特許第6035824号(P6035824)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035824
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】昇圧回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/07 20060101AFI20161121BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20161121BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20161121BHJP
【FI】
   H02M3/07
   H01L27/04 G
【請求項の数】4
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-86885(P2012-86885)
(22)【出願日】2012年4月5日
(65)【公開番号】特開2013-219879(P2013-219879A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2014年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】井上 文裕
【審査官】 神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−201227(JP,A)
【文献】 特開2012−059097(JP,A)
【文献】 特開2001−110184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/07
H01L 21/822
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャパシタと、
前記キャパシタに接続されたトランジスタと、
電源電圧に対する昇圧率を前記電源電圧に応じて変化させる基準電圧を、前記トランジスタに供給する基準電圧発生回路とを備え、
前記基準電圧発生回路は、前記電源電圧が所定値よりも高い場合において、前記電源電圧が高いときの前記昇圧率は前記電源電圧が低いときよりも小さくなるように、前記トランジスタに前記基準電圧を供給し、前記電源電圧が前記所定値よりも低い場合において、前記電源電圧が高いときの前記昇圧率は前記電源電圧が低いときよりも大きくなるように、前記トランジスタに前記基準電圧を供給する、昇圧回路。
【請求項2】
前記基準電圧発生回路は、前記電源電圧が前記所定値よりも高い場合において、前記電源電圧を昇圧して得られた昇圧電圧を所定の上限値以下に制限する、請求項に記載の昇圧回路。
【請求項3】
前記基準電圧発生回路は、前記電源電圧を昇圧して得られた昇圧電圧を温度に応じて補正する、請求項1又は2に記載の昇圧回路。
【請求項4】
前記基準電圧発生回路は、
非反転増幅回路と、
該非反転増幅回路の出力電圧に基づいて前記基準電圧を生成する反転増幅回路とを有する、請求項1からのいずれか一項に記載の昇圧回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇圧を行うためのキャパシタを備える昇圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電源電圧を2倍に昇圧する昇圧回路が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−239609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、半導体プロセスの耐圧付近の電源電圧で昇圧回路が動作する場合、上述のような技術では、昇圧後の電圧がその耐圧を超えるため、昇圧回路を使用できる電源電圧範囲が限られてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、使用可能な電源電圧範囲を広げることができる、昇圧回路の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る昇圧回路は、
キャパシタと、
前記キャパシタに接続されたトランジスタと、
電源電圧に対する昇圧率を前記電源電圧に応じて変化させる基準電圧を、前記トランジスタに供給する基準電圧発生回路とを備え、
前記基準電圧発生回路は、前記電源電圧が所定値よりも高い場合において、前記電源電圧が高いときの前記昇圧率は前記電源電圧が低いときよりも小さくなるように、前記トランジスタに前記基準電圧を供給し、前記電源電圧が前記所定値よりも低い場合において、前記電源電圧が高いときの前記昇圧率は前記電源電圧が低いときよりも大きくなるように、前記トランジスタに前記基準電圧を供給するものである。

【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、使用可能な電源電圧範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】クロックブースタ回路の一構成例である。
図2】クロックブースタ回路のクロックタイミングである。
図3】電源電圧に対する基準電圧の変化例を示した図である。
図4A】基準電圧発生回路の一構成例である。
図4B】基準電圧発生回路の一構成例である。
図4C】基準電圧発生回路の一構成例である。
図5】クロックブースタ回路の一構成例である。
図6】クロックブースタ回路の一構成例である。
図7】クロックブースタ回路の一構成例である。
図8】クロックブースタ回路の一構成例である。
図9】クロックブースタ回路の一構成例である。
図10】チャージポンプ回路の一構成例である。
図11】チャージポンプ回路のクロックタイミングである。
図12】チャージポンプ回路の一構成例である。
図13】チャージポンプ回路の一構成例である。
図14】チャージポンプ回路の一構成例である。
図15】基準電圧発生回路の一構成例である。
図16】基準電圧V6と昇圧電圧V5,V17の電源電圧VDDに対する変化の一例を示した図である。
図17】可変抵抗の構成例である。
図18】MOSFETのVgs−Id特性である。
図19】MOSFETのVgs−Id特性(縦軸logスケール)である。
