LC/MS分析を実施例1のA−1の条件にて測定した。以下に質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=324.73[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸類の理論分子量:326.15
【0192】
B−5 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水440mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液77.2gを加え90℃に加熱した。この液に、水130mLに20%水酸化ナトリウム水溶液16.2gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸類(A5)を13.1g加え、90℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて24時間乾燥し、芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)を13.3g得た。
【0193】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:68.4 H:6.12 N:0.00
【0194】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=3.70%、Na=0.36%
【0195】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3423、2960、1630、1570、1485、1439、1404、1369、1271、1246、1117、1055、1016、989、908、852、825、812、729、648、438を観測した。
【0196】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定し、その測定の結果、発熱温度:367℃、458℃、重量減少温度:254℃、429℃を観測した。
【0197】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=6.2%。そのX線回折スペクトルを
図16に示す。
【0198】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B5)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が676.7と1002.4とであり、芳香族オキシカルボン酸類(A5)とAlとが、それぞれ2:1、3:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−7)及び(M−8)を示す。
【0199】
【化46】
【0200】
【化47】
【0201】
(実施例6)
A−6 芳香族オキシカルボン酸類の合成
メタノール100mLに5−ブロモ−2,4−ジヒドロキシ安息香酸23.8gを溶解させ、これに炭酸カリウム30.4gを加え、加熱し、62℃で30分間分散した。これに4−クロロメチルスチレン17.6gを1時間で滴下し、還流下、2.5時間反応させた。反応後、室温まで冷却し、濾過後、残渣をメタノールで洗浄し、次いで水300mLに加え、塩酸にてpH=1に調整し、30分間分散後、濾過水洗した。80℃で48時間乾燥させ白色固体で下記化学式(A6)に示す芳香族オキシカルボン酸類を13.5g得た。
【0202】
【化48】
【0203】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A6)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、96.7%だった。
【0204】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A6)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A6)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=5.27(2H、s、−OCH
2−)、5.30(1H、d、−C=C−H)、5.86(1H、d、−C=C−H)、6.70−6.76(1H、m、−C=C−H)、6.79(1H、s、Ar−H)、7.49(4H、d−d、Ar−H)、7.90(1H、s、Ar−H)、11.54(1H、broad、OH)
前記
1H−NMRにおいて、5.00(2H、s、−OCH
2−)のプロトンに照射したところ、6.79(1H、s、Ar−H)の芳香族プロトンに8.9%の核オーバーハウザー効果が観測された。
【0205】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A6)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3004、2557、1651、1612、1513、1454、1439、1383、1354、1257、1192、1049、1016、1005、904、895、842、821、787、715、683、606、496、455を観測した。
【0206】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A6)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。測定の結果、融点232℃、発熱温度:257℃、560℃、重量減少温度:227℃、510℃を観測した。
【0207】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A6)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:55.35 H:3.41 N:0.00
理論値 C:55.04 H:3.75 N:0.00
【0208】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A6)について、LC/MS分析を実施例1のA−1の条件にて測定した。以下に質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=348.80[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸類の理論分子量:348.0
【0209】
B−6 芳香族オキシカルボン酸金属化合物の合成
水440mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液77.2gを加え90℃に加熱した。この溶液に、水130mLに20%水酸化ナトリウム水溶液16.2gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸類(A6)を14.0g加え、90℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて24時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)を11.8g得た。
【0210】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:47.4 H:3.07 N:0.00
【0211】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=3.74%、Na=0.04%
【0212】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3346、3086、1603、1514、1460、1373、1327、1294、1267、1227、1117、1051、1016、987、906、837、789、698、675、640、559、480、453、401を観測した。
【0213】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定結果を
図17に示す。その測定の結果、吸熱温度:207℃、発熱温度:506℃、重量減少温度:194℃、258℃、460℃を観測した。
【0214】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=37.7%。そのX線回折スペクトルを
図18に示す。
【0215】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B6)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が1094.4で、芳香族オキシカルボン酸類(A6)とAlとが3:1で反応している構造と推定された。
【0216】
(実施例7)
A−7 芳香族オキシカルボン酸類の合成
2,3−ジヒドロキシ安息香酸53.9gをメタノール280mLに溶解させ、これにK
2CO
3を106g加え、65℃で、30分間撹拌した。これに4−クロロメチルスチレン61.7gを1時間で滴下した。還流下、3時間反応後、室温まで放冷し、析出物を濾過後、メタノールで洗浄した。濾液中のメタノールを減圧下除去し、茶色半固体を得た。この茶色半固体を酢酸エチル、水に分散し、塩酸でpH=1に調整した。酢酸エチル相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を除去し、淡黄色固体124.3gを得た。この淡黄色固体をトルエンで再結晶し、淡黄色固体で下記化学式(A7)に示す芳香族オキシカルボン酸類を54.5g得た。
【0217】
【化49】
【0218】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A7)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、95.0%だった。
【0219】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A7)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A7)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=5.11(2H、s、−OCH
2−)、5.25(1H、d、−C=C−H)、5.86(1H、d、−C=C−H)、6.73(1H、d−d、−C=C−H)、6.80(1H、t、Ar−H)、7.22(1H、d、Ar−H)、7.34−7.49(5H、m、Ar−H)
