【文献】
伊東 輝顕,外3名,リング型ネットワークの管理方式に関する検討,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2005年 3月 4日,第104巻,第707号,pp.61−65
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本実施形態における遠隔監視システムのシステム構成を示す図である。本実施形態の遠隔監視システムは、オペレータ端末10、遠隔制御装置11、GW機器50、GW下部機器60及びネットワーク70を備える。
遠隔監視システムの理解のため、まず遠隔監視システムの具体的な適用例について説明する。職場や家庭にGW機器50が設置され、GW機器50には複数台のGW下部機器60(例えばOA機器や家電機器など)が設置される。GW下部機器60について異常の有無を確認したいユーザは、電話などの手段を用いてオペレータに監視を依頼する。監視の依頼を受けたオペレータは、オペレータ端末10を操作することによって、遠隔制御装置11及びGW機器50を介して、GW下部機器60に対する監視処理を行う。
【0015】
以下、遠隔監視システムの詳細について説明する。
オペレータ端末10は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。オペレータ端末10は、GW下部機器60のユーザに要求された機器(GW下部機器60)の遠隔監視を遠隔制御装置11に要求する。
遠隔制御装置11は、オペレータ端末10からの監視要求に応じて指定されたGW下部機器60の遠隔監視を行う。遠隔制御装置11は、指定されたGW下部機器60の状態に関する情報(状態情報)を取得してオペレータ端末10に送信する。
【0016】
GW機器50は、GW下部機器60とネットワーク70との間で通信の中継を行う中継装置である。GW機器50には、無線通信又は有線通信で1台以上のGW下部機器60が接続される。以下、GW機器50にGW下部機器60が接続されることを「GW機器50に帰属する」と表現する。
【0017】
GW下部機器60は、GW機器50に帰属しているIP対応の機器である。IP対応の機器は、例えば、OA機器や家電機器等であっても良い。GW下部機器60は、監視情報DBを記憶している。監視情報DBは、GW下部機器60のOID毎に応答内容を格納している。
ネットワーク70は、どのように構成されたネットワークでも良い。例えば、ネットワーク70はNGN(Next Generation Network)を用いて構成されてもよい。
【0018】
図2は、本実施形態における遠隔監視システムの機能構成を表す概略ブロック図である。まず、遠隔制御装置11の機能構成を説明する。
遠隔制御装置11は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、遠隔監視プログラムを実行する。遠隔監視プログラムの実行によって、遠隔制御装置11は、通信部12、遠隔監視装置20、GW情報管理装置30、機器情報蓄積装置40を備える装置として機能する。なお、遠隔制御装置11の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。また、遠隔監視プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、遠隔監視プログラムは、電気通信回線を介して送受信されても良い。
【0019】
通信部12は、ネットワーク70を介してGW機器50との間での通信を行う。
遠隔監視装置20は、オペレータ端末10からの監視要求に応じて遠隔監視を行う。以下、遠隔監視装置20が備える具体的な構成について説明する。
入出力部21は、信号の入出力を行う。
【0020】
制御部22は、遠隔監視装置20の各機能部の制御を行う。
監視実績記憶部23は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。監視実績記憶部23は、監視実績DB(Data Base:データベース)を記憶している。監視実績DBは、機種名、機器種別及びメーカー名毎に監視実績を格納している。監視実績とは、過去から現在までにオペレータ端末10から要求された監視要求に対してGW下部機器60から状態情報を取得できた実績を表す。監視実績記憶部23は、監視処理が行われる度に監視実績DBの監視実績を更新する。
【0021】
