特許第6035616号(P6035616)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035616
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】内燃機関のアイドルストップ制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 29/02 20060101AFI20161121BHJP
   F02N 15/00 20060101ALI20161121BHJP
   F02N 11/08 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   F02D29/02 321A
   F02N15/00 E
   F02N11/08 K
   F02N11/08 V
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-134029(P2015-134029)
(22)【出願日】2015年7月3日
(62)【分割の表示】特願2012-43057(P2012-43057)の分割
【原出願日】2012年2月29日
(65)【公開番号】特開2015-200325(P2015-200325A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2015年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立オートモティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大輔
【審査官】 立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−154240(JP,A)
【文献】 特開2012−036747(JP,A)
【文献】 特開2011−099455(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 29/02
F02N 11/08
F02N 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の自動停止条件成立後、前記内燃機関の回転速度が下降する惰性回転期間中に再始動要求、或いは発進要求が発生したときに、スタータのピニオンギアを押し出して前記内燃機関のクランク軸に連結されたリングギアに噛み込ませ、前記スタータによるクランキングを行う制御装置において、
前記制御装置は、前記ピニオンギアの押し出しと前記ピニオンギアの回転とを個別のタイミングで独立して制御し、
前記再始動要求、或いは前記発進要求が発生したときに、前記内燃機関の燃料噴射再開タイミング以前に前記ピニオンギアを前記リングギア側へ押し出し、かつ
前記燃料噴射再開タイミングより後に前記クランキングを開始し、
前記燃料噴射再開タイミングでは、少なくとも前記内燃機関の圧縮行程にある気筒に燃料が噴射される制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記ピニオンギアを前記リングギア側へ押し出す前に、前記ピニオンギアを回転させることを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置において、
前記再始動要求、或いは前記発進要求が発生したときに前記ピニオンギアを回転させることを特徴とする制御装置。
【請求項4】
請求項1から3いずれか一項に記載の制御装置において、
前記ピニオンギアを押し出しタイミングと前記燃料噴射再開タイミングとがほぼ同時であることを特徴とする制御装置。
【請求項5】
請求項1から3いずれか一項に記載の制御装置において、
前記燃料噴射再開タイミングよりも後に前記ピニオンギアを前記リングギアに噛み込ませることを特徴とする制御装置。
【請求項6】
請求項1から5いずれか一項に記載の制御装置において、
前記制御装置は、前記再始動要求、或いは前記発進要求が発生したときに前記圧縮行程にある気筒への燃料噴射の可否を判定し、当該判定結果に基づき前記内燃機関への燃料噴射を再開する制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動力車両に搭載されている内燃機関の運転状態を制御する制御装置に係り、特に内燃機関を自動停止した後に再始動を自動的に行う内燃機関のアイドルストップ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、動力機関車や自動車等の動力車両(以下では代表して自動車で説明する)に搭載されている内燃機関においては、ガソリンや軽油等のエネルギ資源の節約と環境保護を目的として内燃機関の効率的な運転を行なう技術が鋭意開発されている。
【0003】
