特許第6035562号(P6035562)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035562
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20161121BHJP
【FI】
   A63F5/04 512Q
   A63F5/04 512H
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-55240(P2012-55240)
(22)【出願日】2012年3月13日
(65)【公開番号】特開2013-188275(P2013-188275A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2014年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100118315
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 博道
(72)【発明者】
【氏名】藤井 伸生
【審査官】 池谷 香次郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−301200(JP,A)
【文献】 特開平06−023093(JP,A)
【文献】 特開2005−279012(JP,A)
【文献】 特開2002−210076(JP,A)
【文献】 特開2005−087489(JP,A)
【文献】 特開2010−104857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入メダル及び払い出しメダルを現物のメダルではなく数値データとして遊技者に付与するようにした遊技機であって、
入力した数値データに基づくメダル数及び入賞により払い出されるメダル数を表示するためのメダル数表示部と、
前記メダル数表示部にメダル数が表示されている場合に操作されることにより、遊技を開始可能とする投入操作手段と、を少なくとも備え、
前記投入操作手段として、遊技機内部に設けられた回転軸に回転可能に軸止され、少なくとも一部が遊技機の外部に露出する、手動で回転可能な回転体を備え、
遊技機の表面に設けられ前記回転体の露出部分の一部を覆う被覆部材と、
前記メダル数表示部の表示が所定数以下の場合、及び遊技機がメダル受け入れ不能状態である場合に、前記回転体を回転させないためのストッパーと、
前記回転体の回転を検知する回転検知部と、をさらに備え、
前記回転体には、少なくとも1枚のメダルが起立状態で正面視可能に固定されているとともに、前記被覆部材には、前記回転体に固定されたメダルが回転体の回転に伴い通過することにより遊技機内部に投入されるように見せることができる擬似投入口が設けられ、
前記回転検知部は、前記回転体に固定されているメダルが少なくとも1枚、前記擬似投入口を通過するのに相当する角度だけ回転したことを検知可能に形成され、
前記回転体が回転操作された場合には、前記回転検知部の検知回数に基づく所定数だけ前記メダル数表示部を減算表示させ、前記所定数のメダルが投入されたものとして遊技を開始可能とすることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技場に設置される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機においては、遊技媒体を遊技機内部で循環させて遊技を行い、遊技結果を電子データにして所定の記憶媒体に記憶し、記録されたデータに基づいて景品と交換する、いわゆる封入式といわれる遊技システムが考案されている(例えば特許文献1)。かかる封入式の遊技機だと、遊技媒体に直接手を触れずに遊技を行えるための衛生的であり、遊技媒体の持ち運びに労力を使うこともないという利点がある。遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシン遊技機においても、封入式にすれば同様の効果を期待できる。また、メダル投入や払い出しに関する不正行為(いわゆるクレマンやホッパーゴト)を排除できるという効果もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−288184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、スロットマシンの場合、メダルを投入することにより回転リールが回転可能となり、回転リールを回転させ、停止させたときの表示図柄に応じて、入賞メダルが払い出されるものである。すなわち、パチンコ遊技機と異なり、メダルそのものが直接遊技に使用されるわけではないので、投入や払い出しを全て電子データ化し、メダルを全く使用せずに遊技を行うことも可能である。