判断部24は、オペレータ端末10から要求された機器に関する情報が監視実績DBに記憶されているか否かを判断する。
選択部25は、監視実績DBから、GW下部機器60のOIDを選択する。
【0022】
算出部26は、判断部24の判断結果に基づいて、OID群ごとの期待値を算出する。OID群とは、複数のOIDで構成されるOIDの集まりである。期待値とは、OID群の状態情報の取得確率の高さを表す指標である。取得確率とは、オペレータから監視要求されたOIDに対して状態情報を取得できた確率を表す。
決定部27は、算出部26が算出した期待値の中から1つの期待値を決定する。決定部27は、例えば、複数の期待値の中から最大の期待値を決定する。
【0023】
GW情報管理装置30は、GW機器50の情報を管理する装置である。GW情報管理装置30は、GW機器情報を格納しているGW情報DBを有する。GW機器情報とは、GW機器50に関する情報である。GW情報管理装置30は、遠隔監視装置20からの要求に応じて、GW情報DBに記憶しているGW機器情報を遠隔監視装置20に送信する。
【0024】
機器情報蓄積装置40は、GW下部機器60の情報を管理する装置である。機器情報蓄積装置40は、GW下部機器60に関する情報(以下、「GW下部機器情報」という。)が格納されているDBを複数有する。DBには、例えば、IPv4(Internet Protocol version 4)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス、機器種別、メーカー名及び機器名などの情報が格納されている。機器情報蓄積装置40は、遠隔監視装置20からの要求に応じて、各DBに記憶しているGW下部機器情報を遠隔監視装置20に送信する。機器情報蓄積装置40は、GW機器50との間でGW下部機器60に関する情報の送受信を行う。
【0025】
次に、GW機器50の機能構成を説明する。GW機器50は、通信部51、制御部52、機器情報推定部53、機器状態確認部54及び監視設定部55を備える。
通信部51は、ネットワーク70を介して遠隔制御装置11との間での通信を行う。また、通信部51は、GW下部機器60との間での通信を行う。
制御部52は、GW機器50の各機能部の制御を行う。
【0026】
機器情報推定部53は、GW下部機器60からGW下部機器情報を取得する。機器情報推定部53が、GW下部機器60からGW下部機器情報を取得するタイミングは、予め設定されていても良いし、ユーザによって設定されても良い。
機器状態確認部54は、要求されたGW下部機器60の状態情報を取得する。状態情報とは、機器の状態に関する情報である。
監視設定部55は、機器状態確認部54がGW下部機器60から取得する機器の状態情報の設定を行う。
【0027】
図3は、機器情報蓄積装置40が記憶しているDB(GW下部機器情報DB、GW下部機器監視設定DB、GW下部機器監視情報DB)の具体例を表す図である。
図3(A)は、GW下部機器情報DBの構成図である。
GW下部機器情報DBは、複数のレコード80を有する。レコード80は、回線ID、メーカー名、機器種別、機種名、MACアドレスの各値を有する。
【0028】
回線IDの値は、レコード80によって表される機器が使用している通信回線のIDを表す。メーカー名は、レコード80によって表される機器の製造会社を表す。機器種別は、レコード80によって表される機器の種類を表す。機器種別は、例えば、ルータやプリンタなどである。機種名は、レコード80によって表される機器に付与されている型番を表す。MACアドレスは、レコード80によって表される機器のMACアドレスを表す。
【0029】
図3(B)は、GW下部機器監視設定DBの構成図である。
GW下部機器監視設定DBは、複数のレコード81を有する。レコード81は、MACアドレス、取得OID(監視項目)の各値を有する。
MACアドレスは、レコード81によって表される機器のMACアドレスを表す。取得OIDの値は、レコード81によって表されるMACアドレスに対応するGW下部機器60について、GW下部機器情報を取得する対象となっているOID(以下、「取得OID」という。)の項目を表す。
【0030】
図3(C)は、GW下部機器監視情報DBの構成図である。
GW下部監視情報DBは、複数のレコード82を有する。レコード82は、MACアドレス、取得OID、取得結果の各値を有する。
MACアドレスは、レコード82によって表される機器のMACアドレスを表す。
