(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施形態(実施例)およびこの発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。なお、
図2、
図4、
図5、
図7、
図9、
図10中においては、制御素子および配線素子の図示を省略してある。
【0018】
「実施形態の構成の説明」
図1〜
図10は、この発明にかかる車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットの実施形態およびこの発明にかかる車両用灯具の実施形態を示す。以下、この実施形態における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニットおよびこの実施形態における車両用灯具の構成について説明する。
図1において、符号100は、この実施形態における車両用灯具である。
【0019】
(車両用灯具100の説明)
前記車両用灯具100は、この例では1灯式のテール・ストップランプである。すなわち、前記車両用灯具100は、1灯(1個のランプ、1個の灯具)でテールランプ機能とストップランプ機能とを併用するものである。前記車両用灯具100は、車両(図示せず)の後部の左右にそれぞれ装備される。前記車両用灯具100は、図示しない他のランプ機能(たとえば、バックアップランプ機能、ターンシグナルランプ機能)と組み合わせられてリヤコンビネーションランプを構成する場合がある。なお、前記車両用灯具100は、テール・ストップランプであるから、前記車両用灯具100における正面とは、車両の後側から見た面である。
【0020】
前記車両用灯具100は、
図1に示すように、ランプハウジング101およびランプレンズ102およびリフレクタ103と、半導体型光源を光源とする光源ユニット、すなわち、この実施形態における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1と、前記光源ユニット1の前記半導体型光源の駆動回路(図示せず)と、を備えるものである。
【0021】
前記ランプハウジング101は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材)から構成されている。前記ランプハウジング101は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプハウジング101の閉塞部には、透孔104が設けられている。前記透孔104は、円形形状をなす。前記透孔104の縁には、複数個の凹部(図示せず)と複数個のストッパ部(図示せず)とがほぼ等間隔に設けられている。
【0022】
前記ランプレンズ102は、たとえば、光透過性の部材(例えば、透明樹脂部材やガラス部材)から構成されている。前記ランプレンズ102は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記ランプレンズ102の開口部の周縁部と前記ランプハウジング101の開口部の周縁部とは、水密に固定されている。前記ランプハウジング101および前記ランプレンズ102により、灯室105が区画されている。
【0023】
前記リフレクタ103は、前記光源ユニット1から放射される光を焦点F(
図2参照)に集光するように配光制御する配光制御部である。前記リフレクタ103は、前記灯室105内に配置されていて、かつ、前記ランプハウジング101などに固定されている。前記リフレクタ103は、たとえば、光不透過性の部材(例えば、樹脂部材や金属部材)から構成されている。前記リフレクタ103は、一方が開口し、他方が閉塞されている中空形状をなす。前記リフレクタ103の閉塞部には、透孔106が前記ランプハウジング101の前記透孔104と連通するように設けられている。前記リフレクタ103の内面には、反射面107が設けられている。なお、前記リフレクタ103は、前記ランプハウジング101と別個の部材からなるものであるが、ランプハウジングと一体のリフレクタの場合であっても良い。この場合においては、ランプハウジングの一部に反射面を設けてリフレクタ機能を設けるものである。
【0024】
(光源ユニット1の説明)
前記光源ユニット1は、
図1、
図2に示すように、光源部(光学部品)10と、ソケット部(ソケット部品)11と、光学部品としてのカバー部(カバー部品)12と、を備える。前記光源部10および前記カバー部12は、前記ソケット部11の一端部(正面側の端部)に取り付けられている。前記光源部10は、前記カバー部12によりカバーされている。
【0025】
前記光源ユニット1は、
図1、
図9に示すように、前記車両用灯具100に装備されている。すなわち、前記ソケット部11が前記ランプハウジング101にパッキン(Oリング)108を介して着脱可能に取り付けられている。前記光源部10および前記カバー部12が前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記リフレクタ103の前記透孔106を経て前記灯室105内であって、前記リフレクタ103の前記反射面107側に配置されている。
【0026】
(光源部10の説明)
前記光源部10は、
図2、
図4、
図5、
図7、
図9、
図10に示すように、基板3と、前記半導体型光源の複数個この例では5個の発光チップ40、41、42、43、44(以下、「40〜44」と記載する場合がある)と、制御素子(図示せず)と、配線素子(図示せず)と、包囲壁部材18と、封止部材180と、を備えるものである。
【0027】
(基板3の説明)
前記基板3は、この例では、セラミックからなる。前記基板3は、
図2、
図5に示すように、平面(上)から見て四角形をなす。なお、前記基板3は、四角形の4角を切除したほぼ八角形の板形状をなすものであっても良い。前記基板3の1辺(下辺)には、前記ソケット部11の給電部材91、92、93(以下、「91〜93」と記載する場合がある)が挿通する挿通孔31、32、33がそれぞれパンチングにより設けられている。前記基板3の一面(上面)には、平面の実装面34が設けられている。前記基板3の他面(下面)には、平面の当接面35が設けられている。なお、高反射部材のセラミック製の前記基板3の実装面34に、さらに高反射塗料や高反射蒸着などの高反射面30を設けても良い。
【0028】
前記基板3の前記実装面34には、前記5個の発光チップ40〜44および前記制御素子および前記配線素子および前記包囲壁部材18が実装されている(すなわち、印刷、焼成、蒸着、接着、嵌合などにより、設けられている)。
【0029】
(発光チップ40〜44の説明)
前記5個の発光チップ40〜44からなる前記半導体型光源は、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施形態ではLED)を使用する。前記発光チップ40〜44は、
図2、