前記
1H−NMRにおいて、5.11(2H、s、−OCH
2−)のプロトンに照射したところ、7.22(1H、d、Ar−H)の芳香族プロトンに9.9%の核オーバーハウザー効果が観測された。
【0220】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A7)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3236、3031、2879、2719、2593、1667、1612、1581、1463、1442、1384、1305、1245、1234、1178、1162、1087、1025、1018、908、862、836、827、781、748、696、653、607、480を観測した。
【0221】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A7)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。測定の結果、融点177℃、発熱温度:613℃、重量減少温度:181℃、413℃、593℃を観測した。
【0222】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A7)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:71.70 H:4.75 N:0.00
理論値 C:71.10 H:5.22 N:0.00
【0223】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A7)について、LC/MS分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=268.8[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸類の理論分子量:270.09
【0224】
B−7 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水440mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液77.2gを加え90℃に加熱した。この溶液に、水130mLに20%水酸化ナトリウム水溶液16.2gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸類(A7)を10.8g加え、90℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて24時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B7)を10.8g得た。
【0225】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B7)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.58 H:4.58 N:0.00
【0226】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B7)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=4.37%、Na=0.03%
【0227】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B7)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3361、3086、1736、1614、1592、1556、1512、1493、1470、1406、1383、1244、1205、1167、1117、1086、1051、1016、989、906、870、825、754、737、692、673、633、559、482、463を観測した。
【0228】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B7)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:354℃、455℃、重量減少温度:152℃、213℃、332℃、426℃を観測した。
【0229】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B7)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が563.2と832.2で、芳香族オキシカルボン酸類(A7)とAlとが、それぞれ2:1、3:1である構造を推定できるデータを得た。
【0230】
(実施例8)
A−8 芳香族オキシカルボン酸類の合成
4−(4’−ビニルベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ安息香酸と4−(3’−ビニルベンジルオキシ)−2−ヒドロキシ安息香酸との混合物の合成である。
2,4−ジヒドロキシ安息香酸78.6gをメタノール400mLに溶解させ、これに炭酸カリウム152.0gを加え、60℃で30分間撹拌した。これに、メタノール50mLに溶解したクロロメチルスチレン(AGCセイケミカル株式会社製、商品名:CMS−P)83.5gを1時間で滴下した。還流下、3時間反応後、室温まで放冷し、析出物を濾過後、メタノールで洗浄した。析出物を水1Lに加え、塩酸にてpH=1に調整して、30分間撹拌後、濾過、水洗した。80℃で48時間乾燥し、白色固体で下記化学式(A8)に示す芳香族オキシカルボン酸類を76.2g得た。
【0231】
【化50】
【0232】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A8)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、混合物として、97.7%だった。
【0233】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A8)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A8)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=5.14(2H、s、−CH
2−)5.25−5.30(1H、dX2、C−H)、5.81−5.88(1H、dX2、C−H)、6.34−6.57(2H、m、Ar−H)、6.68−6.79(1H、ddX2、C−H)、7.32−7.54(4H、m、Ar−H)、7.67−7.70(1H、dX2、Ar−H)
前記
1H−NMRにおいて、5.14(2H、s、−OCH
2−)のプロトンに照射したところ、6.5〜6.6の芳香族プロトンに16.8%の核オーバーハウザー効果が観測された。
【0234】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A8)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3510、3448、3007、2864、2551、2362、1655、1622、1514、1454、1437、1383、1350、1250、1192、1151、1095、1036、1014、991、980、910、852、835、823、793、777、681、648、606、532、496、461を観測した。
【0235】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A8)について、TG−DTAを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。測定の結果、吸熱温度157℃、発熱温度:440℃、570℃、重量減少温度:216℃、434℃、542℃を観測した。
【0236】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A8)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:71.71 H:5.01 N:0.15
理論値 C:71.10 H:5.22 N:0.00
【0237】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A8)について、LC/MS分析を実施例1のA−1の条件にて測定した。以下に質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=269.0[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸類の理論分子量:270.09
【0238】
B−8 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水440mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液77.2gを加え90℃に加熱した。この溶液に、水130mLに20%水酸化ナトリウム水溶液16.2gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸類(A8)を10.8g加え、90℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて24時間乾燥し、薄桃色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B8)を11.7g得た。
【0239】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B8)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:64.16 H:4.57 N:0.00
【0240】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B8)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=4.47%、Na=0.05%