しかし、メダルの投入や払い出しを全てデジタル表示としてしまうのでは、メダル遊技機で遊技をしている実感が湧かず、興趣に欠ける。
そこで本願発明は、遊技者がメダルを投入しているという実感が湧くような封入式遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、上記課題を解決するために、以下のような構成を備えている。なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0010】
(請求項
請求項に記載された発明は、投入メダル及び払い出しメダルを現物のメダルではなく数値データとして遊技者に付与するようにした遊技機(1)であって、入力した数値データに基づくメダル数及び入賞により払い出されるメダル数を表示するためのメダル数表示部(払出表示部19)と、前記メダル数表示部(19)にメダル数が表示されている場合に操作されることにより、遊技を開始可能とする投入操作手段と、を少なくとも備えている。そして、本発明では、前記投入操作手段として、遊技機内部に設けられた回転軸に回転可能に軸止され、少なくとも一部が遊技機の外部に露出する、手動で回転可能な回転体(70)を備え、遊技機の表面に設けられ前記回転体(70)の露出部分の一部を覆う被覆部材(30)と、前記メダル数表示部(19)の表示が所定数以下の場合、及び遊技機がメダル受け入れ不能状態である場合に、前記回転体(70)を回転させないためのストッパー(80)と、前記回転体(70)の回転を検知する回転検知部(回転検知センサ90)と、をさらに備えている。
【0011】
また、前記回転体(70)には、少なくとも1枚のメダル(M)が起立状態で正面視可能に固定されているとともに、前記被覆部材(30)には、前記回転体(70)に固定されたメダル(M)が回転体(70)の回転に伴い通過することにより遊技機内部に投入されるように見せることができる擬似投入口(31)が設けられ、前記回転検知部(90)は、前記回転体(70)に固定されているメダル(M)が少なくとも1枚、前記擬似投入口(31)を通過するのに相当する角度だけ回転したことを検知可能に形成されている。そして、前記回転体(70)が回転操作された場合には、前記回転検知部(90)の検知回数に基づく所定数だけ前記メダル数表示部(19)を減算表示させ、前記所定数のメダルが投入されたものとして遊技を開始可能とすることを特徴とする。
【0012】
本発明は、回転体(70)を手動で操作することにより、メダル数表示部(19)に表示されている数のメダルの中から所定数のメダルが、遊技を行うために投入されたものとして扱うようにしたものである。例えば、回転検知部(90)がメダル1枚分に相当する回転体(70)の回転を検知するごとに、メダルのかけ枚数を表示するベット表示部(18A)が加算表示され、加算された数値がメダル数表示部(19)の表示数から減算されて表示されるように形成することができる。
本発明によれば、遊技者が回転体(70)を回転させることにより、回転検知部(90)の検知に基づいてメダル数表示部(19)やその他の表示部の表示を変動させることができるので、より手投入に近い感覚で遊技を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本願発明は、以上のように構成されているので、遊技者がメダルを投入しているという実感が湧くような封入式遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。
図2】仮想投入部を示す斜視図である。
図3】仮想投入部を示す正面図である。
図4】第一の実施の形態の変形例であって、仮想投入部を示す斜視図である。
図5】本発明の第二の実施の形態であって、スロットマシンの外観正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、第一の実施の形態及び第二の実施の形態に分けて、図面に基づき説明する。
