(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0024】
[第1の実施の形態]
この実施の形態においては、オシロメトリック方式の加圧測定型の血圧計において加圧測定しているときの圧電ポンプの駆動制御についての発明の実施の形態を説明する。しかし、これに限定されず、この発明は、圧電ポンプによる加圧過程がある血圧計であれば、他の方式の血圧計であっても適用可能であり、たとえば、減圧測定型の血圧計にも適用可能である。
【0025】
まず、この実施の形態における血圧計1の構成について説明する。
図1は、この発明の実施の形態における血圧計1の外観を示す斜視図である。
図1を参照して、この実施の形態における血圧計1は、本体10と、カフ40と、エア管50とを備えている。本体10は、箱状の筐体を有しており、その上面に表示部21および操作部23を有している。本体10は、測定時においてテーブル等の載置面に載置されて使用される。
【0026】
カフ40は、帯状でかつ袋状の外装カバー41と、当該外装カバー41に内包された圧迫用流体袋としての圧迫用空気袋42とを主として有しており、全体として略環状の形態を有している。カフ40は、測定時において被験者の上腕に巻き付けられて装着されることで使用される。エア管50は、分離して構成された本体10とカフ40とを接続している。
【0027】
図2は、この実施の形態における血圧計1の構成の概略を示すブロック図である。
図2を参照して、本体10は、上述した表示部21および操作部23に加え、制御部20と、メモリ部22と、電源部24と、圧電ポンプ31と、排気弁32と、圧力センサ33と、DC−DC昇圧回路61と、電圧制御回路62と、駆動制御回路63と、増幅器71と、A/D変換器72とを有している。圧電ポンプ31および排気弁32は、圧迫用空気袋42の内圧を加減圧するための加減圧機構に相当する。
【0028】
圧迫用空気袋42は、装着状態において上腕を圧迫するためのものであり、その内部に内腔を有している。圧迫用空気袋42は、上述したエア管50を介して上述した圧電ポンプ31、排気弁32および圧力センサ33のそれぞれに接続されている。これにより、圧迫用空気袋42は、圧電ポンプ31が駆動することで加圧されて膨張し、排出弁としての排気弁32の駆動が制御されることでその内圧が維持されたり減圧されて収縮したりする。
【0029】
制御部20は、たとえばCPU(Central Processing Unit)で構成され、血圧計1の全体を制御するための手段である。
【0030】
表示部21は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)で構成され、測定結果等を表示するための手段である。
【0031】
メモリ部22は、たとえばROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)で構成され、血圧値測定のための処理手順を制御部20等に実行させるためのプログラムを記憶したり、測定結果等を記憶したりするための手段である。
【0032】
操作部23は、被験者等による操作を受付けて、この外部からの命令を制御部20や電源部24に入力するための手段である。
【0033】
電源部24は、制御部20および圧電ポンプ31などの血圧計1の各部に電力を供給するための手段であり、この実施の形態においては、電池である。しかし、これに限定されず、電源部24は、商用電源などの外部電源から電力の供給を受けるようにしてもよい。
【0034】
制御部20は、圧電ポンプ31および排気弁32を駆動するための制御信号を、電圧制御回路62および駆動制御回路63にそれぞれ入力したり、測定結果としての血圧値を表示部21やメモリ部22に入力したりする。また、制御部20は、圧力センサ33から増幅器71およびA/D変換器72を介して検出された圧力値に基づいて被験者の血圧値を取得する血圧情報取得部(不図示)を含んでおり、この血圧情報測定部によって取得された血圧値が、測定結果として上述した表示部21やメモリ部22に入力される。
【0035】