図5に示すように、正面方向(前記基板3の実装面34に対して垂直方向)から見て微小な矩形(正方形もしくは長方形)形状の半導体チップ(光源チップ)からなり、この例では、ベアチップからなる。前記5個の発光チップ40〜44は、前記基板3に実装されている面以外の一正面および4側面から光を放射する。
【0030】
前記5個の発光チップ40〜44は、
図2に示すように、光学系の前記リフレクタ103の前記焦点F、および、前記光源ユニット1の前記ソケット部11の中心(取付回転中心)O近傍に1個(40)配置されていて、かつ、前記焦点Fおよび前記中心Oを中心とする円周上に4個(41〜44)ほぼ等間隔の隙間を開けて配置されている。
【0031】
前記5個の発光チップ40〜44は、小電流が供給される発光チップであって、テールランプの光源である1個の発光チップ40と、大電流(前記発光チップ40に供給される電流と比較して大電流)が供給される発光チップであって、ストップランプの光源である4個の発光チップ41〜44と、に区分されている。前記ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44は、順方向(電流が流れる方向)に直列に接続されている。
【0032】
前記テールランプ機能の1個の発光チップ40は、前記基板3の中心Oであって後記熱伝導樹脂部材8の中心Oもしくはその近傍に配置されている。すなわち、前記テールランプ機能の1個の発光チップ40の中心と、前記基板3の中心O(後記熱伝導樹脂部材8の中心O)とは、一致もしくはほぼ一致する。
【0033】
(包囲壁部材18の説明)
前記包囲壁部材18は、絶縁性部材たとえば樹脂、この例では、反射率を上げた樹脂から構成されている。前記包囲壁部材18は、
図2、
図4、
図5、
図7に示すように、5個の前記発光チップ40〜44全部と、前記配線素子の一部を包囲する円環状形状をなすものである。すなわち、前記包囲壁部材18は、中央部が中空部であり、かつ、周囲部が壁部である円環状形状をなすものである。前記包囲壁部材18の前記壁部の肉厚(前記壁部の内周面から外周面までの厚さ)は、ほぼ均一(均等)である。
【0034】
前記包囲壁部材18は、前記発光チップ40〜44および前記配線素子の高さよりも十分な高さを有する。前記包囲壁部材18は、前記封止部材180を充填(注入、モールド、モールディング)する容量(範囲)を小容量に規制する部材(土手、ダム)である。前記包囲壁部材18の前記壁部の一端面は、前記基板3の前記実装面34に、嵌合接着により、固定されかつ位置決めされている。
【0035】
前記包囲壁部材18の前記壁部の内周面には、前記発光チップ40〜44(特に、前記発光チップ40〜44の4側面)から放射される光(図示せず)を所定の方向(たとえば、前記発光チップ40〜44の一正面から放射される光の方向とほぼ同方向)に反射させる反射面が設けられている。前記反射面は、前記壁部の内周面の一端(下端)から他端(上端)にかけて末広がりに傾斜している。前記反射面は、前記包囲壁部材18全体を高反射率の部材で構成したり、たとえば、PBT樹脂に酸化チタンなどを含有して前記包囲壁部材18全体を白色化したり、あるいは、前記包囲壁部材18の前記壁部の内周面のみを高反射率の部材で構成したりして形成する。
【0036】
(封止部材180の説明)
前記封止部材180は、光透過性部材、たとえば、エポキシ系樹脂またはシリコン系樹脂から構成されている。
【0037】
前記封止部材180は、前記基板3に、前記発光チップ40〜44が実装され、かつ、ワイヤがボンディング配線された後に、前記基板3に実装された前記包囲壁部材18の前記中空部中であって、前記基板3の前記実装面34と前記包囲壁部材18の前記壁部の内周面とにより区画されている空間中に充填される。前記封止部材180が硬化することにより、5個の前記発光チップ40〜44全部と、前記配線素子の一部が前記封止部材180により封止されることとなる。
【0038】
前記封止部材180は、5個の前記発光チップ40〜44全部と、前記配線素子の一部を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぎ、かつ、紫外線や硫化ガスやNOxや水から保護するものである。すなわち、前記封止部材180は、前記5個の発光チップ40〜44などを外乱から保護するものである。
【0039】
(ソケット部11の説明)
前記ソケット部11は、
図2〜
図10に示すように、絶縁部材7と、熱伝導樹脂部材8と、3本の前記給電部材91〜93と、金属体2と、を備えるものである。熱伝導性と導電性を有する前記熱伝導樹脂部材8と、導電性を有する前記給電部材91〜93とは、絶縁性を有する前記絶縁部材7を介して、相互に絶縁状態で一体に組み込まれている。
【0040】
前記ソケット部11は、前記絶縁部材7と、前記熱伝導樹脂部材8と、前記給電部材91〜93との一体構造部品からなるものである。たとえば、前記絶縁部材7と前記熱伝導樹脂部材8と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成している構造部品である。あるいは、前記絶縁部材7と前記給電部材91〜93とをインサート成形(一体成形)により一体に構成し、一体構成の前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93を前記熱伝導樹脂部材8に一体に取り付けてなる構造部品である。あるいは、前記絶縁部材7に前記給電部材91〜93を一体に組み付け、一体組付の前記絶縁部材7および前記給電部材91〜93を前記熱伝導樹脂部材8に一体に取り付けてなる構造部品である。すなわち、前記絶縁部材7と前記熱伝導樹脂部材8とをそれぞれ別個に成形してかつ嵌合してなる一体構造部品である。あるいは、前記絶縁部材7と前記熱伝導樹脂部材8とを2色成形により一体に成形してなる一体構造部品である。
【0041】
(金属体2の説明)
前記金属体2は、
図4〜
図10に示すように、この例では、アルミニウム製の板形状をなし、プレス加工により成形されている。前記金属体2の一面の固定面20は、グリース(熱伝導性グリース)21を介して前記熱伝導樹脂部材8に固定されている。前記金属体2の他面の当接面22には、図示しない熱伝導性媒体(たとえば、熱伝導性接着剤や熱伝導性グリースなど)を介して前記基板3の前記当接面35が密着している。
【0042】
前記金属体2は、正面方向から見てほぼ四角形形状をなす。前記金属体2の4角は、円弧形状をなす。前記金属体2の外周縁の1辺(前記給電部材91〜93が対応する辺)には、前記給電部材91〜93を回避する回避凹部23が設けられている。前記金属体2の外周縁の前記回避凹部23以外の3辺の中央部には、長方形の固定部24が一体に設けられている。前記固定部24の一面は、前記固定面20と面一であり、かつ、前記固定部24の他面は、前記当接面22と段差がある。
【0043】
(絶縁部材7の説明)
前記絶縁部材7は、
図3、
図5、