取得OIDの値は、レコード82によって表されるMACアドレスに対応するGW下部機器60から取得するOIDの項目を表す。取得結果は、レコード82によって表される取得OIDについて取得した状態情報を表す。
【0031】
図4は、GW情報DB及び監視情報DBの構成図である。
図4(A)は、GW情報DBの構成図である。GW情報DBとは、上述したようにGW情報管理装置30によって記憶されているデータベースである。
GW情報DBは、複数のレコード83を有する。レコード83は、電話番号、回線ID、IPv6(Internet Protocol version 6)アドレスの各値を有する。
電話番号は、レコード83によって表される回線IDに対応した電話番号を表す。
回線IDの値は、レコード83によって表される電話番号に設定された通信回線のIDを表す。IPv6アドレスの値は、レコード83によって表される回線IDに割り当てられているIPアドレスを表す。
【0032】
図4(B)は、監視情報DBの構成図である。
監視情報DBは、複数のレコード84を有する。レコード84は、OID、応答内容の各値を有する。
OIDの値は、GW機器50から要求されたOIDの項目を表す。応答内容は、レコード84によって表される要求されたOIDの項目に関する状態情報を表す。
【0033】
図5は、監視実績DBの構成図である。
図5(A)は、機器種別に関する監視実績DBの構成図である。
機器種別に関する監視実績DBは、複数のレコード85を有する。レコード85は、機器種別、取得実績の各値を有する。
【0034】
機器種別は、レコード85によって表される機器の種類を表す。取得実績の値は、レコード85によって表される機器種別ごとの状態情報の取得実績を表す。取得実績の項目には、標準MIB及び拡張MIBの各項目が設けられている。標準MIBは、複数の階層からなるツリー構造を有している。各階層は、x本の枝を有しており、各枝には1からxまでの各値が与えられている。例えば
図5(A)に示される標準MIBは、3階層からなるツリー構造を有している。拡張MIBも、標準MIBと同様の構成を有している。
【0035】
標準MIBは、各機器メーカーに共通して定義されているOIDを表す。拡張MIBは、メーカーごとに独自に定義されているOIDを表す。
レコード85によって表される“多”、“中”、“少”、“無”の値は、各OIDにおける状態情報の取得確率の高さを表す。“多”の値は、そのOIDが示す状態情報の取得確率が高いことを表す。“中”の値は、取得確率が“多”の次に高いことを表す。“少”の値は、取得確率が“中”の次に高いことを表す。“無”の値は、状態情報が取得された実績がないことを表す。
【0036】
監視実績の判定方法は、例えば以下のように判定される。
“多”の値は、取得確率が68%〜100%であるOIDに与えられる。“中”の値は、取得確率が34%〜67%であるOIDに与えられる。“少”の値は、取得確率が1%〜33%であるOIDに与えられる。“無”の値は、取得確率が0%であるOIDに与えられる。取得確率は、OID毎に、状態情報を取得できた回数を、取得要求の回数で除算することによって算出される。
なお、状態情報の取得確率は、“多”、“中”、“少”、“無”以外の値で表されても良い。また、状態情報の取得確率の表し方は、上述した4種の値(“多”、“中”、“少”、“無”)に限定される必要はなく、2〜3種の値で表されても良いし、5種以上の値で表されても良い。
【0037】
図5(B)は、メーカー名に関する監視実績DBの構成図である。
メーカー名に関する監視実績DBは、複数のレコード86を有する。レコード86は、メーカー名、取得実績の各値を有する。
メーカー名は、レコード86によって表される機器の製造会社を表す。取得実績の値は、レコード86によって表されるメーカー名ごとの状態情報の取得実績を表す。
【0038】
図5(C)は、機種名に関する監視実績DBの構成図である。
機種名に関する監視実績DBは、複数のレコード87を有する。レコード87は、機種名、OID、取得結果の各値を有する。
機種名は、レコード87によって表される機器に付与されている型番を表す。OIDの値は、レコード87によって表される要求されたOIDの項目を表す。取得結果の値は、レコード87によって表される要求されたOIDの項目に関する状態情報を表す。
【0039】
次に
図6を用いて、算出部26が期待値を算出する処理の具体例について説明する。