図20】電圧V6bの変化を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、各図面において、ゲートに丸印を付したトランジスタはPチャネル型MOSFETを表し、ゲートに丸印を付していないトランジスタはNチャネル型MOSFETを表す。
【0010】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るクロックブースタ回路1の構成図である。クロックブースタ回路1は、発振回路11から供給されるGND−VDD振幅のクロック信号の電圧V1を昇圧して出力する。クロックブースタ回路1は、サンプリングキャパシタC0と、サンプリングキャパシタC0に接続されたトランジスタM0と、基準電圧発生回路14とを備えている。基準電圧発生回路14は、電源電圧VDDに対する昇圧率を電源電圧VDDに応じて変化させる基準電圧V6を、トランジスタM0に供給する。また、クロックブースタ回路1は、電源電圧VDDを昇圧するための他の回路要素として、トランジスタM1,M2と、発振回路11と、インバータ12,13とを備えている。
【0011】
基準電圧発生回路14は、電源電圧VDDを昇圧するための基準電圧V6を発生させ、トランジスタM0の制御電極であるゲートに対して基準電圧V6を供給する。トランジスタM0は、基準電圧発生回路14から供給される基準電圧V6に応じて制御され、サンプリングキャパシタC0に任意の電荷をチャージするスイッチである。
【0012】
トランジスタM0は、サンプリングキャパシタC0にソースフォロワ接続されている。トランジスタM0は、電源電圧VDDに接続されたドレインを第1の主電極として有し、サンプリングキャパシタC0の片方の出力側電極にノードN4を介して接続されるソースを第2の主電極として有している。
【0013】
トランジスタM0の具体例として、Depletion NMOS(ディプレション形NチャネルMOSFET)、Native NMOS(ネイティブ形Nチャネル型MOSFET) Enhancement NMOS(エンハンスメント形NチャネルMOSFET)などが挙げられる。
【0014】
このような回路構成により、インバータ13とサンプリングキャパシタC0とが接続されるノードN3がハイレベルとなる昇圧時に、トランジスタM0が自動的にオフする。
【0015】
クロックブースタ回路1は、図2のクロックタイミングに従って動作する。ノードN1,N3がLow(ロー)レベルのとき、基準電圧発生回路14から供給される基準電圧V6に依存した電圧V6aまでサンプリングキャパシタC0の電圧V4は上昇し、サンプリングキャパシタC0に電荷が蓄えられる。電圧V6aは、トランジスタのM0のゲート閾値電圧をVthとおくと、
V6a=V6−Vth ・・・(1)
で表される。
【0016】
一方、ノードN1,N3がHigh(ハイ)レベルのとき、サンプリングキャパシタC0のクロック信号入力側の電極電圧がGNDからVDDに変更される。そのため、ノードN4にソースが接続されたトランジスタM1のドレイン(トランジスタM1のドレインとトランジスタM2のドレインとが接続されるノードN5)から、電源電圧VDDを昇圧して得られる電圧(昇圧電圧)V5として、
V5=VDD+V6a
=VDD+V6−Vth ・・・(2)
が出力される。
【0017】
例えば、トランジスタM0がディプレション形NチャネルMOSFETのとき、常温時のゲート閾値電圧Vthを−0.6Vとすると、
V5=VDD+V6+0.6 ・・・(3)
で表され、トランジスタM0がネイティブ形NチャネルMOSFETのとき、常温時のゲート閾値電圧Vthを0Vとすると、
V5=VDD+V6 ・・・(4)
で表され、トランジスタM0がエンハンスメント形NチャネルMOSFETのとき、常温時のゲート閾値電圧Vthを0.6Vとすると、
V5=VDD+V6−0.6 ・・・(5)
で表される。
【0018】
図3は、電源電圧VDDに対する基準電圧V6の変化例を示した図である。基準電圧発生回路14は、図3(a),図3(b),図3(c)のいずれかのように基準電圧V6を変化させることによって、サンプリングキャパシタC0の電圧V6a(=V6−Vth)の昇圧率を電源電圧VDDに応じて変化させることができる。
【0019】
図3(a)は、電源電圧VDDによらずに一定の基準電圧V6を発生させる例である。図3(b)は、電源電圧VDDが増加するにつれて基準電圧V6を線形的に減少させる例である。図3(c)は、基準電圧VDDが増加するにつれて基準電圧V6を階段状に減少させる例である。
【0020】
例えば、トランジスタM0がエンハンスメント形NチャネルMOSFETで図3(a)のように基準電圧V6を変化させる場合の昇圧率は、以下のように計算できる。上式(5)によれば、電源電圧VDDが2Vのときに基準電圧V6が1.6Vの場合、昇圧電圧V5は3Vであるため、昇圧率(=V5/VDD)は1.5倍である。また、電源電圧VDDが4Vに上昇しても基準電圧V6が1.6Vのままの場合、昇圧電圧V5は5Vであるため、昇圧率は1.25倍に減少する。
【0021】
また、トランジスタM0がエンハンスメント形NチャネルMOSFETで図3(b)のように基準電圧V6を変化させる場合の昇圧率は、以下のように計算できる。上式(5)によれば、電源電圧VDDが2Vのときに基準電圧V6が1.6Vの場合、昇圧電圧V5は3Vであるため、昇圧率(=V5/VDD)は1.5倍である。また、電源電圧VDDが4Vに上昇したときに基準電圧V6を1.2Vに減少させた場合、昇圧電圧V5は4.6Vであるため、昇圧率は1.15倍に減少する。
【0022】
図3(c)の場合も同様である。また、トランジスタM0がディプレション形、ネイティブ形の場合も同様である。
【0023】
このように、電源電圧VDDが上昇するにつれて昇圧率を減少させることができ、電源電圧VDDが減少するにつれて昇圧率を増加させることができるので、使用可能な電源電圧VDDの範囲を広げることができる。例えば、電源電圧VDDが高ければプロセスの耐圧を超える昇圧を制限できるため、故障による信頼性低下を回避できる。また、電源電圧VDDが低くても、昇圧電圧V5が所望の値まで上昇しないことを回避できる。
【0024】
<基準電圧発生回路14の構成例>
