特許第6035822号(P6035822)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大日本印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6035822-電気化学セル用包装材料 図000003
  • 特許6035822-電気化学セル用包装材料 図000004
  • 特許6035822-電気化学セル用包装材料 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035822
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】電気化学セル用包装材料
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/02 20060101AFI20161121BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20161121BHJP
   H01G 9/08 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   H01M2/02 K
   H01G11/78
   H01G9/08 E
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-84947(P2012-84947)
(22)【出願日】2012年4月3日
(65)【公開番号】特開2013-214459(P2013-214459A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2015年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温
(74)【代理人】
【識別番号】100134821
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 信行
(72)【発明者】
【氏名】山下 力也
【審査官】 井原 純
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/034337(WO,A1)
【文献】 特開2011−054563(JP,A)
【文献】 特表2013−505536(JP,A)
【文献】 特開2007−095654(JP,A)
【文献】 特開2009−099527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/02
H01G 9/08
H01G 11/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
最外層に配して樹脂フィルムからなる基材層と、最内層に配して熱接着性樹脂からなる熱接着層と、前記基材層と前記熱接着層との間に配して金属箔からなるバリア層と、前記基材層と前記バリア層とを接着する接着層とを積層して構成される電気化学セル用包装材料であって、前記基材層が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12のいずれかからなるポリアミド又は共重合ポリアミドで構成され、前記接着層が、共重合ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドとポリエステルとの混合樹脂、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、から選ばれた少なくとも1種の樹脂で構成されることを特徴とする電気化学セル用包装材料。
【請求項2】
前記接着層を構成するポリエステルがポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、から選ばれた1種又は2種以上を混合した樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の電気化学セル用包装材料。
【請求項3】
最外層に配して樹脂フィルムからなる基材層と、最内層に配して熱接着性樹脂からなる熱接着層と、前記基材層と前記熱接着層との間に配して金属箔からなるバリア層と、前記基材層と前記バリア層とを接着する接着層とを積層して構成される電気化学セル用包装材料であって、前記基材層が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12のいずれかからなるポリアミド又は共重合ポリアミドで構成され、前記接着層が、共重合ポリアミド、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、共重合ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドとポリエステルとの混合樹脂、ポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、から選ばれた複数の異なる樹脂により多層化され、前記基材層側に配される樹脂を前記基材層との接着性に優れる樹脂を選択し、前記バリア層側に配される樹脂を金属との接着性に優れる樹脂を選択することを特徴とする電気化学セル用包装材料。
【請求項4】
前記バリア層は金属箔の少なくとも一方の面に化成処理が施されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気化学セル用包装材料。
【請求項5】