図6は、OIDのツリー構造の具体例を表す図である。OIDのツリー構造は、複数の階層から構成される。各階層は、複数の枝を有しており、各枝には複数の各値(例えば、1,2、aなど)が与えられている。
状態情報(1.a.b.….m.n)の取得要求数をS1(1.a.b.….m.n)として定義して、状態情報(1.a.b.….m.n)の取得数をS2(1.a.b.….m.n)として定義する。その結果、状態情報(1.a.b.….m.n)の取得確率P(1.a.b.….m.n)は、式1によって算出される。取得数とは、取得要求数に対して実際に状態情報を取得できた数を表す。
【0041】
ここで、オペレータ端末10がGW下部機器60の監視を試みた全ての回数をS(1.a.b.….m.n)と定義すると、期待値E(1.a.b.….m)は、式2によって算出される。全ての回数とは、過去から現在までに監視が行われた回数である。
【0043】
算出部26は、複数の階層からなるツリー構造の取得実績に関して、1階層上の各OID群(
図6の太枠)の期待値を式2に基づいて算出する。
【0044】
次に、
図7を用いて選択部25が取得OIDを選択する処理(選択処理)の具体例について説明する。
図7は、監視実績DBの具体例を表す図である。
図7(A)は、機器種別に関する監視実績DBの構成図である。
図7(B)は、メーカー名に関する監視実績DBの構成図である。
図7(C)は、機器種別及びメーカー名の監視実績DBの構成図である。
選択部25は、
図7(A)のレコード88によって表される取得実績のうち、“多”の値を“T”と定義し、“中”、“少”、“無”の値を“F”と定義する。選択部25は、
図7(B)のレコード89によって表される取得実績にも同様の処理を行う。
【0045】
その後、選択部25は、機器種別に関する監視実績DBとメーカー名に関する監視実績DBとを用いて論理積を求める(
図7(C))。具体的には、機器種別に関する監視実績DBの取得実績“T”とメーカー名に関する監視実績DBの取得実績“T”との論理積は、“T”となる。機器種別に関する監視実績DBの取得実績“T”とメーカー名に関する監視実績DBの取得実績“F”との論理積は、“F”となる。
【0046】
選択部25は、機器種別及びメーカー名に関する監視実績DBからレコード90によって表される取得実績の“T”の項目を取得OIDとして選択する。
図7(C)では、例えば、取得OIDは、ルータ及びA社のOID(1.3.6.1.2.1.1.1.1)やプリンタ及びC社のOID(1.3.6.1.2.1.x.1.1)などが選択される。
【0047】
もし、オペレータが取得したい状態情報を取得できなかった場合、次に選択部25は
図7(A)のレコード88によって表される取得実績のうち、“中”の値を“T”と定義し、“少”、“無”の値を“F”と定義する。選択部25は、
図7(B)のレコード89によって表される取得実績にも同様の処理を行う。
選択部25は、機器種別に関する監視実績DBとメーカー名に関する監視実績とを用いて論理積を求める。
【0048】
また、オペレータが取得したい状態情報を取得できなかった場合、次に選択部25は
図7(A)のレコード88によって表される取得実績のうち、“少”の値を“T”と定義し、“無”の値を“F”と定義する。選択部25は、
図7(B)のレコード89によって表される取得実績にも同様の処理を行う。
選択部25は、機器種別に関する監視実績DBとメーカー名に関する監視実績とを用いて論理積を求める。
【0049】
また、オペレータが取得したい状態情報を取得できなかった場合、算出部26は複数の階層からなるツリー構造で表される取得実績の1階層上のOID群ごとに期待値を算出する。決定部27は、算出部26が算出した期待値の中から1つの期待値を決定する。選択部25は、決定部27が決定した期待値に対応するOID群を取得OIDに選択する。
【0050】
また、機器種別及びメーカー名のいずれかの監視実績が存在しない場合、選択部25は監視実績が存在する監視実績DBのみを用いて選択処理を行う。その際、監視実績DBから取得OIDを選択できない場合、算出部26は1階層上のOID群ごとに期待値を算出する。その後、決定部27は、算出部26が算出した期待値の中から1つの期待値を決定する。選択部25は、決定部27が決定した期待値に対応するOID群を取得OIDに選択する。
【0051】
図8及び
図9は、本実施形態の具体的な動作を示すシーケンス図である。