図4A図4B,4Cは、電源電圧VDDに応じて昇圧率を変化させる基準電圧V6を生成可能な基準電圧発生回路14の構成例を示している。図4Aの基準電圧発生回路14Aによれば、図3(a),図3(c)のように変化する基準電圧V6を生成できる。図4Bの基準電圧発生回路14Bによれば、図3(a),図3(c)のように変化する基準電圧V6を生成できる。図4Cの基準電圧発生回路14Cによれば、図3(b)のように変化する基準電圧V6を生成できる。
【0025】
図4Aの基準電圧発生回路14Aは、所定の電圧VREFを出力するボルテージフォロワ21と、ボルテージフォロワ21の出力端子とグランドとの間に挿入されたラダー抵抗22と、ラダー抵抗22による分圧点を選択するスイッチ回路23とを有している。基準電圧発生回路14Aは、電源電圧VDD毎に対応付けされて格納されたレジスタ24のレジスタデータに応じて、スイッチ回路23をオン/オフさせることによって、図3(a),図3(c)のように変化する基準電圧V6を生成できる。
【0026】
図4Bの基準電圧発生回路14Bは、非反転入力端子に電圧VREFが入力されるオペアンプ25を有している。オペアンプ25の出力端子とグランドとの間の電圧が可変抵抗26と固定抵抗27とによって分圧されて負帰還される。基準電圧発生回路14Bは、電源電圧VDD毎に対応付けされて格納されたレジスタ24のレジスタデータに応じて、可変抵抗26の抵抗値を変更する。これにより、オペアンプ25のゲインが電源電圧VDDに応じて変化するため、図3(a),図3(c)のように変化する基準電圧V6を生成できる。
【0027】
図4Cの基準電圧発生回路14Cは、非反転入力端子に電圧VREFが入力されるオペアンプ30を有している。オペアンプ30の出力端子と電源電圧VDDとの間の電圧が固定抵抗29と固定抵抗28とによって分圧されて負帰還される。基準電圧発生回路14Cは、電圧VREF基準で電源電圧VDDを反転増幅させることによって、図3(b)のように変化する基準電圧V6を生成できる。
【0028】
<第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態に係るクロックブースタ回路2の構成図である。上述の実施形態と同様の構成についての説明は省略する。クロックブースタ回路2は、サンプリングキャパシタC0を基準電圧V6でチャージする回路である。基準電圧発生回路14によって生成される基準電圧V6は、トランジスタM0のドレインに供給される。トランジスタM0のゲートが接続されるノードN7には、例えば一定の電圧が入力される。
【0029】
したがって、本構成によれば、電源電圧VDDが上昇するにつれて昇圧率を減少させることができ、電源電圧VDDが減少するにつれて昇圧率を増加させることができるので、使用可能な電源電圧VDDの範囲を広げることができる。
【0030】
<第3の実施形態A>
図6は、第3の実施形態に係るクロックブースタ回路3Aの構成図である。上述の実施形態と同様の構成についての説明は省略する。クロックブースタ回路3Aは、トランジスタM1,M1’のドレインが接続されるノードN5,N5’から、互いに反転したクロック電圧である昇圧電圧V5,V5’を同時に作る回路である。
【0031】
クロックブースタ回路3Aは、サンプリングキャパシタC0,C0’と、サンプリングキャパシタC0,C0’に接続されたトランジスタM0,M0’と、基準電圧発生回路14とを備えている。基準電圧発生回路14は、電源電圧VDDに対する昇圧率を電源電圧VDDに応じて変化させる基準電圧V6を、トランジスタM0,M0’の制御電極であるゲートに供給する。クロックブースタ回路3Aは、電源電圧VDDを昇圧するための他の回路要素として、トランジスタM1,M2,M1’,M2’と、発振回路11と、インバータ12,13とを備えている。
【0032】
クロックブースタ回路3Aは、図2のクロックタイミングに従って動作する。
【0033】
(1)ノードN1がLowレベルのとき、ノードN2がHighレベル、ノードN3がLowレベルである。
・キャパシタC0にGND基準で(V6−(M0のVth))がサンプリングされるため、ノードN4は(V6−(M0のVth))となる。
・トランジスタM1がオフ、トランジスタM2がオンし、昇圧電圧V5はLowレベルとなる。
・キャパシタC0’はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0’がオフするため、ノードN4’は(VDD+(V6−(M0’のVth)))となる。
・トランジスタM1’がオン、トランジスタM2’がオフし、ノードN4’の電圧がノードN5’に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0’のVth)))。
【0034】
(2)ノードN1がHighレベルのとき、ノードN2がLowレベル、ノードN3がHighレベルである。
・キャパシタC0’にGND基準で(V6−(M0のVth))がサンプリングされるため、ノードN4’は(V6−(M0’のVth))となる。
・トランジスタM1’がオフ、トランジスタM2’がオンし、昇圧電圧V5’はLowレベルとなる。
・キャパシタC0はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0がオフするため、ノードN4は(VDD+(V6−(M0のVth)))となる。
・トランジスタM1がオン、トランジスタM2がオフし、ノードN4の電圧がノードN5に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0のVth)))。
【0035】
(1)と(2)を繰り返すことにより、ノードN5,N5’から昇圧されたクロックが出力される(N5とN5’は反転の関係)。
【0036】
<第3の実施形態B>
図7は、クロックブースタ回路3Aの変形例であるクロックブースタ回路3Bの構成図である。クロックブースタ回路3Aに対して、スイッチSW1,SW2,SW1’,SW2’が追加されている。スイッチSW1,SW2,SW1’,SW2’は、トランジスタM0,M0’のゲートに供給される制御電圧を、基準電圧V6又はGNDに選択的に切り替える切替回路である。スイッチSW1,SW2,SW1’,SW2’は、発振回路11から供給されるクロック信号に同期してオン/オフする。スイッチSW1,SW2,SW1’,SW2’は、例えばMOSFETで構成されるとよい。
【0037】