図9に示すように、前記給電部材91〜93の一部の中間部を外装して、前記熱伝導樹脂部材8と前記給電部材91〜93とを相互に絶縁状態で組み込むものである。前記絶縁部材7は、たとえば、絶縁性の樹脂部材からなる。前記絶縁部材7の一端面から前記給電部材91〜93の一端部が突出している。前記絶縁部材7の他端面から前記給電部材91〜93の他端部が突出している。
【0044】
(熱伝導樹脂部材8の説明)
前記熱伝導樹脂部材8は、
図2〜
図10に示すように、前記光源部10で発生する熱を前記金属体2を介して外部に放射させるものである。前記熱伝導樹脂部材8は、熱伝導性樹脂、たとえば、炭素繊維(短炭素繊維)、あるいは、炭素顆粒、あるいは、炭素繊維と炭素顆粒との混合物を含有する樹脂から構成されている。前記熱伝導樹脂部材8は、この例では、少なくとも炭素繊維を含有する樹脂の射出成形品から構成されている。
【0045】
前記熱伝導樹脂部材8は、外径が前記ランプハウジング101の前記透孔104の内径より若干小さいほぼ円筒形状をなす。前記熱伝導樹脂部材8の一端部(正面側の端部であって、前記光源部10が取り付けられている側の端部)の天板部80の一面の固定面81には、前記熱伝導樹脂部材8と別個に成形されている前記金属体2が固定されている。
【0046】
前記天板部80の前記固定面81には、3個の長方形の固定リブ82が前記金属体2の3個の前記固定部24に対応して一体に設けられている。前記天板部80の前記固定面81には、4個の位置決め凸部83が前記金属体2の4角に対応して一体に設けられている。4個の前記位置決め凸部83の内面は、前記金属体2の4角の円弧形状に合わせて円弧形状をなす。前記位置決め凸部83と前記金属体2の4角とは、前記熱伝導樹脂部材8と前記金属体2との相互の位置を決める位置決め部を構成する。前記天板部80の前記固定面81のうち、3個の前記固定リブ82および4個の前記位置決め凸部83の内側には、ほぼ四角形の周形状の溝84が設けられている。ほぼ四角形の周形状の前記溝84は、前記金属体2の外周縁よりも一回り小さい。
【0047】
前記天板部80の外周には、環形状の基板保護壁85が前記金属体2および前記基板3を包囲するように、一体に設けられている。この結果、前記基板3は、前記基板保護壁85中に収納されていて、かつ、前記基板保護壁85により保護されている。
【0048】
前記基板保護壁85のうち、四角形の前記基板3の4角が位置する箇所には、切欠86が設けられている。前記切欠86は、前記位置決め凸部83の一面までの深さに設けられている。この結果、前記切欠86の谷面と前記位置決め凸部83の一面とは、面一であり、前記天板部80の前記固定面81よりも一段高く、かつ、前記基板保護壁85の一面よりも一段低い。
【0049】
前記基板保護壁85の上下と左右とには、2個の取付孔87と2個のガイド凸部88とがそれぞれ設けられている。左右2個の前記ガイド凸部88の幅は、誤組付防止のために異なる。
【0050】
前記熱伝導樹脂部材8の他端部(背面側の端部であって、前記光源部10が取り付けられている側の端部と反対側の端部)には、複数の放熱用のフィン部89が一体に設けられている。すなわち、前記天板部80の他面から前記フィン部89が一体に突設している。前記フィン部89の長手方向は、
図3、
図9に示すように、前記光源ユニット1が装備されている前記車両用灯具100を車両(図示せず)に装備した際に、垂直方向(上下方向)に位置する。
【0051】
複数の前記フィン部89の間には、複数の空隙であって、対流発生用の貫通空隙800が設けられている。前記貫通空隙800は、前記光源ユニット1が装備されている車両用灯具100を車両に装備した際に、垂直方向(上下方向)に位置する。前記貫通空隙800の上端部は、開口されている。
【0052】
前記熱伝導樹脂部材8の他端部の前記フィン部89の下側、すなわち、前記光源ユニット1が装備されている車両用灯具100を車両に装備した際の下側の中央部には、コネクタ嵌合部801が一体に設けられている。前記コネクタ嵌合部801は、中空状の長方形状をなす。この結果、前記コネクタ嵌合部801の左右両側の前記貫通空隙800は、下から上に貫通している。一方、前記コネクタ嵌合部801の上側の前記貫通空隙800は、前記コネクタ嵌合部801から上に貫通している。
【0053】
図5、
図6、
図9に示すように、前記熱伝導樹脂部材8の内部のうち、前記天板部80と前記コネクタ嵌合部801の凹部802との間の部分には、取付貫通孔803が設けられている。前記取付貫通孔803中には、前記給電部材91〜93が一体に組み込まれている前記絶縁部材7が、前記コネクタ嵌合部801の前記凹部802から前記天板部80に挿入固定されている。
【0054】
この結果、前記熱伝導樹脂部材8と前記給電部材91〜93とは、前記絶縁部材7を介して、絶縁状態で一体に組み込まれている。すなわち、前記熱伝導樹脂部材8と前記給電部材91〜93との間には、前記絶縁部材7が介在されている。前記熱伝導樹脂部材8は、前記絶縁部材7に密着している。前記給電部材91〜93は、前記絶縁部材7に密着している。
【0055】
前記熱伝導樹脂部材8の中間部の外周面には、前記パッキン108を前記ランプハウジング101に圧接する円板形状の鍔部804が一体に設けられている(
図1、
図9参照)。前記熱伝導樹脂部材8の中間部の外周面には、複数個この例では4個の取付部805が、前記ランプハウジング101の前記凹部と対応させて、かつ、前記鍔部804と対向して、一体に設けられている。
【0056】
前記鍔部804および4個の前記取付部805は、前記光源ユニット1を前記車両用灯具100に装備するための取付部を構成する。すなわち、前記ソケット部11の前記カバー部12側の一部および前記取付部805を前記ランプハウジング101の前記透孔104および前記凹部中に挿入する。その状態で、前記ソケット部11を中心O軸回りに回転させて、前記取付部805を前記ランプハウジング101の前記ストッパ部に当てる。この時点において、前記取付部805と前記鍔部804とが前記パッキン108を介して前記ランプハウジング101の前記透孔104の縁部を上下から挟み込む(
図1、
図9参照)。
【0057】
この結果、前記光源ユニット1の前記ソケット部11は、
図1、
図9に示すように、前記車両用灯具100の前記ランプハウジング101に前記パッキン108を介して着脱可能にあるいは固定的に取り付けられる。この時点において、
図1、
図9に示すように、ソケット部11のうちランプハウジング101から外側に突出している部分(
図1中のランプハウジング101よりも下側の部分)がソケット部11のうち灯室105内に収納されている部分(
図1中のランプハウジング101よりも上側の部分)よりも大である。
【0058】
前記熱伝導樹脂部材8は、前記ソケット部11の外装部分(外側の部分)を形成する。
図10に示すように、前記熱伝導樹脂部材8の外面(前記基板保護壁85、前記フィン部89、前記コネクタ嵌合部801、前記鍔部804、前記取付部805の外面)には、小凹凸(図示せず)が設けられている。
