【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のある態様によると、セルラ通信ネットワークにおける通信リソースを制御する方法が提供される。前記セルラ通信ネットワークは、少なくとも1つの基地局の制御下にあり且つ前記通信リソースを用いて通信リンクを介して通信する複数のセルを有し、同一の通信リソースを用いる前記複数のセルのうちの2つの近隣セル間の距離は、前記同一の通信リソースの再利用距離として定められ、前記方法は、
前記複数のセルのうちの第1のセルのために、通信リソースの第1の設定を構成するステップ、
前記第1の設定で示された通信リソースの第1のセットを用いるよう、前記第1のセルを制御するステップであって、
高い負荷値により表される第1の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセットのうちの通信リソースの高い負荷のセットを用いるよう前記第1のセルを制御し、
低い負荷値により表される第2の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセットのうちの通信リソースの低い負荷のセットを用いるよう前記第1のセルを制御する、
ことにより前記第1のセルを制御するステップ、
を有し、
前記第1の負荷は、前記第2の負荷よりも高く、
前記低い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離は、前記高い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離よりも大きい。
【0014】
本発明の発明者等は、例えば、少ない通信リソースをトラフィック負荷が長期間に亘って減少しているセルに割り当て、高いトラフィック負荷値を有する他のセルの通信リソースに比べて低いトラフィック負荷値を有するセルのセル中心に少ない通信リソースを割り当てること等により、トラフィック負荷値に依存して通信リソースの再利用距離を変化することにより、セル間領域のSIRを向上することができることを見出した。通信リソースは、望ましくは、周波数、時間、符号、及び/又は空間リソースである。空間リソースは、例えば送信ビームの方向の観点から定められてもよい。提案されるリソース割り当てアルゴリズムは、例えばソフトFFRや非FFRの知られている静的リソース割り当てアルゴリズムよりも優れた干渉パワーの低減を達成する。さらに、Green無線アプリケーションでは、ていあんされるリソース割り当てアルゴリズムの干渉の低減は、基地局、例えばeNodeB(eNB)にセル中心における通信リソース及びセル端における通信リソースに対して、干渉の低減により、低い送信パワーで動作可能にし、したがってエネルギの節約を達成する。
【0015】
好適な実施形態は集中型、動的リソース割り当てアルゴリズムに関するが、本発明は、各基地局における所定の静的リソース割り当て設定(「設定」は、「パターン」又は「構成」とも称される)を伴う実施形態であって、通信リソースの使用が必要に応じて負荷条件により分けられ、したがって、より低い負荷を有するセルのセル中心により高い負荷を有する他のセルより少ない通信リソースを提供する実施形態も包含する。別の実施形態では、本発明は、(緊急事態のような)予定外のイベントが特定のセル又は複数のセルの領域で生じたというような状況に所定のパターンを適応し、したがって所望の領域で追加容量を生成するために現在の割り当てパターンを無効にして新しいパターンを考案する柔軟性を提供するハイブリッド型の静的/動的割り当てアルゴリズムに関する。
【0016】
現在、静的ソフトFFR割り当てパターンが、4Gネットワークのために提案されている。知られている静的ソフトFFRの展開では、セル端領域は、上述のように周波数再利用3のパターンが割り当てられ、一方で、セル中心領域は、たとえ送信パワーが低減しても残りの周波数帯域が割り当てられる。サブキャリア・リソースは無作為に選ばれるので、低い負荷では衝突の可能性が低く、したがって干渉が減少する。しかしながら、発明者等は、望ましくは、動的に周波数(及び/又は時間)リソースを負荷条件に依存してセルに割り当てることにより、知られている静的スキームよりも優れた有意な干渉の低減を達成できることを見出した。
【0017】