なお、血圧計1は、測定結果としての血圧値を外部の機器、たとえば、PC(Personal Computer)やプリンタ等に出力する出力部を別途有していてもよい。出力部としては、たとえば、シリアル通信回線や各種の記録媒体への書き込み装置等が利用可能である。
【0036】
DC−DC昇圧回路61は、電源部24である電池の電圧を、圧電ポンプ31の駆動に適した電圧に昇圧する回路である。
【0037】
電圧制御回路62は、制御部20から入力された制御信号で示される電圧値に基づいて圧電ポンプ31に供給する電圧を制御する。
【0038】
駆動制御回路63は、制御部20から入力された制御信号に基づいて圧電ポンプ31および排気弁32を制御する。具体的には、駆動制御回路63は、制御部20から入力された制御信号で示される制御周波数に基づいて圧電ポンプ31に供給する電流の周波数を制御する。また、駆動制御回路63は、制御部20から入力された制御信号に基づいて排気弁32の開閉動作を制御する。
【0039】
圧電ポンプ31は、圧迫用空気袋42の内腔に空気を供給することにより圧迫用空気袋42の内圧(以下、「カフ圧」とも称する)を加圧するためのものであり、その動作が上述した駆動制御回路63によって制御される。圧電ポンプ31は、所定の駆動周波数f0で所定の振幅V0の交流の電流が印加されることによって、所定の流量の空気を吐出する。なお、交流としては、正弦波状の交流であってもよいし、矩形波状の交流であってもよい。以下において、圧電ポンプ31に印加する電圧の値を示す場合には、ピーク間電位差Vp-pの値を用いる場合がある。振幅は、Vp-pの値の半分である。Vp-pの場合、たとえば、電圧の値は、−Vp-p/2からVp-p/2までの値で変化する。
【0040】
排気弁32は、圧迫用空気袋42の内圧を維持したり、圧迫用空気袋42の内腔を外部に開放してカフ圧を減圧したりするためのものであり、その動作が上述した駆動制御回路63によって制御される。
【0041】
圧力センサ33は、圧迫用空気袋42の内圧を検知してこれに応じた出力信号を増幅器71に入力する。増幅器71は、圧力センサ33から入力された信号のレベルを増幅する。A/D変換器72は、増幅器71で増幅された信号をデジタル信号化し、生成したデジタル信号を制御部20に入力する。
【0042】
図3は、この実施の形態における血圧計1で実行される血圧測定処理の流れを示すフローチャートである。
図3を参照して、まず、ステップS101で、血圧計1の制御部20は、カフ40の巻き具合および腕周を測定する。具体的には、カフ40に圧力が掛かっていない状態から、所定の流量をカフに流すよう圧電ポンプ31を制御して初期加圧を行ない、そのときの加圧速度を測定し、その測定された加圧速度に応じて巻き具合および腕周を推定する。この方法としては、たとえば、国際公開第2010/089917号に開示されている方法を用いることができる。
【0043】
次に、ステップS102で、制御部20は、ステップS101で測定したカフ40の巻き具合および腕周に基づいて、カフ40の等速加圧に必要な流量Qtを算出する。具体的には、等速加圧に応じて必要な流量Qtが変化するグラフを示すデータが、複数のカフ40の巻き具合および腕周の組合せごとに、予め、血圧計1のメモリ部22に記憶されており、測定された巻き具合および腕周の組合せに対応する必要な流量Qtのグラフを示すデータがメモリ部22から読出される。
【0044】
ステップS111では、制御部20は、圧力センサ33で検出され、増幅器71およびA/D変換器72を介して制御部20に入力された信号によって示されるカフ圧に基づき、必要な流量Qtを得るための駆動電圧Vを算出する。
【0045】
そして、ステップS112で、制御部20は、メモリ部22に予め記憶された所定関数に基づいて、駆動電圧Vに応じた駆動周波数fを特定する。
【0046】
そして、ステップS114で、制御部20は、ステップS111およびステップS112で算出された駆動電圧Vおよび駆動周波数fで、圧電ポンプ31を駆動するよう、電圧制御回路62に駆動電圧を示す信号を送信するとともに駆動制御回路63に駆動周波数を示す信号を送信する。
【0047】