例えば、最近の自動車においては走行運転中に内燃機関の自動停止条件が成立した時に、燃料噴射弁から内燃機関に供給される燃料を遮断して気筒内での燃焼を停止することによって内燃機関が発生する動力(トルク)を失わせるアイドルストップ制御装置を搭載している。
【0004】
これは交差点や交通渋滞によって内燃機関を運転しなくても良いのにも拘わらず、内燃機関を不必要に運転することによって燃料であるガソリンや軽油が無駄に消費される、COが余分に排出されるといった課題を解決するために提案された制御装置である。
【0005】
そして、このアイドルストップ制御装置による内燃機関の自動停止条件は運転者がアクセルペダルから足を離したり、ブレーキペダルを踏んだりすることで成立するもので、要は自動車が走行状態から停止しようとする状態を検出して自動的に内燃機関の運転を停止させるものである。
【0006】
尚、このアイドルストップ制御装置では自動車が完全に走行停止していなくても内燃機関の自動停止条件が成立したら内燃機関を自動的に停止するように動作するもので、その後、運転者の再始動要求、或いは発進要求(以下、これをチェンジオブマインド要求という)が発生した時、できるだけ速やかに内燃機関を再始動する必要がある。チェンジオブマインド要求とは、例えば運転者がブレーキペダルから足を離したりアクセルペダルを踏んだりする等の行為で発生する。
【0007】
そして、チェンジオブマインド要求に応じて内燃機関を速やかに再始動する技術としては、特開2005−330813号公報(特許文献1)にあるように、内燃機関の惰性回転期間中にチェンジオブマインド要求が発生したときに、スタータモータに通電し、スタータモータと同軸上に備わるピニオンの回転速度が内燃機関のクランク軸に連結されたリングギアの回転速度とほぼ同期した時点でピニオンを押し出してリングギアに噛み込ませて、スタータによるクランキングを開始して燃料噴射を実行して内燃機関の再始動を行なう技術が提案されている。
【0008】
これは内燃機関の回転数が低下していく途中でスタータのピニオンギアを押し出し、そのピニオンギアを内燃機関のリングギアに噛合わせることで再始動の準備を行ない、次に再始動要求条件が成立するとスタータモータを回転させることでリングギアを回転させて内燃機関を再始動させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−330813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このようなアイドルストップ制御装置においては、内燃機関の惰性回転期間中にチェンジオブマインド要求が発生した時、できるだけ速やかに内燃機関を再始動することが要求される。
しかしながら、従来のアイドルストップ制御装置ではピニオンギアを押し出してリングギアに噛み込ませて、スタータによるクランキングを開始した後に燃料噴射を実行して内燃機関の再始動を行なうように制御されている。このため、クランキングの開始まで待ってから燃料噴射を実行するため、再始動するまでの時間に遅れが生じてしまい、運転者に再始動が遅いと感じさせてしまう課題がある。
【0011】
この再始動するまでの時間に遅れが生じるという課題に対応するために、チェンジオブマインド要求の発生と同時に全気筒に順番に燃料噴射(いわゆるシーケンシャル噴射)を再開すると、ピニオンギアとリングギアが同期して噛み込む前に燃料噴射による燃焼が先に発生して内燃機関の回転速度が上昇する可能性がある。これは内燃機関の惰性回転期間中にピニオンの回転速度とリングギアの回転速度を同期させてからピニオンギアをリングギアに噛み込ませる必要があり、チェンジオブマインド要求の発生からピニオンギアがリングギアに噛み込むまでに時間を要するためである。よってこの途中に燃料噴射が順次実行されると気筒内で燃焼が先に発生して内燃機関の回転速度が上昇するようになるものである。
【0012】
したがって、ピニオンギアがリングギアに噛み込む前に内燃機関の回転速度が上昇することにより、ピニオンギアの回転速度とリングギアの回転速度の同期に更に時間遅れが生じ、これに伴って内燃機関の再始動が遅くなるようになる。
【0013】
また、ピニオンギアの回転速度はスタータモータの性能により上限があり、ピニオンギアの回転速度が上限まで上昇しても、リングギアの回転速度がピニオンギアの上限回転速度まで下降せずにリングギアの回転速度とピニオンギアの回転速度が同期しないことで、場合によっては内燃機関が再始動できない可能性も残っている。
【0014】