基準電圧V6がVDD電位に近い条件で、トランジスタM0,M0’にネイティブ又はディプレション形のNチャネルMOSFETを使用する場合、本構成を採用すると、好適である。すなわち、基準電圧V6が電源電圧VDDに近い場合、ゲート−ソース間電圧が0Vに近づくため、トランジスタM0,M0’がネイティブ又はディプレション形のNチャネルMOSFETの場合、トランジスタM0,M0’がオフしないおそれがある。本構成によれば、ノードN4,N4’からVDDへのリークパスが発生することを抑えることができるため、昇圧不能な状態に陥ることを防止できる。
【0038】
クロックブースタ回路3Bは、図2のクロックタイミングに従って動作する。
【0039】
(1)ノードN1がLowレベルのとき、ノードN2がHighレベル、ノードN3がLowレベルである。
・スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフのとき、ノードN7に基準電圧V6が印加される。
・スイッチSW1’がオフ、スイッチSW2’がオンのとき、ノードN7’にGNDが印加される。
・キャパシタC0にGND基準で(V6−(M0のVth))がサンプリングされるため、ノードN4は(V6−(M0のVth))となる。
・トランジスタM1がオフ、トランジスタM2がオンし、昇圧電圧V5はLowレベルとなる。
・キャパシタC0’はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0’がオフするため、ノードN4’は(VDD+(V6−(M0’のVth)))となる。トランジスタM0’のゲート電位がGNDのため、トランジスタM0’のゲート−ソース間電圧Vgsは−VDD以下となり、トランジスタM0’にネイティブ又はディプレション形のNチャネルMOSFETを使用したとしてもリーク電流は発生しない。
・トランジスタM1’がオン、トランジスタM2’がオフし、ノードN4’の電圧がノードN5’に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0’のVth)))。
【0040】
(2)ノードN1がHighレベルのとき、ノードN2がLowレベル、ノードN3がHighレベルである。
・スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオンのとき、ノードN7にGNDが印加される。
・スイッチSW1’がオン、スイッチSW2’がオフのとき、ノードN7’に基準電圧V6が印加される。
・キャパシタC0’にGND基準で(V6−(M0’のVth))がサンプリングされるため、ノードN4’は(V6−(M0’のVth))となる。
・トランジスタM1’がオフ、トランジスタM2’がオンし、昇圧電圧V5’はLowレベルとなる。
・キャパシタC0はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0がオフするため、ノードN4は(VDD+(V6−(M0のVth)))となる。トランジスタM0のゲート電位がGNDのため、トランジスタM0のゲート−ソース電圧Vgsは−VDD以下となり、トランジスタM0にネイティブ又はディプレション形のNチャネルMOSFETを使用したとしてもリーク電流は発生しない。
・トランジスタM1がオン、トランジスタM2がオフし、ノードN4の電圧がノードN5に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0のVth)))。
【0041】
(1)と(2)を繰り返すことにより、ノードN5,N5’から昇圧されたクロックが出力される(N5とN5’は反転の関係)。
【0042】
<第3の実施形態C>
図8は、クロックブースタ回路3Aの変形例であるクロックブースタ回路3Cの構成図である。クロックブースタ回路3Aに対して、トランジスタM3,M3’が追加されている。クロックブースタ回路3Cは、サンプリングキャパシタC0,C0’と、サンプリングキャパシタC0,C0’にトランジスタM3,M3’を介して接続されたトランジスタM0,M0’と、基準電圧発生回路14とを備えている。
【0043】
トランジスタM3は、トランジスタM1,M2のゲートに接続されたノードN2に接続されるゲートと、トランジスタM0のソースに接続されたドレインと、ノードN4に接続されたソースとを有している。トランジスタM3’は、トランジスタM1’,M2’のゲートに接続されたノードN3に接続されるゲートと、トランジスタM0’のソースに接続されたドレインと、ノードN4’に接続されたソースとを有している。
【0044】
クロックブースタ回路3Cは、図2のクロックタイミングに従って動作する。
【0045】
(1)ノードN1がLowレベルのとき、ノードN2がHighレベル、ノードN3がLowレベルである。
・トランジスタM3がオンし、VDDからトランジスタM0,キャパシタC0への電流パスが発生する。
・キャパシタC0にGND基準で(V6−(M0のVth))がサンプリングされるため、ノードN4は(V6−(M0のVth))となる。
・トランジスタM1がオフ、トランジスタM2がオンし、昇圧電圧V5はLowレベルとなる。
・キャパシタC0’はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0’がオフするため、ノードN4’は(VDD+(V6−(M0’のVth)))となる。トランジスタM3’がオフのため、トランジスタM0’にネイティブ又はディプレション形NチャネルMOSFETを使用したとしてもVDDへのリーク電流は発生しない。
・トランジスタM1’がオン、トランジスタM2’がオフし、ノードN4’の電圧がノードN5’に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0’のVth)))。
【0046】
(2)ノードN1がHighレベルのとき、ノードN2がLowレベル、ノードN3がHighレベルである。
・トランジスタM3‘がオンし、VDDからトランジスタM0’,キャパシタC0’への電流パスが発生する。
・キャパシタC0’にGND基準で(V6−(M0’のVth))がサンプリングされるため、ノードN4’は(V6−(M0’のVth))となる。
・トランジスタM1’がオフ、トランジスタM2’がオンし、昇圧電圧V5’はLowレベルとなる。