次に、ステップS115で、制御部20は、圧力センサ33で検出され、増幅器71およびA/D変換器72を介して制御部20に入力された信号によって示されるカフ圧の変化に基づいて、従来の方法で、血圧値を算出する。
【0048】
そして、ステップS116で、制御部20は、血圧測定が完了したか否かを判断する。血圧測定が完了していないと判断した場合(ステップS116でNOと判断した場合)、制御部20は、実行する処理をステップS111の処理に戻す。
【0049】
一方、血圧測定が完了したと判断した場合(ステップS116でYESと判断した場合)、ステップS117で、制御部20は、圧電ポンプ31の駆動を停止するよう、電圧制御回路62および駆動制御回路63を制御する。
【0050】
次に、ステップS118で、制御部20は、血圧測定結果を表示するよう表示部21を制御する。ステップS118の後、制御部20は、血圧測定処理を終了させる。
【0051】
このように血圧測定処理を実行することによって、等速加圧ができるように圧電ポンプ31を制御できる。
【0052】
図4は、この実施の形態における圧電ポンプ31の駆動電圧に対する駆動周波数の制御関数を示すグラフである。
図4を参照して、グラフ中のプロットは、圧電ポンプ31の駆動電圧を5V刻みで切替えたときの最適な駆動周波数を示すプロットである。ここで、圧電ポンプ31の駆動電圧に対する最適な駆動周波数が、当該駆動電圧および当該駆動周波数で圧電ポンプ31を駆動した場合に、圧電ポンプ31の吐出流量が最大となるような駆動周波数である。
【0053】
関数Bのグラフは、それらのプロットの近似直線(たとえば、最小二乗法による近似直線)である。つまり、関数Bは、圧電ポンプ31の駆動電圧に対する最適な駆動周波数を示す関数である。関数Bは、本発明の参考例1である。
【0054】
関数Cのグラフは、関数Bの圧電ポンプ31の最大流量に対応する最大電圧の点の近傍の点、具体的には、その最大電圧の点よりも駆動周波数が少し(たとえば、0.1〜0.2kHz)大きい範囲Aに含まれる点を通るグラフである。また、関数Cのグラフは、駆動電圧が増加するに伴なって、駆動周波数が減少する関数である。また、関数Cのグラフは、関数Bのグラフよりも駆動周波数が常に高い側にある。この実施の形態において、関数Cは、一次関数である。関数Cは、本発明の参考例2である。
【0055】
本実施の形態においては、所定関数は、駆動電圧と駆動周波数との関数の式として、メモリ部22に予め記憶され、
図3のステップS112では、制御部20が、メモリ部22に予め記憶された所定関数の式に、駆動電圧Vを代入することによって、駆動電圧Vに応じた駆動周波数fを算出するようにする。
【0056】
しかし、これに限定されず、所定関数が、駆動電圧と駆動周波数との関数における、所定電圧刻み(たとえば、0.1V刻み)の駆動電圧Vと、その駆動電圧Vに対応する駆動周波数fとの対応を示すテーブルとして、メモリ部22に予め記憶されるようにしてもよい。そして、この場合、
図3のステップS112では、制御部20が、メモリ部22に予め記憶されたテーブルから、駆動電圧Vに対応する駆動周波数fを読出すようにする。
【0057】
図5は、本発明の参考例1における圧電ポンプ31の吐出流量と駆動周波数との関係を示すグラフである。
図5を参照して、このグラフは、
図4の関数B(本発明の参考例1)において、最大電圧におけるグラフである。このグラフにおける最適な駆動周波数は、最大の流量を吐出できるグラフの最も高い点である23.3kHz付近である。
【0058】
このグラフにおいて、最適な駆動周波数よりも高周波側においては、低周波側と比較して、グラフの傾きが緩やかであるため、駆動周波数の変化に対する流量の変化の度合いが少ない。このため、最適な駆動周波数よりも高周波側の方が、低周波側よりも、駆動周波数が変化した場合の流量への影響が小さい。
【0059】
そこで、
図4で示したように、最適な駆動周波数よりも少し高周波側の範囲Aに含まれる点を通る関数Cを本発明の参考例2とした。このようにすることによって、駆動周波数が少し変化した場合であっても、流量への影響を少なくすることができる。このため、流量の揺らぎを抑えることができる。その結果、圧力の揺らぎを低減させることができる。