【0059】
ここで、
図9に示すように、前記熱伝導樹脂部材8の前記天板部80と前記フィン部89との付根部分の上部(前記光源ユニット1が装備されている前記車両用灯具100を車両(図示せず)に装備した際の上部)を、二点鎖線で示す傾斜面806としても良い。これにより、
図9中の二点鎖線矢印に示す対流が発生する。これにより、放熱効果が向上する。
【0060】
すなわち、前記天板部80の肉厚を、前記フィン部89の肉厚とほぼ同等の肉厚にすると、前記熱伝導樹脂部材8における炭素繊維の長手方向と熱の伝達方向(放熱ルート)とがほぼ一致するので、放熱効率が向上する。ところが、前記天板部80と前記フィン部89との付根部分の上部の水平面807の奥行きが深くなるので、対流が水平面807において、滞る傾向にある。そこで、前記の通り、水平面807を傾斜面806としても良い。
【0061】
図3、
図4、
図9に示すように、中央とその左右両側の計3枚の前記フィン部89のうち、前記コネクタ嵌合部801に連なる部分の一部が切除されている。この結果、前記フィン部89の前記コネクタ嵌合部801に連なる部分には、第1空隙808が形成される。
【0062】
(熱伝導樹脂部材8のゲートG1、G2の説明)
前記熱伝導樹脂部材8は、この例では、炭素繊維を含有する樹脂の射出成形品から構成されている。前記熱伝導樹脂部材8を射出成形する際の成形金型(図示せず)のゲートは、この例では、
図4に示すように、1点ゲートG1、あるいは、2点ゲートG2がある。
【0063】
前記1点ゲートG1は、前記熱伝導樹脂部材8の他端面の中心(前記ソケット部11の中心(取付回転中心)O)もしくはその近傍、すなわち、5枚の前記フィン部89のうち中央の前記フィン部89の他端面の中心もしくはその近傍に位置する。前記1点ゲートG1においては、前記1点ゲートG1が位置する中央の前記フィン部89のうち、前記コネクタ嵌合部801に連なる部分が前記天板部80の他端面(前記フィン部89の谷面)もしくはその近傍まで切除されている。この結果、中央の前記フィン部89の前記コネクタ嵌合部801に連なる部分には、第2空隙809が形成される。
【0064】
前記2点ゲートG2は、前記熱伝導樹脂部材8の一端面の前記ソケット部11の前記中心Oを通る一直線もしくはほぼ一直線上に位置する。すなわち、前記2点ゲートG2は、前記取付部805の一端面の一直線もしくはほぼ一直線上に位置する。前記取付部805の一端面は、前記熱伝導樹脂部材8の成形時において、前記金属体2の前記固定面20よりも上位に位置する。この結果、前記2点ゲートG2は、前記熱伝導樹脂部材8の成形時において、前記金属体2の前記固定面20よりも上位に位置する。
【0065】
前記ゲートG1、G2により、前記熱伝導樹脂部材8を成形する炭素繊維を含有する樹脂の流れ方向(
図4中の前記ゲートG1、G2の実線矢印方向)は、前記フィン部89において前記フィン部89の突出方向とほぼ一致し、かつ、前記天板部80において前記天板部80の面方向(
図4中の前記ゲートG1、G2の実線矢印方向とほぼ直交する方向)とほぼ一致する。この結果、前記熱伝導樹脂部材8の放熱ルートと、前記熱伝導樹脂部材8の炭素繊維の長手方向とがほぼ合致するので、放熱効率を向上させることができる。なお、前記ゲートの設置箇所および設定数は、特に限定しない。
【0066】
(熱伝導樹脂部材8と金属体2との固定の説明)
以下、それぞれ別個に成形される前記熱伝導樹脂部材8と前記金属体2との固定について説明する。まず、前記熱伝導樹脂部材8の前記天板部80の前記固定面81上であって、前記溝84により囲まれた内側の1箇所(概ねセンタ)に、前記グリース21がデスペンサ(図示せず)により管理された定量分塗布される(
図7参照)。なお、前記グリース21を、1箇所ではなく、複数個所に定量滴下しても良い。
【0067】
つぎに、前記グリース21が塗布された前記天板部80の前記固定面81に前記金属体2の前記固定面20を載置させる。このとき、前記金属体2は、前記熱伝導樹脂部材8の前記位置決め凸部83により、位置決めされる。つぎに、前記熱伝導樹脂部材8の固定リブ82に超音波ホーン810を当てる(
図8参照)。
【0068】
そして、前記超音波ホーン810の超音波溶着作用により、前記固定リブ82が前記金属体2の前記当接面22と段差がある前記固定部24の他面に加締め付けられる(
図4、
図6中の破線、
図9参照)。すると、前記天板部80の前記固定面81上の前記グリース21は、前記金属体2の前記固定面20により、押し広げられて薄く均一に引き伸ばされる。このとき、押し広げられた前記グリース21のうち余ったグリース21は、前記溝84中に溜まる。これにより、前記グリース21が前記天板部80の前記固定面81と前記金属体2の前記固定面20との間からオーバーフローして、ごみの付着や他の接着剤の硬化阻害などを防ぐことができる。以上から、前記天板部80の前記固定面81と前記金属体2の前記固定面20とは、前記グリース21を介して空気層がないように密着する。これにより、それぞれ別個に成形される前記熱伝導樹脂部材8と前記金属体2とが固定される。このとき、前記金属体2の前記当接面22は、前記天板部80の前記固定面81から前記金属体2の肉厚分突出している。これにより、前記金属体2の前記当接面22と前記基板3の前記当接面35とを相互接触し易い。
【0069】
前記熱伝導樹脂部材8に固定されている前記金属体2の前記当接面22には、前記基板3の前記当接面35が相互に当接されている状態で、図示されていない熱伝導性媒体(熱伝導性接着剤や熱伝導性グリースなど)により接着されている。この結果、前記発光チップ40〜44は、前記基板3を介して前記熱伝導樹脂部材8の中心O(前記ソケット部11の中心O)もしくはその近傍に位置する。このように、前記光源部10は、前記金属体2に密着した状態で前記ソケット部11に取り付けられている。
【0070】
(給電部材91〜93の説明)
前記給電部材91〜93は、前記光源部10に電気的に接続されていて、前記光源部10に給電するものである。前記給電部材91〜93の一端部(前記基板3に取り付けられる端部)は、それぞれストレートピンからなる。ストレートピンの前記給電部材91〜93の一端部は、横一直線上に配置されていて、前記絶縁部材7の一端面(前記基板3に対向する面)から突出している。前記給電部材91〜93の一端部は、前記基板3を貫通して、半田62により、電気的に接続されていてかつ機械的に取り付けられている。なお、前記半田62の代わりにレーザー溶接などであっても良い。
【0071】
前記給電部材91〜93が一体に組み込まれている前記絶縁部材7の一端面と前記基板3の当接面35との間には、前記熱伝導樹脂部材8の前記取付貫通孔803の一部である空間811が設けられている。前記空間811は、前記給電部材91〜93のうち前記絶縁部材7の一端面に対応する箇所、また、前記給電部材91〜93のうち前記基板3の前記当接面35に対応する箇所、に作用するXY方向(前記絶縁部材7の一端面、前記基板3の前記当接面35の面上における方向)の応力を緩和するものである。
