【文献】
3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Medium Access Control (MAC) protocol specification (Release 10),3GPP TS 36.321,2011年12月21日,V10.4.0,5.1.1 Random Access Procedure initialization
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基地局によって、第1のデータとランダム・アクセス情報をユーザ装置UEに同時に送信するステップであって、前記ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルおよび/または物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)リソース情報を含む、ステップと、
前記基地局によって、前記第1のデータの受信状態情報を取得するステップであって、前記受信状態情報は前記ランダム・アクセス情報を使用して前記UEによりフィードバックされるステップと、
を含み、
前記基地局によって、前記第1のデータと前記ランダム・アクセス情報を前記ユーザ装置UEに同時に送信するステップは、
前記基地局によって、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)および物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を前記UEに同時に送信するステップであって、前記PDCCHはダウンリンク・スケジューリング情報を含み、前記PDSCHは前記第1のデータ、前記第1のデータの識別子、前記ランダム・アクセス情報および前記ランダム・アクセス情報の識別子を含むステップ、
または、
前記基地局によって、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)および物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を前記UEに同時に送信するステップであって、前記PDCCHが、第1の指示情報、ダウンリンク・スケジューリング情報および前記ランダム・アクセス情報を含み、前記第1の指示情報は前記PDCCHが前記ダウンリンク・スケジューリング情報と前記ランダム・アクセス情報を同時に運搬することを示すために使用されるステップと、前記PDSCHが前記第1のデータと前記第1のデータの識別子を含むステップ、
または、
前記基地局によって、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を前記UEに送信するステップであって、前記PDCCHが前記第1のデータおよび前記ランダム・アクセス情報を含むステップ
を含む、データ送信方法。
ユーザ装置UEにより、基地局によって同時に送信された第1のデータおよびランダム・アクセス情報を受信するステップであって、前記ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルおよび/または物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)リソース情報を含む、ステップと、
前記UEにより、前記ランダム・アクセス情報を使用して、前記第1のデータの受信状態情報を前記基地局にフィードバックするステップと、
を含み、
前記ユーザ装置UEにより、前記基地局が同時に送信した前記第1のデータと前記ランダム・アクセス情報を受信するステップは、
前記UEにより同時に、前記基地局によって送信された物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)と物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を受信するステップであって、前記PDCCHはダウンリンク・スケジューリング情報を含み、前記PDSCHは、前記第1のデータ、前記第1のデータの識別子、前記ランダム・アクセス情報および前記ランダム・アクセス情報の識別子を含むステップ、
または、
前記UEにより同時に、前記基地局によって送信された物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)と物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を受信するステップであって、前記PDCCHが、第1の指示情報、ダウンリンク・スケジューリング情報および前記ランダム・アクセス情報を含み、前記第1の指示情報は前記PDCCHが前記ダウンリンク・スケジューリング情報と前記ランダム・アクセス情報を同時に運搬することを示すために使用されるステップであって、前記PDSCHが前記第1のデータと前記第1のデータの識別子を含むステップ、
または、
前記UEにより、前記基地局により送信された物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を受信するステップであって、前記PDCCHが前記第1のデータおよび前記ランダム・アクセス情報を含むステップ
を含む、データ送信方法。
第1のデータとランダム・アクセス情報をユーザ装置UEに同時に送信するように構成された第1の送信モジュールであって、前記ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルおよび/または物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)リソース情報を含む、第1の送信モジュールと、
前記第1のデータの受信状態情報を取得するように構成された取得モジュールであって、前記受信状態情報は前記ランダム・アクセス情報を使用して前記UEによりフィードバックされる取得モジュールと、
を備え、
前記第1の送信モジュールは特に、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)と物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を前記UEに同時に送信するように構成され、前記PDCCHはダウンリンク・スケジューリング情報を含み、前記PDSCHは、前記第1のデータ、前記第1のデータの識別子、前記ランダム・アクセス情報および前記ランダム・アクセス情報の識別子を含み、
または、
前記第1の送信モジュールは特に、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)と物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を前記UEに同時に送信するように構成され、前記PDCCHは、第1の指示情報、ダウンリンク・スケジューリング情報および前記ランダム・アクセス情報を含み、前記第1の指示情報は前記PDCCHが前記ダウンリンク・スケジューリング情報と前記ランダム・アクセス情報を同時に運搬することを示すために使用され、前記PDSCHは前記第1のデータと前記第1のデータの識別子を含み、
または、
前記第1の送信モジュールは特に、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHを前記UEに送信するように構成され、前記PDCCHは前記第1のデータと前記ランダム・アクセス情報を含む、基地局。
前記取得モジュールは特に、指定時間内に、前記UEが送信した前記専用プリアンブルが受信されたか、または、前記PRACHリソースで前記UEが送信した任意のプリアンブルが受信された場合には、前記UEが前記第1のデータの受信に成功したと判定し、前記指定時間内に、前記UEが送信した前記専用プリアンブルが受信されなかったか、または、前記PRACHリソースで前記UEが送信した任意のプリアンブルが受信されなかった場合には、前記UEが前記第1のデータの受信に失敗したと判定するように構成され、または、
前記取得モジュールは特に、前記UEが送信した前記受信した専用プリアンブルまたは前記PRACHリソースで前記UEにより送信された任意の受信したプリアンブルで運搬された肯定応答(ACK)に従って、前記UEが前記第1のデータの受信に成功したと判定し、前記UEが送信した前記受信した専用プリアンブルまたは前記PRACHリソースで前記UEにより送信された任意の受信したプリアンブルで運搬される否定応答(NACK)に従って、前記UEが前記第1のデータの受信に失敗したと判定するように構成された、
請求項7に記載の前記基地局。
基地局によって同時に送信された第1のデータおよびランダム・アクセス情報を受信するように構成された第1の受信モジュールであって、前記ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルおよび/または物理ランダム・アクセス・チャネル(PRACH)リソース情報を含む、第1の受信モジュールと、
前記ランダム・アクセス情報を使用して、前記第1のデータの受信状態情報を前記基地局にフィードバックするように構成されたフィードバック・モジュールと、
を備え、
前記第1の受信モジュールは特に、前記基地局によって送信された物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHと物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を同時に受信するように構成され、前記PDCCHはダウンリンク・スケジューリング情報を含み、前記PDSCHは、前記第1のデータ、前記第1のデータの識別子、前記ランダム・アクセス情報および前記ランダム・アクセス情報の識別子を含み、
または、
前記第1の受信モジュールは特に、前記基地局によって送信された物理ダウンリンク制御チャネルPDCCHと物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を同時に受信するように構成され、前記PDCCHが、第1の指示情報、ダウンリンク・スケジューリング情報および前記ランダム・アクセス情報を含み、前記第1の指示情報は前記PDCCHが前記ダウンリンク・スケジューリング情報と前記ランダム・アクセス情報を同時に運搬することを示すために使用され、前記PDSCHは前記第1のデータと前記第1のデータの識別子を含み、
または、
前記第1の受信モジュールは特に、前記基地局により送信された物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を受信するように構成され、前記PDCCHは前記第1のデータおよび前記ランダム・アクセス情報を含む、ユーザ装置UE。
前記フィードバック・モジュールは特に、前記PDCCHにおける前記ダウンリンク・スケジューリング情報に従って前記PDSCHを解析し、前記ランダム・アクセス情報と前記第1のデータが前記PDSCHから解析された場合には、前記専用プリアンブルを前記基地局に送信するか、または、任意のプリアンブルを前記PRACHリソースで前記基地局に送信して、前記基地局に前記第1のデータの受信の成功をフィードバックし、前記第1のデータが前記PDSCHから解析されなかった場合には、プリアンブルを前記基地局に送信する動作せずに、前記基地局に前記第1のデータの受信の失敗をフィードバックするように構成された、請求項9に記載のUE。
前記フィードバック・モジュールは特に、前記ダウンリンク・スケジューリング情報と前記ランダム・アクセス情報を前記第1の指示情報に従って前記PDCCHから取得し、前記ダウンリンク・スケジューリング情報に従って前記PDSCHを解析し、前記第1のデータが前記PDSCHから解析された場合には、前記専用プリアンブルを前記基地局に送信するか、または、任意のプリアンブルを前記PRACHリソースで前記基地局に送信するか、または、肯定応答(ACK)を運搬する前記専用プリアンブルを前記基地局に送信するか、または、前記ACKを運搬する任意のプリアンブルを前記PRACHリソースで前記基地局に送信して、前記基地局に前記第1のデータの受信の成功をフィードバックし、前記第1のデータが前記PDSCHから解析されなかった場合には、プリアンブルを前記基地局に送信する動作を実施せず、または、否定応答(NACK)を運搬する前記専用プリアンブルを前記基地局に送信するか、または、前記NACKを運搬する任意のプリアンブルを前記PRACHリソースで前記基地局に送信して、前記基地局に前記第1のデータの受信の失敗をフィードバックするように構成された、請求項9に記載のUE。
前記フィードバック・モジュールは特に、前記PDCCHを解析し、前記第1のデータと前記ランダム・アクセス情報が前記PDCCHから解析された場合には、前記専用プリアンブルを前記基地局に送信するか、または、任意のプリアンブルを前記PRACHリソースで前記基地局に送信するか、または、ACKを運搬する前記専用プリアンブルを前記基地局に送信するか、または、前記ACKを運搬する任意のプリアンブルを前記PRACHリソースで前記基地局に送信して、前記基地局に前記第1のデータの受信の成功をフィードバックするように構成された、請求項9に記載のUE。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の諸実施形態の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、以下では本発明の諸実施形態における添付図面を参照して本発明の諸実施形態における技術的解決策を明確かつ十分に説明する。明らかに、説明した実施形態は本発明の諸実施形態の全部ではなく一部にすぎない。当業者が創造的作業なしに本発明の諸実施形態に基づいて取得する他の全ての実施形態は本発明の保護範囲に入るものとする。