GW機器50の制御部52は、GW情報管理装置30に対して登録要求を行う際に必要となる情報を取得する(ステップS101)。具体的には、制御部52は、自装置(GW機器50)のGW機器情報(例えば、自装置が接続している通信回線の電話番号、IPv6アドレスなど)を取得する。そして、通信部51は、制御部52によって取得されたGW機器情報を含む信号をGW情報管理装置30に送信する(ステップS102)。
GW情報管理装置30は、信号を受信し、受信された信号に含まれているGW機器情報をGW情報DBに記録する(ステップS103)。
【0052】
GW機器50の機器情報推定部53は、GW下部機器情報を要求する信号を生成する(ステップS104)。通信部51は、自装置(GW機器50)に接続されている各GW下部機器60に対して、機器情報推定部53によって生成された信号を送信する(ステップS105)。GW下部機器60は、GW機器50から信号を受信する。GW下部機器60は、受信した信号に対して自装置(GW下部機器60)の情報を取得する(ステップS106)。具体的には、GW下部機器60は、自装置(GW下部機器60)のGW下部機器情報(例えば、メーカー名、機種名、IPv4アドレスなど)を取得する。GW下部機器60は、GW下部機器情報を含む信号をGW機器50に送信する(ステップS107)。
【0053】
GW機器50の通信部51は、信号を受信する。GW機器50の制御部52は、受信された信号に含まれているGW下部機器情報を取得する(ステップS108)。通信部51は、取得されたGW下部機器情報を含む信号を機器情報蓄積装置40に送信する(ステップS109)。
機器情報蓄積装置40は、信号を受信し、受信した信号に含まれるGW下部機器情報(例えば、メーカー名、機種名、MACアドレスなど)をGW下部機器情報DBに記録する(ステップS110)。
オペレータ端末10は、オペレータによってGW下部機器60の遠隔監視を要求する入力が行われると、要求されたGW下部機器情報を要求する信号を生成する。(ステップS111)。オペレータ端末10は、生成されたGW下部機器情報を含む信号を遠隔監視装置20に送信する(ステップS112)。
【0054】
遠隔監視装置20の入出力部21は、オペレータ端末10から送信された信号を遠隔制御装置11の通信部12を介して受信する。遠隔監視装置20の制御部22は、受信した信号に含まれるGW下部機器情報(例えば、GW下部機器60を使用しているユーザの電話番号)を取得する。制御部22は、取得したGW下部機器情報に関連のあるGW機器50の情報を要求する信号を生成する(ステップS113)。入出力部21は、GW情報管理装置30に対して生成された信号を送信する(ステップS114)。
【0055】
GW情報管理装置30は、信号を受信する。GW情報管理装置30は、受信された信号に含まれているGW下部機器情報に関連のあるGW機器50の情報を、GW情報DBを参照し確認する。GW情報管理装置30は、GW情報DBに記憶されているGW下部機器情報に関連のあるGW機器50の情報を取得する(ステップS115)。GW情報管理装置30は、遠隔監視装置20に対して取得されたGW機器情報(例えば、回線ID、IPv6アドレスなど)を含む信号を送信する(ステップS116)。遠隔監視装置20の入出力部21は、GW機器情報を受信する。遠隔監視装置20の制御部22は、受信されたGW機器情報に関連のあるGW下部機器情報を要求する信号を生成する(ステップS117)。
【0056】
遠隔監視装置20の入出力部21は、機器情報蓄積装置40に対して生成された信号を送信する(ステップS118)。機器情報蓄積装置40は、信号を受信する。機器情報蓄積装置40は、受信した信号に含まれているGW下部機器情報(例えば、回線ID)に対応するGW下部機器情報を、GW下部機器情報DBを参照することによって確認する。(ステップS119)。
【0057】
機器情報蓄積装置40は、GW下部機器情報DBに記憶されているGW下部機器情報を取得する。機器情報蓄積装置40は、遠隔監視装置20に対して取得したGW下部機器情報(例えば、メーカー名、機器種別、機種名、MACアドレスなど)を含む信号を送信する(ステップS120)。遠隔監視装置20の入出力部21は、信号を受信する。入出力部21は、受信した信号を、遠隔制御装置11の通信部12を介してオペレータ端末10に送信する(ステップS121)。
【0058】