【0072】
前記給電部材91〜93のうち、前記絶縁部材7の一端面と前記基板3の当接面35との間の部分に、横U字形状の応力緩和部(図示せず)を、設けても良い。前記応力緩和部は、前記給電部材91〜93のうち前記絶縁部材7の一端面と前記基板3の当接面35との間の部分に作用するZ方向(前記絶縁部材7の一端面、前記基板3の前記当接面35の面に対して垂直方向)の応力を緩和するものである。前記の応力は、車両の周囲の温度環境の変化において、熱膨張率が異なる部品部材間において発生する応力である。
【0073】
前記給電部材91〜93の他端部(前記基板3に取り付けられる端部と反対側の端部)は、一直線上に配置されていて、前記絶縁部材7の他端面(前記基板3に対向する面と反対側の面)から突出している。前記給電部材91〜93の他端部は、前記熱伝導樹脂部材8の前記コネクタ嵌合部801内の前記凹部802中に一直線上に配置されているターミナル910、920、930(以下、「910〜930」と記載する場合がある)を構成する。
【0074】
(コネクタ部13およびコネクタ14の説明)
前記熱伝導樹脂部材8の一部の前記コネクタ嵌合部801および前記給電部材91〜93の一部の前記ターミナル910〜930は、コネクタ部13を構成する。前記コネクタ部13には、電源側のコネクタ14が機械的に着脱可能にかつ電気的に断続可能に取り付けられている。
【0075】
図1に示すように、前記コネクタ14は、ハーネス144、145およびスイッチ(図示せず)を介して図示しない電源(直流電源のバッテリー)に接続されている。前記コネクタ14は、ハーネス146を介してアースされている(グランドされている)。前記コネクタ部13および前記コネクタ14は、3ピン(前記3本の給電部材91〜93、前記3本のターミナル910〜930、電源側の前記3本のターミナル)タイプの防水構造のコネクタ部およびコネクタである。
【0076】
前記コネクタ部13は、前記ソケット部11の他端部(前記光源部10が取り付けられている側の端部と反対側の端部)の下側に設けられている。すなわち、前記コネクタ部13は、前記光源ユニット1が装備されている車両用灯具100を車両に装備した際に、下側に位置する。
【0077】
前記コネクタ嵌合部801は、横一直線上に配置されている前記ターミナル910〜930を包囲する。前記コネクタ嵌合部801は、中空状の横長の長方形状(
図3参照)をなす。前記コネクタ嵌合部801の下辺、左右両辺には、ロック部812が設けられている。前記コネクタ嵌合部801の内部には、前記凹部802が形成されている。
【0078】
一方、前記コネクタ14は、前記コネクタ部13の前記コネクタ嵌合部801の内側の前記凹部802と、前記コネクタ部13の前記コネクタ嵌合部801の外側とに、2重嵌合する防水構造をなす。前記コネクタ14の下辺、左右両辺には、ロック部(図示せず)が設けられている。
【0079】
前記熱伝導樹脂部材8の中央とその左右両側の前記フィン部89の前記コネクタ嵌合部801に連なる部分には、第1空隙808が形成されている。このために、前記コネクタ14を前記コネクタ部13に嵌合する際において、前記フィン部89の妨げを防止することができる。
【0080】
(カバー部12の説明)
前記カバー部12は、光透過性部材からなる。前記カバー部12には、前記5個の発光チップ40〜44からの光を光学制御して射出するプリズムなどの光学制御部(図示せず)が設けられている。前記カバー部12は、光学部品である。
【0081】
前記カバー部12は、
図1に示すように、前記光源部10をカバーするように、円筒形状の前記ソケット部11の一端部(一端開口部)に取り付けられている。すなわち、前記カバー部12には、ガイド部(図示せず)と取付部(図示せず)とが設けられている。前記カバー部12の前記ガイド部が、前記熱伝導樹脂部材8の誤組付防止の前記ガイド凸部88によりガイドされていて、前記カバー部12の前記取付部が前記熱伝導樹脂部材8の前記取付孔87の縁に取り付けられている。この結果、前記カバー部12は、前記熱伝導樹脂部材8の前記基板保護壁85に取り付けられて、前記光源部10をカバーする。
【0082】
前記カバー部12は、前記封止部材180と共に、前記5個の発光チップ40〜44を外からの影響、たとえば、他のものが接触したり、塵埃が付着したりするのを防ぎ、かつ、紫外線や硫化ガスやNOxや水から保護するものである。すなわち、前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44を外乱から保護するものである。また、前記カバー部12は、前記5個の発光チップ40〜44以外に、前記制御素子および前記配線素子および前記導電性接着剤をも外乱から保護するものである。なお、前記カバー部12には、通気孔(図示せず)を設ける場合がある。
【0083】
「実施形態の作用の説明」
この実施形態における車両用灯具の半導体型光源の光源ユニット1およびこの実施形態における車両用灯具100(以下、「この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0084】
まず、スイッチをテールランプ点灯に操作する。すると、電流(駆動電流)は、テールランプ機能の制御素子および配線素子を経て、テールランプ機能の1個の発光チップ40に供給される。この結果、テールランプ機能の1個の発光チップ40が発光する。
【0085】
このテールランプ機能の1個の発光チップ40から放射された光は、封止部材180、空気層、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ40から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、テールランプ機能の配光を外部に照射する。
【0086】
つぎに、スイッチをストップランプ点灯に操作する。すると、電流(駆動電流)は、ストップランプ機能の制御素子および配線素子を経て、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44に供給される。この結果、ストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44が発光する。
【0087】
このストップランプ機能の4個の発光チップ41〜44から放射された光は、封止部材180、空気層、光源ユニット1のカバー部12を透過して配光制御される。なお、発光チップ41〜44から放射された光の一部は、基板3の高反射面30でカバー部12側に反射される。配光制御された光は、車両用灯具100のランプレンズ102を透過して再度配光制御されて外部に照射される。これにより、車両用灯具100は、ストップランプ機能の配光を外部に照射する。このストップランプ機能の配光は、前記のテールランプ機能の配光と比較して、明るい(光束、輝度、光度、照度が大である)。