【0015】
図1は、本発明の1実施形態で提供するデータ送信方法の流れ図である。
図1に示すように、本実施形態の方法は以下を含む。ステップ101で、基地局が第1のデータとランダム・アクセス情報をユーザ装置UEに同時に送信する。ステップ102で、当該基地局が、当該第1のデータの受信状態情報を取得する。当該受信状態情報は当該ランダム・アクセス情報を介して当該UEによりフィードバックされる。
【0016】
本実施形態では、当該UEが同期されていないアップリンクの状態に既にあるが、当該基地局がダウンリンク送信する必要があるサービスを有するときには、当該基地局は、送信する必要があるデータ(即ち、当該第1のデータ)と当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信することができる。
【0017】
当該第1のデータはデータ無線ベアラ(Data Radio Bearer、DRB)のデータであってもよく、シグナリング無線ベアラ(Signaling Radio Bearer、SRB)のデータであってもよい。SRBのデータは、例えば、無線リソース制御プロトコル(Radio Resource Control、RRC)解放メッセージであってもよい。
【0018】
当該ランダム・アクセス情報は、1態様では、当該UEをトリガして非衝突型のアップリンク・ランダム・アクセスを実施するように構成され、別の態様では、当該UEにより当該基地局にフィードバックされた当該第1のデータの受信状態情報のキャリアとして動作する、即ち、当該第1のデータの受信に成功したかどうかを当該UEが当該基地局にフィードバックするために使用される。
【0019】
UEに関して、当該UEは、基地局が同時に送信した第1のデータとランダム・アクセス情報を受信する。当該UEが当該ランダム・アクセス情報の受信に成功した場合には、当該UEは、当該ランダム・アクセス情報を介して非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施する、即ち、プリアンブル(preamble)を物理ランダム・アクセス・チャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)リソースで当該基地局に送信する。一方、当該UEが当該ランダム・アクセス情報を介して、当該第1のデータの受信に成功したかどうかに関する情報を当該基地局にフィードバックする。当該UEも当該第1のデータの受信に成功した場合には、当該UEが、当該第1のデータの受信に成功したという情報を当該基地局にフィードバックし、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗した場合には、当該第1のデータの受信に失敗したという情報を当該UEが当該基地局に返す。
【0020】
当該第1のデータの受信に成功したかどうかに関する情報を、ランダム・アクセス情報を介してUEが基地局にフォードバックするための方式が多数存在しうる。例えば、当該UEは、ランダム・アクセス情報を送信するかまたは送信しないことによりフィードバックを実施することができる。説明のための例をとると、当該UEが当該第1のデータの受信に成功した場合には、当該ランダム・アクセス情報が送信され、そうでない場合には、当該ランダム・アクセス情報が送信されない。別の例として、当該UEは、ランダム・アクセス情報が肯定応答(Acknowledgement ACK)または否定応答(Negative Acknowledgement、NACK)を運搬することによりフィードバックを実施することができる。説明のための例をとると、当該UEが当該第1のデータの受信に成功した場合には、ACKが当該ランダム・アクセス情報で運搬され、そうでなければNACKが当該ランダム・アクセス情報で運搬される。さらに別の例として、当該UEは、異なるランダム・アクセス情報を使用することによりフィードバックを実施することができる。説明のための例をとると、当該基地局が複数のランダム・アクセス情報を当該UEに送信することは、当該UEが当該第1のデータの受信に成功した場合には、或るランダム・アクセス情報を使用し、そうでなければ別のランダム・アクセス情報を使用することを含む。
【0021】
当該基地局に関して、当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報が当該UEに同時に送信された後に、当該基地局は、当該ランダム・アクセス情報を介して当該UEによりフィードバックされた当該第1のデータの受信状態情報を取得する。即ち、当該第1のデータの受信に成功したかどうかの情報を取得し、次いで当該第1のデータのダウンリンク送信が完了する。
【0022】
本実施形態では、当該基地局が第1のデータとランダム・アクセス情報をUEに同時に送信し、当該ランダム・アクセス情報を介して、当該第1のデータの受信に成功したかどうかを当該UEが当該基地局にフィードバックし、当該UEへのサービス・データの送信がランダム・アクセス手続き中またはランダム・アクセス手続きの前に実現され、その結果、ランダム・アクセス手続きの後にのみサービスが当該基地局により当該UEとともに実行できる先行技術とは異なり、当該UEは、ランダム・アクセス手続き中またはランダム・アクセス手続き前に、当該基地局が送信したサービス・データを受信することができる。それにより、サービス・データの送信効率が高まる。
【0023】
当該基地局が当該UEに発行したランダム・アクセス情報が、当該UEが使用するための当該基地局により割り当てられた専用プリアンブルおよび/または当該UEが使用するための当該基地局により割り当てられたPRACHリソースを含んでもよい。
【0024】
当該ランダム・アクセス情報に基づいて当該UEにより非衝突型のランダム・アクセスを実施する手続きは以下を含む。
【0025】
当該ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルのみを含む場合には、当該UEが任意のPRACHリソースを使用することができ、当該UEが全てのPRACHリソースから任意のPRACHリソースを使用して当該専用プリアンブルを送信し、非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施することが示される。当該ランダム・アクセス情報がPRACHリソースのみを含む場合には、当該リソース上の全てのプリアンブルが当該UEに予約され、当該UEはPRACHリソース上の任意のプリアンブルを使用することができ、当該UEはPRACHリソース上の任意のプリアンブルを送信して、非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施することが示される。当該ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルとPRACHリソースを同時に含む場合には、当該UEがPRACHリソースを使用して当該専用プリアンブルを送信する必要があり、当該UEがPRACHリソース上で当該専用プリアンブルを送信して非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施することが示される。
【0026】
当該基地局が当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する第1の実装モードが、当該基地局が物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)および物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel、PDSCH)を当該UEに同時に送信することを含むのが好ましい。ここで、PDCCHはダウンリンク・スケジューリング(DL Assignment)情報を含み、PDSCHが当該第1のデータ、当該第1のデータの識別子、当該ランダム・アクセス情報および当該ランダム・アクセス情報の識別子を含む。PDCCHとはPDCCHで実際に送信された制御信号をいい、その中に当該ダウンリンク・スケジューリング情報を含めることができる。PDSCHとはPDSCHで実際に送信されたデータをいい、物理層より上位の層からのデータをいう。
【0027】
当該実装モードでは、当該UEが同期されていないアップリンクの状態であっても、送信すべき第1のデータを必要とするサービスがある場合には、当該基地局はDL割当て情報を通じて当該第1のデータを直接当該UEに対してスケジュールする。即ち、媒体アクセス制御(Media Access Control、MAC)制御要素(Control Element、CE)または媒体アクセス制御サービス・データユニット(Service Data Unit、SDU)として捉えた当該第1のデータを、PDSCHを介して当該UEに送信する。一方、当該基地局は、非衝突型のランダム・アクセス手続きに関して当該UEが必要とするランダム・アクセス情報を新規追加MAC CEとしてPDSCHを介して当該UEに送信する。
【0028】
当該第1のデータの識別子と当該ランダム・アクセス情報の識別子の両方は論理チャネル識別子(Logical Channel Identity、LCID)であり、それらは対応するLCID値が異なるという点で異なる。ランダム・アクセス情報のLCID値に関して、値を現在それに対して予約されているLCID値から選択することができる。
【0029】
さらに、当該実装モードでは、PDSCHで送信されたランダム・アクセス情報(即ち、新規追加MAC CE)が、当該専用プリアンブルとPRACHリソースに同時に対応するビットを含むことができる。当該ランダム・アクセス情報が当該専用プリアンブルのみを含む場合、PDSCHにおけるPRACHリソースに対応するビットが0に設定される。当該ランダム・アクセス情報がPRACHリソースのみを含む場合には、
PDSCHにおける当該専用プリアンブルに対応するビットが0に設定される。
【0030】
さらに、当該実装モードでは、ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルのみを含む場合には、PDSCHで送信されたランダム・アクセス情報(即ち、新規追加MAC CE)もPRACHリソースに対応するビットを含むことができない。当該ランダム・アクセス情報がPRACHリソースのみを含む場合には、PDSCHで送信されたランダム・アクセス情報(即ち、新規追加MAC CE)も当該専用プリアンブルに対応するビットを含むことができない。
【0031】
さらに、当該実装モードでは、当該第1のデータはRRC解放メッセージであってもよい。これに基づいて、PDSCHが第2の指示情報を含んでもよい。当該第2の指示情報は、当該RRC解放メッセージを受信した後に無線リンク制御(Radio Link Control、RLC)状態レポートを当該基地局にフィードバックしないように当該UEに指示するように構成される。特に、当該基地局は、当該第2の指示情報として、PDSCHで送信されたRLCプロトコル・データ・ユニット(Protocol Data Unit、PDU)内のポーリング・ビットを0に設定することができる。当該UEに関して、当該RRC解放メッセージの受信に成功した後に、当該RLC状態レポートは当該基地局にフィードバックされず、当該UEは新たなランダム・アクセス手続きを実施するようにトリガされない(例えば、当該UEは同期されていないアップリンクの状態にあるが、送信する必要があるアップリンク・データも存在し、当該UEは、ランダム・アクセス手続きを最初に実施することによってアップリンクを完了し、アップリンク・データを送信するためのアップリンク・リソースを要求する必要がある)。当該基地局に関して、当該UEとのRRC接続を解放すべきかどうかを、当該第1のデータの受信に成功したかどうかの当該UEによりフィードバックされた取得情報を介して判定することができる。
【0032】
当該基地局が当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する第2の実装モードが、当該基地局がPDCCHとPDSCHを当該UEに同時に送信することを含み、PDCCHが第1の指示情報、DL割当て情報および当該ランダム・アクセス情報を含み、当該第1の指示情報が、PDCCHが当該DL割当て情報と当該ランダム・アクセス情報を同時に運搬することを示すように構成されることが好ましい。PDSCHは、当該第1のデータおよび当該第1のデータの識別子を含む。
【0033】
当該実装モードでは、当該UEが同期されていないアップリンクの状態にある場合であっても、当該基地局が当該第1のデータの送信を要求するサービスを有する場合には、当該基地局はDL割当て情報を介して当該第1のデータを当該UEに直接スケジュールする。即ち、PDSCHを介して当該第1のデータをMAC CEまたはMAC SDUとして当該UEに送信する。一方、当該基地局は、非衝突型のランダム・アクセス手続きに関して当該UEが要求するランダム・アクセス情報をPDCCHで運搬して、当該ランダム・アクセス情報を当該DL割当て情報とともに当該UEに送信する。
【0034】
