(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一対の張出部の少なくとも一方は、前記第1突出部材よりも上方で前記側壁に対して取り付けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置の位置決め機構。
前記第1突出部材における前記支持部よりも基端側部分に回転可能に支持され、前記定着装置の定着ロールへ回転力を伝達する伝達部材を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置の位置決め機構。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0021】
(画像形成装置10の構成)
まず、画像形成装置10の構成を説明する。
図1は、画像形成装置10の構成を示す概略図である。なお、後述のX方向・−X方向・Y方向(上方)・−Y方向(下方)・Z方向・−Z方向は、図中に示される矢印方向である。また、図中の「○」の中に「×」が記載されたものは、紙面の手前から奥へ向かう矢印を意味し、図中の「○」の中に「・」が記載されたものは、紙面の奥から手前へ向かう矢印を意味する。
【0022】
図1に示されるように、画像形成装置10は、原稿の画像を読み取る画像読取装置500と、記録媒体Pに画像を記録する画像記録装置100と、を備えている。画像記録装置100は、画像読取装置500が読み取った原稿の画像の画像データや、画像形成装置10の外部装置から取得した画像データに基づき、記録媒体Pに画像を記録(形成)することが可能となっている。
【0023】
(画像読取装置500)
図1に示されるように、画像読取装置500は、画像読取装置本体502と、画像読取装置本体502の上部に設けられ原稿Gを搬送する原稿搬送装置504と、画像読取装置本体502の内部に設けられ原稿搬送装置504により搬送される原稿Gの画像を読み取る画像読取部510と、を備えている。
【0024】
原稿搬送装置504は、複数の原稿Gが収容可能な原稿収容部(原稿トレイ)506を有している。原稿収容部(原稿トレイ)506に収容された原稿Gは、矢印C方向に示されるように、U字状に搬送されて原稿排出部508に排出されるようになっている。画像読取部510では、原稿搬送装置504で搬送される原稿Gに対して、発光部512から光を照射し、その光が原稿Gで反射され、複数のミラー514及び結像レンズ516を通じて、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の検出部518に結像される。このように、画像読取部510では、原稿搬送装置504で搬送される原稿の画像を読み取るようになっている。
【0025】
画像読取装置本体502の上部には、透明板520が設けられており、この透明板520に載せられた原稿の画像も、画像読取部510は読取可能となっている。また、原稿搬送装置504は、画像読取装置本体502に対して開閉可能に取り付けられており、透明板520に載せられた原稿を押さえる押さえカバーとして機能するようになっている。
【0026】
(画像記録装置100)
画像記録装置100は、
図1に示されるように、各構成部品が内部に収容される装置本体11を備えている。装置本体11の内部には、用紙等の記録媒体Pが収容される収容部12と、記録媒体Pに画像を形成(記録)する画像形成部(画像記録部)の一例としての画像形成ユニット60と、画像形成ユニット60によって記録媒体Pに形成された画像を当該記録媒体Pに定着する定着装置の一例としての定着ユニット80と、収容部12から画像形成ユニット60へ記録媒体Pを搬送する搬送部16と、が設けられている。また、装置本体11の上部には、定着ユニット80によって画像が定着された記録媒体Pが排出される排出部18が設けられている。
【0027】
画像形成ユニット60は、画像を保持する像保持体の一例としての感光体ドラム32を有している。感光体ドラム32は、後述の第2スタッド242(
図7参照)によって回転可能に支持されている。感光体ドラム32の軸方向一端側(−Z方向端側)には、保持体被駆動部の一例としての被駆動側カップリング32A(
図14参照)が設けられている。感光体ドラム32は、後述の駆動機構300(
図14参照)によって被駆動側カップリング32Aに駆動力が伝達され、一方向(例えば、
図1における時計回り方向)へ回転するようになっている。
【0028】