【0088】
それから、スイッチを消灯に操作する。すると、電流(駆動電流)は、遮断される。この結果、1個の発光チップ40もしくは4個の発光チップ41〜44は、消光する。これにより、車両用灯具100は、消灯する。
【0089】
ここで、光源部10の発光チップ40〜44および制御素子および配線素子において発生した熱は、基板3および熱伝導性媒体および金属体2およびグリース21を介して熱伝導樹脂部材8に伝達し、この熱伝導樹脂部材8から外部に放射される。
【0090】
すなわち、熱伝導樹脂部材8の天板部80に伝達された熱は、フィン部89、基板保護壁85、鍔部804、取付部805、コネクタ嵌合部801に伝達され、そのフィン部89、基板保護壁85、コネクタ嵌合部801、鍔部804、取付部805の表面から外部に放射(輻射)される。
【0091】
また、熱伝導樹脂部材8の天板部80からフィン部89に伝達される熱の一部は、熱伝導樹脂部材8の貫通空隙800内において、対流熱として発生する。その対流熱は、
図3、
図9中の実線矢印方向に示すように、熱伝導樹脂部材8の貫通空隙800から上端部89の開口を経て外部に放出される。
【0092】
なお、天板部80とフィン部89との付根部分の上部に傾斜面806を設けた場合、熱伝導樹脂部材8の貫通空隙800内において発生する対流熱は、
図9中の二点鎖線矢印方向に示すように、天板部80とフィン部89との付根部分の上部の傾斜面806に沿って外部に放出される。
【0093】
さらに、熱伝導樹脂部材8の外面、すなわち、フィン部89、基板保護壁85、コネクタ嵌合部801、鍔部804、取付部805の外面の小凹凸により、乱流が発生する。その乱流の発生に伴って、天板部80からフィン部89、基板保護壁85、コネクタ嵌合部801、鍔部804、取付部805に伝達される熱は、そのフィン部89、基板保護壁85、コネクタ嵌合部801、鍔部804、取付部805の外面から外部に放射(輻射)される。また、熱伝導樹脂部材8の外面の小凹凸により、放射(輻射)面積が増して、その分、熱が効率良く外部に放射(輻射)される。
【0094】
「実施形態の効果の説明」
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0095】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、光源部10で発生する熱を外部に放射させる放熱用の部材として熱伝導性樹脂から形成されている熱伝導樹脂部材8を使用するものであるから、従来のアルミニウムダイカストと比較して、光源ユニット1を軽量化し、製造コストを安価にし、金型の耐久性を向上させることができる。
【0096】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、ソケット部11が熱伝導樹脂部材8とその熱伝導樹脂部材8に固定されている金属体2とから構成されていて、光源部10が金属体2に密着した状態でソケット部11に取り付けられている。この結果、光源部10で発生する熱を金属体2を介して熱伝導樹脂部材に効率良く伝達させることができるので、従来のアルミニウムダイカストの放熱効果とほぼ同等もしくはそれ以上の放熱効果を達成することができる。これにより、熱伝導樹脂部材8の小型化すなわち光源ユニット1の小型化を図ることができる。
【0097】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、ソケット部11の熱伝導樹脂部材8と金属体2とがそれぞれ別個に成形されていて、金属体2が熱伝導樹脂部材8に固定されるものである。この結果、熱伝導樹脂部材8の製造工程と、熱伝導樹脂部材8に金属体2を固定する工程とを、並行して行うことができるので、ソケット部11の製造タクトを短くすることができ、しかも、製造コストを安価にし、金型の耐久性を向上させることができる。
【0098】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、金属体2が、熱伝導樹脂部材8に薄く均一に引き伸ばされたグリース21を介して密着した状態で固定されている。このために、金属体2の固定面20と熱伝導樹脂部材8の天板部80の固定面81との間は、空気層がなく密着している。これにより、金属体2から熱伝導樹脂部材8への熱伝導効率が向上し、放熱効果を向上させることができる。
【0099】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、熱伝導樹脂部材8の天板部80の固定面81には、金属体2の外周縁よりも小さい周の形状の溝84が設けられている。この結果、車両に取り付けた状態での外部環境変動、機械的振動などの外部要因によっても、金属体2の固定面20と熱伝導樹脂部材8の天板部80の固定面81との間に介在するグリース21が溝84より外側に漏れるのを防止することができる。
【0100】
特に、この実施形態のように、金属体2の外周縁には回避凹部23が設けられていて、金属体2の外周縁の形状が複雑である場合においては、金属体2の外周縁に熱伝導樹脂部材8の固定リブ82を全周に亘って固定することができない。このために、この実施形態においては、金属体2の回避凹部23以外の外周縁の3辺に熱伝導樹脂部材8の固定リブ82を部分的に加締め付けるものである。ここで、溝84を設けずに、金属体2の外周縁に固定リブ82を部分的に加締め付けた場合においては、金属体2の固定面20と熱伝導樹脂部材8の天板部80の固定面81との間に介在するグリース21が外側に漏れる場合がある。そこで、熱伝導樹脂部材8の固定面81に金属体2の外周縁よりも小さい周の形状の溝84を設けることにより、金属体2の固定面20と熱伝導樹脂部材8の天板部80の固定面81との間に介在するグリース21が溝84より外側に漏れるのを防止することができる。
【0101】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、熱伝導樹脂部材8と金属体2とには、相互の位置を決める位置決め部の位置決め凸部83と4角とがそれぞれ設けられている。このために、金属体2を熱伝導樹脂部材8に固定する際に、熱伝導樹脂部材8と金属体2とが位置決め部の位置決め凸部83と4角とにより相互に位置決めされるので、金属体2を熱伝導樹脂部材8の正規の位置に固定することができる。
【0102】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、熱伝導樹脂部材8を射出成形する際の成形金型のゲートであって、1点ゲートG1が熱伝導樹脂部材8の他端面の中心もしくはその近傍、すなわち、中央のフィン部89の他端面の中心もしくはその近傍に位置し、2点ゲートG2が熱伝導樹脂部材8の一端面の一直線もしくはほぼ一直線上、すなわち、取付部805の一端面の一直線もしくはほぼ一直線上に位置する。このゲートG1、G2により、熱伝導樹脂部材8を成形する炭素繊維を含有する樹脂の流れ方向(