最外層に配して樹脂フィルムからなる基材層と、最内層に配して熱接着性樹脂からなる熱接着層と、前記基材層と前記熱接着層との間に配して金属箔からなるバリア層と、前記基材層と前記バリア層とを接着する接着層とを積層して構成される電気化学セル用包装材料の製造方法であって、前記基材層が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12のいずれかからなるポリアミド又は共重合ポリアミドで構成され、前記接着層が、共重合ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドとポリエステルとの混合樹脂、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、から選ばれた少なくとも1種の樹脂で構成され、
前記基材層及び前記接着層がサーマルラミネート法により前記バリア層へ積層されることを特徴とする電気化学セル用包装材料の製造方法。
【請求項6】
最外層に配して樹脂フィルムからなる基材層と、最内層に配して熱接着性樹脂からなる熱接着層と、前記基材層と前記熱接着層との間に配して金属箔からなるバリア層と、前記基材層と前記バリア層とを接着する接着層とを積層して構成される電気化学セル用包装材料の製造方法であって、前記基材層が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12のいずれかからなるポリアミド又は共重合ポリアミドで構成され、前記接着層が、共重合ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドとポリエステルとの混合樹脂、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、から選ばれた少なくとも1種の樹脂で構成され、
前記基材層及び前記接着層がサンドラミネート法により前記バリア層へ積層されることを特徴とする電気化学セル用包装材料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学セルの包装体を形成する電気化学セル用包装材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電気化学セル用の包装材料が特許文献1に開示される。この包装材料は最外層の樹脂フィルムからなる基材層、金属箔からなるバリア層、最内層の熱接着層が順次積層された積層体により形成される。そして、熱接着層同士を対向させて周縁部をヒートシールすることにより電気化学セルの包装体が形成される。包装体は電解液、セパレータ等の電池要素を収納するための空間が設けられる。この空間は矩形状に断裁された包装材料をプレス成型して形成される。
【0003】
基材層とバリア層はドライラミネート法により接着されている。ドライラミネート法は主剤と硬化剤を一定の配合比で混合した2液硬化型のウレタン系接着剤を金属箔の表面に塗布した後、樹脂フィルムを加圧処理しながら貼り合わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−288117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記包装材料によると、ドライラミネート用の接着剤は硬化後の展延性が低い。このため、プレス成型時に基材層の延びに追従できず、基材層とバリア層との間でラミネーション強度が低下してピンホールが発生したり、基材層とバリア層との間でデラミネーションが発生する問題があった。また、ドライラミネート用の接着剤は高湿度の条件下における耐久性が低い。このため、接着剤が黄変したり、ヒートシール時の熱により熱劣化してラミネーション強度が低下する問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、耐久性に優れ、デラミネーションが発生し難い電気化学セル用包装材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、最外層に配して樹脂フィルムからなる基材層と、最内層に配して熱接着性樹脂からなる熱接着層と、前記基材層と前記熱接着層との間に配して金属箔からなるバリア層と、前記基材層と前記バリア層とを接着する接着層とを積層して構成される電気化学セル用包装材料であって、前記基材層が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12のいずれかからなるポリアミド又は共重合ポリアミドで構成され、前記接着層が、共重合ポリアミド、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、共重合ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドとポリエステルとの混合樹脂、ポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、から選ばれた少なくとも1種の樹脂で構成されることを特徴としている。
【0008】
この構成によると、接着層は共重合ポリアミド、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、共重合ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドとポリエステルとの混合樹脂、ポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、から選ばれた少なくとも1種の樹脂で構成される。これらの樹脂はドライラミネーション用の接着剤と比較して展延性に優れ、高湿度の条件下においても耐久性が高い。また、これらの樹脂はヒートシール時にかかる熱に対しても熱劣化し難い。
【0009】
また本発明は、上記構成の電気化学セル用包装材料において、前記接着層を構成するポリエステルがポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、から選ばれた1種又は2種以上を混合した樹脂からなることを特徴としている。
