(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発泡弾性層の少なくとも長手方向端部の一方又は両方において、当該層の厚み方向に沿って前記芯体の外周面と対向する側の面から前記発泡弾性層の0.2mmに至るまでの領域に存在する当該気泡に、前記充填剤が充填されている請求項1に記載の画像形成装置用の清掃部材。
前記発泡弾性層の少なくとも長手方向端部の一方又は両方において、当該層の厚み方向に沿って前記芯体の外周面と対向する側の面から前記発泡弾性層の厚みの半分に至るまでの領域に存在する当該気泡に、前記充填剤が充填されている請求項1に記載の画像形成装置用の清掃部材。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。なお、同じ機能・作用を有する部材には、全図面と通して同じ符号を付与し、その説明を省略する場合がある。
【0021】
(清掃部材)
図1は、本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材を示す概略斜視図である。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材の概略平面図である。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材における発泡弾性層を示す拡大断面図である。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材における発泡弾性層を示す拡大断面図である。
なお、
図3は、
図1のA−A断面図、つまり、発泡弾性層の螺旋方向に沿った断面図である。
また、
図4は、
図1のB−B断面図、つまり、発泡弾性層の螺旋方向に対して直交方向に沿った断面図である。
【0022】
本実施形態に係る画像形成装置用の清掃部材100(以下、単に清掃部材と称する)は、
図1〜
図4に示すように、ロール状の部材であり、芯体100Aと、発泡弾性層100Bと、芯体100Aと100Bとを接着するための接着層100Dと、を備えたロール状の部材である。
発泡弾性層100Bは、芯体の外周面に、芯体の一端から他端にかけて、短冊状の発泡弾性部材100C(以下、短冊100Cと称する)を螺旋状に巻き回されて形成されている。具体的には、発泡弾性層100Bは、例えば、芯体100Aの一端から他端にかけて、芯体100Aを螺旋軸とし、短冊100Cを間隔を持って螺旋状に巻き回された状態で配置されている。
【0023】
そして、発泡弾性層100Bの少なくとも長手方向端部の一方又は両方における芯体100Aの外周面と対向する側の面(以下、発泡弾性層100Bの芯体100Aの外周面に対向する側の面を「下面」と称する)に存在する発泡弾性層100Bの気泡110(以下、「発泡セル110」と称する)に、充填剤110Aが充填されている。
なお、図中、111は、発泡弾性層100Bの発泡セル110に充填剤110Aが充填されている領域を示している。
また、本実施形態では、発泡弾性層100Bの長手方向端部の両方の下面に存在する発泡セル110に、充填剤110Aが充填されている態様を示してる。
【0024】
ここで、短冊100Cを芯体100Aに巻き付けて、芯体100Aの外周面に発泡弾性層100Bを螺旋状に配置する場合、芯体100Aの外周面に短冊100Cを巻き付ける際に、その長手方向(巻き付け方向)に予め定められた張力を付与することが必要である。芯体100Aに巻き付けた状態の発泡弾性層100Bは、弾性変形をした状態(例えば、巻き付ける前の短冊100Cの幅方向中央部の厚みに対して小さくなった状態)で配置されると考えられる。
【0025】
一方で、芯体100Aに巻き付けた状態の発泡弾性層100Bは、弾性変形をした状態で芯体100A外周面に沿って固定されることから、発泡弾性層100Bの弾性変形量に伴った反発弾性力が発生すると考えられる。この反発弾性力は、発泡弾性層100Bが収縮する方向に働く、つまり発泡弾性層100Bの長手方向(短冊100Cの巻き付け方向)に沿った方向に働くため、芯体100Aの外周面上で発泡弾性層100Bの長手方向端部の一方又は両方が剥れる方向にかかると考えられる。なお、この反発弾性力は、発泡弾性層100Bの厚みと弾性係数、また芯体の曲率が大きいほど、強く働くため、発泡弾性層100Bが剥れやすくなると考えられる。
【0026】
加えて、発泡弾性層100Bは、発泡セル110(気泡)を有することから、接着層100Dを介して芯体100Aの外周面に接触する発泡弾性層100Bの下面に発泡セル110(発泡骨格構造)に起因する凹部が多数存在し、この凹部により、非発泡の弾性層に比べ、発泡弾性層100Bの下面と芯体100Aの外周面との接着層100Dによる接着において、発泡弾性層100Bの下面のうち、実際に接着層100Dを介して芯体100Aの外周面に接触する領域が低くなる傾向があり、接着力が不足し易いためと考えられる。
【0027】
そこで、本実施形態に係る清掃部材101では、少なくとも長手方向端部の一方又は両方における発泡弾性層100Bの下面に存在する発泡セル110に、充填剤110Aを充填させる。
これにより、発泡弾性層100Bの少なくとも長手方向端部の一方又は両方において、発泡弾性層100Bの下面のうち接着層100Dを介して芯体100Aに対して直接接触している領域(部分)の総面積が増大され、より多くの接着力が得られると考えられ、芯体100Aからの発泡弾性層100Bの剥れ(特に発泡弾性層100Bの長手方向端部からの剥れ)が抑制される。
【0028】