感光体ドラム32の周囲には、感光体ドラム32の回転方向上流側から順に、感光体ドラム32を帯電させる帯電装置の一例としての帯電ロール23と、帯電ロール23によって帯電した感光体ドラム32を露光して感光体ドラム32に静電潜像を形成する露光装置36と、露光装置36によって感光体ドラム32に形成された静電潜像を現像して黒色のトナー画像を形成する現像装置38と、現像装置38によって感光体ドラム32に形成された黒色のトナー画像を記録媒体Pに転写する転写部材の一例としての転写ロール26と、が設けられている。
【0029】
現像装置38は、現像剤を攪拌しながら当該現像剤を感光体ドラム32の軸方向に沿って搬送する搬送部材38Bと、搬送部材38Bが搬送する現像剤を保持して当該現像剤を感光体ドラム32へ供給する現像剤供給体としての現像ロール38Aと、を備えている。現像装置38では、現像ロール38Aに電圧(現像バイアス)が印加されることで現像ロール38Aと感光体ドラム32との間に電位差が生じ、この電位差によって、現像ロール38Aが保持した現像剤が感光体ドラム32へ供給されるようになっている。
【0030】
露光装置36は、後述の制御基板20から送られた画像信号(画像データ)に基づき静電潜像を形成するようになっている。後述の制御基板20から送られる画像信号としては、画像読取装置500が読み取った原稿の画像の画像信号や、画像形成装置10の外部装置から取得した画像信号がある。
【0031】
露光装置36の上方側(Y方向側)には、トナーが収容されているトナー収容容器としてのトナーカートリッジ58が設けられている。トナーカートリッジ58内のトナーは、トナー搬送装置(図示省略)によって、現像装置38へ搬送されるようになっている。
【0032】
転写ロール26は、感光体ドラム32に対向しており、感光体ドラム32とで記録媒体Pを挟んで記録媒体Pを上方側(Y方向側)へ搬送するようになっている。また、転写ロール26には、感光体ドラム32のトナー像を記録媒体Pへ転写させるための転写電圧(転写バイアス)が印加されるようになっている。転写ロール26と感光体ドラム32との間が、感光体ドラム32に形成されたトナー画像が記録媒体Pに転写される転写位置Tとされている。
【0033】
搬送部16は、収容部12に収容された記録媒体Pを送り出す送出ロール46と、送出ロール46によって送り出された記録媒体Pが搬送される搬送路48と、搬送路48に沿って配置され送出ロール46によって送り出された記録媒体Pを転写位置Tへ搬送する複数の搬送ロール50と、を備えている。
【0034】
定着ユニット80は、転写位置Tの上方側(搬送方向下流側)に配置されており、転写ロール26によって感光体ドラム32から記録媒体Pへ転写されたトナー画像を当該記録媒体Pに定着するようになっている。この定着ユニット80の上方側(搬送方向下流側)には、トナー画像が定着された記録媒体Pを排出部18へ排出する排出ロール52が設けられている。なお、定着ユニット80の具体的な構成は、後述する。
【0035】
また、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pを反転させて、再び転写位置Tへ送り戻すための反転搬送路37が、転写ロール26に対する感光体ドラム32とは反対側(−X方向側)に設けられている。記録媒体Pの両面に画像を形成する際には、片面にトナー画像が定着された記録媒体Pが、排出ロール52によりスイッチバックされて反転搬送路37に導かれ、転写位置Tへ送り戻されるようになっている。
【0036】
次に、画像記録装置100における、記録媒体Pへ画像を形成(記録)する画像形成動作(画像記録動作)について説明する。
【0037】
画像記録装置100では、送出ロール46によって収容部12から送り出された記録媒体Pが、複数の搬送ロール50によって転写位置Tへ送り込まれる。
【0038】
一方、画像形成ユニット60では、感光体ドラム32が帯電ロール23によって帯電された後、露光装置36によって露光されて、感光体ドラム32に静電潜像が形成される。当該静電潜像が現像装置38によって現像されて感光体ドラム32に黒色のトナー画像が形成される。この黒色のトナー画像は、転写ロール26により転写位置Tにて記録媒体Pへ転写される。
【0039】
トナー画像が転写された記録媒体Pは、定着ユニット80へ搬送され、当該トナー画像が定着ユニット80により定着される。記録媒体Pの片面へのみ画像を形成する場合は、トナー画像が定着された後、記録媒体Pは排出ロール52により排出部18へ排出される。
【0040】