当該実装モードでは、当該基地局は、当該UEがランダム・アクセスを実施するために先行技術で使用されるPDCCHで運搬される関連情報のビットを0または1のような特別な値に設定することによって、PDCCHを介してランダム・アクセス情報とDL割当て情報を同時に運搬する目的を実現することができる。説明のための例をとると、当該UEがランダム・アクセスを実施するために先行技術で使用されるPDCCHでは、ダウンリンク制御情報(Downlink Control Information、DCI)フォーマット、即ちDCI1Aを使用し、PDCCHは以下の情報を運搬する。
【0035】
局所/分散仮想リソース・ブロック割当てフラグ(Localized/Distrubited VRB割当てフラグ):1ビットであり、「0」に設定される(1ビットは「0」に設定される)。
リソース・ブロック割当て(Resource block assignment):
【0037】
ビットであり、全てのビットが1にセットされる(
【0039】
ビットであり、全てのビットが1に設定されるものとする)。
プリアンブル・インデックス(Preamble Index):
6ビット。
物理ランダム・アクセス・チャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)マスク・インデックス(PRACH Mask Index):
4ビット。
残りのビットの全ては0にセットされる(1つのPDSCH符号語のコンパクトなスケジュール割当てに関してフォーマット1A内の残りのビットの全ては0にセットされる)。
【0040】
特に、プリアンブル・インデックスとPRACH マスク・インデックスを除いたビットを特別な値にセットすること、例えば、Localized/Distributed VRB割当てフラグを1にセットすること、Resource block割当てを1にセットすること、および残りのビットの全てを0、即ち、PDCCH順序(order)にセットすることによって、当該基地局は当該UEがランダム・アクセスを実施するためにPDCCHが使用されることを示す。これに基づいて、当該基地局は、特別な値にセットされた全てのビットから、DL割当て情報を運搬するためのビットの部分を取り出すことができ、残りのビットは依然として0または1にセットされ、PDCCHが当該ランダム・アクセス情報とDL割当て情報を同時に運搬するという目的が達成される。
【0041】
あるいは、当該実装モードでは、PDCCHのビット数を節約するために、前述のランダム・アクセス情報に含まれる情報の全部または一部を、上位層シグナリング、例えば、RRCメッセージを介して準静的に構成することができる。例えば、当該UEが使用する当該専用プリアンブルを準静的に構成することができる。
【0042】
あるいは、PDCCHのビット数を節約するために、前述のDL割当て情報の情報の全部または一部を、上位層シグナリング、例えば、RRCメッセージを介して準静的に構成することができる。例えば、使用する変調符号化機構(Modulation and Coding Scheme、MCS)を準静的に構成することができ、使用するハイブリッド自動再送要求(Hybrid Automatic Repeat Request、HARQ)プロセスを準静的に構成することができる、等である。
【0043】
さらに、当該実装モードでは、当該基地局は、他のDCIフォーマットによりまたは新たなDCIフォーマットの設計により、当該ランダム・アクセス情報およびDL割当て情報の同時送信を実施することもできる。
【0044】
さらに、当該実装モードでは、当該第1のデータはRRC解放メッセージであってもよい。これに基づいて、PDSCHが第2の指示情報を含んでもよい。当該第2の指示情報は、当該RRC解放メッセージを受信した後に、RLC状態レポートを当該基地局にフィードバックしないように当該UEに指示するように構成される。特に、当該基地局は、PDSCH内のRLC PDUにおけるポーリング位置0を当該第2の指示情報とすることができる。当該UEに関して、当該RRC解放メッセージの受信に成功した後に、当該RLC状態レポートは当該基地局にフィードバックせず、当該UEは非衝突型のランダム・アクセス手続きするようにトリガされない。当該基地局に関して、当該UEとのRRC接続を解放すべきかどうかを、当該UEによりフィードバックされた当該第1のデータの受信に成功したかどうかに関する取得情報を介して判定することができる。
【0045】
当該基地局が当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する第3の実装モードが、当該基地局がPDCCHを当該UEに送信することを含むのが好ましい。ここで、PDCCHは第1の指示情報と当該ランダム・アクセス情報を含む。
【0046】
あるいは、当該実装モードでは、当該基地局は、PDCCHにおける少なくとも1つのビットの値を事前設定値として設定することによって当該第1のデータを運搬することができる。少なくとも1つのビットにセットされた事前設定値と当該第1のデータの間には対応関係が存在する。
【0047】
あるいは、当該実装モードでは、当該基地局が、リソースを節約するためにPDSCHをそれ以上送信しなくともよい。
【0048】
当該実装モードは当該RRC解放メッセージである当該第1のデータに特に適用されるがそれに限られない。
【0049】
さらに、前述の実装モードでは、当該ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルおよび/またはPRACHリソース情報を含んでもよい。
【0050】
これに基づいて、当該基地局が当該ランダム・アクセス情報を介して当該UEによりフィードバックされた当該第1のデータの受信状態情報を取得するステップが以下を含む。
【0051】
当該UEが送信した当該専用プリアンブル、またはPRACHリソースで当該UEにより送信された任意のプリアンブルを当該基地局が指定時間内に当該ランダム・アクセス情報において受信した場合には、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと判定される。当該UEが送信した当該専用プリアンブル、またはPRACHリソースで当該UEにより送信された任意のプリアンブルを当該基地局が指定時間内に当該ランダム・アクセス情報において受信しなかった場合には、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定される。当該実装モードでは、唯一の違いは、プリアンブルを送信することとプリアンブルを送信しないことにある。当該実装モードは以上の3つの実装モードにも適用される。この場合、当該基地局が当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する。
【0052】
あるいは、当該基地局が、当該UEが送信した受信した専用プリアンブルまたはランダム・アクセス情報においてPRACHリソースで当該UEにより送信された任意の受信したプリアンブルで運搬されるNACKに従って、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと判定する。当該基地局は、当該UEが送信した受信した専用プリアンブルまたは当該ランダム・アクセス情報においてPRACHリソースで当該UEにより送信された任意の受信したプリアンブルで運搬されるNACKに従って、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定する。当該実装モードでは、ACKまたはNACKはプリアンブルにより運搬され、当該ランダム・アクセス情報と当該第1のデータを独立に受信する必要があり、したがって、当該実装モードは、当該基地局が当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する前述の第2の実装モードに適用される。
【0053】
当該UEが専用プリアンブルを送信することは、当該ランダム・アクセス情報が当該専用プリアンブルのみを含む場合に、当該UEが当該専用プリアンブルを当該基地局に任意のPRACHリソースで送信することができ、当該ランダム・アクセス情報が当該専用プリアンブルとPRACHリソースを同時に含む場合には、当該UEがPRACHリソース上で当該専用プリアンブルを当該ランダム・アクセス情報において送信することを含む。当該UEが、PRACHリソースで任意のプリアンブルを当該ランダム・アクセス情報において送信することは、当該ランダム・アクセス情報がPRACHリソースのみを含む場合には、当該UEが、PRACHリソースで使用できる任意のプリアンブルをPRACHリソースで送信し、当該ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルとPRACHリソースを同時に含む場合には、当該UEが、PRACHリソースで当該専用プリアンブルを送信でき、PRACHリソースで他のプリアンブルも送信できることを含む。
【0054】
さらに、当該専用プリアンブルが第1のプリアンブルと第2のプリアンブルを含む場合には、当該基地局が当該ランダム・アクセス情報を介して当該UEによりフィードバックされた当該第1のデータの受信状態情報を取得することが、以下の実装モードを含んでもよい。
【0055】
当該基地局が、当該UEが送信した当該第1のプリアンブルを受信した場合には、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと判定され、当該基地局が、当該UEが送信した当該第2のプリアンブルを受信した場合には、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定される。即ち、当該UEが、当該第1のデータの受信に成功し別のプリアンブルを介した受信には失敗したという情報をフィードバックする。当該実装モードでは、当該ランダム・アクセス情報と当該第1のデータを独立に受信する必要があり、したがって、当該実装モードは、当該基地局が当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する前述の第2の実装モードに適用される。
【0056】
さらに、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定した後に、当該基地局は当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する動作を再実施する。即ち、当該第1のデータの再送を実施し、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと当該基地局が判定するかまたは再送回数が事前設定された第1の最大再送回数に達するまでこれを実施することができる。
【0057】
さらに、当該第1のデータがRRC解放メッセージである場合には、当該基地局は、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと判定するかまたは再送回数が当該事前設定された第1の最大再送回数に達した後に、当該UEとのRRC接続を解放する。
【0058】
さらに、当該UEが送信した当該専用プリアンブルまたは任意のプリアンブルを受信した後、即ち、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと判定した後、当該基地局はランダム・アクセス応答(Random Access Response、RAR)を該UEに送信してアップリンク同期を実施するように当該UEに指示する。または、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定した後、当該基地局もRARを当該UEに送信してアップリンク同期を実施するように当該UEに指示することができる。
【0059】
さらに、最大再送時間または第2の最大再送回数を当該ランダム・アクセス情報に含めて、再送回数が当該第2の最大再送回数に達するかまたは再送時間が当該最大再送時間に達するまで、当該専用プリアンブルまたは任意のプリアンブルを繰り返し送信するように当該UEに指示することができる。この場合、プリアンブルの送信の信頼度を高めることができる。
【0060】
当該ランダム・アクセス情報によって運搬する他に、当該最大再送時間または当該第2の最大再送回数をプロトコルによって指定するかまたは上位層によって構成してもよい。
【0061】
以上の実施形態では、当該基地局は、ランダム・アクセス手続きが完了した後である先行技術とは異なり、様々な実装モードによりランダム・アクセス情報と第1のデータをUEに同時に送信し、当該基地局はランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前にサービス・データを当該UEに送信し、それによってサービス・データの送信効率が高まる。
【0062】
図2は、本発明の別の実施形態で提供するデータ送信方法の流れ図である。
図2に示すように、本実施形態の方法は以下を含む。ステップ201で、UEは、基地局によって同時に送信された第1のデータおよびランダム・アクセス情報を受信する。ステップ202で、当該UEが、当該ランダム・アクセス情報を介して、当該第1のデータの受信状態情報を当該基地局にフィードバックする。
【0063】
当該第1のデータはDRBのデータであってもよく、SRBのデータであってもよい。SRBのデータがRRC解放メッセージであってもよいがそれに限られない。
