(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図13は、充填されている液体内容物が異なる2種類の瓶容器Bを、一つの箱に箱詰めするためのカートナーに搭載された容器送給装置を示している。この容器送給装置は、容器供給位置αに容器を供給する容器供給手段50と、この容器供給手段50によって容器供給位置αに供給される容器を受け取って搬送するバケットコンベア60とを備えている。
【0003】
前記容器送給装置は、2種類の瓶容器Bをそれぞれ供給する2組の容器供給手段50を備えており、それぞれの容器供給手段50は、同図に示すように、ベルトコンベアによって起立状態で搬送されてくる瓶容器Bを所定のピッチで容器受渡位置に搬送するスクリュー51と、このスクリュー51によって搬送されてきた起立状態の瓶容器Bを、容器受渡位置で受け取って容器供給位置αまで搬送し、容器供給位置αにおいて、瓶容器Bを横に倒した状態でバケットコンベア60のバケット61に供給するロータリ型の容器搬送供給ユニット52を備えている。
【0004】
前記容器搬送供給ユニット52は、容器供給位置αにおいて、バケットコンベア60におけるバケット61の対応する容器収容部62の容器受取口に対向した状態でバケット61と共に移動するプッシャ53を備えており、このプッシャ53が、バケット61と共に容器供給位置αを移動しながら、
図14(a)〜(d)に示すように、瓶容器Bを押し倒すことによって、バケット61の対応する容器収容部62に瓶容器Bを供給するようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したように、2本の瓶容器Bを一つの箱にそのままの状態で箱詰めすると、輸送途中に、箱内の2本の瓶容器Bが接触することによって破瓶するおそれがあるので、破瓶し易い瓶容器Bについては、箱内で瓶容器B同士が接触しないように、2本の瓶容器Bをそれぞれ位置決め可能な合成樹脂製のトレイに収容した状態で箱詰めすることが望ましく、その場合は、上述したバケットコンベア60のバケット61にトレイを供給した後、容器供給手段50によって、そのトレイ内に瓶容器Bを供給することになる。
【0007】
しかしながら、上述した容器供給手段50は、瓶容器Bを押し倒すことによって、バケット61の容器収容部62に瓶容器Bを供給するようになっているので、
図15に示すように、バケット61にトレイTが供給されると、そのトレイTの高さによっては、瓶容器Bを押し倒すことができず、トレイT内に瓶容器Bを供給することができないといった問題がある。
【0008】
そこで、この発明の課題は、トレイの有無に拘わらず、物品搬送手段の物品収容部に物品を押し倒して確実に供給することができる物品送給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、物品を起立状態で物品供給位置に供給する物品供給手段と、前記物品供給手段によって供給される物品を物品収容部が受け取って搬送する物品搬送手段とを備え、前記物品供給手段は、物品供給位置において、起立状態の物品を押し倒すことで、前記物品搬送手段の前記物品収容部または前記物品収容部に載置されるトレイに物品を横に倒した状態で供給する物品送給装置であって、前記物品搬送手段における前記物品収容部の走行ラインまたは前記物品供給手段における物品の走行ラインを、物品供給位置において部分的に昇降可能に構成し、前記物品収容部に載置されるトレイ
が有る場合は、物品供給位置における前記物品収容部の走行ラインと前記物品供給手段における物品の走行ラインを、トレイの上縁が物品の下部に位置する高さ状態でトレイと物品を移動させ、前記物品収容部に載置されるトレイが無い場合は、物品収容部の底部に物品の下部が位置する高さまで、物品供給位置における前記物品収容部の走行ラインを部分的に上昇させ、または前記物品供給手段における物品の走行ラインを部分的に下降させる、ことを特徴とする物品送給装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、請求項1に係る発明の物品送給装置は、物品搬送手段における物品収容部の走行ラインまたは物品供給手段における物品の走行ラインを、物品供給位置において部分的に昇降可能に構成し、物品収容部に載置されるトレイの有無に応じて、物品供給位置における物品収容部の走行ラインまたは物品供給手段における物品の走行ラインを部分的に昇降させ