時間/周波数領域のスケジューリング技術を用いる例えばLTEのようなOFDMAシステムでは、セル内のダウンリンクの低いトラフィック負荷は、時間/周波数領域送信リソースの低い占有率、結果としてこれらのリソースの他のアクティブなセルとの平均衝突数の減少をもたらす。これは、知られている静的ソフトFFRリソース割り当ての使用に基づく。知られているソフトFFRは、全てのセルが全てのリソースに何時でもアクセスすることを可能にし、したがって提供されるネットワーク容量を最大化する。
【0018】
しかしながら、発明者等は、セルが低い負荷状態であるとき、セルは最大容量を提供される必要がないこと、及び同一の時間/周波数リソースの同時使用が、セル内の提供されたリソースを制限することにより大きい再利用距離を分離するよう構成される場合、SIR(信号対干渉比)の有意な向上がセル端領域において達成されうることを認識した。提案される動的リソース割り当てアルゴリズムは、低い負荷のセルについてリソース再利用距離を増大させることにより、可変負荷状態がネットワーク内で優勢なときに特に有利である。
【0019】
高い負荷値及び低い負荷値は、例えば予め定められるか又は動的に調整されてもよい。また、高い負荷と低い負荷との間の区別は、閾負荷値との比較により決定されてもよい。望ましくは、第1の設定で示された通信リソースの第1のセットを使用するよう第1のセルを制御するステップは、高い負荷値により表される第1の負荷が第1のセルに存在する場合、通信リソースの高い負荷のセットを第1のセットとして用いるよう、第1のセルを制御するステップ、低い負荷値により表される第2の負荷が第1のセルに存在する場合、通信リソースの低い負荷のセットを用いるよう、第1のセルを制御するステップを有する。
【0020】
発明者等は、本発明の実施形態が、FFRアルゴリズムに実装されるときに特に有利であることを見出したが、本発明の他の実施形態は、非FFRアルゴリズムにも関連する。また、幾つかの実施形態は、全てのセル(又は複数のセル)が長期間に亘って変化する同一のトラフィック負荷を有する又は有すると考えられるセルラ・ネットワークを参照してもよい。一方で、他の実施形態は、セルが、長期間に亘り変化しても変化しなくてもよい異なるトラフィック負荷値を有するセルラ・ネットワークに関連する。
【0021】
同一の通信リソースを再利用するまでの「目標距離」(予め定められた再利用距離である)は、同一のセル種類が展開されている同種のネットワークで適用可能である。しかしながら、異種ネットワークでは、例えばマクロ、マイクロ及びピコ(場合によってはフェムトも)セルの混合が展開され、「目標距離」は、正確な距離指標ではなく、別のセルで使用される又は割り当てられた同一のリソースに到達するまでに横切るセルの数を表しうる。「再利用距離」により、所与の通信リソースを割り当てられたセルと同一の通信リソースを割り当てられた別のセルとの間の最小セル数を表すことができる。規則的な周波数再利用パターンが適用される場合、再利用距離は、再利用パタ―ンの1つの反復要素の中で異なるリソースを有するセルの数に直接関連する。
【0022】
集中型構成アルゴリズムの好適な実施形態は、自己組織ネットワーク(SON)サーバのような中央制御ユニットに実装することができるが、別の好適な実施形態では、分散型構成の分散制御ユニットが例えば基地局に実装されてもよい。集中型構成は、LTEのX2シグナリングのような、分散型リソース割り当てアルゴリズムで必要とされる基地局間のシグナリングを回避するという利益をもたらす。
【0023】
したがって、本発明は、通信リソースを基地局(eNodeB)に望ましくは動的に割り当てる集中型及び/又は分散型アルゴリズムに関する。大きい再利用距離の通信リソースは、高い負荷を有するセルと比べて低い負荷を有するセルに割り当てられる。リソース割り当ては、セルを制御する基地局によりサポートされる負荷に依存する。
【0024】
提案されるアルゴリズムは、望ましくは、セル間干渉を低減するために、少なくとも幾つかの直交リソースを隣接セルに割り当てる。アルゴリズムは、例えば、高位層においてSONサーバ等にeNodeBネットワークに又は低位層のRNC(Radio Network Controller)に実装されてもよい。提案されるアルゴリズムは、セルラ通信ネットワークのセルの全て、一部又は1つののみに適用されてもよい。
【0025】
好適な実施形態では、前記方法は、前記低い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの再利用距離及び/又は前記高い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの再利用距離に依存して、前記複数のセルのうちの第2のセルのために、通信リソースの第2の設定を構成するステップであって、前記第2の設定は、前記第2のセルにより用いられるべき通信リソースの第2のセットを示す、ステップ、