【0241】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B8)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3386、3086、1616、1554、1460、1387、1267、1196、1165、1109、1011、989、904、835、771、706、679、627、478を観測した。
【0242】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B8)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、吸熱温度:179℃、発熱温度:350℃、458℃、重量減少温度:163℃、320℃、427℃を観測した。
【0243】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B8)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=94.0%。
【0244】
(実施例9)
A−9 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例2のA−2と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A2)を合成した。
【0245】
B−9 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水500mLに20%水酸化ナトリウム水溶液16.2g及び芳香族オキシカルボン酸類(A2)を13.1g加え、90℃に加熱した。この水溶液に26.8%塩化亜鉛水溶液59.4gを30分間で加え95℃に加熱し2時間反応した。その後、室温まで冷却し、濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて24時間乾燥し、薄桃色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B9)を11.5g得た。
【0246】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B9)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:56.74 H:3.44 N:0.00
【0247】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B9)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Zn=17.20%、Na<0.01%
【0248】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B9)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3564、3458、3259、3089、3003、2956、2906、2872、1558、1527、1514、1435、1390、1365、1325、1230、1201、1120、1045、1018、991、970、910、860、831、808、744、708、671、542、478、409を観測した。
【0249】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B9)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、吸熱温度:184℃、発熱温度:443℃、520℃、重量減少温度:177℃、239℃、302℃、412℃、503℃を観測した。
【0250】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B9)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が388.4と714.7とであり、芳香族オキシカルボン酸類(A2)とZnとが、それぞれ1:1、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−9)及び(M−10)を示す。
【0251】
【化51】
【0252】
【化52】
【0253】
(実施例10)
A−10 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例1のA−1と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A1)を合成した。
【0254】
B−10 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水500mLに20%水酸化ナトリウム水溶液16.2g及び芳香族オキシカルボン酸類(A1)10.8gを加え、90℃に加熱した。この水溶液に26.8%塩化亜鉛水溶液59.4gを30分間で加え95℃に加熱し2時間反応した。その後、室温まで冷却し、濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて24時間乾燥し、薄茶色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B10)を13.1g得た。
【0255】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B10)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:56.50 H:3.21 N:0.00
【0256】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B10)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Zn=14.99%、Na=0.101%
【0257】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B10)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3442、3088、3043、3005、2906、2864、2440、1626、1578、1533、1487、1437、1377、1325、1284、1227、1157、1117、1090、1012、991、960、906、868、822、796、731、704、687、654、590、569、525、505、465を観測した。
【0258】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B10)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:369℃、462℃、重量減少温度:354℃、459℃を観測した。
【0259】
(実施例11)
A−11 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例3のA−3と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A3)を合成した。
【0260】
B−11 芳香族オキシカルボン酸金属化合物の合成
水500mLに20%水酸化ナトリウム水溶液16.2g及び芳香族オキシカルボン酸類(A3)を10.8g加え、90℃に加熱した。この水溶液に26.8%塩化亜鉛水溶液59.4gを30分間で加え95℃に加熱し2時間反応した。その後、室温まで冷却し、濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて24時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B11)を13.1g得た。
【0261】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B11)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:56.26 H:3.21 N:0.00
【0262】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B11)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Zn=11.75%、Na<0.01%
【0263】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B11)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3855、3651、3629、3448、3084、3007、2980、2904、2868、1622、1572、1520、1487、1443、1383、1342、1282、1254、1213、1196、1113、1016、991、904、856、827、779、766、729、704、677、604、546、494、415を観測した。
【0264】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B11)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:381℃、440℃、重量減少温度:375℃、416℃を観測した。
【0265】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B11)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が332.0と602.2とであり、芳香族オキシカルボン酸類(A3)とZnとが、それぞれ1:1、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−11)及び(M−12)を示す。
【0266】
【化53】
【0267】
【化54】
【0268】
(実施例12)
A−12 芳香族オキシカルボン酸類の合成
80%硫酸1201gに2,5−ジヒドロキシ安息香酸154.1gとイソプロパノール210gとを加え、75℃にて8時間撹拌した。放冷し、氷水2Lとヘキサン140mLとを加え氷浴下、撹拌した。析出している結晶を濾過し、残渣をヘキサンで洗浄した。更にメタノール:水=6:4の混合液に分散し、濾過した。60℃にて48時間乾燥し、イソプロピル化された芳香族オキシカルボン酸中間体65.4gを得た。イソプロピル化された芳香族オキシカルボン酸中間体22.5gをメタノール450mLに溶解させ、炭酸カリウム60gを加えて65℃に加熱した。この反応液にPolymer Bulletin(ポリマー ブレティン),第19巻,p.111−117(1988年)に記載の方法で合成した4−(2−クロロエチル)スチレン96.8gを滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。得られた析出物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(A12)に示す芳香族オキシカルボン酸類を26.3g得た。