・キャパシタC0はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0がオフするため、ノードN4は(VDD+(V6−(M0のVth)))となる。トランジスタM3がオフのため、トランジスタM0にネイティブ又はディプレション形NチャネルMOSFETを使用したとしてもVDDへのリーク電流は発生しない。
・トランジスタM1がオン、トランジスタM2がオフし、ノードN4の電圧がノードN5に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0のVth)))。
【0047】
(1)と(2)を繰り返すことにより、ノードN5,N5’から昇圧されたクロックが出力される(N5とN5’は反転の関係)。
【0048】
<第3の実施形態D>
図9は、クロックブースタ回路3Cの変形例であるクロックブースタ回路3Dの構成図である。クロックブースタ回路3Cに対して、トランジスタM4,M5,M6,M7,M4’,M5’,M6’,M7’が追加されている。トランジスタM4,M5,M6,M7,M4’,M5’,M6’,M7’は、サンプリングキャパシタC0,C0’の電圧に基づいて生成される昇圧電圧V5,V5’の論理をイネーブル信号に従って固定する固定回路である。この固定回路によって、発振回路11からのクロック信号が未入力時に昇圧電圧V5,V5’の論理が不安定となることを防止できる。
【0049】
<第4の実施形態A>
図10は、第4の実施形態に係るチャージポンプ回路4Aの構成図である。チャージポンプ回路4Aは、発振回路11から供給されるGND−VDD振幅のクロック信号の電圧V1を昇圧して出力する。チャージポンプ回路4Aは、サンプリングキャパシタC0,C0’と、サンプリングキャパシタC0に接続されたトランジスタM0と、サンプリングキャパシタC0’に接続されたトランジスタM0’と、基準電圧発生回路14とを備えている。基準電圧発生回路14は、電源電圧VDDに対する昇圧率を電源電圧VDDに応じて変化させる基準電圧V6を、トランジスタM0,M0’に供給する。また、チャージポンプ回路4Aは、電源電圧VDDを昇圧するための他の回路要素として、トランジスタM1,M1’と、発振回路11と、インバータ12,13とを備えている。
【0050】
基準電圧発生回路14は、電源電圧VDDを昇圧するための基準電圧V6を発生させ、トランジスタM0,M0’の制御電極であるゲートに対して基準電圧V6を供給する。トランジスタM0は、基準電圧発生回路14から供給される基準電圧V6に応じて制御され、サンプリングキャパシタC0に任意の電荷をチャージするスイッチである。トランジスタM0’は、基準電圧発生回路14から供給される基準電圧V6に応じて制御され、サンプリングキャパシタC0’に任意の電荷をチャージするスイッチである。
【0051】
トランジスタM0は、サンプリングキャパシタC0にソースフォロワ接続され、トランジスタM0’は、サンプリングキャパシタC0’にソースフォロワ接続されている。トランジスタM0は、電源電圧VDDに接続されたドレインを第1の主電極として有し、サンプリングキャパシタC0の片方の出力側電極にノードN14を介して接続されるソースを第2の主電極として有している。トランジスタM0’は、電源電圧VDDに接続されたドレインを第1の主電極として有し、サンプリングキャパシタC0’の片方の出力側電極にノードN15を介して接続されるソースを第2の主電極として有している。
【0052】
このような回路構成により、インバータ12とサンプリングキャパシタC0とが接続されるノードN12がハイレベルとなる昇圧時に、トランジスタM0が自動的にオフし、インバータ13とサンプリングキャパシタC0’とが接続されるノードN13がハイレベルとなる昇圧時に、トランジスタM0’が自動的にオフする。
【0053】
また、ノードN14には、トランジスタM1のドレインとトランジスタM1’のゲートが接続され、ノードN15には、トランジスタM1’のドレインとトランジスタM1のゲートが接続されている。
【0054】
チャージポンプ回路4Aは、図11のクロックタイミングに従って動作する。ノードN12がLow(ロー)レベルのとき、基準電圧発生回路14から供給される基準電圧V6に依存した電圧V6aまでサンプリングキャパシタC0の電圧V14は上昇し、サンプリングキャパシタC0に電荷が蓄えられる。同様に、ノードN13がLow(ロー)レベルのとき、基準電圧発生回路14から供給される基準電圧V6に依存した電圧V6aまでサンプリングキャパシタC0’の電圧V15は上昇し、サンプリングキャパシタC0’に電荷が蓄えられる。電圧V6aは、トランジスタのM0,M0’のゲート閾値電圧をVthとおくと、
V6a=V6−Vth ・・・(6)
で表される。
【0055】
一方、ノードN12がHigh(ハイ)レベルのとき、サンプリングキャパシタC0のクロック信号入力側の電極電圧がGNDからVDDに変更される。そのため、ノードN14にドレインが接続されたトランジスタM1のソース(トランジスタM1のソースとトランジスタM1’のソースとが接続されるノードN17)から、電源電圧VDDを昇圧して得られる電圧(昇圧電圧)V17として、
V17=VDD+V6a
=VDD+V6−Vth ・・・(7)
が出力される。
【0056】
同様に、ノードN13がHigh(ハイ)レベルのとき、サンプリングキャパシタC0’のクロック信号入力側の電極電圧がGNDからVDDに変更される。そのため、ノードN15にドレインが接続されたトランジスタM1’のソース(トランジスタM1’のソースとトランジスタM1のソースとが接続されるノードN17)から、電源電圧VDDを昇圧して得られる電圧(昇圧電圧)V17が出力される。
【0057】
したがって、本実施形態においても、電源電圧VDDが上昇するにつれて昇圧率を減少させることができ、電源電圧VDDが減少するにつれて昇圧率を増加させることができるので、使用可能な電源電圧VDDの範囲を広げることができる。
【0058】
<第4の実施形態B>
図12は、チャージポンプ回路4Aの変形例であるチャージポンプ回路4Bの構成図である。チャージポンプ回路4Aに対して、スイッチSW11,SW12,SW11’,SW12’が追加されている。スイッチSW11,SW12,SW11’,SW12’は、トランジスタM0,M0’のゲートに供給される制御電圧を、基準電圧V6又はGNDに選択的に切り替える切替回路である。スイッチSW11,SW12,SW11’,SW12’は、発振回路11から供給されるクロック信号に同期してオン/オフする。スイッチSW11,SW12,SW11’,SW12’は、例えばMOSFETで構成されるとよい。