、物品収容部に載置されるトレイが有る場合は、物品供給位置における前記物品収容部の走行ラインと前記物品供給手段における物品の走行ラインを、トレイの上縁が物品の下部に位置する高さ状態でトレイと物品を移動させ、物品収容部に載置されるトレイが無い場合は、物品収容部の底部に物品の下部が位置する高さまで、物品供給位置における物品収容部の走行ラインを部分的に上昇させ、または物品供給手段における物品の走行ラインを部分的に下降させるようにしたので、トレイの有無に拘わらず、容器搬送手段の容器収容部または物品収容部に載置されるトレイに物品を押し倒して確実に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】この発明に係る物品送給装置の一実施形態である容器送給装置が搭載されたカートナーを示す概略図である。
【
図2】(a)は同上の容器送給装置を示す概略平面図、(b)は同上の容器送給装置を構成しているバケットコンベアの容器供給位置付近のバケットの走行ラインを示す図である。
【
図3】同上の容器送給装置を示す拡大平面図である。
【
図4】(a)は同上のバケットコンベアのバケットに供給されるトレイを示す平面図、(b)は(a)のX−X線に沿った断面図、(c)は(a)のY−Y線に沿った断面図である。
【
図5】(a)はトレイを載置する前のバケットを示す断面図、(b)はトレイが載置された状態のバケットを示す断面図である。
【
図6】同上の容器送給装置を構成している容器搬送供給ユニットを示す断面図である。
【
図7】(a)は同上のバケットコンベアにおける可動レール部分を示す断面図、(b)は同上のバケットコンベアにおける固定レール部分を示す断面図である。
【
図8】(a)は容器供給位置付近のバケットコンベアを構成している上位レールを示す平面図、(b)は容器供給位置付近のバケットコンベアを示す側面図である。
【
図9】(a)〜(e)はプッシャによる瓶容器のトレイへの供給動作を説明するための動作説明図である。
【
図10】(a)はトレイを使用しない場合の容器送給装置を示す概略平面図、(b)は同上の容器送給装置における容器供給位置付近のバケットコンベアのバケットの走行ラインを示す図、(c)は容器供給位置付近のバケットコンベアを示す概略側面図である。
【
図11】(a)は同上のバケットコンベアにおける可動レール部分を示す断面図、(b)は同上のバケットコンベアにおける固定レール部分を示す断面図である。
【
図12】(a)〜(e)はプッシャによる瓶容器のバケットへの供給動作を説明するための動作説明図である。
【
図13】カートナーに搭載されている従来の容器送給装置を示す概略平面図である。
【
図14】(a)〜(e)は同上の容器送給装置におけるプッシャによる瓶容器のバケットへの供給動作を説明するための動作説明図である。
【
図15】従来の容器送給装置の問題点を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、充填されている液体内容物が異なる2種類の瓶容器を、それぞれ位置決め可能なトレイに収容した状態で一つの箱に箱詰めするためのカートナーを示している。このカートナー1は、同図に示すように、2種類の瓶容器を箱詰め位置γに送給する容器送給装置2と、カートン供給装置3によって供給されるシート状に折り畳まれたカートンを、カートン供給位置δで受け取って、胴部を筒状に開口した状態で搬送するカートンスペーサーコンベア4と、箱詰め位置γにおいて、容器送給装置2によって搬送されてきた瓶容器を、カートンスペーサーコンベア4によって搬送されてきたカートンの胴部に挿入する容器挿入装置5と、封緘位置εにおいて、カートンスペーサーコンベア4によって搬送されてきた、胴部に瓶容器が挿入されたカートンを封緘する封緘装置6とを備えている。
【0013】
前記容器送給装置2は、
図2(a)、(b)及び
図3に示すように、2種類の瓶容器を、それぞれの容器供給位置α、βに供給する2組の容器供給手段10、10と、容器供給位置α、βにおいて、容器供給手段10、10から受け取った2種類の瓶容器を箱詰め位置γまで搬送する容器搬送手段としてのバケットコンベア30とを備えており、容器供給手段10、10によって供給される2種類の瓶容器Bは、バケットコンベア30のバケット31上に載置されたトレイT内に収容されるようになっている。
【0014】
前記トレイTは、
図4(a)〜(c)に示すように、合成樹脂シートを圧空成形することによって形成された樹脂成形品であり、2種類の瓶容器Bが嵌合可能な断面略半円弧状の容器収容部c、cと、隣接する容器収容部c、c間において立ち上がる隔壁部pとを備えている。
【0015】