【0269】
【化55】
【0270】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A12)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、96.6%だった。
【0271】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A12)について、
1H−NMRを実施例1のA−1に記載の条件で測定した。
1H−NMRスペクトルデータは、下記の通りであり、前記化学式(A12)で示す構造を支持する。
δ(ppm)=1.24(6H、d、−(CH
3)
2)、2.88(1H、m、−C
H−(CH
3)
2)、4.07(2H、t、−O−CH
2−)、2.77(2H、t、−O−CH
2−C
H2−)、5.25(1H、d、−C=C−H)、6.73、5.83(1H、d、−CH
2=C
H)、6.94(1H、d、Ar−H)、7.32(2H、d、Ar−H)、7.26(1H、d、Ar−H)、7.46(2H、d、Ar−H)
前記
1H−NMRにおいて、4.07(2H、t、−O−CH
2−)のプロトンに照射したところ、6.94(1H、d、Ar−H)の芳香族プロトンに9.1%の核オーバーハウザー効果が観測された。
【0272】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A12)について、FT−IRを実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3431、3018、2878、1679、1620、1455、1345、1236、1132、1236、1132、1078、930、810、740、700、506を観測した。
【0273】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A12)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に元素分析の理論値及び実測値を示す。
理論値 C:73.60 H:6.79 N:0.00
実測値 C:75.60 H:6.57 N:0.00
【0274】
得られた芳香族オキシカルボン酸類(A12)について、LC/MS分析を実施例1のA−1の条件で測定した。以下に質量分析の理論値及び実測値を示す。
実測値:LC/MS m/z=325.8[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸類の理論分子量:326.15
【0275】
B−12 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水400mLに20%水酸化ナトリウム水溶液48.8gを加え、次いで芳香族オキシカルボン酸類(A12)を40.0g加え、90℃に加熱した。この液に、水275mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液48.0gを加え、90℃に加熱した溶液を30分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B12)を39.7g得た。
【0276】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B12)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:71.22 H:6.54 N:0.00
【0277】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B12)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=4.25%、Na=0.06%
【0278】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B12)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3429、2966、1591、1443、1493、1424、1410、1358、1378、1310、1233、1200、1146、1050、1013、998、920、814、745、671を観測した。
【0279】
得られた金属化合物(B12)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:357℃、477℃、重量減少温度:221℃、398℃を観測した。
【0280】
(実施例13)
A−13 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例2のA−2と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A2)を合成した。
【0281】
B−13 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
トルエン100mLに芳香族オキシカルボン酸類(A2)13.1gと四塩化ケイ素2.2gとを加え、50℃にて1時間反応させた。その後、95℃まで加熱し、95℃で2時間反応させ室温まで冷却した。濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて15時間乾燥し、肌色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B13)を5.2g得た。
【0282】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B13)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:61.21 H:5.71 N:0.00
【0283】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B13)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Si=6.50%、Na=0.05%
【0284】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B13)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3425、3419、3126、3089、3052、3022、3003、2960、2916、2872、2713、2598、1657、1608、1512、1483、1433、1392、1362、1286、1269、1201、1107、1059、1030、1018、974、943、933、914、895、877、856、800、729、717、696、665、638、606、580、575、542、534、486、478、467、438を観測した。
【0285】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B13)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:276℃、534℃、重量減少温度:105℃、194℃、359℃、503℃を観測した。
【0286】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B13)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=43.8%。そのX線回折スペクトルを
図19に示す。
【0287】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B13)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が675.4であり、芳香族オキシカルボン酸類(A2)とSiとが、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−13)を示す。
【0288】
【化56】
【0289】
(実施例14)
A−14 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例2のA−2と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A2)を合成した。
【0290】
B−14 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
20%水酸化ナトリウム水溶液16.2g、芳香族オキシカルボン酸類(A2)10.8g及びホウ酸1.2gを水100mLに加え50℃に加熱した。50℃にて3時間反応させた後、室温まで冷却し、濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて15時間乾燥し、薄桃色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B14)を7.1g得た。
【0291】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B14)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:70.30 H:5.77 N:0.00
【0292】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B14)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 B=2.88%、Na=1.89%
【0293】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B14)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3475、3088、3005、2956、2912、2870、2740、2710、1664、1639、1610、1572、1514、1475、1450、1429、1408、1390、1358、1313、1244、1223、1203、1194、1117、1097、1041、1016、987、908、895、860、829、796、766、756、739、723、683、654、604、579、559、532、494、465、440を観測した。