【0060】
なお、関数Cは、関数Bの最適な駆動周波数に比べて、最大電圧以外のいずれの駆動電圧においても、周波数が高いので、すべての駆動電圧の範囲で、最適な駆動周波数で駆動した場合と比較して、圧力の揺らぎを低減させることができる。
【0061】
図6は、所定関数に基づいて制御をする場合(グラフでは「固定」と表示)と最適な駆動周波数を制御目標として制御をする場合(グラフでは「最適」と表示)との駆動電圧への影響の差を説明するための図である。
【0062】
図6(A)を参照して、本発明の参考例1のように
図4で示した関数に基づいて制御した場合は、最適な駆動周波数を制御目標として制御をする場合と比較して、最適な駆動周波数で駆動していない分、カフ圧の立ち上がりが遅くなる。
【0063】
図6(B)を参照して、このグラフは、
図6(A)のカフ圧と時間との関係、および、電圧と時間との関係に基づいて、カフ圧と電圧との関係をグラフにしたものである。
【0064】
このように、本発明の参考例1のように
図4で示した関数に基づいて制御した場合(グラフでは「固定周波数」と表示)は、最適な駆動周波数を制御目標として制御をする場合(グラフでは「最適周波数」と表示)と比較して、同じカフ圧においては、ほぼ、全範囲に亘って、高い駆動電圧が必要となっている。
【0065】
図7は、圧電ポンプ31の駆動電圧と消費電力との関係を示すグラフである。
図7(A)を参照して、このグラフは、カフ圧と駆動電圧との組合せごとに、流量と消費電力との関係をプロットしたグラフである。
【0066】
このように、同じカフ圧ごとに駆動電圧は異なっても、流量が増加するとほぼ一次関数的に消費電力が増加していることが分かる。また、カフ圧が大きい程、同じ流量に対する消費電力が増加する。
【0067】
図7(B)を参照して、このグラフは、本発明の参考例1のように
図4で示した関数に基づいて制御をした場合(グラフでは「固定」と表示)および最適な駆動周波数を制御目標として制御をした場合(グラフでは「最適」と表示)の、同じカフ圧(ここでは、90mmHg)である場合の駆動電圧ごとの流量と消費電力との関係をプロットしたグラフである。
【0068】
このように、本発明の参考例1のように
図4で示した関数に基づいて制御をした場合であっても、最適な駆動周波数を制御目標として制御をした場合であっても、駆動電圧に関わらず、流量と消費電力との関係は、ほぼ同じ一次関数で近似される。そして、本発明の参考例1のように
図4で示した関数に基づいて制御をした場合であっても、最適な駆動周波数を制御目標として制御をした場合であっても、必要な流量が同じであれば、ほぼ同じ消費電力となる。このため、同じ加圧制御において、同じ流量を吐出する限り、駆動周波数の制御の仕方が異なっても、電池寿命へのデメリットはない。
【0069】
図4に戻って、本発明の第1の実施の形態では、所定関数として関数Dを用いる。関数Dのグラフは、関数Bの最大流量に対応する最大電圧の点の近傍の点、具体的には、その最大電圧の点よりも駆動周波数が少し小さい点を通るグラフである。関数Dのグラフは、駆動電圧に関わらず、駆動周波数が一定である関数である。このため、関数Dのグラフは、本発明の参考例1である関数Bのグラフよりも駆動周波数が常に低い側にある。この実施の形態においては、関数Dは、一次関数である。
【0070】
第1の実施の形態として、
図3のステップS112で用いられる所定関数を、関数Dとした場合について説明する。この場合であっても、
図6および
図7で説明した内容が当てはまる。
【0071】
図8は、最適な駆動周波数を制御目標として制御をする場合の加圧過程における駆動周波数、カフ圧および流量の変化を示すグラフである。
図8を参照して、細線は、圧電ポンプ31の周辺の温度などの環境の変化が無い場合のグラフを示す。実線は、圧電ポンプ31の周辺の温度などの環境の変化が有る場合(ここでは、想定よりも低い温度で加圧が開始され、圧電ポンプ31が自身の発熱で温度上昇する場合)のグラフを示す。また、一点鎖線は、駆動周波数、実線は、カフ圧、破線は、流量を示す。
【0072】