前記容器供給手段10は、
図1及び
図2(a)、(b)に示すように、瓶容器Bを起立状態で搬送するベルトコンベア11と、ベルトコンベア11によって搬送されてきた瓶容器Bを所定のピッチで容器受渡位置ζ(η)に搬送するスクリュー12と、容器受渡位置ζ(η)において、スクリュー12によって搬送されてきた起立状態の瓶容器Bを受け取って容器供給位置α(β)まで搬送し、容器供給位置α(β)において、瓶容器Bを横に倒した状態でバケットコンベア30のバケット31に供給するロータリ型の容器搬送供給ユニット13とを備えている。
【0016】
前記容器搬送供給ユニット13は、
図3及び
図6に示すように、3つのホイール14a、14b、14cに掛け渡された無端状のタイミングベルト15と、このタイミングベルト15に一定間隔で取り付けられた多数の支持プレート16と、各支持プレート16の下端にそれぞれ支持された多数の容器ホルダ20と、各容器ホルダ20に進退可能に支持されたプッシャ22と、プッシャ22を進退させるカム機構24とを備えており、タイミングベルト15と共に、各容器ホルダ20及びプッシャ22が、所定の移動経路上を循環移動するようになっている。
【0017】
前記支持プレート16には、その内面側に3つのガイドローラ17a、18a、19aがそれぞれ支持されており、これらのガイドローラ17a、18a、19aがタイミングベルト15の内側に固定設置された3本のガイドレール17b、18b、19bにそれぞれ嵌り込むことによって、タイミングベルト15と共に移動する各支持プレート16が、垂直に保持されると共に、一定の高さ位置に保持されるようになっている。
【0018】
前記容器ホルダ20は、
図3及び
図6に示すように、容器受渡位置ζ(η)において、スクリュー12から供給される瓶容器Bの首部及び胴部を、先端に形成された凹部20a、20bに嵌合させることによって受け取り、その瓶容器Bを搬送ガイド21に沿わせながら、容器供給位置α(β)まで搬送するようになっており、容器供給位置α(β)では、バケットコンベア30のバケット31における容器受取口に対向した状態で、バケット31の移動速度と同一速度で移動するようになっている。
【0019】
前記プッシャ22は、
図3及び
図6に示すように、容器ホルダ20の凹部20a、20bに首部及び胴部が嵌合した状態で搬送される瓶容器Bの肩部に当接して瓶容器Bを押し倒す押倒部22aと、バケット31の容器収容部31内に押し倒された瓶容器Bの底部を所定位置まで押し込む押込部22bと、押倒部22aの側方において、進退方向の前端側に張り出すサイドガイド23とを備えており、押倒部22aが瓶容器Bを押し倒した状態や押込部22bが瓶容器Bを押し込んだ状態では、
図5(b)に示すように、サイドガイド23が、バケット31内に載置されたトレイTにおける隣接する容器収容部c、c間に立ち上がった隔壁部pの上側に進入することによって、押し倒される瓶容器Bが隣りの容器収容部c側に収容されないようになっている。
【0020】
前記カム機構24は、
図2及び
図3に示すように、プッシャ22の後端部に支持されたカムフォロア25と、このカムフォロア25が嵌り込むカム溝26aが形成されたリング状のカム板26とから構成されており、カムフォロア25がカム溝26aに沿って移動することにより、プッシャ22が進退するようになっている。
【0021】
前記バケットコンベア30は、
図1、
図2(a)、(b)及び
図3に示すように、一定間隔で配設された複数のバケット31が容器供給位置α、βと箱詰め位置γとを通過して循環移動するようになっており、容器供給位置αの上流側でバケット31に供給されたトレイTを、容器供給位置αに至るまでにバケット31上の所定位置に案内するガイドプレート33と、このガイドプレート33によって所定位置に案内されたトレイTを、容器供給位置αから容器供給位置βの間で位置決めする位置決めプレート34とを備えている。
【0022】
前記バケット31は、
図5(a)、(b)及び
図6に示すように、トレイTを使用しない場合でも、2種類の瓶容器Bをそれぞれ安定した状態で収容することができるように、瓶容器Bの胴部が嵌り込む断面略1/3円弧状の容器収容部32、32を有しており、この容器収容部32、32にトレイTの容器収容部c、cが嵌合するようになっている。
【0023】
複数のバケット31は、
図7(a)、(b)及び