【0294】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B14)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、吸熱温度:183℃、発熱温度:298℃、519℃、532℃、重量減少温度:193℃、290℃、349℃、513℃を観測した。
【0295】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B14)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=85.1%。
【0296】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B14)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が659.4であり、芳香族オキシカルボン酸類(A2)とBとが、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−14)を示す。
【0297】
【化57】
【0298】
(実施例15)
A−15 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例2のA−2と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A2)を合成した。
【0299】
B−15 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
トルエン100mLに芳香族オキシカルボン酸類(A2)10.8gとジルコニウム(IV)エトキシド3.5gとを加え、95℃まで加熱し3時間反応させた。その後、減圧下で77.0gの溶媒を留去し、残りの溶液をメタノール200mLに加えた。析出物を濾過後、トルエンで振り掛け洗浄し、残渣を減圧下、80℃にて24時間乾燥させ、黄色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B15)を9.1g得た。
【0300】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B15)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.24 H:5.86 N:0.00
【0301】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B15)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Zr=5.69%、Na=0.05%
【0302】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B15)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3670、3656、3651、3629、3620、3608、3589、3568、3255、3088、3053、3041、3005、2958、2912、2870、2742、1628、1572、1545、1514、1468、1435、1404、1392、1371、1317、1277、1228、1201、1120、1043、1016、989、908、843、825、804、783、760、737、717、692、660、640、609、540、492、467、407を観測した。
【0303】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B15)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した結果、発熱温度:341℃、485℃、重量減少温度:133℃、212℃、295℃、464℃を観測した。
【0304】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B15)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=23.9%。そのX線回折スペクトルを
図20に示す。
【0305】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B15)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が739.2であり、芳香族オキシカルボン酸類(A2)とZrとが、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−15)を示す。
【0306】
【化58】
【0307】
(実施例16)
A−16 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例3のA−3と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A3)を合成した。
【0308】
B−16 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水500mLに20%水酸化ナトリウム水溶液16.2g及び芳香族オキシカルボン酸類(A3)を10.8g加え、90℃に加熱した。この水溶液に26%の硫酸アルミニウム水溶液77.2gを30分間で加え95℃に加熱し2時間反応した。その後、室温まで冷却し、濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて24時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B16)を11.4g得た。
【0309】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B16)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.91 H:4.63 N:0.00
【0310】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B16)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=4.50%、Na=0.04%
【0311】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B16)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3361、3207、3086、3053、3007、2980、2945、2873、2362、1907、1892、1616、1554、1514、1460、1387、1321、1267、1200、1163、1109、1026、1014、991、976、947、906、835、771、729、704、677、644、623、582、524、480、455、408を観測した。
【0312】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B16)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、吸熱温度:194℃、発熱温度:347℃、460℃、重量減少温度:177℃、321℃、427℃を観測した。
【0313】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B16)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=69.6%。
【0314】
(実施例17)
A−17 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例3のA−3と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A3)を合成した。
【0315】
B−17 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
メタノール200mLに20%水酸化ナトリウム水溶液16.2g及び芳香族オキシカルボン酸類(A3)を10.8g加え、60℃に加熱した。この水溶液に26%の硫酸アルミニウム水溶液77.2gを30分間で加え67℃に加熱し2時間反応した。その後、室温まで冷却し、濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて15時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B17)を13.3g得た。
【0316】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B17)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:52.93 H:4.18 N:0.00
【0317】
得られた金芳香族オキシカルボン酸属化合物(B17)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=6.72%、Na=0.48%
【0318】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B17)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3458、1907、1616、1554、1514、1460、1385、1267、1196、1161、1107、1028、1014、991、906、835、771、704、677、625、480、455を観測した。
【0319】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B17)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、吸熱温度:186℃、発熱温度:348℃、463℃、重量減少温度:173℃、324℃、429℃を観測した。