【0064】
当該ランダム・アクセス情報は、1態様では、当該UEをトリガして非衝突型のランダム・アクセスを実施するために使用され、別の態様では当該UEによって当該基地局にフィードバックされた当該第1のデータの受信状態情報のキャリアとして動作する。即ち、当該第1のデータの受信に成功したかどうかを当該UEが当該基地局にフィードバックするために使用される。
【0065】
本実施形態では、当該UEが同期されていないアップリンクの状態に既にあるが、当該基地局がダウンリンク送信を要求するサービスを有するときには、当該基地局は送信する必要があるデータ(即ち、当該第1のデータ)と当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する。
【0066】
当該UEは当該基地局が同時に送信した当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を受信し、当該UEは当該ランダム・アクセス情報を介して当該第1のデータの受信に成功したかどうかを当該基地局にフィードバックし、それによって当該第1のデータのダウンリンク送信を完了する。
【0067】
当該UEが当該ランダム・アクセス情報の受信に成功した場合には、当該UEは当該ランダム・アクセス情報を介して非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施する。即ち、プリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信する。一方、当該UEは、当該第1のデータの受信に成功したという情報および/または当該第1のデータの受信に失敗したという情報を介して情報を当該ランダム・アクセスを介して当該基地局にフィードバックすることができる。当該UEが当該ランダム・アクセス情報の受信に失敗した場合には、当該UEはプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信せず、当該基地局は当該ランダム・アクセス情報および当該第1のデータの両方の送信に失敗したとみなす。これは、当該第1のデータの受信に失敗したという情報を当該基地局に当該ランダム・アクセス情報を介してフィードバックすることと等価である。
【0068】
当該第1のデータの受信に成功または失敗したという情報を当該UEが当該ランダム・アクセス情報を介して当該基地局にフィードバックする多数の方式が存在しうる。例えば、当該UEが、当該ランダム・アクセス情報を送信するかまたは送信しない方式によりフィードバックを実施することができる。説明のための例をとると、当該UEが当該第1のデータの受信に成功した場合には、当該ランダム・アクセス情報が送信され、そうでなければ当該ランダム・アクセス情報は送信されない。別の例として、当該UEは、当該ランダム・アクセス情報によりACKまたはNACKを運搬する方式によりフィードバックを実施することもできる。説明のための例をとると、当該UEが当該第1のデータの受信に成功した場合に、ACKが当該ランダム・アクセス情報で運搬され、そうでなければNACKが当該ランダム・アクセス情報で運搬される。さらに別の例として、当該UEは、様々なランダム・アクセス情報を使用する方式によりフィードバックを実施することもできる。説明のための例をとると、基地局が複数のランダム・アクセス情報を当該UEに送信し、当該UEが当該第1のデータの受信に成功した場合には、或るランダム・アクセス情報を使用し、そうでなければ別のランダム・アクセス情報を使用する。
【0069】
本実施形態では、ランダム・アクセスが成功した後にのみ当該基地局が送信したサービス・データを受信できる先行技術とは異なり、当該UEが、当該基地局が同時に送信した第1のデータとランダム・アクセス情報を受信し、当該ランダム・アクセス情報を介して当該第1のデータの受信状態を当該基地局にフィードバックし、当該基地局が送信したサービス・データの受信をランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に実施する。それによってデータ送信効率が高まる。
【0070】
当該UEが受信したランダム・アクセス情報が、当該UEが使用するために当該基地局により割り当てられた専用プリアンブルおよび/または当該UEが使用するために当該基地局が指定したPRACHリソースを含んでもよいが、それらに限られない。
【0071】
当該UEが当該ランダム・アクセス情報に従って非衝突型のランダム・アクセスを実施する手続きは以下を含む。
【0072】
当該ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルのみを含む場合には、これは当該UEが任意のPRACHリソースを使用できることを意味し、当該UEは、全てのPRACHリソースのうち任意のPRACHリソースを使用して当該専用プリアンブルを送信し、非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施する。当該ランダム・アクセス情報がPRACHリソースのみを含む場合、これは当該リソース上の全てのプリアンブルが当該UEに予約されることを意味し、かつ、当該UEがPRACHリソース上の任意のプリアンブルを使用できる場合には、当該UEはPRACHリソース上の任意のプリアンブルを送信して非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施する。当該ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルとPRACHリソースを同時に含む場合には、これは当該UEがPRACHリソースを使用して当該専用プリアンブルを送信する必要があることを意味し、当該UEがPRACHリソース上で当該専用プリアンブルを送信して非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施する。
【0073】
当該基地局が同時に送信した当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEが受信する第1の実装モードが、当該基地局が送信したPDCCHとPDSCHを当該UEが同時に受信することを含むのが好ましい。ここで、PDCCHがダウンリンク・スケジューリング(DL Assignment)情報を含み、PDSCHが当該第1のデータ、当該第1のデータの識別子、当該ランダム・アクセス情報および当該ランダム・アクセス情報の識別子を含む。
【0074】
当該第1のデータの識別子と当該ランダム・アクセス情報の識別子の両方がLCIDであり、その違いは対応するLCID値が異なることにある。当該ランダム・アクセス情報のLCID値に関して、現在予約されているLCID値からそれに対する値を選択することができる。
【0075】
当該実装モードでは、当該UEは同期されていないアップリンクの状態にあるときでも、第1のデータの送信を要求するサービスを有する場合には、当該基地局はDL割当て情報を介して当該第1のデータを当該UEに直接スケジュールする。即ち、MAC CEまたはMAC SDUとして捉えられる当該第1のデータを、PDSCHを介して当該UEに送信する。一方、当該基地局は、新規追加MAC CEとしても捉えられる非衝突型のランダム・アクセス手続きに対して当該UEが要求するランダム・アクセス情報を、PDSCHを介して当該UEに送信する。それに応じて、当該UEが当該ランダム・アクセス情報を介して当該第1のデータの受信状態情報を当該基地局にフィードバックする実装モードが以下を含む。
【0076】
当該UEがPDCCHを受信し、PDCCHにおけるDL割当て情報に従ってPDSCHを受信し解析する。当該UEが当該ランダム・アクセス情報と当該第1のデータをPDSCHから解析した場合には、当該UEが当該専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の成功をフィードバックする。当該UEがPDSCHから当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報の解析に失敗した場合には、当該UEはプリアンブルを当該基地局に送信する動作を実施せず、当該基地局に当該第1のデータの受信の失敗をフィードバックする。当該第1のデータはRRC解放メッセージであってもよいがそれに限られない。
【0077】
当該第1のデータがRRC解放メッセージである場合には、第2の指示情報をPDSCHに含めることもできる。当該第2の指示情報は、当該RRC解放メッセージを受信した後にRLC状態レポートを当該基地局にフィードバックしないように当該UEに指示するために使用される。それに応じて、当該UEは、当該第2の指示情報をPDSCHから解析し、当該RRC解放メッセージを取得した後に当該RLC状態レポートを当該基地局にフィードバックせず、当該基地局とのRRC接続を直接切断して、非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施するように当該UEをトリガするのを回避する。当該基地局は、PDSCH内のRLC PDUにおけるポーリング・ビットを0にセットして、当該第2の指示情報とすることができる。さらに、当該UEは、RLC PDU内のポーリング・ビットが0であると判定することによって、当該RLC状態レポートを当該基地局にフィードバックしないと判定する。
【0078】
当該基地局が同時に送信した当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEが受信する第2の実装モードが、当該基地局が送信したPDCCHとPDSCHを当該UEが同時に受信するのを含むのが好ましい。ここで、PDCCHは第1の指示情報、DL割当て情報および当該ランダム・アクセス情報を含み、当該第1の指示情報は、PDCCHが当該DL割当て情報と当該ランダム・アクセス情報を同時に運搬することを示すために使用されることを含む。PDSCHは当該第1のデータと当該第1のデータの識別子を含む。当該第1のデータの識別子はLCIDであり、その値は当該第1のデータの種類または特徴に関連する。
【0079】
当該第1の指示情報を、PDCCHにおける少なくとも1つのビットを介して運搬することができる。PDCCHを介して当該ランダム・アクセス情報とDL割当て情報を同時に運搬することに関する具体的な実装については、当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する当該基地局の以上の第2の実装モードに関する説明を参照することができる。
【0080】
当該実装モードでは、当該UEが同期されていないアップリンクの状態にあるときでも、当該第1のデータの送信を要求するサービスを有する場合には、当該基地局はDL割当て情報を介して当該第1のデータを当該UEに直接スケジュールする。即ち、PDSCHのMAC CEとして捉えられる当該第1のデータを当該UEに送信する。一方、当該基地局は、非衝突型のランダム・アクセス手続きに対して当該UEが要求するランダム・アクセス情報をPDCCHで運搬し、当該ランダム・アクセス情報をDL割当て情報とともに当該UEに送信する。
【0081】
それに応じて、当該UEが当該ランダム・アクセス情報を介して当該第1のデータの受信状態情報を当該基地局にフィードバックする実装モードが以下を含む。
【0082】
当該UEがPDCCHを受信し解析して、当該DL割当て情報と当該ランダム・アクセス情報をPDCCH内の当該第1の指示情報に従ってPDCCHから取得する。次いで、当該UEが当該DL割当て情報に従ってPDSCHを受信し解析する。当該UEが当該第1のデータをPDSCHから解析した場合には、当該UEは、当該専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信するか、または、ACKを運搬する当該専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、当該ACKを運搬する任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の成功をフィードバックする。当該UEがPDSCHからの当該第1のデータの解析に失敗した場合には、当該UEは、プリアンブルを当該基地局に送信する動作を実施せず、または、NACKを運搬する専用プリアンブルを当該基地局に送信し、または、当該NACKを運搬する任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に運搬して、当該基地局に当該第1のデータの受信の失敗をフィードバックする。
【0083】
あるいは、当該基地局が複数のプリアンブルを当該UEに割り当てることもできる。即ち、当該ランダム・アクセス情報内の当該専用プリアンブルは複数のプリアンブルを含む。例えば、当該専用プリアンブルが第1のプリアンブルと第2のプリアンブルを含むことに基づいて説明を行う。これに基づいて、当該UEが当該ランダム・アクセス情報を介して当該第1のデータの受信状態情報を当該基地局にフィードバックする別の実装モードが以下を含む。
【0084】