図8(a)、(b)に示すように、図示しない駆動プーリ及び従動プーリに掛け渡された一対の無端ベルト35、35に所定ピッチで連結されており、それぞれのバケット31が、上位走行ライン上を容器供給位置α、β、カートン供給位置δ、箱詰め位置γを順次通過するように進み、反転して下位走行ライン上を箱詰め位置γ、カートン供給位置δ、容器供給位置β、αを通過して戻ってくるようになっている。
【0024】
各バケット31は、上位レール36、37、39及び下位レール40、41、42に載置された状態で移動するようになっており、各バケット31が上位走行ライン上を移動する際は、各バケット31の下面が3本の上位レール36、37、39に摺接し、各バケット31が下位走行ライン上を移動する際は、各バケット31の上面が3本の下位レール40、41、42に摺接するようになっている。なお、上位レール36、37は、その下端部同士が連結部38を介して相互に連結されている。
【0025】
前記上位レール36、37、39は、
図7(a)、(b)及び
図8(a)、(b)に示すように、容器供給位置α、βを含む所定範囲に配設された、上位レベルと下位レベルとの間で昇降可能な可動レール36a、37a、39aと、それ以外の範囲に配設された固定レール36b、37b、39bとから構成されており、可動レール36a、37a、39aは、昇降機能を備えた支持部材43に、固定レール36b、37b、39bは、昇降機構を備えていない支持部材47にそれぞれ支持されている。
【0026】
前記支持部材43は、本体フレーム44に昇降可能に支持された可動ベース45と、この可動ベース45を昇降させる駆動シリンダ46とを備えており、可動レール36a、37a、39aは可動ベース45に固定されている。
【0027】
前記可動レール36aは、可動レール37aの両端部からそれぞれ張り出しており、その張出部は、先端側に向かって下がり傾斜になった傾斜面SFを有している。これに対して、可動レール36a、37aの両端部に対応する固定レール36b、37bの各端部は、固定レール37bが固定レール36bの端部からそれぞれ張り出しており、可動レール36a、37aと固定レール36b、37bとの境界部分は、可動レール36aの張出部と固定レール37bの張出部とがオーバーラップするような状態になっている。
【0028】
前記可動レール39aの両端部は、先端側に向かって下がり傾斜になった傾斜面SFをそれぞれ有しており、幅方向の一方側の略半分が切除されている。これに対して、可動レール39aの両端部に対応する固定レール39bの各端部は、幅方向の他方側の略半分が切除されており、可動レール39aと固定レール39bとの境界部分は、可動レール39aの端部における切除部に固定レール39bの端部が、固定レール39bの端部における切除部に可動レール39aの端部が嵌り込むような状態でオーバーラップしている。
【0029】
前記可動レール36a、37a、39aは、下位レベルに位置しており、
図8(b)に示すように、両端部の傾斜面SFを除くフラットな上面が、固定レール36b、37b、39bの上面と一致した状態となっている。従って、各バケット31が固定レール37b、39bの端部を通過するときは、各バケット31の下面が可動レール36a、39aの両端部に形成された傾斜面SFに接触しないようになっている。
【0030】
前記可動レール36a、37a、39aが下位レベルに位置している状態では、
図6に示すように、可動レール36a、37a、39aに載置しているバケット31内のトレイTが容器ホルダ20の下側に位置すると共に、トレイTの上縁が、容器供給位置α、βに起立している、プッシャ22が押し倒す直前の瓶容器Bの胴部の下部に位置することになる。
【0031】
従って、
図9(a)〜(e)に示すように、容器供給位置α、βで起立している瓶容器Bに対して、プッシャ22が前進すると、瓶容器Bの肩部がプッシャ22の押倒部22aによって押され、瓶容器Bの胴部の下部がトレイTの上縁に当接するので、その当接部を支点として瓶容器Bが押し倒され、その後、押込部22bが、瓶容器Bの底部を所定位置まで押し込むことによって、トレイTの一方の容器収容部cに瓶容器Bが収容される。このとき、トレイTは、位置決めプレート34によって位置決めされているので、トレイTが瓶容器Bに押されて前方に移動することがなく、また、上述したように、サイドガイド23が、トレイTにおける隣接する容器収容部c、c間に立ち上がった隔壁部pの上側に進入し、隣接する容器収容部c、cを区画する仕切壁の役割を果たすので、瓶容器Bを所定の容器収容部cに確実に収容することができる。
【0032】
これに対して、トレイTを使用しない場合は、
