【文献】
H.Nishide, Y.Tsukahara, and E.Tsuchida,Highly Selective Oxygen Permeation through a Poly(vinylidene dichloride)-Cobalt Porphyrin Membrane: Hopping Transport of Oxygen via the Fixed Cobalt Porphyrin Carrier,J. Phys. Chem. B,1998年,Vol.102,8766-8770
【文献】
H.Shinohara, T.Arai, H.Nishide,Oxygen-Binding to Simple Cobaltporphyrins Combined with Polyvinylmidazole,Macromol. Symp.,2002年,Vol.186,135-139
【文献】
H.Nishide, M.Ohyanagi, O.Okada, and E.Tsuchida,Dual-Mode Transport of Molecular Oxygen in a Membrane Containing a Cobalt Porphyrin Complex as a Fixed Carrier,Macromolecules,1987年,Vol.20,417-422
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(メタ)アクリレート化合物が、少なくとも1種類以上の多官能性を有する(メタ)アクリレートからなり、前記テトラフェニルポルフィリン誘導体が、前記マイケル供与性を有する官能基を少なくとも1つ以上有することで架橋体となる、請求項1又は2記載の高分子化合物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の好適な実施の形態について説明する。
[1.高分子化合物]
[1.1.高分子化合物の構造]
まず、
図1を参照しながら、本発明に係る高分子化合物の構造について説明する。
図1(a)は、本発明に係る高分子化合物の構造の一例を示す説明図であり、
図1(b)は、本発明に係る高分子化合物の構造の他の例を示す説明図である。なお、以下、特に断らない限り、「アクリレート」との記載は、「(メタ)アクリレート」を意味する。
【0017】
本発明の実施形態に係る高分子化合物は、アクリレート化合物と金属ポルフィリン錯体とをマイケル付加反応させて得られる骨格を有する高分子化合物である。金属ポルフィリン錯体としてはコバルトポルフィリン錯体が好適である。高分子化合物では、コバルトポルフィリン錯体が、アクリレート化合物と結合し、該アクリレート化合物とともに骨格を形成しているものである。コバルトポルフィリン錯体が、アクリレート化合物と直接結合し、骨格を形成していればよく、コバルトポルフィリン錯体が主鎖又は側鎖に存在すればよい。コバルトポルフィリン錯体のコバルトの第5座には塩基性軸配位子が結合することにより、酸素分子がコバルトの第6配位座に配位し易くなって、膜の前後にかかる差圧が空気中の酸素分圧程度以上においても酸素の促進輸送が実現される。この結果、空気を正極活物質とする空気電池といった電気化学デバイスの電気化学性能を向上させることができる。
【0018】
(アクリレート化合物)
本発明に係るアクリレート化合物は、マイケル反応における所謂マイケル受容体となり得るアクリル基を2つ以上有する、多官能アクリレートであることが必要である。単官能アクリレートでは、後述するコバルトポルフィリン錯体とともに高分子骨格を形成することができないためである。
【0019】
本発明で使用可能な多官能アクリレートとしては、例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートなどの反応性モノマーやポリエチレングリコールジアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどの反応性オリゴマー等の二官能性のアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやペンタエリスリトールトリアクリレートなどの反応性モノマーや反応性オリゴマー等の三官能性アクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの反応性モノマーや反応性オリゴマー等の四官能性以上のアクリレートなどが挙げられる。
【0020】
これらの中でも、本発明で用いる二官能アクリレートまたは多官能アクリレートとしては、炭素数が20以下の短鎖アクリレートを使用することが好ましく、特に、式[化2]で表されるジアクリレートや、式[化3]で表されるトリアクリレートや、式[化4]で表されるテトラアクリレートを使用することが好ましい。このような短鎖アクリレートを使用することにより、高分子化合物1分子当たりのコバルトポルフィリン錯体の含有量を増加させることができる。