本発明の目的は、内燃機関を停止した後の回転速度が減少している間で再始動を行なうチェンジオブマインド要求が発生した後に内燃機関の再始動を速やかに、かつ確実に行うことができるアイドルストップ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するため本発明の制御装置は、内燃機関の自動停止条件成立後、前記内燃機関の回転速度が下降する惰性回転期間中に再始動要求、或いは発進要求が発生したときに、スタータのピニオンギアを押し出して前記内燃機関のクランク軸に連結されたリングギアに噛み込ませ、前記スタータによるクランキングを行う制御装置において、前記制御装置は、前記ピニオンギアの押し出しと前記ピニオンギアの回転とを個別のタイミングで独立して制御し、前記再始動要求、或いは前記発進要求が発生したときに、前記内燃機関の燃料噴射再開タイミング以前に前記ピニオンギアを前記リングギア側へ押し出し、かつ前記燃料噴射再開タイミングより後に前記クランキングを開始し、前記燃料噴射再開タイミングでは、少なくとも前記内燃機関の圧縮行程にある気筒に燃料が噴射される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ピニオンギアがリングギアに噛み込んだ後に燃料噴射を実行する従来の方式と比較して、早いタイミングで燃料噴射を再開することで初爆が少なくとも1気筒分早く発生することが期待でき再始動が早くなるものである。
【0017】
またチェンジオブマインド要求発生時点で燃料噴射を実行する他の従来の方式と比較して、トルクの立ち上がりを遅くできるのでピニオンギアがリングギアに噛み込む前に内燃機関の回転速度が上昇する現象をなくすことができ、これに伴って内燃機関の再始動が早くなるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明が適用されるアイドルストップ制御装置の構成を示す個性図である。
図2】本発明の一実施例になるアイドルストップ制御装置における制御フローを示すフローチャート図である。
図3】本発明の一実施例になるアイドルストップ制御装置におけるピニオン押し出し通電信号と燃料噴射停止フラグ等の信号および内燃機関回転速度の出力を示すタイムチャート図である。
図4】本発明の他の実施例になるアイドルストップ制御装置における制御フローを示すフローチャート図である。
図5】本発明の他の実施例になるアイドルストップ制御装置におけるピニオン押し出し通電信号と燃料噴射停止フラグ等の信号および内燃機関回転速度の出力を示すタイムチャート図である。
図6】燃料噴射を再開する燃料噴射再開制御の制御フローを示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明の一実施例を詳細に説明するが、まず図1でアイドルストップ制御装置の大まかな構成と動作について説明する。
【0020】
図1はアイドルストップ制御装置の簡単な構造を示しており、スタータ201はいわゆるピニオンギア押し出し方式のスタータであり、スタータモータ205とスタータモータ205によって回転駆動されるピニオンギア203と、ピニオンギア203を押し出すための押し出し手段であるマグネットスイッチ202を備えた構成となっている。
【0021】
スタータモータ205の回転はその内部にある減速機構で減速することでトルクを増大させてピニオンギア203に伝達する。マグネットスイッチ202に通電するとピニオンギア203を押し出して(図2の右方向)、リングギア204に連結する構造となっている
。ピニオンギア203はスタータモータ205の軸方向にスプライン結合されており、軸方向に移動可能である。
【0022】
尚、ピニオンギア203を押し出す機能を備えるものであれば、マグネットスイッチ202でなくても良い。ピニオンギア203はワンウェイクラッチ207と一体化されている。
【0023】
上述の通り、ピニオンギア203はスタータモータ205の軸方向にスプライン結合されて軸方向に移動可能であり、ピニオンギア203は内燃機関のクランク軸に連結されたリングギア204と噛み合わせて回転することで内燃機関に動力を伝えることができる。
【0024】
ワンウェイクラッチ207はスタータモータ205が内燃機関を正回転させる方向にしか動力が伝わらない構成にする。これにより、ピニオンギア203がリングギア204に噛み合っている時は、リングギア204の回転速度はスタータモータ205の回転速度に対して減速比に応じた同期速度になるか、もしくは、それよりも速い回転速度になる。
【0025】
すなわち、リングギア204がピニオンギア203の回転速度よりも低下しようとすると、ワンウェイクラッチ207が動力を伝達するためリングギア204の回転速度がスタータモータ205に対する同期速度を下回ることはない。
【0026】
一方で、同期速度よりもリングギアの回転速度の方が速い時は、ワンウェイクラッチ207が動力を伝達しないため、リングギア204からスタータモータ205側へ動力が伝達されることはない。
【0027】
図1に示す通り、クランク角度センサ209からの信号はクランク角度を検出したり、内燃機関の回転速度を算出するために使用され、クランク角度センサ209からの信号は制御装置208に入力される。尚、リングギア204と図示しない内燃機関のクランク軸は連結されているので、リングギアの回転速度と内燃機関の回転速度は同義である。更にピニオン203の回転速度センサ210、ブレーキスイッチ211、車速センサ212等からの信号も制御装置208に入力されている。
【0028】