(第一の実施の形態)
(スロットマシン1)
スロットマシン1は、図1に示すように、方形箱状の筐体10と、この筐体10の正面に設けられた前扉11を有している。前扉11は、筐体10にヒンジ(図示せず)を介して水平方向に回動自在に取り付けられた板状の扉である。筐体10の内部には、表面に複数の図柄が表示された3個の回転リール13を備えたリールユニット(図示せず)と、リールユニットの作動を制御する制御装置(図示せず)が内蔵されている。前扉11には、前記した3個の回転リール13の図柄を正面側から視認可能な図柄表示窓12が形成されており、図柄表示窓12の上方には液晶表示装置などの画像表示部11Aが設けられている。図柄表示窓12の下方であってスロットマシン1の高さ方向略中央部は、スロットマシン1を作動させるための操作スイッチ等が設けられたカウンター状の操作部11Bとなっている。また図柄表示窓12の下方であって操作部11Bの上方には、投入表示部18及び払出表示部19が設けられている。そして、前扉11の下部には、仮想払出部11Cが設けられている。
【0016】
前記操作部11Bには、遊技を進行させるための操作スイッチ類として、ベットスイッチ14、スタートスイッチ15、ストップスイッチ16が設けられている。ベットスイッチ14は、カウンター状の操作部11Bの上面110の左側に設けられたボタンスイッチであって、クレジットメダルをベットメダルに代えるためのものである。スタートスイッチ15は、操作部11Bの正面左側に設けられたレバースイッチであって、回転リール13を回転させるためのものである。ストップスイッチ16は、スタートスイッチ15の右側に並んで設けられた3個のボタンスイッチであって、回転している回転リール13を個々に停止させるためのものである。
【0017】
また、操作部11Bの上面110の左端には、精算スイッチ17が設けられているとともに、精算スイッチ17の下方には、再投入スイッチ20が設けられている。精算スイッチ17は、クレジットを払い戻すためのものであり、再投入スイッチ20は、払出メダルをクレジットメダルに代えるためのものである。なお、操作部11Bの上面110の右端には、仮想投入部2が設けられているが、この詳細については後述する。
前記投入表示部18は、7セグメント表示器などからなるメダル数表示部であって、1回の遊技のために投入されるメダル数を表示するベット表示部18Aと、クレジットとして貯留された扱いとなっているメダル数を表示するクレジット表示部18Bが設けられている。なお、クレジットとしては、最大50枚までのメダルを貯留することができる。投入表示部18の左側には、払出表示部19が設けられている。払出表示部19は、入賞により払い出されたメダルの合計値を表示するためのものである。
【0018】
ここで、スロットマシン1には、図示しないメダルサンドが併設されており、メダルサンドの所定の対価投入部に対価を投入することにより、投入対価に応じた数値がクレジット表示部18Bに表示され、メダルが貸し出された扱いとなる。例えば、メダルサンドの紙幣投入口に紙幣を投入し、あるいは所定の記憶媒体挿入口にメダル数に関する数値データが記憶された磁気カードなどの記憶媒体を挿入して、所定の払出スイッチを操作すると、クレジット表示部18Bに「50」が表示される。
そして、クレジット表示部18Bにクレジット表示がある場合に精算スイッチ17を操作すると、クレジット表示部18Bの表示が「0」まで減じられるとともに、クレジットとして表示されていたメダル数が払出表示部19に加算表示される。また、払出表示部19に払出メダル数表示がある場合に再投入スイッチ20を操作すると、払出表示部19が最大50だけ減算表示されるとともに、払出表示部19の表示数から減じられた数だけクレジット表示部18Bが加算表示されるようになっている。
【0019】
前記仮想払出部11Cは、入賞メダルが払い出される場合、すなわち制御装置により入賞メダルの払い出しが決定された場合に、所定の擬似払出装置200が作動して、あたかも下皿に本物のメダルが払い出されているかのような演出を行うためのものである。擬似払出装置200としては、例えば、左右方向の回転軸を中心に回転可能なドラムの表面にメダルの絵や写真を貼付し、ドラムの表面が正面視して上から下に向かって移動する方向に回転させるようにしたものや、筐体10の内部に設けたレーザープロジェクターを用いて、筐体内部から前扉11の下部パネルにメダルが払い出される画像を投影するようにしたものなどを設けることができる。これらの擬似払出装置200を作動させる場合には、スピーカ(図示せず)からメダルが払い出される音声を出力すると、より効果的である。なお、精算スイッチ17の操作に基づくメダル払い戻しの場合にも、擬似払出装置200を作動させるようにしてもよい。