【0024】
なお、本発明に係るアクリレート化合物としては、上述した二官能アクリレートまたは多官能アクリレートを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、上述した二官能アクリレートおよび多官能アクリレートとしては、公知の方法により合成してもよく、市販されているものを用いてもよい。
【0025】
また、上述したアクリレート化合物が、フルオロアルキル骨格を有していてもよい。このようなアクリレート化合物とコバルトポルフィリン錯体とを用いて合成された高分子化合物は、撥水性を有することができる。フルオロアルキル骨格を有するアクリレート化合物としては、特に限定されないが、例えば、式[化5]で表されるジアクリレートが挙げられる。
【0027】
(コバルトポルフィリン錯体)
コバルトポルフィリン錯体は、下記式[化6]で表されるテトラフェニルポルフィリン誘導体に金属としてのコバルトが配位した錯体である。
【0029】
ここで、上記式[化6]中、R1〜R4のうちの少なくとも1つ以上は、マイケル供与性を有する官能基である。ここでいう「マイケル供与性を有する官能基」とは、マイケル付加反応における所謂マイケル供与体となり得る部分(官能基)のことを意味する。このようなマイケル供与性を有する官能基としては、非共有電子対を有する窒素原子や酸素原子などを有する官能基などがあるが、より具体的には、例えば、アミノ基、アセトアセテート基、アセトアセトアミド基、シアノアセテートエステル基、シアノアセトアミド基等が挙げられる。これらのうちアミノ基及びアセトアセテート基を使用することが好ましいが、アミノ基を有するポルフィリンにコバルトを配位させると、キャスト溶液への溶解性が低下して製膜が困難になるおそれがある。そこで、本発明に係る高分子化合物を製膜して用いるような用途で使用する場合には、アミノ基よりもアセトアセテート基を使用することが好ましい。
【0030】
また、R1〜R4のうち、上記マイケル供与性を有する官能基以外の置換基(残基)としては、特に限定はされないが、本発明の高分子化合物中のコバルトポルフィリン錯体の含有量を減少させない程度の小さな分子量の置換基であることが好ましい。このような残基の例としては、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキニル基、アリル基、フェニル基、ハロゲン基(F−、Cl−等)などが挙げられる。
【0031】
ここで、上述したアクリレート化合物が二官能アクリレートのみからなる場合には、テトラフェニルポルフィリン誘導体が有するマイケル供与性を有する官能基が1つのみ、すなわち、式[化1]のR1〜R4のうちいずれか1つのみがマイケル供与性を有する官能基であると、コバルトポルフィリン錯体とアクリレート化合物とが架橋性の高分子骨格を形成することができない。従って、アクリレート化合物が二官能アクリレートのみからなる場合には、テトラフェニルポルフィリン誘導体は、マイケル供与性を有する官能基を少なくとも2つ以上有することが必要である。
【0032】
一方、上述したアクリレート化合物が少なくとも1種類以上の多官能アクリレートを含む場合には、テトラフェニルポルフィリン誘導体が有するマイケル供与性を有する官能基が1つのみであっても、コバルトポルフィリン錯体とアクリレート化合物とが架橋性の高分子骨格を形成することができる。従って、アクリレート化合物が少なくとも1種類以上の多官能アクリレートを含む場合には、テトラフェニルポルフィリン誘導体は、マイケル供与性を有する官能基を少なくとも1つ有していればよい。
【0033】
(塩基性軸配位子)
塩基性軸配位子は、コバルトポルフィリン錯体のコバルトの第5座に配位することにより、コバルトポルフィリン錯体の軸方向で前記第5座位とコバルトの反対側にある第6配位座に酸素分子を優先的に配位させる。これによって、膜の前後にかかる差圧が空気中の酸素分圧程度以上でも、コバルトポルフィリン錯体による酸素の促進輸送が実現される。このことは、コバルトポルフィリン錯体の酸素選択透過性を著しく向上させる。
【0034】
塩基性軸配位子としては、非共有電子対を備える等によって電子供与性が高い官能基を、有する分子が好ましい。この種の塩基性軸配位子としては、アミノ基、フォスフィノ基、カルボキシル基、チオール基等を有するものがある。
【0035】
このうち、含窒素有機配位子として、アミン類(メチルアミン、トリメチルアミン、エーテルアミン、ピリジン、ヘキサメチレンジアミン、モルホリン、アニリン等)、イミン類(エチレンイミン、シッフ塩基等)、イミダゾール類(メチルイミダゾール、ベンジルイミダゾール、トリメチルイミダゾール等)があり、また、その他の有機性配位子として、トリフェニルホスフィン、アセチルアセトナート、エーテル類等がある。軸配位子としては、下記1−ベンジル−1Hイミダゾール(BIm)を例示する。