を更に有し、
前記第2のセットの少なくとも1つの通信リソースの再利用距離は、前記第1のセットの少なくとも1つの通信リソースの再利用距離よりも大きい。
【0026】
したがって、第2のセルは第1のセルよりも低いトラフィック負荷を有することが望ましい。しかしながら、別の実施形態では、第2のセルは、第1のセルと同一のトラフィック負荷を有してもよい。
【0027】
(第1のセルのような)最大負荷を有するセルの設定は、(第2のセルのような)少ない負荷を有するセルの他の設定を構成するセルラ・ネットワークの基本又は規定の設定として用いられてもよい。望ましくは、他の設定は、基本又は規定の設定の個々の通信リソースの再利用距離を最大化(又は増大)させることにより構成される。しかしながら、本発明は、第2の設定が第1のセットとは独立に構成される実施形態も包含する。つまり、第2のセル(又は複数のセルのうちの任意の他のセル)の通信リソースは、第1のセルに関して上述したように制御されることが望ましい。
【0028】
好適な実施形態では、前記第1のセルは、前記第1のセルと関連付けられた前記通信リンクの負荷を表す第1の負荷値を有し、前記方法は、
前記複数のセルのうちの第2セルのために、通信リソースの第2の設定を構成するステップであって、前記第2のセルは、前記第2のセルと関連付けられた前記通信リンクの負荷を表す第2の負荷値を有し、前記第1の負荷値は前記第2の負荷値よりも高い、ステップ、
前記第2の設定で示された通信リソースの第2の設定を用いるよう、前記第2のセルを制御するステップであって、前記第2のセットは、前記第1のセットよりも少ない通信リソースを有する、ステップ、
を更に有する。
【0029】
望ましくは、第2のセルは第1のセルの近隣セルである。望ましくは、第1及び第2の設定の少なくとも幾つかの通信リソースは、重なり合い、同一である。望ましくは、第2のセルは第1のセルより低い負荷を有する。望ましくは、第1のセルは、セルラ・ネットワークの最も高い負荷値のセルであり、第2のセルは、セルラ・ネットワークの2番目に高い負荷値のセルである。望ましくは、割り当ては、負荷状態が変化したときに規則的な間隔で更新される。
【0030】
好適な実施形態では、前記第1のセットは、前記第1のセルの第1のセル中心領域のための第1のセル中心通信リソースと、前記第1のセルの第1のセル端領域のための第1のセル端通信リソースと、を有し、前記第1のセル端通信リソースは前記第1のセル中心通信リソースと異なり、
前記第2のセットは、前記第2のセルの第2のセル中心領域のための第2のセル中心通信リソースと、前記第2のセルの第2のセル端領域のための第2のセル端通信リソースと、を有し、前記第2のセル端通信リソースは前記第2のセル中心通信リソースと異なり、
前記第2のセル中心通信リソースは、前記第1のセル中心通信リソースよりも少ない。
【0031】
望ましくは、第2のセル中心通信リソースは、第1のセル中心通信リソースよりも少ない。望ましくは、第2のセル中心通信リソースは、第1のセル中心通信リソースよりも少ない。望ましくは、第2のセル中心領域は、第1のセル中心領域よりも小さい。さらに、望ましくは、第2のセル中心通信リソースの送信パワーは、第1のセル中心通信リソースの送信パワーよりも小さい。
【0032】
好適な実施形態では、前記第1及び/又は第2の設定を構成するステップは、前記第1及び/又は第2の設定に含まれる前記通信リソースに優先度情報を割り当てるステップを有し、
前記第1及び/又は第2のセルを制御するステップは、前記優先度情報に基づき、前記第1及び/又は通信リソースの第2のセットを用いるよう、前記第1及び/又は第2のセルを制御するステップを有する。
【0033】
望ましくは、第1の設定を表す第1の設定情報は、通信リソースの第1のセットを使用するための優先度情報を有し、第2の設定を表す第2の設定情報は、通信リソースの第2のセットを使用するための優先度情報を有する。
【0034】