グラフpAは、最適な駆動周波数を制御目標として制御をし、周辺環境変化が無い場合のカフ圧の変化を示す。このように、ほぼ直線的に加圧する制御が行なわれる場合について説明する。グラフqAは、最適な駆動周波数を制御目標として制御をし、周辺環境変化が無い場合の流量の変化を示す。このように、カフ圧の上昇に伴なって、徐々に流量が減少するよう制御される。グラフfAは、最適な駆動周波数を制御目標として制御をし、周辺環境変化が無い場合の駆動周波数の変化を示す。このように、カフ圧の上昇に伴なって、駆動周波数が減少するよう制御される。
【0073】
グラフpBは、最適な駆動周波数を制御目標として制御をし、周辺環境変化が有る場合のカフ圧の変化を示す。グラフqBは、最適な駆動周波数を制御目標として制御をし、周辺環境変化が有る場合の流量の変化を示す。グラフfBは、最適な駆動周波数を制御目標として制御をし、周辺環境変化が有る場合の駆動周波数の変化を示す。
【0074】
G部のグラフfAおよびグラフfBで示すように、想定よりも低い温度で加圧過程が開始されると、想定されている温度の場合と比較して、駆動周波数が高くなるように制御される。このため、H部のグラフpAおよびグラフpBで示すように、最適な駆動周波数から外れることによって加圧速度の誤差が生じ、これを埋めるためにフィードバック制御が実行され、加圧速度が目標に近付くよう増加制御される。
【0075】
I部のグラフfAおよびグラフfBで示すように、駆動周波数が最適な駆動周波数に近づくと、I部のグラフqBで示すように、流量が増加する。このため、J部のグラフpAおよびグラフpBで示すように、フィードバック制御による増加制御の制御量により、周辺環境変化が無い場合と比較して、カフ圧がオーバーシュートする。
【0076】
そして、L部のグラフqAおよびグラフqBで示すように、圧電ポンプ31自身の発熱でさらに温度上昇すると、駆動周波数が最適な駆動周波数よりもさらに低くなり、流量が低下する。K部のグラフpAおよびグラフpBで示すように、オーバーシュートした制御を戻すため、フィードバックの制御量を減少させているが、流量が減少するため、カフ圧がアンダーシュートする。
【0077】
このように、最適な駆動周波数を制御目標として制御をする場合は、周辺環境の変化が有る場合には、環境変化に起因して、加圧速度の揺らぎが発生する。
【0078】
図9は、この実施の形態のように所定関数に基づいて制御をする場合の加圧過程における駆動周波数、カフ圧および流量の変化を示すグラフである。
図9を参照して、線種は、
図8と同様である。また、グラフpA、グラフqA、および、グラフfAは、それぞれ、
図8と同じである。
【0079】
グラフpCは、この実施の形態のように所定関数に基づいて制御をし、周辺環境変化が有る場合のカフ圧の変化を示す。グラフqBは、この実施の形態のように所定関数に基づいて制御をし、周辺環境変化が有る場合の流量の変化を示す。グラフfCは、この実施の形態のように所定関数に基づいて制御をし、周辺環境変化が有る場合の駆動周波数の変化を示す。
【0080】
この場合は、グラフfCで示すように、駆動周波数は一定とされる。また、グラフqCで示すように、駆動周波数が最適な駆動周波数に近づくにしたがって、流速が、最適な駆動周波数を制御目標として制御し周辺環境変化が無い場合の流速に近づいていく。また、グラフpCで示すように、駆動周波数が最適な駆動周波数に近づくにしたがって、カフ圧も、最適な駆動周波数を制御目標として制御し周辺環境変化が無い場合のカフ圧に近づいていく。
【0081】
このように、所定関数に基づいて制御をする場合は、周辺環境の変化が有る場合であっても、加圧速度の揺らぎは発生し難い。
【0082】
[第2の実施の形態]
図10は、第2の実施の形態における圧電ポンプの駆動電圧に対する駆動周波数の制御関数を示すグラフである。
図10を参照して、関数Bは、第1の実施の形態において、本発明の参考例1として
図4で説明したものと同様であるので説明は繰返さない。
【0083】
第1の実施の形態においては、
図3のステップS112で用いられる所定関数は、関数Dであることとした。第2の実施の形態においては、所定関数が、関数Fであることとする。