【0036】
軸配位子の塩基性が高い、即ち、電子供与性が高い方が、コバルトポルフィリン錯体の酸素親和性が高くなる。これは、電子供与性が強くなると、Coから酸素分子のπ*軌道への電子移動が容易になるためCo-O
2間での結合を形成しやすくなるためと解釈されている。各種解析よりCo-O
2の電子状態は、実際にはCo(II)-O
2というよりCo(III)
+-O
2-といった分極状態をとっていると考えられる。
【0037】
コバルトポルフィリン錯体の立体障害や分子の歪み等の理由でCo-N間の距離が広がれば、塩基性軸配位子の電子的効果に影響を及ぼし配位子のコバルトポルフィリン錯体に対する配位能が下がる傾向となる。即ち、立体障害や歪み等の理由で配位子がコバルトポルフィリン錯体へ接近しにくくなり、電子的結合が弱まることで(Co-N間の距離が広がる)、配位能が下がる。
【0038】
コバルトポルフィリン錯体のUV-Visスペクトルを測定すると、soret帯とQ帯に極大を示す。コバルトポルフィリン錯体に対して5等量の軸塩基性配位子(イミダゾール)を添加するとQ帯のピークが長波長シフトし、コバルトポルフィリン錯体に対して塩基性軸配位子が配位したことが確認された。一方、塩基性軸配位子を大過剰(100等量)コバルトポルフィリン錯体に存在させた場合でもスペクトルに違いは確認されなかったため、塩基性軸配位子をコバルトポルフィリン錯体に対して5等量添加でほぼ100%、塩基性軸配位子がコバルトポルフィリン錯体に対して配位子が配位していると考えられた。さらに、塩基性軸配位子をコバルトポルフィリン錯体に配位させた後、酸素に晒すと、soret帯、Q帯ともに長波長シフトに移動したことが確認された。従って、軸配位子が、コバルトポルフィリン錯体のコバルトの第5座位に配位し、コバルトの第6座位に酸素分子が配位している。
【0039】
(高分子化合物)
アクリレート化合物とコバルトポルフィリン錯体とをマイケル付加反応させる。この反応の際、コバルトポルフィリン錯体のマイケル供与性を有する官能基(例えば、アミノ基またはアセトアセテート基)の一部または全部は、アクリレート化合物のアクリル基に付加する。このような付加反応により得られた骨格を有する本発明に係る高分子化合物の構造について、
図1を参照しながら説明する。なお、
図1において「Por」と示しているのは、「Por」と記載されている位置にポルフィリンが存在していることを示している。すなわち、「Por」と記載されている部分に、コバルトポルフィリン錯体に由来する部位が存在する。
【0040】
<第1の例>
本発明に係る高分子化合物の取り得る構造の第1の例としては、
図1(a)に示すように、コバルトポルフィリン錯体が、アクリレート化合物とコバルトポルフィリン錯体とをマイケル付加反応させて得られる骨格の主鎖に存在する構造である。この場合は、アクリレート化合物とコバルトポルフィリン錯体とが、互いに相手を介して結合されている。すなわち、アクリレート化合物(コバルトポルフィリン錯体)同士は、コバルトポルフィリン錯体(アクリレート化合物)を介して結合されている。
【0041】
このような構造は、例えば、二官能アクリレートまたは三官能または四官能以上のアクリレート化合物に、マイケル供与性を有する官能基を4つ有する四置換コバルトポルフィリン錯体をマイケル付加させることにより、得ることができる。ただし、二官能アクリレート化合物と四置換コバルトポルフィリン錯体とを反応させた場合には、架橋度が低く(アクリレート化合物とコバルトポルフィリン錯体との結合点が少なく)、有機溶媒に溶解しやすいため、製膜が困難となったり、膜の強度が弱くなったりするおそれがある。一方、四官能アクリレート化合物と四置換コバルトポルフィリン錯体とを反応させた場合には、有機溶媒に不溶または難溶とすることができる。しかし、この場合には、架橋点(アクリレート化合物とコバルトポルフィリン錯体との結合点)が多すぎるため、製膜した場合に膜が脆くなる傾向にある。従って、有機溶媒に溶解しにくく、かつ、架橋点を少なくするためには、以下に説明する第2の例のような構造をとることが好ましい。
【0042】
<第2の例>
本発明に係る高分子化合物の取り得る構造の第2の例としては、
図1(b)に示すように、コバルトポルフィリン錯体が、アクリレート化合物とコバルトポルフィリン錯体とをマイケル付加反応させて得られる骨格の側鎖に存在する構造である。この場合は、アクリレート化合物同士が重合(2種類以上のアクリレート化合物を用いる場合には、共重合)することで主鎖であるポリアクリレートが形成され、このポリアクリレートの側鎖部分にコバルトポルフィリン錯体が結合している。
【0043】