【0320】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B17)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=15.0%。
【0321】
(実施例18)
A−18 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例2のA−2と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A2)を合成した。
【0322】
B−18 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液12.2g及び芳香族オキシカルボン酸類(A2)10.0gを加え、90℃に加熱した。この水溶液に、25.7%硫酸アルミニウム水溶液30.4gを水87mL加えた90℃の溶液に10分間で加え95℃に加熱し2時間反応した。その後、室温まで冷却し、濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて76時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B18)を10.8g得た。
【0323】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B18)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:67.08 H:5.82 N:0.00
【0324】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B18)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=3.61%、Na=0.13%
【0325】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B18)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3431、3261、3088、3055、3005、2958、2912、2872、2561、1628、1581、1514、1473、1435、1406、1394、1373、1308、1228、1201、1122、1043、1016、989、908、825、810、783、744、679、669、575、482、438を観測した。
【0326】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B18)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:371℃、463℃、重量減少温度:200℃、432℃観測した。
【0327】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B18)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=13.3%。
【0328】
(実施例19)
A−19 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例2のA−2と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A2)を合成した。
【0329】
B−19 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水200mLに20%水酸化ナトリウム水溶液12.2g及び芳香族オキシカルボン酸類(A2)10.0gを加え、90℃に加熱した。この水溶液に、25.7%硫酸アルミニウム水溶液15.2gに水179mL加えた90℃の溶液に21分間で加え95℃に加熱し2時間反応した。その後、室温まで冷却し、濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて76時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B19)を11.1g得た。
【0330】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B19)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.62 H:5.65 N:0.00
【0331】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B19)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=5.50%、Na=0.02%
【0332】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B19)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3423、3255、3088、3005、2958、2912、2872、1630、1581、1514、1475、1454、1435、1406、1394、1373、1308、1228、1201、1122、1043、1016、989、908、858、825、810、783、744、681、609、573、515、488、480、464、428、411を観測した。
【0333】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B19)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:360℃、462℃、重量減少温度:200℃、428℃観測した。
【0334】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B19)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=30.2%。そのX線回折スペクトルを
図21に示す。
【0335】
(実施例20)
A−20 芳香族オキシカルボン酸類の合成
実施例2のA−2と同様に、芳香族オキシカルボン酸類(A2)を合成した。
【0336】
B−20 芳香族オキシカルボン酸類の金属化合物の合成
水50mLに20%水酸化ナトリウム水溶液12.2g及び芳香族オキシカルボン酸類(A2)10.0gを加え、90℃に加熱した。この水溶液に、25.7%硫酸アルミニウム水溶液15.2gに水45mL加えた90℃の溶液に6分間で加え95℃に加熱し2時間反応した。その後、室温まで冷却し、濾過し、濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて76時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B20)を11.1g得た。
【0337】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B20)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.12 H:5.63 N:0.00
【0338】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B20)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。Al=5.26%、Na=0.12%
【0339】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B20)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3427、3255、3088、3005、2958、2912、2872、1630、1581、1514、1475、1435、1406、1394、1373、1309、1228、1201、1122、1043、1016、989、908、858、825、810、783、744、679、667、611、573を観測した。
【0340】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B20)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:365℃、462℃、重量減少温度:202℃、432℃観測した。
【0341】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B20)について、X線回折を実施例1のB−1に記載の条件で測定し、結晶化度を算出した結果を示す。結晶化度=13.0%。
【0342】
得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B20)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が675.3と1025.1とであり、芳香族オキシカルボン酸類(A2)とAlとが、それぞれ2:1、3:2である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(M−16)及び(M−17)を示す。
【0343】
【化59】
【0344】
【化60】
【0345】
(比較例1)
3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸に代えて、3−フェノキシサリチル酸を用い、特開2004−205894号公報に記載の含金属有機化合物例に従い、下記の構造に推定できる金属化合物(X1)を合成した。
【0346】
【化61】
【0347】
(比較例2)
4−(クロロメチル)スチレンを臭化ベンジルに代えたこと以外は実施例1のA−1と同様の方法により、特開2001−343787号公報に記載の芳香族オキシカルボン酸(Y1)を合成した。
【0348】
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100.0gをメタノール440mLに溶解させ、炭酸カリウム122.2gを加えて65℃に加熱した。この反応液にベンジルブロミド79.1gを滴下し、65℃にて8時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0349】
得られた析出物をpH=2の水3Lに分散させ、酢酸エチルを加えて酢酸エチル相を抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(Y1)に推定できる芳香族オキシカルボン酸を62.3g得た。
