特許第6035832号(P6035832)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6035832トーションビーム式リヤサスペンション装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6035832
(24)【登録日】2016年11月11日
(45)【発行日】2016年11月30日
(54)【発明の名称】トーションビーム式リヤサスペンション装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 9/04 20060101AFI20161121BHJP
【FI】
   B60G9/04
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-93409(P2012-93409)
(22)【出願日】2012年4月16日
(65)【公開番号】特開2013-220730(P2013-220730A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】影山 雄介
(72)【発明者】
【氏名】津田 史也
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−236123(JP,A)
【文献】 特開平02−274604(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/111543(WO,A1)
【文献】 特開平08−067120(JP,A)
【文献】 実開平01−122529(JP,U)
【文献】 特開平09−240237(JP,A)
【文献】 実開昭61−106409(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向両側に配置される一対のアームと、車幅方向に延在して上記一対のアーム間を連結するトーションビームとを備え、前記一対のアームと前記トーションビームとをプレス加工によって一体形成したトーションビーム式リヤサスペンション装置であって、
前記一対のアームに易変形部を形成することで、車輪が突起物に乗り上げたときのサスペンションストロークに伴って、前記一対のアームを車両前後方向に撓ませることを特徴とするトーションビーム式リヤサスペンション装置。
【請求項2】
前記易変形部は、前記一対のアームにおける前記トーションビームと車輪支持部材との間の幅が中央部に行くに従い薄くなる幅狭部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトーションビーム式リヤサスペンション装置。
【請求項3】
前記易変形部は、前記一対のアームにおける前記トーションビームと車輪支持部材との間の厚みが中央部に行くに従い薄くなる薄肉部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトーションビーム式リヤサスペンション装置。
【請求項4】
前記一対のアームは、上下方向に複数枚の板部積層された層構造で構成され、前記易変形部は、前記層構造の複数枚の板部うちの少なくとも一枚部分的に除去された空洞部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトーションビーム式リヤサスペンション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪が路面の突起物を乗り越える際に発生する車両の前後方向の加速度を低減することができるトーションビーム式リヤサスペンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のトーションビーム式リヤサスペンション装置としては、例えば、トーションビームとトレーリングアームとの連結部における応力集中を緩和するために、当該連結部におけるトーションビーム側に捩じり剛性を部分的に低下させる切欠きを設け、トレーリングアーム側に横方向の曲げ剛性を部分的に低下させる窪みを形成するようにしたトーションビーム式サスペンションが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−236123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、トーションビームとトレーリングアームとの連結部における応力集中を緩和するために、当該連結部に脆弱部を形成するようにしている。このため、トーションビーム式リヤサスペンション装置がバウンド及びリバウンドする際に生じる車両前後方向加速度を低減することには着目しておらず、トーションビーム式リヤサスペンション装置がバウンド及びリバウンドする際に生じる車両前後方向加速度を低減することはできないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、車輪がバウンド及びリバウンドする際に生じる車両前後方向加速度を低減できるトーションビーム式リヤサスペンション装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係るトーションビーム式リヤサスペンション装置の一態様は、車幅方向両側に配置される一対のアームと、車幅方向に延在して上記一対のアーム間を連結し断面略U字形状の開き断面となっているトーションビームとを備え、一対のアームとトーションビームとをプレス加工によって一体形成したトーションビーム式リヤサスペンション装置である。そして、一対のアームに易変形部を形成することで、車輪が突起物に乗り上げたときのサスペンションストロークに伴って、前記一対のアームを車両前後方向に撓ませる