また、高温環境下(例えば温度50℃条件下)で、清掃部材101を一定期間(例えば、24時間以上)保管した場合、発泡弾性層100Bと芯体100Aとを接着する接着層100Dの粘性が弱くなり、芯体100Aからの発泡弾性層100Bの剥れ(特に発泡弾性層100Bの長手方向端部からの剥れ)が生じ易いが、本実施形態に係る清掃部材101では、このような高温環境下で一定期間保管した場合であっても、芯体100Aからの発泡弾性層100Bの剥れ(特に発泡弾性層100Bの長手方向端部からの剥れ)が抑制される。
【0029】
そして、本実施形態に係る清掃部材100を備えた、帯電装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置では、芯体100Aからの発泡弾性層100Bの剥れ(特に発泡弾性層100Bの長手方向端部からの剥れ)が抑制されることから、帯電部材の清掃不良による帯電性能低下、及びそれに起因する画像欠陥(例えば、濃度ムラ)が抑制される。
【0031】
まず、芯体について説明する。
芯体100Aに用いる材質としては、金属(例えば、快削鋼又はステンレス鋼等)、又は樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂(POM)等)が挙げられる。なお、材質及び表面処理方法等は必要に応じて選択するのが望ましい。
特に、芯体100Aが金属で構成される場合メッキ処理を施すのが望ましい。また、樹脂等で導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等の一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよいし、そのまま使用してもよい。
【0032】
次に、接着層について説明する。
接着層としては、芯体100Aと発泡弾性層100Bとを接着し得るものであれば、特に制限はないが、例えば、両面テープ、その他接着剤により構成される。
【0033】
次に、発泡弾性層について説明する。
発泡弾性層100Bは、発泡セル110(気泡)を有する材料(いわゆる発泡体)で構成されている。
発泡弾性層100Bの材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、又はポリプロピレン等の発泡性の樹脂、或いは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、EPDM、NBR、CR、塩素化ポリイソプレン、イソプレン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム等のゴム材料を1種類、又は2種類以上をブレンドしてなる材料が挙げられる。
なお、これらには必要に応じて、発泡助剤、整泡剤、触媒、硬化剤、可塑剤、又は加硫促進剤等の助剤を加えてもよい。
【0034】
発泡弾性層100Bは、特に、擦れによる被清掃部材の表面に傷を付けない、長期に渡り千切れや破損が生じないようにする観点から、引っ張りに強い発泡ポリウレタンであることが望ましい。
ポリウレタンとしては、例えば、ポリオール(例えばポリエステルポリオール、ポリーエテルポリエステルやアクリルポリオール等)と、イソシアネート(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートや4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等)と、の反応物が挙げられ、鎖延長剤(1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン)が含まれたものであってもよい。
そして、ポリウレタンの発泡は、例えば、水やアゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)等の発泡剤を用いて行われるのが一般的である。
発泡ポリウレタンには、必要に応じて発泡助剤、整泡剤、触媒などの助剤を加えてもよい。
【0035】
そして、これらの発泡ポリウレタンの中も、エーテル系発泡ポリウレタンがよい。これは、エステル系発泡ポリウレタンは、湿熱劣化し易い傾向があるためである。エーテル系ポリウレタンは主としてシリコーンオイルの整泡剤が使用されるが、保管(特に高温高湿下での長期保管)にてシリコーンオイルが被清掃部材(例えば帯電ロール等)へ移行することによる画質欠陥が発生することがある。その為、シリコーンオイル以外の整泡剤を用いることで、発泡弾性層100Bの画質欠陥が抑制される。
ここで、シリコーンオイル以外の整泡剤として具体的には、例えば、Siを含まない有機系の界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤)が挙げられる。また、特開2005−301000に記載のシリコーン系整泡剤を用いない製法も適用できる。
なお、エステル系発泡ポリウレタンが、シリコーンオイル以外の整泡剤を用いたか否かは、成分分析により、「Si」を含むか否かで判断される。
【0036】
発泡弾性層100Bの厚み(幅方向中央部での厚み)は、例えば、1.0mm以上3.0mm以下がよく、望ましくは1.4mm以上2.6mm以下であり、より望ましくは1.6mm以上2.4mm以下である。
【0037】
なお、発泡弾性層100Bの厚みは、例えば、次のようにして測定する。
レーザー測定機(ミツトヨ社製レーザースキャンマイクロメータ、型式:LSM6200)を用いて、清掃部材の周方向は固定した状態で、1mm/sのトラバース速度にて清掃部材の長手方向(軸方向)へスキャンさせて発泡弾性層厚み(発泡弾性層肉厚)のプロファイルの測定を行う。その後、周方向位置をずらし同様の測定を行う(周方向位置は120°間隔、3箇所)。このプロファイルを基に発泡弾性層100Bの厚みの算出を行う。