記録媒体Pの両面へ画像を形成する場合には、片面に画像が形成された後、記録媒体Pは、排出ロール52でスイッチバックされ、反転して反転搬送路37へ送り込まれる。さらに、当該記録媒体は、反転搬送路37から再び転写位置Tへ送り込まれ、画像が記録されていない反対面に、前述と同様に画像が形成され、排出ロール52により排出部18へ排出される。以上のように、一連の画像形成動作が行われる。
【0041】
(定着ユニット80の構成)
次に、定着ユニット80の構成を説明する。
図2及び
図3は、定着ユニット80の構成を示す概略図である。
【0042】
定着ユニット80は、
図2に示されるように、各構成部品が収容される筐体82を有している。筐体82には、加圧部材としての加圧ロール84と、定着部材の一例としての加熱ロール(加熱部材)86と、が設けられている。
【0043】
加圧ロール84は、加熱ロール86に対して加圧接触されており、回転駆動される加熱ロール86に従動して回転するようになっている。加熱ロール86は、円筒状の円筒部材86Aと、円筒部材86Aの内部空間にその軸方向(Z方向)に沿って設けられたハロゲンランプ等の加熱源86Bと、を備えて構成されている。
【0044】
円筒部材86Aの軸方向両端側は、
図3に示されるように、筐体82に設けられた軸受88によって、感光体ドラム32の回転軸方向に沿った回転軸周りに回転可能に支持されている。円筒部材86Aの軸方向一端側(−Z方向側)には、定着部材被駆動部の一例としての被駆動側ギヤ90が設けられている。加熱ロール86は、この被駆動側ギヤ90を介して、後述の駆動機構300(
図14参照)により回転駆動されるようになっている。
【0045】
加熱源86Bの軸方向両端部は、円筒部材86Aの軸方向両端から円筒部材86Aの外側へ突出すると共に、筐体82に設けられた支持部92によって支持されている。加熱源86Bの軸方向両端部が、円筒部材86Aの軸方向両端から円筒部材86Aの外側へ突出されているため、定着ユニット80の軸方向一端(−Z方向端)が、感光体ドラム32の回転軸方向一端(−Z方向端)よりもリアフレーム110側へ回転軸方向に張り出している。すなわち、定着ユニット80は、感光体ドラム32の回転軸方向一端(−Z方向端)よりも回転軸方向へ張り出した張出部分87を有している。
【0046】
定着ユニット80では、加熱ロール86と加圧ロール84とで記録媒体Pを挟んで回転することで記録媒体Pを搬送しながら、加圧ロール84が記録媒体P(トナー画像)を加圧し、加熱ロール86が記録媒体P(トナー画像)を加熱することで、感光体ドラム32から転写されたトナー画像を記録媒体Pに定着するようになっている。
【0047】
(装置本体11の構成)
次に、装置本体11の具体的な構成について説明する。
【0048】
装置本体11は、
図4に示されるように、側壁の一例としてのリアフレーム110(
図5参照)と、リアフレーム110に対向する対向壁(側壁)の一例としてのフロントフレーム120(
図6参照)と、を有している。
【0049】
リアフレーム110の背面(−Z方向側の側面)には、転写ロール26へ電力を供給する電源基板の一例としての高電圧電源基板402が設けられている。高電圧電源基板402は、現像装置38の現像ロール38A、帯電ロール23にも、電力を供給するようになっている。
【0050】
リアフレーム110の背面(−Z方向側の側面)には、さらに、高電圧電源基板402が供給する電力における電圧よりも低電圧の電力を各部に供給する低電圧電源基板404と、画像記録装置100の各部の動作を制御する制御部としての制御基板20と、が設けられている。
【0051】
リアフレーム110は、
図3に示されるように、感光体ドラム32の回転軸方向一端及び定着ユニット80の軸方向一端に対して一方の面(Z方向側の面)が、その軸方向に対向しており、当該対向する部分が少なくとも平面状(X方向及びY方向に沿った平面状)とされている。また、リアフレーム110と感光体ドラム32の回転軸方向一端との間の距離は、リアフレーム110と定着ユニット80の軸方向一端との間の距離も長くなっている。
【0052】
(定着ユニット80の位置決め機構200)
次に、装置本体11(リアフレーム110及びフロントフレーム120)に対して定着ユニット80を位置決めする位置決め機構200について説明する。
【0053】
位置決め機構200は、
図4に示されるように、定着ユニット80をリアフレーム110に対して位置決めするリア側位置決め機構200A(
図5参照)と、定着ユニット80をフロントフレーム120に対した位置決めするフロント側位置決め機構200B(
図6参照)と、を有している。
【0054】