図10(a)〜(c)に示すように、駆動シリンダ46によって、可動レール36a、37a、39aを上位レベルまで上昇させると共に、位置決めプレート34をさらに上昇させる。この状態では、可動レール36a、39aの両端部に形成された傾斜面SFの先端縁(下端縁)が、固定レール36b、37b、39bの上面と一致した状態となっており、各バケット31が可動レール36a、39aの両端部を通過するときは、各バケット31の下面が固定レール37b、39bの端部に接触しないようになっている。
【0033】
このように、可動レール36a、37a、39aを上位レベルまで上昇させると、
図11(a)、(b)に示すように、容器供給位置α、βにおいて、バケット31が容器ホルダ20と略同一高さ位置まで上昇し、
図12(a)に示すように、容器供給位置α、βに起立している、プッシャ22が押し倒す直前の瓶容器Bの胴部の下部にバケット31の底部が位置することになる。
【0034】
従って、容器供給位置α、βで起立している瓶容器に対して、プッシャ22が前進し、
図12(b)に示すように、瓶容器Bの肩部が押倒部22aによって押され始めると、瓶容器Bの胴部の下部がバケット31の下部に当接するので、その当接部を支点として瓶容器Bが押し倒され、バケット31における所定の容器収容部32に収容される。
【0035】
プッシャ22による瓶容器Bのバケット31への供給動作について、詳細に説明すると、以下の通りである。まず、容器ホルダ20に保持された瓶容器Bが容器供給位置α、βに到達した時点では、
図12(a)に示すように、プッシャ22が後退しており、その押倒部22aは瓶容器Bの肩部に当接していないが、その後、プッシャ22が前進し始め、瓶容器Bの肩部が押倒部22aによって押され始めると、同図(b)に示すように、瓶容器Bの上部がバケット31側に傾いていく。
【0036】
そして、瓶容器Bが自然に倒れ始める状態まで傾くと、同図(c)、(d)に示すように、プッシャ22は、その前進動作を一旦停止し、瓶容器Bがバケット31の容器収容部32内に倒れ込むまで待機する。このとき、上述したように、サイドガイド23が、バケット31における隣接する容器収容部32の僅かに盛り上がった境界部分の上側に進入し、隣接する容器収容部32、32を区画する仕切壁の役割を果たすので、瓶容器Bが所定の容器収容部32に確実に収容される。
【0037】
このようにして、瓶容器Bがバケット31における所定の容器収容部32に収容されると、プッシャ22が、再び、前進し始め、同図(e)に示すように、その押込部22bが、瓶容器Bの底部を所定位置まで押し込んだ後、同図(a)に示す初期位置までプッシャ22が後退し、プッシャ22による瓶容器Bの供給動作が終了する。
【0038】
以上のように、この容器送給装置2は、バケットコンベア30におけるバケット31の走行ラインを、容器供給位置α、βを含む所定範囲において部分的に昇降可能に構成し、バケット31に載置されるトレイTの有無に応じて、容器供給位置α、βを含む所定範囲におけるバケット31の走行ラインを部分的に昇降させるようにしたので、トレイTの有無に拘わらず、バケットコンベア30のバケット31またはバケット31に載置されるトレイTに瓶容器Bを押し倒して確実に供給することができる。
【0039】
また、この容器送給装置2では、トレイTを使用する場合とトレイTを使用しない場合との型替えを容易に行うことができると共に、既存のカートナーを改良するだけで、簡単に対応することができるという利点もある。
【0040】
なお、上述した実施形態では、バケット31内のトレイTの有無に応じて、バケット31の走行ラインを部分的に昇降させるようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、容器供給手段10における瓶容器Bの走行ラインを、容器供給位置α、βにおいて部分的に昇降させるようにしてもよい。具体的には、スクリュー12及び容器搬送供給ユニット13全体を昇降可能に構成すると共に、スクリュー12の上流側でベルトコンベア11を部分的に昇降させることが考えられる。
【0041】
ただし、上述したように、スクリュー12の上流側でベルトコンベア11を部分的に昇降させる場合は、起立状態の瓶容器Bの走行ラインをスクリュー12の手前で傾斜させることになるので、その傾斜部における瓶容器Bの転倒を防止するために、傾斜部における走行ラインの傾斜角度を小さくしたり、傾斜部を通過する瓶容器Bを、瓶容器Bの搬送速度と同一速度で循環移動する一対のベルトによって挟み込んだり、瓶容器B間にほとんど隙間が形成されないように、瓶容器Bの搬送ピッチを小さくしたりすることが望ましい。