【0038】
発泡弾性層100Bは、螺旋状に配置されているが、具体的には、例えば、螺旋角度θが10°以上65°以下(望ましくは20°以上50°以下)、螺旋幅R1が3mm以上25mm以下(望ましくは3mm以上10mm以下)であることがよい。また、螺旋ピッチR2は、例えば、3mm以上25mm以下(望ましくは15mm以上22mm以下)であることがよい。
【0039】
発泡弾性層100Bは、被覆率(発泡弾性層100Bの螺旋幅R1/[発泡弾性層100Bの螺旋幅R1+発泡弾性層100Bの螺旋ピッチR2:(R1+R2)])は、20%以上70%以下であることがよく、望ましくは25%以上55%以下である。
この被覆率を上記範囲よりも大きいと、発泡弾性層100Bが被清掃部材に接触する時間が長くなるため、清掃部材の表面に付着する付着物が被清掃部材へ再汚染する傾向が高くなる一方で、被覆率が上記範囲より小さいと、発泡弾性層100Bの厚み(肉厚)が安定し難くなり、清掃能力が低下する傾向となる。
【0040】
なお、螺旋角度θとは、発泡弾性層100Bの長手方向P(螺旋方向)と清掃部材の軸方向Q(芯体軸方向)とが交差する角度(鋭角)を意味する。
螺旋幅R1とは、発泡弾性層100Bの清掃部材100の軸方向Q(芯体軸方向)に沿った長さを意味する。
螺旋ピッチR2とは、発泡弾性層100Bの清掃部材100の軸方向Q(芯体軸方向)に沿った、隣合う発泡弾性層100B間の長さを意味する。
また、発泡弾性層100Bとは100Paの外力印加により変形しても、もとの形状に復元する材料から構成される層をいう。
【0041】
次に、充填剤110Aについて説明する。
充填剤11Aは、発泡弾性層100Bの少なくとも長手方向端部の一方又は両方の下面に存在する発泡弾性層100Bの発泡セル110(気泡)に充填されている。
【0042】
充填剤11Aは、発泡弾性層100Bの下面に存在する発泡セル110に充填されていればよいが、芯体100Aからの発泡弾性層100Bの剥れをより抑制する観点から、発泡弾性層100Bの少なくとも長手方向端部の一方又は両方において、発泡弾性層100Bの厚み方向に沿って、発泡弾性層100Bの下面から発泡弾性層100Bの0.2mm(望ましくは0.6mm)に至るまでの領域111Aの発泡セル110に充填されていることがよい。
これにより、発泡弾性層100Bの下面に存在する発泡セル110に充填された充填剤110Aが、発泡弾性層100Bに係る応力により発泡セル110から抜ける難くなると考えられ、芯体100Aからの発泡弾性層100Bの剥れがより抑制され易くなる。
【0043】
一方、充填剤110Aは、発泡セル110に充填剤が充填された発泡弾性層100Bの端部も被清掃部材に対する清掃能を持たせる観点から、発泡弾性層100Bの少なくとも長手方向端部の一方又は両方において、発泡弾性層100Bの厚み方向に沿って、発泡弾性層100Bの下面から発泡弾性層100Bの厚みの半分(望ましくは1/4)に至るまでの領域111Bの発泡セル110に充填されていることがよい。
これにより、発泡弾性層100Bの表層側の弾性が維持されると共に、当該表層側に未充填の発泡セル110が存在することから、発泡セル110に充填剤110Aが充填された発泡弾性層100Bの端部も被清掃部材に対する清掃能を持たせられる。その結果、発泡セル110に充填剤が充填されることにより、弾性が低下した発泡弾性層100Bの端部の表面により、被清掃部材の清掃面を傷つけたり、それを回避するために、当該発泡弾性層100Bの端部が被清掃部材と接触しないように、清掃部材100の軸方向長さを長くする必要がなくなる。
【0044】
つまり、発泡弾性層100Bの少なくとも長手方向端部の一方又は両方において、発泡セル110に充填剤110Aが充填される領域111は、下面を発泡弾性層100Bの下面とし、発泡弾性層100Bの0.2mm以上発泡弾性層100Bの厚みの半分以下の範囲内に、当該領域111の上面を存在させるようにした当該下面と上面とで挟まれる領域とすることがよい。
なお、領域111において、下面から発泡弾性層100Bの0.2mm、又は下面から発泡弾性層100Bの厚みの半分を境とする境界に存在する気泡は、上記領域111内に存在する気泡と見なす。
【0045】
充填剤110Aとしては、発泡弾性層100Bの発泡セル110に充填させる観点から、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。そして、充填剤110Aとして粘性の低い、若しくは液状の樹脂を発泡弾性層100Bの発泡セル110に充填した後、硬化、若しくは乾燥させることで、当該充填剤110Aを発泡セル110に充填させる。
【0046】
充填剤110Aとしての硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、硬化性ポリイミド、シリコーン樹脂等が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、アクリル樹脂等が挙げられるが、限定されるものではない。
【0047】
特に、充填剤110Aは、弾性を有することが芯体100Aへの発泡弾性層100Bの巻き付け加工性を確保する観点からよいこと、且つ接着性を有することが発泡弾性層100B内に充填剤を維持する観点からよいことから、硬化性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂がよい。
充填剤110Aが弾性を有することにより、発泡弾性層100B(短冊100C)の剛直化が抑制され、芯体100Aの外周面に曲率に追随して巻き付けられ易くなり、芯体100Aからの発泡弾性層100Bの剥れがより抑制される。