当該UEがPDCCHを受信し解析し、PDCCH内の当該第1の指示情報に従って当該DL割当て情報と当該ランダム・アクセス情報をPDCCHから取得する。次いで当該UEが当該DL割当て情報に従ってPDSCHを受信し解析する。当該UEが当該第1のデータをPDSCHから解析した場合には、当該UEは当該第1のプリアンブルを当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の成功をフィードバックする。当該UEがPDSCHからの当該第1のデータの解析に失敗した場合には、当該UEが当該第2のプリアンブルを当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の失敗をフィードバックする。即ち、当該基地局は2つのプリアンブルを当該UEに割り当てる。一方は、当該第1のデータの受信成功を示すために使用され、他方は当該第1のデータの受信失敗を示すために使用される。当該第1のデータはRRC解放メッセージであってもよいがそれに限られない。
【0085】
当該第1のデータがRRC解放メッセージである場合には、第2の指示情報をPDSCHに含めることもできる。当該第2の指示情報は、当該RRC解放メッセージを受信した後にRLC状態レポートを当該基地局にフィードバックしないように当該UEに指示するために使用される。それに応じて、当該UEは、当該第2の指示情報をPDSCHから解析し、当該RRC解放メッセージを取得した後、当該RLC状態レポートを当該基地局にフィードバックせず、当該基地局とのRRC接続を直接切断して、非衝突型のランダム・アクセス手続きを実施するように当該UEをトリガするのを回避する。当該基地局は、PDSCH内のPLC PDUにおけるポーリング・ビットを0にセットし、当該第2の指示情報とすることができる。さらに、当該UEは、RLC PDU内のポーリング・ビットが0であると判定することによって、当該RLC状態レポートを当該基地局にフィードバックしないと判定する。
【0086】
当該基地局が同時に送信した当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEが受信する第3の実装モードが、当該基地局が送信したPDCCHを当該UEが受信するのを含むのが好ましい。PDCCHは当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を含む。
【0087】
当該実装モードはRRC解放メッセージである当該第1のデータに特に適用されるがそれに限られない。
【0088】
当該実装モードでは、当該基地局はPDCCHにおいて特定の値を取る少なくとも1つのビットにより当該第1のデータを運搬することができる。当該UEに関して、当該第1のデータをPDCCHで運搬するために使用されるビット情報を事前に学習してもよい。
【0089】
それに応じて、当該ランダム・アクセス情報を介して当該第1のデータの受信状態情報を当該基地局にフィードバックする実装モードが以下を含む。
【0090】
当該UEがPDCCHを受信し解析する。当該UEが当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報をPDCCHから解析した場合には、当該UEは、専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信するか、または、ACKを運搬する当該専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、当該ACKを運搬する任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の成功をフィードバックする。当該UEが当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報をPDCCHから解析するのに失敗した場合には、当該UEはプリアンブルを当該基地局に送信する動作を実施しない。当該基地局に関して、当該UEのフィードバック情報が指定時間内に受信されなかった場合には、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したとみなす。
【0091】
さらに、当該専用プリアンブルを当該基地局に送信した後またはPRACHリソース上の任意のプリアンブルを当該ランダム・アクセス情報において送信した後、当該UEは当該基地局が送信したRARを受信し、アップリンク同期を実施する。当該UEによりアップリンク同期を実施する手続きについては、先行技術を参照することができ、詳細についてはここでは与えない。
【0092】
さらに、当該UEにより当該専用プリアンブルまたは任意のプリアンブルを当該基地局に送信する信頼度を確保するために、当該UEは、再送回数が当該第2の最大再送回数に達するかまたは再送時間が当該最大再送時間に達するまで、当該専用プリアンブルを当該基地局に繰り返し送信するかまたは任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該ランダム・アクセス情報において当該基地局に繰り返し送信することができる。
【0093】
当該最大再送時間または当該第2の最大再送回数をプロトコルにより事前に固定することができ、上位層により構成でき、当該ランダム・アクセス情報により運搬することもできる。
【0094】
当該最大再送時間または当該第2の最大再送回数が当該ランダム・アクセス情報によって運搬される場合には、当該UEにより当該専用プリアンブルまたは任意のプリアンブルを繰り返し送信する前に、当該UEが当該最大再送時間または当該第2の最大再送回数を当該ランダム・アクセス情報から解析する。次に、当該UEは取得した最大再送時間または第2の最大再送回数に基づいて当該専用プリアンブルまたは任意のプリアンブルを繰り返し送信する。
【0095】
以上の実施形態では、当該UEは、様々な実装モードにより基地局が同時に送信したランダム・アクセス情報と第1のデータを受信し、ランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に当該基地局が送信したサービス・データを受信する。即ち、当該サービス・データの送信は、ランダム・アクセス手続きの後にのみ完了する先行技術とは異なり、サービス・データの送信がランダム・アクセス手続き中またはランダム・アクセス手続き前に実施され、それによってサービス・データの送信効率が高まる。
【0096】
図3Aは、本発明のさらに別の実施形態で提供するデータ送信方法の流れ図である。
図3Aに示すように、本実施形態の方法は以下を含む。
【0097】
ステップ301では、基地局はDL割当て情報を介してをUEに対する第1のデータをスケジュールし、ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する。
【0098】
本実施形態では、スケジュールする必要があるダウンリンク・データ(即ち、当該第1のデータ)を、例えば、DRBのデータまたはSRBのデータを当該基地局が有するとき、この時点で当該UEが同期されていないアップリンクの状態に既にある場合、即ち、タイミング整列タイマ(Timing Alignment Timer、TAT)がタイムアウトした場合には、当該基地局は、DL割当て情報を介して当該第1のデータを当該UEに直接スケジュールする。当該基地局は、PDCCHを介してDL割当て情報を送信し、PDSCHを介して当該第1のデータを送信する。当該第1のデータを当該UEに送信する間に、当該基地局が当該ランダム・アクセス情報を当該UEに送信する。当該ランダム・アクセス情報の役割は、当該UEがランダム・アクセス手続きを介して当該第1のデータの受信状態に関するフィードバックを実施できるようにすることである。当該ランダム・アクセス情報は、専用プリアンブルまたは当該専用プリアンブルが使用するPRACHリソース情報のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0099】
本実施形態では、当該基地局がPDSCHを介して当該ランダム・アクセス情報を運搬する方式は新規MAC CEを利用することであってもよい。当該新規MAC CEに対して、新規追加MAC CEを表す値を予約されたLCID値から選択する。表1に示すように、LCID=11010は新規追加MAC CEを表すために使用される。これの前に、予約されたLCID値は01011−11010であり、その後に予約されるLCID値は01011−11001である。
【0101】
当該MAC CEを表すLCID値を、他の値を用いて表してもよく、予約されたLCID値から選択することには限られない。
【0102】
PDSCHで送信されるデータの構造(即ち、MAC PDU)が
図3Bに示され、主に、MACヘッダ(header)、MAC CE、MAC SDUおよび任意のパディング(Padding)等を含む。MACヘッダは、後続のMAC CEとMAC SDUに1対1に対応するサブヘッダ(sub−header)を含む。各サブヘッダは、MAC CEまたはMAC SDUに対応するLCIDを含む。
【0103】
本実施形態では、
図3Cに示すように、新規追加MAC CEのフォーマットを提供する。MAC CEは全体で2つのオクテットを含み、それぞれオクテット1(Oct1)とオクテット2(Oct2)である。「R」は予約を表し、「RA情報」はランダム・アクセス情報を表す。
【0104】
上述の当該ランダム・アクセス情報は、使用される専用プリアンブルおよび/またはPRACHリソース情報を含んでもよい。プリアンブル情報のみを送信する必要があるときは、
図3CのPRACHリソースを表すビットを0に設定することができる。これは、使用されるPRACHリソースには制限がないことを意味する。PRACHリソース情報のみを送信する必要があるときには、
図3のプリアンブル情報を表すビットを0に設定することができる。これは、他の方式で構成されたプリアンブルまたは任意のプリアンブルを用いてランダム・アクセス手続きを実施することを意味する。他の方式で構成されたプリアンブルは、プロトコルで予約されたプリアンブルまたはブロードキャスト・メッセージもしくはRRCメッセージで構成されたプリアンブルであってもよい。
【0105】
場合によっては、本実施形態の新規追加MAC CEが、当該専用プリアンブルに対応するビットのみを含んでもよく、または、使用されるPRACHリソース情報に対応するビットのみを含んでもよい。
【0106】
上述の運搬方式に基づいて、当該UEが同期されていないアップリンクの状態にあるとき、当該基地局が、当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに対して一緒にスケジュールすることができる。
【0107】
ステップ302で、当該UEが、DL割当て情報を介して当該基地局によりスケジュールされた当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を受信し、フィードバックを実施する。
【0108】
本実施形態では、当該UEがPDCCHを受信し解析し、PDCCHにおけるDL割当て情報に従ってPDSCHを受信し解析する。当該UEが当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を解析できる場合には、一定の時間の後に、当該ランダム・アクセス情報で運搬される専用プリアンブルを当該第1のデータのACKフィードバックとしてPRACHリソースで送信することができ、または、ACK情報を専用プリアンブルで運搬して当該基地局にフィードバックすることができる。当該UEが当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を解析できない場合には、当該UEはプリアンブルを当該基地局に送信する動作を実施しない。当該一定の時間をプロトコルにより構成または固定することができる。
【0109】
先行技術との差異は、本実施形態では当該UEが専用プリアンブルを当該基地局に送信した後に、RAR受信ウィンドウを開始する必要がない、即ち、当該UEはアップリンク同期を実施せず、同期されていないアップリンクの状態で継続できるということである。
【0110】
ステップ303では、当該基地局が、対応するPRACHリソースで当該UEにより送信された専用プリアンブルを受信して、当該第1のデータの受信状態を取得する。
【0111】
当該UEが送信した専用プリアンブルまたは対応するPRACHリソースで当該専用プリアンブルによりフィードバックされたACKを受信した後、当該基地局は、当該UEによる当該第1のデータの受信が成功したとみなし、RARを当該UEに送信せず、データ送信手続きが終了する。このシナリオでは当該UEは当該基地局が送信するRARを期待せず、当該ランダム・アクセス手続きも終了する。
【0112】
当該UEが送信した当該専用プリアンブルを当該基地局が指定時間内に受信しない場合には、当該基地局は当該第1のデータの再送をもう一度開始する。即ち、データ送信プロセスの実施をステップ301から再開する。当該再送手続きは先行技術であり、ここでは繰り返さない。当該指定時間を事前に構成でき、その具体的な値は定義されない。
【0113】
場合によっては、当該専用プリアンブルの送信信頼度を高めるために、当該UEは当該専用プリアンブルを或る期間内に繰り返し送信することができる。当該期間を、プロトコルによって固定するかまたは上位層によって構成することができ、当該ランダム・アクセス情報で運搬することもできる。あるいは、当該専用プリアンブルの反復回数を構成することもできる。当該反復回数ををプロトコルによって固定するかまたは上位層によって構成することができ、当該ランダム・アクセス情報で運搬することもできる。
【0114】