【0350】
【化62】
【0351】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y1)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、98.7%だった。
【0352】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y1)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:68.79 H:4.87 N:0.00
理論値 C:68.85 H:4.95 N:0.00
【0353】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y1)について、LC/MS分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。また、質量分析の理論値及び実測値を以下に示す。
実測値:LC/MS m/z=243.67[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸の理論分子量:244.07
【0354】
水467mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液101.5gを加え、90℃に加熱した。この溶液に、水500mLに20%水酸化ナトリウム水溶液81.5gと芳香族オキシカルボン酸(Y1)を50.0g加え、90℃に加熱した溶液を25分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(X2)を55.5g得た。
【0355】
得られた金属化合物(X2)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:62.51 H:5.87 N:0.00
【0356】
得られた金属化合物(X2)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=5.31%、Na=0.04%
【0357】
得られた金属化合物(X2)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:506℃、重量減少温度:188℃、491℃を観測した。
【0358】
(比較例3)
比較例2で合成した芳香族オキシカルボン酸(Y1)を用いて、特開2001−249500号公報に記載の芳香族オキシカルボン酸金属化合物(X3)を合成した。
【0359】
水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液13.3gを加え、次いで比較例2で得られた芳香族オキシカルボン酸(Y1)を10.0g加え、90℃に加熱した。この液に、水30mLにオキシ塩化ジルコニウム8水和物6.3gを加え、90℃に加熱した溶液を5分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(X3)を11.1g得た。
【0360】
得られた金属化合物(X3)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:63.6 H:5.42 N:0.00
【0361】
得られた金属化合物(X3)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Zr=12.3%、Na=0.04%
【0362】
得られた金属化合物(X3)について、FT−IRを実施例1のB−1に記載の条件で測定したところ、
ν(cm
−1)=3260、3053、3030、3029、3000、2978、2913、2869、1625、1571、1543、1510、1468、1433、1399、1389、1370、1315、1269、1230、1199、1118、1042、1015、990、904、839、820、805、759、732、625、610、537、469、410を観測した。
【0363】
得られた金属化合物(X3)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:343℃、480℃、重量減少温度:461℃を観測した。
【0364】
得られた金属化合物(X3)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が738.2であり、芳香族オキシカルボン酸(Y1)とZrとが、2:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(X3)を示す。
【0365】
【化63】
【0366】
(比較例4)
4−(クロロメチル)スチレンを4−フェニルブチルブロミドに代えたこと以外は実施例1のA−1と同様の方法により、芳香族オキシカルボン酸(Y4)を合成した。
【0367】
2,5−ジヒドロキシ安息香酸20.0gをメタノール140mLに溶解させ、炭酸カリウム21.2gを加えて65℃に加熱した。この反応液に4−フェニルブチルブロミド(東京化成工業株式会社製、製品コード:P1388)28.5gを滴下し、65℃にて12時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0368】
得られた析出物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えて酢酸エチル相を抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエン及び酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(Y4)に示す芳香族オキシカルボン酸を12.4g得た。
【0369】
【化64】
【0370】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y4)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、96.7%だった。
【0371】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y4)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:70.74 H:6.25 N:0.00
理論値 C:71.31 H:6.34 N:0.00
【0372】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y4)について、LC/MS分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。また、質量分析の理論値及び実測値を以下に示す。
実測値:LC/MS m/z=285.64[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸の理論分子量:286.12
【0373】
水220mLに39.4%の塩化鉄(III)水溶液42.6gを加え、90℃に加熱した。この溶液に、水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液15.4gと芳香オキシカルボン酸(Y4)とを10.0g加え、90℃に加熱した溶液を12分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、濃青色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(X4)を9.9g得た。
【0374】
得られた金属化合物(X4)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:65.95 H:5.70 N:0.00
【0375】
得られた金属化合物(X4)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Fe=6.22%、Na=0.02%
【0376】
得られた金属化合物(X4)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:530℃、重量減少温度:210℃、523℃を観測した。
【0377】
得られた金属化合物(X4)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が911.8であり、芳香族オキシカルボン酸(Y4)とFeとが、3:1である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(X4)を示す。
【0378】
【化65】
【0379】
(比較例5)
4−(クロロメチル)スチレンを1−ブロモプロパンに、2,5−ジヒドロキシ安息香酸を2,3−ジヒドロキシ安息香酸に代えたこと以外は実施例1のA−1と同様の方法により、芳香族オキシカルボン酸(Y5)を合成した。
【0380】
2,3−ジヒドロキシ安息香酸25.0gをメタノール160mLに溶解させ、炭酸カリウム40.00gを加えて65℃に加熱した。この反応液に1−ブロモプロパン(東京化成工業株式会社製、製品コード:B0638)39.9gを滴下し、65℃にて12時間反応させた。得られた反応液を冷却後、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。
【0381】
得られた析出物をpH=2の水2.0Lに分散させ、酢酸エチルを加えて酢酸エチル相を抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。得られた析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶し、下記化学式(Y5)に示す芳香族オキシカルボン酸を22.1g得た。
【0382】
【化66】
【0383】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y5)について、HPLC純度を実施例1のA−1に記載の条件で測定したところ、95.7%だった。
【0384】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y5)について、元素分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の理論値及び実測値を示す。
実測値 C:62.00 H:5.99 N:0.00