【0048】
なお、充填剤110Aが弾性を有するとは、100Paの外力印加により変形しても、もとの形状に復元する材料から構成されるものをいう。
【0049】
ここで、発泡弾性層100B(短冊100C)の発泡セル径(気泡径)は、例えば、0.1mm以上1.0mm以下がよく、望ましくは0.2mm以上0.9mm以下、より望ましくは0.4mm以上0.8mm以下である。
【0050】
なお、発泡セル径(気泡径)は、「平均セル径(平均気泡径)」を意味し、JIS K 6400−1(2004)附属書1に準じて25mm長さ毎のセル数を測定し、25mm/セル数から算出したものである。
【0051】
ここで、本実施形態では、発泡弾性層100Bの少なくとも長手方向端部の一方又は両方の下面に存在する発泡弾性層100Bの発泡セル110に、充填剤110Aが充填されている態様を示しているが、充填剤110Aは、発泡弾性層100Bの下面全域に充填剤110Aが充填されていてもよい。
【0052】
また、発泡弾性層100Bは、1本の短冊100Cからなる態様に限られず、
図5に示すように、少なくとも2本以上の短冊100C(短冊状の発泡弾性部材)からなり、2本以上の短冊100Cを芯体100Aに螺旋状に巻き回されて配置されたもので構成されていてもよい。
発泡弾性層100Bが2本以上の短冊100Cを芯体100Aに螺旋状に巻き付けた構成を用いることで、清掃部材100のクリーニング性能が向上し易くなる。
短冊100Cの巻き付ける本数は数が多いほどクリーニング性能向上の効果が得られるが、巻き付けた際の発泡弾性層100Bの螺旋幅R1は、例えば3mm以上25mm以下、好ましくは3mm以上10mm以下であることがよい。
螺旋幅R1が3mm以下の場合、発泡弾性層100Bを構成する短冊100Cを2本以上用いても十分なクリーニング性能向上の効果が得られない場合がある。
【0053】
また、2本以上の短冊100C(短冊状の発泡弾性部材)を芯体100Aに螺旋状に巻き付けて構成される発泡弾性層100Bは、短冊100Cの接着面(短冊100Cにおける芯体100Aの外周面と対向する側の面)の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き回されて配置されてもよいし、接触させない状態で螺旋状に巻き回されて配置された構成であってもよい。
特に、発泡弾性層100Bが、例えば、2本の短冊100Cの接着面の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き回されて配置された場合(
図5参照)、同一の螺旋幅R1で1本の発泡弾性部材を用いた場合(
図4)と比較して、被清掃体への高い接触圧がもたらされることからより優れたクリーニング性能が得られ易くなると考えられる。
【0054】
なお、
図5には、発泡弾性層100Bが、2本の短冊100C(短冊状の発泡弾性部材)からなり、2本の短冊100Cの接着面(短冊100Cにおける芯体100Aの外周面と対向する側の面)の長手方向の辺を互いに接触させた状態で螺旋状に巻き回されて配置された形態を示している。
【0055】
次に、本実施形態に係る清掃部材100の製造方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る清掃部材100の製造方法の一例を示す工程図である。
【0056】
まず、
図6(A)に示すように、目的の厚みとなるようにスライス加工を施したシート状の発泡弾性部材(発泡ポリウレタンシート等)を準備し、このシート状の発泡弾性部材の片面に、接着層100Dとしての両面テープを貼り付けた後、打ち抜き型により当該部材を打ち抜いて、目的とする幅・長さの短冊100C(両面テープ付き短冊状の発泡弾性部材)を得る。一方で、芯体100Aも準備する。
【0057】
ここで、形成する発泡弾性層100Bの長手方向端部の両方の下面に存在する発泡セル110に充填剤110Aを充填させる場合、
図7(A)に示すように、予め、準備する短冊100Cの長手方向端部の下面に存在する発泡セル110に充填剤110Aを充填しておく。
具体的には、例えば、準備したシート状の発泡弾性部材の片面のうち、得られる短冊100Cの長手方向端部の下面に相当する面から発泡セル110に、充填剤110Aとしての液状の硬化性樹脂等を含浸させた後、硬化させて、充填しておく。
その後、接着層100Dとしての両面テープを貼り付けた後、打ち抜き型により当該部材を打ち抜いて、目的とする短冊100Cを得る。
なお、充填剤110Aとしての液状の硬化性樹脂の硬化は、両面テープの貼り付け後に行ってもよいし、短冊100Cを芯体100Aに巻き付けた後に行ってもよい。
【0058】
なお、形成する発泡弾性層100Bの下面全域に存在する発泡セル110に充填剤110Aを充填させる場合、
図7(B)に示すように、予め、準備する短冊100Cの長手方向端部の下面に存在する発泡セル110に充填剤110Aを充填しておく。
【0059】
次に、
図6(B)に示すように、両面テープが付いた面を上方にして短冊を配置し、この状態で両面テープの剥離紙の一端を剥がし、当該剥離紙を剥離した両面テープ上に芯体100Aの一端部を載せる。
【0060】
次に、
図6(C)に示すように、両面テープの剥離紙を剥がしながら、目的とする速度で芯体100Aを回転させて、芯体100Aの外周面に短冊100Cを螺旋状に巻き付けていき、芯体100Aの外周面に螺旋状に配置された弾性層100Bを有する清掃部材100を得る。
【0061】