このような構造は、例えば、四官能アクリレート化合物に、マイケル供与性を有する官能基を1つのみ有する一置換コバルトポルフィリン錯体をマイケル付加させることにより、得ることができる。この場合は、架橋点の数が、有機溶媒への溶解のしにくさと、製膜した場合の膜の脆性とをバランス良く両立することができる。
【0044】
<高分子化合物の分子量(重合度)>
本発明に係る高分子化合物の分子量(または重合度)は、特に規定されるものではなく、この高分子化合物の用途に応じて適宜調整すればよい。
【0045】
[1.2.高分子化合物の合成法]
次に、上述した構成を有する本発明に係る高分子化合物の合成法について説明する。
【0046】
本発明に係る高分子化合物は、上述したように、二官能または多官能のアクリレート化合物に、マイケル供与性を有する官能基を少なくとも1つ以上有するコバルトポルフィリン錯体をマイケル付加反応により付加させることにより得られる。より詳細には、本発明に係る高分子化合物を合成する際には、上記マイケル付加反応を用いて、マイケル供与体として機能するマイケル供与性を有する官能基(アミノ基、アセトアセテート基等)を、マイケル受容体として機能するアクリレート化合物のアクリル基と反応させることで、コバルトポルフィリン錯体をアクリレート化合物に付加させる。以下、より詳細に説明する。
【0047】
(アクリレート化合物の準備)
まず、本発明に係る高分子化合物の合成に用いるアクリレート化合物を準備する。このアクリレート化合物は、公知の方法により合成してもよく、また、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート(Aldrich製)、ペンタエリトリトールテトラアクリレート(Aldrich製)、1,4−ビス(アクリロイルオキシ)ブタン(TCI社製)、1,10−ビス(アクリロイルオキシ)デカン(TCI社製)、テトラエチレングリコールジアクリレート(TCI社製)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学工業社製)、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業社製)、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセルサイテック社製)、脂肪族ウレタンアクリレート(ダイセルサイテック社製)等が挙げられる。
【0048】
(テトラフェニルポルフィリン誘導体の合成)
テトラフェニルポルフィリンは、公知の方法により合成してもよく、また、市販されているものを用いてもよい。市販されているものとしては、例えば、テトラフェニルポルフィリン(TCI社製、ワコーケミカル社製、Sigma Aldrich社製、Strem Chemicals社製等)が挙げられる。
【0049】
次に、このテトラフェニルポルフィリンに、アミノ基やアセトアセテート基等のマイケル供与性を有する官能基を導入する。上記官能基の導入方法としては、公知の有機合成反応を用いればよいが、一例として、アミノ基(一置換から三置換)の導入方法を以下に示す。
【0050】
まず、アミノ基を導入する場合には、例えば、下記式[化7](反応スキーム1)に示すように、トリフルオロ酢酸中でテトラフェニルポルフィリンと亜硝酸ナトリウムとを反応させ、ニトロ基が1つ〜3つが導入されたテトラフェニルポルフィリン誘導体を合成する。次いで、導入されたニトロ基を濃塩酸等の還元剤を用いて還元することにより、アミノ基が1つ〜3つ導入されたテトラフェニルポルフィリン誘導体を合成することができる。
【0052】
また、テトラフェニルポルフィリン誘導体としては、合成によるのではなく、市販されているものを使用してもよい。このような市販品としては、例えば、5,10,15,20−テトラキス(4−アミノフェニル)−21H,23H−ポルフィン(TCI社製)等が挙げられる。
【0053】
(コバルト配位)
上述したようにして合成されたテトラフェニルポルフィリン誘導体にコバルトを配位させる方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定はされないが、例えば、テトラフェニルポルフィリン誘導体を、ジメチルホルムアミド(DMF)とクロロホルムとの混合溶媒に溶解させ、ルチジンの存在下で塩化コバルト六水和物と反応させることにより、テトラフェニルポルフィリン誘導体にコバルトが配位したコバルトポルフィリン錯体を合成することができる。
【0054】
(マイケル付加反応)
次に、上述したようにして合成されたコバルトポルフィリン錯体と、アクリレート化合物とを溶媒に溶解させ、触媒を添加してマイケル付加反応させることにより、高分子化合物が合成される。
【0055】