【0020】
前記制御装置は、遊技及び演出を制御するためのものである。すなわち、制御装置は、回転リール13に表示されている図柄の組合せが対応付けられた所定の役について当選か否かの役抽選を行い、ベットスイッチ14の操作信号に基づき仮想投入部2の作動及び投入表示部18の表示を制御するとともに、スタートスイッチ15、ストップスイッチ16の操作信号に基づき回転リール13の回転及び停止を制御し、遊技進行に応じて、画像表示部11Aや図示しないスピーカや仮想払出部11Cの作動を制御する。また、遊技結果や精算スイッチ17及び再投入スイッチの制御に基づき、クレジット表示部18B及び払出表示部19の表示を制御する。なお、制御装置の制御に基づくスロットマシン1の作動については後述する。
【0021】
(仮想投入部2)
次に、仮想投入部2について詳述する。
仮想投入部2は、図2及び図3に示すように、被覆部材30と、複数のメダルMを収納固定し前後方向の回転軸を中心に回転可能な円板状の回転体40と、回転体40を回転させるための駆動モータ50とから構成されている。
被覆部材30は、図1及び図2に示すように、メダル投入口の外形を模して形成された正面視嘴型の部材である。被覆部材30は、前扉11の操作部11Bの上面110に形成された横長方形状の開口部120の左側に突設されており、開口部120に連通する擬似投入口31を有している。擬似投入口31は、回転体40に固定されたメダルMが被覆部材30の内部側、ひいてはスロットマシン1の内部側に移動するように見せるための開口部である。そして、被覆部材30は、開口部120から一部を露出させた状態で前扉11に設置される回転体40の、開口部120から露出している部分の左側端部の周囲を覆っている。すなわち、回転体40の開口部120からの露出部分のうち左側端部は、被覆部材30に隠れている。
【0022】
回転体40は、図2及び図3に示すように、リング状の外輪部41と中央部に位置する円板部42との間に、9個のメダルMを収納した透明ケースである。図3に示すように、外輪部41と円板部42の間のドーナツ型のスペースは、回転体40の回転軸47を中心に放射状に形成された仕切板43によって、3つのメダル収納部44,45,46に分割されている。そして、各メダル収納部44,45,46には、メダルMが3個ずつ収納されている。すなわち、メダル収納部44にはメダルM1〜M3が、メダル収納部45にはメダルM4〜M6が、メダル収納部46にはメダルM7〜M9が、それぞれ横並び(円周面を隣接させた状態)で円弧状に配置されている。各メダル収納部44,45,46の正面(回転体40を前扉11に固定したときに前側となる面)は透明部材により密封されており、収納されているメダルM1〜M9は視認できるものの取り出すことはできない。
【0023】
そして、回転体40は、前扉11に設けられた駆動モータ50(図1及び図3参照)の駆動軸に連結されており、駆動モータ50に連結された状態で、図2及び図3に示すように、回転体40の上側略1/3程度が、操作部11Bの上面110から露出するようになっている。前述したように、回転体40の露出部分の左側端部は被覆部材30により覆われるが、露出部分の正面側からは、内部に収納されているメダルMのうち最大3枚を視認可能となっている。
ここで、回転体40の初期位置は、図3に示すように、操作部11Bの上面110からメダルMが3個視認できる位置に設定されている。そして、駆動モータ50は、ベットスイッチ14が操作されることにより、回転体40を正面視反時計回り(図3における白矢印方向)に120°回転させるように形成されている。すなわち、スロットマシン1の制御装置は、ベットスイッチ14の操作信号に基づき、回転体40が120°回転するように、駆動モータ50を駆動させる。120°は、メダル3枚が擬似投入口31を通過するのに相当する角度である。回転体40が120°回転したかどうかは、回転体40の仕切板43の位置に設けたインデックス片(図示せず)を回転検知センサ60(図3参照)が検知したか否かにより判断することができる。あるいは、駆動モータ50があらかじめ設定された所定時間又は所定のステップ数だけ駆動したかによって判断してもよい。そして、駆動モータ50により回転体40が回転すると、操作部11Bの上面110から露出している回転体40のメダル収納部(44,45,46のいずれか)に収納されているメダルが3個、被覆部材30に隠れる方向に移動して、擬似投入口31を通過する。