図4中の前記ゲートG1、G2の実線矢印方向)が、フィン部89においてフィン部89の突出方向とほぼ一致し、かつ、天板部80において天板部80の面方向(
図4中の前記ゲートG1、G2の実線矢印方向とほぼ直交する方向)とほぼ一致する。この結果、熱伝導樹脂部材8の放熱ルートと、熱伝導樹脂部材8の炭素繊維の長手方向とがほぼ合致するので、放熱効率を向上させることができる。
【0103】
1点ゲートG1においては、
図3、
図4、
図9に示すように、中央のフィン部89のコネクタ嵌合部801に連なる部分には、第2空隙809が形成されている。このために、炭素繊維を含有する樹脂の流れにおいて、コネクタ嵌合部801を介して、フィン部89の突出方向とほぼ直交する方向の流れが発生するのを防ぐことができる。これにより、炭素繊維を含有する樹脂の流れは、フィン部89の突出方向となるので、熱伝導樹脂部材8のフィン部89における放熱ルートと、熱伝導樹脂部材8の炭素繊維の長手方向とがほぼ合致し、放熱効率を向上させることができる。
【0104】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、2点ゲートG2が、熱伝導樹脂部材8の成形時において、金属体2の固定面20よりも上位に位置する。このために、熱伝導樹脂部材8の成形時において、炭素繊維を含有する樹脂は、放熱ルートであるフィン方向へ流れるため、熱伝導効率を低下させることなく維持することができる。
【0105】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、熱伝導樹脂部材8には、光源ユニット1が装備されている車両用灯具100を車両に装備した際に、垂直方向に位置するフィン部89と空隙としての貫通空隙800とが設けられている。この結果、垂直方向の対流発生用の貫通空隙800により、熱伝導樹脂部材8の放熱効果が向上され、その分、熱伝導樹脂部材8の小型化すなわち光源ユニット1の小型化を図ることができる。
【0106】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、熱伝導樹脂部材8が、ソケット部11の外装部分を形成し、熱伝導樹脂部材8には、フィン部89以外に、光源ユニット1を車両用灯具100に装備するための取付部805および鍔部804、また、基板3を保護する基板保護壁85が設けられている。この結果、熱伝導樹脂部材8の外気への放射面積(輻射面積)を大きくすることができ、その分、熱伝導樹脂部材8の放熱効果をさらに向上させることができる。これにより、熱伝導樹脂部材8の小型化すなわち光源ユニット1の小型化を図ることができる。
【0107】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、熱伝導樹脂部材8の炭素繊維を含有する樹脂の熱放射作用(熱輻射作用、炭素繊維を含有する樹脂の輻射係数は約0.9程度である)により、熱伝導樹脂部材8の放熱効果をさらに向上させることができる。
【0108】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、熱伝導樹脂部材8がソケット部11の外装部分を形成し、熱伝導樹脂部材8の外面、すなわち、フィン部89、基板保護壁85、コネクタ嵌合部801、鍔部804、取付部805の外面には、小凹凸が設けられている。この結果、熱伝導樹脂部材8の外面、すなわち、フィン部89、基板保護壁85、コネクタ嵌合部801、鍔部804、取付部805の小凹凸により、乱流(図示せず)が発生する。その乱流の発生に伴って、天板部80からフィン部89、基板保護壁85、コネクタ嵌合部801、鍔部804、取付部805に伝達される熱は、そのフィン部89、基板保護壁85、コネクタ嵌合部801、鍔部804、取付部805の外面から外部に効率良く放射(輻射)される。また、熱伝導樹脂部材8の外面の小凹凸により、放射(輻射)面積が増して、その分、熱が効率良く外部に放射(輻射)される。これにより、熱伝導樹脂部材8の小型化すなわち光源ユニット1の小型化を図ることができる。
【0109】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、ソケット部11には、熱伝導樹脂部材8の一部のコネクタ嵌合部801と給電部材91〜93の一部のターミナル910〜930とから構成されている光源側のコネクタ部13を小型化することにより、光源ユニット1の奥行き方向の寸法の小型化も図ることができる。すなわち、コネクタ部13を構成する熱伝導樹脂部材8のコネクタ嵌合部801が小型であるから、熱伝導樹脂部材8のフィン部89においてコネクタ嵌合部801が占める割合が小さい。このために、コネクタ嵌合部801の凹部802を熱伝導樹脂部材8中(基板3側)に位置させても、放熱効果の低下が小さくて済む。これにより、光源ユニット1の奥行き方向の寸法(
図4の高さ方向の寸法であって、光源ユニット1を車両用灯具100の灯室105内に挿入する方向の寸法)を小さくすることができる。
【0110】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、コネクタ部13の上部には、光源ユニット1が装備されている車両用灯具100を車両に装備した際に、垂直方向に位置するフィン部89と上部(上端部89)が開口している空隙としての貫通空隙800とが配置されていて、コネクタ部13の側部には、光源ユニット1が装備されている車両用灯具100を車両に装備した際に、垂直方向に位置するフィン部89と上下に貫通する空隙としての貫通空隙800とが配置されている。すなわち、ソケット部11の熱伝導樹脂部材8の下側に、光源ユニット1が装備されている車両用灯具100を車両に装備した際に下側に位置するように、コネクタ部13を設けたものである。このために、コネクタ部13のコネクタ嵌合部801の左右両側の貫通空隙800は、下から上に貫通していて、コネクタ部13のコネクタ嵌合部801の上側の貫通空隙800は、コネクタ嵌合部801から上に貫通している。これにより、対流が効率良く発生して、放熱効果を向上させることができる。
【0111】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、絶縁部材7と給電部材91〜93とが、一体に組み立てられていて、コネクタ嵌合部801から熱伝導樹脂部材8中に一体に組み込まれている。この結果、絶縁部材7と熱伝導樹脂部材8とを一体成形もしくは2色成形する必要がないので、金型の構造が簡単になり、製造コストを安価にすることができる。