(リア側位置決め機構200A)
リア側位置決め機構200Aは、
図7に示されるように、リアフレーム110から突出する第1突出部材(定着装置支持部材)の一例としての円柱状の第1スタッド210と、第1スタッド210の突出方向先端側を支持する支持部材の一例としてのブラケット230と、を有している。
【0055】
ブラケット230は、
図8に示されるように、平面視にて第1スタッド210を挟むように第1スタッド210の突出方向(Z方向)に沿ってリアフレーム110から張り出す一対の張出部232、234と、張出部232、234の先端部同士を連結し第1スタッド210の先端側を支持する支持部236と、を有している。なお、ここでいう「第1スタッド210の先端側」とは、第1スタッド210におけるリアフレーム110から突出する部分のうち、突出方向中央(Z方向中央)から先端までの部分をいう。
【0056】
ブラケット230は、一対の張出部232、234及び支持部236が一体に形成された板状部材(板金)で構成されている。なお、ブラケット230は、リアフレーム110よりも厚い板状部材(板金)で構成されている。また、本実施形態では、一対の張出部232、234の板厚方向がX方向とされ、支持部236の板厚方向が、Z方向とされている。
【0057】
張出部232は、
図9(右側面図)に示されるように、側面視にて、リアフレーム110からZ方向に延びる第1部分232Aと、第1部分232Aの先端(Z方向端)から下方(−Y方向)へ延びる第2部分232Bと、第2部分232Bの先端(下端)からZ方向に延びる第3部分232Cと、を有している。第1部分232Aは、支持部236(第1スタッド210)よりも上方(Y方向)の位置でリアフレーム110に対してネジ止めにより固定されている。具体的には、第1部分232Aをリアフレーム110に対してネジ止めするネジ245の軸中心が、第1スタッド210の軸中心よりも上方(Y方向)の位置に位置している。このように、張出部232は、第1スタッド210よりも上方でリアフレーム110に対して取り付けられている。これにより、張出部232は、引張りによって第1スタッド210を支持するようになっている。すなわち、第1スタッド210(定着ユニット80)から張出部232に負荷される荷重は、圧縮荷重ではなく、引張荷重となっている。
【0058】
張出部234は、
図10(左側面図)に示されるように、側面視にて、リアフレーム110からZ方向に延びる第1部分234Aと、第1部分234Aの先端(Z方向端)から下方(−Y方向)へ延びる第2部分234Bと、を有しており、側面視にてL字状に形成されている。
【0059】
第1部分234Aは、第1スタッド210よりも上方(Y方向)の位置でリアフレーム110に対してネジ止めにより固定されている。具体的には、第1部分234Aをリアフレーム110に対してネジ止めするネジ247の軸中心247Cが、第1スタッド210の軸中心210Cよりも上方(Y方向)の位置に位置している。このように、張出部234は、第1スタッド210よりも上方でリアフレーム110に対して取り付けられている。これにより、張出部234は、引張りによって第1スタッド210を支持するようになっている。すなわち、第1スタッド210(定着ユニット80)から張出部234に負荷される荷重は、圧縮荷重ではなく、引張荷重となっている。
【0060】
第2部分234Bには、
図11に示されるように、リアフレーム110に沿った側方であって張出部234に対する第1スタッド210側とは反対側(−X方向)へ張出部234から突出する第2突出部材の一例としてのピン238が形成されている。また、第2部分234Bにおけるピン238の上方(Y方向)には、ネジ233がねじ込まれるネジ孔231が形成されている。さらに、第2部分234Bの−X方向側の面は、後述の第2位置決め部98に突き当たって、X方向において定着ユニット80を位置決めする位置決め面239とされている。
【0061】
一方、定着ユニット80の筐体82における−Z方向端部側には、X方向へ開口する開口部96Aを有する第1位置決め部の一例としてのフック(引掛部)96が形成されている。このフック96は、開口部96Aに対して、第1スタッド210における支持部236よりも先端側がその径方向(−X方向)に差し込まれることで、上下方向(Y方向)において定着ユニット80を位置決めするようになっている。
【0062】