用語「通信リソースの設定」は、1つのセルに対する全ての通信リソースの全体的な構成を表すと理解される。また、用語「通信リソースのセット」は、セルの通信リンクで実際に用いられる通信リソースを表すと理解される。したがって、「設定」は通信リソースをアクティブにすること及び非アクティブにすることを表し、「セット」はアクティブな通信リソースのみを表す。優先度情報は、セルを制御する基地局の側で、アクティブな通信リソースのセットのうちどの通信リソースが実際に使用されるべきであると設定の構成で示されているかを決定するために用いられる。したがって、どの通信リソースを使用すべきかの実際の決定(「選択」又は「分離」とも称される)は、現在の負荷値に依存して基地局側で行われてもよい。セルの現在の負荷値が低い場合、基地局は、高い優先度を有する通信リソースのみを用いるようセルを制御してもよい。一方で、現在の負荷値が高い場合、基地局は、高い及び低い優先度を有する通信リソースを用いるようセルを制御してもよい。集中型リソース割り当てアルゴリズムの好適な実施形態では、第1及び/又は第2の設定の通信リソースは、第1及び/又は第2のセットの通信リソースと同一である。分散型リソース割り当てアルゴリズムの好適な実施形態では、第1及び/又は第2の設定の通信リソースは、第1及び/又は第2のセットの通信リソースと異なる。つまり、第1及び/又は第2の設定で示される通信リソースは、第1及び/又は第2のセットで示されるものより多い。望ましくは、第1及び/又は第2の設定で示されたが第1及び/又は第2のセットで示されていない残りの通信リソースは、オプションの通信リソース及び/又は低優先度を有する通信リソースである。
【0035】
したがって、分散型動的(又は静的/動的のハイブリッド型)リソース割り当てスキームの実施形態では、各セルの通信リソースは、設定で、望ましくは規定の設定で予め定められるが、各通信リソースは割り当てられた優先度を有し、通信リソースは、基地局側でそのセルの現在のトラフィック負荷を充足するのに必要なレベルに優先度の順序で割り当てられる。各セルの優先度の順序は、ネットワークの所与の負荷において再利用距離を増大又は最大化するために決定されてもよい。
【0036】
好適な実施形態では、前記方法は、
前記複数のセルと関連付けられた前記通信リンクの負荷を表す負荷値を決定するステップであって、前記負荷値は、前記高い及び低い負荷値又は前記高い、低い、第1の及び第2の負荷値を有する、ステップ、及び/又は
前記複数のセルと関連付けられた通信リンクの負荷を表す負荷値を予測するステップであって、前記負荷値は、前記高い及び低い負荷値、又は前記高い、低い、第1の及び第2の負荷値を有する、ステップ、
を更に有し、
前記方法は、
前記第1及び第2のセット及び/又は前記第1及び第2の設定を前記決定された及び/又は予測された負荷値に基づき適応するステップ、
を更に有する。
【0037】
望ましくは、高い負荷値及び低い負荷値は、所定の負荷値であり、第1の負荷値及び第2の負荷値は、決定された、望ましくは測定された負荷値である。
【0038】
決定するステップ及び/又は予測するステップは、望ましくは基地局で実行される。したがって、各基地局は、セルに関連付けられたセルの負荷値を決定及び/又は予測し、負荷値に基づき設定を構成するために、負荷値を表す負荷値情報を中央サーバの制御ユニットへ送信してもよい。
【0039】
また、決定するステップ及び/又は予測するステップは、望ましくは中央制御ユニットで実行される。したがって、前記方法は、複数のセルと関連付けられた通信リンクの負荷を表す負荷値情報を少なくとも1つの基地局から受信するステップを更に有し、前記負荷値は第1及び第2の負荷値を有し、前記負荷値を決定するステップ及び/又は予測するステップは、前記負荷値情報に基づき負荷値を決定及び/又は予測するステップを有する。
【0040】
さらに、望ましくは、前記方法は、決定された及び/又は予測された負荷値に基づき、前記第1及び第2の設定を構成するステップを更に有する。望ましくは、前記方法は、第1及び/又は第2の設定を表す第1及び/又は第2の設定情報を、第1及び/又は第2のセルを制御する少なくとも1つの基地局へ送信するステップを有する。
【0041】
また、望ましくは、負荷値は規定の負荷値であって、例えばセルラ通信ネットワーク又はそのエンティティの起動時に予め定められる。
【0042】
好適な実施形態では、前記方法は、
前記第1及び/又は通信リソースの第2のセットを有効及び/又は無効にするために、前記第1及び/又は第2のセルを更新された第1及び/又は第2の設定で更新するステップ、
を更に有する請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
【0043】
望ましくは、通信リソースを有効及び/又は無効にするステップは、前記第1及び/又は第2のセル中心通信リソースのうちの少なくとも1つの通信リソースを有効及び/又は無効にするステップを有する。