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、一対のアームに易変形部を設けることにより、トーションビーム式リヤサスペンション装置がバウンド及びリバウンドする際に易変形部が変形して撓み、車両前後方向の加速度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明を適用し得る車体の全体構成を示す斜視図である。
図2】本発明によるトーションビーム式リヤサスペンションを示す平面図である。
図3】本発明の要部の拡大斜視図である。
図4】車両側面視のトーションビームの回動軌跡を示す模式図である。
図5】本発明に係るトーションビーム式リヤサスペンション装置と従来例との突起乗り越し変形モードを示す要部拡大図である。
図6】突起乗り越し時の運転関前後加速度変化を示す特性図である。
図7】本発明の第2実施形態を示す図3と同様の要部拡大図である。
図8】本発明の第3実施形態を示すトレーリングアームの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明を適用し得る車体の全体構成を示す斜視図、図2は本発明の第1の実施形態に係るトーションビーム式リヤサスペンション装置を示す平面図である。
本発明の第1実施形態に係るトーションビーム式リヤサスペンション装置TSは、図1に示すように、サイドシルSS1及びSS2の内側に配設されたサイドフレームSF1及びSF2の後端側に支持されている。
【0009】
このトーションビーム式リヤアサスペンション装置TSは、図2に示すように、車幅方向両側にそれぞれ一対のアームとしてのトレーリングアーム1L及び1Rが配置されている。
各トレーリングアーム1L及び1Rは、車両前後方向に略沿うように延在し、前方側が前外側に傾斜延長し、後方側が後外側に傾斜延長して略L字状で左右対称形に形成されている。
各トレーリングアーム1L及び1Rの前端は、ブッシュ2L及び2Rを介して車体側部材(不図示)に連結している。
【0010】
各トレーリングアーム1L及び1Rの後端側には、後輪を支持する車輪支持部材3L,3Rが一体に形成されているとともに、ショックアブソーバ(不図示)の下部が回動可能に固定されるショックアブソーバロアマウント4L,4Rが配置されている。なお、図2において、WCはホイールセンターである。
また、上記一対のトレーリングアーム1L及び1Rは、車幅方向に延在するトーションビーム6によって連結されている。このトーションビーム6は、図3に示すように、上面板部6aと、この上面板部6aの前端縁側から垂直方向に下方に延長する前側板部6bと、上面板部6aの後端縁側から後下方に延長する後側傾斜板部6cとで断面略逆U字形状に構成されている。
【0011】
このトーションビーム6の両端部は、それぞれトレーリングアーム1L及び1Rの内側面に突き当てられた状態で例えばプレス加工によってトレーリングアーム1L及び1Rと一体に形成されている。
さらに、トレーリングアーム1L及び1Rとトーションビーム6との連結部における車両後方側にスプリングの下端を支持するスプリングロアマウント7L及び7Rが形成されている。
【0012】
そして、トレーリングアーム1L及び1Rのトーションビーム6と車輪支持部材3L及び3Rとの間には、図3に拡大図示するように、捩れ剛性を低下させる捩じれ剛性低下部となる易変形部10が形成されている。この易変形部10は、図3に示すように、トレーリングアーム1L及び1Rのトーションビーム6と車輪支持部材3L及び3Rとの間に中央部に行くに従い幅が徐々に狭くなる幅狭部11が形成されている。このため、トレーリングアーム1L,1Rの幅狭部11で捩じり剛性を、他のトレーリングアーム1L,1Rの部位の捩じり剛性に比較して低下させるようにしてトレーリングアーム1L,1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材3L,3R間の中央部を変形し易くしている。
【0013】
次に、上記第1実施形態の動作を説明する。
トーションビーム式リヤサスペンション装置TSの車体側取付点は、トレーリングアーム1L及び1Rのブッシュ2L及び2R位置の車体取付点Aと、ショックアブソーバのアッパー側取付点と、スプリングのアッパー側取付点との片側3点である。このため、トーションビーム式リヤサスペンション装置TSは、路面の突起物を車両が乗り越える場合に、図4に模式的に示すように、ブッシュ2L及び2Rの車体取付点Aを中心に回動し、車輪がバウンド及びリバウンドする。
【0014】
一般に、ブッシュ2L及び2Rの車体取付点Aは、ホイールセンターよりも車両下側に位置する。このため、突起物乗り越し時のトーションビーム式リヤサスペンション装置TSの回動は、図4に示すように、車両前方向の成分を持つため、乗員は前後方向に大きな加速度変化を感じることになる。
ここで、図4の実線図示のホイールセンター軌跡W1からブッシュ2L及び2Rの取付点Aを上昇させることにより、図4で点線図示のホイールセンター軌跡W2とすることができ、前後方向の成分を小さくすることができる。