【0010】
また本発明は、前記接着層が種類の異なる樹脂により多層化されていることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成の電気化学セル用包装材料において、前記基材層及び前記接着層がサーマルラミネート法により前記バリア層へ積層されることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成の電気化学セル用包装材料において、前記基材層及び前記接着層がサンドラミネート法により前記バリア層へ積層されることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成の電気化学セル用包装材料において、前記バリア層は金属箔の少なくとも一方の面に化成処理が施されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、接着層が、共重合ポリアミド、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、共重合ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドとポリエステル、ポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、から選ばれた少なくとも1種の樹脂で構成され、基材層は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12のいずれかからなるポリアミド又は共重合ポリアミドで構成される。これにより、接着層はドライラミネーション用の接着剤と比較して展延性に優れ、高湿度の条件下においても耐久性が高い。また、接着層はヒートシール時にかかる熱に対しても熱劣化し難い。このため、基材層とバリア層との間のラミネーション強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るリチウムイオン電池の斜視図
図2図1中のA−A線断面図
図3】本発明の実施形態に係る包装材料の層構成を示す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る電気化学セル用包装材料について説明する。図1は本実施形態のリチウムイオン電池121の斜視図であり、図2図1中のA−A断面図である。
【0017】
リチウムイオン電池121は包装体120内部に電解液を含むリチウムイオン電池本体122を収納して構成される。包装体120はリチウムイオン電池本体122を収納する収納部120aと収納部120aを覆うシート状の蓋部120bにより構成される。
【0018】
包装体120は収納部120aと蓋部120bが重なる周縁の熱接着部120cが熱接着され、内部が封止されている。このとき、リチウムイオン電池本体122に連結される正極タブ123a及び負極タブ123bは熱接着部120においてタブフィルム(不図示)を介在させて収納部120aと蓋部120bにより挟持されながら外部に延出している。
【0019】
リチウムイオン電池本体122は、正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、正極及び負極間に充填される電解液とを含むセルにより構成される。セルは正極集電体が延出する正極板と負極集電体が延出する負極板を複数積層して構成される。正極板と負極板はセパレータを介して交互に複数積層される。積層された複数の正極集電体、負極集電体は重畳してそれぞれ一枚の正極タブ123a、負極タブ123bに連結している。
【0020】
図3は収納部120aと蓋部120bを形成する包装材料110の層構成を示す概略断面図であり、包装材料110は基材層112とバリア層114と熱接着層116とが順次積層して構成される。基材層112とバリア層114は接着層113を介して接着され、バリア層114と熱接着層116は酸変性ポリオレフィン層115を介して接着されている。バリア層114の両面には化成処理が施され、バリア層114と酸変性ポリオレフィン層115及びバリア層114と接着層113との層間ラミネーション強度が高められている。
【0021】
図2に示すように、収納部120aは矩形状に断裁された包装材料110をプレス成型して作製される。その成型工程は、包装材料110の基材層112側をメス型の成型金型と当接させて載置した後、熱接着層116側からオス型の成型金型で所定の成型深さに冷間成型する。収納部120と蓋部120bは対向する熱接着層116において熱接着している。
【0022】
基材層112は透過性を有する樹脂フィルムからなり、包装体120に高い耐突き刺し(耐ピンホール)性、絶縁性、作業性等を付与する。また、エンボス成型する際のプレスに耐え得る展延性を有する必要がある。
【0023】
基材層112はポリアミドの樹脂フィルムを任意に選択して使用することができる。ポリアミドとして、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12を用いて形成することができる。また、共重合ポリアミドを用いても形成することができる。また、基材層112は異なる樹脂種で多層化してもよい。また、基材層112は2軸延伸処理を行うことが好ましい。これにより、樹脂フィルムが配向結晶化して基材層112の耐熱性を向上させることができる。
【0024】
共重合ポリアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、[NH(CH25CO]、[NH(CH26NHCO(CH24CO]、[NH(CH26NHCO(CH28CO]、[NH(CH210CO]、[NH(CH211CO]、から選ばれた少なくとも2種を構造単位とする結晶性および非晶性の共重合ポリアミドを挙げることができる。