【0084】
関数Fのグラフは、加圧制御で最も使用する頻度の高い駆動電圧の関数Bで対応する点の近傍の範囲Eに含まれる点を通るグラフである。また、関数Fのグラフは、駆動電圧に関わらず、駆動周波数が一定である関数である。この実施の形態において、関数Fは、一次関数である。
【0085】
このような関数Fを用いた場合であっても、関数Dを用いた場合と同様の効果を得ることができる。また、最も使用頻度の高い駆動電圧で最適な駆動周波数となる。このため、駆動電圧に対してより多くの流量を吐出できる時間が長くなるので、加圧時間を短縮することができる。
【0086】
[まとめ]
以上説明した実施の形態によれば以下のような効果を得ることができる。
【0087】
(1)血圧計1の一部である圧電ポンプ制御装置は、加圧過程において圧電ポンプ(たとえば、圧電ポンプ31)を制御する制御部(たとえば、制御部20)を有する。
【0088】
制御部は、駆動電圧(たとえば、駆動電圧V)と駆動周波数(たとえば、駆動周波数f)との所定関数(たとえば、関数Dまたは関数F)に基づいて、加圧過程における必要な流量および圧力(たとえば、カフ圧)を負荷するための駆動電圧および駆動周波数を特定する特定部(たとえば、
図3のステップS112を実行することによって制御部20に構成される部分)と、特定部によって特定された駆動電圧および駆動周波数を圧電ポンプに印加する印加部(たとえば、
図3のステップS114を実行することによって制御部20に構成される部分)とを含む。
【0089】
所定関数は、当該所定関数のグラフが、1つの所定の駆動電圧(たとえば、圧電ポンプ31の最大流量に対応する最大電圧、または、圧電ポンプ31の制御で最も使用する頻度の高い電圧)において圧電ポンプの最適な駆動周波数(たとえば、関数Bの所定の駆動電圧での駆動周波数)の近傍を通る関数であり、駆動電圧に関わらず、駆動周波数が一定である関数である。
【0090】
たとえば、所定関数は、
図4で示したような、駆動電圧20Vで最適周波数よりも約0.4kHz低い駆動周波数と、上限の駆動電圧38Vで最適周波数と同じ程度の駆動周波数とを通る関数Dのような、全駆動電圧において最適周波数よりも低い駆動周波数であるが駆動電圧が高くなるにつれて駆動周波数が最適周波数に近づくような関数であってもよい。
【0091】
また、所定関数は、
図10で示したような、駆動電圧20Vで最適周波数よりも0.2kHz高い駆動周波数と、最も用いられる頻度の高い28.5Vで最適周波数と同じ程度の駆動周波数と、駆動電圧38Vで最適周波数よりも0.2kHz低い駆動周波数とを通る関数Fのような、低い駆動電圧から最も用いられる頻度の高い駆動電圧に近づくにつれて駆動周波数が最適周波数に近づき、最も用いられる頻度の高い駆動電圧から高い駆動電圧になるにつれて駆動周波数が最適周波数から遠ざかるような関数であってもよい。
【0092】
これによれば、駆動電圧ごとに固定された駆動周波数で制御するため、
図8で示したようなフィードバック制御でのオーバーシュートやアンダーシュートによるカフ圧の変動を、
図9で示したように抑えることができる。その結果、加圧過程において圧電ポンプから吐出される流体の圧力の揺らぎを低減させることができる。
【0093】
(2)また、所定の駆動電圧は、加圧過程で用いられる最大の駆動電圧である(たとえば、関数D)。
【0094】
これによれば、消費電力が高い駆動電圧の大きい側で、最適な駆動周波数に近づく。その結果、消費電力の高い側でより多くの流量を吐出させることができるので、消費電力のロスを減少させることができる。
【0095】
(3)また、所定の駆動電圧は、加圧過程において用いられる頻度の高い駆動電圧である(たとえば、関数F)。
【0096】
これによれば、使用頻度の高い駆動電圧で、最適な駆動周波数に近づく。その結果、駆動電圧に対してより多くの流量を吐出できる時間が長くなるので、加圧時間を短縮することができる。
【0097】
(4)また、所定関数は、所定の駆動電圧において圧電ポンプが最大流量となる最適な駆動周波数よりも高い駆動周波数を通る関数(たとえば、所定の駆動電圧において圧電ポンプが最大流量となる最適な周波数よりも高い周波数を通り、駆動電圧が増加するに伴なって、駆動周波数が一定である関数)である。