定着ユニット80の筐体82における−Z方向端部側には、X方向へ開口(貫通)する挿入孔98Aを有する第2位置決め部98が形成されている。この第2位置決め部98は、挿入孔98Aに対して、ピン238がその軸方向に挿入されることで上下方向(Y方向)及び第1スタッド210の突出方向(Z方向)において定着ユニット80を位置決めするようになっている。また、第2位置決め部98における挿入孔98Aの上方には、張出部234のネジ孔231にねじ込まれるネジ233が通される通孔91が形成されている。
【0063】
リア側位置決め機構200Aは、
図7及び
図9に示されるように、リアフレーム110の−Z方向側に設けられ、第1スタッド210がリアフレーム110を貫通して突出するように第1スタッド210の基端部が取り付けられた取付部材の一例と取付板240を有している。この取付板240には、リアフレーム110を貫通してZ方向に沿って突出し、画像形成ユニット60の感光体ドラム32を回転可能に支持する第3突出部材(保持体支持部材)の一例としての第2スタッド242が設けられている。すなわち、本実施形態では、第2スタッド242に支持された感光体ドラム32に対しても、定着ユニット80が位置決めされるようになっている。
【0064】
(フロント側位置決め機構200B)
フロント側位置決め機構200Bは、
図12に示されるように、定着ユニット80の軸方向一端部(Z方向端部)をフロントフレーム120に対して位置決めすると共に、定着ユニット80の軸方向一端部(Z方向端部)のフロントフレーム120に対する上下方向位置を調整する機能を有している。具体的には、フロント側位置決め機構200Bは、フロントフレーム120に固定された固定板252と、固定板252に対する取付位置が上下方向に変更可能な調整部材としての調整ブラケット254と、を備えている。
【0065】
固定板252には、上下方向の位置が異なる3組のネジ孔261A(261B)、262A(262B)、263A(263B)が形成されている。なお、ネジ孔261A、262A、263Aは、それぞれ、ネジ孔261B、262B、263Bと、上下方向の位置が等しくされている。すなわち、ネジ孔261A、261Bと、ネジ孔262A、262Bと、ネジ孔263A、263Bとは、それぞれ、X方向に沿った直線上に配置されている。当該直線は、それぞれ、高さが異なっている。
【0066】
調整ブラケット254には、3つの通孔271、272、273と、X方向に長さを有する長孔274と、が形成されている。3つの通孔271、272、273と長孔274とは、上下方向の位置が等しくされている。すなわち、3つの通孔271、272、273と長孔274は、X方向に沿った直線上に配置されている。
【0067】
通孔271、272、273は、それぞれ、ネジ孔261A、262A、263Aに対応した位置に配置されており、通孔271、272、273のいずれかに通されたネジ280が、その通孔に対応するネジ孔261A、262A、263Aのいずれかにねじ込まれるようになっている。長孔274は、ネジ孔261B、262B、263Bに対応した位置に配置されており、長孔274に通されたネジ290が、ネジ280がねじ込まれたネジ孔261A、262A、263Aと高さが等しいネジ孔261B、262B、263Bのいずれかにねじ込まれるようになっている。
【0068】
これにより、通孔271、ネジ孔261A、長孔274、ネジ孔261Bを用いて調整ブラケット254を取り付けた場合(第1取付態様)と、通孔272、ネジ孔262A、長孔274、ネジ孔262Bを用いて調整ブラケット254を取り付けた場合(第2取付態様)と、通孔273、ネジ孔263A、長孔274、ネジ孔263Bを用いて調整ブラケット254を取り付けた場合(第3取付態様)とに、調整ブラケット254に対して後述のように位置決めされた定着ユニット80における上下方向の位置が調整可能とされている。なお、例えば、第1取付態様、第2取付態様、第3取付態様の順で高さが高くなるように設定されている。
【0069】
調整ブラケット254における通孔271のX方向側には、調整ブラケット254から−Z方向に突出する突出部材としての円柱状のスタッド256が形成されている。
【0070】
調整ブラケット254における長孔274の下方(−Y方向)には、−Z方向に張り出す張出部としての張出片258が形成されている。張出片258には、ネジ孔258Aが形成されている。
【0071】
一方、
図13に示されるように、定着ユニット80の筐体82におけるZ方向端部側には、X方向へ開口する開口部93Aを有する位置決め部としてのフック(引掛部)93が形成されている。このフック93は、開口部93Aに対して、スタッド256がその径方向(−X方向)に差し込まれることで、定着ユニット80が上下方向(Y方向)において調整ブラケット254に対して位置決めされるようになっている。