制御装置208は気筒に燃料を供給する燃料噴射弁の制御信号、気筒内の混合気を着火する点火装置の制御信号、気筒内に供給される空気を制御する電子制御スロットル弁の制御信号等を生成して気筒内の燃焼を制御している。また、制御装置208はブレーキペダル状態,車速等の各種情報より、アイドルストップを許可して燃料カットを行ない、チェンジオブマインド要求が発生した場合、燃料噴射の再開を含むアイドルストップ制御(再始動制御)を実行する。
【0029】
更に、制御装置208にはアクセルペダルの状態、ブレーキペダルの状態、車速等の各種情報よりアイドルストップ制御を許可して少なくとも燃料噴射弁からの燃料供給を遮断し、これによって内燃機関の運転が停止されようになっている。
【0030】
また、制御装置208からは内燃機関の惰性回転期間中にピニオンギア押し出し指令信号Mgsとスタータモータ回転指令信号Stsがそれぞれ独立して出力される。図1で示す通り、ピニオンギア押し出し指令信号Mgsを伝えるマグネットスイッチ通電用スイッチ206aとモータ回転指令信号Stsを伝えるスタータモータ通電用スイッチ206bがピニオンギア押し出し動作とスタータモータ205の回転動作を制御する。スイッチの役割を果たす部品として機械式接点を持つリレースイッチや、半導体を用いたスイッチなどを使うことができる。
【0031】
以上のような構成を有するアイドルストップ制御装置においては、運転者がアクセルペダルから足を離したり、ブレーキペダルを踏んだりすると、制御装置208は自動車が停止しようとしていると判断して、燃料噴射弁への制御信号を停止する。これによって内燃機関の気筒内には混合気がなくなるので燃焼が停止して内燃機関は惰性回転を行ないながら回転速度が低下していく。
【0032】
回転速度が低下していって所定の噛み合い回転数付近に達すると、制御装置208はスタータモータ通電用スイッチ206bをオンさせてスタータモータ205を回転させ、この回転が所定の回転数に達するとスタータモータ通電用スイッチ206bをオフする。これに同期、或いは連動してマグネットスイッチ通電用スイッチ206aをオンしてマグネットスイッチ202によってピニオンギア203をリングギア204側に押し出して両者を噛み合わせる。この時のピニオンギア203の回転速度とリングギア204の回転速度は接近(理想的には同一の回転速度)しており、円滑に両者は噛み合うようになる。
【0033】
次に、アクセルペダルが踏み込まれると制御装置208は再始動要求条件、或いは発進要求条件が成立したと判断して、スタータモータ通電用スイッチ206bを再びオンしてスタータモータ205を回転させてピニオンギア203を介してリングギア204を回転させて内燃機関を始動する。
【0034】
このようなアイドルストップ制御装置においては発明の課題でも述べたが、リングギア204とピニオンギア203が噛み合うのを待ってスタータによるクランキングを行なうと再始動するまでの時間に遅れが生じる課題があった。
【0035】
このため、チェンジオブマインド要求の発生と同時に全気筒に順番に燃料噴射を再開するようにすると再始動の遅れは解消されることも予想されるが、ピニオンギアとリングギアが同期して噛み込む前に燃料噴射による燃焼が先に発生して内燃機関の回転速度が上昇する可能性があることが判明した。これは内燃機関の惰性回転期間中にピニオンギアの回転速度とリングギアの回転速度を同期させてからピニオンギアをリングギアに噛み込ませる必要があり、チェンジオブマインド要求の発生からピニオンギアがリングギアに噛み込むまでに時間を要するためである。よってこの途中に燃料噴射が順次実行されると気筒内で燃焼が先に発生して内燃機関の回転速度が上昇するようになるものである。
【0036】
したがって、ピニオンギアがリングギアに噛み込む前に内燃機関の回転速度が上昇することにより、ピニオンギアの回転速度とリングギアの回転速度の同期に更に時間遅れが生じ、これに伴って内燃機関の再始動が遅くなるようになる。
【0037】
本発明はこのような課題を解決する技術を提案するもので、以下にその一実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0038】
図2は本発明の一実施例(第1の実施形態)になるアイドルストップ制御装置における制御フローを示すフローチャート図であり、制御装置208の内部で実行されるものである。制御装置208は周知のように内部にコンピュータを備えており、このコンピュータはフラッシュROM等に記憶されたプログラムによって以下に示す制御フローを実行するもので、具体的な制御のための構成要素は制御フローで実行される制御機能として実現できるものである。
【0039】
尚、この制御フローを実行した時の制御装置208からのスタータモータ通電信号、ピニオンギア押し出し通電信号、及び燃料噴射停止フラグ等の信号と、内燃機関の回転速度とピニオンギアの回転速度の時間変化を図3に示しており、図2及び図3を用いて第1の実施形態を説明する。
【0040】