本実施形態では、当該基地局はPDCCHを介してPDSCH割当てを実施し、新規MAC CEとした当該ランダム・アクセス情報を、PDSCHを介して当該第1のデータとともに当該UEに送信する。当該第1のデータの送信はランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に実施され、ランダム・アクセス手続きの後に送信する必要はなく、それによってデータ送信効率が高まる。
【0115】
図3Aに示す実施形態では、当該基地局がRRC接続を解放する必要がある場合には、RRC解放(Release)メッセージを送信する、即ち、当該RRC解放メッセージは第1のデータであり、送信する必要はない。先行技術では、UEのアップリンクが既にこの時点で同期されていない場合には、当該基地局は、最初にPDCCH順序(order)を介して、当該UEにランダム・アクセス手続きによりアップリンク同期を実施させ、当該RRC解放メッセージを当該UEに送信する必要がある。しかし、
図3Aに示す実施形態では、当該RRC解放メッセージの送信効率は、当該RRC解放メッセージと当該ランダム・アクセス情報を直接当該UEに同時に割り当てることにより改善される。
【0116】
しかし、当該RRC解放メッセージは肯定応答モード無線リンク制御(Acknowledge Mode Radio Link Control、AM RLC)モードを使用するので、当該RRC解放メッセージを受信した後に、当該UEはRLC状態レポートをフィードバックし、当該UEはランダム・アクセス手続きを実施するようにトリガされる。当該UEが当該ランダム・アクセス手続きを実施するのを回避するために、本実施形態の当該基地局は、以下のように処理を行うことができる。送信すべき当該第1のデータがRRC解放メッセージである場合には、当該基地局はRLC状態レポートの生成とフィードバックを当該UEに通知せず、または、例えば、当該基地局は当該RLC状態レポートをフィードバックする必要がないことを当該UEに伝える。特に、当該基地局のRLC層が、当該RRC解放メッセージを送信したRLC PDUにおけるポーリング・ビットを運搬しなくともよく(即ち、当該ポーリング・ビットを0にセットする)、当該基地局が当該UEに送信したMAC CEが、当該UEがRLCをフィードバックする必要はないという指示情報を運搬する。PLC PDU内のポーリング・ビットは、当該RLC状態レポートの生成を当該UEに通知するために使用される。
【0117】
これに基づいて、本実施形態の当該基地局のRLC層は、当該UEによる当該第1のデータの受信に成功したかどうかを、当該基地局のMAC層が報告した情報に従って判定することができる。即ち、当該MAC層が報告した情報は、当該第1のデータの受信に成功したかどうかについて当該UEがフィードバックした情報である。あるいは、当該RRC解放メッセージを何回も繰り返し送信した後、当該基地局は当該UEを解放することができる。当該RRC解放メッセージを受信した後に、当該UEもRRC接続を解放する。
【0118】
本実施形態では、RLC PDU内のポーリング・ビットを0に設定することにより、当該RRC解放メッセージがランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前にの送信され、当該UEが当該RLC状態レポートの送信のために当該ランダム・アクセス手続きを実施するようにトリガされないことが保証され、RRC接続の正常な解放が保証され、RRC接続の解放効率が高まる。
【0119】
図4は、本発明のさらに別の実施形態で提供するデータ送信方法の流れ図である。
図4に示すように、本実施形態の方法は以下を含む。
【0120】
ステップ401で、基地局がPDCCHを用いて第1のデータをスケジュールし、ランダム・アクセス情報を割り当てる。
【0121】
本実施形態では、スケジュールする必要があるダウンリンク・データ(即ち、当該第1のデータ)、例えば、DRBのデータまたはSRBのデータを当該基地局が有するとき、当該UEがこの時点で同期されていないアップリンクの状態に既にある場合、即ち、TATがタイムアウトした場合には、当該基地局はDL割当て情報を介して当該第1のデータを当該UEに直接スケジュールする。ここで、当該基地局はPDCCHを介してDL割当て情報を送信し、PDSCHを介して当該第1のデータを送信する。本実施形態では、当該基地局はPDCCHを介して当該ランダム・アクセス情報を同時に当該UEに提供する。即ち、本実施形態では、当該ランダム・アクセス情報とDL割当て情報はPDCCHで同時に運搬される。
【0122】
先行技術では、当該UEにランダム・アクセス手続きとデータ割当てのためのPDCCH割当てとを実施させるPDCCH順序では、同一のDCIフォーマット、即ち、DCI1Aを使用する。ここで、PDCCHがPDCCH順序として動作するとき、運搬される情報は以下の通りである。
【0123】
局所/分散仮想リソース・ブロック割当てフラグ(Localized/Distributed VRB割当てフラグ):1ビットであり、「0」に設定
される。
リソース・ブロック割当て(Resource block assignment):
【0125】
ビットであり、全てのビットが1にセットされる(
【0127】
ビットであり、全てのビットが1に設定されるものとする)。
プリアンブル・インデックス(Preamble Index):
6ビット。
物理ランダム・アクセス・チャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)マスク・インデックス(PRACH Mask Index):
4ビット。
残りのビットの全ては0にセットされる(1つのPDSCH符号語のコンパクトなスケジュール割当てに関してフォーマット1A内の残りのビットの全ては0にセットされる)。
【0128】
PDCCHをPDCCH順序として表すために、当該基地局は、PDCCHが運搬するものが当該ランダム・アクセス情報であることを示すために、プリアンブル・インデックスおよびPRACHマスク・インデックスが占有するものを除いて、ビットを特別な値に設定する必要がある。これに基づいて、本実施形態の当該基地局は、DL割当て情報を運搬するためのこれらの特別な値から幾つかのビットを取り出すことができ、それによって、当該ランダム・アクセス情報とDL割当て情報がPDCCHで同時に運搬されることが実現される。PDCCHの基本構造は以下を含むことができる。
【0129】
1ビットまたはそれ以上のビットが、どのPDCCHが当該ランダム・アクセス情報、当該ランダム・アクセス情報、またはDL割当て情報、または当該ランダム・アクセス情報とDL割当て情報、即ち、第1の指示情報であるかを示す。1ビットまたはそれ以上のビットが、当該UEが使用する当該ランダム・アクセス情報を示す。1ビットまたはそれ以上のビットが、当該UEをスケジュールするための対応するDL割当て情報を示す。
【0130】
場合によっては、PDCCHのビット数を節約するために、前述のランダム・アクセス情報に含まれる情報の全部または一部を、上位層シグナリング、例えば、RRCメッセージを介して準静的に構成することができる。例えば、使用される当該専用プリアンブルを準静的に構成することができ、当該ランダム・アクセス情報が当該専用プリアンブルを含まなくともよく、それによって占有されたビットの数が減る。
【0131】
場合によっては、PDCCHのビット数を節約するために、前述のDL割当て情報の情報の全部または一部を、上位層シグナリング、例えば、RRCメッセージを介して準静的に構成することができる。例えば、使用されるMCSを準静的に構成することができ、使用されるHARQプロセスを準静的に構成することができる、等であり、DL割当て情報が、使用されるMCSおよびHARQプロセスに関する情報を含まなくともよく、それによって、占有されたビットの数を減らすのを支援する。
【0132】
PDCCHが当該ランダム・アクセス情報とDL割当て情報を同時に運搬できるようにする前述の方式は、既存のPDCCHにより使用されるDCIフォーマットに対する変更または拡張であるが、それらに限られない。例えば、他のDCIフォーマットを使用するかまたは新たなDCIフォーマットを設計して前述の情報を送信することができる。詳細についてはここでは繰り返さない。
【0133】
ステップ402では、当該UEが、DL割当て情報を介してスケジュールされた第1のデータと、当該基地局によりPDCCHを介して送信された当該ランダム・アクセス情報を受信する。
【0134】
前述のPDCCHを受信した後、その中の識別ビットに従って、当該UEは、PDCCHが当該ランダム・アクセス情報とDL割当て情報を運搬することを知る。当該UEは、DL割当て情報に従ってPDSCHを復号化し、一定の時間(当該時間は主に当該UEがPDSCHを復号化するのに使用される)の後、当該ランダム・アクセス情報を使用して、PDSCHの復号化に成功したかどうか、即ち、当該第1のデータの受信に成功したかどうかをフィードバックする。当該UEがランダム・アクセス情報を使用してフィードバックする方法は、1)当該UEがプリアンブルを送信するかまたは送信しないことによってACKまたはNACKをフィードバックすること、2)当該UEが、プリアンブルがACKまたはNACK情報を運搬することによって当該基地局へのフィードバックを実施することを含んでもよい。ここで、当該プリアンブルは、当該ランダム・アクセス情報で規定された専用プリアンブルであってもよく、または、当該ランダム・アクセス情報におけるPRACHリソースで送信された任意のプリアンブルもしくは他の方式で構成されたプリアンブルであってもよい。
【0135】
先行技術との差異は、本実施形態では、当該UEがプリアンブルを送信した後、当該UEはRAR受信ウィンドウを開始する必要がないということである。
【0136】
ステップ403では、当該基地局が、対応するPRACHリソース上で当該UEが送信したプリアンブルを受信して、当該第1のデータの受信状態を取得する。
【0137】
当該基地局が、当該UEが送信したプリアンブルまたは当該プリアンブルが運搬するACK情報を受信した後、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したとみなし、データ送信手続きが終了する。当該基地局が指定時間内にどのプリアンブルも受信しないかまたはプリアンブルが運搬するNACK情報を受信しなかったときは、当該第1のデータが当該UEにより受信されなかったとみなす。この時点で、当該基地局はステップ401から開始する当該第1のデータの送信をもう一度実施することができ、もう一度の送信を再送と示すことができ、新規送信と示すこともできる。もう一度送信されたPDCCHを受信した後に、当該UEはステップ402を繰り返し実施する。即ち、このプロセスを、第1のデータが最大再送回数に達するまでまたは当該UEが当該第1のデータの受信に成功するまで循環的に実行することができる。ここで、例示のため、指定時間を事前に構成でき、その具体的な値は定義されない。
【0138】
当該UEが送信したプリアンブルまたは当該プリアンブルが運搬するACKを受信した後に、当該基地局はRARを当該UEに送信しなくともよい。同様に、当該UEは当該シナリオにおいて当該基地局が送信したRARを期待せず、RA手続きは終了する。
【0139】
場合によっては、プリアンブルを受信しなかったかまたは当該プリアンブルが運搬するNACKを受信しなかった後に、当該基地局はRARを当該UEに送信してアップリンク同期を実施するように当該UEに指示してもよく、その結果、当該基地局が当該UEの当該第1のデータを再スケジュールするときに、当該UEは正常なフィードバックを実施することができる。
【0140】
場合によっては、当該基地局が2つのプリアンブルを当該UEに割り当ててもよい。即ち、本実施形態のPRACHプリアンブルに含まれる専用プリアンブルは、第1のプリアンブルと第2のプリアンブルを含む。当該第1のプリアンブルはACKを示すために使用され、当該第2のプリアンブルはNACKを示すために使用される。
【0141】
場合によっては、当該専用プリアンブルの送信信頼度を高めるために、当該UEは当該専用プリアンブルを或る期間内に繰り返し送信することができる。当該期間をプロトコルによって固定するかまたは上位層によって構成することができ、当該ランダム・アクセス情報で運搬することもできる。あるいは、当該専用プリアンブルの当該反復回数を構成することもできる。当該反復回数をプロトコルによって固定するかまたは上位層によって構成することができ、当該ランダム・アクセス情報で運搬することもできる。
【0142】
本実施形態では、当該基地局は、PDCCHを介してPDSCHの割当てを実施し、同時にPDCCHを介して当該ランダム・アクセス情報を運搬する。その結果、当該ランダム・アクセス情報および当該第1のデータが共に当該UEに送信され、当該第1のデータの送信がランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に実現され、ランダム・アクセス手続きの後に送信する必要はなく、それによってデータ送信効率が高まる。
【0143】
同時に、
図4に示す実施形態では、当該基地局がRRC接続を解放する必要がある場合には、RRC解放(Release)メッセージを送信する。即ち、当該RRC解放メッセージは当該第1のデータであり送信する必要がある。当該RRC解放メッセージである当該第1のデータの処理方式については、