【0044】
望ましくは、通信リソースを有効及び/又は無効にするステップは、決定された及び/又は予測された負荷値に基づき及び/又は受診された負荷値情報に基づき、前記第1及び/又は第2のセットの少なくとも1つの通信リソースを有効及び/又は無効にするステップを有する。別の実施形態では、更新処理が規則的に繰り返される。別の実施形態では、更新処理は、例えば第1及び/又は第2の負荷値が閾値を超える等のような特定の出来事が生じると実行されてもよい。
【0045】
好適な実施形態では、前記第2のステップ前記第2の設定を構成するステップは、前記第2の設定及び/又は前記第2のセットの通信リソースを、前記第2の負荷値と前記第1の設定及び前記第1のセットとに基づき、選択するステップを有する。
【0046】
望ましくは、第1の設定は、通信リソースの第1のセットを示し、第2の設定は通信リソースの第2のセットを示し、少なくとも1つのオプションの及び/又は禁止された通信リソースは第1の設定に含まれる。したがって、第1の負荷値が増大し、第2のセルのためにより多くの通信リソースが必要な場合、第2のセルは、第2のセットの通信リソースだけでなく、1又は複数のオプションの通信リソースも使用してもよい。オプションの通信リソースは、優先度情報により示されてもよい。オプションの通信リソースは、第2のセル中心のためのオプションの通信リソース、つまりオプションの第2のセル中心通信リソースであってもよい。しかしながら、第2のセルは、第1のセットの通信リソースでありうる禁止された通信リソースを使用しない。望ましくは、少なくとも1つのオプションの及び/又は禁止された通信リソースは、通信リソースの第1のセットに含まれる。さらに、望ましくは、閾負荷値は、所定の負荷値及び/又は予測された第2の負荷値である。
【0047】
別の好適な実施形態では、前記第2の設定を構成するステップは、前記第2の設定及び/又は前記第2のセットの前記通信リソースを、前記第2の負荷値と、前記第1の設定及び/又は前記第1のセットと、に基づき選択するステップを含む。
【0048】
更に別の実施形態では、前記第2の設定を構成するステップは、
前記第1のセル端通信リソースを予め選択し、
前記予め選択した通信リソースのうちの少なくとも1つの選択を解除する、
ことにより、前記第2のセル中心通信リソースを選択するステップを含む。
【0049】
望ましくは、前記第2の設定を構成するステップは、
複数のセルのうちの前記第1のセル端通信リソース及び第3のセルの第3のセル端通信リソースを予め選択し、
前記予め選択した通信リソースのうちの少なくとも1つの選択を解除する、
ことにより、前記第2のセル中心通信リソースを選択するステップを含む。望ましくは、第1のセル中心通信リソースを選択するステップは、第1の設定及び/又は第2の設定の通信リソースの再利用距離に基づく。
【0050】
別の実施形態では、前記方法は、
前記予め選択した通信リソースの再利用距離を決定するステップ、
を更に有し、
前記予め選択した通信リソースのうちの少なくとも1つの選択を解除するステップは、前記予め選択した通信リソースの前記決定した再利用距離に基づく。
望ましくは、少なくとも1つの予め選択された通信リソースを解除するステップは、予め選択された通信リソースの目標再利用距離に基づく。望ましくは、少なくとも1つの予め選択された通信リソースを解除するステップは、予め選択された通信リソースの目標再利用距離を増大させることに基づく。さらに望ましくは、前記方法は、第1及び第2のセル端領域のセル間領域における信号対干渉比を決定するステップを更に有し、少なくとも1つの予め選択された通信リソースの選択を解除するステップは、前記信号対干渉比に基づく。
【0051】
好適な実施形態では、前記方法は、
前記複数のセルのうちの第2のセルのために、通信リソースの第3の設定を構成するステップであって、前記第3のセルは、前記第3のセルと関連付けられた前記通信リンクの負荷を表す第3の負荷値を有し、前記第2の負荷値は前記第3の負荷値よりも高い、ステップ、
前記第3の設定で示された通信リソースの第3のセットを用いるよう、前記第3のセルを制御するステップ、
を更に有し、