【0025】
具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46などの脂肪族系ポリアミド、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などの芳香族を含むポリアミド、ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)などの脂環系ポリアミド、さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートなどのイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体及びこれらの混合物や共重合体などが挙げられる。
【0026】
バリア層114は金属箔からなり、外部からリチウムイオン電池121の内部に水蒸気が浸入することを防止する。また、バリア層114単体のピンホール、及び加工適性(パウチ化、エンボス成型性)を安定化し、耐ピンホール性をもたせるために厚さ15μm以上のアルミニウムを用いる。
【0027】
なお、包装体120をエンボスタイプとする場合、バリア層114として用いるアルミニウムに鉄を0.3〜9.0重量%含有する。鉄含有量を0.7〜2.0重量%とすることにより、鉄を含有していないアルミニウムと比較して展延性がよく、包装体120として折り曲げによるピンホールの発生が少なくなる。また、包装材料料110をエンボス成型する際に側壁を容易に形成することができる。なお、アルミニウムの鉄含有量が0.3重量%未満の場合、ピンホールの発生の防止、エンボス成型性の改善等の効果が認められない。また、アルミニウムの鉄含有量が9.0重量%を超える場合、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、包装材料としての製袋性が悪くなる。
【0028】
また、バリア層114の冷間圧延で製造されるアルミニウムは焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・腰の強さ・硬さが変化する。バリア層114のアルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、焼きなまし処理を施した軟質傾向にあるアルミニウムが望ましい。
【0029】
化成処理はクロム系や非クロム系によりバリア層114の表面に形成される。クロム系の化成処理としてクロム酸クロメート処理、リン酸クロメート処理、塗布型クロメート処理等が挙げられる。また、非クロム系化成処理としてジルコニウム、チタン、リン酸亜鉛等の化成処理が挙げられる。このとき、連続処理が可能であると共に水洗工程が不要で処理コストを安価にすることができるという点などから塗布型化成処理がより望ましい。特にアミノ化フェノール重合体、3価クロム化合物、リン化合物、を含有する処理液で処理するのが最も望ましい。
【0030】
また、化成処理方法として、リン酸中に酸化アルミ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理してバリア層114の表面に耐食処理層(不図示)を設ける方法がある。
【0031】
また、耐食処理層の上に、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノール、から選ばれた少なくとも1種からなるカチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層(不図示)を形成してもよい。架橋剤としてはイソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、オキサゾリン基のいずれかの官能基を有する化合物あるいは/またはシランカップリング剤とよりなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤を用いることができる。
【0032】
また、化成処理の形成方法は処理液をバーコー卜法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法等の周知の塗布法を選択して成型すればよい。また、化成処理を施す前にバリア層114の表面に予めアルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、酸活性化法等の周知の脱脂処理法で処理を施しておく方が望ましい。これにより、化成処理の機能を最大限に発現させるとともに長期間維持することができる。
【0033】
接着層113は基材層112とバリア層114とを接着する層である。接着層113は共重合ポリアミド、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、共重合ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドとポリエステルとの混合樹脂、ポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、から選ばれた少なくとも1種の樹脂で構成される。共重合ポリアミドは基材層112で上述した共重合ポリアミドを用いることができる。
【0034】
ポリエステルはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、から選ばれた1種又は2種以上を混合した樹脂からなる。接着層113が基材層112と同質の共重合ポリアミドを含む場合、基材層112と接着層113とのラミネーション強度が高い。
【0035】
エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)が挙げられる。
【0036】
また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレートが挙げられる。
【0037】
また、これらにビスフェノールAポリカーボネートをブレンドした混合物からなるポリエステル樹脂でも良い。上記、ポリエステル樹脂組成物は、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリカーボネートが良い。
【0038】
これらの樹脂はドライラミネーション用の接着剤と比較して展延性に優れ、高湿度の条件下においても耐久性に優れて黄変し難い。また、ヒートシール時にかかる熱に対しても熱劣化し難い。このため、基材層と112バリア層114との間のラミネーション強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を防ぐことができる。これにより、リチウムイオン電池121の外観が損なわれるのを防ぐことができる。また、万一、リチウムイオン電池121が漏電した場合でも包装体120表面の絶縁性低下を防止することができる。
【0039】
バリア層114に基材層112を積層するにはサーマルラミネート法、サンドラミネート法又はサーマルラミネート法とサンドラミネート法の組み合わせにより積層することができる。サーマルラミネート法は基材層112と接着層113とが積層された多層フィルムを予め用意し、接着層113にバリア層114を重ね合わせて加熱ロールにより、基材層112とバリア層114で接着層113を挟持しながら熱圧着する。また、サーマルラミネート法において、バリア層114と接着層113とが積層された多層フィルムを予め用意し、加熱したバリア層114と接着層113に基材層112を重ね合わせて基材層112とバリア層114で接着層113を挟持しながら熱圧着してもよい。これにより、当接する接着層113とバリア層114との界面で接着層113が溶融してバリア層114に接着する。
【0040】
なお、サーマルラミネート法において予め用意する基材層112と接着層113とが積層された多層フィルムは基材層112を構成する樹脂フィルムに接着層113を構成する樹脂を溶融押し出し又は溶液コーティング(液状塗工)により積層して乾燥させた後、接着層113を構成する樹脂の融点以上の温度で焼付けて形成する。焼付けを行うことにより、バリア層114と接着層113との接着強度が向上する。また、サーマルラミネート法において予め用意するバリア層114と接着層113とが積層された多層フィルムについても同様にバリア層114を構成する金属箔に接着層113を構成する樹脂を溶融押し出し又は溶液コーティングにより積層して乾燥させた後、接着層113を構成する樹脂の融点以上の温度で焼付けることが好ましい。
【0041】
また、接着層113は異なる樹脂種で多層化してもよい。例えば、接着層113を2層の異なる樹脂で構成する場合、基材層112を構成する樹脂フィルムの上に接着層113を構成する異なる2種の樹脂を溶融押出しして積層する。このとき、基材層112側に配される樹脂を基材層112との接着性に優れる樹脂を選択し、バリア層114側に配される樹脂を金属との接着性に優れる樹脂を選択することが好ましい。これにより、基材層112とバリア層114とのラミネーション強度が強くなる。具体的には、バリア層114側に金属との接着性に優れる酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリエステルを含む樹脂を配することが好ましい。
【0042】
サンドラミネート法は接着層113となる樹脂をバリア層114の上面に溶融押し出しして基材層112を構成する樹脂フィルムをバリア層114に貼り合わせる。このとき、樹脂フィルムを貼り合わせて仮接着した後、再度加熱して本接着を行う。なお、サンドラミネート法においても接着層113を異なる樹脂種で多層化してもよい。この場合、基材層112と接着層113とが積層された多層フィルムを予め用意し、バリア層114の上面に接着層113を構成する樹脂を溶融押出して多層の樹脂フィルムとサーマルラミネート法により積層する。これにより、多層フィルムを構成する接着層113とバリア層114の上面に積層された接着層113とが接着して2層の接着層113が形成される。
【0043】
また、バリア層114と接着層113とが積層された多層フィルムを予め用意し、基材層112の上に接着層113を構成する樹脂を溶融押出してバリア層114と基材層112とを積層してもよい。これにより、バリア層114と基材層112との間に2層の異なる樹脂種で構成される接着層113が形成される。
【0044】
なお、サーマルラミネート法又はサンドラミネート法により積層された包装材料110を接着層113を構成する樹脂の融点以上で熱処理することが好ましい。これにより、接着層113の一部が溶融して接着層113と基材層112とのラミネーション強度及び接着層113とバリア層114とのラミネーション強度が向上する。なお、熱処理の方法としては熱ロール接触式、熱風式、赤外線加熱、近赤外線加熱、誘電加熱、熱抵抗加熱等がある。また、熱処理は包装材料110をプレス成型した後に行ってもよい。これにより、プレス成型の際に発生したピンホールを修復することができる。
【0045】
熱接着層116は包装材料110の最内層に配され、熱によって溶融して対向する包装材料110を相互に融着する熱接着性樹脂からなる。また、熱接着層116と正極タブ123a又は負極タブ123bとの間にタブフィルムを介在させるか否かで樹脂種が異なる。タブフィルムを介在させる場合には、オレフィン系樹脂の単体ないし混合物などからなるフィルムを用いればよい。また、タブフィルムを介在させない場合、不飽和カルボン酸でグラフト変性した酸変性オレフィンを用いればよい。