【0059】
基準電圧V6がVDD電位に近い条件で、トランジスタM0,M0’にネイティブ又はディプレション形のNチャネルMOSFETを使用する場合、本構成を採用すると、好適である。すなわち、基準電圧V6が電源電圧VDDに近い場合、ゲート−ソース間電圧が0Vに近づくため、トランジスタM0,M0’がネイティブ又はディプレション形のNチャネルMOSFETの場合、トランジスタM0,M0’がオフしないおそれがある。本構成によれば、ノードN14,N15からVDDへのリークパスが発生することを抑えることができるため、昇圧不能な状態に陥ることを防止できる。
【0060】
チャージポンプ回路4Bは、図11のクロックタイミングに従って動作する。
【0061】
(1)ノードN11がLowレベルのとき、ノードN12がHighレベル、ノードN13がLowレベルである。
・スイッチSW11がオフ、スイッチSW12がオンのとき、トランジスタM0のゲートとスイッチSW11,SW12とが接続されるノードN18にGNDが印加される。
・スイッチSW11’がオン、スイッチSW12’がオフのとき、トランジスタM0’のゲートとスイッチSW11’,SW12’とが接続されるノードN19に基準電圧V6が印加される。
・キャパシタC0’にGND基準で(V6−(M0のVth))がサンプリングされるため、ノードN15は(V6−(M0’のVth))となる。
・キャパシタC0はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0がオフするため、ノードN14は(VDD+(V6−(M0のVth)))となる。トランジスタM0のゲート電位がGNDのため、トランジスタM0のゲート−ソース電圧Vgsは−VDD以下となり、トランジスタM0にネイティブ又はディプレション形のNチャネルMOSFETを使用したとしてもリーク電流は発生しない。
・トランジスタM1がオン、トランジスタM1’がオフし、ノードN14の電圧がノードN17に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0のVth)))。
【0062】
(2)ノードN11がHighレベルのとき、ノードN12がLowレベル、ノードN13がHighレベルである。
・スイッチSW11がオン、スイッチSW12がオフのとき、トランジスタM0のゲートとスイッチSW11,SW12とが接続されるノードN18に基準電圧V6が印加される。
・スイッチSW11’がオフ、スイッチSW12’がオンのとき、トランジスタM0’のゲートとスイッチSW11’,SW12’とが接続されるノードN19にGNDが印加される。
・キャパシタC0にGND基準で(V6−(M0のVth))がサンプリングされるため、ノードN14は(V6−(M0のVth))となる。
・キャパシタC0’はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0’がオフするため、ノードN15は(VDD+(V6−(M0’のVth)))となる。トランジスタM0’のゲート電位がGNDのため、トランジスタM0’のゲート−ソース電圧Vgsは−VDD以下となり、トランジスタM0’にネイティブ又はディプレション形のNチャネルMOSFETを使用したとしてもリーク電流は発生しない。
・トランジスタM1がオフ、トランジスタM1’がオンし、ノードN15の電圧がノードN17に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0’のVth)))。
【0063】
(1)と(2)を繰り返すことにより、ノードN14,N15で昇圧されたクロックのHighレベル部分が合成されてノードN17から出力される。
【0064】
<第4の実施形態C>
図13は、チャージポンプ回路4Aの変形例であるチャージポンプ回路4Cの構成図である。チャージポンプ回路4Aに対して、トランジスタM2,M2’が追加されている。チャージポンプ回路4Cは、サンプリングキャパシタC0,C0’と、サンプリングキャパシタC0,C0’にトランジスタM2,M2’を介して接続されたトランジスタM0,M0’と、基準電圧発生回路14とを備えている。
【0065】
トランジスタM2は、インバータ13の出力端子とサンプリングキャパシタC0’のクロック入力側の電極とに接続されたノードN13に接続されるゲートと、トランジスタM0のソースに接続されたドレインと、ノードN14に接続されたソースとを有している。トランジスタM2’は、インバータ12の出力端子とサンプリングキャパシタC0のクロック入力側の電極とに接続されたノードN12に接続されるゲートと、トランジスタM0’のソースに接続されたドレインと、ノードN15に接続されたソースとを有している。
【0066】
チャージポンプ回路4Cは、図11のクロックタイミングに従って動作する。
【0067】
(1)ノードN11がLowレベルのとき、ノードN12がHighレベル、ノードN13がLowレベルである。
・キャパシタC0’にGND基準で(V6−(M0’のVth))がサンプリングされるため、ノードN15は(V6−(M0’のVth))となる。
【0068】
・キャパシタC0はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0がオフするため、ノードN14は(VDD+(V6−(M0のVth)))となる。トランジスタM2がオフのため、トランジスタM0にネイティブ又はディプレション形NチャネルMOSFETを使用したとしてもVDDへのリーク電流は発生しない。
・トランジスタM1がオン、トランジスタM1’がオフし、ノードN14の電圧がノードN17に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0のVth)))。
【0069】
(2)ノードN11がHighレベルのとき、ノードN12がLowレベル、ノードN13がHighレベルである。
・キャパシタC0にGND基準で(V6−(M0のVth))がサンプリングされるため、ノードN14は(V6−(M0のVth))となる。
【0070】
・キャパシタC0’はVDD基準で持ち上げられ、昇圧するとともにトランジスタM0’がオフするため、ノードN15は(VDD+(V6−(M0’のVth)))となる。トランジスタM2’がオフのため、トランジスタM0’にネイティブ又はディプレション形NチャネルMOSFETを使用したとしてもVDDへのリーク電流は発生しない。