図2において、ステップ301にてブレーキスイッチ211の信号や車速センサ212の信号からアイドルストップ条件が成立したことを受けて、ステップ302にて燃料噴射を停止する。この時の燃料噴射の停止は図3における時刻t1であり、燃料噴射停止フラグは「Low」から「High」に遷移にする。
【0041】
燃料噴射が停止されると内燃機関はもはや動力(トルク)を発生しないので、その結果、内燃機関は惰性回転を始め回転速度Neが低下してくるようになる。
【0042】
そして、この惰性回転中にチェンジオブマインド要求があったかどうかをステップ303で判断し、図3における時刻t2でチェンジオブマインド要求が発生した場合はステップ304に進んで内燃機関が停止しているかどうかを判定する。内燃機関が停止しているか否かの判定は、例えば、内燃機関の回転速度Neから判定しても良いし、クランク角度の変化度合いから判定してもよい。
【0043】
ステップ304で内燃機関が停止していると判断された場合は内燃機関の回転速度Neとピニオン203の回転速度Npはどちらも「0」rpmであり、両者は同期しているためステップ308に進んでピニオンギア押し出しのためにマグネットスイッチ202に通電する。
【0044】
ステップ304で内燃機関が停止していないと判断された場合はステップ305でスタータモータ通電信号を「OFF」から「ON」にしてスタータモータ205の通電制御を行う
。つまり、図3における時刻t2で示すチェンジオブマインド要求の発生時点でスタータモータ205に通電を実行するものである。これによりピニオンギア203が回転運動を始めてピニオンギア203の回転速度Npが破線で示すように上昇していくようになる。
【0045】
次にステップ306にて内燃機関の回転速度Neとピニオンギア203の回転速度Npの回転速度差がピニオンギア押し出し許可回転速度差PIJDG以下であるか否かを判定する。この判定はリングギアの回転速度とピニオンギア203の回転速度がほぼ同期しているかの判断を行なっているものである。リングギア204の回転速度とピニオンギア203の回転速度の回転速度差がピニオン押し出し許可回転速度差PIJDGに満たない場合はこの状態になるまで待機する。
【0046】
次にテップ306でリングギア204の回転速度とピニオンギア203の回転速度がほぼ同期しているとの条件判定判断が成立するとステップ307へ進み、ステップ307において図3における時刻t3でスタータモータ通電信号を「ON」から「OFF」にしてスタータモータ205の通電を停止する。この時リングギア204とピニオンギア203はその回転速度がほぼ同期しているため相対速度差は少なく両者は円滑に噛み合う準備状態に達している。
【0047】
ステップ307でスタータモータの通電を停止した後に、ステップ308に進んでこれも図3における時刻t3でピニオンギア押し出し信号を「OFF」から「ON」にしてピニオンギア203を押し出すマグネットスイッチ202に通電を行う。回転速度差が小さい状態でリングギア204に向かってピニオンギア203が押し出されることによりピニオンギア203とリングギア204が噛み込む際の衝撃が緩和され、衝突音、噛み込み音が低減されると共にピニオンギア203とリングギア204の磨耗が緩和できる。
【0048】
次にステップ309に進んで、ステップ308で実行した図3における時刻t3でのピニオンギア押し出しタイミングと同じ時刻t3のタイミングで、燃料噴射を再開して燃料噴射停止フラグを「High」から「Low」にする。
【0049】
尚、ここでは時刻t3でのピニオンギア押し出しタイミングと同期した同じ時刻t3のタイミングで燃料噴射を再開しているが、必ずしも同期することは必要なく、ピニオンギア押し出しタイミングに燃料噴射の再開タイミングが連動していれば良いものである。更に述べれば時刻t3と時刻t4の間で燃料噴射を再開すれば良いものである。
【0050】
例えば、この種の内燃機関では機構系、空気や燃料の流体系等の動作状態の遅れ等があるので、ピニオンギア押し出しタイミングと連動して適合処理(マッチング)によって燃料噴射の再開タイミングを決めればよいものである。尚、燃料噴射の再開タイミングの決定の考え方やそのやり方は種々あるが、これに関連した具体的な一例については以下の第2の実施形態で詳しく説明する。
【0051】
次にステップ310にてピニオンギア203がリングギア204に噛み込んだか否かを判定するが、この噛み込み判定はステップ308のピニオンギア押し出し通電開始の時刻t3から所定時間Tp(図3における時刻t3から時刻t4の時間)経過後に噛み込み完了と判定してよい。つまり、所定時間Tpとはピニオンギア押し出しタイミングである通電開始の時刻t3からピニオンギア203が移動してリングギア204に到達し、その後リングギア204に噛み込んでいくまでの遷移時間である。したがって、この遷移時間Tpを経過すればピニオンギア203とリングギア204が噛み合ったと見做しているものである。遷移時間Tpに満たない場合はこの状態になるまで待機する。
【0052】