【0024】
例えば、初期位置においては、図3に示すように、メダル収納部44に収納されているメダルM1、M2、M3が正面側から視認可能である。駆動モータ50が駆動開始すると、回転体40が白矢印方向に回転し、メダルM1、M2、M3の順に、擬似投入口31を通過していく。そして、回転体40が120°回転して駆動モータ50が駆動停止したときには、メダル収納部45に収納されているメダルM4、M5、M6が正面側から視認可能となる。これにより、あたかも、ベットスイッチ14の操作によりメダル3枚(M1〜M3)が投入されたように見せることができるようになっているものである。
(スロットマシン1の作動)
上記構成を有するスロットマシン1の作動について説明する。本実施の形態では、3枚のメダルを投入(ベット)することにより1回の遊技を行うことができるようになっている。
【0025】
まず、図示しないメダルサンドに、紙幣又はメダル数に関する数値データの記憶された記憶媒体を投入する。所定の払出スイッチを操作すると、メダルサンドの制御部からスロットマシン1の制御装置にメダル50枚分の数値データが出力される。制御装置は入力した数値データを記憶するとともに、記憶した数値データに基づき、クレジット表示部18の表示を「50」にする。なお、スロットマシン1の制御装置が直接、メダルサンドからの信号を入力するのはセキュリティ上好ましくないので、制御装置とは別に投入制御部18や払出制御部19の表示を制御するための表示制御部を設け、この表示制御部がメダルサンドからの出力信号を入力するようにしてもよい。この場合には、表示制御部が入力した数値データを記憶するとともに、記憶した数値データに基づき、クレジット表示部18の表示を「50」にする。また、表示制御部から制御装置に、記憶した数値データが送信され、制御装置において記憶される。あるいは、スロットマシン1に、カード挿入口やカードリーダーを設けてもよい。すなわち、カード挿入口にICカードなど所定の記憶媒体を投入すれば、クレジット表示部18に「50」が表示されるようにする。このように形成すれば、スロットマシン1の制御装置に外部から信号を入力する必要がない。
【0026】
クレジット表示部18Bの表示が「3」以上の場合にベットスイッチ14を操作すると、仮想投入部2の回転体40が回転し、回転体40に収納されているメダルMが3枚、被覆部材30の擬似投入口31に向かって移動する。このとき、ベット表示部18Aが「3」だけ加算表示されるとともに、クレジット表示部18Bが「3」だけ減算表示される。なお、この表示の変更は、回転体40が回転開始したときに行われるようにしてもよいし、回転体40がメダル3枚分だけ回転した後に行われるようにしてもよい。あるいは、回転体40がメダル1枚分だけ回転するごとに、「1」ずつ変更されるようにしてもよい。この場合、回転体40の回転角度などを検知する必要はなく、そのようなタイミング(時間間隔)で表示が切り替わるように設定しておけばよい。
【0027】
ベット表示部18Aにベット数が表示されている状態でスタートスイッチ15を操作すると、制御装置において役抽選が行われ、回転リール13が回転開始する。回転リール13の回転中にストップスイッチ16を操作することにより対応する回転リール13が停止する。制御装置は、役抽選の結果が所定の役に当選している場合には、ストップスイッチ16の操作タイミングに基づいて、当選役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に極力揃うように、回転リール13の停止を制御する。役抽選の結果がハズレの場合には、いかなる役に対応する図柄組合せも揃わないように、回転リール40の停止を制御する。