・トランジスタM1がオフ、トランジスタM1’がオンし、ノードN15の電圧がノードN17に出力される(Highレベル:VDD+(V6−(M0’のVth)))。
【0071】
(1)と(2)を繰り返すことにより、ノードN14,N15で昇圧されたクロックのHighレベル部分が合成されてノードN17から出力される。
【0072】
<第4の実施形態D>
図14は、チャージポンプ回路4Dの構成図である。スイッチSW21,22は、トランジスタM0,M0’のゲートに供給される制御電圧を、基準電圧V6又はGNDに選択的に切り替える切替回路である。スイッチSW23は、サンプリングキャパシタC0によるサンプリングの可否を切り替える切替回路である。スイッチSW24,SW25は、サンプリングキャパシタC0の出力可否を切り替える切替回路である。スイッチSW21,SW22,SW23,SW24,SW25は、発振回路11から供給されるクロック信号に同期してオン/オフする。スイッチSW21,SW22,SW23,SW24,SW25は、例えばMOSFETで構成されるとよい。
【0073】
チャージポンプ回路4Dは、図11のクロックタイミングに従って動作する。
【0074】
(1)ノードN11がLowレベルのとき、ノードN12がHighレベル、ノードN13がLowレベルである。
・スイッチSW21がオン、スイッチSW22がオフ、スイッチSW23がオンするとき、トランジスタM0のゲートに基準電圧V6が印加され、キャパシタC0にGND基準で(V6−(M0のVth))がサンプリングされる。
・スイッチSW24がオフ、スイッチSW25がオフのとき、出力VOUTにはキャパシタC1によりホールドされた電圧が出力される。
【0075】
(2)ノードN11がHighレベルのとき、ノードN12がLowレベル、ノードN13がHighレベルである。
・スイッチSW21がオフ、スイッチSW22がオン、スイッチSW23がオフするとき、トランジスタM0がオフされるとともに、キャパシタC0はサンプリング経路から切り離される。
・スイッチSW24がオン、スイッチSW25がオンのとき、キャパシタC0がVDD基準で持ち上げられることで、ノードN14のノード電位が(VDD+(V6−(M0のVth)))になり、出力VOUTと接続されることで、キャパシタC0の電荷がキャパシタC1に転送される。
【0076】
(1)と(2)を繰り返すことにより、キャパシタC0で昇圧された電圧がキャパシタC1に転送され、その昇圧された電圧がVOUTから出力される。
【0077】
<基準電圧発生回路14の構成例>
図15は、電源電圧VDDに応じて昇圧率を変化させる基準電圧V6を生成可能な基準電圧発生回路14の構成例を示している。図15の基準電圧発生回路14Dによれば、図16のように変化する基準電圧V6を生成できる。また、この回路によって、図16のように、電源電圧VDDが所定値Vbよりも大きいときに、昇圧電圧V5,V17を所定の上限値(例えば、半導体プロセスの耐圧に応じて決まる上限値Vg)以下に制限できる。
【0078】
図15の基準電圧発生回路14Dは、非反転増幅回路41と、非反転増幅回路41の出力電圧V0に基づいて基準電圧V6(図には、電圧V6p,V6bが基準電圧V6として例示)を生成する反転増幅回路42とを有している。
【0079】
電圧V6pは、
V6p=V0−(VDD−V0)・((R4_1+R4_2)/R3)
・・・(8)
で表される。抵抗R3:(抵抗R4_1+抵抗R4_2)を1:1にすることによって、反転増幅回路42の増幅率を−1倍にすることができる。
【0080】
一方、電圧V0は、
V0=(R1+R2_1+R2_2)/(R2_1+R2_2)・VREF
・・・(9)
で表される。
【0081】
すなわち、図16のVb≦VDD≦Vc
において、電源電圧VDDに対してゲイン−1の増幅を行うためには、ゲイン−1の反転増幅回路を用い、反転入力信号はVDDとすればよい。また、VDD=Vbのとき、オペアンプ44の入出力電圧を等しくするためには、反転増幅回路の基準電圧(非反転入力端子)をVbに設定すればよい。一方、図16のVa≦VDD<Vbでは、電源電圧VDDに等しい出力電圧V0が生成されるように、オペアンプ43の出力電圧範囲外であることを利用して、電圧VREF,抵抗R1,R2_1,R2_2の抵抗値を設定すればよい。例えば、Vbを2.1Vとする場合、電源電圧VDDよりも低い一定の電圧VREFを1.2Vに設定し、R1:(R2_1+R2_2)を12:9に設定すればよい。
【0082】
<抵抗R1の可変抵抗化>
抵抗R1を可変抵抗(抵抗をスイッチ等でトリミング)とすることで、プロセスばらつきによる昇圧電圧のずれを調整することができる。昇圧電圧が上がりすぎる時には抵抗R1を大きくすることで、オペアンプ43の出力端子が接続されるノードN0の電圧V0を低下させることにより、電圧V6p,V6bも低下させる。一方、昇圧電圧が低すぎる場合には、抵抗R1を小さくすることで、ノードN0の電圧V0を上昇させることにより、電圧V6p,V6bも上昇させる。
【0083】
例えば、図17に示されるように、複数の抵抗要素で可変抵抗R1を構成してもよい。不揮発性メモリに電源電圧VDDに対応付けされて予め格納されたデータに基づいて、スイッチSW31,SW32,SW33をオン/オフさせることによって、可変抵抗R1の抵抗値を調整できる。
【0084】
このように、昇圧しすぎないことによる製品の信頼性(製品寿命確保)と昇圧不足による特性劣化を同時に解決することができる。
【0085】
<抵抗R2を抵抗R2_1と抵抗R2_2に分割化>
図15において、抵抗R2をR2_1,R2_2に分割し、どちらか一方の抵抗に対してダイオード接続したMOSFET(Md)を並列に接続する。ダイオード接続したMOSFETの代わりに、ダイオード、ダイオード接続されたNPN,PNPトランジスタを使用してもよい。
【0086】
一般に、MOSFETの電流式は、飽和領域において、
Id=(μCox)/2・W/L・(Vgs−Vth)
で与えられる(図18参照)。Vgs<Vthの時、電流Idは80〜100mV/decで変化する(図19参照)。この特性を利用し、ダイオード接続したMOSFET(Md)を抵抗R2_2に接続し、電流の迂回経路を作ることで昇圧電圧を可変させることが可能である。
【0087】