ここで、弾性層100Bとなる短冊100Cを芯体100Aに巻き付ける際、芯体100Aの軸方向に対して、短冊100Cの長手方向が目的の角度(螺旋角度)となるように、短冊100Cに位置を合わせればよい。また、芯体100Aの外径は、例えば、φ3mm以上φ6mm以下程度にすることがよい。
【0062】
短冊100Cを芯体100Aに巻き付ける際に付与する張力は、芯体100Aと短冊100Cの両面テープとの間に隙間ができない程度であることがよく、過度に張力を付与しないことがよい。張力を付与し過ぎると、引っ張り永久伸びが大きくなり、清掃に必要な発泡弾性層100Bの弾性力が落ちる傾向があるためである。具体的には、例えば、元の短冊100Cの長さに対して0%超え5%以下程度の伸びになる張力とすることがよい。
【0063】
一方で、短冊100Cを芯体100Aに巻き付けると、短冊100Cが伸びる傾向がある。この伸びは、短冊100Cの厚み方向で異なり最外郭が最も伸びる傾向があり、弾性力が落ちることがある。
この伸びは、短冊100Cが芯体100Aに巻き付く曲率半径と短冊100Cの厚みにより制御され、短冊100Cが芯体100Aに巻き付く曲率半径は芯体100Aの外径及び短冊100Cの巻き付け角度により制御される。
【0064】
短冊100Cが芯体100Aに巻き付く曲率半径は、例えば、((芯体外径/2)+0.2mm)以上[(芯体外径/2)+8.5mm)以下にすることがよく、望ましくは((芯体外径/2)+0.5mm)以上((芯体外径/2)+7.0mm)以下である。
短冊100Cの厚みとしては、例えば、1.5mm以上4mm以下程度がよく、望ましくは1.5mm以上3.0mm以下である。また、短冊100Cの幅としては、発泡弾性層100Bの被覆率が上記範囲となるように調整することがよい。また、短冊100Cの長さは、例えば、芯体100Aに巻き付ける領域の軸方向長さと巻き角度と巻き付ける際の張力により決定される。
【0065】
(画像形成装置等)
以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面に基づいて説明する。
図8は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【0066】
本実施形態に係る画像形成装置10は、例えば、
図8に示すように、タンデム方式のカラーの画像形成装置である。本実施形態に係る画像形成装置10の内部には、感光体(像保持体)12や帯電部材14や現像装置等が、イエロー(18Y)、マゼンタ(18M)、シアン(18C)、及び黒(18K)が各色毎にプロセスカートリッジ(
図9参照)として備えられている。このプロセスカートリッジは、画像形成装置10に脱着される構成となっている。
【0067】
感光体12としては、例えば、表面に有機感材等よりなる感光体層が被覆された直径が25mmの導電性円筒体が用いられ、図示しないモータにより、目的とするプロセススピードで回転駆動される。
【0068】
感光体12の表面は、感光体12表面に配置された帯電部材14によって帯電された後、帯電部材14より感光体12の回転方向下流側に、露光装置16から出射されるレーザービームLBによって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0069】
感光体12上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像装置19Y、19M、19C、19Kによって現像され、各色のトナー像となる。
【0070】
例えば、カラーの画像を形成する場合、各色の感光体12の表面には、帯電・露光・現像の各工程が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応して行なわれ、各色の感光体12の表面には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー像が形成される。
【0071】
感光体12上に順次形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、支持ロール40,42で張力が付与されつつ内周面から支持された用紙搬送ベルト20を介して感光体12と転写装置22が接する箇所にて、感光体12の外周に用紙搬送ベルト20上を搬送される記録用紙24へ転写される。さらに、感光体12上からトナー像が転写された記録用紙24は、定着装置64へと搬送され、この定着装置64によって加熱・加圧されてトナー像が記録用紙24上に定着される。その後、片面プリントの場合には、トナー像が定着された記録用紙24は、排出ロール66によって画像形成装置10の上部に設けられた排出部68上にそのまま排出される。
なお、記録用紙24は、用紙収納容器28から取出ローラ30により取り出され、搬送ロール32,34により用紙搬送ベルト20まで搬送される。
【0072】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体12の表面は、感光体12が1回転する毎に、感光体12の表面であって、転写装置22が接する箇所よりも感光体12の回転方向下流側に配置された清掃ブレード80によって、残留トナーや紙粉などが除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
【0073】
ここで、
図10に示すごとく、帯電部材14は、例えば、導電性芯体14Aの周囲に発泡弾性層14Bが形成されたロールであり、芯体14Aは回転自在に支持されている。帯電部材14の感光体12と反対側には、帯電部材14の清掃部材100が接触して、帯電装置(ユニット)を構成している。この清掃部材100として、本実施形態に係る清掃部材100が用いられる。