全ての回転リール13が停止したとき、役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、入賞メダルの払い出しやボーナスゲームなどの有利遊技への移行が決定される。入賞メダルの払い出しが決定されると、この決定に基づき入賞に応じた払い出し処理が行われる。具体的には、クレジット表示部18Bの表示が「50」未満の場合には、払い出されるメダル数分、クレジット表示部18Bが加算表示される。クレジットの加算中にクレジット表示部18Bの表示が「50」になった場合には、残りの払い出しメダル数分、払出表示部19が加算表示される。入賞時にクレジット表示部18Bの表示が「50」である場合には、全ての払い出しメダル数分だけ払出表示部19が加算表示される。払出表示部19が加算表示される場合には、仮想払出部11Cの擬似払出装置200が作動して、入賞メダル払い出しの演出が行われる。これにより、払い出しに関して従来のスロットマシンと同様の作動状態を実現でき、遊技者は従来のスロットマシンと同様の感覚で遊技を行うことができる。
【0028】
クレジット表示部18Bの表示が「0」であり払出表示部19にメダル数表示があるときに再投入スイッチ20を操作すると、払出表示部19が「50」だけ減算表示されるとともに、クレジット表示部18Bが「50」に加算表示される。払出表示部19の表示が50未満の場合には、払出表示部19に表示されている枚数分が、クレジット表示部18Bに表示される。払出表示部19にメダル数表示がある場合、すなわち遊技者がメダルを保有している場合には、クレジットが無くなっても、このようにして遊技を継続することができる。
クレジット表示部18Bの表示が「1」以上であるときに精算スイッチ17を操作すると、クレジット表示部18Bの表示が「0」になり、クレジットされていたメダル数は払出表示部19に加算表示される。また、クレジット表示部18Bの表示が「0」のときに、精算スイッチ17を操作した場合には、払出表示部19の表示に係る数値データが制御装置からメダルサンドの制御部に出力されるとともに、払出表示部19の表示が「0」になる。
【0029】
メダルサンドでは、スロットマシン1から入力した数値データを、所定の記憶媒体に記憶する。記憶媒体を取り出せば、遊技で獲得したメダルを入手したことになる。数値データの書き込まれた記憶媒体を景品交換所に持参すれば、記憶媒体に記憶されているデータに応じて、所定の景品と交換することができる。なお、記憶媒体が記憶する数値データは、メダル数に限られず、メダル数を所定のレートで換算した金額データであってもよい。また、記憶媒体は、磁気カードの他に、ICチップを埋め込んだトークン(メダルなど)としてもよい。あるいは、入力した数値データに基づく枚数表示が印刷されたレシートを発行するようにしてもよい。
【0030】
(総括)
以上のように、本実施の形態によれば、メダルに直接触れることなく遊技を行うことができ、遊技の結果獲得したメダルも、電子データとして磁気カードなどに記憶するので、重いメダルをカウンターに運ぶ手間がない。また、遊技場の店員も、メダルの補給に労力を費やすこともない。そして、ホッパーユニットやメダルセレクターなどの装置が必要なくなるため、スロットマシン1のコストダウンを図ることができる。
加えて、メダルの投入や払い出しを擬似的なものとしたことにより、従来の、メダルセレクターに対するゴト(クレマンによるクレジット表示の操作)や、ホッパーの払い出し口に対するゴト(メダルの抜き取り)などを行う余地がなくなり、かかる不正行為に因る損失を減らすことができる。
【0031】
さらに、本実施の形態では、擬似的なメダル投入とはいえ、ベットスイッチ14の操作により回転体40に収納されたメダルが擬似投入口31に投入されるような動きを実現したので、遊技者は自分の意思で投入したことをアナログ的に確認することができ、安心して遊技を行うことができる。また、現物のメダルは投入できないものの、遊技進行のための操作スイッチ(ベットスイッチ14など)や表示部(クレジット表示部18Bなど)を従来のスロットマシンと同様にし、操作手順も従来のスロットマシンとほぼ同様であるので、従来のスロットマシンに慣れている遊技者でも違和感なく遊技を行うことが可能である。
(第一の実施の形態の変形例)
上記した実施の形態では、ベットスイッチ14の操作により、メダル3枚分が被覆部材30に隠れる角度だけ、回転体40が回転するように形成してあったが、1枚ベット、2枚ベットの遊技を可能とする場合には、1枚ベット用のベットスイッチ14、2枚ベット用のベットスイッチ14、3枚ベット用のベットスイッチ14を設け、操作するベットスイッチ14に応じて、回転体40の回転角度を変えるようにしてもよい。すなわち、ベット枚数に応じたメダルが被覆部材30に隠れるよう、駆動モータ50を駆動させるように制御してもよい。