【0015】
しかしながら、ブッシュ2L及び2Rの取付点Aをホイールセンターより高く設定するとこの分車高が高くなるので好ましくない。したがって、ブッシュ2L及び2Rの取付点Aはホイールセンターより下側に設定するので、車輪のバウンド時に生じる前後方向の成分を除去することはできない。
そこで、本実施形態では、前述したように、トレーリングアーム1L及び1Rのトーションビーム6と車輪支持部材3L及び3Rとの間に幅狭部11を形成して易変形部10を形成している。
【0016】
このため、トーションビーム式リヤサスペンション装置TSが路面の段差などの突起物を乗り越す場合に生じるトレーリングアーム1L,1Rの変形モードは、図5に示すようになる。この図5では、車輪がバウンド及びリバウンドしていない状態では、図5(b)に示すように、前述した図2に示すと同様の形状となっている。
【0017】
この状態から車輪が突起に乗り上げて車輪がバウンド状態となるとトレーリングアーム1Lには、右側面から見て反時計方向の捩じりモーメントが作用する。このとき、前述したようにトレーリングアーム1L及び1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材3L,3R間の中央部の捩じり剛性が他部の捩じり剛性に対して低く設定されている。このため、図5(a)に示すように、トーションビーム6が捩じりモーメントによって変形すると共に、トレーリングアーム1Lのトーションビーム6及び車輪支持部材3L間の中央部が変形し易くなり、ブッシュ2L及び2Rと車輪支持部材3L及び3Rとの間の距離が延びることになり、車輪の車両前方への移動量を減少させることができ、この分運転席での車両の前後方向加速度を小さく抑制することができる。しかも、トー角変化は図5(b)の場合と殆ど変化していない。
【0018】
逆に、車輪が突起物を乗り越えてリバウンド状態となると、図5(c)に示すように、トーションビーム6は捩じりモーメントによって変形すると共に、トレーリングアーム1Lのトーションビーム6及び車輪支持部材3L間の中央部が変形し易くなり、ブッシュ2L及び2Rと車輪支持部材3L及び3Rとの間の距離が減少することになり、車輪の車両前方への移動量を減少させることができ、この分運転席での車両の前後方向加速度を小さく抑制することができる。しかも、トー角変化は図5(b)の場合と殆ど変化していない。
【0019】
これに対して、トレーリングアーム1L,1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材3L,3R間の中央部に易変形部10を設けない場合には、図5(d)〜(f)に示すように、トレーリングアーム1L,1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材3L,3R間の中央部の捩じり剛性が他部と等しく大きいので、車輪が段差等の突起物に乗り上げるバウンド状態では、図5(d)に示すようにトーションビーム6は捩じりモーメントによって変形するがトレーリングアーム1L,1Rの基部は変形しない。したがって、図5(d)に示すように前述した本実施形態の図5(a)と比較すると、ブッシュ2L及び2Rと車輪支持部材3L及び3Rとの間の距離が短くなり、平面から見たときの車輪の前方への移動量が大きくなり、大きな前後加速度を生じることになる。
【0020】
同様に、車輪が突起物を乗り越したリバウンド状態では、図5(f)に示すように、トーションビーム6は捩じりモーメントによって捩じれると共に、トレーリングアーム1L,1Rは捩じれることがない。このため、図5(f)に示すように前述した本実施形態の図5(c)と比較すると、ブッシュ2L及び2Rと車輪支持部材3L及び3Rとの間の距離が長くなり、平面から見たときの車輪の後方への移動量が大きくなり、大きな前後加速度を生じることになる。
【0021】
このため、車輪が段差等の路面の突起物を乗り越したときに車両の運転席で生じる前後方向加速度は、図6に示すようになる。すなわち、前述した図5(d)〜(f)に示すトレーリングアーム1L,1Rのそれぞれに易変形部10を設けない一般的なトーションビーム式リヤサスペンション装置では、図6で細い実線で示すように、路面突起物の乗り上げ時及び乗り越し時の前後方向加速度が大きな状態となり、乗心地に影響を与えることになる。
【0022】
しかしながら、本実施形態のように、トレーリングアーム1L,1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材との間に易変形部10を形成することにより、図6で太い実線で示すように路面の突起物乗り越し時の運転席での前後加速度を、易変形部10を設けない一般的なトーションビーム式リヤサスペンション装置に対して2/3程度に減少させることができる。
【0023】
(第1実施形態の効果)
(1)トーションビーム式リヤサスペンション装置TSを構成するトレーリングアーム1L,1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材3の中間部に突起物乗り越え時の車両前後方向の加速度を低減させる易変形部10を形成した。