このとき使用可能な溶媒としては、例えば、アセトン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、エタノール、2,2,2,−トリフルオロエタノール、t-ブチルアセトアセテート等、使用するコバルトポルフィリン錯体およびアクリレート化合物との溶解性を考慮して適宜選択することができる。
【0056】
また、使用可能な触媒としては、マイケル付加反応に通常用いられる触媒を適宜選択して使用することができるが、例えば、アミン触媒として、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルアルキレンジアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン等、塩基触媒として、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムターシャリーブトキシド、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの四級アンモニウムヒドロキシド、金属ナトリウム、ブチルリチウム等、さらに、有機金属触媒として、ルテニウムシクロオクタジエンシクロオクタトリエン、鉄アセチルアセトナート、ニッケルアセチルアセトナートなどが挙げられる。これらのうち、金属を含有しない触媒を用いるのがより好ましい。
【0057】
(塩基性軸配位子の配位)
コバルトポルフィリン錯体とアクリレート化合物とをマイケル付加反応させる前に、コバルトポルフィリン錯体を溶媒に溶解させ、次いで、溶液に、メチルイミダゾールまたはベンジルイミダゾール等の塩基性軸配位子を加えて、コバルトポルフィリン錯体と塩基性軸配位化合物とを反応させる。
【0058】
[1.3.高分子化合物の効果]
以上説明した本発明に係る高分子化合物によれば、コバルトポルフィリン錯体とアクリレート化合物との架橋点、すなわち、コバルトポルフィリン錯体のマイケル供与性を有する官能基とアクリレート化合物のアクリル基との結合点を従来よりも増加させることができる。従って、本発明によれば、従来よりもポルフィリン含有量(高分子化合物単位量当たりのコバルトポルフィリン錯体の含有率)の高いポリマーを得ることが可能となる。特に、アクリレート化合物として、短鎖アクリレートを使用することにより、従来のコバルトポルフィリン錯体を含有する化合物よりも、ポルフィリン含有量を大幅に増加させることができる。
【0059】
また、アクリレート化合物のアルキル鎖にフルオロ基を導入することで、コバルトポルフィリン錯体を含有する高分子化合物の撥水性を向上させることもできる。
【0060】
またさらに、塩基性軸配位子が、コバルトポルフィリン錯体のコバルトの第5座に結合することにより、コバルトポルフィリン錯体の軸方向で前記第5座位とコバルトの反対側にある第6配位座に酸素分子を優先的に配位させる。これによって酸素の促進輸送が実現される。このことは、大気中の酸素分圧(約15cmHg)程度以上の圧力差でも、コバルトポルフィリン錯体の酸素選択透過性を著しく向上させる。この効果により酸素を消費して作動する電気化学デバイスがより多くの電流を必要とする場合においても酸素を電気化学デバイスに選択的に供給することが可能となる。同時に酸素濃度を高めることが可能となり、酸化還元反応の過電圧を低下させることが可能となる。
【0061】
[2.酸素透過膜、酸素透過材]
次に、上述した本発明に係る高分子化合物を利用した酸素透過膜および酸素透過材について説明する。既述の高分子からなる酸素透過膜は、上述した高分子化合物を製膜することにより得られる柔軟性に富んだ自立膜であるため、電気化学デバイスの隔壁など、様々な用途に使用することができる。ここで、高分子化合物は、ポルフィリン含有量、すなわち、コバルトポルフィリン錯体の含有量が多いものであるが、このコバルトポルフィリン錯体には、選択的に酸素分子を結合(吸収、放出)できる機能を有している。そのため、高分子化合物を製膜してなる酸素透過膜は、高い酸素透過能を有しており、大量の酸素を選択的に透過することができる。
【0062】
また、アクリレート化合物として、アルキル鎖にフルオロ基を導入したものを用いることにより、撥水性に優れる高分子化合物を得ることができるので、この高分子化合物を製膜した酸素透過膜は、高い酸素透過能に加えて、撥水性をも兼ね備えることができ、酸素透過膜の更なる高機能化を実現することが可能となる。この場合、フルオロ基を有するアクリレート化合物のユニットが酸素透過性に優れていることから、膜内の酸素拡散が速くなるだけでなく、膜自体の撥水効果も得られるため、酸素透過膜表面に付着した水滴等により膜内への酸素取り入れが阻害されることを防止することができる。従って、この酸素透過膜を、例えば電気化学デバイスにおける酸素の取り入れ口に設置することにより、該電気化学デバイスに安定的に酸素を供給することが可能となる。
【0063】