オペレータ端末10は、信号を受信する。オペレータ端末10は、受信した信号に含まれているGW下部機器情報に基づいて、監視するGW下部機器60(以下、「監視下部機器60」という。)を指定する(ステップS122)。オペレータ端末10は、監視下部機器60の情報(例えば、機器種別、メーカー名など)を含む信号を遠隔監視装置20に送信する(ステップS123)。
【0059】
遠隔監視装置20の入出力部21は、信号を受信する。遠隔監視装置20の判断部24は、受信した信号に含まれている監視下部機器60の情報に関する監視実績を、監視実績DBを参照し確認する(ステップS124)。選択部25は、監視実績DBに記憶されている監視下部機器60の監視実績を取得する。選択部25は、取得した監視実績に基づいて取得OIDを選択する。(ステップS125)。
遠隔監視装置20の入出力部21は、取得OIDと監視下部機器60の情報(例えば、MACアドレス)とを含む信号を機器情報蓄積装置40に送信する(ステップS126)。
【0060】
機器情報蓄積装置40は、受信された信号に含まれている取得OIDと監視下部機器60の情報とを、監視設定項目としてGW下部機器監視設定DBに記録する(ステップS127)。機器情報蓄積装置40は、監視設定項目(例えば、MACアドレス、OID)を含む信号をGW機器50に送信する(ステップS128)。
GW機器50の通信部51は、信号を受信する。GW機器50の監視設定部55は、受信した信号に含まれている監視設定項目を、機器状態確認部54がGW下部機器60から取得する監視設定項目に設定する。GW機器50の機器状態確認部54は、監視設定項目に対応するGW下部機器60の機器状態の確認を要求する信号を生成する(ステップS129)。通信部51は、生成された信号をGW下部機器60に送信する(ステップS130)。
【0061】
GW下部機器60は、信号を受信する。GW下部機器60は、受信された信号に含まれている監視設定項目に対応するGW下部機器情報を、監視情報DBを参照し取得する(ステップS131)。GW下部機器60は、取得したGW下部機器情報(例えば、応答内容)を含む信号をGW機器50に送信する(ステップS132)。
GW機器50の通信部51は、信号を受信する。GW機器50の制御部52は、受信された信号に含まれているGW下部機器情報を取得する(ステップS133)。GW機器50の通信部51は、取得されたGW下部機器情報(例えば、MACアドレス、応答内容)を含む信号を機器情報蓄積装置40に送信する(ステップS134)。機器情報蓄積装置40は、信号を受信し、受信された信号に含まれるGW下部機器情報をGW下部機器監視情報DBに記録する(ステップS135)。
【0062】
機器情報蓄積装置40は、GW下部機器情報を含む信号を遠隔監視装置20に送信する(ステップS136)。遠隔監視装置20の入出力部21は、受信された信号に含まれるGW下部機器情報を監視実績として監視実績DBに記録する。監視実績記憶部23は、監視実績DBを更新する(ステップS137)。入出力部21は、遠隔制御装置11の通信部12を介してGW下部機器情報を含む信号をオペレータ端末10に送信する(ステップS138)。
【0063】
図10及び
図11は、本実施形態における取得OIDの選択処理の流れを示すフローチャートである。
遠隔監視装置20の判断部24は、オペレータ端末から入力された監視下部機器60の監視実績の確認を行う(ステップS301)。判断部24は、監視実績DBに監視下部機器60の機器種別及びメーカー名の監視実績があるか否かを判断する(ステップS302)。
【0064】
機器種別及びメーカー名の監視実績がある場合(ステップS302−YES)、選択部25は機器種別に関する監視実績DBに格納されている監視実績の中から、状態情報の取得確率が“多”のOIDを選択する(ステップS303)。選択部25は、メーカー名に関する監視実績DBに格納されている監視実績の中から、状態情報の取得確率が“多”のOIDを選択する(ステップS304)。選択部25は、機器種別に関する監視実績DBとメーカー名に関する監視実績DBとに基づいて、状態情報の取得確率が“多”のOIDを取得OIDに選択する(ステップS305)。判断部24は、状態情報の取得確率が“多”の取得OIDが存在するか否かを判断する(ステップS306)。状態情報の取得確率が“多”の取得OIDが存在する場合(ステップS306−YES)、取得OIDの選択処理を終了する(ステップS307)。
【0065】