【0032】
また、上記した実施の形態においては、再投入スイッチ20を操作すると、払出表示部19の表示から最大50枚分がクレジットに移行するように形成してあったが、クレジットに移行させるメダル数を遊技者が選択可能に形成してもよい。例えば、再投入スイッチ20の操作態様(二度押しや長押し)でクレジットとされる枚数が変化するように形成したり、再投入スイッチ20を複数設け、操作された再投入スイッチ20に応じてクレジットされる枚数が変化するように形成してもよい。
あるいは、再投入スイッチ20を設けず、クレジット機能を搭載せずに、メダルサンドへの紙幣等の投入に基づき払出表示部19に例えば50枚分の表示がされるように形成し、ベットスイッチ14の操作に基づき、ベット表示部18Aが加算表示されるとともに払出表示部19が所定のベット数分だけ減算表示され、入賞より払出がある場合には払出表示部19が加算表示されるようにしてもよい。ただ、払出表示部19の表示(表示に係る数値データ)は、従来のスロットマシンでいえば下皿やドル箱に貯留されているメダルに相当するところ、ベットスイッチ14の操作により直接消費されるものとすると、下皿に払い出されたメダルを再度メダル投入口に投入する場合と異なり、獲得したメダルを際限なく使用してしまうおそれがある。クレジット機能を搭載し、払出表示部19の表示を再投入スイッチ20でいったんクレジットに移行させるという手間をかけさせることで、メダルをつぎ込むか否かについて遊技者に考え直す機会を与えることができるという効果がある。
【0033】
ところで、上記した実施の形態は、回転体40が前後方向の水平軸を中心に回転するように形成されていたが、図4に示すように、回転体40の回転軸47を垂直軸としてもよい。回転体40は、後方側略半分が前扉11の内部に位置し、前方側略半分が前扉11の表面側に位置するように設置されており、外周面48には、複数のメダルM(個数は何個でもよい)が起立状態で固定されている。また、回転体40は上面視時計回りに回転するようになっている。被覆部材30は、円板状の回転体40の前方半分を覆う上面視半円形の筒状に形成され、正面側の中心よりも右寄りには回転体40に固定されたメダルMを3個横並びに視認可能な擬似投入口31が形成されている。ベットスイッチ14が操作された場合には、制御装置は、図示しない回転検知センサの検知に基づき、回転体40がメダル3枚分に相当する角度だけ回転するよう、駆動モータ50(図示せず)を駆動させる。このように形成した場合にも、回転体40が回転すると、擬似投入口31から見えるメダルMが図面上の左方向に移動し、メダルMが擬似投入口31を通過して被覆部材30の内部に次々と入っていくように見え、あたかもメダルが投入されているかのように見せることができる。
【0034】
なお、回転体40に固定するメダルは少なくとも1つであればよい。この場合には、ベット数に応じて回転体40の回転数を変えればよく、例えば3枚ベット時には、回転体40を3回転させればよい。
(第二の実施の形態)
図5は、本発明の第二の実施の形態を示すものである。なお、第二の実施の形態において、第一の実施の形態と同一部材を示す符号は、第一の実施の形態と同一の符号を用いている。また、第二の実施の形態におけるスロットマシン1の基本的構成は、第一の実施の形態と同様であるので、重複する部分は説明を省略し、本実施の形態の特徴点のみ説明する。
【0035】
(仮想投入部2)
本実施の形態における仮想投入部2は、図5に示すように、擬似投入口31を備えた被覆部材30と、複数のメダルMを収納固定し前後方向の回転軸を中心に手動により回転可能な円板状の回転体70と、所定の場合に回転体70の回転を阻止するためのストッパー80と、回転体70の回転を検知するための回転検知センサ90とから構成されている。
被覆部材30は、図1乃至図3に示す第一の実施の形態の被覆部材30と同様の構成を有している。
回転体70は、図1乃至図3に示す第一の実施の形態の回転体40とほぼ同様の構成を有しているが、回転体40の仕切板43に相当するものが設けられておらず、複数のメダルMが等間隔に並列して収納されている。また、回転体70の外周面には、収納されたメダルMにそれぞれ対応する位置に、ストッパー用の係止開口(図示せず)が形成されている。なお、遊技者による回転体70の操作時に遊技者の意に反して回転体70が回転し過ぎないように、メダル1枚分回転する度に一時停止し、ある程度のトルクを与えないと回転しないような構造にしておくのが好ましい。