さらに、上記酸素透過膜を多孔性基材上または多孔性基材の孔内に形成した酸素透過材(複合化酸素透過膜)としてもよい。このように、上記酸素透過膜が多孔性基材に保持されることにより、撥水性及び酸素透過膜と多孔性基材とからなる酸素透過材の耐久性を向上させることができるため、上記酸素透過材を用いることにより、より長期的に安定的に酸素透過能を保持することができる。従って、この酸素透過材を、例えば電気化学デバイスにおける酸素の取り入れ口に設置することにより、該電気化学デバイスにより長期的かつ安定的に酸素を供給することが可能となる。
【0064】
酸素透過膜中のコバルトポルフィリン錯体の含有率(存在比)が高く、塩基性軸配位子がコバルトポルフィリン錯体に軸配位していることから、この酸素透過膜を多孔性基材上に形成したり、多孔性基材の孔内に形成したりしても、従来のCP含有率が低い膜と比較して、良好な酸素透過性を示す。
【0065】
酸素透過材を作成する際は、多孔性基材に、塩基性軸配位子が結合した、アセテート置換されたコバルトポルフィリン錯体とアクリレート化合物の溶液をバーコート法等によって塗布し、次いで、室温でマイケル付加反応を実行させることにより高分子を製膜させる。バーコート法以外のスプレーコート法、スリットコート法、スリット&スピンコート法、スピンコート法、インクジェット法でもよい。多孔性の支持体として、例えば、マイクロポーラス高分子シート(ポリプロピレン製、ポリエチレン製、前者として、セルガード2400(商品名:東燃株式会社)がある)が選択される。
【0066】
多孔性基材に酸素透過膜がコートされる前に、多孔性基材に予め下記式[化8]に示すポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)等の気体透過性高分子膜がコートされていてもよい。酸素透過膜と多孔性基材との間にポリ(1−トリメチルシリルプロピン)によって気体透過膜が形成されると、気体透過膜は酸素透過性を損ねず、酸素透過膜及び/又は酸素透過材の強度を高めることができる。気体透過性高分子は公知の方法によって合成される他、ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)(東京化成工業製)等市販のものが使用されてもよい。
【0068】
[3.電気化学デバイス]
次に、上述した本発明に係る酸素透過膜又は酸素透過材を利用した電気化学デバイスについて詳細に説明する。本発明に係る電気化学デバイスは、酸素の酸化還元反応を利用するものである。このような電気化学デバイスとしては、例えば、金属空気電池や燃料電池などがあるが、以下の説明では、金属空気電池を例に挙げて説明する。
【0069】
金属空気電池は、正極活物質として酸素、負極活物質として金属を用いる、充放電可能な電池である。正極活物質である酸素は空気から得られるため、電池内に正極活物質を充填する必要がないことから、電池容器内に占める負極活物質の割合を大きくすることができるため、理論上、固体の正極活物質を用いる二次電池よりも大きな容量を実現できる。
【0070】
金属空気電池においては、放電の際、負極では(A)式の反応が進行する。なお、以下の例では、負極活物質としてリチウムを使用した場合を例に挙げている。
2Li→2Li+2e
−・・・(A)
【0071】
上記(A)式で生じた電子は、外部回路を経由し、正極に到達する。そして、(A)式で生じたリチウムイオン(Li+)は、負極と正極とにより挟持された電解質内を、負極側から正極側に電気浸透により移動する。
【0072】
また、放電の際、正極では(B)式及び(C)式の反応が進行する。
2Li+O
2+2e
−→Li
2O
2・・・(B)
2Li+1/2O
2+2e
−→Li
2O・・・(C)
【0073】
正極で生じた過酸化リチウム(Li
2O
2)及び酸化リチウム(Li
2O)は、固体として空気極である正極に蓄積される。充電時においては、負極で上記(A)式の逆反応、正極で上記(B)式及び(C)式の逆反応がそれぞれ進行し、負極において金属(リチウム)が再生するため、再放電が可能となる。
【0074】
本発明に係る電気化学デバイスが、上述した原理を有する金属空気電池である場合には、正極としては、一般に、酸素を大量に取り入れられるように、表面積を増やすために多孔質にしたガス拡散電極が設けられる。このようなガス拡散電極としては、例えば、多孔質の炭素材料を用いることができる。また、負極としては、活物質として使用する金属からなる金属電極が設けられる。負極活物質として用いられる金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などが挙げられる。また、電解質としては、負極活物質がイオン化した金属イオン(例えば、リチウムイオン)伝導性を有するものであれば、水系電解液、非水系電解液、高分子電解質、無機固体電解質など、特に限定はされない。
【0075】