次にステップ310において、図3における時刻t4でピニオンギア203とリングギア204が噛み合ったと判定されて条件が成立した場合には、ステップ311に進んで時刻t4で示されたクランキング開始タイミングでスタータモータ通電信号を「OFF」から「ON」にしてスタータモータ205に再び通電して内燃機関をクランキングして再始動させる。
【0053】
ここで時刻t4は、ピニオンギア203とリングギア204が噛み合ったと判定される時刻とスタータモータ通電信号を「OFF」から「ON」にしてスタータモータ205に通電して内燃機関をクランキングする時刻と示している。しかしながら、この間には若干の時間差が存在しているので厳密には同時刻ではないが、制御上は同時刻として扱っても差し支えない。
【0054】
次にステップ312に進んでクランキングを開始して内燃機関が始動したかどうかを判断し、図3の時刻t5で初爆がなされて内燃機関の回転数Neが上昇すると始動が完了したと判断してこの制御フローを抜けることになる。ステップ312で内燃機関がまだ始動していないと判断されるとクランキングを継続して内燃機関の始動を継続する。尚、内燃機関始動が完了したか否かの判断は回転速度Neが始動判定回転速度以上になったか否かで判定するようにしている。
【0055】
以上のような制御フローを実行することによって、素早い再始動を確実に行なうことができるようになる。
【0056】
つまり、図3における時刻t3のタイミングで、リングギア204の回転速度とピニオンギア203の回転速度がほぼ同期していると相対速度差は少なく両者は円滑に噛み合う準備状態に達し、この時にマグネットスイッチ202に通電を行ってリングギア204とピニオンギア203を噛み合わせ、更に燃料噴射を再開することで、図3における時刻t5のタイミングで最初の燃焼(初爆)が発生して内燃機関回転速度Neが上昇するようになる。
【0057】
これにより、ピニオンギア203がリングギア204に噛み込んだ後に燃料噴射を実行する従来の方式と比較して、早いタイミングで燃料噴射を再開することで初爆が少なくとも1気筒分早く発生することが期待でき再始動が早くなるものである。
【0058】
またチェンジオブマインド要求発生時点である時刻t2で燃料噴射を実行する他の従来の方式と比較して、トルクの立ち上がりを遅くできるので従来技術で課題となっていたピニオンギアがリングギアに噛み込む前に内燃機関の回転速度が上昇する現象をなくすことができ、これに伴って内燃機関の再始動が早くなるものである。
【0059】
尚、ピニオンギアとリングギアの噛み込み完了タイミングである時刻t4の前に初爆が発生する時刻t5のタイミングが訪れて回転速度が上昇する現象は、ピニオンギア押し出しタイミングである時刻t3での回転速度が高くない限り発生しないものである。
【0060】
したがって、この時の回転速度が高い場合の再始動はスタータを使わず燃料噴射のみで再始動させることが可能であり、また、燃料噴射の再開を時刻t3での回転速度とクランク角度の何れか一方もしくは両方に応じて所定時間だけ遅延して燃料噴射を再開しても良いものである。
【実施例2】
【0061】
図4は本発明の他の実施例(第2の実施形態)になるアイドルストップ制御装置における制御フローを示すフローチャート図であり、制御装置208の内部で実行されるものである。
【0062】
尚、この制御フローを実行した時の制御装置208からのスタータモータ通電信号、ピニオンギア押し出し通電信号、及び燃料噴射停止フラグ等の信号と、内燃機関の回転速度とピニオンギアの回転速度の時間変化を図5に示しており、図4及び図5を用いて第2の実施形態を説明する。
【0063】
図4において、ステップ401にてブレーキスイッチ211の信号や車速センサ212の信号からアイドルストップ条件が成立したことを受けて、ステップ402にて燃料噴射を停止する。この時の燃料噴射の停止は図5における時刻t1であり、燃料噴射停止フラグは「Low」から「High」に遷移にする。
【0064】
燃料噴射が停止されると内燃機関はもはや動力(トルク)を発生しないので、その結果、内燃機関は惰性回転を始め回転速度Neが低下してくるようになる。
【0065】
そして、この惰性回転中にチェンジオブマインド要求があったかどうかをステップ403で判断し、図5における時刻t2でチェンジオブマインド要求が発生した場合はステップ404に進んで内燃機関が停止しているかどうかを判定する。内燃機関が停止しているか否かの判定は、例えば、内燃機関の回転速度Neから判定しても良いし、クランク角度の変化度合いから判定してもよい。
【0066】
ステップ404で内燃機関が停止していると判断された場合は内燃機関の回転速度Neとピニオンギア203の回転速度Npはどちらも「0」rpmであり、両者は同期しているためステップ408に進んでピニオンギア押し出しのためにマグネットスイッチ202に通電する。
【0067】