前記第3のセットは、前記第3のセルの第3のセル中心領域のための第3のセル中心通信リソースと、前記第3のセルの第3のセル端領域のための第3のセル端通信リソースと、を有し、前記第3のセル端通信リソースは、前記第3のセル中心通信リソースと異なり、前記第3のセル中心通信リソースは前記第2のセル中心通信リソースよりも少ない、又は 前記第3のセットは、前記第3のセルの第3の領域のための第3のセル通信リソースを有し、前記第3のセル通信リソースは前記第2のセル中心通信リソースよりも少ない。
【0052】
したがって、提案されるリソース割り当てアルゴリズムは、セルラ・ネットワークの任意の数のセルに適用できる。したがって、本発明は、異なる負荷値を有する2つより多いセルを備えたシナリオも、異なる負荷値を有する複数のセルを備えたシナリオも包含する。ここで、複数のセルのうちの少なくとも2つのセルは、同一の負荷値を有してもよい。さらに、本発明の実施形態は、異なるセルの負荷値が時間に伴い変化し、結果として時間と共に変化するリソース割り当て(望ましくは、設定において)及びリソース使用(望ましくは、セットにおいて)をもたらすシナリオも包含する。
【0053】
ある実施形態では、第3のセルが最も低い負荷値を有するセルである場合、第3のセル領域は、第3のセルの全領域である。第3のセル端通信リソースは、第3のセル中心通信リソースと同じであっても良い。第3の設定は、第3の通信リソースが全体として第3のセルで使用されるべきであると示してもよい。したがって、第3のセル領域は、第3のセル中心領域と第3のセル端領域とに分割されないことが望ましい。しかしながら、代替の実施形態では、第3のセル領域は、第3のセル中心領域と第3のセル端領域とに分割される。
【0054】
第1のセル及び第2のセルに関して説明されたのと同様の実施形態は、第2のセル及び第3のセル(又は他の任意の数のセル)のために提供されてもよい。例えば、望ましくは、前記方法は、第2のセットの通信リソースの第2の再利用距離を決定するステップ、を更に有し、前記第3の設定を構成するステップは、前記第1及び/又は第2の再利用距離に基づき、前記第3の設定を構成するステップを有する。また、望ましくは、前記第3の設定を構成するステップは、前記第3の設定及び/又は前記第3のセットの前記通信リソースを、前記第3の負荷値と、前記第1及び/又は第2の設定、及び/又は前記第1及び/又は第2の設定に基づき選択するステップを含む。
【0055】
別の態様では、本発明は、セルラ通信ネットワークにおける通信リソースを制御する制御ユニットに関する。前記セルラ通信ネットワークは、少なくとも1つの基地局の制御下にあり且つ前記通信リソースを用いて通信リンクを介して通信する複数のセルを有し、同一の通信リソースを用いる前記複数のセルのうちの2つの近隣セル間の距離は、前記同一の通信リソースの再利用距離として定められ、前記制御ユニットは、
前記複数のセルのうちの第1のセルのために、通信リソースの第1の設定を構成する設定構成ユニット、
通信リソース制御ユニットであって、
高い負荷値により表される第1の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセットのうちの通信リソースの高い負荷のセットを用いるよう前記第1のセルを制御し、
低い負荷値により表される第2の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセットのうちの通信リソースの低い負荷のセットを用いるよう前記第1のセルを制御する、
ことにより前記第1の設定で示された通信リソースの第1のセットを用いるよう、前記第1のセルを制御する通信リソース制御ユニット、
を有し、
前記第1の負荷は、前記第2の負荷よりも高く、
前記低い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離は、前記高い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離よりも大きい。
【0056】
望ましくは、制御ユニットは、セルラ通信ネットワークのネットワーク制御ユニット内に含まれ、及び/又は少なくとも1つの基地局に含まれる。
【0057】
別の態様では、本発明は、セルラ通信ネットワークの第1のセルを制御する(望ましくは基地局により実行される)方法に関する。前記セルラ通信ネットワークは、少なくとも1つの基地局の制御下にあり且つ通信リソースを用いて通信リンクを介して通信する複数のセルを有し、同一の通信リソースを用いる前記複数のセルのうちの2つの近隣セル間の距離は、前記同一の通信リソースの再利用距離として定められ、前記方法は、
前記第1のセルのための通信リソースの第1の設定を表す第1の設定情報を受信するステップ、