【0098】
これによれば、
図5で説明したように、最適な駆動周波数よりも高周波側の方が、低周波側よりも、駆動周波数が変化した場合の流量への影響が小さい。その結果、カフ圧の揺らぎを低減させることができる。
【0099】
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、所定関数が一次関数であることとした。しかし、これに限定されず、1つの所定の駆動電圧において圧電ポンプ31の最適な駆動周波数の近傍を通る関数であり、駆動電圧に関わらず、駆動周波数が略一定である関数であれば、他の関数であってもよい。たとえば、二次関数であってもよいし、他のいかなる関数であってもよい。
【0100】
(2) 前述した実施の形態においては、圧電ポンプ31の駆動電圧に対する最適な駆動周波数が、当該駆動電圧および当該駆動周波数で圧電ポンプ31を駆動した場合に、圧電ポンプ31の吐出流量が最大となるような駆動周波数であることとした。しかし、これに限定されず、圧電ポンプ31の駆動電圧に対する最適な駆動周波数は、当該駆動電圧および当該駆動周波数で圧電ポンプ31を駆動した場合に、入力電力に対する出力、つまり、効率が最大となるような駆動周波数であることとしてもよい。
【0101】
(3) 第2の実施の形態においては、制御で最も使用頻度の高い駆動電圧の関数Bで対応する点の近傍を通る関数が、所定関数であることとした。しかし、これに限定されず、所定関数は、最も使用頻度が高い駆動電圧でなくてもよい。
【0102】
(4) 前述した実施の形態においては、所定関数gは、駆動電圧Vと駆動周波数fとの関数であることとした。つまり、f=g(V)であることとした。しかし、これに限定されず、所定関数gが、駆動電圧Vおよびカフ圧pと、駆動周波数fとの関数であることとしてもよい。つまり、f=g(V、p)であることとしてもよい。
【0103】
この場合、所定関数gは、1つの所定の駆動電圧と所定のカフ圧との組合せにおいて圧電ポンプの最適な駆動周波数の近傍を通る関数であり、駆動電圧およびカフ圧が増加するに伴なって、駆動周波数が一定である関数であるようにする。
【0104】
所定の駆動電圧と所定のカフ圧との組合せは、加圧過程で用いられる最大の駆動電圧と最大のカフ圧との組合せであってもよいし、加圧過程で用いられる頻度の高い駆動電圧とカフ圧との組合せであってもよい。
【0105】
これによれば、駆動電圧とカフ圧との組合せごとに固定された駆動周波数で制御するため、
図8で示したような、駆動電圧ごとに固定された駆動周波数で制御する場合と同様、フィードバック制御でのオーバーシュートやアンダーシュートによるカフ圧の変動を、
図9で示したように抑えることができる。その結果、加圧過程において圧電ポンプから吐出される流体の圧力の揺らぎを低減させることができる。
【0106】
(5) 前述した実施の形態においては、圧電ポンプ31からカフ40に供給される流体は、空気であることとした。しかし、これに限定されず、圧電ポンプ31からカフ40に供給される流体は、他の流体、たとえば、液体またはゲルであってもよい。あるいは、流体に限定されるものではなく、マイクロビーズなどの均一な微粒子であってもよい。
【0107】
(6) 前述した実施の形態においては、
図3のステップS101で測定する測定部位の大きさが腕周であることとしたが、これに限定されず、測定部位が異なれば、異なる大きさとなる。たとえば、測定部位が手首である場合は、手首周となる。
【0108】
(7) 前述した実施の形態においては、血圧計1などの血圧測定装置の装置として発明を説明した。しかし、これに限定されず、血圧測定装置にも含まれる圧電ポンプ制御装置として発明を捉えることができるし、血圧測定装置または圧電ポンプ制御装置での制御方法として発明を捉えることができる。また、血圧測定装置または圧電ポンプ制御装置の制御プログラムとして発明を捉えることができる。
【0109】
(8) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。