【0072】
さらに、定着ユニット80の筐体82におけるZ方向端部側には、張出片258の−X方向側の面に突き当たって、定着ユニット80をX方向において調整ブラケット254に対して位置決めする位置決め部としての突当部95が形成されている。突当部95には、張出片258のネジ孔258Aにねじ込まれるネジ255が通される通孔95Aが形成されている。この通孔95Aに通されたネジ255が張出片258のネジ孔258Aにねじ込まれることで、定着ユニット80が上下方向(Y方向)及びZ方向において調整ブラケット254に対して位置決めされるようになっている。
【0073】
(感光体ドラム32及び加熱ロール86の駆動機構300)
次に、感光体ドラム32及び加熱ロール86の駆動機構300について説明する。
【0074】
駆動機構300は、
図14に示されるように、駆動軸302Aがリアフレーム110のZ方向側へ突出するように、リアフレーム110のZ方向側の面に設けられた駆動部の一例としての駆動モータ302を備えている。
【0075】
また、駆動機構300は、加熱ロール86の円筒部材86Aに設けられた被駆動側ギヤ90に対してその回転軸方向と直交する直交方向に設けられ、駆動軸302Aからの駆動力を被駆動側ギヤ90へ伝達する定着部材伝達部材(伝達部材)の一例としてのギヤ304を有している。ギヤ304は、具体的には、第1スタッド210におけるブラケット230の支持部236よりも基端側部分に回転可能に支持されている。さらに詳細には、ギヤ304は、被駆動側ギヤ90に対して、ギヤ列308を通じて伝達された駆動軸302Aからの駆動力を、被駆動側ギヤ90に対して前記直交方向へ伝達するようになっている。
【0076】
さらに、駆動機構300は、感光体ドラム32に設けられた被駆動側カップリング32Aに対して駆動軸302Aからの駆動力を伝達する保持体伝達部材の一例としてのカップリング306と、を有している。カップリング306は、具体的には、リアフレーム110と被駆動側カップリング32Aとの間であって被駆動側カップリング32Aに対する−Z方向に設けられており、ギヤ列308を通じて伝達された駆動軸302Aからの駆動力を、被駆動側カップリング32Aに対してその軸方向へ伝達するようになっている。さらに詳細には、カップリング306の少なくとも一部が、定着ユニット80における感光体ドラム32の回転軸方向一端(−Z方向端)よりも回転軸方向へ張り出した張出部分87(
図3参照)と、感光体ドラム32の回転軸方向と直交する直交方向に重なって配置されている。すなわち、カップリング306の少なくとも一部が、Y方向視にて、張出部分87と重なっている。
【0077】
なお、駆動機構300では、ギヤ304、カップリング306及びギヤ列308が、定着ユニット80及び画像形成ユニット60と、リアフレーム110との間に配置されている。また、ギヤ列308の一部を構成し、ギヤ304と噛み合ったギヤ310は、リアフレーム110と、ブラケット230における張出部232の第1部分232A及び第2部分232Bと、で囲まれた空間に配置されている。
【0078】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用を説明する。ここでは、定着ユニット80を装置本体11に対して装着する装着手順について説明する。
【0079】
まず、装置本体11の−X方向側からリアフレーム110とフロントフレーム120との間に定着ユニット80をX方向へ移動させる(
図4参照)。
【0080】
この定着ユニット80のX方向の移動により、定着ユニット80の−Z方向端部において、
図11に示されるように、フック96の開口部96Aに対して、第1スタッド210における支持部236よりも先端側を−X方向に差し込む。これにより、定着ユニット80の−Z方向端部が上下方向(Y方向)においてリアフレーム110に対して位置決めされる。
【0081】
また、定着ユニット80のX方向の移動により、挿入孔98Aに対して、ピン238をその軸方向(−X方向)に挿入する。これにより、定着ユニット80の−Z方向端部が上下方向(Y方向)及び第1スタッド210の突出方向(Z方向)においてリアフレーム110に対して位置決めされる。
【0082】
また、ピン238が挿入された挿入孔98Aが形成された第2位置決め部98が、位置決め面239に突き当たる。これにより、定着ユニット80の−Z方向端部が、X方向においてリアフレーム110に対して位置決めされる。