図3Aに示す実施形態に関する説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。同様に、本実施形態では、RLC PDU内のポーリング・ビットを0に設定することによって、当該RRC解放メッセージがランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に送信されることが保証され、当該UEはランダム・アクセス手続きを実施するようにトリガされず、RRC接続の正常な解放が保証され、RRC接続の解放効率が高まる。
【0144】
図5は、本発明のさらに別の実施形態で提供するデータ送信方法の流れ図である。
図5に示すように、本実施形態の方法は以下を含む。
【0145】
ステップ501では、基地局がPDCCHをUEに送信し、PDCCHはランダム・アクセス情報とRRC解放メッセージを同時に運搬する。
【0146】
本実施形態はさらにRRC解放シナリオの最適化を目標とする。即ち、UEのアップリンクが同期されていない後に当該基地局が当該UEのRRC接続を解放する必要があるとき、当該RRC解放メッセージを送信するのではなく、当該UEにランダム・アクセス手続きを実施させるPDCCH Orderを介してRRC解放の実施を当該UEに通知する。
【0147】
特に、当該基地局は、PDCCH Order内の1つまたは幾つかのビットを特別な値に設定して当該RRC解放メッセージを運搬することができ、それによって、PDCCH Orderの目的がRRC解放を実施することであることを示す。
【0148】
ステップ502で、当該UEが当該基地局によって送信されたPDCCHを受信し、フィードバックを実施する。
【0149】
PDCCH Orderを受信した後、一定の時間後に、当該UEはPDCCH Orderにおける当該ランダム・アクセス情報を介してフィードバックを実施し、RRC接続を解放する。当該一定の時間をプロトコルによって固定するかまたは上位層メッセージによって構成することができ、またはPDCCH Orderにより運搬することができる。
【0150】
本実施形態では、当該ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルを含むことに基づく例を取り、当該UEにより当該ランダム・アクセス情報を介してフィードバックを実施する方式については、ステップ302に関する説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0151】
場合によっては、当該UEは当該専用プリアンブルを或る期間内に繰り返し送信することができる。当該期間をプロトコルによって固定するかまたは上位層によって構成することができ、当該ランダム・アクセス情報で運搬することもできる。あるいは、当該専用プリアンブルの再送回数を構成することもできる。再送回数をプロトコルによって固定するかまたは上位層によって構成することができ、当該ランダム・アクセス情報で運搬することもできる。
【0152】
ステップ503で、当該基地局は当該UEが送信した専用プリアンブルを対応するPRACHリソースで受信して、当該第1のデータの受信状態を取得する。
【0153】
当該基地局が当該専用プリアンブルを対応するPRACHリソースで受信した場合、当該RRC解放メッセージを運搬するPDCCHの受信に当該UEが成功したとみなし、当該基地局が当該UEとのRRC接続を解放する。
【0154】
当該基地局が指定時間内に当該専用プリアンブルを受信しなかった場合には、当該基地局はPDCCH順序を当該UEに送信するステップ501を再実施して、RRC接続を解放する。ここで、当該指定時間をプロトコルによって固定するかまたは上位層メッセージによって構成することができ、または当該ランダム・アクセス情報もしくはPDCCH Orderで運搬することができる。
【0155】
本実施形態では、TATがタイムアウトする状況では、当該基地局はPDCCHを介して当該RRC解放メッセージと当該ランダム・アクセス情報を同時に当該UEに送信し、その結果、ランダム・アクセスを先ず完了し次いでRRC解放を実施する先行技術とは異なり、RRC解放はランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に完了し、信号送信のオーバヘッドの節約が支援され、RRC解放効率が高まる。さらに、本実施形態は、TATがタイムアウトしないケースにも適用され、この時点で、当該UEはアップリンク同期状態にあり、eNBは本実施形態のPDCCHを介してRRC解放メッセージを直接送信するだけでよく、当該RRC解放メッセージを運搬するPDCCHを受信した後に、ランダム・アクセス情報を運搬する必要はなく、当該UEはACKを物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel、PUCCH)で直接フィードバックし、同様に信号送信のオーバヘッドを節約することができ、RRC解放効率を高めることができる。
【0156】
図6は、本発明の1実施形態で提供する基地局の略構造図である。
図6に示すように、本実施形態の当該基地局は、第1の送信モジュール61と取得モジュール62を備える。
【0157】
第1の送信モジュール61はUEに接続され、第1のデータとランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信するように構成される。取得モジュール62は当該UEに接続され、当該第1のデータの受信状態情報を取得するように構成される。当該受信状態情報は当該ランダム・アクセス情報を介して当該UEによりフィードバックされる。
【0158】
本実施形態の当該基地局の各機能モジュールを使用して
図1に示すデータ送信方法のプロセスを実施することができる。その具体的な動作原理はこれ以上繰り返さない、詳細については方法の実施形態の説明を参照されたい。
【0159】
本実施形態では、当該UEが同期されていないアップリンクの状態にあるとき、当該基地局は当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を同時にUEに送信することができ、ランダム・アクセス手続きの後に送信が実施される先行技術とは異なり、当該UEに対するサービス・データの送信はランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に実施され、それによってデータ送信効率が高まる。
【0160】
図7は、本発明の別の実施形態で提供する基地局の略構造図である。本実施形態は
図6に示す実施形態に基づいて実施される。
図7に示すように、本実施形態では、第1の送信モジュール61は特に、PDCCHとPDSCHを当該UEに同時に送信して、当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報の当該UEへの同時送信を実現するように構成される。ここで、PDCCHはダウンリンク・スケジューリング情報を含み、PDSCHは当該第1のデータ、当該第1のデータの識別子、当該ランダム・アクセス情報および当該ランダム・アクセス情報の識別子を含む。
【0161】
当該第1のデータの識別子と当該ランダム・アクセス情報の識別子はLCIDである。当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報に対応するLCID値はそれぞれ異なる。換言すれば、第1の送信モジュール61は、当該第1のデータの識別子と当該ランダム・アクセス情報の識別子をLCIDとして構成し、当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報に対応するLCID値がそれぞれ異なるように構成する。
【0162】
さらに、当該ランダム・アクセス情報が専用プリアンブルのみを含む場合には、第1の送信モジュール61は特に、PDSCH内のPRACHリソースに対応するビットを0に設定することができる。あるいは、第1の送信モジュール61は特に、PRACHリソースに対応するビットを含まないPDSCH、即ち、PRACHリソースに対応するビットを含まないPDSCHを送信するように構成される。
【0163】
当該ランダム・アクセス情報がPRACHリソースのみを含む場合には、第1の送信モジュール61は特に、PDSCHにおける当該専用プリアンブルに対応するビットを0に設定することができる。あるいは、第1の送信モジュール61は特に、当該専用プリアンブルに対応するビットを含まないPDSCHを送信するように構成される。即ち、PDSCHは当該専用プリアンブルに対応するビットを含まない。
【0164】
さらに、第1の送信モジュール61を特に、PDCCHとPDSCHを当該UEに同時に送信して、当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報の当該UEへの同時送信を実現するように構成することもできる。ここで、PDCCHは、第1の指示情報、ダウンリンク・スケジューリング情報および当該ランダム・アクセス情報を含み、当該第1の指示情報はPDCCHが当該ダウンリンク・スケジューリング情報と当該ランダム・アクセス情報を同時に運搬することを示すために使用され、PDSCHは当該第1のデータと当該第1のデータの識別子を含む。
【0165】
さらに、第1の送信モジュール61を特に、PDCCHを当該UEに送信して、当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報の当該UEへの同時送信を実現するように構成することもできる。ここで、PDCCHは当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を含む。
【0166】
より具体的には、第1の送信モジュール61は、PDCCHにおける少なくとも1つのビットの値を事前設定値として設定することによって当該第1のデータを保持することができる。
【0167】
当該第1のデータはDRBのデータであってもよく、SRBのデータ、例えば、RRC解放メッセージであってもよい。
【0168】
当該基地局により送信された当該ランダム・アクセス情報は専用プリアンブルおよび/またはPRACHリソース情報を含んでもよい。即ち、第1の送信モジュール61は特に、専用プリアンブルおよび/またはPRACHリソース情報を含む当該ランダム・アクセス情報を当該UEに送信するように構成される。
【0169】
上記に基づいて、取得モジュール62は特に、当該UEが送信した当該専用プリアンブルが指定時間内に受信されたか、または、PRACHリソースで当該UEにより送信された任意のプリアンブルが受信された場合には、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと判定し、指定時間内に、当該UEが送信した当該専用プリアンブルが受信されなかったかまたはPRACHリソースで当該UEにより送信されたプリアンブルが受信されなかった場合には、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定するように構成される。
【0170】
あるいは、取得モジュール62を特に、当該UEが送信した受信した専用プリアンブルまたはPRACHリソースで当該UEにより送信された任意の受信したプリアンブルで運搬されるACKに従って、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと判定し、当該UEが送信した受信した専用プリアンブルまたはPRACHリソースで当該UEにより送信された任意の受信したプリアンブルで運搬されるNACKに従って、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定するように構成してもよい。
【0171】
さらに、当該専用プリアンブルは第1のプリアンブルおよび第2のプリアンブルを含むことができる。次に、取得モジュール62は特に、当該UEが送信した当該第1のプリアンブルが受信された場合には、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと判定し、当該UEが送信した当該第2のプリアンブルが受信された場合には、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定するように構成される。
【0172】
当該第1のデータがRRC解放メッセージである場合には、第1の送信モジュール61は特に、RRC解放メッセージと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信するように構成される。特に、PDCCHとPDSCHを当該UEに同時に送信するときに、第1の送信モジュール61はさらに、第2の指示情報をPDSCHで運搬するように構成される。当該第2の指示情報は、当該RRC解放メッセージを受信した後にRLC状態レポートを当該基地局にフィードバックしないように当該UEに指示するために使用される。特に、第1の送信モジュール61は特に、PDSCH内のRLC PDUにおけるポーリング・ビットを0に設定することによって当該第2の指示情報を運搬するように構成される。
【0173】
さらに、取得モジュール62はさらに、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定した後に、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと取得モジュール62が判定するまでまたは再送回数が事前設定された第1の最大再送回数に達するまで、第1の送信モジュール61をトリガして当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を当該UEに同時に送信する動作を再実施するように構成される。