抵抗R1の両端電圧VR1は電圧VREFに等しく、IR1=VR1/R1の電流が抵抗R1に流れる。この電流IR1が、抵抗R2_2とMdに流れる。Mdが接続されない状態において、抵抗R2_2の両端に発生する電圧VR2_2(=R2_2・IR1)がMdのVth程度の値となるように抵抗R2_2の抵抗値を設定する。
【0088】
以下、一例として、VR2_2<VthでMdがサブスレッショルド状態で動作している場合について記す(MOSFETをダイオードに置き換えたときも同様の傾向となるため)。
【0089】
プロセスコーナーがFAST側にずれたり、高温状態でVthが低下したりする場合、たとえばVthが80mV程度低下すると、MOSFETに印加されている電圧が一定ならば、電流量が10倍に増えるため、抵抗R2_2に流れていた電流がMdに迂回し始め、抵抗R2_2に発生する電圧が低下する。
【0090】
また、プロセスコーナーがFASTかつ高温状態でさらにVthが低下する場合、たとえばVthが160mV程度低下すると、MOSFETに印加されている電圧が一定ならば電流が100倍に増えるため、抵抗R2_2に流れていた電流がMdに迂回する量が増え、抵抗R2_2に発生する電圧がさらに低下する。
【0091】
一方、プロセスコーナーがSLOW側にずれたり、低温状態でVthが上昇したりする場合、たとえばVthが80mV程度上昇すると、MOSFETに印加されている電圧が一定ならば、電流は1/10倍に減るため、Mdに迂回していた電流が抵抗R2_2に流れ、抵抗R2_2に発生する電圧が上昇する。
【0092】
なお、コーナー条件がSLOWかつ低温状態の場合の記載は省略する。
【0093】
以上の特性を利用し、プロセスコーナーや温度特性の影響により昇圧電圧変化分を基準電圧発生回路14で補正しておくとよい。これにより、昇圧電圧により駆動されるスイッチ特性が安定化することで製品の安定化を図ることができ、製品の信頼性向上を図ることができる。
【0094】
このように、半導体プロセスがFASTコーナー条件にばらついたり、高温状態の時、MOSFETのVthが低下したりする場合、抵抗R2_2の電流をMdに迂回させることで、抵抗R2_2の両端に発生する電圧が低下する。これにより、ノードN0の電圧V0が低下するため、電圧V6p,V6bを低下させることができる(図16参照)。これにより、FASTコーナー条件や高温条件で、電圧V6p,V6bを受けるトランジスタM0,M0’のVthが低下することにより、昇圧電圧V5,V17が上昇しても、その上昇分を、電圧V6p,V6bを低下させることにより相殺することが可能である。
【0095】
一方、半導体プロセスがSLOWコーナー条件にばらついたり、低温状態の時、MOSFETのVthが上昇したりする場合、Mdに迂回させていた抵抗R2_2の電流を増やすことにより、抵抗R2_2の両端に発生する電圧が上昇する。これにより、ノードN0の電圧V0が上昇するため、電圧V6p,V6bを上昇させることができる(図16参照)。これにより、SLOWコーナー条件や低温条件で、電圧V6p,V6bを受けるトランジスタM0,M0’のVthが上昇することにより、昇圧電圧V5,V17が低下しても、その低下分を、電圧V6p,V6bを上昇させることにより相殺することが可能である。
【0096】
このように、昇圧しすぎないことによる製品の信頼性(製品寿命確保)と昇圧不足による特性劣化を同時に解決することが可能である。
【0097】
<抵抗R4を抵抗R4_1と抵抗R4_2に分割化>
抵抗R4を抵抗R4_1,R4_2に分割し、オペアンプ44の出力電圧V6pをチャージポンプ昇圧回路の基準電圧V17に使用し、抵抗R4_1とR4_2との間のノード出力をクロックブースタ回路の基準電圧V6に使用してもよい。
【0098】
常にクロックが入力されON/OFFが切り換えられるスイッチに昇圧電圧を供給する場合にはクロックブースタ回路を使用し、間欠的にON/OFFが切り換えられるスイッチに昇圧電圧を供給する場合にはチャージポンプ回路を使用する。すなわち、用途に応じて昇圧回路を使い分けるとよい。クロックブースタ回路にクロックが供給されないと、昇圧電圧がリーク電流により低下し、スイッチのON/OFF状態を保てないおそれがある。
【0099】
チャージポンプ回路は、常に昇圧を行い、サンプリングキャパシタC0の電荷を、スイッチ(負荷)の容量Cp(1クロック前の電荷が残っているCp)に供給し続けるため、2倍昇圧時には2VDDまで昇圧が可能である。
【0100】
一方、クロックブースタ回路は、サンプリングキャパシタC0に電荷を溜めてスイッチ(負荷)の容量Cp(初期電荷=0)を駆動すると、サンプリングキャパシタC0と負荷容量Cpとの間で電荷の再分配が起こり、2倍昇圧設定時の出力電圧Vxは低下する。
【0101】
【数1】
電荷再分配により昇圧電圧が低下すると、電源電圧VDDが高いときに電源電圧VDDが昇圧電圧よりも大きくなり、昇圧回路の駆動対象であるスイッチをオフさせることができず、リーク電流を発生させる可能性がある。
【0102】
そこで、チャージポンプ回路とクロックブースタ回路を同時にICに内蔵し、昇圧電圧の最大値を揃えるために、抵抗R4_1,R4_2の中間ノードから取り出される電圧V6bをクロックブースタ回路の基準電圧V6として使用されるとよい。
【0103】
クロックブースタ回路の出力が、負荷となるスイッチの容量のために低下することを見越して、図20に示されるように、昇圧のための基準電圧を上昇させておくことで、昇圧電圧の最大値を揃えることができる。
【0104】
その結果、チャージポンプ回路とクロックブースタ回路に供給する基準電圧を発生させる回路を共通化できるため、小面積化、低消費電力化が可能である。
【0105】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形、組み合わせ、改良、置換などを行うことができる。
【符号の説明】
【0106】
1,2,3A,3B,3C,3D クロックブースタ回路
4A,4B,4C,4D チャージポンプ回路
14,14A,14B,14C,14D 基準電圧発生回路
41 非反転増幅回路
42 反転増幅回路
C0,C0’ サンプリングキャパシタ
M0,M0’ サンプリングトランジスタ
M1,M1’ 出力トランジスタ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20