前記第1の設定で示された通信リソースの第1のセットを用いるよう、前記第1のセルを制御するステップであって、
高い負荷値により表される第1の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセットのうちの通信リソースの高い負荷のセットを用いるよう前記第1のセルを制御し、
低い負荷値により表される第2の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセットのうちの通信リソースの低い負荷のセットを用いるよう前記第1のセルを制御する、
ことにより前記第1のセルを制御するステップ、
を有し、
前記第1の負荷は、前記第2の負荷よりも高く、
前記低い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離は、前記高い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離よりも大きい。
【0058】
別の態様では、本発明は、セルラ通信ネットワークの第1のセルを制御する基地局に関する。前記セルラ通信ネットワークは、少なくとも1つの基地局の制御下にあり且つ通信リソースを用いて通信リンクを介して通信する複数のセルを有し、同一の通信リソースを用いる前記複数のセルのうちの2つの近隣セル間の距離は、前記同一の通信リソースの再利用距離として定められ、前記基地局は、
前記第1のセルのための通信リソースの第1の設定を表す第1の設定情報を受信する設定受信ユニット、
通信リソース制御ユニットであって、
高い負荷値により表される第1の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセットのうちの通信リソースの高い負荷のセットを用いるよう前記第1のセルを制御し、
低い負荷値により表される第2の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセットのうちの通信リソースの低い負荷のセットを用いるよう前記第1のセルを制御する、
ことにより前記第1の設定で示された通信リソースの第1のセットを用いるよう、前記第1のセルを制御する通信リソース制御ユニット、
を有し、
前記第1の負荷は、前記第2の負荷よりも高く、
前記低い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離は、前記高い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離よりも大きい。
【0059】
別の態様では、本発明は、セルラ通信ネットワークの第1のセルと通信するユーザ機器を制御する(望ましくはユーザ機器により実行される)方法に関する。前記セルラ通信ネットワークは、少なくとも1つの基地局の制御下にあり且つ通信リソースを用いて通信リンクを介して通信する複数のセルを有し、同一の通信リソースを用いる前記複数のセルのうちの2つの近隣セル間の距離は、前記同一の通信リソースの再利用距離として定められ、前記方法は、
前記第1のセルのための通信リソースの第1の設定を表す第1の設定情報を受信するステップ、
前記第1の設定で示された通信リソースの第1のセットを用いることにより、前記第1のセルと通信するよう、前記ユーザ機器を制御するステップ、
を有し、
高い負荷値により表される第1の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセルは、前記第1のセットのうちの通信リソースの高い負荷のセットを用いるよう制御され、
低い負荷値により表される第2の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセルは、前記第1のセットのうちの通信リソースの低い負荷のセットを用いるよう制御され、
前記第1の負荷は、前記第2の負荷よりも高く、
前記低い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離は、前記高い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離よりも大きい。
【0060】
別の態様では、本発明は、セルラ通信ネットワークの第1のセルと通信するユーザ機器に関する。前記セルラ通信ネットワークは、少なくとも1つの基地局の制御下にあり且つ通信リソースを用いて通信リンクを介して通信する複数のセルを有し、同一の通信リソースを用いる前記複数のセルのうちの2つの近隣セル間の距離は、前記同一の通信リソースの再利用距離として定められ、前記ユーザ機器は、