【0046】
また、熱接着層116としてはポリプロピレンが好適に用いられる。その他にも線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンの単層または多層からなるフィルムも使用できる。また、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンの混合樹脂からなる単層または多層からなるフィルムも使用できる。
【0047】
また、熱接着層116に各タイプのポリプロピレンを用いる場合、例えば、ランダムプロピレン、ホモプロピレン、ブロックプロピレン等の各タイプを用いることができる。また、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンには、低結晶性のエチレンーブテン共重合体、低結晶性のプロピレンーブテン共重合体、エチレンとブテンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリマーを添加してもよい。また、これらの樹脂にシリカ、ゼオライト、アクリル樹脂ビーズ等のアンチブロッキング剤(AB剤)、脂肪酸アマイド系のスリップ剤を添加してもよい。
【0048】
酸変性ポリオレフィン層115はバリア層114と熱接着層116とを安定して接着する樹脂層であり、酸変性ポリプロピレンが好適に用いられる。また、酸変性ポリオレフィン層115は熱接着層116に用いる樹脂種により適宜選択して用いる必要がある。このため、酸変性ポリプロピレン以外の酸変性ポリオレフィンを用いる場合、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリオレフィン、不飽和カルボン酸でグラフト変性したエチレンとアクリル酸との共重合体、不飽和カルボン酸でグラフト変性したプロピレンとアクリル酸との共重合体、不飽和カルボン酸でグラフト変性したエチレンとメタクリル酸との共重合体、不飽和カルボン酸でグラフト変性したプロピレンとメタクリル酸との共重合体、不飽和カルボン酸でグラフト変性した金属架橋ポリオレフィン等がある。また、これらの樹脂に必要に応じてブテン成分、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、非晶質のエチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等を5%以上添加してもよい。
【0049】
また、酸変性ポリプロピレンを用いる場合、
(1)ビガット軟化点115℃以上、融点150℃以上のホモタイプ
(2)ビガット軟化点105℃以上、融点130℃以上のエチレンープロピレンとの共重合体(ランダム共重合タイプ)
(3)融点110℃以上である不飽和カルボン酸を用い酸変性重合した単体又は混合物等を用いることができる。
【0050】
本実施形態によると、接着層113は共重合ポリアミド、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、共重合ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリアミドとポリエステルとの混合樹脂、ポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、から選ばれた少なくとも1種の樹脂で構成される。これにより、これらの樹脂はドライラミネーション用の接着剤と比較して展延性に優れ、高湿度の条件下においても耐久性に優れる。また、ヒートシール時にかかる熱に対しても熱劣化し難い。このため、基材層112とバリア層114との間のラミネーション強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を防ぐことができる。
【0051】
また、基材層112はナイロン6、ナイロン66、ナイロン12のいずれかからなるポリアミド又は共重合ポリアミドで構成される。
【0052】
また、接着層113に用いられるポリエステルをポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、から選ばれた1種又は2種以上を混合した樹脂で構成することにより、接着層113と基材層112とのラミネーション強度が向上する。
【0053】
また、接着層113を種類の異なる樹脂により多層化することにより、基材層112と当接する層に基材層112との接着性に優れる樹脂を配し、バリア層114側に金属箔に対して接着性に優れる樹脂を配すことができる。これにより、接着層113を介して基材層112とバリア層114のラミネーション強度が向上する。
【0054】
また、基材層112及び接着層113をサーマルラミネート法またはサンドラミネート法により積層することにより、包装材料110の生産性を高めることができる。
【0055】
また、バリア層114は金属箔の少なくとも一方の面に化成処理を施すことにより、化成処理を施した面の樹脂に対するラミネーション強度を高めることができる。
【0056】
なお、本実施形態において、上記各層間に異なる層を介在させてもよい。また、リチウムイオン電池121について述べているが、リチウムイオン電池本体122以外の電気化学セル本体を包装材料110からなる包装体120で包装してリチウムイオン電池121以外の電気セルを作製してもよい。
【0057】