ここでは、清掃部材100を帯電部材14へ常時当接させ、帯電部材14と従動させて使用する方法に関して説明を行うが、清掃部材100は常時接触させて従動による使用でもよいし、帯電部材14のクリーニング時のみ接触させ従動する使用でもよい。また、清掃部材100は、帯電部材14のクリーニング時のみ接触させ、別駆動により帯電部材14に対して周速差を付けても構わない。但し、清掃部材100を常時帯電部材14へ接触させて周速差を付ける方法は帯電部材14上の汚れを清掃部材100へ溜め込み、帯電ロールへ再付着させ易くなることから、望ましくない。
【0074】
帯電部材14は芯体14Aの両端へ荷重Fをかけて感光体12へ押付け、発泡弾性層14Bの周面に沿って弾性変形してニップ部を形成している。更に、清掃部材100は芯体100Aの両端へ荷重F’をかけて帯電部材14へ押付け、発泡弾性層100Bが帯電部材14の周面に沿って弾性変形してニップ部を形成することで、帯電部材14の撓みを抑えて、帯電部材14と感光体12の軸方向のニップ部を形成している。
【0075】
感光体12は、図示しないモータによって矢印X方向に回転駆動され、感光体12の回転により帯電部材14が矢印Y方向に従動回転する。また、帯電部材14の回転により清掃部材100が矢印Z方向に従動回転する。
【0076】
−帯電部材の構成−
以下、帯電部材の説明をするが、以下の構成に限定されるものではない。
【0077】
帯電部材の構成としては、特に限定されるものではないが、例えば、芯体、弾性層、若しくは弾性層の代わりに樹脂層を有する構成が挙げられる。弾性層は単層構成からなるものであってよく、幾つもの機能を持った複数の異なる層からなる積層構成であってもよい。更には、弾性層の上に表面処理を行ってもよい。
【0078】
芯体の材質としては快削鋼、ステンレス鋼等を使用し、摺動性等の用途に応じて材質及び表面処理方法は適時選択するのが望ましい。また、メッキ処理するのが望ましい。導電性を有さない材質の場合、メッキ処理等一般的な処理により加工して導電化処理を行ってもよいし、そのまま使用してもよい。
【0079】
弾性層は導電性弾性層とするが、導電性弾性層は、例えば、弾性を有するゴム等の弾性材、導電性弾性層の抵抗を調整するカーボンブラックやイオン導電材等の導電材、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカ又は炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。通常ゴムに添加される材料を添加した混合物を、導電性の芯体の周面に被覆することにより形成される。抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックやイオン導電剤等の電子及びイオンの少なくとも一方を電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等が用いられる。また、弾性材は発泡体であってもかまわない。
【0080】
導電性弾性層を構成する弾性材としては、例えばゴム材中に導電剤を分散させることによって形成される。ゴム材としては、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム及びこれらのブレンドゴムが好適に挙げられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
【0081】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末が挙げられる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のオニウム類の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
【0082】
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、電子導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、1質量部以上60質量部以下の範囲であることが望ましく、一方、イオン導電剤の場合は、ゴム材100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましい。
【0083】
帯電部材の表面は、表面層を形成させてもよい。表面層の材料としては、樹脂、ゴム等の何れを用いてもよく特に限定するものではない。例えば、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロンが好適に挙げられる。
共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、の内のいずれか1種又は複数種を重合単位として含むものであって、この共重合体に含まれる他の重合単位としては、6ナイロン、66ナイロン等が挙げられる。ここで、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロンよりなる重合単位が共重合体中に含まれる割合は、重量比で合わせて10%以上であるのが望ましい。
【0084】
高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、当該高分子材料の数平均分子量は、1,000以上100,000以下の範囲であることが望ましく、10,000以上50,000以下の範囲であることがより望ましい。
【0085】