【0112】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、絶縁部材7と給電部材91〜93とが、一体に組み立てられていて、コネクタ嵌合部801から熱伝導樹脂部材8中に一体に組み込まれている。この結果、絶縁部材7と熱伝導樹脂部材8との界面がコネクタ嵌合部801内に位置する。コネクタ嵌合部801にコネクタ14を嵌合することにより、コネクタ嵌合部801内の防水性が確保されるので、防水効果が向上される。
【0113】
この実施形態における光源ユニット1および車両用灯具100は、横一直線上に配置されている給電部材91〜93の一端部がストレートピンからなり、そのストレートピンの給電部材91〜93の一端部が基板3に半田62もしくは溶接などにより電気的に接続されていてかつ機械的に取り付けられている。この結果、基板3の面積を小さくすることができ、その分、小型化することができる。すなわち、光源ユニット1の横方向の寸法(
図2、
図3の上下方向の寸法、もしくは、左右方向の寸法であって、光源ユニット1の円筒形状の熱伝導樹脂部材8の径方向の寸法)を小さくすることができる。
【0114】
「実施形態以外の例の説明」
なお、前記の実施形態においては、5個の発光チップ40〜44を使用するものである。ところが、この発明においては、発光チップとして、2個〜4個、6個以上であっても良い。テールランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウト、および、ストップランプ機能として使用する発光チップの個数やレイアウトは、特に限定しない。すなわち、複数個の発光チップが一列にあるいは円周上に実装されていれば良い。しかも、複数個の発光チップを円周上に配置する場合において、円周の中心に発光チップを配置しなくても良い。その上、2個以上の発光チップを円周上に配置する場合において、等間隔に配置しなくても良い。
【0115】
また、前記の実施形態においては、テール・ストップランプの複機能のランプに使用するものである。ところが、この発明においては、テール・ストップランプの複機能のランプ以外のコンビネーションランプの複機能のランプにも使用することができる。すなわち、小電流が供給され発光量が小さい発光チップと大電流が供給され発光量が大きい発光チップとを、発光量が小さいサブフィラメントと発光量が大きいメインフィラメントとに、代用することができる。
【0116】
さらに、前記の実施形態においては、テール・ストップランプの複機能のランプに使用するものである。ところが、この発明においては、単機能のランプにも使用することができる。すなわち、複数個の発光チップをシングルフィラメントに代用して単機能のランプに使用することができる。単機能のランプとしては、ターンシグナルランプ、バックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、ヘッドランプのロービームランプ(すれ違い用ヘッドランプ)、ヘッドランプのハイビームランプ(走行用ヘッドランプ)、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプ、ディタイムランニングランプなどがある。
【0117】
さらにまた、前記の実施形態においては、テールランプとストップランプとの2個のランプの切替に使用するものである。ところが、この発明においては、3個以上のランプの切替にも使用でき、または、切替を行わない1個のランプにも使用できる。
【0118】
さらにまた、前記の実施形態においては、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向と光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向とが一致する(平行である)ものである。ところが、この発明においては、電源側のコネクタ14のコネクタ部13への取付方向と光源ユニット1の車両用灯具100への取付方向とが交差(直交)するものであっても良い。
【0119】
さらにまた、前記の実施形態においては、電源側のコネクタ14をコネクタ部13の内部および外部に嵌合するものである。ところが、この発明においては、電源側のコネクタを、コネクタ部の外側に、あるいは、コネクタ部の内側に、嵌合するものであっても良い。
【0120】
さらにまた、前記の実施形態においては、包囲壁部材18の壁部の内周面の一端(下端)から他端(上端)にかけて末広がりに傾斜している反射面が設けられているものである。ところが、この発明においては、包囲壁部材18の壁部の内周面に反射面を設けなくても良い。この場合において、包囲壁部材18の壁部の内周面は、傾斜面ではなく、垂直面であっても良い。
【0121】
さらにまた、前記の実施形態においては、包囲壁部材18の壁部の肉厚(壁部の内周面から外周面までの厚さ)がほぼ均一(均等)である。ところが、この発明においては、包囲壁部材18の壁部の肉厚がほぼ均一でなくても良い。
【0122】
さらにまた、前記の実施形態においては、包囲壁部材18の壁部の内周面の形状が円形状、すなわち、基板3の実装面34に対して垂直方向に見て、4個の発光チップ41〜44の円周と同心円の円形状である。ところが、この発明においては、包囲壁部材18の壁部の内周面の形状が、楕円形状、あるいは、楕円を基調とした形状(すなわち、基準楕円の長軸方向の両端部の曲線を基準楕円の中心側に変位させた形状)であっても良い。この場合においては、複数個の発光チップを楕円あるいは基準楕円の長軸方向に一列に配置する。
【0123】
さらにまた、前記の実施形態においては、熱伝導樹脂部材8が少なくとも炭素繊維を含有する樹脂の射出成形品から構成されているものである。ところが、この発明においては、熱伝導樹脂部材8を、炭素繊維を含有しない樹脂、または、炭素繊維および炭素顆粒を含有しない樹脂から構成しても良い。
【0124】
さらにまた、前記の実施形態においては、熱伝導樹脂部材8の位置決め凸部83と金属体2の4角により、熱伝導樹脂部材8と金属体2との相互位置を決めるものである。ところが、この発明においては、位置決め凸部83と金属体2の4角との代用に、熱伝導樹脂部材8の固定リブ82と金属体2の3辺とを位置決め部として兼用しても良い。この場合においては、金属体2の回避凹部23における位置決め部が必要となる。また、位置決め凸部83と金属体2の4角、および、固定リブ82と金属体2の3辺を併用しても良い。
【0125】
さらにまた、前記の実施形態においては、溝84を熱伝導樹脂部材8に設けるものである。ところが、この発明においては、溝を金属体2に設けても良いし、あるいは、溝を熱伝導樹脂部材8と金属体2との双方に設けても良い。
【0126】
さらにまた、前記の実施形態においては、ソケット部11の熱伝導樹脂部材8の下側の箇所(光源ユニット1が装備されている車両用灯具100を車両に装備した際に下側となる箇所)に防水コネクタのコネクタ部13を設けたものである。ところが、この発明においては、ソケット部11の熱伝導樹脂部材8の側方の箇所(光源ユニット1が装備されている車両用灯具を車両に装備した際に側方となる箇所)に防水コネクタのコネクタ部13を設けたものであっても良い。