【0174】
さらに、当該第1のデータがRRC解放メッセージである場合には、本実施形態の基地局が第1の解放モジュール63を備えてもよい。
【0175】
第1の解放モジュール63は取得モジュール62に接続され、当該UEが当該第1のデータの受信に成功したと取得モジュール62が判定した後、または、再送回数が事前設定された第1の最大再送回数に達した後に、当該UEとのRRC接続を解放するように構成される。
【0176】
さらに、本実施形態の第1の送信モジュール61はさらに、当該UEが送信した当該専用プリアンブルまたは任意のプリアンブルが取得モジュール62により受信された後に、ランダム・アクセス応答RARを当該UEに送信して、アップリンク同期を実施するように当該UEに指示するするように構成される。
【0177】
さらに、第1の送信モジュール61はさらに、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと取得モジュール62が判定した後に、RARを当該UEに送信してアップリンク同期を実施するように当該UEに指示するように構成される。
【0178】
さらに、当該UEによるプリアンブルの送信の信頼度を保証するために、本実施形態の第1の送信モジュール61はさらに、当該ランダム・アクセス・メッセージで最大再送時間または第2の最大再送回数を運搬して、再送回数が当該第2の最大再送回数に達するかまたは再送時間が当該最大再送時間に達するまで、当該専用プリアンブルまたは任意のプリアンブルを繰り返し送信するように当該UEに指示するように構成される。
【0179】
上の機能モジュールの各々を使用して、
図1、
図3A、
図4または
図5に示す実施形態の対応するプロセスを実施することができ、その具体的な動作原理はこれ以上繰り返さない。詳細については方法の実施形態の説明を参照されたい。
【0180】
本実施形態では、当該基地局は、当該UEが同期されていないアップリンクの状態にあるときに第1のデータとランダム・アクセス情報をUEに同時に送信することができ、当該UEへのサービス・データの送信は、送信がランダム・アクセス手続きの後に実施される先行技術とは異なり、ランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に実施される。それによってシグナリングの相互作用と時間遅延が減り、データ送信効率が高まる。
【0181】
図8は、本発明の1実施形態で提供するUEの略構造図である。
図8に示すように、本実施形態のUEは、第1の受信モジュール81とフィードバック・モジュール82を備える。
【0182】
第1の受信モジュール81は基地局に接続され、当該基地局が同時に送信した第1のデータとランダム・アクセス情報を受信するように構成される。フィードバック・モジュール82は第1の受信モジュール81と当該基地局に接続され、第1の受信モジュール81が受信したランダム・アクセス情報を介して当該第1のデータの受信状態情報を当該基地局にフィードバックするように構成される。
【0183】
当該第1のデータはDRBのデータであってもよく、SRBのデータ、例えば、RRC解放メッセージであってもよい。
【0184】
当該基地局により送信された当該ランダム・アクセス情報は専用プリアンブルおよび/またはPRACHリソース情報を含んでもよいがそれらに限られない。次に、第1の受信モジュール81は特に、専用プリアンブルおよび/またはPRACHリソースを含むランダム・アクセス情報を受信するように構成される。
【0185】
本実施形態のUEの各機能モジュールを使用して、
図2に示すデータ送信方法のプロセスを実施することができる。その具体的な動作原理はこれ以上繰り返さない。詳細については方法の実施形態の説明を参照されたい。
【0186】
非同期状態にあるとき、本実施形態のUEは、本発明の諸実施形態で提供する基地局と協働して、ランダム・アクセス手続きが終了した後にのみサービス・データを受信できる先行技術とは異なり、当該基地局が送信したサービス・データをランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に受信することができる。それによってシグナリングの相互作用と時間遅延が減り、データ送信効率が高まる。
【0187】
図9は、本発明の別の実施形態で提供するUEの略構造図である。本実施形態は、
図8に示す実施形態に基づいて実施される。
図9に示すように、本実施形態の第1の受信モジュール81を特に、当該基地局が送信したPDCCHとPDSCHを同時に受信するように構成して、当該ランダム・アクセス情報と当該第1のデータを同時に受信する目的を達成することができる。PDCCHはダウンリンク・スケジューリング情報を含み、PDSCHは当該第1のデータ、当該第1のデータの識別子、当該ランダム・アクセス情報および当該ランダム・アクセス情報の識別子を含む。
【0188】
上の第1の受信モジュール81の動作原理に基づいて、フィードバック・モジュール82を特に、PDCCHにおける当該ダウンリンク・スケジューリング情報に従ってPDSCHを解析し、当該ランダム・アクセス情報と当該第1のデータがPDSCHから解析された場合には、当該専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の成功をフィードバックし、当該第1のデータがPDSCHから解析されなかった場合には、プリアンブルを当該基地局に送信する動作を実施せず、当該基地局に当該第1のデータの受信の失敗をフィードバックするように構成することができる。
【0189】
あるいは、本実施形態の第1の受信モジュール81を特に、当該基地局が送信したPDCCHとPDSCHを同時に受信するように構成して、当該ランダム・アクセス情報と当該第1のデータを同時に受信する目的を達成することができる。PDCCHは第1の指示情報、ダウンリンク・スケジューリング情報および当該ランダム・アクセス情報を含み、当該第1の指示情報は、PDCCHがダウンリンク・スケジューリング情報と当該ランダム・アクセス情報を同時に運搬することを示すために使用される。PDSCHは当該第1のデータと当該第1のデータの識別子を含む。
【0190】
上の第1の受信モジュール81の動作原理に基づいて、フィードバック・モジュール82を特に、当該ダウンリンク・スケジューリング情報と当該ランダム・アクセス情報を当該第1の指示情報に従ってPDCCHから取得し、当該ダウンリンク・スケジューリング情報に従ってPDSCHを解析し、当該第1のデータがPDSCHから解析された場合には、当該専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信するか、または、ACKを運搬する当該専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、当該ACKを運搬する任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の成功をフィードバックし、当該第1のデータがPDSCHから解析されなかった場合には、プリアンブルを当該基地局に送信する動作を実施せず、または、NACKを運搬する当該専用プリアンブルを当該基地局に送信し、または、当該NACKを運搬する任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の失敗をフィードバックするように構成することができる。さらに、当該専用プリアンブルが第1のプリアンブルと第2のプリアンブルを備えてもよい。
【0191】
これに基づいて、フィードバック・モジュール82を特に、当該ダウンリンク・スケジューリング情報と当該ランダム・アクセス情報を当該第1の指示情報に従ってPDCCHから取得し、当該ダウンリンク・スケジューリング情報に従ってPDSCHを解析し、当該第1のデータがPDSCHから解析された場合には、当該第1のプリアンブルを当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の成功をフィードバックし、当該第1のデータがPDSCHから解析されなかった場合には、当該第2のプリアンブルを当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の失敗をフィードバックするように構成することもできる。
【0192】
あるいは、本実施形態の第1の受信モジュール81を特に、当該基地局が送信したPDCCHを受信するように構成することができる。PDCCHは当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報を含む。
【0193】
上の第1の受信モジュール81の動作原理に基づいて、フィードバック・モジュール82を特に、PDCCHを解析し、当該第1のデータと当該ランダム・アクセス情報がPDCCHから解析された場合には、当該専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信するか、または、ACKを運搬する当該専用プリアンブルを当該基地局に送信するか、または、当該ACKを運搬する任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に送信して、当該基地局に当該第1のデータの受信の成功をフィードバックするように構成することができる。
【0194】
当該第1のデータはRRC解放メッセージであってもよく、第1の受信モジュール81は特に、RRC解放メッセージと当該基地局により送信された当該ランダム・アクセス情報を同時に受信するように構成される。さらに、これに基づいて、本実施形態のUEは第2の解放モジュール83も備える。
【0195】
第2の解放モジュール83は、第1の受信モジュール81が受信したPDSCH内の第2の指示情報に従って、当該RRC解放メッセージを取得した後に無線リンク制御RLC状態レポートを当該基地局にフィードバックせず、当該基地局とのRRC接続を直接切断するように構成される。当該第2の指示情報は、当該RRC解放メッセージを受信した後に当該RLC状態レポートを当該基地局にフィードバックしないように当該UEに指示するように構成される。
【0196】
さらに、本実施形態の第1の受信モジュール81はさらに、当該基地局が送信したRARを受信し、アップリンク同期を実施するように構成される。第1の受信モジュール81がさらに、当該UEが当該第1のデータの受信に失敗したと判定した後に、当該基地局が送信したRARを受信して、当該基地局が当該第1のデータを再送した後に当該UEによる正常なフィードバックを促進するように構成されるのが好ましい。
【0197】
さらに、フィードバック・モジュール82はまた、特に、再送回数が第2の最大再送回数に達するかまたは再送時間が最大再送時間に達するまで、当該専用プリアンブルを当該基地局に繰り返し送信するか、または、任意のプリアンブルをPRACHリソースで当該基地局に繰り返し送信するように構成される。
【0198】
当該第2の最大再送回数または当該最大再送回数をプロトコルによって固定するかもしくは上位層によって構成することができ、または、当該ランダム・アクセス情報により運搬することができる。
【0199】
当該第2の最大再送回数または当該最大再送時間が当該ランダム・アクセス情報により運搬される場合には、フィードバック・モジュール82はさらに、当該最大再送時間または当該第2の最大再送回数をランダム・アクセス・メッセージから取得するように構成される。
【0200】
上の機能モジュールを使用して、
図2、
図3A、
図4または
図5に示す実施形態の対応するプロセスを実施することができる。その具体的な動作原理はこれ以上繰り返さない。詳細については方法の実施形態の説明を参照されたい。
【0201】
非同期状態のとき、本実施形態のUEは、本発明の諸実施形態で提供する当該基地局と協働して、ランダム・アクセス手続きが終了した後にのみサービス・データを受信できる先行技術とは異なり、当該基地局が送信したサービス・データをランダム・アクセス手続きの最中またはランダム・アクセス手続きの前に受信することができる。それによってシグナリングの相互作用と時間遅延が減り、データ送信効率が高まる。
【0202】
前述の方法の実施形態の各々のステップの全部または一部を、関連するハードウェアに指示するプログラムにより実装してもよいことは当業者には理解される。当該プログラムをコンピュータ可読記憶媒体に格納してもよい。当該プログラムを実行したとき、前述の方法の実施形態の各々のステップが実施される。上述の記憶媒体には、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスク等の媒体が含まれ、これらはプログラム・コードを格納することができる。
【0203】
最後に、前述の実施形態の各々は本発明の技術的解決策を説明するために使用されるにすぎず、それらへの限定として解釈すべきではないことに留意されたい。詳細な説明を前述の実施形態の各々を参照して本発明に与えたが、上述の各実施形態で記載した技術的解決策に修正を行うことができ、または、その技術的特徴の一部または全部に均等な置換えを行ってもよく、これらの修正または置換えは対応する技術的解決策の性質を本発明の諸実施形態の範囲から逸脱させないことは当業者には理解される。