ステップ404で内燃機関が停止していないと判断された場合はステップ405でスタータモータ通電信号を「OFF」から「ON」にしてスタータモータ205の通電制御を行う。つまり、図5における時刻t2で示すチェンジオブマインド要求の発生時点でスタータモータ205に通電を実行するものである。これによりピニオンギア203が回転運動を始めてピニオンギアの回転速度Npが破線で示すように上昇していくようになる。
【0068】
次にステップ406にて内燃機関の回転速度Neとピニオンギア203の回転速度Npの回転速度差がピニオンギア押し出し許可回転速度差PIJDG以下であるか否かを判定する。この判定はリングギア204の回転速度とピニオンギア203の回転速度がほぼ同期しているかの判断を行なっているものである。リングギア204の回転速度とピニオンギア203の回転速度の回転速度差がピニオンギア押し出し許可回転速度差PIJDGに満たない場合はこの状態になるまで待機する。
【0069】
次にステップ406でリングギア204の回転速度とピニオンギア203の回転速度がほぼ同期しているとの条件判定が成立するとステップ407へ進み、ステップ407において図5における時刻t3でスタータモータ通電信号を「ON」から「OFF」にしてスタータモータ205の通電を停止する。この時リングギア204とピニオンギア203はその回転速度がほぼ同期しているため相対速度差は少なく両者は円滑に噛み合う準備状態に達している。
【0070】
ステップ407でスタータモータの通電を停止した後に、ステップ408に進んでこれも図5における時刻t3でピニオンギア押し出し信号を「OFF」から「ON」にしてピニオンギア203を押し出すマグネットスイッチ202に通電を行う。回転速度差が小さい状態でリングギア204に向かってピニオンギア203が押し出されることによりピニオンギア203とリングギア204が噛み込む際の衝撃が緩和され、衝突音、噛み込み音が低減されると共にピニオンギア203とリングギア204の磨耗が緩和できる。
【0071】
次にステップ409に進んで燃料噴射の再開を行なって良いかの判定を行う。この燃料噴射の再開判定は、ステップ408のピニオンギア押し出し通電開始の時刻t3から所定時間Twが経過したか否かによって判定を行なっており、所定時間Twが経過したと判定されるとステップ410で燃料噴射を再開するようにしたものである。
【0072】
つまり、図5における時刻t3から所定時間Twが経過した時刻tiで燃料噴射を再開するようにしているものである。
【0073】
この所定時間Twは任意であり、一例としては所定時間Twを短く設定すると再始動に要する時間は短くなり、長く設定すると再始動に要する時間は長くなる。このため内燃機関の全体的な構成を考慮してこの所定時間Twを決めれば良いものである。一般的には再始動に要する時間を短くするため、通常は所定時間Twを短く設定すると良い。
【0074】
ここで、この所定時間Twと所定時間Tp(ピニオンギア押し出し通電開始の時刻t3からピニオンギア203が移動してリングギア204に到達し、その後リングギア204に噛み込んでいくまでの遷移時間)の関係はTw<Tpとなるように設定する。
【0075】
また、ピニオンギア203とリングギア204の噛み込みの確実性の観点からみると、所定時間Twを長く設定することで、燃料噴射の再開開始の時刻tiから噛み込み完了までの時刻t4までの時間が短くなって始動の確実性は高まるようになる。
【0076】
いずれにしても所定時間Twは任意であり、例えば内燃機関の全体的な構成を考慮して決めても良い。また、内燃機関の回転速度自体の値や回転速度の変化速度に応じてその状態に適した所定時間Twをその都度変更して決めてやることも可能である。例えば、回転速度の減少速度が速い時は所定時間Twを短くし、回転速度の減少速度が遅い時は所定時間Twを長くするような制御を実行するようにしても良い。
【0077】
この他、燃料噴射再開の判定は、再開判定時のクランク角度に応じて所定クランク角度になるまで遅延して燃料噴射を再開可と判定してもよく、また再開判定時の内燃機関回転速度とクランク角度の何れか一方もしくは両方に応じて、所定時間経過後に燃料噴射を再開可と判定してもよい。
【0078】
ステップ409で燃料噴射を再開すると判定されたら、ステップ410に進んで、図5における時刻tiのタイミングで燃料噴射を再開して燃料噴射停止フラグを「High」から「Low」にする。
【0079】
次にステップ411において、図5における時刻t4でピニオンギア203とリングギア204が噛み合ったと判定されて条件が成立した場合には、ステップ412に進んで時刻t4で示されたクランキング開始タイミングでスタータモータ通電信号を「OFF」から「ON」にしてスタータモータ205に再び通電して内燃機関をクランキングして再始動させる。
【0080】
次にステップ413に進んでクランキングを開始して内燃機関が始動したかどうかを判断し、図5の時刻t5で初爆がなされて内燃機関の回転数Neが上昇すると始動が完了したと判断してこの制御フローを抜けることになる。ステップ413で内燃機関がまだ始動していないと判断されるとクランキングを継続して内燃機関の始動を継続する。尚、内燃機関始動が完了したか否かの判断は回転速度Neが始動判定回転速度以上になったか否かで判定するようにしている。