また表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整してもよい。該導電性材料としては、粒径が3μm以下であるものが望ましい。
【0086】
また、抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックや導電性金属酸化物粒子、あるいはイオン導電剤等の電子及びイオンの少なくとも一方を電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いてもよい。
【0087】
導電剤のカーボンブラックとして、具体的には、デグサ社製の「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、キャボット社製「MONARCH1300」、キャボット社製「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。
カーボンブラックはpH4.0以下が望ましい。
【0088】
抵抗値を調整するための導電性粒子である導電性金属酸化物粒子は、酸化錫、アンチモンがドープされた酸化錫、酸化亜鉛、アナターゼ型酸化チタン、ITO等の導電性を有した粒子で、電子を電荷キャリアとする導電剤あれば何れも用いることができ、特に限定されるものではない。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。また、何れの粒径であってもよいが、望ましくは酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫、アナターゼ型酸化チタンであり、更に、酸化錫、アンチモンドープがされた酸化錫が望ましい。
【0089】
さらに、表面層には、フッ素系あるいはシリコーン系の樹脂が好適に用いられる。特に、フッ素変性アクリレートポリマーで構成されることが望ましい。また、表面層の中に粒子を添加してもよい。また、アルミナやシリカ等の絶縁性粒子を添加して、帯電部材の表面に凹部を付与し、感光体との摺擦時の負担を小さくして帯電部材と感光体相互の耐磨耗性を向上させてもよい。
【0090】
記載の帯電部材の外径としては8mm以上16mm以下が望ましい。また、外径の測定方法としては市販のノギスやレーザー方式外径測定装置を用いて測定される。
【0091】
記載の帯電部材のマイクロ硬度は45°以上60°以下が望ましい。低硬度化にする為には可塑剤添加量を増量する方法、シリコーンゴム等の低硬度の材料を使用することが考えられる。
【0092】
また、帯電部材のマイクロ硬度は高分子計器株式会社製MD−1型硬度計にて測定することができる。
【0093】
なお、本実施形態に係る画像形成装置では、感光体(像保持体)、帯電装置(帯電部材と清掃部材とのユニット)、現像装置、清掃ブレード(クリーニング装置)を備えたプロセスカートリッジを説明したが、これに限られず、帯電装置(帯電部材と清掃部材とのユニット)を備え、その他必要に応じて、感光体(像保持体)、露光装置、転写装置、及び現像装置、清掃ブレード(クリーニング装置)から選択されるものを備えたプロセスカートリッジとしてもよい。なお、これら装置や部材をカートリッジ化せず、画像形成装置に直接配置した形態であってもよい。
【0094】
また、本実施形態に係る画像形成装置では、帯電装置として、帯電部材と清掃部材とのユニットで構成した形態を説明したが、つまり、被清掃部材として帯電部材を採用した形態を説明したが、これに限られず、被清掃部材としては、感光体(像保持体)、転写装置(転写部材;転写ロール)、中間転写体(中間転写ベルト)が挙げられる。そして、これら被清掃部材とこれに接触して配置される清掃部材とのユニットを、画像形成装置に直接配置してもよいし、上記同様にプロセスカートリッジのようにカートリッジ化して画像形成装置に配置してもよい。
【0095】
また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記構成に限られず、中間転写方式の画像形成装置等、周知の画像形成装置を採用してもよい。
【実施例】
【0096】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0097】
[実施例1]
(クリーニングロール1の作製)
厚さ3mmの発泡ポリウレタン(EPM−70;株式会社イノアックコーポレーション社製、発泡セル径0.4mm)シートの片面に、充填剤として「スーパーX No,8008(セメダイン社製)」を塗布した。塗布した充填剤は発泡ポリウレタンシートの片面から厚み0.3mmまで浸透させた。つまり、発泡ポリウレタンシートの片面から厚み0.2mmに至る領域に存在する発泡セル(気泡)に、充填剤を充填した。その後、22℃環境下で60分間放置して、充填剤としての「スーパーX No,8008(セメダイン社製)」を硬化させた。
【0098】
次に、この発泡ポリウレタンシートの片面に、厚み0.15mmの両面テープを貼付け、幅6mm、長さ243の短冊を切り出した。
次に、短冊を、金属芯体(外径φ6、全長331mm)へ、巻き付け角度25°で、短冊全長が0%を超え5%以下程度伸びるように張力を付与しつつ巻き付けて、螺旋状に配置した発泡弾性層を形成した。
このようにして、清掃部材としてのクリーニングロール1を得た。
【0099】
[実施例2]
(クリーニングロール2の作製)
充填剤「スーパーX No,8008(セメダイン社製)」を発泡ポリウレタンシートの片面から厚み1.5mmまで浸透させた以外(つまり、発泡ポリウレタンシートの片面から厚み1.5mmに至る領域に存在する発泡セル(気泡)に充填剤を充填した以外)は、実施例1と同様にして、クリーニングロール2を得た。