例えば、電気化学セルとはリチウムイオン電池以外にニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムメタル一次電池あるいは二次電池、リチウムポリマー電池等の化学電池及び電気二重層キャパシタ、キャパシタ、電解コンデンサが含まれる。ここで、電気化学セル本体とは包装材料封入前の正極活物質及び正極集電体から成る正極と、負極活物質及び負極集電体から成る負極と、正極及び負極間に充填される電解質とを含むセル(蓄電部)と、セル内の正極及び負極に連結される電極端子等、電気エネルギーを発生させる電気デバイス要素全てを含む。
【実施例】
【0058】
次に本発明の作用及び効果について、実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。本実施例では、電気化学セル用包装材料を構成する基材層をサーマルラミネート法、サンドラミネート法、ドライラミネート法のいずれかの方法によりバリア層の上面に積層し、これらの耐久性、成型性についての評価を行った。
【0059】
[電気化学セル用包装材料のサンプル作製]
実施例1〜7に係る電気化学セル用包装材料110はアルミニウム(厚さ40μm)の両面に化成処理を施し、一方の化成処理面に基材層112(厚さ15μm)と接着層113とが積層された多層フィルムをサーマルラミネート法により積層した。
【0060】
実施例8〜11に係る電気化学セル用包装材料110はアルミニウム(厚さ40μm)の両面に化成処理を施し、一方の化成処理面に接着層113を構成する樹脂を溶融押出しして基材層112と接着層113とが積層された多層フィルムをサンドラミネート法により積層した。これにより、接着層113は2層化される。
【0061】
また、実施例1〜11、比較例1〜3に係る電気化学セル用包装材料はアルミニウムの他方の化成処理面は酸変性ポリプロピレン(厚さ25μm)とポリプロピレン(厚さ25μm)を溶融した状態で共押出しして積層した。
【0062】
なお、化成処理は、処理液として、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、リン酸からなる処理液をロールコート法により塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件において焼付けた。ここで、クロムの塗布量は10mg/m2(乾燥重量)とした。また、実施例1〜10、比較例1、3に係る電気化学セル用包装材料は一旦冷却した後にアルミニウムを190℃になるまで加熱し、5秒間その温度を保持して熱処理を施した。
【0063】
[実施例1]
実施例1に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸のナイロン6(厚さ12μm)、接着層113にナイロン6とテレフタル酸の共重合ポリアミド(以下、ナイロン6Tと略す、厚さ10μm)を用いた。
【0064】
[実施例2]
実施例2に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸のナイロン12(厚さ15μm)を用い、接着層113を設けなかった。
【0065】
[実施例3]
実施例3に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸の と との共重合ポリアミド(厚さ15μm)、接着層113にポリエーテルエステルアミド共重合体(以下、PEEAと略す、厚さ5μm)を用いた。
【0066】
[実施例4]
実施例4に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸のナイロン6(厚さ15μm)、接着層113にナイロン6とイソフタル酸とテレフタル酸の共重合ポリアミド(以下、ナイロン6ITと略す)と酸変性ポリプロピレン(以下、PPaと略す)の混合樹脂(厚さ15μm)を用いた。
【0067】
[実施例5]
実施例5に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸のナイロン6(厚さ5μm)、接着層113にポリエステルアミド共重合体(以下、PEPAと略す)とエチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、PETIと略す)との混合樹脂(厚さ10μm)を用いた。
【0068】
[実施例6]
実施例6に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112にナイロン6とナイロン66との混合樹脂からなる2軸延伸フィルム(厚さ15μm)、接着層113にポリメタキシリレンアジパド(以下、MXD6と略す)とナイロン6ITの混合樹脂(厚さ10μm)を用いた。
【0069】
[実施例7]
実施例7に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸したナイロン6、接着層113にPEPA、PETIとPPaの混合樹脂、PPaを有する多層フィルムを用いた。接着層113はPEPA、PETIとPPaの混合樹脂、PPaの3層が順に積層され、基材層112側にPEPAが配され、バリア層114側にPPaが配される。
【0070】
実施例7に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112であるナイロン6(厚さ5μ)の一方の面に、PEPA、PETIとPPaの混合樹脂(10μm)が順に積層された多層フィルムと、バリア層114であるアルミニウムの上面に接着層113となるPPaを厚さ3μmで液状塗工で積層して180℃で乾燥させた多層フィルムとを予め用意し、多層フィルム同士をサーマルラミネーションにより積層した。
【0071】
[実施例8]
実施例8に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸のナイロン6、接着層113にPEEAを用いた。なお、実施例7では2軸延伸のナイロン6(厚さ12μ)にPEEAを10μmの厚さで溶融押出しして積層した多層の樹脂フィルムを用いた。アルミニウムの上面にPEEAを厚さ15μmで溶融押出しして多層の樹脂フィルムをサンドラミネート法により積層した。