【0036】
ストッパー80は、ソレノイドの作動により出没突起を突出させて回転体70の係止開口に係止させ、回転体70の回転を阻止するものである。
回転検知センサ90は、回転体70がメダル1枚分の移動に相当する角度だけ回転したことを検知可能な検知部であり、例えば、ストッパー用の係止開口を検出可能な反射センサとすることができる。あるいは、回転体70に収納されているメダルMの移動を検知可能な磁気センサとしてもよい。回転検知センサ90の検知回数によって、回転体70がメダル何枚分回転したかを特定できるようになっている。
上記構成を有する仮想投入部2の作用を説明する。
【0037】
ここで、第二の実施の形態においては、メダルサンドに紙幣等を投入してメダルサンドに設けられた所定の払出スイッチを操作した場合には、クレジット表示部18Bではなく払出表示部19に、投入金額に応じたメダル数が表示されるようになっている。
まず、回転体70は、所定時以外はトッパー80によって回転不能にロックされている。すなわち、ストッパー80の出没突起が、回転体70に設けられた係止開口に突出して回転体70を係止している。
そして、制御装置は、回転検知センサ90の検知信号に基づき、前記ストッパー80の作動及び投入表示部18の表示を制御する。具体的には、払出表示部19にメダル数の表示があることを条件に、ストッパー80の出没突起を没入させて回転体70のロックを解除する。これにより回転体70が回転可能となる。そして、回転体70の回転に伴う回転検知センサ90の検知信号を入力するごとに、ベット表示部18Aを1ずつ加算表示させ、払出表示部19を1ずつ減算表示させる。検知信号の入力回数が最大ベット数を超えた場合には、クレジット表示部18Bを1ずつ加算表示させ、払出表示部19を1ずつ減算表示させる。そして、クレジット表示部18Bの表示が「50」になった場合には、ストッパー80の出没突起を突出させて回転体70をロック状態にする。なお、クレジット満杯時以外にも、回転リール13の回転中やエラー発生中など、スロットマシン1がメダル受け付け状態でない場合にも、ストッパー80により回転体70をロック状態にする。
【0038】
このように、本実施の形態では、回転体70に、メダル投入手段としての機能を持たせたので、メダル投入を手で行う手投入の感覚を色濃く残すことができるとともに、クレジットを使用しないで手投入のみで遊技を行うことも可能となり、手投入で遊技を行いたい遊技者のニーズに応えることができるものとなる。
なお、回転検知センサ90により、複数のメダルの移動を検知するようにしてもよい。例えば、メダル3枚分の移動を検知可能にして、1回の検知信号によりベット表示部18Aを3だけ加算表示させるようにしてもよい。
また、回転体40に固定するメダルは少なくとも1枚あればよく、この場合には、回転検知センサ90は、回転体40が初期位置から1回転したことを検知すればよい。また、図4に示すような垂直軸を中心に回転する回転体40を用いた場合でも、回転体40を手動で回転させるように形成することができる。
【0039】
さらに、上記した第一及び第二の実施の形態において、払出表示部19及び再投入スイッチ20を、メダルサンドに設けてもよい。あるいは、紙幣投入口やカードリーダーをスロットマシン1に設けてもよい。この場合には、メダルサンドの制御部とスロットマシン1の制御装置との間で信号出入力を行う必要がない。
本発明は、スロットマシン以外の遊技機、例えばゲームセンターに設置されるメダル遊技機にも利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 スロットマシン 2 仮想投入部
10 筐体 11 前扉
11B 操作部 11C 仮想払出部
12 図柄表示窓 13 回転リール
14 ベットスイッチ(投入スイッチ) 15 スタートスイッチ
16 ストップスイッチ 17 精算スイッチ
18 投入表示部 19 払出表示部(メダル数表示部)
18A ベット表示部 18B クレジット表示部(メダル数表示部)
20 再投入スイッチ
30 被覆部材 31 擬似投入口
40 回転体 41 外輪部
42 円板部 43 仕切板
44,45,46 メダル収納部 47 回転軸
50 駆動モータ 60 回転検知センサ
70 回転体(投入操作手段) 80 ストッパー
90 回転検知センサ(回転検知部)
図1
図2
図3
図4
図5