この構成によると、車輪が突起物に乗り上げたバウンド時及びリバウンド時にトレーリングアアーム1L,1Rを車両前後方向に撓み易くすることができ、ブッシュ2L,2Rと車輪支持部材3L,3Rとの間の距離を調整して、車両前後方向の加速度を軽減して乗心地を向上させることができる。
【0024】
(2)前記易変形部は、前記トレーリングアームの前記トーションビームと車輪支持部材との間の幅が中央部に行くに従い薄くなる幅狭部で構成されている。
この構成によると、トレーリングアームのトーションビームと車輪支持部材との間に幅狭部が形成されているので、この幅狭部で捩じり剛性を低下させて、トレーリングアームが捩じれ易くなり、路面の突起物を乗り越す際に、車輪がバウンド及びリバウンドするときに、トレーリングアームが撓んでブッシュと車輪支持部材間の距離を長くして車両前後後方加速度を低減することができる。したがって、乗心地を向上させることができる。しかも、トレーリングアームが撓むことにより、車輪がバウンド及びリバウンドする際のトー角変化を抑制して、安定走行を確保することができる。
【0025】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図7について説明する。
この第2実施形態では、トレーリングアームに形成した易変形部を異なる態様としたものである。
すなわち、第2実施形態では、図7に示すように、前述した第1実施形態におけるトレーリングアーム1L及び1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材3L,3Rとの間の中央部に幅狭部11を省略し、これに代えてトレーリングアーム1L及び1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材3L,3Rとの間における長手方向の中央部に、幅方向の中央部から外側側面にかけて中央部に向かうに従い徐々に厚みが薄くなる薄肉部21を形成して易変形部20としたものである。
【0026】
その他の構成は前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図3との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第2実施形態によると、トレーリングアーム1L及び1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材3L,3R間に薄肉部21でなる易変形部20を形成したので、この薄肉部21の位置で捩じり剛性を低下させることができる。このため、トレーリングアーム1L及び1Rの大きな撓み量を確保することができる。したがって、車輪が路面の突起物を乗り越えて、車輪がバウンド及びリバウンドした際に、トレーリングアーム1L及び1Rが撓んで、前述した第1実施形態同様に、ブッシュ2L,2Rと車輪支持部材3L,3R間の距離を調整することができ、車輪のバウンド及びリバウンドによって生じる車両前後方向の加速度を低減することができる。しかも前述した第1実施形態と同様にトレーリングアーム1L及び1Rの撓みによってトー角を略一定とすることができ、走行安定性を確保することができる。
【0027】
(効果)
この第2実施形態によると、易変形部は、前記一対のアームにおける前記トーションビームと車輪支持部材との間の厚みが中央部に行くに従い薄くなる薄肉部で構成されている。このため、第1実施形態と同様に車輪が路面突起物を乗り越える際に生じる車両前後方向加速度を低減することができると共に、車輪支持部のトー角変化を抑制して車両の走行安定性を確保することができる。
【0028】
(第2実施形態の応用例)
上記第2実施形態では、トレーリングアーム1L及び1Rのトーションビーム6及び車輪支持部材3L,3Rの車両外側領域に薄肉部21を形成して捩じり剛性を低下させる易変形部20を構成した場合について説明した。しかしながら、本発明は上記構成に限定されるものではなく、図8に示すように、トレーリングアーム1L及び1Rを例えば3枚の板部31a、31b及び31cを積層した3層構造とするようにしてもよい。この場合、3枚の板部31a〜31cのうちの一枚の板部例えば中間板部31bに対してトーションビーム6及び車輪支持部材3L,3R間に対応する位置で部分的に切除して空洞部32を形成することにより、捩じり剛性を低下させた易変形部20を構成するようにしてもよい。
【0029】
(効果)
この構成によると、トレーリングアーム1L及び1Rは、複数枚の板部積層された積層構造で構成され、この積層構造のうち少なくとも1枚の板部所要長さ切除された空洞部32を形成するだけで、易変形部20を構成することができ、易変形部20を容易に形成することができる。また、トレーリングアーム1L及び1Rは空洞部32位置で、捩じり剛性が他部に比較して小さくなるので、車輪が路面の突起物を乗り越えた際の車輪のバウンド及びリバウンドによって生じる車両前後方向の加速度を低減することができると共に、トー角変化を抑制して安定走行を確保することができる。
【符号の説明】
【0030】
1L,1R…トレーリングアーム
2L,2R…ブッシュ
3L,3R…車輪支持部材
6…トーションビーム
6a…上面板部
6b…前側板部
6c…後側傾斜板部
7L,7R…スプリングロアマウント
10…易変形部
11…幅狭部
20…易変形部
21…薄肉部
31a〜31c…板部
32…空洞部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8