ここで、本発明に係る電気化学デバイスは、酸素を正極活物質として用いていることから、この酸素を外部の空気から供給する場合には、デバイス内に如何に効率良く、高い酸素分圧を有するガスを供給できるかが重要となる。そこで、本発明に係る電気化学デバイスでは、外部から正極へ空気を取り入れるための空気取り入れ口に、上述した酸素透過膜又は酸素透過材からなる隔壁を配置し、この隔壁、すなわち、酸素透過膜又は酸素透過材を介して酸素を供給している。
【0076】
この空気取り入れ口に配置する酸素透過膜又は酸素透過材は、上述したように、酸素と選択的に結合できるコバルトポルフィリン錯体の含有率が高く、コバルトポルフィリン錯体自体もコバルトに塩基性軸配位子が配位していることによって酸素の選択透過性が一層向上された高分子化合物からなるため、大量の酸素を選択的に透過することが可能である。このような酸素透過膜又は酸素透過材を、電気化学デバイスの空気取り入れ口に配置することにより、高い酸素分圧を有するガスをデバイス内に安定的に供給することができる。従って、本発明に係る電気化学デバイスは、良好な電気化学特性を発現することが可能となる。より詳細には、上記酸素透過膜又は酸素透過材を、正極活物質として酸素を用いる電気化学デバイスの空気取り入れ側の隔壁として用いることで、デバイス内部に供給される空気における酸素濃度を高めることが可能となり、酸化還元反応の過電圧を低下させることが可能となる(理想的には、2電子反応で、空気中の酸素濃度を21%とし、25℃下、シフトファクターを0.5とした場合に、40mVの過電圧が少なくとも予測されるが、活性化プロセスが複雑であるために、実際の過電圧はさらに大きい)。
【実施例】
【0077】
次に、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0078】
(酸素透過材の作製及び評価)
まず、以下に示す方法で酸素透過膜を合成した。
【0079】
<実施例1:酸素透過膜の作製>
本実施例では、コバルトポルフィリン錯体として、アセトアセテート基を1つ有するテトラフェニルポルフィリンにコバルトを配位した錯体を使用し、この錯体に塩基性軸配位子をアクリレート化合物として四官能アクリレートを使用し、マイケル付加反応により高分子化合物を合成した。
【0080】
具体的には、まず、下記式[化9]の反応スキーム2に示すように、マイケル供与体として機能するアセトアセテート基をテトラフェニルポルフィリンに導入したモノマー(アセトアセテート置換ポルフィリン)を合成した。5−(4−メトキシカルボニルフェニル)−10,15,20−トリフェニルポルフィリン100mg(0.15mmol)をDMF/クロロホルムの混合溶媒に溶解させ、ルチジンを少量加えた後、塩化コバルト六水和物(141mg,0.6mmol,4eq)を加え、窒素雰囲気下、50℃で12時間攪拌した。再沈殿精製を経て、紫色粉末2(Co)を得た(77mg,収率70%)。UVスペクトルよりQ帯のピークが4本から金属錯体特有の2本に減少していたことからコバルト導入が示唆された。コバルトポルフィリン2(Co)(50mg,0.068mmol)と水素化リチウムアルミニウム(5.2mg,0.14mmol)をTHFに溶解させ、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌し、カラム精製を経て、紫色粉末として3(Co)を得た(25.8mg,収率59%)。3(Co)を(23mg,0.033mmol)トルエンに溶解させ、ジケテン(4.2mg,0.045mmol,1.5eq)、TEAを加えた後、室温で終夜撹拌した。撹拌後、カラム精製を経て、アセトアセテート基が導入されたコバルトポルフィリン錯体(アセトアセテート置換コバルトポルフィリン)を赤紫色粉末1(Co)として(8.3mg,収率27%)得た。
【0081】
【化9】
【0082】
次に、上記で合成したコバルトポルフィリン錯体を用いて、マイケル反応によりコバルトポルフィリン錯体を含む酸素透過膜を作製した。本実施例では、酸素透過膜に機械的強度を付与するため、支持膜上にCP錯体を含む酸素透過膜を作製した。支持膜としては、気体透過を阻害せず、かつ製膜時の溶媒に不溶なポリプロピレン膜(セルガード#2400,#3501)を用いた。具体的には、14g/Lの濃度でポリ(1-トリメチルシリル-1-プロピン)をトルエンに溶解、十分に攪拌し完全に溶解させた後、支持膜(セルガード#2400)上にバーコート法により塗布し、24時間乾燥させた。続いて、上記で合成したアセトアセテート置換コバルトポルフィリン1(Co)1を5mg(1当量)、0.25mlのクロロホルムに溶解、メチルイミダゾールまたはベンジルイミダゾール2当量を加え十分に攪拌した。攪拌後、四官能アクリレートを1.25当量、t−ブチルアセトアセテートを1.5当量および触媒として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン(DBU)をポルフィリン1に対して20質量%加え、クロロホルム中に溶解させ、バーコート法により室温で、支持膜のポリ(1-トリメチルシリル-1-プロピン)膜上に製膜した後に、1日乾燥させて硬化させて酸素透過膜とした。