前記第1のセルのための通信リソースの第1の設定を表す第1の設定情報を受信する設定受信ユニット、
前記第1の設定で示された通信リソースの第1のセットを用いることにより、前記第1のセルと通信するよう前記ユーザ機器を制御する通信制御ユニット、
を有し、
高い負荷値により表される第1の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセルは、前記第1のセットのうちの通信リソースの高い負荷のセットを用いるよう制御され、
低い負荷値により表される第2の負荷が前記第1のセルに存在する場合、前記第1のセルは、前記第1のセットのうちの通信リソースの低い負荷のセットを用いるよう制御され、
前記第1の負荷は、前記第2の負荷よりも高く、
前記低い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離は、前記高い負荷のセットの少なくとも1つの通信リソースの前記再利用距離よりも大きい。
【0061】
別の態様では、本発明は、プログラム・コードを格納するコンピュータ可読媒体に関する。前記プログラム・コードは、実行されると、コンピュータに請求項1乃至12、14及び16の何れか一項の方法を実行させる。更に別の態様では、本発明は、コンピュータにより実行可能な方法に関する。前記方法は、実行されると、コンピュータに請求項1乃至12、14及び16の何れか一項の方法を実行させる。望ましくは、請求項1乃至12、14及び16に定められた前記方法のステップは、ソフトウェア及び/又はハードウェアにより実行されてもよい。また、望ましくは、請求項13、15及び17に定められた前記ユニットは、ソフトウェア及び/又はハードウェアで実施されてもよい。
【0062】
別の態様によると、本発明は、セルラ通信ネットワーク内の通信リソースを制御する方法に関する。前記セルラ通信ネットワークは、少なくとも1つの基地局の制御下にある複数のセルを有し、通信リソースは周波数リソース及び/又は時間リソースであり、前記方法は、
前記複数のセルのうちの第1のセルのために通信リソースの第1の設定を構成するステップであって、前記第1のセルは前記第1のセルと関連付けられた通信リンクの負荷を表す第1の負荷値を有する、ステップ、
前記複数のセルのうちの第2のセルのために通信リソースの第2の設定を構成するステップであって、前記第2のセルは前記第2のセルと関連付けられた通信リンクの負荷を表す第2の負荷値を有する、ステップ、
を有し、
前記第1の負荷値は前記第2の負荷値よりも高く、
前記方法は、
前記第1の設定で示された通信リソースの第1のセットを用いるよう、前記第1のセルを制御するステップであって、前記第1のセットは前記第1のセルの第1のセル中心領域のための第1のセル中心通信リソースと前記第1のセルの第1のセル端領域のための第1のセル端通信リソースとを有し、前記第1のセル端通信リソースは前記第1のセル中心通信リソースと異なる、ステップ、
前記第2の設定で示された通信リソースの第2のセットを用いるよう、前記第2のセルを制御するステップであって、前記第2のセットは前記第2のセルの第2のセル中心領域(12G)のための第2のセル中心通信リソースと前記第2のセルの第2のセル端領域(11G)のための第2のセル端通信リソースとを有し、前記第2のセル端通信リソースは前記第2のセル中心通信リソースと異なる、ステップ、
を有し、
前記第2のセル中心通信リソースは、前記第1のセル中心通信リソースより少ない。
【0063】
好適な実施形態では、第2のセル中心通信リソースは、第1のセル中心通信リソースと異なる。別の好適な実施形態では、第1及び/又は第2のセルのセル端リソースはゼロであり、つまり、セル中心通信リソースとセル端通信リソースとの間に如何なる区別もない。
【0064】
別の態様では、上述の方法により、セルラ通信ネットワークの通信リソースを制御する制御ユニット、上述の方法の態様に従ってセルラ通信ネットワークの第1のセル及び第2のセルを制御する(望ましくは基地局で実行される)方法、上述の方法の態様に従ってセルラ通信ネットワークの第1のセル及び第2のセルと通信するユーザ機器を制御する(望ましくはユーザ機器により実行される)方法、実行されるとコンピュータに上述の方法の態様を実行させる(望ましくはコンピュータ可読媒体に格納された)プログラム・コードを提供する。
【0065】
本願の好適な実施形態は、単なる例として添付の図面を参照して以下に説明される。