【0081】
これにより、ピニオンギア203がリングギア204に噛み込んだ後に燃料噴射を実行する従来の方式と比較して、早いタイミングで燃料噴射を再開することで初爆が少なくとも1気筒分早く発生することが期待でき再始動が早くなるものである。
【0082】
またチェンジオブマインド要求発生時点である時刻t2で燃料噴射を実行する他の従来の方式と比較して、トルクの立ち上がりを遅くできるので従来技術で課題となっていたピニオンギアがリングギアに噛み込む前に内燃機関の回転速度が上昇する現象をなくすことができ、これに伴って内燃機関の再始動が早くなるものである。
【0083】
更に、ピニオンギア押し出し通電開始の時刻t3から所定時間Twが経過した後に燃料噴射を再開するようにしたので、所定時間Twが内燃機関の個性に適したものとできるのでより良好な再始動特性が実現できるものである。
【0084】
次に燃料噴射を再開する時の燃流噴射の適切なやり方を以下に説明する。この燃料噴射を再開する時の燃流噴射方法は第1の実施形態及び第2に実施形態に共通のものである。
【0085】
図6は燃料噴射を再開するときの燃料噴射に関する制御フローであり、これも制御装置208の内部で実施される。
【0086】
時刻t3或いは時刻tiで燃料噴射の再開指令が出されると、ステップ601にて圧縮噴射の可否判定を実行する。
【0087】
このステップ601での圧縮工程での噴射(以下、圧縮噴射という)の可否判定は、例えば内燃機関の気筒内に直接的に燃料を噴射する直噴内燃機関で4気筒4サイクル内燃機関において、圧縮行程の気筒が上死点に達した所をクランク角度0°TDCとした場合、燃料噴射の再開の指令がなされたときのクランク角度が例えば180°BTDCから120°BTDCの間であった場合は圧縮噴射が可能と「Yes」判定し、クランク角度が120°BTDCから0°BTDC間であった場合は圧縮噴射ができないと「No」判定するものである。
【0088】
ここで、圧縮噴射の可否判定を行なう理由は次の通りである。圧縮噴射が可能ということは圧縮工程で燃料を噴射して燃焼ができることを意味しており、この燃焼によってトルク発生が可能となり、これに加えてクランキングの駆動力を与えることによって内燃機関を容易に再始動出来ることを意味している。
【0089】
ステップ601で圧縮噴射が可能と判定されれば、ステップ602に進んで圧縮行程にある気筒と吸気行程にある気筒の2つの気筒に初回の燃料噴射を行い、2回目以降の燃料噴射はステップ604に進んで通常のシーケンシャル燃料噴射(吸気行程噴射)を行うようにする。
【0090】
圧縮行程にある気筒に燃料噴射を行なうことにより、吸気行程にある気筒に燃料噴射よりも1行程早く初爆が発生してトルクが発生するので再始動が容易に、且つ速やかになる。
【0091】
ステップ601で圧縮噴射ができないと判定されれば、ステップ603に進んで吸気行程にある1つの気筒に初回の燃料噴射を行い、2回目以降の燃料噴射はステップ604にて通常のシーケンシャル燃料噴射(吸気行程噴射)を行うようにする。
【0092】
尚、吸気ポートに燃料噴射弁を設けたポート噴射式内燃機関の場合は圧縮噴射ができる範囲は限定されてくるが、可変動弁機構等によって吸気弁と排気弁の開閉位相を制御してやればその範囲を広げることが期待できる。
【0093】
以上述べたように、本発明によればピニオンギアがリングギアに噛み込んだ後に燃料噴射を実行する従来の方式と比較して、早いタイミングで燃料噴射を再開することで初爆が少なくとも1気筒分早く発生することが期待でき再始動が早くなるものである。
【0094】
またチェンジオブマインド要求発生時点である時刻t2で燃料噴射を実行する他の従来の方式と比較して、トルクの立ち上がりを遅くできるので従来技術で課題となっていたピニオンギアがリングギアに噛み込む前に内燃機関の回転速度が上昇する現象をなくすことができ、これに伴って内燃機関の再始動が早くなるものである。
【符号の説明】
【0095】
201…スタータ、202…マグネットスイッチ、203…ピニオンギアギア、204…リングギア、205…スタータモータ、206a…マグネットスイッチ通電用スイッチ、206b…スタータモータ通電用スイッチ、207…ワンウェイクラッチ、208…制御装置、209…クランク角度センサ、210…ピニオンギア回転センサ、211…ブレーキスイッチ、212…車速センサ、t1…燃料噴射停止のタイミング、t2…チェンジオブマインド要求発生タイミング、t3…ピニオンギア押し出しタイミングもしくは燃料噴射再開タイミング、t4…噛み込み完了タイミングおよびクランキング開始タイミング、t5…初爆タイミング、ti……燃料噴射再開タイミング、Tp…ピニオンギア押し出しタイミングから噛み込み完了までの所定時間、Tw…燃料噴射再開までの所定時間、Ne…内燃機関(リングギア)の回転速度、Np…ピニオンギアの回転速度、PIJDG…ピニオンギア押し出し許可回転速度差。
図1
図2
図3
図4
図5
図6