【0100】
[実施例3]
(クリーニングロール3の作製)
発泡ポリウレタンシートの片面のうち、短冊を切り出したときに当該短冊の長手方向両端部(端辺から中央部に向かって5mmまでの両端部)に相当する面に、充填剤「スーパーX No,8008(セメダイン社製)」を塗布した以外は、実施例1と同様にして、クリーニングロール3を得た。
【0101】
[実施例4]
(クリーニングロール4の作製)
充填剤「スーパーX No,8008(セメダイン社製)」を発泡ポリウレタンシートの片面から厚み1.5mmまで浸透させた以外(つまり、発泡ポリウレタンシートの片面から厚み1.5mmに至る領域に存在する発泡セル(気泡)に充填剤を充填した以外)は、実施例3と同様にして、クリーニングロール4を得た。
【0102】
[実施例5]
(クリーニングロール5の作製)
充填剤「スーパーX No,8008(セメダイン社製)」を発泡ポリウレタンシートの片面から厚み3.0mmまで浸透させた以外(つまり、発泡ポリウレタンシートの片面から厚み3.0mmに至る領域に存在する発泡セル(気泡)に充填剤を充填した以外)は、実施例3と同様にして、クリーニングロール5を得た。
【0103】
[実施例6]
充填材として弾性を有しない「EP106NL(セメダイン社製)」を用いた以外は、実施例1と同様にして、クリーニングロール6を得た。
【0104】
[比較例1]
(比較クリーニングロール1の作製)
充填剤「スーパーX No,8008(セメダイン社製)」を発泡ポリウレタンシートの片面に塗布しない以外は、実施例1と同様にして、比較クリーニングロールを得た。
【0105】
[評価]
(特性評価)
各例で得られたクリーニングロールの発泡弾性層の発泡セルに充填剤を充填した領域を芯金から切り出し、長さ30mmの試料を得た。
そして、長さ15mm位置で折り曲げ後、10分放置し、折り曲げ有無にて充填剤の弾性有無を調べた。
【0106】
(実機評価)
各例で得られたクリーニングロールを、フルカラー複写機であるDOCUPRINT C2110:富士ゼロックス社製の帯電ロールと従動するように装着した。
そして、A4用紙で100,000枚の印字テストを行った。終了後に各クリーニングロールの発泡弾性層の長手方向端部の剥がれの有無を目視により判定した。なお、ここで判定した、クリーニングロールの発泡弾性層の剥れ発生の状態は、発泡弾性層の長手方向一端部又は両端が芯体から1mm以上離れた状態を示す。
また、A4用紙100,000枚目に濃度30%のハーフトーン画質を印字し、クリーニング性(帯電ロール汚染筋)、帯電ロール傷の評価を行い、クリーニング性を判定した。
評価基準は以下の通りである。
【0107】
−剥れ評価:判断基準−
○:剥れ発生なし
×:剥れが発生
【0108】
−クリーニング性評価:判断基準−
○:帯電ロール汚染筋に起因する画質上の筋状欠陥が発生していない。
△:帯電ロール汚染筋に起因する画質上の筋状欠陥がわずかに発生するが、許容できるレベル
×:帯電ロール汚染筋に起因する画質上の筋状欠陥が発生し、許容できないレベル
【0109】
−帯電ロール傷評価:判断基準−
○:帯電ロール上に傷の発生なし
△:帯電ロール上に傷の発生がわずかに発生するが、許容できるレベル
×:帯電ロール上に傷の発生あり
【0110】
(帯電ロールの作製)
なお、本評価で適用する帯電ロールについては、以下の作製方法により作製したものを使用した。
【0111】
−発泡弾性層の形成−
下記混合物をオープンロールで混練りし、SUS416からなる直径6mmの導電性支持体表面に、厚さ3mmとなるように円筒状に被覆し、内径18.0mmの円筒型の金型に入れ、170℃で30分間加硫させ、金型から取り出した後、研磨し円筒状の導電性発泡弾性層Aを得た。
・ゴム材 ・・・・100質量部
(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム)Gechron3106:日本ゼオン社製)
・導電剤(カーボンブラック アサヒサーマル:旭カーボン社製)・・・・・25質量部
・導電剤(ケッチェンブラックEC:ライオン社製) ・・・・・・8質量部
・イオン導電剤(過塩素酸リチウム) ・・・・・・1質量部
・加硫剤(硫黄)200メッシュ:鶴見化学工業社製 ・・・・・・1質量部
・加硫促進剤(ノクセラーDM:大内新興化学工業社製) ・・・・2.0質量部
・加硫促進剤(ノクセラーTT:大内新興化学工業社製) ・・・・0.5質量部
【0112】
−表面層の形成−
下記混合物をビーズミルにて分散し得られた分散液Aを、メタノールで希釈し、導電性発泡弾性層Aの表面に浸漬塗布した後、140℃で15分間加熱乾燥し、厚さ4μmの表面層を形成し、導電性ロールを得た。これを帯電ロールとした。
・高分子材料 ・・・・100質量部
(共重合ナイロン)アラミンCM8000:東レ社製
・導電剤 ・・・・・30質量部
(アンチモンドープ酸化スズ)SN−100P:石原産業社製
・溶剤(メタノール) ・・・・500質量部
・溶剤(ブタノール) ・・・・240質量部
【0113】
【表1】
【0114】
上記結果から、本実施例1〜6では、比較例1に比べ、クリーングロールの発泡弾性層の剥れが発生していないことがわかる。
本実施例1〜5では、実施例6に比べ、クリーニング性に優れ、帯電ロールの傷の発生が抑制されていることがわかる。
また、本実施例5では、実機評価において、さらに印字テストを行ったところ、わずかではあるが、帯電ロールの傷の発生が見られた。
また、本実施例6では、実機評価において、さらに印字テストを行ったところ、わずかではあるが、発泡弾性層の長手方向端部の剥がれが見られた。