ステップS302の処理において、機器種別及びメーカー名の監視実績が存在しない場合(ステップS302−NO)、算出部26は、複数の階層からなるツリー構造で表されるOIDの取得実績の1階層上のOID群ごとに期待値を算出する。(ステップS308)。決定部27は、算出されたOID群ごとの期待値の中から最大の期待値を決定する。(ステップS309)。選択部25は、決定部27によって決定された期待値が最大となったOID群を選択する。選択部25は、選択したOID群の配下に存在する全てのOIDを選択する(ステップS310)。選択部25は、選択した全てのOIDを取得OIDに選択する(ステップS311)。
【0066】
判断部24は、取得OIDが存在するか否かを判断する(ステップS312)。取得OIDが存在する場合(ステップS312−YES)、取得OIDの選択処理を終了する(ステップS307)。
ステップS312の処理において、取得OIDが存在しない場合(ステップS312−NO)、決定部27は前回のステップS309の処理で決定されたOID群とは異なるOID群を選択する。
【0067】
ステップS306の処理において、取得OIDが存在しない場合(ステップS306−NO)、選択部25は機器種別に関する監視実績DBに格納されている監視実績の中から、監視実績の取得確率が“中”のOIDを選択する(ステップS313)。選択部25は、メーカー名に関する監視実績DBに格納されている監視実績の中から、状態情報の取得確率が“中”のOIDを選択する(ステップS314)。選択部25は、機器種別に関する監視実績とメーカー名に関する監視実績とに基づいて、状態情報の取得確率が“中”のOIDを取得OIDに選択する(ステップS315)。判断部24は、取得OIDが存在するか否かを判断する(ステップS316)。状態情報の取得確率が“中”の取得OIDが存在する場合(ステップS316−YES)、取得OIDの選択処理を終了する(ステップS307)。
【0068】
ステップS316の処理において、状態情報の取得確率が“中”の取得OIDが存在しない場合(ステップS316−NO)、選択部25は機器種別に関する監視実績DBに格納されている監視実績の中から、状態情報の取得確率が“少”のOIDを選択する。(ステップS317)。選択部25は、メーカー名に関する監視実績DBに格納されている監視実績の中から、状態情報の取得確率が“少”のOIDを選択する(ステップS318)。選択部25は、機器種別に関する監視実績とメーカー名に関する監視実績とに基づいて、状態情報の取得確率が“少”のOIDを取得OIDに選択する(ステップS319)。
【0069】
判断部24は、取得OIDが存在するか否か判断する。状態情報の取得確率が“少”の取得OIDが存在する場合(ステップS320−YES)、取得OIDの選択処理を終了する(ステップS307)。
ステップS320の処理において、状態情報の取得確率が“少”の取得OIDがない場合(ステップS320−NO)、選択部25はステップS308以降の処理を行う。
【0070】
以上のように構成された遠隔監視システムによれば、過去の監視実績に基づいて自動で監視項目が選択される。そのため、オペレータが監視要求に応じて監視項目を手動で設定する必要がなくなる。その結果、遠隔監視を行う際に生じる煩わしさを減少することができる。
IP対応のGW下部機器60を遠隔監視する際に、取得確率に基づいて取得OIDを限定させる。その結果、無駄なトラフィックの発生を抑制させることが可能となる。
また、同一機種の遠隔操作を行う場合、過去の取得結果と参照することによって問題解析や復旧措置の自動化へとつなげることが可能となる。
【0071】
<変形例>
オペレータ端末10と遠隔制御装置11とは一体化されて構成されても良い。
上記実施形態では、GW機器50は、1台でネットワーク70と接続されているが複数台のGW機器50がネットワーク70と接続されても良い。
監視実績DBが格納するGW下部機器情報は、機器種別、メーカー名及び機種名に限定される必要はなく、機器に関する情報であればどのような情報でも良い。
【0072】
監視実績の判定方法は、上述した判定方法に限定される必要はなく、その他の判定方法が用いられても良い。例えば、監視実績の判定は、以下のように判定しても良い。“多”の値は、取得確率が取得要求の回数の上位33%に入るOIDに与えられる。“中”の値は、取得確率が取得要求の回数の中位34%に入るOIDに与えられる。“少”の値は、取得確率が取得要求の回数の下位33%に入るOIDに与えられる。
【0073】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。