理論値 C:61.22 H:6.16 N:0.00
【0385】
得られた芳香族オキシカルボン酸(Y5)について、LC/MS分析を実施例1のA−1に記載の条件で測定した。また、質量分析の理論値及び実測値を以下に示す。
実測値:LC/MS m/z=195.6[M−H]
−
芳香族オキシカルボン酸の理論分子量:196.07
【0386】
水145mLに25.7%の硫酸アルミニウム水溶液25.7g加え、90℃に加熱した。この溶液に、水100mLに20%水酸化ナトリウム水溶液24.1gと芳香オキシカルボン酸(Y5)を10.0g加え、90℃に加熱した溶液を13分間で加え、95℃で2時間加熱撹拌した。その後、濾過し濾液の電気伝導度が300μS/cm以下になるまで水道水で水洗し、80℃にて48時間乾燥し、白色の芳香族オキシカルボン酸の金属化合物(X5)を10.0g得た。
【0387】
得られた金属化合物(X5)について、元素分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、元素分析の実測値を示す。
実測値 C:56.92 H:5.02 N:0.00
【0388】
得られた金属化合物(X5)について、含有する金属の重量%を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。以下に、原子吸光分析の実測値を示す。
実測値 Al=4.81%、Na=0.02%
【0389】
得られた金属化合物(X5)について、TG−DTAを実施例1のB−1に記載の条件で測定した。その測定の結果、発熱温度:550℃、重量減少温度:194℃、543℃を観測した。
【0390】
得られた金属化合物(X5)について、LC/MS分析を実施例1のB−1に記載の条件で測定した。そのLC/MS分析の測定結果から、分子量が570.48であり、芳香族オキシカルボン酸(Y5)とAlとが、3:2である構造を推定できるデータを得た。下記に取り得ると考えられる化学式(X5)を示す。
【0391】
【化67】
【0392】
(実施例C1)
(1−a)荷電制御剤の帯電性試験Aにおける荷電制御特性の評価
前記実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)1重量部、スチレン−アクリル共重合樹脂(三井化学株式会社製、商品名:CPR−100)100重量部を予備混合したのち、加熱ロール(株式会社栗本鐵工所製、商品名:S−1、KRCニーダ)で溶融混練した。冷却後、超遠心粉砕機(Retsch社製、商品名:ULTRA CENTRIFUGAL MILL、スクリーン目開き1.5mm)で粗粉砕し、分級機付きエアージェットミル(株式会社セイシン企業製、商品名:CO−JET)により、平均粒径をレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、商品名:Partica LA−950)にて測定し、9.5〜10.5μmになるよう微粉砕を行った。この樹脂粒子2.5重量部と、鉄粉キャリア(パウダーテック株式会社製、商品名:TEFV200/300)50.0重量部とを100mLの軟膏瓶にいれ、ボールミル回転架台(株式会社アサヒ理化製作所製、商品名:小型ボールミル回転架台 AV−1)で100rpmにて回転させながら、設定した時間毎に得られる混合物を採取し、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル株式会社製、商品名:TB−200)を使用して、以下の条件にて帯電量を測定した。得られた負帯電性確認データの結果を表13と
図22に示した。
【0393】
測定条件:金属メッシュ目開き34μm 圧力10.0kPa 吸引力10.0kPa 吸引時間10.0秒
【0394】
更に、実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B2、B3、B9、B10、B11、B13、B14、B15、B20と比較化合物例X1、X2、X3、X4、X5とを芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1と同様に、帯電性試験Aを行った。得られた負帯電性確認データの結果を表13及び表14と、
図22とに示した。
【0395】
【表13】
【0396】
【表14】
【0397】
(1−b)荷電制御剤の帯電性試験Aにおける荷電制御特性の評価
各実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B12と比較化合物例X1、X2、X3、X4、X5とを、実施例C1と同様にして樹脂粒子を得て、荷電制御特性の評価を行った。得られた負帯電性確認データの結果を表15及び表16と、
図23とに示した。
【0398】
【表15】
【0399】
【表16】
【0400】
(実施例C2)
(2)芳香族オキシカルボン酸金属化合物の負帯電性確認データの環境安定性評価
各実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12、B13、B14、B15、B20と比較化合物例X1、X2、X3、X4、X5とで得られた樹脂粒子を用い、下記の環境安定性評価を行った。表17に結果を示した。
【0401】
鉄粉キャリア(パウダーテック株式会社製、商品名:TEFV200/300)50.0重量部と前記帯電性試験Aの条件にて作製した各樹脂粒子を100mL軟膏瓶にいれ、中央に1cmの穴の空いた蓋をした。これを恒温恒湿器(東京理化機械株式会社製、商品名:エンビロスKCL−2000W)中のボールミル機(株式会社アサヒ理化製作所製、商品名:小型ボールミル回転架台 AV−1)にセットし、各設定された温度と湿度の環境下で24時間放置した。24時間後、100mL軟膏瓶を100rpmにて回転させながら、15分間撹拌後、混合物を採取し、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル株式会社製、商品名:TB−200)を使用して、以下の条件にて帯電量を測定した。
【0402】
測定条件:金属メッシュ目開き34μm 圧力10.0kPa 吸引力10.0kPa 吸引時間10.0秒
【0403】
【表17】
ここで、LLは低温低湿、HHは高温高湿を示すものとする。
【0404】
(実施例C3)
(3−a)荷電制御剤の帯電性試験Bにおける荷電制御特性の評価
前記実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物(B1)1重量部、ポリエステル樹脂(三菱レーヨン株式会社製、商品名:ER−508)100重量部を予備混合したのち、加熱ロール(株式会社栗本鐵工所製、商品名:S−1、KRCニーダ)で溶融混練した。冷却後、超遠心粉砕機(Retsch社製、商品名:ULTRA CENTRIFUGAL MILL、スクリーン目開き1.5mm)で粗粉砕し、分級機付きエアージェットミル(株式会社セイシン企業製、商品名:CO−JET)により、平均粒径をレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製、商品名:Partica LA−950)にて測定し、9.5〜10.5μmになるよう微粉砕を行った。この樹脂粒子2.5重量部と、鉄粉キャリア(パウダーテック株式会社製、商品名:TEFV200/300)50.0重量部とを100mLの軟膏瓶にいれ、ボールミル回転架台(株式会社アサヒ理化製作所製、商品名:小型ボールミル回転架台 AV−1)で100rpmにて回転させながら、設定した時間毎に得られる混合物を採取し、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル株式会社製、商品名:TB−200)を使用して、以下の条件にて帯電量を測定した。得られた負帯電性確認データの結果を表18及び
図24に示した。
【0405】
測定条件:金属メッシュ目開き34μm 圧力10.0kPa 吸引力10.0kPa 吸引時間10.0秒
【0406】
更に、実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B2、B3、B9、B10、B11、B13、B14、B15、B20と比較化合物例X1、X2、X3、X4、X5とを芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1と同様に、帯電性試験Bを行った。得られた負帯電性確認データの結果を表18及び表19と、
図24とに示した。
【0407】
【表18】
【0408】
【表19】
【0409】
(3−b)荷電制御剤の帯電性試験Bにおける荷電制御特性の評価
各実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B12と比較化合物例X1、X2、X3、X4、X5を、実施例C3と同様にして樹脂粒子を得て、荷電制御特性の評価を行った。得られた負帯電性確認データの結果を表20及び表21と、
図25とに示した。
【0410】
【表20】
【0411】
【表21】
【0412】
(実施例C4)
(4)芳香族オキシカルボン酸金属化合物の負帯電性確認データの環境安定性評価
各実施例で得られた芳香族オキシカルボン酸金属化合物B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9、B10、B11、B12、B13、B14、B15、B20と比較化合物例X1、X2、X3、X4、X5とで得られた樹脂粒子を用い、下記の環境安定性評価を行った。表22に結果を示した。
【0413】
鉄粉キャリア(パウダーテック株式会社製、商品名:TEFV200/300)50.0重量部と前記(帯電性試験Bの条件)にて作製した各樹脂粒子を100mL軟膏瓶にいれ、中央に1cmの穴の空いた蓋をした。これを恒温恒湿器(エンビロスKCL−2000W 東京理化機械株式会社製の商品名)中のボールミル機(株式会社アサヒ理化製作所製、商品名:小型ボールミル回転架台 AV−1)にセットし、各設定された温度と湿度の環境下で24時間放置した。24時間後、100mL軟膏瓶を100rpmにて回転させながら、15分間撹拌後、混合物を採取し、ブローオフ帯電量測定機(東芝ケミカル株式会社製、商品名:TB−200)を使用して、以下の条件にて帯電量を測定した。
【0414】
測定条件:金属メッシュ目開き34μm 圧力10.0kPa 吸引力10.0kPa 吸引時間10.0秒
【0415】
【表22】
ここで、LLは低温低湿、HHは高温高湿を示すものとする。
【0416】
図及び表から明らかなとおり、本発明の荷電制御剤は、帯電の立ち上がりが速く、更に、環境の変化に対して帯電値が安定しており良好である。