【0083】
硬化前後でIRスペクトル測定を実施すると、
図2に示すように(
図2の実線が硬化前、破線が硬化後のスペクトルを示している。)、C=C変角振動由来である790cm
−1付近の吸収帯の減少が観測されたことから、支持膜上においてもアセトアセテート置換コバルトポルフィリン1(Co)のマイケル付加反応の進行が示唆された。また、790cm
−1付近の吸収帯面積から算出されたアクリル基の反応転化率は76%であった。コバルトポルフィリン錯体のポルフィリン含有量は、最大70質量%となる。
【0084】
<実施例2:酸素透過材の作製>
次に、実施例1の酸素透過膜を多孔性基材上に形成した酸素透過材を作製した。具体的には、多孔性基材(多孔性支持膜)として親水性ポリプロピレン膜(セルガード#2400:膜厚25μm、穴径0.125x0.05μm,セルガード#3051:膜厚25μm)を選んだ。ポリプロピレン膜は、ガスを通し水は通さないという特性をもっており、またクロロホルム溶液をはじくことなくポルフィリン溶液を支持膜上に均一に塗布することができる。上記(反応スキーム3)に示した、アセトアセテート置換コバルトポルフィリン1(Co)(Mw:785.8,10mg)と四官能アクリレート2(Mw:352.4,2.5mg,0.5eq)、および1重量%のDBUを0.2mLクロロホルムに溶解し、バーコーター法にて多孔性支持膜(6cmx6cm)上に成膜し、室温にて12時間硬化させて酸素透過膜を製膜した。硬化後も多孔性支持膜からの剥離等は見られず、コバルトポルフィリン錯体を80質量%含む酸素透過膜を多孔性支持膜上に形成した酸素透過材の作製が可能であった。
【0085】
<酸素透過性能の評価>
気体の透過係数Pは、拡散係数Dと溶解度係数Sとの積で表すことができる。透過係数Pは、下記式[数1]に基づき、膜面積や膜厚によらない固有の値として求めることが可能である。なお、式[数1]において、透過流量Q[cm
3]、拡散係数D[cm
2s
-1]、溶解度積S[cm
3(STP)cm
-3cmHg]、膜厚l[cm]、断面積A[cm
2]、圧力差・p[cmHg]である。
【0086】
【数1】
【0087】
比較例として、コバルトポルフィリン錯体に塩基性軸配位子を軸配位させる操作を除いて作製した。実施例1の酸素透過膜について、バブルフローメーター(BFM)を用いた加圧法にて測定を実施した。この装置では、膜の上部から圧力をかけて気体(酸素および窒素)を透過させ、単位体積あたりの気体が透過するのに必要な時間を算出する。この方法では純ガスの透過量を測定することができ、薄膜や高濃度の錯体担持により脆くなった膜、またはガラス状高分子膜などを支持膜上にキャストした膜を測定するのに適している。他の測定法(低真空法、電極法等)と比較して極少量のサンプルで透過量が測定でき、測定に時間がかからないことが利点として挙げられる。
【0088】
図3(a)に、比較例に係る酸素透過膜における酸素と窒素との差圧(p
1−p
2:横軸)と酸素と窒素の透過係数(P:縦軸)との関係を示す特性図を示し(●:酸素の透過係数、○:窒素の透過係数)、
図3(b)に、実施例に係る酸素透過膜における酸素と窒素との差圧(p
1−p
2:横軸)と酸素の透過係数(P:縦軸)との関係を示す特性図を示す(●:酸素の透過係数、○:窒素の透過係数)。
【0089】
この結果、コバルトポルフィリン錯体に対する塩基性軸配位子の有無により、大気中の酸素分圧(約15cmHg)程度の圧力差における、酸素と窒素の透過性の差が顕著になった。即ち、比較例に係る酸素透過性膜での酸素と窒素の透過性の差は、酸素が窒素に対して「1.4」程度大きいのに対して、実施例に係る酸素透過性膜での酸素と窒素との透過性の差は、酸素が窒素に対して一気に「5」以上まで大きくなる。このように、塩基性軸配位子が金属ポルフィリン錯体に軸配位することによって、空気中の酸素分圧程度以上の環境下においても酸素の選択透過性が低下することなく維持される。
【0090】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0091】
例えば、上述した実施形態では、電気化学デバイスが金属空気電池である場合を例に挙げて説明したが、これには限られず、例えば、本発明に係る電気化学デバイスは、燃料電池等の酸素を酸化還元反応に用いる電池であってもよい。
【0092】
なお、テトラフェニルポルフィリン誘導体およびテトラフェニルポルフィリン誘導体に銅などの遷移金属が配位した金属ポルフィリン錯体においても、コバルト錯体ほどではないが、選択的酸素透過能を有する。