【0072】
[実施例9]
実施例9に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸のナイロン6とナイロン66との共重合ポリアミド、接着層113にナイロン6ITとナイロン12の混合樹脂を用いた。なお、実施例9では2軸延伸のナイロン6とナイロン66との共重合ポリアミド(厚さ12μ)にナイロン12を5μmの厚さで溶融押出しして積層した多層の樹脂フィルムを用いた。アルミニウムの上面にナイロン6ITとナイロン12の混合樹脂を厚さ15μmで溶融押出しして多層の樹脂フィルムをサンドラミネート法により積層した。
【0073】
[実施例10]
実施例10に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸のナイロン6、接着層113にMXD6と酸変性ポリプロピレンの混合樹脂、酸変性ポリプロピレンを用いた。接着層113は多層化され、基材層112側に上記混合樹脂が配され、バリア層114側に酸変性ポリプロピレンが配される。また、実施例10では2軸延伸のナイロン6(厚さ12μ)とナイロン6Tと酸変性ポリプロピレンの混合樹脂(厚さ10μm)の多層の樹脂フィルムを用い、アルミニウムの上面に酸変性ポリプロピレンを厚さ15μmで溶融押出しして多層の樹脂フィルムをサンドラミネート法により積層した。
【0074】
[実施例11]
実施例11に係る電気化学セル用包装材料110は基材層112に2軸延伸のナイロン6(厚さ5μm)、接着層113にポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)共重合体(以下、PBTIと略す)とナイロン6ITとPEEAとの混合樹脂、PETIとPBTIの混合樹脂を用いた。接着層113は多層化され、基材層112側に上記PBTIとナイロン6ITとPEEAとの混合樹脂が配され、バリア層114側にPETIとPBTIの混合樹脂が配される。また、実施例11では2軸延伸のナイロン6(厚さ15μ)と、PBTIとナイロン6ITとPEEAとの混合樹脂(厚さ10μ)の多層の樹脂フィルムを用い、アルミニウムの上面にPETIとPBTIの混合樹脂を厚さ15μmで溶融押出しして多層の樹脂フィルムをサンドラミネート法により積層した。
【0075】
[比較例1]
比較例1に係る電気化学セル用包装材料はアルミニウム(厚さ40μm)の両面に上記化成処理を施し、一方の化成処理面に2液硬化型ポリウレタン系接着剤(厚さ4μm)を塗布して2軸延伸のナイロン6(厚さ12μm)とナイロン6ITからなる多層フィルムをドライラミネート法により積層した。
【0076】
[比較例2]
比較例2に係る電気化学セル用包装材料はアルミニウム(厚さ40μm)の両面に化成処理を施し、一方の化成処理面に2軸延伸のナイロン6フィルム(厚さ15μm)をサーマルラミネート法により直接積層した。
【0077】
[比較例3]
比較例3に係る電気化学セル用包装材料はアルミニウム(厚さ40μm)の両面に化成処理を施し、一方の化成処理面に溶融した酸変性ポリプロピレンを厚さ25μmで押出し、2軸延伸のナイロン6フィルム(厚さ15μm)をサンドラミネート法により積層した。
【0078】
[耐久性の評価]
耐久性の評価は実施例1〜11、及び比較例1〜3に係る包装材料を温度65℃、湿度95%の条件下で1000時間保管した後、基材層側から接着層が黄変しているか否かを目視により観察した。また、基材層とバリア層とのラミネーション強度(ラミ強度)を保管前後で測定してラミネーション強度の減少率を算出した。その結果を表1に示す。
[成型性の評価]
【0079】
成型性の評価は実施例1〜11、及び比較例1〜3に係る包装材料を80mm×120mmに裁断した後、35mm×50mmの口径の成型金型(メス型)とこれに対応した成型金型(オス型)にて、0.1MPaで6.0mmの深さに冷間成型し、包装材料の基材層側の表面にピンホールが発生しているか否かを目視により観察した。また、成型後の包装材料をヒートシール(190℃、10秒、面圧2MPa)して温度65℃、湿度95%の条件下で1000時間保管した後、基材層とバリア層の間にデラミネーションが発生しているか否かを目視により観察した。なお、実施例1〜11、及び比較例1〜3に係る各包装材料について10体ずつプレス成型し、ピンホールの発生率及びデラミネーション(デラミ)の発生率を算出した。その結果を表1に示す。なお、プレス成型前に包装材料の表面にシワが発生しているかについて確認後、プレス成型を行った。
【0080】
【表1】
【0081】
表1に示すように、実施例1〜11に係る包装材料110は黄変が観察されず(○)、且つ、ラミ強度の減少率も20%以下であり、比較例1〜3と比較して低かった。また、ピンホール及びデラミネーションの発生は確認されなかった。また、比較例1のドライラミネート法により積層された包装材料は他の包装材料と比較してシワの発生率が高かった。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムメタル一次電池あるいは二次電池、リチウムポリマー電池、金属空気電池、多価カチオン電池等の化学電池及び電気二重層キャパシタ、キャパシタ、電解コンデンサを包装する包装体として用いることができる。
【符号の説明】
【0083】
110 包装材料
112 基材層
113 接着層
114 バリア層
115 酸変性ポリオレフィン層
116 熱接着層
120 包装体
120a 収納部
120b 蓋部
121 リチウムイオン電池
122 リチウムイオン電池本体
123a 正極タブ
123b 負極タブ
図1
図2
図3