【0083】
次に、第2位置決め部98の通孔91に対してネジ233を通してから、ネジ孔231にねじ込んで、定着ユニット80の−Z方向端部が固定される。
【0084】
このようして、定着ユニット80の−Z方向端部が、X方向、Y方向及びZ方向において、リアフレーム110に対して位置決めされる。
【0085】
一方、定着ユニット80のZ方向端部では、
図13に示されるように、定着ユニット80のX方向の移動により、フック93の開口部93Aに対して、スタッド256が−X方向に差し込まれる。これにより、定着ユニット80のZ方向端部が上下方向(Y方向)において調整ブラケット254に対して位置決めされる。なお、調整ブラケット254は、予め、通孔272、ネジ孔262A、長孔274、ネジ孔262Bを用いて(第2取付態様で)固定板252に取り付けられており、フロントフレーム120に対して位置決めされている。
【0086】
また、定着ユニット80のZ方向端部では、定着ユニット80のX方向の移動により、突当部95が、調整ブラケット254の張出片258の−X方向側の面に突き当たる。これにより、定着ユニット80のZ方向端部がX方向において調整ブラケット254に対して位置決めされる。
【0087】
次に、突当部95の通孔95Aに通されたネジ255が、張出片258のネジ孔258Aにねじ込まれる。これにより、定着ユニット80のZ方向端部が上下方向(Y方向)及びZ方向において調整ブラケット254に対して位置決めされる。
【0088】
このようして、定着ユニット80のZ方向端部が、X方向、Y方向及びZ方向において、フロントフレーム120に対して位置決めされる。
【0089】
なお、定着ユニット80のZ方向端部を、フロントフレーム120に対して、上方へ位置を変更する場合には、通孔271、ネジ孔261A、長孔274、ネジ孔261Bを用いた第1取付態様で調整ブラケット254を固定板252に取り付ける。また、定着ユニット80のZ方向端部を、フロントフレーム120に対して、下方へ位置を変更する場合には、通孔273、ネジ孔263A、長孔274、ネジ孔263Bを用いた第3取付態様で調整ブラケット254を固定板252に取り付ける。
【0090】
本実施形態では、第1スタッド210がブラケット230で支持されるので、第1スタッド210がリアフレーム110に対して変位しにくく、簡易な構成で、高精度に定着ユニット80がリアフレーム110に対して位置決めされる。また、本実施形態では、ブラケット230の支持部236が第1スタッド210の先端側を支持するので、第1スタッド210の基端側で支持する場合に比べ、第1スタッド210の変位が抑制される。
【0091】
また、本実施形態では、張出部232、234が第1スタッド210よりも上方でリアフレーム110に対して取り付けられ、張出部232、234が引張りによって第1スタッド210を支持しているため、張出部232、234が第1スタッド210よりも下方でリアフレーム110に対して取り付けられている場合に比べ、第1スタッド210の下方への変位が抑制される。
【0092】
また、本実施形態では、第1スタッド210が取り付けられた取付板240に第2スタッド242が設けられ、第2スタッド242で感光体ドラム32を支持するので、第1スタッド210と第2スタッド242とが別部品に取り付けられている場合に比べ、高精度に、感光体ドラム32に対して定着ユニット80が位置決めされる。これにより、感光体ドラム32と定着ユニット80との間隔が変動しにくい。
【0093】
また、本実施形態では、定着ユニット80と位置決めする第1スタッド210に、ギヤ304が支持されているので、ギヤ304を支持する専用部品を備える場合に比べ、部品点数が低減される。
【0094】
また、本実施形態では、カップリング306の少なくとも一部が、定着ユニット80における張出部分87(
図3参照)と、感光体ドラム32の回転軸方向と直交する直交方向に重なって配置されているので、カップリング306が定着ユニット80における張出部分87と重ならない場合に比べ、構成の小型化を図ることができる。
【0095】
また、本実施形態では、高電圧電源基板402がリアフレーム110の背面(−Z方向側の側面)に設けられているので、高電圧電源基板402がリアフレーム110のZ方向側の側面に設けられた場合に比べ、高電圧電源基板402の熱が、感光体ドラム32や定着ユニット80、現像装置38に伝わりにくい。
【0096】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。